JP3767171B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機等に代表される遊技機に係り、特に、「電波ゴト」、「ぶら下げ基板」等による不正行為に対処しうる遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、遊技機の一種として、複数種類の図柄等を、予め定められた配列で変動表示するための変動表示装置を備えたパチンコ機が知られている。
【0003】
この種のパチンコ機では、表示装置での変動表示停止時の表示図柄(停止図柄)に応じて、リーチ状態を経た後に遊技者に有利な状態となる「特別遊技状態(大当たり状態)」、リーチ状態を経た後に特別遊技状態とはならない「外れリーチ状態」、又は、リーチ状態を経ず、かつ、特別遊技状態ともならない「外れ状態」が発生させられる。停止図柄には、特別遊技状態を発生させるための特別遊技図柄、外れリーチを発生させるための外れリーチ図柄、及び、外れ状態を発生させるための外れ図柄がある。
【0004】
前記のようなパチンコ機では、遊技者の操作に応じて変化する遊技状況が、所定の条件を満たすこと(例えば、遊技球が始動口に入賞したり、始動ゲートを通過したりすること等)に基づいて、表示装置において、図柄の変動表示が開始される。また、上記特別遊技図柄、外れリーチ図柄、及び、外れ図柄の中から、遊技状況に応じた停止図柄が選択される。そして、その選択された停止図柄で前記変動表示が停止させられる。この場合、停止図柄が予め定められた特定の図柄であると、上述した特別遊技状態が発生させられる。より詳しくは、大入賞口が所定時間開放され、その開放時において、当該大入賞口に遊技球を入賞させることにより、遊技者に対し多くの景品球が払い出される。
【0005】
このような特別遊技状態の発生の有無は、遊技球が始動口に入賞(又は始動ゲートを通過)するタイミングで決定される。すなわち、パチンコ機の制御装置は、1カウントずつ、定期的に、一定の範囲で(例えば1カウントずつ、「2ms」毎に、0〜199の範囲で)更新するカウンタ(内部乱数カウンタ)を備えており、遊技球が始動口に入賞等したときに、そのカウンタの値(乱数値)を読み出す。そして、制御装置は、読み出された乱数値が、予め定められた所定値(例えば「7」)と一致する場合に、特別遊技状態を発生させるようにしている。特別遊技状態が発生すると、制御装置中の制御基板のコネクタに接続されたケーブルを介して、大当たりコマンドが表示装置の表示用基板へ送信される。表示装置では、受信された大当たりコマンドに基づいて変動表示を制御し、変動表示停止時において上記特別遊技図柄を発生させるのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、「ぶら下げ基板」と称される不正な基板を使用した不正行為や、「電波ゴト」と称される不正行為が報告されている。前者の不正行為は、始動口等に設けられた始動検出手段(近接スイッチ)と制御基板との間、或いは、制御基板と表示装置の表示用基板との間に、不正な基板をぶら下げて(不正な「ぶら下げ基板」を取付けて)、不当に特別遊技状態を発生させるというものである。
【0007】
より詳しくは、上述した特別遊技状態を決定するためのカウンタと同様の動きをするカウンタ(1カウントずつ、定期的に、一定の範囲で更新されるカウンタ)を「ぶら下げ基板」内に設け、そのカウンタの値をパチンコ機の電源投入に合わせて「0」にクリヤ(初期化)することにより、「ぶら下げ基板」内で特別遊技状態の発生タイミングを把握するのである。そして、その把握した大当たりの発生タイミングに合わせて、「ぶら下げ基板」内で遊技球の始動口への入賞信号(又は通過信号)を不正に生成し、前記制御基板へ出力して、不当に特別遊技状態を発生させるのである。
【0008】
また、「電波ゴト」というのは、例えば、パチンコ機の外部から、始動口への入賞信号(又は通過信号)を不正に電波発信し、不当に特別遊技状態を発生させるものである。従来では、このように、遊技球を一発も打ち込むことなく、特別遊技状態の発生タイミングが把握されることにより、入賞信号等の電波を発信するだけで、不当に特別遊技状態が発生させられてしまうケースがあった。その結果、遊技場等においては、このような不正行為により、多大な被害を被っているという問題があった。
【0009】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、電波を用いた不正行為を抑制することの可能な遊技機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明においては、遊技盤を流下する遊技球が入球可能な始動口と、前記始動口への遊技球の入球を検出する第1の検出手段と、前記第1の検出手段により前記始動口への遊技球の入球が検出された後、当該遊技球の入球を検出する第2の検出手段と、第1の乱数カウンタの値を定期的に更新する第1の更新手段と、前記第1の検出手段により遊技球の入球が検出されたとき、前記第1の乱数カウンタの値を読出す第1の読出手段と、前記第1の乱数カウンタとは異なる第2の乱数カウンタの値を定期的に更新する第2の更新手段と、前記第2の検出手段により遊技球の入球が検出されたとき、前記第2の乱数カウンタの値を読出す第2の読出手段と、前記第1の読出手段により読出された前記第1の乱数カウンタの値が、予め定められた第1の所定値の1つと一致し、かつ、前記第2の読出手段により読出された前記第2の乱数カウンタの値が、予め定められた第2の所定値の1つと一致するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により、前記第1の読出手段により読出された前記第1の乱数カウンタの値が、予め定められた第1の所定値の1つと一致し、かつ、前記第2の読出手段により読出された前記第2の乱数カウンタの値が、予め定められた第2の所定値の1つと一致すると判定された場合に、遊技者にとって有利となる特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生制御手段とを備えたことをその要旨としている。また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の遊技機において、前記第1及び第2の乱数カウンタは、共に同時期においては同一の数値をとり、かつ、同一のタイミングで更新されるものであるとともに、前記第1の所定値と第2の所定値とは、それぞれ異なる数値であることをその要旨としている。
