JP3777323B2 - Cable-type steering device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドライバーにより操作されるステアリング操作部材とステアリングギヤボックスとをボーデンケーブル等の撓み易い操作ケーブルで接続したケーブル式ステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ドライバーによるステアリングハンドルの操舵角に対する車輪の転舵角の比率を変更可能にし、車両の運転状態に応じてステアリングの効きを敏感にしたり鈍感にしたりする可変舵角比操舵装置を、ステアリングハンドルからステアリングギヤボックスに至る操舵トルクの伝達経路に配置したものが、本出願人の出願に係る特開2000−264237号公報、特許第2866302号公報により公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ステアリングハンドルとステアリングギヤボックスとがステアリングシャフト、連結シャフト、自在継ぎ手等を介して連結されていると、ステアリングハンドルやステアリングギヤボックスを設ける位置に制約が生じてしまい、操舵系をレイアウトする際の設計自由度が損なわれてしまう問題がある。そこで、ステアリングハンドルに連結されて回転する駆動プーリとステアリングギヤボックスに連結されて回転する従動プーリとをフレキシブルな操作ケーブルで接続し、ステアリングハンドルに入力される操舵トルクを操作ケーブルを介してステアリングギヤボックスに伝達する、いわゆるケーブル式ステアリング装置を採用すれば、例えばステアリングハンドルを任意の位置に移動させたり、操舵系と他部材との干渉を回避したりして設計自由度を大幅に高めることができる。
【0004】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、ケーブル式ステアリング装置において、ステアリング操作部材の操作量に対する車輪の転舵角の比を任意に変更できるようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、ドライバーにより操作されるステアリング操作部材に連結されて回転する駆動プーリと車輪を転舵するステアリングギヤボックスに連結されて回転する従動プーリとを操作ケーブルで接続し、ステアリング操作部材に入力される操舵トルクを操作ケーブルを介してステアリングギヤボックスに伝達するケーブル式ステアリング装置であって、駆動プーリおよび従動プーリが該プーリへの巻き方向が逆の第1操作ケーブルおよび第2操作ケーブルで接続されるものにおいて、駆動プーリの回転角に対する従動プーリの回転角の比を変化させるプーリ回転比可変機構が、駆動プーリおよび従動プーリのうちの何れか一方のプーリを収納するプーリケーシングの内部に配置され、前記プーリ回転比可変機構は、回転軸と、回転軸に中間部を固定されたアームと、回転軸を回転させる駆動源と、アームの一端に回転自在に支持され、第1操作ケーブルの中間部を案内して前記何れか一方のプーリに導く第1ガイドプーリと、アームの他端に回転自在に支持され、第2操作ケーブルの中間部を案内して前記何れか一方のプーリに導く第2ガイドプーリとを備え、駆動源で回転軸を回転させて駆動プーリにおけるケーブル離脱点と従動プーリにおけるケーブル離脱点との間のケーブル長を変化させることで前記回転角の比を変化させることを特徴とするケーブル式ステアリング装置が提案され、また請求項2に記載された発明によれば、ドライバーにより操作されるステアリング操作部材に連結されて回転する駆動プーリと車輪を転舵するステアリングギヤボックスに連結されて回転する従動プーリとを操作ケーブルで接続し、ステアリング操作部材に入力される操舵トルクを操作ケーブルを介してステアリングギヤボックスに伝達するケーブル式ステアリング装置であって、駆動プーリおよび従動プーリが該プーリへの巻 き方向が逆の第1操作ケーブルおよび第2操作ケーブルで接続されるものにおいて、駆動プーリの回転角に対する従動プーリの回転角の比を変化させるプーリ回転比可変機構が、駆動プーリおよび従動プーリのうちの何れか一方のプーリを収納するプーリケーシングの内部に配置され、前記プーリ回転比可変機構は、固定軸と、固定軸に中間部を回転自在に支持されたアームと、アームを固定軸まわりに回転させる駆動源と、アームの一端に回転自在に支持され、第1操作ケーブルの中間部を案内して前記何れか一方のプーリに導く第1ガイドプーリと、アームの他端に回転自在に支持され、第2操作ケーブルの中間部を案内して前記何れか一方のプーリに導く第2ガイドプーリとを備え、駆動源でアームを回転させて駆動プーリにおけるケーブル離脱点と従動プーリにおけるケーブル離脱点との間のケーブル長を変化させることで前記回転角の比を変化させることを特徴とするケーブル式ステアリング装置が提案される。
【0006】
上記構成によれば、プーリ回転比可変機構が、駆動プーリのケーブル離脱点と従動プーリのケーブル離脱点との間のケーブル長を変化させることで駆動プーリの回転角に対する従動プーリの回転角の比を変化させることができるから、ステアリング操作部材の操作量に対する車輪の転舵角の比を任意に変更し、ステアリングの効きを敏感にしたり鈍感にしたりすることができる。しかも駆動プーリが停止状態にあるときにプーリ回転比可変機構で従動プーリを回転させることにより、つまり駆動プーリの回転角に対する従動プーリの回転角の比を無限大に設定することにより、ドライバーのステアリング操作によらない自動操舵を行うことができる。
【0007】
また特に請求項1の構成によれば、回転軸を駆動源で回転させると、回転軸に固定したアームの両端に設けた第1、第2ガイドプーリの一方に案内された操作ケーブルが引かれて他方に案内された操作ケーブルが弛められるため、駆動プーリのプーリ離脱点および従動プーリのプーリ離脱点間のケーブル長を、第1、第2ケーブルの一方で長くして他方で短くし、駆動プーリの回転角に対する従動プーリの回転角の比を変化させることができ、しかも回転軸の回転方向、回転角、回転速度を変化させるだけで、前記回転角の比を任意に制御することが可能となる。
【0008】
また特に請求項2の構成によれば、固定軸に支持したアームを駆動源で回転させると、アームの両端に設けた第1、第2ガイドプーリの一方に案内された操作ケーブルが引かれて他方に案内された操作ケーブルが弛められるため、駆動プーリのプーリ離脱点および従動プーリのプーリ離脱点間のケーブル長を、第1、第2ケーブルの一方で長くして他方で短くし、駆動プーリの回転角に対する従動プーリの回転角の比を変化させることができ、しかもアームの回転方向、回転角、回転速度を変化させるだけで、前記回転角の比を任意に制御することが可能となる。
【0009】
尚、実施例のステアリングハンドル11は本発明のステアリング操作部材に対応し、実施例の第1、第2操作ケーブル15,16は本発明の操作ケーブルに対応し、実施例のアッパーシャフト102およびロアシャフト104は本発明の回転軸に対応し、実施例のアッパーアーム105およびロアアーム106は本発明のアームに対応し、実施例のアクチュエータ114は本発明の駆動源に対応する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0011】
図1〜図10は本発明の実施例を示すもので、図1はケーブル式ステアリング装置の全体斜視図、図2は図1の2−2線拡大断面図、図3は図2の3−3線断面図、図4は操舵トルクセンサの斜視図、図5は操舵トルクセンサの差動トランスの回路図、図6は操舵トルクセンサの作用説明図、図7は図1の7−7線拡大断面図、図8は図7の8−8線断面図、図9は図7の9−9線断面図、図10は図8に対応する作用説明図である。
