JP3778182B2 - 奥行き知覚測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,立体画像の観察者の奥行き知覚を客観的に定量評価するための奥行き知覚測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来,奥行き知覚量の評価は,主観評価法で行なわれるのが一般的である。例えば、立体表示された画像の奥行きを観察者が答えるといった測定を行う。この時,1項目当り数10回の測定を行い,結果を平均してデータを得る。このような手法を心理物理学的手法と呼ぶが,主観的に観察者の奥行き知覚を計測する手法である。また,図13に示すような構成で,観察者の視野の中での視点を計測し,左右の水平方向の眼の動きの差分(輻輳角)の変化量の平均値を求めることにより通常の2次元画像と立体画像を見た場合に平均値に差が出ることが報告されており,これを用いて観察者の奥行き知覚の評価が行える可能性があると述べている(参考資料:山田ほか”両眼眼球運動分析装置とこれを用いた輻輳角の測定”,1989年画像工学コンファレンス,5−5(1989))。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の様な主観評価法では、計測そのものに観察者の意図が混入する可能性がある。また,実時間で奥行き知覚を計測する事が難しいという欠点があった。また,後者の水平眼球運動の差分の変化量の平均値を求める方法では,左右の眼が反対方向に動く輻輳角の変化のみを取り扱っている。通常観察者の輻輳角は,常に,ある程度変化しており,通常この変化は小さく,輻輳角の変化は雑音に埋もれ,観察者の奥行き知覚の発生を正確に測定することは難しい。
【0004】
本発明は上記課題を解決するもので、両眼眼球運動を測定することにより,観察者の奥行き知覚発生の程度を客観的に,かつ定量的に測定する奥行き知覚測定装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため、両眼眼球運動信号から左右眼それぞれにおいて速度の速い急速眼球運動と瞬きによる妨害信号を除去するサッカード除去部を備え、相互相関関数の相関値・時間・相互相関関数における偏移により構成される3次元空間において、前記相関値が一定であることを示す平面と、左右の眼球運動の速度の相互相関関数の相関値・時間・相互相関関数における偏移により示される前記3次元空間における曲面により規定される領域の体積、または、この領域の時間・相互相関関数における偏移により構成される平面への2次元射影の面積を用いて観察者の奥行き知覚を測定構成である。
【0006】
本発明は,前記した構成により,立体画像を観察している観察者の両眼の動きを測定し,これの相互相関・相関係数・分散等を評価することによって,両眼が同方向に回転する成分と反対方向に回転する成分の関係を定量的に解析することにより,観察者の奥行き知覚を定量評価する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。図1は,本発明の第1の実施例における奥行き知覚測定装置の構成図を示すものである。
【0008】
図1において,1は観察者,2は両眼眼球運動測定センサ,3は眼球運動信号処理回路,4は微分器,5はしきい処理部,6は微分器,7はサッカード除去部A,8はサッカード除去部B,9は観察者が見る被写体,10は相互相関部,11は解析部である。
【0009】
以上のように構成された本実施例の奥行き知覚測定装置について,以下その動作を説明する。本実施例では,観察者1が被写体9を観賞する時に生じている奥行き知覚の強さを評価する手段について説明する。ここで被写体9は実物体を例にとったが,被写体9の代わりに立体画像を用意し,これを観賞する時の観察者の奥行き知覚の強さを測定することも可能である。
【0010】
まず,観察者1の両眼眼球運動が両眼眼球運動測定センサ2によって計測される。眼球運動測定方法は過去多くの手法が提案されているが,どれを用いてもよい。例えば,図2に示したような強膜反射法(黒目と白目の反射率の違いを利用した方法)がある。
【0011】
図2において,(a)は垂直眼球運動,(b)は水平眼球運動の測定方法を示している。垂直眼球運動は赤外LED24によって黒目の下辺りを照射し,その反射光を赤外フォト・ダイオード(以後PDと略記する)25で検出することによって測定する。水平眼球運動は赤外LED28の反射光を左右の黒目と白目の境界あたりの反射光をPD26,27で検出し,これらの差分を取ることによって測定できる。次に,眼球運動信号処理回路3によってPDの電気信号を左右の眼球の水平方向の回転角(左・右水平眼球運動)を得る。
