JP3770557B1 - 毛管現象を利用した脱水装置 - Google Patents
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Abstract
本発明は、被排水槽が満水時、ないしは減水時に関わらず、毛管作用を可能とし、処理を継続できる装置を提供することを目的とする。更に、脱水処理が進んで、被排水槽底部に汚泥が沈積した状態となった場合にも、当該汚泥を内部から脱水させることを可能にすることを目的とする。
【解決手段】
懸濁物資を含む汚水や汚泥が貯留された水槽内に浮かべて、上記汚水や汚泥を脱水する装置であって、上記水槽内の汚水や汚泥中に浮かぶ中空状に形成され、脱水して得られる水を貯留する排水ピットを備えた枠体と、上記枠体底面から下方に突出した尖形状の突出材と、上記突出材の先端から上記排水ピットにかけて取り付けられた不織布等からなる脱水部材と、を有し、上記突出材に取り付けられた脱水部材が汚水や汚泥の中に入り、当該汚水や汚泥中の水分を脱水することを特徴とする脱水装置。
【選択図】
図1
Description
また汚泥等を脱水した場合、脱離液が発生する。脱離液中には汚泥中の懸濁物質が相当量含まれており、そのままでは放流することはできなく、別に処理装置を必要とする。
また被排水槽が減水し、底部の大部分が汚泥となった場合、装置の浮力体が被排水槽底部の汚泥上面に着底することで、浮力体を覆う不織布等による毛管作用で沈積する汚泥内部の水も脱水することができる、簡易な脱水装置として提供することを目的とする。
突出材とは、その尖形状の底部において、汚泥内部の水分を脱水するために用いられるものであり、例えば、アクリル樹脂などの硬質プラスチックを用いて構成することができる。また、突出材を中空構造とし、水槽内の汚水等により浮力を受けるものとすることもできる。
脱水部材とは、例えば、内部に微細な空隙が多数ある不織布を複数枚重層したものである。
また装置は被排水槽に浮かべることにより、機能を発揮させるために軽量にする。必要な動力は排水ピットからの排水ポンプのみで最小限の動力で運転することができる。
特に廃水処理からの沈殿汚泥は含水率が98%以上のスラリー状であり、これを仮に90%以下まで脱水させると固形状の汚泥となる。元のスラリー状から固形状に脱水することにより約5分の1に減容する。減容の効果は次の操作である本格的な脱水や乾燥・焼却等の投入原料が減じるとともに、移送・保管も容易となる効果がある。
図1に示すように、本実施例に係る脱水装置1は、枠体1a、排水ピット2、不織布3、浮力体4、おもり5、おもり6、導水管7、配管8からなる。また、脱水装置1は、被排水槽9に投入して利用される。
脱水装置1は被排水槽9の底部に沈積する汚泥表面に着底して固定される。浮力体4の下部から汚泥内水分が毛管上昇をし、浮力体表面の不織布3及び掛け渡された不織布3を通って排水ピット2へ脱水されることにより沈積した汚泥内の水分が脱水される。
排水ピット2は枠体1aの両外側にあり、上部は開口しており、掛け渡された不織布3の端部を槽底までおさめる。2つの排水ピット2は導水管7で連結する。
片方の排水ピット2からポンプ等により被排水槽9外へ排水される。
排水ピット2は、また、中空の容器構造となっており、脱水装置1に浮力を与える役割を果たす。
排水ピット2には被排水槽9の水面と枠体1aの上端部に掛け渡された不織布3の高低差を調整するためにおもり5を装備する。おもり5は排水ピット2内に納められ、取り外しを可能とし、上記高低差を調整する目的で使われる。
また浮力体4と掛け渡し部分の間の上面にはおもり6が一つずつ取り付けられている。おもり6は掛け渡された不織布3の表面が被排水槽9の水面下になる重さを有する。おもり6をつけることで確実に掛け渡された不織布3の表面が被排水槽9の水面下に設置される。
被排水槽9に浮かべることによりその浮力で浮き上がり、上部に掛け渡された不織布3の下面と強く接触し、一体化させる。
浮力体4の内部に水等を入れることにより浮力体は水中で上下の安定性が保たれると共に、浮力も調整される。
配管8は、排水ピット2内に貯留される排水を脱水装置1外へ排出するための管であり、金属製のパイプ、あるいは、伸縮・折曲可能な蛇腹等を用いることができる。排出は、片方の排水ピット2からポンプにより、導水管7を介して、排水を吸い上げることにより行われる。
図2(A)に示すように、予め、被排水槽9には汚水や高含水汚泥を流し込んで貯留する。そして枠体1aを被排水槽9に入れる。排水水ピット2の水位は、被排水槽9の水位より常に低く、枠体1aは排水ピット2からの浮力を受けて、被排水槽9の水面付近に浮かんだ状態になる。
不織布3の上部におもり6を置く。
汚水や高含水の汚泥中の濁質成分は重層された不織布3の表層面に捕捉され、水分だけが毛管上昇をする。
減水した被排水槽9に新たに汚水や高含水の汚泥が新しく供給された時、被排水槽9の水面が乱れる。しかしこのような水面の乱れにおいても浮力体4、おもり6により不織布3は水面付近に安定して毛管作用による脱水ができる。
この場合には、浮力体4の下部から汚泥内水分が毛管上昇をし、浮力体表面の不織布3を通って排水ピット2へ排水されることにより沈積した汚泥内の水分が脱水される。
Claims (3)
- 懸濁物資を含む汚水や汚泥が貯留された水槽内に浮かべて、上記汚水や汚泥を脱水する装置であって、
上記水槽内の汚水や汚泥中に浮かび、その中央部が周囲を側板で囲われることにより上下に開口した中空状に形成されるとともに、その両外側に脱水して得られる水を貯留する排水ピットを備えた枠体と、
上記枠体底面の開口部から下方に突出した尖形状の突出材と、
上記突出材の下方先端から上記排水ピットの上縁部にかけて掛け渡して取り付けられた不織布等からなる脱水部材と、を有し、
上記突出材に取り付けられた脱水部材が汚水や汚泥の中に入り、当該汚水や汚泥中の水分を脱水する、
ことを特徴とする脱水装置。 - 上記脱水材は、上記枠体の両上縁部に掛け渡されており、
上記掛け渡された脱水材の上部におもりを備える、
請求項1記載の脱水装置。 - 上記排水ピット内に、上記枠体の浮力を調整するためのおもりを備える、
請求項1又は2記載の脱水装置。
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