JP3767284B2 - 汚染地下水の浄化方法およびその浄化装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、汚染地下水の浄化方法およびその浄化装置に関し、とりわけ、注入井から超高圧の圧搾空気を短時間の間隔でパルス状にして間欠的に瞬時に汚染地下水中に吹き込むようにした汚染地下水の浄化方法およびその浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年では汚染地下水を浄化する方法または装置として各種提案されており、例えば特開平11−57776号公報に開示されたものがある。これは微生物による浄化方法(バイオレメディエーション)を適用したもので、微生物の増殖ガスを溶解した注入水を地下水流に注入して、汚染地下水に含まれる微生物を増殖させることにより地下水を浄化しようとするものである。
【0003】
ところで、このようなバイオレメディエーションでは、その多くはもともと地盤や地下水に生息している分解能力を持った土着菌を利用するものであり、メタンなどの栄養源を空気(酸素)とともに地下水に注入して分解微生物の活性を高めることにより分解を促進するようになっている。ここで、分解微生物とは汚染物を分解して浄化する微生物を意味するものとし、以下同様である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、かかる従来のバイオレメディエーションを利用した汚染地下水の浄化方法では、注入井から汚染地下水中に空気および分解微生物の栄養源を注入する際に、注入井内の圧力を地下水圧より高く設定することによりそれらの注入を可能となしている。つまり、注入井内の圧力は空気および栄養源を地下水中に押し出すことができる圧力であれば良く、注入井から地下水中に連続してだらだらと押し出す状態にしている。
【0005】
しかしながら、このような注入方法であると、注入井1本当たりの空気および栄養源を地下水中に供給可能な範囲が狭く、必然的に注入井の数が増加して浄化装置のコストアップが余儀なくされるとともに、それぞれの井戸の数に見合うだけの栄養源を投入することが必要となる。また、分解微生物を地下水中に新たに注入する場合は、この分解微生物が高価であるため、この点からもコストアップが来される。
【0006】
また、好気性の分解微生物を利用する場合には、地下水の流速が遅い場合は分解に必要な酸素が不足して浄化効率が低下してしまうとともに、上述したように新たに分解微生物を注入する方法では、注入した分解微生物が土粒子間に詰まるなどして十分な広さに行き渡りづらくなり、浄化が行われない区域が残存してしまう虞がある。
【0007】
そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑みて成されたもので、酸素および栄養源、更には分解微生物を、超高圧で瞬時に爆発的に汚染地下水中に吹き込むことにより、これら酸素、栄養源、分解微生物を汚染地下水中でより遠くかつより広範囲に到達させて、汚染地下水の浄化能力を大幅に向上させることができる汚染地下水の浄化方法およびその浄化装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために本発明の請求項1に係る発明は、超高圧の圧搾空気を、短時間の間隔でパルス状にして間欠的に注入井を介して汚染地下中に吹き込み、この際に、前記注入井に分解微生物の栄養源を供給して注入井内を流通する圧搾空気に添加し、栄養源を圧搾空気と一緒に汚染地下水中に吹き込むことを特徴とする。
【0009】
この発明による汚染地下水の浄化方法によれば、超高圧の圧搾空気を、短時間の間隔でパルス状にして間欠的に注入井を介して汚染地下水中に吹き込み、この際に、注入井を流通する圧搾空気に分解微生物の栄養源を供給することにより、分解微生物の栄養源を圧搾空気と一緒に地下水中に所定の間欠タイミングをもって瞬時に爆発的に吹き込むことができ、この際に、地下水中にショックウエーブを発生させることができ、このショックウエーブを地下水を介して土壌に伝播させることができる。
従って、地下水中に吹き込む圧搾空気の酸素及び栄養源をより遠くかつより広範囲に到達させることができるので、地下水中に含まれる分解微生物を広範囲で活性化させて汚染水の浄化を促進させることができ、1本当たりの注入井での浄化領域を広げることができ、一定の領域の地下水浄化に要する注入井の本数を減らすことができる。
