JP3775904B2 - 有機電界発光素子 - Google Patents

有機電界発光素子 Download PDF

Info

Publication number
JP3775904B2
JP3775904B2 JP25897097A JP25897097A JP3775904B2 JP 3775904 B2 JP3775904 B2 JP 3775904B2 JP 25897097 A JP25897097 A JP 25897097A JP 25897097 A JP25897097 A JP 25897097A JP 3775904 B2 JP3775904 B2 JP 3775904B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
substituted
layer
compound
organic electroluminescent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP25897097A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1197179A (ja
Inventor
正勝 中塚
典子 北本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP25897097A priority Critical patent/JP3775904B2/ja
Publication of JPH1197179A publication Critical patent/JPH1197179A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3775904B2 publication Critical patent/JP3775904B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機電界発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、無機電界発光素子は、例えば、バックライトなどのパネル型光源として使用されてきたが、該発光素子を駆動させるには、交流の高電圧が必要である。最近になり、発光材料に有機材料を用いた有機電界発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子:有機EL素子)が開発された〔Appl. Phys. Lett., 51 、913 (1987)〕。有機電界発光素子は、蛍光性有機化合物を含む薄膜を、陽極と陰極間に挟持された構造を有し、該薄膜に電子および正孔(ホール)を注入して、再結合させることにより励起子(エキシトン)を生成させ、この励起子が失活する際に放出される光を利用して発光する素子である。有機電界発光素子は、数V〜数十V程度の直流の低電圧で、発光が可能であり、また蛍光性有機化合物の種類を選択することにより、種々の色(例えば、赤色、青色、緑色)の発光が可能である。このような特徴を有する有機電界発光素子は、種々の発光素子、表示素子等への応用が期待されている。しかしながら、一般に、発光輝度が低く、実用上充分ではない。
【0003】
発光輝度を向上させる方法として、発光層として、例えば、トリス(8−キノリノラート)アルミニウムをホスト化合物、クマリン誘導体、ピラン誘導体をゲスト化合物(ドーパント)として用いた有機電界発光素子が提案されている〔J. Appl. Phys., 65 、3610 (1989) 〕。
また、発光層として、例えば、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(4−フェニルフェノラート)アルミニウムをホスト化合物、アクリドン誘導体(例えば、N−メチル−2−メトキシアクリドン)をゲスト化合物として用いた有機電界発光素子が提案されている(特開平8−67873号公報)。
また、発光層として、有機金属化合物(例えば、8−キノリノールの金属化合物)をホスト化合物、5,11−ジメチルエピンドリジオン(N,N’−ジメチルエピンドリジオン)をゲスト化合物として用いた有機電界発光素子が示唆されている(特開平9−176630号公報)。しかしながら、これらの発光素子も充分な発光輝度を有しているとは言い難い。また、アクリドン誘導体(例えば、N−メチル−2−メトキシアクリドン)および5,11−ジメチルエピンドリジオンを含有する層と電極(例えば、陰極)との密着性は乏しく、長期間の使用に際しては、その改良が必要であることが判明した。
現在では、一層高輝度に発光する有機電界発光素子が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、発光効率に優れ、高輝度に発光する有機電界発光素子を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、有機電界発光素子に関して鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、
▲1▼一対の電極間に、一般式(1)(化2)で表される化合物を少なくとも1種含有する層を少なくとも一層挟持してなる有機電界発光素子、
【0006】
【化2】
Figure 0003775904
(式中、R1 とR2 、R2 とR3 、R3 とR4 、R5 とR6 、R6 とR7 、R7 とR8 から選ばれる少なくとも1組の隣接する基は互いに結合して、置換している炭素原子と共に、置換または未置換の炭素環式脂肪族環、置換または未置換の炭素環式芳香族環、あるいは置換または未置換の複素環式芳香族環を形成しており、環を形成しないR1 〜R8 は水素原子、ハロゲン原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、直鎖、分岐または環状のアルコキシ基、あるいは置換または未置換のアリール基を表す。X1 およびX2 は水素原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、置換または未置換のアリール基、あるいは置換または未置換のアラルキル基を表す。但し、X1 およびX2 は同時に水素原子を表すことはない。)
▲2▼一般式(1)で表される化合物を含有する層が、発光層である▲1▼記載の有機電界発光素子、
▲3▼一般式(1)で表される化合物を含有する層が、電子注入輸送層である▲1▼記載の有機電界発光素子、
▲4▼一般式(1)で表される化合物を含有する層が、さらに、発光性有機金属錯体を含有することを特徴とする前記▲1▼〜▲3▼のいずれかに記載の有機電界発光素子、
▲5▼一対の電極間に、さらに、正孔注入輸送層を有する前記▲1▼〜▲4▼のいずれかに記載の有機電界発光素子、
▲6▼一対の電極間に、さらに、電子注入輸送層を有する前記▲1▼〜▲5▼のいずれかに記載の有機電界発光素子、に関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に関して詳細に説明する。
本発明の有機電界発光素子は、一対の電極間に、一般式(1)(化3)で表される化合物を少なくとも1種含有する層を少なくとも一層挟持してなるものである。
【0008】
【化3】
Figure 0003775904
(式中、R1 とR2 、R2 とR3 、R3 とR4 、R5 とR6 、R6 とR7 、R7 とR8 から選ばれる少なくとも1組の隣接する基は互いに結合して、置換している炭素原子と共に、置換または未置換の炭素環式脂肪族環、置換または未置換の炭素環式芳香族環、あるいは置換または未置換の複素環式芳香族環を形成しており、環を形成しないR1 〜R8 は水素原子、ハロゲン原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、直鎖、分岐または環状のアルコキシ基、あるいは置換または未置換のアリール基を表す。X1 およびX2 は水素原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、置換または未置換のアリール基、あるいは置換または未置換のアラルキル基を表す。但し、X1 およびX2 は同時に水素原子を表すことはない。)
【0009】
一般式(1)で表される化合物において、R1 とR2 、R2 とR3 、R3 とR4 、R5 とR6 、R6 とR7 、R7 とR8 から選ばれる少なくとも1組の隣接する基は、互いに結合して置換している炭素原子と共に、置換または未置換の炭素環式脂肪族環、置換または未置換の炭素環式芳香族環、あるいは置換または未置換の複素環式芳香族環を形成し、好ましくは、R1 とR2 、R2 とR3 、R3 とR4 、R5 とR6 、R6 とR7 、R7 とR8 から選ばれる少なくとも1〜2組の隣接する基は、互いに結合して置換している炭素原子と共に、総炭素数5〜10の置換または未置換の炭素環式脂肪族環、置換または未置換の総炭素数6〜10の炭素環式芳香族環、あるいは置換または未置換の総炭素数6〜16の複素環式芳香族環を形成している。
【0010】
炭素環式脂肪族環、炭素環式芳香族環または複素環式芳香族環の具体例としては、例えば、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、シクロヘプテン環、シクロオクテン環、ベンゼン環、ナフタレン環、インドール環、N−置換インドール環(例えば、N−エチルインドール環、N−n−ブチルインドール環、N−フェニルインドール環)などを挙げることができ、より好ましくは、シクロヘキセン環、ベンゼン環、N−置換インドール環である。
尚、炭素環式脂肪族環、炭素環式芳香族環または複素環式芳香族環は置換基を有していてもよく、例えば、後述するR1 〜R8 で挙げるハロゲン原子、炭素数1〜16の直鎖、分岐または環状のアルキル基、炭素数1〜16の直鎖、分岐または環状のアルコキシ基、あるいは炭素数4〜16の置換または未置換のアリール基等で単置換または多置換されていてもよく、より好ましくは、未置換の炭素環式脂肪族環、未置換の炭素環式芳香族環、あるいはN−置換の含窒素複素環式芳香族環である。
【0011】
一般式(1)で表される化合物において、環を形成しないR1 〜R8 は水素原子、ハロゲン原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、直鎖、分岐または環状のアルコキシ基、あるいは置換または未置換のアリール基を表す。
尚、アリール基とは、例えば、フェニル基、ナフチル基などの炭素環式芳香族基、例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基などの複素環式芳香族基を表す。
【0012】
一般式(1)で表される化合物において、環を形成していないR1 〜R8 の具体例としては、水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、炭素数1〜16の直鎖、分岐または環状のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec −ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、3,3−ジメチルブチル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、シクロヘキシルメチル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基など)、
炭素数1〜16の直鎖、分岐または環状のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec −ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、3,3−ジメチルブチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基など)、
【0013】
あるいは炭素数4〜16の置換または未置換のアリール基(例えば、フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−n−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−イソペンチルフェニル基、4−tert−ペンチルフェニル基、4−n−ヘキシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−n−オクチルフェニル基、4−n−デシルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、5−インダニル基、1,2,3,4−テトラヒドロ−5−ナフチル基、1,2,3,4−テトラヒドロ−6−ナフチル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、3−エトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、4−n−プロポキシフェニル基、4−イソプロポキシフェニル基、4−n−ブトキシフェニル基、4−n−ペンチルオキシフェニル基、4−n−ヘキシルオキシフェニル基、4−シクロヘキシルオキシフェニル基、4−n−ヘプチルオキシフェニル基、4−n−オクチルオキシフェニル基、4−n−デシルオキシフェニル基、2,3−ジメトキシフェニル基、2,5−ジメトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、2−メトキシ−5−メチルフェニル基、3−メチル−4−メトキシフェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、4−ブロモフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、2−メチル−4−クロロフェニル基、2−クロロ−4−メチルフェニル基、3−クロロ−4−メチルフェニル基、2−クロロ−4−メトキシフェニル基、4−フェニルフェニル基、3−フェニルフェニル基、4−(4’−メチルフェニル)フェニル基、4−(4’−メトキシフェニル)フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、4−エトキシ−1−ナフチル基、6−メトキシ−2−ナフチル基、7−エトキシ−2−ナフチル基、2−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基など)であり、
