JP3778173B2 - 楽音合成装置及びプログラム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、人声音や管楽器音などのフォルマント構造を持つ楽音を生成する楽音合成装置に関するものであり、特に複数のフォルマント波形を合成する際において各フォルマント波形の直流成分が重畳されることを軽減し、歪みの少ない前記楽音波形を生成することのできるようにした楽音合成装置及びプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子楽器やその他の電子的楽音合成システムにおいて、人声音や管楽器音などの音のフォルマント構造に着目して楽音を合成する方式は種々考えられている。こうしたフォルマント構造を持つ楽音を合成する方式としては、例えば特公昭58−53351号公報に記載のCSM(Composite Sinusoidal Modeling)方式と称される複合正弦波モデルを用いる方式、あるいは特開平2−254497号公報に記載のFS(Format Synthesis)方式と称される窓関数波形を用いる方式などが従来から知られている。前記CSM方式を用いた従来の楽音合成装置においては、数mS乃至数十mS(ミリ秒)の短時間の音声を定常と見なし、所望の楽音のピッチ(つまり音高)に対応したピッチ周期毎に位相が「0」に初期化されるフォルマント中心周波数を有する正弦波(原波形である正弦波と区別するために、これを便宜的にフォルマント波形と呼ぶ)を1乃至複数個加算することにより、フォルマント構造を持つ楽音を該所望の楽音ピッチで発生することができる。一方、前記FS方式を用いた従来の楽音合成装置においては、所望のフォルマント中心周波数を有する周期波形(例えば正弦波等)と所望の楽音ピッチに対応するピッチ周期で繰り返す所定の時間幅の窓関数波形(例えばsin2波等)とを乗算(すなわち振幅変調)して生成されるフォルマント波形を1乃至複数個加算することにより、フォルマント構造を持つ楽音を該所望の楽音ピッチで発生することができる。これらの方式を用いた楽音合成装置において所望の楽音のフォルマント特性は、基本的には、フォルマント中心周波数を設定するためのパラメータと、そのフォルマントのレベル(振幅)を設定するためのパラメータとを適切に設定することによって作り出すことができる。すなわち、これらのパラメータを用いて所定の演算アルゴリズムを実行することにより、フォルマント構造を持つ楽音の合成は行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したCSM方式やFS方式などの合成方式を用いた従来の楽音合成装置においては、各フォルマント波形として直流成分を含んだ波形が生成されることが多い。特に、楽音のピッチ周波数よりもフォルマント中心周波数が低い状態、例えば男性の声における1次フォルマントや女性の声などに多く見られる状態での楽音を合成する場合には非常に大きな直流成分を含むフォルマント波形、すなわちフォルマント波形の振幅の平均値が大きくプラス側にずれた波形が生成されることが顕著に現れる。こうした波形の振幅の平均値がプラス側にずれて生成されるフォルマント波形について、CSM方式を用いた場合を例に簡単に説明する。
【0004】
図12は、CSM方式を用いた楽音合成装置において生成される1個のフォルマント波形の生成について説明するための波形図である。図12(a)は原波形であるフォルマント中心周波数を有する正弦波、図12(b)はピッチ周期毎にパルス信号を発するピッチ周期パルス波形、図12(c)は生成されたフォルマント波形である。ただし、この実施例では各ピッチ周期毎におけるフォルマント中心周波数を変化させることなく、また線スペクトルの幅を広げると共にピッチ周期毎の波形間における波形接続を滑らかにするためのピッチ周期に同期した包絡線パターン(つまり振幅エンベロープ)や音量補正のための振幅を乗じるなどの各種波形制御を行う前のフォルマント波形を示した。
【0005】
CSM方式においては、図12(a)に示すようなフォルマント中心周波数を有する正弦波を発生させると共に、図12(b)に示すような所望の楽音ピッチに対応するピッチ周期間隔で周期的にピッチ周期パルスを発生する。ピッチ周期パルスを発生した場合には、前記フォルマント中心周波数を有する正弦波の位相を「0」に初期化して再び初期値から正弦波の発生を開始する。そのため、楽音のピッチ周波数よりもフォルマント中心周波数が低い状態である場合には、フォルマント中心周波数を有する正弦波が1周期に達する前に位相が「0」に初期化されることになり、図12(c)に示すような波形が周期的に発生される。この図12(c)から理解できるように、この場合に生成されるフォルマント波形は他の場合に生成されるフォルマント波形と比較して振幅の平均値がプラス側に大きくずれている。すなわち、大きな直流成分が含まれる波形がフォルマント波形として生成されることが理解できる。
【0006】
上述したように、従来の楽音合成装置で生成される各フォルマント波形はそれぞれが直流成分を含んだ波形であることが多い。そのため、フォルマント構造を持つ楽音を合成する際に生成されたフォルマント波形を複数個加算する、あるいは振幅を増大するなどの各種波形制御処理を実行すると、各フォルマント波形の平均値がより大きくプラス側にずれてしまうことが生じてしまい、より大きな直流成分を含む波形が生成されることになる。すなわち、フォルマント波形を合成するために各種波形制御処理を行った場合に、各フォルマント波形に含まれる直流成分が重畳されてしまい、容易にプラス側で波形クリップを起こしやすく、最終的に生成される楽音波形が歪みの大きな波形となるので非常に都合が悪い、という問題点があった。
また、従来の楽音合成装置においては、フォルマント構造を持つ楽音を多様な音色で生成することが非常に難しかった。
【0007】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、フォルマント構造を持つ楽音を合成する際に、簡単な構成により各フォルマント波形に含まれる直流成分が重畳されることを軽減できるようにすることによって、歪みの小さな楽音波形を生成することのできる楽音合成装置及びプログラムを提供しようとするものである。