また、注入井から地下水中に超高圧で吹き込む圧搾空気により生じさせたショックウエーブにより、土粒子に衝撃を与えて周辺の地盤を緩めることができるので、この緩まった地盤内に分解微生物を効率よく注入でき、地盤に付着若しくは含浸された汚染部分を効率よく浄化することができる。
さらに、より広い範囲に分解微生物を到達させて浄化能力を高めることができるので、高価な分解微生物の供給量を少なくすることができ、低コストで高効率の浄化処理を行うことができる。
【0010】
また、本発明の請求項2に係る発明は、請求項1に記載の汚染地下水の浄化方法であって、前記注入井に分解微生物の増殖設備を接続し、該増殖設備で培養させた分解微生物を注入井内を流通する圧搾空気に添加し、分解微生物を圧搾空気と一緒に汚染地下水中に吹き込むことを特徴とする。
【0011】
この発明による汚染地下水の浄化方法によれば、増殖設備で培養させた分解微生物を、超高圧の圧搾空気と一緒に注入井を介して地下水中に所定の間欠タイミングをもって超高圧で瞬時に爆発的に吹き込むことができる。
従って、地下水中に分解微生物が少ない場合でも、この増殖設備で培養させた分解微生物により不足分を補うことができるので、汚染地下水の浄化を促進することができる。
【0012】
さらに、本発明の請求項3に係る発明は、請求項2に記載の汚染地下水の浄化方法であって、前記増殖設備に揚水井を介して回収した地下水を導入し、この地下水に含まれる分解微生物を該増殖設備で培養することを特徴とする。
【0013】
この発明による汚染地下水の浄化方法によれば、汚染地下水を増殖設備に導くことにより、増殖設備で培養する分解微生物に汚染地下水中に含まれる分解微生物を利用することができるので、高価な分解微生物を別途用意して増殖設備に供給する必要は全くなく、または、増殖設備に供給する高価な分解微生物の量を少なくすることができるので、汚染地下水の浄化に必要な分解微生物の費用を削減することができる。
【0014】
さらに、本発明の請求項4に係る発明は、地下水中に挿入される注入井と、該注入井に超高圧の圧搾空気を短時間の間隔でパルス状にして間欠的に供給する高圧間欠空気注入装置と、前記注入井に接続されて注入井内を流通する圧搾空気に分解微生物の栄養源を添加する栄養源タンクと、地下水中に挿入される揚水井と、該揚水井で回収した地下水を導入してこれに含まれる分解微生物を培養し、この分解微生物を回収した地下水とともに前記注入井に供給する増殖設備とを備えたことを特徴とする。
【0015】
この発明による汚染地下水の浄化装置によれば、高圧間欠空気注入装置により、注入井を介して地下水中に超高圧の圧搾空気を所定の間欠タイミングをもって瞬時に爆発的に吹き込むことができ、この際に、栄養源タンクから注入井を流通する圧搾空気に分解微生物の栄養源を添加することにより、分解微生物の栄養源を圧搾空気と一緒に汚染地下水中に超高圧で瞬時に爆発的に吹き込むことができる。そして、超高圧の圧搾空気を地下水中に吹き込むことにより、地下水中にショックウエーブを発生させることができ、このショックウエーブを地下水を介して土壌に伝播させることができる。
従って、地下水中に吹き込む圧搾空気の酸素及び栄養源をより遠くかつより広範囲に到達させることができるので、地下水中に含まれる分解微生物を広範囲で活性化させて汚染水の分解を促進させることができ、1本当たりの注入井での浄化領域を広げることができ、一定の領域の地下水浄化に要する注入井の本数を減らすことができる。
また、注入井から地下水中に超高圧で吹き込む圧搾空気により発生したショックウエーブにより、土粒子に衝撃を与えて周辺の地盤を緩めることができるので、この緩まった地盤内に分解微生物を効率よく注入でき、地盤に付着若しくは含浸された汚染部分を効率よく浄化することができる。
さらに、より広い範囲に分解微生物を到達させて浄化能力を高めることができるので、高価な分解微生物の供給量を少なくすることができ、低コストで高効率の浄化処理を行うことができる。
さらに、増殖設備で培養させた分解微生物を、超高圧の圧搾空気と一緒に注入井を介して地下水中に所定の間欠タイミングをもって超高圧で瞬時に爆発的に吹き込むことができる。
従って、地下水中に分解微生物が少ない場合でも、この増殖設備で培養させた分解微生物により不足分を補うことができるので、汚染地下水の浄化を促進することができる。