より好ましくは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基または炭素数6〜10のアリール基であり、さらに好ましくは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシ基である。
特に、環を形成していないR1 〜R8 は水素原子であることが好ましい。
【0014】
一般式(1)で表される化合物において、X1 およびX2 は水素原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、置換または未置換のアリール基、あるいは置換または未置換のアラルキル基を表す。但し、X1 およびX2 は同時に水素原子を表すことはない。好ましくは、水素原子、炭素数1〜16の直鎖、分岐または環状のアルキル基、総炭素数6〜16の炭素環式芳香族基、総炭素数4〜16の複素環式芳香族基、あるいは総炭素数7〜16のアラルキル基であり、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜10の直鎖、分岐または環状のアルキル基、総炭素数6〜10の炭素環式芳香族基、総炭素数4〜10の複素環式芳香族基、あるいは総炭素数7〜10のアラルキル基であり、さらに好ましくは、水素原子、炭素数1〜10の直鎖、分岐または環状のアルキル基、総炭素数6〜10の炭素環式芳香族基、あるいは総炭素数7〜10のアラルキル基である。
【0015】
1 およびX2 の直鎖、分岐または環状のアルキル基、置換または未置換のアリール基の具体例としては、例えば、R1 〜R8 の具体例として挙げた分岐または環状のアルキル基、置換または未置換のアリール基を例示することができる。また、X1 およびX2 の置換または未置換のアラルキル基の具体例としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、フルフリル基、2−メチルベンジル基、3−メチルベンジル基、4−メチルベンジル基、4−エチルベンジル基、4−イソプロピルベンジル基、4−tert−ブチルベンジル基、4−n−ヘキシルベンジル基、3,4−ジメチルベンジル基、3−メトキシベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−エトキシベンジル基、4−n−ブトキシベンジル基、4−フルオロベンジル基、3−フルオロベンジル基、2−クロロベンジル基、4−クロロベンジル基などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0016】
本発明に係る一般式(1)で表される化合物として、より好ましい化合物としては、一般式(1−A)〜一般式(1−G)(化4〜化10)で表される化合物を挙げることができる。
【0017】
【化4】
Figure 0003775904
(式中、R11〜R16は水素原子、ハロゲン原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、直鎖、分岐または環状のアルコキシ基、あるいは置換または未置換のアリール基を表し、X11およびX12は水素原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、置換または未置換のアリール基、あるいは置換または未置換のアラルキル基を表す。但し、X11およびX12は同時に水素原子を表すことはない。)
【0018】
【化5】
Figure 0003775904
(式中、R21〜R26は水素原子、ハロゲン原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、直鎖、分岐または環状のアルコキシ基、あるいは置換または未置換のアリール基を表し、X21およびX22は水素原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、置換または未置換のアリール基、あるいは置換または未置換のアラルキル基を表す。但し、X21およびX22は同時に水素原子を表すことはない。)
【0019】
【化6】
Figure 0003775904
(式中、R31〜R34は水素原子、ハロゲン原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、直鎖、分岐または環状のアルコキシ基、あるいは置換または未置換のアリール基を表し、X31およびX32は水素原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、置換または未置換のアリール基、あるいは置換または未置換のアラルキル基を表す。但し、X31およびX32は同時に水素原子を表すことはない。)
【0020】
【化7】
Figure 0003775904
(式中、R41〜R44は水素原子、ハロゲン原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、直鎖、分岐または環状のアルコキシ基、あるいは置換または未置換のアリール基を表し、X41およびX42は水素原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、置換または未置換のアリール基、あるいは置換または未置換のアラルキル基を表す。但し、X41およびX42は同時に水素原子を表すことはない。)
【0021】
【化8】
Figure 0003775904
(式中、R51〜R54は水素原子、ハロゲン原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、直鎖、分岐または環状のアルコキシ基、あるいは置換または未置換のアリール基を表し、X51およびX52は水素原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、置換または未置換のアリール基、あるいは置換または未置換のアラルキル基を表す。但し、X51およびX52は同時に水素原子を表すことはない。)
【0022】
【化9】
Figure 0003775904
(式中、R61〜R64は水素原子、ハロゲン原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、直鎖、分岐または環状のアルコキシ基、あるいは置換または未置換のアリール基を表し、X61およびX62は水素原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、置換または未置換のアリール基、あるいは置換または未置換のアラルキル基を表す。但し、X61およびX62は同時に水素原子を表すことはない。)
【0023】
【化10】
Figure 0003775904
(式中、R71〜R74は水素原子、ハロゲン原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、直鎖、分岐または環状のアルコキシ基、あるいは置換または未置換のアリール基を表し、X71およびX72は水素原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、置換または未置換のアリール基、あるいは置換または未置換のアラルキル基を表し、Y71およびY72は直鎖、分岐または環状のアルキル基、あるいは置換または未置換のアリール基を表す。但し、X71およびX72は同時に水素原子を表すことはない。)
【0024】
一般式(1−A)で表される化合物において、R11〜R16は、より好ましくは、水素原子である。X11およびX12は、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖、分岐または環状のアルキル基、総炭素数6〜10の炭素環式芳香族基、あるいは総炭素数7〜10のアラルキル基である。
【0025】
一般式(1−B)で表される化合物において、R21〜R26は、より好ましくは、水素原子である。X21およびX22は、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖、分岐または環状のアルキル基、総炭素数6〜10の炭素環式芳香族基、あるいは総炭素数7〜10のアラルキル基である。
【0026】
一般式(1−C)で表される化合物において、R31〜R34は、より好ましくは、水素原子である。X31およびX32は、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖、分岐または環状のアルキル基、総炭素数6〜10の炭素環式芳香族基、あるいは総炭素数7〜10のアラルキル基である。
【0027】
一般式(1−D)で表される化合物において、R41〜R44は、より好ましくは、水素原子である。X41およびX42は、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖、分岐または環状のアルキル基、総炭素数6〜10の炭素環式芳香族基、あるいは総炭素数7〜10のアラルキル基である。
【0028】
一般式(1−E)で表される化合物において、R51〜R54は、より好ましくは、水素原子である。X51およびX52は、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖、分岐または環状のアルキル基、総炭素数6〜10の炭素環式芳香族基、あるいは総炭素数7〜10のアラルキル基である。
【0029】
一般式(1−F)で表される化合物において、R61〜R64は、より好ましくは、水素原子である。X61およびX62は、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖、分岐または環状のアルキル基、総炭素数6〜10の炭素環式芳香族基、あるいは総炭素数7〜10のアラルキル基である。
【0030】
一般式(1−G)で表される化合物において、R71〜R74は、より好ましくは、水素原子である。X71およびX72は、より好ましくは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖、分岐または環状のアルキル基、総炭素数6〜10の炭素環式芳香族基、あるいは総炭素数7〜10のアラルキル基である。Y71およびY72は、より好ましくは、炭素数1〜8の直鎖、分岐または環状のアルキル基、総炭素数6〜10の炭素環式芳香族基であり、さらに好ましくは、炭素数1〜8の直鎖または分岐のアルキル基、総炭素数6〜10の炭素環式芳香族基であり、特に好ましくは、炭素数1〜8の直鎖または分岐のアルキル基である。
【0031】
本発明の有機電界発光素子においては、一般式(1)において、R1 とR2 、R2 とR3 、R3 とR4 、R5 とR6 、R6 とR7 、R7 とR8 から選ばれる少なくとも1組の隣接する基は互いに結合して、置換している炭素原子と共に、置換または未置換の炭素環式脂肪族環、置換または未置換の炭素環式芳香族環、あるいは置換または未置換の複素環式芳香族環を形成し、且つX1 およびX2 が同時に水素原子を表すことはない化合物を少なくとも1種使用することが大きな特徴であり、このことにより、高輝度に発光する有機電界発光素子を提供することが可能となる。
理由は定かではないが、例えば、5,11−ジメチルエピンドリジオンと、本発明に係る一般式(1)で表されるエピンドリジオン誘導体とは、その置換基の効果により、エピンドリジオン誘導体の凝集状態が変化し、それにより物理的、電気的特性などが変化する為であろうと推測することができる。
【0032】
本発明に係る一般式(1)で表される化合物の具体例としては、例えば、以下の化合物を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、一般式(1)で表される化合物の命名は、例えば、J. Org. Chem., 33 、4004 (1968) に記載の方法に従った。
・例示化合物
番号
1. 5−メチル−1:2−ベンゾエピンドリジオン
2. 5,11−ジメチル−1:2−ベンゾエピンドリジオン
3. 5,11−ジエチル−8−クロロ−1:2−ベンゾエピンドリジオン
4. 5,11−ジメチル−3:4−ベンゾエピンドリジオン
5. 5,11−ジ−n−ブチル−3:4−ベンゾエピンドリジオン
6. 5−メチル−1:2,7:8−ジベンゾエピンドリジオン
7. 5,11−ジメチル−1:2,7:8−ジベンゾエピンドリジオン
