JP3766223B2 - 境界装置及びそのコネクション設定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は通信網間のコネクションを制御する境界装置及びそのコネクション制御方法に係わり、特に、IP網(Internet Protocol Network)内の送信端末と別のIP網内の受信端末との間にATM網が介在する網構成において、、IP網における通信品質制御のための資源予約プロトコル(例えばRSVP)をATM網にマッピングする境界装置及びそのコネクション制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
(a) インタネットにおける品質保証
近年IP(Internet Protocol)上のアプリケーションの充実により、インタネットが急激に発達している。特にwww(world wide web)で実現された映像や音声の重畳とハイパーリンク手法により、インタネットはより使いやすく臨場感あふれる通信手段として発達してきている。反面、ネット遅延の問題が顕著になってきている。これは、トラフィックの伸びに対して、適切な転送手段や技術が追いついていないこともあるが、インタネットがIPパケットを最善の努力で転送する best-effort転送方式を基本とするところが大きい。
【0003】
best-effortの転送環境では、到着したパケットはユーザやアプリケーションで区別することなく、その到着したパケットを次段に転送することのみ努力し、転送しきれなかったパケット、例えば、バッファあふれのパケットはそのまま廃棄される。パケット廃棄は、エンドステーションにおいて、IPレイヤより上位のTCP(Transmission Control Protocol)で検出され、再送手順により回避される。しかし、再送のために不必要なパケットがネットワークに滞留することや、リアルタイムのアプリケーションに対して転送遅延が保証されないなどの弊害が生じている。
このような問題を解消するために、インタネット上でのQoS(Quality of Service)を実現するための手法がIETF(Internet Engineering Task Force)で検討されており、既に、RSVP(Resource Reservation Protocol)バージョン1を基にしたIPレイヤ上でのQoS制御技術が標準化され、実現に向けて研究が続けられている。
【0004】
(b) インタネット上の資源予約プロトコル
RSVPは、IPレイヤ上における資源予約のための制御プロトコルであり、図62に示す制御を行う。この制御においては、IP網1上でRSVPをサポートするルータ2と情報の送信者3(送信端末,sender)と受信者4(受信端末,receiver)の間で制御メッセージ(Pathメッセージ、Reserve メッセージ)がやりとりされる。これにより、送信者3のアプリケーションに対して、伝走路やルータ内部のメモリ資源等があらかじめ予約され、その通信品質が保証される。一般に、送信者3は、複数の受信者4に対して、1対多(ポイント・マルチ)の通信により同一の情報を提供することができる(マルチキャスト)。
【0005】
まず送信者3は、配信情報(コンテンツ)のトラフィック特性を記述したPathメッセージを受信者4に向かって送信する。Pathメッセージは、転送される経路(ルータ)に沿って転送され複数の受信者4に分配される。各受信者4は、Pathメッセージに記述されている内容を参考に、予約が必要な資源を記述したReserveメッセージを送信者3に向かって返送する。途中のルータ2では、複数の受信者4からの予約要求をマージ(統合)して、上流のルータ2や送信者3に対してReserveメッセージを転送するとともに、受信者4に対する伝送路(帯域)やメモリ資源などの予約を行う。
【0006】
以下はRSVPによる帯域予約メカニズムの概要である。但しRFC2205,"Resource ReSerVation Protocol(RSVP)-Version 1 Functional Specification"を基にしている。
RSVPでは、特定の宛先(destination)およびトランスポートレイヤプロトコルに対するデータフローをセッション(session)として定義する。あるセッション(データフロー)における宛先とは一般にDestAddressにより定義されるものである。これはIPパケットのIPヘッダ部に記入されるIP destination addressに対応する。帯域予約の手順は以下の(1)〜(4)の処理からなる。ただし、送信端末(送信ホスト)、受信端末(受信ホスト)およびパス上のノード(ルータ)はすべて RSVPを実装しているものとする。
【0007】
(1) セッション(session)の確立
何らかのルーティングプロトコルにより送信端末と受信端末間の経路(ルート)が設定される。又、受信端末は、IGMP(Internet Group Multicast Protocol)などにより、DestAddressにより規定されるマルチキャストグループに加わる。
【0008】
(2) Pathメッセージの送出
送信端末はルーティングプロトコルによって確立したルートに対して(つまり各DestAddressに対して)、Pathメッセージを定期的に送出する。Pathメッセージには、後で詳述するように、送信端末が発するデータに関する情報、例えば、送信端末のIPアドレス、トラヒック特性、1つ手前のホップ(previous Hop)のIPアドレス等が記述されいる。
パス上の各ノードは、Pathメッセージ中の情報をもとにその送信端末及びセッションに関する情報をパス状態(Path state)として保持しており、新たなPathメッセージを受信するとその内容によってパス状態を更新し、次のHop(ノード)へ転送する。以後、同様に、Pathメッセージは最終的に全ての受信端末に到達する。
【0009】
(3) Reserveメッセージの送出
各受信端末は、送信端末に向けて資源予約メッセージ(Reserve メッセージ)を送出する。このReserveメッセージは、各ノードのパス状態(Path state)に保持されている previous IP address(上流側HOPのIPアドレス)に対して送出される。Reserveメッセージには、後述するように、受信端末が要求するQoS情報や、帯域予約形式に関する情報、あるいはそのReserveメッセージの送出先ノードのIPアドレス(つまり、previous IP address)等が記述されている。
【0010】
(4) Reserveメッセージを受信した各ノードの処理
Reserveメッセージを受信した各ノードのRSVP制御部は、帯域予約を行う。RSVP制御部はReserveメッセージ中の要求QoS情報や、帯域予約形式に関する情報等をもとに予約情報を予約状態(Reservation State)として保持する。RSVP制御部は、各ルートから得られる予約状態(Reservation State)を統合し(マージし)、最終的に帯域を予約するための情報をトラフィック制御状態(Traffic Control State)として保持する。
【0011】
RSVP制御部は、このTraffic Control Stateの情報を基に、そのノードのトラヒック制御部に対して帯域予約を要求する。トラヒック制御部の受付制御部(admission control section)は要求されたQoSの受け付け判定を行う。すなわち、要求されたQoSに応じた帯域の空きがあるか基づいて受け付け判定を行う。受付制御部は受付可であれば予約要求内容にしたがって帯域を確保し、又、RSVP制御部は上記Reserveメッセージを自ノードのパス状態(Path state)中に記録されている previous IP addressのノードに送出する。一方、受付不可であれば、RSVP制御部はReserveメッセージを廃棄し、エラーメッセージをReserve メッセージを送出した受信端末に対して送出する。
【0012】
(c) RSVPメッセージ
(c-1) パスメッセージ(PATHメッセージ) 図63はパスメッセージのフォーマット説明図である。
パスメッセージPATHは、GS(Guaranteed Service)及びCLS(Controlled Load Service)の両方をサポートする場合に最低必要なパラメータを含んでいる。IPヘッダ4aの下にRSVPの共通ヘッダ4bが付き、その下に各パラメータフィールド4c〜4hが連なっている。sessionフィールド4cはQoSセッションを識別するもので、Destination Address(送信先アドレス)、protocol ID(送信者が任意に決める)、destination port(送信先UDPサービスポート)を含んでいる。マルチキャストの場合は、Destination Addressにマルチキャストアドレスが入る。RSVP HOPフィールド4dは、1つ前のRSVPルータのアドレスが記入される。この情報により受信者が生成するRESVメッセージをどのルータに送信すれば良いかが判る。TIME VALUE フィールド4eは、パスメッセージの有効期間を示す。これは各network element毎に任意に決める値であり、デフォルト値は30秒である。SENDER TEMPLATEフィールド4fはデータ送信元のアドレスを示す。その後に、データフローの特性を示すSENDER TSPEC フィールド4g、ADSPECフィールド4hが続く。TSPECにはピーク帯域、平均帯域、推奨帯域などの情報が含まれている。ADSPECフィールド4hは共通部分と特定サービス毎のフィールドを備え、共通部分には各サービスに必要なパス情報を記述し、GS用フィールドには最大遅延を計算するに必要なパラメータC,Dが含まれる。CLS用のフィールドには、実質何も入らない。
【0013】
(C-2) 資源予約メッセージ(RESVメッセージ) 図64は資源予約メッセージのフォーマット説明図である。
リザーブメッセージRESVは、TIME VALUEフィールドまではパスメッセージPATHとフォーマットは共通である。TIME VALUE フィールド5eの次にSTYLE CLASSフィールド5fが来る。STYLE CLASSフィールドには受信者が要求するRSVPの予約スタイル(WF/FF/SE)が記述される。FLOW SPEC フィールド5gはTSPECとRSPECからなる。受信者が要求するトラフィック特性(要求帯域等)はTSPECで記述する。この TSPECはパスメッセージによって運ばれてきた TSPECの値と同じか、品質の低い値を指定する。GSでは、受信者が帯域をRSPEC(R,Sのパラメータの組)によって要求する。各ルータでの資源予約刃、これらTSPEとRSPECに従って行う。FILTER SPECフィールド5hにはRESVメッセージの届け先を記述する。
【0014】
(d) ATMネットワーク
以上の通信品質制御を行うIP網とは異なる形態を持つ通信網として、非同期転送モード(Asynchronous Transfer Mode,ATM)網がある。ATMは、将来の広帯域 ISDN(Integrated Services Digital Network)のソリューションとして、ITU-T(International Telecommunication Union-Telecommunication Standardization Sector)等で仕様化されてきた転送技術である。
もともとATMはすべてのサービスを固定長(53バイト)の短いセルにより統一的に取り扱い、転送することにより、メディアの種類を問わず効率的な転送および経済的なネット化をおこなうことを目指していた。その後、その強力なQoS制御技術を生かしてATM-LANなどに適用され、映像転送などリアルタイム性の高いサービスへの適用が図られている。
【0015】
ATMでは、コネクション型の通信が基本であり、予め端末とATMスイッチ(ATM交換機)で構成されるネットワーク上に、仮想パス(VP:Virtual Path)または仮想チャネル(VC:Virtual Channel)を用いて仮想コネクションを設定した後に通信が行われる。VP/VCは、ATMセルのヘッダ部分に記入された仮想パス識別子(Virtual Path Identifier,VPI)と仮想チャネル識別子(Virtual Channel Identifier,VCI)により識別される。なお、これら識別子はATMコネクション識別子とも呼ばれる。VP/VCの設定法には、管理システム(OPS)等により半永久的に設定されるPVP/PCV(Perment VP/Permanent VC)と、アプリケーションが必要なときにシグナリング手順によりVP/VCを設定するSVP/SVC(Switched VP/Switched VC)がある。VP/VC設定時には、ユーザは通信に必要な帯域や品質クラスを申告してVP/VCを確保する。
【0016】
SVP/SVC手順では、ITU-T Q.2900シリーズで規定されたシグナリングメッセージ(Setupメッセージ、Releaseメッセージ等)をやりとりすることで呼の設定解除をおこなう。図65は、このようなコネクションの設定手順を示している。図65において、ATM網11上にはATMスイッチ(ATM SW)12が設けられ、送信端末13と受信端末14の間でデータを転送する。
呼の設定時には、送信端末13よりSetupメッセージが発信され、送信端末13、ATMスイッチ12、および受信端末14の間で交渉が行われる。そして、受信端末14より発信されたConnectメッセージが送信端末13に到達すると、ユーザデータ用のチャネル(コネクション)が設定される。
【0017】
また、ATMでは、図66に示すように、ポイント−マルチポイント呼設定手順(マルチキャスト設定手順)により、1つの送信者(Root)からのメッセージをATMスイッチにより分配して、複数の受信者(Leaf)に配布することが可能である。この場合、まず、送信者15からスイッチ16を介して最初の受信者18にSetupメッセージ(SETUP#1,SETUP#2)が送られ、送信者15と受信者18の間に呼が開設される。その後、Add partyメッセージ(ADD PARTY)により、次の受信者19が追加される。
このとき、スイッチ16は、送信者15からADD PARTYを受け取ると、スイッチ17を介して受信者19にSetupメッセージ(SETUP#3,SETUP#4)を送る。そして、受信者19からConnectメッセージ(CONNECT)を受け取ると、送信者15にAdd party Ack.メッセージ(ADD PARTY ACK.)を返送する。これにより、送信者15と受信者18の間に設定されたコネクションに、受信者19がパーティとして追加される。
同様にして、送信者15がAdd partyメッセージを送ることにより、上述のコネクションに3番目の受信者20が追加される。4番目以降の受信者についても、同様の手順で追加することが可能である。尚、ATMフォーラム(ATM Forum)では、この手順に加えて、受信者主導でポイント−マルチポイント呼を設定する手順も規定されている。
【0018】
(e) ATMネットワークとの連携
IPパケットをATMで転送することは、既にWAN(Wide Area Network)等においてよく行われている。しかし、かかる網における転送は、ポイント-ポイント呼接続(ポイント−ポイントコネクション)によるbest-effort転送であり、RSVPによる品質確保制御はIPレイヤのみで閉じていた。
このため、RSVPで制御される資源確保メカニズムと、ATMの品質制御やポイント-マルチポイント制御を生かしたコネクション制御メカニズムとを連携させることで、IP通信におけるものより柔軟で信頼性が高く、網の利用効率の高い通信が可能であると考えられる。しかし、その手法は未だ確立していない。
現在IETFではインターネット上でQoS品質保証サービスを実現するために、 Integrated Serviceを標準化しつつある。これらサービスのためのシグナリングプロトコルとして唯一提唱されているのがRSVPであるが、前述のようにRSVPをATMネットワークへマッピングする手法はまだ確立していない。
【0019】
(f) ATM網を含む通信ネットワーク
RSVPによる資源予約手順は、前述したように、受信端末からの資源予約メッセージ(Reserveメッセージ)によって開始する。又、ATM網とIP網の境界上にはIP通信とATM通信の両方の機能を持つ境界装置(IP-ATM連携装置)が設けられる。従って、RSVPをATMネットワークへマッピングするには、境界装置がReserveメッセージを受信したとき、それを契機にRSVPで要求される品質を保証するようにATMコネクションを確立すればよい。
図67は、かかる境界装置を含む通信ネットワークの構成を示している。このネットワークは、IP網31、32-1〜32-nと、それらの間にあるATM網33から成る。ここでは、IP網31内にある送信端末Sと、それぞれ別のIP網32-1〜32-n内にあるn個の受信端末R1〜Rnとの間で、ATM網33を介して1対多(1対マルチ)のデータ転送を行うこと想定している。
【0020】
ATM網33は、ATMスイッチ(ATMsw)を含んでおり、送信端末側のIP網31とATM網33の境界位置には境界装置EN0が設置され、受信端末側のIP網32-1〜32-nとATM網33の境界位置には境界装置EN1〜ENnがそれぞれ設置されている。ATM網33は一般に複数のATMスイッチを含むが、図では説明上1つのみ示している。ただし、複数の場合も、以下の実施形態の構成および動作は同様である。
以上のように経路途中にATM網が存在する場合、境界装置間で直接ATMコネクションを確立し、IPパケットデータをATMセルに変換し、該ATMコネクションを介してセルを転送することにより、ATMの品質制御機構により高品質な通信を可能とする。
【0021】
図68、図69はATM網を介してIP通信する場合の制御手順説明図であり、Sは送信者、RTiはルータ、SwはATMスイッチ、Rは受信者である。尚、予めルーチングプロトコルによって送信者Sと受信者R間のルートは求まっているものとする。
まず、送信者SはPATHメッセージを受信者R方向に送出する。該PATHメッセージはルータRT1→送信者側境界装置EN0→受信者側境界装置EN1→ルータRT2を介して受信者Rに到着する。受信者RはPATHメッセージを受信したとき、送信者Sが配信するデータを受信したければ、該データの受信に必要な帯域(要求帯域)をRESVメッセージ中に書き込み、PATHメッセージと逆方向に該RESVメッセージを送出する。このRESVメッセージはルータRT2→受信者側境界装置EN1を介して送信者側境界装置EN0に到達する。RESVメッセージが到達すると、送信者側境界装置EN0は要求された帯域を確保できるか判断し、確保できればATMシグナリングを用いて、SETUPメッセージを受信者側境界装置EN1へ送る。受信者側境界装置EN1はコネクションを張ることが可能であれば、SERTUPメッセージに応答してCONNECTメッセージを送信者側境界装置EN0へ返す。これにより、データ転送のためのATMコネクションが確立する。送信者側境界装置EN0はCONNECTメッセージを受信すれば、送信者Sに受信者から受信してあるRESVメッセージ送信する。
【0022】
図70は以上の物理的なネットワーク構成をIPレイヤとATMレイヤに分解したものであり、IPレイヤでは、送信端末Sが境界装置EN0、EN1〜ENnを介して受信端末R1〜RnとIP通信を行い、ATMレイヤでは、送信側の境界装置EN0が受信側の境界装置EN1〜ENnとの間にATMコネクションを設定して、ATM通信を行っている。送信端末Sおよび受信端末R1〜Rnは、IPプロトコルによるパケット転送機能を持っており、それぞれに一意のアドレスとしてIPアドレスを保持している。例えば、送信端末Sが受信端末R1〜Rnに対してアプリケーションデータを転送する場合、データは送信端末SのIP処理部によって可変長のパケット(データグラム)に分解され、送信先のIPアドレスが付加された後、伝走路に送出される。受信端末R1〜Rnは、受信したパケットから元のデータを組み立てて、アプリケーション実行部に渡す。
【0023】
ATMスイッチはATM網33網内に設定され、セル単位で交換処理を行う。ATM網33内を転送されるデータはすべて、53バイト単位のセルに分割されている。
異なるネットワーク間(IP網−ATM網間)に位置する境界装置EN0、EN1〜ENnは、IP網31、32-1〜32-n側から到着したIPパケットをATMセルに分解して、ATM網33側に送出する機能と、その逆の機能とを合わせ持つ。また、IP通信機能としては、IPパケットの方路を決定するルーティング機能を持ち、ATM通信機能としては、ATMセル交換およびATMコネクション設定の機能を持つ。
【0024】
境界装置EN0、EN1〜EN0は、さらに以下のような3つの機能も持っていいる。
(1) 帯域制御機能
この機能は、受信端末R1〜Rnの要求する帯域に基づいて、どのような大きさの帯域でどのような種類のATMコネクションを張るかを設定するポリシング(policing)機能を含む。
(2) コネクション管理機能
残されている未使用のVPI/VCI及び未使用の帯域を管理し、新たな帯域要求に対してVPI/VCI及び要求帯域の提供が可能か否かを判断し(admission control)、シグナリングを行う。
(3) アドレス解決機能(address resolution function) ATM網33を経由してIPパケットを目的の受信者に転送するとき、IPパケットに付加されたフロー識別子(セッション識別子)から、送信先の境界装置EN1〜ENnのATMアドレス(VPI/VCI)を得る必要がある。フロー識別子としては、送信先IPアドレスが用いられる。各境界装置は、▲1▼送信先IPアドレスから該送信先端末が接続する境界装置のIPアドレスを求めることができるようにルーチングテーブルを保持し、かつ、▲2▼境界装置のIPアドレスとそのATMアドレス(VPI/VCI)の対応テーブル (address resolution table)を保持する。
【0025】
前述したように、RSVPの制御メッセージは、送信端末Sと受信端末Riの双方から送出る。これらの制御メッセージをATM網33を介して転送するために、ATM網33の境界上にある送信側の境界装置EN0と受信側境界装置EN1〜ENnとの間で直接 ATMコネクションを張る。ATMコネクションを張ることによって、IPルーティングによる処理遅延時間の削減、および制御メッセージ用の高品質なコネクションの提供を可能にする。この制御メッセージ用のコネクションは、データ転送用のコネクションとは別に設定され、制御メッセージ転送専用に用いられる。
【0026】
(g) 制御メッセージ用のコネクションの確立
制御メッセージ用のATMコネクションの張り方としては、図71および図72に示すように2種類考えられる。図71は、送信側境界装置EN0と各受信側境界装置EN1〜ENn間で双方向のATMポイント−ポイントコネクションを張る方法を示している。これにより、各受信側境界装置EN1〜ENn毎に、双方向に制御メッセージを転送するための高品質なパスが提供される。
【0027】
一方、図72は、ATMポイント−マルチポイントコネクションとATMポイント−ポイントコネクションを併用する方法を示している。ここで、送信側から受信側に向かう下り方向の通信に関しては、境界装置EN0から境界装置EN1〜ENnに対してp-mpコネクションを張り、その逆の上り方向の通信に関しては、各受信側境界装置EN1〜ENn毎に、個別にATMポイント−ポイントコネクションを張る。下り方向にATMポイント−マルチポイントコネクションを使用することによって、境界装置EN0とATMスイッチ間のVPI/VCI資源及び帯域資源を有効に利用できる。
以上のように、IP網上で動作する通信品質制御用プロトコルの制御メッセージを転送するために、ATM網33ではATMポイント-ポイントコネクションまたはATMポイント-マルチポイントコネクションが用いられる。
又、設定されたコネクションによる転送形態としては、ベストエフォート転送またはQoS保証付き転送が考えられる。ソフトウェアステートによる状態保持を行うRSVP等のシグナリングプロトコルでは、制御メッセージパケットのロスは、直接そのプロトコル性能の悪化につながる。このため、制御メッセージ転送用コネクションとしては何らかのQoS保証付き転送ルートを用意することが望ましい。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
RSVPのATMマッピングの問題点の一つに、複数のユーザ(受信者)からの資源要求(帯域要求)に対してどのようなコネクションをどのような帯域で割り当てるかという問題がある。
各受信端末Riからの要求帯域 BWr(i)は受信端末毎に異なる。しかし、異なった受信端末に対してATM交換機がSVC設定を行うとすれば、SVC資源の枯渇(VPI/VCIの浪費)につながる問題がある。
【0029】
