JP3771510B2 - 組織の体内再生用材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、組織の体内再生用材料に関する。さらに詳しくは、外傷や外科手術等による筋肉、皮膚組織、骨、軟骨、血管、神経、腱、靭帯、毛胞組織、粘膜組織、歯周組織、象牙質、骨髄、網膜、漿膜、胃腸管及び脂肪等の欠損部位、並びに肺、肝、膵及び腎等の臓器の欠損部位に適用され、当該組織及び臓器の再生を促進することのできる体内埋め込み型の組織再生用材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
生体吸収性材料と組織細胞とを組み合わせた組織欠損の補修材として、速やかに生体組織を増殖させるために線維芽細胞を含有させた生体吸収性ポリマーが提案されており、例えば、アルギン酸ゲルに線維芽細胞を含有した人工補填材や、さらにコンドロイチン硫酸を組合せたものが知られている(特開平6−343689号公報)。
さらに、コラーゲンスポンジと細胞を組合せた培養人工皮膚(オルガノジェゲネシス(Organogenesis)社,グンゼ株式会社)やポリグリコール酸と細胞を組合せた培養人工皮膚(アドバンスト ティッシュサイエンス(Advanced Tissue Science)社)が商品化されており、ポリグリコール酸不織布に血管構成細胞を組合せた肺動脈の再生技術(東京女子医大:新岡俊治著、北隆館発行「バイオクリニカ」15巻14号(2000年)1123頁)等の研究もなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
自分自身の細胞をアルギン酸等の生体吸収性材料に含有させて補修材を作製する場合、欠損していない部位から組織細胞を切り出し、欠損組織の大きさに応じた補修材の全体に細胞が増殖して充填されるまで1〜数週間必要であり、欠損から治療完了までの時間がかかりすぎるという問題点がある。
本発明の目的は、上記現状に鑑み、組織欠損部分の補修治癒において、体外での細胞培養を必要とせず、組織又は臓器の欠損部位を速やかに治療できる組織欠損補修用材料を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意研究を重ねてきた結果、細胞接着活性物質と生体吸収性物質を用いることにより、欠損していない組織から速やかに細胞が埋め込んだ当該物質内に移動して、細胞が速やかに増殖、分化することを見いだし本発明に到達した。
すなわち、本発明の組織の体内再生用材料の特徴は、細胞接着活性物質(A)と生体吸収性物質(B)と線維芽細胞増殖因子、トランスフォーミング増殖因子、上皮細胞増殖因子、肝細胞増殖因子、血小板由来増殖因子、インスリン様増殖因子、血管内皮細胞増殖因子、神経成長因子、幹細胞因子、白血病阻害因子、骨形成因子、ヘパリン結合上皮細胞増殖因子、神経栄養因子、結合組織成長因子、アンジオポエチン、コンドロモジュリン、テノモジュリン、サイトカイン類、インターロイキン類、アドレナモジュリン及びナトリウム利尿ペプチドからなる群より選ばれる少なくとも1種の細胞増殖因子とからなり、
(A)が、遺伝子組換大腸菌により製造され、細胞接着シグナルRGD配列と(GAGAGS) 9 配列(10)を1分子中に各々約12個有する数平均分子量約10万のポリペプチド、このポリペプチドとジメチルアミノエチルクロライドと反応させて水溶性にしたポリペプチド又は遺伝子組換大腸菌により製造され、細胞接着シグナルIKVAV配列(7)と(GAGAGS) 9 配列(10)を1分子中に各々約12個有する数平均分子量約10万のポリペプチドである点にある。
【0005】
【発明の実施の形態】
まず、細胞接着活性物質(A)について説明する。
(A)は、細胞接着活性を有する物質であり、天然系物質及び人工系物質が使用できる。
天然系物質としては、基底膜に存在する糖タンパク(例えば、ラミニン、エンタクチン(ナイドジェン)、テネイシン、アグリン、オステオネクチン、オステオカルシン、オステオポンチン、フィブルイン、フィブリノーゲン、ビトロネクチン、アンカリン、バミン及びトロンボスポンジン等)、プロテオグリカン(例えば、アグリカン、パールカン、ビグリカン、デコリン、フィブロモジュリン、バーシカン、デュリン、ニューロカン、ブレビカン、ルーミカン、セルグリシン、シンデカン、CD44、ベータグリカン、トロンボモデュリン、グリピカン、セレブログリカン及びNG2プロテオグリカン等)、細胞膜に存在する糖タンパク(例えば、インテグリン、インテグリンスーパーファミリー、カドヘリン及びカドヘリンスーパーファミリー等)、タイトジャンクションに関する物質(例えば、オクルディン等)等が挙げられる。
【0006】
人工系物質としては、例えば、遺伝子組換微生物によって合成され、細胞接着シグナルを現わす最小アミノ酸配列を1分子中に少なくとも1個有するポリペプチド(A1)等が用いられる。
ポリペプチド(A1)において、細胞接着シグナルを現わす最小アミノ酸配列としては、接着シグナルとして働くものであればいずれも使用でき、例えば、株式会社永井出版発行「病態生理」Vol.9、No.7(1990年)527頁に記載されている最小アミノ酸配列等が挙げられる。
【0007】
この中で、接着する細胞の種類が多いという点で、アミノ酸一文字表記で現わされる、RGD配列、LDV配列、REDV配列(1)、YIGSR配列(2)、PDSGR配列(3)、RYVVLPR配列(4)、LGTIPG配列(5)、RNIAEIIKDI配列(6)、IKVAV配列(7)、LRE配列、DGEA(8)配列及びHAV配列の配列が好ましく、さらに好ましくはRGD配列、YIGSR配列(2)、PDSGR配列(3)、LGTIPG配列(5)、IKVAV配列(7)及びHAV配列、特に好ましくはRGD配列、IKVAV配列(7)及びHAV配列である。ポリペプチド(A1)は、これらの最小アミノ酸配列の少なくとも1種の配列を含んでいればよく、2種以上の配列を組み合わせて含んでいてもよい。