また、フォルマント構造を持つ楽音を多様な音色で簡単に生成することのできるようにした楽音合成装置及びプログラムを提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る楽音合成装置は、それぞれ所定のフォルマント中心周波数を持つ複数の各フォルマント毎に、該フォルマント中心周波数に対応する周期を持つ周期波形発生する原波形発生手段と、各フォルマント毎の前記周期波形の初期位相が少なくとも2つのフォルマントで異なるように各初期位相をそれぞれ設定する設定手段と、前記原波形発生手段で各フォルマント毎の前記周期波形を発生する際に、生成すべき音のピッチ周期に同期して、各フォルマント毎に設定された前記各初期位相から該各周期波形を発生するよう原波形発生手段を制御する制御手段と、前記原波形発生手段で発生した各周期波形に基づいて複数のフォルマント波形を生成するフォルマント波形生成手段と、前記生成した複数のフォルマント波形を合成する波形合成手段とを具えたことを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、前記原波形発生手段では、それぞれ所定のフォルマント中心周波数を持つ複数の各フォルマント毎に、該フォルマント中心周波数に対応する周期を持つ周期波形を発生し、前記設定手段では、各フォルマント毎の前記周期波形の初期位相が少なくとも2つのフォルマントで異なるように各初期位相をそれぞれ設定し、前記制御手段では、前記原波形発生手段で各フォルマント毎の前記周期波形を発生する際に、生成すべき音のピッチ周期に同期して、各フォルマント毎に設定された前記各初期位相から該各周期波形を発生するよう原波形発生手段を制御する。こうすることにより、複数のフォルマント波形を合成した合成波形に重畳される直流成分を低減することができ、歪みの小さな楽音波形を生成することができるようになる。すなわち、各フォルマント毎の周期波形の初期位相が少なくとも2つのフォルマントで異なるように各初期位相がそれぞれ設定されるので、このように初期位相の異なる少なくとも2つのフォルマントの周期波形では、生成すべき音のピッチ周期に同期して強制的に各初期位相にリセットされることにより生起される直流成分の出方がそれぞれ異なるものとなり、一律的な直流成分の重畳加算が起こらないようにすることができる。例えば、最も分かり易い例として、初期位相の相違によって、或るフォルマントの周期波形には正の直流成分が生じ、別のフォルマントの周期波形には負の直流成分が生じるとすると、それらを含む合成波形において重畳される直流成分においてはかなりの相殺が生じ、結果的に直流成分を低減することができる。
【0010】
本発明の好ましい一実施例として、前記原波形発生手段は、複数の波形の中から任意の波形各フォルマントに対応して選択する波形選択手段を含み、各フォルマントに対応して選択された波形を使用して各フォルマント毎前記周期波形を発生することを特徴とする。このようにして周期波形を生成する基となる波形を選択可能とすると、簡単に合成波形つまりフォルマント構造を持つ楽音を多様な音色で形成することができるようになることから有利である。
【0011】
本発明の請求項6に係る楽音合成装置は、それぞれ所定のフォルマント中心周波数を持つ複数の各フォルマント毎に、該フォルマント中心周波数に対応する周期を持つ周期波形発生する原波形発生手段と、前記原波形発生手段で各フォルマント毎の前記周期波形を発生する際に、生成すべき音のピッチ周期に同期して、所定の初期位相から該各周期波形を発生するよう原波形発生手段を制御する制御手段と、前記原波形発生手段発生した各周期波形の振幅レベルを、各フォルマント毎に反転する又はしない制御をする振幅レベル制御手段と、前記振幅レベル制御した各フォルマント毎の周期波形に基づいて複数のフォルマント波形を生成するフォルマント波形生成手段と、前記生成した複数のフォルマント波形を合成する波形合成手段とを具える。こうすることによっても、それぞれ位相がずれた複数のフォルマント波形を生成できるようになることから、複数のフォルマント波形を合成した合成波形に重畳される直流成分を低減することができるようになる。
すなわち、原波形発生手段で発生した各周期波形の振幅レベルを各フォルマント毎に反転する又はしない制御をするので、各フォルマントの周期波形では、生成すべき音のピッチ周期に同期して強制的に所定の初期位相にリセットされることにより生起される直流成分の出方がそれぞれ同様であったとしても、その振幅レベルを各フォルマント毎に反転する又はしないようにすることによって、一律的な直流成分の重畳加算が起こらないようにすることができる。例えば、或るフォルマントの周期波形にはその振幅レベルの反転によって負の直流成分が生じ、別のフォルマントの周期波形にはその振幅レベルを反転しないことによって正の直流成分が生じるとすると、それらを含む合成波形において重畳される直流成分においてはかなりの相殺が生じ、結果的に直流成分を低減することができる。その結果、上述と同様に、複数のフォルマント波形を合成した合成波形に重畳される直流成分を低減することができ、歪みの小さな楽音波形を生成することができるようになる。
【0012】
本発明は、装置の発明として構成し、実施することができるのみならず、方法の発明として構成し実施することができる。また、本発明は、コンピュータまたはDSP等のプロセッサのプログラムの形態で実施することができるし、そのようなプログラムを記憶した記憶媒体の形態で実施することもできる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照してこの発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
図1は、この発明に係る楽音合成装置の実施の形態を示すブロック図である。本実施例に示す楽音合成装置はフォルマント構造を持つ楽音(例えば音声など)を合成するためのフォルマント合成音源であって、該フォルマント合成音源はキーオン情報、音素情報、ピッチ情報などをそれぞれ発音パラメータとして入力することで、そのパラメータに対応した音声などの楽音を合成する。キーオン情報は楽音生成の開始を指示するためのデータであって、例えば鍵盤のような演奏操作手段あるいは演奏データ入力手段(図示せず)から送られてくるデータである。フレームパルス生成部1ではこのキーオン情報を受信すると、図示しないタイマなどから入力されたクロックの計数を開始し、該クロックの計数に従う所定のフレーム周期間隔(例えば20mS(ミリ秒))毎にパルス信号を発生するフレームパルスを生成する。フレームカウンタ2は、キーオン情報を受信してから前記フレームパルス生成部1により生成されたフレームパルスのパルス信号の個数を時間経過に応じて順次カウントするカウンタである。すなわち、キーオン情報の入力に伴って、フレームパルス生成部1及びフレームカウンタ2はそれぞれ初期化され、新たにフレームパルスの生成とパルス信号のカウントを開始する。こうして生成されたフレームパルスにおける1つのパルス信号を1単位として該単位毎に音素パラメータやピッチ情報が与えられることによって、フレーム毎にフォルマント構造を持つ楽音が順次に生成されるようになっている。
【0015】
