JP3775727B2

JP3775727B2 - Inkjet recording paper

Info

Publication number: JP3775727B2
Application number: JP2001005506A
Authority: JP
Inventors: 実土田; 展弘久保田; 滋記浅井; 泉一吉澤; 史一辰橋; 和繁片桐; 清志岩本
Original assignee: Tomoegawa Paper Co Ltd
Current assignee: Tomoegawa Co Ltd
Priority date: 2001-01-12
Filing date: 2001-01-12
Publication date: 2006-05-17
Anticipated expiration: 2021-01-12
Also published as: JP2002211108A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として水性インクを使用するインクジェット記録用紙に係り、特に、耐環境ガス性が高く、優れた保存安定性を有するインクジェット記録用紙に関する。
【０００２】
【従来の技術】
インクジェットプリンタは、記録の鮮明さ、音の静かさ、カラー化の容易さ等の特徴を有するため、近年その普及は益々増大している。このインクジェットプリンタは、インクの乾燥によるジェットノズルのつまりを防止するため乾燥しにくいインクを使用する必要があり、そのために、結着剤、染料、溶媒、添加剤等を水に溶解あるいは分散した水性インクが一般に用いられる。しかしながら、この水性インクを使用して記録媒体上に形成した画像等は、保存環境の影響を受けやすく、画像鮮明性低下、濃度低下、色調変化などの画像劣化の程度は、顔料系インクを用いる印刷物や銀塩写真よりも大きいのが現状である。
【０００３】
また、近年、インクジェットプリンタが安価になり、その鮮鋭性や色彩性が身近なものとなるに従い、画像保存性等に対する要求は次第に高く、厳しくなる一方である。したがって、これら画像の保存環境による記録画像劣化を完全に防止することが、今やインクジェット記録用紙の必須条件となっている。このような保存環境における劣化防止に関しては、湿度に対して、インク受容層に媒染剤などを添加し、また、光に対して、酸化防止剤等を添加するなどの方法が数多く提案されている。
【０００４】
さらに、近年、屋外や屋内の大気中に含まれるオゾン、窒素酸化物、硫黄酸化物、ホルマリン、アンモニア等の生活活動に由来する環境ガスによる記録画像の劣化が問題視されるようになってきた。特に、インクジェット記録画像は、電気機器等から放出されるオゾンガスの影響を強く受け、顕著な画質劣化が生じてしまうため、記録画像の耐オゾン性が特に重要である。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、現在、これらの環境ガスによる画像劣化に対する対応策の検討はほとんどなされておらず、有効な防止策がとられていない。したがって、本発明は、環境ガスによる記録画像の劣化を防止し、優れた画像保存性を有するインクジェット記録用紙を提供することを目的としている。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、記録画像の環境ガスによる劣化を防止すべく鋭意検討した結果、インク受容層中に少なくともシリカと重合度の異なる３種類のシクロアミロース類を含有させることにより、記録画像の環境ガス、特に、最も影響が大きいオゾンガスによる劣化を防止し、優れた画像保存性が得られることを見出した。
【０００７】
シクロアミロース類をインク受容層中に含有させたインクジェット記録用紙は、これまでにいくつか報告されているが、これらは、環境ガスによる記録画像の劣化防止を目的とするものではなく、２種類以上のシクロアミロースを用いることにより優れた耐環境ガス性を獲得する本発明とは異なるものである。具体的には、特開平１１−２８６１７２号において、耐光性の向上を目的として、主体顔料のアルミナゾルとゲル化剤に加え、シクロアミロースを必須の構成要素とした記録シートが開示されている。ところが、この記録シートでは、ゲル化剤がインク受容層のインク吸収性を極端に低下させ、記録画像の品質を著しく劣化させる要因となっており、また、アルミナゾルはシリカと比較して、環境ガスによる記録画像の保存安定性を劣化させる傾向が強いため、要求される記録画像の品質と保存安定性の両者を満足することが困難であった。
【０００８】
また、特開平１１−２６３０６５号において、インク受容層の濡れ特性を改善する目的で、シクロアミロースと界面活性剤類を併用するインクジェット記録用シートが提案されている。しかしながら、この記録用シートの構成では、シクロアミロースがバインダに作用して消費されてしまい、また、界面活性剤の併用がシクロアミロースの環境ガスに対する効果を低減させる傾向があるのに加えて、製造過程で、著しい発泡などの現象を引き起こし、生産効率の低下を招く恐れがある。さらに、界面活性剤は、記録画像の耐光性を劣化させるなどの問題点があり、良好な記録画像の保存安定性を得ることが困難であった。