【0008】
ポリペプチド(A1)中には前記最小アミノ酸配列が1分子中に少なくとも1個含有される必要がある。最小アミノ酸配列が含有されない場合、細胞接着性が低下する結果、本材料上又は本材料内での細胞の増殖が不十分となる傾向がある。
この最小アミノ酸配列の含有量は、細胞接着・増殖性の観点から、1分子中3〜50個が好ましく、さらに好ましくは4〜30個、特に好ましくは5〜20個である。
【0009】
ポリペプチド(A1)の数平均分子量は、細胞に対する毒性が低く、接着性能が高いという点で、5,000〜5,000,000が好ましく、さらに好ましくは10,000〜1,000,000、特に好ましくは50,000〜500,000である。すなわち、(A1)の数平均分子量は5,000以上が好ましく、さらに好ましくは10,000以上、特に好ましくは50,000以上であり、また5,000,000以下が好ましく、さらに好ましくは1,000,000以下、特に好ましくは500,000以下である。
なお、ポリペプチド(A1)の数平均分子量は、SDS−PAGE法(Naドデシルスルフェイト−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法)で、(A1)を水中で展開し、泳動距離を標準物質と比較することによって求められる。
【0010】
ポリペプチド(A1)には、細胞接着シグナルを現わす最小アミノ酸配列以外に、(A1)の熱安定性、構造安定性、生体吸収性物質(B)との親和性及び/又は必要により適当な水溶性を向上させるアミノ酸配列、例えばシルクフィブロイン由来のアミノ酸配列GAGAGS(9)等を有することが好ましく、これらのアミノ酸配列を少なくとも2個(好ましくは3〜50個、さらに好ましくは5〜20個)有することがさらに好ましい。
【0011】
ポリペプチド(A1)の好ましい具体例としては、三洋化成工業(株)製プロネクチンF(遺伝子組換大腸菌により製造され、細胞接着シグナルRGD配列と(GAGAGS)9配列(10)を1分子中に各々約12個有する数平均分子量約10万のポリペプチド)、同プロネクチンFプラス(プロネクチンFとジメルアミノエチルクロライドと反応させて水溶性にしたもの)、同プロネクチンL(遺伝子組換大腸菌により製造され、細胞接着シグナルIKVAV配列(7)と(GAGAGS)9配列(10)を1分子中に各々約12個有する数平均分子量約10万のポリペプチド)等が挙げられる。
【0012】
この他に市場から入手できる人工細胞接着性ペプチドとしては、例えば、RGDS[RGDS配列(11)からなるペプチド、数平均分子量約400、(株)ペプチド研究所製]、GRGDS[GRGDS配列(12)からなるペプチド、数平均分子量約500、(株)ペプチド研究所製]、RetroNectin(リコンビナントヒトフィブロネクチンCH−296)[ヒトフィブロネクチン細胞接着シグナルであるCS1シグナルと細胞接着ドメインTypeIII及びヘパリン結合ドメインIIを1つずつ有するペプチド、数平均分子量約6万、宝酒造(株)製]、及びRGDS−Protein A「RGD配列をProtein A(IgG結合ドメイン)に挿入したペプチド、数平均分子量約3万、宝酒造(株)製]等が挙げられる。
【0013】
ポリペプチド(A1)は、遺伝子組換微生物(例えば、酵母、細菌及び大腸菌等)によって生産され、例えば、特表平3−502935号公報等に記載されている方法により、容易に得られる。なお、化学合成でも生産可能であるが、微生物によって合成されるものが均一であり、細胞増殖性に優れているので好ましい。
【0014】
次に、生体吸収性物質(B)について説明する。
生体吸収性物質(B)は、欠損組織に埋め込まれて周りの組織細胞が増殖する足場となるもので、欠損組織の再生とともに生体内に吸収されていくものであれば、制限なく使用でき、例えば、天然高分子、合成高分子、無機物及びこれらの複合体が用いられる。
天然高分子としては、例えば、コラーゲン、ゼラチン、グリコサミノグリカン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ケラタン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパリン、エラスチン、キチン、キトサン、フィブリン、アルギン酸、デンプン、デキストラン、アルブミン、ポリヒドロキシ酪酸、ペクチン、ペクチン酸、ガラクタン、プルラン、アガロース、グルテン、フィブロイン及びこれらの誘導体等が挙げられる。
【0015】
これらの誘導体としては、これらの部分分解物、酸化物、アルキレンオキシド付加物、カルボキシメチル化物及び架橋体等が挙げられる。
これらの部分分解物としては、酵素(例えば、コラゲナーゼ等)等による部分分解物等が用いられ、例えば、アテロコラーゲン等が挙げられる。
これらの酸化物としては、酸化剤(例えば、過酸化水素等)による酸化物等が用いられ、例えば、酸化デンプン等が挙げられる。
【0016】
これらのアルキレンオキシド付加物としては、炭素数2〜6のアルキレンオキシド(例えば、エチレンオキシド等)の付加物等が用いられ、例えば、ヒドロキシエチル化デンプン等が挙げられる。
これらのカルボキシメチル化物としては、例えば、カルボキシメチル化デンプン等が挙げられる。
これらの架橋体としては、架橋剤(例えば、グルタルアルデヒド等)又は熱(例えば、100〜200℃)による架橋体等が用いられ、例えば、コラーゲンの熱架橋体等が挙げられる。
【0017】