又、RSVPは、複数の受信端末R1〜Rnに対するマルチキャストを想定したプロトコルであり、複数の受信者から各々異なる資源要求が出される。一方、ATM技術には、マルチキャストをサポートする一対多通信用のポイント-マルチポイント・コネクション(p-mpコネクション)がある。しかし、ATM網では1つのp-mpコネクションは1つの帯域でしか確立出来ない。ここに問題が生じる。つまりRSVPのように複数受信者から異なる帯域でコネクションが要求されると、1つのp-mpコネクションで全受信者の要求を満たすためには、全要求帯域のうち最大帯域を用いてp-mpコネクションを張らなくてはならない。すなわち、各受信者に対して最大帯域でマルチコネクションを張る必要があり、ネットワーク資源の浪費につながる問題がある。
又、RSVPを用いた場合、送信端末からの推奨帯域BWsや受信端末からの要求帯域BWrは時間と共に変化し、そのたびにATMネットワークでSVC最設定を行うと、ATM交換機におけるプロセッサの負荷が過大になる問題がある。
【0030】
図73は送信側境界装置EN0と受信側の5つの境界装置EN1〜EN5の間に p-mpコネクションを確立する場合の説明図である。
送信者から提供される1つのマルチキャストセッションに対し、境界装置EN1〜EN5に属する5つの受信者から帯域要求があり、それぞれの受信者が異なる大きさの帯域を要求している。境界装置EN1〜EN5はそれぞれ任意の帯域の単位をBとして、それぞれ10B, 5B, 6B, 1B, 2Bの帯域要求を受信者から受け取る。これら5つの要求帯域のうち最大の要求帯域は10Bであるので、ATM網33は1つのp-mpコネクションでサービスする場合、10Bの帯域でコネクションを張らなくてはならない。この方法では、1つのコネクションで済むため、VPI/VCIが節約されるが、1Bしか帯域を要求していない受信者に対し10Bの帯域を提供することになり、ネットワーク資源(帯域資源)の無駄が生じる。
【0031】
一方、受信者の要求に対して忠実にコネクションを確立することを考えると、ATM網33は一対一通信用のポイント・ポイント・コネクション(p-pコネクション)を利用するのが自然である。すべての受信者に対し、p-pコネクションでサービスした場合、図74に示すように各受信者の要求帯域で各コネクションが張られる。この方法では、受信者の要求する帯域でコネクションを確立するため、1つ1つのコネクション自体には帯域の無駄はない。しかし、送信側境界装置EN0は資源要求の数だけコネクションを提供しなくてはならないため、VPI/VCI資源の無駄が生じる。また、コネクションの束34が示すように、同じ方路に向かう1つのデータに対し複数のコネクションが存在するため、送信側境界装置EN0のATM網側で帯域資源の無駄が生じる。この傾向は送信側に行くほどひどくなる。
【0032】
以上のようにATM網33において、マルチキャストセッションに対し適切な帯域でコネクションを確立するのが難しい。かかる問題点を解決するために上記2つのコネクション方式(p-mpコネクション、p-pコネクション)を併用することが考えられる。つまり、p-pコネクションとp-mpコネクションの組み合わせで一つのマルチキャストセションをサポートする方法である。しかし、従来は、p-pコネクションとp-mpコネクションの最適な組み合わせを提供する方法がなかった。
【0033】
従って、本発明の目的は、ATM網内におけるSVC資源(VPI/VCI資源)の枯渇を回避し、かつ、送信端末からの推奨帯域 BWsや受信端末からの要求帯域 BWrが変化してもSVC設定回数を削減できるようにすることである。
本発明の別の目的は、要求帯域が異なる複数の受信者にATM網を介してIPパケットを送信する場合、ATM網において、ポイント−ポイントコネクション(p-pコネクション)とポイント−マルチポイントコネクション(p-mpコネクション)の最適な組み合わせを選択できるようにすることである。
本発明の別の目的は、タグ(VPI/VCI)リソース及び帯域の資源枯渇が最もひどくなる送信側境界装置とそれに接続する第1番目のATM交換機間の資源使用状況(VPI/VCI資源、帯域資源)を考慮して最適なコネクションを設定できるようにすることである。
【0034】
本発明の別の目的は、送信側境界装置とそれに接続する第1番目のATM交換機間のみならずATM網内部の他のATM交換機における帯域有効利用度、すなわち、ATM網全体としての帯域の有効利用度を考慮して、最適なデータ配信サービス用のコネクションをATM網に設定できるようにすることである。
本発明の別の目的は既存のコネクションの分離により、ATM網内の帯域有効割当率が向上する場合に、該コネクションの分離を指示することである。
本発明の別の目的は、データ配信セッションの開始時や立ち上がり時、コンテンツの切り換わり時など受信者からの予約要求数が急激に変化する状況において、コネクションの分離や張替を抑制し、これにより、ATM網内のシグナリングメッセージ量の増加を防ぎ、境界装置のみならず各ATM交換機のシグナリング処理負荷を軽減することである。
【0035】
本発明の別の目的は、要求帯域の分散値、具体的には帯域の平方変動係数を導入してより帯域有効割当率が向上する場合にコネクションの分離、張替を指示することである。
本発明の別の目的は、1つのマルチキャストコネクションを既存のコネクションと新規コネクションの2つに分離するとき、簡単な方法で、かつ、帯域有効割当率が向上するように分離することである。
本発明の別の目的は、分離後の新規コネクションに属する資源要求数を制約することによりATM交換機のシグナリング処理負荷を軽減することである。
【0036】
本発明の別の目的は、データ配信セッション毎に、隣接する帯域の2つのグループのコネクションを統合するものとした場合の帯域有効割当率を定期的に監視し、監視結果に基づいて帯域有効割当率の低下を押さえつつコネクションを統合し、送信側境界装置とATM交換機間のリソース不足を解消することである。
又、要求帯域の分散値、具体的には帯域の平方変動係数を導入してコネクション統合後も高い帯域有効割当率が維持できるコネクションの統合をすることである。
本発明の別の目的は、統合後のコネクションに属する資源要求数が設定数以上にならないようにコネクションの統合をすることにより、ATM交換機等のシグナリング処理負荷を軽減することである。
【0037】
【課題を解決するための手段】
(a) 第1のコネクション設定(単一のp-mpコネクションの設定) 本発明は、送信端末を収容するIP網と受信端末を収容するIP網間にATM網が存在し、又、IP網とATM網の境界にIP通信機能とATM通信機能を有する境界装置が存在し、ATM網内にコネクションを設定して送信端末と複数の受信端末間で1対Nの通信を行うIP通信網に関するものであり、以下のようにATM網に単一の1対Nのコネクションを設定して課題を解決する。
(a-1) 第1の方法: 1つのデータ配信セッションに対して、送信端末から通信品質制御プロトコルに従って受信端末に送られる推奨帯域をBWsとするとき、送信側境界装置はBWs/ρ(k)を帯域とするポイント−マルチコネクション(p-mpコネクション)を設定して1対Nの通信を行う。なお、ρ(k)は1以下の使用率である。
【0038】
(a-2) 第2の方法:
1つのデータ配信セッションに対して、各受信端末から要求される帯域BWr(i)の最大要求帯域をBWmaxとするとき、送信側境界装置は、BWmax/ρ(k)を帯域とするポイント−マルチコネクション(p-mpコネクション)を確立して1対Nの通信を行う。
以上により、ATM網内におけるSVC資源(VPI/VCI資源)の枯渇を回避し、かつ、受信端末からの要求帯域 BWrが変化してもp-mpコネクションの帯域が変化しないため、あるいは頻繁に変化しないため、SVC設定回数を減少できる。又、リンク内収容コネクション数が多くなるにつれてρ(k)を小さくしたから、すなわち、p-mpコネクションの帯域を大きくしたから、収容コネクション数が多くなって帯域割当が安定しない場合であってもユーザが希望する品質でデータを送信することができる。
【0039】
(b) 第2のコネクション設定(コネクションの分離) 本発明は、送信端末を収容するIP網と受信端末を収容するIP網間にATM網が存在し、又、IP網とATM網の境界にIP通信機能とATM通信機能を有する境界装置が存在し、1つのデータ配信セッションに対して、受信端末は通信品質制御プロトコルに従って所定の資源(帯域)を要求し、送信側境界装置は各受信端末からの資源要求に基づいてATM網内に複数のポイント−マルチコネクション及びまたはポイントーポイントコネクションを設定し、1つの送信端末と複数の受信端末間で1対Nの通信を行うIP通信網に関するものであり、以下のようにATM網にコネクションを設定して課題を解決する。
【0040】
(b-1) 分離判断
受信端末からの資源受信を要求帯域毎に複数にグループ化し、グループ毎に1つのp-pコネクションまたはp-mpコネクションを設定し、資源要求数が変化した時、該資源要求数の変化したグループに応じたコネクションの帯域有効割当率が設定値以下であれば、帯域有効割当率が改善されるように該グループに属する要求を2つのグループに分離し、各々にコネクションを設定する。このようにすれば、送信側境界装置とそれに接続する第1番目のATM交換機間のみならずATM網全体の帯域有効利用度を考慮して最適なデータ配信用のコネクションを設定できる。
又、前記設定値を資源要求数の変化率に基づいて可変する。このようにすれば、データ配信セッションの開始/立ち上がり時やコンテンツの切り換わり時など受信者からの予約要求数が急激に変化する状況において、コネクションの分離や張替を抑制でき、これにより、ATM網内のシグナリングメッセージ量の増加を防ぎ、境界装置のみならずATM交換機のシグナリング処理負荷を軽減できる。
又、コネクションの要求帯域分散値を考慮して該コネクションを分離するか否かを決定する。このようにすれば、より帯域有効割当率が向上するようにコネクションの分離、張替ができる。
【0041】
(b-2) 分離の仕方
所定帯域毎に複数の帯域クラスを設定し、1以上の帯域クラスでグループを構成し、グループ毎に1つのコネクションを設定する。コネクションを分離する際、該コネクションに応じたグループ(分離対象グループ)に属するクラスを2つのグループに分離し、各々のグループにコネクションを設定する。この場合、(1)グループのクラスを、帯域の小さいクラスから所定数のクラスまでのグループと、それ以外のクラスのグループに分離し、各グループにコネクションを設定する。(2) 又、分離対象グループに属する全資源要求の要求帯域の平均値を計算し、該平均帯域に対応するクラスを境界にしてグループを2分し、各分離グループにコネクションを設定する。(3) 又、分離対象グループにおける最小帯域のクラスから所属要求数を累計し、累計値が所定の設定数になったクラスを境界にグループを2分し、各分離グループにコネクションを設定する。
(1),(2)のように分離すれば、簡単な方法で、かつ、帯域有効割当率が向上するようにグループを2分し、各分離グループにコネクションを設定することができる。又、(3)のように分離すれば、分離後の新規コネクションに属する資源要求数を制約することができ、ATM交換機のシグナリング処理負荷を軽減できる。
【0042】
(c) 第3のコネクション設定(コネクションの統合)
受信端末からの資源要求を要求帯域毎に複数にグループ化し、グループ毎にコネクションを設定し、定期的に、隣接する帯域の2つのコネクションを統合するとした場合の帯域有効割当率を計算し、該帯域有効割当率が設定値以上であれば、2つのグループのコネクションを統合して1つのポイント−マルチポイントコネクションを設定する。以上のようにすれば、帯域有効割当率の低下を押さえつつコネクションを統合し、送信側境界装置とATM交換機間のリソース不足を解消できる。又、要求帯域の分散値を導入することにより、高い帯域有効割当率を維持するようにコネクションの統合ができる。又、統合後のコネクションにおける要求数が設定数以下であることを統合の条件とすることにより、ATM交換機のシグナリング処理負荷を軽減できる。
【0043】
【発明の実施の形態】
(A)ルート主導型コネクション設定方式
マルチキャストなどに代表される配信型データ通信を考えると、データを送信する送信端末とそれを受信する1つ以上の受信端末が存在する。現在インターネット上は、送信されるデータ特性に応じて、そのデータ特性・品質を保証するための資源予約が要求されている。
ATMは品質保証を提供するのに適したネットワーク技術であり、ATM網上へIP網を収容するということは、IP網上で動作する資源予約プロトコル(例えばRSVP)をATM網に収容することを意味する。つまりATM網とIP網の境界に位置する境界装置は、IP網上で動作する資源予約プロトコルのメッセージに応じてATMコネクションを確立しなくてはならない。
【0044】
現在有力なIP上の資源予約プロトコルであるRSVPを例にとると、送信端末はデータトラヒック特性を示すパスメッセージを下流(受信端末)に送出し、受信端末は資源要求メッセージを上流(送信端末)に送出する。境界装置が受信端末から資源要求メッセージをもとにATMコネクションを確立する場合、送信側境界装置が ATMコネクションを確立するか(root主導型)、受信側境界装置がATMコネクションを確立するか(leaf主導型)の二通りがある。
本発明は、受信端末からの帯域予約要求メッセージの受信を契機に、送信側境界装置がATMコネクションを確立するルート主導型コネクション設定方式を基本とするものである。送信側境界装置は受信端末群からの要求帯域に応じて、適切なコネクション(p-pコネクション、p-mpコネクション)を設定しなければならない。本発明は、送信側境界装置の動作の各フェーズにおいて、境界装置が帯域制御機能が従うべきポリシングを提案する。
【0045】
図1はルート主導型コネクション設定方式におけるコネクション確立動作の説明図であり、図67のネットワークと同一の構成を備えている。
送信端末Sは所定の配信情報(コンテンツ)を送信するに先立って、pathメッセージをマルチキャストする。該pathメッセージを受信し、受信を希望する場合には、受信端末R1〜Rnは送信端末Sに向けて、IPレベルで資源予約メッセージのパケットを送出する。受信側境界装置EN1〜ENnは、資源予約メッセージのIPパケットを受け取ると、パケット内の情報から送信端末Sの属する送信側境界装置EN0のIPアドレスを知る。
【0046】
また、受信側境界装置EN1〜ENnは、境界装置のIPアドレスとATMアドレスの対応テーブルを備えており、該テーブルを参照して送信側境界装置EN0のATMアドレスを取得する。そして、既存の制御メッセージ用コネクションを利用して、受信したIPパケットをセル化して送信側境界装置EN0へ転送する。
送信側境界装置EN0のIPアドレスを知るためには、受信側境界装置EN1〜ENnがpathメッセージに基づいて管理しているRSVPフロー状態(path state)を利用する。前述したように、RSVP機能を備えた網内装置(送信端末、受信端末、境界装置等)は、現在通信中のRSVPフローを特定するためのフロー識別子(例えば送信先IPアドレス)を保持している。そして、各フロー識別子に対して、その網内装置のIPアドレスや1つ手前のホップ(Hop)のIPアドレス等の情報をパス状態として保持している。
【0047】
また、RSVPの制御メッセージ自身もフロー識別子を持っているので、境界装置EN1〜ENnは、資源予約メッセージを受信したときに、そのフロー識別子を知ることができる。そして、境界装置EN1〜ENnが管理しているフロー状態のうち、受信した資源予約のメッセージのフロー識別子に対応するものを参照すれば、送信側の次のホップ(1つ手前のホップ)のIPアドレス、つまり、送信側境界装置EN0のIPアドレスを取得することができる。
次に、資源予約メッセージのIPパケットを受け取った送信側境界装置EN0は、特定の判断ポリシ−に従って要求帯域を満足させるデータ転送用コネクションを張るとともに、その資源予約メッセージのIPパケットを送信端末Sに転送する。このようにして、ネットワーク内の帯域予約が行われる。
【0048】
(B)ルート主導型コネクション確立動作
更に詳細に説明すると、ルート主導型コネクション確立動作は次のような手順で行われる。
P1:送信端末Sからデータのトラフィック特性情報(データレート、ピークレート、推奨レート等)を、RSVPのパスメッセージPATHとして全受信者に向けてマルチキャストする。
P2:パスメッセージが送信側境界装置EN0に到着すると、送信側境界装置EN0は、パスメッセージの送信先IPアドレスから、受信側境界装置EN1〜ENnのATMアドレスを求める。そして、送信側境界装置EN0は、該パスメッセージを予め各境界装置間で用意されている制御メッセージ用のATMコネクションを介して各受信側境界装置EN1〜ENnに転送する。
P3:各受信側境界装置EN1〜ENnはpathメッセージを受信すれば該メッセージを各受信端末R1〜Rnに送信する。これにより、各受信者は、送信端末Sからのデータの特性を知る。
【0049】
P4:各受信端末R1〜Rnは、受信したパスメッセージをもとに、資源予約メッセージ(Reserveメッセージ:RESV)を生成する。RESVメッセージには、受信端末の要求データレート、要求ピークレート、要求帯域等の情報が含まれる。ここでは、まず、受信端末R1が、資源予約メッセージを境界装置EN1に送出する。
P5:受信端末R1から資源予約メッセージを受け取った境界装置EN1は、それに含まれるフロー識別子から、資源予約メッセージの転送先の境界装置EN0のIPアドレスを知り、IPアドレス−ATMアドレス変換テーブルを参照してそのATMアドレスを取得し、資源予約メッセージを境界装置EN0へ転送する。
P6:受信端末R1と同様に、受信端末R2〜Rnも資源予約メッセージRESVを境界装置EN2〜ENnに送出する。
P7:境界装置EN1と同様に、境界装置EN2〜ENnも資源予約メッセージRESVを境界装置EN0に転送する。
【0050】
P8:受信端末R1から資源予約メッセージを受け取った送信側境界装置EN0は、それに含まれる要求帯域をもとに、受信端末R1の要求を満たすようなATMコネクションが可能か判断する。可能であれば、受信端末R1の属する受信側境界装置EN1に対してATMコネクションを確立するために、セットアップメッセージSETUPをATMスイッチに送出する。
P9:セットアップメッセージを受け取ったATMスイッチは、それを境界装置EN1に転送する。
P10:セットアップメッセージを受け取った境界装置EN1は、接続確認メッセージCONNECTをATMスイッチに返送する。
P11:接続確認メッセージを受け取ったATMスイッチは、それを境界装置EN0に転送する。
【0051】
P12:接続確認メッセージを受け取った境界装置EN0は、受信端末R1からの資源予約メッセージを送信端末Sに転送する。
P13:受信端末R1と同様に、各受信端末R2〜Rnから資源予約メッセージを受け取った送信側境界装置EN0は、それに含まれる要求帯域をもとに、各受信端末R2〜Rnからの要求を満たすようなATMコネクションが可能であるか判断する。可能であれば、各受信端末R2〜Rnの属する各受信側境界装置EN2〜ENnに対してATMコネクションを確立するために、セットアップメッセージSETUPをATMスイッチに送出する。
P14:セットアップメッセージを受け取ったATMスイッチは、それを各境界装置EN2〜ENnに転送する。
【0052】
P15:セットアップメッセージを受け取った各境界装置EN2〜ENnは、接続確認メッセージCONNECTをATMスイッチに返送する。
P16:接続確認メッセージを受け取ったATMスイッチは、それを境界装置EN0に転送する。
P17:接続確認メッセージを受け取った境界装置EN0は、各受信端末R2〜Rnからの資源予約メッセージを送信端末Sに転送する。
以上のコネクション確立動作では、主として、送信側境界装置EN0と各受信側境界装置EN1〜ENnとの間でポイント−ポイントコネクション(p-pコネクション)を確立する場合における動作示しているが、ポイント−マルチポイントコネクション(p-mpコネクション)を確立する場合の動作につても同様である。p-mpコネクションの確立動作においては、リーフ追加メッセージADD PARTYと、リーフ追加確認メッセージADD PARTY ACKとが用いられる。
【0053】
又、以上では、p-pコネクションあるいはp-mpコネクションを確立する動作であるが、実際には後述するように送信側境界装置EN0と受信側境界装置EN1〜ENn間に最適なコネクションが設定される。
以上のように、ルート主導型コネクション設定においては、送信側境界装置がすべての受信端末からの資源予約メッセージを受け取り、その要求をもとにして、提供すべき最適なATMコネクションを判断し、そのコネクションを確立する。この方法では、コネクション状態の情報の保持からコネクション確立までのすべての制御を送信側境界装置EN0が行うため、管理が行いやすい。特に、ATMのp-mpコネクションは、基本的に送信側からのみ確立可能であるので、ルート主導型の方法はその点においても優れている。
【0054】
(C)エントリ式コネクション設定
次に、ルート主導型コネクション設定において一定のエントリ時間を設けるエントリ式コネクション設定について説明する。この方法では、複数の受信端末からの資源予約メッセージのうち最初のものが送信側境界装置EN0に到着したとき、送信側境界装置が直ちにコネクション確立を開始するのではなく、タイマを用いて特定の予約受付エントリ時間だけ待ってから、コネクション確立を開始する。この場合、1つのデータフロー毎に、すなわち、1つのpathメッセージ毎に1つのエントリタイマが送信側境界装置EN0内に用意される。
【0055】
例えば、送信者が複数の受信者(ユーザ)に対して商業番組等のデータをマルチキャストする場合、番組の宣伝情報としてpathメッセージを定期的に受信者に流す。この場合、1つの番組については、同じpathメッセージが繰り返し転送される。そして、受信者がそ番組の受信を希望するとき、受信端末に対して資源予約メッセージ送出を指示する。
したがって、pathメッセージを受信したすべての受信端末が直ちに資源予約メッセージを返送するとは限らず、複数の資源予約メッセージが送信側境界装置EN0に届くタイミングにはずれが生じる。そこで、それらの資源予約メッセージをまとめて受け付けるために、一定のエントリ時間が設けられる。
【0056】
図2は、エントリ式コネクション確立動作のシーケンスを示している。この例では、次のようなシーケンスにより、ATM網33においてp-mpコネクションが確立される。
P21:送信端末Sからマルチキャストアドレスを用いて、セッション内のすべての受信端末R1〜Rnに向けて送信トラフィック特性を記述するパスメッセージPATHが送信される。
P22:パスメッセージは、ATM網33内の制御メッセージ用コネクションを通って各受信側境界装置EN1〜ENnに転送される。
P23:パスメッセージがすべての受信端末R1〜Rnに到着する。
P24:受信端末R1からの資源予約メッセージRESVが境界装置EN1に到着する。
【0057】
P25:境界装置EN1からの資源予約メッセージは、基本的にパスメッセージと同じ経路を通って、送信側境界装置EN0に到着する。
P26:受信端末R1からの資源予約メッセージが第1番目の要求として境界装置EN0に到着すると、エントリタイマが起動し、エントリ受付が開始する。
P27:各受信端末R2〜Rnからの資源予約メッセージRESVが各境界装置EN2〜ENnに到着する。
P28:各境界装置EN2〜ENnからの資源予約メッセージは、基本的にパスメッセージと同じ経路を通って、エントリ時間内に送信側境界装置EN0に到着する。
P29:エントリタイマが切れ、この回のエントリ受け付けを終了する。受け付けられた要求に応じて、ATM網33内のコネクション確立動作に入る。
【0058】
P30:送信側境界装置EN0は、まず、受信端末R1の属する受信側境界装置EN1に対してATMコネクションを確立するために、セットアップメッセージSETUPをATMスイッチに送出する。
P31:セットアップメッセージを受け取ったATMスイッチは、それを境界装置EN1に転送する。
P32:セットアップメッセージを受け取った境界装置EN1は、接続確認メッセージCONNECTをATMスイッチに返送する。
P33:接続確認メッセージを受け取ったATMスイッチは、それを境界装置EN0に転送する。
P34:接続確認メッセージを受け取った境界装置EN0は、受信端末R1からの資源予約メッセージを送信端末Sに転送する。
【0059】
P35:ついで、送信側境界装置EN0は前記設定したコネクションに各受信側境界装置 EN2〜ENnをリーフ(leaf)として組み入れるために、リーフ追加メッセージADD PARTYをATMスイッチ送出する。
P36:リーフ追加メッセージを受け取ったATMスイッチは、各境界装置EN2〜ENnにセットアップメッセージSETUPを送出する。
P37:セットアップメッセージを受け取った各境界EN2〜ENnは、接続確認メッセージCONNECTをATMスイッチに返送する。
P38:接続確認メッセージを受け取ったATMスイッチは、リーフ追加確認メッセージADD PARTY ACKを境界装置EN0に送出する。
P39:リーフ追加確認メッセージを受け取った境界装置EN0各受信端末R2〜Rnからの資源予約メッセージを送信端末Sに転送する。
【0060】