【0012】
図1に示すように、自動車のステアリングハンドル11の前方に設けた駆動プーリケーシング12と、ステアリングギヤボックス13の上方に設けた従動プーリケーシング14とが、ボーデンケーブルよりなる第1操作ケーブル15および第2操作ケーブル16によって接続される。ステアリングギヤボックス13の両端部から車体左右方向に延びるタイロッド17L,17Rが、左右の車輪WL,WRを支持するナックル(図示せず)に接続される。駆動プーリケーシング12の内部にはステアリングハンドル11に入力される操舵トルクを検出する操舵トルクセンサが内蔵されており、検出した操舵トルクが入力される制御装置18からの司令で従動プーリケーシング14と一体のギヤケーシング19に設けたアクチュエータ20が作動し、ドライバーのステアリング操作をアシストする。
【0013】
図2に示すように、駆動プーリケーシング12は、リヤハウジング21、センターハウジング22およびフロントハウジング23をボルト24…で結合してなり、フロントハウジング23の前面に図示せぬボルトでフロントカバー25が結合される。駆動プーリケーシング12は、リヤハウジング21に設けたブラケット21aが取付ステー26にピン27で固定され、フロントハウジング23に設けたブラケット23aが取付ステー26にボルト28で固定される。
【0014】
ステアリングハンドル11に接続される中空のステアリングシャフト29は、2個のボールベアリング30,31でリヤハウジング21に回転自在に支持される。ステアリングハンドル11と同軸に配置される中空のプーリシャフト32の外周に金属製のプーリボス33が固定されており、このプーリボス33の外周に形成したセレーション部33aを覆うように合成樹脂製の駆動プーリ本体34が一体にモールドされる。プーリボス33の両端部が2個のボールベアリング35,36でそれぞれフロントハウジング23およびフロントカバー25に回転自在に支持されるとともに、プーリシャフト32がボールベアリング37でセンターハウジング22に回転自在に支持される。プーリボス33および駆動プーリ本体34は本発明の駆動プーリ59を構成する。
【0015】
プーリシャフト32の後端部外周にステアリングシャフト29の前端部内周が相対回転自在に嵌合しており、ステアリングシャフト29の中空部とプーリシャフト32の中空部とに、トーションバー38の両端部が嵌合して各々ピン39,40で結合される。従って、ステアリングシャフト29に入力された操舵トルクは、ステアリングシャフト29からトーションバー38を介してプーリシャフト32に伝達されることになり、センターハウジング22の内部に設けられた操舵トルクセンサ41がトーションバー38の捩れ量に基づいて操舵トルクを検出する。
【0016】
図2および図4から明らかなように、操舵トルクセンサ41は、プーリシャフト32の外周に相対回転不能、かつ軸方向スライド可能に支持された円筒状のスライダ42と、ステアリングシャフト29に固定されてスライダ42に形成した傾斜溝42aに嵌合するガイドピン43と、合成樹脂製のスライダ42の外周に固定した磁性体リング44と、センターハウジング22の内周に固定されて磁性体リング44に対向する差動トランス45と、ガイドピン43および傾斜溝42a間のガタを防止すべくスライダ42を前方に付勢するコイルばね46とを備える。
【0017】
図5に示すように、操舵トルクセンサ41の差動トランス45は、交流電源47に接続された一次コイル48と、第1二次コイル49と、第2二次コイル50とを備えており、磁性体リング44は第1、第2二次コイル49,50間に配置された可動鉄心を構成する。
【0018】
図2から明らかなように、プーリシャフト32の前端部とプーリボス33とはセレーション結合部51において結合されるとともに、プーリシャフト32の前端部に向かって先細になったテーパー結合部52を介して結合される。プーリシャフト32の前端にナット53がねじ込まれており、ナット53からの荷重でプーリボス33をプーリシャフト32に沿って後方に付勢することにより、テーパー結合部52を充分な面圧で密着させてプーリシャフト32およびプーリボス33を強固に一体化することができる。これにより、セレーション結合部51に存在する微小なガタの影響を解消し、騒音の発生を抑制することができるだけでなく操舵フィーリングを向上させることができる。ナット53を締め付けるとき、駆動プーリ59が軸方向に移動可能であるため、駆動プーリケーシング12に無理な荷重が加わることが防止される。
【0019】
図2および図3から明らかなように、第1、第2操作ケーブル15,16は、合成樹脂製のアウターチューブ15o,16oと、その内部にスライド自在に収納される金属縒り線よりなるインナーケーブル15i,16iとから構成される。2本のインナーケーブル15i,16iの端部に固定した短円柱状のピン54,54が駆動プーリ本体34の両端面に形成したピン孔34a,34aに嵌合し、ピン54,54から延びる2本のインナーケーブル15i,16iは駆動プーリ本体34の外周に形成した1本の螺旋溝34bに沿って相互に接近する方向に巻き付けられた後、プーリシャフト32の軸線に直交する方向に引き出される。
【0020】
フロントハウジング23には円筒状をなす2個の接続部23b,23bが形成されており、それらの内部にアウターチューブ結合部材56,56のボス部56a,56aが固定される。ボス部56a,56aから接続部23b,23bの外部に延びるパイプ部56b,56bがアウターチューブ15o,16oの外周に嵌合し、かしめ部56c,56cをかしめることでアウターチューブ15o,16oの端部がフロントハウジング23に固定される。アウターチューブ結合部材56,56のボス部56a,56aの内周には、インナーケーブル15i,16iとボス部56a,56aとが直接擦れるのを防止すべく、滑りの良い合成樹脂製のガイドブッシュ57,57が保持される。
【0021】
図7に示すように、従動プーリケーシング14はボルト67…(図8参照)で結合されたアッパーハウジング61とロアハウジング62とから構成され、アッパーハウジング61およびロアハウジング62間にケーブル案内ハウジング63がボルト64で固定されるとともに、ロアハウジング62の下面にギヤケーシング19が結合される。
【0022】
アッパーハウジング61に設けたボールベアリング66と、ギヤケーシング19に設けた2個のボールベアリング68,69とにプーリシャフト70が回転自在に支持される。上側のボールベアリング66は、プーリシャフト70を直接支持しておらず、プーリシャフト70の外周に固定したプーリボス71を支持している。アッパーハウジング61に設けたボールベアリング66は袋状のナット72で抜け止めされ、ギヤケーシング19に設けた下側のボールベアリング69は袋状のナット73で抜け止めされる。
【0023】
プーリシャフト70の上端部とプーリボス71とはセレーション結合部74において結合されるとともに、プーリシャフト70の上端部に向かって先細になったテーパー結合部75を介して結合される。プーリシャフト70の上端にナット76がねじ込まれており、ナット76からの荷重でプーリボス71をプーリシャフト70に沿って下方に付勢することにより、テーパー結合部75を充分な面圧で密着させてプーリシャフト70およびプーリボス71を強固に一体化することで、セレーション結合部74に存在する微小なガタの影響を解消して騒音の発生を抑制し、また操舵フィーリングを向上させることができる。ナット76を締め付けるとき、従動プーリ60が軸方向に移動可能であるため、従動プーリケーシング14やギヤケーシング19に無理な荷重が加わることが防止される。