合成高分子としては、例えば、乳酸、ロイシン、グリコール酸、ε−カプロラクトン、ジオキサノン、リンゴ酸、ラクチド及びグリコリドからなる群より選ばれた単量体を必須単量体としてなる(共)重合体(ポリグリコール酸)、細胞接着シグナルを現わす最小アミノ酸配列を含まない合成ポリペプチド並びにポリシアノアクリレート等が挙げられる。
これら合成高分子の数平均分子量(ゲルパーミエションクロマトグラフィー法によるものであり、以下、Mnと略する。)は、1,000〜5,000,000が好ましく、さらに好ましくは5,000〜1,000,000、特に好ましくは10,000〜500,000である。すなわち、合成高分子のMnは、1,000以上が好ましく、さらに好ましくは5,000以上、特に好ましくは10,000以上であり、また5,000,000以下が好ましく、さらに好ましくは1,000,000以下、特に好ましくは500,000以下である。
【0018】
また、これらの合成高分子のガラス転移温度は、−50〜150℃が好ましく、さらに好ましくは−20〜100℃、特に好ましくは−10〜80℃である。すなわち、合成高分子のガラス転移温度(℃)は、−50以上が好ましく、さらに好ましくは−20、特に好ましくは−10であり、また150以下が好ましく、さらに好ましくは100以下、特に好ましくは80以下である。
これらの合成高分子は、通常の方法で容易に得ることができ、例えば、ポリグリコール酸は、乳酸、グリコール酸及びカプロラクトン等の単量体を酸性白土等の無機固体酸触媒存在下に150〜250℃に加熱し、10〜150時間減圧下で脱水反応を行う方法、又は環状の単量体(例えば、ラクチド等)をオクチル錫等の触媒存在下、150〜250℃に加熱し、10〜150時間反応させる方法により得ることができる。
【0019】
また、合成ポリペプチドは、アミノ酸単量体を酸性白土等の無機固体酸触媒存在下に50〜250℃に加熱し、1〜150時間減圧下で脱水反応を行うことで得られる。
また、ポリシアノアクリレートは、シアノアクリレート単量体を空気中で10〜100℃の温度で1〜150時間常圧で反応させることで得られる。
【0020】
無機物としては、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム等が用いられる。
炭酸カルシウムとしては、軽質炭酸カルシウム及び重質炭酸カルシウム等が挙げられる。
リン酸カルシウムとしては、ヒドロキシアパタイト、トリカルシウムフォスフェート及びこれらと他のリン酸カルシウム(例えば、モノカルシウムハイドロジェンフォスフェート等)との混合物等が挙げられる。
ヒドロキシアパタイトは、Ca10(PO46(OH)2で示される塩基性のリン酸カルシウム塩であり、Ca/PO4モル比が1.67となるような湿式法、乾式法及び水熱法のいずれかを用いて合成されるが、試薬として市販されているものでもよく、また多孔質アパタイト、顆粒状アパタイトを用いてもよい。
【0021】
また、トリカルシウムフォスフェートは、Ca3(PO42で示されるものでありCa/PO4モル比が1.50となるように湿式法又は乾式法で合成されるが、歯科用に販売されているものを用いてもよい。
また、他のリン酸カルシウムとの混合物としては、例えば、モノカルシウムハイドロジェンフォスフェート、α−トリカルシウムフォスフェート(α−TCP)及びカルシウムカーボネート(CC)の混合物からなるもの等が挙げられる。
これらの無機材料の製法は特に特定されないが、例えば、乾式法、水熱法、湿式法及びアルコキシド法が適用でき、後処理として熱処理を行ってもよい。
【0022】
これらの複合体としては、天然高分子と合成高分子とからなる複合体等が用いられる。
天然高分子と合成高分子とからなる複合体としては、天然高分子に合成高分子を構成する単量体を反応させたブロック及び/又はグラフト重合体等が用いられ、例えば、ポリ乳酸グラフト化デンプン等が挙げられる。
天然高分子と合成高分子とからなる複合体は、例えば、天然高分子を存在させながら、合成高分子を構成する単量体の重合反応を行うことによって得ることができる。
【0023】
これらの生体吸収性物質(B)のうち、材料の取扱性の観点から、以下の(1)〜(4)で示される生体吸収性物質からなる群より選ばれる生体吸収性物質が好ましく、さらに好ましくは以下の(5)〜(6)で示される生体吸収性物質からなる群より選ばれる生体吸収性物質である。
(1)天然高分子
コラーゲン、ゼラチン、グリコサミノグリカン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、フィブリン、アルギン酸、キチン、キトサン、フィブロイン、デンプン、ペクチン、ペクチン酸、並びにこれらの部分分解物、酸化物、アルキレンオキシド付加物、カルボキシメチル化物及び架橋体。
【0024】
(2)合成高分子
乳酸、グリコール酸及びε−カプロラクトンからなる群より選ばれる単量体を必須構成単量体とする(共)重縮合体、並びに細胞接着シグナルを現わす最小アミノ酸配列を1分子中に少なくとも1個有するポリペプチド(A1)以外の合成ポリペプチド。
(3)無機物
トリカルシウムフォスフェート、ヒドロキシアパタイト及び炭酸カルシウム。
(4)天然高分子と合成高分子とからなる複合体天然高分子に乳酸、グリコール酸及び/又はε−カプロラクトンを重合させてなるブロック及び/又はグラフト共重合体。
【0025】
(5)天然高分子
コラーゲン及びゼラチン。
(6)合成高分子
乳酸、グリコール酸及びカプロラクトンからなる群より選ばれる単量体を必須構成単量体とする(共)重縮合体。
【0026】
(B)の形状としては、粉末状、粒状、繊維状、布帛状、管状、フィルム状、ゲル状、スポンジ状及びブロック状等が好ましく、さらに好ましくは粉末状、繊維状、布帛状、ゲル状及びスポンジ状、特に好ましくは粉末状、ゲル状及びスポンジ状、最も好ましくはゲル状及びスポンジ状である。