図2では、受信端末R1からの資源予約メッセージが到着した時点で、エントリタイマが起動するが、一般には、複数の受信端末R1〜Rnのいずれかから最初の資源予約メッセージが到着した時点で、エントリタイマが起動する。そして、送信側境界装置EN0が、特定のエントリ時間内に受け付けたすべての資源予約メッセージに基づいて確立すべきコネクションを判断し、そのコネクションを確立する。
【0061】
以上のように、エントリタイマを設けることにより、受信端末からの資源要求をまとめて処理することができるため、無駄なコネクション張り替え等がなくなる。したがって、ネットワーク内を流れる各種のコネクション制御メッセージを減らすことができ、網内装置の処理の負担も減少することが期待できる。
特に、資源予約メッセージの数が非常に多い時、この方法は、送信側境界装置EN0の負荷およびATM網33の回線上を流れる制御メッセージ量を抑制することができるため、有効な方法であると考えられる。また、マルチキャストセッション等の開始時刻/終了時刻において受信端末から要求メッセージが集中することによるバースト性を、エントリ時間により吸収することが可能である。反面、受信者はコネクション確立に入るまで、最大でエントリ時間だけ待たされる。
【0062】
(D)送信側境界装置の構成
図3は、このようなエントリ式コネクション設定を行う送信側境界装置EN0の構成例を示している。図3の境界装置は、セル受信部41、RSVPメッセージ処理部42、IPアドレス−ATMアドレス変換テーブルメモリ43、エントリ制御部44、エントリタイマ45、ATM資源判定部46、ATMコネクション制御部47、セル送出部48、セルパケット化部49、およびパケット送出部50を備える。
セル受信部41は、受信側境界装置からのIPパケットをATMセルの形式で受信し、それに含まれるメッセージをRSVPメッセージ処理部42へ転送する。RSVPメッセージ処理部42は、受け取ったメッセージが資源予約メッセージであれば、その中のセッション識別子(フロー識別子)、受信側境界装置のIPアドレスおよび資源予約情報(要求帯域等)をエントリ制御部44へ通知する。
【0063】
また、RSVPメッセージ処理部42は、受信側境界装置のIPアドレスをIPアドレス−ATMアドレス変換テーブルメモリ43へ通知する。又、メッセージの本文はセルパケット化部49へ転送する。IPアドレス−ATMアドレス変換テーブルメモリ43は、RSVPメッセージ処理部44から通知されIPアドレスに対応するATMアドレス(つまり、受信側境界装置のATMアドレス)を、ATMコネクション制御部47に出力する。
エントリ制御部44は、RSVPメッセージ処理部42から受け取ったIPアドレスをフロー識別子として用い、フロー識別子毎にエントリタイマ45を起動する。そして、エントリ時間の間、対応するフロー識別子を持つ資源予約情報を収集する。エントリタイマ45は、複数のカウンタを含み、処理対象のフロー識別子毎に異なるカウンタを用いてエントリ時間をカウントする。
【0064】
エントリ時間内またはその経過後に、エントリ制御部44は、収集した資源予約情報をあらかじめ決められたアルゴリズムに応じて処理し、その結果を資源予約情報としてATM資源判定部46へ通知する。
ATM資源判定部46は、エントリ制御部44からの資源予約情報に対して、ATMコネクションの受付判定を行い、受付可能であれば、受付通知をATMコネクション制御部47へ送る。
ATMコネクション制御部47は、ATMコネクションの設定を制御し、ATM資源判定部46からの受付通知の受信を契機に、ATMシグナリングメッセージを生成して、セル送出部48へ転送する。セル送出部48は、ATMセルを受信者側へ送出する。以後、送信側境界装置EN0と受信側境界装置EN1間でATMシグナリングメッセージの送受が行われ、コネクションが設定される。
【0065】
セルパケット化部49は、RSVPメッセージ処理部42から受け取ったセル形式の資源予約メッセージをIPパケットに変換して、パケット送出部50に転送する。パケット送出部50は、セルパケット化部49から受け取ったIPパケットを送信端末へ送出する。
エントリ制御部44およびATM資源判定部46は、最適なコネクションを判断するポリシング機能に深く関わっており、通常、マイクロプロサッサ等の処理装置を備える。この処理装置は、メモリに格納されたプログラムを実行することにより、後述するような多様なポリシング機能を提供する。また、エントリ制御部44およびATM資源判定部46は、同様の機能を実現するハードウェア回路として構成してもよい。
【0066】
(E)各種コネクションの確立制御
エントリ式コネクション設定においては、▲1▼単一のポイント-マルチコネクションを確立するシステムと、▲2▼複数のポイント-マルチコネクションを確立するシステムと、▲3▼複数のポイント-ポイントコネクションを確立するシステムと、▲4▼ポイント-マルチポイントコネクションとポイント-ポイントコネクションの両方を確立するシステムの4つのシステムが考えられる。
【0067】
(a) 単一のポイント-マルチコネクション(単一のp-mpコネクション) 単一のp-mpコネクション確立システムは、1つの配信セッションに対して、送信側境界装置EN0が、エントリ時間の間、受信端末からの資源要求を受け付け、単一のp-mpコネクションを確立するシステムである。
送信側境界装置EN0が、受信端末から最初の資源予約メッセージを受け付けるのを契機に、エントリタイマを作動し、一定時間、他の資源予約メッセージを受け付ける。エントリタイマが切れると、エントリ時間内に受け付けた複数の資源要求を基にすべての要求を満たすような単一のp-mpコネクションを確立する。
図4はこのようなシステムの動作例を示している。図4において、複数の受信端末R1〜Rnから資源要求があり、例えば、受信端末R1からは5Bの帯域要求があり、受信端末Rnからは2Bの帯域要求がある。これらの帯域要求に対して、送信側境界装置EN0は、単一のp-mpコネクションを設定してサービスを提供する。ここでは、境界装置EN0と境界装置EN1〜ENnの間に、帯域5Bの単一のp-mpコネクションが張られる。
【0068】
このシステムは、複数の要求に対して一括して適正な帯域を判断することができるため、一度確立したコネクションを張り替えるといった無駄な動作を省くことができる。また、このシステムは、1つの配信セッションに対して単一のp-mpコネクションを用いるため、ATM網33内で使用されるVPI/VCIの数を節約できる。
さらに、送信側境界装置により近いリンクでは、帯域資源の節約が図れる。実際、図4では、境界装置EN0とATMスイッチの間のリンクでは、5Bの帯域が使用されているにすぎない。
仮に、境界装置EN1と境界装置EN1,ENnのそれぞれに対してp-pコネクションを確立すると、帯域5Bのコネクションと帯域2Bのコネクションが必要となり、これらのコネクションだけでも、境界装置EN0とATMスイッチの間で7B(=5B+2B)の帯域が使用される。したがって、単一のp-mpコネクションを用いることにより2Bの帯域が節約できる。
【0069】
しかし、ATM網33全体では、全要求帯域のうち最大帯域値をp-mpコネクションの帯域とするため、受信側境界装置により近いリンクの帯域資源が無駄になる。図4では、ATMスイッチと境界装置ENnとの間のリンクでは、要求帯域2Bに対して帯域5Bのコネクションを提供しているため3Bの無駄が生じている。
このシステムにより張られる単一のp-mpコネクションの帯域の決定方法と、コネクションの変更方法の詳細については、後述する。
【0070】
(b) 複数のポイント-マルチコネクション(複数p-mpコネクション) 次に、複数のp-mpコネクションを確立するシステムは、1つのセッションに対して、送信側境界装置EN0が、エントリ時間の間、受信端末からの資源要求を受け付け、複数のp-mpコネクションを確立する。
送信側境界装置EN0が、受信端末から最初の資源予約メッセージを受け付けるのを契機に、エントリタイマが作動し、一定時間、他の資源予約メッセージを受け付ける。エントリタイマが切れると、エントリ時間内に受け付けた複数の資源要求を基に全ての要求を満たすようなp-mpコネクションを複数確立する。
このとき、送信側境界装置EN0は、判断ポリシーに従って、SETUPメッセージにより新規コネクションを確立したり、ADD PARTYメッセージにより既存のp-mpコネクションの木(tree)にリーフ(leaf)を追加したりする。この判断ポリシーの詳細については後述することにする。
【0071】
図5は、このようなシステムの動作例を示している。図5において、送信側境界装置EN0は、受信側境界装置EN1、ENi(i=2,・・・・,n−1)、ENnから資源要求を受け付ける。ここでは、EN1およびENiから5Bの帯域要求を受け、ENnから2Bの帯域要求を受けている。
これらの帯域要求に対して、送信側境界装置EN0は、同じ帯域を要求している境界装置EN1およびENiに対して、帯域5Bのp-mpコネクションを割り当て、2Bの帯域を要求している境界装置ENnに対しては帯域2Bのp-mpコネクションを割り当てる。
【0072】
このシステムは、単一のp-mpコネクションでサービスを提供するシステムと比較して、VPI/VCIの消費は多いが、受信端末からの要求帯域に対してより適切なコネクションを割り当てるため、資源の有効利用が可能である。例えば、このシステムでは、受信側境界装置に近いリンクにおいて、図4のシステムよりも帯域資源が節約できる。これにより、資源要求が受け付けられる確立も高まり、呼がリジェクトされる可能性が減少する。
図5では、ATMスイッチから各受信側境界装置EN1、ENi、ENnまで、それぞれの要求帯域と同じ帯域のリンクを提供している。このため、図4のシステムと比較して、ATMスイッチと境界装置ENnの間では3B(=5B-2B)の帯域を節約している。しかし、一方で、境界装置EN0とATMスイッチの間では、図4のシステムよりも、帯域を2B多く消費している。
【0073】
(c) 複数のポイント-ポイントコネクション(複数p-pコネクション) 次に、複数のp-pコネクションを確立するシステムは、1つのセッションに対して、送信側境界装置EN0が、エントリ時間の間、受信端末からの資源要求を受け付け、複数のp-pコネクションを確立する。
このシステムは、受付開始後、資源要求の受付順に、p-pコネクションを割り当てる。この方法では、VPI/VCIを浪費するが、判断ポリシーを必要としない。又、このシステムは単純であり、ATM網33において最も基本的なサービス方法である。したがって、RSVPマルチキャストサービスにおていも、資源要求の数が少ない場合、1つの取りうる選択肢として考えることができる。
【0074】
図6は、このような、システムの動作例を示している。図6において、複数の受信端末R1〜Rnから資源要求があり、それぞれの要求帯域に応じて、p-pコネクションが確立される。例えば、受信端末R1から5Bの帯域要求があり、受信端末Rnから2Bの帯域要求がある。送信側境界装置EN0は、境界装置EN1の間に帯域5Bのコネクションを割り当て、境界装置ENnの間に帯域2Bのコネクションを割り当てる。
【0075】
図7は、このシステムにおける境界装置EN0の動作フローチャートである。境界装置EN0は、パスメッセージPATHを受信端末R1〜Rnに送出した後、資源予約メッセージRESVの受付状態となり(ステップST1)、1番目の資源予約メッセージが到着すると、エントリタイマ45によるカウントを開始する(ステップST2)。その後、他の資源予約メッセージが到着し(ステップST3)、エントリタイマ45によるカウントが終了すると、資源予約メッセージの受付を終了する(ステップST4)。
【0076】
次に、エントリ制御部44は、ATM資源判定部46を介して、ATMコネクション制御部47にp-pコネクションの確立を指示し、ATMコネクション制御部47は、各資源予約メッセージの要求帯域でコネクションを確立する(ステップST5)。そして、すべての資源予約メッセージに対応するコネクションの確立が終了すると(ステップST6)、パケット送出部50がパス上流に資源予約メッセージRESVを転送し(ステップST)、動作を終了する。
このシステムは、1つのセッションに対して、新たな受信端末から資源予約メッセージを受け付ける毎に、新たなp-pコネクションを確立する。これは、ATMコネクションを確立するにあたり、最も自然なシステムであるといえる。このシステムでは、どのようなコネクションを張るかという判断が必要ないため、コネクション確立動作が単純である。しかし、VPI/VCIの浪費は避けられない。
【0077】
(d) p-pコネクションとp-mpコネクションの併用
p-mpコネクションとp-pコネクションを混合して使用するシステムは、1つの配信セッションに対して、送信側境界装置EN0が、エントリ時間の間、受信端末からの資源要求を受け付け、複数のp-mpコネクションと複数のp-pコネクションを確立する。
このシステムは、同一または類似の資源要求をp-mpコネクションに収容し、例外的あるいは特異な要求に対しては、p-pコネクションを割り当てることで、ネットワーク資源を有効に利用する。これは、p-mpコネクションのみでコネクションを確立する図5のシステムと、p-pコネクションのみでコネクションを確立する図6のシステムとを2つの極端なシステムとした場合に、それらの中間に位置するシステムである。
【0078】
図8は、このようなシステムの動作例を示している。図8において、送信側境界装置EN0は、境界装置EN1から5Bの帯域要求を受け、境界装置ENi(i=2,・・・,n-1)から2Bの帯域要求を受け、境界装置ENnから2Bの帯域要求を受けている。送信側境界装置EN0は、同じ帯域を要求する境界装置ENi,ENnに対して2Bの帯域のp-mpコネクションを割り当て、唯一異なる5Bの帯域を要求する境界装置EN1に対しては帯域5Bのp-pコネクションを割り当てる。
このシステムは、同一または類似の資源要求をp-mpコネクションに収容し、例外的あるいは特異な要求に対して、p-pコネクションを割り当てるため、多数の受信者群を効率よく収容することが可能である。又、複数の資源要求に対して、送信側境界装置EN0が適切な判断ポリシーに従うことにより、最適なコネクションを確立することができる。この判断ポリシーの詳細については、後述する。
【0079】
(F)帯域決定/既存コネクションの張替/リーフ追加
次に、図4のシステムにより張られる単一のp-mpコネクションの帯域決定方法と、コネクションの変更方法について説明する。
(a) 第1の帯域決定法
・要求帯域の最大値に基づく帯域決定
IP網に属する受信端末からの資源要求のパラメータの種類や大きさは、要求するデータトラフィック特性(QoS保証サービス)に依存するが、サービスとしてのデータトラフィックには、大きく分けて、送信者が提供したいデータトラフィックと、そのトラフィックに対して受信者が実際に要求するデータトラフィックの2つがある。
【0080】
これをATM網側からみると、帯域決定方法は、送信者の申告するデータトラフィック特性に基づいて(RSVPにおいてはパスメッセージに基づいて)、予め流れる可能性のある最大帯域でコネクションを確立する方法と、受信者の要求するトラフィック特性に忠実に帯域を設定する方法の2種類に分けることができる。
まず、受信者の要求する資源予約メッセージに基づいて、送信側境界装置EN0がコネクションの帯域を設定するシステムを提案する。このシステムは、送信側境界装置が、エントリ時間内に受け付けたすべての受信端末からの資源要求をもとにコネクション確立動作に入る場合、受信端末から受け取った全資源予約メッセージにより要求される帯域の最大値を用いて単一のp-mpコネクションを確立する。
【0081】
図9は、このようなコネクション確立シーケンスを示している。図9において、各受信端末R1〜Rnは、送信端末SからRSVPパスメッセージPATHを受けている状態を想定している。その後、次のシーケンスにより、コネクションが確立される。
P41:受信端末R1から資源予約メッセージRESV_1が送信される。この結果、受信端末 R1から2Bの帯域要求が境界装置EN1を経由して送信側境界装置EN0に到着する。パスメッセージPATHをもとに生成された資源予約メッセージRESVには、受信者の要求するトラフィック特性が記述されている。図9では、RESV_1のピークレートpの値は、2Bに設定されている。
【0082】
RESV_1は、ATM網33内でパスメッセージPATHの送信に用いられた、予め用意されている制御メッセージ用コネクション(点線矢印)を介して、境界装置EN0に転送される。境界装置EN1は、RESV_1のフロー識別子をもとにフロー状態(pass state)を参照することで、境界装置EN0のIPアドレスを知ることができる。そして、IPアドレス−ATMアドレス変換テーブルるから境界装置EN0のATMアドレスを知り、RESV_1を転送する。
P42:送信側境界装置EN0が受信端末R1からのRESV_1を受け取ると、それを契機にエントリタイマを起動する。
P43:エントリ時間内に、受信端末Rnから5Bの帯域要求RESV_nを受け付ける。
【0083】
P44:エントリタイマが切れると、この時点で受け付けた帯域要求の中で最大の帯域を、確立すべきp-mpコネクションの帯域として決定する。すなわち、エントリ時間内に受信端末R1〜Rnからの資源予約メッセージRESV_1〜RESV_nを受け付けた場合、p-mpコネクションの帯域はmax{RESV_1,・・・,RESV_n}により決定し、この例では5Bとなる。
P45:送信側境界装置EN0は、p-mpコネクションを確立する。ここでは、最初に受け付けた資源要求を送出した境界装置EN1との間に、帯域5Bのコネクションを前述したようなシグナリング手順(SETUP、CONNECTメッセージの送受)に従って確立する。
P46:送信側境界装置EN0と受信側境界装置EN1の間のコネクションが確立すると同時に、境界装置EN0は、送信端末Sに向けてRESV_1を転送する。
P47:次に、境界装置ENnへの帯域5Bのリンクを、ADD PARTYメッセージを用いたシグナリング手順に従って、前記確立したp-mpコネクションに追加する(リーフ追加)。
【0084】
P48:送信側境界装置EN0と受信側境界装置ENnの間のコネクションが確立すると同時に、境界装置EN0は、送信端末Sに向けてRESV_nを転送する。
このようなシステムによれば、送信側境界装置EN0とATMスイッチの間のコネクション資源(VCI、帯域)を節約することができる。反面、ATMスイッチと受信側境界装置EN1〜ENnの間のリンクの帯域が、部分的に過大になる可能性がある。図9ではATMスイッチと受信側境界装置EN1の間の帯域が、要求帯域より3B(=5B-2B)だけ大きくなっている。
【0085】
・既存コネクションの張替
次に、確立されたコネクションを変更するシステムについて詳細を説明する。単一のp-mpコネクションでセッションを収容するシステムにおいて、既にp-mpコネクションが確立されているとする。このとき、新たな受信者からの資源要求を送信側境界装置EN0が受け、その要求帯域が既存p-mpコネクションの帯域よりも大きい場合、既存のp-mpコネクションを新たに張り替える。
このシステムでは、送信側境界装置EN0による資源要求の受け付けは定期的に行う。言い換えれば、送信側境界装置EN0は、1つのエントリが終了すると、次のエントリに入り、定期的にエントリされた資源要求を処理する。第1番目以降の任意のエントリにおいて、既存のp-mpコネクションの帯域よりも大きい帯域の新たな資源要求を受け付けた時、既存のp-mpコネクションを張り替える。
【0086】
図10は、このようなp-mpコネクションの張り替えシーケンスを示している。図10において、送信端末Sからは、パスメッセージPATHが定期的に各受信端末R1〜Rnに到着している。その後、以下のシーケンスによりコネクションを張り替える。
P61:送信側境界装置EN0は、第1のエントリにおいて、受信端末R1から要求帯域5Bの資源予約メッセージRESV_1を受け付け、エントリタイマが切れて第1のエントリが終了する。その後、帯域5Bで境界装置EN0,EN1間にコネクションを確立する(図示せず)。
【0087】
P62:第2のエントリにおいて、受信端末R1から要求帯域5Bの資源予約メッセージRESV_1を継続して受け付ける。それとともに、受信端末Rnから要求帯域8Bの資源予約メッセージRESV_nが、境界装置ENnを経由して、送信側境界装置EN0に到着する。
エントリタイマが切れると、境界装置EN0は、到着したメッセージの要求帯域と、同じ配信セッションの既存のp-mpコネクションの帯域とを比較する。ここでは、新要求帯域(=8B)>既存コネクションの帯域(=5B)であるから、コネクション張り替え動作に入る。
P63:まず、送信側境界装置EN0は、新要求送出元の境界装置ENnの間に、前述のシグナリング手順に従って、帯域8Bの新たなp-mpコネクションを確立する。そして、RESV_nを送信端末Sに転送する。
【0088】
P64:次に、境界装置EN0は、ADD PARTYを用いた前述のシグナリング手順に従って、境界装置EN1を帯域8Bの新コネクションに追加する。そして、RESV_1を送信端末Sに転送する。
P65:境界装置EN0は、直ちに、境界装置EN0,EN1の間の帯域5Bの旧コネクションを、決められたシグナリング手順に従って開放する。ここでは境界装置EN0がATMスイッチ経由してリリースメッセージRELEASEを境界装置EN1に送り、境界装置EN1は、ATMスイッチを経由してリリース確認メッセージをRELEASE COMPを境界装置EN0に返送する。
このシステムでは、新たなコネクションを追加せず、既存のp-mpコネクションを張り替えることにより、ATM網33内の資源の消費をあるレベル以内に抑えることができる。しかし、コネクション張り替えの動作が頻繁に生じると、ATM網33内のATM交換機の処理負荷が高くなるため、エントリ時間を調整することが必要になる。
【0089】
・ 既存コネクションへのリーフ追加
また、送信側境界端末が新たな受信者からの資源要求を受け、その要求帯域が既存p-mpコネクションの帯域よりも小さかった場合に、その要求に対応するリンク(リーフ)を既存のp-mpコネクションに追加する。このシステムでは、第1番目以降の任意のエントリにおいて、既存のp-mpコネクションの帯域よりも小さい帯域の新たな資源要求を受け付けた時、既存のp-mpコネクションに新たなリンクを追加する。
図11は、このようなコネクションの張り替えシーケンスを示している。図11において、送信端末Sからは、パスメッセージPATHが定期的に各受信端末R1〜Rnに到着している。その後、以下のリーフ追加のシーケンスによりコネクションを変更する。
【0090】
P71:送信側境界装置EN0は、第1のエントリにおいて、受信端末R1から要求帯域5Bの資源予約メッセージRESV_1を受け付け、エントリタイマが切れて第1のエントリが終了する。その後、帯域5Bで境界装置EN0,EN1の間にp-mpコネクションを確立する(図示せず)。
P72:第2のエントリにおいて、受信端末R1から要求帯域5Bの資源予約メッセージRESV_1を継続して受け付ける。それとともに、受信端末Rnから要求帯域3Bの資源予約メッセージRESV_nが、境界装置ENnを経由して、送信側装置EN0に到着する。
エントリタイマが切れると、境界装置EN0は、到着したメッセージの要求帯域と、同じ配信セッションの既存のp-mpコネクションの帯域とを比較をする。ここでは、新要求帯域(=3B)<既存コネクションの帯域(=5B)であるから、新たな受信者をコネクションに追加する動作に入る。
【0091】
P73:コネクションの張り替えは起こらないので、送信側境界装置EN0は、直ちに、RESV_1を送信端末Sに転送する。
P74:次に境界装置EN0は、ADD PARTYを用いたシグナリング手順に従って、境界装置ENnを帯域5Bの既存のコネクションに追加する。そして、RESV_nを送信端末Sに転送する。
このシステムでは、p-mpコネクションへのリンクの追加のみで新たな要求に対応することができるので、ATM網33内の資源の消費をあるレベル以内に抑えることができる。
【0092】
・コネクション確立動作フロー
図12は、図9〜図11に示したシーケンスを備えるシステムにおける境界装置EN0の動作フローチャートである。境界装置EN0は、パスメッセージPATHを受信端末R1〜Rnに送出した後、資源予約メッセージRESVの受付状態となり(ステップST11)、1番目の資源予約メッセージRESV-1が到着すると、エントリタイマ45によるカウントを開始する(ステップST12)。その後、他の資源予約メッセージが到着し(ステップST13)、エントリタイマ45によるカウントが終了すると、資源予約メッセージの受付を終了する(ステップST14)。
次に、エントリ制御部44は、受け付けた資源予約メッセージRESV1,RESV2,RESV3,・・・の要求帯域の最大値を求め、それをRnewとおく(ステップST15)。そして、同一配信セッションについて既存のp-mpコネクションが存在すれば、Rnewと既存のp-mpコネクションの帯域Roldとを比較する(ステップST16)。
【0093】
既存のコネクションが存在し、Rnew≦Roldであれば、エントリ制御部44は、ATM資源判定部46を介し、ATMコネクション制御部47に対して、受け付けた資源予約メッセージに対応する受信側境界装置を既存のコネクションに追加するように指示する。そして、ATMコネクション制御部47は、図11のシーケンスに従って指示されたリーフ追加の動作を行う(ST17)。
