JP3775130B2 - 文書処理装置および方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は文書のレイアウト変換処理を行う文書処理技術に関する。特に、文章表示する書体の種別やサイズ、文体表現を変更して文書の印象を調整する書面のパーソナライズ技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、DTP(デスクトップパブリッシング)技術の進展とデジタル印刷装置の普及に伴って、文書を各利用者毎にカスタマイズして出力するバリアブル・インフォメーション印刷のシステムが開発されはじめている。そのための手段のひとつとして、印刷の版下作成を自動化するソフトウェアが、DTPソフトウェアに対するプラグインモジュールとして各種提供されている。日本サイテックス(株)社製のHARERUPAT(商標)は、クォークジャパン(株)社製のDTPソフトウェアQuarkXpress(商標)に対して提供されるプラグイン・モジュールである。このプラグイン・モジュールは、データベース中の文章データを文書中の指定領域へ自動的に流し込むものである。
【0003】
文書の自動レイアウト技術をさらに発展させるものとして、特開平9−305598号公報の「文書レイアウト編集装置、文書レイアウト編集方法、記憶媒体」には、複数の印象語指定により文書構成単位の値を設定して標準文書を文書利用者の感性にあわせて自動レイアウト処理するための方法が開示されている。
【0004】
また、特開平10−27175号公報の「パーソナル文書再構成装置」には、標準文書を文書中の変更可能部分の情報とともに記憶保存し、文書利用者の個人情報に応じて変更可能部分をさしかえて、各利用者に対して好ましい表現で構成された文書を再構成する方法が開示されている。
【0005】
また、特願平11−49722号公報の「文書処理装置および記録媒体」には、印象入力により文章中の単語を置換して文体表現を変更して、所望の印象をもたらす文体表現の文章を生成する方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上の文書自動レイアウト技術および文書構成要素の変換技術を用いて、カスタム文書を作成する時には、以下の問題が生じる。
【0007】
上記従来の文書変換方法は、文書要素の変更時に次のような問題をかかえている。
▲1▼ある文書要素の表示領域が拡大して他の文書要素を覆い隠してしまう。
▲2▼表示領域の縮小により不自然な空間を生じてしまう。
▲3▼もともとデザイン意図として重ねていた要素が縮小のために互いに分離されてしまう。
【0008】
例えば、図17は文字オブジェクトにグラフィクスオブジェクトが重ねてあるデザインであるが、ここで文字オブジェクトの変更(サイズ縮小、書体変更)を実施するとこの重ね合わせのデザインは消失する可能性をもつ。図18は、文字を非常に近接配置した例である。各文字は個々の書体バウンディングボックスを侵略する距離で配置されており、これ以上の位置変更やサイズ拡大は、文字の重なりというエラーを招く。以上の問題は、レイアウト処理が編集支援処理として編集者の校正作業の下で実施されるのであれば手作業で補正することも可能であるが、大量文書が完全に自動レイアウト処理される場合には回避できない障害である。
【0009】
また、文章コンテンツの表現変換は多くの場合に字数変化を伴うものであり、上記のレイアウト破壊問題を発生させる。例えば、文章中の固有名詞(人名・住所など)の差し換え、「です」「だ」「でございます」といった語尾などの文体変更、「やさしい」−「易しい」といった漢字・ひらがな表記の変換、などの処理が字数変化をもたらす。またさらに、文変形に伴った行数や段落数・頁数の変化は、「次頁に記載しました」や「下段に示すように」等、文章が文書中の参照場所を記載している時には、記載の参照関係が原文書の記載と矛盾してしまう問題もひきおこしてしまう。
【0010】
以上に述べた文章の変換処理(カスタマイズ処理)が必要とされる状況は、電子文書を閲覧者がネットワーク経由でビュアやページャにより利用するケースや、印刷物を使用者別の内容や様式で作成してハードコピー紙面として印字出力するケースである。具体的には、電子メールをメーラで表示する場合やWeb上の電子化文書をブラウザで表示する場合、バリアブル・プリンティングにより大部数の商品カタログ、保険プラン企画書、年賀状、などを顧客別にカスタマイズして印刷する場合などがあげられる。このような利用分野においては、文書のカスタマイズ処理は文書作成や編集の時点ではなく、表示・印刷の画像形成時に自動的になされることが好ましい。そのためには、変更処理は各種のアプリケーションソフトのデータ形式ではなく、画像形成用のデータ形式、例えばAdobeSystems社のPostscript level2(商標)などの各種PDL言語(ページ記述言語)、あるいはMicrosoft社のwmf形式、富士ゼロックス社のDocuWorks(商標)ファイル形式に関して実行できることが望ましい。しかし、これらのデータ形式は再編集を前提としておらず文書(文章)構造に関する情報をもっていないため、自動変換処理によってレイアウトを再調整することは困難である。
【0011】
以上述べたように、文書レイアウトの変換時には文書構成要素の空間的配置関係を保存することが必要である。レイアウト変更によって要素同士の重なりが発生したり、解消されたりすることは好ましくない。そのためには、構成要素、特に文字の重なり関係を精密に判定する必要があるが、従来の文書レイアウト技術ではこれを実現できない。さらに、文書要素の重なり関係を全て検査することは文書要素数の2乗に比例したコストがかかるため、現実に全ての重なり関係を検査処理することは困難である。
【0012】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、文書レイアウトを破壊することのないよう文書の表現変換を実施することを目的としたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の文書処理装置は、文書構成要素の表現スタイルおよび表現コンテンツの少なくとも一方を変更する表現変更手段と、文書の構成要素の位置重なり関係を検査する交差検査手段と、前記交差検査手段が原文書を検査した結果を記憶する第一の記憶手段と、前記表現変更手段が表現変更処理を施した変更済み文書を前記交差検査手段が検査した結果を記憶する第二の記憶手段と、前記第一の記憶手段の記憶内容と前記第二の記憶手段の記憶内容とを比較し一致性を検査する比較手段とを備え、前記表現変更手段は前記比較手段の判定結果が不一致であった場合には表現変更処理を繰り返し実行することを特徴としている。
【0014】
この構成においては、文書の構成要素の表現スタイルを変更したり、構成要素を差し替えたりした場合でも、自動的に文章に構成要素の位置重なりがオリジナルのものと変わらないようにするので、もとのデザインの欠落を簡易に回避できる。
【0015】
この構成において、前記交差検査手段は、描画オブジェクトを出力解像度よりも低い解像度で描画する粗解像度描画手段と、各画素値として描画オブジェクトのIDコードを記憶保持する検査プレーンと、前記粗解像度描画手段が判定した描画オブジェクトの交差関係を記憶保持する交差テーブルとを含んで構成されてもよい。
【0016】
さらに前記交差検査手段は、粗描画像の外周輪郭を1ピクセル分だけ拡張あるいは削減する画像処理手段を備え、交差検査処理における粗描画の解像度を描画要素間の最小近接距離εあるいは最小交差距離ε’の逆数に設定するようにしてもよい。