【0011】
(作用)
【0012】
上記請求項1に記載の発明によれば、第1の更新手段により第1の乱数カウンタの値が定期的に更新され、1つの遊技球の挙動による所定の契機に基づき、前記第1の乱数カウンタの値が第1の読出手段によって読出される。また、第1の乱数カウンタとは異なる第2の乱数カウンタの値が第2の更新手段により定期的に更新され、前記所定の契機に基づき、前記第2の乱数カウンタの値が第2の読出手段により読出される。
【0013】
さらに、少なくとも前記第1の読出手段により読出された前記第1の乱数カウンタの値が、予め定められた第1の所定値の1つと一致し、かつ、前記第2の読出手段により読出された前記第2の乱数カウンタの値が、予め定められた第2の所定値の1つと一致する場合に、特別遊技状態発生制御手段によって、遊技者にとって有利となる特別遊技状態を発生させる旨の信号が出力される。そして、少なくとも前記信号に基づいて動作装置が制御させられる。
【0014】
従って、特別遊技状態を不正に発生させようとしたとしても、第1の読出手段により読出された第1の乱数カウンタの値が第1の所定値の1つと一致し、かつ、第2の読出手段により読出された第2の乱数カウンタの値が第2の所定値の1つと一致するよう、両読出タイミングを調整することは著しく困難なものとなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明における遊技機を、第1種始動口付パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)に具体化した一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
図1に示すように、パチンコ機1の遊技盤2には、第1種始動口3及び大入賞口4が設けられている。第1種始動口3は、遊技媒体としての遊技球5の通路を備えており、その通路入口には羽根6が開閉可能に支持されている。大入賞口4の奥には、シーソー7が設けられており、その右側にはVゾーン8が、左側には入賞通路9が設けられている(左右逆でもよい)。そして、大入賞口4に入賞した遊技球5は、シーソー7上を転がって、Vゾーン8又は入賞通路9のいずれか一方を通って図示しない入賞球処理装置の方へと導かれる。また、大入賞口4の前には、シャッタ11が設けられている。このシャッタ11は、大入賞口4の側部に設けられた大入賞口用ソレノイド12により作動させられ、大入賞口4を開閉する。詳しくは、当該ソレノイド12が励磁状態となることにより、シャッタ11が略水平に傾き、これにより大入賞口4が開かれる。また、ソレノイド12が非励磁状態となることにより、シャッタ11が略垂直状態となり、これにより大入賞口4は閉鎖される。
前記大入賞口4の一側部には、シーソー用ソレノイド10が設けられている。シーソー用ソレノイド10は通常、非励磁状態となっており、この状態においては、遊技球5がVゾーン8を通過するようにシーソー7を傾けている。また、シーソー用ソレノイド10が励磁状態となることにより、シーソー7は、遊技球5が入賞通路9を通過するように傾動させられる。本実施の形態では、シャッタ11が開状態において、遊技球5が1つでもVゾーン8を通過した場合には、シーソー用ソレノイド10が励磁される。そして、シャッタ11が閉じられることにより、シーソー用ソレノイド10が非励磁状態となる。
【0017】
遊技盤2の中央部分には、特別図柄表示装置13が組込まれている。この特別図柄表示装置13は、液晶ディスプレイ(LCD)よりなる表示部13aを備えており、ここに複数の図柄列が表示される。図2に示すように、本実施の形態では、これらの図柄列として左図柄列14、中図柄列15及び右図柄列16の3つの図柄列が表示されるが、それ以外の数の図柄列が表示されてもよい。各図柄列14〜16は、それぞれ複数種類で複数個の図柄17A〜17Hと、1種類で複数個の図柄17Kとによって構成されている。各図柄17A〜17Hは、それぞれ「1」〜「8」の数字によって構成され、これらの数字は順に配列されている。これらの図柄17A〜17Hは、特別遊技図柄としての大当たり図柄、外れリーチ図柄及び外れ図柄のいずれかになり得る(これらについては後述する)。また、図柄17Kは「キャンディ」の絵によって構成されており、当該図柄17Kは、外れ図柄にのみなりうる。
【0018】
各々の図柄列14〜16においては、各図柄17A〜17H,17Kがスクロールすることにより変動表示される。本実施の形態では、中央の横ライン、その上下の2本の横ライン、及び斜めの2本のラインによって大当たりラインLが構成されている(通常5ラインと称される)。しかし、このような表示態様に何ら限定されるものではなく、例えば各図柄列14〜16に1つずつの図柄17A〜17H等が表示される態様であってもよい。
【0019】
また、図1に示すように、特別図柄表示装置13の上部には普通図柄表示装置51が併設されている。普通図柄表示装置51は、発光ダイオード(LED)よりなる4つの保留ランプ52と、普通図柄表示部たるLEDよりなる7セグ表示部53とを有している。
【0020】
さらに、前記特別図柄表示装置13の左右両側方には一対の通過ゲート54が配設されている。同通過ゲート54を遊技球5が通過すると前記普通図柄表示装置51が作動する。本実施の形態では、普通図柄表示装置51は、「0」から「9」までの数字を可変表示して7セグ表示部53にセグメント表示させ、その数字が所定値(本実施の形態では「7」)で停止した場合に、第1種始動口3の羽根6を所定秒数開放させる。この開放により、第1種始動口3への入賞が比較的容易なものとなる。普通図柄表示装置51は、遊技球5の通過ゲート54の通過回数を4回まで記憶することができ、保留ランプ52でその保留数を表示する。従って、4つの保留ランプ2が点灯している状態で遊技球5が通過ゲート54を通過してもカウントされず、保留ランプ52が点灯している限り、遊技球5が通過ゲート54を通過しなくとも保留数に応じた回数だけ普通図柄表示装置51は作動するようになっている。
