JP3770450B2 - 癌転移抑制剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、1,2−ジフェニルピロール誘導体を含有する癌転移抑制剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明の組成物の有効成分である、一般式(I)又は一般式(II)を有する化合物は、シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)選択的阻害活性、炎症性サイトカイン(特にIL−1及びTNFα)産生抑制作用、ロイコトリエン(特にLTB4 )産生抑制作用、骨吸収抑制作用、鎮痛作用、抗炎症作用及び解熱作用を有することが知られている(欧州特許公開第799823号公報)。
【0003】
一方、COX−2選択的阻害剤の癌転移抑制効果についての報告は知られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、COX−2選択的阻害剤、特に、1,2−ジフェニルピロール誘導体が、優れた癌転移抑制作用、特に、優れた癌肺転移抑制作用を示し、更に、COX−2選択的阻害剤であるために、COX−1に由来する副作用がないことを見い出し、本発明を完成した。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の新規な、癌転移抑制剤は、
COX−2選択的阻害剤を含有し、好適には、
一般式(I)又は一般式(II)
【0006】
【化2】
Figure 0003770450
【0007】
〔式中、
Rは、水素原子、ハロゲン原子又は低級アルキル基を示し、
1 は、低級アルキル基、アミノ基又は式−NHRa (式中、Ra は、生体内で除去される基を示す。)を有する基を示し、
2 は、フェニル基、或いは、<置換基群A>及び<置換基群B>より選択される基により置換されたフェニル基を示し、
3 は、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、又は<置換基群A>より選択される基により置換された低級アルキル基を示し、
4 は、水素原子、低級アルキル基、<置換基群A>より選択される基により置換された低級アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、<置換基群A>及び<置換基群B>より選択される基により置換されたアリール基、アラルキル基、或いは、<置換基群A>及び<置換基群B>より選択される基により置換されたアラルキル基を示す。〕
で表される化合物又はその薬理上許容される塩を含有し、
より好適には、
(1)Rは、水素原子、フッ素原子、塩素原子又はメチル基であり、更に好適には、水素原子であり、
(2)R1 は、メチル基、アミノ基又はアセチルアミノ基であり、更に好適には、アミノ基又はアセチルアミノ基であり、
(3)R2 は、フェニル基、或いは、<置換基群A1>及び<置換基群B1>より選択される基により置換されたフェニル基であり、更に好適には、フェニル基、或いは、<置換基群A1>及び<置換基群B2>より選択される基により置換されたフェニル基であり、より好適には、フェニル基の置換基数が、1乃至3個であり、
(4)R3 は、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、又は、<置換基群A1>より選択される基により置換された低級アルキル基であり、更に好適には、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、又はハロゲン原子により置換された低級アルキル基であり、
(5)R4 は、水素原子、低級アルキル基、<置換基群A>より選択される基により置換された低級アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、<置換基群A1>及び<置換基群B3>より選択される基により置換されたアリール基、アラルキル基、或いは、<置換基群A1>及び<置換基群B3>より選択される基により置換されたアラルキル基であり、更に好適には、水素原子、低級アルキル基、<置換基群A2>より選択される基により置換された低級アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、<置換基群A2>及び<置換基群B4>より選択される基により置換されたアリール基、アラルキル基、或いは、<置換基群A2>及び<置換基群B4>より選択される基により置換されたアラルキル基であり、
更により好適には、
以下で表される化合物又はその薬理上許容される塩を含有する癌転移抑制剤である。
【0008】
3−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
4−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
1−(4−フルオロフェニル)−2−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
1−(4−フルオロフェニル)−4−メチル−2−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
5−フルオロ−1−(4−フルオロフェニル)−2−(4−メチルスルホニルフェニル)ピロール、
2−(4−メトキシフェニル)−4−メチル−1−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
1−(4−メトキシフェニル)−4−メチル−2−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
4−エチル−2−(4−メトキシフェニル)−1−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
2−(4−クロロフェニル)−4−メチル−1−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
4−メチル−2−(4−メチルチオフェニル)−1−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
2−(4−エトキシフェニル)−4−メチル−1−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