【0012】
ここで,眼球運動の種類と性質について説明する。図3(a)(b)は,(c)の様に観察者1が点Aから点Bに奥行き方向に視線を移動した時の左右眼の水平回転角の時間変化を示している(正の方向が右回転を表す)。視点移動は点AB間を直線的に移動するのではなく,左右の眼球が反対方向に回転するゆっくりとした輻輳開散運動と,左右の眼球が同方向に同じ大きさ回転する速い眼球運動(サッカード,※印)を合成することにより実現される。この時,奥行き方向への視線移動は輻輳開散運動によって実現され,上下左右方向への動きはサッカードによって実現される。
【0013】
両眼が同方向に回転する状態は,動く被写体を追従して見る場合にも発生するが,この追従眼球運動も輻輳開散運動と同じように遅い眼球運動である。これらのうち,輻輳開散運動は奥行き方向の視線移動である性質上,この眼球運動が発生すると観察者は奥行き知覚が生じていると考えられる。左右眼が同方向にのみ主に動く時(これを共同運動と定義する)には,奥行き知覚があまり生じていないと考えられる。本実施例では,この輻輳開散運動と共同運動の発生頻度と大きさを比較評価し,観察者の奥行き知覚の強さを測定する。
【0014】
次に,眼球運動信号処理回路3の出力である眼球運動信号を時間方向の低域ろ波器12,13によって時間的にゆっくりした成分のみを抽出する。これの処理により,奥行き知覚に関与するゆっくりとした輻輳開散運動の動き以外の眼球運動成分やノイズを低減し,S/Nの高い信号処理を行うことができる。この後,サッカード成分をサッカード除去部7,8により左右眼それぞれについて除去する。除去の方法は,まず微分器4により眼球運動の時間変化を計算し,しきい処理部5により眼球運動成分が発生している時間を検出し,この部分の速度を制限する(しきい値は±αで,それよりも絶対値の大きい信号を制限するか,または0等の小さな値に入れ換える)。
【0015】
その後,微分器6を通すことにより,サッカード成分を除去した眼球回転加速度が得られる。この時,微分器6を無しにすれば,サッカード成分を除去した眼球運動速度,微分器6を積分器にすればサッカード成分を除去した眼球回転角が得られる。この3種類の信号の内(回転角,回転角の速度,回転角の加速度)本実施例では,どの信号を用いても同様な結果が得られる。
【0016】
図4はサッカード除去部7,8の動作を説明したグラフであり,(a)は眼球回転角の時間変化,(b)はこれの時間微分と,しきい値αの関係,(c)はしきい処理後の時間微分波形である。微分値をしきい値αによりクリップすることによりサッカード成分(※)が除去された時間微分波形(c)が得られている。また,図4(a)において,観察者が瞬きした場合に,図2で示した眼球運動検出方法では眼球表面に赤外線が照射できないためにインパルス的な妨害波形が発生するが,この様な妨害成分についてもサッカード除去部の動作によりその影響を低減することができる。
【0017】
このようにして得られたサッカード成分を除去した左右眼の回転角の速度成分の相互相関を相互相関部10により計算する。計算式は(数1)で示される。
【0018】
【数1】
Figure 0003778182
【0019】
相互相関値は,負の場合に両眼が反対方向に運動したこと即ち輻輳開散運動が発生したことを示し,その絶対値が大きいほど輻輳開散運動の大きさが大きいことを表す。反対に相互相関値が正の場合には,両眼が同方向に動いたことを示す。つまり,相互相関値が負の値を取る場合,正の値を取る場合に比べて観察者は奥行き知覚を強く生じていることを示す。
【0020】
計算例を図5に示す。図5は,左右の偏移Δtと,時間tと,相互相関値ψの関係を示した図であり,観察者は0.5〜2.5秒の時刻において,輻輳開散運動し奥行き知覚が発生していることが示される。この計算結果から,解析部11は図5のAの部分の体積(相関関数の値がβ(≦0)以下の部分)を計算し,出力する。または,Aの部分のt−Δt平面への投影部分Bの面積を計算してもよい。以上のようにして得られた解析部11の出力の大きさを評価することにより,観察者の奥行き知覚の発生度合いを測定できる。
【0021】
以上の様に,本実施例によれば,観察者の眼球運動を測定することにより,観察者の奥行き知覚発生量を客観的に評価出来る。更に,相互相関部10,解析部11の計算速度が速ければ,リアルタイムで観察者の奥行き知覚発生量を測定できる。