【0017】
また、前記交差検査手段は、描画オブジェクトの外接矩形を算定する幾何計算手段と、前記幾何計算手段の求めた外接矩形同士の位置関係を交差/内包/分離のいずれかの状態および互いの交差(分離)距離として算定する位置比較手段と、描画オブジェクトの前記位置関係を記憶保持する交差テーブルとを含んで構成されてもよい。
【0018】
さらに前記表現変更手段は、文章の内容もしくは文体を変換する文変更手段;文字送り幅、行間距離、字体サイズ、字体種別および字体スタイルの少なくとも1つを変更する文調整手段;図形要素のアフィン変換によって表示領域の大きさ形状を変更するグラフィクス調整手段;ならびにラスタ画像の拡縮処理を実行する画像調整手段のいずれかを含むようにしてもよい。
【0019】
さらに本発明による文書処理装置においては、文書の印象要求から文書要素の書式値を決定するタイプ指定手段を備え、前記表現変更手段に含まれる文変更手段、文調整手段、グラフィクス調整手段、画像調整手段の各々は前記タイプ指定手段に決定された文書の書式値にしたがって変更処理を実行するようにしてもよい。
【0020】
また、前記表現変更手段は、あらかじめ定められた表現要素の修正方向を記憶した表現修正リストを備え、前記比較手段から原文書と変更文書の交差関係が不一致であることを通知された場合には表現要素の設定値を前記表現修正リストに記憶された方向へと文書の各種書式値を修正変更するようにしてもよい。
【0021】
本発明による好適な装置は、文書処理装置を含んだバリアブル印刷装置であって、顧客タイプなどの個別情報にもとづいた文書構成を生成してバリアブル印刷出力するものである。
【0022】
また、本発明による好適な装置は、電子文書変換装置であって、あらかじめ定められた閲覧者情報もしくは文書閲覧時に入手する利用者情報を用いて電子文書を構成してクライアント上のウェブ・ブラウザに提供するものである。
【0023】
また、本発明による好適な装置は、カスタムブック作成装置であって、氏名や地名、製品名などの顧客固有情報を文書コンテンツに取り込んでカスタムブックを作成するものである。
【0024】
また、本発明によれば、上述の目的を達成するために、文書の表現様式を変更する文書処理方法において、文書構成要素の表現スタイルおよび表現コンテンツの少なくとも一方を変換する表現変更ステップと、文書の構成要素の位置重なり関係を検査する交差検査ステップと、前記交差検査ステップにおいて原文書を検査した結果を記憶する第一の記憶ステップと、前記表現変更ステップにおいて表現変更処理を施した変更済み文書を前記交差検査ステップにおいて検査した結果を記憶する第二の記憶ステップと、前記第一の記憶ステップで記憶した記憶内容と前記第二の記憶ステップで記憶した記憶内容とを比較し一致性を検査する比較ステップとを実行し、前記表現変更処理は前記比較処理の結果が不一致であった場合には表現変更処理を繰り返し実行することを特徴としている。
【0025】
また、本発明はコンピュータプログラムを記録した記録媒体としても実現でき、また画像検査装置として実現することも可能である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
[第1実施例]
<全体構成>
本発明の第1実施例によるバリアブル印刷装置を説明する。図1は、文書変換機能をもつバリアブル印刷装置の構成図である。図1において、バリアブル印刷装置10、文書データベース20、顧客データベース21、クライアント22が、LANもしくWAN等のはネットワーク23に接続されている。クライアント22は印刷装置10のユーザがバリアブル印刷を指示するコマンドPCもしくはコマンドワークステーションである。クライアント22は、ネットワーク23にて印刷装置10と結合されている。文書データベース20は、ネットワーク23上に結合されたファイルサーバである。もちろん、コマンドワークステーション等のクライアント22から直接に文書データを送信することもできる。顧客データベース21は、印刷出力を送付する顧客のプロファイル情報を保存したデータベースである。顧客のプロファイル情報はクライアント22上に保存しておくこともできる。
【0027】
バリアブル印刷装置10は、ジョブ構成部11、文書変換部12、画像形成部13、プリントエンジン14等から構成されている。ジョブ構成部11は、クライアント22からの印刷指示に応じて、文書データベース20と顧客データベース21とから実際の印刷ジョブをアレンジして文書変換部12に転送するものである。文書変換部12は、文書データおよび文書変換タイプの指定を受け取って各文書を適切な内容および様式に変換するものである。この文書処理部12は本発明の中心的機能を担っているため、後に詳しく説明する。画像形成部13は文書変換の完了した文書データを受け取ってデータ解釈およびラスタ画像形成を実行する処理部である。ここで生成された印刷画像はプリントエンジン14に転送される。プリントエンジン14は、ゼログラフィエンジンもしくは液体現像装置などによるデジタル印刷機であり、画像形成部13より受信した画像データを紙面印字してハードコピー出力する。
【0028】
<装置全体の動作>
本バリアブル印刷装置10の動作を以下に説明する。クライアント22の印刷要求は、文書指定コードと顧客リスト、もしくは個別の顧客IDコードで構成されたジョブ情報である。ここで、文書指定コードとは、文書データベース20中の各文書に一意に添付された文書ID番号であり、これにより印刷ユーザは、案内状・挨拶状・宣伝パンフレットなどの標準定形文書を指定することができる。顧客リストは、顧客データベース21に記憶された顧客データの集合である。各顧客データは、顧客ID・氏名・住所・性別・年齢・商品傾向・サブカテゴリの情報によって構成される。サブカテゴリとは、特定の商品分野コードを指すものであり、通常、このカテゴリを特定することで顧客リストを形成することができる。その他、顧客IDを直接指定したり、年齢・性別を指定することにより顧客リストを形成することもできる。
【0029】
ジョブ構成部11は、クライアント22からの印刷要求を受けて、実際に複数の(顧客数分の)印刷ジョブを生成する。すなわち、各顧客データから文書タイプを特定して、文書タイプコードとともに文書データを文書変換部12に送る。通常、顧客氏名および顧客住所データも文書データに添付され、宛名印刷に使用される。
【0030】
文書変換部12は、ジョブ構成部11でアレンジされた文書データをもとに実際にカスタム文書データを生成する処理部である。
【0031】
ここで図2を参照して文書変換部12を詳細に説明する。図2に文書変換部12の構成図を示す。図2において、文書変換部12は、表現変更部120、交差検査部121、第一記憶部122、第二記憶部123、一致比較部124を含んで構成されている。表現変更部120は、指定された文書タイプに応じて文書表現様式を変更する処理部である。文書様式は、文字書体の種別とサイズおよびスタイル、挿入図形(イラスト)や写真(ラスタ画像)のサイズにより指定される。もちろん他の種々の様式を指定できるようにしてもよい。交差検査部121は文書中に描画されるオブジェクト相互の重なり関係を検査する処理部である。ここで検査される描画オブジェクトの重なり関係は交差テーブルとして表現される。交差テーブルは、各描画オブジェクトに関して、それがレイアウト配置において重なりをもつ他のオブジェクトのIDコードを記載した表形式のデータである。原文書に関して交差検査部121が検査した結果は第一記憶部122に交差テーブルとして保存され、変更文書に関して交差検査部121が検査した結果は第二記憶部123に別個の交差テーブルとして保存される。一致比較部124は、変更文書の検査結果すなわち第二記憶部123に格納された交差テーブルを、第一記憶部122に格納されたオリジナルの交差状態と比較検査する処理部である。この結果は、表現変更部120に通知され、不一致の場合には、表現変更部は再び文書様式を変更処理する。