【0024】
プーリボス71の外周のセレーション部71aに合成樹脂製の従動プーリ本体77が一体にモールドされており、第1、第2操作ケーブル15,16のインナーケーブル15i,16iの端部に固定した短円柱状のピン78,78が従動プーリ本体77の両端面に形成したピン孔77a,77aに嵌合し、ピン78,78から延びる2本のインナーケーブル15i,16iは従動プーリ本体77の外周に形成した1本の螺旋溝77bに沿って相互に接近する方向に巻き付けられた後、後述するプーリ回転比可変機構65を経由してプーリシャフト70の軸線に直交する方向に引き出される。このとき、第1、第2操作ケーブル15,16のアウターチューブ15o,16oは、アウターチューブ結合部材79を介してケーブル案内ハウジング63に固定される。プーリボス71および従動プーリ本体77は本発明の従動プーリ60を構成する。
【0025】
シール部材91を介して従動プーリケーシング14との間をシールされたギヤケーシング19の上部において、プーリシャフト70に固定されたウオームホイール82と、電気モータよりなるアクチュエータ20(図1参照)の出力軸20aに固定したウオーム83とが噛み合っている。プーリシャフト70の下部に形成したピニオン84に、ステアリングギヤボックス13(図1参照)のラック85が噛み合っており、その噛み合い部においてラック85がピニオン84に向けて付勢される。
【0026】
即ち、ギヤケーシング19に形成した貫通孔19aにスライド部材86がOリング87を介してスライド可能に嵌合しており、貫通孔19aにねじ結合したばね座88とスライド部材86との間に配置したコイルばね89の弾発力で、スライド部材86に設けた低摩擦部材90がラック85の背面に当接する。これにより、プーリシャフト70の回転がピニオン84を介してラック85に伝達されて車輪Wf,Wfが転舵される際に、ラック85は大きな摺動抵抗を受けることなくガタや撓みの発生を防止されてスムーズに作動することができる。
【0027】
次に、図7〜図9に基づいてプーリ回転比可変機構65の構造を説明する。
【0028】
アッパーハウジング61にボールベアリング101を介して支持されたアッパーシャフト102と、ロアハウジング62にボールベアリング103を介して支持されたロアシャフト104とが同軸に配置されており、アッパーシャフト102の下端に固定した断面クランク状のアッパーアーム105の中間部と、ロアシャフト104の上端に固定した断面クランク状のロアアーム106の中間部とが、コ字状の連結部材107で一体に連結される。相互に対向するアッパーアーム105およびロアアーム106の一端部間は球面軸受け108を介して接続されており、この球面軸受け108に第1ガイドプーリ109が首振り可能に支持される。また相互に対向するアッパーアーム105およびロアアーム106の他端部間は球面軸受け110を介して接続されており、この球面軸受け110に第2ガイドプーリ111が首振り可能に支持される。
【0029】
アウターチューブ結合部材79を通って従動プーリケーシング14の内部に導かれた第1操作ケーブル15のインナーケーブル15iは、第1ガイドプーリ109を経由して従動プーリ60に巻き付けられ、またアウターチューブ結合部材79を通って従動プーリケーシング14の内部に導かれた第2操作ケーブル16のインナーケーブル16iは、第2ガイドプーリ111を経由して従動プーリ60に巻き付けられる。
【0030】
アッパーアーム105およびロアアーム106を断面クランク状に形成したことにより、第1ガイドプーリ109および第2ガイドプーリ111の高さに段差を付けることができ、また連結部材107をコ字状に形成したことにより、第1ガイドプーリ109および第2ガイドプーリ111との干渉を回避することができる。
【0031】
アッパーシャフト102は、その上端にナット112をねじ込むことにより、ボールベアリング101を介してアッパーハウジング61に対して軸方向に位置決めされる。そしてナット112の上方は、アッパーハウジング61にねじ込まれた袋状のナット113により覆われる。
【0032】
アッパーハウジング61に支持したアクチュエータ114の出力軸114aに設けたウオーム115が、アッパーシャフト102に固定したウオームホイール116に噛み合っており、従って、アクチュエータ114を駆動することでウオーム115およびウオームホイール116を介してアッパーシャフト102を回転させると、そのアッパーシャフト102に接続されたアッパーアーム105、ロアアーム106、連結部材107およびロアシャフト104が一体に回転する。
【0033】
次に、上記構成を備えた本発明の実施例の作用について説明する。
【0034】
先ず、プーリ回転比可変機構65が図8に示す中立位置に保持されている場合について説明する。
【0035】
操舵トルクセンサ41で検出した操舵トルクは制御装置18に入力され、制御装置18は操舵トルクに基づいてアクチュエータ20の作動を制御する。即ち、車両を旋回させるべくステアリングハンドル11を操作すると、図2に示すように、操舵トルクがステアリングシャフト29およびトーションバー38を介してプーリシャフト32に伝達され、駆動プーリ本体34に巻き付けられた第1、第2操作ケーブル15,16の一方のインナーケーブル15i,16iが引かれ、他方のインナーケーブル15i,16iが弛められることにより、駆動プーリ59の回転が従動プーリ60に伝達される。その結果、図7に示すプーリシャフト70が回転し、ステアリングギヤボックス13内のピニオン84、ラック85およびタイロッド17L,17Rを介して車輪WL,WRに操舵トルクが伝達される。
【0036】
ステアリングハンドル11に操舵トルクが入力されていないとき、トーションバー38は捩れ変形せずにステアリングシャフト29およびプーリシャフト32は同位相に保持され、図6(B)に示すように、ステアリングシャフト29のガイドピン43は傾斜溝42aの中央にあってスライダ42は上下方向中央位置に保持される。このとき、図5に示すように、スライダ42に設けた磁性体リング44は第1二次コイル49および第2二次コイル50の中間位置にあり、両二次コイル49,50の出力電圧が等しくなって操舵トルクがゼロであることが検出される。
【0037】
またステアリングハンドル11が右方向に操作されてステアリングシャフト29に図6(A)の矢印a方向の操舵トルクが入力されると、トーションバー38が捩じれ変形してステアリングシャフト29とプーリシャフト32(即ち、プーリシャフト32に対して相対回転不能なスライダ42)との間に位相差が発生するため、ステアリングシャフト29のガイドピン43に傾斜溝42aを押されたスライダ42が上方にスライドする。その結果、上側の第1二次コイル49の出力電圧が増加するとともに下側の第2二次コイル50の出力電圧が減少し、その電圧差に基づいて右転舵方向の操舵トルクが検出される。同様に、ステアリングハンドル11が左方向に操作されてステアリングシャフト29に図6(C)の矢印b方向に操舵トルクが入力されると、トーションバー38が捩じれ変形してステアリングシャフト29とプーリシャフト32(即ち、スライダ42)との間に位相差が発生するため、ステアリングシャフト29のガイドピン43に傾斜溝42aを押されたスライダ42が下方にスライドする。その結果、上側の第1二次コイル49の出力電圧が減少するとともに下側の第2二次コイル50の出力電圧が増加し、その電圧差に基づいて左転舵方向の操舵トルクが検出される。
