JP3775761B2 - 排ガス脱硝システム及び排ガス脱硝方法 - Google Patents

排ガス脱硝システム及び排ガス脱硝方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排ガス脱硝システム及び排ガス脱硝方法に関するものであり、より詳細には、触媒を備えたアンモニア選択接触還元装置を要することなく、燃焼排ガスを脱硝し得る新規な構成の排ガス脱硝システム及び排ガス脱硝方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
比較的大規模な排ガス脱硝設備が、電気事業、発電事業、化学工業又は製鉄工業等の種々の業種の事業設備又は化学プラント等に導入されている。一般には、排ガス脱硝法は、主に乾式法及び湿式法に大別されるが、現在実用化されている多くの排ガス脱硝設備は、乾式法、殊に、アンモニア選択接触還元法を適用した排ガス脱硝システムとして設計・施工されている。
【0003】
選択接触還元法は、排ガス中の窒素酸化物(NOx)と同程度の濃度の還元剤、例えば、アンモニア(NH3 )、尿素(CO(NH2 )2)、シアン化水素(HCN)等を排ガスに添加し、還元剤の選択的還元作用により、排ガス中のNOxを除去する脱硝方式として知られている。選択接触還元法において、ボイラー等の排ガス固定発生源から排出された排煙又は燃焼排ガス中には、比較的低濃度の酸素が残存するが、NOxと還元剤との反応は、残存酸素と還元剤との反応よりも優先的に生起するように調整される。上記アンモニア選択接触還元法では、アンモニアを燃焼排ガス中に注入し、アンモニンアは、所定の触媒上でNOxを還元反応せしめ、NOxを無害な窒素と水に分解する。この反応過程は、例えば、次式にて表示し得る。
4NO+4NH3 +O2 =4N2 +6H2
6NO2 +8NH3 =7N2 +12H2
NO+NO2 +2NH3 =2N2 +3H2
アンモニアは、比較的高価な還元剤ではあるが、酸素が過剰に存在する条件下においてNOxと選択的に反応する。従って、アンモニアを還元剤として使用するアンモニア選択接触還元法が広く実用に供されている。
かかるアンモニア選択接触還元法において使用される触媒として、チタニア、アルミナ又はセラミック等の有形触媒担体にバナジウム、タングステン又はモリブテン等の触媒活性成分を担持してなる触媒担持型の触媒ユニットが、実用化されている。触媒又は触媒ユニットは、粒子(ペレット)、リング、パイプ、板、格子(ハニカム)等の各種形態に成形され、燃焼排ガス経路に介装される。
【0004】
図11は、従来の排煙処理設備を例示する概略フロー図である。
排煙処理設備Aは、排ガス発生源を構成するボイラー又はファーネスBの排気系統に配設される。ボイラーBの排気ラインL1は、ボイラーBのエコノマイザーB1及びエコノマイザー・バイパスラインL9を介して、ボイラーBの炉内雰囲気と連通する。排気ラインL1は、反応脱硝塔等の選択接触還元装置Dに接続され、選択接触還元装置DとボイラーBとの間の排煙管路を構成する。アンモニア注入装置Jが、排気ラインL1に介装されるとともに、バナジウム又はチタン等の所定の触媒をハニカム形触媒担体にて担持してなるハニカム状触媒ユニットCが、選択接触還元装置D内に配置される。
【0005】
複数のアンモニア吐出ノズルを備えたアンモニア注入装置Jは、アンモニア給送ラインL20 を介して、アンモニア混合装置Mに接続され、混合装置Mは、アンモニア供給ラインL21 を介して、アンモニア供給設備Hに接続される。アンモニア供給設備Hは、液体アンモニア貯蔵装置H1、エバポレータH2及びアキュムレータH3を備える。貯蔵装置H1は、アンモニア供給ラインL23 を介してエバポレータH2に連結され、エバポレータH2は、アンモニア供給ラインL22 及び供給制御弁V1を介してアキュムレータH3に連結される。アキュムレータH3は、上記アンモニア給送ラインL21 及び注入制御弁V2を介して、上記アンモニア混合装置Mに連結される。
回転式蓄熱体を備えた空気予熱器APH が、選択接触還元装置Dの下流側に配置され、電気集塵機ESP 及び排煙脱硫装置FGD が、空気予熱機APH の下流側に配置される。選択接触還元装置Dの排ガス流出口は、排気ラインL2を介して、空気予熱器APH の蓄熱部又は冷却部に連結され、電気集塵機ESP は、排気ラインL3を介して、空気予熱器APH の排ガス流出口に連結される。更に、排煙脱硫装置FGD は、誘引通風機IDF を備えた排気ラインL4を介して、電気集塵機ESP の排ガス流出口に連結され、排煙脱硫装置FGD の排ガス流出口は、排気ラインL5を介して、集合煙突又はスタックTの排ガス流入口に連結される。かくして、選択接触還元装置D、電気集塵機ESP 及び排煙脱硫装置FGD による一連の排煙脱硝工程及び排煙脱硫工程にて脱硝/脱硫された燃焼排ガスは、煙突Tを介して大気に放出される。
【0006】
他方、ボイラーBの燃焼空気系統は、ボイラーBのバーナー設備B2に連結された給気ラインL11 を備える。給気ラインL11 は、上記空気予熱器APH の放熱部又は加熱部に連結される。空気予熱器APH の燃焼空気流入口が、給気ラインL10 を介して押込みファンFDF に連結され、押込みファンFDF は、燃焼用空気(外気)を空気予熱器APH に圧送する。燃焼用空気を部分的にアンモニア混合装置Mに給送する給気分流ラインL25 が、給気ラインL10 に接続され、燃焼用空気の一部は、アンモニア希釈流体としてアンモニア混合装置Mに供給される。給気分流ラインL25 には、アンモニア希釈空気の供給を制御する流量制御弁又は逆止弁等の供給制御弁V3が介装される。
【0007】
かかる形式の排ガス脱硝システムにおいて、アンモニア注入装置Jは、300乃至400℃程度のガス温度を有し且つ比較的多量の窒素酸化物NOxを含むボイラーBの燃焼排ガスにアンモニアを注入し、選択接触還元装置Dは、触媒ユニットCの触媒反応層における脱硝反応により、還元剤としてのアンモニア(NH3 )の存在下にNOxの一部を窒素N2 に還元する。選択接触還元装置Dにて脱硝反応を受けた燃焼排ガスは、空気予熱器APH において給気ラインL10 の燃焼空気と熱交換し、冷却した後、電気集塵機ESP を介して排煙脱硫装置FGD に給送され、排煙脱硫装置FGD にて脱硫反応を受け、しかる後、廃気として煙突Tより大気放出される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、ボイラーB等の燃焼装置又は燃焼機関に供給される燃焼用化石燃料は、比較的多量の硫黄分Sを含有しており、かかる化石燃料の燃焼により、硫黄酸化物SOx(SO2 又はSO3 )が生成される。上記排ガス脱硝システムの触媒ユニットCは、二酸化硫黄SO2 (亜硫酸ガス)に対する触媒反応層の酸化活性により、硫黄酸化物SO3 を生成するばかりでなく、硫黄酸化物SO3 とアンモニアNH3 との反応により、酸性硫安(NH4 HSO4 )又は硫安((NH4 2 SO4 )を生成又は析出する。この結果、ハニカム型触媒の狭小流路、排気ラインを構成する排ガスダクトの内壁、或いは、空気予熱器APH の回転ベーン等に付着する酸性硫安等の付着物、堆積物又は堆積層が形成され、かかる付着物又は堆積物等は、選択接触還元装置Dにおける触媒層(触媒ユニットC)の流路閉塞、或いは、荷重不均衡等による空気予熱器APH の作動不良等の問題を生じさせる。このため、例えば、空気予熱器APH は、定期的なショットブラスト等の清浄化作業を含む定常的維持管理を要する。
【0009】
また、上記構成の排ガス脱硝システムは、取扱い困難なアンモニア注入装置J及びアンモニア供給設備Hを使用せざるを得ない。アンモニア注入装置Jは、燃焼排ガスに対する均一なアンモニア注入を実現すべく、極めて厳密なノズル及び制御系統設備の設計/施工/調整を要し、また、アンモニア供給設備Hは、危険物、高圧ガス、臭気及び労働安全衛生等の各種規制の適用を受ける。従って、上記従来の排ガス脱硝システムは、極めて厳重な取扱上の注意義務及び維持管理等を余儀なく強いられる。
更に、上記構成の排ガス脱硝システム(図11)では、アンモニア希釈空気を燃焼空気供給ラインL10 の分岐ラインL25 にてアンモニア混合装置Mに給送しており、従って、押込みファンFDF は、一般に大容量化する。押込みファンFDF の容量が不足する場合には、アンモニア希釈空気を給送する防爆圧送ファン等を格別に設置せざるを得ない。
【0010】