【0032】
<表現変更部>
図3は、表現変更部120の構成を示した図である。この表現変更部120は、入力される文書を指定文書スタイルに応じて書式変更する処理部である。出力結果は、入力文書と同じ表現レベルの文書データであり、ラスタライズ処理されたビットマップ画像もしくは中間画像表現ではない。図3において、表現変更部120は、パーザ125、スタイル解釈部126、置換処理部127、表現リソース128を含んで構成されている。パーザ125は、文書データを字句解釈および構文解釈して内部中間形式である描画オブジェクトを生成するものである。入力文書から生成された描画オブジェクトは、置換処理部127によって指定されたもののみが他の様式に変換される。この変換は文書のスタイル指定をスタイル解釈部126が物理的な様式に変換して指示することで規定される。例えば、文書スタイル指定が「若年女性」であった場合には、フォント種指定を「丸ゴシック」フォントサイズを「1サイズアップ」に指定する。あるいは、文書スタイル指定が「営業挨拶状」であれば、フォント種指定を「細明朝」フォントサイズを「標準(変化なし)」グラフィクスに指定する。これらの指定には表現リソース128が参照され、実施可能なもののみが選択される。表現リソース128はリソース名のリストを格納するのみであり、リソース実体(主にフォントファイル)は、図1の画像形成部13に記憶されている。なお、表現変更部120では書体変換の他にも、色の変換(モノクロ化を含む)、グラフィクスやラスタ画像の差し換え(同サイズの置換)などの文書変換処理を実行するものであるが、本発明の中心機能は描画オブジェクトのレイアウト関係の維持にあるため、これらの機能は発明の構成に影響しない。以下では、文字の変更と交差検査に限定して説明を進める。
【0033】
<交差検査部>
表現変更部120で様式変更された文書は、交差検査部121にて交差関係の検査がなされる。交差関係とは、ページ座標空間上での相互の重なり関係のことである。図4に示した交差検査部121の構成を参照しながら動作を説明する。交差検査部121は、入力された文書データ(原文書もしくは様式変更済みの文書)を受け取って、これを粗い解像度にて描画することにより、描画オブジェクト間の交差関係を検出し、その結果を交差テーブルとして記録するものである。図4において、交差検査部121は、粗描画制御部130、フォント・ラスタライザ131、グラフィックス・ラスタライズ132、検査プレーン133、交差テーブル134を含んで構成されている。粗描画制御部130は、描画オブジェクトに応じてフォント・ラスタライザ131およびグラフィクス・ラスタライザ132を用い、描画オブジェクトのビットマップ画像を検査プレーン133に書き込むものである。フォント・ラスタライザ131は、フォントネーム、フォントサイズ、文字コード、描画位置(座標原点)を与えてビットマップ画像を出力させるものである。ここでは文字輪郭形状(いわゆるCharacterPath)の出力は必要ないので、すべてラスタ非圧縮形式で出力される。グラフィクス・ラスタライザ132は、グラフィクス描画オブジェクトを解釈して図形処理しビットマップ画像として出力する。図形処理はBezier曲線の直線近似、円弧曲線の直線近似、直線閉領域の塗りつぶし、直線経路の幅付け処理を実行する。出力形式はフォント・ラスタライザ131同様にビットマップ形式である。なお、ラスタ画像は輪郭図形(通常矩形)のみがグラフィクス・ラスタライザ132に渡され、輪郭形状の塗り潰しがなされる。クリップ図形も同様にグラフィクス・ラスタライザ132に渡される。文字列描画は通常、矩形領域でクリッピングされるので、各文字とクリップ図形は交差している。逆に、原文書においてあるクリップ図形と交差していた文字オブジェクトが、文書変換によって交差関係を失ったときには、その文字はクリップアウト(消失)されたことになる。このような障害を検出するのが交差検査部121の目的である。
【0034】
この実施例では、交差検査の手法として、以下に説明する▲1▼粗描画法による交差検査および▲2▼外接矩形法による交差検査を用いる。これらについては後に詳述するが、ここで簡単に説明しておく。図5は粗描画法による交差検査を示しており、描画対象のオブジェクトについてそれぞれ実際よりも解像度の少ないラスタライズ画像を生成して所定の検査プレーンに書きこんでいく。図では「X」をラスタライズして書き込むところである。ラスタ画像を画素を書きこむときに、すでに他のオブジェクトのラスタ画像の値がある場合には、オブジェクト同士が交差すると判断する。後に詳述するように、この実施例では、ラスタ画像の書きこみは、画素値を用いるのではなく、オブジェクトのIDを用いて行う。
【0035】
図6は、外接矩形法による交差検査の概要を示している。図6に示すように、各オブジェクトの外接矩形を規定し、これらが交差するときにオブジェクトが交差すると近似する。この判断は幾何学的な条件で規定される。
【0036】
<粗描画法による交差検査>
フォント・ラスタライザ131とグラフィクス・ラスタライザ132の2つは、通常の描画処理のように色コードで描画領域を塗り潰すのでなく、各オブジェクトのIDコード値をもって検査プレーン133の画素をFillする。この処理を図7に示す。各ラスタライザ131、132でビットマップ化された描画オブジェクトは、まず書き込み画素がひとつ選択される(S11)。この画素位置が検査プレーン上でチェックされ、そこがすでに書き込み済み、すなわちなんらかのオブジェクトIDコードが与えられているかどうか検査される(S12)。ここでもしもIDコードが存在していた場合には、交差テーブル134において該当描画オブジェクトの欄にそのIDコードが書き込まれる(S13)。以上の処理をすべての画素について行う(S14)。
【0037】
交差テーブル134の様子は図8下欄に示すとおりである。表の左欄は描画オブジェクトコードであり、右欄には各オブジェクトが交差する(すなわち重なりあう)描画オブジェクトのコードが記載される。ここで、すでに同じIDコードが存在する場合には、IDコードの記載処理はスキップされる。図8上欄は検査プレーン133のデータ構造を示したものである。検査プレーン133はポインタアレイの形式であり、各画素に書き込まれた描画オブジェクトのIDコードがリスト形式で記憶蓄積され、画素アレイ上の各セルから参照されている。このことにより、検査プレーン133内の各ピクセルは複数の描画オブジェクトによりオーバーライトされてもそこに存在するすべての描画オブジェクトを記憶保持することができる。ただし、限定した用途として、すべての描画オブジェクトが互いに交差しない条件で交差検査部121を設計するときは、検査プレーン133は書き込み済みのピクセルを判定するだけでよい。この場合、検査プレーン133のデータ構造は1bit(書き込みありを示す)のアレイでかまわない。
【0038】