【0038】
このように、操舵トルクセンサ41で操舵トルクが検出されると、制御装置18は操舵トルクセンサ41で検出した操舵トルクが予め設定した所定値に保持されるように、アクチュエータ20を駆動する。これにより、アクチュエータ20のトルクがウオーム83およびウオームホイール82を介してプーリシャフト70に伝達され、ドライバーによるハンドル操作がアシストされる。差動トランス45を有する操舵トルクセンサ41とアクチュエータ20とを組み合わせたことにより、電気的な制御だけでアクチュエータ20を作動させることが可能となり、制御系の構造が簡素化される。
【0039】
続いて、プーリ回転比可変機構65が作動した場合について説明する。
【0040】
ドライバーがステアリングハンドル11を中立位置に保持している状態で、図10に示すようにアクチュエータ114を駆動してプーリ回転比可変機構65のアッパーアーム105およびロアアーム106を矢印a方向に回転させると、第1ガイドプーリ109が従動プーリ60に接近することで第1操作ケーブル15のインナーケーブル15iが弛められ、かつ第2ガイドプーリ111が従動プーリ60から離反することで第2操作ケーブル16のインナーケーブル16iが引かれる。その結果、駆動プーリ59に対する第1操作ケーブル15のインナーケーブル15iの離脱点p1(図3参照)と、従動プーリ60に対する第1操作ケーブル15のインナーケーブル15iの離脱点p2(図10参照)との間のインナーケーブル15iの長さが減少し、逆に駆動プーリ59に対する第2操作ケーブル16のインナーケーブル16iの離脱点q1(図3参照)と、従動プーリ60に対する第2操作ケーブル16のインナーケーブル16iの離脱点q2(図10参照)との間のインナーケーブル16iの長さが増加するため、従動プーリ60は矢印b方向に回転する。
【0041】
即ち、ステアリングハンドル11を操作しなくても、アクチュエータ114でアッパーアーム105およびロアアーム106を回転させることで、従動プーリ60を任意の方向に回転させて車輪Wf,Wfを転舵し、アクティブステアリング装置の機能を発揮させることができる。またドライバーによるステアリングハンドル11の操舵と同時にアクチュエータ114を作動させれば、ドライバーのステアリング操作による従動プーリ60の回転とアクチュエータ114の作動による従動プーリ60の回転とが重畳して車輪Wf,Wfが転舵され、可変舵角比操舵装置の機能を発揮させることができる。
【0042】
このように、ドライバーのステアリング操作による従動プーリ60の回転とアクチュエータ114の作動による従動プーリ60の回転とが重畳するので、ドライバーのステアリング操作をアシストする方向にアクチュエータ114を作動させてステアリングの効きを鋭くしたり、ドライバーのステアリング操作をキャンセルする方向にアクチュエータ114を作動させてステアリングの効きを鈍くしたりすることができる。このとき、ステアリングハンドル11の回転角に応じてアクチュエータ114の作動量を制御すれば、駆動プーリ59の回転角に対する従動プーリ60の回転角の比を所定値に設定することができる。
【0043】
例えば、ステアリングハンドル11を操作していないときにアクチュエータ114を作動させれば前記比は無限大になり、ステアリングハンドル11を操作しているときに、その操作を完全にキャンセルするようにアクチュエータ114を作動させれば前記比は0になり、またステアリングハンドル11の操作方向と逆方向に従動プーリ60が回転するようにアクチュエータ114を作動させれば前記比は負値になる。
【0044】
以上のように、ステアリングハンドル11に連動する駆動プーリ59とステアリングギヤボックス13に連動する従動プーリ60とを自由に屈曲可能な第1、第2操作ケーブル15,16で接続したので、ステアリングハンドル11やステアリングギヤボックス13の位置の設定自由度を大幅に増加させることができ、しかもアクチュエータ114で第1、第2ガイドプーリ109,111の位置を変更するだけの簡単な構造で従動プーリ60を回転させることができるので、僅かなコストの上昇だけで操舵系の機能を大幅に高めることができる。
【0045】
尚、第1、第2ガイドプーリ109,111と従動プーリ60との距離が変化すると、あるいは従動プーリ60の回転に伴って従動プーリ60のケーブル離脱点p2,q2の軸方向位置が変化すると、第1、第2操作ケーブル15,16のインナーケーブル15i,16iの傾斜方向に応じて球面軸受け108,110まわりに第1、第2ガイドプーリ109,111が傾くので、インナーケーブル15i,16iが第1、第2ガイドプーリ109,111から外れるのを確実に防止してスムーズな作動を可能にすることができる。 次に、図11に基づいて第1参考例を説明する。
【0046】
プーリ回転比可変機構65はアクチュエータ114と、アクチュエータ114の出力軸114aに設けたウオーム115と、ウオーム115に噛み合うウオームホイール116と、ウオームホイール116の回転軸121に固定したアーム122と、アーム122の両端にそれぞれ支点ピン123、124を介して基端を揺動自在に支持した一対のレバー125,126と、それぞれのレバー125,126の先端に支軸127,128および球面軸受け(図示せず)を介して回転自在に支持した第1、第2ガイドプーリ109,111とを備えており、一対のインナーケーブル15i,16iは第1、第2ガイドプーリ109,111を経由して従動プーリ60に巻き付けられる。
【0047】
この参考例によれば、アクチュエータ114でウオーム115およびウオームホイール116を介して回転軸121を例えば矢印c方向に回転させると、回転軸121と一体のアーム122に支持した上側のレバー125が従動プーリ60に接近して一方のインナーケーブル15iが弛められ、下側のレバー126が従動プーリ60から離反して他方のインナーケーブル16iが引かれることで、ドライバーのステアリング操作と独立して、あるいはドライバーのステアリング操作と重畳して従動プーリ60を回転させることができる。
【0048】
次に、図12に基づいて第2参考例を説明する。
【0049】
プーリシャフト70に支持した従動プーリ60が収納される従動プーリケーシング14の内部に、図示せぬ駆動源に接続されて矢印d−d′方向に移動するレバー129を設け、その両端に支持した第1、第2ガイドプーリ109,111の外端をそれぞれインナーケーブル15i,16iに当接させる。レバー129を矢印d方向に移動させれば、インナーケーブル15iが引かれてインナーケーブル16iが弛められるため、従動プーリ60は矢印e方向に回転する。逆に、レバー129を矢印d′方向に移動させれば、インナーケーブル16iが引かれてインナーケーブル15iが弛められるため、従動プーリ60は矢印e′方向に回転する。
【0050】
次に、図13に基づいて第3参考例を説明する。
【0051】
プーリシャフト70に支持した従動プーリ60が収納される従動プーリケーシング14の内部に、図示せぬ駆動源に接続されて矢印f−f′方向に移動するレバー129を設け、その両端に支持した第1、第2ガイドプーリ109,111の内端をそれぞれインナーケーブル15i,16iに当接させる。レバー129を矢印f方向に移動させれば、インナーケーブル16iが引かれてインナーケーブル15iが弛められるため、従動プーリ60は矢印g方向に回転する。逆に、レバー129を矢印f′方向に移動させれば、インナーケーブル15iが引かれてインナーケーブル16iが弛められるため、従動プーリ60は矢印g′方向に回転する。