音素パラメータメモリ3は複数の音素パラメータを記憶するROMやRAMあるいは外部記憶装置などの記憶手段であって、フレームの進行に連動してフレーム毎に参照する音素パラメータの切り換えを行う。音素パラメータは音素毎に参照するフォルマントの組み合わせを定義したパラメータであり、音素パラメータメモリ3では入力された音素情報に従って複数の音素パラメータの中から参照する音素パラメータをいずれかに決定する。この音素パラメータの詳細なデータ構成については後述する(後述する図2参照)。パラメータ補間部4は、時間的に相前後するフレーム間における音声波形の振幅の急変を防ぐために該当する音素パラメータを補間する。例えば、時間的に相前後するフレーム間の音声波形が互いにクロスフェード接続されるように、音素パラメータの振幅パラメータ値を変更するなどの補間処理を行う。こうすることで、フレーム間において時間的に相前後する音声波形同士が滑らかに接続されることになり、フレーム毎に生成された音声波形間の振幅の急変を防止することができる。フォルマント合成部5では与えられた音素パラメータと、上記キーオン情報などと共に演奏操作手段あるいは演奏データ入力手段から送られてくるピッチ情報とに従って各フォルマント毎にフォルマント波形を生成し、該生成した複数のフォルマント波形を加算合成することで1つの音声波形を生成する。該フォルマント合成部5で採用するフォルマント構造を持つ楽音の合成方式としては、複合正弦波モデルを用いるCSM方式(後述する図3参照)や窓関数を用いるFS方式(後述する図6参照)などの方式がある。
【0016】
ここで、上記音素パラメータメモリ3に記憶される音素パラメータの詳細について、図2を用いて説明する。図2は、音素パラメータのデータ構造の一実施例を示す概念図である。音素パラメータはフォルマント合成部5で採用されているフォルマント構造を持つ楽音の合成方式、例えばCSM方式とFS方式とでは参照する音素パラメータの種類が異なる。そこで、図2ではCSM方式の場合とFS方式の場合に参照する各音素パラメータについて、異なるデータ部分はそれぞれを併記して示した。
【0017】
音素パラメータは、個々の音素毎、例えば「め」という音節を構成する2つの音素「mhe」と音素「ej」などのような各音素毎(音素1、音素2、…)に含まれるべきフォルマントの組み合わせを定義したパラメータである。各音素は複数のフレーム(フレーム1、フレーム2、…)に分けることができ、各フレーム毎にフォルマント合成部5に対して供給するパラメータは定義されている。CSM方式において音素パラメータとして定義されているパラメータは、フォルマント中心周波数におけるレベル(つまり、フォルマントピークレベル)を設定するための振幅パラメータ(a1、a2、…、an)と、フォルマント中心周波数を設定するための角周波数パラメータ(ω1、ω2、…、ωn)とである。これらのパラメータが、各音素を構成するフォルマントの数分だけ組み合わせられて記憶されている。例えば、1個の音素が1次フォルマントと2次フォルマントと3次フォルマントの3個のフォルマントにより構成される場合には、1次フォルマントの振幅(a1)と角周波数(ω1)、2次フォルマントの振幅(a2)と角周波数(ω2)、3次フォルマントの振幅(a3)と角周波数(ω3)とが音素パラメータとして定義されている。他方、FS方式における各フレーム毎のパラメータは、振幅パラメータ(a1、a2、…、an)とフォルマント中心周波数を設定するための周波数パラメータ(fc1、fc2、…、fcn)と窓関数の時間幅Twを設定するためのフォルマントバンド幅値K(K1、K2、…、Kn)とである。FS方式の場合にも上記CSM方式の場合と同様に、これらのパラメータが各音素を構成するフォルマントの数だけ組み合わせられて記憶されている。
【0018】
上述したように、図1に示すフォルマント合成部5において採用されるフォルマント合成方式は、例えばCSM方式とFS方式という異なる方式がある。そこで、この実施例ではCSM方式とFS方式とをそれぞれ採用した場合のフォルマント合成部5について、その構成を別々に分けて説明する。まず、CSM方式を採用した場合のフォルマント合成部5の構成について、図3を用いて説明する。図3は、CSM方式を採用したフォルマント合成部の全体構成の一実施例を示す概念図である。
【0019】
CSM方式を採用したフォルマント合成部5は、1個の音素を構成する複数のフォルマント波形をそれぞれ生成するための個別フォルマント音生成部Aと、生成されたフォルマント波形を複数加算するための加算器Bと、ピッチ周期毎に繰り返すピッチ周期パルスを発生するためのフェイズジェネレータ(PG)C及びピッチ周期パルス生成器Dとにより構成される。ピッチ周期パルス生成器Dでは、位相発生器たるフェイズジェネレータ(PG)Cによってピッチ周波数(Pitch)に比例した周期にパルス信号を発生するピッチ周期パルスを生成する。このピッチ周波数は、ピッチ情報としてフォルマント合成部5に対して与えられる(図1参照)。個別フォルマント音生成部Aは、フェイズジェネレータ(PG)A1、Sin波形メモリA2、乗算器A3及びA4、エンベロープジェネレータ(EG)A5を少なくとも含んで構成される。フェイズジェネレータ(PG)A1は、音素パラメータメモリ3からパラメータ補間部4(図1参照)を介して入力された角周波数パラメータ(ω1〜ωn)に従うフォルマント中心周波数に比例した数値データを累算する。このフェイズジェネレータ(PG)A1の累算値出力は鋸歯状に変化し、累算値がオーバーフローすると再び初期値から累算を開始する。また、ピッチ周期パルス生成器Dからピッチ周期間隔にピッチ周期パルスが入力された場合には、累算値がオーバフローしていなくても再び初期値から累算を開始するようにリセット、つまり位相を初期化する。このリセットを行う際に、この実施例に示すフォルマント合成音源では個別フォルマント音生成部Aのフェイズジェネレータ(PG)A1毎に初期位相を異ならせるようにしてリセットを行う。詳しくは後述するが、例えば奇数次フォルマント波形を生成するための個別フォルマント音生成部Aのフェイズジェネレータ(PG)A1では初期位相を「0(又はπ)」に設定し、偶数次フォルマント波形を生成するための個別フォルマント音生成部Aのフェイズジェネレータ(PG)A1では初期位相を「π(又は0)」に設定するようにしてリセットを行う。すなわち、低次フォルマントを生成するフェイズジェネレータ(PG)A1から順に、Sin波形メモリA2から読み出す正弦波の初期位相を交互に「0(又はπ)」「π(又は0)」に設定する。フェイズジェネレータ(PG)A1は、累算値をSin波形メモリA2からの正弦波の読み出しアドレス信号として順次に出力する。
【0020】
