JP3773995B2 - 作動装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はモータの回転力を直線的な作動力に変換させて利用することができるようにした新規な作動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、直線的な作動力を呈する作動装置の最も一般的なものとしては、プランジャを直線的に変位させるソレノイドを挙げることができる。
【0003】
ソレノイドの構造は比較的簡単であるが、ストロークがかなり短いこと、ストロークの始端において作動力が小さく、それほど作動力を必要としない終端において過大な作動力が発生すること、あるいは、同様にストロークの終端において騒音を発生すること、などの問題がある。
【0004】
また、別の従来の作動装置として電動モータを使用して直線的な作動力を得ようとする場合は、例えばピニオンとラックのような変換機構の他、モータの焼損事故を避けるためのクラッチ機構やブレーキ機構等を要することになり、全体の構造が複雑になるという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の作動装置は、前記のような問題点を悉く解決するために提案されたものである。
【0006】
すなわち、モータの回転力を直線的な作動力に変換させて利用するものであるに関わらず、全体としての機構を簡単にすること、ストロークの両端で構成部材の1つであるらせん状の作動ばねを空転させることによりクラッチ機構等を不要にすること、作動を静かにすること、並びに、ストロークの改変を容易に行えるようにすることを目的として提案されたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明の作動装置は、モータの回転出力軸と同軸に円筒状のばね案内筒を固定的に被嵌すること;ばね案内筒の内側に軸線方向に摺動できるようにらせん状の作動ばねを収納すること;作動ばねの少くも一端はばね案内筒の長さ方向に沿って形成されたスリットから外部に向け突出させ、被動部材に対する作用片とすること;モータの回転出力軸にはばね案内筒の内壁に向け突出され、作動ばねのピッチ間隙に嵌め込まれ得る突片を備えること;作動ばねは回転出力軸の正・逆回転に伴って共に回転する突片の誘導案内によりばね案内筒の長さ方向に往復動するものであること;ばね案内筒には作動ばねの往復動におけるストロークの両端に対するストッパ手段を有すること;及び、回転出力軸上の突片は作動ばねのストロークの中間域では作動ばねのピッチ間隙に係入しており、ストロークの両端部ではその係入が解かれるものであることを構成条件とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施例に基いて、この発明について説明する。
図1〜図3に示す第1実施例において、符号1は枠板10に取付ねじ91で固定された電動モータで、そのモータ1は正・逆の回転が任意にできるようにしてある。
【0009】
符号2はモータ1の回転出力軸11に対し、同軸かつ固定的に被嵌された円筒状をなす有底のばね案内筒で、図示例では長さ方向の一端に設けられた底板21をモータ1のカバー部材に止めねじ92により固定してあるが、このばね案内筒2は例えば枠板10など他の不動部材に固定してもよいことは言うまでもない。
【0010】
前記のばね案内筒2の内側空間部22には軸線方向に摺動できるようにした、疎巻コイルばねとしてのらせん状の作動ばね3が装着してある。
【0011】
らせん状の作動ばね3は、鋼線で作るのが普通であるが、適当な弾性を有する強靱な合成樹脂材料で作ることもできる。ばね3の強さ、巻数、長さ等は、作動装置の諸元に応じて通常のコイルばね同様任意に選択することができる。
【0012】
そして、前記の作動ばね3の少くも一端は、ばね案内筒2の長さ方向に沿って形成されたスリット23から外部に向け突出され、その突出部31は図示しない被動部材に対する作用片とされる。
【0013】
このような作用片31を有する作動ばね3は、既存の疎巻コイルばねに追加加工することにより製作することができる。
【0014】