形状は、平均粒径0.1μm〜300μmの集合体からなる球状、多孔質状、又は平均断面径が0.01mm〜5mmの繊維状等が挙げられる。
【0027】
なお、粉末状とは、平均粒子径(例えば、顕微鏡下で10個好ましくは50個の粒子の直径を測定した平均値で示される値。以下同じである。)0.001μm〜1cm(好ましくは0.1〜1000μm)の形状を意味する。
また、粒状とは、粒子径1〜5cm(好ましくは1〜3cm)の形状を意味する。
また、繊維状とは、平均直径(例えば、断面をノギス又は顕微鏡を用いて10ヵ所好ましくは50カ所の直径を測定した平均値で示される値。以下同じである。)0.001μm〜1cm(好ましくは1μm〜5mm)で長さ1cm〜1m(好ましくは1cm〜10cm)の形状を意味する。
【0028】
また、布帛状とは、厚さ(例えば、ノギス又は顕微鏡を用いて10ヵ所好ましくは50カ所の厚さを測定した平均値で示される値。以下同じである。)0.1μm〜10cm(好ましくは1μm〜5cm)で面積0.1〜1000cm2(好ましくは1〜100cm2)の織物又不織布の形状を意味する。
また、管状とは、内径(例えば、断面をノギス又は顕微鏡を用いて10ヵ所好ましくは50カ所の内径を測定した平均値で示される値。以下同じである。)0.005〜5cm(好ましくは0.01cm〜1cm)、外径(例えば、断面をノギス又は顕微鏡を用いて10ヵ所好ましくは50カ所の外形を測定した平均値で示される値。以下同じである。)0.01〜10cm(好ましくは0.05〜2cm)、長さ0.1〜50cm(好ましくは0.5〜10cm)の形状を意味する。
【0029】
また、フィルム状とは厚さ0.1μm〜10cm(好ましくは1μm〜5cm)で面積0.1〜1000cm2(好ましくは1〜100cm2)の形状を意味する。
また、ゲル状とは大きさ0.001〜100cm3(好ましくは0.1〜10cm3)で含水率5〜99重量%(好ましくは20〜95重量%)の非流動性のものを意味する。
また、スポンジ状とは、大きさ0.001〜100cm3(好ましくは0.1〜10cm3)で平均空隙径(例えば、断面を顕微鏡を用いて10ヵ所好ましくは50カ所の空隙径を測定した平均値で示される値。以下同じである。)0.01〜1000μm(好ましくは0.1〜100μm)の形状を意味する。
また、ブロック状とは、大きさ0.001〜100cm3(好ましくは0.1〜10cm3)で上記以外のものを意味する(以下、同じである)。
【0030】
細胞接着活性物質(A)の含有量は、生体吸収性物質(B)100重量部に対して、0.00001〜500重量部が好ましく、さらに好ましくは0.0001〜50重量部、特に好ましくは0.1〜20重量部である。すなわち、(A)の含有量(重量部)は、(B)100重量部に対して、0.00001以上が好ましく、さらに好ましくは0.0001以上、特に好ましくは0.1以上であり、また500以下が好ましく、さらに好ましくは50以下、特に好ましくは20以下である。(A)の含有量がこの範囲であると、細胞の接着増殖性と該材料の物理的特性(強度,柔軟性等)が両立しやすくなり、組織欠損の治癒促進効果がより十分に発揮できる傾向にある。
【0031】
本発明の材料には、細胞接着活性物質(A)及び生体吸収性物質(B)以外に、溶媒(C)を含有させることができる。
溶媒(C)としては細胞接着活性物質(A)及び/又は生体吸収性物質(B)を溶解又は分散できるものであれば特に制限はないが、無機塩、アミノ酸、ビタミン、有機酸塩、アルコール、脂質、糖類、酸及び/又は塩基を0.1〜50重量%(好ましくは1〜30重量%)含有する水溶液、並びに水等が使用できる。
【0032】
無機塩としては、ハロゲン化アルカリ金属、ハロゲン化アルカリ土類金属、炭酸アルカリ金属、硫酸アルカリ金属、硫酸アルカリ土類金属、硫酸遷移金属、硝酸アルカリ金属、硝酸遷移金属、リン酸アルカリ金属及び過塩素酸アルカリ金属等が使用でき、例えば、塩化リチウム、臭化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸水素カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸銅、硝酸鉄、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸鉄、リン酸ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二水素ナトリウム、リン酸カリウム、過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム及び過塩素酸リチウム等が挙げられる。
【0033】
アミノ酸としては、炭素数2〜11のアミノ酸等が使用でき、例えば、アルギニン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、プロリン、セリン及びグリシン等が挙げられる。ビタミンとしては、例えば、コリン、イノシトール、ニコチンアミド、グルタミン、ビタミンA及びビタミンB12等が挙げられる。
【0034】
有機酸塩としては、炭素数1〜6の有機酸の塩等が使用でき、例えば、シュウ酸カリウム、酢酸ナトリウム等が挙げられる。
アルコールとしては、炭素数1〜4のアルコール等が使用でき、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール及びブタノール等が挙げられる。
脂質としては、脂肪酸グリセリド(例えば、脂肪酸(炭素数8〜22)のグリセリド等)、リン脂質(例えば、脂肪酸(炭素数8〜22)のリン酸エステル等)、糖脂質(例えば、スフィンゴ糖脂質及びスルホリピド等)等が挙げられる。
【0035】