このような課題を解消可能な従来構成の排ガス脱硝システムを設計すべく、所謂リバーニング技術の採用を検討し得る。しかるに、リバーニング技術は、高温且つ低酸素濃度の燃焼排ガス中に炭化水素系燃料を吹込み、再燃焼による窒素酸化物(NOx)の還元を企図したものであるにすぎず、従って、この種の技術では、燃焼排ガスが温度降下する前に燃焼炉又は焼却炉内の同一構造体領域にて燃焼排ガスに再燃焼用燃料を添加し、窒素酸化物(NOx)の還元反応を生起させなければならない。即ち、従来のリバーニング技術を応用した排煙脱硝法によれば、実質的に同一の燃焼炉又は反応炉構造体の内部領域に炭化水素系燃料の吹込み用バーナを配設せざるを得ない。従って、この種の装置構造は、比較的制限されたシステム設計条件の制約を受けることから、設計/製造上の自由度を著しく低下させてしまうので、広範な実用的選択範囲の装置設計又は機器設計において容易に採用し難い。例えば、かかるリバーニング技術は、付加的なリバーニング装置又は燃料吹込み用バーナを反応炉構造体内部又は同一燃焼領域に配置し又は取付けることが物理的に不可能な燃焼システム又は内燃機関(ディーゼルエンジン等)に対して実質的に適用し得ない。
【0011】
なお、排ガス脱硝方法として、炭化水素類を用いた選択接触還元法、アンモニアを使用した無触媒選択還元法、或いは、活性炭(活性コークス)を使用した活性炭法等の各種方式の脱硝法が知られている。しかしながら、例えば、炭化水素類を使用した選択接触還元法は、比較的高価なゼオライト系触媒を使用せざるを得ず、しかも、水分存在下における触媒の活性化、触媒の耐熱性又は耐SOx性等に関する更なる検討を要する。また、アンモニアを用いた無触媒選択還元法は、上記アンモニア選択接触還元法と同様に取扱困難なアンモニアを使用しなければならないばかりでなく、制限された適応温度範囲、反応温度及び滞留時間等の制御の困難性、リークアンモニア等の増加、或いは、選択性の低下等の如く、解決し難い各種問題を内在している。更に、上記活性炭法は、上記アンモニア選択接触還元法と同様に取扱困難なアンモニアを使用せざるを得ず、しかも、比較的高価な活性炭の維持管理等を要する。従って、現状では、アンモニア及び触媒の使用を省略し得る実用的な排ガス脱硝システム又は排ガス脱硝方法は、依然として開発されていない。
【0012】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、触媒を備えたアンモニア選択接触還元装置を要することなく、燃焼排ガスを脱硝することができる新規な構成の排ガス脱硝システム及び排ガス脱硝方法を提供することにある。
本発明は又、比較的低温且つ低酸素濃度の燃焼排ガスに対して、有効な脱硝作用を発揮し得る排ガス脱硝システム及び排ガス脱硝方法を提供することを目的とする。
本発明は更に、燃焼炉、焼却炉、反応炉又は内燃機関等の燃焼装置の構造的制約を受けずに、適当に設計/製造/調整し得るとともに、既存の燃焼炉等の燃焼装置に対して付加的に排ガス脱硝設備を配設することができる排ガス脱硝システム及び排ガス脱硝方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段及び作用】
上記目的を達成するために、本発明は、燃焼排ガスの窒素酸化物を還元する排ガス脱硝システムにおいて、
排ガス発生源に連結される排ガス流路と、排ガス流路と連通する燃焼炉と、大気と連通する排気系統に連結され且つ前記燃焼炉にて生成した再燃焼排ガスを前記燃焼炉から導出する再燃焼排ガス流路とを備え、
前記燃焼炉は、前記排ガス発生源の排ガスを燃焼させる燃焼手段を有し、該燃焼手段は、
前記排ガスが供給され且つ該排ガスを燃焼させる第1及び第2のバーナーと、第1バーナーに供給される前記排ガスを予熱する第1の蓄熱体と、第2バーナーに供給される前記排ガスを予熱する第2の蓄熱体と、前記第1蓄熱体及び第1バーナーを介して前記排ガスを前記燃焼炉の燃焼領域に給送する第1流路と、前記第2蓄熱体及び第2バーナーを介して前記排ガスを前記燃焼炉の燃焼領域に給送する第2流路と、前記排ガス流路に連結された排ガス流入路と、前記再燃焼排ガス流路に連結された再燃焼排ガス流出路と、前記排ガス及び再燃焼排ガスの流路を選択的に切換制御する流路切換手段とを備え、該流路切換手段は、前記第1流路を前記排ガス流入路に連通させ且つ前記第2流路を前記再燃焼排ガス流出路に連通させる第1位置と、前記第2流路を前記排ガス流入路に連通させ且つ前記第1流路を前記再燃焼排ガス流出路に連通させる第2位置とを有し、所定の時間間隔にて第1位置又は第2位置のいずれか一方に選択的に切換制御され、
前記燃焼炉の再燃焼排ガスは、前記流路切換手段の第1位置にて前記第1バーナーが燃焼作動する間、前記第2蓄熱体を介装した第2流路を通り、該第2蓄熱体を加熱し、他方、前記流路切換手段の第2位置にて前記第2バーナーが燃焼作動する間、前記第1蓄熱体を介装した第1流路を通り、該第1蓄熱体を加熱することを特徴とする排ガス脱硝システムを提供する。
【0014】
本発明の上記構成によれば、流路切換手段の第1位置において、第1バーナーは燃焼作動し、燃焼領域に導入される排ガス発生源の燃焼排ガスは、第1バーナーに供給される炭化水素系燃料にて再燃焼する。燃焼領域内にて生成した再燃焼排ガスは、第2蓄熱体の第2流路を通過し、第2蓄熱体を加熱する。他方、流路切換手段の第2位置において、第2バーナーは燃焼作動し、燃焼領域に導入される排ガス発生源の燃焼排ガスは、第2バーナーに供給される炭化水素系燃料にて再燃焼する。燃焼領域の再燃焼排ガスは、第1蓄熱体の第1流路を通過し、第1蓄熱体を加熱する。燃焼炉における燃焼排ガスの燃焼工程において、流路切換手段及び燃料供給弁に対する所定時間の切換制御により、燃焼領域の再燃焼排ガスの顕熱を蓄熱体に熱伝導/熱伝達し且つ蓄熱体にて蓄熱する蓄熱作用と、蓄熱体に蓄熱した顕熱を燃焼排ガスに対して放熱し且つ燃焼排ガスを加熱する放熱作用とが、短時間に交互に反覆し、この結果、排ガス発生源の燃焼排ガスと、燃焼領域の再燃焼排ガスとの熱交換作用が生起し且つ継続し、排ガス発生源の燃焼排ガスは、800℃乃至1000℃以上の温度に予熱される。
【0015】
本発明は又、燃焼排ガスの窒素酸化物を還元する排ガス脱硝方法において、
第1蓄熱体を介して排ガス発生源の排ガスを燃焼炉に導入し、該排ガスを前記第1蓄熱体により予熱するとともに、炭化水素系燃料を該燃焼炉の燃焼領域に供給する第1燃料燃焼手段により該排ガスを燃焼させ、前記燃焼領域にて生成した再燃焼排ガスを該燃焼領域から第2蓄熱体に導出し、該第2蓄熱体を加熱し、前記第2蓄熱体を加熱した結果冷却した再燃焼排ガスを排気系に送出する第1燃焼工程と、
第2蓄熱体を介して前記排ガス発生源の排ガスを前記燃焼炉に導入し、該排ガスを前記第2蓄熱体により予熱するとともに、炭化水素系燃料を該燃焼炉の燃焼領域に供給する第2燃料燃焼手段により該排ガスを燃焼させ、前記燃焼領域にて生成した再燃焼排ガスを該燃焼領域から第1蓄熱体に導出し、該第1蓄熱体を加熱し、前記第1蓄熱体を加熱した結果冷却した再燃焼排ガスを排気系に送出する第2燃焼工程とを有し、
前記第1燃焼工程及び前記第2燃焼工程は、所定の時間間隔にて交互に切換制御されることを特徴とする排ガス脱硝方法を提供する。
【0016】
本発明は更に、燃焼排ガスの窒素酸化物を還元する排ガス脱硝方法において、排ガス発生源の排ガスを炭化水素系燃料の自己着火温度以上の温度に予熱した後、該炭化水素系燃料を前記排ガスに供給し、該排ガスを再燃焼させ、前記窒素酸化物を還元するとともに、前記再燃焼により生成された再燃焼排ガスが保有する顕熱により前記排ガスを前記炭化水素系燃料の自己着火温度以上の温度に予熱することを特徴とする排ガス脱硝方法を提供する。
【0017】
本発明の上記構成によれば、低酸素濃度の希釈酸素空気として供給される排ガス発生源の燃焼排ガスは、800℃乃至1000℃以上の温度又は炭化水素系燃料の自己着火温度以上の温度に予熱され、炭化水素系燃料にて再燃焼する。高速・高温燃焼排ガスの雰囲気における炭化水素系燃料の拡散燃焼により、燃焼排ガス中のNOxは、HCN、NH3 等の中間生成物を経由して、少なくとも部分的にN2 に還元される。また、排ガス発生源の燃焼排ガス中に含有された炭素酸化物や、煤(すす)又は炭化水素系未燃焼成分は、再燃焼過程において完全燃焼し、酸化反応により二酸化炭素(CO2 )を生成する。従って、大気放出される廃気の窒素酸化物(NOx)濃度を低減し得るばかりでなく、排ガス発生源の燃焼排ガス中の煤又は未燃焼成分を完全燃焼させることができる。
また、上記排ガス脱硝システム及び排ガス脱硝方法は、外部加熱源を要するとことなく、再燃焼排ガスの顕熱の廃熱回収により、排ガス発生源の燃焼排ガスを予熱することができ、しかも、燃焼排ガスを800℃乃至1000℃以上の温度又は炭化水素系燃料の自己着火温度以上の温度に効率的に予熱することができる。かかる高温に予熱された燃焼排ガスは、低酸素濃度の高速流の形態で供給されるにもかかわらず、炭化水素系燃料にて安定燃焼する。
【0018】