2−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−4−メチル−1−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
2−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−4−メチル−1−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
4−メチル−2−フェニル−1−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、2−(3,4−ジメチルフェニル)−4−メチル−1−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
2−(3−クロロ−4−メトキシフェニル)−4−メチル−1−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
4−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
5−クロロ−1−(4−メトキシフェニル)−2−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
1−(3,4−ジメチルフェニル)−4−メチル−2−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
5−クロロ−1−(4−エトキシフェニル)−2−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
5−クロロ−1−(4−メチルチオフェニル)−2−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
1−(4−エチルチオフェニル)−4−メチル−2−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
2−(3,5−ジメチルフェニル)−4−メチル−1−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
1−(4−メルカプトフェニル)−4−メチル−2−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
1−(4−アセチルチオフェニル)−4−メチル−2−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
1−(4−アセチルアミノスルホニルフェニル)−4−メチル−2−(4−メトキシフェニル)ピロール、
1−(4−アセチルアミノスルホニルフェニル)−4−メチル−2−(3,4−ジメチルフェニル)ピロール。
【0009】
最も好適には、
以下で表される化合物又はその薬理上許容される塩を含有する癌転移抑制剤である。
【0010】
2−(4−クロロフェニル)−4−メチル−1−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
2−(4−エトキシフェニル)−4−メチル−1−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
2−(3,4−ジメチルフェニル)−4−メチル−1−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
4−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
1−(4−アセチルアミノスルホニルフェニル)−4−メチル−2−(3,4−ジメチルフェニル)ピロール。
【0011】
<置換基群A>
水酸基、ハロゲン原子、低級アルコキシ基及び低級アルキルチオ基。
【0012】
<置換基群A1>
ハロゲン原子、低級アルコキシ基及び低級アルキルチオ基。
【0013】
<置換基群A2>
水酸基、ハロゲン原子及び低級アルコキシ基。
【0014】
<置換基群B>
低級アルキル基、アルカノイルオキシ基、メルカプト基、アルカノイルチオ基、低級アルキルスルフィニル基、<置換基群A>より選択される基により置換された低級アルキル基、シクロアルキルオキシ基、ハロゲノ低級アルコキシ基、及び低級アルキレンジオキシ基。
【0015】
<置換基群B1>
低級アルキル基、メルカプト基、アルカノイルチオ基、<置換基群A1>より選択される基により置換された低級アルキル基、ハロゲノ低級アルコキシ基及び低級アルキレンジオキシ基。
【0016】
<置換基群B2>
低級アルキル基、メルカプト基、アルカノイルチオ基、ハロゲン原子により置換された低級アルキル基、ハロゲノ低級アルコキシ基及び低級アルキレンジオキシ基。
【0017】
<置換基群B3>
低級アルキル基、<置換基群A>より選択される基により置換された低級アルキル基、及びシクロアルキルオキシ基。
【0018】
<置換基群B4>
低級アルキル基、ハロゲン原子により置換された低級アルキル基、及びシクロアルキルオキシ基。
【0019】
上記一般式(I)又は一般式(II)において、
R、R3 、<置換基群A>、<置換基群A1>及び<置換基群A2>の定義における「ハロゲン原子」、並びに、<置換基群B2>及び<置換基群B4>の定義における「ハロゲン原子により置換された低級アルキル基」の「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又は沃素原子を示し、好適には、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子である。
【0020】
R、R1 、R3 、R4 、<置換基群B>、<置換基群B1>、<置換基群B2>、<置換基群B3>及び<置換基群B4>の定義における「低級アルキル基」;R3 、R4 、<置換基群B>、<置換基群B1>及び<置換基群B3>の定義における「<置換基群A>より選択される基により置換された低級アルキル基」の「低級アルキル基」;並びに、<置換基群B2>及び<置換基群B4>の定義における「ハロゲン原子により置換された低級アルキル基」の「低級アルキル基」とは、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、2−メチルブチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、4−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−メチルペンチル、1−メチルペンチル、3,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、2−エチルブチルのような炭素数1乃至6個の直鎖又は分枝鎖アルキル基を示し、好ましくは、炭素数1乃至4個の直鎖又は分枝鎖アルキル基であり、更に好ましくはメチル、エチルである。更に、R、R1 及びR4 においては、特に好ましくは、メチルである。
