JP3778757B2 - 直動装置およびその駆動制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば、工作機械に適用され、回転運動を直線運動に変換してテーブル等の可動部材を直動させる直動装置およびその駆動制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、工作機械においては、ワークを設置するテーブルや工具を保持する加工ヘッド等を直動させる直動装置には、送り軸にいわゆるボールねじを用い、このボールねじをテーブルや加工ヘッドの一部に螺合させ、ボールねじの回転運動を直線運動に変換してテーブルや加工ヘッドを直動させるものが多用されている。
上記のような直動装置におけるボールねじは、両端部が転がり軸受によって回転自在に保持されており、また、ボールねじの一端にはサーボモータが接続されている。このサーボモータの駆動制御により、任意の位置にテーブルや加工ヘッドを位置決め制御する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような直動装置においては、たとえば、ボールねじを駆動する回転速度が速くなると、摩擦によってボールねじの温度が上昇し、ボールねじが熱膨張して全長が伸びる。
一方、上述したようにボールねじの両端部は、転がり軸受によって回転自在に保持されているが、この転がり軸受はボールねじの軸方向に関しては固定されている。このため、ボールねじが熱膨張によって伸びると、これら転がり軸受には熱膨張による軸方向の力が印加される。
たとえば、転がり軸受に作用する軸方向の力が定格負荷を越えるほど大きくなると、転がり軸受が破損したり、サーボモータの回転負荷が増大してサーボモータが過剰に発熱したりするという不具合が発生しやすい。
【0004】
従来においては、このような不具合の発生を防止するための方法として、たとえば、ボールねじ内に貫通孔を形成してこの貫通孔に冷却用の油を供給してボールねじの発熱を抑制していたが、この方法では構造が複雑となり、また、装置のコストが上昇するという不利益が存在した。特に、工作機械における切削送り速度を高めたいという要求に応えるためには、ボールねじを直接冷却して転がり軸受へのストレスを緩和する方法では限界がある。
【0005】
本発明は、上述の問題に鑑みて成されたものであって、送り軸の熱膨張による不具合の発生が防止された直動装置およびその駆動制御方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の直動装置は、所定の直動方向に沿って移動自在に案内される可動部材と、前記直動方向に沿って回転自在に設けられ、前記可動部材に螺合するねじ部が外周に形成された送り軸と、前記送り軸を回転させる駆動手段と、を備え、前記送り軸の回転により前記可動部材を直動方向に移動させる直動装置であって、前記送り軸の一端部を回転自在に保持し、かつ、当該送り軸の軸方向の移動が規制されている第1の軸受手段と、前記送り軸の他端部に前記軸方向において固定された転がり軸受と、前記転がり軸受を保持し、かつ前記軸方向に移動可能に支持されたハウジング部材とを有し、前記送り軸の他端部を回転自在に保持し、かつ、当該送り軸の伸縮に応じて前記軸方向に移動可能な第2の軸受手段と、前記第2の軸受手段の前記軸方向の移動を拘束し、かつ、当該移動の拘束を任意に解放可能なクランプ手段と、前記ハウジング部材が前記軸方向に移動自在に嵌合する挿入孔が形成された軸受支持部材と、前記第2の軸受手段を前記送り軸の熱膨張による伸びの方向に向けて所定の力で弾性的に付勢する付勢手段とを有する。
【0009】
前記クランプ手段は、前記ハウジング部材と連結され、かつ、前記送り軸と同心に配設された連結軸と、前記連結軸の外周面を締結して前記ハウジング部材の前記送り軸方向の移動を拘束し、当該連結軸の外周面の締結を解放して前記ハウジング部材の前記送り軸方向の移動を許容するクランパとを備える。
【0010】
前記クランパは、前記連結軸が挿入される挿入孔が形成された支持部材と、前記支持部材の挿入孔内に設けられ前記連結軸が嵌合挿入されるスリーブ部材と、前記支持部材に形成された供給孔を通じて前記スリーブ部材の外周に油圧を供給する油圧供給部とを有する。
【0011】
前記クランパは、前記油圧の供給により前記スリーブと前記連結軸との間に発生する摩擦力によって前記連結軸の前記送り軸方向の移動を拘束する。
【0012】
好適には、前記付勢手段は、前記連結軸の解放側端部を前記送り軸の熱膨張による伸びの方向に所定の力で弾性的に付勢する弾性部材を有する。
【0013】
また、本発明の直動装置は、前記駆動手段および前記クランプ手段を駆動制御する制御手段をさらに有し、前記制御手段は、前記駆動手段の駆動時には前記第2の軸受手段の前記送り軸方向の移動を拘束するように前記クランプ手段を制御し、前記駆動手段の非駆動時に当該拘束を一時的に解放するように前記クランプ手段を制御する。
【0014】