【0021】
図2(a),(b)に示すように、特別図柄表示装置13の表示部13aでは、各図柄列14〜16の図柄変動(回転変動)が、遊技球5の第1種始動口3への入賞に基づいて開始させられる。また、大当たり図柄、外れリーチ図柄、外れ図柄の中から1つが選択され、これが停止図柄として設定される。停止図柄とは、各図柄列14〜16が図柄変動を停止したときに表示される図柄である。本実施の形態では、図柄変動は、原則として左図柄列14、右図柄列16、中図柄列15の順に停止させられるが、これはあくまでも1例にすぎず、別の順序で停止させられるようにしてもよい。
【0022】
大当たり図柄は、リーチ状態を経た後、遊技者に有利な特別遊技状態としての大当たり状態を発生させるための図柄である。詳しくは、図2(e),(f)に示すように、全ての図柄列14〜16の変動が停止させられたとき、表示されている図柄17A〜17Hの組合せが、予め定められた大当たりの組合せとなる場合がある。すなわち、同一種類の図柄17A〜17Hが大当たりラインLに沿って並んだときに、同一図柄17A〜17Hの組合せ(例えば、図2(e)では「4」、「4」、「4」の図柄17D、図2(f)では「3」、「3」、「3」の図柄17C)となる場合がある。この組合せを構成する図柄が「大当たり図柄」である。大当たりの組合せが成立すると、特別電動役物が作動し(大入賞口4が開かれ)、遊技者にとって有利な大当たり状態が発生させられる。すなわち、より多くの景品球を獲得することが可能となる。
【0023】
また、図2(c),(d)に示すように、リーチ状態とは、大当たり直前の状態をいう。リーチ状態には、右図柄列16の図柄変動が、大当たりラインL上において左図柄列14の停止図柄と同一種類の図柄で停止する状態が含まれる。図2(c)に示す例では、大当たりラインLが、表示部13aの下部において横方向へ延びるように位置しており、かつ、同ライン上で停止している左・右両図柄列14,16の図柄17A〜17Hが共に「4」の付された図柄17Dとなっている。また、図2(d)に示す例では、大当たりラインLが、表示部13aの斜めにクロスするように位置しており、かつ、各ライン上で停止している左・右両図柄列14,16の図柄17A〜17Hが共に「4(右下がりのライン)」、「3(右上がりのライン)」の付された図柄17D,17Cとなっている(いわゆるダブルリーチと称される)。
【0024】
上記のリーチ状態には、中図柄列15の図柄変動が、最終的に左・右両図柄列14,16の停止図柄と同一種類の図柄(大当たり図柄)で停止して大当たり状態になるもの以外にも、異なる種類の図柄(これを「外れリーチ図柄」という)で停止して、大当たり状態とならないもの(以下、「外れリーチ状態」という)が含まれる。さらには、中図柄列15の図柄変動が一旦停止した後、同一種類の図柄17A〜17Hが大当たりラインに沿って並んだ状態で、再度全図柄列が変動し、その後全図柄列14〜16の図柄17A〜17Hが同時に停止するような場合(再変動全回転リーチとも称される)も含まれる。
【0025】
上記リーチ状態においては、種々のリーチパターンが設定されている。リーチパターンとしては、「ノーマルリーチ」、「フラッシュリーチ」、「高速リーチ」等の種々のリーチパターンが設定されている。これらリーチパターンのうち、「ノーマルリーチ」以外のリーチパターンは、いわゆる「スーパーリーチ」と称されるものである。「スーパーリーチ」の動作が開始された場合には、「ノーマルリーチ」の場合に比べて、大当たり状態が発生する期待値(大当たり期待値)が高くなるようになっている。また、「スーパーリーチ」においても、各リーチパターンによって大当たり期待値が異なったものとなっている。なお、上記各リーチパターンについては、本発明とは直接的な関連性はないため、ここでのこれ以上の説明は省略することとする。
【0026】
遊技球5の第1種始動口3への入賞に基づいて各図柄列14〜16の図柄変動が開始させられることはすでに説明したが、この変動表示中にさらに遊技球5が第1種始動口3に入賞した場合には、通過ゲート54を通過した場合と同様、その分の変動表示は、現在行われている変動表示の終了後に行われる。つまり、変動表示が待機(保留)される。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められている。本実施の形態では保留最大回数が4回に設定されているが、これに限られるものではない。
【0027】
図1に示すように、特別図柄表示装置13において、表示部13aの上方には、発光ダイオード(LED)からなる保留ランプ18a,18b,18c,18dが組み込まれている。当該保留ランプ18a〜18dの数は、前述した保留最大回数と同じ(この場合4個)である。保留ランプ18a〜18dは、変動表示の保留毎に点灯させられ、その保留に対応した変動表示の実行に伴い消灯させられる。このほかにも、パチンコ機1の複数箇所には、遊技効果を高めるための各種ランプや電飾部材が取付けられている。これらのランプ等は、遊技の進行に応じて点灯状態(消灯、点灯、点滅等)が変えられる。さらに、パチンコ機1には、遊技の進行に応じて効果音を発生する図示しないスピーカーが設けられている。
【0028】
遊技者の操作に応じて変化するパチンコ機1の遊技状態を検出するべく、本実施の形態では、遊技盤2には、スルースイッチ20、始動口用近接スイッチ21A,21B、Vゾーン用スイッチ22及びカウントスイッチ23がそれぞれ取付けられている。前記スルースイッチ20は、遊技球5の通過ゲート54の通過を検出する。
【0029】
また、始動口用近接スイッチ21A,21Bは、上下2つのスイッチ(第1の近接スイッチ21A及び第2の近接スイッチ21B)によって構成されており、遊技球5の第1種始動口3への入賞を検出する。より詳しくは、第1の近接スイッチ21A及び第2の近接スイッチ21Bは各々上下方向に直列状態で設けられており、1つの遊技球5が第1種始動口3へ入賞した場合には、第1の近接スイッチ21A及び第2の近接スイッチ21Bの順で、1つの遊技球5の通過(入賞)を検出するのである。また、Vゾーン用スイッチ22は、遊技球5の大入賞口4のうちのVゾーン8への入賞を検出し、カウントスイッチ23は、遊技球5の大入賞口4への入賞を検出する。