ステップST16において、同一配信セッションについて既存のコネクションが存在しなければ、エントリ制御部44は、ATM資源判定部46を介し、ATMコネクション制御部47に対して、帯域Rnewのp-mpコネクションを確立するように指示し、ATMコネクション制御部47は、図9のシーケンスに従って指示されたp-mpコネクションの確立動作を行う(ステップST18)。
【0094】
また、ステップST16において、同一配信セッションについて既存のコネクションが存在し、Rnew>Roldであれば、エントリ制御部44は、ATM資源判定部46を介し、ATMコネクション制御部47に対して、既存のコネクションを帯域Rnewのコネクションに張り替えるように指示する。そして、ATMコネクション制御部47は、図10のシーケンスにしたがって指示されたコネクションの張り替え動作を行う(ステップST19)。
そして、指示されたコネクションの確立/変更が終了すると、パケット送出部50がパス上流に資源予約メッセージを転送し(ステップST20)、動作を終了する。
【0095】
(b) 第2の帯域決定法
・パスメッセージPATh中の予想最大帯域に基づく帯域決定
送信者の申告するデータトラフィック特性に基づいて帯域を設定するシステムでは、送信者が送出するパスメッセージPATHに基づいてコネクションの帯域を決定する。
図13はかかるシステムによるコネクション確立シーケンスである。図13において、送信端末Sのデータトラフィック特性はパスメッセージPATH中のSENDER TSPECフィールド(図63参照)に記述されて各受信端末R1〜Rnに送られている。その後、以下のシーケンスによりコネクションが確立する。
【0096】
P51:受信端末R1は資源予約メッセージRESV-1を送信する。この結果、2Bの帯域要求が、境界装置EN1を経由して送信境界装置EN0に到達する。
P52:送信側境界装置EN0が受信端末R1からのRESV_1を受け取ると、それを契機にエントリタイマを起動する。
P53:エントリ時間内に、受信端末Rnから5Bの帯域要求RESV_nを受け付ける。
P54:エントリタイマが切れると、境界装置EN0は、帯域要求を受け付けた受信端末群に対して確立するp-mpコネクションの帯域を決定する。すなわち、保持しているパスメッセージPATHの情報を基に予想される必要最大帯域を求め、該必要最大帯域をこれから確立すべきp-mpコネクションの帯域とする。例えば、送信端末SからのパスメッセージPATHに記述されているピークレートpを予想最大帯域として用いるものとする。この例では、p=8Bである。
【0097】
P55:送信側境界装置EN0は、帯域8Bのp-mpコネクションを確立する。すなわち、最初に受け付けた資源要求を送出した境界装置EN1との間に帯域8Bのコネクションを前述したようなシグナリング手順に従って確立する。
P56:送信側境界装置EN0と受信側境界装置EN1の間のコネクションが確立すると同時に、境界装置EN0は、送信端末Sに向けてRESV_1を転送する。
P57:次に、境界装置ENnへの帯域8Bのリンクを、前述のADD PARTYメッセージを用いたシグナリング手順に従って、確立されたp-mpコネクションに追加する(リーフ追加)。
P58:送信側境界装置EN0と受信側境界装置ENnの間のコネクションが確立すると同時に、境界装置EN0は、送信端末Sに向けてRESV_nを転送する。
【0098】
このようなシステムによれば、送信者の申告するトラフィック特性を基に予め最大帯域を確保するため、後に新たな受信者を追加する場合、新たな要求帯域が既存の帯域を上回ることがない。このため、既存のコネクションの張り替えの必要がないという利点がある。
しかし、帯域有効利用の観点からは不利であると考えられる。又、受信者の資源要求のパラメータを参照しなければならない最大遅延保証サービス等に関しては、最大帯域を定めることが困難であるため、このシステムを利用する際に注意が必要になる。
【0099】
・コネクション確立動作フロー
図14は、図13に示したシーケンスを備えるシステムにおける境界装置EN0の動作フローチャートである。境界装置EN0は、送信端末SからパスメッセージPATHを受信すると、そこに記述されたピークレートpを帯域Rpathとして、エントリ制御部44に記憶する(ステップST21)。その後のステップST22,ST23,ST24,ST25の動作については、図12のステップST11,ST12,ST13,ST14の動作と同様である。
【0100】
次に、エントリ制御部44は、帯域R=Rpathとし(ステップST26)、既存のコネクションが存在するかどうかを判定する(ステップST27)。同一配信セッションについて既存のコネクションが存在しなければ、ATM資源判定部46を介してATMコネクション制御部47に対して、帯域Rのp-mpコネクションを確立するように指示する。そして、ATMコネクション制御部47は指示されたコネクション確立の動作を行う(ステップST28)。
そして、指示されたコネクションの確立動作が終了すると(ステップST29)、パケット送出部50がパス上流に資源予約メッセージを転送し(ステップST30)、動作を終了する。又、ステップST27において、既存のコネクションが存在すれば、そのままステップST30の動作を行って終了する。
【0101】
(c) 第3の帯域決定法
図15は本発明の第3の帯域決定制御説明図である。
第3の帯域決定方法では、送信側境界装置EN0は各受信側境界装置EN1〜ENnにp-mpコネクションを設定すると共に、該コネクションの帯域BWaを次式
BWa=BWs/ρ(k) (1)により決定する。なお、BWsはパスメッセージPATH中のSENDER TSPECフィールドで記述されている送信端末Sが推奨した帯域、kは送信側境界装置EN0とATMスイッチATMsw間のリンクに収容されているコネクション数、ρ(k)は許容使用率
(ρ(k)≦1)である。許容使用率ρ(k)は、例えばコネクション数kが設定数以下であれば1.0、設定数より大きければ0.8〜0.9の値をとる。
【0102】
図15において、所定の配信セッションについて、既に送信端末SからパスメッセージPATHが境界装置EN0〜ENnを介して各受信端末R1〜Rnに届いている。又、パスメッセージPATHのTSPECフィールドには推奨帯域BWsを含むデータトラフィック特性が記述されている。
各受信端末Riは、配信データの受信を希望する場合には、受信者が要求するサービス品質(要求帯域BWr(i)など)を含む資源予約メッセージRESV-iを作成して受信側境界装置ENiに送信する。但し、BWr(i)≦BWsである。
受信側境界装置ENiは資源予約メッセージを受信すれば、要求帯域BWr(i)がパスメッセージPATHで通知されている推奨帯域BWsと異なるかチェックし、異なれば、BWr(i)をBWsに変換して資源予約メッセージRESV-iを送信側境界装置EN0に送る。すなわち、帯域変換ポイントは受信側境界装置ENiである。
【0103】
送信側境界装置EN0は各受信側境界装置ENiから資源要求メッセージRESV-iを受信すれば、それぞれの要求帯域を比較する。要求帯域は全てBWsであるから、該 BWsを最大要求帯域として(1)式によりp-mpコネクションの帯域BWaを計算する。
ついで、送信側境界装置EN0は帯域BWaのp-mpコネクションを確立する。すなわち、最初に受け付けた資源要求を送出した境界装置EN1との間に帯域BWaのコネクションを前述したようなシグナリング手順に従って確立する。送信側境界装置EN0と受信側境界装置EN1の間のコネクションが確立すると同時に、境界装置EN0は、送信端末Sに向けてRESV_1を転送する。次に、境界装置ENiへの帯域BWaのリンクを、ADD PARTYメッセージを用いたシグナリング手順に従って、前記確立したたp-mpコネクションに追加する。
【0104】
送信側境界装置EN0と受信側境界装置ENiの間のコネクションが確立すると同時に、境界装置EN0は、送信端末Sに向けてRESV_iを転送する。以後、同様に、送信側境界装置EN0と資源予約メッセージを送出した全ての受信側境界装置ENiの間でコネクションを確立する。
以上では、同一配信セッションについて既存のp-mpコネクションがなかった場合であるが、帯域BWaの既存のp-mpコネクションがある場合には、ADD PARTYメッセージを用いたシグナリング手順に従って該既存のp-mpコネクションに追加する(リーフ追加手順)。
第3の帯域決定方法によれば、受信側境界装置ENiで要求帯域BWr(i)をBWsに変換して帯域を送信側境界装置EN0に申告することにより、仮に受信端末で要求帯域の変更が頻繁に発生してもSVCの再設定は生じず、又、コネクション数を削減してSVC資源(VPI/VCI資源)の浪費を防止できる。又、リンク内収容コネクション数が多くなるにつれてρ(k)を小さくしたから、すなわち、p-mpコネクションの帯域を大きくしたから、収容コネクション数が多くなって帯域割当が安定しない場合であってもユーザが希望する品質でデータを送信することができる。
【0105】
(d) 第4の帯域決定法
図16は本発明の第4の帯域決定制御説明図である。
第4の帯域決定方法では、送信側境界装置EN0は各受信側境界装置EN1〜ENnにp-mpコネクションを設定すると共に、該コネクションの帯域BWaを第3の方法と同様に次式
BWa=BWs/ρ(k)により決定する。ただし、第3の帯域決定方法では、帯域変換ポイントが受信側境界装置ENiであるが、第4の帯域決定方法では、帯域変換ポイントは送信側境界装置EN0である。
【0106】
図16において、所定の配信セッションについて、既に送信端末SからパスメッセージPATHが境界装置EN0〜ENnを介して各受信端末R1〜Rnに届いている。又、パスメッセージPATHのTSPECフィールドには推奨帯域BWsを含むデータトラフィック特性が記述されている。
各受信端末Riは、配信データの受信を希望する場合には、受信者が要求するサービス品質(要求帯域BWr(i)など)を含む資源予約メッセージRESV-iを作成し、受信側境界装置ENiを介して送信側境界装置EN0に送る。
送信側境界装置EN0は各受信側境界装置ENiから要求帯域BWr(i)の資源要求メッセージRESV-iを受信すれば、該要求帯域BWr(i)をBWsに変換し、上式によりp-mpコネクションの帯域BWaを計算する。
【0107】
ついで、送信側境界装置EN0は、帯域BWaのp-mpコネクションを確立する。すなわち、最初に受け付けた資源要求を送出した境界装置EN1との間に帯域BWaのコネクションを所定のシグナリング手順に従って確立する。送信側境界装置EN0と受信側境界装置EN1の間のコネクションが確立すると同時に、境界装置EN0は、要求帯域をBWsとした資源要求メッセージRESV_1を送信端末Sに向けて転送する。次に、境界装置ENiへの帯域BWaのリンクを、ADD PARTYメッセージを用いたシグナリング手順に従って、前記確立したたp-mpコネクションに追加する。
送信側境界装置EN0と受信側境界装置ENiの間のコネクションが確立すると同時に、境界装置EN0は、要求帯域をBWsとした資源要求メッセージRESV_iを送信端末Sに向けて転送する。以後、同様に、送信側境界装置EN0と資源要求メッセージを送出した全ての受信側境界装置ENiの間でコネクションを確立する。
【0108】
以上では、同一配信セッションについて既存のp-mpコネクションがなかった場合であるが、既に帯域BWaのp-mpコネクションが設定されていれば、ADD PARTYメッセージを用いたシグナリング手順に従って既存のp-mpコネクションに追加する(リーフ追加手順)。
第4の帯域決定方法によれば、送信側境界装置EN0のみで要求帯域を変換することにより、送信側境界装置EN0から受信側境界装置ENiへ単一のp-mpコネクションが設定可能となり、SVC資源の浪費を防止できる。又、受信端末で要求帯域の変更が頻繁に発生してもSVCの再設定は生じない。
【0109】
(e) 第5の帯域決定法
図17は本発明の第5の帯域決定制御説明図である。
第5の帯域決定方法では、送信側境界装置EN0は各受信側境界装置EN1〜ENnにp-mpコネクションを設定すると共に、該コネクションの帯域BWaを次式
BWa=BWmax/ρ(k) (2)により決定する。BWmaxは各受信側境界装置EN1〜ENnより送られてくる要求帯域の最大値であり、その値は各受信端末R1〜Rnから要求された帯域の最大値を示している。また、kは送信側境界装置EN0とATMスイッチATMsw間のリンクに収容されているコネクション数、ρ(k)は許容使用率(ρ(k)≦1)である。
図17において、所定の配信セッションについて、既に送信端末SからのパスメッセージPATHは境界装置EN0〜ENnを介して各受信端末R1〜Rnに届いている。
【0110】
各受信端末Riは、配信データの受信を希望する場合には、受信者が要求するサービス品質(要求帯域BWr(i)など)を含む資源予約メッセージRESV-iを作成し、受信側境界装置ENiを介して送信側境界装置EN0に送る。
送信側境界装置EN0は各受信側境界装置ENiから要求帯域BWr(i)の資源予約メッセージRESV-iを受信すれば、要求帯域BWr(i)のうち最大値BWmaxを求め、それぞれの要求帯域BWr(i)をBWmaxに変換し、上式によりp-mpコネクションの帯域BWaを計算する。
ついで、送信側境界装置EN0は、帯域BWaのp-mpコネクションを確立する。すなわち、最初に受け付けた資源要求を送出した境界装置EN1との間に帯域BWaのコネクションを所定のシグナリング手順に従って確立する。送信側境界装置EN0と受信側境界装置EN1の間のコネクションが確立すると同時に、境界装置EN0は、要求帯域をBWmaxとした資源要求メッセージRESV_1を送信端末Sに向けて転送する。次に、境界装置ENiへの帯域BWaのリンクを、ADD PARTYメッセージを用いたシグナリング手順に従って、前記確立したたp-mpコネクションに追加する。
【0111】
送信側境界装置EN0と受信側境界装置ENiの間のコネクションが確立すると同時に、境界装置EN0は、要求帯域をBWmaxとした資源要求メッセージRESV_iを送信端末Sに向けて転送する。以後、同様に、送信側境界装置EN0と受信側境界装置ENiの間でコネクションを確立する。
第5の帯域決定方法によれば、送信側境界装置EN0のみで要求帯域を変換することにより、送信側境界装置EN0から受信側境界装置ENiへ単一のp-mpコネクションの設定が可能となり、SVC資源の浪費を防止できる。又、受信端末で要求帯域の変更が頻繁に発生してもSVCの再設定を少なくできる。又、p-mpコネクションの帯域をBWa=BWmax/ρ(k)としたから、ユーザの要求する帯域を確保してデータ送信ができる。
【0112】
(f) 第6の帯域決定法
図18は本発明の第6の帯域決定制御説明図である。
第6の帯域決定方法では、送信側境界装置EN0は各受信側境界装置EN1〜ENnにp-mpコネクションを設定すると共に、該コネクションの帯域BWaを第5の方法と同様に次式
BWa=BWmax/ρ(k)により決定する。BWmaxは各受信側境界装置EN1〜ENnより送られてくる要求帯域の最大値であり、その値は各受信端末R1〜Rnから要求された帯域の最大値を示している。各受信側境界装置ENiには多数の受信端末Rij(j=1〜n)が接続され、パスメッセージPATHに対して資源予約メッセージRSVP-ijを該受信側境界装置 ENiに送信する。受信側境界装置ENiは受信した資源予約メッセージRSVP-ijに含まれる要求帯域BWr(ij)のうち最大の要求帯域BWr(i)を求め、各BWr(ij)をBWr(i)に変換して資源予約メッセージRESV-ijを送信側境界装置EN0に送る。
【0113】
送信側境界装置EN0は各受信側境界装置ENiから資源要求メッセージを受信すれば、要求帯域BWr(i)のうち最大の要求帯域BWmaxを求め、上式によりp-mpコネクションの帯域BWaを計算する。
ついで、送信側境界装置EN0は、帯域BWaのp-mpコネクションを確立する。すなわち、最初に受け付けた資源要求を送出した境界装置EN1との間に帯域BWaのコネクションを所定のシグナリング手順に従って確立する。
送信側境界装置EN0と受信側境界装置EN1の間のコネクションを確立すると同時に、境界装置EN0は、要求帯域をBWmaxとした資源要求メッセージRESV_11を送信端末Sに向けて転送する。
次に、ADD PARTYメッセージを用いたシグナリング手順に従って境界装置ENiへの帯域BWaのリンクを上記確立したp-mpコネクションに追加する。
【0114】
第6の帯域決定方法によれば、送信側境界装置EN0及び受信側境界装置ENiで要求帯域を変換することにより、送信側境界装置EN0から受信側境界装置ENiへ単一のp-mpコネクションが設定可能となり、SVC資源の浪費を防止できる。又、受信端末で要求帯域の変更が頻繁に発生してもSVCの再設定を少なくできる。又、p-mpコネクションの帯域をBWa=BWmax/ρ(k)としたから、ユーザの要求する帯域を確保してデータ送信ができる。
【0115】
(g) 変形例
以上の第3〜第6の帯域決定方法の説明では、送信側境界装置EN0と各受信側境界装置ENi間に帯域BWaのp-mpコネクションを設定する場合について説明した。しかし、送信側境界装置EN0と各受信側境界装置ENi間に上記各方法で求めたBWaを帯域とするp-pコネクションを個別に設定することもできる。
また、以上の第3〜第6の帯域決定方法の説明では、SETUP、CONNECT、ADD PIRTYメッセージ等の送受により個別に SVC(Switched Virtual Channel)を用いて ATMコネクションを確立したが、PVC(Permanent Virtual Channel)を用いてコネクションを確立することもできる。
【0116】
(G)複数のp-mpコネクションを確立する判断ポリシー
次に、図5に示した複数のp-mpコネクションを確立するシステムにおけるポリシーについて説明する。このシステムは、コネクション確立時の判断ポリシーーに応じて、固定クラスシステム、可変クラスシステム、およびコネクション識別子しきい値システムの3種類のシステムに分けられる。
(a) 固定クラスシステム
固定クラスシステムでは、1つの配信セッションに対して、帯域のレベルをあらかじめx個のクラスに固定的に分類しておく。例えば、最大帯域Bmaxを基準として、0〜Bmaxの帯域がx個のクラスに分割され、i番目のクラスi(i=1,2,・・・,x)の帯域は、Bmax・(i-1)/x〜Bmax・i/xに設定される。
各受信端末からの資源要求は、その要求帯域が含まれるクラスiに分類され、その資源要求には、帯域Bmax・i/xのp-mpコネクションが割り当てられる。もし、既にそのクラスiのp-mpコネクションが存在すれば、新たな資源要求を送出した受信側境界装置が、ADD PARTYを用いてそのp-mpコネクションに追加される。
【0117】
図19は、最大帯域をBmaxとしたときの各クラスと、クラスに対して割り当てられる帯域との対応関係を示している。クラス数x=10とし、受信端末R1からの資源予約メッセージRESV_1が0.92Bmaxの帯域を要求しているものとする。
このとき、送信側境界装置EN0に到着したRESV_1は、クラス10に分類され、帯域Bmaxのp-mpコネクションが境界装置EN0,EN1の間に確立される。もし、既に帯域 Bmaxのp-pコネクションが存在するときは、ADD PARTYを用いて境界装置EN1がそのコネクションに追加される。
また、受信端末Rnからの資源予約メッセージRESV_nがクラス2に分類された場合、対応するコネクションには帯域Bmax/5(=Bmax・2/10)が割り当てられる。帯域Bmaxの決め方としては幾つかの選択肢があるが、ここではパスメッセージに記述されたピークレートをBmaxとして用いる。
【0118】
図20は、送信側境界装置EN0において、あるエントリにおいて受け付けられた資源予約メッセージの要求帯域の分布を示している。横軸は、要求帯域を表し、縦軸は、同じ帯域を要求している受信端末(資源予約メッセージ)の数を表す。ここでは、クラス1からクラス4の範囲の要求帯域が示されており、各資源要求はクラス1から4のいずれかに分類されている。
このシステムは、ある帯域の範囲(1つのクラス)に対して1つのp-mpコネクションを割り当てるため、送信側境界装置EN0は、確立するコネクションの最大数を制限することができる。また、ATMスイッチと受信側境界装置間に確立されるコネクションの帯域と要求帯域との差は、最大Bmax/xに制限される。したがって、このシステムは、資源の浪費を避けることのできるシステムとして位置付けられる。
【0119】
図21は、固定クラスシステムにおける送信側境界装置EN0の動作のフローチャートである。境界装置EN0は、パスメッセージPATHを受信端末R1〜Rnに送出した後、資源予約メッセージRESVの受付状態となり(ステップST31)、1番目の資源予約メッセージが到着すると、エントリタイマ45によるカウントを開始する(ステップST32)。
エントリ制御部44は、到着した資源予約メッセージの要求帯域を参照して、
Bmax・(i-1)/x≦要求帯域<Bmax・i/xを満足するクラスiに、その資源予約メッセージを分類する(ステップST33)。そして、エントリタイマ45が終了したかどうかを判定する(ステップST34)。エントリタイマ45によるカウントが終了しておらず、新たな資源予約メッセージが到着すると(ステップST35)、到着した資源予約メッセージに対してステップST33の分類を行う。
【0120】
このような動作を繰り返し、ステップST34においてエントリタイマ45によるカウンタが終了すると、次に、エントリ制御部44は、最初のクラス(例えば、クラス1)を選択し(ステップST36)、選択したクラスに新たな資源予約メッセージが存在するかどうかを調べる(ステップST37)。
新たな資源予約メッセージが存在し、同じクラスの既存のp-mpコネクションが存在しなければ、エントリ制御部44は、ATM資源判定部46を介し、ATMコネクション制御部47に対して、新たな資源予約メッセージに対応する新規のコネクションを確立するように指示する(ステップST38)。
このとき、同じクラスの既存のp-mpコネクションが存在すれば、ATMコネクション制御部47に対して、新たな資源予約メッセージを送出した受信側境界装置を、既存のコネクションにリーフとして追加するように指示する。そして、ATMコネクション制御部47は、指示された動作を行う。
【0121】
そして、そのクラスのコネクション確立動作が終了すると(ステップST39)、次に、エントリ制御部44は、他の未選択のクラスがあるかどうかを判定する(ステップST40)。
ステップST37において、新たな資源予約メッセージが存在しなければ、ステップST39以降の動作を行う。
ステップST40において他のクラスがあれば、ステップST36以降の動作を繰り返し、他のクラスがなくなると、パケット送出部50がパス上流に資源予約メッセージを転送して(ステップST41)、動作を終了する。
【0122】
(b) 可変クラスシステム
固定クラスシステムでは、上述したように、等間隔の帯域でクラスを固定的に分類したのに対して、可変クラスシステムでは、クラスに対応させる帯域を可変にする。最大帯域Bmaxの決め方は固定クラスシステムと同様である。
このシステムでは、1つのセッションに対して送信側境界装置EN0が確立するコネクションの最大数xをあらかじめ設定しておき、x個のp-mpコネクションが確立するまで、新たな帯域要求に対して1つの新たなp-mpコネクションを確立する。そして、ひとたびx個のp-mpコネクションが確立すると、それ以後の新たな資源要求は、その要求帯域に最も近いp-mpコネクションにマージ(併合)する。新たな要求帯域に最も近い既存のp-mpコネクションの帯域が新たな要求帯域よりも小さい場合は、新たな要求帯域でp-mpコネクションの張り替えを行う。既存のp-mpコネクションの帯域が新たな要求帯域よりも大きい場合は、ADD PARTYを用いて新たな資源要求に対応するリンクを該p-mpコネクションに追加する。
【0123】
図22は、エントリ開始後のある時点における各クラスと、クラスに対して割り当てられる帯域との対応関係を示している。このシステムでは、各クラスの帯域の範囲が同じ程度になるとは限らず、一般に、資源要求の多い帯域ではクラスが密集し、資源要求の少ない帯域ではクラスがまばらになる傾向にある。
また、図23は、送信側境界装置EN0があるエントリにおいて受け付けた資源予約メッセージの要求帯域の分布を示している。横軸は、要求帯域を表し、縦軸は、同じ帯域を要求している受信端末(資源予約メッセージ)の数を表す。
図23において、要求帯域の範囲は、ブロックBL1、BL2、BL3、およびBL4の4つのブロックに分けられ、各ブロックの上限値に相当する帯域が各クラスのp-mpコネクションの帯域として設定されている。言い換えれば、要求帯域の分布状況に合わせて、クラスが編成されている。この様子を図20と比較すると、可変クラスシステムでは、より要求帯域に忠実なコネクションが提供される可能性が高いことが分かる。