好適には、前記制御手段は、前記駆動手段および前記クランプ手段の動作を規定している予め用意されたプログラムを解析処理し、前記駆動手段および前記クランプ手段を駆動制御する制御指令を生成するプログラム解析処理部を有している。
【0015】
前記駆動手段は、前記送り軸の一端部に接続されたサーボモータを有する。
【0016】
さらに、本発明の直動装置は、前記第2の軸受手段の前記送り軸方向の変位量を検出する変位量検出手段と、検出された前記変位量に基づいて前記可動部材の位置を補正する制御指令を前記駆動手段に出力する補正手段をさらに有する。
【0017】
本発明の直動装置の駆動制御方法は、所定の直動方向に沿って移動自在に案内される可動部材と、前記直動方向に沿って回転自在に設けられ、前記可動部材に螺合するねじ部が外周に形成された送り軸と、前記送り軸を回転させる駆動手段と、前記送り軸の一端部を回転自在に保持し、かつ、当該送り軸の軸方向の移動が規制されている第1の軸受手段と、前記送り軸の他端部に前記軸方向において固定された転がり軸受と、前記転がり軸受を保持し、かつ前記軸方向に移動可能に支持されたハウジング部材とを有し、前記送り軸の他端部を回転自在に保持し、かつ、当該送り軸の伸縮に応じて前記軸方向に移動可能な第2の軸受手段と、前記第2の軸受手段の前記軸方向の移動を拘束し、かつ、当該移動の拘束を任意に解放可能なクランプ手段と、前記ハウジング部材が前記軸方向に移動自在に嵌合する挿入孔が形成された軸受支持部材と、前記第2の軸受手段を前記送り軸の熱膨張による伸びの方向に向けて所定の力で弾性的に付勢する付勢手段とを有する直動装置の駆動制御方法であって、前記クランプ手段によって前記軸方向の移動を拘束するステップと、前記軸方向の移動が拘束された状態において、前記駆動手段によって前記可動部材を駆動するステップと、前記可動部材が停止状態において、前記クランプ手段によって前記軸方向の移動の拘束を一時的に解放するステップとを有する。
【0018】
前記直動装置は、前記駆動手段および前記クランプ手段の動作を規定している予め用意されたプログラムを解析処理し、前記駆動手段および前記クランプ手段を駆動制御する制御指令を生成する制御手段をさらに備えており、前記プログラムにおいて前記各ステップの動作を規定して、前記各ステップを実行する。
【0019】
本発明では、送り軸の軸端部を回転自在に保持している第1および第2の軸受手段のうち、第1の軸受手段は送り軸の軸方向に移動が規制されており、第2の軸受手段は送り軸の軸方向に移動可能になっている。
クランプ手段は、軸方向に移動可能になっている第2の軸受手段の軸方向の移動を拘束している。
送り軸が熱膨張して伸びると、第2の軸受手段は送り軸の伸びに応じて軸方向に移動しようとするが、クランプ手段によって拘束されているため、第1および第2の軸受手段には送り軸からの応力が作用する。
このため、本発明ではクランプ手段による第2の軸受手段の拘束を解放する。第2の軸受手段は、拘束が解放されると軸方向に移動し、第1および第2の軸受手段が送り軸から受ける軸方向の力は解消または軽減される。
【0020】
また、本発明では、送り軸に熱膨張による応力が発生している場合には、クランプ手段による第2の軸受手段の拘束を解放すると、送り軸が伸びる。送り軸が伸びると、送り軸に螺合している可動部材も変位するため、可動部材の位置が所定の位置からずれてしまう。
このため、本発明では、伸び量検出手段によって送り軸の伸び量を検出し、この伸び量に基づいて補正手段で補正指令を生成して可動部材の位置を補正する。
【0021】
さらに、本発明では、付勢手段によって第2の軸受手段を送り軸方向に予め付勢しているため、送り軸に熱膨張による応力が発生した状態でクランプ手段による拘束を解放すると、第2の軸受手段は送り軸からのストレスが発生した応力を解消する位置まで確実に移動する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
第1実施形態
図1は、本発明の直動装置が適用される工作機械の一例を示す構成図である。
図1に示す工作機械は、いわゆる門型のマシニングセンタであって、門型のコラム38の各軸によって両端部を移動可能に支持されたクロスレール37に、クロスレール37上を移動可能に支持されたサドル44を介してラム45が鉛直方向(Z軸方向)に移動可能に設けられている。
【0023】
サドル44には、水平方向にクロスレール37内を通じて図示しないねじ部が形成されており、これに外周にねじ部が形成された送り軸41が螺合している。
送り軸41の一端部には、サーボモータ87が接続されており、送り軸41はサーボモータ87によって回転駆動される。
送り軸41の回転駆動によって、サドル44はY軸方向に移動可能となり、これによってラム45のY軸方向の移動および位置決めが行われる。
【0024】
さらに、サドル44には、鉛直方向に方向に図示しないねじ部が形成されており、これに外周にねじ部が形成された送り軸42がねじ込まれている。送り軸42の端部には、サーボモータ88が接続されている。
サーボモータ88によって送り軸42が回転駆動され、これによりサドル44に移動可能に設けられたラム45のZ軸方向の移動および位置決めが行われる。
【0025】
ラム45内には、主軸モータ31が内蔵され、主軸モータ31は、ラム45の先端に設けられるエンドミルなどの工具Tを回転駆動する。
ラム45の下方には、テーブル35がX軸方向に移動可能に設けられている。テーブル35には、図示しないねじ部が形成されており、これにX軸方向に沿って設けられた図示しない送り軸が螺合しており、この図示しない送り軸にサーボモータ86が接続されている。
テーブル35は、サーボモータ86の回転駆動によってX軸方向の移動および位置決めが行われる。
【0026】
また、2本の門型コラム38には、図示しないねじ部がそれぞれ形成されており、これに螺合する送り軸32aをクロスレール昇降用モータ89によって回転駆動することによりクロスレール37は昇降する。
【0027】
上記のサーボモータ86、87、88およびクロスレール昇降用モータ89の駆動制御は、NC装置91によって行われる。
さらに、工具Tは自動工具交換装置(ATC)39によって種々のものに交換可能になっており、各種アタッチメントの交換も自動交換装置(AAC)40によって種々のものに交換可能になっている。
【0028】
図2は、本発明の直動装置の一実施形態の構成を示す平面図である。なお、本実施形態では、本発明の直動装置を上記したマシニングセンタのクロスレール37に移動自在に設けられたサドル44の直動に適用した場合について説明する。
【0029】
図2において、直動装置1は、上記したマシニングセンタのクロスレール37に形成された平行な2条のレール部37aに移動自在に保持されたサドル44と、前記レール部37aに平行に配設された送り軸41と、送り軸41の一端側を回転自在に保持する第1の軸受部2と、送り軸41の他端部を回転自在に保持する第2の軸受部11と、送り軸41の一端側に接続されたサーボモータ87と、送り軸41の一端側に設けられたクランプ機構部51と、NC装置91と、制御弁96と、油圧ポンプPとから基本的に構成されている。
【0030】
サドル44には、ナット部材45が固定されており、このナット部材45は送り軸41のねじ部に螺合するねじ部を備えている。したがって、送り軸41が回転することにより、サドル44は図2に示し矢印A1またはA2方向に移動する。
なお、サドル44およびナット部材45によって本発明の可動部材を構成している。
【0031】
第1の軸受部2は、送り軸41の一端部を回転自在に保持しており、第1の軸受部2はクロスレール37に固定されている。したがって、送り軸41の軸方向の移動、すなわち、矢印A1およびA2方向の移動が規制されている。
第1の軸受部2は、具体的には、たとえば、送り軸41の一端部に挿入され固着された転がり軸受と、この転がり軸受を固定し保持するハウジング部材とからなり、このハウジング部材がクロスレール37に固定されている。
転がり軸受は、送り軸41の一端部に挿入され送り軸41に固定される内輪と、内輪の外周に設けられハウジング部材に固定される外輪と、これら内輪と外輪との間に設けられるボール等の転動体から構成されている。
このため、送り軸41は、第1の軸受部2の有する転がり軸受およびハウジング部材に対して軸方向に移動できない。
なお、第1の軸受部2の構造は周知の構造であり、詳細については説明を省略する。
【0032】
第2の軸受部11は、送り軸41の他端部を回転自在に保持し、かつ、送り軸41の伸縮に応じて軸方向、すなわち、矢印A1およびA2方向に移動可能となっている。なお、第2の軸受部11は本発明の第2の軸受手段の一具体例に対応している。
【0033】
クランプ機構部51は、第2の軸受部11の矢印A1およびA2で示す軸方向の移動を拘束し、かつ、移動の拘束を任意に解放可能となっている。なお、クランプ機構部51は、本発明のクランプ手段の一具体例に対応している。
【0034】
図3は、図2に示した直動装置1の第2の軸受部11およびクランプ機構部51を拡大して示した断面図である。
図3において、第2の軸受部11は、転がり軸受12、13、14および15と、ハウジング部材18とを備えている。
【0035】
ハウジング部材18は、転がり軸受12、13、14および15が嵌合する嵌合孔18bを有する円筒状の部材からなる。
ハウジング部材18の外周面18cは、クロスレール37に固定された支持部材38の挿入孔38aに嵌合しており、ハウジング部材18は送り軸41の軸方向に支持部材38によって移動可能に支持されている。
【0036】
また、ハウジング部材18の外周には、潤滑油供給ポート19が設けられている。この潤滑油供給ポート19は、ハウジング部材18の外周から嵌合孔18b内に突出する突出部18dに連通するように形成された潤滑油供給路18dに接続されている。この潤滑油供給ポート19から潤滑油を供給することにより、潤滑油供給路18dを通じてハウジング部材18の嵌合孔18bに潤滑油が供給される。
【0037】
転がり軸受12および15は、内輪と外輪との間に玉からなる転動体が挟まれたラジアル軸受である。これら転がり軸受12および15の内輪は、送り軸41のねじ部の非形成部分である端部41bにそれぞれ嵌合挿入されている。転がり軸受12および15の外輪は、ハウジング部材18の嵌合孔18bに嵌合挿入されている。