【0052】
次に、図14に基づいて第4参考例を説明する。
【0053】
プーリシャフト70に支持した従動プーリ60が収納される従動プーリケーシング14の内部に、図示せぬ駆動源に接続されて支点ピン130,130まわりに矢印h−h′方向に回転する一対のレバー129,129を設け、各々のレバー129,129の両端に支持した各2個の第1、第2ガイドプーリ109,109;111,111にそれぞれインナーケーブル15i,16iをS字状に巻き付ける。一対のレバー129,129を矢印h,h方向に回転させれば、インナーケーブル15iが引かれてインナーケーブル16iが弛められるため、従動プーリ60は矢印i方向に回転する。逆に、一対のレバー129,129を矢印h′,h′方向に回転させれば、インナーケーブル16iが引かれてインナーケーブル15iが弛められるため、従動プーリ60は矢印i′方向に回転する。
【0054】
次に、図15に基づいて第5参考例を説明する。
【0055】
プーリシャフト70に支持した従動プーリ60が収納される従動プーリケーシング14の内部に、図示せぬ駆動源に接続されて回転軸132まわりに矢印j−j′方向に回転するピニオン133を設け、従動プーリケーシング14にスライド自在に支持した一対のアウターチューブ15o,16oの端部に形成したラック134,134を前記ピニオン133に噛み合わせる。ピニオン133を矢印j方向に回転させれば、一方のアウターチューブ15oが従動プーリケーシング14から押し出されて他方のアウターチューブ16oが従動プーリケーシング14に引き込まれるため、アウターチューブ15oに収納されたインナーケーブル15iが従動プーリケーシング14から押し出され、アウターチューブ16oに収納されたインナーケーブル16iが従動プーリケーシング14に引き込まれることで、従動プーリ60が矢印k方向に回転する。逆にピニオン133を矢印j′方向に回転させれば、一方のアウターチューブ15oが従動プーリケーシング14に引き込まれて他方のアウターチューブ16oが従動プーリケーシング14から押し出されるため、それに追従するインナーケーブル15i,16iによって従動プーリ60が矢印k′方向に回転する。
【0056】
これら参考例によれば、上記実施例と同様の作用効果を奏することができる。
【0057】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0058】
例えば、前記実施例では回転自在なアッパーシャフト102およびロアシャフト104にアッパーアーム105およびロアアーム106を固定し、アクチュエータ114でアッパーシャフト102を駆動することでアッパーアーム105およびロアアーム106を回転させているが、アッパーシャフト102およびロアシャフト104に代わり回転不能な固定軸を設け、この固定軸に回転自在に支持したアッパーアーム105およびロアアーム106をアクチュエータ114で回転させても同様の作用効果を達成することができる。 またプーリ回転比可変機構65を従動プーリケーシング14の内部に配置する代わりに、駆動プーリケーシング12の内部に配置することができる。
【0059】
また実施例ではステアリング操作部材として円形のステアリングハンドル11を例示したが、バー型やスティック型等の任意の形状のステアリング操作部材を採用することができる。
【0060】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、駆動プーリ及び従動プーリのうちの何れか一方のプーリを収納するプーリケーシングの内部にプーリ回転比可変機構を配置し、このプーリ回転比可変機構により、駆動プーリのケーブル離脱点と従動プーリのケーブル離脱点との間のケーブル長を変化させることで駆動プーリの回転角に対する従動プーリの回転角の比を変化させることができるので、ステアリング操作部材の操作量に対する車輪の転舵角の比を任意に変更し、ステアリングの効きを敏感にしたり鈍感にしたりすることができる。しかも駆動プーリが停止状態にあるときにプーリ回転比可変機構で従動プーリを回転させることにより、つまり駆動プーリの回転角に対する従動プーリの回転角の比を無限大に設定することにより、ドライバーのステアリング操作によらない自動操舵を行うことができる。また特に上記プーリ回転比可変機構は、駆動プーリを収納する駆動プーリケーシングの内部、又は従動プーリを収納する従動プーリケーシングの内部に配置される。
【0061】
また特に請求項1の発明によれば、回転軸を駆動源で回転させると、回転軸に固定したアームの両端に設けた第1、第2ガイドプーリの一方に案内された操作ケーブルが引かれて他方に案内された操作ケーブルが弛められるため、駆動プーリのプーリ離脱点および従動プーリのプーリ離脱点間のケーブル長を、第1、第2ケーブルの一方で長くして他方で短くし、駆動プーリの回転角に対する従動プーリの回転角の比を変化させることができる。しかも回転軸の回転方向、回転角、回転速度を変化させるだけで、前記回転角の比を任意に制御することが可能となる。
【0062】
また特に請求項2の発明によれば、固定軸に支持したアームを駆動源で回転させると、アームの両端に設けた第1、第2ガイドプーリの一方に案内された操作ケーブルが引かれて他方に案内された操作ケーブルが弛められるため、駆動プーリのプーリ離脱点および従動プーリのプーリ離脱点間のケーブル長を、第1、第2ケーブルの一方で長くして他方で短くし、駆動プーリの回転角に対する従動プーリの回転角の比を変化させることができる。しかもアームの回転方向、回転角、回転速度を変化させるだけで、前記回転角の比を任意に制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ケーブル式ステアリング装置の全体斜視図
【図2】 図1の2−2線拡大断面図
【図3】 図2の3−3線断面図
【図4】 操舵トルクセンサの斜視図
【図5】 操舵トルクセンサの差動トランスの回路図
【図6】 操舵トルクセンサの作用説明図
【図7】 図1の7−7線拡大断面図
【図8】 図7の8−8線断面図
【図9】 図7の9−9線断面図
【図10】 図8に対応する作用説明図
【図11】 第1参考例を示す図
【図12】 第2参考例を示す図
【図13】 第3参考例を示す図
【図14】 第4参考例を示す図
【図15】 第5参考例を示す図
【符号の説明】
11 ステアリングハンドル(ステアリング操作部材)
13 ステアリングギヤボックス
15 第1操作ケーブル(操作ケーブル)
16 第2操作ケーブル(操作ケーブル)
59 駆動プーリ
60 従動プーリ
65 プーリ回転比可変機構
102 アッパーシャフト(回転軸)
104 ロアシャフト(回転軸)
105 アッパーアーム(アーム)
106 ロアアーム(アーム)
109 第1ガイドプーリ
111 第2ガイドプーリ
114 アクチュエータ(駆動源)
p1 駆動プーリにおけるケーブル離脱点
q1 駆動プーリにおけるケーブル離脱点
p2 従動プーリにおけるケーブル離脱点
q2 従動プーリにおけるケーブル離脱点
Wf 車輪[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a cable-type steering apparatus in which a steering operation member operated by a driver and a steering gear box are connected by an operation cable such as a Bowden cable that is easily bent.