このシステムでは、クラス編成が可変的に変化するため、受信者からの要求帯域がある帯域の周辺に密集するような場合に有利である。この場合、要求の密集する帯域周辺にはクラスが細かく設定され、要求の少ない帯域の範囲ではクラス分けはおおざっぱになる。
【0124】
図24は、可変クラスシステムにおける送信側境界装置EN0の動作フローチャートである。境界装置EN0は、パスメッセージを受信端末R1〜Rnに送出した後、資源予約メッセージRESVの受付状態となり、エントリ制御部44は、到着した資源予約メッセージの数(entry数)を表す制御変数jを0に設定する(ステップST51)。そして、1番目の資源予約メッセージが到着すると、エントリタイマ45によるカウントを開始する(ステップST52)。
次に、エントリ制御部44は、j=j+1によりjをインクリメントし(ステップST53)、jをクラスの数xと比較する(ステップST54)。j≦xであり、到着した資源予約メッセージの要求帯域と同じ帯域のコネクションがなければ、その資源予約メッセージにクラスjを割り当てる(ステップST55)。そして、エントリタイマ45が終了したかどうかを判定する(ステップST57)。エントリタイマ45によるカウントが終了しておらず、新たな資源予約メッセージ(新RESV)が到着すると(ステップST58)、到着した資源予約メッセージに対してステップST53以降の動作を繰り返す。
【0125】
そして、ステップST54にいおてj>xとなると、既に設定されたx個のクラスのうち新RESVの帯域との差が最も小さいクラスを、targetクラスに指定する(ステップST56)。そして、targetクラスの帯域≧新RESVの帯域であれば、新RESVをtargetクラスに分類し、targetクラスの帯域<新RESVの帯域であれば、targetクラスの帯域を新RESV帯域に書き換えて、新RESVをtargetクラスに分類する。そして、ステップST57以降の動作を行う。
ステップST57においてエントリタイマ45によるカウントが終了すると、次に、エントリ制御部44は、各クラスの帯域を調べる。そして、新規のコネクションの追加またはクラスの帯域変更があれば、ATM資源判定部46を介し、ATMコネクション制御部47に対して、新規のコネクション確立またはコネクションの張り替えを指示する(ステップST59)。そして、コネクションの確立が終了すると(ステップST60)、パケット送出部50がパス上流に資源予約メッセージを転送し(ステップST61)、動作を終了する。
【0126】
(c) コネクション識別子しきい値システム
コネクション識別子しきい値システムについて説明する。
このシステムは、送信側境界装置EN0が使用できるコネクション識別子(VPI/VCI)の残り数にしきい値を設け、VPI/VCIの残り数に余裕があれば新たな資源要求に対してp-mpコネクションを確立し、余裕が無ければ新たな資源要求に対してp-mpコネクションを確立せず、該要求を送出した受信側境界装置を既存のコネクションにリーフとして追加する。
送信側境界装置EN0が管理するVPI/VCI空間において、使用されているVPI/VCIの割合(=使用数/最大許容使用数)がしきい値T1以下の状態を“タグリッチモード(tag rich mode)”と呼び、それがT1を越えている状態を“タグセーブモード(tag save mode)”と呼ぶ。
【0127】
このシステムでは、送信側境界装置EN0がタグリッチモードの時に新たな資源要求を受け付けると、しきい値T1と許容使用数から求まるC0個までp-mpコネクションを確立してもよいと判断して動作する。こうして、新たなp-mpコネクションを確立されていき、送信側境界装置EN0がタグセーブモードに入ると、新たな資源要求に対して新たなコネクションを確立せず、既存のコネクションへのリーフ追加(図11参照)または既存のコネクションの張り替え(図10参照)を行う。タグリッチモードにおいては、すべての資源要求に対してそれぞれp-mpコネクションが割り当てられる。これに対して、タグセーブモードにおいては、新たな資源要求に対して、既存のp-mpコネクションの中で、要求帯域よりも大きくかつ最も近い帯域を持つコネクション(ターゲットコネクション)に新たな要求帯域のリンクを追加する。このターゲットコネクションは、ATM資源判定部46により、図25のような手順で見つけられる。
【0128】
ATM資源判定部46は、まず。新たな資源要求の要求帯域より大きい帯域を持つ既存のコネクションの集合Uを生成し(ステップST71)、Uが空集合かどうかを判定する(ステップST72)。
Uが空集合でなければ、Uに含まれる各コネクションの帯域から要求帯域を差し引いた値の最小値を求め、最小値に対応するコネクションをターゲットコネクションとする(ステップST73)。そして、ATMコネクション制御部47が、ADD PARTYにより、新たな資源要求を送出した受信側境界装置をターゲットコネクションに追加し(ステップST74)、動作を終了する。
Uが空集合であれば、既存のコネクションの中で最大帯域を持つコネクションと新たな資源要求とをマージして、要求帯域でコネクションを張り替え(図10の張り替え参照、ステップST75)、動作を終了する。
このようにタグセーブモードにおいては、送信側境界装置EN0は、コネクションの新設に伴う帯域資源の消費をあるレベル以内に制限し、それ以上増加しないように動作する。
【0129】
図26、図27は、それぞれ、タグリッチモード、タグセーブモードの動作シーケンスを示している。図26および図27において、境界装置EN0,EN1間には、帯域5Bのポイント−マルチポイントコネクションが既に確立されている。
図26では、VPI/VCIの消費割合がしきい値T1よりも少ないので、送信側境界装置EN0は、新たな資源要求に対して新たなコネクションを確立する。この場合の動作シーケンスは、次のようになる。
P81:エントリ時間が終了した時点では、境界装置EN1からの資源予約メッセージRESV_1と境界装置ENnからの資源予約メッセージRESV_nが受け付けられている。このうち、RESV_1には、既に帯域5Bでコネクションが割り当てられており、RESV_1は直ちに送信端末Sに転送される。そして、境界装置EN0は、新たな資源予約メッセージRESV_nに対して、コネクション確立動作に入る。
P82:境界装置EN0は、境界装置ENnとの間に要求帯域2Bでp-mpコネクションを確立する。
【0130】
また、図27では、VPI/VCIの消費割合がしきい値T1よりも多いので、送信側境界装置EN0は、新たな資源要求に対して既存のコネクションを変更する。この場合の動作シーケンスは、次のようになる。
P91:エントリ時間が終了した時点では、境界装置EN1からの資源予約メッセージRESV_1と境界装置ENnからの資源予約メッセージRESV_nが受け付けられている。このうち、RESV_1には、既に帯域5Bでコネクションが割り当てられており、RESV_1は直ちに送信端末Sに転送される。そして、境界装置EN0は、新たな資源予約メッセージRESV_nに対して、コネクション変更動作に入る。
境界装置EN0は、図25の動作に従ってターゲットコネクションを選び、そのコネクションと新たな資源予約メッセージRESV_nとをマージする。ここでは、既存のコネクションは、境界装置EN0,EN1間の帯域5Bのコネクションのみであり、RESV_nの要求帯域は2Bなので、集合Uの要素は境界装置EN0,EN1間のコネクションのみである。したがって、このコネクションがターゲットコネクションとなる。
【0131】
P92:送信側境界装置EN0は、ADD PARTYを用いて帯域5Bの既存のコネクションに境界装置ENnへのリンクを追加する。
このシステムは、送信側境界装置EN0のVPI/VCI資源の消費状況を監視し、資源使用度に応じてp-mpコネクション数を制限する。したがって、コネクション識別子(VPI/VCI)と帯域の浪費が防止される。
図28は、コネクション識別子しきい値システムにおける送信側境界装置EN0の動作のフローチャートである。境界装置EN0は、パスメッセージを受信端末R1〜Rnに送出した後、資源予約メッセージRESVの受付状態となる。このとき、エントリ制御部44は、到着した資源予約メッセージの数(コネクション数)を表す制御変数Cを0に初期化し、又、モードをタグリッチモードに初期化する(ステップST81)。そして、1番目の資源予約メッセージが到着すると、エントリタイマ45によるカウントを開始する(ステップST82)。
【0132】
次に、エントリ制御部44は、コネクション数Cをインクリメントし(C=C+1)、該コネクション数Cがしきい値C0を越えれば、タグリッチモードをタグセーブモードに切り替える(ステップST83)。しきい値C0としては、例えば、図26のしきい値T1にVPI/VCIの最大数Nを掛けた値(=N・T1)が用いられる。コネクション数Cがこの値C0に達すると、VPI/VCIの消費割合はしきい値T1に達することになる。
エントリ制御部44は、エントリタイマ45が終了したかどうかを判定する(ステップST84)。エントリタイマ45によるカウントが終了しておらず、新たな資源予約メッセージ(新RESV)が到着すると(ステップST85)、到着した資源予約メッセージに対してステップST83以降の動作を繰り返す。
【0133】
そして、エントリタイマ45によるカウントが終了すると、次に、エントリ制御部44は、モードが2つのモードのいずれであるかを判定する(ステップST86)。タグリッチモードの場合は、ATM資源判定部46を介し、ATMコネクション制御部47に対して、受け付けたすべての資源予約メッセージについて、それぞれ、要求帯域で新規のp-mpコネクションを確立するように指示する(ステップST87)。そして、ATMコネクション制御部47は指示された動作を行う。
また、タブセーブモードの場合は、ATM資源判定部46は、受け付けた各資源予約メッセージについて、図25の動作によりターゲット(target)コネクションを求める(ステップST88)。次に、ATMコネクション制御部47に対して、ターゲットコネクションへのリーフ追加(図11)、あるいは、コネクションの張り替え(図11)を指示する(ステップST89)。そして、ATMコネクション制御部47は指示された動作を行う。
コネクションの確立が終了すると(ステップST90)、パケット送出部50がパス上流に資源予約メッセージを転送し(ステップST91)、動作を終了する。
【0134】
(H)p-mpコネクションとp-pコネクションを確立する判断ポリシー
次に、図8に示したp-mpコネクションとp-pコネクションを混合して使用するシステムにおけるポリシング機能について説明する。このシステムは、コネクション確立時の判断ポリシーに応じて、固定クラスシステム、可変クラスシステム、コネクション識別子しきい値システム、帯域しきい値システム、および資源しきい値システムの5種類のシステムに分けられる。
(a) 固定クラスシステム
まず、固定クラスシステムについては、図19および図20に示したシステムと基本的に同様である。異なる点は、各クラスに分類された第1番目の資源要求に対してはp-pコネクションを提供し、第2番目以降の要求に対しては、既存のp-pコネクションからp-mpコネクションへの切り替えを行う点である。
【0135】
このシステムは、p-pコネクションとp-mpコネクションとを組み合わせて、ATMコネクションの最適解を与えるシステムである。固定的にクラス分けをするため、送信側境界装置EN0での判断がシンプルであり、効率的なシステムであると考えられる。また、ネットワーク構成に合わせて、クラス数xや最大帯域Bmaxを決めることができ、柔軟性においても優れている。
このシステムにおける送信側境界装置EN0は、図21のステップST31〜ST35の動作を行って、1つのエントリで受け付けた資源予約メッセージを固定クラスに分類し、しかる後、図29に示すフローに従ってコネクション確立動作を行う。
ここでは、エントリ制御部44は、1つのクラスを選択し、選択したクラスに新たな資源予約メッセージ(新RESV)が存在するかどうかを調べる(ステップST101)。新RESVが存在すれば、次に、既存のコネクションが存在するかどうかを調べ(ステップST102)、既存のコネクションが存在しなければ、さらに新RESVは複数か単数かを調べる(ステップST103)。
【0136】
そして、新RESVが1つだけであれば、ATM資源判定部46を介し、ATMコネクション制御部47に対して、新RESVに対応するp-pコネクションを確立するように指示する(ステップST104)。そして、ATMコネクション制御部47は、指示された動作を行う。
また、新RESVが複数あれば、ATMコネクション制御部47に対して、それらの新RESVに対応するp-mpコネクションを確立するように指示する(ステップST105)。そして、ATMコネクション制御部47は、指示された動作を行う。
また、ステップST102において既存のコネクションが存在すれば、次に、そのコネクションがp-mpコネクションかp-pコネクションかを調べる(ステップST106)。
既存のコネクションがp-pコネクションであれば、ATMコネクション制御部47に対して、p-pコネクションをp-mpコネクションに張り替えるように指示する(ステップST107)。そして、ATMコネクション制御部47は、指示された動作を行う。
【0137】
また、既存のコネクションがp-mpコネクションであれば、ATMコネクション制御部47に対して、新RESVを送出した受信側境界装置をp-mpコネクションにリーフとして追加するように指示する(ステップST108)。ATMコネクション制御部47は、指示された動作を行う。
以上により、着目クラスのコネクション確立動作が終了すると(ステップST109)、次に、エントリ制御部44は、他の未選択のクラスがあるかどうかを判定する(ステップST110)。
ステップST110において他のクラスがあれば、ステップST101以降の動作を繰り返し、他のクラスがなくなると、パケット送出部50がパス上流に資源予約メッセージを転送して(ステップST111)、動作を終了する。又、ステップST101において、新たな資源予約メッセージが存在しなければ、ステップST110以降の動作を行う。
【0138】
(b) 可変クラスシステム
次に、可変クラスシステムについては、図22および図23に示したシステムと基本的に同様である。異なる点は、送信側境界装置EN0が新たな資源要求に対して可変クラスを割り当てる際、コネクションの数がx個になるまでは、p-pコネクションを提供する点にある。(x+1)番目の資源要求については、既存のx個のp-pコネクションの中で、新たな要求帯域に最も近い帯域のコネクションにマージし、そのp-pコネクションをp-mpコネクションに張り替える。
このシステムは、p-pコネクションとp-mpコネクションとを組み合わせて、ATMコネクションの最適解を与えるシステムである。可変的にクラス分けを行うため、受信端末からの資源要求の帯域が偏っていても、柔軟に対応することができる。また、ネットワーク構成に合わせて、クラス数xや最大帯域Bmaxを決めることができ、柔軟性においても優れている。
このシステムにおける送信側境界装置EN0は、図24のステップST51〜ST58の動作を行って、1つのエントリで受け付けた資源予約メッセージを可変クラスに分類した後、図29に示したようなコネクション確立動作を行う。
【0139】
(c) コネクション識別子しきい値システム
コネクション識別子しきい値システムは、図26および図27に示したシステムと基本的に同様である。異なる点は、タグリッチモードにおいては、新たな資源要求に対してp-pコネクションを確立し、タグセーブモードにおいては、新たなコネクションは確立せずに、新たな資源要求を既存のp-pコネクションとマージして、p-mpコネクションに張り替える点である。ただし、マージ対象のターゲットコネクションがp-mpコネクションであればADD PARTYを用いて、新たな資源要求をリーフとしてそのコネクションに追加する。
【0140】
図30は、タグセーブモードにおける送信側境界装置の動作を示している。ここで、ステップST121、ST122、およびST123のターゲットコネクションを決定する動作は、図25のステップST71、ST72、およびST73の動作と同様である。ステップ123の処理後、ATM資源判定46は、ターゲットコネクションのタイプを判定する(ステップST124)。
ターゲットコネクションがp-pコネクションであれば、ATMコネクション制御部47は、送信側境界装置EN0と新たな資源要求を送出した受信側境界装置および該ターゲットコネクションに属する受信側境界装置との間に、ターゲットコネクションの帯域でp-mpコネクションを確立する(ステップST125)。そして、ターゲットコネクションであるp-pコネクションを解放し(ステップST126)、動作を終了する。
また、ターゲットコネクションがp-mpコネクションであれば、ATMコネクション制御部47は、ADD PARTYにより新たな資源要求を送出した受信側境界装置をターゲットコネクションに追加し(ステップST127)、動作を終了する。
【0141】
ステップST122において集合Uが空集合であれば、既存のコネクションの中で最大帯域を持つコネクションと新たな資源要求とをマージして、要求帯域のp-mpコネクションに張り替え(ステップST128)、動作を終了する。
図31、図32は、それぞれ、タグリッチモード、タグセーブモードの動作シーケンスを示している。図31および図32において、境界装置EN0,EN1間には、帯域2Bのp-pコネクションが既に確立されている。
図31では、VPI/VCIの消費割合がしきい値T1よりも少ないので、送信側境界装置EN0は、新たな資源要求に対して新たなp-pコネクションを確立する。この場合の動作シーケンスは、次のようになる。
P101:エントリ時間が終了した時点では、境界装置EN1からの資源予約メッセージRESV_1と境界装置ENnからの資源予約メッセージRESV_nが受け付けられている。このうち、RESV_1には、既に帯域2Bでコネクションが割り当てられており、RESV_1は直ちに送信端末Sに転送される。そして、境界装置EN0は、新たな資源予約メッセージRESV_nに対して、コネクション確立動作に入る。
P102:境界装置EN0は、境界装置ENnとの間に要求帯域4Bでp-pコネクションを確立する。
【0142】
また、図32では、VPI/VCIの消費割合がしきい値T1よりも多いので、送信側境界装置EN0は、新たな資源要求に対して既存のコネクションを変更する。この場合の動作シーケンスは、次のようになる。
P111:エントリ時間が終了した時点では、境界装置EN1からの資源予約メッセージRESV_1と境界装置ENnからの資源予約メッセージRESV_nが受け付けられている。このうち、RESV_1には既に帯域2Bでコネクションが割り当てられているから、境界装置EN0はRESV_1を直ちに送信端末Sに転送する。又、境界装置EN0は、新たな資源予約メッセージRESV_nに対して、コネクション張り替え動作を実行する。
すなわち、境界装置EN0は、図30の動作に従ってターゲットコネクションの選択を試みる。ここでは、既存のコネクションは、境界装置EN0,EN1間の帯域2Bのコネクションのみであり、しかも、RESV_nの要求帯域は4Bであるので、ステップST122において集合Uは空集合となる。そこで、境界装置EN0,EN1間のコネクションを最大帯域を持つ既存のコネクションとみなして、このコネクションをRESV_nとマージして1つのp-mpコネクションに張り替える。
【0143】
P112:境界装置EN0は、境界装置ENnとの間に、帯域4Bのp-mpコネクションを確立する。
P113:境界装置EN0は、ADD PARTYを用いて、確立されたp-mpコネクションに境界装置EN1へのリンクを追加する。
P114:境界装置EN0,EN1間のp-pコネクションを開放する。
ところで、すべての資源要求に対して基本的にp-pコネクションを提供すれば、1つの配信セッションにおいて、資源要求を転送してくる受信装置の数だけVPI/VCIが消費される。そして、セッションに参加する受信側境界装置が増えてくると、自ずと送信側境界装置EN0のVPI/VCI資源が枯渇してくる。
そこで、VPI/VCIの消費割合がしきい値T1を越えた場合に(タグセーブモード)、p-pコネクションを、順次、p-mpコネクションに切り替えていく。これにより、システムは送信側境界装置EN0のVPI/VCIを節約できる。また、要求帯域に近い既存のコネクションを資源要求とマージするため、生成されたp-mpコネクションにおいて、受信側境界装置に近いリンクの帯域資源の無駄が極端に大きくならずにすむことが期待できる。
【0144】
このシステムにおける送信側境界装置EN0は、図28のステップST81〜ST85の動作を行って、資源予約メッセージを受け付けた後、図33のフローに従ってコネクション確立動作を行う。
ここでは、まず、エントリ制御部44は、モードが2つのモードのいずれであるかを判定する(ステップST131)。タグリッチモードの場合は、ATM資源判定部46を介し、ATMコネクション制御部47に対して、受け付けたすべての資源予約メッセージについて、それぞれ、要求帯域で新規のp-pコネクションを確立するように指示する(ステップST132)。そして、ATMコネクション制御部47は、指示された動作を行う。
また、タグセーブモードの場合は、ATM資源判定部46は、受け付けた各資源予約メッセージについて、図30の動作によりターゲット(target)コネクションを求め(ステップST133)、そのコネクションのタイプを判定する(ステップ(ST134)。
【0145】
ターゲットコネクションがp-pコネクションであれば、ATMコネクション制御部47に対して、ターゲットコネクションをp-mpコネクションに張り替えるように指示する(ステップST135)。そして、ATMコネクション制御部47は、指示された動作を行う。
また、ターゲットコネクションがp-mpコネクションであれば、ATMコネクション制御部47に対して、ターゲットコネクションへリーフを追加するように指示する(ステップST136)。そして、ATMコネクション制御部47は、指示された動作を行う。
コネクションの確立が終了すると(ステップST137)、パケット送出部50がパス上流に資源予約メッセージを転送し(ステップST138)、動作を終了する。
【0146】
(d) 帯域しきい値システム
次に、帯域しきい値システムについて説明する。このシステムでは、送信側境界装置EN0が使用帯域を監視して、帯域が空いている場合、新たな資源要求に対してp-pコネクションを確立し、帯域がある使用率を越えたら、新たなコネクションは確立せずに、新たな資源要求を既存のコネクションとマージして、p-mpコネクションに切り替える。
そのために、上述したコネクション識別子しきい値システムと同様に、送信側境界装置の使用帯域にしきい値を設ける。使用帯域がこのしきい値以下の状態を“帯域リッチモード”と呼び、使用帯域がしきい値よりも多い状態を“帯域セーブモード”と呼ぶ。
【0147】
送信側境界装置EN0は、使用帯域の変動を監視し、帯域リッチモードにおいては、すべての資源要求に対して、それぞれ、p-pコネクションを割り当てる。
また、帯域セーブモードにおいては、新たな資源要求に対して、既存のコネクションの中で要求帯域よりも大きくかつ最も近い帯域のコネクションをターゲットコネクションとして選ぶ。そして、ターゲットコネクションをp-mpコネクションに切り替え、新たな資源要求に対応するリンクを追加する。帯域セーブモードにおける送信側境界装置EN0の動作は、図30に示したタグセーブモードの動作と同様である。これにより、帯域の消費をあるレベル以内に制限し、それ以上増加しないようにすることができる。
【0148】
図34、35は、それぞれ、帯域リッチモード、帯域セーブモードの動作シーケンスを示している。これらの動作シーケンスは、図31および図32に示したタグリッチモードおよびタグセーブモードの動作シーケンスと同様である。異なる点は、監視対象がVPI/VCIではなく帯域であるという点と、しきい値T1の代わりに使用帯域に対するしきい値T2が用いられているという点である。
ATM網33全体のリンクの物理帯域が均質であると仮定すると、すべての資源要求に対して基本的にp-pコネクションを提供すれば、送信側境界装置EN0に近いリンクの帯域から枯渇してくる。そこで、使用帯域がしきい値を越えた場合(帯域セーブモード)、p-pコネクションを、順次、p-mpコネクションに切り替えていく。これにより、システムは、送信側境界装置EN0の帯域を節約する状態に移行する。
また、要求帯域に近い既存のコネクションを資源要求とマージするため、生成されたp-mpコネクションにおいて、受信側境界装置に近いリンクの帯域資源の無駄は極端に大きくならずに済むことが期待できる。
【0149】
図36および図37は、帯域しきい値システムにおける送信側境界装置EN0の動作のフローチャートである。境界装置EN0は、パスメッセージを受信端末R1〜Rnに送出した後、資源予約メッセージをRESVの受付状態となる。このとき、エントリ制御部44は、到着した資源予約メッセージの要求帯域(消費帯域)を表す制御変数BDを0に初期化し、又、モードを帯域リッチモードに初期化する(図36、ステップST141)。そして、1番目の資源予約メッセージが到着すると、エントリタイマ45によるカウントを開始する(ステップST142)。
