JP3773385B2 - 機能性繊維積層物、その製造方法及び製造装置、並びに該積層物を用いた寝具インテリア及び産業資材 - Google Patents

機能性繊維積層物、その製造方法及び製造装置、並びに該積層物を用いた寝具インテリア及び産業資材 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ふとん、枕、クッション、座ぶとん等の寝具インテリアの中綿に好適に用いられる充填材、及び、断熱材、吸(防)音材、エアーフィルター等濾過材等産業資材に有用な機能性繊維積層物、その製造方法、製造装置、並びに該積層物を用いた寝具インテリア及び産業資材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の寝具インテリアには、天然または合成物質をその充填材に塗布したり、充填材の繊維に練り込むなどの方法により、充填材に防菌性、防カビ性、防臭性、防虫性等を付与したものが提供されている。
【0003】
しかし、従来の寝具インテリアにおいては、塗布による場合は、それを使用している間に該物質が充填材から次第に剥落して行き、充填材の防菌、防カビ、防虫、防臭等の効果が薄れてしまうという問題があり、一方、練り込みによる場合は、該物質が充填材の内部に包埋されているため防菌等の効果が発現されにくいという問題があった。更には、物質によっては安全性に問題を有する場合があった。
【0004】
一方、従来の断熱材、吸(防)音材、エアフィルター等の繊維質産業資材には、グラスウール、ロックウール等の繊維質材料が広く使用されている。
しかし、かかる繊維質材料は、断熱性、吸(防)音性、濾過性等に優れる他、吸湿性に優れているという特徴を有するが、その反面、この優れた吸湿性のために、高温多湿の我国においては、カビやダニ等の害虫が発生し易いばかりでなく、不快な悪臭を伴い易く、また近時、これら害虫に因るアトピーの増加が大きな社会問題となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の充填材や繊維質産業資材を改良して、上記のような問題点を取り除き、抗菌、防カビ、防臭、防虫等の効果を有する機能性繊維積層物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第1は、繊維シート状物からなる積層物の積層間に、機能性粉末とヒノキ科の木からの抽出物とを含有する分散液を噴霧し、機能性粉末をヒノキ科の木からの抽出物により付着させたことを特徴とする機能性繊維積層物を内容とする(請求項1)。
【0009】
好ましい態様として、機能性粉末が遠赤外線放射性、陰イオン放射性、抗菌性、防カビ性、防虫性、防臭性、医療性等の機能性を有するセラミック、鉱物、金属、医療物質から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の機能性繊維積層物である(請求項2)。
【0010】
好ましい態様として、機能性粉末がヒスイである請求項1又は2記載の機能性繊維積層物である(請求項3)。
【0011】
本発明の第は、2層の繊維シート状物の互いに対向する面に機能性粉末とヒノキ科の木からの抽出物とを含有する分散液を噴霧により塗布し、機能性粉末をヒノキ科の木からの抽出物により付着させ、これら塗布面どうしを重ね合わせて積層した後、乾燥することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の機能性繊維積層物の製造方法を内容とする(請求項4)。
【0014】
好ましい態様として、乾燥と同時に加熱融着する請求項記載の製造方法である(請求項)。
【0015】
本発明の第は、連続的に供給される繊維質シート状物の近傍に圧縮空気により機能性粉末を含有する分散液又は機能性粉末と接着性物質とを含有する分散液又は機能性粉末とヒノキ科の木からの抽出物とを含有する分散液を噴霧するスプレーノズルを配置し、該スプレーノズルに前記分散液の攪拌・貯留タンクを流量制御用電磁弁を備えた給液管により接続するとともに、前記スプレーノズルに圧縮空気源を流量制御用電磁弁を備えた空気管により接続し、さらに前記圧縮空気源を空気管により前記攪拌・貯留タンクに接続し、前記連続的に供給される繊維シート状物に連動して前記電磁弁の開閉を自動制御する制御装置を設けてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の機能性繊維積層物の製造装置を内容とする(請求項)。