[0002]
[Prior art]
Steering from the steering wheel is a variable steering angle ratio steering device that makes it possible to change the ratio of the steering angle of the wheel to the steering angle of the steering wheel by the driver and to make the steering effect sensitive or insensitive depending on the driving state of the vehicle. Those arranged in the transmission path of the steering torque reaching the gear box are known from Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-264237 and Japanese Patent No. 2866302 according to the application of the present applicant.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, if the steering handle and the steering gear box are connected via a steering shaft, a connecting shaft, a universal joint, etc., the positions where the steering handle and the steering gear box are provided are restricted, and when the steering system is laid out. There is a problem that the degree of freedom of design is impaired. Therefore, the driving pulley connected to the steering handle and the driven pulley connected to the steering gear box and the driven pulley are connected by a flexible operation cable, and the steering torque input to the steering handle is supplied to the steering gear via the operation cable. If a so-called cable-type steering device that transmits to the box is adopted, for example, the steering handle can be moved to an arbitrary position, or interference between the steering system and other members can be avoided, greatly increasing the degree of design freedom. it can.
[0004]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and an object of the present invention is to allow a cable-type steering device to arbitrarily change the ratio of the turning angle of a wheel to the operation amount of a steering operation member.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, according to the first aspect of the present invention, there is provided a drive pulley that is connected to a steering operation member that is operated by a driver, and a drive pulley that rotates and a steering gear box that steers the wheel. A cable-type steering device that connects a driven pulley to the steering gear box via an operation cable and connects the driven pulley to the steering gear box.The drive pulley and the driven pulley are connected by the first operation cable and the second operation cable whose winding directions are reversed.InDrivingPulley rotation ratio variable mechanism that changes the ratio of the rotation angle of the driven pulley to the rotation angle of the dynamic pulleyIs one of the driving pulley and the driven pulley.Storing the pulleyThe-Located inside the casingThe pulley rotation ratio variable mechanism isA rotating shaft, an arm having an intermediate portion fixed to the rotating shaft, a drive source for rotating the rotating shaft, and one end of the arm that is rotatably supported and guides the intermediate portion of the first operation cable. A first guide pulley that is guided to the other pulley, and a second guide pulley that is rotatably supported by the other end of the arm and guides an intermediate portion of the second operation cable to the one of the pulleys, and a drive source Rotate the rotating shaft to change the cable length between the cable disconnection point on the drive pulley and the cable disconnection point on the driven pulleyTo change the rotation angle ratioA cable-type steering device characterized byAccording to the second aspect of the present invention, the driving pulley connected to the steering operation member operated by the driver and rotating and the driven pulley connected to the steering gear box for turning the wheel and operated are operated. A cable-type steering device that is connected by a cable and transmits a steering torque input to a steering operation member to a steering gear box via an operation cable, wherein a drive pulley and a driven pulley are wound around the pulley. The pulley rotation ratio variable mechanism that changes the ratio of the rotation angle of the driven pulley to the rotation angle of the drive pulley is connected to the drive pulley and the driven pulley by the first operation cable and the second operation cable that are reverse in direction. The pulley rotation ratio variable mechanism is arranged inside a pulley casing that houses one of the pulleys. The pulley rotation ratio variable mechanism includes a fixed shaft, an arm having a middle portion rotatably supported by the fixed shaft, and an arm around the fixed shaft. A first driving pulley that is rotatably supported by one end of the arm, guides an intermediate portion of the first operation cable, and leads to one of the pulleys, and is rotatable to the other end of the arm. And a second guide pulley that guides an intermediate portion of the second operation cable and guides it to one of the pulleys. Cable type steering apparatus characterized by changing the ratio of the rotation angle by changing the cable length between the cable withdrawal point in Bull departure point and the driven pulley have been proposedThe
[0006]
According to the above configuration,The-The variable rotation ratio mechanism changes the cable length between the drive pulley cable disconnection point and the driven pulley cable disconnection point.DrivingSince the ratio of the rotation angle of the driven pulley to the rotation angle of the dynamic pulley can be changed, the ratio of the steering angle of the wheel to the operation amount of the steering operation member can be arbitrarily changed to make the steering effect more sensitive or insensitive. Can be. Moreover, when the driving pulley is in a stopped state, the driver pulley is rotated by rotating the driven pulley with the variable pulley rotation ratio mechanism, that is, the ratio of the rotation angle of the driven pulley to the rotation angle of the driving pulley is set to infinity. Automatic steering can be performed regardless of operation.
[0007]
AlsoIn particular, the structure of claim 1According to the present invention, when the rotation shaft is rotated by the drive source, the operation cable guided to one of the first and second guide pulleys provided at both ends of the arm fixed to the rotation shaft is pulled and guided to the other. Since the cable is loosened, the cable length between the pulley separation point of the drive pulley and the pulley separation point of the driven pulley is made longer on one side of the first and second cables and shorter on the other side to follow the rotation angle of the drive pulley. The pulley rotation angle ratio can be changed,In addition, the ratio of the rotation angles can be arbitrarily controlled simply by changing the rotation direction, rotation angle, and rotation speed of the rotation shaft.
