JP3770423B2 - アンテナ装置及び携帯無線機 - Google Patents

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Description

【0001】
【目次】
以下の順序で本発明を説明する。
発明の属する技術分野
従来の技術
発明が解決しようとする課題
課題を解決するための手段
発明の実施の形態
(1)第1実施例(図1及び図2)
(2)第2実施例(図3及び図4)
(3)第3実施例(図5及び図6)
(4)第4実施例(図7及び図8)
(5)第5実施例(図9及び図10)
(6)他の実施例(図11)
発明の効果
【0002】
【発明の属する技術分野】
本発明はアンテナ装置及び携帯無線機に関し、特に小型携帯無線機に適用して好適なものである。
【0003】
【従来の技術】
近年、携帯性を向上させるため携帯無線機の小型、軽量化が進んでいる。これに伴いアンテナ装置も小型化であることが求められている。そこで携帯時には本体に収納し得、通話時には本体から引き出して使用し得る方式のホイツプアンテナが盛んに開発されている。
このようなホイツプアンテナを携帯無線機に使用することにより、携帯時にはアンテナの破損を防止できると共に、携帯に便利な形状にでき、また通話時にはアンテナの長さを大きく取つて人体、特に頭部による電波遮断の影響を抑制し、通話品質を向上することができる。
【0004】
ところで初期の携帯無線機には比較的単純な形式のホイツプアンテナが用いられていた。ところがこの形式のホイツプアンテナには次のような欠点があつた。すなわちアンテナを本体から引き出した状態で使用する場合にはモノポールアンテナとして作動するが、アンテナを本体に収納した場合には十分な利得を得ることができないという欠点があつた。これは本体に収納されたアンテナが回路基板やシールドケースの近傍に位置するためグランド近傍に配置された状態になり、その結果入力インピーダンスが上昇してほとんど整合がとれなくなるからである。
【0005】
そこで収納時における利得を向上するため、線状アンテナの上端部分にヘリカルアンテナを電気的に接続した形式のホイツプアンテナ、いわゆるトツプローデイングタイプのホイツプアンテナが用いられるようになつた。この形式のホイツプアンテナを本体から引き出して使用すればヘリカルアンテナと線状アンテナがアンテナとして作動し、アンテナを本体に収納しても主に上端部分のヘリカルアンテナがアンテナとして作動し、これによつてアンテナ収納時にも良好なアンテナ特性を得ることができるようになつた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところでかかる構成のアンテナ装置においては、所定周波数帯で共振するように形成されているためその周波数帯に限つて使用し得るようになされている。このため携帯無線機の使用周波数帯が複数ある場合には対応しきれないといつた不都合がある。
実際上、近年においては、利用者数増加に伴つて使用周波数帯が2つある携帯無線機や利便性向上のために周波数帯及び通信方式が異なる2つの通信システムを利用し得るようになされた携帯無線機が提案されており、このような携帯無線機の場合には、それぞれの周波数帯で共振し得るようになされた2種類のアンテナ装置を搭載しなければならず、当該携帯無線機の小型、軽量化の妨げになると共に、使い勝手を劣化させる要因となつている。
【0007】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、簡易な構成で2つの周波数帯で利用し得るアンテナ装置及び携帯無線機を提案しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、第1の周波数帯で共振する螺旋状の第1のアンテナと、第1のアンテナの内部を螺旋の中心軸方向に沿つて摺動し、かつ第2の周波数帯で共振する線状の第2のアンテナと、第2のアンテナの上端に接続され、かつ第2の周波数帯で共振する螺旋状の第3のアンテナと、第1のアンテナの下端に接続された給電点に対して、第1の周波数帯で動作する第1の送受信部又は第2の周波数帯で動作する第2の送受信部を切換接続する切換接続部とをアンテナ装置に設け、給電点に第1の送受信部が接続されたときには第1のアンテナがアンテナとして作動し、給電点に第2の送受信部が接続された状態において、第2のアンテナの引出時には第2のアンテナ及び第3のアンテナが1つのアンテナとして作動し、第2のアンテナの収納時には第3のアンテナがアンテナとして作動するようにした。
【0009】
このようにして第1の周波数帯では第1のアンテナがアンテナとして作動するようにすると共に、第2の周波数帯では第2のアンテナ及び又は第3のアンテナがアンテナとして作動するようにしたことにより、それぞれの周波数帯だけで動作するアンテナ装置を別々に設けなくても第1及び第2の周波数帯の電気信号を扱える。
【0010】
また本発明においては、第1の周波数帯で共振する螺旋状の第1のアンテナと、上記第1のアンテナの上方に配置され、かつ第2の周波数帯で共振する螺旋状の第2のアンテナと、上記第1及び第2のアンテナの内部を螺旋の中心軸方向に沿つて摺動し、かつ上記第2の周波数帯で共振する線状の第3のアンテナと、第1のアンテナの下端に接続された給電点に対して、第1の周波数帯で動作する第1の送受信部又は第2の周波数帯で動作する第2の送受信部を切換接続する切換接続部とをアンテナ装置に設け、給電点に第1の送受信部が接続されたときには第1のアンテナがアンテナとして作動し、給電点に第2の送受信部が接続された状態において、第3のアンテナの収納時には第2のアンテナがアンテナとして作動し、第3のアンテナの引出時には第2のアンテナ及び第3のアンテナが1つのアンテナとして作動するようにした。
【0011】
このようにして第1の周波数帯では第1のアンテナがアンテナとして作動するようにすると共に、第2の周波数帯では第2のアンテナ及び又は第3のアンテナがアンテナとして作動するようにしたことにより、それぞれの周波数帯だけで動作するアンテナ装置を別々に設けなくても第1及び第2の周波数帯の電気信号を扱える。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下図面について、本発明の一実施例を詳述する。
【0013】
(1)第1実施例
図1及び図2において、1は全体として第1実施例によるアンテナ装置を示し、周波数帯の異なる2つの通信システムを利用し得るようになされた携帯無線機2に搭載され、異なる2つの周波数帯で作動し得るようになされている。因みに、図1はアンテナ収納状態を示し、図2はアンテナ引出状態を示している。但し、図1及び図2においては携帯無線機2の全体図は省略し、アンテナ装置1の近傍部分のみを示す。
【0014】
この実施例の場合、アンテナ装置1は導体を螺旋状に形成した2つの螺旋状アンテナ3、4と導体を直線状に形成した1つの線状アンテナ5の3つのアンテナ部分によつて構成されており、第1の周波数帯(例えばPHS(Personal Handyphone System)の 1.9〔GHz 〕帯)では螺旋状アンテナ3が共振してアンテナとして作動し、第2の周波数帯(例えばPDC(Personal Digital Cellular )の 800〔MHz 〕帯)では螺旋状アンテナ4及び又は線状アンテナ5が共振してアンテナとして作動するようになされている。なお、第2の周波数帯ではアンテナ収納時に主に螺旋状アンテナ4がアンテナとして作動し、アンテナ引出時に螺旋状アンテナ4と線状アンテナ5の2つが1つの複合アンテナとして作動するようになされている。
【0015】
この点について各部の構成を説明しながら以下に具体的に説明する。まずアンテナ装置1は携帯無線機2の筐体6に組み込まれた金属製のアンテナ取付金具7に金属製のアンテナ支持金具8をねじ込むことによつて当該筐体6に取り付けられている。
螺旋状アンテナ3はこのアンテナ支持金具8の上方に配置され、当該アンテナ支持金具8に対して下端にて電気的かつ機械的に接続されるようにねじ込み又はかしめを使用して取り付けられており、これにより螺旋状アンテナ3の下端はアンテナ支持金具8、アンテナ取付金具7を順に介して金属製の給電バネ9に電気的に常時接続されるようになされている。また螺旋状アンテナ3の周囲及び上端部(但し、線状アンテナ5の出入り口付近は除く)は非導電性のアンテナカバー10によつて被覆されており、これにより当該螺旋状アンテナ3が直接人体に触れないようになされている。因みに、このアンテナカバー10は外部から加えられた力によつて螺旋状アンテナ3が変形しないように当該螺旋状アンテナ3を保護する役割もある。
【0016】
線状アンテナ5は螺旋状アンテナ3の内部を螺旋の中心軸方向(図中矢印aで示す)に沿つて摺動し得るようになされており、これにより当該線状アンテナ5を引き出し及び収納し得るようになされている。また線状アンテナ5の周囲は非導電性のアンテナカバー11によつて被覆されており、引出時に当該線状アンテナ5が直接人体に触れないようになされている。因みに、このアンテナカバー11は引出時に外部から加えられた力によつて線状アンテナ5が変形しないように当該線状アンテナ5を保護する役割もある。
【0017】
螺旋状アンテナ4は線状アンテナ5の上方に配置され、金属製のアンテナ接続金具12に対して下端にて電気的かつ機械的に接続されるようにねじ込み又はかしめを使用して取り付けられている。このアンテナ接続金具12は線状アンテナ5の上端に対して電気的かつ機械的に接続されるようにねじ込み又はかしめを使用して取り付けられている。これにより螺旋状アンテナ4は線状アンテナ5の上端にアンテナ接続金具12を介して接続された構造を有し、このため線状アンテナ5の摺動に伴つて当該線状アンテナ5の上方を同じく螺旋の中心軸方向(図中矢印aで示す)に沿つて摺動する。また螺旋状アンテナ4の周囲及び上端部は非導電性のアンテナカバー13によつて被覆されており、当該螺旋状アンテナ4が直接人体に触れないようになされている。
因みに、このアンテナカバー13は外部から加えられた力によつて螺旋状アンテナ4が変形しないように当該螺旋状アンテナ4を保護する役割もある。またこのアンテナカバー13は線状アンテナ5を引き出す際のつまみとしても機能している。
【0018】