一方、ばね案内筒2内に底板21の貫通孔24を通じて突出されたモータ1の回転出力軸11には円筒状の取付基体4を介してピン状の突片41が備えられている。
【0015】
突片41はばね案内筒2の内壁に向け半径方向に突出され、作動ばね3の連続するピッチ間隙に対し両端から係入して嵌め込まれ得る(図2参照)。
【0016】
取付基体4に対する突片41の固定は打込み嵌合手段等によって行われ、また、回転出力軸11に対する取付基体4の固定はねじ止め手段93等によって行われる。
【0017】
作動ばね3は、後述のように、回転出力軸11の正・逆回転に伴って共に回転する突片41のピッチ間隙に沿う誘導案内によりばね案内筒2の長さ方向に往復動するものであり、ばね案内筒2には作動ばね3の往復動におけるストローク両端に対する任意のストッパ手段を有する。
【0018】
第1実施例におけるストッパ手段は、作動ばね3のストロークの左側端においてはばね案内筒2の底板21がその役割を果たし(図1参照)、ストロークの右側端においてはスリット23の右端部23aがその役割を果たす(図3参照)。
【0019】
そして、回転出力軸11上の突片41は、図2に示すように作動ばね3のストロークの中間域の全長に亘り該作動ばね3のピッチ間隙に係入され、図1及び図3に示すように作動ばね3のストロークの両端部ではその係入が解かれる。
【0020】
第1実施例において作用について更に詳しく説明する。
図1の非作動状態では、らせん状の作動ばね3はばね案内筒2の左方位置にあり、モータ1の回転出力軸11上の突片41は作動ばね3のピッチ間隙から右方へ外れ出ており、作動ばね3はその長さ方向においてばね案内筒2の底板21と突片41との間に挟まれてやや圧縮された状態に保たれている。
【0021】
この状態で、モータ1の回転出力軸11が矢印Aで示すように左回り(図1で右端側から見て反時計方向)に回転すると、同方向に回転する突片41は、作動ばね3のらせん状をなすピッチ間隙に入り込む。
【0022】
そして、ばね案内筒2の軸線方向において固定した位置で軸線回りに回転する突片41は、ばね案内筒2の軸線に対し傾斜する作動ばね3のコイル部分との間に生じる楔作用により、その作動ばね3をばね案内筒2の案内で矢印B方向(右方向)へ摺動させる。
【0023】
その際、ばね案内筒2のスリット23に差し込まれ外部に突出している作動ばね3の作用片31(突出部)は、ばね案内筒2に関し作動ばね3の回り止め作用を呈している。
【0024】
作動ばね3が図2に示すストロークの中間域を経て図3に示すストロークの右端に至ると、作動ばね3の一部である作用片31がストッパ手段であるスリット23の右端部23aで停止される一方、回転を続ける突片41は作動ばね3のピッチ間隙より左方へ抜き出て、作動ばね3はその長さ方向についてストッパ手段23aと突片41との間に挟まれてやや圧縮された状態に保持される。ここでモータ1を一旦停止させる。
【0025】
この作動ばね3の移動中、作動ばね3の作用片31は図示しない被動部材に対し矢印B方向にほぼ一定の力で押動作用等を呈するので、例えばドアチェーンを自動的に外す、等の装置の原動力とする。
【0026】
電動モータ1の始動、停止又は正・逆転の切換え等の制御は勿論手動であっても自動であってもよい。
【0027】
図3の状態でモータ1の出力軸11を矢印Aとは逆方向に回転させると、作動ばね3は正回転の作用に準じ左方に向け復動変位し、図1の原位置に戻る。ここでモータ1への通電は断たれるのが普通である。
【0028】
なお、この作動装置では、作動ばね3の復動の際に被動部材(図示しない)に対し押動作用等を呈するようにしてもよい。
【0029】
本発明の装置では作動ばね3が図1又は図3に示すようにストロークの左端又は右端に位置するとき、慣性又は故障によってモータ1のロータが過剰に回転を続けても、作動ばね3に対し回転出力軸11上の突片41は回転力をほとんど付与することなく、該作動ばね3の端面に接触しつつ空転するだけであるから、モータ1の焼損の恐れは全く無い。
【0030】
これとは逆に、被動部材が作動行程の途中で停止しても、作動ばね3が圧縮された状態で、突片41がその端面に接触しつつ空転するだけであるから、モータ1の焼損の恐れは全く無い。