更に、上記排ガス脱硝システム及び排ガス脱硝方法においては、高価な金属や、二次公害を生じさせ得る触媒層を使用せず、しかも、危険物取扱注意および臭気防止等の規制を適用されるアンモニア等の還元物質を使用せず、一般的に各種燃焼装置又は機器にて汎用されている化石燃料を脱硝手段として使用することができるので、実用性、安全性及び経済性において極めて優れている。
しかも、上記構成の排ガス脱硝システム及び排ガス脱硝方法における脱硝工程は、酸性硫安又は硫安を析出する工程を実質的に含まず、従って、酸性硫安又は硫安の付着又は堆積に伴う排ガスダクト又は空気予熱器の流路閉塞又は作動不良等を確実に回避することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施形態において、上記流路切換手段を第1位置又は第2位置に切換えるべき時間間隔は、120秒以下の所定時間、好ましくは、60秒以下の所定時間に設定され、再燃焼排ガスの流路は、上記時間間隔毎に交互に第1流路又は第2流路に切換えられる。好ましくは、排ガス脱硝システムは、排ガス発生源の排ガスを上記排ガス流路に圧送する排ガス圧送装置を備えるとともに、補助的な燃焼空気を上記燃焼手段に供給ないし補給する補助燃焼空気供給装置を有する。補助燃焼空気供給装置は、補助燃焼空気圧送手段と、該補助燃焼空気圧送手段に連結された補助燃焼空気供給路とを備え、該補助燃焼空気供給路は、上記排ガス流入路と連通する。更に好ましくは、上記燃焼装置は、上記排ガス流路と上記排ガス流入路との連通を開閉制御する第1開閉弁と、補助燃焼空気供給路と上記排ガス流入路との連通を開閉制御する第2開閉弁とを備える。
本発明の更に好適な実施形態において、上記蓄熱体は、排ガス発生源の排ガスと燃焼炉の再燃焼排ガスとが交互に通過する多数の流路を備えたハニカム型蓄熱体からなり、好ましくは、ハニカム型蓄熱体はセラミック製ハニカムからなる。更に好ましくは、ハニカム型蓄熱体は、各流路を構成する正方形断面又は三角形断面等の所定断面形状のセル孔を備えた格子状のハニカム構造に成形され、セル孔を画成するセル壁の壁厚及び各セル壁間のピッチは、好ましくは、蓄熱体の容積効率の最大値に相応し且つ0.7乃至1.0の温度効率を確保し得る壁厚及びピッチに設定される。
【0020】
本発明の或る好適な実施形態によれば、予燃焼用空気を導入する予燃焼空気給送装置と、予燃焼空気給送装置及び上記排ガス流入路を相互連通させる予燃焼空気導入路と、排ガス流路に介装された第1開閉制御弁と、予燃焼空気導入路に介装された第2開閉制御弁とを備える。
本発明の好適な実施形態によれば、脱硝方法は、第1及び第2予燃焼工程又は予備燃焼工程を含む。第1予燃焼工程において、第1蓄熱体を介して予燃焼用空気を燃焼炉に導入し、予燃焼用空気を第1蓄熱体により予熱するとともに、好ましくはフュエルステージング方式(ULN方式)の第3燃料燃焼手段により予燃焼用空気を燃焼させ、燃焼炉の燃焼領域にて生成した燃焼排ガスを燃焼領域から第2蓄熱体に導出し、第2蓄熱体を加熱し、第2蓄熱体を加熱した結果冷却した燃焼排ガスを排気系に送出する。第2予燃焼工程においては、第2蓄熱体を介して予燃焼用空気を燃焼炉に導入し、予燃焼用空気を第2蓄熱体により予熱するとともに、好ましくはフュエルステージング方式(ULN方式)の第4燃料燃焼手段により予燃焼用空気を燃焼させ、燃焼炉の燃焼領域にて生成した燃焼排ガスを燃焼領域から第1蓄熱体に導出し、第1蓄熱体を加熱し、第1蓄熱体を加熱した結果冷却した燃焼排ガスを排気系に送出する。好ましくは、第1予燃焼工程及び上記第2予燃焼工程は、所定の時間間隔にて交互に切換制御される。
本発明の更に好適な実施形態によれば、燃焼工程及び予燃焼工程を切換えるべき上記時間間隔は、120秒以下の所定時間、好ましくは、60秒以下の所定時間に設定され、第1及び第2蓄熱体は、該時間間隔に相応して蓄熱又は放熱を反覆し、再燃焼排ガス及び燃焼排ガスを冷却し且つ排ガス及び予燃焼用空気を予熱する。好ましくは、予燃焼工程は、排ガス発生源の排ガス排出運転の開始前に実行され、或いは、蓄熱体の表面温度又は蓄熱温度が所定値以下の温度であるときに実行される。
【0021】
本発明の好適な実施形態において、第1及び第2蓄熱体は、上記排ガス及び予燃焼用空気を800℃乃至900℃以上の温度、好ましくは、950℃以上の温度、更に好ましくは、1000℃以上の温度に予熱する。
好適には、第1及び第2蓄熱体は、炭化水素系燃料の自己着火温度よりも高い温度に上記排ガスを予熱し、上記排ガスの残存酸素含有濃度は、2.5乃至10%の範囲内、更に好ましくは、2.5乃至5%の範囲内に設定される。
【0022】
本発明の或る好適な実施形態において、燃焼炉に対する炭化水素系燃料の燃料供給量に相応する燃焼排ガス量の再燃焼排ガスが、燃焼炉の燃焼領域から排気系に直接導出される。
本発明の更に好適な実施形態において、蓄熱体を介して燃焼炉に導入される排ガス及び予燃焼用空気の導入流速は、80乃至120m/秒に設定される。なお、本発明において、燃焼手段、或いは、該燃焼手段を構成するバーナー及び蓄熱体の設置箇所数又は設置位置は、燃焼排ガス量及び燃焼炉容量等に応じた適当な数量又は位置に適宜設計される。
【0023】
【実施例】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施例に係る排ガス脱硝システム及び排ガス脱硝方法について、詳細に説明する。
図1は、排ガス処理設備の装置系全体構成を示す概略フロー図であり、排ガス処理設備Aは、本発明の実施例に係る排ガス脱硝システム1を備える。
図1に示す如く、排ガス処理設備Aは、排煙ガス発生源を構成するボイラー又はファーネスBの排気系統に配設される。ボイラーBの排気ラインL1は、ボイラーBのエコノマイザーB1を介して、ボイラーBの炉内燃焼領域と連通する。ボイラーBの燃焼領域と排気ラインL1とを直接に連通させるエコノマイザー・バイパスラインL9が、ボイラーBに配設される。バイパスラインL9は、排気ラインL1の排気温度が低下したときに、エコノマイザーB1を迂回してボイラーBの燃焼排ガスを排気ラインL1に直接送出する。
ボイラーBの燃焼排ガス流路を構成する排気ラインL1は、全体的に参照符号1にて指示する排ガス脱硝システムを介して、再燃焼排ガス流路を構成する排気ラインL2に連結され、回転式蓄熱体を備えた空気予熱器APH の蓄熱部又は冷却部が、排気ラインL2の下流端に連結される。空気予熱器APH の蓄熱部は、ボイラーBの排気系統を構成する排気ラインL3を介して、電気集塵機ESP に連結され、電気集塵機ESP は、排気ラインL4の上流端に接続される。誘引通風機IDF を備えた排気ラインL4は、排煙脱硫装置FGD を介して、排気ラインL5に連結され、排気ラインL5の下流端は、集合煙突又はスタックTに接続される。
【0024】
他方、ボイラーBの燃焼空気系統又は給気系統を構成する給気ラインL11 は、、ボイラーBのバーナー設備B2に接続される。給気ラインL11 の上流端は、空気予熱器APH の放熱部又は加熱部に連結される。空気予熱器APH の放熱部は、給気ラインL10 を介して、押込みファンFDF に連結され、押込みファンFDF は、燃焼用空気(外気)を取入れ、給気ラインL10 に圧送する。
排ガス脱硝システム1は、燃焼排ガス又は予燃焼空気を燃焼させる燃焼炉又は反応炉10と、排気ラインL1の下流端に接続された排気給送ファン2と、予燃焼空気又は予備燃焼空気を給送する予燃焼空気給送ファン3とを備える。
【0025】
図2及び図3は、排ガス脱硝システム1の全体構成及び作動態様を示す概略フロー図であり、図4は、排ガス脱硝システム1を構成する第1及び第2バーナー組立体11、12の全体構成及び作動態様を示す概略フロー図である。図2には、ボイラーBの燃焼排ガスを脱硝する燃焼工程が示されており、図3には、予燃焼用空気にて燃焼炉10を燃焼させる予燃焼工程が示されている。また、図2、図3及び図4の各図において、(A)図は、排ガス脱硝システム1を構成する4方弁4の第1位置における第1バーナー組立体11の燃焼工程又は予燃焼工程を示し、(B)図は、4方弁4の第2位置における第2バーナー組立体12の燃焼工程又は予燃焼工程を示す。
図2及び図3に示す如く、燃焼炉10は、複数の第1バーナー組立体11及び複数の第2バーナー組立体12を備えており、第1バーナー組立体11は、第1流路を構成する排気ガスラインE6に接続され、第2バーナー組立体12は、第2流路を構成する排気ガスラインE7に接続される。
【0026】
排気ガスラインE6、E7は、図4に示す如く、高速切換式又は高周期切換式4方弁4の第1及び第2ポート41、42に接続される。4方弁4は、燃焼排ガス流入ポート及び流出ポート43、44を備え、流入ポート43は、排ガス流入路を構成する排気ガスラインE3に接続され、流出ポート44は、再燃焼排ガス流出路を構成する排気ガスラインE8に接続される。