Sin波形メモリA2には正弦波の1周期の順次サンプル点振幅値が各アドレスに対応して記憶されており、フェイズジェネレータ(PG)A1から供給される読み出しアドレス信号により指定されたアドレスに記憶されている正弦波振幅値が順次に読み出される。すなわち、Sin波形メモリA2からはフォルマント中心周波数の正弦波の順次サンプル点振幅がクロックに従って順次に出力される。前段の乗算器A3は、前記Sin波形メモリA2からの出力と振幅パラメータとを加算(真数では乗算に相当)して音量を補正する。エンベロープジェネレータ(EG)A5は、ピッチ周期に同期したエンベロープ波形を発生する。このエンベロープ波形の形状やレベル(強度)などは、エンベロープパラメータによって指定することができる。前段の乗算器A3に続く後段の乗算器A4では、前段の乗算器A3からの出力とエンベロープジェネレータ(EG)A5からのエンベロープ波形とを乗算する。すなわち、このフォルマント合成音源においてはピッチ周期毎に位相を初期化しているが、本質的にはSin波形メモリA2からの正弦波の和のみで合成音声を生成しようとしている。しかし、実際の音声信号は数本の線スペクトルで表せるものではなく、一般に連続スペクトルである。そこで、線スペクトルの幅を広げるために、ピッチ周期に同期したエンベロープ波形を乗じている。また、エンベロープ波形を乗じることにより、ピッチ周期毎に位相を初期化することにより生じる波形の不連続を緩和することができる。こうして、各フォルマント合成部Aでは1フォルマント分のフォルマント波形を生成する。加算器Bは各フォルマント合成部Aで生成されたフォルマント波形を複数加算することによって、最終的にフォルマント構造を持つ1つの音声波形を合成する。
【0021】
上述したように、フェイズジェネレータ(PG)A1では角周波数パラメータ(ω1〜ωn)に従うフォルマント中心周波数に比例した数値データを累算するが、ピッチ周期パルス生成器Dからピッチ周期間隔にピッチ周期パルスが入力された場合には位相を初期化(つまりリセット)して再び該初期位相に対応する初期値から上記数値データの累算を開始する。この際に、奇数次フォルマント波形を生成するためのフェイズジェネレータ(PG)A1と、偶数次フォルマント波形を生成するためのフェイズジェネレータ(PG)A1とでは位相を「π(180°)」だけずらすようにして各初期位相を設定する。図4は、こうしたフェイズジェネレータ(PG)A1の構成の一実施例を示す概念図である。そして、図5はフェイズジェネレータ(PG)A1の所定の構成部からの出力を示した概念図である。図5(a)はピッチ周期パルス生成器Dから出力されるピッチ周期パルス、図5(b)はフェイズジェネレータA1から出力される累算値、図5(c)はSin波形メモリA2から出力される正弦波をそれぞれ示す概念図である。この図5では、左から順に角周波数パラメータとして角周波数ωが与えられた場合の1次フォルマント波形、角周波数2ωが与えられた場合の2次フォルマント波形、角周波数3ωが与えられた場合の3次フォルマント波形、角周波数4ωが与えられた場合の4次フォルマント波形を、それぞれ生成する個別フォルマント音生成部A別に各出力を分けて示した。
【0022】
図4に示すように、フェイズジェネレータ(PG)A1は加算器P1とシフトレジスタP2とセレクタP3と初期位相制御部P4とから構成される。加算器P1及びシフトレジスタP2は、入力された角周波数パラメータ(ω1〜ωn)に従うフォルマント中心周波数に比例した数値データを順次に加算して累算値を算出するためのものである。初期位相制御部P4は、ピッチ周期にあわせて所定の初期位相を発生する。この初期位相は、ユーザが適宜に設定することができるようになっている。すなわち、ユーザは生成される各フォルマント波形に含まれる直流成分を波形合成の際に打ち消すように、各個別フォルマント生成部A毎に初期位相をコントロールすることができる。セレクタP3は加算器P1に帰還させる信号を選択するためのものであり、ピッチ周期パルスの有無に応じてシフトレジスタP2から出力される累算値、初期位相制御部P4から発生された初期位相のいずれかを選択する。すなわち、図5(a)及び図5(b)に示すように、ピッチ周期パルスが入力されていない場合にはシフトレジスタP2から出力される累算値が加算器P1に帰還されて、フェイズジェネレータ(PG)A1の累算値出力は鋸歯状に変化するものとなる。一方、ピッチ周期パルスが入力された場合には初期位相制御部P4から送られる初期位相が加算器P1に再設定されて、加算器P1では再度この初期位相に基づく初期値から累算を開始する。このリセットを行う際に、奇数次フォルマント波形を生成するためのフェイズジェネレータ(PG)A1では初期位相制御部P4により初期位相が「0」に設定され、偶数次フォルマント波形を生成するためのフェイズジェネレータ(PG)A1では初期位相制御部P4により初期位相が「π」に設定されることから、図5(b)に示すような出力が各フェイズジェネレータ(PG)A1から行われることになる。
【0023】
図5(b)に示すようなフェイズジェネレータ(PG)A1からの出力(つまり累算値)に従ってSin波形メモリA2から正弦波を読み出すと、図5(c)に示すような波形が読み出される。この図5(c)から理解できるように、初期位相を「0」に設定した1次及び3次(つまり奇数次)フォルマント波形を生成する個別フォルマント音生成部Aにおいては、Sin波形メモリA2から読み出した正弦波の振幅の平均値がプラス側にずれた波形となる。一方、初期位相を「π」に設定した2次及び4次(つまり偶数次)フォルマント波形を生成する個別フォルマント音生成部Aにおいては、Sin波形メモリA2から読み出した正弦波の振幅の平均値がマイナス側にずれた波形となる。したがって、これらの各フォルマント波形を加算すると、1次フォルマント波形の振幅のプラス側への平均値のずれがかなり大きいことからプラス分とマイナス分との平均値のずれを完全に打ち消し合う訳ではないが、プラス分とマイナス分との平均値のずれを一部打ち消し合うことになる。したがって、振幅を増大させるための乗算を行った後に加算を行った場合であっても、よりプラス側に大きく振幅の平均値のずれが増幅されることがない。すなわち、偶数次フォルマントと奇数次フォルマントとで初期位相を「π(180°)」だけずらして設定することにより複数フォルマント波形加算時における各フォルマント波形に含まれる直流成分の重畳を軽減することができ、それによって従来に比べて波形クリップをおこしにくくなり、歪みの少ない波形を生成することができるようになる。
【0024】
次に、FS方式を採用した場合のフォルマント合成部5の構成について、図6を用いて説明する。図6は、FS方式を採用したフォルマント合成部の全体構成の一実施例を示す概念図である。
【0025】