【0021】
<置換基群B>の定義における「アルカノイルオキシ基」の「アルカノイル基」;並びに<置換基群B>、<置換基群B1>及び<置換基群B2>の定義における「アルカノイルチオ基」の「アルカノイル基」とは、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、ノナノイル、デカノイル、ウンデカノイル、ラウロイル、トリデカノイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル、アイコサノイル、ドコサノイル、ペンタコサノイルのような炭素数1乃至25個の直鎖又は分枝鎖アルカノイル基を示し、好ましくは、炭素数1乃至12個のアルカノイル基であり、更に好ましくは、炭素数1乃至6個のアルカノイル基であり、特に好ましくは、炭素数1乃至4個のアルカノイル基であり、最も好ましくは、アセチル、プロピオニルである。
【0022】
4 の定義における「シクロアルキル基」とは、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルのような炭素数3乃至8個のシクロアルキル基を示し、好ましくは、炭素数3乃至7個のシクロアルキル基であり、更に好ましくは、炭素数3乃至6個のシクロアルキル基であり、特に好ましくは、シクロプロピルである。
【0023】
4 の定義における「アリール基」、及び、「<置換基群A>及び<置換基群B>より選択される基により置換されたアリール基」の「アリール基」とは、フェニル、インデニル、ナフチル、フェナンスレニル、アントラセニルのような炭素数6乃至14個の芳香族炭化水素基を示し、好ましくはフェニル、ナフチルであり、更に好ましくは、フェニルである。
【0024】
尚、上記「アリール基」は、炭素数3乃至10個のシクロアルキル基と縮環していてもよく、例えば、2−インダニルのような基を挙げることができる。
【0025】
4 の定義における「アラルキル基」、及び、「<置換基群A>及び<置換基群B>より選択される基により置換されたアラルキル基」の「アラルキル基」とは、ベンジル、フェネチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、1−ナフチルジフェニルメチル、9−アンスリルメチルのような1乃至3個の「アリ−ル基」で置換された「低級アルキル基」を示し、好ましくは、炭素数6乃至10個のアリール基で1個置換された炭素数1乃至4個のアルキル基である。
【0026】
<置換基群A>、<置換基群A1>、<置換基群A2>の定義における「低級アルコキシ基」とは、前記「低級アルキル基」が酸素原子に結合した基を示し、そのような基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、2−メチルブトキシ、ネオペントキシ、1−エチルプロポキシ、ヘキシルオキシ、イソヘキシルオキシ、4−メチルペンチルオキシ、3−メチルペンチルオキシ、2−メチルペンチルオキシ、1−メチルペンチルオキシ、3,3−ジメチルブトキシ、2,2−ジメチルブトキシ、1,1−ジメチルブトキシ、1,2−ジメチルブトキシ、1,3−ジメチルブトキシ、2,3−ジメチルブトキシ、2−エチルブトキシのような炭素数1乃至6個の直鎖又は分枝鎖アルコキシ基を挙げることができ、好ましくは、炭素数1乃至4の直鎖又は分枝鎖アルコキシ基であり、特に好ましくは、メトキシ、エトキシである。
【0027】
<置換基群A>、<置換基群A1>の定義における「低級アルキルチオ基」とは、前記「低級アルキル基」が硫黄原子に結合した基を示し、そのような基としては、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、s−ブチルチオ、t−ブチルチオ、ペンチルチオ、イソペンチルチオ、2−メチルブチルチオ、ネオペンチルチオ、1−エチルプロピルチオ、ヘキシルチオ、イソヘキシルチオ、4−メチルペンチルチオ、3−メチルペンチルチオ、2−メチルペンチルチオ、1−メチルペンチルチオ、3,3−ジメチルブチルチオ、2,2−ジメチルブチルチオ、1,1−ジメチルブチルチオ、1,2−ジメチルブチルチオ、1,3−ジメチルブチルチオ、2,3−ジメチルブチルチオ、2−エチルブチルチオのような炭素数1乃至6個の直鎖又は分枝鎖アルキルチオ基を挙げることができ、好ましくは、炭素数1乃至4の直鎖又は分枝鎖アルキルチオ基であり、特に好ましくは、メチルチオ、エチルチオである。
【0028】
<置換期群B>の定義における「低級アルキルスルフィニル基」とは、前記「低級アルキル基」がスルフィニル基に結合した基を示し、そのような基としては、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル、ブチルスルフィニル、イソブチルスルフィニル、s−ブチルスルフィニル、t−ブチルスルフィニル、ペンチルスルフィニル、イソペンチルスルフィニル、2−メチルブチルスルフィニル、ネオペンチルスルフィニル、1−エチルプロピルスルフィニル、ヘキシルスルフィニル、イソヘキシルスルフィニル、4−メチルペンチルスルフィニル、3−メチルペンチルスルフィニル、2−メチルペンチルスルフィニル、1−メチルペンチルスルフィニル、3,3−ジメチルブチルスルフィニル、2,2−ジメチルブチルスルフィニル、1,1−ジメチルブチルスルフィニル、1,2−ジメチルブチルスルフィニル、1,3−ジメチルブチルスルフィニル、2,3−ジメチルブチルスルフィニル、2−エチルブチルスルフィニルのような炭素数1乃至6個の直鎖又は分枝鎖アルキルスルフニル基を挙げることができ、好ましくは、炭素数1乃至4の直鎖又は分枝鎖アルキルスルフニル基である。
【0029】
<置換期群B>、<置換基群B3>及び<置換基群B4>の定義における「シクロアルキルオキシ基」とは、前記「シクロアルキル基」が酸素に結合した基を示し、そのような基としては、例えば、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ、シクロオクチルオキシのような炭素数3乃至8個のシクロアルキルオキシ基を挙げることができ、好ましくは、炭素数3乃至7個のシクロアルキルオキシ基であり、更に好ましくは、炭素数5又は6個のシクロアルキルオキシ基であり、特に好ましくは、シクロペンチルオキシである。