【０００９】
よって、本発明のインクジェット記録用紙は、支持体の少なくとも片面に、インク受容層を設けたインクジェット記録用紙において、該インク受容層に、少なくともシリカと、シクロヘキサアミロースもしくはその誘導体、シクロヘプタアミロースもしくはその誘導体、およびシクロオクタアミロースもしくはその誘導体の３種類を混合したシクロアミロース類とを含有することを特徴としている。
【００１１】
【発明の実施の形態】
本発明のインクジェット記録用紙は、支持体の少なくとも片面に、インク受容層を塗布法などの積層手段により、少なくとも１層設けてなる層構成であり、そのインク受容層は、支持体の片面あるいは表裏両面にあってもよく、２層あるいは３層以上あってもよい。また、さらに、インク受容層の上に、適度な光沢度に調整した光沢度調整層を設けてもよい。以下、支持体およびインク受容層、光沢度調整層を構成する材料、塗工方法等を説明する。
【００１２】
本発明に用いられる支持体としては、ＬＢＫＰ、ＮＢＫＰ等の化学パルプ、ＧＰ、ＰＧＷ、ＲＭＰ、ＴＭＰ、ＣＴＭＰ、ＣＭＰ、ＣＧＰ等の機械パルプ、ＤＩＰ等の古紙パルプなどの木材パルプや、ポリエチレン繊維などの合成繊維パルプを主成分として、顔料およびサイズ剤、定着剤、歩留まり向上剤、紙力増強剤等の通常抄紙に使用されている各種添加剤を１種類以上必要に応じて用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤ抄紙機等の各種装置で製造された原紙、さらに、この原紙に澱粉、ポリビニルアルコール、カゼイン、ゼラチン等をサイズプレスした原紙やアンカーコート層を設けた原紙、写真印画紙に使用されるようなバライタコートしたようなコート紙、キャストコート紙等の塗工紙を用いることができる。また、上記の原紙や塗工紙上に、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂を押し出しコーティング法等で被覆した樹脂被覆紙を用いることもできる。
【００１３】
このような原紙および塗工紙にそのままインク受容層を設けてもよいし、さらに、この支持体を使用して作製した記録用媒体をより印画紙の風合いに仕上げるために、インク受容層塗工前段階で、マシンカレンダー、ＴＧカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置を用いて、支持体の平滑性、インク受容層の塗工性を向上させたものを使用することも可能である。
【００１４】
一般的なインクジェット記録用紙に用いられる顔料としては、染料を吸着担持させる特性を有する、アルミナ、シリカ、炭酸カルシウムなどが挙げられ、これらの中でも特にアルミナとシリカは、インク吸収性、記録画像の発色の鮮明さおよび画像濃度等が優れており、幅広く使用されている。しかしながら、本発明においては、主体顔料としてシリカを用い、２種類以上のシクロアミロース類と組み合わせることが必須の条件であり、これにより、保存性の中で最も重要な耐光性と耐環境ガス性の両者を満足することができる。これに対して、アルミナでは、印字画像の保存性、特に、耐光性に劣るため、主体顔料としてアルミナを用いシクロアミロース類と組み合わせてインク受容層に用いても、満足する耐光性を得ることができない。
【００１５】
本発明のインク受容層に主体顔料として用いられるシリカとしては、ゲルタイプシリカ、沈降タイプシリカ、気相法シリカ、コロイダルシリカ等のシリカおよびこれらシリカ顔料の表面を表面改質剤で修飾した表面処理シリカを単独あるいは２種類以上を組み合わせて用いることができる。なお、耐光性を悪化させる傾向のある表面処理シリカ、例えばアルミナ成分で修飾したシリカ等を用いる場合には、耐光性の程度を勘案してシリカ表面の修飾量を決める必要がある。
【００１６】
本発明に用いるシクロアミロース類としては、Ｄ−グルコースがα１→４結合で環状結合を形成したもので、例えばＤ−グルコースが６分子結合した重合度６のシクロヘキサアミロース、７分子結合した重合度７のシクロヘプタアミロース、８分子結合した重合度８のシクロオクタアミロースなどが挙げられる。また、Ｄ−グルコースが９分子以上結合したシクロアミロース類も区別無く用いることができる。さらに、シクロアミロースの誘導体としては、上記のシクロアミロースにヒドロキシプロピル基などの水酸基置換アルキル基、メチル基などの（置換）アルキル基が置換した誘導体や、アロース、グルコース、グロース、ガラクトース等の単糖類、ラクトース、スクロース等の二糖類あるいは単糖が３個以上グリコシド結合でつながったオリゴ糖類、グルコン酸等の酸化された糖、グルコサミン等のアミノ糖、シアル酸等のカルボキシル基とアミノ基の両方を有する糖、デオキシリボース等のデオキシ糖等を結合させた誘導体、シクロアミロース類にオキシラン基、エチレンイミン基、ビニル重合性のビニル基を結合させ、これらを重合あるいは他のモノマーと共重合させたシクロアミロースポリマー類を用いることができる。
【００１７】