【0016】
本発明の第は、請求項1〜のいずれか1項に記載の機能性繊維積層物を袋状物内に収容してなることを特徴とする寝具インテリアを内容とする(請求項)。
【0017】
好ましい態様として、袋状物がヒノキ科の木からの抽出物を塗布してなる請求項記載の寝具インテリアである(請求項)。
【0018】
本発明の第は、請求項1〜のいずれか1項に記載の機能性繊維積層物からなる産業資材を内容とする(請求項)。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる繊維シート状物は、寝具インテリア充填材用としては、天然綿又は合繊綿が好適で、また熱融着性繊維と混綿したものでもよく、更には該混綿を加熱成形した所謂固綿であってもよい。もちろん、抽出物を塗布後に加熱成形して固綿とすることも可能である。
更に、難燃繊維、遠赤外線放射性繊維、抗菌性繊維、防虫・防ダニ・防カビ性繊維、脱臭性繊維等からなる綿、又はこれらの1種又は2種以上を混入してなる混綿も使用できる。
【0020】
また、産業資材用としては、グラスウール、ロックウール、セラミックファイバー、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維、アスベスト繊維、動植物繊維(牛毛、羊毛、黄麻等)、天然繊維、合成繊維等からなる積層状、マット状、フェルト状等のシート状物が挙げられる。
【0021】
本発明に用いられる機能性粉末としては、遠赤外線放射性、陰イオン放射性、抗菌性、防虫性、脱臭性、医療性等の1又は2以上の機能性を有するセラミックス、鉱物、金属等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。
このような物質としては、例えば、アルミナ(Al2 3 )系、マグネシア(MgO)系、ジルコニア(ZrO2 )系、チタニア(TiO2 )系の外、二酸化ケイ素(SiO2 )、酸化クロム(Cr2 3 )、フェライト(FeO2 ・Fe3 4 )、スピネル(MgO・Al2 3 )、セリア(CeO2 )、ベリリア(BeO)、蛇紋石(マグネシウムの含水ケイ酸塩鉱物)、絹雲母、電気石(トルマリン)、ゼオライト、セリサイト、水晶、医王石、輝石、ヒスイ、メノウ、ルビー、サファイヤ、エメラルド、金、白金、銀、銅等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。これらのうち、多くの物質は遠赤外線放射性及び陰イオン放射性を有し、例えば、血行促進、筋肉の疲労の回復、神経痛や筋肉痛の緩解、胃腸の機能の活発化等の効能も発揮する。特に、ヒスイは遠赤外線放射性、陰イオン放射性、抗菌性、脱臭性に優れているので好適である。また、金、白金、銀、銅等も健康増進作用や、防カビ、防菌、防虫等の作用を有する。
【0022】
他の機能性物質として、温泉に含まれ医療効果のある温泉医療物質か挙げられる。例えば炭酸泉として、慢性胃カタルや慢性便秘に効果がある炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;重炭酸土類泉として、慢性湿疹や皮膚病に効果がある重炭酸カルシウム、重炭酸マグネシウム等;重ソウ泉として、創傷、火傷、皮膚病、慢性胃カタルに効果がある重炭酸ナトリウム;硫酸塩泉として、常習便秘、胆石症に効果のある硫酸ナトリウム(ボウ硝)、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム等;鉄泉として、婦人病、貧血症、慢性リウマチに効果がある重炭酸亜酸化鉄、硫酸亜酸化鉄;ミョウバン泉として、慢性皮膚病、多汗症、婦人科疾患に効果があるミョウバン;イオウ泉として、慢性皮膚病、関節リウマチ、筋肉リウマチ、神経痛に効果があるイオウ;放射能泉として、慢性関節リウマチ、筋肉リウマチ、神経痛、慢性胃腸カタル、慢性皮膚病に効果があるラドン、ラジウム、等が好ましいものとして例示され、これらは単独又は2種以上組み合わせて用いられる。これらの物質は日常生活の中で温泉医療効果を享受することができる。
【0023】
機能性粉末は、噴霧の際にノズルを詰まらせないという点から、微粉であればある程好都合である。
【0024】