8. 5−メチル−11−エチル−1:2,7:8−ジベンゾエピンドリジオン
9. 5,11−ジエチル−1:2,7:8−ジベンゾエピンドリジオン
10. 5,11−ジイソプロピル−1:2,7:8−ジベンゾエピンドリジオン
11. 5,11−ジ−n−ブチル−1:2,7:8−ジベンゾエピンドリジオン
12. 5,11−ジ−n−ペンチル−3,9−ジフェニル−1:2,7:8−ジベンゾエピンドリジオン
13. 5,11−ジ−n−ヘキシル−1:2,7:8−ジベンゾエピンドリジオン
14. 5−フェニル−1:2,7:8−ジベンゾエピンドリジオン
15. 5,11−ジフェニル−1:2,7:8−ジベンゾエピンドリジオン
16. 5,11−ジベンジル−1:2,7:8−ジベンゾエピンドリジオン
17. 5,11−ジメチル−2:3,8:9−ジベンゾエピンドリジオン
【0033】
18. 5,11−ジメチル−3:4,9:10−ジベンゾエピンドリジオン
19. 5,11−ジエチル−3:4,9:10−ジベンゾエピンドリジオン
20. 5,11−ジ−n−プロピル−3:4,9:10−ジベンゾエピンドリジオン
21. 5,11−ジイソブチル−3:4,9:10−ジベンゾエピンドリジオン
22. 5,11−ジ−n−オクチル−3:4,9:10−ジベンゾエピンドリジオン
23. 5,11−ジ−n−ドデシル−3:4,9:10−ジベンゾエピンドリジオン
24. 5,11−ジフェニル−3:4,9:10−ジベンゾエピンドリジオン
25. 5,11−ジ(4’−メチルフェニル)−3:4,9:10−ジベンゾエピンドリジオン
26. 5−ベンジル−3:4,9:10−ジベンゾエピンドリジオン
27. 5,11−ジベンジル−3:4,9:10−ジベンゾエピンドリジオン
28. 5,11−ジ(4’−メチルベンジル)−3:4,9:10−ジベンゾエピンドリジオン
29. 5,11−ジメチル−1:2,7:8−ジナフトエピンドリジオン
30. 5,11−ジエチル−3:4,9:10−ジナフトエピンドリジオン
【0034】
31. 5,11−ジメチル−1:2,7:8−ビス(テトラメチレン)エピンドリジオン
32. 5,11−ジエチル−1:2,7:8−ビス(テトラメチレン)エピンドリジオン
33. 5,11−ジフェニル−1:2,7:8−ビス(テトラメチレン)エピンドリジオン
34. 5,11−ジメチル−3:4,9:10−ビス(トリメチレン)エピンドリジオン
35. 5,11−ジシクロヘキシル−3:4,9:10−ビス(トリメチレン)エピンドリジオン
36. 5,11−ジベンジル−3:4,9:10−ビス(トリメチレン)エピンドリジオン
37. 5,11−ジメチル−3:4,9:10−ビス(テトラメチレン)エピンドリジオン
38. 5,11−ジエチル−3:4,9:10−ビス(テトラメチレン)エピンドリジオン
39. 5,11−ジ−n−ブチル−3:4,9:10−ビス(テトラメチレン)エピンドリジオン
40. 5,11−ジフェニル−3:4,9:10−ビス(テトラメチレン)エピンドリジオン
41. 5,11−ジベンジル−3:4,9:10−ビス(テトラメチレン)エピンドリジオン
42. 5,11−ジエチル−1:2,7:8−ビス(ペンタメチレン)エピンドリジオン
43. 5,11−ジメチル−3:4,9:10−ビス(ヘキサメチレン)エピンドリジオン
さらには、下記式(44)〜式(47)(化11〜化14)
44.
【0035】
【化11】
Figure 0003775904
45.
【0036】
【化12】
Figure 0003775904
46.
【0037】
【化13】
Figure 0003775904
47.
【0038】
【化14】
Figure 0003775904
【0039】
本発明に係る一般式(1)で表される化合物は、其自体公知の方法に従って製造することができる。例えば、J. Org. Chem., 33 、4004 (1968) 、Z. Naturforsch. B. Chem. Sci., 47 、1393 (1992) に記載の方法に従って製造することができる。すなわち、例えば、ジヒドロキシフマル酸ジアルキルエステル誘導体と縮合環を有するアニリン誘導体を反応させて、ビス(縮合環を有するアニリノ置換)マレイン酸誘導体を製造した後、さらに酸を作用させることによりエピンドリジオン誘導体を製造した後、塩基(例えば、水素化ナトリウム、ナトリウムメトキサイド、カリウム−tert−ブトキサイド、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム)の存在下で、X1 化剤および/またはX2 化剤(例えば、X1 のハロゲン化物および/またはX2 のハロゲン化物)を作用させることにより製造することができる。
【0040】
有機電界発光素子は、通常、一対の電極間に、少なくとも1種の発光成分を含有する発光層を少なくとも一層挟持してなるものである。発光層に使用する化合物の正孔注入および正孔輸送、電子注入および電子輸送の各機能レベルを考慮し、所望に応じて、正孔注入輸送成分を含有する正孔注入輸送層または/および電子注入輸送成分を含有する電子注入輸送層を設けることもできる。
例えば、発光層に使用する化合物の正孔注入機能、正孔輸送機能または/および電子注入機能、電子輸送機能が良好な場合には、発光層が正孔注入輸送層または/および電子注入輸送層を兼ねた型の素子の構成とすることができる。勿論、場合によっては、正孔注入輸送層および電子注入輸送層の両方の層を設けない型の素子(一層型の素子)の構成とすることもできる。
また、正孔注入輸送層、電子注入輸送層および発光層のそれぞれの層は、一層構造であっても多層構造であってもよく、正孔注入輸送層および電子注入輸送層は、それぞれの層において、注入機能を有する層と輸送機能を有する層を別々に設けて構成することもできる。
【0041】
本発明の有機電界発光素子において、一般式(1)で表される化合物は、正孔注入輸送成分、発光成分または電子注入輸送成分に用いることが好ましく、発光成分または電子注入輸送成分に用いることがより好ましい。
本発明の有機電界発光素子においては、一般式(1)で表される化合物は、単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。
【0042】
本発明の有機電界発光素子の構成としては、特に限定するものではなく、例えば、(A)陽極/正孔注入輸送層/発光層/電子注入輸送層/陰極型素子(図1)、(B)陽極/正孔注入輸送層/発光層/陰極型素子(図2)、(C)陽極/発光層/電子注入輸送層/陰極型素子(図3)、(D)陽極/発光層/陰極型素子(図4)などを挙げることができる。さらには、発光層を電子注入輸送層で挟み込んだ型の素子である(E)陽極/正孔注入輸送層/電子注入輸送層/発光層/電子注入輸送層/陰極型素子(図5)とすることもできる。(D)型の素子構成としては、発光成分を一層形態で一対の電極間に挟持させた型の素子は勿論であるが、さらには、例えば、(F)正孔注入輸送成分、発光成分および電子注入輸送成分を混合させた一層形態で一対の電極間に挟持させた型の素子(図6)、(G)正孔注入輸送成分および発光成分を混合させた一層形態で一対の電極間に挟持させた型の素子(図7)、または(H)発光成分および電子注入輸送成分を混合させた一層形態で一対の電極間に挟持させた型の素子(図8)がある。
【0043】
本発明の有機電界発光素子は、これらの素子構成に限るものではなく、それぞれの型の素子において、正孔注入輸送層、発光層、電子注入輸送層を複数層設けたりすることができる。また、それぞれの型の素子において、正孔注入輸送層と発光層との間に、正孔注入輸送成分と発光成分の混合層または/および発光層と電子注入輸送層との間に、発光成分と電子注入輸送成分の混合層を設けることもできる。
より好ましい有機電界発光素子の構成は、(A)型素子、(B)型素子、(C)型素子、(E)型素子、(F)型素子、(G)型素子または(H)型素子であり、さらに好ましくは、(A)型素子、(B)型素子、(C)型素子、(F)型素子または(H)型素子である。
【0044】
本発明の有機電界発光素子としては、例えば、(図1)に示す(A)陽極/正孔注入輸送層/発光層/電子注入輸送層/陰極型素子について説明する。
(図1)において、1は基板、2は陽極、3は正孔注入輸送層、4は発光層、5は電子注入輸送層、6は陰極、7は電源を示す。
【0045】
本発明の有機電界発光素子は、基板1に支持されていることが好ましく、基板としては、特に限定するものではないが、透明ないし半透明であることが好ましく、例えば、ガラス板、透明プラスチックシート(例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのシート)、半透明プラスチックシート、石英、透明セラミックスあるいはこれらを組み合わせた複合シートからなるものを挙げることができる。
さらに、基板に、例えば、カラーフィルター膜、色変換膜、誘電体反射膜を組み合わせて、発光色をコントロールすることもできる。
【0046】
陽極2としては、比較的仕事関数の大きい金属、合金または電気電導性化合物を電極物質として使用することが好ましい。
陽極に使用する電極物質としては、例えば、金、白金、銀、銅、コバルト、ニッケル、パラジウム、バナジウム、タングステン、酸化錫、酸化亜鉛、ITO(インジウム・ティン・オキサイド)、ポリチオフェン、ポリピロールなどを挙げることができる。これらの電極物質は、単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。
陽極は、これらの電極物質を、例えば、蒸着法、スパッタリング法等の方法により、基板の上に形成することができる。
また、陽極は一層構造であってもよく、あるいは多層構造であってもよい。
陽極のシート電気抵抗は、好ましくは、数百Ω/□以下、より好ましくは、5〜50Ω/□程度に設定する。
陽極の厚みは、使用する電極物質の材料にもよるが、一般に、5〜1000nm程度、より好ましくは、10〜500nm程度に設定する。
【0047】
正孔注入輸送層3は、陽極からの正孔(ホール)の注入を容易にする機能、および注入された正孔を輸送する機能を有する化合物を含有する層である。
正孔注入輸送層は、一般式(1)で表される化合物および/または他の正孔注入輸送機能を有する化合物(例えば、フタロシアニン誘導体、トリアリールメタン誘導体、トリアリールアミン誘導体、オキサゾール誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、ピラゾリン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール誘導体など)を少なくとも1種用いて形成することができる。
尚、正孔注入輸送機能を有する化合物は、単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。
【0048】
本発明において用いる他の正孔注入輸送機能を有する化合物としては、トリアリールアミン誘導体(例えば、4,4’−ビス〔N−フェニル−N−(4”−メチルフェニル)アミノ〕ビフェニル、4,4’−ビス〔N−フェニル−N−(3”−メチルフェニル)アミノ〕ビフェニル、4,4’−ビス〔N−フェニル−N−(3”−メトキシフェニル)アミノ〕ビフェニル、4,4’−ビス〔N−フェニル−N−(1”−ナフチル)アミノ〕ビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ビス〔N−フェニル−N−(3”−メチルフェニル)アミノ〕ビフェニル、1,1−ビス〔4’−[ N,N−ジ(4”−メチルフェニル)アミノ] フェニル〕シクロヘキサン、9,10−ビス〔N−(4’−メチルフェニル)−N−(4”−n−ブチルフェニル)アミノ〕フェナントレン、3,8−ビス(N,N−ジフェニルアミノ)−6−フェニルフェナントリジン、4−メチル−N,N−ビス〔4”,4"'−ビス[ N’,N’−ジ(4−メチルフェニル)アミノ] ビフェニル−4−イル〕アニリン、N,N’−ビス〔4−(ジフェニルアミノ)フェニル〕−N,N’−ジフェニル−1,3−ジアミノベンゼン、N,N’−ビス〔4−(ジフェニルアミノ)フェニル〕−N,N’−ジフェニル−1,4−ジアミノベンゼン、5,5”−ビス〔4−(ビス[ 4−メチルフェニル] アミノ)フェニル〕−2,2’:5’,2”−ターチオフェン、1,3,5−トリス(ジフェニルアミノ)ベンゼン、4,4’,4”−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン、4,4’,4”−トリス〔N−(3"'−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン、1,3,5−トリス〔N−(4−ジフェニルアミノフェニル)フェニルアミノ〕ベンゼンなど)、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール誘導体がより好ましい。
一般式(1)で表される化合物と他の正孔注入輸送機能を有する化合物を併用する場合、正孔注入輸送層中に占める一般式(1)で表される化合物の割合は、好ましくは、0.1〜40重量%程度に調製する。
【0049】
発光層4は、正孔および電子の注入機能、それらの輸送機能、正孔と電子の再結合により励起子を生成させる機能を有する化合物を含有する層である。