さらに、揚水井を介して汚染地下水を増殖設備に導くことにより、増殖設備で培養する分解微生物に汚染地下水中に含まれる分解微生物を利用することができるので、高価な分解微生物を別途用意して増殖設備に供給する必要は全くなく、または、増殖設備に供給する高価な分解微生物の量を少なくすることができるので、汚染地下水の浄化に必要な分解微生物の費用を削減することができる。
さらに、増殖設備に供給するために回収した地下水を圧搾空気が流通する注入井に供給し、この地下水を注入井を介して汚染地下水中に還元することができるので、地下水を回収したことによって水圧が低下し、地盤沈下が生じるのを防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の汚染地下水の浄化方法の一実施形態を示し、同図は浄化方法に用いられる浄化装置の全体構成を概略的に示す断面図である。
【0017】
本発明の汚染地下水の浄化方法の基本とするところは、酸素および分解微生物Mの栄養源を超高圧をもって短時間の間隔でパルス状にして間欠的に注入井14に供給し、この注入井14からこれら酸素および栄養源を地下水12中に所定の間欠タイミングをもって瞬時に爆発的に吹き込むことにある。
【0018】
また、酸素および栄養源の供給経路18に分解微生物Mの増殖設備24を設け、この増殖設備24で培養された分解微生物Mを上記注入井14に供給し、これら酸素、栄養源および分解微生物Mを同時に地下水12中に爆発的に吹き込む。この場合、上記増殖設備24に揚水井22で回収した地下水12を導入し、この地下水12に含まれる分解微生物Mを該増殖設備24で培養することが望ましい。
【0019】
即ち、本発明の汚染地下水の浄化方法は図1に示す浄化装置10をもって達成できる。この浄化装置10は本発明の浄化方法を達成するための一実施形態を示し、地下水12中に挿入される注入井14と、この注入井14に超高圧の圧搾空気を短時間の間隔でパルス状にして間欠的に供給する高圧間欠空気注入装置16と、該圧搾空気の供給経路18に接続され圧搾空気中に分解微生物Mの栄養源を添加する栄養源タンク20と、地下水12中に挿入される揚水井22と、この揚水井22で回収した地下水12を導入してこれに含まれる分解微生物Mを培養し、この分解微生物Mを、回収した地下水12とともに上記高圧間欠空気注入装置16の吐出側に排出する増殖設備24と、を備える。
【0020】
上記地下水12は、地盤G中に形成される不透水層(または難透水層)100の上側に溜まって所定の深さをもった帯水層102を形成し、該地下水12は一定方向(図中左方)の流れが生じている。
【0021】
上記注入井14は適宜長さのパイプで形成され、地面に鉛直に打ち込まれてその下端部を帯水層102中に到達させるとともに、上端部を地表に突出した状態で残しておく。本実施形態では注入井14の長さを2種類用意し、一方は下端部を帯水層102の下層に位置させるとともに、他方は帯水層102の上層に位置させてある。
【0022】
上記高圧間欠空気注入装置16は、上記注入井14の上端に接続され、エアコンプレッサ26で発生される超高圧(例えば、2〜10気圧)の圧搾空気が供給管18を介して導入される。該高圧間欠空気注入装置16は、図示省略したが圧搾空気を貯留するタンクと、このタンク内の圧搾空気を間欠的に排出する間欠バルブとを備え、タンク内の圧力が所定圧以上になると間欠バルブが瞬時に開弁して高圧空気を排出するとともに、この排出によってタンク内圧力が低下されると間欠バルブは瞬時に閉弁される構造となっている。従って、エアコンプレッサ26から圧搾空気が供給される間は、高圧間欠空気注入装置16はタンク内の高圧空気を短時間の間隔でパルス状にして間欠的(例えば、1/30〜1/5HZの周期)に排出し続け、この高圧間欠空気は上記注入井14に供給される。すると、この超高圧の空気は注入井14の下端部から所定の間欠タイミングをもって瞬時に爆発的に地下水12中に吹き込まれ、このときの吹出しエネルギーは著しく大きなものとなる。
【0023】
ここで供給経路18とは、圧搾空気をエアコンプレッサ26から帯水層102中に供給する経路であり、該エアコンプレッサ26と高圧間欠注入装置16とを結ぶ上記供給管18、および該高圧間欠注入装置16自体、更に、注入井14を含むものとする。
【0024】