繊維シート状物からなる積層物の積層間に、機能性粉末と、接着性とともに優れた防菌性、防カビ性を有するヒノキ科の木からの抽出物とを含有する分散液を噴霧して付着させる。分散媒としては、水、エタノール、エーテル等の適当な溶剤が用いられる。
分散液の機能性粉末の濃度は特に制限されないが、濃度が余り大き過ぎるとノズルが詰まったりして作業性が低下し、一方、余り小さ過ぎると噴霧効果が低下するので、これらを勘案して適宜選択される。
【0025】
ヒノキ科の木からの抽出物を添加しない分散液の場合は、分散液を噴霧した後乾燥するだけでは機能性粉末を充分に付着させることができず、従って、通常、乾燥工程で加熱融着することが必要であるが、この接着性を有する物質を添加することにより、噴霧後乾燥するだけで機能性粉末を充分に付着させることができる。勿論、この場合も乾燥工程で加熱融着すれば一層強固に付着させることが可能である。
【0027】
本発明に用いられる抽出物としては、青森ヒバ、台湾ヒノキ、アスナロ等のヒノキ科の木から抽出されたヒノキチオールを主成分とするものが好適に用いられる。例えば、青森ヒバ油の組成を示せば表1のとおりである。
【0028】
【表1】
Figure 0003773385
【0029】
ヒノキチオールは下記の如き構造式で表される天然トロポロンで、無色、リョウ柱状晶で、融点51〜52℃で、溶解度は水25℃、1.2g/Lである。また、有機溶剤に易溶である。食品添加物の保存剤としても認可されており、安全性も確認されている。
【0030】
【化1】
Figure 0003773385
【0031】
分散媒に対する抽出物の稀釈倍率は特に制限されないが300〜1000倍程度が好ましい。塗布量は抽出物100%で綿の面積1m2当たり0.003〜0.05g(500倍の稀釈液で約1.5〜25cm3 )の範囲とするのが好ましい。塗布量が0.003g未満では抽出物の上記効果が弱くなり過ぎ、また塗布量が0.05gを越えると抽出物の香りが強くなり過ぎ、却って不快感や頭痛をもたらす場合がある。
【0032】
分散液を塗布する具体的な方法としては、カーディングから送り出された綿の表面に塗布する方法が挙げられ、好ましくはカーディングから送り出された2層の綿の互いに対向する綿に塗布し、必要に応じて乾燥した後、塗布綿どうしを重ね合わせて塗布面を内側に包み込むように積層する方法が採用される。
【0033】
上記方法を実施するための装置としては、繊維シート状物として綿シート状物を例に挙げて説明すると、図1に示すように、カード1の綿出口側に圧縮空気により分散液を噴霧するスプレーノズル21を配置し、該スプレーノズル21に前記分散液の攪拌・貯留タンク22を流量制御用電磁弁24を備えた給液管34により接続するとともに、前記スプレーノズル21に圧縮空気源23を流量制御用電磁弁25を備えた空気管36により接続し、さらに前記圧縮空気源23を空気管38により前記貯留タンク22に接続し、前記カード1に連動して前記電磁弁24、25の開閉を自動制御する制御装置26を設けた装置が好適である。
【0034】
上記スプレーノズルとしては、株式会社いけうち製「2流体微霧スプレーノズル BIMシリース(商品名)」が好適で、また攪拌・貯留タンクとしては、同社製攪拌ユニット「KX345(商品名)」を備えた加圧タンク「TN30B−LG(商品名)」が好適である。
上記装置を用いることにより、綿の表面に所望の量を均一に且つ自動的に塗布することができる。
【0035】
上記の如くして、繊維シート状物からなる積層物の積層間に噴霧塗布され、ヒノキ科の木からの抽出物で付着された機能性粉末は、成型工程に送られ、ここで所定のサイズ及び所定の層数に成型された後、ラティスにより乾燥工程へ送られ、乾燥又は乾燥と同時に必要に応じ加熱融着され、機能性粉末は積層物の積層間に付着される。
【0036】
上記の如くして得られる機能性繊維積層物は、積層物の積層間に機能性粉末がヒノキ科の木からの抽出物により付着されるので機能性粉末が剥落することなく長期間の使用に耐えることができる。したがって、機能性繊維積層物は抗菌、防カビ、防臭、防虫、医療等の作用及び効果を長期間に亘って持続することができる。
本発明の機能性繊維積層物は、天然綿や合繊綿を繊維シート状物として用いた場合は、ふとん、枕、クッション、座ぶとん等の寝具インテリアの中綿として好適で、特に同じ抽出物塗布処理した側生地からなる袋状物内に処理したものが本発明の効果を充分に発揮する点で好適である。