発光層は、一般式(1)で表される化合物および/または他の発光機能を有する蛍光性化合物(例えば、アクリドン誘導体、キナクリドン誘導体、多環芳香族化合物〔例えば、ルブレン、アントラセン、テトラセン、ピレン、ペリレン、クリセン、デカシクレン、コロネン、テトラフェニルシクロペンタジエン、ペンタフェニルシクロペンタジエン、9,10−ジフェニルアントラセン、9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン、1,4−ビス(9’−エチニルアントラセニル)ベンゼン、4,4’−ビス(9”−エチニルアントラセニル)ビフェニル〕、トリアリールアミン誘導体〔例えば、正孔注入輸送機能を有する化合物として前述した化合物を挙げることができる〕、有機金属錯体〔例えば、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム、ビス(10−ベンゾ[h] キノリノラート)ベリリウム、2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾールの亜鉛塩、2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾールの亜鉛塩、4−ヒドロキシアクリジンの亜鉛塩〕、スチルベン誘導体〔例えば、1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジエン、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル〕、クマリン誘導体〔例えば、クマリン1、クマリン6、クマリン7、クマリン30、クマリン106、クマリン138、クマリン151、クマリン152、クマリン153、クマリン307、クマリン311、クマリン314、クマリン334、クマリン338、クマリン343、クマリン500〕、ピラン誘導体〔例えば、DCM1、DCM2〕、オキサゾン誘導体〔例えば、ナイルレッド〕、ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ピラジン誘導体、ケイ皮酸エステル誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリフェニレンおよびその誘導体、ポリフルオレンおよびその誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリビフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリターフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリナフチレンビニレンおよびその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよびその誘導体など)を少なくとも1種用いて形成することができる。
【0050】
本発明の有機電界発光素子においては、発光層に一般式(1)で表される化合物を含有していることが好ましい。
一般式(1)で表される化合物と他の発光機能を有する化合物を併用する場合、発光層中に占める一般式(1)で表される化合物の割合は、好ましくは、0.001〜99.999重量%程度、より好ましくは、0.01〜99.99重量%程度、さらに好ましくは、0.1〜99.9重量%程度に調製する。
【0051】
本発明において用いる他の発光機能を有する化合物としては、発光性有機金属錯体がより好ましい。例えば、J. Appl. Phys., 65、3610 (1989) 、特開平5−214332号公報に記載のように、発光層をホスト化合物とゲスト化合物(ドーパント)とより構成することもできる。
一般式(1)で表される化合物を、ホスト化合物として用いて発光層を形成することができ、さらには、ゲスト化合物として用いて発光層を形成することもできる。
一般式(1)で表される化合物を、ゲスト化合物として用いて発光層を形成する場合、ホスト化合物としては、発光性有機金属錯体が好ましい。
この場合、発光性有機金属錯体に対して、一般式(1)で表される化合物を、好ましくは、0.001〜40重量%程度、より好ましくは、0.01〜30重量%程度、特に好ましくは、0.1〜10重量%程度使用する。
【0052】
一般式(1)で表される化合物と併用する発光性有機金属錯体としては、特に限定するものではないが、発光性有機アルミニウム錯体が好ましく、置換または未置換の8−キノリノラート配位子を有する発光性有機アルミニウム錯体がより好ましい。好ましい発光性有機金属錯体としては、例えば、一般式(a)〜一般式(c)で表される発光性有機アルミニウム錯体を挙げることができる。
(Q)3 −Al (a)
(式中、Qは置換または未置換の8−キノリノラート配位子を表す)
(Q)2 −Al−O−L (b)
(式中、Qは置換8−キノリノラート配位子を表し、O−Lはフェノラート配位子であり、Lはフェニル部分を含む炭素数6〜24の炭化水素基を表す)
(Q)2 −Al−O−Al−(Q)2 (c)
(式中、Qは置換8−キノリノラート配位子を表す)
【0053】
発光性有機金属錯体の具体例としては、例えば、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム、トリス(4−メチル−8−キノリノラート)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノラート)アルミニウム、トリス(3,4−ジメチル−8−キノリノラート)アルミニウム、トリス(4,5−ジメチル−8−キノリノラート)アルミニウム、トリス(4,6−ジメチル−8−キノリノラート)アルミニウム、
ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(フェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2−メチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(3−メチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(4−メチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2−フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(3−フェニルフェノラート)アルミニウム、
【0054】
ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(4−フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2,3−ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2,6−ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(3,4−ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(3,5−ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(3,5−ジ−tert−ブチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2,6−ジフェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2,4,6−トリフェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2,4,6−トリメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2,4,5,6−テトラメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2−ナフトラート)アルミニウム、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)(2−フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)(3−フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)(4−フェニルフェノラート)アルミニウム、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)(3,5−ジメチルフェノラート)アルミニウム、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)(3,5−ジ−tert−ブチルフェノラート)アルミニウム、
【0055】
ビス(2−メチル−8−キノリノラート)アルミニウム−μ−オキソ−ビス(2−メチル−8−キノリノラート)アルミニウム、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)アルミニウム−μ−オキソ−ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−4−エチル−8−キノリノラート)アルミニウム−μ−オキソ−ビス(2−メチル−4−エチル−8−キノリノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−4−メトキシ−8−キノリノラート)アルミニウム−μ−オキソ−ビス(2−メチル−4−メトキシ−8−キノリノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)アルミニウム−μ−オキソ−ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)アルミニウム−μ−オキソ−ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)アルミニウムなどを挙げることができる。勿論、発光性有機金属錯体は、単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。
【0056】
電子注入輸送層5は、陰極からの電子の注入を容易にする機能、そして注入された電子を輸送する機能を有する化合物を含有する層である。
電子注入輸送層は、一般式(1)で表される化合物および/または他の電子注入輸送機能を有する化合物(例えば、有機金属錯体〔例えば、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム、ビス(10−ベンゾ[h] キノリノラート)ベリリウム〕、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、ペリレン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ニトロ置換フルオレノン誘導体、チオピランジオキサイド誘導体など)を少なくとも1種用いて形成することができる。
本発明の有機電界発光素子においては、電子注入輸送層に、一般式(1)で表される化合物を含有していることが好ましい。
一般式(1)で表される化合物と他の電子注入輸送機能を有する化合物を併用する場合、電子注入輸送層中に占める一般式(1)で表される化合物の割合は、好ましくは、0.1重量%以上、より好ましくは、0.1〜40重量%程度、さらに好ましくは、0.2〜30重量%程度、特に好ましくは、0.5〜20重量%程度に調製する。本発明においては、一般式(1)で表される化合物と有機金属錯体〔例えば、前記一般式(a)〜一般式(c)で表される化合物〕を併用して、電子注入輸送層を形成することは好ましい。
【0057】
陰極6としては、比較的仕事関数の小さい金属、合金または電気電導性化合物を電極物質として使用することが好ましい。
陰極に使用する電極物質としては、例えば、リチウム、リチウム−インジウム合金、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、カルシウム、マグネシウム、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、インジウム、ルテニウム、チタニウム、マンガン、イットリウム、アルミニウム、アルミニウム−リチウム合金、アルミニウム−カルシウム合金、アルミニウム−マグネシウム合金、グラファイト薄膜等を挙げることができる。これらの電極物質は、単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。
【0058】
陰極は、これらの電極物質を、例えば、蒸着法、スパッタリング法、イオン化蒸着法、イオンプレーティング法、クラスターイオンビーム法等の方法により、電子注入輸送層の上に形成することができる。
また、陰極は一層構造であってもよく、あるいは多層構造であってもよい。
尚、陰極のシート電気抵抗は、数百Ω/□以下に設定するのが好ましい。
陰極の厚みは、使用する電極物質の材料にもよるが、一般に、5〜1000nm程度、より好ましくは、10〜500nm程度に設定する。
尚、有機電界発光素子の発光を効率よく取り出すために、陽極または陰極の少なくとも一方の電極が、透明ないし半透明であることが好ましく、一般に、発光光の透過率が70%以上となるように陽極の材料、厚みを設定することがより好ましい。
【0059】
また、本発明の有機電界発光素子においては、その少なくとも一層中に、一重項酸素クエンチャーが含有されていてもよい。