転がり軸受13および14は、送り軸41のねじ部の非形成部分である端部41bにそれぞれ嵌合挿入されており、これら転がり軸受13および14は、2つの輪体にころが挟まれたスラスト軸受である。
【0038】
転がり軸受12、13、14および15のそれぞれ間には、カラー部材16,17およびハウジング部材18の嵌合孔18b内に突出する突出部18dが介在している。
転がり軸受12のカラー部材16と当接する端面と反対側の端面は、送り軸41の端部に形成された段差部41aの端面に当接しており、転がり軸受12は送り軸41方向の移動が規制されている。
送り軸41の先端部には、ねじ部41cが形成されており、このネジ部41cには、転がり軸受15の端面と当接するカラー部材20を介してナット部材21が螺合されており、このナット部材21によって、転がり軸受15の送り軸41の先端部からの抜け止めがなされている。
転がり軸受12、13、14および15は、送り軸41の端部に形成された段差部41aとナット部材21との挟まれることによって、送り軸41の軸方向に対して固定されている。
【0039】
図3において、クランプ機構部51は、連結軸60と、クランパ52と、付勢機構部71とから構成されている。
なお、付勢機構部71は本発明の付勢手段を構成している。
【0040】
連結軸60は、円柱状の部材から構成されており、第2の軸受部11側の先端部にハウジング部材18の嵌合孔18bに嵌合する嵌合部60bと、ハウジング部材18との連結のためのフランジ部60aとを備えており。
連結軸60の嵌合部60bをハウジング部材18の嵌合孔18bに嵌合することで、送り軸41の中心軸と連結軸60の中心軸は一致するようになっている。
また、連結軸60のフランジ部60aは、ボルト部材63によってハウジング部材18に連結されている。
【0041】
連結軸60のフランジ部60a側とは反対側の端部は、大径部60cとなっており、この大径部60cはクランパ52に挿入されている。
このクランパ52は、連結軸60の大径部60cの周面を締結してハウジング部材18の送り軸41の方向の移動を拘束し、連結軸60の大径部60cの周面の締結を解放してハウジング部材18の送り軸方向の移動を許容するように機能する。
【0042】
クランパ52は、支持部材53と、スリーブ部材55とを備えており、支持部材53はクロスレール37に固定されている。
この支持部材53には、連結軸60が挿入される挿入孔53aが形成されているとともに、外側には油圧供給ポート53bが設けられている。
油圧供給ポート53bは、支持部材53内に形成された油路53cによって挿入孔53a内と連通している。
【0043】
スリーブ部材55は、円筒状の部材からなり、支持部材53の挿入孔53aに挿入されており、内周に連結軸60の大径部60cが嵌合挿入されている。
スリーブ部材55の外周面には、周方向に沿って溝部55aが形成されており、この溝部55aに油路53cを通じて高圧の油が供給される。
また、スリーブ部材55の溝部55aの両端部には、Oリング56がはめ込まれており、溝部55aと支持部材53の挿入孔53aとの間をシーリングしている。
スリーブ部材55の一端側は、支持部材53の挿入孔53に形成された段部によって挿入孔53からの抜け止めがなされており、他端側は連結軸60に嵌合されたカラー部材57を介して支持部材53にボルト59によって固定されたスリーブ押え部材58によって抜け止めがなされている。
【0044】
また、クランパ52に挿入された連結軸60の端面60dとスリーブ押え部材58との間には、連結軸60の軸方向の移動を許容するように所定量の隙間Sが形成されている。
【0045】
上記構成のクランパ52は、油圧供給ポート53bを通じてスリーブ部材55の溝部55aに供給された油の油圧によって、スリーブ部材55が弾性変形して連結軸60の大径部60cの周面をクランプする。すなわち、スリーブ部材55の弾性変形によって、スリーブ部材55内周面と連結軸60の大径部60cの周面との間に摩擦力が発生し、この摩擦力によって連結軸60の大径部60cの周面を締結し、連結軸60の送り軸41方向の移動を拘束する。
クランパ52は、溝部55aへの油圧の供給を停止すれば、連結軸60の大径部60cの周面の締結を解放してハウジング部材18の送り軸方向の移動を許容する。
【0046】
クランパ52の油圧供給ポート53bへの油の供給は、上記した油圧ポンプPによって行われ、油圧の圧力の調整および供給、遮断の制御を上記の制御弁96によって行う。
【0047】
付勢機構部71は、本発明の弾性部材としての皿ばね73と、皿ばね押え部材72とを備えており、皿ばね押え部材72は、スリーブ押え部材58の中心部に形成された挿入孔58aを通じてボルト76によって連結軸60の端面60dに連結されている。
また、連結軸60の端面60dとこれに対向する皿ばね押え部材72の端面との間には所定の厚さの座金部材77が介在している。
【0048】
皿ばね73は、皿ばね押え部材72の外周に挿入されており、皿ばね押え部材72のフランジ部72aとスリーブ押え部材58との間で圧縮されている。