ところで線状アンテナ5の下端部には断面ほぼ凸字状に形成された金属製の引出時ストツパ14がねじ込み又はかしめによつて電気的かつ機械的に接続されるように取り付けられている。この引出時ストツパ14は、線状アンテナ5を引き出したときに径の太い下端部がアンテナ支持金具8の下端部に当接することにより、当該線状アンテナ5が引き抜けることを防止するようになされている。またこの引出時ストツパ14は線状アンテナ5を引き出したときにアンテナ支持金具8によつて挟持され、これによりアンテナ支持金具8、アンテナ取付金具7を順に介して当該線状アンテナ5の下端を給電バネ9に対して電気的に接続するようになされている。
【0019】
また線状アンテナ5の先端に取り付けられたアンテナ接続金具12は、線状アンテナ5を収納したときに径の太い上端部が螺旋状アンテナ4のアンテナカバー13と共に螺旋状アンテナ3のアンテナカバー10の上端部に当接し、これによつて当該線状アンテナ5が携帯無線機2内部に落下することを防止するようになされている。またこのアンテナ接続金具12は線状アンテナ5を収納したときにアンテナ支持金具8によつて挟持され、これによりアンテナ支持金具8、アンテナ取付金具7を順に介して螺旋状アンテナ4の下端を給電バネ9に対して電気的に接続するようになされている。またこのアンテナ接続金具12は線状アンテナ5を引き出したときにも当該線状アンテナ5、引出時ストツパ14、アンテナ支持金具8、アンテナ取付金具7を順に介して螺旋状アンテナ4の下端を給電バネ9に対して電気的に接続するようになされている。
【0020】
一方、携帯無線機2の筐体6は非金属製材料で構成されており、その内部には無線機として必要な各種回路が実装された回路基板15が収納されている。この携帯無線機2のように周波数帯の異なる2つの通信システムを利用し得るようにした場合、それぞれの周波数帯に対応した各種回路が必要となる。このため回路基板15にはそれぞれの周波数帯で動作する送受信部16、17が設けられており、アンテナ装置1によつて受信されたそれぞれの周波数帯の電気信号を対応する送受信部16、17に入力し得ると共に、それぞれの送受信部16、17から出力された電気信号をアンテナ装置1に供給し得るようになされている。
【0021】
まずアンテナ装置1の給電部を形成する給電バネ9の一端は切換スイツチ18に接続されており、当該切換スイツチ18を切り換えることによつてアンテナ装置1を送受信部16又は17に接続し得るようになされている。第1の周波数帯の送受信部16はアンテナ装置1の入力インピーダンスと送受信部16の回路インピーダンスとを整合させる整合回路16Aと、第1の周波数帯以外の信号成分を除去するバンドパスフイルタ16Bと、第1の周波数帯の電気信号を処理する送受信回路16Cとによつて構成されており、切換スイツチ18によつてアンテナ装置1を送受信部16に接続した場合には、アンテナ装置1で受信された第1の周波数帯の電気信号は給電バネ9、切換スイツチ18、整合回路16Aを通つてバンドパスフイルタ16Bに入力され、ここで第1の周波数帯以外の信号成分が除去された後、送受信回路16Cに入力されて処理される。これとは逆に送受信回路16Cから出力された第1の周波数帯の電気信号は同じくバンドパスフイルタ16Bで不要成分が除去された後、整合回路16A、切換スイツチ18、給電バネ9を介してアンテナ装置1に供給される。
【0022】
一方、第2の周波数帯の送受信部17もアンテナ装置1の入力インピーダンスと送受信部17の回路インピーダンスとを整合させる整合回路17Aと、第2の周波数帯以外の信号成分を除去するバンドパスフイルタ17Bと、第2の周波数帯の電気信号を処理する送受信回路17Cとによつて構成されており、切換スイツチ18によつてアンテナ装置1を送受信部17に接続した場合には、アンテナ装置1で受信された第2の周波数帯の電気信号は給電バネ9、切換スイツチ18、整合回路17Aを通つてバンドパスフイルタ17Bに入力され、ここで第2の周波数帯以外の信号成分が除去された後、送受信回路17Cに入力されて処理される。これとは逆に送受信回路17Cから出力された第2の周波数帯の電気信号は同じくバンドパスフイルタ17Bで不要成分が除去された後、整合回路17A、切換スイツチ18、給電バネ9を介してアンテナ装置1に供給される。
【0023】
以上の構成において、切換スイツチ18を第2の周波数帯の送受信部17に接続した場合、当該送受信部17によつて第2の周波数帯の電気信号が励振される。このとき図1に示すように線状アンテナ5を収納した場合には、螺旋状アンテナ4の下端に接続されたアンテナ接続金具12がアンテナ支持金具8によつて挟持されることにより、当該アンテナ接続金具12がアンテナ支持金具8に電気的に接続される。その結果、第2の周波数帯を共振周波数とする螺旋状アンテナ4がアンテナ接続金具12、アンテナ支持金具8、アンテナ取付金具7を順に介して給電バネ9に電気的に接続され、第2の周波数帯において当該螺旋状アンテナ4が回路基板15の接地導体及びシールドケースをグランドとするヘリカルアンテナとして作動する。
【0024】
このとき第2の周波数帯を共振周波数とする線状アンテナ5もアンテナ接続金具12、アンテナ支持金具8、アンテナ取付金具7を順に介して給電バネ9に電気的に接続されるが、回路基板15の接地導体及びシールドケースの近傍に位置するため線状アンテナ5は入力インピーダンスが上昇して整合がとれなくなり、その結果第2の周波数帯ではアンテナとして作動しなくなる。また第1の周波数帯を共振周波数とする螺旋状アンテナ3もアンテナ支持金具8、アンテナ取付金具7を順に介して給電バネ9に電気的に接続されるが、共振周波数が異なるため第2の周波数帯ではアンテナとして作動しない。
【0025】
これに対して図2に示すように線状アンテナ5を引き出した場合には、線状アンテナ5の下端に接続された引出時ストツパ14がアンテナ支持金具8によつて挟持されることにより、当該引出時ストツパ14がアンテナ支持金具8に電気的に接続される。その結果、第2の周波数帯を共振周波数とする線状アンテナ5が引出時ストツパ14、アンテナ支持金具8、アンテナ取付金具7を順に介して給電バネ9に電気的に接続される。また第2の周波数帯を共振周波数とする螺旋状アンテナ4もアンテナ接続金具12、線状アンテナ5、引出時ストツパ14、アンテナ支持金具8、アンテナ取付金具7を順に介して給電バネ9に電気的に接続される。この場合、線状アンテナ5と螺旋状アンテナ4は共に第2の周波数帯を共振周波数としているので、線状アンテナ5と螺旋状アンテナ4は1つの複合アンテナを形成し、第2の周波数帯において回路基板15の接地導体及びシールドケースをグランドとする複合アンテナとして作動する。このように線状アンテナ5と螺旋状アンテナ4からなる複合アンテナがアンテナとして作動することにより、アンテナ引出時には、アンテナとして十分な長さを確保し得、人体、主に頭部による電波遮断の影響を回避して良好なアンテナ特性を得ることができる。
このとき第1の周波数帯を共振周波数とする螺旋状アンテナ3もアンテナ支持金具8、アンテナ取付金具7を順に介して給電バネ9に電気的に接続されるが、共振周波数が異なるため第2の周波数帯ではアンテナとして作動しない。
【0026】
一方、切換スイツチ18を第1の周波数帯の送受信部16に接続した場合、当該送受信部16によつて第1の周波数帯の電気信号が励振される。このとき図1及び図2に示すように、第1の周波数帯を共振周波数とする螺旋状アンテナ3がアンテナ支持金具8、アンテナ取付金具7を順に介して給電バネ9に電気的に接続される。これにより螺旋状アンテナ3は第1の周波数帯において回路基板15の接地導体及びシールドケースをグランドとするヘリカルアンテナとして作動する。
このとき第2の周波数帯を共振周波数とする線状アンテナ5及び螺旋状アンテナ4は、共振周波数が異なるため第1の周波数帯ではアンテナとして作動しない。
【0027】
このようにして第2の周波数帯を共振周波数とする線状アンテナ5及び螺旋状アンテナ4を設け、アンテナ引出時には螺旋状アンテナ4と線状アンテナ5とがアンテナとして作動するようにし、アンテナ収納時には螺旋状アンテナ4がアンテナとして作動するようにしたことにより、アンテナ引出時には人体(主に頭部)の影響を回避して第2の周波数帯で良好なアンテナ特性を得ることができると共に、アンテナ収納時にも螺旋状アンテナ4がアンテナとして作動するため第2の周波数帯で良好なアンテナ特性を得ることができる。
また第1の周波数帯を共振周波数とする螺旋状アンテナ3を設け、当該螺旋状アンテナ3を給電バネ9に常に接続するようにしたことにより、螺旋状アンテナ3がアンテナとして作動して第1の周波数帯においても良好なアンテナ特性を得ることができる。
さらに線状アンテナ5が螺旋状アンテナ3の内部を摺動するような構造にしたことにより、第1の周波数帯で作動するアンテナ(3)と第2の周波数帯で作動するアンテナ(4、5)とでアンテナ支持金具8、アンテナ取付金具7及び給電バネ9を共通化し得、これによつて単にそれぞれの周波数帯だけで動作するアンテナを別々に搭載した場合に比して部品点数を減らすことができ、構成を簡易にすることができる。
【0028】
因みに、第1の周波数帯においては螺旋状アンテナ3だけが作動するので人体の影響を受けやすく思えるが、第1の周波数帯は第2の周波数帯に対して高周波帯域(すなわちこの実施例では 1.9〔GHz 〕帯)に設定されているので当該第1の周波数帯の電波は波長が短くなつており、このため携帯無線機2の近傍に人体が存在したとしても電波の回り込みが起きるので人体の影響を受け難い。すなわちこの実施例の場合には、螺旋状アンテナ3の共振周波数を高周波帯域に設定したことにより、螺旋状アンテナ3だけでも十分なアンテナ特性を得ることができる。
【0029】
以上の構成によれば、第2の周波数帯で作動する螺旋状アンテナ4と線状アンテナ5を設け、アンテナ引出時には螺旋状アンテナ4と線状アンテナ5とがアンテナとして作動し、アンテナ収納時には螺旋状アンテナ4がアンテナとして作動するようにすると共に、第1の周波数帯で常時作動する螺旋状アンテナ3を設けるようにしたことにより、第1の周波数帯においては螺旋状アンテナ3がアンテナとして常時作動し、第2の周波数帯においては螺旋状アンテナ4及び又は線状アンテナ5がアンテナとして作動し、かくして簡易な構成で2つの周波数帯の電気信号を扱うことができる。かくするにつき簡易な構成で2つの周波数帯で利用し得るアンテナ装置1を実現し得る。