一方、グラスウール、ロックウール等を繊維シート状物として用いた場合は、断熱材、吸(防)音材、濾過材(エアフィルター等)等として好適で、必要に応じ、同じ抽出物塗布処理した生地からなる袋状物内に収納して使用することもできる。
【0037】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の製造装置の一実施例を示す全体構成図である。この製造装置を用いて、繊維シート状物として綿シート状物を用い、また分散液として、機能性粉末としてのヒスイ粉末とヒノキ科の木から抽出したヒノキチオールとを含有する分散液を用いた場合を例に挙げて説明する。
尚、使用したヒスイ「JADE WORLD 玉:商品名」(以下、試料と記す)成分分析の結果を表2に、該試料を用いた脱臭、抗菌、陰イオン、遠赤外線放射率及び放射エネルギーの測定結果を表3〜表6に示す。
【0038】
【表2】
Figure 0003773385
【0039】
一定量のアンモニアガスを入れた容器内に一定量の試料を入れ、経過時間とともに、アンモニアガスの濃度を測定した。結果を表3に示す。
【0040】
【表3】
Figure 0003773385
【0041】
大腸菌と一般菌により、試料の抗菌効果をテストした。結果を表4に示すが、試料を用いない場合は菌が2.4〜2.5倍に増加したが、試料を用いた場合は84.9〜86.7%の菌の落下率を示した。
【0042】
【表4】
Figure 0003773385
【0043】
電解粒子測定装置を用いて、温度22℃、湿度55%の大気中(単位体積当たり)のマイナスイオンを測定した。結果を表5に示す。
【0044】
【表5】
Figure 0003773385
【0045】
FT−IR Spectrometerを使用し、40℃でblack body対比結果を得た。その結果を表6に示したが、5〜20マイクロ波長で0.93の放射率と、3.74×102 (W/m2. μm . 40℃)の放射エネルギーが認められた。
【0046】
【表6】
Figure 0003773385
【0047】
図1の製造装置は、図示したように、1台のカード1と、塗布装置2とから構成されている。
【0048】
カード1は、給綿部3、カーディング部4及び綿送出し部5を具備してなる。給綿部3は、給綿ローラ6を有し、その終端に送りローラ7を設けている。カーディング4は大小3個のドラム8、9、10を備え、ドラム8の外周には複数個のシリンダ11が配置されている。綿送出し部5は、綿送出ローラ12を有し、その後方に充填材送出しローラ13を設けている。
【0049】
一方、塗布装置2は、圧縮空気により分散液を噴霧するスプレーノズル装置21と、前記分散液の攪拌・貯留タンク22と、スプレーノズル装置21及び貯留タンク22に圧縮空気を供給する圧縮空気源23と、スプレーノズル装置21に供給する前記分散液及び圧縮空気の流量を制御する電磁弁24、25とこれら電磁弁24、25の開閉をカード1に連動して自動制御する制御装置26とから構成されている。
【0050】
スプレーノズル装置21は、図3及び図4に示すように、箱形のヘッダー27の正面に複数個のスプレーノズル28(例えば、株式会社いけうち製、商品名「2流体微霧スプレーノズル」のBIMシリーズ)を配置し、ヘッダー27の側面に2個の分散液の給液管29を設けるとともに、ヘッダー27の上面に2個の空気管30を設けてなるもので、カード1の綿出口側の綿送出しローラ12上方に配置されている。なお、給液管29及び空気管30は、それぞれ各スプレーノズル28の給液孔及び給気孔に連通している。
【0051】
攪拌・貯留タンク22は、耐圧性を有しするタンク(例えば、株式会社いけうち製、商品名「TN30B−LG」)で攪拌機47(例えば、株式会社いけうち製、商品名「KX345」)を備えており、タンク上部に空気圧力計31、タンク側面に液面計48を備えている。圧縮空気源23は、空気圧縮機から圧縮空気を供給される耐圧性タンクである。
【0052】
スプレーノズル装置21の給液管29(図3参照)と貯留タンク22との間には、電磁弁24、手動用ロックバルブ32と逆止弁33を備えた給液管34が接続されている。また、スプレーノズル装置21の空気管30(図3参照)と圧縮空気源23との間には、電磁弁25と手動用ロックバルブ35を備えた空気管36が接続されている。さらに、貯留タンク22と圧縮空気源23との間には、逆止弁37を備えた空気管38が接続されている。なお、制御装置26は、両電磁弁24、25のソレノイドに接続されている。