一重項酸素クエンチャーとしては、特に限定するものではなく、例えば、ルブレン、ニッケル錯体、ジフェニルイソベンゾフランなどが挙げられ、特に好ましくは、ルブレンである。
一重項酸素クエンチャーが含有されている層としては、特に限定するものではないが、好ましくは、発光層または正孔注入輸送層であり、より好ましくは、正孔注入輸送層である。尚、例えば、正孔注入輸送層に一重項酸素クエンチャーを含有させる場合、正孔注入輸送層中に均一に含有させてもよく、正孔注入輸送層と隣接する層(例えば、発光層、発光機能を有する電子注入輸送層)の近傍に含有させてもよい。
一重項酸素クエンチャーの含有量としては、含有される層(例えば、正孔注入輸送層)を構成する全体量の0.01〜50重量%、好ましくは、0.05〜30重量%、より好ましくは、0.1〜20重量%である。
【0060】
正孔注入輸送層、発光層、電子注入輸送層の形成方法に関しては、特に限定するものではなく、例えば、真空蒸着法、イオン化蒸着法、溶液塗布法(例えば、スピンコート法、キャスト法、ディップコート法、バーコート法、ロールコート法、ラングミュア・ブロゼット法など)により薄膜を形成することにより作製することができる。
真空蒸着法により、各層を形成する場合、真空蒸着の条件は、特に限定するものではないが、10-5Torr程度以下の真空下で、50〜400℃程度のボート温度(蒸着源温度)、−50〜300℃程度の基板温度で、0.005〜50nm/sec 程度の蒸着速度で実施することが好ましい。
この場合、正孔注入輸送層、発光層、電子注入輸送層等の各層は、真空下で、連続して形成することにより、諸特性に一層優れた有機電界発光素子を製造することができる。
真空蒸着法により、正孔注入輸送層、発光層、電子注入輸送層等の各層を、複数の化合物を用いて形成する場合、化合物を入れた各ボートを個別に温度制御して、共蒸着することが好ましい。
【0061】
溶液塗布法により、各層を形成する場合、各層を形成する成分あるいはその成分とバインダー樹脂等を、溶媒に溶解、または分散させて塗布液とする。
正孔注入輸送層、発光層、電子注入輸送層の各層に使用しうるバインダー樹脂としては、例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアリレート、ポリスチレン、ポリエステル、ポリシロキサン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリパラキシレン、ポリエチレン、ポリフェニレンオキサイド、ポリエーテルスルフォン、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリフルオレンおよびその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよびその誘導体等の高分子化合物が挙げられる。バインダー樹脂は、単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。
【0062】
溶液塗布法により、各層を形成する場合、各層を形成する成分あるいはその成分とバインダー樹脂等を、適当な有機溶媒(例えば、ヘキサン、オクタン、デカン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、1−メチルナフタレン等の炭化水素系溶媒、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル系溶媒、例えば、メタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコール等のアルコール系溶媒、例えば、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール等のエーテル系溶媒、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルフォキサイド等の極性溶媒)および/または水に溶解、または分散させて塗布液とし、各種の塗布法により、薄膜を形成することができる。
【0063】
尚、分散する方法としては、特に限定するものではないが、例えば、ボールミル、サンドミル、ペイントシェーカー、アトライター、ホモジナイザー等を用いて微粒子状に分散することができる。
塗布液の濃度に関しては、特に限定するものではなく、実施する塗布法により、所望の厚みを作製するに適した濃度範囲に設定することができ、一般には、0.1〜50重量%程度、好ましくは、1〜30重量%程度の溶液濃度である。
尚、バインダー樹脂を使用する場合、その使用量に関しては、特に限定するものではないが、一般には、各層を形成する成分に対して(一層型の素子を形成する場合には、各成分の総量に対して)、5〜99.9重量%程度、好ましくは、10〜99重量%程度、より好ましくは、15〜90重量%程度に設定する。
【0064】
正孔注入輸送層、発光層、電子注入輸送層の膜厚に関しては、特に限定するものではないが、一般に、5nm〜5μm程度に設定することが好ましい。
尚、作製した素子に対し、酸素や水分等との接触を防止する目的で、保護層(封止層)を設けたり、また素子を、例えば、パラフィン、流動パラフィン、シリコンオイル、フルオロカーボン油、ゼオライト含有フルオロカーボン油などの不活性物質中に封入して保護することができる。
保護層に使用する材料としては、例えば、有機高分子材料(例えば、フッ素化樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、エポキシシリコーン樹脂、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリパラキシレン、ポリエチレン、ポリフェニレンオキサイド)、無機材料(例えば、ダイヤモンド薄膜、アモルファスシリカ、電気絶縁性ガラス、金属酸化物、金属窒化物、金属炭素化物、金属硫化物)、さらには光硬化性樹脂などを挙げることができ、保護層に使用する材料は、単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。保護層は、一層構造であってもよく、また多層構造であってもよい。
【0065】
また、電極に保護膜として、例えば、金属酸化膜(例えば、酸化アルミニウム膜)、金属フッ化膜を設けることもできる。
また、例えば、陽極の表面に、例えば、有機リン化合物、ポリシラン、芳香族アミン誘導体、フタロシアニン誘導体から成る界面層(中間層)を設けることもできる。
さらに、電極、例えば、陽極はその表面を、例えば、酸、アンモニア/過酸化水素、あるいはプラズマで処理して使用することもできる。
【0066】
本発明の有機電界発光素子は、一般に、直流駆動型の素子として使用されるが、パルス駆動型または交流駆動型の素子としても使用することができる。
尚、印加電圧は、一般に、2〜30V程度である。
本発明の有機電界発光素子は、例えば、パネル型光源、各種の発光素子、各種の表示素子、各種の標識、各種のセンサーなどに使用することができる。
【0067】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、勿論、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
厚さ200nmのITO透明電極(陽極)を有するガラス基板を、中性洗剤、アセトン、エタノールを用いて超音波洗浄した。その基板を窒素ガスを用いて乾燥し、さらにUV/オゾン洗浄した後、蒸着装置の基板ホルダーに固定した後、蒸着槽を3×10-6Torrに減圧した。
まず、ITO透明電極上に、4,4’−ビス〔N−フェニル−N−(3”−メチルフェニル)アミノ〕ビフェニルを、蒸着速度0.2nm/sec で75nmの厚さに蒸着し、正孔注入輸送層とした。
次いで、その上に、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(4−フェニルフェノラート)アルミニウムと5,11−ジメチル−1:2−ベンゾエピンドリジオン(例示化合物番号2の化合物)を、異なる蒸着源から、蒸着速度0.2nm/sec で50nmの厚さに共蒸着(重量比100:0.5)し、発光層とした。
次に、トリス(8−キノリノラート)アルミニウムを、蒸着速度0.2nm/sec で50nmの厚さに蒸着し、電子注入輸送層とした。
さらにその上に、マグネシウムと銀を、蒸着速度0.2nm/sec で200nmの厚さに共蒸着(重量比10:1)して陰極とし、有機電界発光素子を作製した。尚、蒸着は、蒸着槽の減圧状態を保ったまま実施した。
作製した有機電界発光素子に、乾燥雰囲気下、12Vの直流電圧を印加したところ、55mA/cm2 の電流が流れた。輝度2460cd/m2 の緑色の発光が確認された。
【0068】
実施例2〜12
実施例1において、発光層の形成に際して、例示化合物番号2の化合物を使用する代わりに、例示化合物番号4の化合物(実施例2)、例示化合物番号6の化合物(実施例3)、例示化合物番号9の化合物(実施例4)、例示化合物番号14の化合物(実施例5)、例示化合物番号16の化合物(実施例6)、例示化合物番号19の化合物(実施例7)、例示化合物番号27の化合物(実施例8)、例示化合物番号31の化合物(実施例9)、例示化合物番号37の化合物(実施例10)、例示化合物番号40の化合物(実施例11)、例示化合物番号44の化合物(実施例12)を使用した以外は、実施例1に記載の方法により有機電界発光素子を作製した。それぞれの素子に、乾燥雰囲気下、12Vの直流電圧を印加したところ、緑色の発光が確認された。さらにその特性を調べ、結果を第1表(表1)に示した。
【0069】
比較例1
実施例1において、発光層の形成に際して、例示化合物番号2の化合物を使用せずに、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(4−フェニルフェノラート)アルミニウムだけを用いて、50nmの厚さに蒸着し、発光層とした以外は、実施例1に記載の方法により有機電界発光素子を作製した。この素子に、乾燥雰囲気下、12Vの直流電圧を印加したところ、青色の発光が確認された。さらにその特性を調べ、結果を第1表(表1)に示した。
【0070】
比較例2
実施例1において、発光層の形成に際して、例示化合物番号2の化合物を使用する代わりに、N−メチル−2−メトキシアクリドンを使用した以外は、実施例1に記載の方法により有機電界発光素子を作製した。この素子に、乾燥雰囲気下、12Vの直流電圧を印加したところ、青色の発光が確認された。さらにその特性を調べ、結果を第1表(表1)に示した。
【0071】
比較例3
実施例1において、発光層の形成に際して、例示化合物番号2の化合物を使用する代わりに、5,11−ジメチルエピンドリジオンを使用した以外は、実施例1に記載の方法により有機電界発光素子を作製した。この素子に、乾燥雰囲気下、12Vの直流電圧を印加したところ、緑色の発光が確認された。さらにその特性を調べ、結果を第1表(表1)に示した。
【0072】
【表1】
Figure 0003775904
【0073】
実施例13
厚さ200nmのITO透明電極(陽極)を有するガラス基板を、中性洗剤、アセトン、エタノールを用いて超音波洗浄した。その基板を窒素ガスを用いて乾燥し、さらにUV/オゾン洗浄した後、蒸着装置の基板ホルダーに固定した後、蒸着槽を3×10-6Torrに減圧した。
まず、ITO透明電極上に、4,4’−ビス〔N−フェニル−N−(3”−メチルフェニル)アミノ〕ビフェニルを、蒸着速度0.2nm/sec で75nmの厚さに蒸着し、正孔注入輸送層とした。
次いで、その上に、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2−フェニルフェノラート)アルミニウムと例示化合物番号7の化合物を、異なる蒸着源から、蒸着速度0.2nm/sec で50nmの厚さに共蒸着(重量比100:1.0)し、発光層とした。
次に、トリス(8−キノリノラート)アルミニウムを、蒸着速度0.2nm/sec で50nmの厚さに蒸着し、電子注入輸送層とした。
さらにその上に、マグネシウムと銀を、蒸着速度0.2nm/sec で200nmの厚さに共蒸着(重量比10:1)して陰極とし、有機電界発光素子を作製した。尚、蒸着は、蒸着槽の減圧状態を保ったまま実施した。
作製した有機電界発光素子に、乾燥雰囲気下、12Vの直流電圧を印加したところ、58mA/cm2 の電流が流れた。輝度2450cd/m2 の緑色の発光が確認された。
【0074】
実施例14
厚さ200nmのITO透明電極(陽極)を有するガラス基板を、中性洗剤、アセトン、エタノールを用いて超音波洗浄した。その基板を窒素ガスを用いて乾燥し、さらにUV/オゾン洗浄した後、蒸着装置の基板ホルダーに固定した後、蒸着槽を3×10-6Torrに減圧した。
まず、ITO透明電極に、4,4’−ビス〔N−フェニル−N−(3”−メチルフェニル)アミノ〕ビフェニルを、蒸着速度0.2nm/sec で75nmの厚さに蒸着し、正孔注入輸送層とした。
次いで、その上に、トリス(8−キノリノラート)アルミニウムと例示化合物番号18の化合物を、異なる蒸着源から、蒸着速度0.2nm/sec で50nmの厚さに共蒸着(重量比100:2.0)し、発光層とした。
次に、トリス(8−キノリノラート)アルミニウムを、蒸着速度0.2nm/sec で50nmの厚さに蒸着し、電子注入輸送層とした。
さらにその上に、マグネシウムと銀を、蒸着速度0.2nm/sec で200nmの厚さに共蒸着(重量比10:1)して陰極とし、有機電界発光素子を作製した。尚、蒸着は、蒸着槽の減圧状態を保ったまま実施した。