糖類としては、例えば、単糖(例えば、ブドウ糖、エリトロース、リボース、フルクトース等)、2糖(例えば、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトース等)、オリゴ糖(例えば、アミロース、アミロペクチン等)及びアミノ糖(例えば、前記アミノ酸)等が挙げられる。
酸としては、無機酸及び炭素数1〜6の有機酸等が使用でき、例えば、塩酸、燐酸、硫酸、酢酸、蟻酸、フェノール及びヘキサン二酸等が挙げられる。
塩基としては、無機塩基及び炭素数2〜6の有機塩基等が使用でき、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、エチルアミン、エチレンジアミン、ピリジン及びトリエチルアミン等が挙げられる。
水としては、例えば、蒸留水、イオン交換水、水道水及びイオン交換蒸留水等が挙げられる。
【0036】
これらの溶媒(C)の中で、無機塩、酸及び/又は塩基を含有する水溶液、並びに水が好ましく、さらに好ましくは無機塩を含有する水溶液及び水、特に好ましくはハロゲン化アルカリ金属、炭酸アルカリ金属及び/又はリン酸アルカリ金属を含有する水溶液である。
溶媒(C)を使用する場合、(C)の含有量は、(A)及び(B)の合計重量100重量部に対して、0.1〜100,000重量部が好ましく、さらに好ましくは1〜10,000重量部、特に好ましくは10〜5,000重量部である。すなわち、この場合、(C)の含有量(重量部)は、(A)及び(B)の合計含有量100重量部に対して、0.1以上が好ましく、さらに好ましくは1以上、特に好ましくは10以上であり、また100,000以下が好ましく、さらに好ましくは10,000以下、特に好ましくは5,000以下である。
【0037】
溶媒(C)を使用しない場合、(A)は、(B)の表面に及び/又は内部に固体状態で分布しており、溶媒(C)を使用する場合、(A)は、(B)の溶液の中に固体状態で分散しているか、又は(B)と共に溶媒に溶解している。また、(A)及び(B)が溶けない溶媒の場合、溶媒中に(A)及び(B)は分散したペースト状になっているか、溶媒を含有した膨潤状態になっている。
【0038】
本発明の材料には、さらに必要に応じて、細胞増殖因子(D)を含有させることにより、さらに治療期間を短縮させることができる。
細胞増殖因子(D)としては、細胞を増殖させる活性のある物質であり、例えば、線維芽細胞増殖因子、トランスフォーミング増殖因子、上皮細胞増殖因子、肝細胞増殖因子、血小板由来増殖因子、インスリン様増殖因子、血管内皮増殖因子、神経成長因子、幹細胞因子、白血病阻害因子、骨形成因子、ヘパリン結合上皮細胞増殖因子、神経栄養因子、結合組織成長因子、アンジオポエチン、コンドロモジュリン、テノモジュリン、サイトカイン類、インターロイキン類、アドレナモジュリン及びナトリウム利尿ペプチド等の生理活性ペプチド等が用いられる(例えば、財団法人名古屋大学出版会発行「上田実編ティッシュエンジニアリング」(1999年)43〜51頁)。
【0039】
これらの中で、適用できる組織細胞の範囲が広く、治癒期間がより短縮できるという観点から、線維芽細胞増殖因子、トランスフォーミング増殖因子、上皮細胞増殖因子、肝細胞増殖因子、血小板由来増殖因子、インシュリン様増殖因子、血管内皮細胞増殖因子及び骨形成因子が好ましく、さらに好ましくは線維芽細胞増殖因子、トランスフォーミング増殖因子、上皮細胞増殖因子、肝細胞増殖因子、インシュリン様増殖因子及び骨形成因子、特に好ましくは線維芽細胞増殖因子、トランスフォーミング増殖因子、インシュリン様増殖因子及び骨形成因子、最も好ましくは線維芽細胞増殖因子である。
【0040】
細胞増殖因子(D)を使用する場合、(D)の含有量は、(B)100重量部に対して、0.00001〜500重量部が好ましく、さらに好ましくは0.0001〜50重量部、特に好ましくは0.001〜10重量部である。すなわち、この場合、(D)の含有量(重量部)は、(B)100重量部に対して、0.00001以上が好ましく、さらに好ましくは0.0001以上、特に好ましくは0.001以上であり、また500以下が好ましく、さらに好ましくは50以下、特に好ましくは10以下である。(D)の含有量がこの範囲であると、細胞の増殖性がさらに促進され、組織欠損の治癒促進効果がより十分に発揮できる傾向にある。
【0041】
さらに本発明の材料には、必要に応じて、他の成分(E)として、安定化剤(例えば、酸化防止剤等)、可溶化剤(例えば、界面活性剤等)、pH調整剤(例えば、炭酸カルシウム及びリン酸カルシウム等)及び増粘剤(例えば、ポリエチレングリコール等)等を含有させることができる。
他の成分(E)を使用する場合、他の成分(E)の含有量は、(B)100重量部に対して、0.00001〜100重量部が好ましく、さらに好ましくは0.0001〜50重量部、特に好ましくは0.001〜10重量部である。すなわち、この場合、(E)の含有量(重量部)は、(B)100重量に対して、0.00001以上が好ましく、さらに好ましくは0.0001以上、特に好ましくは0.001以上であり、また100以下が好ましく、さらに好ましくは50以下、特に好ましくは10以下である。
【0042】
本発明の材料の製造方法は、特に制限はなく、例えば、▲1▼細胞接着活性物質(A)並びに必要によって増殖因子(D)及び/又は他の成分(E)の溶液に、生体吸収性物質(B)を浸漬する方法、▲2▼(A)並びに必要によって増殖因子(D)及び/又は他の成分(E)の溶液に、(B)を浸漬した後に脱溶媒する方法、▲3▼(A)並びに必要によって増殖因子(D)及び/又は他の成分(E)の溶液と、(B)並びに必要によって増殖因子(D)及び/又は他の成分(E)の溶液とを混合する方法、▲4▼(A)の溶液と、(B)並びに必要によって増殖因子(D)及び/又は他の成分(E)の溶液とを混合した後に脱溶媒する方法、▲5▼(A)の粉末と、(B)並びに必要によって増殖因子(D)及び/又は他の成分(E)の溶液とを混合する方法、▲6▼(A)の粉末と、(B)並びに必要によって増殖因子(D)及び/又は他の成分(E)の溶液とを混合した後に脱溶媒する方法等が挙げられる。