4方弁4は、中心回転軸に固定された板状の弁体を備え、回転軸は、駆動装置(図示せず)により回転され、弁体の位置を第1又は第2位置に切換える。回転軸は、駆動装置により、第1及び第2バーナー15、16の切換時期と同期して回転され、第1バーナー15が燃焼作動する間、排気ガスラインE3を排気ガスラインE6と連通させ且つ排気ガスラインE7を排気ガスラインE8と連通させる第1位置に弁体を保持し、他方、第2バーナー16が燃焼作動する間、排気ガスラインE6を排気ガスラインE8と連通させ且つ排気ガスラインE3を排気ガスラインE7と連通させる第2位置に弁体を保持する。
【0027】
排気ガスラインE3は、燃焼排ガス給送ラインE4及び予燃焼空気給送ラインE5に分岐し、燃焼排ガス給送ラインE4は、燃焼排ガス流入制御弁6を介して、燃焼排ガス供給ラインE1に連結され、予燃焼空気給送ラインE5は、予燃焼空気流入制御弁7を介して、予燃焼空気供給ラインE2に連結される。燃焼排ガス供給ラインE1の上流端は、ボイラーBの燃焼排ガスを圧送する上記排気給送ファン2の吐出口に接続され、他方、予燃焼空気供給ラインE2の上流端は、予燃焼用空気(外気)を圧送する上記予燃焼空気給送ファン3の吐出口に接続される。
ボイラーBの燃焼運転開始前又は燃焼排ガス温度の低下時期に、燃焼排ガス流入制御弁6は閉鎖位置に切換えられ且つ予燃焼空気流入制御弁7は開放位置に切換えられるとともに、予燃焼空気給送ファン3は起動される。図3に実線で示す如く、所定流量の予燃焼空気が、予燃焼空気供給ラインE2、予燃焼空気給送ラインE5及び排気ガスラインE3を介して、4方弁4の流入ポート43に圧送される。ボイラーBの燃焼運転開始後又は燃焼排ガス温度の昇温後に、予燃焼空気給送ファン3は作動停止され、他方、排気給送ファン2は起動され、燃焼排ガス圧送運転を開始する。同時に、燃焼排ガス流入制御弁6は開放位置に切換えられ、予燃焼空気流入制御弁7は閉塞位置に切換えられる。従って、図2に実線で示す如く、ボイラーBの燃焼排ガスは、燃焼排ガス供給ラインE1、燃焼排ガス給送ラインE4及び排気ガスラインE3を介して、4方弁4の流入ポート43に圧送される。
【0028】
4方弁4は、所定時間毎に切換制御され、排気ガスラインE3を排気ガスラインE6と連通させ且つ排気ガスラインE7を排気ガスラインE8と連通させる第1位置と(図2(A):図3(A):図4(A))、排気ガスラインE3を排気ガスラインE7と連通させ且つ排気ガスラインE6を排気ガスラインE8と連通させる第2位置(図2(B):図3(B):図4(B))とに交互に切換えられる。
図4(A)に示す如く、4方弁4の第1位置において、排気ガスラインE3に給送された燃焼排ガス又は予燃焼空気は、4方弁4及び排気ガスラインE6を介して、第1バーナー組立体11に供給され、第1バーナー組立体11のバーナー15又はフュエルステージング方式の第3バーナー25(図3)により燃焼炉10内の燃焼領域20にて燃焼する。燃焼領域20において生成した再燃焼排ガスは、第2バーナー組立体12の蓄熱体14、排気ガスラインE7、4方弁4及び排気ガスラインE8を介して、排気ラインL2に送出される。
【0029】
図4(B)に示す如く、4方弁4の第2位置において、排気ガスラインE3に給送された燃焼排ガス又は予燃焼空気は、4方弁4及び排気ガスラインE7を介して、第2バーナー組立体12に供給され、第2バーナー組立体12のバーナー16又はフュエルステージング方式の第4バーナー26(図3)により燃焼炉10内の燃焼領域20にて燃焼する。燃焼領域20において生成した再燃焼排ガスは、第1バーナー組立体11の蓄熱体13、排気ガスラインE6、4方弁4及び排気ガスラインE8を介して、排気ラインL2に送出される。
第1及び第2バーナー組立体11、12の各バーナー15、16は、3方弁として構成された燃料供給弁19を介して、化石燃料供給系の燃料供給ラインLFに接続されており、燃料供給弁19は、制御装置(図示せず)の制御下に4方弁4と同期切換作動し、第1及び第2バーナー15、16の一方に交互に燃焼用燃料を供給する。従って、第1バーナー15は、4方弁4の第1位置(図4(A))において燃料をガス流路に吹込み、4方弁4の第2位置(図4(B))において燃料吹込みを停止し、他方、第2バーナー16は、4方弁4の第2位置(図4(B))において燃料をガス流路に吹込み、4方弁4の第1位置(図4(A))において燃料吹込みを停止する。
【0030】
図5は、第1及び第2バーナー組立体11、12の概略構造を示す概略断面図であり、図6は、各バーナー組立体11、12を構成する第1及び第2蓄熱体13、14の斜視図(図6(A))及び部分拡大斜視図(図6(B))である。
燃焼炉10は、第1及び第2バーナー組立体11、12と、各バーナー組立体11、12の開口部に隣接して配置された第3バーナー25及び第4バーナー26とを備える。第3及び第4バーナー25、26は、第1及び第2バーナー15、16と同様に、燃料供給弁29を介して燃料供給ラインLFに接続される。燃料供給弁29は、予燃焼工程において、制御装置(図示せず)の制御下に4方弁4と同期切換作動し、第3及び第4バーナー25、26に交互に燃料を供給する。従って、第3及び第4バーナー25、26も又、燃料供給弁29を介して供給される炭化水素系燃料により予燃焼工程において短時間に交互に燃焼作動する。
フュエルステージング燃焼形式(ULN燃焼方式)のバーナーとして構成された第3及び第4バーナー25、26は、予燃焼用空気の炉内流入領域に隣接して配置され、燃焼炉10の炉壁から炉内燃焼領域20の予燃焼用空気希釈域に向かって炭化水素系燃料を吐出する。
なお、第1乃至第4バーナー15、16、25、26には、パイロットバーナ及び点火用トランスなどの付帯設備が一般に設けられるが、これらの付帯設備については、図を簡略化するために図示を省略してある。
【0031】
蓄熱型熱交換器を構成する第1及び第2蓄熱体13、14は、多数のセル孔を備えたハニカム構造のセラミック製又は金属製蓄熱体からなる。かかる蓄熱体として、アンモニア選択接触還元法においてハニカム型触媒の担体として一般に使用され且つ多数の狭小流路(セル孔)を備えるセラミック製ハニカム構造体を好適に使用し得る。
図6に示す如く、第1及び第2蓄熱体13、14は、各バーナー組立体11、12のケーシング内に組み込み可能な幅員W、全長L及び全高Hの各寸法を備えるとともに、複数の正方形断面のセル孔(流路)17を備えた格子状のハニカム構造に成形される。各流路17を形成するセル壁18の壁厚b及び各セル壁18のピッチ(壁体間隔)Pは、好ましくは、蓄熱体の容積効率の最大値に相応し且つ0.7乃至1.0の温度効率を確保し得る壁厚b及びピッチPに設定される。
【0032】
4方弁4が第1位置に位置するとき(図4(A))、排気ガスラインE3から導入される低温の燃焼排ガス(温度Tci)は、排気ガスラインE7を介して第1蓄熱体13の流路17を通過し、セル壁18の伝熱面と接触し、セル壁18との熱交換により加熱される。かくして、燃焼排ガスは昇温され、比較的高温の燃焼排ガス(温度Tco)として第1蓄熱体13から第1バーナー15に供給される。他方、燃焼炉10から排出される高温の再燃焼排ガス(温度Thi)は、第2蓄熱体14の流路17を通過し、セル壁18の伝熱面と接触し、セル壁18との熱交換により第2蓄熱体14を加熱する。かくして降温した再燃焼排ガスは、比較的低温の再燃焼排ガス(温度Tho)として排気ガスラインE7を介して排気ガスラインE8に送出される。
4方弁4を第1位置から第2位置に切換えたとき(図4(B))、排気ガスラインE3から導入される低温の燃焼排ガス(温度Tci)は、排気ガスラインE7を介して第2蓄熱体14に送られ、直前の再燃焼排ガスの通過により加熱された第2蓄熱体14との熱交換により加熱され、比較的高温の燃焼排ガス(温度Tco)として第2蓄熱体14から燃焼炉10内に送出される。他方、燃焼炉30から排出された高温の再燃焼排ガス(温度Thi)は、第1蓄熱体13を通過し、第1蓄熱体13との熱交換により第1蓄熱体13を加熱し、比較的低温の再燃焼排ガス(温度Tho)として排気ガスラインE6を介して排気ガスラインE8に送出される。
【0033】
上記容積効率 (Q/V) 及び温度効率(ηt )を下式(1)(2)により定義し得る。
Q/V=ηt(Thi-Tci) (1-ε)Cm/τ・PM2/PM1 ・・・・・・・ (1)
ηt =1/(1+2/PM1 + exp(-2PM1/PM2)) ・・・・・・・ (2)
また、上記式(1) 及び式(2) におけるPM1 、PM2 は、下式により求められる。
PM1 = hA/Cg Gg
PM2 = hAτ/Cm Gm
なお、上記各式における符号は、以下の通り定義される。
Tci: 低温側気体の入口温度 ℃ Thi :高温側気体の入口温度 ℃
ε : 蓄熱体の空隙率
A : 伝熱面積 m2 h : 熱伝達係数 Kcal/m2h℃