上記栄養源タンク20は、地下水12に含まれる分解微生物Mを増殖するための栄養源を溜めるタンクで、この栄養源タンク20内の栄養源は開閉バルブ28を介して必要に応じて上記高圧間欠空気注入装置16の吐出側に添加できるようになっている。上記栄養源としては、地下水浄化に適した分解微生物Mを増殖するに適した栄養塩類やこの分解微生物Mを活性化するに適した成分が予め選択される。例えば、栄養塩類としては、燐,窒素,カリ,珪素など生物の生命を維持するうえで必要な主要元素と、マンガンなどの微量元素で炭素、水素、酸素以外の主に塩類として摂られるものがある。また、分解微生物としてはTCE(トリクロロエチレン)を好気分解(酸化)するメタン資化性菌が知られるが、このメタン資化性菌では栄養源としてメタンが用いられる。また、TCE分解に用いられるその他の分解微生物としては、トルエン資化性菌、フェノール資化性菌、硝化細菌、プロパン酸化細菌、イソプロピレン酸化細菌などが知られ、それぞれに適した栄養源が用いられる。勿論、TCEに限ることなく地下水12中のその他の汚染物質に対しては、その汚染物質を浄化する分解微生物に適した栄養源が用いられることはいうまでもない。
【0025】
上記揚水井22は上記注入井14と同様に適宜長さのパイプで形成され、地面から鉛直に打ち込まれてその下端部が帯水層102に到達するとともに、上端部を地表に突出した状態で残しておく。この揚水井22は注入井14に対して地下水12の流れの後流側に配置されるとともに、該揚水井22が帯水層102に位置する部分にスリットや多孔の開口部が形成される。そして、揚水井22の上端部に接続した吸引ポンプ30によって地下水12は吸引され、この吸引された地下水12は上記増殖設備24に導入される。
【0026】
増殖設備24は分解微生物Mの培養が行われる槽で、上記地下水12が導入される取入管24aと、増殖した分解微生物Mを、導入した地下水12とともに排出する取出管24bとが設けられ、該取出管24bは上記高圧間欠空気注入装置16の吐出側に開閉バルブ32を介して接続される。そして、該開閉バルブ32を開弁することにより、増殖設備24の分解微生物Mは、地下水12と一緒に上記高圧間欠空気注入装置16の吐出側に供給され、注入井14から圧搾空気とともに地下水12中に所定の間欠タイミングをもって超高圧で瞬時に爆発的に吹き込まれる。このとき、上記栄養源タンク20の開閉バルブ28が開弁されている場合は、分解微生物Mは空気および栄養源と同時に地下水12中に注入されることになる。
【0027】
即ち、本実施形態の汚染地下水の浄化方法では、上記浄化装置10のエアコンプレッサ26を駆動して圧搾空気を高圧間欠空気注入装置16に供給することにより、圧搾空気は注入井14から地下水12中に所定の間欠タイミングをもって瞬時に爆発的に吹き込み得るだけでなく、このとき、栄養源タンク20の開閉バルブ28を開弁しておくことにより、栄養源タンク20内の栄養源は上記圧搾空気とともに地下水12中に所定の間欠タイミングをもって超高圧で瞬時に注入し得る。従って、注入井14から地下水12中に注入される圧搾空気内の酸素および栄養源は、より遠くかつより広範囲に到達されることになる。このため、これら酸素および栄養源により地下水12中に含まれる分解微生物Mを広範囲で活性化して汚染水の分解を促進することができる。従って、1本当たりの注入井14での浄化領域を広げることができるため、一定の領域の地下水浄化を行うには浄化装置10全体としては注入井14の本数を減らすことができる。
【0028】
また、上記圧搾空気および上記栄養源を供給する際に増殖設備24の開閉バルブ32を開弁しておくことにより、該増殖設備24で培養された分解微生物Mが注入井14から圧搾空気および栄養源とともに瞬時に爆発的に地下水12中に吹き込まれる。このため、該分解微生物Mもより遠くかつより広範囲に到達させることができ、地下水12中に分解微生物Mが少ない場合でもこの分解微生物Mを補って地下水12の浄化促進を達成することができる。また、注入井14から超高圧で瞬時に爆発的に吹き込まれた空気は、土粒子に衝撃を与えて周辺の地盤を緩めることができ、この緩まった地盤内に分解微生物Mを効果的に注入できるため、地盤に付着若しくは含浸された汚染部分を効果的に浄化することができる。更に、より広い範囲に分解微生物Mを到達させて浄化能力を高めることができるため、高価な分解微生物Mの供給量を全体的に少なくして低コストで高効率の浄化処理を行うことができる。
【0029】