[0008]
In particular, the structure of claim 2According to the present invention, when the arm supported by the fixed shaft is rotated by the drive source, the operation cable guided to one of the first and second guide pulleys provided at both ends of the arm is pulled and guided to the other. Therefore, the length of the cable between the pulley separation point of the driving pulley and the pulley separation point of the driven pulley is made longer in one of the first and second cables and shorter in the other, and the driven pulley with respect to the rotation angle of the driving pulley. Can change the rotation angle ratio of,Moreover, the ratio of the rotation angles can be arbitrarily controlled simply by changing the rotation direction, rotation angle, and rotation speed of the arm.
[0009]
The
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below based on the embodiments of the present invention shown in the accompanying drawings.
[0011]
1 to 10 show the present invention.FruitFIG. 1 is an overall perspective view of a cable type steering apparatus, FIG. 2 is an enlarged sectional view taken along line 2-2 of FIG. 1, FIG. 3 is a sectional view taken along line 3-3 of FIG. FIG. 5 is a circuit diagram of a differential transformer of the steering torque sensor, FIG. 6 is an operation explanatory view of the steering torque sensor, FIG. 7 is an enlarged sectional view taken along line 7-7 in FIG. 1, and FIG. 8 is a sectional view taken along line 8-8, FIG. 9 is a sectional view taken along line 9-9 in FIG. 7, and FIG. 10 is an explanatory view of the operation corresponding to FIG.
[0012]
As shown in FIG. 1, a
[0013]
As shown in FIG. 2, the
[0014]
A
[0015]
The inner periphery of the front end portion of the steering
[0016]
As is clear from FIGS. 2 and 4, the
[0017]
As shown in FIG. 5, the
[0018]
As is apparent from FIG. 2, the front end portion of the
[0019]
As apparent from FIGS. 2 and 3, the first and
[0020]
The
[0021]
As shown in FIG. 7, the driven
[0022]
A
[0023]
The upper end portion of the
[0024]
A synthetic resin driven
[0025]
A
[0026]
That is, the slide member 86 is slidably fitted to the through
[0027]
Next, the structure of the pulley rotation
[0028]
The
[0029]
The
[0030]
By forming the
[0031]
The
[0032]
The
[0033]
Next, according to the present invention having the above-described configuration.FruitThe effect | action of an Example is demonstrated.
[0034]
First, the case where the pulley rotation
[0035]
The steering torque detected by the
[0036]
When no steering torque is input to the
[0037]
When the steering handle 11 is operated to the right and the steering torque in the direction of arrow a in FIG. 6A is input to the steering
[0038]
As described above, when the steering torque is detected by the
[0039]
Next, a case where the pulley rotation
[0040]
When the driver holds the steering handle 11 in the neutral position, when the
[0041]
That is, even if the steering handle 11 is not operated, by rotating the
[0042]
As described above, since the rotation of the driven
[0043]
For example, if the
[0044]
As described above, since the
[0045]
When the distance between the first and second guide pulleys 109 and 111 and the driven
[0046]
The pulley rotation
[0047]
thisreferenceAccording to the example, when the
[0048]
Next, based on FIG.Second referenceAn example will be described.
[0049]
Inside the driven
[0050]
Next, based on FIG.Third referenceAn example will be described.
[0051]
Inside the driven
[0052]
Next, based on FIG.4th referenceAn example will be described.
[0053]
A pair of
[0054]
Next, based on FIG.5th referenceAn example will be described.
[0055]
Inside the driven
[0056]
thesethreeAccording to the example, the aboveFruitThe same effects as the embodiment can be achieved..
[0057]
As mentioned above, although the Example of this invention was explained in full detail, this invention can perform a various design change in the range which does not deviate from the summary.
[0058]
For example,SaidIn the embodiment, the
[0059]
In the embodiment, the circular steering handle 11 is exemplified as the steering operation member, but a steering operation member having an arbitrary shape such as a bar type or a stick type can be employed.
[0060]
【The invention's effect】
As aboveBookAccording to the invention,A pulley rotation ratio variable mechanism is disposed inside a pulley casing that houses either the driving pulley or the driven pulley.Pulley rotation ratio variable mechanismByBy changing the cable length between the drive pulley cable disconnection point and the driven pulley cable disconnection pointDrivingSince the ratio of the rotation angle of the driven pulley to the rotation angle of the dynamic pulley can be changed, the ratio of the steering angle of the wheel to the operation amount of the steering operation member can be arbitrarily changed to make the steering effect more sensitive or insensitive. Can be. Moreover, when the driving pulley is in a stopped state, the driver pulley is rotated by rotating the driven pulley with the variable pulley rotation ratio mechanism, that is, the ratio of the rotation angle of the driven pulley to the rotation angle of the driving pulley is set to infinity. Automatic steering can be performed regardless of operation. In particular, the pulley rotation ratio variable mechanism is disposed inside a driving pulley casing that houses the driving pulley or inside a driven pulley casing that houses the driven pulley.
[0061]
Also especiallyClaim 1According to the invention, when the rotating shaft is rotated by the drive source, the operation cable guided to one of the first and second guide pulleys provided at both ends of the arm fixed to the rotating shaft is pulled and guided to the other. Since the operation cable is loosened, the cable length between the pulley separation point of the driving pulley and the pulley separation point of the driven pulley is made longer on one side of the first and second cables and shorter on the other side, so that the rotation angle of the driving pulley is reduced. The rotation angle ratio of the driven pulley can be changed. In addition, the ratio of the rotation angles can be arbitrarily controlled simply by changing the rotation direction, rotation angle, and rotation speed of the rotation shaft.
[0062]
AlsoEspecially in claim 2According to the invention, when the arm supported on the fixed shaft is rotated by the drive source, the operation cable guided to one of the first and second guide pulleys provided at both ends of the arm is pulled and guided to the other. Since the cable is loosened, the cable length between the pulley separation point of the drive pulley and the pulley separation point of the driven pulley is made longer on one side of the first and second cables and shorter on the other side to follow the rotation angle of the drive pulley. The rotation angle ratio of the pulley can be changed. Moreover, the ratio of the rotation angles can be arbitrarily controlled simply by changing the rotation direction, rotation angle, and rotation speed of the arm.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an overall perspective view of a cable-type steering device.
FIG. 2 is an enlarged sectional view taken along line 2-2 in FIG.
3 is a cross-sectional view taken along line 3-3 in FIG.
FIG. 4 is a perspective view of a steering torque sensor.
FIG. 5 is a circuit diagram of a differential transformer of a steering torque sensor.
FIG. 6 is an explanatory diagram of the operation of the steering torque sensor.
7 is an enlarged sectional view taken along line 7-7 in FIG.
8 is a cross-sectional view taken along line 8-8 in FIG.
9 is a sectional view taken along line 9-9 in FIG.
FIG. 10 is an operation explanatory diagram corresponding to FIG.