本発明に対するシクロアミロース類の効果は、シクロアミロース類の環状構造の中空部分に、インク中の染料の一部あるいは全部が包接されることに起因すると推測される。シクロアミロース類の相互作用に関しては、包接された化合物が、乳化、可溶化、安定化、酸化防止などの作用を受けるために、食品や医薬品の分野で幅広く利用されている。
【００１８】
本発明では、重合度の異なる、つまり、シクロアミロース類の環状構造の中空部分の大きさが異なる３種類のシクロアミロース類を混合して用いることで、記録画像を構成する種々の染料分子をバランス良く保護し、環境ガスによる画像劣化を防止することを可能としている。
【００１９】
シクロアミロース類を３種類使用した場合に耐環境ガス性が改善される理由は定かではないが、次のように考えられる。すなわち、インクジェット記録用紙にシクロアミロース類を用いた場合、印刷時に、インク中の染料分子がインク受容層に達すると、染料分子がシクロアミロース類の相互作用を受け、環境ガスによる化学変化から保護されると考えられる。しかしながら、画像を形成するシアン、マゼンタ、イエローの各々の染料分子の官能基の種類や立体的構造等は染料毎にそれぞれ異なるので、単一重合度のシクロアミロース類では、これら染料分子の種類全てをバランスよく環境ガスから保護することが困難なためではないかと推定される。
【００２０】
一般に、インクの銘柄毎に染料の種類や配合割合が異なるため、本発明に用いるシクロヘキサアミロースもしくはその誘導体、シクロヘプタアミロースもしくはその誘導体、およびシクロオクタアミロースもしくはその誘導体の３種類のシクロアミロース類の種類と使用量および混合割合は、記録に使用されるインクの染料分子の種類を考慮して決めることが好ましい。これらのシクロアミロース類を組み合わせて用いることで、インクの種類に関係なく比較的汎用性のある記録画像の環境ガスに対する保存安定性を確保することができる。また、本発明における好適なシクロアミロース類の使用量は、インク受容層に用いるシクロアミロース類に影響を与えるバインダや添加剤等を考慮しなければならないが、０．１重量％以上、好ましくは、０．３重量％以上がよい。
【００２１】
さらに、インク受容層中に界面活性剤を含有する場合には、界面活性剤の疎水性部分がシクロアミロース類に包接され、本発明の目的とするシクロアミロースの効果が失われるため、界面活性剤などの疎水性部分を有する比較的低分子量の添加剤は使用しない方が好ましい。このような添加剤を使用する場合には、シクロアミロース類の使用量を、その効果が十分に発現するように増量させる必要があり、添加剤の種類と添加量により、シクロアミロース類の使用量を決める必要がある。また、インク受容層中に用いるバインダの疎水性部分にもシクロアミロース類が包接するので、上記添加剤と同等の配慮が必要である。
【００２２】
本発明に用いるバインダとしては、塗工紙の分野で用いられる水溶性の高分子類を特に区別無く使用することができるが、特に、ポリビニルアルコール、酸変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビルアルコール等のポリビニルアルコール類、澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カチオン化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース等のセルロース類、酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリ（メタ）アクリル酸およびポリ（メタ）アクリル酸−２−ヒドロキシエチルなどの水溶性ポリアクリル酸樹脂、無水マレイン酸樹脂、ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白等を単独あるいは２種類以上組み合わせて用いることが好ましい。
【００２３】
また、塗工紙の分野で用いられる高分子のエマルジョン、ラテックス、サスペンジョンなどのバインダーを区別無く用いることができるが、特に、スチレン−ブタジエン共重合体、（メタ）アクリル酸エステル−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、酢酸ビニルの重合体または酢酸ビニルとカルボキシル基、アミノ基、水酸基等の官能基を有するビニル重合性単量体との共重合体等の酢酸ビニル系重合体エマルジョン、（メタ）アクリル酸エステルの重合体またはこれらとカルボキシル基、アミノ基、水酸基等の官能基を有するビニル重合性単量体との共重合体等のアクリル系重合体エマルジョン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体等のポリオレフィン系重合体エマルジョン等を単独あるいは２種類以上組み合わせて用いることが好ましい。
【００２４】
染料定着剤としては、アミノ基や置換アミノ基を有するポリアミン樹脂、４級アンモニウム基を有するカチオン性樹脂を用いることができる。また、その他の添加剤として、インク受容層中に、紫外線吸収剤、酸化防止剤、水溶性金属塩、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、防腐剤、防かび剤、抗菌剤、耐水化剤、硬膜剤等を必要に応じて使用することができる。
【００２５】
本発明においてインク受容層を形成させる塗工液の塗工方法としては、一般に用いられているブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、ブラッシュコーター、カーテンコーター、バーコーター、グラビアコーター、ダイコーター、スプレー装置などを用いることができる。
【００２６】
インク受容層を形成する塗工液の塗布量は、乾燥固形分換算で、０．５〜５０ｇ／ｍ^２の範囲であることがインク吸収性の点で好ましい。さらに、５ｇ／ｍ^２以上であれば、インク吸収速度が十分確保できるため特に好ましく、４０ｇ／ｍ^２以下であれば、インク受容層表面の粉落ちなどの接着強度の低下がないので特に好ましい。
【００２７】
また、必要に応じて、インク受容層の上部、つまり、最表面に光沢度調整層を設けてもよい。この光沢度調整層は、６０度鏡面光沢度試験方法により、光沢度が１０以上であることが好ましく、光沢度調整層を形成させる方法としては、塗工紙の分野で一般に用いられる鏡面ドラムキャスト法等の方法を用いることができる。
【００２８】
【実施例】
本発明に基づく実施例および比較例を示し、本発明の効果を明らかにする。
各実施例および比較例は、表1に記載の材料を水に溶解、分散して調製した塗工液を、エアーナイフコーターを用いて坪量約９０ｇ／ｍ^２の上質紙の表面に塗工、乾燥し、塗布量１０ｇ／ｍ^２のインク受容層を形成した。
【００２９】
【表１】

【００３０】
各実施例および比較例で得られたインクジェット記録用紙は、市販のインクジェットプリンタ（商品名：ＰＭ８００Ｃ、セイコーエプソン社製）を使用して、標準画像やカラーパッチなどの評価用画像を印刷したところ、いずれも良好な画質を有する印字画像が得られた。これらの画像を用いて、以下に示すような方法で画像保存性の評価を行い、その結果を表１に示した。
【００３１】
＜耐オゾン性＞
各評価用画像に関して、オゾンウエザーメーター（商品名：ＯＭＳ−ＨＶＣＲ、スガ試験機社製）を使用し、温度２５℃、相対湿度５０％、オゾン濃度２０ｐｐｍで１時間、暴露試験を行った。その後、分光高度計（商品名：ＧＲＥＴＡＧＳＰＭ５０、グレタグマクベス社製）を用いて、評価用画像におけるシアンの反射濃度を測定し、下記の基準で耐オゾン性を評価した。
○：暴露後の濃度が暴露前の濃度の７０％以上であり、実用上問題の無い場合。
×：暴露後の濃度が暴露前の濃度の７０％未満であり、実用に適さない場合。
【００３２】
＜耐光性＞
各評価用画像に関して、キセノンウエザーメーター（商品名：Ｃｉ−５０００、ＡＴＬＡＳ社製）を使用し、ブラックパネル温度６３℃、相対湿度５０％、３４０ｎｍ紫外線強度０．３５Ｗ／ｍ^２で３０ｋＪ／ｍ^２の暴露試験を行った。その後、分光高度計（商品名：ＧＲＥＴＡＧＳＰＭ５０、グレタグマクベス社製）を用いて、評価用画像におけるマゼンタの反射濃度を測定し、下記の基準で耐光性を評価した。
○：暴露後の濃度が暴露前の濃度の８０％以上であり、実用上問題の無い場合。
×：暴露後の濃度が暴露前の濃度の８０％未満であり、実用に適さない場合。
【００３３】
表１の結果から、シリカと、シクロヘキサアミロース、シクロヘプタアミロース、およびシクロオクタアミロースを用いた実施例１〜２では、耐オゾン性と耐光性の両方に優れたインクジェット記録用紙が得られた。これに対し、シリカに代えてアルミナを用いた比較例１は、耐オゾン性に優れるものの耐光性に劣るため、インクジェット記録用紙としては実用に適さないものであった。また、シクロアミロース類を全く含まない比較例２や単一の重合度のシクロアミロース類を１種類のみ用いた比較例３〜５では、耐光性は実用上問題ないものの、耐オゾン性が実用に適さないほど劣悪であった。
【００３４】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、支持体の少なくとも片面にインク受容層を設けたインクジェット記録用紙において、該インク受容層に、少なくともシリカと、シクロヘキサアミロースもしくはその誘導体、シクロヘプタアミロースもしくはその誘導体、およびシクロオクタアミロースもしくはその誘導体の３種類を混合したシクロアミロース類とを含有することにより、印字画像の耐光性を低下させること無くオゾン等の環境ガスに対する保存性を大幅に向上させ、長期保存性に優れたインクジェット記録用紙を提供することができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an ink jet recording paper mainly using water-based ink, and more particularly to an ink jet recording paper having high environmental gas resistance and excellent storage stability.
[0002]
[Prior art]
Inkjet printers have features such as clearness of recording, quietness of sound, and ease of colorization. This ink jet printer needs to use an ink that is difficult to dry in order to prevent clogging of the jet nozzle due to drying of the ink. For this purpose, an aqueous solution in which a binder, a dye, a solvent, an additive, etc. are dissolved or dispersed in water. Ink is generally used. However, an image or the like formed on a recording medium using this water-based ink is easily affected by the storage environment, and pigment-based ink is used for the degree of image deterioration such as image sharpness reduction, density reduction, and color tone change. It is currently larger than printed materials and silver halide photographs.
[0003]
In recent years, as ink jet printers become cheaper and their sharpness and color become familiar, demands for image storability and the like are gradually increasing and becoming stricter. Therefore, it is now an indispensable condition for ink jet recording paper to completely prevent the deterioration of the recorded image due to the storage environment of these images. For preventing deterioration in such a storage environment, many methods have been proposed, such as adding a mordant to the ink-receiving layer with respect to humidity and adding an antioxidant or the like with respect to light.
[0004]
Furthermore, in recent years, degradation of recorded images due to environmental gases derived from daily activities such as ozone, nitrogen oxides, sulfur oxides, formalin, and ammonia contained in the atmosphere of outdoors and indoors has become a problem. . In particular, since the inkjet recording image is strongly affected by ozone gas emitted from an electric device or the like and noticeable image quality degradation occurs, the ozone resistance of the recording image is particularly important.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, at present, there have been little studies on countermeasures against image degradation caused by these environmental gases, and no effective preventive measures have been taken. Accordingly, an object of the present invention is to provide an inkjet recording paper that prevents deterioration of a recorded image due to an environmental gas and has excellent image storability.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to prevent deterioration of the recorded image due to environmental gas, the present inventors have found that the ink receiving layer contains at least three types of cycloamylose having a polymerization degree different from that of silica, thereby enabling the environment of the recorded image to be reduced. It has been found that deterioration due to gas, particularly ozone gas, which has the greatest influence, can be prevented and excellent image storability can be obtained.
[0007]
Several ink-jet recording papers containing cycloamylose in the ink-receiving layer have been reported so far, but these are not intended to prevent the deterioration of the recorded image due to environmental gases. This is different from the present invention in which excellent environmental gas resistance is obtained by using cycloamylose. Specifically, JP-A-11-286172 discloses a recording sheet containing cycloamylose as an essential component in addition to an alumina sol and a gelling agent as main pigments for the purpose of improving light resistance. However, in this recording sheet, the gelling agent drastically reduces the ink absorbability of the ink receiving layer and is a factor that significantly deteriorates the quality of the recorded image. In addition, alumina sol is an environmental gas compared to silica. Therefore, it is difficult to satisfy both the required quality of the recorded image and the storage stability.
[0008]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-263065 proposes an ink jet recording sheet using cycloamylose and a surfactant in combination for the purpose of improving the wettability of the ink receiving layer. However, in this recording sheet configuration, cycloamylose acts on the binder and is consumed, and in addition to the fact that the combined use of surfactants tends to reduce the effect of cycloamylose on environmental gases, it is manufactured. In the process, a phenomenon such as remarkable foaming may be caused and the production efficiency may be lowered. Furthermore, the surfactant has problems such as deterioration of light resistance of the recorded image, and it has been difficult to obtain good storage stability of the recorded image.
[0009]
Therefore, the ink jet recording paper of the present invention is an ink jet recording paper in which an ink receiving layer is provided on at least one side of a support, and at least silica, cyclohexaamylose or a derivative thereof, cycloheptaamylose or a head thereof in the ink receiving layer. It is characterized by containing a derivative, and cycloamylose mixed with three kinds of cyclooctaamylose or a derivative thereof.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The ink jet recording paper of the present invention has a layer structure in which at least one layer of an ink receiving layer is provided on at least one side of a support by a laminating means such as a coating method, and the ink receiving layer is formed on one side or both sides of the support. It may be on both sides, or it may be two or more layers. Further, a glossiness adjusting layer adjusted to an appropriate glossiness may be provided on the ink receiving layer. Hereinafter, the materials constituting the support, the ink receiving layer, and the glossiness adjusting layer, the coating method, and the like will be described.
[0012]
Examples of the support used in the present invention include chemical pulps such as LBKP and NBKP, mechanical pulps such as GP, PGW, RMP, TMP, CTMP, CMP, and CGP, wood pulp such as waste paper pulp such as DIP, and polyethylene fibers. The synthetic fiber pulp of the above, the pigment and sizing agent, the fixing agent, the yield improver, the paper strength enhancer and other various additives that are usually used in papermaking are mixed as necessary, Base paper produced by various devices such as long paper machine, circular paper machine, twin wire paper machine, etc. In addition, this paper was provided with base paper and anchor coat layer that were size-pressed with starch, polyvinyl alcohol, casein, gelatin, etc. Coated paper such as baryta-coated coated paper and cast-coated paper used for base paper and photographic paper can be used. Moreover, the resin-coated paper which coat | covered polyolefin resin, such as polyethylene resin and polypropylene resin, by the extrusion coating method etc. can also be used on said base paper or coated paper.
[0013]
Such a base paper and coated paper may be provided with an ink receptive layer as they are, and further, an ink receptive layer coating may be used to make a recording medium produced using this support more like a photographic paper. In the previous stage, it is also possible to use a calendar device such as a machine calendar, a TG calendar, or a soft calendar that has improved the smoothness of the support and the coating property of the ink receiving layer.
[0014]
Examples of pigments used in general ink jet recording paper include alumina, silica, calcium carbonate, etc., which have the property of adsorbing and supporting dyes. Among these, alumina and silica are particularly ink-absorbing and coloring of recorded images. Is excellent in sharpness and image density, and is widely used. However, in the present invention, silica is used as a main pigment, and it is an essential condition to combine with two or more kinds of cycloamyloses, and thus, the most important light resistance and environmental gas resistance among the storage stability. Both can be satisfied. In contrast, alumina is inferior in storability of printed images, in particular, light resistance, so that satisfactory light resistance can be obtained even when alumina is used as a main pigment and combined with cycloamylose in an ink receiving layer. Can not.
[0015]
Examples of the silica used as the main pigment in the ink receiving layer of the present invention include silica such as gel type silica, precipitated type silica, gas phase method silica and colloidal silica, and surface treatment in which the surface of these silica pigments is modified with a surface modifier. Silica can be used alone or in combination of two or more. When surface-treated silica that tends to deteriorate light resistance, such as silica modified with an alumina component, is used, it is necessary to determine the modification amount of the silica surface in consideration of the degree of light resistance.
[0016]
The cycloamyloses used in the present invention are those in which D-glucose forms a cyclic bond with α1 → 4 bonds. For example, cyclohexaamylose having a polymerization degree of 6 in which 6 molecules of D-glucose are bonded, and a polymerization degree in which 7 molecules are bonded. 7 cycloheptaamylose, and cyclooctaamylose having a polymerization degree of 8 with 8 molecules bonded. Further, cycloamyloses to which 9 or more molecules of D-glucose are bonded can also be used without distinction. Furthermore, examples of the derivatives of cycloamylose include derivatives in which the above-mentioned cycloamylose is substituted with a hydroxyl-substituted alkyl group such as a hydroxypropyl group or a (substituted) alkyl group such as a methyl group, or monosaccharides such as allose, glucose, growth, and galactose. Oligosaccharides, disaccharides such as lactose and sucrose or monosaccharides linked by 3 or more glycosidic bonds, oxidized sugars such as gluconic acid, amino sugars such as glucosamine, and both carboxyl and amino groups such as sialic acid Cycloamides that are bonded with oxirane groups, ethyleneimine groups or vinyl polymerizable vinyl groups to cycloamyloses, which are bonded with deoxy sugars such as sugars, deoxyribose, etc., and polymerized or copolymerized with other monomers. Amylose polymers can be used.
[0017]
The effect of cycloamylose on the present invention is presumed to be due to the inclusion of part or all of the dye in the ink in the hollow portion of the cyclic structure of cycloamylose. Regarding the interaction of cycloamyloses, the inclusion compound is widely used in the fields of food and medicine because it has effects such as emulsification, solubilization, stabilization, and antioxidant.
[0018]
In the present invention, three types of cycloamylose having different degrees of polymerization, that is, different sizes of the hollow portion of the cyclic structure of cycloamylose are mixed and used to balance various dye molecules constituting a recorded image. It protects well and makes it possible to prevent image degradation due to environmental gas.
[0019]
The reason why the environmental gas resistance is improved when three types of cycloamyloses are used is not clear, but is considered as follows. That is, when cycloamyloses are used in inkjet recording paper, when dye molecules in the ink reach the ink receiving layer during printing, the dye molecules are subjected to the interaction of cycloamyloses and are protected from chemical changes caused by environmental gases. It is thought. However, since the types of functional groups and steric structures of the dye molecules of cyan, magenta, and yellow that form an image are different for each dye, all types of these dye molecules are used in cycloamyloses having a single polymerization degree. It is estimated that this is because it is difficult to protect from environmental gas in a well-balanced manner.
[0020]
In general, since the kind and mixing ratio of the dye are different for each ink stock, cyclohexanol amylose or derivatives thereof used in the present invention, cycloheptanone amylose or a derivative thereof, and cyclooctadiene amylose or three cycloamyloses such derivatives The type, amount used, and mixing ratio are preferably determined in consideration of the type of dye molecules of the ink used for recording. By using these cycloamyloses in combination, it is possible to ensure the storage stability of the recorded image with respect to the environmental gas, which is relatively versatile regardless of the type of ink. In addition, the preferred amount of cycloamylose used in the present invention should consider binders and additives that affect the cycloamylose used in the ink-receiving layer, but is 0.1% by weight or more, preferably 0.3 weight% or more is good.
[0021]
Further, when a surfactant is contained in the ink receiving layer, the hydrophobic portion of the surfactant is included in the cycloamylose, and the effect of the cycloamylose targeted by the present invention is lost. It is preferable not to use a relatively low molecular weight additive having a hydrophobic moiety such as an agent. When such additives are used, it is necessary to increase the amount of cycloamylose used so that the effect is fully expressed. The amount of cycloamylose used depends on the type and amount of additive. It is necessary to decide. In addition, since cycloamyloses are also included in the hydrophobic portion of the binder used in the ink receiving layer, the same consideration as in the above additive is necessary.
[0022]
As the binder used in the present invention, water-soluble polymers used in the field of coated paper can be used without particular distinction, and in particular, polyvinyl alcohol, acid-modified polyvinyl alcohol, silanol-modified polyvinyl alcohol, etc. Polyvinyl alcohols, starches, oxidized starches, etherified starches, starches such as cationized starches, celluloses such as carboxymethylcellulose, vinyl acetate, polyvinylpyrrolidone, polyacrylamide, poly (meth) acrylic acid and poly (meth) acrylic acid It is preferable to use water-soluble polyacrylic acid resin such as 2-hydroxyethyl, maleic anhydride resin, gelatin, casein, soybean protein, etc. alone or in combination of two or more.
[0023]
In addition, binders such as polymer emulsions, latexes, and suspensions used in the field of coated paper can be used without distinction, and in particular, styrene-butadiene copolymers and (meth) acrylic acid ester-butadiene copolymers. Conjugated diene copolymer latex such as vinyl acetate polymer or vinyl acetate polymer such as vinyl acetate or vinyl polymerizable monomer having functional group such as carboxyl group, amino group and hydroxyl group Acrylic polymer emulsions such as emulsions, (meth) acrylic acid ester polymers or copolymers of these with vinyl polymerizable monomers having functional groups such as carboxyl groups, amino groups and hydroxyl groups, ethylene vinyl acetate copolymers Polymers and polyolefin polymer emulsions such as ethylene vinyl alcohol copolymer are used alone. There is preferably used in combination of two or more.
[0024]
As the dye fixing agent, a polyamine resin having an amino group or a substituted amino group, or a cationic resin having a quaternary ammonium group can be used. In addition, as other additives, in the ink receiving layer, ultraviolet absorbers, antioxidants, water-soluble metal salts, pigment dispersants, thickeners, fluidity improvers, antifoaming agents, antifoaming agents, release agents An agent, a foaming agent, a penetrating agent, a coloring dye, a coloring pigment, a fluorescent brightening agent, an antiseptic, a fungicide, an antibacterial agent, a water-resistant agent, a hardener, and the like can be used as necessary.
[0025]
In the present invention, as a coating method of a coating liquid for forming an ink receiving layer, commonly used blade coaters, air knife coaters, roll coaters, brush coaters, curtain coaters, bar coaters, gravure coaters, die coaters, sprays A device or the like can be used.
[0026]
The coating amount of the coating liquid for forming the ink receiving layer is preferably in the range of 0.5 to 50 g / m ^{2 in} terms of dry solid content from the viewpoint of ink absorbability. Further, if it is 5 g / m ² or more, it is particularly preferable because the ink absorption rate can be sufficiently secured, and if it is 40 g / m ² or less, it is particularly preferable because there is no decrease in adhesive strength such as powder falling on the surface of the ink receiving layer.
[0027]
If necessary, a glossiness adjusting layer may be provided on the top of the ink receiving layer, that is, on the outermost surface. The glossiness adjusting layer preferably has a glossiness of 10 or more according to a 60 ° specular glossiness test method. As a method for forming the glossiness adjusting layer, a mirror drum cast generally used in the field of coated paper is used. A method such as a method can be used.
[0028]
【Example】
Examples and comparative examples based on the present invention will be shown to clarify the effects of the present invention.
In each example and comparative example, a coating solution prepared by dissolving and dispersing the materials shown in Table 1 in water was applied to the surface of a high-quality paper having a basis weight of about 90 g / m ² using an air knife coater. Then, an ink receiving layer having a coating amount of 10 g / m ² was formed.
[0029]
[Table 1]

[0030]
The ink jet recording paper obtained in each example and comparative example was printed using a commercially available ink jet printer (trade name: PM800C, manufactured by Seiko Epson Corporation) and an evaluation image such as a standard image or a color patch. In both cases, a printed image having good image quality was obtained. Using these images, the image preservability was evaluated by the following method, and the results are shown in Table 1.
[0031]
<Ozone resistance>
For each image for evaluation, an ozone weather meter (trade name: OMS-HVCR, manufactured by Suga Test Instruments Co., Ltd.) was used, and an exposure test was performed for 1 hour at a temperature of 25 ° C., a relative humidity of 50%, and an ozone concentration of 20 ppm. Thereafter, using a spectrophotometer (trade name: GRETAGSPM50, manufactured by Gretag Macbeth), the reflection density of cyan in the evaluation image was measured, and ozone resistance was evaluated according to the following criteria.
○: The concentration after exposure is 70% or more of the concentration before exposure, and there is no practical problem.
×: When the concentration after exposure is less than 70% of the concentration before exposure, which is not suitable for practical use.
[0032]
<Light resistance>
For each image for evaluation, a xenon weather meter (trade name: Ci-5000, manufactured by ATLAS) was used, and the black panel temperature was 63 ° C., the relative humidity was 50%, the 340 nm ultraviolet intensity was 0.35 W / m ² , and 30 kJ / m ^2. An exposure test was conducted. Thereafter, using a spectrophotometer (trade name: GRETAG SPM50, manufactured by Gretag Macbeth), the reflection density of magenta in the evaluation image was measured, and the light resistance was evaluated according to the following criteria.
○: The concentration after exposure is 80% or more of the concentration before exposure, and there is no practical problem.
×: When the concentration after exposure is less than 80% of the concentration before exposure and is not suitable for practical use.
[0033]
From the results shown in Table 1, in Examples 1 and 2 using silica and cyclohexaamylose, cycloheptaamylose, and cyclooctaamylose , ink jet recording papers excellent in both ozone resistance and light resistance were obtained. On the other hand, Comparative Example 1 using alumina instead of silica was excellent in ozone resistance but inferior in light resistance, and thus was not suitable for practical use as an inkjet recording paper. In Comparative Example 2 containing no cycloamylose and Comparative Examples 3 to 5 using only one kind of cycloamylose having a single polymerization degree, although the light resistance is not a problem in practice, ozone resistance is practically used. It was so bad that it was not suitable.
[0034]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, in the ink jet recording paper provided with the ink receiving layer on at least one side of the support, at least silica, cyclohexaamylose or a derivative thereof, cycloheptaamylose or By containing the derivative, and cycloamylose mixed with three kinds of cyclooctaamylose or its derivative, the storage stability against environmental gases such as ozone is greatly improved without reducing the light resistance of the printed image. An ink jet recording sheet excellent in long-term storage can be provided.

Claims

In an inkjet recording paper provided with an ink receiving layer on at least one side of a support, at least silica, cyclohexaamylose or a derivative thereof, cycloheptaamylose or a derivative thereof, and cyclooctaamylose or a derivative thereof are formed on the ink receiving layer. An ink jet recording sheet comprising cycloamylose mixed with three types .