更に、本実施形態では上記増殖設備24に揚水井22で回収した地下水12を導入し、この地下水12に含まれる分解微生物Mを培養してこれを注入井14に供給するようになっているので、高価な分解微生物Mを別途に用意することを不要となし得、該分解微生物Mに要するコストを可及的に低く抑えることができる。また、増殖設備24に供給するために回収した地下水12は供給経路18に排出されて、注入井14から帯水層102に還元されるため、回収したことによる地下水圧の低下を無くして地盤沈下を防止することができる。
【0030】
図2は注入井14と揚水井22の効果的な配置例を示し、隣接される注入井14の下端部を交互に帯水層102の上下2段位置に配置するとともに、それぞれの注入井14に対応して後流側に配置される揚水井22の下端部をほぼ同レベルとなるように配置してある。つまり、上流側の注入井14が下層位置である場合は揚水井22を同様に下層位置とし、注入井14が上層位置である場合は揚水井22を同様に上層位置としてある。また、同図中には注入井14の下端部にそれぞれ同心円部分が示されるが、これは超高圧の空気が間欠的に吹き込まれた際に発生するショックウエーブを示している。
【0031】
従って、この実施形態では帯水層102の深さが深い場合に、上,下位置に交互に配置された注入井14によって地下水12全体に亘って酸素、栄養源および分解微生物Mを供給することができ、浄化機能の更なる向上を図ることができる。また、注入井14とこれに対応する揚水井22の高さを揃えたことにより、注入井14から地下水12中に供給した分解微生物Mを揚水井22で効率良く回収できるため、増殖装置24での増殖効率を向上することができる。勿論、注入井14および揚水井22は2段位置に限ることなく、3段以上にできることはいうまでもない。
【0032】
また、図3に示すように注入井14と揚水井22との平面上での関係は、1つの注入井14に対してその後流側に所定距離だけ離れた位置に2つの揚水井22をほぼ対称に配置することが望ましい。このようにレイアウトすることにより、注入井14から地下水12中に供給されて拡散する分解微生物Mを、後流側の揚水井22によって効率良く回収することができる。
【0033】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の請求項1に記載の汚染地下水の浄化方法によれば、超高圧の圧搾空気を、短時間の間隔でパルス状にして間欠的に注入井を介して汚染地下水中に吹き込み、この際に、注入井を流通する圧搾空気に分解微生物の栄養源を供給することにより、分解微生物の栄養源を圧搾空気と一緒に地下水中に所定の間欠タイミングをもって瞬時に爆発的に吹き込むことができる。そして、超高圧の圧搾空気を地下水中に吹き込む際に、地下水中にショックウエーブを発生させることができ、このショックウエーブを地下水を介して土壌に伝播させることができる。
従って、地下水中に吹き込む圧搾空気の酸素及び栄養源をより遠くかつより広範囲に到達させることができるので、地下水中に含まれる分解微生物を広範囲で活性化させて汚染水の分解を促進させることができ、1本当たりの注入井での浄化領域を広げることができ、一定の領域の地下水浄化に要する注入井の本数を減らすことができる。
また、注入井から地下水中に超高圧で吹き込む圧搾空気によって発生したショックウエーブにより土粒子に衝撃を与えて周辺の地盤を緩めることができるので、この緩まった地盤内に分解微生物を効率よく注入でき、地盤に付着若しくは含浸された汚染部分を効率よく浄化することができる。
さらに、より広い範囲に分解微生物を到達させて浄化能力を高めることができるので、高価な分解微生物の供給量を少なくすることができ、低コストで高効率の浄化処理を行うことができる。
また、本発明の請求項2に記載の汚染地下水の浄化方法によれば、増殖設備で培養させた分解微生物を、超高圧の圧搾空気と一緒に注入井を介して地下水中に所定の間欠タイミングをもって超高圧で瞬時に爆発的に吹き込むことができる。
従って、地下水中に分解微生物が少ない場合でも、この増殖設備で培養させた分解微生物により不足分を補うことができるので、汚染地下水の浄化を促進することができる。
さらに、本発明の請求項3に記載の汚染地下水の浄化方法によれば、汚染地下水を増殖設備に導くことにより、増殖設備で培養する分解微生物に汚染地下水中に含まれる分解微生物を利用することができるので、高価な分解微生物を別途用意して増殖設備に供給する必要は全くなく、または、増殖設備に供給する高価な分解微生物の量を少なくすることができるので、汚染地下水の浄化に必要な分解微生物の費用を削減することができる。