【0031】
図4に示す第2実施例では、モータ1とばね案内筒2との取付構造が第1実施例と異なっている。ここでは主として相違している部分についてのみ説明する。
【0032】
すなわち、第2実施例において第1実施例(図1〜図3)と同一の符号で指し示す部材は相互に等効の部材を表わしているので、それらの部材についての説明は省略する。
【0033】
図4において、符号5は断面L字状をなす取付部材で、一片は枠板10に固定され、他片にねじ94でばね案内筒2及びモータ1が固定されている。
【0034】
モータ1はその端面が円筒状のばね案内筒2の底板21に内側から当てがわれ、ばね案内筒2はモータ1と共に取付部材5に対しねじ94で呼び付けることによって固定してある。
【0035】
そして、モータ1の胴部における横断面の外径はばね案内筒2の内径よりも小さく形成してあって、モータ1の胴部とばね案内筒2との間には円筒状をなす空隙6が形成されている。
【0036】
この空隙6はばね案内筒2内を図4で左右に摺動する作動ばね3のストロークの通路をなし、作動ばね3が左方位置に存する時、そのばね3はモータ1の外側に同心的に嵌まり合う。
【0037】
モータ1の回転出力軸11に対し図示しない止めねじ等で固定された取付基体4は、この例では扁平にして多段に作られた円板形をなすが、その周囲に突片41が突設されていることに変わりはない。
【0038】
なお、第2実施例の作動装置の作用については、上述した第1実施例の作用に準ずるので、その説明は省略する。この例では、作動装置の全長を短くすることができる。
【0039】
【発明の効果】
以上に説明したこの発明の作動装置は、次に示すような効果を奏する。
先ず第一に、モータの回転力を直線的な作動力に変換させて利用するものであるにかかわらず、全体としての機構が極めて簡単である。
【0040】
また、作動ばねを往復動のストロークの両端で空転できるようにしたので、モータが故障等で回転をし続けても焼損する恐れがない。
【0041】
更にまた、作動時突片と作動ばねが摺動することによって作動力が生じるものであるから、作動が静かである。
【0042】
加えて、作動ストロークの改変は作動ばね及びばね案内筒を長さの異なるものに変えるだけで行うことができ、作動力は作動ばねの素線径、コイル径を変えることにより容易に行うことができる、等種々の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の作動装置の第1実施例における作動前の状態を示す部分縦断正面図。
【図2】その作動の中間の状態を示す部分縦断正面図。
【図3】その作動後の状態を示す部分縦断正面図。
【図4】この発明の作動装置の第2実施例を示す部分縦断正面図。
【符号の説明】
1 モータ
11 回転出力軸
2 ばね案内筒
22 空間部
23 スリット
3 作動ばね
31 作用片
41 突片
【発明の属する技術分野】
この発明はモータの回転力を直線的な作動力に変換させて利用することができるようにした新規な作動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、直線的な作動力を呈する作動装置の最も一般的なものとしては、プランジャを直線的に変位させるソレノイドを挙げることができる。
【0003】
ソレノイドの構造は比較的簡単であるが、ストロークがかなり短いこと、ストロークの始端において作動力が小さく、それほど作動力を必要としない終端において過大な作動力が発生すること、あるいは、同様にストロークの終端において騒音を発生すること、などの問題がある。
【0004】
また、別の従来の作動装置として電動モータを使用して直線的な作動力を得ようとする場合は、例えばピニオンとラックのような変換機構の他、モータの焼損事故を避けるためのクラッチ機構やブレーキ機構等を要することになり、全体の構造が複雑になるという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の作動装置は、前記のような問題点を悉く解決するために提案されたものである。
【0006】