次に、エントリ制御部44は、到着した資源予約メッセージの要求帯域をBDに加算し、加算結果を改めてBDとおく(ステップST143)。そして、BDがしきい値BD0を越えれば、帯域リッチモードを帯域セーブモードに切り替える。
【0150】
次に、エントリ制御部44はエントリタイマ45のカウントが終了したかどうかを判定する(ステップST144)。エントリタイマ45によるカウントが終了しておらず、新たな資源予約メッセージ(新RESV)が到着すると(ステップST145)、到着した資源予約メッセージに対してステップST143以降の動作を繰り返す。
エントリタイマ45によるカウントが終了すると、エントリ制御部44はモードが2つのモードのいずれであるかを判定する(図37、ステップST146)。帯域リッチモードの場合は、ステップST147において、図33のステップST132と同様の動作を行い、帯域セーブモードの場合は、ステップST148、ST149、ST150、およびST151において、図33のステップST133、ST134、ST135、およびST136と同様の動作を行う。
コネクションの確立が終了すると(ステップST152)、パケット送出部50がパス上流に資源予約メッセージを転送し(ステップST153)、動作を終了する。
【0151】
(e) 資源しきい値システム
次に、資源しきい値システムについて説明する。このシステムは、上述したコネクション識別子しきい値システムと帯域しきい値システムとを併用するシステムである。送信側境界装置EN0は、VPI/VCIの消費割合と消費帯域とを同時に監視し、両方の資源の消費が少ない場合、新たな資源要求に対してp-pコネクションを確立し、いずれかの資源の消費があるしきい値を越えたら、新たなコネクションは確立せずに、新たな資源要求を既存のコネクションとマージして、p-mpコネクションに切り替える。
ここでは、VPI/VCIの消費割合がしきい値T1以下であり、かつ、消費帯域がしきい値T2以下である状態を、“資源リッチモード”と呼び、VPI/VCIの消費割合がしきい値T1よりも多いか、または、消費帯域がしきい値T2よりも多い状態を、“資源セーブモード”と呼ぶ。言い換えれば、タグリッチモードかつ帯域リッチモードである状態が資源リッチモードに対応し、タグセーブモードまたは帯域セーブモードである状態は資源セーブモードに対応する。
【0152】
送信側境界装置EN0は、資源リッチモードにおいては、すべての資源要求に対して、それぞれ、p-pコネクションを割り当てる。
また、資源セーブモードにおいては、新たな資源要求に対して、既存のコネクションの中で要求帯域よりも大きくかつ最も近い帯域のコネクションをターゲットコネクションとして選ぶ。そして、ターゲットコネクションをp-mpコネクションに切り替え、新たな資源要求に対応するリンクを追加する。資源セーブモードにおける送信側境界装置EN0の動作は、図30に示したタグセーブモード動作と同様である。
【0153】
図38、図39は、それぞれ、資源リッチモード、資源セーブモードの動作シーケンスを示している。図38において送信側境界装置EN0は、タグリッチモードかつ帯域リッチモードであるため、資源リッチモードの状態にある。また、図39において送信側境界装置EN0は、タグセーブモードかつ帯域リッチモードであるため、資源セーブモードの状態にある。これらの動作シーケンスは、図31および図32に示したタグリッチモードおよびタグセーブモードの動作シーケンスと同様である。
このシステムは、送信側境界装置EN0のVPI/VCIおよび帯域の資源を監視し、資源の使用度に応じてp-pコネクションとp-mpコネクションをうまう併用することにより、最適なコネクションを提供することができる。
【0154】
図40および図41は、資源しきい値システムにおける送信側境界装置EN0の動作のフローチャートである。境界装置EN0はパスメッセージを受信端末R1〜Rnに送出した後、資源予約メッセージRESVの受付状態となる。
このとき、エントリ制御部44は、到着した資源予約メッセージの数(コネクション数)を表す制御変数Cを0に初期化し、又、到着した資源予約メッセージの要求帯域(消費帯域)を表す制御変数BDを0に初期化して、モードを資源リッチモードに設定する(図40、ステップST161)。そして、1番目の資源予約メッセージが到着すると、エントリタイマ45によるカウントを開始する(ステップST162)。
【0155】
次に、エントリ制御部44は、コネクション数Cをインクリメントし(C=C+1)、到着した資源予約メッセージの要求帯域をBDに加算し、加算結果を改めてBDとおく(ステップST163)。そして、コネクション数Cが前述のしきい値C0を越えるか、または、消費帯域BDが前述のしきい値BD0を越えれば、資源リッチモードを資源セーブモードに切り替える。
次に、エントリ制御部44は、エントリタイマ45のカウントが終了したかどうかを判定する(ステップST164)。エントリタイマ45によるカウントが終了しておらず、新たな資源予約メッセージ(新RESV)が到着すると(ステップST165)、到着した資源予約メッセージに対してステップST163以降の動作を繰り返す。
【0156】
エントリタイマ45によるカウントが終了すると、エントリ制御部44は、モードが2つのモードのいずれであるかを判定する(図41、ステップST166)。資源リッチモードの場合は、ステップST167において、図33のステップST132と同様の動作を行い、資源セーブモードの場合は、ステップST168、ST169、ST170、およびST171において、図33のステップST133、ST134、ST135、およびST136と同様の動作を行う。
コネクションの確立が終了すると(ステップST172)、パケット送出部50はパス上流に資源予約メッセージを転送し(ステップST173)、動作を終了する。
以上説明したエントリ式コネクション設定を行うシステムにおいて、エントリ時間を0に設定すれば、受信者から資源要求を受け付けると即座にコネクション確立動作に入ることができる。図42は、即時式コネクション確立システムのシーケンス説明図である。
【0157】
(I)RSVPとATMのQoSクラスのマッピング
(a) 境界装置の構成
図43は信号の流れを主体にブロック化した境界装置の構成図である。
境界装置は、ATM機能、ATMシグナリング処理、IP転送機能を持つ多機能交換機であり、ATMレイヤ受信処理部51、AALレイヤ受信処理部52、IPレイヤ処理部53、ルーチングテーブル54、AALレイヤ送信処理部55、ATMレイヤ送信処理部56等を備えている。
ATMレイヤ受信処理部51はATMレイヤに関する処理、例えばデセル化やAAL変換処理などのATMレイヤに関係する処理を行う。AALレイヤ受信処理部52は、AAL(ATM Adaptation Layer)に関する処理を行う。一般的にはAALパケットを組立て、その内容を解析する。IPレイヤ処理部53はAALレイヤ受信処理部52から送られてきたパケットを受信し、そのIPヘッダを解析し、ルーチングテーブル54に従って該当する出力路へルーチングする。又、IPレイヤ処理部53はRSVPなどのプロトコル処理も行う。AALレイヤ送信処理部55は、IPパケットにAALヘッダを付け、ATMレイヤ送信処理部56へ送る。ATMレイヤ送信処理部56は、パケットをセルに分割し、該セルをトラフィックシェーピング用のバッファ56aに順次キューイングすると共に、所定速度でセルをバッファから読出してATM網に送出する。又、ATMレイヤ送信処理部56は、マルチキャストテーブル57を参照してパケットをマルチキャストする。
【0158】
(b) RSVPとATMのQoSクラス
RSVPには、 Guaranteed Service (GS)、 Controlled Load Service (CLS)、 Best Effort Service (BES)の3種類のサービスがあり、以下の特徴がある。
(1) Guaranteed Service (GS):GSは、帯域やエンド・エンド間の最大遅延を保証するものである。又、GSは最大遅延時間をユーザからの要求パラメータとして受け付けるのではなく、転送の結果として最大遅延時間を保証する。つまり、ルータでの処理・転送時間などの固定遅延時間をGSにより制御することは不可能で、キュー遅延のみの制御をすることで最大遅延時間を保証する。
(2) Controlled Load Service (CLS):CLSはネットワークが輻輳状態においても、非輻輳状態のBest Effort Serviceと同じサービスを提供する。つまり、厳密保証なしの、低パケット遅延・低パケット廃棄サービスである。これは、データフローのアドミッション制御によって実現する。見方を変えれば、CLSは最低帯域を保証するサービスである。
(3) Best Effort Service (BES):BSEは現在のインターネットでのサービスである。
【0159】
又、ATMには、 DBR (Deterministic Bit Rate)、 ABR (Available Bit Rate), UBR(Unspecified Bit Rate)の3種類のサービスがあり、以下の特徴がある。
(1) DBR (Deterministic Bit Rate):DBRサービスは一定帯域をコネクションに割り当てるサービスである。すなわち、DBRサービスではユーザから申告されたトラフィックパラメータに基づいて、セル損失やセル転送遅延品質など要求品質を保証するに必要な帯域の割当を行う。最もネットワークを贅沢に使用するサービスである。
(2) ABR (Available Bit Rate):ABRは最低保証レートをコネクションに割り当てるサービスであり、最低保証レート以上の速度でも通信しても良く、その場合は網が空いていれば転送される。
(3) UBR(Unspecified Bit Rate):UBRは品質規定がないクラスであり、インターネットでのBES用に作られたサービスである。ATMネットワーク中で、USRコネクションに対し、ある一定の帯域を割り当てることも可能である。
【0160】
(c) サービスクラスの変換制御
RSVPにおける上記3種類のサービスはそれぞれATMにおける上記3種類のサービスに対応し、図43に示す対応関係がある。すなわち、
(1) RSVPにおけるGuaranteed Service (GS)はATMにおける DBR (Deterministic Bit Rate)に対応し、
(2) Controlled Load Service (CLS)はABR (Available Bit Rate)に対応し、
(3) Best Effort Service (BES)はUBR(Unspecified Bit Rate)に対応する。
IPではIPヘッダ中にトラフィッククラスを指定できる。従って、各境界装置のATMレイヤ受信処理部51はIPヘッダを参照してトラフィッククラスを識別し、図43の対応テーブルを参照してATM網における対応クラスを識別し、AAL変換処理を行う。たとえば、IPでのトラフィッククラスがリアルタイム性を要するものであれば(GS)、ATM上でのクラスもリアルタイム性を保証するクラス(DBR)を対応付ける。このようにすれば、IP網間にATM網が介在してもIP通信全体で同等のQoS制御を行えるようになる。
【0161】
(J)パケット廃棄制御
送信側境界装置EN0は、ATM網に送出するトラフィックよりIP網から流入するトラフィックの方が大きければ到着したパケットの廃棄を行い、受信側境界装置ENiは、IP網に送出するトラフィックよりATM網から流入するトラフィックの方が大きければセルをフレーム(IPパケット)単位で廃棄する。又、それぞれの場合、フレーム単位に廃棄の優先順位を設定し、該優先順位に従って廃棄する。
(a) 送信側境界装置EN0における廃棄制御
ATM網に送出するトラフィックをBWa、IP網から到着するトラフィックをBWipとするとき、BWip>BWaとなるとATMレイヤ送信処理部56(図43)のシェーピング用バッファ56aにセルが滞留を開始する。ATMレイヤ送信処理部56は滞留セルがバッファ56aから溢れそうになると、すなわち、キュー長Yが設定長Xより大きくなるとパケット(フレーム)単位で廃棄する。
【0162】
又、フレーム単位に廃棄の優先順位を付することにより優先順にフレーム廃棄制御を行うことができる。この場合、セルヘッダにフレームの最後セルであることを示す識別子が書き込まれているから(AAL5の最終セル識別子)、この識別子を利用してフレームを区切る。又、フレームの廃棄優先順はフレームに付された優先識別子を用いる。
図45は優先廃棄制御の構成図であり、56aはシェーピング用バッファ、56bはバッファにおけるセルの滞留量(キュー長)Yを監視するセル滞留量監視部、56cは廃棄制御部である。廃棄制御部56cは、低優先フレームの廃棄閾値をX1、高優先フレームの廃棄閾値をX2(>X1)とすれば、低優先のフレームについては滞留量YがX1を越えると廃棄し、高優先のフレームについては滞留量YがX2を越えると廃棄する。
【0163】
(b) 受信側境界装置ENiにおける廃棄制御
図46は、受信側境界装置ENiにおける廃棄制御説明図であり、58aはセルをキューイングすると共に所定の速度で読出して出力するトラフィックシェーピング用のバッファ、58bはATMセルをIPパケットに変換するATM-IP変換部、58cは廃棄制御部である。
IPネットワークに送出するトラフィックをBWip、ATMネットワークから到着するトラフィックをBWaとするとき、BWa>BWipとなるとバッファ58aにセルが滞留する。廃棄制御部58cは、滞留セルがバッファ58aから溢れそうになると、すなわち、キュー長Yが設定長より大きくなるとパケット単位で廃棄する。
この場合、送信側境界装置EN0における廃棄制御と同様に、フレーム単位に廃棄優先順位を付して廃棄制御を行うことができる。たとえば、低優先フレームの廃棄閾値をX1、高優先フレームの廃棄閾値をX2(>X1)とすれば、廃棄制御部58cは、低優先のフレームついて滞留量YがX1を越えると廃棄し、高優先のフレームついて滞留量YがX2を越えると廃棄する。
【0164】
(c) パケット毎にセルを廃棄する処理
図47はATMにおいてATMセルに区切って転送されているパケットを、パケット毎にセル廃棄する周知のEDP(Early Packet Discard)/ PPD(Partial Packet Discard)アルゴリズムのフローである。IPパケットは一般的に数百バイトから数千バイトの長さを持つ。もし、ATMレイヤで輻輳のために1セル廃棄されたとすると、その1セルの廃棄でIPパケットを構成する全てのセルが無効になる。つまり、EPD/PPDとは、その無効になるセル群を下流のATM網に転送することなく、その輻輳箇所で全て廃棄する機能である。パケットの廃棄方法としてはPPDとEPDの2種類がある。
(1) PPD:PPDはセル廃棄が発生した場合、その廃棄されたセルに属する後続のパケットを構築するセル全てを廃棄する方式である。
(2) EDP:EDPはバッファに閾値を設け、キュー長がその閾値を越えている場合、新規に流入しようとするパケットを全て廃棄する方式である。つまり、早めにパケット単位で廃棄して輻輳を回避しようとする方式である。
【0165】
図47のフロー中のパラメータは以下の意味を有する。
ENP:パケット廃棄(0:無効、 1:有効) QS: 共通バッファ面のキュー長
QVC:VC毎のバッファでのキュー長
THPS:共通バッファ面でのEPD開始閾値
THPVC:VC毎のバッファでのEPD閾値
EOP:パケットの終わりのマーク(1:パケットの終わりセル) Epr:パケット転送優先フラグ(0:非優先、1:優先) PD: パケット廃棄開始フラグ(0:廃棄しない、1:は廃棄) SOP:パケット先頭セル識別フラグ(1:パケット先頭セル) EOPLOSS:EOPセル廃棄識別フラグ(0:廃棄しない、1:は廃棄) Fcell loss:選択セル廃棄の状態フラグ(真:セル廃棄、偽:セル廃棄せず)。
【0166】
(K)SVCの切断制御
ATM網上でSVCを用いてコネクションを設定した場合、受信者からの切断要求によりSVCコネクションを切断するのは当然であるが、電源断や装置障害等により端末からトラフィックが流れてこない場合はSVCコネクションを自動的に切断して資源(帯域、VPI/VCI)を節約することが望ましい。そこで、境界装置はSVCコネクションを確立した場合、トラフィックの到着をタイマーを用いて監視し、一定期間経過してもIP網からトラフィックが到着しなければSVCコネクションを自動的に切断する。この場合、ネットワークサービスのタイプ(FTP、SMTP, TELNETなど)を識別し、長時間通信するようなサービスタイプ、例えばFTP(File Transfer Protocol)であれば、切断タイマー時間を長くし、短時間で終了するようなサービスタイプ、例えばSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)であれば、切断タイマー時間を短くする。
【0167】
図48は送信側境界装置EN0のSVC切断制御処理フローである。
送信側境界装置EN0はSVCにより受信側境界装置EN1〜ENn間にp-mpコネクションを確立すると、IPを使用してサービスされるプロトコルのタイプを識別し(ステップ201)、該プロトコルに対応するSVC切断時間Tpを取得して、SVC切断タイマを起動する(ステップ202)。以後、タイマによる計時を行うと共に、送信端末よりIPパケットが到来したか所定周期で監視し(ステップ203,204)、IPパケットが到来していれば、計時時間tをリセットしステップ202以降の処理を繰り返す。
【0168】
ステップ204においてトラフィックが到来していなければ、トラフィック未到着時間tがSVC切断時間Tp以上になったかチェックし(ステップ205)、Tpより短ければステップ203以降の処理を行う。しかし、トラフィック未到着時間tがSVC切断時間Tp以上になれば、ATMシグナリング処理によりSVCコネクションを切断する(ステップ206)。
以上のようにすれば、電源断や装置障害等により端末からトラフィックが流れてこなければ自動的にコネクションを切断して帯域やVPI/VCIの資源を節約することができる。又、ネットワークサービスのプロトコルタイプに応じて切断タイマーの長さを設定するため、適切なSVC切断制御ができる。
【0169】
(L)ATM網全体の帯域利用度を考慮したコネクション分離ポリシー
以上では、送信側境界装置とそれに接続する第1番目のATM交換機間の資源使用状況に応じたコネクション選択・設定ポリシーについて説明した。以降では、送信側境界装置とそれに接続する第1番目のATM交換機間のみならず、ATM網コア部のATM交換機における帯域利用度、すなわち、ATM網全体の帯域利用度を考慮して、データ配信サービス用のコネクションを選択・設定するポリシーについて説明する。
【0170】
(a)構成
図49はATM網全体の帯域利用度を考慮してコネクションを設定する本発明のインターネットシステムの構成図であり、Sは送信端末、R1〜Rnは受信端末、EN0は送信側境界装置、EN1〜ENnは受信側境界装置、ATM SW0〜ATM SW2はATM網33内に設けられた複数のATM交換機である。送信側境界装置EN0と受信側境界装置EN1間は、例として、帯域5Bのp-pコネクションが設定され、送信側境界装置EN0と受信側境界装置ENi,ENn間は帯域2Bのp-mpコネクションが設定されている。
送信側境界装置EN0において、61は通信品質制御プロトコルの制御メッセージ(pathメッセージ、reserveメッセージ等)を抽出及び送出する制御メッセージ抽出/送出部、62は資源予約プロトコル解析部、63はコネクション設定/解放ポリシー制御部、64はATMシグナリングリング処理部、65はATMシグナリングメッセージ抽出送出部である。
【0171】
制御メッセージ抽出/送出部61は図3におけるセル受信部41/セルパケット化部49/パケット送出部50に対応し、資源予約プロトコル解析部62はRSVPメッセージ処理部42に対応し、コネクション設定/解放ポリシー制御部63はエントリ制御部44/エントリタイマ45/ATM資源判定部46に対応し、ATMシグナリングリング処理部64はIPアドレス-ATMアドレス変換テーブルメモリ43/ATMコネクション制御部47に対応し、ATMシグナリングメッセージ抽出送出部65はセル送出48に対応する。
コネクション設定/解放ポリシー制御部63は、図50に示すように、配信セッション#0〜#n毎にクラス情報テーブル63a、コネクション情報テーブル63b、モード情報テーブル63cなどを備えている。クラス情報テーブル63aは最新のクラス情報CLINFを更新保持するもの、コネクション情報テーブル63bは最新のコネクション情報CNINFを更新、保持するもの、モード情報テーブル63cは帯域リッチ/セーブモードの別やタグリッチ/セーブモードの別等を記憶するものであり、コネクション設定/解放ポリシー制御部63はこれら情報に基づいてコネクションを設定する。
【0172】
クラス情報CLINFは、帯域を予めx個のクラスに固定的に分類したとき(図14参照)、各クラス(クラス0〜クラスx-1)と該クラスに分類される資源要求数との対応を記憶するものである。ATM網全体の帯域利用度を考慮した本発明のコネクション設定法では、クラス毎にコネクションを設定せず、1あるいは複数のクラスをまとめてグループ化し、グループ毎にコネクション(p-pコネクション、p-mpコネクション)を設定する。すなわち、各資源要求をその要求帯域に基づいて所定のクラスに分類し、1つのp-mpコネクションで複数クラスに所属する複数の要求をサポートする。コネクション情報CNINFは、コネクション毎に、▲1▼コネクションの種別(p-pコネクション、p-mpコネクションの別)、▲2▼コネクションに応じたグループの最下位及び最上位クラス、▲3▼帯域有効割当率、▲4▼要求帯域分散(あるいは平方変動係数)、▲5▼資源要求数、▲6▼要求数変化率を記憶するもので、これら情報に基づいて後述するコネクションの設定/分離が行われる。
【0173】
(b)帯域有効割当率を考慮した第1のコネクション設定/分離
(b-1) 概略
送信側境界装置EN0は、帯域有効割当率を考慮したコネクション設定/分離を以下のように行う。すなわち、新たに発生した資源要求が分類されるクラスが所属するグループに応じたコネクションの帯域有効割当率βを次式により計算し、該帯域有効割当率βが設定値以下であれば、ATM網全体の帯域有効割当率が改善するように該コネクションを2つのコネクションに分離する。すなわち、元のコネクション(残留コネクション)と新たなコネクションに分離する。
コネクション#aの帯域有効割当率β≡Σibi×Ci/B×Σi Ci (3)
i:コネクション#aに所属するクラスの識別子
bi:クラスiの上限帯域
Ci:クラスiの所属要求数
【0174】
(b-2) 帯域有効割当率βの意味
単一のp-mpコネクションでは1つの帯域しか設定できないため、各リーフの帯域を等しくしなければならない。そのため、配信セッション中の最大要求帯域を単一のp-mpコネクションの帯域としてサービス提供するが、これでは過剰な帯域割り当てになり、ATM網全体の帯域の無駄使いになる。(3)式の帯域有効割当率βは、受信側境界装置とそれに接続するATM交換機間のコネクションに関する帯域の割当率を示しており、帯域過剰割当を推し量る指標となる。例えば、図49において、境界装置EN1,ENi,ENnに接続する3つの要求を単一のp-mpコネクション(帯域5B)で接続すれば、本コネクションの帯域有効割当率βは(3)式より、
β=(2×2+5×1)/5×3=0.6となる。
送信側境界装置EN0と最初のATM交換機ATM SW0間の帯域及びVPI/VCIリソースの有効利用は、ATM網33全体の帯域有効利用とトレードオフの関係にある。たとえば、図49において前記単一のp-mpコネクションが送信側境界装置EN0と最初のATM交換機ATM SW0 間の有効利用に関して最も効率的となる。しかし、この単一のp-mpコネクションはATM網33全体の帯域有効利用に関しては最適でなく、3つのp-pコネクションを送信側境界装置EN0と各受信側境界装置間に設定する方が効率的である。
【0175】
(b-3) 処理フロー
送信側境界装置EN0とその最初のATM交換機ATM SW0間が、物理的な回線帯域の制約を受ける部分であり、ボルトネックとなる。従って、帯域有効当率βに基づく、コネクションの設定、分離は、送信側境界装置EN0と最初のATM交換機ATM SW0間の帯域及びVPI/VCIリソースに余裕がある場合に行うべきである。
図51は上記帯域有効割当率βを考慮した本発明のコネクション設定、分離制御の処理フローであり、処理開始の契機は、コネクションの状態が変化する資源要求の発生時及び資源要求の消滅時である。
処理契機に際して、まず、ボトルネックである送信側境界装置EN0と最初のATM交換機間の状態(モード)をチェックする(ステップ1001)。帯域セーブモードあるいはタグセーブモードであれば、資源要求を既存コネクションへ収容し、あるいは既存コネクションから削除し、クラス情報CLINF及びコネクション情報CNINFを更新する(ステップ1002)。例えば、新たな資源要求が発生した場合には、該資源要求の要求帯域に基づいてクラスを求め、該クラスのコネクションへ資源要求を収容する(リーフ追加、あるいはコネクションの張り替え)。又、クラス情報テーブル63a及びコネクション情報テーブル63bにおける対象クラス、対象コネクションの要求数を更新する。以後、最初に戻り、以降の処理を繰り返す。