【0030】
本実施の形態では、各スイッチ20,21A,21B,22,23の検出結果に基づきソレノイド10,12、特別図柄表示装置13、各保留ランプ18a〜18d、普通図柄表示装置51(7セグ表示部53及び保留ランプ52)、羽根6等をそれぞれ駆動制御するために制御装置24が設けられている。制御装置24は、読み出し専用メモリ(ROM)、中央処理装置(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)等を備えている。ROMは所定の制御プログラムや初期データを予め記憶しており、CPUはROMの制御プログラム等に従って各種演算処理を実行する。RAMは、CPUによる演算結果を、図3に示す図柄乱数バッファ31〜36、図4に示す図柄乱数エリア41(i)〜45(i)、図5に示す停止図柄エリア46〜48等に一時的に記憶する。
【0031】
図3に示すように、図柄乱数バッファは、左・中・右の3つの外れ図柄乱数バッファ31,32,33と、左・中・右の3つの外れリーチ図柄乱数バッファ34,35,36とによって構成されている。図4に示すように、図柄乱数エリアは、5つの第1の内部乱数エリア40(i)と、5つの第2の内部乱数エリア41(i)と、5つの外れリーチ乱数エリア42(i)と、5つの左外れ図柄乱数エリア43(i)と、5つの中外れ図柄乱数エリア44(i)と、5つの右外れ図柄乱数エリア45(i)とによって構成されている。iは、5つずつ存在する各図柄乱数エリアを区別するためのものであり、「0」、「1」、「2」、「3」、「4」の値をとる。iの各値は、保留されている変動表示の回数に対応している。また、図5に示すように、停止図柄エリアは、左・中・右の各停止図柄乱数エリア46,47,48によって構成されている。
【0032】
次に、前記のように構成されたパチンコ機1の作用及び効果について説明する。図7から図11のフローチャートは、制御装置24によって実行される各種ルーチンを示している。これらのルーチンの処理は、カウンタ群及び入賞判定フラグFE等に基づいて実行される。カウンタ群は、ラウンドカウンタCR、保留カウンタCH、入賞カウンタCE、第1の内部乱数カウンタCI1、第2の内部乱数カウンタCI2、外れリーチ乱数カウンタCO、大当たり図柄乱数カウンタCB、左・中・右の各図柄乱数カウンタCDL,CDC,CDR、リーチ種別決定カウンタCV等よりなっている。
【0033】
なお、ラウンドカウンタCRは、ラウンド回数をカウントするためのものであり、入賞カウンタCEは大入賞口4への遊技球5の入賞個数をカウントするためのものである。また、保留カウンタCHは変動表示の保留回数をカウントするためのものであり、「0」,「1」,「2」,「3」,「4」の値を順にとる。これらの値は、前述した図柄乱数エリア41(i)〜45(i)の「(i)」に対応している。従って、CH=0は、保留されていない状態を意味する。
図6(a)に示すように、第1及び第2の内部乱数カウンタCI1,CI2は、特別図柄表示装置13での大当たり状態を決定するためのものである。本実施の形態では、これら第1及び第2の内部乱数カウンタCI1,CI2は、共に1カウントずつ、定期的に、一定の範囲で(例えば1カウントずつ、「2ms」毎に、0〜249の範囲で)更新されるものとする。また、外れリーチ乱数カウンタCOは外れリーチ状態時の表示を行うか否かを決定するためのものである。さらに、大当たり図柄乱数カウンタCBは大当たり図柄を決定するためのものである。これらのカウンタCO,CBもそれぞれ第1及び第2の内部乱数カウンタCI1,CI2と同様、所定時間(例えば「2ms」)毎に値を所定範囲内で更新する。各値は、所定の条件に従って乱数として読み出される。また、各カウンタCI1,CI2,CO,CBは、各値がそれぞれ特定の値になった場合に、初期値に戻すようになっている。
【0034】
左・中・右の各図柄乱数カウンタCDL,CDC,CDRは、停止図柄等を決定するためのものである。左図柄乱数カウンタCDLは、所定時間(例えば「2ms」)毎に値を所定範囲内で更新し、特定の値になると初期値に戻す。中図柄乱数カウンタCDCは、左図柄乱数カウンタCDLが一巡する毎に値を所定範囲内で更新し、特定の値になると初期値に戻す。右図柄乱数カウンタCDRは、中図柄乱数カウンタCDCが一巡する毎に値を所定範囲内で更新し、特定の値になると初期値に戻す。
【0035】
また、図6(b)に示すリーチ種別決定カウンタCVは、上述した複数種類のリーチパターンのうちの1つを選択するために用いられるものであり、例えば左図柄乱数カウンタCDLが一巡する毎に値(乱数値)を更新し、特定の値になると初期値に戻す。ただし、各リーチパターンには重み付けがなされており、各リーチパターンの選択される確率は個々に異なったものとなっている。また、本実施の形態においては、大当たりとなる場合(大当たり時)と、外れとなる場合(外れリーチ時)とで各リーチパターンの選択される確率は個々に異なったものとなっている。
【0036】
なお、入賞判定フラグFEは、Vゾーンへの入賞の有無を判定するために用いられるものである。同フラグFEは、入賞なしの場合に「0」に設定され、入賞ありの場合に「1」に設定される。
【0037】
さて、図7のフローチャートは、上述した各カウンタCI,CO,CB,CDL,CDC,CDR,CVの更新後に、図柄乱数カウンタCDL,CDC,CDRの値(乱数)の組合せを分別し(振分け)、その振分けられた値を対応する図柄乱数バッファ31〜36に格納するための「乱数振分けルーチン」を示している。このルーチンは、パチンコ機1の電源投入後、所定時間(2ms)毎に実行される。このルーチンが開始されると、制御装置24はまずステップS1において、第1の内部乱数カウンタCI1、第2の内部乱数カウンタCI2、外れリーチ乱数カウンタCO、大当たり図柄乱数カウンタCBにそれぞれ「1」を加算する(更新する)。
