JP3769280B2 - ディジタル加入者線伝送方法及び伝送装置 - Google Patents

ディジタル加入者線伝送方法及び伝送装置 Download PDF

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Description

本発明は、加入者交換局と加入者端末とを接続する加入者回線(以下、メタリック回線と表記することもある)を高速データ通信回線として利用するディジタル加入者線伝送方法および伝送装置に関し、特にISDNピンポン伝送あるいはTDD-xDSL伝送による周期性漏話雑音環境下におけるディジタル加入者線伝送方法および伝送装置に関するものである。
近年、インターネット等のマルチメディア型サービスが一般家庭を含めて社会全体へと広く普及してきており、このようなサービスを利用するための経済的で信頼性の高いディジタル加入者線伝送システム及びディジタル加入者線伝送装置の早期提供が強く求められている。
・xDSL技術
既設の電話回線を高速データ通信回線として利用するディジタル加入者線伝送システムを提供する技術としてはxDSL(Digital Subscriber Line)が知られている。xDSLは電話回線を利用した伝送方式で、かつ、変復調技術の一つである。このxDSLは、大きく分けて加入者宅(以下、加入者側と呼ぶ)から収容局(以下、局側と呼ぶ)への上り伝送速度と、局側から加入側への下り伝送速度が、対称のものと非対称のものに分けられる。
代表的な例を挙げると、非対称型のxDSLにはADSL(Asymmetric DSL)があり、対称型のxDSLにはHDSL(High-bit-rate DSL)、SHDSL(Single-pair High-bit- rate DSL)がある。そして、非対称型としても対称型としても利用できるxDSLにはVDSL(Very high-bit-rate DSL)がある。それぞれのxDSLの方式毎にDMT
(Discrete Multitone)、CAP(Carrierless Amplitude Phase modulation)等の変調方式が用いられている。例えばADSLのITU-T勧告として、下り伝送が6Mビット/秒程度のG.dmtと1.5Mビット/秒程度のG.liteがあるが、どちらも変調方式としてDMT変調方式を採用している。
・DMT変調方式
DMT変調方式をG.dmtを例にとり説明する。ただし、ここでは、局側から加入者側への下り方向の変復調についてのみ説明する。
DMT変調方式では、図29に示すように1.104MHzの周波数帯域をΔf(=4.3125KHz)間隔のM(=255)個のマルチキャリア#1〜#255に周波数分割する。そして、通信に先立って行われるトレーニングにおいて各キャリア#1〜#255のSN比を測定し、SN比に応じて各キャリアにおいて4-QAM, 16-QAM, 64-QAM, 128-QAM...のいずれの変調方式でデータを送信するか決定する。たとえば、SN比が小さいキャリアには4-QAMを割り当て、順次SN比が大きくなるにつれ16-QAM, 64-QAM, 128-QAM..を割り当てる。なお、 4-QAMは2ビットづつ送信する変調方式、16-QAMは4ビットづつ送信する変調方式、64-QAMは6ビットづつ送信する変調方式、128-QAMは7ビットづつ送信する変調方式...である。上り/下り同時に信号を伝送する方式のうち、周波数分割伝送方式では、255キャリアのうち、キャリア#1〜#32が加入者側から局側への上り方向用として用いられ、キャリア#33〜#255が局側から加入者側への下り方向用に用いられる。又、上り/下り同時に信号を伝送しない方式では、キャリア#1〜#255が全て上り方向用、下り方向用として用いることが容易に可能である。
図30はDMT変調方式による加入者線伝送システムの機能ブロック図である。入力した1加入者宛の送信データは直列並列変換用のバッファ(Serial to
Parallel Buffer)10に1シンボル時間(=1/4000 sec)分ストアされる。ストアされたデータは、トレーニングにより前もって決められて送信ビットマップ 60に保存されている各キャリア当たりの伝送ビット数毎に分割されて、エンコーダ20に入力する。すなわち、トレーニングにより各キャリアでのQAM変調方式が判っているから、各キャリアのQAM変調方式に応じたビット数bkづつ1シンボル分のビット列を分割し、エンコーダ20に入力する。よって、1シンボル当りの総出力ビット数はΣbk(k=1〜M)となる。エンコーダ20は、入力された各ビット列に対応する各キャリアをそれぞれ直交振幅変調(QAM)するための信号点データ(コンステレーションダイアグラム上の信号点データ)に変換して逆高速フーリエ変換器(IFFT: Inverse Fast Fourier Transform)30に入力する。IFFT30はIFFT演算を行うことでそれぞれの信号点について直交振幅変調を行い、次段の並列直列変換用のバッファ(Parallel to Serial Buffer)40に入力する。ここで、IFFT出力480〜511サンプルのトータル32個のサンプルをサイクリックプレフィクス(Cyclic Prefix)としてDMTシンボルの先頭に付加する(詳細は後述)。並列直列変換用バッファ40は512+32個のサンプルデータを順次直列にDAコンバータ50へ入力する。DAコンバータは2.208MHzのサンプリング周波数で入力ディジタルデータをアナログ信号に変換し、メタリック回線70を経由して加入者側に伝送する。
加入者側では、ADコンバータ80が入力アナログ信号を2.208MHzのディジタル信号に変換し、時間領域等化器(Time domain EQualizer:TEQ)90に入力する。TEQ90はシンボル間干渉(Inter Symbol Interference:ISI)が32サンプルの Cyclic Prefix内に収まるように入力ディジタルデータに処理を施し、処理結果データを直列並列変換用バッファ100に入力する。直列並列変換用バッファ100は1DMTシンボル分のデータをストアし、しかる後、Cyclic Prefixを除去し、1DMTシンボル分のデータを並列的に同時に高速フーリエ変換器(FFT)110に入力する。FFT110は高速フーリエ変換をおこない、255個の信号点を発生(復調)する。周波数領域等化器(Frequency domain EQualizer:FEQ)120は、復調した255の信号点データにチャネル間干渉(Inter Channel Interference:ICI)の補償を施し、デコーダ130は送信ビットマップ60と同じ値を保持する受信ビットマップ150に従って255個の信号点データをデコードし、デコードにより得られたデータを並列直列変換用バッファ140にストアする。以後、該バッファからビットシリアルに1ビットづつ出力し受信データとなる。
・ISDNピンポン伝送からの漏話
ISDNピンポン伝送方式(TCM: time compression multiplex)は、送信区間と受信区間を時分割的に分離し(1送信区間と受信区間の合計2.5msec)、かつ、その送受信のタイミングを隣接する全ての装置で同一にする方式である。このISDNピンポン伝送方式では、2B+Dの144kbpsの送信データを2.5msec毎に区切り、速度変換で320kbpsに圧縮し,送信区間において伝送する。このため、ISDNピンポン伝送方式の周波数帯域は図31に示すようにADSL(もしくはG.dmt)の周波数帯域と重なる。又、既存の電話線は、人間の音声帯域約200Hz〜3.4kHzまでの周波数帯域に最適化された設計となっているが、この線にADSLやISDNのような高周波数信号を流すと、電話線は図32に示すように束ねられているため、ISDNの信号が別の電話線のADSLの電話線に漏れ込み、それがノイズとなってADSL通信を妨害する。このノイズが漏話ノイズ(cross talk noise)である。ADSLの伝送レートはこの漏話ノイズのレベルに制限される。
図33はISDN回線からADSL回線への干渉(漏話)説明図であり、(a)は局側ADSL装置(ATU-C: ADSL Transceiver Unit at the Central office end )に対する干渉説明図、(b)は加入者側ADSL装置(ATU-R: ADSL Transceiver Unit at the
Remote terminal end)に対する干渉説明図である。(a)において、ISDN回線のOCU(office channel unit)が送信している時、局側のADSL装置ATU-Cに大きなノイズの影響を与える。この漏話ノイズは近端ノイズ(near end cross-talk:NEXT)と呼ばれる。一方、DSU(digital service unit)が送信している時、その信号がATU-Cに漏れ込みノイズとなる。この漏話ノイズは遠端ノイズ(far end cross-talk: FEXT)と呼ばれる。FEXTは、ATU-Cにとって遠い、つまり遠端からのノイズでありNEXTに比べてかなり小さなレベルとなる。
又、(b)においては、ISDN回線のDSUが送信している時、加入者側ADSL装置ATU-Rに大きなノイズの影響を与え、このノイズが近端ノイズ(NEXT)となる。一方、 OCUが送信している時、その信号がATU-Rに漏れ込んで遠端ノイズ(FEXT)となるが、このFEXTはNEXTに比べてかなり小さなレベルとなる。以上より、ADSLの通信において、NEXTの影響を小さくする必要がある。
さて、前述のように、ADSL回線の近くにISDNピンポン伝送回線があると、ADSL回線はISDNピンポン伝送回線から以下に記すように漏話(TCM Cross-talk)の影響を受ける。ISDNピンポン伝送では、図34に示すISDN400Hz信号TTR(TCM-ISDN Timing Reference)に同期して、局側が400Hzの前半のサイクルで下りデータを送信し、加入者側は下りデータ受信後、後半のサイクルで上りデータを送信する。このため、局側のADSL装置ATU-Cでは400Hzの前半のサイクルでISDNからの近端漏話(NEXT1)の影響を受け、後半のサイクルで加入者側ISDNの上りデータからの遠端漏話(FEXT1)の影響を受ける。
加入者側のADSL装置ATU-Rでは、局側とは逆に400Hzの前半でFEXT2の影響を受け、後半のサイクルでNEXT2の影響を受ける。なお、以下では、NEXT、FEXTの影響を受ける時間領域をそれぞれNEXT区間、FEXT区間と呼ぶ。図34では加入者側におけるNEXT区間、FEXT区間を示している。
・スライディング・ウィンドウ方式
上記したようなISDNピンポン伝送からのクロストーク環境のもとで、ADSL信号を良好に伝送し得るディジタル加入線伝送システムを提供することを目的に、特願平10-144913号において「スライディング・ウィンドウ方式」を提案している。スライディング・ウィンドウ(sliding window)は、局側ADSL装置(ATU-C)から加入者側ADSL装置(ATU-R)へADSL信号を送信する下り方向の場合、ISDNピンポン伝送からのクロストーク環境のもとで局側ADSL装置(ATU-C)が送信するADSL信号の状態を以下のように定める方式で、Dual Bitmap方式とFext Bitmap方式がある。
