JP3778992B2 - 窒化ガリウム系半導体薄膜製造用気相成長装置のヒーター - Google Patents
窒化ガリウム系半導体薄膜製造用気相成長装置のヒーター Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アンモニア等の腐食性ガスを用いる気相成長装置(CVD装置)等に好適な窒化ガリウム系半導体薄膜製造用気相成長装置のヒーターに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
図3は、CVD装置の要部を示す概略図であって、反応管(反応炉)内に設置したフローチャンネル1内に原料ガスを導入し、サセプタ2に載置した基板3に所定の半導体薄膜を形成するものである。サセプタ2は、薄膜の均一性を図るために軸4により回転駆動されるもので、基板3は、サセプタ2の裏面に配置したヒーター5によりサセプタ2を介して所定温度に加熱される。また、ヒーター5の裏面には、熱を有効に利用するための反射板6が設けられており、前記軸4とヒーター5の端子部5a及びヒーター保持用の碍子7が、この反射板6を貫通するようにして設けられている。なお、軸4は中空軸であって、その内部には温度検出器8が設けられている。
【0003】
このようなCVD装置において、基板3を加熱する手段としては、上述のようにヒーター5による抵抗加熱の他、RFコイルによる誘導加熱やランプによる加熱等も考えられるが、ヒーター5による加熱が経済的で温度均一性も得やすいという利点を有している。
【0004】
抵抗加熱を行うヒーター5のヒーター材質(発熱体)として、通常は、高融点金属を用いているが、雰囲気中にアンモニアのような腐食性ガスが存在すると、この腐食性ガスが回転するサセプタ2と反射板6との間や反射板6とフローチャンネル1の開口部との間からヒーター5部分に侵入し、ヒーター加熱時に金属を腐食させて破断させることがあり、ヒーターとしての機能が失われるだけでなく、腐食により発生した金属酸化物が基板を汚染する原因となる。
【0005】
例えば、窒化ガリウム系化合物半導体薄膜をMOCVD法により製造する場合、この反応系においては、基板3を最高約1200℃に加熱し、原料ガスとして有機金属とアンモニアとを用いるのが一般的であり、これらの原料ガスをガス導入路からフローチャンネル1内に導入してサセプタ2上に載置された基板3の上部で加熱し、化学反応によりガリウム窒素膜を基板3に堆積させる。したがって、アンモニア等の腐食性の強いガスを高温に加熱するため、反応管やフローチャンネル1は、石英等の腐食に十分耐えられる材質により形成している。
【0006】
一方、ヒーター5においては、ヒーター5を反応管内の雰囲気と隔絶してアンモニア等の腐食性の強いガスとの接触を断つことも考えられるが、このような構造をとると、ヒーター5から基板3への熱伝達効率が低下し、ヒーター5自体の温度を上げなければならず、材質の選択が制限されることと、反応管内の構造が複雑になるため、大幅なコストアップとなり、現状にそぐわない。
【0007】
そこで近来、ヒーター5の発熱体の材質としてグラファイトが用いられてきている。このグラファイトは、前記金属同様にアンモニアによって腐食されるが、断面積を大きくとれるため、寿命の点で有利である。それでも、ヒーター5の寿命は、通常の装置メンテナンスサイクルに比べて非常に短いので、ヒーター5を交換するために装置を頻繁に停止させなければならなかった。また、カーボン自体も、ガリウム窒素膜中ではP型不純物となるため、基板汚染の可能性も残っていた。
【0008】
このようなことから、ヒーター5の延命を図るために発熱体であるグラファイトの上に種々のコーティングを行うことが試みられている。例えば、ガラス状炭素の含浸、CVD法による炭素、SiCの被覆等が試みられたが、いずれも寿命を大幅に延ばすには至らなかった。
【0009】
そこで本発明は、寿命を大幅に延ばすことができ、ヒーターに掛かるコストを削減できるとともに、ヒーター交換のための装置の停止期間を短くして実験や生産の効率を向上させることができる窒化ガリウム系半導体薄膜製造用気相成長装置のヒーターを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の窒化ガリウム系半導体薄膜製造用気相成長装置のヒーターは、発熱体としてグラファイトを用いた窒化ガリウム系半導体薄膜製造用気相成長装置のヒーターにおいて、所定のヒーターパターンで形成されたヒーター本体部と、該ヒーター本体部からそれぞれ突出した2つの給電部を兼ねる支持部とからなるヒーターを、グラファイトの削りだしにより構成し、該ヒーターを構成するグラファイトの外面全体を窒化ホウ素で被覆するとともに、前記支持部を、前記ヒーターの裏面に設けられた反射板を貫通させて前記気相成長装置のサセプタの裏面に配置したことを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、図面を参照してさらに詳細に説明する。図1は、本発明の気相成長装置用ヒーターの一例を示す平面図であって、グラファイトを所定の形状に削り出したものである。このヒーター11は、所定のヒーターパターンで形成された円形状のヒーター本体部12と、このヒーター本体部12の両側にそれぞれ突出した給電部を兼ねる支持部13,13とからなるもので、前記図3に示したヒーター5と同様に、碍子7を介して反射板6や適宜な支持部材に取付けられ、サセプタ2の裏面に設置される。