【0022】
図6は,本発明の第2の実施例を示す奥行き知覚測定装置の構成図である。図6において,1は観察者,2は両眼眼球運動測定センサ,3は眼球運動信号処理回路,7はサッカード除去部A,8はサッカード除去部B,9は観察者が見る被写体,12,13は低域ろ波回路であり,これらは第1の実施例と同じ物である。第1の実施例の構成と異なるのは,ウインド処理部14,相関係数計算部15が相互相関部10,解析部11の代わりに用いられている点である。以上のように構成された第2の実施例の奥行き知覚測定装置について,以下その動作を説明する。
【0023】
まず,第1の実施例と同様に,観察者1のサッカードや瞬きによる妨害信号を除去した両眼眼球運動(眼球回転角または回転角速度または回転角加速度)が眼球運動信号処理回路3,低域ろ波回路12,13,サッカード除去部7,8により測定される。この信号を,ウインド処理部14・相関係数計算部15により解析する。図7は相関係数を計算する過程を示したものである。サッカード除去部7,8の出力が,左右の眼の水平回転角度である場合について説明する。ウインド処理部14によりある時間幅Wの眼球運動データEL(ti),ER(ti),i=−n〜nを抽出し,相関係数計算部15によりEL(ti),ER(ti)の相関係数を計算する。
【0024】
そしてこの時の相関係数を時間t=tcの時刻の両眼の相関係数とする。相関係数の計算式は次式で与えられる。
【0025】
【数2】
Figure 0003778182
【0026】
そして,tcの時刻を時間軸方向に移動して相関係数を計算することによって,それぞれの時刻における両眼の眼球運動の相関係数が算出され,これの時間変化が測定される。ここで相関係数は,±1の間の値を持ち,負の値をとる場合に両眼が輻輳開散運動をしたことを示し,−1に近い程大きな奥行き知覚が生じていることを示す。また,1に近い程あまり大きな奥行き知覚が生じていないことを示す。図7(c)においては,γの部分で観察者に奥行き知覚が発生していることになる。
【0027】
以上のようにして,観察者の両眼眼球運動を測定し,これの相関係数の時間変化を評価することにより客観的・定量的に観察者の奥行き知覚発生量が測定できる。
【0028】
図8は,本発明の第3の実施例を示す奥行き知覚測定装置の構成図である。図8において,1は観察者,2は両眼眼球運動測定センサ,3は眼球運動信号処理回路,7はサッカード除去部A,8はサッカード除去部B,9は観察者が見る被写体,12,13は低域ろ波回路であり,これらは本発明の第の実施例と同じ物である。第1の実施例の構成と異なるのは,ウインド処理部14と2次元解析部16が相互相関部10,解析部11の代わりに用いられている点である。以上の様に構成された第3の実施例の奥行き知覚測定装置について,以下その動作を説明する。
【0029】
まず,第1の実施例と同様に,観察者1のサッカードを除去した両眼眼球運動が眼球運動信号処理回路3,低域ろ波回路12,13,サッカード除去部7,8により測定される。この信号を,2次元解析部16で解析し,観察者の奥行き知覚を評価する。まず,ウインド処理については,本発明における第2の実施例と同様であり,図7(a)(b)に示した動作と同じ動作をする。即ち,ウインド処理部14によりある時間幅Wの眼球運動データEL(ti),ER(ti),i=−n〜nを抽出し,そのデータについて2次元解析部16がデータ処理をする。そして,ウインドの中心時刻tcを変えていって同じ演算を繰り返し,奥行き知覚発生量の時間変化を算出する。図9は,2次元解析部16の動作説明図である。
【0030】
2次元解析部16の動作は,基本的には相関係数計算部15の計算を簡略化した計算手段の動作であり,ウインド内の眼球運動データEL(ti),ER(ti),i=−n〜nをEL,ER座標系にプロットし,δ領域内にある点の数Nδとε領域内にある点の数Nεの比Nε/Nδを計算する。ただし,領域δと領域εの重なる領域の点はカウントしなくてもよい。この値が大きいほど,ウインド時間内で強く奥行き知覚が発生したことを示している。ここで,図9においてa,b,c,dの座標は,測定データの分布がその範囲内に入るように,かつ2つの領域(δ・ε)の重なる部分以外に測定データが多く分布するように設定される。
【0031】
以上の様に計算することにより,両眼眼球運動を測定し2次元解析部16で測定データの数をカウントし比を求めるだけで相関係数を求めることなく,観察者の奥行き知覚を定量的に,客観的に測定することができる。
【0032】