τ : 切換時間 hr Cg : 気体の定圧比熱 Kcal/m3N℃
Gg : 気体の流量 m3N/h Cm : 蓄熱体の比熱 Kcal/m3
Gm : 蓄熱体の正味体積 m3
また、第1及び第2蓄熱体13、14は、容積効率(Q/V)が極大値を指示する空隙率(ε)を有するとともに、温度効率(ηt )が0.7乃至1.0の範囲の所定の設定値を指示する熱伝達係数(h)及び伝熱面積(A)を有し、上記ハニカムピッチ及びハニカム壁厚は、該空隙率(ε)、熱伝達係数(h)及び伝熱面積(A)に相当する値に決定される。なお、上記正味体積(Gm)、伝熱面積(A)及び流量(Gg) は、熱交換器(蓄熱体)全体の正味体積、伝熱面積及び全流量である。
【0034】
次に、上記排ガス脱硝システム1の作動について説明する。
排ガス脱硝システム1は、第1及び第2バーナー組立体11、12の各蓄熱体の表面温度及び蓄熱温度を上昇させるべく、ボイラーBの燃焼運転開始の所定時間前に、図3に示す予燃焼工程を実行する。予燃焼工程において、燃焼排ガス流入制御弁6を閉鎖位置に切換え且つ予燃焼空気流入制御弁7を開放位置に切換えるとともに、予燃焼空気給送ファン3を起動し、予燃焼用空気を4方弁4の流入ポート43に給送する。好適には、60秒以下に設定された所定の時間間隔にて、4方弁4を第1位置及び第2位置に交互に切換え、予燃焼空気(外気)を第1及び第2バーナー組立体11、12に交互に給送するとともに、4方弁4の切換作動と同期制御下に燃料供給弁19及び/又は燃料供給弁29(図5)を第1又は第2位置に切換え、メタン、エタン、プロパン、ブタン、灯油又は重油等の燃焼用燃料を第1、第3バーナー15、25又は第2、第4バーナー16、26の一方に交互に供給し、第1、第3バーナー15、25及び第2、第4バーナー16、26を交互に点火させる。
前述の如く、4方弁4の第1位置において、第1、第3バーナー15、25は燃焼作動し、燃焼領域20の燃焼排ガスは、第2バーナー組立体12の蓄熱体14のハニカム流路17を通過し、第2蓄熱体14を加熱し(図3(A))、他方、4方弁4の第2位置において、第2、第4バーナー16、26は燃焼作動し、燃焼領域20の燃焼排ガスは、第1バーナー組立体11の蓄熱体13のハニカム流路17を通過し、第1蓄熱体13を加熱する(図3(B))。
【0035】
なお、燃料供給弁19、29は、燃焼排ガスの温度及び蓄熱体13、14の温度が比較的低い予燃焼工程の開始時期には、主に第1及び第2バーナー15、16に交互に燃料を供給し、実質的に第1及び第2バーナー15、16のみを燃料作動させる。他方、燃料供給弁19、29は、燃焼排ガスの温度及び蓄熱体13、14の温度が比較的高い予燃焼工程の終了時期には、主に第3及び第4バーナー25、26に燃料を供給し、図3に示す如く、第3及び第4バーナー25、26のみを燃料作動させ、第1及び第2バーナー15、16の燃焼作動を停止する。
例えば、燃料供給弁19、29は、予燃焼工程の開始時に第1及び第2バーナー15、16のみを燃料作動させ、燃焼排ガス温度が、例えば、800℃に昇温した時期に、燃焼排ガス温度に相応した所定の稼働比率に従って第1乃至第4バーナー15、16、25、26を燃焼作動させ、更に、燃焼排ガスが、例えば、1000℃以上に昇温した時期に、第1及び第2バーナー15、16の燃焼作動を停止し、第3及び第4バーナー25、26のみを燃料作動させる。
【0036】
排ガス脱硝システム1は、ボイラーBが燃焼作動を開始し、或いは、第1及び第2蓄熱体13、14が所定温度以上に加熱した時期に、図2に示す燃焼工程を実行する。燃焼排ガス流入制御弁6を開放位置に切換え且つ予燃焼空気流入制御弁7を閉鎖位置に切換えるとともに、予燃焼空気給送ファン3を作動停止し且つ排気給送ファン2を起動し、図4に示す如く、ボイラーBの燃焼排ガスを4方弁4の流入ポート43に給送する。好適には、60秒以下に設定された所定の時間間隔にて、4方弁4を第1位置及び第2位置に交互に切換え、ボイラーBの燃焼排ガスを第1及び第2バーナー組立体11、12に交互に給送するとともに、4方弁4の切換作動と同期制御下に燃料供給弁19を第1又は第2位置に切換え、上記燃焼用燃料を第1及び第2バーナー15、16に交互に供給し、第1及び第2バーナー15、16を交互に点火させる。
【0037】
4方弁4の第1位置において、第1バーナー15は燃焼作動し、燃焼領域20に導入されるボイラーBの燃焼排ガスは、再燃焼する。燃焼領域20内にて生成した再燃焼排ガスは、第2バーナー組立体12の蓄熱体14のハニカム流路17を通過し、第2蓄熱体14を加熱する。引き続く4方弁4の第2位置において、第2バーナー16は燃焼作動し、燃焼領域20の燃焼排ガスは、再燃焼する。燃焼領域20内にて生成した再燃焼排ガスは、第1バーナー組立体11の蓄熱体13のハニカム流路17を通過し、第1蓄熱体13を加熱する。
燃焼炉10における燃焼排ガスの燃焼工程において、4方弁4及び燃料供給弁19に対する所定時間間隔の同期切換制御により、再燃焼排ガスの顕熱は蓄熱体13、14に熱伝導/熱伝達され且つ蓄熱体13、14に蓄熱され、蓄熱体13、14に蓄熱された顕熱はボイラーBの燃焼排ガスに対して放熱され、燃焼排ガスは加熱される。かかる蓄熱作用及び放熱作用が、短時間に交互に反覆する結果、燃焼排ガスと再燃焼排ガスとの熱交換現象が円滑に進行し、ボイラーBの燃焼排ガスは、800℃乃至1000℃以上の温度に継続的ないし定常的に予熱される。
【0038】
図8は、上記排ガス脱硝システム1による排ガス脱硝法における排ガス可燃範囲を示す線図である。
800℃以上に加熱された高温予熱空気(燃焼排ガス)による火炎の超高温予熱空気燃焼モードは、400℃以下の予熱空気による通常火炎の燃焼モード、或いは、400乃至800℃の温度範囲に加熱された予熱空気による遷移火炎の燃焼モードと比較し、極めて広範囲の空気比の燃焼用空気又は混合気により安定燃焼する。かかる超高温予熱空気燃焼の高度の燃焼安定性は、空気予熱温度の高温化により反応速度が増大し、低温空気燃焼による従来の火炎と比較して、燃焼特性が全く変化したことによるものと考えられる。殊に、燃焼用空気又は混合気(燃焼排ガス)を燃料の自己着火温度よりも高い温度に加熱したとき、着火過程において外部着火を要しない燃焼反応を実現し得る。しかも、200乃至400℃程度の温度に加熱されるにすぎない従来の予熱空気にあっては、燃焼用空気(予熱空気)の供給速度ないし流速を火炎吹きとび限界以上に高速化することは理論的にも実務的にも不可能であるのに対し、本発明の上記構成によれば、失火現象を回避しつつ、燃焼用空気(燃焼排ガス)のバーナー通過流速を可成り高速化し、燃焼用空気(燃焼排ガス)を80乃至120m/秒以上のジェット気流状の高速流として燃焼炉10内に供給し得ることが判明した。
【0039】
本実施例において、第1及び第2バーナー組立体11、12を通過する燃焼排ガス流は、例えば、以下のとおり条件設計された。
燃焼排ガスの流速 :80乃至120m/秒
燃焼排ガスの加熱温度(予熱温度):1000℃以上
燃焼排ガスの酸素濃度 :2.5〜10%
かかる条件下において、低酸素濃度且つ超高温・高速の燃焼排ガス(燃焼用空気)により形成された燃焼領域20の火炎は、失火又は吹き消えることなく、安定燃焼するとともに、燃焼騒音を大幅に低減させた。
【0040】
このように、図1乃至図6に示す排ガス脱硝システム1によれば、ボイラーBの燃焼排ガスと燃焼領域20の再燃焼排ガスとの熱交換作用が第1及び第2蓄熱体13、14にて生起し、第1及び第2バーナー15、16の炭化水素系燃料は、第1及び第2蓄熱体13、14において燃料の自己着火温度よりも遙に高温に予熱された高速且つ低酸素濃度の混合気流(燃焼排ガス流)により、安定的に低騒音・拡散燃焼する。しかも、燃焼領域20において生成した再燃焼排ガスは、高速の高温ジェット気流に随伴し、燃焼炉10内にて再循環し、これにより、残存酸素と再燃焼排ガスとは、均一に混合するとともに、炉内ガス循環量は増大し且つ炉内温度差は低減し、炉内の温度場は平均化する。また、かかる超高温空気燃焼により形成される火炎においては、火炎容積の増大化現象および火炎輝度の低下現象が観られる一方、局部熱発生現象は抑制又は軽減され、従って、炉内の温度場は更に均一化する。
【0041】
殊に、かかる低酸素濃度の高速・高温の雰囲気において、メタン、エタン、プロパン、ブタン、灯油又は重油等の炭化水素系燃料の燃焼反応が進行することから、燃焼領域20には、炭化水素ラジカルが発生する。炭化水素ラジカルは、燃焼排ガス中のNOxと反応し、この結果、炭化水素ラジカル及びNOxは、HCN、NH3 等の中間生成物を生成し、NOxは、HCN、NH3 等を経由して少なくとも部分的にN2 にまで還元される。また、ボイラーBの燃焼排ガス中に含有される一酸化炭素(CO)及び/又は煤は、燃焼領域20における酸化反応により二酸化炭素(CO2 )に酸化し、再燃焼過程において完全燃焼する。従って、上記構成の排ガス脱硝システム1によれば、大気放出される廃気の窒素酸化物(NOx)濃度を低減し得るばかりでなく、排ガス発生源の燃焼排ガス中の未燃焼成分を完全燃焼させることができるので、実用的に極めて有利である。