【0053】
上記製造装置により本発明の機能性繊維積層物を製造するには、まず、ヒノキチオール30mlを例えば温度40℃の湯で500倍に希釈した水15Lに400メッシュのヒスイ粉末200gを分散させ、該分散液44を攪拌・貯留タンク22内に攪拌しながら貯留するとともに、例えば圧力が0.5MPa(5kg/cm2 )の圧縮空気を圧縮空気源23内に貯留しておく。これにより、攪拌・貯留タンク22内の分散液44も、空気管38を介して圧力0.5MPa(5kg/cm2 )に加圧される。
【0054】
次に、カード1を始動し、給綿部3の給綿ローラ6に綿41を供給する。この綿41は、送りローラ7で2層の綿42、43に別れる。各層の綿42、43はカーディング部4のドラム8の外周でシリンダ11によりカーディングされ、一方の綿42はドラム9を経て外部に送り出されるとともに、他方の綿43はドラム10を経て綿送出しローラ12上に送り出される。
【0055】
一方、カード1に連動して、制御装置26が両電磁弁24、25を開く。これにより、攪拌・貯留タンク22内の加圧された分散液44が給液管34を経てスプレーノズル装置21内に供給されるとともに、圧縮空気源23内の圧縮空気が空気管36を経て、例えば流量1000L/min の割合でスプレーノズル装置21内に送られる。この圧縮空気は、スプレーノズル28から分散液44を1.5L/hrの速度で噴出して、綿42、43の互いに対向する面に塗布する。
【0056】
分散液を塗布された面42、43は塗布面どうしを重ね合わされて積層され、積層間にヒスイ粉末がヒオキチオールで付着された機能性繊維積層物45となり、送り出しローラ13により次の成型工程に送られ、更にラティスで乾燥工程に送られ乾燥される。
【0057】
上記の如くして得られる本発明の機能性繊維積層物は、機能性粉末が積層物の積層間にヒオキチオールにより強固に付着し、また積層物の表面には機能性粉末が存在しないため使用中に機能性粉末が離脱することがなく、長時間に亘って抗菌性、防カビ性、防臭性、防虫性等の特性を発揮するとともに安全性に優れているため、ふとん、枕、クッション、座ぶとん等の寝具インテリアの充填材(中綿)として好適で、特に、同じヒオキチオール塗布処理した側生地からなる袋状物内に充填材を収容してなる寝具インテリアが本発明の効果を有効に発揮する点で好適である。
【0058】
図2は、本発明の製造装置の他の実施例を示す全体構成図で、この装置を用いて繊維質産業資材(断熱材)を製造した。この製造装置は、図示のように、2台のカード1A、Bと、2個の分散液貯留タンク22A、22Bとを具備している。カード1Aでカーディングされてその綿送出し部5Aから送り出された綿46Aと、カード1Bでカーディングされてその綿送出し部5Bから送り出された綿46Bとは、送出しローラ13の直前でスプレーノズル装置21から分散液44を噴霧され、塗布面どうしが重ね合わされて積層された機能性繊維積層物45となる。また、貯留タンク22A、22Bは片方ずつ使用し、一方の貯留タンク22Aが空になると切り換えバルブ39A、39Bを操作して他方の貯留タンク22Bに切り換える。その他の構成、作用、効果は前記実施例と同じである。
【0059】
上記の如くして得られる本発明の繊維質産業資材は、機能性粉末が積層物の積層間にヒオキチオールにより強固に付着し、また積層物の表面には機能性粉末が存在しないため使用中に機能性粉末が離脱することがなく、長時間に亘って抗菌性、防カビ性、防臭性、防虫性等の特性を発揮するとともに安全性に優れているため、断熱材、吸(防)音材、エアフィルター等の各種濾過材として好適で、必要に応じ、同じ抽出物塗布処理した生地からなる袋状物内に収容して使用することも可能である。
【0060】
【発明の効果】
叙上のとおり、本発明の機能性繊維積層物は、抗菌性、防カビ性、防臭性、防虫性、医療性等に優れた機能性粉末及び抗菌性等に優れたヒノキ科の木からの天然抽出物が塗布され且つ積層物の積層間に機能性粉末がヒノキ科の木からの天然抽出物によって強固に付着されているので、この積層物を充填材を利用したふとん、枕、クッション、座ぶとん等の寝具インテリアは抽出物の副作用がなく、安全で、衛生的且つ健康的である。特に、乳幼児や病人に対しても安全に用いることができる。