すなわち、モータの回転力を直線的な作動力に変換させて利用するものであるに関わらず、全体としての機構を簡単にすること、ストロークの両端で構成部材の1つであるらせん状の作動ばねを空転させることによりクラッチ機構等を不要にすること、作動を静かにすること、並びに、ストロークの改変を容易に行えるようにすることを目的として提案されたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明の作動装置は、モータの回転出力軸と同軸に円筒状のばね案内筒を固定的に被嵌すること;ばね案内筒の内側に軸線方向に摺動できるようにらせん状の作動ばねを収納すること;作動ばねの少くも一端はばね案内筒の長さ方向に沿って形成されたスリットから外部に向け突出させ、被動部材に対する作用片とすること;モータの回転出力軸にはばね案内筒の内壁に向け突出され、作動ばねのピッチ間隙に嵌め込まれ得る突片を備えること;作動ばねは回転出力軸の正・逆回転に伴って共に回転する突片の誘導案内によりばね案内筒の長さ方向に往復動するものであること;ばね案内筒には作動ばねの往復動におけるストロークの両端に対するストッパ手段を有すること;及び、回転出力軸上の突片は作動ばねのストロークの中間域では作動ばねのピッチ間隙に係入しており、ストロークの両端部ではその係入が解かれるものであることを構成条件とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施例に基いて、この発明について説明する。
図1〜図3に示す第1実施例において、符号1は枠板10に取付ねじ91で固定された電動モータで、そのモータ1は正・逆の回転が任意にできるようにしてある。
【0009】
符号2はモータ1の回転出力軸11に対し、同軸かつ固定的に被嵌された円筒状をなす有底のばね案内筒で、図示例では長さ方向の一端に設けられた底板21をモータ1のカバー部材に止めねじ92により固定してあるが、このばね案内筒2は例えば枠板10など他の不動部材に固定してもよいことは言うまでもない。
【0010】
前記のばね案内筒2の内側空間部22には軸線方向に摺動できるようにした、疎巻コイルばねとしてのらせん状の作動ばね3が装着してある。
【0011】
らせん状の作動ばね3は、鋼線で作るのが普通であるが、適当な弾性を有する強靱な合成樹脂材料で作ることもできる。ばね3の強さ、巻数、長さ等は、作動装置の諸元に応じて通常のコイルばね同様任意に選択することができる。
【0012】
そして、前記の作動ばね3の少くも一端は、ばね案内筒2の長さ方向に沿って形成されたスリット23から外部に向け突出され、その突出部31は図示しない被動部材に対する作用片とされる。
【0013】
このような作用片31を有する作動ばね3は、既存の疎巻コイルばねに追加加工することにより製作することができる。
【0014】
一方、ばね案内筒2内に底板21の貫通孔24を通じて突出されたモータ1の回転出力軸11には円筒状の取付基体4を介してピン状の突片41が備えられている。
【0015】
突片41はばね案内筒2の内壁に向け半径方向に突出され、作動ばね3の連続するピッチ間隙に対し両端から係入して嵌め込まれ得る(図2参照)。
【0016】
取付基体4に対する突片41の固定は打込み嵌合手段等によって行われ、また、回転出力軸11に対する取付基体4の固定はねじ止め手段93等によって行われる。
【0017】
作動ばね3は、後述のように、回転出力軸11の正・逆回転に伴って共に回転する突片41のピッチ間隙に沿う誘導案内によりばね案内筒2の長さ方向に往復動するものであり、ばね案内筒2には作動ばね3の往復動におけるストローク両端に対する任意のストッパ手段を有する。
【0018】
第1実施例におけるストッパ手段は、作動ばね3のストロークの左側端においてはばね案内筒2の底板21がその役割を果たし(図1参照)、ストロークの右側端においてはスリット23の右端部23aがその役割を果たす(図3参照)。
【0019】
そして、回転出力軸11上の突片41は、図2に示すように作動ばね3のストロークの中間域の全長に亘り該作動ばね3のピッチ間隙に係入され、図1及び図3に示すように作動ばね3のストロークの両端部ではその係入が解かれる。
【0020】
第1実施例において作用について更に詳しく説明する。