【0042】
本発明者は、上記排ガス脱硝システム1の構成を適用した実験装置にて燃焼試験を実施した。なお、この燃焼試験においては、液化石油ガス(LPG)を上記炭化水素系燃料として使用し、調整希釈空気を上記ボイラーBの燃焼排ガスとして使用した。燃焼実験の各種条件設定は、以下のとおりである。
燃料(LPG) :0.05m3N/h
希釈空気(空気、N2 (NOx)) :15m3N/h
希釈空気のNOx(窒素酸化物)濃度:323.5PPM
希釈空気のO2 (酸素)濃度 :2.9%
希釈空気の予熱温度 :1000℃
燃焼試験の結果、上記燃焼炉10の再燃焼排ガスに相当する実験装置の排ガスに関し、下記の脱硝作用が確認された。
排ガスのO2 (酸素)濃度 :0.6%
排ガスのNOx(窒素酸化物)濃度 :196.2PPM
NOx比率(流出濃度/流入濃度) :0.61(=196.2 /323.5)
NOx低減率(脱硝率) :39%
【0043】
以上説明した如く、排ガス脱硝システム1は、排ガス発生源Bに連結される排ガス流路E1と、排ガス流路と連通する燃焼炉10と、大気と連通する排気系統L3:L4:L5に連結され且つ燃焼炉10にて生成した再燃焼排ガスを燃焼炉10から導出する再燃焼排ガス流路L2とを備える。燃焼炉10は、排ガス発生源Bの排ガスを燃焼させる燃焼手段11、12を有し、燃焼手段11、12は、第1及び第2バーナー15、16と、第1バーナー15に供給される排ガスを予熱する第1蓄熱体13と、第2バーナー16に供給される排ガスを予熱する第2蓄熱体14と、第1蓄熱体13及び第1バーナー15を介して排ガスを燃焼領域20に給送する第1流路E6と、第2蓄熱体14及び第2バーナー16を介して排ガスを燃焼領域20に給送する第2流路E7と、排ガス流路E1に連結された排ガス流入路E3と、再燃焼排ガス流路L2に連結された再燃焼排ガス流出路E8と、排ガス及び再燃焼排ガスの流路を選択的に切換制御する流路切換手段4とを備える。流路切換手段4は、第1流路E6を排ガス流入路E3に連通させ且つ第2流路E7を再燃焼排ガス流出路E8に連通させる第1位置と、第2流路E7を排ガス流入路E3に連通させ且つ第1流路E6を再燃焼排ガス流出路E8に連通させる第2位置とを有し、所定の時間間隔にて第1位置又は第2位置のいずれか一方に選択的に切換制御される。
第1蓄熱体13は第1の切換蓄熱型熱交換器として機能し、第2蓄熱体14は第2の切換蓄熱型熱交換器として機能する。燃焼炉10の再燃焼排ガスは、流路切換手段4の第1位置にて第1バーナー15が燃焼作動する間、第2蓄熱体14を介装した第2流路E7を通り、第2蓄熱体14を加熱し、他方、流路切換手段4の第2位置にて第2バーナー16が燃焼作動する間、第1蓄熱体13を介装した第1流路E6を通り、第1蓄熱体13を加熱する。
【0044】
また、上記排ガス脱硝システム1を使用した排ガス脱硝方法によれば、脱硝方法は、第1燃焼工程及び第2燃焼工程を有する。第1燃焼工程においては、第1蓄熱体13を介して排ガス発生源Bの排ガスを燃焼炉10に導入し、第1燃料燃焼手段11により炭化水素系燃料を燃焼炉10の燃焼領域20に供給し、該排ガスを燃焼させ、燃焼領域20にて生成した再燃焼排ガスを燃焼領域20から第2蓄熱体14に導出し、第2蓄熱体14を加熱し、第2蓄熱体14を加熱した結果冷却した再燃焼排ガスを排気系L3:L4:L5に送出する。第2燃焼工程では、第2蓄熱体14を介して排ガス発生源Bの排ガスを燃焼炉10に導入し、第2燃料燃焼手段12により炭化水素系燃料を燃焼炉10の燃焼領域20に供給し、該排ガスを燃焼させ、燃焼領域20にて生成した再燃焼排ガスを燃焼領域20から第1蓄熱体13に導出し、第1蓄熱体13を加熱し、第1蓄熱体13を加熱した結果冷却した再燃焼排ガスを排気系L3:L4:L5に送出する。第1燃焼工程及び第2燃焼工程は、所定の時間間隔にて交互に切換制御される。
【0045】
このような排ガス脱硝システム1において、燃焼領域20の再燃焼排ガスは、第1バーナー組立体11の燃焼作動時に第2バーナー組立体12の切換蓄熱型熱交換器14を介して排気され、再燃焼排ガスの排熱は、蓄熱型熱交換器14に蓄熱される(図4(A))。蓄熱型熱交換器14は、引き続く第2バーナー組立体12の燃焼作動時に、ボイラーBの燃焼排ガスを予熱し、他方、燃焼領域20の再燃焼排ガスの排熱は、再燃焼排ガスを通す第1バーナー組立体11の切換蓄熱型熱交換器13に蓄熱される(図4(B))。切換蓄熱型熱交換器13は、引き続く第1バーナー組立体11の燃焼作動時に、ボイラーBの燃焼排ガスを予熱する(図4(A))。かくして、燃焼炉10の高温流体(再燃焼排ガス)と、ボイラーBの低温流体(燃焼排ガス)とが交互に蓄熱型熱交換器13、14に供給され、各蓄熱型熱交換器13、14は、伝熱接触により高温流体(再燃焼排ガス)から奪った熱量を低温流体(ボイラー排ガス)との伝熱接触により低温流体に与え、これにより、高温流体と低温流体との熱交換を実行し、従来の熱交換器にて限界とされていた60乃至70%程度の温度効率を70乃至100%に向上させ、ボイラーBから導出された300乃至400℃の燃焼排ガスを950℃以上の温度、好ましくは、1000℃以上の温度に予熱する。
所定の時間間隔を隔てて間欠的又は周期的に燃焼作動する第1及び第2バーナー組立体11、12は、高温予熱されたボイラーBの燃焼排ガスを炭化水素系燃料にて燃焼させ、燃焼排ガスの再燃焼により燃焼炉15にて生成した再燃焼排ガスは、排気ガスラインE8に送出され、排気ラインL2を介して、空気予熱器APH の蓄熱部(図1)に導入される。
【0046】
なお、本発明と対比可能な構成として、燃焼炉内部の同一構造体内にて再燃焼を誘引又は生起させる所謂リバーニング技術を例示し得る。リバーニング技術は一般に、第1燃焼帯にて生成された排ガスに含有された窒素酸化物NOxを第2燃焼帯における燃料吹込みにより低減させるものである。しかるに、かかるリバーニング技術においては、排ガス温度を1000℃以上の温度に保持又は維持する必要があり、従って、仮に、従来のリバーニング技術を適用した再燃焼装置を排ガス脱硝装置として排ガス発生源に付設又は設置することを理論的に考慮し得たとしても、このような設計又は構成は、排ガス温度の低下を補償すべく排ガス温度を昇温させる高価且つ大規模の電気加熱装置等を要するので、容易に克服し得ない設計上、構造上又は機構上の制限又は制約を受けるばかりでなく、経済的ないし実利的見地より、現在の技術による実現化又は実用化は、実質的に不可能である。
しかしながら、上記構成の排ガス脱硝システム1の構成は、廃熱回収技術及び超高温空気燃焼技術の適用により、排ガスの超高温予熱を達成し、これにより、従来の技術では燃焼維持の困難性により実現不能であった希釈空気又は低酸素濃度空気による安定燃焼を可能にし、しかも、燃焼雰囲気における炭化水素系燃料のラディカル化を可能にし、かくて、上記の如く新規な構成の脱硝方式の実現を可能にする。
【0047】
図9は、図2及び図3に示す排ガス脱硝システム1の或る特定の作動形態を示す概略フロー図であり、図9に示す作動形態は、残存酸素濃度が比較的高い燃焼排ガスの脱硝プロセスにおいて好適に使用される。
図9に示す排ガス脱硝システム1の作動形態は、ガスタービンの燃焼排ガスの如く、比較的高い残存酸素濃度(例えば、酸素濃度10乃至15%)を有する燃焼排ガスに対して、好適に適用される。第1燃焼工程(図9(A))において、4方弁4は、第1位置に位置し、排気ガスラインE3に給送された高酸素濃度の燃焼排ガスは、4方弁4、排気ガスラインE6及び第1バーナー組立体11を介して燃焼炉10内の燃焼領域20内に供給され、第1バーナー組立体11に隣接するフュエルステージング方式の第3バーナー25により燃焼領域20にて燃焼する。燃焼領域20において生成した再燃焼排ガスは、第2バーナー組立体12の蓄熱体14、排気ガスラインE7、4方弁4及び排気ガスラインE8を介して、排気ラインL2に送出される。第2燃焼工程(図9(B))において、4方弁4は、第2位置に位置し、排気ガスラインE3に給送された上記燃焼排ガスは、4方弁4、排気ガスラインE7及び第2バーナー組立体12を介して燃焼炉10内の燃焼領域20内に供給され、第2バーナー組立体12に隣接したフュエルステージング方式の第4バーナー26により燃焼領域20にて燃焼する。燃焼領域20において生成した再燃焼排ガスは、第1バーナー組立体11の蓄熱体13、排気ガスラインE6、4方弁4及び排気ガスラインE8を介して、排気ラインL2に送出される。