【0038】
また、ステップS2において、左図柄乱数カウンタCDLに「1」を加算する。中・右図柄乱数カウンタCDC,CDRに関しては、それぞれ左・中図柄乱数カウンタCDL,CDCの値に応じて更新処理を行う。詳しくは、左図柄乱数カウンタCDLが初期値に戻されるタイミングであれば中図柄乱数カウンタCDCに「1」を加算し、それ以外のタイミングであれば同カウンタCDCの値を維持する。また、中図柄乱数カウンタCDCが初期値に戻されるタイミングであれば右図柄乱数カウンタCDRに「1」を加算し、それ以外のタイミングであれば同カウンタCDRの値を維持する。さらに、ステップS3において、制御装置24は、リーチ種別決定カウンタCVを更新する。
【0039】
次に、ステップS4において、図柄乱数カウンタCDL,CDC,CDRの値の組合せが、予め定められた「外れ図柄の組合せ」であるか否かを判断する。そして、この条件が満たされていると、ステップS5において各図柄乱数カウンタCDL,CDC,CDRの値を、対応する外れ図柄乱数バッファ31,32,33に格納する。ここで、対応する外れ図柄乱数バッファ31〜33とは、具体的には左図柄乱数カウンタCDLに関しては左外れ図柄乱数バッファ31を指し、中図柄乱数カウンタCDCに関しては中外れ図柄乱数バッファ32を指し、右図柄乱数カウンタCDRに関しては右外れ図柄乱数バッファ33を指すものとする(後述するステップS7に関しても同様)。そして、制御装置24は、ステップS5の処理を実行した後、その後の処理を一旦終了する。
【0040】
一方、前記ステップS4の条件が満たされていない場合には、ステップS6において、図柄乱数カウンタCDL,CDC,CDRの値の組合せが、予め定められた「外れリーチ図柄の組合せ」であるか否かを判断する。そして、この条件が満たされていると、ステップS7において各図柄乱数カウンタCDL,CDC,CDRの値を、対応する外れリーチ図柄乱数バッファ34,35,36に格納し、その後の処理を一旦終了する。
【0041】
なお、ステップS6の条件が満たされていない場合には、前記ステップS5,7のいずれの処理をも行うことなく、「乱数振分けルーチン」を終了する。この場合とは、各図柄乱数カウンタCDL,CDC,CDRの値の組合せが、外れ図柄、外れリーチ図柄のいずれの組合せでもない場合、すなわち、大当たり図柄の組合せの場合である。
【0042】
このように、「乱数振分けルーチン」では、所定時間毎に3つの図柄乱数カウンタCDL,CDC,CDRの値の組合せがチェックされる。そして、外れ図柄の組合せの場合には、外れ図柄乱数バッファ31〜33に乱数が格納され、外れリーチ図柄の場合には、外れリーチ図柄乱数バッファ34〜35に乱数が格納される。また、大当たり図柄の組合せの場合には、乱数はどの図柄乱数バッファ31〜36にも格納されない。
次に、図8のフローチャートに示す「格納処理ルーチン」について説明する。このルーチンの主な機能は、遊技球5が第1種始動口3に入賞する毎に、乱数カウンタCI1,CI2,CO,CDL,CDC,CDRの値を図柄乱数エリア41(i)〜45(i)に格納することである。
【0043】
当該「格納処理ルーチン」が開始されると、制御装置24は、ステップS10において、始動口用の第1の近接スイッチ21Aの検出結果に基づき、遊技球5が第1種始動口3に入賞した(オンとなった)か否かを判定する。そして、この判定条件が満たされていない場合には、その後の処理を一旦終了する。また、満たされている場合には、ステップS11において、第1の内部乱数カウンタCI1の値を第1の内部乱数エリア40(i)に格納する。
【0044】
次に、制御装置24は、ステップS12において、始動口用の第2の近接スイッチ21Bの検出結果に基づき、遊技球5が第1種始動口3に入賞した(オンとなった)か否かを判定する。そして、この判定条件が満たされている場合には、ステップS13において、制御装置24は、第2の内部乱数カウンタCI2の値を第2の内部乱数エリア41(i)に格納する。また、判定条件が満たされない場合には、満たされるまで、ステップS12の処理を繰り返す。
【0045】
第2の内部乱数カウンタCI2の値を第2の内部乱数エリア41(i)に格納した後、制御装置24は、ステップS14において、外れリーチ乱数カウンタCOの値を、外れリーチ乱数エリア42(i)に格納する。さらに、ステップS15において、制御装置24は、左・中・右の各外れ図柄乱数バッファ31〜33の値(CDL,CDC,CDR)を、対応する左・中・右の各外れ図柄乱数エリア43(i)〜45(i)に格納する。
【0046】
また、次のステップS16においては、制御装置24は保留カウンタCHの値が最大保留回数(この場合「4」)よりも小さいか否かを判定する。保留カウンタCHの値が最大保留回数よりも小さい場合には、ステップS17において、保留カウンタCHに「1」を加算する。また、続くステップS18において、制御装置24は、対応する保留ランプ(18aから18dのうちの1つ)を点灯させ、その後の処理を一旦終了する。一方、前記ステップS16の判定条件が満たされていない場合には、前述したステップS17以降の処理を行うことなくその後の処理を一旦終了する。従って、図柄変動表示は、4回までしか保留されず、それ以上の入賞があっても保留は記憶されない。また、保留カウンタCHの値が最大保留回数以上の場合には、対応する第1、第2の内部乱数エリア40(i),41(i)、外れリーチ乱数エリア42(i)、左・中・右の各外れ図柄乱数エリア43(i)〜45(i)が存在しないため、事実上ステップS11,13,14,15の格納処理は行われない。
【0047】
このように、「格納処理ルーチン」においては、乱数カウンタCI1,CI2,CO,CDL,CDC,CDRの値が対応する各図柄乱数エリア41(i)〜45(i)に格納される。なお、ステップS11、ステップS13〜15では、例えばステップS17での更新後の保留カウンタCHの値が「3」であれば、第1の内部乱数エリア40(i=3)、第2の内部乱数エリア41(i=3)、外れリーチ乱数エリア42(i=3)、左外れ図柄乱数エリア43(i=3)、中外れ図柄乱数エリア44(i=3)、右外れ図柄乱数エリア45(i=3)が、今回制御周期での格納場所となる。但し、格納のタイミングは、上記の例に限定されるものではない。
【0048】
次に、図9、図10のフローチャートに示す「特別電動役物制御ルーチン」について説明する。このルーチンは、前述した「乱数振分けルーチン」、「格納処理ルーチン」等の演算結果を用いて特別電動役物(大入賞口用ソレノイド12等)や特別図柄表示装置13等を制御するためのものであり、パチンコ機1の電源投入後、所定時間毎に実行される。
【0049】
この「特別電動役物制御ルーチン」が開始されると、制御装置24はまずステップS20において、保留カウンタCHの値が「0」でないか否かを判定する。そして、否定判定された場合、つまり、保留カウンタCHの値が「0」の場合には、その後の処理を一旦終了する。これに対し、前記判定条件が満たされている(CH=1,2,3,4)場合には、ステップS30において、「i」を「0」に設定し、次のステップS40において保留カウンタCHが「i」と同一でないか否かを判定する。
【0050】
そして、この判定条件が満たされている場合(CH≠i)には、ステップS50において、第1の内部乱数エリア40(i+1)、第2の内部乱数エリア41(i+1)、外れリーチ乱数エリア42(i+1)、外れ図柄乱数エリア43(i+1)〜45(i+1)の各データを、1つ前のエリア40(i)〜45(i)にそれぞれシフトする。次いで、ステップS60において、制御装置24は、「i」に「1」を加算し、ステップS40へ戻る。
【0051】
一方、ステップS40の判定条件が満たされない場合(CH=i)には、ステップS70へ移行し、保留ランプ18a〜18dのうち前記保留カウンタCHに対応するものを消灯させる。また、次のステップS80において保留カウンタCHから「1」を減算する。
【0052】
次に、制御装置24は、ステップS90において、図柄の変動開始処理を実行する。詳しくは、図11の「変動開始処理ルーチン」に示すように、制御装置24はステップS901において、第1の内部乱数カウンタCI1の値が予め定めた大当たり値(本実施の形態では例えば「7」)であり、かつ、第2の内部乱数カウンタCI2の値が予め定めた大当たり値(本実施の形態では例えば「9」〜「249」及び「0」〜「6」)であるか否かを判定する。そして、両内部乱数カウンタCI1,CI2の値が共に大当たり値の場合には、ステップS902において、大当たり値に対応する大当たり図柄を停止図柄としてメモリに記憶する。その後、ステップS905へ移行する。
一方、ステップS901における判定条件が満たされていないと、ステップS903において、外れリーチ乱数カウンタCOの値が予め定められた外れリーチ値と同じであるか否かを判定する。そして、外れリーチ乱数カウンタCOの値が外れリーチ値と同一である場合には、ステップS904において、外れリーチ値に対応する図柄(外れリーチ図柄)を停止図柄としてメモリに記憶し、ステップS905へ移行する。
【0053】
また、ステップS903の判定条件が満たされていない場合には、ステップS906において、ステップS18での外れ図柄を停止図柄としてメモリに記憶し、ステップS907へ移行する。
【0054】
さて、ステップS902又はステップS904から移行して、ステップS905においては、リーチパターンを取得する。すなわち、上述した「ノーマルリーチ」、「フラッシュリーチ」、「高速リーチ」等の種々のリーチパターンのうちのいずれかをリーチ種別決定カウンタCVに基づいて決定する。
【0055】
そして、ステップS905又はステップS906から移行して、ステップS907においては、特別図柄表示装置13の図柄変動を開始させ、「変動開始処理ルーチン」を終了する。
【0056】
さて、上記のように、ステップS90(「変動開始処理ルーチン」)の処理を実行した後、制御装置24は、図9のステップS110において、左右両図柄列14,16における(中図柄15以外の)図柄17A〜17H,17Kを、前記ステップS902,S904,S906のいずれかの処理で記憶した停止図柄に差替える。また、左右両図柄列14,16での図柄変動を左図柄列14→右図柄列16の順で停止させ、差替え後の図柄17A〜17H,17Kを左右両図柄列14,16に表示する。
次に、ステップS120において、制御装置24は、リーチ動作処理を行う。例えば、前記ステップS905で取得したリーチパターンが、「ノーマルリーチ」の場合には、中図柄列15の図柄17A〜17H,17Kが通常のスクロール動作を行うよう動作処理を実行する。また、リーチパターンが「フラッシュリーチ」の場合には、中図柄列15の図柄17A〜17H,17Kが煌めきながらゆっくりとスクロール動作を行うよう動作処理を実行する。さらに、リーチパターンが「高速リーチ」の場合には、遊技者が視認できないほど高速で、中図柄列15の図柄17A〜17H,17Kがスクロール動作を行うよう動作処理を実行する。
【0057】
上記のように、ステップS120(「リーチ動作処理ルーチン」)の処理を実行した後、制御装置24は、ステップS130(図9参照)において、中図柄列15での図柄変動を停止させる。
【0058】
続いて、制御装置24は、ステップS135において、全回転再変動処理を実行する。詳しくは、全回転再変動処理を実行する条件(大当たりで、かつ、所定の条件を満たすこと)が成立しているか否かを判定し、当該全回転再変動処理実行条件が成立している場合には、全図柄列14〜16の図柄17A〜17H,17Kを同時に再変動させる。そして、所定条件が成立した後、全図柄列14〜16の図柄17A〜17H,17Kを停止させる。一方、再変動処理を実行する条件が成立していない場合には、何らの処理をも実行しない。
【0059】
さて、上記再変動処理を行った後、制御装置24は、次に、ステップS140において、図柄17A〜17H,17Kの組合せが大当たりの組合せであるか否かを判定する。なお、この際には、停止図柄の差替えが正しく行われたか否かの確認も行われる。そして、この判定条件が満たされていない場合には、「特別電動役物制御ルーチン」を終了する。また、図柄17A〜17H,17Kの組合せが大当たりの組合せである場合(実際に全回転再変動が行われた場合も、この場合に該当する)には、ステップS150において、ラウンドカウンタCRを「0」にクリヤする。なお、このとき、制御装置24によって大当たり報知表示がなされる。