すなわち、図34に示すように、送信されるADSLシンボル(DMTシンボル)SBが完全に加入者側におけるFEXT区間内に含まれていれば、スライディング・ウィンドウSLWにより、局側ADSL装置(ATU-C)は、そのシンボルをインサイド・シンボルISBとして高密度送信する。また送信シンボルSBが一部でも加入者側におけるNEXT区間に含まれていれば、局側ADSL装置(ATU-C)はそのシンボルをアウトサイド・シンボルOSBとして低密度送信する(Dual Bitmap方式)。上り方向においても、加入者側ADSL装置(ATU-R)は下りと同様な方法でADSLシンボルをインサイド・シンボルISBとアウトサイド・シンボルOSBに分けて送信する。
Dual Bitmap方式では下り方向において、スライディング・ウィンドウSLWの外側でもシンボルを低密度送信するが、局側ADSL装置(ATU-C)はスライディング・ウィンドウSLWの外側において、タイミング同期用のトーンであるパイロット・トーンPLTのみを送信する方式もある(Fext Bitmap方式)。このとき、上り方向において、加入者側ADSL装置(ATU-R)はスライディング・ウィンドウSLWの外側では何も送信しない。
図35はISDNのOCUにおける送受信と局側ADSL装置ATU-CにおけるADSLシンボルの関係図であり、Dual Bitmap方式とFext Bitmap方式それぞれの場合における ADSLシンボルを示している。
・ビットマップの作成
上記したDual Bitmap方式に対応するため、図30における送信ビットマップ部60および受信ビットマップ部150では、トレーニング時にインサイド・シンボル用のビットマップおよびアウトサイド・シンボル用のビットマップの2種類のビットマップを用意する必要がある。Fext Bitmap方式では、2種類のビットマップのうち、アウトサイド・シンボル用のビットマップは不要である。
各キャリアに割り当てるビット数(ビットマップ)は、受信側が決める。すなわち、上り信号用の割当ビット数は局側で決め、下り信号用の割当ビット数は加入者側で決める。トレーニング時、局側および加入者側のADSL装置はB&G(bit & gain)と呼ばれるプロトコルに従ってビットマップを決定する。
図36は上り方向のB&Gプロトコルの説明図である。(1)トレーニング時、互いのADSL装置を認識し合った後、たとえば、加入者側ADSL装置ATU-Rはいくつかの周波数信号を対向する局側ADSL装置ATU-Cに送る。(2)局側のADSL装置ATU-Cは各キャリア毎のノイズレベルおよび受信信号レベルを測定してSN比を計算する。(3)ついで、局側のADSL装置ATU-Cは計算したSN比に基づいてビットマップを作成し、加入者側のADSL装置ATU-Rに該ビットマップと送出レベルを通知する。(4)加入者側ADSL装置ATU-Rは通知されたビットマップおよび送出レベル情報を基にしてDMT変調してデータ送信する。
図37は加入者側ADSL装置ATU-RでSN比を測定する構成図である。受信データが復調器210に入り復調データとして各キャリア毎の信号点データを出力する。また、リファレンス220からは本来受信すべきキャリア毎の信号点データが出力される。このリファレンスからの信号点データと復調した信号点データの差をERRORとし各キャリア毎のERRORをセレクタ260に入力する。
一方、装置内クロック230を分周器240で400Hzに分周して位相判定器250に入力する。この400Hz信号は、復調器210を介して局側より伝送された400Hzの情報により、位相が前もって局側の400Hz(ISDN400Hz信号)と合わされている。位相判定器250では入力された400Hz信号により、受信したDMTシンボルがFEXT区間かNEXT区間かそれ以外かを判定し、セレクタ260に入力する。セレクタ260では、前述の入力されたERRORを判定器250から入力された情報によりNEXT区間S/N測定器270もしくはFEXT区間S/N測定器280へ出力する。各S/N測定器はERRORを積分してS/Nを算出して、それぞれ、各キャリア毎に伝送bit数換算器290に出力する。伝送bit数換算器290では、入力された各キャリア毎のS/Nから各キャリア毎に伝送するビット数(ビットマップ)を算出し、NEXT区間用のビットマップb−NEXTと、FEXT区間用のビットマップのb−FEXTを算出する。
・フレーム構成
上記したようなISDNピンポン伝送からのクロストーク環境のもとで、ADSL信号を良好に伝送し得るディジタル加入者線伝送システムを提供することを目的に、「ハイパー・フレーム」が導入されている。ISDNピンポン伝送は、400Hzクロック2.5msecの半周期毎に送受信を切り替える。一方世界標準として標準化が進められているADSL伝送の送信単位である1シンボルは、約0.246msecである。そこで2つの通信の最小公倍数であるISDNピンポン伝送の34周期とADSL伝送の345個の DMTシンボルの時間長が一致する事から、この区間を「ハイパーフレーム」と定義する。
図38に示すように、ADSLでは1フレームが1シンボルになるように対応しており、定常のデータ通信時において、68個のデータ用ADSLフレームと1個の同期フレーム(S)とで、1スーパー・フレームが構成されている。同期シンボル(S)の代わりに、インバース同期シンボル(I)の場合もある。インバース同期シンボル(I)は、同期シンボル(S)の各キャリアの位相を180°回転させることにより、実現したシンボルである。図に示すように、スーパー・フレームが5個(=345シンボル)集まって、1ハイパー・フレームが構成される。図では、局側ADSL装置(ATU-C)から加入者側ADSL装置(ATU-R)へとADSL信号を送信する下り方向の場合を示しているが、この場合、インバース同期シンボル(I)は1ハイパーフレーム中の4番目のスーパー・フレーム中に位置すると決められている。上り方向の場合は、1ハイパー・フレーム中の一番目のスーパー・フレーム中にインバース同期シンボル(I)が含まれる。また、前述のように1ハイパー・フレームは、ISDNピンポン伝送における400Hz信号の34周期分に同期している。
・別のフレーム構成
上記したように、ADSL回線の近くにISDNピンポン伝送回線がある場合は、ADSL回線はISDNピンポン伝送回線からNEXT、FEXTの両方のTCM Cross-Talkの影響を受ける。そこで、このようなISDNピンポン伝送からのクロストーク環境のもとで、ADSL信号を良好に伝送し得るディジタル加入者線伝送システムを提供することを目的に、上記したようなハイパー・フレームとは異なり、ADSLシンボルをISDNピンポン伝送に同期させて送信する方法がある。
ISDNピンポン伝送では、図39に示すように、ISDN400Hz信号TTRに同期して、局側OCUが400Hzの前半のサイクルで下りデータを送信し、400Hzの後半のサイクルで上りデータを受信する。ADSL伝送でも、ISDN400Hz信号TTRに同期して、局側ADSL装置が400Hzの前半のサイクルで下りFEXT区間用ADSLシンボルを送信し、400Hzの後半のサイクルで下りNEXT区間用ADSLシンボルを送信する。このことは、加入側のADSL装置についても同様である。すなわち、NEXT区間受信用のビットマップ(DMTシンボルA)と、FEXT受信区間用のビットマップ(DMTシンボルB)を2個用意する。そして、図39に示すようにNEXT区間ではDMTシンボルAを伝送することで伝送ビット数を小さくしてSN耐力を向上し、FEXT区間ではDMTシンボルBを伝送することで伝送ビット数を大きくして、伝送容量を大きくする。このとき、Cyclic Prefix長を適切な長さに設定することで、FEXT区間用ADSLシンボル数とNEXT区間用ADSLシンボル数を一致させる。たとえば、本来なら32サンプルのCyclic
Prefixで1DMTシンボル当り246μsであるのに対し、40サンプルのCyclic Prefixとして、1DMTシンボル当り250μsとし、TCM Cross-talk の1周期とDMTシンボル 10個の時間を合わせる。
・TDD−xDSLの導入
上記したようなスライディング・ウィンドウおよびハイパー・フレームを使用しないxDSLとして、TDD−xDSL方式(TDD:time divisional duplex-xDSL)が考えられている。TDD−xDSL方式は上記したようなISDNピンポン伝送に同期させてシンボルを送信する方式であるが、上記した方式とは異なり、NEXT区間ではTDD−xDSLシンボルを送信しない。すなわち、TDD−xDSL方式はxDSL回線を上り方向と下り方向で時分割的に使用し、上り方向及び下り方向のデータ伝送において255個の全キャリア#1〜#255を使用する方式である。
図40に示すように、局側において、TDD−xDSLシンボル列460をISDNピンポン伝送に同期させて送信すると、加入者側において受信されたTDD−xDSLシンボル列480はISDNからFEXT440の影響のみを受ける。また、加入者側において、TDD−xDSLシンボル列490をISDNピンポン伝送に同期させて送信すると、局側において受信されたTDD-xDSLシンボル列470はISDNからのFEXT430の影響のみを受ける。したがって、TDD-xDSLシンボル列はISDNピンポン伝送からのNEXTの影響を回避することができる。この伝送システムによればDual Bitmap方式において2種類必要だったビットマップがFext Bitmap方式と同様に1種類ですむ。
・ISIの除去方法
図30に示す時間領域等化器(Time domain EQualizer:TEQ)はCyclic Prefixを用いて、以下のような働きをする。
図30の並列直列変換用バッファ40に入力されるDMTシンボルは図41(a)に示すような波形歪のない信号状態である。並列直列変換用バッファ40はこの DMTシンボルの後ろ32サンプルを図41(b)に示すように複写により、DMTシンボルの前に付加する処理を行う。この付加された部分はCyclic Prefixと呼ばれる。このCyclic Prefixが付加されたDMTシンボルは、図41(c)に示すように送信側においてその後の処理を経てから受信側へ送信される。
周波数に対する振幅特性および遅延特性が一定ではないメタリック回線70を経由して受信された受信信号は、図41(d)に示すようにシンボル間干渉(Inter Symbol Interference:ISI)の影響を受けて歪んだ状態になっている。
しかし、TEQ90はトレーニングによりISIが32サンプルのCyclic Prefix内に収まるようにその定数を設定されている(TEQトレーニング)。従って、TEQは図41(d)に示す信号を受信すると、図41(e)に示すようにISIを32サンプルのCyclic Prefix内に収まるような処理をする。その後、直列並列変換用バッファ100はTEQ出力よりCyclic Prefixを除去する。これにより、図41(f)に示すようにISIの影響を取り除いたDMTシンボルを得ることできる。TEQは以上のようにCyclic Prefixを用いて、受信信号からISIの影響を取り除く働きをする。
・xDSLシンボルが受けるISIの影響