【0043】
細胞接着活性物質(A)の粉末は、固体状の(A)を乳鉢等で磨り潰すか、溶液状の(A)を減圧状態の容器の中に霧状に噴霧する、いわゆるスプレードライ方式によって得られる。
細胞接着活性物質(A)の粉末の平均粒子径は特に制限はないが、0.001μm〜1cmが好ましく、さらに好ましくは0.001〜100μmである。
細胞接着活性物質(A)の溶液又は生体吸収性物質(B)の溶液は、通常の方法で容易に得ることができ、例えば、(A)又は(B)を溶媒に加え、攪拌機等で均一攪拌する方法等が適用できる。
【0044】
▲1▼、▲3▼及び▲5▼の方法を用いた場合、本発明中の材料は、溶媒を含有したゲル状又は溶液状になる。ここで用いられる溶媒としては、前記の溶媒(C)が使用できる。
▲2▼、▲4▼及び▲6▼の方法を用いた場合、本発明の材料は溶媒を含まない粉末状、繊維状、布帛状、フィルム状、スポンジ状又はブロック状になる。
▲2▼の方法の場合、本発明の材料は、生体吸収性物質(B)の形状と同じ形状となり、(B)の形状に応じて、粉末状、繊維状、布帛状、フィルム状、スポンジ状又はブロック状となる。
【0045】
▲4▼又は▲6▼の方法を用いた場合、脱溶媒の仕方によって形状が変化し、例えば、スプレードライすれば粉末状となり、平面状に溶液を広げて脱溶媒すればフィルム状となり、溶液を泡立てた後凍結乾燥し必要に応じて架橋処理するればスポンジ状となる。ここで用いられる溶媒としては、細胞接着活性物質(A)及び/又は生体吸収性物質(B)が溶解するものであれば特に制限はなく、前記の溶媒(C)に加え、炭化水素、ケトン、エステル、エーテル及びハロゲン化炭化水素等が使用できる。
炭化水素としては、炭素数6〜7の炭化水素等が使用でき、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ベンゼン及びトルエン等が挙げられる。
【0046】
ケトンとしては、炭素数3〜6のケトン等が使用でき、例えば、アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等が挙げられる。
エステルとしては、炭素数4〜6のエステル等が使用でき、例えば、酢酸エチル及び酢酸ブチル等が挙げられる。
エーテルとしては、炭素数4〜6のエーテルが使用でき、例えば、ジエチルエーテル、ジエチレングリコール及びトリエチレングリコール等が挙げられる。
ハロゲン化炭化水素としては、ハロゲン原子を有する炭素数1〜6の炭化水素等が使用でき、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素及びパーフルオロヘキサン等が挙げられる。
【0047】
なお、スプレードライは、通常の方法が適用でき、例えば、柴田科学器械工業(株)製のミニスプレードライヤーB−191型等を用いて、オーブン温度50〜150℃、減圧度0.001Pa〜50kPaで行うことができる。
また、脱溶媒は、通常の方法が適用でき、例えば、順風乾燥機、減圧乾燥機又は凍結乾燥器で、−120〜200℃、0.001Pa〜大気圧の圧力下で、1〜100時間乾燥することで行える。
【0048】
スポンジ状とするには、通常の方法が適用でき、例えば、細胞接着活性物質(A)と生体吸収性物質(B)と必要により(C)〜(E)を含有する溶液をポリトロン等の高速攪拌機を用いて泡を噛み込ませながら攪拌し、1.5〜100倍に泡立て、−120〜−10℃の冷凍庫中で10分〜50時間冷却し凍結した後、0.01Pa〜50kPaの減圧下、5〜100時間かけて0℃〜100℃にすることで得られる。さらに必要に応じて行われる架橋処理(熱架橋及び/又は架橋剤を用いる架橋)は、順風乾燥機又は減圧乾燥機中で、100〜250℃、0.001Pa〜大気圧の圧力下で10分〜100時間処理することで行われる。架橋処理によって、例えば、(B)中の水酸基とカルボキシル基、又は水酸基同士が結合し、架橋される。
【0049】
本発明の材料の形状としては、体液又は細胞との接触面積が高く、治癒期間が短くなるという点で、粉末状、粒状、繊維状、布帛状、管状、フィルム状、ゲル状、スポンジ状及びブロック状が好ましく、さらに好ましくはゲル状及びスポンジ状、特に好ましくはスポンジ状である。
【0050】
細胞増殖因子(D)を含有させる方法は、特に制限はなく、細胞接着活性物質(A)及び生体吸収性物質(B)からなる材料に(D)単独を添加するか又は(D)の溶液を含浸させ、必要に応じて脱溶媒する方法や、(D)を(A)の溶液又は(B)の溶液に混合した後、これらを混合して必要に応じて脱溶媒する方法等が挙げられる。
他の成分(E)を含有させる方法についても、特に制限はなく、細胞接着活性物質(A)及び生体吸収性物質(B)からなる材料に(E)単独を添加するか又は(E)の溶液を含浸させ、必要に応じて脱溶媒する方法や、(E)を(A)の溶液又は(B)の溶液に混合した後、これらを混合して必要に応じて脱溶媒する方法等が挙げられる。
【0051】
本発明材料は、必要に応じて滅菌処理を施してもよい。滅菌方法は医療上許容される方法であればいずれでもよく、例えば、放射線滅菌、エチレンオキサイドガス滅菌、乾熱滅菌、オートクレーブ殺菌及び乾熱殺菌等が挙げられる。
本発明の材料は、体内埋め込み型の組織再生用材料として使用することができる。
再生できる組織としては、例えば、頭蓋骨、筋肉、皮膚組織、骨、軟骨、血管、神経、腱、靭帯、毛胞組織、粘膜組織、歯周組織、象牙質、骨髄、網膜、漿膜、胃腸管及び脂肪等の組織、並びに肺、肝、膵及び腎等の臓器等が挙げられる。