図9は、この交差検査部121により描画オブジェクト同士の重なり関係が検査される様子を示すものである。ここでは、検査プレーン133において描画オブジェクト1の次に描画オブジェクト2が書き込まれた結果を示している。描画オブジェクト1の領域▲1▼に対して、描画オブジェクト2の領域▲2▼は1ピクセルも侵入していないため、交差テーブルオブジェクト2の欄には描画オブジェクト1のIDコードは記載されない。ここで、検査プレーン133は処理高速化のため画像形成部の実解像度(400spiもしくは600spi:spot perinch)よりも粗い解像度、例えば72spi、25spiなどで描画実行されるのが好ましい。ただし実解像度によって描画してもよく、処理精度は実解像度による方が高い。
【0039】
非交差検査のための拡張処理
さらに、このように粗い解像度を指定することによって、交差独立関係を定量的に検査できることを以下に説明する。まず、各描画オブジェクトを少なくとも距離εだけ離しておきたいとする。このとき、粗描画処理の解像度Rを
【0040】
【数1】
R=1/ε
に設定する。検査プレーンでチェックされる描画オブジェクトは、距離εだけ離れていることを保証するために、1ピクセル分だけ太らせる処理を受ける。すなわちフォント・ラスタライザ131およびグラフィクス・ラスタライザ132の出力結果像の周囲に1ピクセルの余分な画素が加えられる。
【0041】
図12はこの拡張処理を示すフローチャートである。まず、ラスタライズされた描画オブジェクトから注目画素を一つとりあげる(S21)。この画素の選択順序はスキャンライン順でよい。次に注目画素の周囲8近傍の画素を検査し(S22)、もしもそれが背景画素(描画していない画素)であれば、そこをオン(描画画素)とする(S23、S24)。この書き換えは別プレーンをもちいるか、あるいは、オリジナルの画素値とは異なる値にしておき検査中にオリジナル画素と区別できるようにしておく。この検査および書き換え操作をすべての描画画素について実施すると(S25)、オリジナル画像の周囲1ピクセルを太らせた画像が生成できる。
【0042】
この拡張処理は上で述べたラスタスキャンの方法によってもよいが、フォントもしくはグラフィクスのラスタライズ時の最終段としてスキャンコンバージョン処理でランレングスコードを生成するときは、各ランの開始・終了点を左右方向に1ピクセルずつ延長することで簡便に実施できる。
【0043】
このような拡張処理は、図9におけるオブジェクト2の拡張領域▲3▼を生成させる。この拡張領域もオブジェクト1の領域を侵さないということは、2つのオブジェクトが少なくともε、最大3√2εの分離距離だけ離れているということを保証する。ここで、2つのオブジェクトが互いに最大距離をとるのは互いに対角線上に配置され各格子の遠い側の端点に実際の画像領域が存在する場合である。
【0044】
交差検査のための縮退処理
まったく同様に、画像周囲を1ピクセルだけ削減する縮退処理を実施することで、交差量の保証をすることができる。図13はその縮退処理の手順を示すものである。
【0045】
まず、ラスタライズされた描画オブジェクト画像から注目画素を一つとりあげる(S31)。この選択順序もスキャンライン順でよい。次に注目画素の周囲8近傍の画素を検査し(S32)、もしもそれが背景画素(描画していない画素)であれば、そこを背景画素とする(S33、S34)。この書き換えは別プレーンをもちいるか、あるいは、書き換える背景画素値を本来の背景画素値(通常0)とは異なる値にしておき、検査中に本来の背景画素と区別できるようにしておく。この検査および書き換え操作をすべての描画画素について実施すると(S35)、オリジナル画像の周囲1ピクセルを縮退させた画像が生成できる。
【0046】
このように縮退された画像が交差する状況を図10に示す。ここでは、実線が真の画像領域を示し、ハッチング部分がオブジェクト1の縮退領域▲1▼、オブジェクト2の縮退領域▲2▼を示している。この例では、互いの縮退領域の共通部分▲3▼が存在する(すなわちオブジェクト2の縮退領域がオブジェクト1の縮退領域を侵している)ため、これら2つのオブジェクト1およびオブジェクト2が必ずε’以上交差することを示している。それは、この交差領域▲3▼が1辺ε’の正方形形状として必ず各オブジェクトに内包されているからである。
【0047】
なお、上述の拡張および縮小処理は、粗解像度を1/εに定めて実施する方法のほかに、実解像度(出力解像度)もしくは任意に定めた解像度のもとでnピクセルの拡張および縮小処理を実施する方法がある。すなわち、離間させたい距離ε1(単位はインチ、2.54センチメートル)と重ねあわせたい距離ε2(単位はインチ、2.54センチメートル)を予め定め、実解像度もしくは任意に定めた解像度R(1/インチ、インチは2.54センチメートル)のもとで、以下のように拡張ポクセル数P1および縮小ピクセル数P2を算定する。
【0048】
【数2】
P1=round(R×ε1)
P2=trunc(R×ε2)
ただし、roundは切り上げの整数化演算、truncは切り捨ての整数化演算である。
【0049】
ここで求めたP1回だけ先述のピクセル拡張処理を反復し、P2回だけ縮小処理を繰り返すことにより、交差判定処理を実施することができる。
【0050】
以上で説明した粗描画法を原文書に適用して検査する時には出力解像度の半分から1/4程度の十分に高い精度の解像度にて実施する。それは、原文書検査の目的が交差距離εのもとで交差関係を検査することではなく、相互距離を問わず真に交差しているかどうかを精密に測定する点にあるからである。この原文書検査時に過度に粗い解像度で検査実施すると、オブジェクトがきわめて近接しているときに分離関係が抽出されないエラーを招く。
【0051】
<外接矩形法による交差検査>
以上で説明した交差関係の検査は、より簡便に描画オブジェクトの外接矩形を用いて実施することもできる。あるオブジェクトの外接矩形は、直線図形の場合にはその経路点の座標系列の最小値と最大値を記録することで求めることができる。すなわち外接矩形は2点
【0052】
【数3】
(min Xi,max Yi),(max Xi,min Yi)
を左上点および右下点としてもつ矩形領域として定義できる。ここでmin Xi、min Yi、max Xi、min Yiは座標値系列Xi、Yiの最小値および最大値を示す。
【0053】
ベジエ曲線や円錐曲線で形成された閉曲線の外接矩形を解析的に求めることは困難であるが、これらはすべて直線化処理されたのちにビットマップ化されるので、その直線経路の座標点リストに関して上記の2点を求めればよい。また、フォント情報はフォントファイル中に外接矩形情報(バウンディングボックス・サイズ)をもつことも多いので、その場合には直接そのデータを用いればよい。
【0054】
外接矩形による交差検査の説明のため、ある外接矩形BB1を上述の2点LU1(LX1,HY1)、RD1(HX1,LY1)であらわす。ここで、4点はそれぞれ左上点、左下点、右下点、右上点である。同様にBB2をLU2(LX2,HY2)、RD2(HX2,HY2)とする。ある2つの外接矩形は、互いに交差しているか、内包されるか、互いに疎であるかの3つの関係をとりうる。2つの外接矩形がこの3つの関係のいずれになるかの条件を示す。
【0055】
外接矩形の交差条件
1)互いに交差
BB2の少なくとも1点がBB1領域内にあり、少なくとも1点がBB1領域外にある。
【0056】
【数4】
すなわちLX1<LX2<HX1 OR LX1<HX2<HX1
かつLY1<LY2<HY1 OR LY1<HY2<HY1
2)内包
BB2の4点はすべてBB1領域内にある。すなわち、
【0057】
【数5】
LX1<LX2 AND HX2<HX1 AND LY1<LY2
AND HY2<HY1