FS方式を採用したフォルマント合成部5は、1個の音素を構成する複数のフォルマント波形をそれぞれ生成するための個別フォルマント音生成部Aと、生成されたフォルマント波形を複数加算するための加算器Bと、ピッチ周期毎に繰り返すピッチ周期パルスを発生するためのフェイズジェネレータ(PG)C及びピッチ周期パルス生成器Dとにより構成される。ピッチ周期パルス生成器Dは、上述したCSM方式によるものと同様にしてピッチ周期パルスを生成する。個別フォルマント音生成部Aは少なくとも、第1のフェイズジェネレータ(PG)A1、Sin波形メモリA2、乗算器A3及びA4、第2のフェイズジェネレータ(PG)A6、窓波形メモリA7とにより構成される。第1のフェイズジェネレータ(PG)A1は、音素パラメータメモリ3からパラメータ補間部4(図1参照)を介して入力されたフォルマント中心周波数パラメータ(fc1〜fcn)に比例した数値データを累算する。このフェイズジェネレータ(PG)A1の累算値出力は鋸歯状に変化し、累算値がオーバーフローすると再び初期値から累算を開始する。また、ピッチ周期パルス生成器Dからピッチ周期間隔でピッチ周期パルスが入力された場合には、累算値がオーバフローしていなくても再び初期値から累算を開始するようにリセット、つまり位相を初期化する。このリセットを行う際に、第1のフェイズジェネレータ(PG)A1毎に初期位相を異ならせるようにしてリセットを行う。例えば奇数次フォルマント波形を生成するための第1のフェイズジェネレータ(PG)A1では初期位相を「0」に設定し、偶数次フォルマント波形を生成するための第1のフェイズジェネレータ(PG)A1では初期位相を「π」に設定するようにしてリセットを行う。このような動作を行うFS方式における第1のフェイズジェネレータ(PG)A1の構成は上述したCSM方式の構成と何ら変わるものではなく図4に示したものと同様の構成でよいことから、このFS方式におけるフェイズジェネレータ(PG)の詳細な説明については省略する(ただし、図4において加算器P1に入力するデータは角周波数ωでなくフォルマント中心周波数fcに置きかえる)。Sin波形メモリA2では、第1のフェイズジェネレータ(PG)A1から供給される読み出しアドレス信号(すなわち累算値)により指定されたアドレスに記憶されている正弦波振幅値を順次読み出す。
【0026】
第2のフェイズジェネレータ(PG)A6は、音素パラメータメモリ3からパラメータ補間部4(図1参照)を介して入力されたフォルマントバンド幅値(K1〜Kn)に従い窓関数メモリA7から所定の時間幅を持つ窓関数を読み出すための数値データを累算する。前段の乗算器A3は、前記Sin波形メモリA2からの出力と前記窓波形メモリA7からの出力とを加算する。後段の乗算器A4は、前記前段の乗算器A3からの出力と振幅パラメータとを加算(真数では乗算に相当)して音量を補正する。こうして、各フォルマント合成部Aでは1フォルマント分のフォルマント波形を生成する。加算器Bは各フォルマント合成部Aで生成されたフォルマント波形を複数加算することによって、最終的にフォルマント構造を持つ1つの音声波形を合成する。
【0027】
以上のように、FS方式を採用したフォルマント合成部においても、フェイズジェネレータ(PG)A1においてピッチ周期に応じて偶数次フォルマントと奇数次フォルマントとで初期位相を「π(180°)」だけずらして設定するようにしたことによって、複数フォルマント波形加算時における各フォルマント波形に含まれる直流成分の重畳を軽減することができるようになる。
【0028】
なお、上述した各実施例においては、奇数次フォルマント波形を生成するための個別フォルマント音生成部Aのフェイズジェネレータ(PG)A1では初期位相を「0」に設定し、偶数次フォルマント波形を生成するための個別フォルマント音生成部Aのフェイズジェネレータ(PG)A1では初期位相を「π」に設定するようにしてリセットを行うようにしたがこれに限らない。奇数次フォルマント波形を生成するための個別フォルマント音生成部Aのフェイズジェネレータ(PG)A1では初期位相を「π」に設定し、偶数次フォルマント波形を生成するための個別フォルマント音生成部Aのフェイズジェネレータ(PG)A1では初期位相を「0」に設定するようにしてリセットを行うようにしてもよい。あるいは、一般的には1次フォルマント波形の振幅のプラス側への平均値のずれが他のフォルマント波形と比較してかなり大きいことから、1次フォルマント波形を生成するための個別フォルマント音生成部Aのフェイズジェネレータ(PG)A1では初期位相を「0(又はπ)」に設定し、その他のフォルマント波形を生成するための個別フォルマント音生成部Aのフェイズジェネレータ(PG)A1全てについては初期位相を「π(又は0)」に設定するようにしてリセットを行うようにしてもよい。要は、生成される各フォルマント波形に含まれる直流成分を波形合成の際に打ち消すように、各個別フォルマント生成部A毎に初期位相を設定することができればよい。
なお、各個別フォルマント生成部A毎に設定する初期位相は、各フォルマント波形の直流成分を打ち消すように予め設定済みであるデフォルトの初期位相であってもよいことは言うまでもない。
【0029】
次に、本発明に係る楽音合成装置の他の実施例、ここではフォルマント構造を持つ楽音を多様な音色で生成することのできるようにした楽音合成装置について、図7〜図9を用いて説明する。図7は、前記楽音合成装置において用いられる音素パラメータの一実施例を示す概念図である。図8は、前記楽音合成装置において原波形として選択的に用いることが可能な波形データの一実施例を示す概念図である。図9は、前記楽音合成装置におけるフォルマント合成部の全体構成の一実施例を示す概念図であり、図9(a)にCSM方式、図9(b)にFS方式を採用した場合をそれぞれ示す。なお、以下の説明では説明を簡略化するために、既に説明済みの各実施例(図2、図3及び図6参照)と異なる箇所についてのみ主に説明する。
【0030】
図7に示した音素パラメータにおいて、CSM方式における各フレーム毎に定義されているパラメータは、振幅パラメータ(a1、a2、…、an)と、角周波数パラメータ(ω1、ω2、…、ωn)と、位相ずれパラメータ(PI1、PI2、…PIn)と、波形選択パラメータ(WS1、WS2、…、WSn)とである。他方、FS方式における各フレーム毎に定義されているパラメータは、振幅パラメータ(a1、a2、…、an)と、周波数パラメータ(fc1、fc2、…、fcn)と、フォルマントバンド幅値K(K1、K2、…、Kn)と、位相ずれパラメータ(PI1、PI2、…PIn)と、波形選択パラメータ(WS1、WS2、…、WSn)とである。すなわち、この実施例に示す音素パラメータには、図2に示した音素パラメータと比較してCSM方式及びFS方式とも、位相ずれパラメータ及び波形選択パラメータとが追加定義されている。位相ずれパラメータ(PI1、PI2、…PIn)は、フェイズジェネレータ(PG)の一構成部である初期位相制御部P4(図4参照)により発生される初期位相を制御するためのパラメータである。すなわち、初期位相制御部P4に対して位相ずれパラメータが与えられることによって、初期位相制御部P4では該パラメータに応じた位相を初期位相として発生する。
【0031】
波形選択パラメータ(WS1、WS2、…、WSn)は、原波形として利用する適宜の波形を波形メモリ(後述する)に対して指定するためのパラメータである。すなわち、原波形として利用することのできる波形データは予め波形メモリに多数用意されており、この実施例に示す楽音合成装置においては該波形メモリに用意された多数の波形データの中から任意の波形を原波形として選択的に利用することができるようになっている。波形メモリに記憶される波形データの具体例を示すと、図8に示すようになる。この図8から理解できるように、原波形として利用することのできる波形データとしては正弦波だけでなく、三角波、矩形波、鋸波、それら以外の波形など、周期性を持つ適宜の波形形状をした波形データであればどのようなものであってもよい。例えば、ユーザが自ら作成した周期性を持つ任意波形をSRAMなどに記憶しておき、そうした波形を原波形として利用することができるようになっていてもよい。勿論、図8に示した波形データは一例であってこれに限られるものではない。