FIG. 11First referenceIllustration showing an example
FIG.Second referenceIllustration showing an example
FIG. 13Third referenceIllustration showing an example
FIG. 144th referenceIllustration showing an example
FIG. 155th referenceIllustration showing an example
[Explanation of symbols]
11 Steering handle (steering operation member)
13 Steering gear box
15 First operation cable (operation cable)
16 Second operation cable (operation cable)
59 Drive pulley
60 driven pulley
65 Pulley rotation ratio variable mechanism
102 Upper shaft (rotating shaft)
104 Lower shaft (rotating shaft)
105 Upper arm (arm)
106 Lower arm (arm)
109 First guide pulley
111 Second guide pulley
114 Actuator (drive source)
p1 Cable disconnection point in the drive pulley
q1 Cable disconnection point in the drive pulley
p2 Cable disconnection point in driven pulley
q2 Cable disconnection point in driven pulley
Wf wheel
Claims (2)
駆動プーリ(59)および従動プーリ(60)が該プーリ(59,60)への巻き方向が逆の第1操作ケーブル(15)および第2操作ケーブル(16)で接続されるものにおいて、
駆動プーリ(59)の回転角に対する従動プーリ(60)の回転角の比を変化させるプーリ回転比可変機構(65)が、駆動プーリ(59)および従動プーリ(60)のうちの何れか一方のプーリ(60)を収納するプーリケーシング(14)の内部に配置され、
前記プーリ回転比可変機構(65)は、
回転軸(102,104)と、回転軸(102,104)に中間部を固定されたアーム(105,106)と、回転軸(102,104)を回転させる駆動源(114)と、アーム(105,106)の一端に回転自在に支持され、第1操作ケーブル(15)の中間部を案内して前記何れか一方のプーリ(60)に導く第1ガイドプーリ(109)と、アーム(105,106)の他端に回転自在に支持され、第2操作ケーブル(16)の中間部を案内して前記何れか一方のプーリ(60)に導く第2ガイドプーリ(111)とを備えていて、
駆動源(114)で回転軸(102,104)を回転させて駆動プーリ(59)におけるケーブル離脱点(p1,q1)と従動プーリ(60)におけるケーブル離脱点(p2,q2)との間のケーブル長を変化させることで前記回転角の比を変化させることを特徴とする、ケーブル式ステアリング装置。A driving pulley (59) connected to the steering operation member (11) operated by the driver and a driven pulley (60) connected to the steering gear box (13) for turning the wheels (Wf, Wf) and rotated. connect bets with the operation cable (15, 16), a cable-type steering device for transmitting the steering gear box (13) through the operation of the steering torque input to the steering operation member (11) cable (15, 16) There,
In the case where the driving pulley (59) and the driven pulley (60) are connected by the first operation cable (15) and the second operation cable (16) whose winding directions to the pulleys (59, 60) are reversed ,
Pulley rotation ratio variable mechanism for changing the ratio of the rotation angle of the driven pulley (60) with respect to the rotation angle of the moving pulley (59) driving (65), either one of the drive pulley (59) and the driven pulley (60) is disposed in the interior of the pulley (60)-pulleys casing for housing (14),
The pulley rotation ratio variable mechanism (65)
A rotating shaft (102, 104), an arm (105, 106) having an intermediate portion fixed to the rotating shaft (102, 104), a drive source (114) for rotating the rotating shaft (102, 104), and an arm ( 105, 106) are rotatably supported at one end of the first operation cable (15), and guide the intermediate portion of the first operation cable (15) to one of the pulleys (60) and the arm (105). , 106) and a second guide pulley (111) that is rotatably supported at the other end of the second operation cable (16) and guides the intermediate portion of the second operation cable (16) to one of the pulleys (60). ,
The rotating shafts (102, 104) are rotated by the drive source (114), and between the cable disconnection points (p1, q1) in the drive pulley (59) and the cable disconnection points (p2, q2) in the driven pulley (60). A cable- type steering apparatus , wherein a ratio of the rotation angles is changed by changing a cable length .
駆動プーリ(59)および従動プーリ(60)が該プーリ(59,60)への巻き方向が逆の第1操作ケーブル(15)および第2操作ケーブル(16)で接続されるものにおいて、
駆動プーリ(59)の回転角に対する従動プーリ(60)の回転角の比を変化させるプーリ回転比可変機構(65)が、駆動プーリ(59)および従動プーリ(60)のうちの何れか一方のプーリ(60)を収納するプーリケーシング(14)の内部に配置され、
前記プーリ回転比可変機構(65)は、固定軸と、固定軸に中間部を回転自在に支持されたアーム(105,106)と、アーム(105,106)を固定軸まわりに回転させる駆動源(114)と、アーム(105,106)の一端に回転自在に支持され、第1操作ケーブル(15)の中間部を案内して前記何れか一方のプーリ(60)に導く第1ガイドプーリ(109)と、アーム(105,106)の他端に回転自在に支持され、第2操作ケーブル(16)の中間部を案内して前記何れか一方のプーリ(60)に導く第2ガイドプーリ(111)とを備えていて、
駆動源(114)でアーム(105,106)を回転させて駆動プーリ(59)におけるケーブル離脱点(p1,q1)と従動プーリ(60)におけるケーブル離脱点(p2,q2)との間のケーブル長を変化させることで前記回転角の比を変化させることを特徴とする、ケーブル式ステアリング装置。 A driving pulley (59) connected to the steering operation member (11) operated by the driver and a driven pulley (60) connected to the steering gear box (13) for turning the wheels (Wf, Wf) and rotated. Are connected by operation cables (15, 16), and the steering torque input to the steering operation member (11) is transmitted to the steering gear box (13) via the operation cables (15, 16). There,
In the case where the driving pulley (59) and the driven pulley (60) are connected by the first operation cable (15) and the second operation cable (16) whose winding directions to the pulleys (59, 60) are reversed,
A pulley rotation ratio variable mechanism (65) that changes the ratio of the rotation angle of the driven pulley (60) to the rotation angle of the drive pulley (59) is one of the drive pulley (59) and the driven pulley (60). Arranged inside a pulley casing (14) for accommodating the pulley (60);
The pulley rotation ratio variable mechanism (65) includes a fixed shaft, an arm (105, 106) whose intermediate portion is rotatably supported by the fixed shaft, and a drive source for rotating the arm (105, 106) around the fixed shaft. (114) and a first guide pulley that is rotatably supported at one end of the arms (105, 106) and guides the intermediate portion of the first operation cable (15) to one of the pulleys (60). 109) and a second guide pulley that is rotatably supported by the other ends of the arms (105, 106) and guides an intermediate portion of the second operation cable (16) to one of the pulleys (60). 111) have a,
The cable between the cable disconnection point (p1, q1) in the drive pulley (59) and the cable disconnection point (p2, q2) in the driven pulley (60) by rotating the arm (105, 106) with the drive source (114). characterized in that varying the ratio of the rotation angle by varying the length, the cable-type steering device.
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