xDSLシンボルが受けるISIの影響について図42を用いて説明する。図42(a)は、トレーニング時において、連続信号を送信する場合のADSL送信シンボル列である。但し、図42(a)に示されている斜線のADSL送信シンボルとその一つ前の ADSL送信シンボルとの間には、連続性はないものとする。図42(b)はTEQトレーニングを行う前の図42(a)のADSL送信シンボル列に対するADSL受信シンボル列、図42(c)はTEQトレーニングを行った後の図41(a)のADSL送信シンボル列に対するADSL受信シンボル列である。
また、図42(d)は定常のデータ通信時におけるCyclic Prefixが付加されているADSL送信シンボル列を示し、図42(e)は図42(d)のADSL送信シンボル列に対するADSL受信シンボル列である。
上記したように、TEQはCyclic Prefixを用いて受信信号からISIの影響を取り除く働きをする。定常のデータ通信時、図42(d)に示すように各ADSL送信シンボルにCyclic Prefixが付加すれば、図42(e)に示すように、TEQはISIを32サンプルのCyclic Prefix内のみに収まるように処理をしISIの影響を受信信号から取り除くことができる。
しかし、同一パターンによる連続信号を送信するトレーニング時では図42(a)に示すように各ADSL送信シンボルにはCyclic Prefixが付加されていない。なぜならば、連続信号はISIの影響を受けないために、Cyclic Prefixは必要ないからである。むしろ、Cyclic Prefixを付加すると、その分だけシンボルレートが落ちるので、Cyclic Prefixは付加しない方が良い。
ところが、上記したスライディング・ウィンドウ方式(Fext Bitmap方式)、あるいはISDNピンポン伝送に同期させてシンボルを送信する方式(TDD-xDSL)のように、送信信号としてバーストシンボル列を送信する場合、送信信号の連続性が失われてしまう。これより、連続信号を送信するトレーニング時において、TEQトレーニングが完了していても、図42(c)に示すように、ADSL受信シンボル列の先頭のADSL受信シンボルがISIに相当する波形歪みの影響を受けてしまい、先頭のADSL受信シンボルを用いてトレーニングを行うことができない。
図42(b)は、トレーニング時にTEQトレーニングを行う前の図42(a)のADSL送信シンボル列に対するADSL受信シンボル列を示しているが、これも、上記の理由で、ADSL受信シンボルがISIの影響を受けて歪む。なお、図42(c)ではTEQによって先頭のADSL受信シンボルが受けるISIに相当する波形歪みの影響が32サンプル以内に収まっているのに対し、図42(b)ではTEQトレーニングを行う前の
ADSL受信シンボル列であるため、一般的にはADSL受信シンボルが受けるISIの影響が32サンプル以内に収まることはない。TEQトレーニング前には、図42(b)に示すように波形歪みの影響が2番目以降のADSL受信シンボルにも影響を与えることも考えられる。また、図42に示されていないが、ADSL受信シンボル列の最後の方のADSL受信シンボルもISIの影響を受けることがある。
上記したように、同一パターンによる連続信号を送信するトレーニング時において、各送信シンボルにCyclic Prefixが付加されていない。このため、送信するトレーニング信号としてバーストシンボル列を送信するTDD−xDSL伝送において、受信側で、バーストシンボル列の立ち上がり時に早急に応答できずに、バーストシンボル列の先頭に波形歪みが生じてしまう。そこで、波形歪みの影響を受けていない残りのTDD−xDSL受信シンボルのみでトレーニングを行うことになるが、例えばトレーニングの1バースト内に4DMTシンボルを送信する場合、トレーニングに使用可能なDMTシンボルは3個となり、トレーニング時間が長くなるという問題がある。
また、TDD-xDSL伝送において、送信トレーニングシンボル列がISDNピンポン伝送の受信区間(NEXT区間)内に入るとISDN回線からのNEXTの影響を受け、良好なSN比でTDD-xDSL伝送ができない問題がある。
また、TDD−xDSL伝送において、隣接する送信バーストシンボル列のサンプルデータの連続性を確保するように、タイミング再生信号として使用するパイロットトーンの周波数を設定する技術が確立していない。このため、正確なタイミングで処理ができない問題が生じる。
また、TDD−xDSLでは、トランシーバのトレーニング時におけるCyclic Prefixが付加されていないトレーニングシンボルの位相と、定常のデータ通信時におけるCyclic Prefixが付加されているシンボルの該Cyclic Prefixを除いたシンボルの位相との間での位相差が存在する。このため、Cyclic Prefixが付加されていないトレーニングシンボルからCyclic Prefixが付加されているシンボルへとシーケンスが移行するとき(トレーニング→通常通信)、タイミング再生信号(パイロットトーン)の位相がずれてしまうという問題がある。
さらに、局側においてTDD−xDSL伝送をISDNピンポン伝送に同期させる必要があるが、これは加入者側においても同様である。局側はISDNピンポン伝送が同期している400Hzの同期信号を8kHzのネットワーククロックを用いて得ることができるが、加入者側ではこの400Hzの同期信号を得ることができない。したがって、加入者側は局側から正確なTDD-xDSLの送信位相を通知してもらい、その情報を得ることが重要になる。そこで、局側から加入者側へ効率的に送信位相を通知する手段が要求される。
以上はISDN回線からxDSL回線へのクロストークを考慮した場合である。しかし、クロストークはISDN回線からとは限らず、同一ケーブル内の別のxDSL回線からのクロストークもある。特に、TDD-xDSL伝送は前述のようにISDNピンポン伝送の400Hz信号TTRに同期して下り送信、上り送信を時分割的に交互に行うため、xDSL回線は他のTDD-xDSL回線からISDNピンポン伝送と同様のクロストークの影響(NEXT,FEXT)を受ける。従って、上記課題はISDN回線からのクロストークだけでなく、他のTDD-xDSL回線からのクロストークに対しても言えることである。
本発明は、上記のような点についての新たな知見と考察に基づいてなされたものであり、ISDNピンポン伝送あるいは他のTDD-xDSL伝送からのノイズ環境下において、TDD-xDSLの有効な伝送技術を採用するに当たっての具体的な方法、あるいはそのような方法を実施する手段を備えたディジタル加入者線伝送装置を提供することを目的とするものである。
本発明の別の目的は、トレーニングから通常データ通信へのシーケンス移行時に、タイミング再生信号(パイロットトーン)の位相ズレが発生しないようにすることである。
TDD-xDSL伝送において、トランシーバのトレーニングにおけるCyclic Prefixが付加されていないトレーニングシンボルと通常のデータ通信時においてCyclic Prefixを除いたDMTシンボルとの間の位相差を、タイミング再生用信号として使用するパイロット・トーンの周期の整数倍にする。このようにすれば、トレーニングから通常データ通信へのシーケンス移行時に、タイミング再生信号(パイロットトーン)の位相ズレが発生せず、正確な処理が可能となる。
本発明によれば、TDD-xDSL伝送において、トランシーバのトレーニングにおけるCyclic Prefixが付加されていないトレーニングシンボルと通常のデータ通信時においてCyclic Prefixを除いたDMTシンボル間の位相差を、タイミング再生用信号として使用するパイロット・トーンの周期の整数倍にしたから、トレーニングから通常データ通信へのシーケンス移行時に、タイミング再生信号(パイロット・トーン)の位相ズレが発生せず、正確な処理が可能となる。
(A)本発明の概略
本発明は、ISDNピンポン伝送あるいは他のTDD-xDSL伝送を行う回線からの周期性雑音環境下におけるTDD-xDSL伝送において、以下の特徴を有するものである。尚、以下ではISDNピンポン伝送を行う回線からの周期性雑音環境下におけるTDD-xDSL伝送について説明する。
(a) 第1の特徴
第1の特徴では、TDD-xDSLのADSL装置(トランシーバ)のトレーニングにおいて、図1に示すようなトレーニングシンボル列500を送信することである。
すなわち、(1) TDD-xDSLトランシーバのトレーニングにおいて、Cyclic Prefixなしのトレーニングシンボル501を連続させて構成された従来の送信シンボル列502の前に、先頭トレーニングシンボルの末尾部分と同じパターン503を冗長信号として所定サンプル数付加することで、付加した部分を含めたトレーニングシンボルが連続したパターンを形成することができる。付加する長さは、通常通信時のCyclic Prefixより大きいあらかじめ決められたサンプル数n1である。
(2) あるいは、送信シンボル列502の後に、最後のトレーニングシンボル501の先頭部分と同じパターン504を、先頭に付けるサンプル数n1とは別に決められたサンプル数 n2だけ、同様に付加する。(3) あるいは、送信シンボル列502の前、後両方に冗長信号503,504をそれぞれ付加する。
TDD-xDSLでは、トレーニング時の各シンボルが同一パターンを持つ為、IFFTを介すと各シンボル間で連続した信号を送ることができる。したがって、トレーニングシンボルの末尾部分を送信シンボル列の前に付加し、あるいはトレーニングシンボルの先頭部分を送信したシンボル列の後ろに付加することにより、あるいはその両方に付加することにより付加した部分を含めて連続した信号を形成できる。このように、冗長信号を送信シンボル列の前または後に付加すれば、該冗長信号部分 (503,504)のみでISIにより歪みを受けるが、該冗長信号部分(503,504)以外の送信シンボル列に歪みが生じず全てのシンボルをトレーニングシンボルとして使用できるようになり、トレーニング時間を短縮できる。なお、冗長信号を付加しても送信時間は長くならない。というのは、TDD-xDSLの送信区間のうち信号を送信していない期間を利用して冗長信号を送信できるからである。
(b) 第2の特徴
第2の特徴では、第1の特徴により冗長なサンプル列が付加された後のトレーニングシンボル列が、ISDNピンポン伝送の受信区間(NEXT区間)内に入らないように、該トレーニングシンボル列の送信タイミングと長さとを設定することである。
すなわち、TDD-xDSLの送信トレーニングシンボル列が、ISDNピンポン伝送の送信フレーム区間内、あるいは、ISDNピンポン伝送の送信フレーム区間とISDNピンポン伝送における送受間のガードタイム区間とをあわせた区間内に収まるように、TDD-xDSL伝送の送信タイミングと送信トレーニングシンボル列の長さとを設定する。
図2を用いて、TDD-xDSLの送信トレーニングシンボル列500をISDNピンポン伝送の送信区間601に納めるための条件を説明する。ここで、ISDNピンポン伝送区間の時間をD(3.125μs×377=1.178125ms)、ISDNピンポン伝送の送受信間のカードタイム時間をa(=18.75μs〜23.4375μs)、TDD-xDSLの冗長データを付加する前のトレーニングシンボル502の送信時間をS1、トレーニング用DMTシンボル列の前、後につける冗長信号503,504の送信時間をそれぞれx1,y1、TDD-xDSL送信トレーニングシンボル列500の区間とISDNピンポン伝送の送信区間601とのマージンをそれぞれα1,β1とすると、本発明にて満たされるべきそれぞれの関係を以下に示す。
S1+α1+β1+x1+y1≦D+a (1)