【0030】
<置換基群B>、<置換基群B1>及び<置換基群B2>の定義における「ハロゲノ低級アルコキシ基」とは、前記「ハロゲン原子」が前記「低級アルコキシ基」のアルキル部分に結合した基を示し、そのような基としては、例えば、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2−フルオロエトキシ、2−クロロエトキシ、2−ブロモエトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、2,2,2−トリクロロエトキシ、3−フルオロプロポキシ、4−フルオロブトキシ、クロロメトキシ、トリクロロメトキシ、ヨードメトキシ、ブロモメトキシのような基を挙げることができ、好ましくは、炭素数1乃至4個のハロゲノアルコキシ基であり、更に好ましくは、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2−フルオロエトキシ、2−クロロエトキシ、2−ブロモエトキシ、3−フルオロプロポキシ、4−フルオロブトキシ、クロロメトキシ、トリクロロメトキシ、ブロモメトキシであり、特に好ましくは、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシである。
【0031】
<置換基群B>、<置換基群B1>及び<置換基群B2>の定義における「低級アルキレンジオキシ基」とは、例えば、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、トリメチレンジオキシ、テトラメチレンジオキシ、ペンタメチレンジオキシ、ヘキサメチレンジオキシ、プロピレンジオキシのような炭素数1乃至6個の直鎖若しくは分枝鎖アルキレンジオキシ基を挙げることができ、好ましくは、炭素数1乃至4個のアルキレンジオキシ基であり、更に好ましくは、メチレンジオキシ、エチレンジオキシである。
【0032】
<置換基群B2>及び<置換基群B4>の定義における「ハロゲン原子で置換された低級アルキル基」とは、前記「ハロゲン原子」が前記「低級アルキル基」に結合した基を示し、そのような基としては、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、2,2−フルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、3−フルオロプロピル、4−フルオロブチル、クロロメチル、トリクロロメチル、2−クロロエチル、3−クロロプロピル、ブロモメチル、2−ブロモエチル、ヨードメチル、2−ヨードエチル、クロロジフルオロメチル、ブロモジフルオロメチルのような基を挙げることができ、好ましくは、炭素数1乃至4個のハロゲノアルキルであり、更に好ましくは、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、3−フルオロプロピル、4−フルオロブチル、クロロメチル、トリクロロメチル、ブロモメチルであり、特に好ましくは、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチルである。
【0033】
a の定義における「生体内で除去される基」とは、人体内で加水分解等の生物学的方法により除去される基、即ち、式−NHRa (式中、Ra は、前記と同意義を示す。)から、遊離のアミノ基(基−NH2 )を生成する基を示し、そのような基か否かは、ラットやマウスのような実験動物に経口投与又は静脈注射により投与し、その後の動物の体液を調べ、対応する化合物又はその薬理学的に許容される塩を検出できるか否かにより決定でき、そのような基としては、例えば、前記「アルカノイル基」;メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニルのような低級アルコキシカルボニル基;ベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、3,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、2−ニトロベンジルオキシカルボニル、4−ニトロベンジルオキシカルボニルのような、1乃至2個の低級アルコキシ又はニトロ基でアリ−ル環が置換されていてもよい「アラルキルオキシカルボニル基」;ホルミルオキシメチル、アセトキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル、バレリルオキシメチル、イソバレリルオキシメチル、ヘキサノイルオキシメチルのような「アルカノイルオキシメチル基」;メトキシカルボニルオキシメチル、エトキシカルボニルオキシメチル、プロポキシカルボニルオキシメチル、イソプロポキシカルボニルオキシメチル、ブトキシカルボニルオキシメチル、イソブトキシカルボニルオキシメチル、ペンチルオキシカルボニルオキシメチルのような低級アルコキシカルボニルオキシメチル基;及び(5−フェニル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル、〔5−(4−メチルフェニル)−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル〕メチル、〔5−(4−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル〕メチル、〔5−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル〕メチル、〔5−(4−クロロフェニル)−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル〕メチル、(2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル、(5−エチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル、(5−プロピル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル、(5−イソプロピル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル、(5−ブチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルのような、ジオキソレンの5位が前記「低級アルキル」又は前記「アリール」によって置換されていてもよい「(2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル基」;等を挙げることができ、好ましくは、炭素数1乃至12個の「アルカノイル基」、炭素数2乃至5個の「アルコキシカルボニル基」、炭素数7乃至8個の「アラルキルオキシカルボニル基」、炭素数3乃至6個の「アルカノイルオキシメチル基」、炭素数3乃至6個の「アルコキシカルボニルオキシメチル基」又は「(2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル基」であり、更に好ましくは、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、アセチルオキシメチル、プロピオニルオキシメチル、メトキシカルボニルオキシメチル、エトキシカルボニルオキシメチル、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル又は(5−フェニル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルであり、特に好ましくは、アセチルである。
【0034】
好ましい、R1 の具体例としては、メチル、エチル、アミノ、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ、イソブチリルアミノ、バレリルアミノ、イソバレリルアミノ、ピバロイルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、ベンジルオキシカルボニルアミノ、アセチルオキシメチルアミノ、プロピオニルオキシメチルアミノ、メトキシカルボニルオキシメチルアミノ、エトキシカルボニルオキシメチルアミノ、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルアミノ及び(5−フェニル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルアミノを挙げることができ、更に好ましくは、メチル、アミノ、アセチルアミノであり、特に好ましくは、アミノ、アセチルアミノである。
【0035】
好ましいR2 の具体例としては、フェニル基;4−メルカプトフェニル、4−アセチルチオフェニル、4−プロピオニルチオフェニル、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、4−ブロモフェニル、p−トリル、4−エチルフェニル、4−メトキシフェニル、4−エトキシフェニル、4−メチルチオフェニル、4−エチルチオフェニル、4−メチルスルフィニルフェニル、4−エチルスルフィニルフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、2,4−ジフルロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、3−クロロ−4−フルオロフェニル、3−クロロ−4−メトキシフェニル、3−フルオロ−4−メトキシフェニル、3−メチル−4−メトキシフェニル、3,5−ジクロロ−4−メトキシフェニル、4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニルのような、メルカプト、C1 −C4 アルカノイイルチオ、ハロゲン、C1 −C4 アルキル、C1 −C4 アルコキシ、C1 −C4 アルキルチオ及びC1 −C4 アルキルスルフィニルから選ばれる1乃至3個の置換基を有するフェニル基;4−トリフルオロメチルフェニル、4−ジフルオロメトキシフェニル、4−トリフルオロメトキシフェニルような、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ若しくはトリフルオロメトキシ置換フェニル;3,4−メチレンジオキシフェニル、3,4−エチレンジオキシフェニルのような、メチレンジオキシ若しくはエチレンジオキシ置換フェニル基を挙げることができる。更に、R2 が、置換基を有するフェニル基を示す場合、その置換基の数は、好ましくは1乃至3個であり、更に好ましくは、1又は2個である。
【0036】
好ましいR3 の具体例としては、水素原子;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素のようなハロゲン原子;メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチルのようなC1 −C4 アルキル基;及びフルオロメチル、クロロメチル、ブロモメチル、ヨードメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、3−フルオロプロピル、4−フルオロブチル、2−クロロエチル、3−クロロプロピルのようなハロゲノC1 −C4 アルキル基を挙げることができ、更に好ましくは、水素原子;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素のようなハロゲン原子;メチル基、エチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、2−フルオロエチル基又は2−クロロエチル基である。
【0037】
好ましいR4 の具体例としては、水素原子;メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシルのようなC1 −C6 アルキル基;置換基として、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素のようなハロゲン、及びメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシのようなC1 −C4 アルコキシから選ばれる置換基を有する前記のアルキル基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルのようなC3 −C7 シクロアルキル基;下記の置換基を有していてもよいフェニル、ナフチルのようなC6 −C10アリール基;アリール部分に下記の置換基を有していてもよいベンジル、フェネチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチルのようなC6 −C10アリールC1 −C4 アルキル基(ここに、上記アリール基又はアリールアルキル基のアリール部分の置換基は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素のようなハロゲン;メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチルのようなC1 −C4 アルキル;フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、トリクロロメチル、クロロジフルオロメチル、2−フルオロエチル、2−クロロエチル、2−ブロモエチル、2−ヨードエチル、3−フルオロプロピル、4−フルオロプロピルのようなハロゲノC1 −C4 アルキル;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシのようなC1 −C4 アルコキシ基;シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシのようなC3 −C7 シクロアルキルオキシである。)を挙げることができ、更に好ましくは、水素原子;メチル、エチル、イソプロピル、ブチル、イソブチルのようなC1 −C4 アルキル基;フルオロメチル、ジフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、ブロモジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチルのようなモノ、ジ若しくはトリハロゲノC1 −C4 アルキル基;ヒドロキシメチル基;メトキシメチル、エトキシメチルのようなC1 −C4 アルコキシメチル基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルのようなC3 −C6 シクロアルキル基;フェニル基;4−フルオロフェニル、2,4−ジフルオロフェニルのようなモノ若しくはジフルオロフェニル基;4−メトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニルのようなモノ若しくはジメトキシフェニル基;p−トリル、o−トリルのようなトリル基;3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニルのようなシクロペンチルオキシ(メトキシ)フェニル基;4−トリフルオロメチルフェニルのようなトリフルオロメチルフェニル基;ベンジル基;4−メトキシベンジル、3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシベンジルのような置換ベンジル基;フェネチル基;1−ナフチル、2−ナフチルのようなナフチル基;1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチルのようなナフチルメチル基である。
【0038】
「その薬理上許容される塩」とは、本発明の化合物(I)及び(II)は、塩にすることができるので、その塩をいい、そのような塩としては、好適にはナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、ニッケル塩、コバルト塩等の金属塩;アンモニウム塩のような無機塩、t−オクチルアミン塩、ジベンジルアミン塩、モルホリン塩、グルコサミン塩、フェニルグリシンアルキルエステル塩、エチレンジアミン塩、N−メチルグルカミン塩、グアニジン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、プロカイン塩、ジエタノールアミン塩、N−ベンジル−フェネチルアミン塩、ピペラジン塩、テトラメチルアンモニウム塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩のような有機塩等のアミン塩;
又、本発明の化合物(I)及び(II)は、大気中に放置しておくことにより、水分を吸収し、吸着水が付いたり、水和物となる場合があり、そのような塩も本発明に包含される。
【0039】
更に、本発明の化合物(I)は、他のある種の溶媒を吸収し、溶媒和物となる場合があるが、そのような塩も本発明に包含される。
【0040】
本発明の化合物(I)及び(II)は、分子内に不斉炭素を有する場合があり、各々がR配位、S配位である立体異性体が存在するが、その各々、あるいはそれらの任意の割合の混合物のいずれも本発明に包含される。
【0041】
本発明の化合物(I)及び(II)の具体例としては、例えば、下記表1(一般式(I)で表される化合物)及び表2(一般式(II)で表される化合物)に示すような化合物を挙げることができる。
【0042】
【化3】
Figure 0003770450
【0043】
【表1】
Figure 0003770450
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【0044】
【表2】
Figure 0003770450
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Figure 0003770450
Figure 0003770450
Figure 0003770450
上記表1及び表2において、
Acは、アセチルを示し、
Buは、ブチルを示し、
Byr は、ブチリルを示し、
iByrは、イソブチリルを示し、
Bzは、ベンジルを示し、
Etは、エチルを示し、
For は、ホルミルを示し、
Meは、メチルを示し、
Phは、フェニルを示し、
Piv は、ピバロイルを示し、
cPn は、シクロペンチルを示し、
Prは、プロピルを示し、
cPr は、シクロプロピルを示し、
iPr は、イソプロピルを示し、
Prn は、プロピオニルを示し、
iValは、イソバレリルを示し、
Val は、バレリルを示す。
【0045】
上記表中、更に好ましい化合物としては、
1) 3−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
2) 4−メチル−2−(4−メチルフェニル)−1−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
3) 1−(4−フルオロフェニル)−2−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