図10は,本発明の第4の実施例を示す奥行き知覚測定装置の構成図である。図10において,1は観察者,2は両眼眼球運動測定センサ,3は眼球運動信号処理回路,9は観察者が見る被写体,12,13は低域ろ波回路であり,これらは第1の実施例と同じ物である。第1の実施例の構成と異なるのは,減算回路17,微分器4,絶対値回路18,積分器19が相互相関部10,解析部11の代わりに用いられている点,サッカード除去部が無いことである。以上の様に構成された第4の実施例の奥行き知覚測定装置について,以下その動作を説明する。
【0033】
まず,眼球運動信号処理回路3,低域ろ波回路12,13により観察者1の両眼眼球運動が測定される。次に,左右の眼球運動信号の差分を減算回路17により求め,微分器4で時間微分を求める。そして,これの絶対値を絶対値回路18で計算する。この結果をある一定の時間積分器19で積分し,測定結果を得る。この演算は測定時間中の輻輳開散運動の大きさと発生頻度に比例する。即ち,観察者1が被写体を観賞している時(測定時間中),奥行き知覚が頻繁に,大きく発生したかどうかを示す値が出力される。このようにして,両眼眼球運動を測定しその左右の眼の動きの差分の変化量を測定することにより,観察者の奥行き知覚を定量的に,客観的に測定することができる。
【0034】
図11は,本発明の第5の実施例を示す奥行き知覚測定装置の構成図である。図11において,1は観察者,2は両眼眼球運動測定センサ,3は眼球運動信号処理回路,7はサッカード除去部A,8はサッカード除去部B,9は観察者が見る被写体,12,13は低域ろ波回路であり,これらは本発明の第1の実施例と同じ物である。第1の実施例の構成と異なるのは,加算回路20,減算回路21,分散計算部22,23,分散方向選択性計算部24が相互相関部10,解析部11の代わりに用いられている点である。以上の様に構成された第5の実施例の奥行き知覚測定装置について,以下その動作を説明する。
【0035】
まず,第1の実施例と同様に,眼球運動信号処理回路3,低域ろ波回路12,13,サッカード除去部7,8により観察者1のサッカードと瞬きによる妨害信号を除去した水平方向両眼眼球運動が測定される。次に,この信号の左右の差分と加算を減算回路21,加算回路20により算出する。加算成分は両眼が同じ方向に回転する成分,差分成分は両眼が反対方向に回転する輻輳開散運動成分を表している。そして,ある一定時間内の測定データに対する,それぞれの成分の分散(加算分散,減算分散)を分散計算部22,23で計算する。分散方向選択性計算部24は加算分散と減算分散の比(減算分散/加算分散)を計算する。この値が大きい程,観察者の輻輳開散運動の発生頻度と大きさが大きく,即ち観察者の奥行き知覚が大きく,頻繁に起こっていることを示す。以上の様に,両眼眼球運動を測定しその左右の眼の動きの差分と加算成分の分散の比を測定することにより,観察者の奥行き知覚を定量的に,客観的に測定することができる。
【0036】
なお,本発明の第5の実施例において,減算処理によりサッカード成分は自動的に除去されるので,減算器21の入力はサッカード除去部7,8の入力側に接続しても良い。
【0037】
また,本発明の第5の実施例において,減算器21の出力の大きさ(左右の眼球運動の差分即ち輻輳開散運動の分散)のみを測定しても,観察者の奥行き知覚発生の大きさ,頻度を評価することができる。この場合,図12に示すように,低域ろ波回路12,13の出力をそのまま時間微分し,差分処理,分散計算を行うだけで結果を出力できる(図3で説明したのサッカード成分は差分を計算することにより相殺されるため,サッカード除去部7,8は必要ない)。なお,この場合は眼球運動の速度を用いたが,微分器をなしにすれば眼球回転角度の分散,微分器を縦続に2段接続すれば眼球回転角度の加速度の分散を計算することにより観察者の奥行き知覚を測定することも出来る。
【0038】
なお,本発明の第2〜5の実施例において,両眼の回転角を用いる方法のみならず,本発明の第1の実施例と同様に両眼の回転速度,加速度を用いて相関係数,2次元解析部16の計算,差分絶対値の計算(図10),分散の計算(図11)を行い,その結果を用いて観察者の奥行き知覚の発生程度を評価しても同様の効果が得られる。
【0039】
また,本発明の第3〜5の実施例において,眼球が反対方向に運動する成分と同方向に運動する成分の比を用いて評価したが,2つの成分の差分や重み付け平均値を用いても,同様の効果が得られる。
【0040】
【発明の効果】