またこのようなアンテナ装置1を携帯無線機2に搭載することにより、それぞれの周波数帯だけで動作するアンテナ装置を別々に設けなくても携帯無線機2でそれぞれの周波数帯の電気信号を扱うことができると共に、アンテナ装置を別々に設けない分、携帯無線機2を小型、軽量化し得る。
【0030】
(2)第2実施例
図1及び図2との対応部分に同一符号を付して示す図3及び図4において、20は全体として第2実施例によるアンテナ装置を示し、この実施例の場合にも、周波数帯の異なる2つの通信システムを利用し得るようになされた携帯無線機2に搭載され、異なる2つの周波数帯で作動し得るようになされている。因みに、この実施例の場合にも、図3はアンテナ収納状態を示し、図4はアンテナ引出状態を示している。但し、図3及び図4においては携帯無線機2の全体図は省略し、アンテナ装置20の近傍部分のみを示す。
【0031】
この第2実施例によるアンテナ装置20も、導体を螺旋状に形成した2つの螺旋状アンテナ3、4と導体を直線状に形成した1つの線状アンテナ5の3つのアンテナ部分によつて構成されており、第1の周波数帯(例えば 1.9〔GHz 〕帯)では螺旋状アンテナ3が共振してアンテナとして作動し、第2の周波数帯(例えば 800〔MHz 〕帯)では螺旋状アンテナ4又は線状アンテナ5が共振してアンテナとして作動するようになされている。なお、第2の周波数帯ではアンテナ収納時に螺旋状アンテナ4がアンテナとして作動し、アンテナ引出時に線状アンテナ5がアンテナとして作動するようになされている。
【0032】
この点について各部の構成を説明しながら以下に具体的に説明する。まずこの実施例の場合にも、アンテナ装置20は携帯無線機2の筐体6に組み込まれた金属製のアンテナ取付金具7に金属製のアンテナ支持金具8をねじ込むことによつて当該筐体6に取り付けられている。
螺旋状アンテナ3はこのアンテナ支持金具8の上方に配置され、当該アンテナ支持金具8に対して下端にて電気的かつ機械的に接続されるようにねじ込み又はかしめを使用して取り付けられており、これにより螺旋状アンテナ3の下端はアンテナ支持金具8、アンテナ取付金具7を順に介して金属製の給電バネ9に電気的に常時接続されるようになされている。
【0033】
線状アンテナ5は螺旋状アンテナ3の内部を螺旋の中心軸方向(図中矢印aで示す)に沿つて摺動し得るようになされており、これにより当該線状アンテナ5を引き出し及び収納し得るようになされている。この線状アンテナ5は引き出したときに下端の引出時ストツパ14がアンテナ支持金具8に挟持されることにより、当該引出時ストツパ14、アンテナ支持金具8を順に介して給電バネ9に電気的に接続されるようになされている。
【0034】
一方、螺旋状アンテナ4は線状アンテナ5の上方に配置され、金属製のアンテナ接続金具12に対して下端にて電気的かつ機械的に接続されるようにねじ込み又はかしめを使用して取り付けられている。このアンテナ接続金具12は非導電性のアンテナ接続具21を介して線状アンテナ5の上端に接続されている。従つて螺旋状アンテナ4と線状アンテナ5とは機械的には一体に構成されているものの、電気的には分離状態にある。このようにして電気的に分離状態で線状アンテナ5の上端に接続されている螺旋状アンテナ4は、アンテナ収納時にアンテナ接続金具12がアンテナ支持金具8によつて挟持されることにより当該アンテナ接続金具12、アンテナ支持金具8、アンテナ取付金具7を順に介して給電バネ9に電気的に接続されるようになされている。
なお、このように螺旋状アンテナ4と線状アンテナ5が一体構成になつているため、この実施例の場合にも、螺旋状アンテナ4は線状アンテナ5の摺動に伴つて当該線状アンテナ5の上方を同じく螺旋の中心軸方向(図中矢印aで示す)に沿つて摺動する。
【0035】
これに対して携帯無線機2の筐体6内部には、無線機として必要な各種回路が実装された回路基板15が収納されている。この実施例の場合にも、携帯無線機2が周波数帯の異なる2つの通信システムを利用するため、回路基板15には第1の周波数帯で動作する送受信部16及び第2の周波数帯で動作する送受信部17が設けられており、切換スイツチ18を切り換えることによりアンテナ装置20で受信されたそれぞれの周波数帯の電気信号を対応する送受信部16、17に入力し得ると共に、それぞれの送受信部16、17から出力された電気信号をアンテナ装置20に供給し得るようになされている。
【0036】
以上の構成において、切換スイツチ18を第2の周波数帯の送受信部17に接続した場合、当該送受信部17によつて第2の周波数帯の電気信号が励振される。このとき図3に示すように線状アンテナ5を収納した場合には、螺旋状アンテナ4の下端に接続されたアンテナ接続金具12がアンテナ支持金具8によつて挟持されることにより、当該アンテナ接続金具12がアンテナ支持金具8に電気的に接続される。その結果、第2の周波数帯を共振周波数とする螺旋状アンテナ4がアンテナ接続金具12、アンテナ支持金具8、アンテナ取付金具7を順に介して給電バネ9に電気的に接続され、第2の周波数帯において当該螺旋状アンテナ4が回路基板15の接地導体及びシールドケースをグランドとするヘリカルアンテナとして作動する。
【0037】
このとき第2の周波数帯を共振周波数とする線状アンテナ5はアンテナ接続金具12に対して機械的に接続されているが、その間にあるアンテナ接続具21が非導電性部材であるためアンテナ接続金具12に対しては電気的に分離されている。このためアンテナ接続金具12が給電バネ9に電気的に接続されていたとしても線状アンテナ5は当該給電バネ9に対して電気的に分離されており、これにより線状アンテナ5はアンテナとしては作動しなくなる。
また第1の周波数帯を共振周波数とする螺旋状アンテナ3はアンテナ支持金具8、アンテナ取付金具7を順に介して給電バネ9に電気的に接続されているが、共振周波数が異なるため第2の周波数帯ではアンテナとして作動しない。
【0038】
これに対して図4に示すように線状アンテナ5を引き出した場合には、線状アンテナ5の下端に接続された引出時ストツパ14がアンテナ支持金具8によつて挟持されることにより、当該引出時ストツパ14がアンテナ支持金具8に電気的に接続される。その結果、第2の周波数帯を共振周波数とする線状アンテナ5が引出時ストツパ14、アンテナ支持金具8、アンテナ取付金具7を順に介して給電バネ9に電気的に接続され、第2の周波数帯において回路基板15の接地導体及びシールドケースをグランドとするモノポールアンテナとして作動する。このように線状アンテナ5がアンテナとして作動することにより、アンテナ引出時には、アンテナとして十分な長さを確保し得、人体、主に頭部による電波遮断の影響を回避して良好なアンテナ特性を得ることができる。
【0039】
このとき第2の周波数帯を共振周波数とする螺旋状アンテナ4はアンテナ接続金具12を介して線状アンテナ5に機械的に接続されているが、その間にあるアンテナ接続具21が非導電性部材であるため線状アンテナ5に対しては電気的に分離されている。このため線状アンテナ5が給電バネ9に電気的に接続されていたとしても螺旋状アンテナ4は当該給電バネ9に対して電気的に分離されており、これにより螺旋状アンテナ4はアンテナとしては作動しなくなる。
また第1の周波数帯を共振周波数とする螺旋状アンテナ3はアンテナ支持金具8、アンテナ取付金具7を順に介して給電バネ9に電気的に接続されているが、共振周波数が異なるため第2の周波数帯ではアンテナとして作動しない。
【0040】
一方、切換スイツチ18を第1の周波数帯の送受信部16に接続した場合、当該送受信部16によつて第1の周波数帯の電気信号が励振される。このとき図3及び図4に示すように、第1の周波数帯を共振周波数とする螺旋状アンテナ3がアンテナ支持金具8、アンテナ取付金具7を順に介して給電バネ9に電気的に接続される。これにより螺旋状アンテナ3は第1の周波数帯において回路基板15の接地導体及びシールドケースをグランドとするヘリカルアンテナとして作動する。
このとき第2の周波数帯を共振周波数とする線状アンテナ5及び螺旋状アンテナ4は、共振周波数が異なるため第1の周波数帯ではアンテナとして作動しない。
【0041】
このようにして第2の周波数帯を共振周波数とする線状アンテナ5及び螺旋状アンテナ4を設け、アンテナ引出時には線状アンテナ5がアンテナとして作動するようにし、アンテナ収納時には螺旋状アンテナ4がアンテナとして作動するようにしたことにより、アンテナ引出時には人体(主に頭部)の影響を回避して第2の周波数帯で良好なアンテナ特性を得ることができると共に、アンテナ収納時にも螺旋状アンテナ4がアンテナとして作動するため第2の周波数帯で良好なアンテナ特性を得ることができる。因みに、この実施例のように線状アンテナ5と螺旋状アンテナ4とを電気的に分離し、アンテナ収納時又は引出時においていずれか一方のアンテナだけが作動するようにすると、互いにアンテナ整合を乱す等といつたアンテナ同士の悪影響を未然に回避することができる。
また第1の周波数帯を共振周波数とする螺旋状アンテナ3を設け、当該螺旋状アンテナ3を給電バネ9に常に接続するようにしたことにより、螺旋状アンテナ3がアンテナとして作動して第1の周波数帯においても良好なアンテナ特性を得ることができる。
【0042】
以上の構成によれば、第2の周波数帯で作動する螺旋状アンテナ4と線状アンテナ5を設け、アンテナ引出時には線状アンテナ5がアンテナとして作動し、アンテナ収納時には螺旋状アンテナ4がアンテナとして作動するようにすると共に、第1の周波数帯で常時作動する螺旋状アンテナ3を設けるようにしたことにより、第1の周波数帯においては螺旋状アンテナ3がアンテナとして常時作動し、第2の周波数帯においては螺旋状アンテナ4又は線状アンテナ5がアンテナとして作動し、かくして簡易な構成で2つの周波数帯の電気信号を扱うことができる。かくするにつき簡易な構成で2つの周波数帯で利用し得るアンテナ装置20を実現し得る。
またこのようなアンテナ装置20を携帯無線機2に搭載することにより、それぞれの周波数帯だけで動作するアンテナ装置を別々に設けなくても携帯無線機2でそれぞれの周波数帯の電気信号を扱うことができると共に、アンテナ装置を別々に設けない分、携帯無線機2を小型、軽量化し得る。
【0043】
(3)第3実施例