【0012】
そして、本発明では、上記ヒーター11を構成するグラファイトの外面略全体を、耐腐食性の高い窒化ホウ素(BN)で被覆(コーティング)する。この窒化ホウ素は、グラファイトと略同様の結晶構造を有するもので、グラファイトに近い熱膨張率で、絶縁体であり、高温での蒸気圧が低く、かつ、グラファイトに比べて耐腐食性が高いという特性を有している。
【0013】
すなわち、グラファイトからなるヒーター11を窒化ホウ素で被覆すると、ヒーター11を1200℃以上に加熱しても、熱膨張率が近いために剥離することがなく、グラファイトへの通電も問題なく行え、高温での蒸気圧が低いために揮発することがなく、しかも、アンモニア等の腐食性ガスに対する反応性が極めて低いため、腐食性ガスからグラファイトを保護することができるという作用を発揮する。したがって、グラファイトの腐食を防止することができ、ヒーター11の寿命を大幅に延ばすことができる。
【0014】
上記窒化ホウ素をグラファイトの表面に被覆する方法は、被膜の緻密さと混入する不純物の少なさを得られることから、ホウ素と窒素とを加熱下で結合させてグラファイトの表面に窒化ホウ素を堆積させるCVD法により行うことが望ましい。
【0015】
なお、本発明のヒーターは、横型,竪型等、各種構成のCVD装置に適用することが可能であり、ヒーターパターンは、加熱する基板の大きさや加熱温度等に応じて任意に設定することができる。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の実施例及び比較例を説明する。
図1に示す形状に形成したグラファイト製ヒーターの表面に、約100μmの厚さで窒化ホウ素をコーティングした。コーティング処理は、CVD法により、塩化ホウ素とアンモニアとを1800℃で反応させることにより行った。また、同じ形状でコーティング無しのもの、周知の方法によりガラス状炭素を含浸被覆したもの、周知のCVD法により炭素を50μmの厚さで被覆したものの3種類のヒーターを用意し、窒化ホウ素をコーティングしたものと比較した。
【0017】
そして、アンモニア5%を含む窒素を毎分10ノルマルリットルで流した雰囲気中で、基板を1100℃に加熱保持した場合のヒーターの抵抗値の経時変化を測定した。その結果を図2に示す。
【0018】
図2から明らかなように、コーティングを施さないグラファイトのままのヒーターAは、腐食による断面積の減少により、時間の経過とともに抵抗値が急上昇し、40時間程度で限界値を超えて破断した。同様に、ガラス状炭素を含浸被覆したヒーターBも、抵抗値が上昇して約30時間で破断した。CVD法により炭素を被覆したヒーターCは、約30時間経過後から抵抗値が上昇し、60時間程度で破断した。これに対し、窒化ホウ素をコーティングしたヒーターDは、抵抗値の上昇もなく200時間以上の連続使用が可能であった。また、200時間を経過した時点でヒーターを取出して観察したが、外観に腐食等の損傷は認められなかった。
【0019】
このヒーターを、実際のMOCVD装置に装着し、窒化ガリウム系薄膜の成長実験を行ったところ、ヒーターの抵抗値は、長期間にわたり安定したままであり、ヒーター交換のために装置を停止させる必要はなかった。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の窒化ガリウム系半導体薄膜製造用気相成長装置のヒーターによれば、ヒーターの寿命を従来に比べて飛躍的に延ばすことができ、ヒーターに掛かるコストを削減できる。また、ヒーター交換のために装置を停止させる期間が非常に短くなり、実験や生産の効率を向上させることができる。さらに、炭素を不純物として嫌う成膜系では、汚染の原因となる炭素の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の窒化ガリウム系半導体薄膜製造用気相成長装置のヒーターの一例を示す平面図である。
【図2】 時間経過と抵抗値の変化とを示す図である。
【図3】 CVD装置の一例を示す要部の概略断面図である。
【符号の説明】
1…フローチャンネル、2…サセプタ、3…基板、4…軸、5…ヒーター、6…反射板、7…碍子、8…温度検出器、11…ヒーター、12…ヒーター本体部、13…支持部
Claims (1)
- 発熱体としてグラファイトを用いた窒化ガリウム系半導体薄膜製造用気相成長装置のヒーターにおいて、所定のヒーターパターンで形成されたヒーター本体部と、該ヒーター本体部からそれぞれ突出した2つの給電部を兼ねる支持部とからなるヒーターを、グラファイトの削りだしにより構成し、該ヒーターを構成するグラファイトの外面全体を窒化ホウ素で被覆するとともに、前記支持部を、前記ヒーターの裏面に設けられた反射板を貫通させて前記気相成長装置のサセプタの裏面に配置したことを特徴とする窒化ガリウム系半導体薄膜製造用気相成長装置のヒーター。
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- 1996-04-24 JP JP10287396A patent/JP3778992B2/ja not_active Expired - Fee Related
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