以上の様に,本発明によれば,両眼眼球運動を測定し,両眼が反対方向に回転する輻輳開散運動成分の大きさ・発生頻度と,同方向に回転する共同運動の大きさ・発生頻度の比を評価することにより,観察者の奥行き知覚の発生程度(大きさ,頻度)を客観的に,定量的に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第1の実施例の奥行き知覚測定装置の構成図
【図2】(a)は強膜反射方式の垂直眼球運動検出方法を示す図
(b)は強膜反射方式の水平眼球運動検出方法を示す図
【図3】(a)は奥行き方向の視線移動時の左眼の水平回転角の時間変化を示す特性図
(b)は奥行き方向の視線移動時の右眼の水平回転角の時間変化を示す特性図
(c)は両眼眼球運動の種類と奥行き方向の視線移動の関係を示す図
【図4】(a)は眼球回転角の時間変化を示す図
(b)は同時間微分としきい値αの関係を示す特性図
(c)はしきい処理後の時間微分波形図
【図5】本発明における両眼の相互相関関数の測定例を示す図
【図6】本発明における第2の実施例の奥行き知覚測定装置の構成図
【図7】(a)は左右眼の水平回転角の時間変化を示す特性図
(b)はウインド処理波形を示す特性図
(c)はウインド処理と相関係数計算結果例を示す図
【図8】本発明における第3の実施例の奥行き知覚測定装置の構成図
【図9】第3の実施例の奥行き知覚測定装置の2次元解析部の動作を示す図
【図10】本発明における第4の実施例の奥行き知覚測定装置の構成図
【図11】本発明における第5の実施例の奥行き知覚測定装置の構成図
【図12】本発明における第5の実施例の奥行き知覚測定装置を簡略化した場合の構成図
【図13】従来の奥行き知覚測定装置の構成図
【符号の説明】
1 観察者
2 眼球運動測定センサ
3 眼球運動信号処理回路
4 微分器
5 しきい処理部
6 微分器
7 サッカード除去部A
8 サッカード除去部B
9 被写体
10 相互相関部
11 解析部
12 低域ろ波回路
13 低域ろ波回路
14 ウインド処理部
15 相関係数計算部
16 2次元解析部
17 減算器
18 絶対値回路
19 積分器
20 加算器
21 減算器
22 分散計算部
23 分散計算部
24 赤外LED
25 赤外フォトダイオード
26 赤外フォトダイオード
27 赤外フォトダイオード
28 赤外LED
29 視野カメラ
30 眼球運動検出部
31 データ処理部
32 画像処理部

Claims (4)

  1. 両眼眼球運動信号から左右眼それぞれにおいて速度の速い急速眼球運動と瞬きによる妨害信号を除去するサッカード除去部と、時間方向に走査する一定時間窓内の左右の眼球運動の速度または加速度の相互相関を計算する相互相関部とを備え、
    相互相関関数の相関値・時間・相互相関を計算する際に左右眼球運動の速度または加速度に与えられる時間差である偏移により構成される3次元空間において、前記相関値が0近傍の一定値となる時間と前記偏移により構成される平面と、左右の眼球運動の速度の相互相関関数の相関値・時間・前記偏移により示される前記3次元空間における曲面により規定される領域の体積、または、この領域の時間・相互相関関数における偏移により構成される平面への2次元射影の面積を用いて観察者の奥行き知覚を測定することを特徴とする奥行き知覚測定装置。
  2. 両眼眼球運動信号から左右眼それぞれにおいて速度の速い急速眼球運動と瞬きによる妨害信号を除去するサッカード除去部と、時間方向に走査する一定時間窓内の左右の眼球運動の速度の相関係数を計算する相関係数計算部とを備え、前記相関係数計算部の出力の大きさによって観察者の奥行き知覚の強さを測定することを特徴とする奥行き知覚測定装置。
  3. 両眼眼球運動信号から左右眼それぞれにおいて速度の速い急速眼球運動と瞬きによる妨害信号を除去するサッカード除去部と、左右の水平眼球運動の速度を2次元座標に展開し,前記2次元座標において、左右の水平眼球運動の速度符号が同じである領域に測定データが入る時間左右の水平眼球運動の速度符号が異なる領域に測定データが入る時間を計算する計算手段とを備え、前記計算手段により計算された左右の水平眼球運動の速度符号が同じである領域に測定データが入る時間と左右の水平眼球運動の速度符号が異なる領域に測定データが入る時間との比または差分によって観察者の奥行き知覚を測定することを特徴とする奥行き知覚測定装置。
  4. 前記左右の眼球運動の速度の代わりに,左右の眼球運動の加速度または左右の視線位置の値を用いることを特徴とする請求項2又は3に記載の奥行き知覚測定装置。
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