図1及び図2との対応部分に同一符号を付して示す図5及び図6において、30は全体として第3実施例によるアンテナ装置を示し、この実施例の場合にも、周波数帯の異なる2つの通信システムで利用し得るようになされた携帯無線機2に搭載され、異なる2つの周波数帯で作動し得るようになされている。因みに、この実施例の場合にも、図5はアンテナ収納状態を示し、図6はアンテナ引出状態を示している。但し、図5及び図6においては携帯無線機2の全体図は省略し、アンテナ装置30の近傍部分のみを示す。
【0044】
この第3実施例によるアンテナ装置30も、導体を螺旋状に形成した2つの螺旋状アンテナ3、4と導体を直線状に形成した1つの線状アンテナ5の3つのアンテナ部分によつて構成されており、第1の周波数帯(例えば 1.9〔GHz 〕帯)では螺旋状アンテナ3が共振してアンテナとして作動し、第2の周波数帯(例えば 800〔MHz 〕帯)では螺旋状アンテナ4及び又は線状アンテナ5が共振してアンテナとして作動するようになされている。なお、第2の周波数帯ではアンテナ収納時に螺旋状アンテナ4がアンテナとして作動し、アンテナ引出時に螺旋状アンテナ4と線状アンテナ5の2つがアンテナとして作動するようになされている。
【0045】
この点について各部の構成を説明しながら以下に具体的に説明する。まずこの実施例の場合にも、アンテナ装置30は携帯無線機2の筐体6に組み込まれた金属製のアンテナ取付金具7に金属製の第1のアンテナ支持金具31をねじ込むことによつて当該筐体6に取り付けられている。
螺旋状アンテナ3はこの第1のアンテナ支持金具31の上方に配置され、当該第1のアンテナ支持金具31に対して下端にて電気的かつ機械的に接続されるようにねじ込み又はかしめを使用して取り付けられており、これにより螺旋状アンテナ3の下端は第1のアンテナ支持金具31、アンテナ取付金具7を順に介して金属製の給電バネ9に電気的に常時接続されるようになされている。
【0046】
第1のアンテナ支持金具31の上部には、第1のアンテナ支持金具31と一体に形成され、かつ断面ほぼT字状でかつ中空構造に形成された金属製の第2のアンテナ支持金具31Aが設けられている。螺旋状アンテナ4は螺旋状アンテナ3の上方に配置され、この第2のアンテナ支持金具31Aに対して下端にて電気的かつ機械的に接続されるように取り付けられている。これにより螺旋状アンテナ4は第2のアンテナ支持金具31A、第1のアンテナ支持金具31、アンテナ取付金具7を順に介して給電バネ9に電気的に常時接続される。
【0047】
螺旋状アンテナ3及び螺旋状アンテナ4の周囲は非導電性のアンテナカバー32によつて被覆されており、これにより螺旋状アンテナ3及び螺旋状アンテナ4が直接人体に触れないようになされている。因みに、このアンテナカバー32は外部から加えられた力によつて螺旋状アンテナ3及び螺旋状アンテナ4が変形しないように当該螺旋状アンテナ3及び螺旋状アンテナ4を保護する役割もある。なお、アンテナカバー32のほぼ中間位置には内方向に突出する突出部32Aが設けられており、当該突出部32Aによつて螺旋状アンテナ3の上端が第2のアンテナ支持金具31Aに電気的に接続しないようになされている。これにより螺旋状アンテナ3が第2のアンテナ支持金具31A及び第1のアンテナ支持金具31によつて短絡され、アンテナとして作動しなくなることを防止し得る。
【0048】
線状アンテナ5は螺旋状アンテナ3及び螺旋状アンテナ4の内部を螺旋の中心軸方向(図中矢印aで示す)に沿つて摺動し得るようになされており、これにより当該線状アンテナ5を引き出し及び収納し得るようになされている。また線状アンテナ5の周囲は非導電性のアンテナカバー11によつて被覆されており、アンテナ引出時に当該線状アンテナ5が直接人体に触れないようになされている。因みに、このアンテナカバー11はアンテナ引出時に外部から加えられた力によつて線状アンテナ5が変形しないように当該線状アンテナ5を保護する役割もある。
【0049】
線状アンテナ5の下端部には断面ほぼ凸字状に形成された金属製の引出時ストツパ14がねじ込み又はかしめによつて電気的かつ機械的に接続されるように取り付けられている。この引出時ストツパ14は、線状アンテナ5を引き出した時に径の太い下端部が第1のアンテナ支持金具31の下端部に当接することにより、当該線状アンテナ5が引き抜けることを防止し得るようになされている。またこの引出時ストツパ14は線状アンテナ5を引き出した時に第1のアンテナ支持金具31によつて挟持され、当該第1のアンテナ支持金具31、アンテナ取付金具7を順に介して線状アンテナ5の下端を給電バネ9に電気的に接続するようになされている。
【0050】
線状アンテナ5の上端部には断面ほぼT字状に形成された非導電性の収納時ストツパ33が設けられている。この収納時ストツパ33は、線状アンテナ5を引き出すときにはつまみとして機能し、線状アンテナ5を収納したときには径の太い上端部がアンテナカバー32の上端部に当接することにより当該線状アンテナ5が携帯無線機2内部に落下することを防止する。また収納時ストツパ33は線状アンテナ5を収納したときに第1のアンテナ支持金具31及び第2のアンテナ支持金具31Aによつて挟持され、携帯無線機2を持ち歩いたとき等に線状アンテナ5が自然に引き出されないように防止する。
【0051】
一方、携帯無線機2の筐体6内部には、無線機として必要な各種回路が実装された回路基板15が収納されている。この実施例の場合にも、携帯無線機2が周波数帯の異なる2つの通信システムを利用するため、回路基板15には第1の周波数帯で動作する送受信部16及び第2の周波数帯で動作する送受信部17が設けられており、切換スイツチ18を切り換えることによりアンテナ装置30で受信されたそれぞれの周波数帯の電気信号を対応する送受信部16、17に入力し得ると共に、それぞれの送受信部16、17から出力された電気信号をアンテナ装置30に供給し得るようになされている。
【0052】
以上の構成において、切換スイツチ18を第2の周波数帯の送受信部17に接続した場合、当該送受信部17によつて第2の周波数帯の電気信号が励振される。このとき図5に示すように線状アンテナ5を収納した場合には、第2の周波数帯を共振周波数とする螺旋状アンテナ4が第2のアンテナ支持金具31A、第1のアンテナ支持金具31、アンテナ取付金具7を順に介して給電バネ9に電気的に接続され、第2の周波数帯において回路基板15の接地導体及びシールドケースをグランドとするヘリカルアンテナとして作動する。
【0053】
このとき第2の周波数帯を共振周波数とする線状アンテナ5は、上端に接続された収納時ストツパ33が第1のアンテナ支持金具31によつて挟持されるが、当該収納時ストツパ33が非導電性部材であるために第1のアンテナ支持金具31に対しては電気的に分離される。これにより線状アンテナ5は給電バネ9に対して電気的に分離され、アンテナとして作動しない。また第1の周波数帯を共振周波数とする螺旋状アンテナ3は第1のアンテナ支持金具31、アンテナ取付金具7を順に介して給電バネ9に電気的に接続されるが、共振周波数が異なるため第2の周波数帯においてはアンテナとして作動しない。
【0054】
これに対して図6に示すように線状アンテナ5を引き出した場合には、線状アンテナ5の下端に接続された引出時ストツパ14が第1のアンテナ支持金具31によつて挟持され、これにより引出時ストツパ14と第1のアンテナ支持金具31とが電気的に接続される。その結果、第2の周波数帯を共振周波数とする線状アンテナ5が引出時ストツパ14、第1のアンテナ支持金具31、アンテナ取付金具7を順に介して給電バネ9に電気的に接続され、第2の周波数帯において回路基板15の接地導体及びシールドケースをグランドとするモノポールアンテナとして作動する。このように線状アンテナ5がアンテナとして作動することにより、アンテナ引出時には、アンテナとして十分な長さを確保し得、人体、主に頭部による電波遮断の影響を回避して良好なアンテナ特性を得ることができる。
【0055】
また第2の周波数帯を共振周波数とする螺旋状アンテナ4も第2のアンテナ支持金具31A、第1のアンテナ支持金具31、アンテナ取付金具7を順に介して給電バネ9に電気的に接続され、第2の周波数帯において回路基板15の接地導体及びシールドケースをグランドするヘリカルアンテナとして作動する。
このとき第1の周波数帯を共振周波数とする螺旋状アンテナ3は第1のアンテナ支持金具31、アンテナ取付金具7を順に介して給電バネ9に電気的に接続されるが、共振周波数が異なるため第2の周波数帯においてはアンテナとして作動しない。
【0056】
一方、切換スイツチ18を第1の周波数帯の送受信部16に接続した場合、当該送受信部16によつて第1の周波数帯の電気信号が励振される。このとき図5及び図6に示すように、第1の周波数帯を共振周波数とする螺旋状アンテナ3は第1のアンテナ支持金具31、アンテナ取付金具7を順に介して給電バネ9に電気的に接続される。これにより螺旋状アンテナ3は第1の周波数帯において回路基板15の接地導体及びシールドケースをグランドとするヘリカルアンテナとして作動する。
このとき第2の周波数帯を共振周波数とする線状アンテナ5及び螺旋状アンテナ4は共振周波数が異なるため、アンテナとして作動しない。
【0057】
このようにして第2の周波数帯を共振周波数とする線状アンテナ5及び螺旋状アンテナ4を設け、アンテナ引出時には線状アンテナ5及び螺旋状アンテナ4がアンテナとして作動するようにし、アンテナ収納時には螺旋状アンテナ4がアンテナとして作動するようにしたことにより、アンテナ引出時には人体(主に頭部)の影響を回避して第2の周波数帯で良好なアンテナ特性を得ることができると共に、アンテナ収納時にも螺旋状アンテナ4がアンテナとして作動するため第2の周波数帯で良好なアンテナ特性を得ることができる。因みに、線状アンテナ5を収納したときに当該線状アンテナ5が給電バネ9に対して電気的に分離されるようにしたことにより、収納によつてグランド近傍に配置された線状アンテナ5が螺旋状アンテナ4の整合状態を乱す等といつた悪影響を未然に回避し得る。
【0058】
また第1の周波数帯を共振周波数とする螺旋状アンテナ3を設け、当該螺旋状アンテナ3を給電バネ9に常に接続するようにしたことにより、螺旋状アンテナ3がアンテナとして作動して第1の周波数帯においても良好なアンテナ特性を得ることができる。