【0032】
図9(a)及び図9(b)から理解できるように、本発明に係る楽音合成装置においては、CSM方式及びFS方式共に、フェイズジェネレータ(PG)A1´に対して前記位相ずれパラメータ(PI1、PI2、…PIn)が、波形メモリA2´に対して前記波形選択パラメータ(WS1、WS2、…、WSn)がそれぞれ与えられる。フェイズジェネレータ(PG)A1´ではピッチ周期パルス生成器Dからのピッチ周期パルスに応じて位相を初期化する際に、与えられた位相ずれパラメータに基づいて位相をずらすようにして位相の初期化を行う。したがって、波形メモリA2´から波形を読み出す際の初期位相を各フォルマント毎に適宜の位相に設定することができるようになる。各フォルマント毎に初期位相に位相ずれを生じるように位相ずれパラメータを積極的に設定すると、最終的な合成波形の生成時において直流成分を除去することに限らず、多様な音色でフォルマント構造の楽音を生成することができるようになる。一方、波形メモリA2´では与えられた波形選択パラメータに基づいて、該波形メモリA2´に用意された正弦波を含む多様な波形の中から任意の波形を選択し、これを原波形として使用する。したがって、原波形としてSin波形メモリA2からの正弦波を利用することのみに限らず(図3、図6参照)、波形メモリA2´に用意された正弦波を含む多様な波形の中から任意の波形を選択的に利用することができるようになる。各フォルマント毎に原波形として使用する波形を異ならせるように波形選択パラメータを積極的に設定すると、より多様な音色でフォルマント構造の楽音を生成することができるようになる。
【0033】
なお、上記した位相ずれパラメータや波形選択パラメータは楽音合成の際にユーザが適宜に設定することができるようになっていてもよいし、予め決められたパラメータ値がセットされていてもよい。例えば、無声音を合成する際には、直流成分を除去するために奇数フォルマント及び偶数フォルマントで初期位相を異ならせるように位相ずれパラメータをセットしておくと共に、原波形として正弦波のみを使用するように波形選択パラメータをセットしておくとよい。
なお、上述した実施例においては位相制御と波形選択による原波形制御の両方を併用した例を示したがこれに限らず、どちらか一方のみを用いるだけでフォルマント構造の楽音の音色を制御することが可能であることは言うまでもない。ただし、上記実施例に示したように位相制御と原波形制御の両方を併用した場合には、波形選択により選択された波形に適した位相制御を行うことができることから、直流成分を除去しながら音色制御を行うことができ有利である。
【0034】
上述した各実施例においては、複数フォルマント波形加算時における各フォルマント波形に含まれる直流成分の重畳を軽減するために、偶数次フォルマントと奇数次フォルマントとで波形メモリから原波形を読み出す際の初期位相を例えば「π(180°)」だけずらすなどの位相制御による方法を用いたものを例として示したがこれに限らず、上記直流成分の重畳を軽減するための方法として他の方法を用いるようにしてもよい。上述した位相制御による方法以外の方法としては、偶数次フォルマントと奇数次フォルマントとで波形メモリから読み出した波形の振幅レベルを「正転/反転」する波形レベル制御による方法がある。そこで、次に本発明に係る楽音合成装置の他の実施例として、波形の振幅レベルを制御することにより上記直流成分の重畳を軽減することのできるようにした楽音合成装置について、図10及び図11を用いて説明する。図10は波形レベル制御を行う楽音合成装置におけるフォルマント合成部の全体構成の一実施例を示す概念図であり、図10(a)にCSM方式、図10(b)にFS方式を採用した場合をそれぞれ示す。なお、以下の説明では説明を簡略化するために、既に説明済みの各実施例(図9参照)と異なる箇所についてのみ主に説明する。
【0035】
図10の各図に示したフォルマント合成部の説明を行う前に、波形レベル制御を行う楽音合成装置に用いられる音素パラメータ(図示せず)について簡単に説明する。この図10の各図に示したフォルマント合成部を持つ楽音合成装置に用いられる音素パラメータのデータ構造は図7に示したものと同様のデータ構造からなるものであるが、そのデータ内容の一部が異なって定義されている。すなわち、図7に示したCSM方式及びFS方式における各フレーム毎に定義されている位相ずれパラメータ(PI、PI2、…、PIn)の代わりにレベル制御パラメータ(SH1、SH2、…、SHn)が定義された音素パラメータが用いられる。前記レベル制御パラメータに対しては例えば「0(正転)」又は「1(反転)」のいずれかが定義されており、該レベル制御パラメータに従って波形メモリから読み出した波形の振幅レベルを「正転/反転」するように制御が行われる(詳しくは後述する)。
【0036】
図10(a)及び図10(b)から理解できるように、本発明に係る楽音合成装置においては、CSM方式の場合において乗算器A3´、FS方式の場合において乗算器A4´のそれぞれに対して、音素パラメータに含まれる前記レベル制御パラメータ(SH1、SH2、…、SHn)が与えられる。一方、この実施例において、音素パラメータは位相ずれパラメータ(PI1、PI2、…PIn)を含まないことから、CSM方式及びFS方式ともにフェイズジェネレータ(PG)A1´に対して位相ずれパラメータが与えられない(図9参照)。したがって、この実施例におけるフェイズジェネレータ(PG)A1´ではピッチ周期パルス生成器Dからのピッチ周期パルスに応じて位相を初期化する際に、位相ずれパラメータに基づいて偶数次フォルマントと奇数次フォルマントとで波形メモリから原波形を読み出す際の初期位相を例えば「π(180°)」だけずらすなどの位相制御を行うことなく、従来と同様にして各フォルマントにおいて初期位相を「0」として位相の初期化を行いながら波形メモリA2´から原波形を読み出す。波形メモリA2´から読み出した波形は入力信号として乗算器A3´に(CSM方式の場合)、あるいは窓波形メモリA7´からの出力と乗算された後に入力信号として乗算器A4´(FS方式の場合)に送られ、乗算器A3´(又は乗算器A4´)ではレベル制御パラメータに基づき前記入力信号の振幅レベルを正転又は反転制御する。
【0037】