作製した有機電界発光素子に、乾燥雰囲気下、12Vの直流電圧を印加したところ、57mA/cm2 の電流が流れた。輝度2540cd/m2 の緑色の発光が確認された。
【0075】
実施例15
厚さ200nmのITO透明電極(陽極)を有するガラス基板を、中性洗剤、アセトン、エタノールを用いて超音波洗浄した。その基板を窒素ガスを用いて乾燥し、さらにUV/オゾン洗浄した後、蒸着装置の基板ホルダーに固定した後、蒸着槽を3×10-6Torrに減圧した。
まず、ITO透明電極上に、4,4’−ビス〔N−フェニル−N−(3”−メチルフェニル)アミノ〕ビフェニルを、蒸着速度0.2nm/sec で75nmの厚さに蒸着し、正孔注入輸送層とした。
次いで、その上に、ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)アルミニウム−μ−オキソ−ビス(2,4−ジメチル−8−キノリノラート)アルミニウムと例示化合物番号33の化合物を、異なる蒸着源から、蒸着速度0.2nm/sec で50nmの厚さに共蒸着(重量比100:4.0)し、発光層とした。
次に、トリス(8−キノリノラート)アルミニウムを、蒸着速度0.2nm/sec で50nmの厚さに蒸着し、電子注入輸送層とした。
さらにその上に、マグネシウムと銀を、蒸着速度0.2nm/sec で200nmの厚さに共蒸着(重量比10:1)して陰極とし、有機電界発光素子を作製した。尚、蒸着は、蒸着槽の減圧状態を保ったまま実施した。
作製した有機電界発光素子に、乾燥雰囲気下、12Vの直流電圧を印加したところ、60mA/cm2 の電流が流れた。輝度2480cd/m2 の緑色の発光が確認された。
【0076】
実施例16
厚さ200nmのITO透明電極(陽極)を有するガラス基板を、中性洗剤、アセトン、エタノールを用いて超音波洗浄した。その基板を窒素ガスを用いて乾燥し、さらにUV/オゾン洗浄した後、蒸着装置の基板ホルダーに固定した後、蒸着槽を3×10-6Torrに減圧した。
まず、ITO透明電極上に、4,4’,4”−トリス〔N−(3”’−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミンを、蒸着速度0.1nm/sec で30nmの厚さに蒸着し、第一正孔注入輸送層とした。
次いで、その上に、4,4’−ビス〔N−フェニル−N−(3”−メチルフェニル)アミノ〕ビフェニルを、蒸着速度0.2nm/sec で45nmの厚さに蒸着し、第二正孔注入輸送層とした。
次いで、その上に、トリス(8−キノリノラート)アルミニウムと例示化合物番号24の化合物を、異なる蒸着源から、蒸着速度0.2nm/sec で50nmの厚さに共蒸着(重量比100:1.0)し、発光層とした。
さらにその上に、トリス(8−キノリノラート)アルミニウムを、蒸着速度0.2nm/sec で50nmの厚さに蒸着し、電子注入輸送層とした。
さらにその上に、マグネシウムと銀を、蒸着速度0.2nm/sec で200nmの厚さに共蒸着(重量比10:1)して陰極とし、有機電界発光素子を作製した。尚、蒸着は、蒸着槽の減圧状態を保ったまま実施した。
作製した有機電界発光素子に、乾燥雰囲気下、12Vの直流電圧を印加したところ、58mA/cm2 の電流が流れた。輝度2840cd/m2 の緑色の発光が確認された。
【0077】
実施例17
厚さ200nmのITO透明電極(陽極)を有するガラス基板を、中性洗剤、アセトン、エタノールを用いて超音波洗浄した。その基板を窒素ガスを用いて乾燥し、さらにUV/オゾン洗浄した後、蒸着装置の基板ホルダーに固定した後、蒸着槽を3×10-6Torrに減圧した。
まず、ITO透明電極上に、4,4’−ビス〔N−フェニル−N−(3”−メチルフェニル)アミノ〕ビフェニルを、蒸着速度0.2nm/sec で75nmの厚さに蒸着し、正孔注入輸送層とした。
次いで、その上に、1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジエンを、蒸着速度0.2nm/sec で50nmの厚さに蒸着し、発光層とした。
次いで、その上に、トリス(8−キノリノラート)アルミニウムと例示化合物番号25の化合物を、異なる蒸着源から、蒸着速度0.2nm/sec で50nmの厚さに共蒸着(重量比100:4.0)し、電子注入輸送層とした。
さらにその上に、マグネシウムと銀を、蒸着速度0.2nm/sec で200nmの厚さに共蒸着(重量比10:1)して陰極とし、有機電界発光素子を作製した。尚、蒸着は、蒸着槽の減圧状態を保ったまま実施した。
作製した有機電界発光素子に、乾燥雰囲気下、14Vの直流電圧を印加したところ、52mA/cm2 の電流が流れた。輝度1870cd/m2 の青色の発光が確認された。
【0078】
実施例18
厚さ200nmのITO透明電極(陽極)を有するガラス基板を、中性洗剤、アセトン、エタノールを用いて超音波洗浄した。その基板を窒素ガスを用いて乾燥し、さらにUV/オゾン洗浄した後、蒸着装置の基板ホルダーに固定した後、蒸着槽を3×10-6Torrに減圧した。
まず、ITO透明電極上に、4,4’−ビス〔N−フェニル−N−(3”−メチルフェニル)アミノ〕ビフェニルを、蒸着速度0.2nm/sec で75nmの厚さに蒸着し、正孔注入輸送層とした。
次いで、その上に、トリス(8−キノリノラート)アルミニウムと例示化合物番号18の化合物を、異なる蒸着源から、蒸着速度0.2nm/sec で50nmの厚さに共蒸着(重量比100:1.0)し、発光層とした。
次いで、その上に、1,3−ビス〔5’−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2’−イル〕ベンゼンを、蒸着速度0.2nm/sec で50nmの厚さに蒸着し、電子注入輸送層とした。
さらにその上に、マグネシウムと銀を、蒸着速度0.2nm/sec で200nmの厚さに共蒸着(重量比10:1)して陰極とし、有機電界発光素子を作製した。尚、蒸着は、蒸着槽の減圧状態を保ったまま実施した。
作製した有機電界発光素子に、乾燥雰囲気下、14Vの直流電圧を印加したところ、48mA/cm2 の電流が流れた。輝度1940cd/m2 の緑色の発光が確認された。
【0079】
実施例19
厚さ200nmのITO透明電極(陽極)を有するガラス基板を、中性洗剤、アセトン、エタノールを用いて超音波洗浄した。その基板を窒素ガスを用いて乾燥し、さらにUV/オゾン洗浄した。
次に、ITO透明電極上に、ポリ−N−ビニルカルバゾール(重量平均分子量150000)、1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジエン(青色の発光成分)、例示化合物番号12の化合物、およびDCM1〔”4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(4’−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン”(オレンジ色の発光成分)〕を、それぞれ重量比100:5:3:2の割合で含有する3重量%ジクロロエタン溶液を用いて、ディップコート法により、400nmの厚さの発光層を形成した。
次に、この発光層を有するガラス基板を、蒸着装置の基板ホルダーに固定した後、蒸着槽を3×10-6Torrに減圧した。
さらに、発光層の上に、3−(4’−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−−5−(4”−ビフェニル)−1,2,4−トリアゾールを、蒸着速度0.2nm/sec で20nmの厚さに蒸着した後、さらにその上に、トリス(8−キノリノラート)アルミニウムを、蒸着速度0.2nm/sec で30nmの厚さに蒸着し電子注入輸送層とした。
さらにその上に、マグネシウムと銀を、蒸着速度0.2nm/sec で200nmの厚さに共蒸着(重量比10:1)して陰極とし、有機電界発光素子を作製した。尚、蒸着は、蒸着槽の減圧状態を保ったまま実施した。
作製した有機電界発光素子に、乾燥雰囲気下、12Vの直流電圧を印加したところ、74mA/cm2 の電流が流れた。輝度1450cd/m2 の白色の発光が確認された。
【0080】
実施例20
厚さ200nmのITO透明電極(陽極)を有するガラス基板を、中性洗剤、アセトン、エタノールを用いて超音波洗浄した。その基板を窒素ガスを用いて乾燥し、さらにUV/オゾン洗浄した。
次に、ITO透明電極上に、ポリ−N−ビニルカルバゾール(重量平均分子量150000)、1,3−ビス〔5’−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2’−イル〕ベンゼンおよび例示化合物番号22の化合物を、それぞれ重量比100:30:1の割合で含有する3重量%ジクロロエタン溶液を用いて、ディップコート法により、300nmの厚さの発光層を形成した。
次に、この発光層を有するガラス基板を、蒸着装置の基板ホルダーに固定した後、蒸着槽を3×10-6Torrに減圧した。
さらに、発光層の上に、マグネシウムと銀を、蒸着速度0.2nm/sec で200nmの厚さに共蒸着(重量比10:1)して陰極とし、有機電界発光素子を作製した。
作製した有機電界発光素子に、乾燥雰囲気下、15Vの直流電圧を印加したところ、76mA/cm2 の電流が流れた。輝度1480cd/m2 の緑色の発光が確認された。
【0081】
比較例4
実施例20において、発光層の形成に際して、例示化合物番号22の化合物の代わりに、5,11−ジメチルエピンドリジオン使用した以外は、実施例20に記載の方法により有機電界発光素子を作製した。作製した有機電界素子に、乾燥雰囲気下、15Vの直流電圧を印加したところ、86mA/cm2 の電流が流れた。輝度780cd/m2 の緑色の発光が確認された。
【0082】
実施例21
厚さ200nmのITO透明電極(陽極)を有するガラス基板を、中性洗剤、アセトン、エタノールを用いて超音波洗浄した。その基板を窒素ガスを用いて乾燥し、さらにUV/オゾン洗浄した。
次に、ITO透明電極上に、ポリカーボネート(重量平均分子量50000)、4,4’−ビス〔N−フェニル−N−(3”−メチルフェニル)アミノ〕ビフェニル、トリス(8−キノリノラート)アルミニウムおよび例示化合物番号46の化合物を、それぞれ重量比100:40:60:1の割合で含有する3重量%ジクロロエタン溶液を用いて、ディップコート法により、300nmの厚さの発光層を形成した。
次に、この発光層を有するガラス基板を、蒸着装置の基板ホルダーに固定した後、蒸着槽を3×10-6Torrに減圧した。
さらに、発光層の上に、マグネシウムと銀を、蒸着速度0.2nm/sec で200nmの厚さに共蒸着(重量比10:1)して陰極とし、有機電界発光素子を作製した。
作製した有機電界発光素子に、乾燥雰囲気下、15Vの直流電圧を印加したところ、66mA/cm2 の電流が流れた。輝度750cd/m2 の緑色の発光が確認された。
【0083】
実施例22
ガラス基板を、中性洗剤、アセトン、エタノールを用いて超音波洗浄した。その基板を窒素ガスを用いて乾燥し、さらにUV/オゾン洗浄した。
次に、ガラス基板上に、例示化合物番号18の化合物を、蒸着速度0.2nm/sec で100nmの厚さに蒸着した。その上に、マグネシウムと銀を、蒸着速度0.2nm/sec で200nmの厚さに共蒸着(重量比10:1)して陰極とした。尚、蒸着は、蒸着槽の減圧状態を保ったまま実施した。
その後、陰極上にスコッチテープを張り付けた後、スコッチテープを剥離したところ、陰極と共に、例示化合物番号18の化合物の薄膜もガラス基板から剥離し、陰極との密着力は良好であることが判明した。
【0084】
比較例5
実施例22において、例示化合物番号18の化合物の代わりに、N−メチル−2−メトキシアクリドンを使用した以外は、実施例22に記載の方法により陰極を蒸着した薄膜を作製した。
その後、陰極上にスコッチテープを張り付けた後、スコッチテープを剥離したところ、陰極とN−メチル−2−メトキシアクリドンの薄膜の間で剥離し、陰極との密着力は不良であることが判明した。
【0085】
比較例6
実施例22において、例示化合物番号18の化合物の代わりに、5,11−ジメチルエピンドリジオンを使用した以外は、実施例22に記載の方法により陰極を蒸着した薄膜を作製した。
その後、陰極上にスコッチテープを張り付けた後、スコッチテープを剥離したところ、陰極と5,11−ジメチルエピンドリジオンの薄膜の間で剥離し、陰極との密着力は不良であることが判明した。
【0086】
【発明の効果】
本発明により、発光輝度が優れた有機電界発光素子を提供することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】有機電界発光素子の一例(A)の概略構造図である。
【図2】有機電界発光素子の一例(B)の概略構造図である。
【図3】有機電界発光素子の一例(C)の概略構造図である。
【図4】有機電界発光素子の一例(D)の概略構造図である。
【図5】有機電界発光素子の一例(E)の概略構造図である。
【図6】有機電界発光素子の一例(F)の概略構造図である。
【図7】有機電界発光素子の一例(G)の概略構造図である。
【図8】有機電界発光素子の一例(H)の概略構造図である。
【符号の説明】
1 基板
2 陽極
3 正孔注入輸送層
3a 正孔注入輸送成分
4 発光層
4a 発光成分
5 電子注入輸送層
5” 電子注入輸送層
5a 電子注入輸送成分
6 陰極
7 電源