さらに螺旋状アンテナ3と螺旋状アンテナ4とを重ね合わせ、当該螺旋状アンテナ3及び4の内部を線状アンテナ5が摺動するような構造にしたことにより、第1の周波数帯で作動するアンテナ(3)と第2の周波数帯で作動するアンテナ(4、5)とで第1のアンテナ支持金具31、アンテナ取付金具7及び給電バネ9を共通化し得、これによつて単にそれぞれの周波数帯だけで動作するアンテナを別々に搭載した場合に比して部品点数を減らすことができ、構成を簡易にすることができる。
【0059】
以上の構成によれば、第2の周波数帯で作動する螺旋状アンテナ4と線状アンテナ5を設け、アンテナ引出時には線状アンテナ5及び螺旋状アンテナ4がアンテナとして作動し、アンテナ収納時には螺旋状アンテナ4がアンテナとして作動するようにすると共に、第1の周波数帯で常時作動する螺旋状アンテナ3を設けるようにしたことにより、第1の周波数帯においては螺旋状アンテナ3がアンテナとして常時作動し、第2の周波数帯においては螺旋状アンテナ4及び又は線状アンテナ5がアンテナとして作動し、かくして簡易な構成で2つの周波数帯の電気信号を扱うことができる。かくするにつき簡易な構成で2つの周波数帯で利用し得るアンテナ装置30を実現し得る。
またこのようなアンテナ装置30を携帯無線機2に搭載することにより、それぞれの周波数帯だけで動作するアンテナ装置を別々に設けなくても携帯無線機2でそれぞれの周波数帯の電気信号を扱うことができると共に、アンテナ装置を別々に設けない分、携帯無線機2を小型、軽量化し得る。
【0060】
(4)第4実施例
図5及び図6との対応部分に同一符号を付して示す図7及び図8において、40は全体として第4実施例によるアンテナ装置を示し、この実施例の場合にも、周波数帯の異なる2つの通信システムで利用し得るようになされた携帯無線機2に搭載され、異なる2つの周波数帯で作動し得るようになされている。因みに、この実施例の場合にも、図7はアンテナ収納状態を示し、図8はアンテナ引出状態を示している。但し、図7及び図8においては携帯無線機2の全体図は省略し、アンテナ装置40の近傍部分のみを示す。
【0061】
この第4実施例によるアンテナ装置40も、導体を螺旋状に形成した2つの螺旋状アンテナ3、4と導体を直線状に形成した1つの線状アンテナ5の3つのアンテナ部分によつて構成されており、第1の周波数帯(例えば 1.9〔GHz 〕帯)では螺旋状アンテナ3が共振してアンテナとして作動し、第2の周波数帯(例えば 800〔MHz 〕帯)では螺旋状アンテナ4又は線状アンテナ5が共振してアンテナとして作動するようになされている。なお、第2の周波数帯ではアンテナ収納時に螺旋状アンテナ4がアンテナとして作動し、アンテナ引出時に線状アンテナ5がアンテナとして作動するようになされている。
【0062】
この点について各部の構成を説明しながら以下に具体的に説明する。まずこの実施例の場合にも、アンテナ装置40は携帯無線機2の筐体6に組み込まれた金属製のアンテナ取付金具7に金属製の第1のアンテナ支持金具41をねじ込むことによつて当該筐体6に取り付けられている。
螺旋状アンテナ3はこの第1のアンテナ支持金具41の上方に配置され、当該第1のアンテナ支持金具41に対して下端にて電気的かつ機械的に接続されるようにねじ込み又はかしめを使用して取り付けられており、これにより螺旋状アンテナ3の下端は第1のアンテナ支持金具41、アンテナ取付金具7を順に介して金属製の給電バネ9に電気的に常時接続されるようになされている。
【0063】
螺旋状アンテナ4はこの螺旋状アンテナ3の上方に配置され、第2のアンテナ支持金具42に対して下端にて電気的かつ機械的に接続されるようにねじ込み又はかしめを使用して取り付けられている。この実施例の場合、第2のアンテナ支持金具42と第1のアンテナ支持金具41は電気的及び機械的に分離されており、これにより螺旋状アンテナ4は第3実施例のように給電バネ9に対して常時電気的に接続されることはなく、後述するようにアンテナ収納時のみ給電バネ9に電気的に接続される。
【0064】
螺旋状アンテナ3及び螺旋状アンテナ4の周囲は非導電性のアンテナカバー32によつて被覆されており、これにより螺旋状アンテナ3及び螺旋状アンテナ4が直接人体に触れないようになされている。因みに、このアンテナカバー32は外部から加えられた力によつて螺旋状アンテナ3及び螺旋状アンテナ4が変形しないように当該螺旋状アンテナ3及び螺旋状アンテナ4を保護する役割もある。なお、アンテナカバー32のほぼ中間位置には内方向に突出する突出部32Aが設けられており、当該突出部32Aによつて第2のアンテナ支持金具42が下方に落下しないように固定されていると共に、螺旋状アンテナ3の上端が第2のアンテナ支持金具42に電気的に接続しないように防止されている。
【0065】
線状アンテナ5は螺旋状アンテナ3及び螺旋状アンテナ4の内部を螺旋の中心軸方向(図中矢印aで示す)に沿つて摺動し得るようになされており、これにより当該線状アンテナ5を引き出し及び収納し得るようになされている。また線状アンテナ5の周囲は非導電性のアンテナカバー11によつて被覆されており、アンテナ引出時に当該線状アンテナ5が直接人体に触れないようになされている。因みに、このアンテナカバー11はアンテナ引出時に外部から加えられた力によつて線状アンテナ5が変形しないように当該線状アンテナ5を保護する役割もある。
【0066】
線状アンテナ5の下端部には断面ほぼ凸字状に形成された金属製の引出時ストツパ14がねじ込み又はかしめによつて電気的かつ機械的に接続されるように取り付けられている。この引出時ストツパ14は、線状アンテナ5を引き出した時に径の太い下端部が第1のアンテナ支持金具41の下端部に当接することにより、当該線状アンテナ5が引き抜けることを防止し得るようになされている。またこの引出時ストツパ14は線状アンテナ5を引き出した時に第1のアンテナ支持金具41によつて挟持され、当該第1のアンテナ支持金具41、アンテナ取付金具7を順に介して線状アンテナ5の下端を給電バネ9に電気的に接続するようになされている。
【0067】
線状アンテナ5の上端部には断面ほぼT字状に形成された非導電性の収納時ストツパ33が設けられている。この収納時ストツパ33は、線状アンテナ5を引き出すときにはつまみとして機能し、線状アンテナ5を収納したときには径の太い上端部がアンテナカバー32の上端部に当接することにより当該線状アンテナ5が携帯無線機2内部に落下することを防止する。また収納時ストツパ33は線状アンテナ5を収納したときに第1のアンテナ支持金具41及び第2のアンテナ支持金具42によつて挟持され、携帯無線機2を持ち歩いたとき等に線状アンテナ5が自然に引き出されないように防止する。
【0068】
また収納時ストツパ33の外周所定位置には、当該収納時ストツパ33と一体になるように金属製のアンテナ接続金具43が埋め込まれている。このアンテナ接続金具43は、線状アンテナ5を収納したときに丁度第1のアンテナ支持金具41から第2のアンテナ支持金具42のところに位置するように配置されており、第1のアンテナ支持金具41及び第2のアンテナ支持金具42によつて挟持されるようになされている。このようなアンテナ接続金具43を設けたことにより、アンテナ収納時、第2のアンテナ支持金具42はアンテナ接続金具43を介して第1のアンテナ支持金具41に電気的に接続され、これによつて螺旋状アンテナ4はアンテナ収納時に第2のアンテナ支持金具42、アンテナ接続金具43、第1のアンテナ支持金具41、アンテナ取付金具7を順に介して給電バネ9に電気的に接続される。すなわちこの実施例の場合、線状アンテナ5に設けられたアンテナ接続金具43は螺旋状アンテナ4を給電バネ9に電気的に接続するための接続部材として機能している。
【0069】
一方、携帯無線機2の筐体6内部には、無線機として必要な各種回路が実装された回路基板15が収納されている。この実施例の場合にも、携帯無線機2が周波数帯の異なる2つの通信システムを利用するため、回路基板15には第1の周波数帯で動作する送受信部16及び第2の周波数帯で動作する送受信部17が設けられており、切換スイツチ18を切り換えることによりアンテナ装置40で受信されたそれぞれの周波数帯の電気信号を対応する送受信部16、17に入力し得ると共に、それぞれの送受信部16、17から出力された電気信号をアンテナ装置40に供給し得るようになされている。
【0070】
以上の構成において、切換スイツチ18を第2の周波数帯の送受信部17に接続した場合、当該送受信部17によつて第2の周波数帯の電気信号が励振される。このとき図7に示すように線状アンテナ5を収納した場合には、収納時ストツパ33の外周にあるアンテナ接続金具43が第1のアンテナ支持金具41及び第2のアンテナ支持金具42によつて挟持されるため、第2の周波数帯を共振周波数とする螺旋状アンテナ4が第2のアンテナ支持金具42、アンテナ接続金具43、第1のアンテナ支持金具41、アンテナ取付金具7を順に介して給電バネ9に電気的に接続され、これにより螺旋状アンテナ4が第2の周波数帯において回路基板15の接地導体及びシールドケースをグランドとするヘリカルアンテナとして作動する。
【0071】
このとき第2の周波数帯を共振周波数とする線状アンテナ5は、上端に接続された収納時ストツパ33が第1のアンテナ支持金具41によつて挟持されるが、収納時ストツパ33が非導電性部材であるために第1のアンテナ支持金具41に対しては電気的に分離される。これにより線状アンテナ5は給電バネ9に対して電気的に分離され、アンテナとしては作動しない。
また第1の周波数帯を共振周波数とする螺旋状アンテナ3は第1のアンテナ支持金具41、アンテナ取付金具7を順に介して給電バネ9に電気的に接続されるが、共振周波数が異なるため第2の周波数帯においてはアンテナとして作動しない。
【0072】
これに対して図8に示すように線状アンテナ5を引き出した場合には、線状アンテナ5の下端に接続された引出時ストツパ14が第1のアンテナ支持金具41によつて挟持され、これにより引出時ストツパ14と第1のアンテナ支持金具41とが電気的に接続される。その結果、第2の周波数帯を共振周波数とする線状アンテナ5が引出時ストツパ14、第1のアンテナ支持金具41、アンテナ取付金具7を順に介して給電バネ9に電気的に接続され、第2の周波数帯において回路基板15の接地導体及びシールドケースをグランドとするモノポールアンテナとして作動する。このように線状アンテナ5がアンテナとして作動することにより、アンテナ引出時には、アンテナとして十分な長さを確保し得、人体、主に頭部による電波遮断の影響を回避して良好なアンテナ特性を得ることができる。