3)互いに疎
BB2の4点はすべてBB1領域外にある。
【0058】
【数6】
すなわち HX1<LX2 OR HX2<LX1
もしくは HY1<LY2 OR HY2<LY1
以上の簡単な条件判定によって2つの外接矩形は位置関係を判定できる。そして、2つの矩形間の距離もしくは交差している距離は、
1)互いに交差の場合
【0059】
【数7】
DX=(HX1−LX2):LX1<LX2<HX1の場合
(HX2−LX1):LX1<HX2<HX1の場合
DY=(HY1−LY2):LY1<LY2<HY1の場合
(HY2−LY1):LY1<HY2<HY1の場合
としたときにmax(DX、DY)を交差距離ε’と定義できる。
2)互いに疎の場合
【0060】
【数8】
DX=(LX2−HX1):HX1<LX2の場合
(LX1−HX2):HX2<LX1の場合
DY=(LY2−HY1):HY1<LY2の場合
(LY1−HY2):HY2<LY1の場合
としたときにmin(DX、DY)を分離距離εと定義できる。
【0061】
以上の交差検査方法を粗描画法のかわりに用いても本発明を実施することができる。ただし、この交差検出方法を用いる場合、外接矩形が重なっていても実際の描画要素は重なっていないという誤差と、分離距離εよりも大きな距離だけ離れてしまう誤差とをもっている。
【0062】
図11は簡単な例として描画オブジェクト▲1▼〜▲3▼の外接矩形が交差と疎の位置関係で配置されたものを示している。図15はこの外接矩形法によって文字およびクリップ図形の相互距離を求める例を示したものである。
【0063】
図16には、外接矩形法を用いたときの交差テーブルの例をあげる。外接矩形法では、各オブジェクトに関して、それが交差するオブジェクト、内包するオブジェクトの各オブジェクトIDと交差距離が記憶される。交差検査の際には距離が設定値ε以上離れているか、あるいは設定値ε’以上重なりあっているかが判定される。外接矩形法が特に有用な機能を発揮するのは、クリップオブジェクトの検査である。すなわち、文字オブジェクトは通常クリップ枠を伴っているので、クリップオブジェクトとの「内包関係」が文書変更処理を経ても保持されなければならない。例えば、文書の各紙面はページクリップとよばれる紙面全体をあらわす矩形状のクリップオブジェクトをもつので、ページクリップに内包されるオブジェクトは、文書変更後もすべて内包されていなければならない。このような内包関係は外接矩形法によって完全に保証される。
【0064】
<オブジェクト全体の検査>
以上で説明した2種の交差検査処理のいずれかを用いると、ある描画オブジェクトが他の描画オブジェクトとどれだけ離れて(あるいは重なりあって)いるかが判定される。この検査はすべての描画オブジェクトについて実施される。この手順は図14のフローチャートに示される。図を用いてその手順を説明する。
【0065】
全オブジェクトの検査手順
まず検査すべきオブジェクトNを選択する(S41)。これは、描画データの発生順(すなわち描画順)でよい。つぎに、このオブジェクトNが検査プレーンにて交差判定される(S42)。交差が発見されなければ(S43)、交差テーブルのオブジェクトN欄にNULLを記載し、次のオブジェクトを検査する。交差が発見された場合には、オブジェクトNに1ピクセルの縮退処理を実施する(S44)。これは、縮退前のオリジナルの画像では、実際には交差していなくても格子サイズε以下の接近が発生している可能性があるからである。縮退処理をしたオブジェクトNにより検査プレーン上の描画オブジェクト群との交差関係がチェックされ、その結果が交差テーブルに記載される(S45、S46)。以上の処理はすべてのオブジェクトについて繰り返される(S47)。
【0066】
以上のような手続きを踏む根拠は、現実の文書において大多数のオブジェクトが空間的に独立であり交差は頻繁には発生しないという状況を利用している。すなわち実際には、コストのかさむ縮退処理をふくむS4−S5のパスを通過する頻度はきわめて小さいため、効率的に処理を進めることができる。また、上述のように全オブジェクト間の交差判定をすることは、外接矩形法の場合は計算コストがかさむため、描画オブジェクトシーケンスにおける前後(あるいは前後Nケ)のオブジェクトに関してのみ検査を行ってもよい。これは、空間的に連続したシーケンスで描画される文字オブジェクトの場合に効率的な処理構成である。
【0067】
<一致比較部>
以上の手続きにより、文書中のすべての描画オブジェクトに関する交差関係が交差テーブルに表現される。次に、一致比較部124は、原文書の交差テーブルと変更後の文書の交差テーブルとを描画オブジェクトIDの順に比較することで、2つの文書それぞれにおいてオブジェクトの交差(独立)状況が同一であるかを検査する。すなわちこの比較検査では、原文書の交差テーブルと変更文書の交差テーブルの各コラム内容が描画オブジェクトIDの順序で照合される。2表がすべて一致していれば、原文書と変更文書は、各描画オブジェクトの交差関係において「交差(重なり)」のものは「交差(重なり)」の関係にあり、「分離」のものは「分離」のままにあるということが完全に一致保証されている。さらに、交差判別が粗描画法によっている場合には、少なくともε離れていることおよび少なくともε’重なり合っていることが保証されている。
【0068】
なお、比較検査の判定基準は、このような完全一致とせずとも、あらかじめ不一致数Eを記憶設定しておき、原文書と変更文書の交差テーブルにおける不一致の発生頻度がこのE以下ならば、「一致」と結果出力することもできる。またさらに、描画オブジェクトを限定して、例えば文字だけは交差を許さないという規則を設定することもできる。例えば、図8においてオブジェクト3はオブジェクト4およびオブジェクト5と交差している。ここで、原文書の交差表ではオブジェクト3のコラムは0(交差なし)であったとしよう。このときオブジェクト4、オブジェクト5のオブジェクトタイプをチェックして、それが文字でなければ不一致の結果とはしないのである。このオブジェクトタイプのチェックは、交差表の各オブジェクトコラムにタイプ属性を添付することで実施できる。オブジェクトタイプは、文字・グラフィクス・ラスター・クリップの4種類が好適な設定例である。
【0069】
あるいはまた、交差の消失には許容頻度Eを設けてそれ以下を許容し、一方で、あらたな交差の発生は一度も許容しないという構成にしてもよい。このように比較部の一致基準は装置の目的によって多様なものを設定でき、記載した構成に発明の適用範囲を限定するものではない。
【0070】
<修正リストによる再変更処理>
比較部124の検査結果が「一致」であれば、表現変更120の変換処理は採用される。もしも検査結果が「不一致」であれば、表現変更部120は書体変更やサイズ操作によってふたたび文書の様式を変換する。このとき、表現変更部120が保持する文書変更属性には、変更方向の参照情報が含まれている。具体的には、表現変更部120の書式値選択テーブルに、交差消失の場合と交差発生の場合の書式値変更方向が以下のように記憶されている。
【0071】
【表1】
Figure 0003775130
表現変更部120は、交差表の比較により差異が発生したオブジェクトタイプを特定する。次に、上記表を参照して、交差が発生した場合には表左側に書式値をシフトし、逆に存在していた交差(重なり)が消失してしまった場合には表右側に書式値をシフトして交差検査結果の不一致を解消しようと試みる。例えば、描画オブジェクトが文字であり原文書にない交差が生じた場合には、フォントサイズを1ポイント減少させ、ボールドスタイルの場合にはこれを標準書体へと変更する。また、ラスタとグラフィクスオブジェクトの交差が消失してしまった場合には、双方のサイズを5%増加させることで交差関係の回復を試みる。グラフィクスオブジェクトのサイズは、座標変換のマトリクスを変更することで、簡単に変更できる。