このように比較的高い残存酸素濃度を有する高速の燃焼排ガス流は、燃焼領域20内に流入し、炉内ガスと混合攪拌し、比較的低い酸素濃度の炉内希釈ガス流を形成し、フュエルステージング方式の第3及び第4バーナー25、26の吐出燃料の供給により、燃焼領域20にて再燃焼する。この結果、燃焼排ガスにおける窒素酸化物(NOx)等の濃度は、低減する。
他の特定の作動形態として、例えば、予燃焼空気給送ファン3(図3)は、図2に示す第1及び第2燃焼工程において、補助燃焼空気を排気ガスラインE3に給送する。補助燃焼空気は、燃焼排ガス給送ラインE4の燃焼排ガスと混合し、燃焼排ガスの残存酸素濃度を増大させる。このような作動形態において、燃焼排ガス流入制御弁6及び予燃焼空気流入制御弁7は、流量制御弁として機能する。かかる作動形態は、残存酸素濃度が過剰に低いディーゼルエンジン等の燃焼排ガスに対して本発明の脱硝システムを適用する際に、有効に作用する。
【0048】
図10は、本発明の変形例に係る排ガス脱硝システムを示す概略フロー図であり、図10には、4方弁の第1位置における燃焼工程又は予燃焼工程(図10(A))及び4方弁の第2位置における燃焼工程又は予燃焼工程(図10(B))が図示されている。なお、図10において、上記実施例の各構成要素又は構成手段と実質的に同じ構成要素又は構成手段については、同一の参照符号が付されている。
図10に示す実施例において、再燃焼排ガスの一部は、燃焼領域20と連通する排気ガスラインE9を介して、排気ラインL2に直接送出される。即ち、所定の時間間隔を隔てて間欠的又は周期的に燃焼作動する第1及び第2バーナー組立体11、12は、高温予熱されたボイラーBの燃焼排ガスを炭化水素系燃料にて燃焼させ、燃焼排ガスの再燃焼により燃焼炉15にて生成した再燃焼排ガスは、部分的に排気ガスラインE8に送出されるとともに、部分的に排気ガスラインE9に導出され、排気ガスラインE8、E9の排気ガスは、排気ラインL2を介して、空気予熱器APH の蓄熱部(図1)に導入される。所望により、排気ガスラインE9を介して燃焼領域20から導出される再燃焼排ガスの流量を制御する流量制御弁が、排気ガスラインE9に介装される。
【0049】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変形又は変更が可能であり、該変形例又は変更例も又、本発明の範囲内に含まれるものであることは、いうまでもない。
例えば、上記実施例においては、比較的大型のボイラー又はファーネスBの燃焼排ガスを想定した脱硝システム及び脱硝方法に関し、本発明を適用しているが、本発明は、本質的に、燃焼構造の規模的制約や、既設又は新設等の設計条件による設計・製造上の制限又は制約等を受けるものではなく、小型又は大型の既設又は新設のボイラー又はファーネス等の各種装置又は機器(排ガス発生源)に好適に適用し得るものである。
【0050】
また、本発明は、燃焼機器の用途による用途的制約を受けるものではなく、脱硝作用を必要とする各種燃焼機器、各種内燃機関又は各種焼却設備等の排ガス処理装置として好適に本発明の構成を採用することができる。例えば、本発明は、以下の用途において所望の如く適応し得る。
(1) ボイラー
既設の小型又は大型ボイラーの排ガス脱硝プロセスとして適用され、脱硝プロセスの下流側に配設されるエコノマイザーや空気予熱器にて更なる排ガスの廃熱回収を実行できる。
(2) 工業炉
ガス又は石油を燃料とする従来の各種工業炉における排ガス脱硝プロセスに適用することができる。
(3) 各種エンジン
コジェネレーション設備の熱源を構成する発電機のエンジン、或いは、車両用エンジン等として使用されるガソリンエンジン又はディーゼルエンジン等の排ガス処理装置として適用することができ、排ガス中の窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)及び/又は煤の濃度を低減することができる。
(4) ゴミ焼却炉
ゴミ焼却炉の排煙処理設備の排煙脱硝装置として適用され、排煙中の窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)及び/又は煤の濃度を低減することができる。
【0051】
更に、蓄熱体を構成する上記ハニカム構造は、流体通路を分割して蜂の巣状に配列した構造のものを広く包含しており、ハニカム構造の形式は、上記第1及び第2熱交換器13、14の形態に限定されるものではなく、種々の形式ないし形態のハニカム構造を採用し得る。かかるハニカム構造の各種形式が図7に例示されており、流路断面の形状は、三角形、円形、正方形、長方形、六角形等の他、円管、板体などを組合せたものなどを含む。なお、図7には、これら種々の形態のハニカム構造におけるハニカムピッチP及びハニカム壁厚bが示されている。このような形態の変更に伴い、上記空隙率ε及びA/Gm等の算定式は、その都度、適当に設定変更し得る。
【0052】
また、上記実施例では、流路を切換えるための流路切換手段として、4方弁4を使用しているが、所謂ケース切換型高速切換システム(CEM)などの他の形式の流路切換手段の構造を採用しても良い。
更に又、上記実施例において、必要に応じて排ガス脱硝システム1を迂回してボイラーBの燃焼排ガスを排気するバイパス流路、例えば、排気ラインL1と排気ラインL2とを連通させる排ガスバイパス路を排ガス脱硝システム1に配設することも可能である。
【0053】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明の上記構成によれば、触媒を備えたアンモニア選択接触還元装置を要することなく、燃焼排ガスを脱硝することができる新規な構成の排ガス脱硝システム及び排ガス脱硝方法を提供することができる。
また、本発明の上記構成によれば、比較的低温且つ低酸素濃度の燃焼排ガスに対して、有効な脱硝作用を発揮し得る排ガス脱硝システム及び排ガス脱硝方法を提供することができる。
更に、本発明は、燃焼炉、焼却炉、反応炉又は内燃機関等の燃焼装置の構造的制約を受けずに、適当に設計/製造/調整し得るとともに、既存の燃焼炉等の燃焼装置に対して付加的に排ガス脱硝設備を配設することができる排ガス脱硝システム及び排ガス脱硝方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る排ガス脱硝システムを備えた排ガス処理設備の装置系全体構成を示す概略フロー図である。
【図2】図1に示す排ガス脱硝システムの全体構成及び燃焼工程を示す概略フロー図であり、4方弁の第1位置における燃焼工程(図2(A))及び4方弁の第2位置における燃焼工程(図2(B))が図示されている。
【図3】図1に示す排ガス脱硝システムの全体構成及び予燃焼工程を示す概略フロー図であり、4方弁の第1位置における予燃焼工程(図3(A))及び4方弁の第2位置における予燃焼工程(図3(B))が図示されている。
【図4】排ガス脱硝システムを構成する第1及び第2バーナー組立体の全体構成及び作動態様を示す概略フロー図であり、4方弁の第1位置における燃焼工程又は予燃焼工程(図4(A))及び4方弁の第2位置における燃焼工程又は予燃焼工程(図4(B))が図示されている。
【図5】第1及び第2バーナー組立体の概略構造を示す概略縦断面図である。
【図6】第1及び第2バーナー組立体を構成する蓄熱体の斜視図(図6(A))及び部分拡大斜視図(図6(B))である。
【図7】蓄熱体のハニカム構造の各種形式を例示する熱交換器の概略部分断面図である。
【図8】本発明の排ガス脱硝システム及び排ガス脱硝方法における排ガス可燃範囲を示す線図である。
【図9】図2及び図3に示す排ガス脱硝システム1の或る特定の作動形態を示す概略フロー図であり、4方弁の第1位置における燃焼工程(図9(A))及び4方弁の第2位置における燃焼工程(図9(B))が図示されている。
【図10】本発明の変形例に係る排ガス脱硝システムを構成する第1及び第2バーナー組立体の全体構成及び作動態様を示す概略フロー図であり、4方弁の第1位置における燃焼工程又は予燃焼工程(図10(A))及び4方弁の第2位置における燃焼工程又は予燃焼工程(図10(B))が図示されている。
【図11】従来構成の排煙脱硝システムを例示する概略フロー図である。
【符号の説明】
A 排ガス処理設備
B ボイラー
1 排ガス脱硝システム
2 排気給送ファン
3 予燃焼空気給送ファン
4 4方弁
6 燃焼排ガス流入制御弁
7 予燃焼空気流入制御弁
10 燃焼炉
20 燃焼領域
11 第1バーナー組立体
12 第2バーナー組立体
13 第1蓄熱体
14 第2蓄熱体
15 第1バーナー
16 第2バーナー
L1、L2、L3、L4、L5 排気ライン
L10 、L11 給気ライン
E1 燃焼排ガス供給ライン
E2 予燃焼空気供給ライン
E4 燃焼排ガス給送ライン
E5 予燃焼空気給送ライン
E3、E6、E7、E8、E9 排気ガスライン