Claims (6)

  1. 一対の電極間に、一般式(1)(化1)で表される化合物を少なくとも1種含有する層を少なくとも一層挟持してなる有機電界発光素子。
    Figure 0003775904
    (式中、R1 とR2 、R2 とR3 、R3 とR4 、R5 とR6 、R6 とR7 、R7 とR8 から選ばれる少なくとも1組の隣接する基は互いに結合して、置換している炭素原子と共に、置換または未置換の炭素環式脂肪族環、置換または未置換の炭素環式芳香族環、あるいは置換または未置換の複素環式芳香族環を形成しており、環を形成しないR1 〜R8 は水素原子、ハロゲン原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、直鎖、分岐または環状のアルコキシ基、あるいは置換または未置換のアリール基を表す。X1 およびX2 は水素原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、置換または未置換のアリール基、あるいは置換または未置換のアラルキル基を表す。但し、X1 およびX2 は同時に水素原子を表すことはない。)
  2. 一般式(1)で表される化合物を含有する層が、発光層である請求項1記載の有機電界発光素子。
  3. 一般式(1)で表される化合物を含有する層が、電子注入輸送層である請求項1記載の有機電界発光素子。
  4. 一般式(1)で表される化合物を含有する層が、さらに、発光性有機金属錯体を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の有機電界発光素子。
  5. 一対の電極間に、さらに、正孔注入輸送層を有する請求項1〜4のいずれかに記載の有機電界発光素子。
  6. 一対の電極間に、さらに、電子注入輸送層を有する請求項1〜5のいずれかに記載の有機電界発光素子。
JP25897097A 1997-09-24 1997-09-24 有機電界発光素子 Expired - Fee Related JP3775904B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25897097A JP3775904B2 (ja) 1997-09-24 1997-09-24 有機電界発光素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25897097A JP3775904B2 (ja) 1997-09-24 1997-09-24 有機電界発光素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1197179A JPH1197179A (ja) 1999-04-09
JP3775904B2 true JP3775904B2 (ja) 2006-05-17