【0176】
一方、ステップ1001において、帯域リッチモードであり、かつ、タグリッチモードであれば、対象資源要求が分類されるクラスを求めると共に、コネクション情報テーブル63bを参照して該クラスが所属するグループに応じたコネクション(候補コネクション)を選択する(ステップ1003)。
ついで、該候補コネクションが分離対象となるかを判定する(ステップ1004)。候補コネクションのグループに収容されるクラスが単一クラスであれば、分離は不可能であり分離の対象外となる。また、収容クラスが少数であればコネクションの分離はメリットが少ない。そこで、収容クラス数が設定値以上のコネクションのみを分離対象のコネクションとする。
ついで、ステップ1004の条件を満足する候補コネクションに対象資源要求を追加あるいは削除した場合の帯域有効割当率βを(3)式に従って計算し、分離、張替の閾値である "帯域有効割当閾値βs"とその大小を比較する(1005)。β≧βsであればATM網全体での帯域割当は良好であるから、コネクションの分離、張替は不要である。従って、コネクションの分離、張替を行わずに、ステップ1002の処理を行う。
【0177】
一方、β<βsであれば、ATM網全体での帯域損が大きいから、ATM網全体の帯域有効割当率が改善するように該当コネクションを2つのコネクション(残留コネクションと新たなコネクション)に分離し、コネクションの張替を行う(ステップ1006)。すなわち、▲1▼新コネクションを設定し、かつ、▲2▼残留コネクションより該当リーフを解放し、かつ、▲3▼新コネクション情報の作成、残留コネクション情報の修正を行って、各テーブル63a,63bの内容を更新する。
しかる後、送信側境界装置EN0と最初のATM交換機ATM SW0間のコネクション数C及び消費帯域Bを更新し(ステップ1007)、該コネクション数C及び消費帯域Bを参照してタグリッチモードであるかタグセーブモードであるか、及び、帯域リッチモードであるか帯域セーブモードであるか決定し(ステップ1008)、以後、始めに戻り以降の処理を繰り返す。
以上により、ATM網全体での帯域の有効利用が可能になる。
【0178】
(c)帯域有効割当率及び要求数変化率を考慮したコネクション設定/分離
(c-1) 概略
データ配信セッションの開始時や立ち上がり時あるいはコンテンツの切り換わり時などでは予約要求数の増減変化が激しい。かかる状況においては、不適切なコネクションの張り替えや頻繁なコネクション張り替えが起こる。特に、頻繁なコネクションの張り替えは、ATM網内のシグナリングメッセジ量の増加を招き、境界装置のみならず各ATM交換機のシグナリング処理負荷を重くするため避ける必要がある。以上より、要求数の変化率が大きい時は、既存コネクションの分離及び分離によるコネクションの張り替えを回避するのが望ましい。
そこで、コネクション毎の要求数の変化率をモニタし、変化率が高い場合は、張り替え判断の基準となる帯域有効割当率の閾値βsを小さくし、図51におけるステップ1005の条件を成立しにくくする。
【0179】
(c-2) 処理フロー
図52は帯域有効割当率β及び要求数変化率を考慮した本発明のコネクション設定、分離制御の処理フローであり、ステップ1021を除けば図51の処理フローと同じである。
ステップ1004において、候補コネクションの収容クラス数が設定値以上であれば、要求数変化率を求め、次式に従って帯域有効割当率閾値βsを変更する(ステップ1021)。
要求数変化率は、例えば、数秒程度の所定時間内に発生した要求数とすることができる。従って、該時間毎に図52の処理フローを繰り返し実行するものとすれば、該期間内に発生した対象要求数が要求数変化率になる。
【0180】
上式により、帯域有効割当率閾値βsは、要求数変化率が要求数変化率閾値より大きくなると小さくなる。尚、βsが増大する場合は上式により最大帯域有効割当率閾値βmで増大を制限する。
以後、候補コネクションに対象資源要求を追加あるいは削除した場合の帯域有効割当率βを(3)式に従って計算し、(4)式で得られている"帯域有効割当閾値βs"と大小を比較し(1005)、大小に応じて図51と同様の処理を行う。
以上、要求数変化をモニタし、要求数変化が大きい場合は、コネクションの張り替えを制限すべく、張り替え判定の閾値βsを小さくしたことにより、過剰なコネクションの分離、張り替えを抑えることができ、ATM網内の張り替えのシグナリングメッセジ処理負荷を低減することができる。
【0181】
(c-3) 変形例
図53は帯域有効割当率β及び要求数変化率を考慮した本発明のコネクション設定、分離制御の別の処理フローであり、ステップ1031を除けば図51の処理フローと同じである。この変形例では、ステップ1031において、要求数変化率が予め設定されている要求数変化率閾値より大きくなった時、コネクションの分離を禁止する。
【0182】
(d)帯域有効割当率及び要求帯域分散を考慮したコネクション設定/分離
(d-1) 概略
コネクションには、資源要求が該コネクションの最高帯域の分類クラスと最低帯域の分類クラスに集中するものがある。かかるコネクションは、最低帯域クラスを分離して別のコネクションを設定した方が帯域の有効利用を図ることができる。というのは、かかるコネクションでは最低帯域の割り当てで充分な資源要求(最低帯域の分類クラスの要求)に対して、p-mpコネクションで最高帯域を割り当ているからである。そこで、β<βsとなって分離/張り替えの対象となったコネクションのうち、要求数分布が上記のように最高帯域クラス側と最低帯域クラス側に偏るものだけを分離するようにすれば、帯域有効割当率は向上する。
【0183】
コネクションの要求数分布の偏りをあらわす値として要求帯域の分散値を使用する。具体的には、要求帯域分散値から算出できる帯域平方変動係数δを導入し、該帯域平方変動係数δが閾値δsを越えるものを分離対象コネクションとして選択する。この帯域平方変動係数δは次式により求めることができる。
コネクション#aの帯域平方変動係数δ
=コネクション#aの要求帯域分散/(コネクション#aの要求帯域平均値)2 (5)
コネクション#aの要求帯域平均値=Σibi×Ci/ΣiCi (i=1〜n) (6)
コネクション#aの要求帯域分散
=(Σibi2×Ci)/(ΣiCi)-(Σibi×Ci)2/(ΣiCi)2 (7)
i :コネクション#aで提供されるクラス識別子
n :コネクション#aの所属クラス数
bi:クラスiの上限帯域
Ci:クラスiの所属要求数。
【0184】
分類クラス#0, #1及び#2の3クラスを収容するコネクションを考える。分類クラス#0, #1, #2は、それぞれ0〜2B, 2B〜4B, 4B〜6Bの帯域の要求を収容するものとし、以下の2つのコネクション#a, #bの帯域平方変動係数δを考察する。但し、 コネクション#aにおいて、クラス#0, #1, #2の要求数はそれぞれ7, 1, 2、
コネクション#bにおいて、クラス#0, #1, #2の要求数はそれぞれ5, 2, 1、
である。
コネクション#a,#bの帯域有効割当率は等しくともに0.5である。
しかし、帯域平方変動係数は、#aでは0.289, #bでは0.222となる。#aは、両極のクラス#0とクラス#2に要求数が局在しており、平方変動係数値が#bよりも#aが大きいことがその状態を表している。
クラス#0を分離する処理を行うとすると、#a, #bそれぞれの分離処理後の帯域有効割当率(分離した2つのコネクションの加重平均値)は、0.944、0.889であり、#aの分離効果が高いことが分かる。
以上より、帯域平方変動係数に関する閾値δsが、例えば、0.25であれば、コネクション#bは分離対象外となるが、コネクション#aは分離対象として選択され、帯域の有効割当をより効果的に行えるようになる。
【0185】
(d-2) 処理フロー
図54は帯域有効割当率β及び要求帯域分散を考慮した本発明のコネクション設定/分離制御の処理フローであり、ステップ1041を除けば図51の処理フローと同じである。
ステップ1005において、候補コネクションに対象資源要求を追加または削除した場合の帯域有効割当率βを(3)式に従って計算し、既知の帯域有効割当閾値βsとその大小を比較し(1005)、β≧βsであればATM網全体での帯域割当は良好であるから、コネクションの分離、張替は不要である。従って、コネクションの分離、張替を行わずに、ステップ1002の処理を行う。
【0186】
一方、β<βsであれば、(5)〜(7)式により帯域平方変動係数値δを演算し、該帯域平方変動係数値δと設定されている帯域平方変動係数閾値δsの大小を比較する(ステップ1041)。δ≦δsであれば、帯域有効割当率を効果的に改善できないからコネクションの分離/張替を行わず、ステップ1002の処理を行う。
しかし、δ>δsであれば、帯域有効割当率を効果的に改善できるから、ステップ1006の処理を行い、以後、図51と同様の処理を行う。
以上、要求数分散を用いたコネクションの分離/張り替え判定を行うことにより、適切なコネクションを選択して分離/張り替えを行え、帯域有効割当率を効果的に改善できる。
以上では、所定帯域毎に複数の帯域クラス0〜x-1を設定し、1以上の帯域クラスでグループを構成し、グループ毎に1つのコネクションを設定し、グループ(コネクション)を2分する際、該分離対象グループに属するクラスを2つに分離し、各々の分離グループにコネクションを設定するものであるが、必ずしもクラス分けは必要でない。
【0187】
(M)コネクション分離処理
図51〜図54の処理ではステップ1006において、コネクションの分離/張り替え処理を行っているが、具体的にどのように分離するかを説明しなかった。以下では、コネクション分離/張り替えのアルゴリズムを説明する。
(a)第1のコネクション分離法
図55は第1のコネクション分離処理フローである。
コネクションの分離/張り替えが必要になると、該分離対象コネクションに対応するグループに属する要求を、▲1▼帯域の小さいクラスから所定数分のクラスまでの全クラスに所属する要求と、▲2▼残りの要求とに分離し、▲1▼,▲2▼のそれぞれの要求に対して新コネクションと残留コネクションを生成する(ステップ1006a)。
【0188】
ついで、分離後の各コネクションについて帯域有効割当率β1,β2を計算し、その加重平均値β(=(β1+β2)/2)が帯域有効割当率閾値βs以上であるかチェックする(ステップ1006b)。β≦βsであれば、コネクションを分離してもATM網全体の帯域有効割当を改善できないから、コネクションの分離、張替を行わずに、図51のステップ1002と同様の処理を行う。すなわち、対象の資源要求を既存コネクションへ収容し、あるいは削除し、クラス情報CLINF及びコネクション情報CNINFを更新する(ステップ1006c)。
一方、β>βsであれば、▲1▼新コネクションを設定し、かつ、▲2▼残留コネクションより該当リーフを解放し、かつ、▲3▼新コネクション情報の作成、残留コネクション情報の修正を行って、各テーブル63a,63bの内容を更新し(ステップ1006d,1006e)、コネクション分離/張り替え処理を終了する。
以上のようにすれば、コネクション分離により確実に帯域有効割当率を上昇できる。又、簡便な処理で、コネクション分離/張替処理を実行できる。
【0189】
(b)第2のコネクション分離法
図56は第2のコネクション分離処理フローである。
コネクションの分離/張り替えが必要になると、該分離対象コネクションに対応するグループに属する全資源要求の要求帯域の平均値を計算し、該平均値に対応するクラスを求める。ついで、該平均クラスを境界にして、▲1▼帯域の小さいクラスに所属する要求と、▲2▼残りの要求とに、グループを構成する要求を分離し、▲1▼,▲2▼のそれぞれの要求に対して新コネクションと残留コネクションを生成する(ステップ1006a′)。以後、図55と同様にステップ1006b以降の処理を行い、ATM網全体の帯域有効割当率を改善できるか否かに基づいてコネクションの分離/張り替えを行うか否かを決定する。
以上のようにすれば、コネクション分離により確実に帯域有効割当率を上昇できる。又、簡便な処理で、コネクション分離/張替処理を実行できる。
【0190】
(c)第3のコネクション分離法
1つのp-mpコネクションを2つのコネクションに分離する場合帯域が低い新コネクションに含まれる要求数が多いと、分離/張り替えのシグナリングメッセジによる各ATM交換機での負荷が大きくなる。そこで、帯域が低い方の新コネクション含まれる要求数を設定数M以下にしてシグナリング負荷を軽減する。
【0191】
図57は第3のコネクション分離処理フローである。
コネクションの分離/張り替えが必要になると、該分離対象コネクションに対応するグループに属する要求を、帯域の小さい方のクラスから累積し、累積値が設定数Mとなるクラスを求める。ついで、▲1▼該クラスまでの要求と、▲2▼残りのクラスに属する要求とに分離し、▲1▼,▲2▼のそれぞれの要求に対して新コネクションと残留コネクションを生成する(ステップ1006a″)。以後、図55と同様にステップ1006b以降の処理を行い、ATM網全体の帯域有効割当率を改善できるか否かに基づいてコネクションの分離/張り替えを行うか否かを決定する。
以上のようにすれば、コネクション分離により確実に帯域有効割当率を上昇でき、しかも、ATM交換機におけるシグナリング処理の負荷増大を制限することができる。
【0192】
(N)ATM網全体の帯域利用度を考慮したコネクションの統合ポリシー
(a)概略
資源要求の発生・消滅により、送信側境界装置EN0と隣接ATM交換機ATM SW0間の状態は変化し、帯域及びVPI/VCIに充分余裕がある状態(資源リッチモード)から余裕がない状態(資源セーブモード)に変化する。又、帯域セーブモードであっても資源要求の発生・消滅により各コネクションの状態が変化し、コネクションの統合により資源リッチモードあるいはそれに近い状態に変更できる。
そこで、周期的に送信側境界装置EN0と最隣接ATM交換機ATM SW0間の状態をチェックし、資源セーブモードであれば、ATM網全体の帯域有効割当て率が向上するように、コネクションの統合を行って資源リッチモードあるいはそれに近い状態にする。
【0193】
(b)第1の統合処理フロー
図58は本発明の第1の統合処理フローであり、データ配信セッションのコネクション毎に帯域有効割当率を定期的に監視し、監視結果に基づきコネクションを統合する方式である。。
予め、周期タイマの各時間帯(タイムスロット)と配信セッションの対応関係を設定しておき、周期タイマの指し示す時間帯に対応する配信セッションのコネクション群についてテーブルを参照して以下の処理を実行する(ステップ3001)。
対象セッションの最高帯域コネクションを上位帯域のコネクション#Hとし、該上位コネクション#Hのコネクション情報及びその他の情報をテーブル63a〜63cより読出す(ステップ3002)。ついで、送信側境界装置EN0と隣接ATM交換機ATM SW0間の状態が資源セーブモードであるかチェックする(ステップ3003)。資源リッチモードであればコネクションの統合をすることなく処理を終了し、以後、次の配信セッションについて上記処理を繰り返す。
【0194】
一方、資源セーブモードであれば、次に高い帯域のコネクションを下位コネクション#Lとしてそのコネクション情報をテーブルより読出し、統合判定する。すなわち、コネクション#H,#Lを統合した時の帯域有効割当率βを計算し、帯域有効割当率閾値βsmとの大小を比較する(ステップ3004)。β<βsmであれば、すなわち、コネクションの統合により帯域有効割当率βがβsm以上に向上しなければ、コネクション#H,#Lの統合をしない。ついで、下位コネクション#Lが着目配信セッションの最低帯域のコネクションであるかチェックし(ステップ3005)、最低帯域のコネクションでなければ下位コネクション#Lを上位コネクション#Hに変更し(ステップ3006)、以後ステップ3003以降の処理を繰り返す。
一方、ステップ3004において、β>βsmであれば、すなわち、コネクションの統合により帯域有効割当率が帯域有効割当率閾値βsm以上に向上すれば、下位コネクション#Lと上位コネクション#Hを統合し、コネクション#L, #Hを消去する(ステップ3007)。
【0195】
以後、送信側境界装置EN0と最初のATM交換機ATM SW0間のコネクション数C及び消費帯域Bを更新し(ステップ3008)、該コネクション数C及び消費帯域Bを参照してタグリッチモードであるかタグセーブモードであるか、及び、帯域リッチモードであるか帯域セーブモードであるか決定し(ステップ3009)、コネクション統合処理を終了し、次の配信セッションについて上記処理を繰り返す。
以上の実施例では、ある配信セッションのあるコネクション間で統合することが決定すれば、該配信セッションの他コネクションで統合処理を停止し、統合処理を終了する。その理由は、頻繁なコネクションの設定/張り替えは、ATM交換機のシグナリング負荷を増大させるからである。
以上によれば、コネクションを統合することにより送信側境界装置EN0と隣接 ATM交換機ATM SW0間のリソース不足を解消でき、しかも、ATM網全体の帯域有効割当率を向上することができ、設定コネクションの最適化が可能になる。
【0196】
(c)第2の統合処理フロー
図59は本発明の第2の統合処理フローであり、第1の統合処理と同一処理については同一ステップ番号を付している。第1の統合処理と異なる点は、ステップ3004aの処理である。第1の統合処理では、ステップ3004において、コネクション#H,#Lを統合した時の帯域有効割当率βを計算し、βと帯域有効割当率閾値βsmとの大小を比較し、その大小に応じてコネクションを統合するか否かを決定している。しかし、第2の統合処理では、統合後も高い帯域有効割当率が維持されるように、▲1▼βとβsmの大小に加えて、▲2▼要求帯域の分散値より求まる平方変動係数δを導入し、該帯域平方変動係数δと閾値δsmの大小をも考慮してコネクションの統合を行う。
【0197】
すなわち、資源セーブモードであれば(ステップ3003)、次に高い帯域のコネクションを下位コネクション#Lとしてその情報をテーブルより読出し、統合判定する(ステップ3004a)。
この統合判定においては、まず、コネクション#H,#Lを統合した時の帯域有効割当率βを計算し、帯域有効割当率閾値βsmとの大小を比較する。β<βsmで、コネクションの統合により帯域有効割当率βがβsm以上に向上しなければ(第1条件不成立)、コネクション#H,#Lの統合をしない。しかし、β>βsmであれば、コネクションの統合により帯域有効割当率が設定されている帯域有効割当率閾値βsm以上に向上し、帯域有効割当率が改善する(第1条件成立)。
【0198】
第1条件が成立すれば、(5)〜(7)式により帯域平方変動係数値δを演算し、該帯域平方変動係数値δと設定されている帯域平方変動係数閾値δsmの大小を比較する。δ>δsmであれば(第2条件不成立)、統合後のコネクションの最高帯域のクラスと最低帯域のクラスに要求が分散集中しており、帯域有効割当率を効果的に改善できていない。従って、δ>δsmであればコネクション#H,#Lの統合をしない。
しかし、δ≦δsmであれば(第2条件成立)、統合後のコネクションの最高帯域のクラスと最低帯域のクラスに要求が集中しておらず、帯域有効割当率を効果的に改善している。従って、下位コネクション#Lと上位コネクション#Hを統合し、統合前のコネクション#L, #Hを消去する(ステップ3007)。
以上、第2の統合方法によれば、要求数の分散を用いた統合判定を行うことにより、第1の都合方式に比べより帯域有効割当率の高い統合コネクションを生成できる。
【0199】
(d)第3の統合処理フロー
図60は本発明の第3の統合処理フローであり、第1の統合処理と同一処理については同一ステップ番号を付している。第1の統合処理と異なる点は、ステップ3004bにおける処理である。第1の統合処理では、ステップ3004において、コネクション#H,#Lを統合した時の帯域有効割当率βを計算し、βと帯域有効割当率閾値βsmとの大小を比較し、その大小に応じてコネクションを統合するか否かを決定している。しかし、第3の統合処理では、シグナリングメッセジによる各ATM交換機でのコネクション張り替えの負荷が軽減するように、▲1▼βとβsmの大小に加えて、▲2▼コネクション統合後の要求数を加味してコネクションの統合を行う。
【0200】
すなわち、資源セーブモードであれば(ステップ3003)、上位コネクション#Hの次に高い帯域のコネクションを下位コネクション#Lとしてその情報をテーブルより読出し、統合判定する(ステップ3004b)。
この統合判定においては、まず、コネクション#H,#Lを統合した時の帯域有効割当率βを計算し、帯域有効割当率閾値βsmとの大小を比較する。β<βsmで、コネクションの統合により帯域有効割当率βがβsm以上に向上しなければ(第1条件不成立)、コネクション#H,#Lの統合をしない。しかし、β>βsmであれば、すなわち、コネクションの統合により帯域有効割当率が帯域有効割当率閾値βsm以上に向上すれば(第1条件成立)、コネクション統合後の要求数Rを計算し、該要求数Rと要求数閾値Rsmの大小を比較する。
【0201】
R>Rsmであれば(第2条件不成立)、統合後の要求数が多くなり過ぎ、シグナリングメッセージによる各ATM交換機におけるコネクション張り替えの負荷が大きくなる。従って、R>Rsmであればコネクション#H,#Lの統合をしない。
しかし、R≦Rsmであれば(第2条件成立)、統合後のコネクションの要求数が少ないため、コネクション張り替えの負荷は小さい。従って、下位コネクション#Lと上位コネクション#Hを統合し、統合前のコネクション#L, #Hを消去する(ステップ3007)。
以上、第3の統合方法によれば、張り替えする要求数を考慮して統合コネクションを選択して統合するようにしたから、シグナリングメッセージによる各ATM交換機でのコネクション張り替えの負荷を軽減できる。
【0202】
(e)第4の統合処理フロー
図61は本発明の第4の統合処理フローであり、第1の統合処理と同一処理については同一ステップ番号を付している。第1の統合処理と異なる点は、ステップ3004cにおける処理である。第1の統合処理では、ステップ3004において、コネクション#H,#Lを統合した時の帯域有効割当率βを計算し、βと帯域有効割当率閾値βsmとの大小を比較し、その大小に応じてコネクションを統合するか否かを決定している。しかし、第4の統合処理では、▲1▼βとβsmの大小に加えて、▲2▼要求帯域の平方変動係数δを導入し、該帯域平方変動係数δと閾値δsmの大小をも考慮し、更に▲3▼コネクション統合後の要求数Rを加味して、統合コネクションの統合を行う。
【0203】
すなわち、資源セーブモードであれば(ステップ3003)、上位コネクション#Hの次に高い帯域のコネクションを下位コネクション#Lとしてその情報をテーブルより読出し、統合判定する(ステップ3004b)。この統合判定においては、▲1▼β>βsmであり、かつ、▲2▼δ≦δsmであり、かつ、▲3▼R≦Rsmであればコネクションの統合を行い、いずれかの条件が成立しなければコネクションの統合はしない。以上、本発明を実施例により説明したが、本発明は請求の範囲に記載した本発明の主旨に従い種々の変形が可能であり、本発明はこれらを排除するものではない。
【0204】
【発明の効果】
以上本発明によれば、受信側境界装置ENiは受信端末からの要求帯域BWr(i)を送信端末からのパスメッセージで通知されている推奨帯域BWsに変換して送信側境界装置EN0に申告し、送信側境界装置EN0は帯域BWs/ρ(k)のp-mpコネクションを確立するように構成したから、仮に受信端末で要求帯域の変更が頻繁に発生してもコネクションの張り替えが不要でSVCの再設定は生じず、又、コネクション数を削減してSVC資源(VPI/VCI資源)の浪費を防止できる。
又、本発明によれば、送信側境界装置EN0は受信端末からの要求帯域BWr(i)を送信端末の推奨帯域BWsに変換し、帯域BWs/ρ(k)の単一のp-mpコネクションを確立するように構成したから、SVC資源の浪費を防止でき、しかも、受信端末で要求帯域の変更が頻繁に発生してもSVCの再設定は生じない。
【0205】
又、本発明によれば、送信側境界装置EN0は各受信側境界装置ENiからの要求帯域BWr(i)のうち最大帯域BWmaxとするとき、帯域BWmax/ρ(k)のp-mpコネクションを確立するように構成したから、SVC資源の浪費を防止でき、又、受信端末で要求帯域の変更が頻繁に発生してもSVCの再設定を少なくできる。
又、本発明によれば、受信側境界装置ENiは配下の多数の受信端末からの要求帯域をその最大帯域BWiに変換して送信側境界装置装置EN0に送り、送信側境界装置EN0は各受信側境界装置ENiからの要求帯域BWr(i)のうち最大帯域BWmaxとするとき、帯域BWmax/ρ(k)のp-mpコネクションを確立するように構成したから、SVC資源の浪費を防止でき、又、受信端末で要求帯域の変更が頻繁に発生してもSVCの再設定回数を少なくできる。
又、本発明によれば、リンク内収容コネクション数が多くなるにつれてρ(k)を小さくしてp-mpコネクションの帯域を大きくしたから、収容コネクション数が多くなって帯域割当が安定しない場合であってもユーザが希望する品質でデータを送信することができる。