(ただし、0≦α1,0≦β1)
または、
S1+α1+β1+x1+y1≦D (2)
(ただし、0≦α1,0≦β1)
また、ここでCyclic PrefixなしのDMTシンボル内のサンプル数をm、トレーニングシンボル列500に含まれているCyclic PrefixなしのDMTシンボル数をN、DMTキャリアの周波数間隔をfdとするとS1,x1,y1は次式で表せる。
S1=N×m×{1/(m×fd)}=N/fd (3a)
x1=nx×{1/(m×fd)} (3b)
y1=ny×{1/(m×fd)} (3c)
ただし、m=2n(nは自然数)
nx,nyは、それぞれx1,y1のサンプル数を意味する任意の正の整数であり、(nx+ny)>(m/8)
同様に、図3に示すように通常通信時においても、トレーニング時同様にTDD-xDSLのDMT送信シンボル列700が、ISDNピンポン伝送の送信区間601に納まるための関係を求めることができる。すなわち、トレーニング時と同様に、ISDNピンポン伝送区間の長さをD、ISDNピンポン伝送の送受間カードタイムをa、TDD-xDSLのDMT送信シンボル列700の長さをS2、TDD-xDSL送信DMTシンボル列の区間とISDNピンポン伝送の送信区間とのマージンをそれぞれα2、β2とし、DMT送信シンボルのキャリア数をm、通常通信時のシンボル列に含まれるシンボル数をN、DMTキャリアの周波数間隔をfdとすると、本発明で満たすべきそれぞれの関係は以下の通りである。
S2+α2+β2≦D+a (4)
またはS2+α2+β2≦D (4)′
S2=N×(m+nc)×{1/(m×fd)} (5)
ここで、0≦α1,0≦β1、ncは通常通信時のCyclic Prefixのsample数である。
この(4)〜(5)式に従えば、従来G.992.2(G.lite)で16sample固定であった
Cyclic Prefixの長さも、(4)式を満たす範囲で可変させることが可能である。
以上のようにすれば、TDD-xDSLトレーニングシンボル列の送信タイミングは、ISDNピンポン伝送の送信区間(FEXT区間)内に収まるようになり、TDD-xDSLトレーニングシンボルの受信時、ISDN回線からのNEXT雑音の混入を避けることができる。又、通常のデータ通信時に、TDD-xDSL送信シンボル列の送信タイミングは、ISDNピンポン伝送の送信区間(FEXT区間)内に収まるようになり、TDD-xDSL送信シンボルの受信時、ISDN回線からのNEXT雑音の混入を避けることができる。
(c) 第3の特徴
第3の特徴では、TDD-xDSLにおいて、それぞれの送信バースト区間同士でDMTシンボルの連続性が保たれるように、タイミング再生信号(パイロット・トーン信号)の周波数を選定することである。
図4は、TDD-xDSLのトレーニング時における送信バースト間でのフレーム位相の説明図である。DMT変調において、各シンボルは連続したDMTサンプル列であることが好ましい、つまり、図4においてTaで示される送信バースト間の信号送出をしない区間において、該区間の長さがパイロット・トーン周期の整数倍であることが必要である。そこで、(1)Tbで示す送信シンボル列の長さがパイロット・トーン周期の整数倍となり、かつ、(2)Tcで示すバースト間隔が、パイロット・トーン周期の整数倍となるように、該パイロット・トーンの周期を選ぶ。このようにすれば、区間Taの長さをパイロット・トーン周期の整数倍にでき、隣接する送信バーストのDMTサンプルの連続性を維持できる。
図5は、トレーニング時、及び通常通信時の双方において、バースト間での送信シンボルの位相関係説明図であり、下り方向のフレームについて説明するものである。既に述た通り(第2の特徴)、トレーニング時、および通常通信時の送信シンボル列500,700は、TCM-ISDNの送信区間601に納める必要がある。このため、TCM-ISDNの送信区間601を基準タイミングとしてシンボル送出が行われ、トレーニング時および通常通信時それぞれのバースト間隔Tc,Tdは、ISDNピンポン伝送のバースト間隔から決定される。本発明ではこれらのバースト間隔Tc,TdそれぞれがTDD-xDSLのタイミング設定用のパイロット・トーン信号PLTの周期の整数倍となるように選ぶ。
(d) 第4の特徴
第4の特徴では、CP(Cyclic Prefix)のないトレーニングシンボルを用いたトレーニング時の送信シンボル列500に含まれるシンボル501と、CP(Cyclic Prefix)のあるDMTシンボルを用いた通常通信時の送信シンボル列700に含まれるシンボル701との、シンボル同士の位相差θd(図6)が、先に選ばれたパイロット・トーン周期の整数倍になるようにすることである。
図6は、トレーニング時と通常通信時における送信バーストフレーム間の位相関係説明図であり、トレーニング時の送信シンボル列500と、通常通信時の送信シンボル列700のそれぞれ先頭に位置するシンボル501,701の開始位置の位相差θdの関係について説明するものである。
トレーニング時の送信シンボル列500と通常通信時の送信シンボル列700は、それぞれ独立に、ISDNピンポン伝送のバースト周期に同期して送信される。また、それぞれの送信シンボル列中でのCyclic Prefixを除いたシンボルの並べ方も異なる。このため、トレーニング時と通常通信時では、送信シンボル列中に含まれる個々のシンボル501,701の位相は異なる。この位相差θdを、パイロット・トーンPLTの周期の整数倍になるようにする。このようにすれば、トレーニング処理及び通常データ通信処理を共にパイロット・トーン信号に同期して実行することが可能になる。
位相差をパイロット・トーンPLTの周期の整数倍になるようにする手段は、パイロット・トーンの周期を調整する方法や、トレーニング時の送信シンボル列500に対して、通常通信時の送信シンボル列700の送出タイミングをずらす方法などが考えられる。
(e) 第5の特徴
第5の特徴は、トレーニング時にタイミング再生用のパイロット・トーンPLTとは別にトーン信号を送信して、局側より加入者側へISDN400Hz信号の位相(局側のTDD-xDSLの送信位相)を通知することである。すなわち、クロストークの影響を受ける期間を特定するタイミングを局側より加入者側へ通知する。
パイロットトーンPLT以外に追加されたトーン信号は1バースト内に必ず1つ以上の位相変化点を含んでいるから、加入者側xDSL装置は、その位相変化点を見つけ、該位相変化点より設定時間前あるいは設定時間後の時刻を局側xDSL装置のTDD-xDSL送信タイミングあるいは400Hz信号の立上り時刻とする。この第5の特徴により、従来の方法より容易にかつ短時間にタイミング再生を行うことができる。
図7は、新たに追加したトーンでISDN400Hz信号のタイミング再生を行う説明図であり、1バーストの送信シンボル列に4つのトレーニングシンボルが含まれる場合、1バースト内で位相が1回変化する例(図7(a))と、2回変化する例(図7(b))について示している。
図7(a)において、2番目のシンボルと3番目のシンボル間で、トレーニングシンボルの位相をパターンAからパターンBに変化している。図7(b)において、1番目と2番目のシンボル間でトレーニングシンボルの位相をパターンBからパターンAに変化し、3番目と4番目のシンボル間で、パターンAからパターンBに変化している。なお、3番目と4番目のシンボル間で、パターンAからさらに新たなパターンCに移行するようにしても良い。
図7(a)の例では、位相変化検出時刻から設定時間T1前の時刻がISDN400Hz信号TTRの立上り時刻となる。また、図7(b)の例では、2つの位相変化検出時刻T21,T22の平均時刻から設定時刻T2前の時刻がISDN400Hz信号TTRの立上り時刻となる。
(f) 第6の特徴
第6の特徴は、パイロット・トーンPLTとは別の上記トーンにおけるパターンA,Bを、QAMコンステレーションダイヤグラムにおいて位相差が互いに90°もしくは180°となるように選択し、1バースト内でA→BまたはB→Aと変化させ、これにより、位相変化を伝えることである。
図8はパターンA,Bの説明図であり、DMTシンボルとして最も単純な4QAMを使用した場合のパターンA、Bの選び方を示している。図8(a)はパターンA,Bの位相差を90°とした時のコンステレーション例であり、図8(b)は、パターンA,Bの位相差を180°とした時のコンステレーション例である。
(B)実施例構成
(a)全体の構成
図9は本発明のTDD-xDSL方式による加入者伝送システムのブロック図であり、図30の構成と同一部分には同一符号を付している。図30の構成と異なる部分は、送信側にシーケンサ310、セレクタ320、トレーニング信号生成回路330を設け、受信側に信号検出回路340、シーケンサ350、パイロット位相検出回路360、トレーニング信号処理部370を設けた点である。
送信側シーケンサ310は、(1)トレーニング時と通常通信時を区別してトレーニング状態信号TRN、通信状態信号CMNを発生すると共に、(2)並列直列変換用バッファ40を制御し、トレーニング用の送信シンボル列500(図1参照)及び通常通信用の送信シンボル列700(図3)を出力する。
トレーニング信号生成回路330は、(1)トレーニング時に各種トレーニング用の信号を出力すると共に、(2)トレーニング時、正常通信時を問わずTDD-xDSLの送信区間においてタイミング再生用のパイロット・トーン信号PLTを出力する。このパイロット・トーン信号PLTはキャリア#64で受信側に送信される。また、トレーニング信号生成回路330は、トレーニング時にパイロット・トーン信号PLTとは別にトーン信号をキャリア#48で送信して、局側より加入者側へISDN400Hz信号の位相(局側TDD-XDSLの送信位相)を通知する(図7、図8参照)。
セレクタ320はTDD-xDSLの送信区間において、(1)トレーニング時はトレーニング信号生成回路330から出力するトレーニング信号を選択してIFFT回路30に入力し、(2)通常通信時はエンコーダ20から出力する送信データを選択してIFFT回路30に入力する。又、セレクタ320はTDD-xDSLの送信区間においてトレーニング信号生成回路330から出力するパイロット・トーン信号PLTをIFFT回路の#64端子に入力する。
受信側の信号検出回路340は、ADコンバータ80の出力信号レベルを監視してトレーニング信号が送信側より送られてきたことを検出し、シーケンサ350は直列並列変換用バッファ100を制御してトレーニング時/通常通信時それぞれにおいて冗長信号/Cyclic Prefixを除いた1シンボル分のデータがFFT回路110に入力するよう制御する。パイロット位相検出回路360はFFT回路の#64出力端子から出力する信号に基づいてパイロット・トーン信号PLTの位相を検出し、ADコンバータ80のAD変換タイミングを制御する。
トレーニング信号処理回路370はトレーニング信号を分析してISDN400Hz信号タイミングを検出すると共に、送信側より送られてくるシーケンス切替データに基づいて通常通信開始を検出する。
(b)トレーニング時と通常通信時における送信シンボル列の生成構成
図10はトレーニング時と通常通信時におけるシンボル列を生成する構成のブロック図であり、図9と同一部分には同一符号を付している。図11はトレーニング時の出力シーケンス動作を説明するためのタイムチャートで、前側に長さ128サンプルの冗長信号503を付加し、後側に8サンプルの冗長信号504を付加した場合である。図12は通常通信時における出力シーケンス動作を説明するためのタイムチャートであり、Cyclic Prefixの長さを16サンプルとした場合である。
(b-1) トレーニングシンボル列の作成
シーケンサ310は、ISDNピンポン伝送の送信期間内にトレーニング用の送信シンボル列500が送信されるように各種制御信号を発生する。すなわち、シーケンサ310は、起動がかかるとタイマ制御によりトレーニング時と通常通信時の切替制御を行い、トレーニング/通常通信切替信号DTSLをセレクタ320に入力すると共に、トレーニング状態信号TRNをトレーニング信号生成回路330に入力する。セレクタ320はトレーニング/通常通信切替信号DTSLにより、トレーニング時にはトレーニング信号生成回路330から出力するトレーニング信号を選択してIFFT回路30に入力し、通常通信時にはエンコーダ20から出力する送信データを選択してIFFT回路30に入力する。トレーニング信号生成回路330はトレーニング時、所定のトレーニング信号を発生する。
又、シーケンサ310は、トレーニング時、図11に示すように、ISDN400Hz信号TTRの立上りから所定時間t1経過すると、(1)P/Sロードタイミング信号PSLD、(2)P/S出力マスク信号PSMK、(3)P/S出力セレクト信号PSSL(=¨11¨)を発生する。
P/Sロードタイミング信号PSLDはIFFT演算結果(256個の信号点データ)を並列直列変換用バッファ40のバッファ部40aにロードする信号である。P/S出力マスク信号PSMKはハイレベルの時、バッファ部40aからのデータ出力を許容し、ローレベルのときバッファ部40aからのデータ出力を禁止する信号である。P/S出力セレクト信号PSSLは、バッファ部40aに記憶された256個の信号のうち0番の信号、あるいは128番目の信号、あるいは240番目の信号より順番に読み出すことを指示する。すなわち、P/S出力セレクト信号PSSLは¨10¨, ¨11¨, ¨01¨の値を取り、(1)¨10¨であれば、セレクタ40bはバッファ部40aの0番目より順番に信号を読み出し、(2)¨11¨であればバッファ部40aの128番目より順番に信号を読み出し、(3)¨01¨であればバッファ部40aの240番目より順番に信号を読み出す。
以上より、P/Sロードタイミング信号PSLDが発生するとIFFT回路30から出力する256個の信号が並列直列変換用バッファ40のバッファ部40aに格納される。ついで、セレクタ40bは、P/S出力セレクト信号PSSL=¨11¨により、P/S動作クロックPSCLに同期してバッファ部40aの128番目より信号を順番に読み出し、マスク回路40cを介して出力する。これにより、128番目〜255番目までの128個の信号が冗長信号503として読み出され、ついで、0番目〜255番目までの256個のトレーニング信号(1番目のシンボルデータ)が読み出される。
最初のトレーニングシンボルの読み出しが完了すれば、シーケンサ310は、再びP/Sロードタイミング信号PSLDを発生すると共に、P/S出力セレクト信号PSSL(=¨10¨)を発生する。これにより、IFFT回路30から出力する次の256個の信号が並列直列変換用バッファ40のバッファ部40aに格納される。ついで、セレクタ40bは、P/S出力セレクト信号PSSL=¨10¨により、P/S動作クロックPSCLに同期してバッファ部40aの0番目より信号を順番に読み出し、マスク回路40cを介して出力する。これにより、0番目〜255番目までの256個のトレーニング信号(2番目のシンボルデータ)が読み出される。
2番目のトレーニングシンボルの読み出しが完了すれば、シーケンサ310はP/Sロードタイミング信号PSLDを発生し、IFFT回路30から出力する次の256個の信号を並列直列変換用バッファ40のバッファ部40aに格納する。セレクタ40bはP/S動作クロックPSCLに同期してバッファ部40aの0番目より信号を順番に読み出して出力する。これにより、0番目〜255番目までの256個のトレーニング信号(3番目のシンボルデータ)が読み出される。
3番目のトレーニングシンボルの読み出しが完了すれば、シーケンサ310はP/Sロードタイミング信号PSLDを発生し、IFFT回路30から出力する次の256個の信号を並列直列変換用バッファ40のバッファ部40aに格納する。セレクタ40bはP/S動作クロックPSCLに同期してバッファ部40aの0番目より信号を順番に読み出して出力する。これにより、0番目〜255番目までの256個のトレーニング信号(最後のシンボルデータ)が読み出される。しかる後、更に0番目から7番目までの8個の信号を読み出し冗長信号504として出力する。
冗長信号504の出力が完了すれば、シーケンサ310は、P/S出力マスク信号PSMKをローレベルにし、かつ、P/S出力セレクト信号を¨00¨にして無セレクト状態にする。
以後、トレーニング時には、ISDN400Hz信号TTRの立上り毎に上記動作を繰り返してトレーニング時の送信シンボル列を作成して送信する。
(b-2) 通常通信時の送信シンボル列の作成
シーケンサ310は、ISDNピンポン伝送の送信期間内に通常通信用の送信シンボル列700が送信されるように各種制御信号を発生する。すなわち、シーケンサ310は、起動後所定時間が経過するとトレーニング状態から通常通信状態への切替制御を行う。これにより、セレクタ320はエンコーダ20から出力する送信データを選択してIFFT回路30に入力する。尚、セレクタ320はトレーニング信号生成回路330からパイロット・トーン信号PLTをセレクトしてIFFT回路の#64端子に入力する。
又、シーケンサ310は、通常通信時、図12に示すように、ISDN400Hz信号TTRの立上りから所定時間t2経過すると、(1)P/Sロードタイミング信号PSLD、(2)P/S出力マスク信号PSMK、(3)P/S出力セレクト信号PSSL(=¨01¨)を発生する。
P/Sロードタイミング信号PSLDが発生するとIFFT回路30から出力する256個の信号が並列直列変換用バッファ40のバッファ部40aに格納される。ついで、セレクタ40bは、P/S出力セレクト信号PSSL=¨01¨により、P/S動作クロックPSCLに同期してバッファ部40aの240番目より信号を順番に読み出し、マスク回路40cを介して出力する。これにより、240番目〜255番目までの16個の信号がCyclic Prefixとして読み出され、ついで、0番目〜255番目までの256個の送信信号(1番目のシンボルデータ)が読み出される。
最初の送信シンボルの読み出しが完了すれば、シーケンサ310は、再びP/Sロードタイミング信号PSLDを発生する。これにより、IFFT回路30から出力する次の256個の信号が並列直列変換用バッファ40のバッファ部40aに格納される。ついで、セレクタ40bは、P/S出力セレクト信号PSSL=¨01¨により、P/S動作クロックPSCLに同期してバッファ部40aの240番目〜255番目までの16個の信号をCyclic Prefixとして読み出し、引き続き、0番目〜255番目までの256個の送信信号(2番目のシンボルデータ)を読み出して出力する。以後、同様にCyclic Prefix付の第3、第4シンボルデータを読み出して出力すれば、シーケンサ310は、P/S出力マスク信号PSMKをローレベルにし、かつ、P/S出力セレクト信号を¨00¨にして無セレクト状態にする。
以後、通信状態時、シーケンサ310はISDN400Hz信号TTRの立上り毎に上記動作を繰り返して通常通信時の送信シンボル列を作成して送信する。
(b-3) シーケンサの構成
図13は局側ADSL装置におけるシーケンサの構成図である。シーケンス切替部311は、起動時にタイマ制御によりトレーニング状態信号TRN、通常通信状態信号CMNを発生し、ISDN400Hz信号発生部312はISDNピンポン伝送の400Hz信号TTRを出力する。又、P/S動作クロック発生部313はISDN400Hz信号TTRに同期してP/S動作クロック信号PSCLを出力し、パイロット・トーン信号発生部314はP/S動作クロック信号PSCLを1/4分周してタイミング再生用のパイロット・トーン信号PLTを出力する。ここではISDN400Hz信号発生部312よりISDNピンポン伝送の400Hz信号TTRを出力する例を示したが、外部より入力しても良い。この構成については後述する。
P/S動作クロック信号PSCLの1/4分周により、パイロット・トーン信号PLTを出力する理由は以下のとおりである。キャリア周波数間隔をたとえば4kHz、1DMTシンボル内のサンプル数を256個、パイロット・トーン送出キャリアとして#64を使用すると、受信側におけるFFTサンプリング周波数は、キャリア周波数間隔とキャリア数から1024kHz(=4×256kHz)となる。またパイロット・トーンの周波数は4kHz×64=256kHzとなる。つまり、パイロット・トーンの1サイクル当たりのデータは4サンプル分となる。一方、P/S動作クロック信号PSCLは並列直列変換用バッファ40から1024kHzで信号を直列的に送り出すもので、FFTのサンプル周波数と等しい。以上より、P/S動作クロック信号PSCLを1/4分周することによりパイロット・トーン信号PLTを発生することができる。このパイロット・トーン信号PLTはトレーニング信号生成回路330で発生するパイロット・トーン信号と位相、周波数が一致している。
第1の送信シンボル出力タイミング発生部315は、トレーニング時、(1)または(2)式を満足するようにISDN400Hz信号TTRの立上り後で所定時間t1(図11)経過後にパイロット・トーンPLTに同期してシンボル出力タイミング信号TSOTを発生する。
第2の送信シンボル出力タイミング発生部316は、通常通信時、(4)式を満足するようにISDN400Hz信号TTRの立上り後で所定時間t2(図12)経過後にパイロット・トーンPLTに同期して送信シンボル出力タイミング信号DSOTを発生する。
各種制御信号発生部317は、トレーニング状態信号TRN、通常通信状態信号CMN、送信シンボル出力タイミング信号TSOT,DSOTに基づき、P/S動作クロック信号PSCLに同期して各種制御信号(P/Sロード信号PSLD、P/S出力セレクト信号PSSL、P/Sマスク信号PSMK、トレーニング/通常通信切替信号DTSLなど)をP/S動作クロックPSCLに同期して出力する。
各送信シンボル出力タイミング発生部315,316はパイロット・トーンPLTに同期してシンボル出力タイミング信号TSOT,DSOTを発生することにより、トレーニング時と通常通信時で、送信シンボル列中に含まれる個々のシンボル501,701間の位相差θd(図6参照)をパイロット・トーン周期の整数倍に調整することができる。
又、各送信シンボル出力タイミング発生部315,316はパイロット・トーンPLTに同期してシンボル出力タイミング信号TSOT,DSOTを発生することにより、トレーニング時及び通常通信時それぞれにおいて、(1)送信シンボル列の長さをパイロット・トーン周期の整数倍にでき、かつ、(2)送信バースト間隔をパイロット・トーン周期の整数倍にできる。この結果、TDD-xDSL伝送において、時間的に隣接する送信バースト間の区間で、信号を送出していない区間をパイロット・トーン周期の整数倍にでき、隣接送信バーストのDMTサンプルの連続性を維持できる。なお、トレーニング時における送信シンボル列のサンプル数は1160(=128+256×4+8)個であるからパイロット・トーン周期の290倍、また、通常通信時における送信シンボル列のサンプル数は1088(=(16+256)×4)個であるからパイロット・トーン周期の272倍であり、上記(1)を満足する。
・ISDN400Hz信号TTRを発生する別の構成
図14はISDN400Hz信号TTRを外部より入力する実施例である。図14において、電話局内に設置されている複数の局側TDD-xDSL装置3011〜3014が、ISDN400Hz信号発生器401に接続されている。各々の局側TDD-xDSL装置3011〜3014は、図9に示すような各機能ブロックを有しているが、図14では、この中からシーケンサ310のみを図示している。また、シーケンサ310は、図 13に示すような構成になっているが、本実施例では、400Hz信号TTRを外部より入力しているので、ISDN400Hz信号発生部312に代えて、ISDN400Hz信号取得部312aを設けている。なお、図13に示されているISDN400Hz信号発生部312以外の各ブロックを、図14ではシーケンサ内処理部312bとしてまとめて示している。
さて、ISDN400Hz信号発生器401は、ISDNを提供することのできるすべての電話局に設置されており、8kHzのネットワーククロックを用いてISDN400Hz信号 TTRを発生する。各局側TDD-xDSL装置3011〜3014は、このISDN400Hz信号発生器401に接続し、ISDN400Hz信号取得部312aはISDN400Hz信号TTRを取得する。そして、ISDN400Hz信号取得部312aは取得したISDN400Hz信号TTRを図13に示されている方法と同様に、シーケンサ内処理部312bの各部へ供給する。この形態により、すべてのTDD-xDSL装置3011〜3014とISDN-OCU(図示せず)は、ISDN400Hz信号TTRに同期して通信を行うことができる。
ところで、ISDNサービスを提供していない電話局ではISDN400Hz信号発生器 401が設置されていないこともあり得る。かかる場合には、ISDN400Hz信号発生器401と同様に400Hzの信号を発生する装置を電話局に設置し、図14の態様で、各局側TDD-xDSL装置3011〜3014に400Hz信号を提供する。このようにすれば、隣接するTDD-xDSL回線からの漏話ノイズを防ぐことができる。
(c)受信側の各部構成
図15は受信側の要部構成図であり、図9と同一部分には同一符号を付している。信号検出回路340は、FFTサンプリング周波数で入力信号をAD変換するADコンバータ80の出力信号レベルを監視してトレーニング信号が送信側より送られてきたことを検出し、トレーニング開始信号TRSTをシーケンサ350に入力する。トレーニング信号処理回路370はトレーニング信号を分析して種々のトレーニング処理を行う、例えば、ISDN400Hz信号TTRのタイミングを検出すると共に、送信側より送られてくるシーケンス切替データに基づいて通常通信の開始タイミングを検出し、通常通信開始信号CMSTをシーケンサ350に入力する。シーケンサ350はS/P動作クロック発生部350a及び制御信号発生部350bを備えている。S/P動作クロック発生部350aはISDN400Hz信号TTRに同期してFFTサンプリング周波数と同一周波数のS/P動作クロックSPCLを発生する。制御信号発生部350bは、ISDN400Hz信号TTRのタイミング検出及びパイロット・トーン信号の位相制御完了後のトレーニング時、図16に示す各種タイミング信号をS/P動作クロックSPCLに同期して発生し、通常通信時、図17に示す各種タイミング信号をS/P動作クロックSPCLに同期して発生する。
(c-1) トレーニング時における受信シーケンス動作(図16参照)
信号検出回路340よりトレーニング開始信号TRSTが発生すれば、シーケンサ350は128サンプルの冗長信号が到来後に、S/Pロードタイミング信号SPLDを発生する。これにより、送信シンボル列500の先頭に付加した冗長信号503を除去できる。S/Pロードタイミング信号SPLDが発生すれば、直列並列変換用バッファ100(図9)はS/P動作クロックSPCLに同期してTEQ90が出力するサンプルデータを順次に記憶する。1シンボル(=256サンプル)のデータ保存後、シーケンサ350はFFTロードタイミング信号FFTLDを発生し、1シンボル分のサンプルデータを直列並列変換用バッファ100からFFT回路110にロードし、FFT回路110は所定のタイミングでFFT演算を行い演算結果を出力する。
一方、直列並列変換用バッファ100はFFTロードタイミング信号FFTLD発生後も継続してTEQ90が出力するサンプルデータを順次記憶し、次の1シンボル分(=256サンプル)のデータを保存後にシーケンサ350から発生するFFTロードタイミング信号FFTLDにより該1シンボル分のサンプルデータをFFT回路110に入力する。
以後、同様な受信シーケンス動作を繰り返し、最後のシンボルがFFT回路110に入力した後、シーケンサ350はS/Pロードタイミング信号SPLDをローレベルにし、送信シンボル列の後部に付加した冗長信号504を除去する。
(c-2) 通常通信時における受信シーケンス動作(図17参照)
トレーニング信号処理部370より通常通信開始信号CMSTが入力すると、シーケンサ350は直ちに、S/Pロードタイミング信号SPLDを発生する。このS/Pロードタイミング信号SPLDが発生すれば、直列並列変換用バッファ100(図9)はS/P動作クロックSPCLに同期してTEQ90が出力するサンプルデータを順次に記憶する。シーケンサ350は、Cyclic Prefix(CP)と1シンボルに相当する272(=16+256)個のサンプルデータが直列並列変換用バッファに記憶されたタイミングで、FFTロードタイミング信号FFTLDを発生する。これにより、直列並列変換用バッファ100からFFT回路110に16サンプルのCyclic Prefixを除く1シンボル分のサンプルデータがロードされ、FFT回路110は所定のタイミングでFFT演算を行い演算結果を出力する。
一方、直列並列変換用バッファ100は、FFTロード信号FFTLD発生後も継続してTEQ90が出力するサンプルデータを順次記憶し、シーケンサ350は、新たな272(=16+256)個のサンプルデータが直列並列変換用バッファに記憶されたタイミングでFFTロード信号FFTLDを発生する。これにより、直列並列変換用バッファ100はFFT回路110に16サンプルのCyclic Prefixを除く1シンボル分のサンプルデータをロードし、FFT回路110は所定のタイミングでFFT演算を行い演算結果を出力する。
以後同様な処理を繰り返し、最後のシンボルがFFT回路110に入力した後、シーケンサ350はS/Pロードタイミング信号SPLDをローレベルにする。
(d)パイロット・トーン信号PLTの送出制御
トレーニング信号生成回路330のパイロット発生部330a(図10)はパイロット・トーン信号を発生する。トレーニング信号発生回路330はトレーニング時、通常通信時を問わずTDD-xDSL伝送の送信区間においてパイロット・トーン信号を加入者側に送出する。すなわち、シーケンサ310はセレクト信号DTSLを発生し、セレクタ320はTDD-xDSLの送信区間内において該パイロット・トーン信号をIFFT回路30の#64キャリア端子に入力する。IFFT回路30はパイロット・トーン信号にIFFT処理を施し、並列直列変換用バッファ40及びDA変換器50を介して受信側に送信する。
パイロット位相検出回路360はFFT回路110の#64キャリア端子から出力する信号に基づいてパイロット・トーン信号PLTの位相を検出し、ADコンバータ80のAD変換タイミングを制御する。これにより、受信側ではパイロット・トーン信号に同期してAD変換その他の処理を行うことができる。
(e)ISDN400Hz信号の位相送受信
トレーニング信号生成回路330は、トレーニング時にパイロット・トーン信号PLTとは別にトーン信号をキャリア#48で送信して、局側より加入者側へISDN400Hz信号の位相(局側TDD-xDSLの送信位相)を通知する(図7、図8参照)。すなわち、局側はトレーニング時トーン信号を用いてクロストークの影響を受ける期間を特定するタイミングを加入者側へ通知する。
1バーストの送信シンボル列に4つのトレーニングシンボルが含まれる場合、1バースト内で隣接するトレーニングシンボルの位相を少なくとも1回変化させることでISDN400Hz信号の位相を示すトーン信号を送る。
図7(a)は隣接するシンボルの位相を1バースト内に1回変化させる例であり、1〜2番目のシンボルと3〜4番目のシンボルのパターンをAからBに変化している。なお、1番目と2番目のシンボルパターンを変化させたり、第3番目と第4番目のシンボルパターンを変化させることもできる。シンボルパターンA,Bとしては、それぞれ図8に示すようにQAMコンステレーションダイヤグラムにおいて位相差が互いに90°となるように(図8(a))、もしくは位相差が互いに180°(図8(b))となるように選択する。すなわち、パターンAの場合には、2ビットの組11,11,...,11をセレクタ320に入力し、図8(a)のパターンBの場合には、2ビットの組1 -1,1 -1,...,1 -1をセレクタ320に入力し、図8(b)のパターンBの場合には、2ビットの組-1 -1,-1 -1,...,-1 -1をセレクタ320に入力する。
図7(b)は、隣接するシンボルの位相を1バースト内に2回変化させる例であり、1番目と2番目のシンボルパターンをB→Aに変化し、3番目と4番目のシンボルパターンをA→Bと変化させている。位相変化点は任意の2組の隣接シンボル間でパターンが変化するようにすれば良い。
図7(a)のパターン変化でISDN400Hz信号の位相(局側TDD-xDSLの送信位相)を通知するには、トレーニング信号生成回路330はシーケンサ310から入力するISDN400Hz信号TTRの立上りに基づいてシンボルパターンがA→A→B→Bと変化するようにデータを発生する。このデータはIFFT回路30でIFFT処理され、図7(a)に示すトレーニングシンボル列となって送信される。これにより、受信側ではA→Bの位相変化時刻を検出し、該位相変化時刻から時刻T1前の時刻をISDN400Hz信号TTRの立上り位相と認識する。実際には複数回の平均値に基づいてISDN400Hz信号TTRの立上り位相を決定する。
図7(b)のパターン変化でISDN400Hz信号の位相(局側の送信位相)を通知するには、トレーニング信号生成回路330はシーケンサ310から入力するISDN400Hz信号TTRの立上りに基づいてシンボルパターンがB→A→A→Bと変化するようにデータを発生する。このデータはIFFT回路30でIFFT処理され、図7(b)に示すトレーニングシンボル列となって送信される。これにより、受信側ではB→A,A→Bの2つの位相変化時刻を検出し、その平均時刻Tavrを求め、該平均時刻より設定時間T2前の時刻をISDN400Hz信号TTRの立上り時刻と認識する。実際には複数回の平均値に基づいてISDN400Hz信号TTRの立上り位相を決定する。図7(b)の例では、1回のトレーニングで2個の位相変化時刻を検出できるから、図7(a)に比べて少ない回数でISDN400Hz信号TTRの立上り位相を決定することができる。
なお、同じxDSL方式であるG.liteでも、パイロット・トーン以外のトーン信号により位相変化を伝達する方法が用いられているが、本発明においてはG.liteの場合と異なり、NEXT区間での送信を行わない。このため、FEXT区間とNEXT区間の区別を行う必要がなく、したがって、位相変化の方法は90°の他に180°あるいはそれらの組み合わせを用いることができる。
(C)トレーニング時と通常通信時のバーストフレームの第1の実施態様
従来のxDSL方式に、G992.2(G.lite)方式がある。G.liteでは、キャリア周波数間隔に4.3125kHz、1DMTシンボル内のサンプル数に256、パイロット・トーンを送出するキャリアとして#64を用いている。本発明の第1の実施態様は、キャリア周波数間隔にG.lite方式より遅い4kHzを用い、他の項目はG.lite方式同様に1DMTシンボル内のサンプル数を256とし、パイロット・トーンを送出するキャリアとして#64を選んでいる。
第1実施態様では、送出信号のFFTサンプリング周波数は、キャリア周波数間隔とサンプル数から、1024kHzとなる。またパイロット・トーンの周波数は4kHz×64=256kHzとなる。つまり、パイロットトーン1サイクル当たりのデータは、4サンプル分となる。また、第1実施態様では、1シンボルのシンボル長は256サンプルで、周期は250μsとなり、ISDNピンポン伝送方式のバースト期間1250μsとの関係から1バーストに含まれるシンボル数は4が上限となる。シンボル数を4とすれば、約250μsの余裕があり、この余裕期間を利用して冗長信号を付加したり、マージンを設定することができる。すなわち、トレーニングシンボル列の前後に冗長信号503,504を付加しても、1バースト当りのシンボル数は減小せず、4個のシンボルを送ることができる。
(a) 通常通信時の信号送出区間
第1実施態様での通常通信時の送出フレームの送出区間について、図18を用いて説明する。TDD-xDSL伝送において、通常通信時には、Cyclic Perfix(CP)702の付いたシンボル701が用いられる。Cyclic Prefixの長さは送信シンボル列が送信区間内に収まる限り任意の長さをとれるが、本実施態様ではCyclic Prefixの長さをxDSL方式の一つであるG992.2(G.lite)方式と同じsample数である16sample(15.625μs)とし、Cyclic Prefix付きのシンボルを4つ連続させて送出シンボル列700を構成した。したがって、送出シンボル列700のシンボル長は1088sample(1.0625ms)となる。
図19に、第1実施態様における通常通信時の伝送シンボル列700とISDNピンポン伝送の信号とのタイミング関係を示す。
まず、下り信号の送出区間を考える。TDD-xDSL送出区間が、ISDNピンポン伝送の受信区間と確実に重ならないようにするため、TDD-xDSL下り信号送出区間を、ISDNピンポン伝送送出区間のほぼ中央になるように配置する。ここで、図3に従って説明したように、
S2+α2+β2≦D+a
を満たす必要がある。
ここで、
ISDNピンポン伝送における送信区間D=1.178125ms(1206.4sample),
TDD-xDSL送信信号の長さS2=1.0625ms(1088sample)
である。マージンを見込んでa′<aなるa′=9.375μs(9.6sample)を仮にとると
S2+α2+β2=D+a′≦D+a
を満たすα2,β2をそれぞれ求めれば良い。ここでTDD-xDSL下り送信区間をISDNピンポン下り送信区間の中心に持ってくることから、α2=β2=62.5μs(64sample)が求まる。
同様に、上り信号区間について考える。ISDNピンポン伝送の下り信号受信と上り信号送出のガードタイムbは18.75μs(19.2sample)〜23,4378μs(24sample)と幅を持った値である。
このガードタイムは、TDD-xDSL方式とは独立に定められている値であるため、TDD-xDSLの上り送信シンボル列の送出区間を、ISDNピンポン方式の上り送信区間の中心に、厳密に合わせることはできない。ここでは、大体中心に合わせるということで、ISDNピンポン伝送のガードタイムを18.75μs(19.2sample)とみなし、その場合には、TDD-xDSLのガードタイム終了時刻tge1と、ISDNのカードタイム終了時刻teg2がほぼ一致するようにTDD-xDSLのカードタイムcを選ぶ。
第1実施態様では、図19に示すように、(ISDNピンポン伝送の上り送信区間+ガードタイムb)は1196.875μsとなり、(TDD-xDSL上り信号送出区間S2+前後マージン区間α2+β2)=1187.5μs(1216sample)となるので、TDD-xDSL伝送のガードタイムcを9.765625〜14.64844μs(10〜15sample)に選び、下り信号と同様に送出タイミングを定めている。
(b) トレーニング時の信号送出区間
次に図18及び図20を用いて、第1実施態様のトレーニング時の信号送出区間についての説明をおこなう。図18に、TDD-xDSLトレーニング用の送出シンボル列500を示す。連続する4つのトレーニングシンボル501の前に付加する冗長信号503は、通常通信時におけるCyclic Prefix702に対し十分に長い区間であることが望まれる。ここでは例として、Cyclic Prefixの長さ16sample(15.625μs)に対し十分長い区間である125μs(128sample)の冗長信号503を用いることとする。また、後側に付加する冗長信号504の例としては、8sample(7.8125μs)の冗長信号を付加する。以上によりレーニング用シンボル列500を構成している。これにより、 x1=125μs(128sample),y1=7.8125μs(8sample)となる。またS1=1ms(1024sample=256sample×4)である。このことから、
S1+x1+y1=1.132813ms(1160sample)
が求まる。続いて図20に示すように通常通信時同様にD+a′に納まる
(S1+α1+β1+x1+y1)を求めると、
1.132813ms(1160sample)+α1+β1≦1.1875ms(1216sample)
であることから、ここではα1=0μs(0sample)、β1=54.6875μs(56sample)を選ぶことにする。
(c) 最悪条件の検討
ところで、ISDNピンポン方式の伝送遅延と、TDD-xDSL方式の伝送遅延とは、別個に独立に定められたものである。そのため、たとえばISDN回線が近くで(遅延無し)、TDD-xDSL回線が最も遠い(最大遅延の)場合において、トレーニング時に加入者側でTDD-xDSLの下り信号の受信が終わる前にISDNの加入者側からの上り信号の送信が開始され、送信/受信のタイミングがズレてしまう場合が発生する。そこで、ISDN送受信区間に対するTDD-xDSL送受信区間の最悪条件について考察する。第1実施態様では、TDD-xDSL伝送のシンボル列の長さは、通常通信時(=1088sample)よりトレーニング時(=1160sample)のほうが長くなるので、トレーニング時について考えることとする。
(c-1) 第1の最悪条件
最初に取り上げる最悪条件は、TDD-xDSL伝送の遅延時間が最小で、ISDNピンポン伝送の遅延時間が最大の場合である。図21に示すようにTDD-xDSL伝送の上り信号の送信開始は、ISDNの下り信号が終わる前に送信が始まってはならない。第1実施態様において、ISDN下り信号の受信の終わりの最も遅いタイミングは、ISDN下り送信信号の長さ1.178125ms(1206.4sample)に伝送遅延50μs(51.2sample)を加えたものとなる。
一方、TDD-xDSL上り信号の送信開始の最も早いタイミングは、TDD-xDSL下り信号区間1.132813ms(1160sample)に、信号を送出する前後のマージン区間α1=0μs(0sample)、β1=54.6875μs(56sample)を加え、上り・下り間のガードタイムと、信号を送出する前のマージン区間α1(=0)を加えた合計となる。以上を比較して、
ISDN下り信号区間末尾<TDD-xDSL上り信号区間先頭
となるように、TDD-xDSLの上り・下り間のガードタイム44.92188〜49.80469μs(46〜51sample)と決める。この結果、
ISDN下り信号区間末尾1.228125ms(1257.6sample)
<TDD-xDSL上り信号区間先頭1.232422ms(1262sample)
となり、TDD-xDSLの上り信号は、ISDN下り信号受信の終わりより早く送信されない。すなわち、上記最悪条件においてもTDD-xDSL伝送の送信区間は、送信する ADSL装置に近い側のISDN装置の送信区間に入っている。
(c-2) 第2の最悪条件
次にあげる最悪条件は、逆に、TDD-xDSLの遅延時間が最大で、ISDN装置の遅延時間が最小である最悪条件について説明する。この場合には図22に示すようにTDD-xDSLの下り信号の受信区間の終わりが、ISDN上り信号の送出開始の前に終わらなければならない。第1実施態様においてTDD-xDSL下り信号の受信の終わりの最も遅いタイミングは、TDD-xDSL下り信号の送信信号の長さ1132.813ms(1160sample)に、伝送遅延時間57.8125μs(59.2sample)と、信号を送出する前のマージン区間α1(=0)μs(0sample)に、受信タイミングのズレに対するマージン4.882813μs(5sample)を加えたものである。
これに対し、ISDNピンポン伝送の最も早い上り信号の送信タイミングは、ISDN下り信号区間1.178125msに、最小の上り・下り間のガードタイム18.75μs(19.2sample)を加えたもの(=1.196875msec)となる。以上を比較して、
TDD-xDSL下り信号区間末尾1.195508ms(1224.2sample)
<ISDN上り信号区間先頭1.196875ms(1225.6sample)
となり、TDD-xDSLの下り信号受信は、ISDN上り信号の送信開始より早く受信される。この結果、上記最悪条件下においても、ISDNの上り信号送出区間がTDD-xDSL下り信号受信区間にかかることはない。
(c-3) 第3の最悪条件
次に、TDD-xDSL伝送の遅延時間が最大の場合に、(1)TDD-xDSL上り信号の受信区間が次のバーストのISDNピンポン伝送の下り信号送出区間にかからないことを図23を用いて説明する。
TDD-xDSLの上り受信信号の末尾は、(1)TDD-xDSLの下り信号の送出区間1.132813ms(1160sample)に、(2)信号を送出する前後のマージン区間α1=0μs(=0sample)、(3)β1=54.6875μs(56sample)、(4)伝送遅延57.8125μs(59.2sample)×2(上り、下りの2方向なので)、(5)上り・下りの最大ガードタイム49.80469μs(51sample)に受信タイミングのズレに対するマージン4.882813μs(5sample)、(6)上り信号の送出区間1.132813ms(1160sample)、(7)信号を送出する前のマージン区間α1=0μs(0sample)に、(8)DMTシンボルの送出を送りはじめるときの立ち上り遅れ、あるいは止めたときに残る余韻の信号に対するマージン0.976567μs(1sample)×2を加えたもの(=2.492578msec)となる。これに対して、ISDNピンポン伝送のバースト周期は2.5msとなる。以上を比較して、