【0072】
このとき、変更の制御は関連書式すべての操作を修正側に変更してもよいし、不必要な操作を避けるためにひとつの書式項目を変更し検査を繰り返してゆくという手続きによることもできる。もしも表現変更部120があらかじめ定めた回数Lだけ処理ループを繰り返しても交差テーブルの一致がえられない場合には、表現変更部120は変更を中止してオリジナルの原文書データを出力する。
【0073】
なお、以上ではすべての描画オブジェクトタイプが同一に扱われたが、実際には交差関係の検査を文字同士のみに限定してもよい。あるいは、文字がグラフィクスおよびラスタを上書きすることは許可し、その逆を禁止するとするのも好適な実施方法のひとつである。これは、交差テーブルにオブジェクトタイプの欄を加えて、一致比較部が交差テーブルを比較するときにオブジェクトタイプを比較条件に含めて描画オブジェクトを限定することで実施できる。
【0074】
以上の手順により、文書の様式変更処理と交差関係の保持確認をされた文書データは、画像形成部13(図1)へ伝送されプリントエンジン14の実解像度にてラスタライズ処理される。生成されたビットマップ画像は、ビデオシグナルとしてプリントエンジンへ送られる。プリントエンジンからは、各顧客別にカスタマイズされた紙面(書状)が出力される。
【0075】
[第2実施例]
図17は、本発明の第2実施例であるカスタムブラウジングシステム50の構成を示したものである。クライアント51はWebブラウザを備えたPCもしくはワークステーションであり、ネットワーク52経由で電子文書(HomePage上のHTMLファイル)を送信要求する。管理部53は、クライアント51からの送信要求とユーザ情報とを解析して、保存蓄積してあるHTMLファイル54を送信するものである。管理部53は、ユーザリスト56と送信要求元アドレスを照合して、適切なユーザタイプすなわち文書タイプを決定する。文書変換部55は、図2の構成による文書の様式変更装置であり、交差関係の検査手段をもっている。ここでの表現変更部120は、HTMLファイルのパージングにより書体や文字サイズ、表現文を変更する。変更されたHTMLファイルは送信要求してきたクライアント51に伝送され、クライアント51はユーザごとに表現様式をカスタマイズされた電子文書をブラウズすることができる。本発明の構成により、電子文書(HTMLファイル)の作成者は文書書式の変更のためにHTMLシーケンス内部で特別な制御手続きと外部コマンド資源の呼び出しを準備することなく、利用者個別の文書書式を提供することができる。あるいは、既製のHTML文書を本発明によるブラウジングシステム50に保存することにより、利用者のニーズに適切な書面を提供できるため、これまでに蓄積されてきた文書資産をそのまま有効活用することができる。
【0076】
[第3実施例]
図18は、本発明の第3実施例であるカスタムブック作成システム60の構成を示したものである。クライアント61はネットワーク66経由でブック作成システムと結合される。クライアント61はブックの固有情報、すなわち登場人物・登場地名・文体特徴・書体特徴・挿し絵タイプを指定するものである。カスタマイズ検査部62はカスタムブックの紙面を構成する描画オブジェクトの空間位置関係を検査して標準ブックと差異が生じていないことを検査する。カスタマイズ管理部63は、クライアント61の要求にそって、ブックファイル65から標準ブックを選択し、文書変換部64を駆動してブックのカスタマイズ処理を行い、カスタマイズ検査部62によって、標準ブックとカスタマイズブックとの差異を検査する。文書変換部64は、書体やグラフィクスの変更だけでなく、文書コンテンツや文体表現の変更を実施する。カスタマイズ管理部63は、検査に成功した場合、クライアント61にカスタマイズされたブックの記述ファイルを送信する。あるいは、クライアント61からの指示により印刷装置(例えばプリンタ67)に記述ファイルを転送し、ブックのハード紙面を印刷出力する。
【0077】
本実施例が第1実施例と異なる点は、文書変換部64への入力データが印刷用描画データでなく、標準ブックを記述したアプリケーションファイル形式であることである。そのため、各文書の構成要素は文字単位のように細かな粒度でなく、行間・字間情報などの属性値をもった文字列である。そのため、カスタムブック生成システム60の文書変換では、文章コンテンツの変更が可能となる。これは、「おれ」「ぼく」「わたし」のような人称表現や、「ですわ」「だ」「なのである」といった文末表現、あるいは「ぜったいに」「絶対に」などの漢字かな表記の切替え、などによって実施される。そのため、文書変更部64は人称表現データベースと文末表現データベース、かな漢字表記辞書を備えている。これらの文体属性値は、カスタマイズ管理部63によって指定される。カスタマイズ管理部63は、ユーザの個別(具体)指定によって、もしくはユーザ層の年齢性別から推定し、あるいはカスタムブックの印象指定から推定してこれらの属性値を決定する。「やわらかい」「男らしい」といった印象指定から、これらの文体特徴を特定することは公知の感性工学手法によって実施される。この技術は例えば特願平11−049722号公報に記載されている。もちろん、同様な他の手法を採用することができる。カスタマイズ管理部63では、印象値と文体特徴との重回帰予測式によって適切な文体特徴値を選択指定する。文体特徴を指定されると、標準ブックの文章は、例えば、「大きな切り株があったので、僕はすわって考えた。」が、文末尾表現の変更と人称の性別変更によって、「大きな切り株がありましたので、私はすわって考えました。」と変換される。あるいは、人称表現が指定された固有名詞(人名)に置換されることもある。
【0078】
この例では、文章表現の変換により文の文字数が4文字分だけ増加している。このことは文章のクリッピング・ボックスを拡大させる可能性をもつ。これら文字オブジェクトがクリッピングオブジェクトをもつ場合には、拡大されたクリッパーが他の描画オブジェクト、例えば挿し絵のラスターオブジェクトを覆い隠してしまう。あるいは、文字がクリッピングされず、直接下色を上書きする場合には、いくつかの文字は挿し絵のラスターオブジェクトに重ね書きされてしまう。カスタマイズ検査部62は、第1実施例で説明した手続きによってこのようなあらたな交差関係の発生を検出する。標準ブックとカスタマイズブックの各々における交差関係の相違はカスタマイズ管理部63に通知される。カスタマイズ管理部63はこの通知結果を受けて、文書変換部64に再度カスタマイズ処理を指示する。文書変換部64は、文字サイズの縮小や文字送り幅の削減、ラスターオブジェクトの縮小によってクリッパーの拡大もしくは文字の重なり発生を避ける。この再度の変更処理の結果、カスタマイズ検査部62が両者について交差関係の一致を確認すると、表現変換されたカスタムブックがクライアントもしくは図示しない印刷装置に転送される。このカスタムブックの紙面では、文字の重なりや本来意図されない図形の交差干渉が生じていないことが保証されている。
【0079】
【発明の効果】
以上の通り、本発明の文書処理装置によれば、文書を構成する書体の種別やサイズ、文表現の様式、などを変更したカスタム文書を作成したときに、文字の重なりや重なりの消失といった文書レイアウトデザインの障害を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に第1実施例のカスタム印刷装置の構成図である。