また、本発明の機能性繊維積層物は、断熱材、吸(防)音材、濾過材(エアフィルター等)等としても好適で、必要に応じ、同じ抽出物塗布処理した生地からなる袋状物内に収納して使用することもできる。
また、本発明の機能性繊維積層物は適量の機能性粉末や抽出物を綿や繊維シート状物の表面に均一に塗布することが重要であるが、本発明の方法及び装置を用いることにより、容易且つ自動的に達成される。
また、機能性粉末はヒノキ科の木からの抽出物により積層物の積層間に付着されているので、使用中に剥落することがなく、抗菌性等の上記特性を長期間保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造装置の一実施例を示す全体構成図である。
【図2】本発明の製造装置の他の実施例を示す全体構成図である。
【図3】本発明の製造装置に用いるスプレーノズル装置の正面図である。
【図4】図3の右側図面である。
【符号の説明】
1 1A、1B カード 2 塗布装置
3 給綿部 4 カーディング部
5 綿送出し部 6 給綿ローラ
7 送りローラ 8、9、10 ドラム
11 シリンダ 12 綿送出ローラ
13 充填材送出しローラ 21 スプレーノズル装置
22 攪拌・貯留タンク 22A、22B 貯留タンク
23 圧縮空気源 24、25 電磁弁
26 制御装置 27 箱形のヘッダー
28 スプレーノズル 29 給液管
30、36、38 空気管 31 空気圧力計
32、35 ロックバルブ 33 逆止弁
34 給液管 37 逆止弁
39A、39B バルブ 41、42、43、46A、46B 綿
44 分散液 45 機能性繊維積層物
47 攪拌機 48 液面計

Claims (9)

  1. 繊維シート状物からなる積層物の積層間に、機能性粉末とヒノキ科の木からの抽出物とを含有する分散液を噴霧し、機能性粉末をヒノキ科の木からの抽出物により付着させたことを特徴とする機能性繊維積層物。
  2. 機能性粉末が遠赤外線放射性、陰イオン放射性、抗菌性、防カビ性、防虫性、防臭性、医療性等の機能性を有するセラミック、鉱物、金属、医療物質から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の機能性繊維積層物。
  3. 機能性粉末がヒスイである請求項1又は2記載の機能性繊維積層物。
  4. 2層の繊維シート状物の互いに対向する面に機能性粉末とヒノキ科の木からの抽出物とを含有する分散液を噴霧により塗布し、機能性粉末をヒノキ科の木からの抽出物により付着させ、これら塗布面どうしを重ね合わせて積層した後、乾燥することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の機能性繊維積層物の製造方法。
  5. 乾燥と同時に加熱融着する請求項記載の製造方法。
  6. 連続的に供給される繊維質シート状物の近傍に圧縮空気により機能性粉末を含有する分散液、又は機能性粉末と接着性物質とを含有する分散液又は機能性粉末とヒノキ科の木からの抽出物とを含有する分散液を噴霧するスプレーノズルを配置し、該スプレーノズルに前記分散液の攪拌・貯留タンクを流量制御用電磁弁を備えた給液管により接続するとともに、前記スプレーノズルに圧縮空気源を流量制御用電磁弁を備えた空気管により接続し、さらに前記圧縮空気源を空気管により前記攪拌・貯留タンクに接続し、前記連続的に供給される繊維シート状物に連動して前記電磁弁の開閉を自動制御する制御装置を設けてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の機能性繊維積層物の製造装置。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の機能性繊維積層物を袋状物内に収容してなることを特徴とする寝具インテリア。
  8. 袋状物がヒノキ科の木からの抽出物を塗布してなる請求項記載の寝具インテリア。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の機能性繊維積層物からなる産業資材。
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