【0052】
具体的な再生方法としては、例えば脳外科手術での頭蓋骨切断による頭蓋骨欠損部分に、欠損部分の大きさの1〜1.5倍程度の体積になる量の本発明の材料を設置した後縫合する等して埋め込んで頭蓋骨を再生治療する方法や外傷による組織や臓器等の欠損部分に、欠損部分の大きさの1〜1.5倍程度の体積になる量の本発明の材料を設置した後縫合する等して埋め込んで当該組織や当該臓器を再生治療する方法等が挙げられる。
【0053】
本発明の材料は、粒子状又は粒状のまま水に分散させた分散体の形で注射やカテーテル等によって必要部位に注入することや、ロッド状や中空糸状の成形体としてカテーテル等によって必要部位に設置することも可能である。
分散体とする場合、本発明の材料の濃度は分散体の重量に基づいて、5〜90重量%が好ましく、さらに好ましくは10〜70重量%、特に好ましくは20〜60重量%である。すなわち、この場合、本発明の材料の濃度(重量%)は、分散体の重量に基づいて、5以上が好ましく、さらに好ましくは10以上、特に好ましくは20以上であり、また90以下が好ましく、さらに好ましくは70以下、特に好ましくは60以下である。
ロット状又は中空糸状の成型体は、通常の方法で成型でき、例えば、押し出し成形、ブロー成形等の方法が適用できる。
【0054】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
三洋化成工業(株)製プロネクチンFを乳鉢で磨り潰して微粉状(粒子径約1μmの球状)にしたもの2μgと、新田ゼラチン(株)製コラーゲンの酢酸酸性水溶液(コラーゲン濃度:0.3重量%,pH3.0)200mgを15mlスピッツ管に加え、さらに10mgのクロロホルムを加えた後、氷水冷下、ポリトロンを用いて12,000rpmで3分間攪拌して空隙の大きさが平均80μmで5〜150μmの分布を持つホイップ状(空気の泡を含有した流動性のもの)にしたものを得た。
【0055】
次いで、これを金属製の円筒管(内径18mm,高さ5cm)に2.5ml分注し、−80℃の冷凍庫中で1時間保持することによって凍結後、0.05Paの減圧下、12時間かけて25℃に昇温し、さらに25℃で60時間25℃で減圧乾燥し、さらに減圧乾燥機中で0.05Paの減圧下140℃で12時間加熱し架橋処理することによって、直径18mm、厚さ(高さ)10mmの円柱スポンジ状の組織の体内再生用材料1を得た。その高さ方向の断面の顕微鏡写真を図1及び2に示す。
【0056】
<組織再生実験;マウス真皮欠損>
マウス背部を剃毛後、手術用メス及びはさみを用いて表皮を切開し、15mm径の円形の真皮層全体(約1mm厚)を除去し、真皮欠損を作成した。
次いで、実施例1で得た直径18mm、厚さ(高さ)10mmの円柱スポンジ状の組織の体内再生用材料をピンセットを用いて表皮切開部分から真皮欠損部分へ埋め込み、表皮を縫合した。
5日後、マウスを麻酔死させた後、埋め込み部組織を中心として直径30mm、厚さ10mmの円柱状に周辺組織も含めて採取した組織標本を作成した。 組織の体内再生用材料1に対して、マウス2匹(マウス番号1,2)の実験を行った。
【0057】
実施例1の組織標本(マウス1)の断面の写真を図3に示す。
また、以下の判定基準により組織の再生状態を評価した。その結果を表1に示す。
◎;スポンジ内全体に線維芽細胞が侵入し、一部血管の再生が見られる非常に良好な再生状態。
○;スポンジ内の半分以上に線維芽細胞が侵入し、良好な再生状態。
△;線維芽細胞の侵入はスポンジ内の半分未満であり、再生状態は不良。
【0058】
実施例2
PGA不織布のプロネクチンFコーティング:グンゼ株式会社製のPGA不織布(商品名:ネオベール、厚さ:1.3〜1.4mm、密度:405〜410g/m2)を12×12mm2に切断し、プロネクチンFを10μg/mLの濃度で含むリン酸緩衝生理食塩水(PBS)溶液に浸漬した。1時間後、PGA不織布を取り出し、25℃で24時間放置した。これをPBSで2回洗浄後、減圧乾燥(10Paの減圧、25℃、24時間)させ、さらに、エチレンオキシド含有ガス滅菌(エチレンオキシド体積濃度20%、40℃、7時間)することでプロネクチンFコートPGA不織布を作製した。
【0059】
凍結乾燥ゼラチンハイドロゲルの作製:新田ゼラチン株式会社製の牛骨由来酸性処理ゼラチン(等電点:5.0、分子量:99000)を蒸留水に5重量%になるように37℃にて溶解させた。この溶液40mLにナカライテスク株式会社製の25%グルタルアルデヒド水溶液を100mL加え、37℃にて撹拌した。直ちにバランスディッシュに流延し、4℃にて24時間架橋反応した。得られたハイドロゲルを0.1Mグリシン水溶液にて1時間処理後、2回水洗し、凍結乾燥(10Paの減圧、−80℃、48時間)し、さらに、エチレンオキシド含有ガス滅菌(エチレンオキシド濃度20体積%、40℃、7時間)することで凍結乾燥ゼラチンハイドロゲルを作製した。
【0060】
組織の体内再生用材料2の作製:凍結乾燥ゼラチンハイドロゲルを厚さ1.5mm、直径8mmの円形に調製し、bFGFを1mg/mLの濃度で含む水溶液の10μLをハイドロゲルに滴下し、4℃で12時間静置した。このbFGF含浸ゼラチンハイドロゲルをプロネクチンFコートPGA不織布の2枚の間に挟むことで、組織の体内再生用材料2を作製した。
【0061】
<組織再生実験;マウス真皮欠損>
手術用メス及びはさみを用いてマウス背部の皮膚を切開して皮下に12×12mm2の大きさのポケット状のものを作製し、実施例2で得た組織の体内再生用材料2をピンセットを用いて皮下に埋入し、皮膚を縫合した。
7日後に実施例1と同様にして、マウス2匹(マウス番号3,4)の実験を行い、組織標本を作成した。