すなわち、皿ばね73は、皿ばね押え部材72のフランジ部72aとスリーブ押え部材58との間で圧縮されることにより、弾性力を発生して連結軸60を送り軸41が矢印A2の方向、すなわち、熱膨張により伸びる向きに付勢している。
皿ばね73の弾性力は、座金部材77の厚さを調整することで、任意に調整することができる。
【0049】
図4は、上記のNC装置91の構成を示す構成図である。
図4において、NC装置91はNCプログラム解析処理・指令分配部92と、サーボ制御部93と、サーボドライバ94と、クランパ駆動制御部95とを備えている。なお、NC装置91は本発明の制御手段を構成しており、NCプログラム解析処理・指令分配部92は本発明のプログラム解析処理部を構成している。
なお、図4において図示しないが、NC装置91はサーボモータ87を駆動制御するサーボ制御部93およびサーボドライバ94以外にも上記した他のサーボモータを駆動制御するサーボ制御部およびサーボドライバを備えている。
【0050】
NCプログラム解析処理・指令分配部92は、例えば、マシニングセンタにおいてワークを加工する工具の軌跡データなどを所定の言語でプログラミング化した予め用意されたNCプログラミングを解析(解読)処理して軌跡データを各制御軸の移動すべき位置指令に変換し、これを各制御軸に分配する。
また、NCプログラム解析処理・指令分配部92は、上記のNCプログラミングにおいて規定されたクランパ52の動作を解析処理し、所定の制御指令に変換してクランパ駆動制御部95に出力する。
【0051】
サーボ制御部93は、位置ループ、速度ループおよび電流ループから構成されており、位置ループは、たとえば、NCプログラム解析処理・指令分配部92からの位置指令(移動量)を受けて、この移動量とサーボモータ87の回転位置を検出する回転位置検出器87aからの位置フィードバック信号との偏差に比例動作を施して、これを速度ループに対する速度指令として出力する。
速度ループは、たとえば、前記速度指令と回転位置検出器87aからの位置フィードバック信号のサンプリング時間毎の差分値(速度フィードバック信号)との偏差に比例動作および積分動作を施してトルク指令とし、これを電流ループに出力する。
電流ループは、たとえば、サーボモータ87の駆動電流から換算したサーボモータ87の出力トルク信号と上記トルク指令との偏差に比例動作を施して電流指令とし、これをサーボドライバ94に所定の電気信号に変換して出力する。
【0052】
サーボドライバ94は、サーボ制御部93からの電流指令を増幅した駆動電流をサーボモータ87に出力する。
サーボモータ87は駆動電流に応じて駆動され、サーボモータ87に備わった回転位置検出器87aはサーボモータ87の回転量に応じた検出パルスをサーボ制御部93に対して出力する。
回転位置検出器87aとしては、例えば、光学的に回転量を検出するオプチカルエンコーダや磁気的に回転量を検出するレゾルバ等を用いることができる。
【0053】
クランパ駆動制御部95は、NCプログラム解析処理・指令分配部92から入力された指令に応じて、クランパ95への油圧の供給および遮断を制御する制御信号やクランパ95へ供給される油圧を調整する制御信号を制御弁96の駆動回路に出力する。
【0054】
次に、上記構成の直動装置1の第2の軸受部11およびクランプ機構部51の動作の一例について図5〜図8を参照して説明する。なお、図5および図6はそれぞれクランプ状態にある直動装置のクランプ機構部51および第2の軸受部11の状態を示す断面図であり、図7および図8はそれぞれ解放状態にある直動装置のクランプ機構部51および第2の軸受部11の状態を示す断面図である。
まず、図5に示すように、クランパ53の油圧供給ポート53bからスリーブ部材55の溝部55aに油圧を供給すると、連結軸60の大径部60cの周面はスリーブ部材55との間の摩擦力によりクランプされ、連結軸60は軸方向の移動が拘束される。
【0055】
この状態から、送り軸41を回転させてサドル44を駆動する。サドル44を往復動させているうちに、送り軸41は、これに螺合するサドル44のナット部材45との間の摩擦により発生する熱によって熱膨張し、軸方向に伸びようとする。
このとき、連結軸60がクランプされているため、ハウジング部材18も軸方向の移動が拘束されており、このため、送り軸41は伸びることができず、たとえば、図6に示すように、第2の軸受部11の転がり軸受13には、転がり軸受12の内輪を会して、送り軸41の段差部41aからの力Fが直接作用する。第1の軸受部2の転がり軸受にも同様の力が作用する。
送り軸41が熱膨張により第2の軸受部11が力Fを受けると、この負荷によりサーボモータ87の負荷も増大する。
【0056】
このような状態において、クランパ53の油圧供給ポート53bへの油圧の供給を停止する。クランパ53の油圧供給ポート53bへの油圧の供給を停止すると、連結軸60はクランパ53によるクランプが解放される。
連結軸60の軸方向の移動の拘束が解放されると、たとえば、図7に示すように、送り軸41の伸長によって連結軸60はクランパ52に対して矢印A2で示す軸方向に変位する。
図7からわかるように、連結軸60の端面60dとこれに対向するスリーブ押え部材58の面との間の隙間Sは図5に比較して狭くなっている。
【0057】
連結軸60の軸方向の移動の拘束が解放されると、送り軸41が伸びるため、図8に示すように、転がり軸受12、13、14および15を保持しているハウジング部材18は、クロスレール37に固定された支持部材38に対して矢印A2で示す軸方向に移動する。
すなわち、ハウジング部材18は支持部材38の挿入孔38aに移動自在に嵌合しているため、ハウジング部材18はこの挿入孔38a案内されて移動する。
【0058】
ハウジング部材18が矢印A2の軸方向に移動して送り軸41が伸びると、送り軸41の段差部41aから転がり軸受12を介して13に作用していた力Fが解消される。
この送り軸41が伸びる動作の際には、連結軸60は皿ばね73の弾性力によって矢印A2の軸方向、すなわち、送り軸41が伸びる方向に付勢されているため、連結軸60の大径部60cとスリーブ部材55との間やハウジング部材18と支持部材38の挿入孔38aとの間に摩擦力が多少作用していても、連結軸60はクランパ52に対して速やかに変位し、送り軸41は確実に伸長し、転がり軸受12を介して13に作用していた力Fが確実に解消される。
【0059】
なお、連結軸60のクランパ52によるクランプ状態の解放動作は、送り軸41を駆動していない状態で行うのが好ましい。すなわち、送り軸41を駆動してサドル44の位置決めを行っている最中に送り軸41が伸びると、サドル44の位置が急にずれてしまう。たとえば、マシニングセンタにおいて、切削加工している最中にサドル44の位置がずれると、ワークが加工不良となったりする不具合が発生するため、送り軸41を駆動していないときにクランプ状態の解放を行う。
【0060】
次に、上記構成の直動装置1の駆動制御方法について図9に示すフローチャートを参照して説明する。
まず、マシニングセンタにおいてワークを加工するためのNCプログラムを作成し、このNCプログラムの中にクランパ52による連結軸60のクランプ動作および解放動作を規定するプログラムを埋め込む(ステップS1)。
具体的には、マシニングセンタによるワークの加工を開始する前、すなわち、送り軸41を未だ駆動していない状態で、クランパ52によって連結軸60をクランプする動作を規定するプログラムを上記のNCプログラムに埋め込む。
また、たとえば、加工を開始してから所定時間を経過した時点で、かつ、送り軸41が停止状態にある時点でクランパ52による連結軸60のクランプを一時的に解放させるプログラムを上記のNCプログラムに埋め込む。
【0061】
次に、作成したNCプログラムをNC装置1のNCプログラム解析処理・指令分配部92にダウンロードし、NCプログラムを実行する(ステップS2)。
NCプログラムを実行すると、クランパ52によって連結軸60をクランプする動作を規定するプログラムはNCプログラム解析処理・指令分配部92によって解読され、この動作を行うための制御指令がクランパ駆動制御部95に出力され、制御弁96によってクランパ52が動作し、連結軸60がクランプされる(ステップS3)。
【0062】
次いで、連結軸60がクランプされた状態で、送り軸41が駆動されワークの加工が行われる(ステップS4)。
送り軸41が駆動されて、マシニングセンタのサドル44が繰り返し往復動等を行うと、送り軸41の温度が上昇し、送り軸41には熱応力が発生する(ステップ5)。
【0063】
加工開始から所定の時間が経過し、送り軸41が停止状態にある時点でクランパ52による連結軸60のクランプを一時的に解放させるプログラムが実行され、連結軸60の軸方向の移動の拘束が解放される(ステップS6)。
これにより、送り軸41は全長が伸び、送り軸41に発生していた熱応力が解消される。
【0064】
クランパ52による連結軸60のクランプの解放によって送り軸41が伸びると、再度クランパ52によって連結軸60はクランプされ、連結軸60の軸方向の移動が拘束される(ステップS7)。
【0065】
再び、マシニングセンタによる加工が開始され、送り軸41は再度駆動される。上記のような動作を繰り返し行うことにより、直動装置1の第1の軸受部2および第2の軸受部11の転がり軸受に過大な負荷がかかるのを未然に防止できる。また、直動装置1を駆動するサーボモータ87へ過大な負荷がかかることも防ぐことができる。
【0066】
なお、送り軸41の温度が低下して送り軸41が縮もうとする場合に、クランパ52が連結軸60をクランプしていると、送り軸41には引っ張り応力が発生し、送り軸41の軸端側の転がり軸受14、15に上記した力Fとは反対向きの軸方向の力が作用し、上記と同様に直動装置1の第1の軸受部2および第2の軸受部11の転がり軸受に過大な負荷がかかるおそれがあるが、クランパ52による連結軸60のクランプの解放によりこれも防ぐことができる。
【0067】
また、クランパ52による連結軸60のクランプの解放のタイミングは、上記のように所定時間毎に行う構成としてもよいし、ランダムに行ってもよい。また、クランパ52による連結軸60のクランプの解放動作の回数も、特に限定されない。
また、上述した実施形態では、直動装置1をマシニングセンタの水平方向に移動するサドル44に適用した場合について説明したが、本発明はこれに特に限定されるわけではなく、たとえば、他の垂直方向に配置された送り軸に対しても適用可能である。
【0068】
第2実施形態
図10は、本発明の直動装置の第2の実施形態に係るNC装置の構成を示す構成図である。
上述した第1の実施形態に係る直動装置1では、クランパ52による連結軸60のクランプの解放を行うと、送り軸41の伸びによってサドル44の位置がずれてしまい精度のよい位置決めを行うことができす、ワークの高い加工精度等を得ることが難しい。
本実施形態に係るNC装置201は、送り軸41の伸びによって発生するサドル44の位置ずれを補正する機能を備えている。
【0069】
図10に示すNC装置201は、位置補正部101およびリニアスケール102以外の構成については、上述した第1の実施形態に係るNC装置91と同一の構成である。
図10において、リニアスケール102は、送り軸41の熱膨張による伸び量を検出するためのものである。なお、リニアスケール102は本発明の伸び量検出手段の一具体例に対応している。
【0070】
リニアスケール102は、たとえば、ハウジング18の軸方向の変位を検出可能な位置や連結軸60の軸端部の軸方向の変位を検出可能な位置に設けられ、送り軸41の伸び量に応じた連結軸60の軸端部やハウジング18の変位を検出して、たとえば、パルス信号としてNC装置201にフィードバックする。
リニアスケール102には、たとえば、光学的にハウジング18の変位や連結軸60の軸端部の変位を検出するものや磁気的に検出するものを使用することができる。
【0071】
位置補正部101は、本発明の補正手段の一具体例に対応しており、リニアスケール102の検出信号102sが入力され、この検出信号102sに基づいて、サドル44の位置ずれを補正する制御指令101sを生成してサーボ制御部93に出力する。
また、位置補正部101は、サーボ制御部93にNCプログラム解析処理・指令分配部92から入力されるサドル44の位置指令等の情報が入力され、ここれらの情報に基づいてサドル44の位置情報を保持している。
したがって、位置補正部101は、サドル44の位置情報とリニアスケール102の検出した送り軸41の伸び量とからサドル44の位置ずれ量を算出し、このサドル44の位置ずれを補正するための補正量を算出する。
なお、送り軸41の温度が低下して送り軸41が縮んだ場合の同様に補正される。
【0072】
以上のように、本実施形態によれば、送り軸41の熱膨張による伸びを積極的に許容して軸受部やサーボモータにかかる負荷を軽減させることで、装置の信頼性を高め、また、装置の低コスト化を実現でき、さらに、送り軸41によって生じる可動部材としてのサドル44の位置ずれを補正することで、高い位置決め精度を達成できる。
【0073】
【発明の効果】
本発明によれば、送り軸の伸縮による軸受部の負荷の増大を防止することができ、装置の信頼性を向上させることができ、また、装置の高速化に対応することができる。
また、本発明によれば、軸受部に作用する力を軽減するのに、送り軸を直接冷却する必要がなく、装置のコスト低減が可能になる。
さらに、本発明によれば、送り軸の熱膨張によって発生した力を解放したのちに、送り軸の伸長によって可動部材の位置がずれても、これを補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の直動装置が適用される工作機械の一例を示す構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る直動装置の構成を示す平面図である。
【図3】図2の直動装置の要部を拡大して示した断面図である。
【図4】制御装置の構成を示す構成図である。
【図5】クランプ状態にある直動装置のクランプ機構部51の状態を示す断面図である。
【図6】クランプ状態にある直動装置の第2の軸受部11の状態を示す断面図である。
【図7】解放状態にある直動装置のクランプ機構部51の状態を示す断面図である。
【図8】解放状態にある直動装置のクランプ機構部51の状態を示す断面図である。
【図9】本発明の駆動制御方法を説明するためのフローチャートである。
【図10】本発明の直動装置の第2の実施形態に係るNC装置の構成を示す構成図である。
【符号の説明】
1…直動装置
2…第1の軸受部
11…第2の軸受部
12,13,14,15…転がり軸受
18…ハウジング部材
37…クロスレール
41…送り軸
44…サドル
45…ナット部材
51…クランプ機構部
52…クランパ
53…支持部材
53a…挿入孔
53b…油圧供給ポート
53c…油路
55…スリーブ部材
60…連結軸
71…付勢機構部
72…皿ばね押し部材
73…皿ばね
87…サーボモータ
91,201…NC装置
92…NCプログラム解析処理・指令分配部
93…サーボ制御部
94…サーボドライバ