ここで、図10の各図に示したフォルマント合成部においてレベル制御パラメータが与えられる乗算器(CSM方式の場合における乗算器A3´、FS方式の場合における乗算器A4´)の全体構成について、図11を用いて説明する。図11は、前記フォルマント合成部の乗算器A3´(又は乗算器A4´)の全体構成の一実施例を示す概念図である。なお、ここでは乗算器A3´についてのみ説明するが、FS方式の場合における乗算器A4´の全体構成はCSM方式の乗算器A3´と同様の構成であり、以下の説明において乗算器A3´を乗算器A4´と読み替えればよいことから、乗算器A4´についての説明を省略する。
【0038】
図11(a)に示す乗算器A3´は、少なくとも反転器H(又は「−1倍」する乗算器)と、セレクタSと、乗算器Xとにより構成されており、該乗算器A3´に入力された入力信号を正転あるいは反転した出力信号を生成するものである。反転器Hは、音素パラメータにおいて各フレーム毎に定義されている振幅パラメータanに基づくフォルマントピークレベルの正負を反転する。セレクタSは音素パラメータにおいて各フレーム毎に定義されているレベル制御パラメータSHnに基づき、当該乗算器A3´に入力された振幅パラメータanに基づくフォルマントピークレベル又は前記正負を反転したフォルマントピークレベルのいずれかを選択する。乗算器Xでは前記セレクタSにより選択された振幅パラメータanに基づくフォルマントピークレベル又は前記正負を反転したフォルマントピークレベルのいずれかと、入力信号とを乗算して出力信号を生成する。例えば、音素パラメータに含まれる波形選択パラメータに「正弦波」が定義されており、かつレベル制御パラメータに偶数フォルマントに対して「0(正転)」、奇数フォルマントに対して「1(反転)」がそれぞれ定義されている場合には、乗算器A3´を経て出力される出力信号として図5(c)に示した波形と同様の波形が各フォルマント毎に生成されることになる。
【0039】
一方、図11(b)に示す乗算器A3´は、少なくともセレクタSと、2段構成の乗算器X1及び乗算器X2とにより構成されており、図11(a)に示した実施例と同様に該乗算器A3´に入力された入力信号を正転あるいは反転した出力信号を生成するものである。セレクタSは、レベル制御パラメータSHnに基づき正信号(+1)又は負信号(−1)のいずれかを選択する。前段の乗算器X1は、入力信号と振幅パラメータanに基づくフォルマントピークレベルとを乗算する。後段の乗算器X2は、前記乗算器X1からの出力信号と、前記セレクタSにより選択された正信号(+1)又は負信号(−1)のいずれかとを乗算する。こうして、該乗算器A3´に入力された入力信号を正転あるいは反転した出力信号を生成する。この構成においても、波形選択パラメータに「正弦波」、かつレベル制御パラメータに偶数フォルマントに対して「0(正転)」、奇数フォルマントに対して「1(反転)」がそれぞれ定義されている場合には、乗算器A3´を経て出力される出力信号として図5(c)に示した波形と同様の波形が各フォルマント毎に生成されることになる。
【0040】
図10の説明に戻って、上述したような構成の乗算器A3´(又は乗算器A4´)を経て出力される各フォルマント毎の出力信号、すなわち各フォルマント合成部A´で生成された1フォルマント分のフォルマント波形を複数加算するとフォルマント構造を持つ1つの音声波形が合成される。以上のように、波形メモリから読み出した波形の振幅レベルを正転/反転制御する波形レベル制御を行う構成とした場合であっても、波形メモリから原波形を読み出す際の初期位相を制御する位相制御を行う構成の場合と同様にして、最終的に直流成分が除去されたフォルマント構造を持つ1つの音声波形を合成することができる。
【0041】
なお、上記実施例においては音素パラメータにレベル制御パラメータを含ませ、該レベル制御パラメータに基づき乗算器A3´(又は乗算器A4´)のセレクタSにより選択された信号に従って波形の振幅レベルを正転/反転制御するようにしたものを示したがこれに限らない。例えば、偶数フォルマントについては波形の振幅レベルを正転、奇数フォルマントについては波形の振幅レベルを反転する、といったように各フォルマント毎で波形の振幅レベルの正転/反転制御を固定して行いたいような場合には、セレクタSを配置しなくてよい。すなわち、図11(a)に示した構成の場合には振幅パラメータanに基づくフォルマントピークレベルを、偶数フォルマントについては乗算器Xにダイレクトに入力するように構成し、奇数フォルマントについては反転器Hを介して乗算器Xに入力するように構成すればよい。図11(b)に示した構成の場合には、偶数フォルマントについては正信号(+1)を乗算器X2に、奇数フォルマントについては負信号(−1)を乗算器X2にそれぞれダイレクトに入力するように構成すればよい。
【0042】
なお、上記実施例においてはフォルマント合成部に波形メモリによる波形選択可能(図9参照)な例を示したが、こうした波形メモリの代わりにSin波形メモリを用いた楽音合成装置(図3または図6参照)ついて上記波形レベル制御を適用してもよいことは言うまでもない(この場合、音素パラメータは波形選択パラメータを含まないものである)。ただし、上記したように波形メモリによる波形選択可能とした方が、各フォルマント毎に原波形として使用する波形を異ならせるように波形選択パラメータを積極的に設定することができるので、より多様な音色でフォルマント構造の楽音を生成することができ有利である。また、上記実施例においては位相制御しない例を示したが上記波形レベル制御と共に位相制御可能としておくことにより(この場合、音素パラメータはレベル制御パラメータと共に位相ずれパラメータを含むものである)、波形レベル制御による複数フォルマント波形加算時における各フォルマント波形に含まれる直流成分の重畳の軽減、位相制御による多様な音色でのフォルマント構造の楽音生成を同時に制御することができるようになるので有利である。
【0043】
【発明の効果】
この発明によれば、各フォルマント波形を生成する個別フォルマント音生成部毎に原波形を発生する際の初期位相を適宜に制御する、あるいは各フォルマント波形を生成する個別フォルマント音生成部毎に波形の振幅レベルを正転/反転制御することができるようにしたことにより、複数フォルマント波形加算時における各フォルマント波形の直流成分の重畳を軽減し、歪みの少ないフォルマント構造を持つ楽音波形を生成することができるようになる、という効果を得る。
また、上記位相制御あるいは波形レベル制御と共に、原波形として使用する波形を適宜の波形から選択することによる波形制御を可能としたことにより、フォルマント構造を持つ楽音を多様な音色で簡単に生成することができるようになる、という効果を得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る楽音合成装置の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】 音素パラメータのデータ構造の一実施例を示す概念図である。
【図3】 CSM方式を採用したフォルマント合成部の全体構成の一実施例を示す概念図である。