実施例2の組織標本の断面の写真(マウス3)を図4に示す。
また、実施例1と同様にして組織の再生状態を評価した。その結果を表1に示す。
【0062】
比較例1
プロネクチンFを使用しないこと以外は実施例1と同様にして、比較用のスポンジ状の組織の体内再生用材料3を得た。その高さ方向の断面の顕微鏡写真を図5及び6に示す。実施例1の組織再生用材料1と同様の構造を有することが判る。
【0063】
<組織再生実験;マウス真皮欠損>
組織の体内再生用材料3に対して、実施例1と同様にして、マウス2匹(マウス番号5,6)の実験を行い、組織標本を作成した。
実施例2の組織標本の断面の写真(マウス5)を図7に示す。
また、実施例1と同様にして組織の再生状態を評価した。その結果を表1に示す。
【0064】
比較例2
プロネクチンFを使用しないこと以外は実施例2と同様にして、比較用の組織の体内再生用材料4を得た。
【0065】
<組織再生実験;マウス真皮欠損>
組織の体内再生用材料4に対して、実施例2と同様にして、マウス2匹(マウス番号7,8)の実験を行い、組織標本を作成した。
実施例2の組織標本の断面の写真(マウス7)を図8に示す。
また、実施例1と同様にして組織の再生状態を評価した。その結果を表1に示す。
【0066】
【表1】
Figure 0003771510
【0067】
本発明の材料を用いた場合、極めて良好な組織再生性が再現良く得られることが判る。
【0068】
【発明の効果】
本発明の組織の体内再生用材料を用いると、体外での細胞培養を全く必要とせずに、極めて短期間で欠損組織が治癒再生される。
特に、筋肉、皮膚組織、骨、軟骨、血管、神経、腱、靭帯、毛胞組織、粘膜組織、歯周組織、象牙質、骨髄、網膜、漿膜、胃腸管及び脂肪等の組織や肺、肝、膵、腎等の臓器の再生に極めて高い効果を発揮する。
【0069】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得た本発明の組織の体内再生用材料1断面の顕微鏡写真(倍率200倍)である。
【図2】実施例1で得た本発明の組織の体内再生用材料1断面の顕微鏡写真(倍率40倍)である。
【図3】実施例1で得た本発明の組織の体内再生用材料1を用いて再生した組織標本の断面の顕微鏡写真(倍率200倍)である。
【図4】実施例2で得た本発明の組織の体内再生用材料2を用いて再生した組織標本の断面の顕微鏡写真(倍率58倍)である。
【図5】比較例1で得た組織の体内再生用材料3断面の顕微鏡写真(倍率200倍)である。
【図6】比較例1で得た組織の体内再生用材料3断面の顕微鏡写真(倍率40倍)である。
【図7】比較例1で得た組織の体内再生用材料3を用いて再生した組織標本の断面顕微鏡写真(倍率200倍)である。
【図8】比較例2で得た組織の体内再生用材料4を用いて再生した組織標本の断面の顕微鏡写真(倍率58倍)である。
【0070】
【配列表】
Figure 0003771510
Figure 0003771510
Figure 0003771510
Figure 0003771510

Claims (4)

  1. 細胞接着活性物質(A)と生体吸収性物質(B)と線維芽細胞増殖因子、トランスフォーミング増殖因子、上皮細胞増殖因子、肝細胞増殖因子、血小板由来増殖因子、インスリン様増殖因子、血管内皮細胞増殖因子、神経成長因子、幹細胞因子、白血病阻害因子、骨形成因子、ヘパリン結合上皮細胞増殖因子、神経栄養因子、結合組織成長因子、アンジオポエチン、コンドロモジュリン、テノモジュリン、サイトカイン類、インターロイキン類、アドレナモジュリン及びナトリウム利尿ペプチドからなる群より選ばれる少なくとも1種の細胞増殖因子とからなり、
    (A)が、遺伝子組換大腸菌により製造され、細胞接着シグナルRGD配列と(GAGAGS) 9 配列(10)を1分子中に各々約12個有する数平均分子量約10万のポリペプチド、このポリペプチドとジメチルアミノエチルクロライドと反応させて水溶性にしたポリペプチド又は遺伝子組換大腸菌により製造され、細胞接着シグナルIKVAV配列(7)と(GAGAGS) 9 配列(10)を1分子中に各々約12個有する数平均分子量約10万のポリペプチドであることを特徴とする組織の体内再生用材料。
  2. (B)が、(1)〜(4)で示される生体吸収性物質からなる群より選ばれる生体吸収性物質である請求項1 記載の材料。
    (1)天然高分子
    コラーゲン、ゼラチン、グリコサミノグリカン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、フィブリン、アルギン酸、キチン、キトサン、フィブロイン、デンプン、ペクチン、ペクチン酸、並びにこれらの部分分解物、酸化物、アルキレンオキシド付加物、カルボキシメチル化物及び架橋体。
    (2)合成高分子
    乳酸、グリコール酸及びε−カプロラクトンからなる群より選ばれる単量体を必須単量体としてなる(共)重合体、並びに細胞接着シグナルを現わす最小アミノ酸配列を1分子中に少なくとも1個有するポリペプチド(A1)以外の合成ポリペプチド。
    (3)無機物
    トリカルシウムフォスフェート、ヒドロキシアパタイト及び炭酸カルシウム。
    (4)天然高分子と合成高分子とからなる複合体
    天然高分子に乳酸、グリコール酸及び/又はε−カプロラクトンを重合させてなるブロック及び/又はグラフト共重合体。
  3. (A)の量が、(B)100重量部に対して0.0001〜50重量部である請求項1又は2記載の材料。
  4. 粉末状、粒状、繊維状、布帛状、管状、フィルム状、ゲル状、スポンジ状又はブロック状である請求項1〜のいずれか記載の材料。
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