【図2】 第1実施例の文書変換部12の基本構成図である。
【図3】 文書変換部12の表現変更部120の構成図である。
【図4】 文書変換部12の交差検査部121の構成図である。
【図5】 粗描画法による判定処理の概念図である。
【図6】 外接矩形法による判定処理の概念図である。
【図7】 交差検査部121の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】 交差検査部121の検査プレーン133と交差テーブル134を説明する図である。
【図9】 非交差の例を示す図である。
【図10】 交差の例を示す図である。
【図11】 概説矩形による交差を説明する図である。
【図12】 画像の拡大を説明する図である。
【図13】 画像の縮退を説明する図である。
【図14】 描画オブジェクトの交差判定手続きを示すフローチャートである。
【図15】 外接矩形によるオブジェクト間距離の検査状況を説明する図である。
【図16】 外接矩形法の交差テーブルを説明する図である。
【図17】 本発明の第2実施例のカスタムブラウザの構成図である。
【図18】 本発明の第3実施例のカスタムブックの構成図である。
【図19】 文字オブジェクトとグラフィクスの意図された重なりデザインの例を示す図である。
【図20】 非常に近接配置された文字オブジェクトのデザイン例を示す図である。
【符号の説明】
10 バリアブル印刷装置
11 ジョブ構成部
12 文書変換部
13 画像形成部
14 プリントエンジン
20 文書データベース
21 顧客データベース
22 クライアント
23 ネットワーク
50 カスタムブラウジングシステム
51 クライアント
52 ネットワーク
53 管理部
54 HTMLファイル
56 ユーザリスト
55 文書変換部
60 カスタムブック作成システム
61 クライアント
62 カスタマイズ検査部
63 カスタマイズ管理部
64 文書変換部
65 ブックファイル
66 ネットワーク
67 プリンタ
120 表現変更部
121 交差検査部
122 第一記憶部
123 第二記憶部
124 一致比較部
125 パーザ
126 スタイル解釈部
127 置換処理部
128 表現リソース
130 交差検査部
131 フォント・ラスタライザ
132 グラフィックス・ラスタライズ
133 検査プレーン
134 交差テーブル

Claims (17)

  1. 文書の表現を変更する文書処理装置であって、
    文書構成要素の表現のスタイルに関する様式および描画対象の文書構成要素の少なくとも一方を変更する表現変更手段と、
    文書構成要素の描画画像の間の位置重なり関係を検査する交差検査手段と、
    前記交差検査手段が原文書を検査した結果を記憶する第一の記憶手段と、
    前記表現変更手段が前記表現変更処理を施した変更済み文書を前記交差検査手段が検査した結果を記憶する第二の記憶手段と、
    前記第一の記憶手段の記憶内容と前記第二の記憶手段の記憶内容とを比較し一致性を検査する比較手段とを備え、
    前記表現変更手段は、カスタマイズ内容に基づいて前記変更処理を施したのち、前記比較手段の判定結果に基づいて、前記変更済み文書の文書構成要素の描画画像の間の位置重なり関係が原文書の文書構成要素の描画画像の間の位置重なり関係と一致するまで、前記表現変更処理を繰り返し実行することを特徴とする文書処理装置。
  2. 請求項1記載の文書処理装置であって、前記文書構成要素はパーザにより解析して取得して描画オブジェクトであり、前記交差検査手段は、前記描画オブジェクトを出力解像度もしくは出力解像度よりも低い解像度で描画する粗解像度描画手段と、各画素値として描画オブジェクトのIDコードを記憶保持する検査プレーンと、前記粗解像度描画手段が判定した描画オブジェクトの交差関係を記憶保持する交差テーブルとを含んで構成される文書処理装置。
  3. 請求項2記載の文書処理装置であって、前記交差検査手段は、さらに粗描画像の外周輪郭を1ピクセル分だけ拡張あるいは削減する画像処理手段を備え、交差検査処理における粗描画の解像度を描画要素間の最小近接距離εあるいは最小交差距離ε’の逆数に設定する文書処理装置。
  4. 請求項2記載の文書処理装置であって、前記交差検査手段は、さらに粗描画像の外周輪郭を予め定められたnピクセル分だけ拡張あるいは削減する画像処理手段を備えた文書処理装置。
  5. 請求項1記載の文書処理装置であって、前記交差検査手段は、描画オブジェクトの外接矩形を算定する幾何計算手段と、前記幾何計算手段の求めた外接矩形同士の位置関係を交差/内包/分離のいずれかの状態および互いの交差距離または分離距離として算定する位置比較手段と、描画オブジェクトの前記位置関係を記憶保持する交差テーブルとを含んで構成される文書処理装置。
  6. 請求項1記載の文書処理装置であって、
    前記表現変更手段は、
    文章の内容もしくは文体を変換する文変更手段;
    文字送り幅、行間距離、字体サイズ、字体種別および字体スタイルの少なくとも1つを変更する文調整手段;
    図形要素のアフィン変換によって表示領域の大きさ形状を変更するグラフィクス調整手段;
    ならびにラスタ画像の拡縮処理を実行する画像調整手段の少なくとも1つを含む文書処理装置。
  7. 請求項1記載の文書処理装置であって、前記文書構成要素の表現のスタイルに関する様式は、文字の書体種別、サイズ、スタイル(スタイルはボールド、斜体、影付きの指定を含む)、挿入図形のサイズ、および挿入画像のサイズの指定を含むものである文書処理装置。
  8. 請求項1記載の文書処理装置であって、前記表現変更手段はあらかじめ定められた、文書構成要素の間の交差状態を非交差状態にしたり、非交差状態を交差状態にするために文書構成要素の様式をなす各種の書式値をどのように修正するかを規定する修正方向情報を記憶した表現修正リストを備え、前記比較手段から原文書と変更文書の交差関係が不一致であることを通知された場合には文書構成要素の様式をなす各種の書式値を前記表現修正リストにしたがって上記交差関係の不一致が解消されるように修正変更する文書処理装置。
  9. 顧客タイプなどの個別情報にもとづいた文書構成を生成してバリアブル印刷出力するバリアブル印刷装置であって、
    文書構成要素の表現のスタイルに関する様式および描画対象の文書構成要素の少なくとも一方を変更する表現変更手段と、
    文書構成要素の描画画像の間の位置重なり関係を検査する交差検査手段と、
    前記交差検査手段が原文書を検査した結果を記憶する第一の記憶手段と、
    前記表現変更手段が前記表現変更処理を施した変更済み文書を前記交差検査手段が検査した結果を記憶する第二の記憶手段と、
    前記第一の記憶手段の記憶内容と前記第二の記憶手段の記憶内容とを比較し一致性を検査する比較手段とを備え、
    前記表現変更手段は、カスタマイズ内容に基づいて前記変更処理を施したのち、前記比較手段の判定結果に基づいて、前記変更済み文書の文書構成要素の描画画像の間の位置重なり関係が原文書の文書構成要素の描画画像の間の位置重なり関係と一致するまで、前記表現変更処理を繰り返し実行することを特徴とするバリアブル印刷装置。
  10. あらかじめ定められた閲覧者情報もしくは文書閲覧時に入手する利用者情報を用いて電子文書を構成してクライアント上のウェブ・ブラウザに提供する電子文書変換装置であって、
