JP3771340B2 - 乳幼児用座席 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、乳幼児用座席に関し、より特定的には、乳幼児が長時間快適に着座することのできる乳幼児用座席に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来、着座時における座面のむれを防止する手段を設けたシートとしては、以下に示すようにさまざまな技術が開示されている。
【0003】
▲1▼ 特開平1−171509号公報
▲2▼ 特公平6−11247号公報
▲3▼ 実公昭56−101065号公報
これらに開示される技術は、シートの表面側から裏面側にかけて貫通する孔が複数設けられている。また、この貫通孔を利用して、エアポンプなどによりこの貫通孔にエアを送り込む技術が開示されている。
【0004】
しかしながら、上述した技術においては、身体によって貫通孔の表面側が閉ざされた場合、空気が流れがなくなり、空気を循環させることによって、シート面に生じたむれを除去することができなくなる。また、乳幼児がシートに腰掛け、睡眠をとっているときには、大人と違い、以下に示すような特徴がある。
【0005】
1)左もしくは右側に頭をもたれて寝る姿勢。
2)背もたれ部を倒した場合、腕を上げW型になっている。
【0006】
3)足は、座面上一杯に動く。
4)寝返りを打とうとするが、ベルトで固定されているため、シートとの密着面が臀部、腰部に集中して存在する。
【0007】
したがって、この発明の目的は、乳幼児を保持するための座席において、乳幼児が長時間快適に着座することのできる乳幼児用座席を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に基づいた乳幼児用座席においては、乳幼児をサポートする座面の内部領域から外部領域に向かって、その端部が開放した溝を複数備え、さらに、乳幼児の体重が多く加わる部位に溝の密度が多くなるように溝が配設されている。
【0009】
上述した構造よりなる乳幼児用座席においては、まず、溝の上面が身体に覆われた場合においても、溝の端部が開放されているため、常に空気の流れを確保することができ、溝の上面に位置する身体は、常に新鮮な空気に触れて、良好な通気性を乳幼児に対して与えることが可能となる。
【0010】
また、体重が多く加わる部位においては、座面との接触面積が大きくなり、通気性が悪くなる恐れがあり、このような部位に対して、多く溝を設けることで、効果的に通気性を向上させることが可能となる。
【0011】
その結果、乳幼児が長時間着座した場合においても、乳幼児の身体と座面の間においては、常に空気の流通が確保されて、乳幼児に対して快適な座面を提供することが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に基づく乳幼児用座席の一実施の形態について、図を参照して説明する。
【0013】
まず、図1を参照して、この実施の形態における乳幼児用座席として、乳幼児を自動車に乗せるため、自動車の座席に対し着脱自在に取付けることのできるチャイルドシートに適用した場合について説明する。
【0014】
図1に示されるチャイルドシートの座面1には、乳幼児の頭部側から足部側にかけて延びる縦方向溝2が複数本設けられている。また、乳幼児の臀部および腰部に位置する部位には、横方向に延びる横方向溝3が複数本設けられている。
【0015】
ここで、縦方向溝2は、乳幼児の臀部および腰部の近傍において収束し、乳幼児の頭部側および足部側に向かって拡散するように設けられている。
【0016】
その結果、乳幼児の臀部および腰部に位置する部位(図1中Aで囲む領域)においては、縦方向溝2および横方向溝3が集中して存在することになる。
【0017】
また、縦方向溝2および横方向溝3はいずれも座面1の端部において(たとえば、図1中Bで示す領域)外部に開放するように設けられている。
【0018】
このように、縦方向溝2および横方向溝3を座面に設けることで、縦方向溝2および横方向溝3の上面が乳幼児の身体に覆われた場合においても、縦方向溝2および横方向溝3の端部が開放されているために、空気の流れを確保することができ、乳幼児の座面1に接する身体に常に新鮮な空気を提供し、座面1におけるむれを防止することができる。また、乳幼児の臀部、腰部に位置する部位に縦方向溝2および横方向溝3が集中するように設けることによっても、乳幼児にとって、座面1との接触面積および溝との接触面積が大きくなるため、十分な通気性を確保することが可能となり、効果的に通気性を向上させることが可能となる。
【0019】
また、図1に示される縦方向溝2を、側部に向かうほど、曲線を描くように配設することによって、乳幼児が頭を左もしくは右にもたれかけて寝た場合においても、乳幼児の頭部に接する座面1における通気性を効果的に確保することが可能となり、また乳幼児の足部が座面1一杯に開いた場合においても、頭部と同様に効果的に通気性を確保することが可能となる。
【0020】
次に、縦方向溝2および横方向溝3の断面形状について図2および図3を参照して説明する。なお、図2および図3は、図1中X−X′線矢視断面に対応する図である。
【0021】
図2の断面図に示すように、縦方向溝2および横方向溝3の断面部分のコーナー部分はすべて丸められるように設けられ(図2中Rで示す)、各溝の底面の幅W1 よりも上側の開孔部の幅W2 の方が大きくなるように設けられている。このように縦方向溝2および横方向溝3を設けることで、図3に示すように、乳幼児10の体重が縦方向2または横方向溝3に加わった場合に、各溝の開孔が押しつぶされることなく、乳幼児10を支持することは可能となり、確実に各溝における空気の流れを確保することが可能となる。