Claims (21)

  1. 燃焼排ガスの窒素酸化物を還元する排ガス脱硝システムにおいて、
    排ガス発生源に連結される排ガス流路と、排ガス流路と連通する燃焼炉と、大気と連通する排気系統に連結され且つ前記燃焼炉にて生成した再燃焼排ガスを前記燃焼炉から導出する再燃焼排ガス流路とを備え、
    前記燃焼炉は、前記排ガス発生源の排ガスを燃焼させる燃焼手段を有し、該燃焼手段は、
    前記排ガスが供給され且つ該排ガスを燃焼させる第1及び第2のバーナーと、第1バーナーに供給される前記排ガスを予熱する第1の蓄熱体と、第2バーナーに供給される前記排ガスを予熱する第2の蓄熱体と、前記第1蓄熱体及び第1バーナーを介して前記排ガスを前記燃焼炉の燃焼領域に給送する第1流路と、前記第2蓄熱体及び第2バーナーを介して前記排ガスを前記燃焼炉の燃焼領域に給送する第2流路と、前記排ガス流路に連結された排ガス流入路と、前記再燃焼排ガス流路に連結された再燃焼排ガス流出路と、前記排ガス及び再燃焼排ガスの流路を選択的に切換制御する流路切換手段とを備え、該流路切換手段は、前記第1流路を前記排ガス流入路に連通させ且つ前記第2流路を前記再燃焼排ガス流出路に連通させる第1位置と、前記第2流路を前記排ガス流入路に連通させ且つ前記第1流路を前記再燃焼排ガス流出路に連通させる第2位置とを有し、所定の時間間隔にて第1位置又は第2位置のいずれか一方に選択的に切換制御され、
    前記燃焼炉の再燃焼排ガスは、前記流路切換手段の第1位置にて前記第1バーナーが燃焼作動する間、前記第2蓄熱体を介装した第2流路を通り、該第2蓄熱体を加熱し、他方、前記流路切換手段の第2位置にて前記第2バーナーが燃焼作動する間、前記第1蓄熱体を介装した第1流路を通り、該第1蓄熱体を加熱することを特徴とする排ガス脱硝システム。
  2. 前記流路切換手段を第1位置又は第2位置に切換えるべき前記時間間隔は、60秒以下の所定時間に設定され、前記再燃焼排ガスの流路は、該時間間隔毎に交互に第1流路又は第2流路に切換えられることを特徴とする請求項1に記載の排ガス脱硝システム。
  3. 前記蓄熱体は、前記排ガスと前記再燃焼排ガスとが交互に通過する多数の流路を備えたハニカム型蓄熱体からなることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の排ガス脱硝システム。
  4. 排ガス発生源の排ガスを前記排ガス流路に圧送する排ガス圧送装置を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の排ガス脱硝システム。
  5. 補助燃焼空気を前記燃焼手段に供給する補助燃焼空気供給装置を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の排ガス脱硝システム。
  6. 前記補助燃焼空気供給装置は、補助燃焼空気圧送手段と、該補助燃焼空気圧送手段に連結された補助燃焼空気供給路とを備え、該補助燃焼空気供給路は、前記排ガス流入路と連通し、
    前記燃焼装置は、前記排ガス流路と前記排ガス流入路との連通を開閉制御する第1開閉弁と、前記補助燃焼空気供給路と前記排ガス流入路との連通を開閉制御する第2開閉弁とを備えることを特徴とする請求項5に記載の排ガス脱硝システム。
  7. 前記ハニカム型蓄熱体はセラミック製ハニカムからなることを特徴とする請求項3に記載の排ガス脱硝システム。
  8. 前記ハニカム型蓄熱体は、多数の流路を構成する所定断面形状のセル孔を備えた格子状のハニカム構造に成形され、該セル孔を画成するセル壁の壁厚及び各セル壁間のピッチは、前記蓄熱体の容積効率の最大値に相応し且つ0.7乃至1.0の温度効率を確保し得る壁厚及びピッチに設定されることを特徴とする請求項3又は7に記載の排ガス脱硝システム。
  9. 予燃焼用空気を導入する予燃焼空気給送装置と、該予燃焼空気給送装置及び前記排ガス流入路を相互連通させる予燃焼空気導入路と、前記排ガス流路に介装された第1開閉制御弁と、前記予燃焼空気導入路に介装された第2開閉制御弁とを備えることを特徴とする請求項1乃至4、7又は8のいずれか1項に記載の排ガス脱硝システム。
  10. 燃焼排ガスの窒素酸化物を還元する排ガス脱硝方法において、
    第1蓄熱体を介して排ガス発生源の排ガスを燃焼炉に導入し、該排ガスを前記第1蓄熱体により予熱するとともに、炭化水素系燃料を該燃焼炉の燃焼領域に供給する第1燃料燃焼手段により該排ガスを燃焼させ、前記燃焼領域にて生成した再燃焼排ガスを該燃焼領域から第2蓄熱体に導出し、該第2蓄熱体を加熱し、前記第2蓄熱体を加熱した結果冷却した再燃焼排ガスを排気系に送出する第1燃焼工程と、
    第2蓄熱体を介して前記排ガス発生源の排ガスを前記燃焼炉に導入し、該排ガスを前記第2蓄熱体により予熱するとともに、炭化水素系燃料を該燃焼炉の燃焼領域に供給する第2燃料燃焼手段により該排ガスを燃焼させ、前記燃焼領域にて生成した再燃焼排ガスを該燃焼領域から第1蓄熱体に導出し、該第1蓄熱体を加熱し、前記第1蓄熱体を加熱した結果冷却した再燃焼排ガスを排気系に送出する第2燃焼工程とを有し、
    前記第1燃焼工程及び前記第2燃焼工程は、所定の時間間隔にて交互に切換制御されることを特徴とする排ガス脱硝方法。
  11. 第1蓄熱体を介して予燃焼用空気を燃焼炉に導入し、該予燃焼用空気を前記第1蓄熱体により予熱するとともに、炭化水素系燃料を該燃焼炉の燃焼領域に供給する第3燃料燃焼手段により該予燃焼用空気を燃焼させ、前記燃焼領域にて生成した燃焼排ガスを該燃焼領域から第2蓄熱体に導出し、該第2蓄熱体を加熱し、前記第2蓄熱体を加熱した結果冷却した燃焼排ガスを排気系に送出する第1予燃焼工程と、
    第2蓄熱体を介して前記予燃焼用空気を前記燃焼炉に導入し、該予燃焼用空気を前記第2蓄熱体により予熱するとともに、炭化水素系燃料を該燃焼炉の燃焼領域に供給する第4燃料燃焼手段により該予燃焼用空気を燃焼させ、前記燃焼領域にて生成した燃焼排ガスを該燃焼領域から第1蓄熱体に導出し、該第1蓄熱体を加熱し、前記第1蓄熱体を加熱した結果冷却した燃焼排ガスを排気系に送出する第2予燃焼工程とを有し、
    前記第1予燃焼工程及び前記第2予燃焼工程は、所定の時間間隔にて交互に切換制御されることを特徴とする請求項10に記載の排ガス脱硝方法。
  12. 前記燃焼工程及び/又は予燃焼工程を切換えるべき前記時間間隔は、60秒以下の所定時間に設定され、前記第1及び第2蓄熱体は、該時間間隔に相応して蓄熱又は放熱を反覆し、前記再燃焼排ガス及び/又は燃焼排ガスを冷却し且つ前記排ガス及び/又は予燃焼用空気を予熱することを特徴とする請求項10又は11に記載の排ガス脱硝方法。
  13. 前記第1予燃焼工程及び前記第2予燃焼工程は、排ガス発生源の排ガス排出運転の開始前に実行されることを特徴とする請求項11又は12に記載の排ガス脱硝方法。
  14. 前記第1予燃焼工程及び前記第2予燃焼工程は、前記蓄熱体が所定温度以下の温度であるときに実行されることを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載の排ガス脱硝方法。
  15. 前記第1及び第2蓄熱体は、炭化水素系燃料の自己着火温度よりも高い温度に前記排ガス及び/又は予燃焼用空気を予熱することを特徴とする請求項10乃至14のいずれか1項に記載の排ガス脱硝方法。
  16. 前記燃焼炉に対する炭化水素系燃料の燃料供給量に相応する燃焼排ガス量の再燃焼排ガス及び/又は燃焼排ガスを前記燃焼領域から前記排気系に直接導出することを特徴とする請求項10乃至15のいずれか1項に記載の排ガス脱硝方法。
  17. 燃焼排ガスの窒素酸化物を還元する排ガス脱硝方法において、
    排ガス発生源の排ガスを炭化水素系燃料の自己着火温度以上の温度に予熱した後、該炭化水素系燃料を前記排ガスに供給し、該排ガスを再燃焼させ、前記窒素酸化物を還元するとともに、前記再燃焼により生成された再燃焼排ガスが保有する顕熱により前記排ガスを前記炭化水素系燃料の自己着火温度以上の温度に予熱することを特徴とする排ガス脱硝方法。
  18. 前記排ガス及び/又は予燃焼用空気を950℃以上の温度に予熱することを特徴とする請求項10乃至17のいずれか1項に記載の排ガス脱硝方法。
  19. 前記排ガス及び/又は予燃焼用空気を1000℃以上の温度に予熱することを特徴とする請求項18に記載の排ガス脱硝方法。
  20. 前記排ガスの残存酸素含有濃度は、2.5乃至10%であることを特徴とする請求項10乃至19のいずれか1項に記載の排ガス脱硝方法。
  21. 前記排ガスの残存酸素含有濃度は、2.5乃至5%であることを特徴とする請求項20に記載の排ガス脱硝方法。
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