【0073】
このとき第2の周波数帯を共振周波数とする螺旋状アンテナ4は、線状アンテナ5の引き出しに伴つてアンテナ接続金具43が上方に移動するため、第1のアンテナ支持金具41に対して電気的に分離される。これにより給電バネ9とも電気的に分離され、アンテナとして作動しなくなる。
また第1の周波数帯を共振周波数とする螺旋状アンテナ3は、第1のアンテナ支持金具41、アンテナ取付金具7を順に介して給電バネ9に電気的に接続されるが、共振周波数が異なるため第2の周波数帯ではアンテナとして作動しない。
【0074】
一方、切換スイツチ18を第1の周波数帯の送受信部16に接続した場合、当該送受信部16によつて第1の周波数帯の電気信号が励振される。このとき図7及び図8に示すように、第1の周波数帯を共振周波数とする螺旋状アンテナ3は第1のアンテナ支持金具41、アンテナ取付金具7を順に介して給電バネ9に電気的に接続される。これにより螺旋状アンテナ3は第1の周波数帯において回路基板15の接地導体及びシールドケースをグランドとするヘリカルアンテナとして作動する。
このとき第2の周波数帯を共振周波数とする線状アンテナ5及び螺旋状アンテナ4は共振周波数が異なるため、アンテナとして作動しない。
【0075】
このようにして第2の周波数帯を共振周波数とする線状アンテナ5及び螺旋状アンテナ4を設け、アンテナ引出時には線状アンテナ5がアンテナとして作動するようにし、アンテナ収納時には螺旋状アンテナ4がアンテナとして作動するようにしたことにより、アンテナ引出時には人体(主に頭部)の影響を回避して第2の周波数帯で良好なアンテナ特性を得ることができると共に、アンテナ収納時にも螺旋状アンテナ4がアンテナとして作動するため第2の周波数帯で良好なアンテナ特性を得ることができる。因みに、この実施例のように線状アンテナ5と螺旋状アンテナ4とを電気的に分離し、アンテナ収納時又は引出時においていずれか一方のアンテナだけが作動するようにすると、互いにアンテナ整合を乱す等といつたアンテナ同士の悪影響を未然に回避することができる。
また第1の周波数帯を共振周波数とする螺旋状アンテナ3を設け、当該螺旋状アンテナ3を給電バネ9に常に接続するようにしたことにより、螺旋状アンテナ3がアンテナとして作動して第1の周波数帯においても良好なアンテナ特性を得ることができる。
さらに収納時ストツパ33の外周にアンテナ接続金具43を設け、アンテナ収納時に当該アンテナ接続金具43によつて第2のアンテナ支持金具42を第1のアンテナ支持金具41に接続するようにしたことにより、簡易な構成で螺旋状アンテナ4を給電バネ9に接続してアンテナとして作動させることができる。
【0076】
以上の構成によれば、第2の周波数帯で作動する螺旋状アンテナ4と線状アンテナ5を設け、アンテナ引出時には線状アンテナ5がアンテナとして作動し、アンテナ収納時には螺旋状アンテナ4がアンテナとして作動するようにすると共に、第1の周波数帯で常時作動する螺旋状アンテナ3を設けるようにしたことにより、第1の周波数帯においては螺旋状アンテナ3がアンテナとして常時作動し、第2の周波数帯においては螺旋状アンテナ4又は線状アンテナ5がアンテナとして作動し、かくして簡易な構成で2つの周波数帯の電気信号を扱うことができる。かくするにつき簡易な構成で2つの周波数帯で利用し得るアンテナ装置40を実現し得る。
またこのようなアンテナ装置40を携帯無線機2に搭載することにより、それぞれの周波数帯だけで動作するアンテナ装置を別々に設けなくても携帯無線機2でそれぞれの周波数帯の電気信号を扱うことができると共に、アンテナ装置を別々に設けない分、携帯無線機2を小型、軽量化し得る。
【0077】
(5)第5実施例
図5及び図6との対応部分に同一符号を付して示す図9及び図10において、50は全体として第5実施例によるアンテナ装置を示し、この実施例の場合にも、周波数帯の異なる2つの通信システムで利用し得るようになされた携帯無線機2に搭載され、異なる2つの周波数帯で作動し得るようになされている。因みに、この実施例の場合にも、図9はアンテナ収納状態を示し、図10はアンテナ引出状態を示している。但し、図9及び図10においては携帯無線機2の全体図は省略し、アンテナ装置50の近傍部分のみを示す。
【0078】
この第5実施例によるアンテナ装置50も、導体を螺旋状に形成した2つの螺旋状アンテナ3、4と導体を直線状に形成した1つの線状アンテナ5の3つのアンテナ部分によつて構成されており、第1の周波数帯(例えば 1.9〔GHz 〕帯)では螺旋状アンテナ3が共振してアンテナとして作動し、第2の周波数帯(例えば 800〔MHz 〕帯)では螺旋状アンテナ4又は線状アンテナ5が共振してアンテナとして作動するようになされている。なお、第2の周波数帯ではアンテナ収納時に螺旋状アンテナ4がアンテナとして作動し、アンテナ引出時に線状アンテナ5がアンテナとして作動するようになされている。
【0079】
この点について各部の構成を説明しながら以下に具体的に説明する。まずこの実施例の場合にも、アンテナ装置50は携帯無線機2の筐体6に組み込まれた金属製のアンテナ取付金具7に金属製の第1のアンテナ支持金具31をねじ込むことによつて当該筐体6に取り付けられている。
螺旋状アンテナ3はこの第1のアンテナ支持金具31の上方に配置され、当該第1のアンテナ支持金具31に対して下端にて電気的かつ機械的に接続されるようにねじ込み又はかしめを使用して取り付けられており、これにより螺旋状アンテナ3の下端は第1のアンテナ支持金具31、アンテナ取付金具7を順に介して金属製の給電バネ9に電気的に常時接続されるようになされている。
【0080】
第1のアンテナ支持金具31の上部には、第1のアンテナ支持金具31と一体に形成され、かつ断面ほぼT字状でかつ中空構造に形成された金属製の第2のアンテナ支持金具31Aが設けられている。螺旋状アンテナ4は螺旋状アンテナ3の上方に配置され、この第2のアンテナ支持金具31Aに対して下端にて電気的かつ機械的に接続されるように取り付けられている。これにより螺旋状アンテナ4の下端は第2のアンテナ支持金具31A、第1のアンテナ支持金具31、アンテナ取付金具7を順に介して給電バネ9に電気的に常時接続される。なお、螺旋状アンテナ4の上端には、後述するように線状アンテナ5を引き出したときに当該螺旋状アンテナ4を短絡するための金属金具51が接続されている。
【0081】
螺旋状アンテナ3及び螺旋状アンテナ4の周囲は非導電性のアンテナカバー32によつて被覆されており、これにより螺旋状アンテナ3及び螺旋状アンテナ4が直接人体に触れないようになされている。因みに、このアンテナカバー32は外部から加えられた力によつて螺旋状アンテナ3及び螺旋状アンテナ4が変形しないように当該螺旋状アンテナ3及び螺旋状アンテナ4を保護する役割もある。なお、アンテナカバー32のほぼ中間位置には内方向に突出する突出部32Aが設けられており、当該突出部32Aによつて螺旋状アンテナ3の上端が第2のアンテナ支持金具31Aに電気的に接続しないようになされている。これにより螺旋状アンテナ3が第2のアンテナ支持金具31A及び第1のアンテナ支持金具31によつて短絡され、アンテナとして作動しなくなることを防止し得る。
【0082】
線状アンテナ5は螺旋状アンテナ3及び螺旋状アンテナ4の内部を螺旋の中心軸方向(図中矢印aで示す)に沿つて摺動し得るようになされており、これにより当該線状アンテナ5を引き出し及び収納し得るようになされている。また線状アンテナ5の周囲は非導電性のアンテナカバー11によつて被覆されており、アンテナ引出時に当該線状アンテナ5が直接人体に触れないようになされている。因みに、このアンテナカバー11はアンテナ引出時に外部から加えられた力によつて線状アンテナ5が変形しないように当該線状アンテナ5を保護する役割もある。
【0083】
線状アンテナ5の下端部には断面ほぼ凸字状に形成された金属製の引出時ストツパ52がねじ込み又はかしめによつて電気的かつ機械的に接続されるように取り付けられている。この引出時ストツパ52は、線状アンテナ5を引き出した時に径の太い下端部が第1のアンテナ支持金具31の下端部に当接することにより、当該線状アンテナ5が引き抜けることを防止し得るようになされている。またこの引出時ストツパ52は線状アンテナ5を引き出した時に第1のアンテナ支持金具31によつて挟持され、当該第1のアンテナ支持金具31、アンテナ取付金具7を順に介して線状アンテナ5の下端を給電バネ9に電気的に接続するようになされている。
【0084】
ところでこの引出時ストツパ52は第3実施例の引出時ストツパ14に対して上端から下端までの長さが長くなつており、ほぼ螺旋状アンテナ4の上端から第1のアンテナ支持金具31の下端までの長さを有している。このため線状アンテナ5を引き出した時には、引出時ストツパ52は螺旋状アンテナ4の上端から第1のアンテナ支持金具31の下端までに位置し、これによつて当該引出時ストツパ52は螺旋状アンテナ4の上端にある金属金具51、第2のアンテナ支持金具31A及び第1のアンテナ支持金具31の3点で挟持される。なお、このとき螺旋状アンテナ4の上端にある金属金具51と第2のアンテナ支持金具31Aが引出時ストツパ52を挟持するため、螺旋状アンテナ4の上端と下端が引出時ストツパ52を介して短絡された状態になる。すなわちこの実施例の場合、線状アンテナ5に設けられた収納時ストツパ52は螺旋状アンテナ4の上下端を短絡するための接続部材としても機能している。
【0085】
また線状アンテナ5の上端部には断面ほぼT字状に形成された非導電性の収納時ストツパ33が設けられている。この収納時ストツパ33は、線状アンテナ5を引き出すときにはつまみとして機能し、線状アンテナ5を収納したときには径の太い上端部がアンテナカバー32の上端部に当接することにより当該線状アンテナ5が携帯無線機2内部に落下することを防止する。また収納時ストツパ33は線状アンテナ5を収納したときに第1のアンテナ支持金具31、第2のアンテナ支持金具31A及び金属金具51によつて挟持され、携帯無線機2を持ち歩いたとき等に線状アンテナ5が自然に引き出されないように防止する。
【0086】
一方、携帯無線機2の筐体6内部には、無線機として必要な各種回路が実装された回路基板15が収納されている。この実施例の場合にも、携帯無線機2が周波数帯の異なる2つの通信システムを利用するため、回路基板15には第1の周波数帯で動作する送受信部16及び第2の周波数帯で動作する送受信部17が設けられており、切換スイツチ18を切り換えることによりアンテナ装置50で受信されたそれぞれの周波数帯の電気信号を対応する送受信部16、17に入力し得ると共に、それぞれの送受信部16、17から出力された電気信号をアンテナ装置50に供給し得るようになされている。
【0087】
以上の構成において、切換スイツチ18を第2の周波数帯の送受信部17に接続した場合、当該送受信部17によつて第2の周波数帯の電気信号が励振される。このとき図9に示すように線状アンテナ5を収納した場合には、第2の周波数帯を共振周波数とする螺旋状アンテナ4が第2のアンテナ支持金具31A、第1のアンテナ支持金具31、アンテナ取付金具7を順に介して給電バネ9に電気的に接続され、第2の周波数帯において回路基板15の接地導体及びシールドケースをグランドとするヘリカルアンテナとして作動する。
【0088】
このとき第2の周波数帯を共振周波数とする線状アンテナ5は、上端に接続された収納時ストツパ33が第1のアンテナ支持金具31、第2のアンテナ支持金具31A及び金属金具51によつて挟持されるが、当該収納時ストツパ33が非導電性部材であるために第1のアンテナ支持金具31に対しては電気的に分離される。これにより線状アンテナ5は給電バネ9に対して電気的に分離され、アンテナとして作動しない。また第1の周波数帯を共振周波数とする螺旋状アンテナ3は第1のアンテナ支持金具31、アンテナ取付金具7を順に介して給電バネ9に電気的に接続されるが、共振周波数が異なるため第2の周波数帯においてはアンテナとして作動しない。
【0089】
これに対して図10に示すように線状アンテナ5を引き出した場合には、線状アンテナ5の下端に接続された引出時ストツパ52が第1のアンテナ支持金具31によつて挟持され、これにより引出時ストツパ52と第1のアンテナ支持金31とが電気的に接続される。その結果、第2の周波数帯を共振周波数とする線状アンテナ5が引出時ストツパ52、第1のアンテナ支持金具31、アンテナ取付金具7を順に介して給電バネ9に電気的に接続され、第2の周波数帯において回路基板15の接地導体及びシールドケースをグランドとするモノポールアンテナとして作動する。このように線状アンテナ5がモノポールアンテナとして作動することにより、アンテナ引出時には、アンテナとして十分な長さを確保し得、人体、主に頭部による電波遮断の影響を回避して良好なアンテナ特性を得ることができる。
【0090】
このとき引出時ストツパ52は、螺旋状アンテナ4の下端に接続された第2のアンテナ支持金具31Aと螺旋状アンテナ4の上端に接続された金属金具51によつても挟持される。これにより第2の周波数帯を共振周波数とする螺旋状アンテナ4は引出時ストツパ52を介して上端と下端が短絡されるためアンテナ長が変化し、共振周波数が第2の周波数帯から外れる。従つて螺旋状アンテナ4は第2の周波数帯においてはアンテナとして作動しなくなる。
また第1の周波数帯を共振周波数とする螺旋状アンテナ3は第1のアンテナ支持金具31、アンテナ取付金具7を順に介して給電バネ9に電気的に接続されるが、共振周波数が異なるため第2の周波数帯においてはアンテナとして作動しない。
【0091】
一方、切換スイツチ18を第1の周波数帯の送受信部16に接続した場合、当該送受信部16によつて第1の周波数帯の電気信号が励振される。このとき図9及び図10に示すように、第1の周波数帯を共振周波数とする螺旋状アンテナ3は第1のアンテナ支持金具31、アンテナ取付金具7を順に介して給電バネ9に電気的に接続される。これにより螺旋状アンテナ3は第1の周波数帯において回路基板15の接地導体及びシールドケースをグランドとするヘリカルアンテナとして作動する。
このとき第2の周波数帯を共振周波数とする線状アンテナ5及び螺旋状アンテナ4は共振周波数が異なるため、アンテナとして作動しない。
【0092】
このようにして第2の周波数帯を共振周波数とする線状アンテナ5及び螺旋状アンテナ4を設け、アンテナ引出時には線状アンテナ5がアンテナとして作動するようにし、アンテナ収納時には螺旋状アンテナ4がアンテナとして作動するようにしたことにより、アンテナ引出時には人体(主に頭部)の影響を回避して第2の周波数帯で良好なアンテナ特性を得ることができると共に、アンテナ収納時にも螺旋状アンテナ4がアンテナとして作動するため第2の周波数帯で良好なアンテナ特性を得ることができる。
また第1の周波数帯を共振周波数とする螺旋状アンテナ3を設け、当該螺旋状アンテナ3を給電バネ9に常に接続するようにしたことにより、螺旋状アンテナ3がアンテナとして作動して第1の周波数帯においても良好なアンテナ特性を得ることができる。
さらに引出時ストツパ52を長くすることによつてアンテナ引出時には当該引出時ストツパ52によつて螺旋状アンテナ4の上下端が短絡されるようにしたことにより、簡易な構成で螺旋状アンテナ4をアンテナとして作動させないようにできる。
【0093】
以上の構成によれば、第2の周波数帯で作動する螺旋状アンテナ4と線状アンテナ5を設け、アンテナ引出時には線状アンテナ5がアンテナとして作動し、アンテナ収納時には螺旋状アンテナ4がアンテナとして作動するようにすると共に、第1の周波数帯で常時作動する螺旋状アンテナ3を設けるようにしたことにより、第1の周波数帯においては螺旋状アンテナ3がアンテナとして常時作動し、第2の周波数帯においては螺旋状アンテナ4又は線状アンテナ5がアンテナとして作動し、かくして簡易な構成で2つの周波数帯の電気信号を扱うことができる。かくするにつき簡易な構成で2つの周波数帯で利用し得るアンテナ装置50を実現し得る。
またこのようなアンテナ装置50を携帯無線機2に搭載することにより、それぞれの周波数帯だけで動作するアンテナ装置を別々に設けなくても携帯無線機2でそれぞれの周波数帯の電気信号を扱うことができると共に、アンテナ装置を別々に設けない分、携帯無線機2を小型、軽量化し得る。
【0094】
(6)他の実施例
なお上述の第1実施例においては、線状アンテナ5が単に収納される場合について述べたが、本発明はこれに限らず、図11に示すように、アンテナ収納時に線状アンテナ5がグランドに短絡されるようにしても良い。すなわちこのアンテナ装置60においては、線状アンテナ5の下端部に断面ほぼ十字状の引出時ストツパ61が設けられており、線状アンテナ5を収納したときには当該引出時ストツパ61の下端部がグランド接続金具62に挟持されるようになされている。このグランド接続金具62はグランド接続バネ63を介して回路基板15の接地導体に接続されており、引出時ストツパ61を挟持したとき、当該引出時ストツパ61をグランドに短絡するようになされている。これによりこのアンテナ装置60においては、アンテナ収納時、引出時ストツパ61、グランド接続金具62、グランド接続バネ63を介して線状アンテナ5がグランドに短絡されるようになされている。このようにしてアンテナ収納時に線状アンテナ5がグランドに短絡されるようにすることにより、このアンテナ装置60では、線状アンテナ5がオープンスタブとして作用しなくなり、螺旋状アンテナ4の整合状態を乱す等といつた悪影響を回避し得る。
【0095】
また上述の実施例においては、給電バネ9、アンテナ取付金具7、アンテナ支持金具8、31、31A、41、42、アンテナ接続金具12、43、引出時ストツパ14、52を金属材料によつて構成した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これらの部材を所定の導電性材料によつて形成するようにして導電性を有するようにしても上述の場合と同様の効果を得ることができる。
【0096】
また上述の実施例においては、アンテナ装置1、20、30、40、50に対して送受信部16、17を接続するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これらのアンテナ装置1、20、30、40、50を送信専用又は受信専用として使用する場合には送信部又は受信部のみが接続されるようにしても良い。
【0097】
また上述の実施例においては、携帯無線機2の筐体6を非金属製材料によつて形成した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、携帯無線機2の筐体6を金属製材料によつて形成するようにしても良い。但し、その場合には、アンテナ取付金具7が金属製の筐体6に対して直接導通しないようにスペーサ等を設けるようにすれば良い。
【0098】
また上述の実施例においては、線状アンテナ5が単に直線状の導体によつて形成されている場合について述べたが、本発明はこれに限らず、直線状の導体を伸縮自在に多段結合した部材によつて線状アンテナが形成されるようにしても良い。またこれに限らず、線状アンテナを弾性を有する導体で形成したり、ばね材を密巻にした導体で形成したり、あるいは小さい径で螺旋状にした導体で形成したりしてアンテナ折損を防止するようにしても良い。
【0099】
また上述の実施例においては、アンテナ支持金具8、31、41をアンテナ取付金具7にねじ込みによつて取り付けた場合について述べたが、本発明はこれに限らず、かしめ等のその他の手法を用いて取り付けるようにしても良い。
【0100】
また上述の実施例においては、線状アンテナ5に引出時ストツパ14、52をねじ込み又はかしめによつて取り付けた場合について述べたが、本発明はこれに限らず、一体成形する等、その他の手法を用いて線状アンテナに引出時ストツパを取り付けるようにしても良い。
【0101】
また上述の実施例においては、第1の周波数帯を 1.9〔GHz 〕帯とし、第2の周波数帯を 800〔MHz 〕帯とした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1及び第2の周波数帯をその他の周波数帯に設定しても良い。但し、螺旋状アンテナ3のみがアンテナとして作動する第1の周波数帯を第2の周波数帯に対して高い周波数帯域に設定することが望ましい。
【0102】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、第1の周波数帯で共振する螺旋状の第1のアンテナと、第1のアンテナの内部を螺旋の中心軸方向に沿つて摺動し、かつ第2の周波数帯で共振する線状の第2のアンテナと、第2のアンテナの上端に接続され、かつ第2の周波数帯で共振する螺旋状の第3のアンテナと、第1のアンテナの下端に接続された給電点に対して、第1の周波数帯で動作する第1の送受信部又は第2の周波数帯で動作する第2の送受信部を切換接続する切換接続部とをアンテナ装置に設け、給電点に第1の送受信部が接続されたときには第1のアンテナがアンテナとして作動し、給電点に第2の送受信部が接続された状態において、第2のアンテナの引出時には第2のアンテナ及び第3のアンテナが1つのアンテナとして作動し、第2のアンテナの収納時には第3のアンテナがアンテナとして作動するようにしたことにより、それぞれの周波数帯だけで動作するアンテナ装置を別々に設けなくても第1及び第2の周波数帯の電気信号を扱え、かくして簡易な構成で2つの周波数帯で利用し得るアンテナ装置及び携帯電話機を実現し得る。
【0103】
また本発明によれば、第1の周波数帯で共振する螺旋状の第1のアンテナと、上記第1のアンテナの上方に配置され、かつ第2の周波数帯で共振する螺旋状の第2のアンテナと、上記第1及び第2のアンテナの内部を螺旋の中心軸方向に沿つて摺動し、かつ上記第2の周波数帯で共振する線状の第3のアンテナと、第1のアンテナの下端に接続された給電点に対して、第1の周波数帯で動作する第1の送受信部又は第2の周波数帯で動作する第2の送受信部を切換接続する切換接続部とをアンテナ装置に設け、給電点に第1の送受信部が接続されたときには第1のアンテナがアンテナとして作動し、給電点に第2の送受信部が接続された状態において、第3のアンテナの収納時には第2のアンテナがアンテナとして作動し、第3のアンテナの引出時には第2のアンテナ及び第3のアンテナが1つのアンテナとして作動するようにしたことにより、それぞれの周波数帯だけで動作するアンテナ装置を別々に設けなくても第1及び第2の周波数帯の電気信号を扱え、かくして簡易な構成で2つの周波数帯で利用し得る携帯無線機を実現し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例によるアンテナ装置を収納したときの各部の接続状態を示す断面図である。
【図2】第1実施例によるアンテナ装置を引き出したときの各部の接続状態を示す断面図である。
【図3】第2実施例によるアンテナ装置を収納したときの各部の接続状態を示す断面図である。
【図4】第2実施例によるアンテナ装置を引き出したときの各部の接続状態を示す断面図である。
【図5】第3実施例によるアンテナ装置を収納したときの各部の接続状態を示す断面図である。
【図6】第3実施例によるアンテナ装置を引き出したときの各部の接続状態を示す断面図である。
【図7】第4実施例によるアンテナ装置を収納したときの各部の接続状態を示す断面図である。
【図8】第4実施例によるアンテナ装置を引き出したときの各部の接続状態を示す断面図である。
【図9】第5実施例によるアンテナ装置を収納したときの各部の接続状態を示す断面図である。
【図10】第5実施例によるアンテナ装置を引き出したときの各部の接続状態を示す断面図である。
【図11】他の実施例によるアンテナ装置の構造説明に供する断面図である。
【符号の説明】
1、20、30、40、50、60……アンテナ装置、2……携帯無線機、3、4……螺旋状アンテナ、5……線状アンテナ、6……筐体、7……アンテナ取付金具、8、31、31A、41、42……アンテナ支持金具、9……給電バネ、10、11、13、32……アンテナカバー、12、43……アンテナ接続金具、14、52、61……引出時ストツパ、15……回路基板、16、17……送受信部、18……切換スイツチ、21……アンテナ接続具、33……収納時ストツパ、51……金属金具、62……グランド接続金具、63……グランド接続バネ。

Claims (9)

  1. 第1の周波数帯で共振する螺旋状の第1のアンテナと、
    上記第1のアンテナの内部を螺旋の中心軸方向に沿つて摺動し、かつ第2の周波数帯で共振する線状の第2のアンテナと、
    上記第2のアンテナの上端に接続され、かつ上記第2の周波数帯で共振する螺旋状の第3のアンテナと、
    上記第1のアンテナの下端に接続された給電点に対して、第1の周波数帯で動作する第1の送受信部又は第2の周波数帯で動作する第2の送受信部を切換接続する切換接続部と
    を有し、
    上記給電点に上記第1の送受信部が接続されたときには上記第1のアンテナがアンテナとして作動し、
    上記給電点に上記第2の送受信部が接続された状態において、上記第2のアンテナの引出時には上記第2のアンテナ及び上記第3のアンテナが1つのアンテナとして作動し、上記第2のアンテナの収納時には上記第3のアンテナがアンテナとして作動する
    ことを特徴とするアンテナ装置。
  2. グランドに接続され、上記第2のアンテナが収納された当該第2のアンテナの下端を挟持する挟持部も有し、
    上記給電点に上記第2の送受信部が接続された状態において、上記第2のアンテナの収納時には上記第3のアンテナがアンテナとして作動すると共に、上記第2のアンテナが短絡される
    ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 第1の周波数帯で共振する螺旋状の第1のアンテナと、
    上記第1のアンテナの上方に配置され、かつ第2の周波数帯で共振する螺旋状の第2のアンテナと、
    上記第1及び第2のアンテナの内部を螺旋の中心軸方向に沿つて摺動し、かつ上記第2の周波数帯で共振する線状の第3のアンテナと、
    上記第1のアンテナの下端に接続された給電点に対して、第1の周波数帯で動作する第1の送受信部又は第2の周波数帯で動作する第2の送受信部を切換接続する切換接続部と
    を有し、
    上記給電点に上記第1の送受信部が接続されたときには上記第1のアンテナがアンテナとして作動し、
    上記給電点に上記第2の送受信部が接続された状態において、上記第3のアンテナの収納時には上記第2のアンテナがアンテナとして作動し、上記第3のアンテナの引出時には上記第2のアンテナ及び上記第3のアンテナが1つのアンテナとして作動する
    ことを特徴とするアンテナ装置。
  4. 上記給電点には第2のアンテナの下端も接続され、
    上記給電点に上記第2の送受信部が接続された状態において、上記第3のアンテナの引出時には当該第3のアンテナも上記給電点に接続されることにより上記第2のアンテナ及び上記第3のアンテナが1つのアンテナとして作動する
    ことを特徴とする請求項3に記載のアンテナ装置。
  5. 上記第2のアンテナは、
    上記第3のアンテナに設けられた導電性の接続部材によつてアンテナ動作が制御される
    ことを特徴とする請求項に記載のアンテナ装置。
  6. 上記第2のアンテナは上記給電に対して電気的に分離されており、
    上記給電点に上記第2の送受信部が接続された状態において、上記第3のアンテナの収納時には、上記接続部材によつて上記第2のアンテナが上記給電に対して電気的に接続されることにより当該第2のアンテナがアンテナとして作動し、
    上記第3のアンテナの引出時には、上記接続部材がアンテナ引き出しに伴つて上方に移動することによつて上記第2のアンテナが上記給電に対して電気的に分離されると共に、上記第3のアンテナの下端が上記給電に対して電気的に接続されることにより上記第3のアンテナがアンテナとして作動する
    ことを特徴とする請求項に記載のアンテナ装置。
  7. 上記給電点には第2のアンテナの下端も接続され、
    上記給電点に上記第2の送受信部が接続された状態において、上記第3のアンテナの収納時には、上記第2のアンテナがアンテナとして作動し、上記第3のアンテナの引出時には、上記第2のアンテナの上下端が上記接続部材によつて短絡されると共に、上記第3のアンテナの下端が上記給電に対して電気的に接続されることにより上記第3のアンテナがアンテナとして作動する
    ことを特徴とする請求項に記載のアンテナ装置。
  8. 第1の周波数帯で共振する螺旋状の第1のアンテナと、
    上記第1のアンテナの内部を螺旋の中心軸方向に沿つて摺動し、かつ第2の周波数帯で共振する線状の第2のアンテナと、
    上記第2のアンテナの上端に接続され、かつ上記第2の周波数帯で共振する螺旋状の第3のアンテナと、
    上記第1のアンテナの下端に接続された給電点に対して、第1の周波数帯で動作する第1の送受信部又は第2の周波数帯で動作する第2の送受信部を切換接続する切換接続部と
    を有し、
    上記給電点に上記第1の送受信部が接続されたときには上記第1のアンテナがアンテナとして作動し、
    上記給電点に上記第2の送受信部が接続された状態において、上記第2のアンテナの引出時には上記第2のアンテナ及び上記第3のアンテナが1つのアンテナとして作動し、上記第2のアンテナの収納時には上記第3のアンテナがアンテナとして作動する
    具えることを特徴とする携帯無線機。
  9. 第1の周波数帯で共振する螺旋状の第1のアンテナと、
    上記第1のアンテナの上方に配置され、かつ第2の周波数帯で共振する螺旋状の第2のアンテナと、
    上記第1及び第2のアンテナの内部を螺旋の中心軸方向に沿つて摺動し、かつ上記第2の周波数帯で共振する線状の第3のアンテナと、
    上記第1のアンテナの下端に接続された給電点に対して、第1の周波数帯で動作する第1の送受信部又は第2の周波数帯で動作する第2の送受信部を切換接続する切換接続部と
    を有し、
    上記給電点に上記第1の送受信部が接続されたときには上記第1のアンテナがアンテナとして作動し、
    上記給電点に上記第2の送受信部が接続された状態において、上記第3のアンテナの収納時には上記第2のアンテナがアンテナとして作動し、上記第3のアンテナの引出時には上記第2のアンテナ及び上記第3のアンテナが1つのアンテナとして作動する
    具えることを特徴とする携帯無線機。
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