【0022】
以上、本実施の形態におけるチャイルドシートにおいては、乳幼児がチャイルドシートに腰掛け睡眠をとっている際の、
1)左もしくは右側に頭をもたれて寝た場合、
2)チャイルドシートをリクライニング状態にしたときに、乳幼児が腕を上げてW型になった場合、
3)乳幼児の足が座面上一杯に動いた場合、
4)乳幼児が寝返りを打とうとするが、シートベルトで固定されているため、
乳幼児とシートとの密着面が臀部および腰部等に集中する場合、
の各場合においても、常に縦方向溝2および横方向溝3により、乳幼児の座面との接触面における通気性を確保して、乳幼児が長時間チャイルドシートに保持された場合においても、乳幼児に対して快適な座面を提供することが可能となる。
【0023】
なお、縦方向溝2および横方向溝3の配置については、必ずしも図1に示される配置に限ることなく、たとえば、図4に示すように縦方向溝2のみを設け、乳幼児の臀部および腰部(図4中Aで示す領域)に縦方向溝2が集中するように設けることでもよいし、図5に示すように、横方向溝3のみを設け、乳幼児の臀部または腰部(図5中Aで示す領域)において、横方向溝3が集中するように配置しても構わない。
【0024】
また、図1〜図5において、縦方向溝2および横方向溝3の幅がすべての領域において同一となるように設けているが、これに限らず、たとえば図6に示すように外側に向かうに従って徐々に広がるような溝の形状を用いることによっても、溝が外側にいくに従って広がり空気の流通抵抗が低くなるため、乳幼児の臀部および腰部においての空気がポンピング作用により、外側に流れやすくすることも可能である。
【0025】
したがって、上述した今回の実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に基づくチャイルドシートの全体斜視図である。
【図2】図1中X−X′線矢視断面における第1状態を示す断面図である。
【図3】図1中X−X′線矢視断面における第2状態を示す断面図である。
【図4】縦方向溝の他の配置形態を示す図である。
【図5】横方向溝の他の配置形態を示す図である。
【図6】この発明に基づくチャイルドシートの他の形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 座面
2 縦方向溝
3 横方向溝
10 乳幼児
Claims (5)
- 乳幼児を保持するための乳幼児用座席であって、
前記乳幼児用座席は、前記乳幼児をサポートする座面の内部領域から外部領域に向かって、その端部が開放した溝を複数備え、
前記溝は、前記乳幼児の頭部側から足部側にかけて縦方向に延びる複数の縦方向溝と、前記乳幼児の臀部および腰部の位置に横方向に延びる横方向溝とを有し、
前記乳幼児の体重が多く加わる前記座面に、前記溝の密度が多くなるように前記溝が配設された、乳幼児用座席。 - 前記縦方向溝は、前記乳幼児の臀部および腰部の近傍において収束し、前記乳幼児の頭部側および足部側に向かって拡散するように設けられる、請求項1に記載の乳幼児用座席。
- 前記溝の断面部分のコーナー部分は、すべて丸められるように設けられる、請求項1または請求項2に記載の乳幼児用座席。
- 前記溝の底面の幅よりも上側の開口部の幅の方が大きくなるように設けられる、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の乳幼児用座席。
- 前記溝の幅が、外側に向かうにしたがって徐々に広くなるように設けられる、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の乳幼児用座席。
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JP01110597A JP3771340B2 (ja) | 1997-01-24 | 1997-01-24 | 乳幼児用座席 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP01110597A JP3771340B2 (ja) | 1997-01-24 | 1997-01-24 | 乳幼児用座席 |
Publications (2)
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JPH10203216A JPH10203216A (ja) | 1998-08-04 |
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Family
ID=11768740
Family Applications (1)
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Country Status (1)
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Families Citing this family (1)
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-
1997
- 1997-01-24 JP JP01110597A patent/JP3771340B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH10203216A (ja) | 1998-08-04 |
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