図1の非作動状態では、らせん状の作動ばね3はばね案内筒2の左方位置にあり、モータ1の回転出力軸11上の突片41は作動ばね3のピッチ間隙から右方へ外れ出ており、作動ばね3はその長さ方向においてばね案内筒2の底板21と突片41との間に挟まれてやや圧縮された状態に保たれている。
【0021】
この状態で、モータ1の回転出力軸11が矢印Aで示すように左回り(図1で右端側から見て反時計方向)に回転すると、同方向に回転する突片41は、作動ばね3のらせん状をなすピッチ間隙に入り込む。
【0022】
そして、ばね案内筒2の軸線方向において固定した位置で軸線回りに回転する突片41は、ばね案内筒2の軸線に対し傾斜する作動ばね3のコイル部分との間に生じる楔作用により、その作動ばね3をばね案内筒2の案内で矢印B方向(右方向)へ摺動させる。
【0023】
その際、ばね案内筒2のスリット23に差し込まれ外部に突出している作動ばね3の作用片31(突出部)は、ばね案内筒2に関し作動ばね3の回り止め作用を呈している。
【0024】
作動ばね3が図2に示すストロークの中間域を経て図3に示すストロークの右端に至ると、作動ばね3の一部である作用片31がストッパ手段であるスリット23の右端部23aで停止される一方、回転を続ける突片41は作動ばね3のピッチ間隙より左方へ抜き出て、作動ばね3はその長さ方向についてストッパ手段23aと突片41との間に挟まれてやや圧縮された状態に保持される。ここでモータ1を一旦停止させる。
【0025】
この作動ばね3の移動中、作動ばね3の作用片31は図示しない被動部材に対し矢印B方向にほぼ一定の力で押動作用等を呈するので、例えばドアチェーンを自動的に外す、等の装置の原動力とする。
【0026】
電動モータ1の始動、停止又は正・逆転の切換え等の制御は勿論手動であっても自動であってもよい。
【0027】
図3の状態でモータ1の出力軸11を矢印Aとは逆方向に回転させると、作動ばね3は正回転の作用に準じ左方に向け復動変位し、図1の原位置に戻る。ここでモータ1への通電は断たれるのが普通である。
【0028】
なお、この作動装置では、作動ばね3の復動の際に被動部材(図示しない)に対し押動作用等を呈するようにしてもよい。
【0029】
本発明の装置では作動ばね3が図1又は図3に示すようにストロークの左端又は右端に位置するとき、慣性又は故障によってモータ1のロータが過剰に回転を続けても、作動ばね3に対し回転出力軸11上の突片41は回転力をほとんど付与することなく、該作動ばね3の端面に接触しつつ空転するだけであるから、モータ1の焼損の恐れは全く無い。
【0030】
これとは逆に、被動部材が作動行程の途中で停止しても、作動ばね3が圧縮された状態で、突片41がその端面に接触しつつ空転するだけであるから、モータ1の焼損の恐れは全く無い。
【0031】
図4に示す第2実施例では、モータ1とばね案内筒2との取付構造が第1実施例と異なっている。ここでは主として相違している部分についてのみ説明する。
【0032】
すなわち、第2実施例において第1実施例(図1〜図3)と同一の符号で指し示す部材は相互に等効の部材を表わしているので、それらの部材についての説明は省略する。
【0033】
図4において、符号5は断面L字状をなす取付部材で、一片は枠板10に固定され、他片にねじ94でばね案内筒2及びモータ1が固定されている。
【0034】
モータ1はその端面が円筒状のばね案内筒2の底板21に内側から当てがわれ、ばね案内筒2はモータ1と共に取付部材5に対しねじ94で呼び付けることによって固定してある。
【0035】
そして、モータ1の胴部における横断面の外径はばね案内筒2の内径よりも小さく形成してあって、モータ1の胴部とばね案内筒2との間には円筒状をなす空隙6が形成されている。
【0036】
この空隙6はばね案内筒2内を図4で左右に摺動する作動ばね3のストロークの通路をなし、作動ばね3が左方位置に存する時、そのばね3はモータ1の外側に同心的に嵌まり合う。
【0037】
モータ1の回転出力軸11に対し図示しない止めねじ等で固定された取付基体4は、この例では扁平にして多段に作られた円板形をなすが、その周囲に突片41が突設されていることに変わりはない。
【0038】