【0060】
次に、制御装置24は、ステップS160(図10参照)において、入賞カウンタCEを「0」にクリヤするとともに、入賞判定フラグFEを「0」に設定する。また、続くステップS170においては、ラウンドカウンタCRを「1」ずつインクリメントする。さらに、ステップS175において、制御装置24は、表示部13aに表示されるラウンド数をラウンドカウンタCRに基づいて更新して表示するとともに、その他の表示事項(例えばカウント数)を初期化(「0」に初期化)して表示する。
【0061】
続いて、ステップS180において、制御装置24は、大入賞口用ソレノイド12を励磁させる。すると、シャッタ11が倒れて略水平状態となり、大入賞口4が開放される。この開放により、遊技球5のVゾーン8及び入賞通路9への入賞が可能となる。
【0062】
次に、ステップS190において、制御装置24は、入賞カウンタCEの値が予め定められた所定値CEmaxよりも小さいか否かを判定する。そして、この判定条件が満たされている場合には、ステップS200において、未だ大入賞口4の閉鎖予定時期が到来していないか否かを判定する。この判定条件が満たされていない場合には、処理をステップS190へ戻す。その結果、大入賞口4の開放開始後に所定値CEmax個よりも多くの遊技球5が入賞するか、閉鎖予定時期が到来するかしない限りは、大入賞口4が開放され続ける。これに対し、ステップS190又はステップS200のいずれか一方が満たされていないと、ステップS210において、制御装置24は、大入賞口用ソレノイド12を消磁する。すると、シャッタ11が起こされて略垂直状態となり、大入賞口4が閉鎖される。
【0063】
続いて、ステップS220において、制御装置24は、ラウンドカウンタCRの値が予め定められた所定値CRmax以下であるか否かを判定する。そして、ラウンドカウンタCRの値が所定値CRmax以下の場合には、続くステップS230において入賞判定フラグFEが「1」であるか否かを判定する。入賞判定フラグFEが「1」の場合には、処理をステップS160へと戻す。従って、一旦大当たり遊技状態が発生すると、遊技球5がVゾーン8に入賞することによる継続条件が、所定値CRmax回数満たされるまでは、大入賞口4が開閉のサイクルを繰り返す。例えば所定値CEmaxが「10」に設定され、大入賞口4の開放時間が「約29.5秒」に設定され、所定値CRmaxが「16」に設定されている場合には、大入賞口4の開放後、(1)遊技球5が大入賞口4へ10個入賞すること、(2)約29.5秒が経過すること、のいずれか一方の条件が満たされた時点で大入賞口4が閉鎖される。この大入賞口4の開閉のサイクルが遊技球5のVゾーン8への入賞を条件に最大で16回(16ラウンド)繰り返されることとなる。
【0064】
そして、ステップS220又はステップS230の判定条件のいずれか一方が満たされていない場合には、ステップS240において大当たり状態が終了したものとして、その旨を表示部13aに表示する。
【0065】
そして、上記終了報知処理を実行した後、制御装置24は「特別電動役物制御ルーチン」を一旦終了する。
【0066】
以上詳述したように、本実施の形態によれば、1つの遊技球5の第1種始動口3への入賞に基づいて読み出された第1の内部乱数カウンタCI1の値が「7」と一致し、かつ、前記1つの遊技球5の第1種始動口3への入賞に基づいて読み出された第2の内部乱数カウンタCI2の値が「9」〜「249」若しくは「0」〜「6」と一致する場合に、大当たり状態が発生させられる。
【0067】
従って、例えば電波ゴト師が、電波を用いて特別遊技状態を不正に発生させようとしたとしても、第1の内部乱数カウンタCI1の値を「7」と一致させ、かつ、第2の内部乱数カウンタCI2の値を「9」〜「249」若しくは「0」〜「6」と一致させるような電波信号を出力することは著しく困難となる。より詳しくは、第1の内部乱数カウンタCI1の値が「7」となるタイミングで、電波を発信した場合、第2の内部乱数カウンタCI2の値も「7」となってしまい、かかる場合には大当たり状態は発生させられない。従って、上述した電波を用いた不正行為による大当たり状態の発生を抑制することができる。また、このことから、不正行為の未然防止をも図ることができる。
【0068】
尚、本発明は上述した実施の形態の記載内容に限定されるものではなく、従って、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、例えば次のように実施してもよい。
【0069】
(a)上記実施の形態では、2つの近接スイッチ21A,21Bを用いて、1つの遊技球5の入賞を検出するようにしたが、3つ或いはそれ以上の検出手段を用いて1つの遊技球の入賞を検出し、それに基づいて、内部乱数カウンタの値を決定するようにしてもよい。このように、乱数カウンタの値(種類)を増やすことで、より一層不正行為の抑制を図ることができる。
【0070】
(b)上記実施の形態では、第1種始動口3に遊技球5が入賞することに基づいて、内部乱数カウンタCI1,CI2の値が決定され、ひいては大当たり状態が発生させられることとしたが、他の契機により、乱数カウンタの値が決定されることとしてもよい。例えば遊技球が始動ゲートを通過することに基づいて乱数カウンタの値を決定し、大当たり状態を発生させることとしてもよい。
【0071】
(c)上記実施の形態では、図柄が所定の態様で停止した場合に大当たり状態が発生するようにしたが、他の態様に基づいて大当たり状態が発生することとしてもよい。例えば、表示部に特定の絵やキャラクタが表示された場合に大当たり状態を発生させるようなパチンコ機にも本発明を適用することができる。
【0072】
(d)前記実施の形態では、遊技媒体として遊技球(パチンコ球)を用いたパチンコ機1に本発明を具体化することとしたが、例えば遊技媒体としてコイン等を用いた遊技機に具体化することもできる。
【0073】