【図4】 フェイズジェネレータの構成の一実施例を示す概念図である。
【図5】 フェイズジェネレータの構成部からの出力を示した概念図であり、図5(a)はピッチ周期パルス生成器から出力されるピッチ周期パルス、図5(b)はフェイズジェネレータから出力される累算値、図5(c)はSin波形メモリから出力される正弦波である。
【図6】 FS方式を採用したフォルマント合成部の全体構成の一実施例を示す概念図である。
【図7】 音素パラメータのデータ構造の他の実施例を示す概念図である。
【図8】 原波形として選択的に用いることが可能な波形データの一実施例を示す概念図である。
【図9】 フォルマント合成部の全体構成の他の実施例を示す概念図であり、図9(a)はCSM方式、図9(b)はFS方式をそれぞれ採用した場合の実施例を示す概念図である。
【図10】 波形レベル制御を行う楽音合成装置におけるフォルマント合成部の全体構成の一実施例を示す概念図であり、図10(a)にCSM方式、図10(b)にFS方式をそれぞれ採用した場合の実施例を示す概念図である。
【図11】 CSM方式における前記フォルマント合成部の乗算器A3´の全体構成の一実施例をそれぞれ示す概念図である。
【図12】 CSM方式を用いた楽音合成装置において生成される1個のフォルマント波形の生成について説明するための波形図であり、図12(a)はフォルマント中心周波数を有する正弦波、図12(b)はピッチ周期パルス波形、図12(c)はフォルマント波形である。
【符号の説明】
1…フレームパルス生成部、2…フレームカウンタ、3…音素パラメータメモリ、4…パラメータ補間部、5…フォルマント合成部、A1(A6、C)…フェーズジェネレータ、A2…Sin波形メモリ、A3(A4)…乗算器、A5…エンベロープジェネレータ、A7…窓波形メモリ、B(P1)…加算器、D…ピッチ周期パルス生成部、P2…シフトレジスタ、P3…セレクタ、P4…初期位相制御部、S…セレクタ、H…反転器

Claims (9)

  1. それぞれ所定のフォルマント中心周波数を持つ複数の各フォルマント毎に、該フォルマント中心周波数に対応する周期を持つ周期波形発生する原波形発生手段と、
    各フォルマント毎の前記周期波形の初期位相が少なくとも2つのフォルマントで異なるように各初期位相をそれぞれ設定する設定手段と、
    前記原波形発生手段で各フォルマント毎の前記周期波形を発生する際に、生成すべき音のピッチ周期に同期して、各フォルマント毎に設定された前記各初期位相から該各周期波形を発生するよう原波形発生手段を制御する制御手段と、
    前記原波形発生手段で発生した各周期波形に基づいて複数のフォルマント波形を生成するフォルマント波形生成手段と、
    前記生成した複数のフォルマント波形を合成する波形合成手段と
    を具えたことを特徴とする楽音合成装置。
  2. 前記設定手段は、偶数次フォルマント波形を生成するための各周期波形の初期位相と、奇数次フォルマント波形を生成するための各周期波形の初期位相とがπの位相差を持つように各々の周期波形の初期位相を設定することを特徴とする請求項1に記載の楽音合成装置。
  3. 前記設定手段は、1次フォルマント波形を生成するための周期波形の初期位相と、その他のフォルマント波形を生成するための各周期波形の初期位相とがπの位相差を持つように各々の周期波形の初期位相を設定することを特徴とする請求項1に記載の楽音合成装置。
  4. 前記フォルマント波形生成手段は、前記各周期波形と、前記生成すべき音のピッチ周期に同期して繰り返す各フォルマントバンド幅に対応する時間幅の窓関数波形との乗算により、前記複数のフォルマント波形を生成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の楽音合成装置。
  5. 前記フォルマント波形生成手段は、前記原波形発生手段で発生した各周期波形を、前記生成すべき音のピッチ周期に同期してそれぞれ変調することにより、前記複数のフォルマント波形を生成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の楽音合成装置。
  6. それぞれ所定のフォルマント中心周波数を持つ複数の各フォルマント毎に、該フォルマント中心周波数に対応する周期を持つ周期波形発生する原波形発生手段と、
    前記原波形発生手段で各フォルマント毎の前記周期波形を発生する際に、生成すべき音のピッチ周期に同期して、所定の初期位相から該各周期波形を発生するよう原波形発生手段を制御する制御手段と、
    前記原波形発生手段発生した各周期波形の振幅レベルを、各フォルマント毎に反転する又はしない制御をする振幅レベル制御手段と、
    前記振幅レベル制御した各フォルマント毎の周期波形に基づいて複数のフォルマント波形を生成するフォルマント波形生成手段と、
    前記生成した複数のフォルマント波形を合成する波形合成手段と
    を具えた楽音合成装置。
  7. 前記原波形発生手段は、複数の波形の中から任意の波形各フォルマントに対応して選択する波形選択手段を含み、各フォルマントに対応して選択された波形を使用して各フォルマント毎前記周期波形を発生することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の楽音合成装置。
  8. コンピュータに、
    それぞれ所定のフォルマント中心周波数を持つ複数の各フォルマント毎に、該フォルマント中心周波数に対応する周期を持つ周期波形発生する手順と、
    各フォルマント毎の前記周期波形の初期位相が少なくとも2つのフォルマントで異なるように各初期位相をそれぞれ設定する手順と、
    各フォルマント毎の前記周期波形を発生する際に、生成すべき音のピッチ周期に同期して、各フォルマント毎に設定された前記各初期位相から該各周期波形を発生するよう制御する手順と、
    前記発生した各周期波形に基づいて複数のフォルマント波形を生成するフォルマント手順と、
    前記生成した複数のフォルマント波形を合成する手順と
    を実行させるためのプログラム。
  9. コンピュータに、
    それぞれ所定のフォルマント中心周波数を持つ複数の各フォルマント毎に、該フォルマント中心周波数に対応する周期を持つ周期波形発生する手順と、
    各フォルマント毎の前記周期波形を発生する際に、生成すべき音のピッチ周期に同期して、所定の初期位相から該各周期波形を発生するよう原波形発生手段を制御する手順と、
    前記発生した各周期波形の振幅レベルを、各フォルマント毎に反転する又はしない制御をする手順と、
    前記振幅レベル制御した各フォルマント毎の周期波形に基づいて複数のフォルマント波形を生成する手順と、
    前記生成した複数のフォルマント波形を合成する手順と
    を実行させるためのプログラム。
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