TDD-xDSL上り信号区間の末尾2.492578ms(2552.4sample)
<ISDNバースト周期2.5ms(2560sample)
となり、TDD-xDSLの上り信号の受信は、次のISDNの下り信号の送信開始より早く終了する、すなわち、TDD-xDSL伝送の遅延時間が最大の場合でも、TDD-xDSL上り信号の受信区間が、次のバーストのISDN送出区間にまたがることは無い。
以上、最悪の条件に関して検討した。しかし、ISDN回線及びTDD-xDSLのメタリック回線が隣接する場合、それらは同じ局に対して接続されるため、最悪の条件は実際にはあり得ない。
例えばISDN回線に伝送遅延時間が無く、TDD-xDSL回線の伝達遅延時間が最大の場合は、図24(a)に示すように、加入者側ISDN装置DSUが局CNのそばに配置され、加入者側TDD-xDSL装置xTU-Rが局から遠い場所が配置された場合となる。この場合にISDN装置DSUからの上り信号がTDD-xDSL回線に漏れこんだ場合、ISDN装置DSUが配置された地点から、TDD-xDSL装置xTU-Rの配置された地点へ雑音が伝わるには、伝送遅延が生じるので、局側からの下りTDD-xDSL信号送信が終わっていれば、ISDN回線の上り信号に影響されることはない。
反対に、ISDN回線の伝送遅延時間が最大で、TDD-xDSL回線の伝達遅延時間が無い場合は、図24(b)に示すように、加入者側ISDN装置DSUが局CNから離れた場所に配置され、加入者側のTDD-xDSL装置xTU-Rが局のそばに配置された場合となる。この場合もTDD-xDSL伝送の上り信号が加入者側ISDN装置DSUに雑音として漏れこむには、伝達遅延が生じるので局側からのISDN下り信号の送信が終わっていればISDN回線に影響を及ぼすことはない。
(d) トレーニング時及び通常通信時の送信シンボル列の位相差
トレーニング用送信シンボル列と、通常通信時送信シンボル列との位相差を、図25にて説明する。トレーニング時における先頭シンボル501の開始位置と通常通信時のCyclic Prefix(CP)を除いた先頭のシンボル701の開始位置との差は、図25により明らかなように、下り送信の場合、θd1=46.875μs(48sample)、上り送信の場合θd2=82.0312μs(84sample)となる。
3.90625μs(4sample)にてパイロット・トーン1周期となるため、位相差はθd1,θd2はパイロット・トーンのそれぞれ12倍、21倍となっており、位相差がパイロット・トーン周期の整数倍という条件を満たしている。
(D)第2の実施態様
第2の実施態様は、G.lite方式同様にキャリア周波数間隔として4.3125kHz、サンプル数として256、パイロット・トーンを送出するキャリアとして#64を選んだ場合である。
第2実施態様では、サンプリング周波数1104kHz、パイロット・トーン周波数276kHzとなる。したがって、第1実施態様と同様に3.623188μs(4sample)でパイロットトーンの1周期となる。また、第2実施態様では、Cyclic Perfixの長さはG.lite方式よりも長い例として28.98551μs(32sample)とし、トレーニング時の前に付加する冗長信号503の長さをG.lite方式のCyclic Prefixよりも十分に冗長な長さとして115.94203μ(128sample)、後に付ける冗長信号の長さを18.11594μs(20sample)とした。以上から、通常通信時、トレーニング時それぞれの送出シンボ列500,700の構成は、図26に示す通りとなる。
第2実施態様における通常通信時での信号送信区間を図27を参照して説明する。第1実施態様の場合と同様、ISDNピンポン伝送の送出区間のほぼ中央にTDD-xDSL信号送出区間がくるようにすると、
D+a′=1.1875ms(1311sample)、
S2=1.043478ms(1152sample)
とすれば、α2+β2=144.0217μs(159sample)となるので、α2=70.65217μs (78sample)、β2=73.36957μs(81sample)を選ぶ。
また、同様に、第2実施態様におけるトレーニング時の信号送出区間を図28に示す。
D+a′=1.1875ms(1311sample)、
S1+x1+y1=1.061594ms(1172sample)
であるから、α1+β1=125.9058μs(139sample)となる。従って、第1実施態様の場合と同様に、ISDNピンポン伝送の送出区間のほぼ中央にTDD-xDSL信号の送出区間がくるようにするものとすれば、α1=63.4057μs(70sample)、β1=62.5μs(69sample)を選ぶ。
第2実施態様において、前述の第1最悪条件、第2最悪条件、第3最悪条件を考察すると以下の(1),(2),(3)が成立する。
ここで、上り・下り信号間のガードタイムを27.17391〜31.7029μs(30〜34sample)とした。
(1)最も遅いISDN下り信号区間の末尾1.228125ms(1355.85sample)
<最も早いTDD-xDSL上り信号区間の先頭1.27808ms(1411sampl)
(2)最も遅いTDD-xDSL下り信号区間の末尾1.192029ms(1316sample)
<最も早いISDN上り信号区間の先頭1.196875ms(1321.35sampl)
(3)TDD-xDSL上り信号区間の末尾2.475543ms(2733sample)
<ISDNバースト周期2.5ms(2760sample)
(1)により、第1最悪条件下でも、TDD-xDSL伝送の上り信号は、ISDN下り信号受信の終わりより早く送信されない。
また、(2)により、第2の最悪条件下でも、TDD-xDSLの下り信号受信は、ISDN上り信号の送信開始より早く受信される。
また、(3)により、第3の最悪条件下でも、TDD-xDSLの上り信号の受信は、次のバーストのISDNの下り信号の送信開始より早く終了する。
通常通信の送信シンボル列700と、トレーニング時の送信シンボル列500との位相差の関係を図26を用いて説明すると、位相差は79.71014μs(88sample)=パイロット・トーン周期×22となり、位相差がパイロット・トーンの整数倍(=22倍)となっている。
以上、本発明を実施例により説明したが、本発明は請求の範囲に記載した本発明の主旨に従い種々の変形が可能であり、本発明はこれらを排除するものではない。
TDD-xDSLトレーニング時の送信シンボル列説明図である。 TDD-xDSL方式による送信フレーム構成図(トレーニング時)である。 TDD-xDSL方式による送信フレーム構成図(通常通信時)である。 バースト間でのフレーム位相関係の説明図(ダウンストリームの場合)である。 バースト間でのフレーム位相関係の別の説明図(ダウンストリームの場合)である。 トレーニングと通常通信時のバーストフレーム間位相関係図である。 トレーニング時におけるTDD-xDSLの送信位相(ISDN400Hzの位相)通知方法説明図である。 位相変化伝達パターン説明図である。 本発明のDMT変調方式による加入者伝送システムのブロック図である。 本発明のシンボル列の組替えを実現する構成図である。 出力シーケンス動作を示すタイムチャート(トレーニング)である。 出力シーケンス動作を示すタイムチャート(通常通信)である。 送信側シーケンサの構成図である。 ISDN400Hz信号TTRを外部より入力を示す構成図である。 受信側各部の構成図である。 受信シーケンス動作を示すタイムチャート(トレーニング)である。 受信シーケンス動作を示すタイムチャート(通常通信)である。 第1実施態様におけるトレーニング時と通常通信時のバーストフレーム間位相関係図である。 第1実施態様におけるバーストフレーム構成図(通常通信時)である。 第1実施態様におけるバーストフレーム構成図(トレーニング時)である。 第1実施態様における第1の最悪条件説明図(トレーニング時)である。 第1実施態様における第2の最悪条件説明図(トレーニング時)である。 第1実施態様における第3の最悪条件説明図(トレーニング時)である。 2つの最悪条件説明図である。 トレーニング用送信シンボル列と通常通信時送信シンボル列との位相差説明図である。 第2実施態様におけるトレーニング時と通常通信時のバーストフレーム間位相関係図である。 第2実施態様におけるバーストフレーム構成図(通常通信時)である。 第2実施態様におけるバーストフレーム構成図(トレーニング時)である。 DMT送信スペクトル説明図である。 DMT変調方式による加入者伝送システムの機能ブロック図である。 ISDNのピンポン伝送方式の帯域とADSL伝送の帯域説明図である。 漏話ノイズ説明図である。 ISDN回線からADSL回線への干渉(漏話)説明図である。 スライディングウィンドウ説明図である。 Dual BitmapおよびFext Bitmap説明図である。 B&Gプロトコルによるビットマップ作成法説明図である。 NEXT/FEXT区間毎にS/Nを測定する形態説明図である。 ハイパーフレーム方式説明図である。 ADSLシンボルをISDNピンポン伝送に同期させる伝送方式説明図である。 TDD-xDSLシンボルの送信方法説明図である。 ISIの除去方法説明図である。 xDSLシンボルの受けるISIの影響説明図である。
符号の説明
500・・トレーニングシンボル列
501・・トレーニングシンボル
502・・従来の送信シンボル列
503,504・・冗長データ
700・・送信シンボル列
701・・シンボル701
PLT・・パイロット・トーン
CP・・サイクリックプレフィックス
θd・・シンボル同士の位相差

Claims (2)

  1. 局側装置から加入者側装置への下りデータ伝送と加入者側装置から局側装置への上りデータ伝送を時分割的に切り替えて1つの回線で伝送すると共に、1シンボルのデータを分割し、各分割データで周波数の異なる搬送波を変調して周波数多重し、数シンボルづつ伝送するディジタル加入者線伝送方法において、
    トレーニングシンボルの先頭シンボルの開始位置と通常通信時におけるサイクリック プレフィクスを除いた送信シンボルの先頭シンボルの開始位置間の位相差をパイロット・トーン周期の整数倍にし、
    トレーニング処理及び通常データ通信処理をパイロット・トーン信号に同期して実行する、
    ことを特徴とするディジタル加入者線伝送方法。
  2. 局側装置から加入者側装置への下りデータ伝送と加入者側装置から局側装置への上りデータ伝送を時分割的に切り替えて1つの回線で伝送すると共に、1シンボルのデータを分割し、各分割データで周波数の異なる搬送波を変調して周波数多重し、数シンボルづつ伝送するディジタル加入者線伝送装置において、
    トレーニングシンボルの先頭シンボルの開始位置と通常通信時におけるサイクリック プレフィクスを除いた送信シンボルの先頭シンボルの開始位置間の位相差をパイロット・トーン周期の整数倍にする手段、
    トレーニング処理及び通常データ通信処理をパイロット・トーン信号に同期して実行する手段、
    を有することを特徴とするディジタル加入者線伝送装置。
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