(e)上記実施の形態では、1つの遊技球5の第1種始動口3への入賞に基づいて読み出された第1の内部乱数カウンタCI1の値が「7」と一致し、かつ、前記1つの遊技球5の第1種始動口3への入賞に基づいて読み出された第2の内部乱数カウンタCI2の値が「9」〜「249」若しくは「0」〜「6」と一致する場合に、大当たり状態が発生させられることとした。これに対し、上記条件に加え、さらなる条件が満たされた場合(例えば、上記のような条件が満たされた場合に所定期間可変入賞装置が開放し、その開放期間中に特定数の遊技球を該入賞装置に入賞させた場合)に、遊技者に有利な大当たり状態が発生させられるような構成としてもよい。
【0074】
(f)上記実施の形態では、2つの近接スイッチ21A,21Bを上下に直列に配置し、1つの遊技球5が入賞した場合、各スイッチの通路を連続して通過するようにしたが、両者を離間した位置に設けてもよい。例えば、第1の近接スイッチを通過した遊技球が所定の案内通路(レール)を通って第2の近接スイッチの方へと導かれるようにしてもよい。
【0075】
(g)上記実施の形態では、全回転再変動処理を行うこととしたが、かかる処理を省略してもよい。
【0076】
(h)表示装置13としては、上述した液晶ディスプレイ以外にも、CRT、ドットマトリックス、LED、エレクトロルミネセンス(EL)、蛍光表示菅等を用いてもよい。また、表示装置を省略してもよい。
(i)大当たり図柄乱数カウンタCBを含む乱数に関するカウンタ(内部乱数カウンタCI1,CI2、外れリーチ乱数カウンタCO、左・中・右の各図柄乱数カウンタCDL,CDC,CDR及びリーチ種別決定カウンタCV等)を適宜変更してもよい。
【0077】
(j)本発明は、上記実施の形態とは異なるタイプのパチンコ機等にも適用できる。また、本発明は、パチンコ機以外にも、アレパチ、アレンジボール等の各種遊技機にも適用できる。
【0078】
上記実施の形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
【0079】
(1)請求項1に記載の遊技機において、前記第1の読出手段により前記第1の乱数カウンタの値が読出されるタイミングは、第1の検出手段による遊技球の所定通路の通過検出時点であり、前記第2の読出手段による前記第2の乱数カウンタの値が読出されるタイミングは、前記第1の検出手段の直下に設けられた第2の検出手段による前記遊技球の所定通路の通過検出時点であることを特徴とする。
【0080】
(2)上記付記(1)に記載の遊技機において、前記第1及び第2の乱数カウンタは共に同数よりなり、かつ、ほぼ同一のタイミングで更新されるものであるとともに、前記第1の所定値と第2の所定値とは、それぞれ異なる数値であることを特徴とする。
【0081】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の遊技機によれば、電波を用いた不正行為を抑制することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図である。
【図2】表示部の表示状態の例を示す模式図である。
【図3】図柄乱数バッファの概念を説明する図表である。
【図4】図柄乱数エリアの概念を説明する図表である。
【図5】停止図柄エリアの概念を説明する図表である。
【図6】(a)は乱数カウンタの概念を説明する図表であり、(b)はリーチ種別決定カウンタの概念を説明する図表である。
【図7】制御装置により実行される「乱数振分けルーチン」を示すフローチャートである。
【図8】「格納処理ルーチン」を示すフローチャートである。
【図9】「特別電動役物制御ルーチン」の一部を示すフローチャートである。
【図10】「特別電動役物制御ルーチン」の一部であって、図10の続きを示すフローチャートである。
【図11】「変動開始処理ルーチン」を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…パチンコ機、2…遊技盤、3…第1種始動口、4…大入賞口、5…遊技球、13…特別図柄表示装置、13a…表示部、14…左図柄列、15…中図柄列、16…右図柄列、17A〜17H,17K…図柄、24…制御装置。
Claims (2)
- 遊技盤を流下する遊技球が入球可能な始動口と、
前記始動口への遊技球の入球を検出する第1の検出手段と、
前記第1の検出手段により前記始動口への遊技球の入球が検出された後、当該遊技球の入球を検出する第2の検出手段と、
第1の乱数カウンタの値を定期的に更新する第1の更新手段と、
前記第1の検出手段により遊技球の入球が検出されたとき、前記第1の乱数カウンタの値を読出す第1の読出手段と、
前記第1の乱数カウンタとは異なる第2の乱数カウンタの値を定期的に更新する第2の更新手段と、
前記第2の検出手段により遊技球の入球が検出されたとき、前記第2の乱数カウンタの値を読出す第2の読出手段と、
前記第1の読出手段により読出された前記第1の乱数カウンタの値が、予め定められた第1の所定値の1つと一致し、かつ、前記第2の読出手段により読出された前記第2の乱数カウンタの値が、予め定められた第2の所定値の1つと一致するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記第1の読出手段により読出された前記第1の乱数カウンタの値が、予め定められた第1の所定値の1つと一致し、かつ、前記第2の読出手段により読出された前記第2の乱数カウンタの値が、予め定められた第2の所定値の1つと一致すると判定された場合に、遊技者にとって有利となる特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生制御手段とを備えたことを特徴とする遊技機。 - 前記第1及び第2の乱数カウンタは、共に同時期においては同一の数値をとり、かつ、同一のタイミングで更新されるものであるとともに、前記第1の所定値と第2の所定値とは、それぞれ異なる数値であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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