さらに、本発明の請求項4に記載の汚染地下水の浄化装置によれば、高圧間欠空気注入装置により、注入井を介して地下水中に超高圧の圧搾空気を所定の間欠タイミングをもって瞬時に爆発的に吹き込むことができ、この際に、栄養源タンクから注入井を流通する圧搾空気に分解微生物の栄養源を添加することにより、分解微生物の栄養源を圧搾空気と一緒に汚染地下水中に超高圧で瞬時に爆発的に吹き込むことができる。そして、超高圧の圧搾空気を地下水中に吹き込むことにより、地下水中にショックウエーブを発生させることができ、このショックウエーブを地下水を介して土壌に伝播させることができる。
従って、地下水中に吹き込む圧搾空気の酸素及び栄養源をより遠くかつより広範囲に到達させることができるので、地下水中に含まれる分解微生物を広範囲で活性化させて汚染水の分解を促進させることができ、1本当たりの注入井での浄化領域を広げることができ、一定の領域の地下水浄化に要する注入井の本数を減らすことができる。
また、注入井から地下水中に超高圧で吹き込む圧搾空気により発生したショックウエーブにより、土粒子に衝撃を与えて周辺の地盤を緩めることができるので、この緩まった地盤内に分解微生物を効率よく注入でき、地盤に付着若しくは含浸された汚染部分を効率よく浄化することができる。
さらに、より広い範囲に分解微生物を到達させて浄化能力を高めることができるので、高価な分解微生物の供給量を少なくすることができ、低コストで高効率の浄化処理を行うことができる。
さらに、増殖設備で培養させた分解微生物を、超高圧の圧搾空気と一緒に注入井を介して地下水中に所定の間欠タイミングをもって超高圧で瞬時に爆発的に吹き込むことができ る。
従って、地下水中に分解微生物が少ない場合でも、この増殖設備で培養させた分解微生物により不足分を補うことができるので、汚染地下水の浄化を促進することができる。
さらに、揚水井を介して汚染地下水を増殖設備に導くことにより、増殖設備で培養する分解微生物に汚染地下水中に含まれる分解微生物を利用することができるので、高価な分解微生物を別途用意して増殖設備に供給する必要は全くなく、または、増殖設備に供給する高価な分解微生物の量を少なくすることができるので、汚染地下水の浄化に必要な分解微生物の費用を削減することができる。
さらに、増殖設備に供給するために回収した地下水を圧搾空気が流通する注入井に供給し、この地下水を注入井を介してから汚染地下水中に還元することができるので、地下水を回収したことによって水圧が低下し、地盤沈下が生じるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の浄化方法に用いられる浄化装置の全体構成を概略的に示す断面図である。
【図2】本発明の浄化方法の注入井と揚水井の他の配置例を示す模式図である。
【図3】本発明の浄化方法の注入井と揚水井の他の配置例のレイアウトを示す平面図である。
【符号の説明】
10 浄化装置
12 地下水
14 注入井
16 高圧間欠空気注入装置
18 供給経路
20 栄養源タンク
22 揚水井
24 増殖設備
Claims (4)
- 超高圧の圧搾空気を、短時間の間隔でパルス状にして間欠的に注入井を介して汚染地下水中に吹き込み、この際に、前記注入井に分解微生物の栄養源を供給して注入井内を流通する圧搾空気に添加し、栄養源を圧搾空気と一緒に汚染地下水中に吹き込むことを特徴とする汚染地下水の浄化方法。
- 前記注入井に分解微生物の増殖設備を接続し、該増殖設備で培養させた分解微生物を注入井内を流通する圧搾空気に添加し、分解微生物を圧搾空気と一緒に汚染地下水中に吹き込むことを特徴とする請求項1に記載の汚染地下水の浄化方法。
- 前記増殖設備に揚水井を介して回収した地下水を導入し、この地下水に含まれる分解微生物を該増殖設備で培養することを特徴とする請求項2に記載の汚染地下水の浄化方法。
- 地下水中に挿入される注入井と、該注入井に超高圧の圧搾空気を短時間の間隔でパルス状にして間欠的に供給する高圧間欠空気注入装置と、前記注入井に接続されて注入井内を流通する圧搾空気に分解微生物の栄養源を添加する栄養源タンクと、地下水中に挿入される揚水井と、該揚水井で回収した地下水を導入してこれに含まれる分解微生物を培養し、この分解微生物を回収した地下水とともに前記注入井に供給する増殖設備とを備えたことを特徴とする汚染地下水の浄化装置。
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