    文書構成要素の表現のスタイルに関する書式および描画対象の文書構成要素の少なくとも一方を変更する表現変更手段と、
    文書構成要素の描画画像の間の位置重なり関係を検査する交差検査手段と、
    前記交差検査手段が原文書を検査した結果を記憶する第一の記憶手段と、
    前記表現変更手段が前記表現変更処理を施した変更済み文書を前記交差検査手段が検査した結果を記憶する第二の記憶手段と、
    前記第一の記憶手段の記憶内容と前記第二の記憶手段の記憶内容とを比較し一致性を検査する比較手段とを備え、
    前記表現変更手段は、カスタマイズ内容に基づいて前記変更処理を施したのち、前記比較手段の判定結果に基づいて、前記変更済み文書の文書構成要素の描画画像の間の位置重なり関係が原文書の文書構成要素の描画画像の間の位置重なり関係と一致するまで、前記表現変更処理を繰り返し実行することを特徴とする電子文書変換装置。
  11. 氏名や地名、製品名などの顧客固有情報を文書コンテンツに取り込んでカスタムブックを作成するカスタムブック作成装置であって、
    文書構成要素の表現のスタイルに関する様式および描画対象の文書構成要素の少なくとも一方を変更する表現変更手段と、
    文書構成要素の描画画像の間の位置重なり関係を検査する交差検査手段と、
    前記交差検査手段が原文書を検査した結果を記憶する第一の記憶手段と、
    前記表現変更手段が前記表現変更処理を施した変更済み文書を前記交差検査手段が検査した結果を記憶する第二の記憶手段と、
    前記第一の記憶手段の記憶内容と前記第二の記憶手段の記憶内容とを比較し一致性を検査する比較手段とを備え、
    前記表現変更手段は、カスタマイズ内容に基づいて前記変更処理を施したのち、前記比較手段の判定結果に基づいて、前記変更済み文書の文書構成要素の描画画像の間の位置重なり関係が原文書の文書構成要素の描画画像の間の位置重なり関係と一致するまで、前記表現変更処理を繰り返し実行することを特徴とするカスタムブック作成装置。
  12. 文書の表現を変更する文書処理方法であって、
    表現変更手段が、カスタマイズ内容にしたがって文書構成要素の表現のスタイルに関する様式および描画対象の文書構成要素の少なくも一方を変換する第一の表現変更ステップと、
    交差検査手段が、文書構成要素の描画画像の間の位置重なり関係を検査する交差検査ステップと、
    第一の記憶手段が、前記交差検査ステップにおいて原文書を検査した結果を記憶する第一の記憶ステップと、
    第二の記憶手段が、前記表現変更処理を施した変更済み文書を前記交差検査ステップにおいて検査した結果を記憶する第二の記憶ステップと、
    比較手段が、前記第一の記憶ステップで記憶した記憶内容と前記第二の記憶ステップで記憶した記憶内容とを比較し一致性を検査する比較ステップと、
    前記表現変更手段が、前記第一の表現変更ステップののちに、前記比較手段の判定結果に基づいて、前記変更済み文書の文書構成要素の描画画像の間の位置重なり関係が原文書の文書構成要素の描画画像の間の位置重なり関係と一致するまで、前記表現変更処理を繰り返し実行する第二の表現変更ステップとを有することを特徴とする文書処理方法。
  13. 文書の表現を変更する文書処理用のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
    表現変更手段が、カスタマイズ内容にしたがって文書構成要素の表現のスタイルに関する様式および描画対象の文書構成要素の少なくとも一方を変換する第一の表現変更ステップと、
    交差検査手段が、文書構成要素の描画画像の間の位置重なり関係を検査する交差検査ステップと、
    第一の記憶手段が、前記交差検査ステップにおいて原文書を検査した結果を記憶する第一の記憶ステップと、
    第二の記憶手段が、前記表現変更処理を施した変更済み文書を前記交差検査ステップにおいて検査した結果を記憶する第二の記憶ステップと、
    比較手段が、前記第一の記憶ステップで記憶した記憶内容と前記第二の記憶ステップで記憶した記憶内容とを比較し一致性を検査する比較ステップと、
    前記表現変更手段が、前記第一の表現変更ステップののちに、前記比較手段の判定結果に基づいて、前記変更済み文書の文書構成要素の描画画像の間の位置重なり関係が原文書の文書構成要素の描画画像の間の位置重なり関係と一致するまで、前記表現変更処理を繰り返し実行する第二の表現変更ステップとをコンピュータに実行させるために用いるコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  14. 文書の表現を変更する文書処理装置であって、
    文書構成要素の表現のスタイルに関する様式および描画対象の文書構成要素の少なくとも一方を変更する表現変更手段と、
    少なくとも一部の領域において文書構成要素の描画画像の間の位置重なり関係を検査する交差検査手段と、
    前記交差検査手段が原文書について検査した結果を記憶する第一の記憶手段と、
    前記表現変更手段が前記表現変更処理を施した変更済み文書について前記交差検査手段が検査した結果を記憶する第二の記憶手段と、
    前記第一の記憶手段の記憶内容と前記第二の記憶手段の記憶内容とを比較する比較手段とを備え、
    前記表現変更手段は、カスタマイズ内容に基づいて前記変更処理を施したのち、前記比較手段の比較結果に基づいて、前記変更済み文書の文書構成要素の描画画像の間の位置重なり関係と原文書の文書構成要素の描画画像の間の位置重なり関係とが予め定められた一致判定条件を満たすまで、前記表現変更処理を繰り返すことを特徴とする文書処理装置。
  15. 文書の表現を変更する文書処理装置であって、
    文書構成要素の表現のスタイルに関する様式および描画対象の文書構成要素の少なくとも一方を変更する表現変更手段と、
    少なくとも一部の領域において文書構成要素の描画画像の間の位置重なり関係を検査する交差検査手段と、
    前記検査した結果を、カスタマイズ内容により指定される目標とする文書構成要素の位置重なり関係に比較する手段とを備え、
    前記表現変更手段は、上記比較する手段の比較結果に基づいて、変更後の前記文書構成要素の描画画像の間の位置重なり関係と、目標とする文書構成要素の描画画像の間の位置重なり関係とが予め定められた一致判定条件を満たすまで前記表現変更処理を繰り返すことを特徴とする文書処理装置。
  16. 請求項15記載の文書処理装置であって、前記目標とする文書構成要素の描画画像の間の位置重なり関係は、文書の所定の文書構成要素同士が所定の距離だけ離間していることであり、前記文書構成要素の描画画像同士が離間し、かつ、前記文書構成要素の描画画像の輪郭を当該距離に応じて膨張させたもの同士が交差することに基づいて、変更後の前記位置重なり関係が前記目標とする位置重なり関係と一致すると判定する文書処理装置。
  17. 請求項15記載の文書処理装置であって、前記目標とする文書構成要素の描画画像の間の位置重なり関係は、文書の所定の文書構成要素の描画画像同士が所定の重なり長だけ重なっていることであり、前記文書構成要素の描画画像同士が交差し、かつ、前記文書構成要素の描画画像の輪郭を当該距離に応じて縮退させたもの同士が離間することに基づいて、変更後の前記位置重なり関係が前記目標とする位置重なり関係と一致すると判定する文書処理装置。
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