95…クランパ駆動制御部
101…位置補正部
102…リニアスケール
96…制御弁
P…油圧ポンプ
Claims (11)
- 所定の直動方向に沿って移動自在に案内される可動部材と、前記直動方向に沿って回転自在に設けられ、前記可動部材に螺合するねじ部が外周に形成された送り軸と、前記送り軸を回転させる駆動手段と、を備え、前記送り軸の回転により前記可動部材を直動方向に移動させる直動装置であって、
前記送り軸の一端部を回転自在に保持し、かつ、当該送り軸の軸方向の移動が規制されている第1の軸受手段と、
前記送り軸の他端部に前記軸方向において固定された転がり軸受と、前記転がり軸受を保持し、かつ前記軸方向に移動可能に支持されたハウジング部材とを有し、前記送り軸の他端部を回転自在に保持し、かつ、当該送り軸の伸縮に応じて前記軸方向に移動可能な第2の軸受手段と、
前記第2の軸受手段の前記軸方向の移動を拘束し、かつ、当該移動の拘束を任意に解放可能なクランプ手段と、
前記ハウジング部材が前記軸方向に移動自在に嵌合する挿入孔が形成された軸受支持部材と、
前記第2の軸受手段を前記送り軸の熱膨張による伸びの方向に向けて所定の力で弾性的に付勢する付勢手段と
を有する直動装置。 - 前記クランプ手段は、前記ハウジング部材と連結され、かつ、前記送り軸と同心に配設された連結軸と、
前記連結軸の外周面を締結して前記ハウジング部材の前記軸方向の移動を拘束し、当該連結軸の外周面の締結を解放して前記ハウジング部材の前記軸方向の移動を許容するクランパと
を備える請求項1に記載の直動装置。 - 前記クランパは、前記連結軸が挿入される挿入孔が形成された支持部材と、
前記支持部材の挿入孔内に設けられ前記連結軸が嵌合挿入されるスリーブ部材と、
前記支持部材に形成された供給孔を通じて前記スリーブ部材の外周に油圧を供給する油圧供給部と
を有する請求項2に記載の直動装置。 - 前記クランパは、前記油圧の供給により前記スリーブと前記連結軸との間に発生する摩擦力によって前記連結軸の前記軸方向の移動を拘束する
請求項3に記載の直動装置。 - 前記付勢手段は、前記連結軸の解放側端部を前記送り軸の熱膨張による伸びの方向に所定の力で弾性的に付勢する弾性部材を有する
請求項1〜4のいずれかに記載の直動装置。 - 前記駆動手段および前記クランプ手段を駆動制御する制御手段をさらに有し、
前記制御手段は、前記駆動手段の駆動時には前記第2の軸受手段の前記軸方向の移動を拘束するように前記クランプ手段を制御し、前記駆動手段の非駆動時に当該拘束を一時的に解放するように前記クランプ手段を制御する
請求項1〜5のいずれかに記載の直動装置。 - 前記制御手段は、前記駆動手段および前記クランプ手段の動作を規定している予め用意されたプログラムを解析処理し、前記駆動手段および前記クランプ手段を駆動制御する制御指令を生成するプログラム解析処理部を有している
請求項6に記載の直動装置。 - 前記駆動手段は、前記送り軸の一端部に接続されたサーボモータを有する
請求項1〜7のいずれかに記載の直動装置。 - 前記送り軸の伸び量を検出する伸び量検出手段と、
検出された前記伸び量に基づいて前記可動部材の位置を補正する制御指令を前記駆動手段に出力する補正手段をさらに有する
請求項1〜8のいずれかに記載の直動装置。 - 所定の直動方向に沿って移動自在に案内される可動部材と、前記直動方向に沿って回転自在に設けられ、前記可動部材に螺合するねじ部が外周に形成された送り軸と、前記送り軸を回転させる駆動手段と、前記送り軸の一端部を回転自在に保持し、かつ、当該送り軸の軸方向の移動が規制されている第1の軸受手段と、前記送り軸の他端部に前記軸方向において固定された転がり軸受と、前記転がり軸受を保持し、かつ前記軸方向に移動可能に支持されたハウジング部材とを有し、前記送り軸の他端部を回転自在に保持し、かつ、当該送り軸の伸縮に応じて前記軸方向に移動可能な第2の軸受手段と、前記第2の軸受手段の前記軸方向の移動を拘束し、かつ、当該移動の拘束を任意に解放可能なクランプ手段と、前記ハウジング部材が前記軸方向に移動自在に嵌合する挿入孔が形成された軸受支持部材と、前記第2の軸受手段を前記送り軸の熱膨張による伸びの方向に向けて所定の力で弾性的に付勢する付勢手段とを有する直動装置の駆動制御方法であって、
前記クランプ手段によって前記軸方向の移動を拘束するステップと、
前記軸方向の移動が拘束された状態において、前記駆動手段によって前記可動部材を駆動するステップと、
前記可動部材が停止状態において、前記クランプ手段によって前記軸方向の移動の拘束を一時的に解放するステップと
を有する直動装置の駆動制御方法。 - 前記直動装置は、前記駆動手段および前記クランプ手段の動作を規定している予め用意されたプログラムを解析処理し、前記駆動手段および前記クランプ手段を駆動制御する制御指令を生成する制御手段をさらに備えており、
前記プログラムにおいて前記各ステップの動作を規定して、前記各ステップを実行する
請求項10に記載の直動装置の駆動制御方法。
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