4) 1−(4−フルオロフェニル)−4−メチル−2−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
5) 5−フルオロ−1−(4−フルオロフェニル)−2−(4−メチルスルホニルフェニル)ピロール、
6) 2−(4−メトキシフェニル)−4−メチル−1−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
7) 1−(4−メトキシフェニル)−4−メチル−2−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
8) 4−エチル−2−(4−メトキシフェニル)−1−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
9) 2−(4−クロロフェニル)−4−メチル−1−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
10) 4−メチル−2−(4−メチルチオフェニル)−1−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
11) 2−(4−エトキシフェニル)−4−メチル−1−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
12) 2−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)−4−メチル−1−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
13) 2−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−4−メチル−1−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
14) 4−メチル−2−フェニル−1−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
15) 2−(3,4−ジメチルフェニル)−4−メチル−1−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
16) 2−(3−クロロ−4−メトキシフェニル)−4−メチル−1−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
17) 4−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
18) 5−クロロ−1−(4−メトキシフェニル)−2−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
19) 1−(3,4−ジメチルフェニル)−4−メチル−2−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
20) 5−クロロ−1−(4−エトキシフェニル)−2−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
21) 5−クロロ−1−(4−メチルチオフェニル)−2−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
22) 1−(4−エチルチオフェニル)−4−メチル−2−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
23) 2−(3,5−ジメチルフェニル)−4−メチル−1−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
24) 1−(4−メルカプトフェニル)−4−メチル−2−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
25) 1−(4−アセチルチオフェニル)−4−メチル−2−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、
26) 1−(4−アセチルアミノスルホニルフェニル)−4−メチル−2−(4−メトキシフェニル)ピロール、及び
27) 1−(4−アセチルアミノスルホニルフェニル)−4−メチル−2−(3,4−ジメチルフェニル)ピロール
であり、特に好ましくは、上記、2)、6)、9)、10)、11)、12)、13)、15)、17)、26)、27)の化合物であり、最も好ましくは、11)、15)、17)、26)、27)の化合物である。
【0046】
【発明の実施の形態】
本発明の新規な組成物は、優れた癌転移抑制活性、特に、優れた癌肺転移抑制活性を有し、且つ、毒性もないので、癌転移抑制剤、特に、優れた癌肺転移抑制剤として有用である。
【0047】
本発明の組成物の形態としては、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤若しくはシロップ剤等による経口投与又は注射剤若しくは坐剤等による非経口投与を挙げることができ、これらの製剤は、賦形剤(例えば、乳糖、白糖、葡萄糖、マンニトール、ソルビトールのような糖誘導体;トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、α澱粉、デキストリンのような澱粉誘導体;結晶セルロースのようなセルロース誘導体;アラビアゴム;デキストラン;プルランのような有機系賦形剤:及び、軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウムのような珪酸塩誘導体;燐酸水素カルシウムのような燐酸塩;炭酸カルシウムのような炭酸塩;硫酸カルシウムのような硫酸塩等の無機系賦形剤を挙げることができる。)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムのようなステアリン酸金属塩;タルク;コロイドシリカ;ビーガム、ゲイ蝋のようなワックス類;硼酸;アジピン酸;硫酸ナトリウムのような硫酸塩;グリコール;フマル酸;安息香酸ナトリウム;DLロイシン;脂肪酸ナトリウム塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウムのようなラウリル硫酸塩;無水珪酸、珪酸水和物のような珪酸類;及び、上記澱粉誘導体を挙げることができる。)、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、マクロゴール、及び、前記賦形剤と同様の化合物を挙げることができる。)、崩壊剤(例えば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、内部架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムのようなセルロース誘導体;カルボキシメチルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム、架橋ポリビニルピロリドンのような化学修飾されたデンプン・セルロース類を挙げることができる。)、安定剤(メチルパラベン、プロピルパラベンのようなパラオキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコールのようなアルコール類;塩化ベンザルコニウム;フェノール、クレゾールのようなフェノール類;チメロサール;デヒドロ酢酸;及び、ソルビン酸を挙げることができる。)、矯味矯臭剤(例えば、通常使用される、甘味料、酸味料、香料等を挙げることができる。)、希釈剤等の添加剤を用いて周知の方法で製造される。
【0048】
その使用量は症状、年齢、投与方法等により異なるが、例えば,経口投与の場合には、成人に対して1日あたり、下限として0.01mg/kg(好ましくは0.1mg/kg)、上限として、50mg/kg(好ましくは10mg/kg)を1回又は数回に分けて、症状に応じて投与することが望ましい。静脈内投与の場合には、成人に対して1日当たり、下限として0.001mg/kg(好ましくは0.01mg/kg)、上限として、10mg/kg(好ましくは5mg/kg)を1回又は数回に分けて、症状に応じて投与することが望ましい。
【0049】
以下に、実施例及び製剤例をあげて本発明を更に具体的に説明する。
【0050】
なお、実施例1においては、癌転移抑制効果の例として、癌肺転移抑制効果を示すが、本発明はこれに限定されるわけではない。
【0051】
【実施例1】
マウス悪性黒色腫B16−BL6細胞についての肺転移抑制効果
1群10匹のC57BL/6マウス(雌性、8週齢)に、マウス悪性黒色腫B16−BL6細胞を3 x 104 個を尾静脈内に移植した。
【0052】
又、場合により、腫瘍細胞移植1時間前に、1匹あたり3μgの細菌性リポポリサッカライド(LPS)を尾静脈内投与し、肺への転移を促進した[M.J.アナサガスチ(Anasagasti)他、ジャ−ナル・オブ・ナショナル・キャンサー・リサーチ(J. Natl. Cancer Research) 89、645−651(1997)]。
【0053】
被検化合物として、化合物(1)、セレコキシブ、MK−966、及びインドメタシンを使用し、0.5%カルボキシメチルセルロース(CMC)含有滅菌蒸留水にて懸濁し、1日1回1mg/kgを、腫瘍細胞移植日より5日間経口投与した。
【0054】
肺転移抑制活性は、マウス悪性黒色腫B16−BL6細胞の尾静脈内移植後10日目の肺での転移コロニー数を算定し、肺転移抑制率(LMI%)で評価した。
【0055】
LMI(%)=(1−A/B)x 100
A:化合物投与群の10日目の肺転移コロニー数
B:無処置対照群の10日目の肺転移コロニー数
結果を、表3に示した。
【0056】
【表3】
Figure 0003770450
表3より明らかなように、LPS投与(炎症反応惹起)による肺転移促進の有無に関わらず、本願組成物は、マウス悪性黒色B16−BL6細胞の肺転移を抑制した。
【0057】
特に、炎症反応惹起による肺転移促進条件(外科的腫瘍摘出手術時における癌転移促進を反映しているような条件)において、COX−2選択的阻害剤である、セレコキシブ及びMK−966、並びに、代表的NSAIDである、インドメタシンが肺転移抑制作用を示さない中、本願組成物は、強い肺転移抑制作用を示した。
【0058】
【製剤例1】(カプセル剤)
消化性油状物、例えば、大豆油、綿実油又はオリ−ブ油中に入れた、化合物(1)の混合物を調製し、正置換ポンプでゼラチン中に注入して、100 mgの活性成分を含有するソフトカプセルを得、洗浄後、乾燥する。
【0059】
【製剤例2】(錠剤)
常法に従って、100 mgの化合物(1)、0.2 mgのコロイド性二酸化珪素、5 mgのステアリン酸マグネシウム、275 mgの微結晶性セルロ−ス、11 mg のデンプン及び98.8 mg のラクト−スを用いて製造する。
【0060】
尚、所望により、剤皮を塗布する。
【0061】
【製剤例3】(注射剤)
1.5 重量% の化合物(1)を、10容量% のプロピレングリコ−ル中で撹拌し、次いで、注射用水で一定容量にした後、滅菌して製造する。
【0062】
【製剤例4】(懸濁剤)
5 ml中に、100 mgの微粉化した化合物(1)、100 mgのナトリウムカルボキシメチルセルロ−ス、5 mgの安息香酸ナトリウム、1.0 g のソルビト−ル溶液 (日本薬局方) 及び0.025 mlのバニリンを含有するように製造する。
【0063】
【発明の効果】
本願発明の組成物は、LPS投与(炎症反応惹起)による肺転移促進の有無に関わらず、マウス悪性黒色腫B16−BL6細胞の肺転移を抑制した。
【0064】
特に、炎症反応惹起による肺転移促進条件(外科的腫瘍摘出手術時における癌転移促進を反映しているような条件)において、COX−2選択的阻害剤である、セレコキシブ及びMK−966、並びに、代表的NSAIDである、インドメタシンが肺転移抑制作用を示さない中、本願組成物は、強い肺転移抑制作用を示した。
【0065】
従って、本願発明の組成物は、癌転移性の疾患の予防又は治療剤として有用である。

Claims (4)

  1. 以下で表される化合物又はその薬理上許容される塩を含有する癌転移抑制剤。
    2−(4−エトキシフェニル)−4−メチル−1−(4−スルファモイルフェニル)ピロール、又は
    2−(3,4−ジメチルフェニル)−4−メチル−1−(4−スルファモイルフェニル)ピロール。
  2. 請求項1において、2−(4−エトキシフェニル)−4−メチル−1−(4−スルファモイルフェニル)ピロールを含有する癌転移抑制剤。
  3. 請求項1において、2−(3,4−ジメチルフェニル)−4−メチル−1−(4−スルファモイルフェニル)ピロールを含有する癌転移抑制剤。
  4. 請求項1乃至3より選択されるいずれか1項において、癌転移抑制剤が癌への転移抑制するためのものである、癌転移抑制剤。
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