Family

ID=17327554

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25897097A Expired - Fee Related JP3775904B2 (ja) 1997-09-24 1997-09-24 有機電界発光素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3775904B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB0103011D0 (en) * 2001-02-07 2001-03-21 Clariant Int Ltd Improvements in or relating to chemical compounds
KR101766379B1 (ko) * 2016-05-04 2017-08-08 정문교 에핀돌리디온 유도체 및 도판트를 포함하는 oled

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1197179A (ja) 1999-04-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3856546B2 (ja) 有機電界発光素子
JP4070274B2 (ja) 有機電界発光素子
JP3838766B2 (ja) 有機電界発光素子
JP2001035664A (ja) 有機電界発光素子
JP3792027B2 (ja) 有機電界発光素子
JP3781517B2 (ja) 有機電界発光素子
JP3821562B2 (ja) 有機電界発光素子
JP3804715B2 (ja) 有機電界発光素子
JP3792036B2 (ja) 有機電界発光素子
JP3801317B2 (ja) 有機電界発光素子
JP3801308B2 (ja) 有機電界発光素子
JP3792035B2 (ja) 有機電界発光素子
JP3662104B2 (ja) 有機電界発光素子
JP3835918B2 (ja) 有機電界発光素子
JP3748671B2 (ja) 有機電界発光素子
JP4070271B2 (ja) 有機電界発光素子
JP3758825B2 (ja) 有機電界発光素子
JP3880200B2 (ja) 有機電界発光素子
JP3758826B2 (ja) 有機電界発光素子
JP4063365B2 (ja) 有機電界発光素子
JP3775904B2 (ja) 有機電界発光素子
JP3767988B2 (ja) 有機電界発光素子
JP3659783B2 (ja) 有機電界発光素子
JP3727139B2 (ja) 有機電界発光素子
JP4173945B2 (ja) 有機電界発光素子

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060221

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060221

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100303

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110303

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120303

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120303

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130303

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130303

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140303

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees