JP3775303B2 - 音響改善椅子及びそれを用いたホールの音響システム - Google Patents

音響改善椅子及びそれを用いたホールの音響システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、劇場やコンサートホール、多目的ホール等(この明細書ではこれらを総称して「ホール」と称する)の室内空間の音響特性を改善するための音響改善椅子、及びそれを用いたホールの音響システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
各種ホールの音の良さを決定づけるのは、音源からの直接音とそれに続く残響音の長短や強弱、すなわち音の響きによる。
特に、多くの楽器による各パートの演奏音が重なって奏でられるオーケストラサウンドの場合、微妙な残響特性の違いが聴衆には大きな響きの違いとなって現れる。そのため、各地で音のよいホールが建設されている。
ところが、そうした立派なホールで、入念なリハーサルによって完璧な音合わせをしたにもかかわらず、本番の公演では響きが変わり、ハーモニーが乱れるという問題が生じていた。
これは、ホールの響きを左右する客席での吸音力の違いによる。それは、観客自身が大きな吸音力を持っているため、数多くの観客が椅子に着席しているか否かで、ホールの残響時間が大幅に変化してしまうためである。つまり、ホールの残響時間は、空席時と満席時とでは大幅に変ってしまうのである。
【0003】
そこで、客席の椅子に工夫をして、例えば特開平8−191732号公報に見られるように、回動式の座部がほぼ水平状態になる着席時には吸音材を遮蔽して吸音力を低下させ、ほぼ垂直状態になる空席時には吸音材を露出させて吸音力が増加するようにした座席を使用することが提案されている。
ホールの客席にこのような椅子を使用すれば、空席時でも着席時に近似した吸音力を保持し、ホールの残響時間に与える影響を抑制することができる。
しかし、このような椅子は、座部に設けた吸音材を座部の回動に連動して露出させたり遮蔽したりするため、その機構を設けるためのスペースが必要になり、椅子の特に座部の外形を大きくせざるを得ない。そのため、限られたスペースになるべく多くの座席を設置する必要があるホール用の椅子には不向きであった。また、ホール内の位置によってその残響特性を制御することもできなかった。
【0004】
そこで、電気音響的手段を用いてホール内の残響特性を制御することも提案されている。電気音響システムによる音響制御は、建築上の制約にとらわれず、広範囲に音響条件を可変できるだけでなく、その制御性、操作性、および経済性等の面でも優れている。
その電気音響システムとしては、例えば特許第2646210号公報に見られるようなものがある。これを図13によって簡単に説明すると、ホール100内にマイクロホン101とスピーカ102とが配設されている。そのマイクロホン101で収音した信号をヘッドアンプ(プリアンプ)103によって増幅し、FIR(Finite Impulse Response:非巡回型)フィルタ104によって有限長のインパルス応答を畳み込んで1つの入力音に対して複数の反射音信号を形成する。その反射音信号をパワーアンプ105で増幅してスピーカ102に供給し、発音させる。スピーカ102から発せられた音は、再びマイクロホン101で拾われて、フィードバックループを形成する。
【0005】
FIRフィルタ104には、例えば図14に示すようなインパルス応答a1,a2,……,anが記憶されている。これを用いて入力信号に対して畳み込み演算を実行する。すなわち、各インパルス応答a1,a2,……,anの遅れ時間分遅延した入力信号に対して各インパルス応答のゲインr1,r2,……,rnに対応した係数を掛け算し、それらを加算して出力する。
FIRフィルタ104に記憶されたインパルス応答a1,a2,……,anはその時間軸が全体的に拡大可能になっており、その拡大した状態の一例を図15に示す。このように時間軸を拡大することにより、フィードバックループの遅延時間が延長される。
このFIRフィルタ104の総合のゲインは、各インパルス応答の個々のゲインの総和であるから時間に無関係になる。
したがって、インパルス応答の時間軸を拡大しても、ループゲインには影響を与えないので、ハウリングを引き起こすことなく、残響時間を大幅に延長することが可能になる。また、複数のインパルス応答を用いるので、反射音密度が高くなり、インパルス応答の時間軸を大幅に拡大しても、反射音分離による残響感の不自然さが生じない。
【0006】
また、特開平6−284493号公報にもこれと同様な音場制御装置が開示されている。それはさらに、ホール等の音場内に配置した複数列のマイクロホンとスピーカとの間の電気帰還信号路(フィードバック系)において、各スピーカに対する各マイクロホンによる収音信号の供給先を刻々と切り換え、あるいはその供給配分を刻々と変化させることによって、聴感上の違和感を生じることなく、カラレーションの低減とハウリングマージンの拡大を図るとともに、制御性を向上させることも提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような電気音響システムや音場制御装置によれば、ホール(音場)内の全空間(音響空間)の音響特性を電気的にコントロールすることが可能になるが、前述したホール内に設けられた多数の座席に人が着席している状態と空席の状態とでの残響時間等の音響特性の相違を直接的に解決することはできなかった。
また、客席の椅子の設置や取り替えに際して、その椅子の吸音性の相違などに係わらず、ホールの音響特性を補正又は改善(残響感の伸長など)することが難かしかった。さらに、ホール内での多数の客席間での位置による音場の偏差(音響特性の相違)をなくすことも困難であった。
【0008】
この発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、ホール内の音響空間に設置された各客席の材質や状態に係わらず、常に使用目的に応じた最適な音響特性を得ることを可能にすること、および客席間での音場の偏差をなくすことなど、客席での木目細かな音響特性の改善を図ることを目的とする。また、客席とステージとを含むホール内全体での音響状態の最適化を実現できるようにすることも目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の目的を達成するため、次のような音響改善椅子及びそれを用いたホールの音響システムを提供する。
この発明による音響改善椅子は、音響空間に設置され音響を改善する音響改善椅子であって、座部および背もたれ部と、その背もたれ部の上部に設置され、該椅子の周囲に到来する音を収音するマイクロホンと、そのマイクロホンによる収音信号に有限長のインパルス応答を畳み込んで反射音信号を生成する非巡回型フィルタを有する反射音信号生成手段と、上記座部内に放音面を下向きにして設けられ、上記反射音信号を再生して床に向けて放音するスピーカとを備え、そのマイクロホンと前記反射音信号生成手段と前記スピーカとが前記音響空間を介して音響的にフィードバックループを形成するように構成したものである。
さらに、上記反射音信号生成手段は、上記非巡回型フィルタによって生成される反射音信号の周波数特性を調整するイコライザを有するとよい。
【0010】
この発明による音響改善椅子はまた、それぞれ座部と背もたれ部を備えた座席をその幅方向に複数個列設し、その少なくとも2つ以上の座席の背もたれ部にマイクロホンを、その少なくとも2つ以上の座席の座部内に放音面を下向きにしたスピーカをそれぞれ設けるとともに、その互いに異なる座席のマイクロホンとスピーカとの間に反射音信号生成手段を備え、そのマイクロホンは座席の周囲に到来する音を収音して収音信号を出力し、上記反射音信号生成手段は非巡回型フィルタを有し、該非巡回型フィルタによって上記マイクロホンによる収音信号に有限長のインパルス応答を畳み込んで反射音信号を生成し、上記スピーカは、上記反射音信号を再生して床に向けて放音し、そのマイクロホンと反射音信号生成手段とスピーカとが上記音響空間を音響的にフィードバックループを形成するように構成してもよい。
上記反射音信号生成手段も、上記非巡回型フィルタによって生成される反射音信号の周波数特性を調整するイコライザを有するとよい。
【0011】
この発明によるホールの音響システムは、ステージを有するホール内に、座席をその幅方向に複数個列設した椅子を、ステージに向けて二次元的に多数整列して配置し、その多数の椅子のうち座席の幅方向およびステージに対して前後方向にそれぞれ間隔を置いて分散する位置の椅子として、座席をその幅方向に複数個列設した上記音響改善椅子を複数配置し、その複数の各音響改善椅子の上記反射音信号生成手段をカスケード接続してなる。
あるいはさらに、上記ステージの近傍に複数のマイクロホンを設け、そのステージの周囲の仮想反射板を必要とする位置に複数のスピーカを配置し、その各マイクロホンとスピーカとの間に反射音生成回路を有する音響フィードバック系を設けて仮想反射板システムを構成し、上記複数の各音響改善椅子の上記反射音信号生成手段とこの仮想反射板システムの音響フィードバック系との間で信号の交換を行う手段を設けるとよい。
【0012】
その音響システムにおいて、上記各音響改善椅子の上記反射音信号生成手段と上記仮想反射板システムの音響フィードバック系との間で信号の交換を行う手段を、上記各音響改善椅子の各マイロホンとスピーカの間の各音響フィードバック系と、上記仮想反射板システムの各マイクロホンとスピーカの間の各音響フィードバック系との間で、それぞれ選択的に信号の交換を可能にするマトリクス回路によって構成することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1はこの発明による音響改善椅子の基本的な実施形態を簡略化して示す縦断面図である。
図1に示す音響改善椅子(以下単に「椅子」と称す)1は、所定の間隔で座席の左右両側に設けられてホールの床91に固定される一対のプレート状の脚部2と、その一対の脚部2の間に設けられた軸3に対して矢印A方向に回動可能に装着された座部4と、その座部4の後部から上方に幾分後方に傾斜して設けられた背もたれ部5と、各脚部2の上端部に設けられた肘掛部6とを備えている。なお、座部4は、一対の脚部2の間に固定して設けてもよい。
【0014】
その背もたれ部5は板状部5aとその内側に設けられたクッション5bとからなり、板状部5aの上部背面にマイクロホン10を設ける。この実施形態では、マイクロホン10を板状部5aの上部背面にその収音面を後方に向けて設けている。このマイクロホン10により、この椅子の周囲に到来する音が収音される。
また、座部4は中空の座枠4aとその上面及び前面を覆うクッション4bとからなり、その座枠4a内に放音面を下向きにしてスピーカ20を取り付けている。座枠4aの下面には多数の格子状開口が形成され、スピーカグリル4cを兼ねている。
そのマイクロホン10とスピーカ20との間には、フィードバック系を形成するアクティブフィールドコントロール(以下「AFC」)と略称する)ユニット7を接続しており、そのAFCユニット7も座部4の座枠4a内に収納している。
【0015】
そのAFCユニット7は、図2に示すように、ヘッドアンプ(プリアンプ)30と、FIR(非巡回型)フィルタ41とイコライザ42からなり反射音信号生成手段として機能するデジタルシグナルプロセッサ(以下「DSP」と略称する)40と、パワーアンプ50とから構成されている。
このAFCユニット7は、マイクロホン10で収音した信号をヘッドアンプ30で増幅し、DSP40のFIRフィルタ41によって有限長のインパルス応答を畳み込み、イコライザ42でその周波数特性を調整した信号を、パワーアンプ50で増幅してスピーカ20に供給して再生し、床91に向けて放音させる。
FIRフィルタ41は、図13に示した従来例で説明したFIRフィルタ104と同様に非巡回型フィルタ回路であり、有限長のインパルス応答を畳み込んで、1つの入力音に対して複数の反射音信号を生成する。そして、マイクロホン10とAFCユニット7とスピーカと20による音響空間を介した音響的なフィードバックループの時間軸を拡大し、残響時間を延長する作用をなす。
【0016】
また、椅子1の設置位置や条件などに応じて、FIRフィルタ41の特性やヘッドアンプ30及びパワーアンプ50の増幅度などを制御して、残響時間やその強弱などを最適に調整することもできる。
イコライザ42は、音響帰還系の周波数特性を調整するために設けている。
マイクロホン10は、可能な限り着座している聴取者の近傍の主空間(音響空間)の音を収音できるようにするのが望ましいが、ハウリングに対する安定性を向上するために、可能な限りスピーカ20から離すのが望ましい。そのため、背もたれ部5の上部背面に取り付けている。そして、なるべく邪魔にならないように、平板状の小型マイクロホンを使用するとよい。
なお、この実施形態では、ハウリングに対する安定性を確保できるようにマイクロホン10を背もたれ部5の上部背面に設けるようにしたが、ハウリングに対する安定性が得られれば背面以外の上部に設けてもよい。以下に述べる他の実施形態においても同様である。
【0017】
スピーカ20は、座部4の座枠4a内に収納されているので、着座している人には全く見えず、その存在が意識されることがない。そして、スピーカ20による放音は床91に向けてなされるので、直接音ではなく床91によって反射される拡散音による残響音が人に聴取され、客席での極めて自然な残響効果が得られる。
この椅子1を使用すれば、マイクロホン10と反射音信号を生成するAFCユニット7とスピーカ20とが、聴衆の近傍で音響空間を介して音響的なフィードバックループを構成するため、小パワーで音響改善効果を発揮できる。また、椅子の中にスピーカを設置しているので、残響音だけでなく振動も発生することになり、臨場感を高めることもできる。
【0018】
次に、この発明による音響改善椅子のより実際的な実施形態について、図3及び図4を参照して説明する。
図3はその実施形態を示す音響改善椅子列ユニットの概略正面図であり、図4はそのAFCユニットの構成例を示すブロック図である。
図3に示す音響改善椅子列ユニット1Uは、座部4と背もたれ部5を備えた座席を、その幅方向に複数個(この例では12個)列設している。その座席は、図1に示した椅子1と同様にマイクロホンとスピーカを備えた座席Saと、それらを備えていない従来の椅子と同様な座席Sbとによって構成されている。
この例では、左右両端の座席と左から4番目の座席、および右から5番目の座席をマイクロホンとスピーカを備えた座席Saとし、その他の8個の座席はマイクロホンとスピーカを備えていない普通の座席Sbとしている。
【0019】
座席Saも座席Sbも、床91に固定される一対のプレート状の脚部2と、その一対の脚部2の間に固定あるいは回動可能に設けられた座部4と、その座部4の後部から上方に幾分後方に傾斜して設けられた背もたれ部5と、各脚部2の上端部に設けられた肘掛部6とを備えている点は、図1に示した椅子1と同様である。但し、両端以外の座席では、脚部2と肘掛部6は隣接する両側の座席で兼用している。
そして、図示のように間隔をおいて配置された4個の座席Saには、図1に示した椅子1と同様に、背もたれ部5の上部背面にそれぞれマイクロホン11〜14(図1のマイクロホン10に相当する)を設け、座部4内にそれぞれスピーカ21〜24(図1のスピーカ20に相当する)を設けている。
マイクロホン11〜14は実際には前面側からは見えないが、図示の都合上背もたれ部5の上端縁上に示している。スピーカ21〜24も実際には外からは見えないが、図示の都合上実線で示している。
【0020】
前述の実施形態では、図1に示した各椅子1の座部4内にそれぞれ図2に示したAFCユニット7を内蔵させていたが、この実施形態の音響改善椅子列ユニット1Uでは、図4に示すAFCユニット7Uをいずれかの座席Saに纏めて設ける。あるいは、マイクロホン11〜14にそれぞれ接続するヘッドアンプ31〜34とスピーカ21〜24にそれぞれ接続するパワーアンプ51〜54を各座席Saの座部4内に設け、DSPユニット40Uだけを纏めて1ヶ所に設けてもよい。
そして、DSPユニット40Uはその4チャンネルのFIRフィルタとイコライザ(図示を省略しているが図2に示したFIRフィルタ41とイコライザ42と同様)によって構成されており、各チャンネルの音響信号の有限長のインパルス応答を畳み込み、その周波数特性を調整する。しかし、同じ座席内のマイクロホンとスピーカの間でフィードバックループを形成するのではなく、互いに離れた座席のマイクロホンとスピーカの間でフィードバックループを形成するようにしている。
【0021】
図4に示す例では、マイクロホン11とスピーカ23、マイクロホン12とスピーカ24、マイクロホン13とスピーカ21、マイクロホン14とスピーカ22の間でそれぞれフィードバックループを形成するように、ヘッドアンプ31〜34とパワーアンプ51〜54とを結ぶDSPユニット40U内の各チャンネルを構成している。
なお、各音響フィードバックループを形成するマイクロホンとスピーカ間の距離はなるべく等しくし、各系統間のループゲインを均一化することにより、座席列内での音場の均一化を図ることができる。
そのマイクロホンとスピーカ間の距離は10m以下にするのが望ましい。その根拠は、直接音が聞こえた後、分離した反射音(スピーカからの拡声音)が聞こえると明瞭度が著しく低下し、音楽の場合リズムを狂わせ演奏不能にする。また、一般に反射音が直接音より30〜50ms以上遅れるとエコーを感じるからである。
【0022】
マイクロホンとスピーカを離す理由は、ハウリングマージンを大きくできるため系が安定し、ゲインを最大限まで上げることができ、その結果、残響の可変幅を大きくすることができるからである。
マイクロホンとスピーカをクロスにする理由は、音響改善椅子列ユニット1Uを構成する一列分の座席内で均一音場を形成するためである。そのため、座席列におけるマイクロホンとスピーカの配置は、列中央に対してほぼ対称にするのが望ましい。なお、マイクロホンとスピーカは、必ずしも同じ座席に設けなくてもよい。すなわち、マイクロホンとスピーカを別の座席の背もたれ部と座部に分けて配置してもよい。
音響改善椅子列ユニット1Uを構成する座席の数は12個に限らず複数個であればよく、必要に応じて適宜変更できる。また、その中のマイクロホンとスピーカあるいはそのいずれかを設置する座席の数、AFCユニット7を構成する音響フィードバック系のチャンネル数なども適宜変更できる。
【0023】
次に、この発明によるホールの音響システムの実施形態について、図5以降を参照して説明する。
図5〜図8はこの発明によるホールの音響システムの一実施形態を示す図であり、図5はホール内における音響改善椅子列ユニットの配置例を示す模式的な平面図、図6はその各音響改善椅子列ユニットのAFCユニットの接続例を示すブロック図である。
この音響システムは、ステージ92を有する音響空間を形成するホール90内の床91上に、座部と背もたれ部を備えた座席をその幅方向に複数個(例えば12個)列設した椅子列ユニットを、ステージ92に向けて二次元的に多数整列して配置し、その多数の椅子列ユニットのうちの座席の幅方向およびステージに対して前後方向にそれぞれ間隔を置いて分散する位置の椅子列ユニットとして、図3に示した音響改善椅子列ユニット1Uを複数配置する。
【0024】
図5に示す例では、ホール90内の通路を確保するために、椅子列ユニットを9つのブロックに分けてその各ブロックの間に間隔を空けて配置している。そして、その各ブロック毎に、一列又は離れた位置の二列の椅子列ユニットとして図3に示した音響改善椅子列ユニット1U(図5において斜線を施して示す)を配置し、その他の列は普通の椅子列ユニット1Nを配置している。
さらに、図6に示すように、その各音響改善椅子列ユニット1UのAFCユニットを構成するDSP40Uをカスケード接続する。30Gはマイクロホン11〜14による収音信号をそれぞれ増幅する4チャンネルのヘッドアンプからなるヘッドアンプ群、50Gはスピーカ21〜24をそれぞれ駆動する4チャンネルのパワーアンプからなるパワーアンプ群である。
【0025】
図7はそのカスケード接続の具体的な例を示す図であり、ホール内に配置された各列の音響改善椅子列ユニットのAFCユニットを構成するヘッドアンプ群30GとDSPユニット40Uとの間の各チャンネルのライン間にレベルディレイマトリクス回路60を形成し、対応する列のヘッドアンプ群30GとDSPユニット40Uとの間の各チャンネルのラインの交点(図中に黒丸で示す点X)をそれぞれ接続するとともに、その列のヘッドアンプ群30Gと次の列のDSPユニット40Uとの間の各チャンネルのラインの交点(図中に白丸で示す点Y)もそれぞれ接続することにより、各DSPユニット40Uをカスケード接続する。
図7に白丸で示す交点Yは、図8に示すように交差するライン間をレベル調整用の可変抵抗61と遅延時間を任意に設定可能なディレイ素子62によって接続するとよい。それによって、各列の各チャンネルごとの結合度合いを可変抵抗61とディレイ素子62によって木目細かに調整することができる。
この音響システムによれば、ホール90に客が入ったとき(満席時)と客が居ないとき(空席時)との音響効果の差を電気的に効率よく補正することができる。また、大ホール内での客席主空間とバルコニー下部空間等の座席の設置条件や位置の違いによる音場の偏差を最小化することができる。
【0026】
次に、この発明によるホールの音響システムの他の実施形態について説明する。この実施形態は、前述した音響改善椅子列ユニットと、ステージの周囲に反射板の代わりに設ける仮想反射板システムとを組み合わせて構成する。
図9はその音響システムを説明するためのホール側断面による概念図、図10は、その仮想反射板システムを構成するマイクロホンとスピーカの配置例を示す平面図である。
図9に示すステージ92を有するホール90の床91上には、図5に示した実施形態と同様に、普通の椅子列ユニット1Nとこの発明による音響改善椅子列ユニット1Uとをステージ92に向けて二次元的に多数配列し、音響改善椅子列ユニット1Uを座席の幅方向および前後方向にそれぞれ間隔を置いて分散するように配置している。
【0027】
また、図10にも示すように、ステージ92の後方及び両側方と上方にそれぞれ破線で示す仮想反射板9を形成するように複数のスピーカSP1〜SP8をステージ側へ向けて配置するとともに、演奏者8の近傍に複数のマイクロホンMC1〜MC4を配置し、その各マイクロホンMC1〜MC4と各スピーカSP1〜SP8との間に、反射音生成回路を有する音響フィードバック系FAを設けて仮想反射板システムを構成している。そして、各マイクロホンMC1〜MC4による収音信号を音響フィードバック系FAを介して各スピーカSP1〜SP8に発音させることにより、破線で示す位置に物理的な反射板を設置したのと似た反響効果が得られるようにしている。
さらに、この音響フィードバック系FAは、仮想反射板システムを構成するマイクロホンMC1〜MC4と各音響改善椅子列ユニット1Uに設けたスピーカ21〜24との間でもフィードバックループを形成している。また、各音響改善椅子列ユニット1Uの各マイクロホン11〜14と仮想反射板システムを構成するスピーカSP1〜SP8との間でも、音響フィードバック系FBによって図9に破線で示すフィードバックループを形成している。
【0028】
図11は、その音響フィードバック系FA,FBに相当する回路、すなわち各音響改善椅子列ユニットのAFCユニットと仮想反射板システムの音響フィードバック系との間の信号交換の説明のためのブロック図である。この図において、音響改善椅子列ユニット1UのAFCユニット7の構成は、図6に示した構成と同じであるから、図6と対応する部分に同一の符号を付してあり、それらの説明は省略する。
仮想反射板システムの音響フィードバック系70は、各マイクロホンMC1〜MC4による収音信号をそれぞれ増幅する4チャンネルのヘッドアンプ群71と、その詳細は後述するレベルディレイマトリクス(Level Delay MTX)72と、反射音畳み込み処理専用の例えば8チャンネルの反射音生成回路を構成するコンボルバ73と、8個のスピーカSP1〜SP8をそれぞれ駆動する8チャンネルのパワーアンプ群74とによって構成されている。
【0029】
コンボルバ73は、仮想反射板9上の各シミュレーションポイントにおいてそれぞれ観測した反射音とほぼ等しい反射音構造を有する反射音パラメータがそれぞれ組み込まれたFIRフィルタを有し、実音源位置から放音される音に相当するソース信号をそのFIRフィルタによって上記反射音パラメータとそれぞれ畳み込み演算して、各シミュレーションポイントにおける反射音信号をそれぞれ合成して出力する。
レベルディレイマトリクス72は、ヘッドアンプ群71からの4チャンネルの各収音信号を混合して8チャンネルの出力信号をコンボルバ73へ出力するとともに、音響改善椅子列ユニット1UのAFCユニット7Uとも信号のやりとりを行う。
【0030】
その具体的な構成例を図12に示す。このレベルディレイマトリクス72は、図12に示すように、仮想反射板システムの音響フィードバック系を構成するヘッドアンプ群71の4チャンネルの出力ラインと、コンボルバ73の8チャンネルの入力ライン、および各音響改善椅子列ユニット1UのAFCユニットを構成するヘッドアンプ群30GとDSPユニット40Uとの間のそれぞれ4チャンネルの信号ラインとの間に形成され、その白丸で示した各交点Pには、図8に示したのと同様に交差する両ライン間に可変抵抗とディレイ素子を接続して結合度を調整できるようにしている。
その接続する交点は任意に選択できるようにしてもよい。
このレベルディレイマトリクス72によって、ヘッドアンプ群71とコンボルバ73との間での4チャンネルから8チャンネルへの任意の混合率でのチャンネル数の変換を行うとともに、各音響改善椅子列ユニット1UのAFCユニット7との信号のやりとりも行うことができる。
なお、仮想反射板システム自体は、例えば特許第2569872号公報に記載されているように、かなり前から公知であるので、詳細な説明は省略する。
【0031】
この音響システムによれば、ホールの建築条件によらず、所望の音響効果を実現することができる。しかも、仮想反射板システムとの組み合わせにより、客席側だけでなく、ステージと客席を含めたホール全体を所望の音響性能(一体感の増強等)に調整可能である。
これらの音響システムの各実施形態における音響改善椅子列ユニット1Uの設置数、各音響改善椅子列ユニット1U内の音響フィードバック系のチャンネル数、仮想反射板システムを構成するマイクロホンおよびスピーカの数と配置する位置などは、必要に応じて適宜変更できる。
【0032】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明による音響改善椅子(椅子列ユニットも含む)は、椅子の背もたれ部の上部にマイクロホンを、座部内にスピーカをそれぞれ取り付けるようにしたので、マイクロホンにより聴取者近傍の主空間の音が収音され、その信号がAFCユニットを介して座部の裏面側に取り付けられたスピーカに供給されて床に向けて放音されるので、直接音ではなく拡散音となって聴取者の耳に達することになる。したがって、これを使用してホールの音響システムを構成すれば、ホールそのものの建築条件によらず効果的に所望の音響効果(残響時間の延長など)を実現できる。
また、その際、聴取者の近傍で音響帰還系が構成されるので、従来のAFCシステムよりも小さいパワーでも効果的に所望の音響効果を付加することができる。
さらに、マイクロホンとスピーカの取り付け位置は、空間的に離れて設置されているので、音響帰還系のハウリングマージンが拡大され、安定した音響制御・残響付加が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による音響改善椅子の基本的な実施形態を簡略化して示す縦断面図である。
【図2】図1に示した椅子の座部内に設けられるAFCユニットの構成を示すブロック図である。
【図3】この発明による音響改善椅子のより実際的な実施形態を示す音響改善椅子列ユニットの概略正面図である。
【図4】図3に示した音響改善椅子列ユニットに設けられるAFCユニットの構成例を示すブロック図である。
【図5】この発明によるホールの音響システムの一実施形態における音響改善椅子列ユニットの配置例を示す模式的な平面図である。
【図6】同じくその各音響改善椅子列ユニットのAFCユニットの接続例を示すブロック図である。
【図7】同じくその各音響フィードバック系をマトリクス回路によってカスケード接続する例を示すブロック図である。
【図8】図10におけるマトリクス回路の各交点の構成図である。
【図9】この発明によるホールの音響システムの他の実施形態を示す概念図である。
【図10】同じくその仮想反射板システムを構成するマイクロホンとスピーカの配置例を示す平面図である。
【図11】同じくその各音響改善椅子列ユニットのAFCユニットと仮想反射板システムの音響フィードバック系との間の信号交換の説明のためのブロック図である。
【図12】同じくその各音響改善椅子列ユニットと仮想反射板システムの各チャンネルの音響フィードバック系をマトリクス回路によって接続する回路例を示すブロック図である。
【図13】従来のホールの電気音響システムの一例を示すブロック図である。
【図14】図13におけるFIRフィルタに記憶されているインパルス応答の一例を示す図である。
【図15】同じくその時間軸を全体的に拡大した状態のインパルス応答の一例を示す図である。
【符号の説明】
1…音響改善椅子、1U:音響改善椅子列ユニット、1N…普通の椅子列ユニット、2…脚部、3…軸、4…座部、5…背もたれ部、6…肘掛部、7,7U…AFCユニット、8…演奏者、9…仮想反射板、10,11〜14…マイクロホン、20,21〜24…スピーカ、30,31〜34…ヘッドアンプ、30G…ヘッドアンプ群、40…DSP、40U…DSPユニット、41…FIRフィルタ、42…イコライザ、50,51〜54…パワーアンプ,50G…パワーアンプ群、60…レベルディレイマトリクス、61…可変抵抗、62…ディレイ素子、70…仮想反射板システムの音響フィードバック系、71…ヘッドアンプ群、72…レベルディレイマトリクス、73…コンボルバ、74…パワーアンプ群、MC1〜MC4…マイクロホン、SP1〜SP8…スピーカ

Claims (7)

  1. 音響空間に設置され音響を改善する音響改善椅子であって、
    座部および背もたれ部と、
    前記背もたれ部の上部に設置され、該椅子の周囲に到来する音を収音するマイクロホンと、
    前記マイクロホンによる収音信号に有限長のインパルス応答を畳み込んで反射音信号を生成する非巡回型フィルタを有する反射音信号生成手段と、
    前記座部内に放音面を下向きにして設けられ、前記反射音信号を再生して床に向けて放音するスピーカとを備え、
    前記マイクロホンと前記反射音信号生成手段と前記スピーカとが前記音響空間を介して音響的にフィードバックループを形成することを特徴とする音響改善椅子。
  2. 前記反射音信号生成手段は、前記非巡回型フィルタによって生成される反射音信号の周波数特性を調整するイコライザを有することを特徴とする請求項1に記載の音響改善椅子。
  3. 音響空間に設置され音響を改善する音響改善椅子であって、
    それぞれ座部と背もたれ部を備えた座席をその幅方向に複数個列設しており、
    その少なくとも2つ以上の座席の前記背もたれ部にマイクロホンを、
    その少なくとも2つ以上の座席の前記座部内に放音面を下向きにしたスピーカをそれぞれ設けるとともに
    その互いに異なる座席の前記マイクロホンと前記スピーカとの間に反射音信号生成手段を備え、
    前記マイクロホンは、前記座席の周囲に到来する音を収音して収音信号を出力し
    前記反射音信号生成手段は非巡回型フィルタを有し、該非巡回型フィルタによって前記マイクロホンによる収音信号に有限長のインパルス応答を畳み込んで反射音信号を生成し、
    前記スピーカは、前記反射音信号を再生して床に向けて放音し
    前記マイクロホンと前記反射音信号生成手段と前記スピーカとが前記音響空間を介して音響的にフィードバックループを形成することを特徴とする音響改善椅子。
  4. 前記反射音信号生成手段は、前記非巡回型フィルタによって生成される反射音信号の周波数特性を調整するイコライザを有することを特徴とする請求項3に記載の音響改善椅子。
  5. 請求項3又は4に記載の音響改善椅子を用いたホールの音響システムであって、
    ステージを有するホール内に、座席をその幅方向に複数個列設した椅子を、前記ステージに向けて二次元的に多数整列して配置し、
    その多数の椅子のうち前記座席の幅方向および前記ステージに対して前後方向にそれぞれ間隔を置いて分散する位置の椅子として、前記音響改善椅子を複数配置し、
    その複数の各音響改善椅子の前記反射音信号生成手段をカスケード接続してなることを特徴とするホールの音響システム。
  6. 請求項3又は4に記載の音響改善椅子を用いたホールの音響システムであって、
    ステージを有するホール内に、座席をその幅方向に複数個列設した椅子を、前記ステージに向けて二次元的に多数整列して配置し、
    その多数の椅子のうち前記座席の幅方向及び前記ステージに対して前後方向にそれぞれ間隔を置いて分散する位置の椅子として、前記音響改善椅子を複数配置すると共に、
    前記ステージの近傍に複数のマイクロホンを設け、
    該ステージの周囲の仮想反射板を必要とする位置に複数のスピーカを配置し、
    その各マイクロホンとスピーカとの間に反射音生成回路を有する音響フィードバック系を設けて仮想反射板システムを構成し、
    前記複数の各音響改善椅子の前記反射音信号生成手段と前記仮想反射板システムの音響フィードバック系との間で信号の交換を行う手段を設けたことを特徴とするホールの音響システム。
  7. 前記各音響改善椅子の前記反射音信号生成手段と前記仮想反射板システムの音響フィードバック系との間で信号の交換を行う手段が、前記各音響改善椅子の各マイロホンとスピーカの間の各音響フィードバック系と、前記仮想反射板システムの前記各マイクロホンとスピーカの間の各音響フィードバック系との間で、それぞれ選択的に信号の交換を可能にするマトリクス回路からなることを特徴とする請求項6に記載のホールの音響システム。
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