なお、第2実施例の作動装置の作用については、上述した第1実施例の作用に準ずるので、その説明は省略する。この例では、作動装置の全長を短くすることができる。
【0039】
【発明の効果】
以上に説明したこの発明の作動装置は、次に示すような効果を奏する。
先ず第一に、モータの回転力を直線的な作動力に変換させて利用するものであるにかかわらず、全体としての機構が極めて簡単である。
【0040】
また、作動ばねを往復動のストロークの両端で空転できるようにしたので、モータが故障等で回転をし続けても焼損する恐れがない。
【0041】
更にまた、作動時突片と作動ばねが摺動することによって作動力が生じるものであるから、作動が静かである。
【0042】
加えて、作動ストロークの改変は作動ばね及びばね案内筒を長さの異なるものに変えるだけで行うことができ、作動力は作動ばねの素線径、コイル径を変えることにより容易に行うことができる、等種々の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の作動装置の第1実施例における作動前の状態を示す部分縦断正面図。
【図2】その作動の中間の状態を示す部分縦断正面図。
【図3】その作動後の状態を示す部分縦断正面図。
【図4】この発明の作動装置の第2実施例を示す部分縦断正面図。
【符号の説明】
1 モータ
11 回転出力軸
2 ばね案内筒
22 空間部
23 スリット
3 作動ばね
31 作用片
41 突片
Claims (1)
- モータの回転出力軸と同軸に円筒状のばね案内筒を固定的に被嵌すること;ばね案内筒の内側に軸線方向に摺動できるようにらせん状の作動ばねを収納すること;作動ばねの少くも一端はばね案内筒の長さ方向に沿って形成されたスリットから外部に向け突出させ、被動部材に対する作用片とすること;モータの回転出力軸にはばね案内筒の内壁に向け突出され、作動ばねのピッチ間隙に嵌め込まれ得る突片を備えること;作動ばねは回転出力軸の正・逆回転に伴って共に回転する突片の誘導案内によりばね案内筒の長さ方向に往復動するものであること;ばね案内筒には作動ばねの往復動におけるストロークの両端に対するストッパ手段を有すること;及び、回転出力軸上の突片は作動ばねのストロークの中間域では作動ばねのピッチ間隙に係入しており、ストロークの両端部ではその係入が解かれるものであることを構成条件とする作動装置。
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Family Applications (1)
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JP22176296A Expired - Fee Related JP3773995B2 (ja) | 1996-08-05 | 1996-08-05 | 作動装置 |
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Families Citing this family (4)
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JP4791095B2 (ja) * | 2005-07-06 | 2011-10-12 | 株式会社日立製作所 | リニアアクチュエータ |
JP5249260B2 (ja) * | 2010-02-16 | 2013-07-31 | Ckd株式会社 | アクチュエータ |
WO2021100390A1 (ja) * | 2019-11-21 | 2021-05-27 | パナソニック株式会社 | 電動アクチュエータ |
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1996
- 1996-08-05 JP JP22176296A patent/JP3773995B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH1051997A (ja) | 1998-02-20 |
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