【0206】
又、本発明によれば、境界装置はIPでのトラフィッククラスがリアルタイム性を要するものであれば、ATM上でのクラスもリアルタイム性を保証するように対応付けたから、IP通信全体にわたって希望するクラスのQoS制御が可能になった。
又、本発明によれば、送信側境界装置EN0はATM網に送出するトラフィックよりIP網から流入するトラフィックの方が大きければ到着したパケットを廃棄し、又、受信側境界装置ENiは、IP網に送出するトラフィックよりATM網から流入するトラフィックの方が大きければセルをフレーム単位で廃棄するようにしたから、輻輳状態に対応することができる。又、優先順位に従って所定キュー長を越えたフレームを廃棄するようにしたから、優先順位の高いフレームの廃棄を防止することができる。
又、本発明によれば、電源断や装置障害等により端末からトラフィックが流れてこなければ自動的にコネクションを切断するようにしたから、帯域やVPI/VCIの資源を節約することができる。又、ネットワークサービスのプロトコルタイプに応じて切断タイマーの長さを設定するため、適切なSVC切断制御ができる。
【0207】
本発明によれば、新たに発生した資源要求が分類されるクラスに応じたコネクションの帯域有効割当率βを計算し、該帯域有効割当率βが設定値以下であれば、ATM網全体の帯域有効割当率が改善するように該コネクションを2つのコネクションに分離するようにしたから、ATM網全体での帯域の有効利用が可能になる。
又、本発明によれば、要求数変化をモニタし、要求数変化が大きければコネクションの分離及び張り替えを制限すべく、帯域有効割当率閾値βsを小さくしたから、過剰なコネクションの分離、張り替えを抑えることができ、しかも、ATM網内の張り替えのシグナリングメッセジ処理負荷を低減することができる。
又、本発明によれば、要求帯域の分散値を用いたコネクションの分離/張り替え判定を行うようにしたから、帯域有効割当率をより効果的に改善できる。
【0208】
又、本発明によれば、分離対象のコネクションに応じたグループを構成する要求を、▲1▼帯域の小さいクラスから所定数分のクラスまでに所属する要求と、▲2▼残りの要求とに分離し、▲1▼,▲2▼のそれぞれの要求により新コネクションと残留コネクションを生成するようにしたから、確実に帯域有効割当率を上昇でき、又、簡便な処理で、コネクション分離/張替処理を実行できる。
又、本発明によれば、平均値に対応するクラスを境界にして、分離対象コネクションに応じたグループを構成する要求を、▲1▼平均クラス以下の帯域の小さいクラスに所属する要求と、▲2▼残りの要求とに分離し、▲1▼,▲2▼のそれぞれの要求により新コネクションと残留コネクションを生成するようにしたから、確実に帯域有効割当率を上昇でき、又、簡便な処理で、コネクション分離/張替処理を実行できる。
又、本発明によれば、分離対象のコネクションに応じたグループを構成する要求を、▲1▼帯域の小さい方から数えた設定数の要求と、▲2▼残りの要求とに分離し、▲1▼,▲2▼のそれぞれの要求により新コネクションと残留コネクションを生成するようにしたから、確実に帯域有効割当率を上昇でき、しかも、ATM交換機におけるシグナリング処理の負荷増大を制限することができる。
【0209】
又、本発明によれば、資源セーブモード時にコネクションの統合により帯域有効割当率が帯域有効割当率閾値βsm以上に向上すれば、該コネクションの統合を実行するようにしたから、送信側境界装置と隣接ATM交換機間のリソース不足を解消でき、しかも、ATM網全体の帯域有効割当率を向上することができる。又、要求数の分散を用いた統合判定を行うことにより、より帯域有効割当率を向上できる。又、張り替えする要求数を考慮してコネクションの統合をするようにしたから、シグナリングメッセージによる各ATM交換機でのコネクション張り替えの負荷を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ルート主導型コネクション確立動作を示す図である。
【図2】エントリ式コネクション確立シーケンスを示す図である。
【図3】送信側境界装置の構成図である。
【図4】単一のポイント−マルチポイントコネクション(p-mpコネクション)を示す図である。
【図5】複数のポイント−マルチポイントコネクションを示す図である。
【図6】複数のポイント−ポイントコネクションを示す図である。
【図7】送信側境界装置の第1の動作のフローチャートである。
【図8】ポイント−マルチポイントコネクションとポイント−ポイントコネクションの混合を示す図である。
【図9】要求帯域の最大値に基づいて単一のp-mpの帯域を決定するシーケンス(第1の帯域決定方法)である。
【図10】新たな資源要求帯域がp-mpコネクションの帯域より大きい場合におけるコネクション張り替えシーケンスを示す図である。
【図11】新たな資源要求帯域が既存のp-mpコネクションの帯域より小さい場合におけるコネクションへのリーフ追加シーケンスを示す図である。
【図12】送信側境界装置における図9〜図11に従ったコネクション確立動作のフローチャートである。
【図13】パスメッセージ中の予想最大帯域に基いてp-mpコネクションの帯域を決定するシーケンス(第2の帯域決定方法)である。
【図14】送信側境界装置における図13に従ったコネクション確立動作のフローチャートである。
【図15】第3の帯域決定制御説明図である。
【図16】第4の帯域決定制御説明図である。
【図17】第5の帯域決定制御の説明図である。
【図18】第6の帯域決定制御の説明図である。
【図19】固定クラスを示す図である。
【図20】固定クラス分けを示す図である。
【図21】複数のp-mpコネクションが可能なシステムにおける固定クラス分けによる送信側境界装置のコネクション追加、張り替え処理フローである。
【図22】可変クラスを示す図である。
【図23】可変クラス分けを示す図である。
【図24】複数のp-mpコネクションが可能なシステムにおける可変クラス分けによる送信側境界装置のコネクション追加、張り替え処理フローである。
【図25】複数のp-mpコネクションが可能なシステムにおけるコネクション識別子閾値システムによる送信側境界装置のコネクション追加、張り替え処理フロー(タグセーブモード)である。
【図26】タグリッチモードを示す図である。
【図27】タグセーブモードを示す図である。
【図28】タグリッチモード/タグセーブモードを考慮したコネクション確立処理である。
【図29】 p-mpコネクションとp-pコネクションを併用する固定クラスシステム又は可変クラスシステムにおけるコネクション確立処理である。
【図30】 p-mpコネクションとp-pコネクションを併用するシステムにおけるタグセーブモードにおけるコネクション確立処理フローである。
【図31】タブリッチモードを示す図である。
【図32】タグセーブモードを示す図である。
【図33】 p-mpコネクションとp-pコネクションを併用するシステムにおいてタグリッチモード/タグセーブモードを考慮したコネクション確立処理である。
【図34】帯域リッチモードを示す図である。
【図35】帯域セーブモードを示す図である。
【図36】 p-mpコネクション及びp-pコネクションを併用する帯域しきい値システムのコネクション確立処理フロー(その1)である。
【図37】 p-mpコネクション及びp-pコネクションを併用する帯域しきい値システムのコネクション確立処理フロー(その2)である。
【図38】資源リッチモードを示す図である。
【図39】資源セーブモードを示す図である。
【図40】 p-mpコネクション及びp-pコネクションを併用する資源しきい値システムのコネクション確立処理フロー(その1)である。
【図41】 p-mpコネクション及びp-pコネクションを併用する資源しきい値システムのコネクション確立処理フロー(その2)である。
【図42】即時式コネクション確立シーケンスを示す図である。
【図43】境界装置の構成である。
【図44】RSVPとATMのトラフィッククラスのマッピング説明図である。
【図45】送信側境界装置のフレーム廃棄制御である。
【図46】受信側境界装置のフレーム廃棄制御である。
【図47】パケット毎にセルを廃棄する処理フローである。
【図48】SVCの切断制御である。
【図49】ATM網全体の帯域利用度を考慮してコネクションを設定するポリシーを説明する構成図である。
【図50】クラス情報及びコネクション情報説明図である。
【図51】帯域有効割当率を考慮したコネクション設定制御処理である。
【図52】帯域有効割当率及び要求数変化率を考慮したコネクション設定制御処理(その1)である。
【図53】帯域有効割当率及び要求数変化率を考慮したコネクション設定制御処理(その2)である。
【図54】帯域有効割当率及び平方変動係数を考慮したコネクション設定制御処理である。
【図55】コネクションの第1の分離処理である。
【図56】コネクションの第2の分離処理である。
【図57】コネクションの第3の分離処理である。
【図58】本発明の第1の統合処理フローである。
【図59】本発明の第2の統合処理フローである。
【図60】本発明の第3の統合処理フローである。
【図61】本発明の第4の統合処理フローである。
【図62】RSVP制御を示す図である。
【図63】RSVPメッセージ(PATHメッセージ)である。
【図64】RSVPメッセージ(RESVメッセージ)である。
【図65】ATMコネクション制御を示す図である。
【図66】ポイント−マルチポイント呼制御を示す図である。
【図67】ネットワーク構成図である。
【図68】ATM網を介してRSVPによりIP通信する場合の制御説明図である。
【図69】RSVPによりIP通信する場合のシグナリング手順説明図である。
【図70】IP網とATM網の関係を示す図である。
【図71】ポイント−ポイントコネクションを示す図である。
【図72】ポイント−マルチポイントコネクションとポイント−ポイントコネクションの併用を示す図である。
【図73】ポイント−マルチポイントコネクションの問題点を示す図である。
【図74】ポイント−ポイントコネクションの問題点を示す図である。
【符号の説明】
S 送信端末
R1〜Rn 受信端末
EN0 送信側境界装置
EN1〜ENn 受信側境界装置
ATMsw ATM交換機
33 ATM網
Claims (33)
- 送信端末を収容するIP(Internet Protocol)網と受信端末を収容するIP網間にATM(Asynchronous Transfer Mode)網が存在し、又、IP網とATM網の境界にIP通信機能とATM通信機能を有する境界装置が存在し、ATM網内にコネクションを設定して送信端末と複数の受信端末間で1対Nの通信を行うIP通信網におけるコネクション設定方法において、
送信端末、受信端末、各境界装置にIP網上で動作する通信品質制御プロトコルによる資源予約機能を持たせ、
1つのデータ配信セッションに対して、送信端末から前記プロトコルに従って送信側境界装置、受信側境界装置を介して受信端末に送られる推奨帯域をBWs、配信データを受信するために各受信端末が前記プロトコルに従って送信端末に要求する帯域をBWr(i)(i=1,2,・・・)とするとき、受信側境界装置は受信端末からの前記要求帯域BWr(i)を推奨帯域BWsに変換して送信側境界装置に送信し、
送信側境界装置は帯域BWsの要求に対して、受信側境界装置との間に
帯域BWs/ρ(k)のポイント−マルチコネクションを確立して1対Nの通信を行うことを特徴とするATM網のコネクション設定方法 (ただし、ρ(k)は使用率で、送信側境界装置とATM交換機間のリンク内収容コネクション数kに応じた1以下の値である)。 - 送信端末を収容するIP(Internet Protocol)網と受信端末を収容するIP網間にATM(Asynchronous Transfer Mode)網が存在し、又、IP網とATM網の境界にIP通信機能とATM通信機能を有する境界装置が存在し、ATM網内にコネクションを設定して送信端末と複数の受信端末間で1対Nの通信を行うIP通信網におけるコネクション設定方法において、
送信端末、受信端末、各境界装置にIP網上で動作する通信品質制御プロトコルによる資源予約機能を持たせ、
1つのデータ配信セッションに対して、送信端末から前記プロトコルに従って送信側境界装置、受信側境界装置を介して受信端末に送られる推奨帯域をBWs、配信データを受信するために各受信端末が前記プロトコルに従って送信端末に要求する帯域をBWr(i)(i=1,2,・・・)とするとき、送信側境界装置は各受信端末からの要求帯域BWr(i)を推奨帯域BWsに変換し、かつ、
受信側境界装置との間に帯域 BWs/ρ(k)のポイント−マルチコネクションを確立して1対Nの通信を行うことを特徴とするATM網のコネクション設定方法 (ただし、ρ(k)は使用率で、送信側境界装置とATM交換機間のリンク内収容コネクション数kに応じた1以下の値である)。 - 送信端末を収容するIP(Internet Protocol)網と受信端末を収容するIP網間にATM(Asynchronous Transfer Mode)網が存在し、又、IP網とATM網の境界にIP通信機能とATM通信機能を有する境界装置が存在し、ATM網内にコネクションを設定して送信端末と複数の受信端末間で1対Nの通信を行うIP通信網におけるコネクション設定方法において、
送信端末、受信端末、各境界装置にIP網上で動作する通信品質制御プロトコルによる資源予約機能を持たせ、
1つのデータ配信セッションに対して、各受信端末が前記プロトコルに従って送信端末に要求する帯域をBWr(i)(i=1,2,・・・)とするとき、送信側境界装置は各受信端末からの要求帯域BWr(i)を最大の要求帯域BWmaxに変換し、かつ、
受信側境界装置との間に帯域 BWmax/ρ(k)のポイント−マルチコネクションを確立して1対Nの通信を行うことを特徴とするATM網のコネクション設定方法 (ただし、ρ(k)は使用率で、送信側境界装置とATM交換機間のリンク内収容コネクション数kに応じた1以下の値である)。 - 送信端末を収容するIP(Internet Protocol)網と受信端末を収容するIP網間にATM(Asynchronous Transfer Mode)網が存在し、又、IP網とATM網の境界にIP通信機能とATM通信機能を有する境界装置が存在し、ATM網内にコネクションを設定して送信端末と複数の受信端末間で1対Nの通信を行うIP通信網におけるコネクション設定方法において、
送信端末、受信端末、各境界装置にIP網上で動作する通信品質制御プロトコルによる資源予約機能を持たせ、
1つのデータ配信セッションに対して、各受信端末が前記プロトコルに従って送信端末に所定の帯域を要求するとき、各受信側境界装置は配下の複数の受信端末からの要求帯域を最大の要求帯域BWr(i)(i=1,2,・・・)に変換して送信側境界装置に送信し、
送信側境界装置は各受信端末からの要求帯域BWr(i)を最大の要求帯域BWmaxに変換し、かつ、
受信側境界装置との間に帯域 BWmax/ρ(k)のポイント−マルチコネクションを確立して1対Nの通信を行うことを特徴とするATM網のコネクション設定方法 (ただし、ρ(k)は使用率で、送信側境界装置とATM交換機間のリンク内収容コネクション数kに応じた1以下の値である)。 - 送信側境界装置は、IPレイヤでのトラヒッククラスがリアルタイム性を要するクラスであれば、対応するATMレイヤでのクラスもリアルタイム性を保証するクラスに対応づけることを特徴とする請求項1、または請求項2、または請求項3、または請求項4記載のATM網のコネクション設定方法。
- 送信側境界装置において、IP網から到着するトラフィックBWipがATM網へ送出するトラヒックBWaより多くなり、トラフィックシェービング用のバッファが溢れそうになった場合、フレーム廃棄を行うことを特徴とする請求項1、または請求項2、または請求項3、または請求項4記載のATM網のコネクション設定方法。
- 受信側境界装置において、ATM網から到着するトラヒックBWaがIP網に送出するトラヒックをBWipより多くなり、トラヒックシェーピング用のバッファが溢れそうになった場合、フレーム廃棄を行うことを特徴とする請求項1、または請求項2、または請求項3、または請求項4記載のATM網のコネクション設定方法。
- フレーム廃棄を、フレームに付けられている優先識別子によって低優先フレームより廃棄することを特徴とする請求項6または請求項7記載のATM網のコネクション設定方法。
- IPパケットが送信端末からある一定時間到着しなかった場合にコネクションを自動的に切断する場合、IPを使用してサービスされるプロトコルタイプを識別し、該プロトコルが長時間通信を行うサービスであれば、コネクション切断タイマーを長くし、該プロトコルが短時間通信を行うサービスであれば、コネクション切断タイマーを短くすることを特徴とする請求項1、または請求項2、または請求項3、または請求項4記載のATM網のコネクション設定方法。
- IP(Internet Protocol)網とATM(Asynchronous Transfer Mode)網の境界に設けられ、IP通信機能、ATM通信機能、IP網上で動作する通信品質制御プロトコルによる資源予約機能、ATMコネクション設定機能を備えた境界装置において、
1つのデータ配信セッションに対して前記プロトコルに従って、所定のIP網に収容された送信端末から別のIP網に収容された受信端末に送られる推奨帯域を BWs、配信データを受信するために各受信端末が前記プロトコルに従って送信端末に要求する帯域をBWr(i)(i=1,2,・・・)とするとき、
前記推奨帯域を保存する手段、
受信側境界装置として動作し、受信端末からの前記要求帯域BWr(i)を推奨帯域BWsに変換して送信側境界装置に送信する手段、
送信側境界装置として動作し、前記帯域 BWsの要求に対して、受信側境界装置との間に帯域BWs/ρ(k)のATMポイント−マルチコネクションを確立する手段、
を備えたことを特徴とする境界装置(ただし、ρ(k)は使用率で、送信側境界装置とATM交換機間のリンク内収容コネクション数kに応じた1以下の値である)。 - IP(Internet Protocol)網とATM(Asynchronous Transfer Mode)網の境界に設けられ、IP通信機能、ATM通信機能、IP網上で動作する通信品質制御プロトコルによる資源予約機能、ATMコネクション設定機能を備えた境界装置において、
1つのデータ配信セッションに対して前記プロトコルに従って、所定のIP網に収容された送信端末から別のIP網に収容された受信端末に送られる推奨帯域を BWs、配信データを受信するために各受信端末が前記プロトコルに従って送信端末に要求する帯域をBWr(i)(i=1,2,・・・)とするとき、
前記推奨帯域を保存する手段、
受信側境界装置から送られてくる各受信端末の要求帯域BWr(i)を推奨帯域BWsに変換する手段、
受信側境界装置との間に帯域 BWs/ρ(k)のATMポイント−マルチコネクションを確立する手段、
を備えたことを特徴とする境界装置(ただし、ρ(k)は使用率で、送信側境界装置とATM交換機間のリンク内収容コネクション数kに応じた1以下の値である)。 - IP(Internet Protocol)網とATM(Asynchronous Transfer Mode)網の境界に設けられ、IP通信機能、ATM通信機能、IP網上で動作する通信品質制御プロトコルによる資源予約機能、ATMコネクション設定機能を備えた境界装置において、
1つのデータ配信セッションに対して、各受信端末が前記プロトコルに従って送信端末に要求する帯域をBWr(i)(i=1,2,・・・)とするとき、
受信側境界装置から送られてくる各受信端末の要求帯域BWr(i)を最大の要求帯域BWmaxに変換する手段、
受信側境界装置との間に帯域 BWmax/ρ(k)のATMポイント−マルチコネクションを確立する手段、
を備えたことを特徴とする境界装置(ただし、ρ(k)は使用率で、送信側境界装置とATM交換機間のリンク内収容コネクション数kに応じた1以下の値である)。 - IP(Internet Protocol)網とATM(Asynchronous Transfer Mode)網の境界に設けられ、IP通信機能、ATM通信機能、IP網上で動作する通信品質制御プロトコルによる資源予約機能、ATMコネクション設定機能を備えた境界装置において、
1つのデータ配信セッションに対して、各受信端末が前記プロトコルに従って送信端末に所定の帯域を要求するとき、
受信側境界装置として動作し、配下の複数の受信端末からの要求帯域を最大の要求帯域BWr(i)(i=1,2,・・・)に変換して送信側境界装置に送信する手段、
送信側境界装置として動作し、受信側境界装置から送られてくる要求帯域
BWr(i)を最大の要求帯域BWmaxに変換する手段、
受信側境界装置との間に帯域 BWmax/ρ(k)のATMポイント−マルチコネクションを確立する手段、
を備えたことを特徴とする境界装置(ただし、ρ(k)は使用率で、送信側境界装置とATM交換機間のリンク内収容コネクション数kに応じた1以下の値である)。 - 送信端末を収容するIP(Internet Protocol)網と受信端末を収容するIP網間にATM(Asynchronous Transfer Mode)網が存在し、又、IP網と ATM網の境界にIP通信機能とATM通信機能を有する境界装置が存在し、1つのデータ配信セッションに対して、受信端末は通信品質制御プロトコルに従って所定の資源を要求し、送信側境界装置は各受信端末からの資源要求に基づいてATM網内に複数のポイント−マルチコネクション及びまたはポイントーポイントコネクションを設定し、1つの送信端末と複数の受信端末間で1対Nの通信を行うIP通信網におけるコネクション設定方法において、
受信端末からの資源要求を要求帯域に基づいて複数にグループ化し、グループ毎にポイント−マルチコネクションまたはポイントーポイントコネクションを設定し、該コネクションを介して送信端末からのデータを受信端末に配信し、
資源要求数が変化した時、該資源要求数の変化が生じたコネクションの帯域有効割当率を算出し、該帯域有効割当率が設定値以下であれば、該グループに属する要求を2つのグループに分離し、各々にコネクションを設定する、
ことを特徴とするコネクション設定方法。 - 資源要求数の変化が生じたコネクションの前記設定値を資源要求数変化率に基づいて制御すること、
を特徴とする請求項14記載のコネクション設定方法。 - 資源要求数の変化が生じたコネクションにおける要求帯域の分散値をも考慮して該コネクションを分離するか否かを決定する、
ことを特徴とする請求項14または請求項15記載のコネクション設定方法。 - 所定帯域毎に複数の帯域クラスを設定し、1以上の帯域クラスでグループを構成し、グループ毎にコネクションを設定し、所定のグループを2分してコネクションを分離する際、該分離対象グループに属するクラスを2つに分離し、各々の分離グループにコネクションを設定する、
ことを特徴とする請求項14、または請求項15、または請求項16記載のコネクション設定方法。 - 分離対象グループのクラスを、帯域の小さいクラスから所定数のクラスまでのグループと、それ以外のクラスの2つのグループに分離したとき、帯域有効利用率が改善すれば前記2つのグループに分離し、それぞれにコネクションを設定することを特徴とする請求項17記載のコネクション設定方法。
- 前記分離対象グループに属する全資源要求の要求帯域の平均値を計算し、該平均値に対応するクラスを境界に2つのグループに分離したとき、帯域有効利用率が改善すれば該分離対象グループを2つのグループに分離し、それぞれにコネクションを設定することを特徴とする請求項17記載のコネクション設定方法。
- 前記分離対象グループにおける最小帯域のクラスから資源要求の数を累計し、累計値が設定数になったクラスを境界に2つのグループに分離したとき、帯域有効利用率が改善すれば該分離対象グループを2つのグループに分離し、それぞれにコネクションを設定することを特徴とする請求項17記載のコネクション設定方法。
- 送信端末を収容するIP(Internet Protocol)網と受信端末を収容するIP網間にATM(Asynchronous Transfer Mode)網が存在し、又、IP網と ATM網の境界にIP通信機能とATM通信機能を有する境界装置が存在し、1つのデータ配信セッションに対して、受信端末は通信品質制御プロトコルに従って所定の資源帯域を要求し、送信側境界装置は各受信端末からの資源要求に基づいてATM網内に複数のポイント−マルチコネクション及びまたはポイントーポイントコネクションを設定し、1つの送信端末と複数の受信端末間で1対Nの通信を行うIP通信網におけるコネクション設定方法において、
受信端末からの資源要求を要求帯域に基づいて複数にグループ化し、グループ毎にポイント−マルチコネクションまたはポイントーポイントコネクションを設定し、該コネクションを介して送信端末からのデータを受信端末に配信し、
定期的に、隣接する帯域の2つのコネクションを統合するものとした場合の帯域有効割当率を監視し、
該帯域有効割当率が設定値以上であれば、2つのグループのコネクションを統合して1つのポイント−マルチポイントコネクションを設定する、
ことを特徴とするコネクション設定方法。 - 統合したコネクションにおける要求帯域の分散値を考慮して2つのコネクションを実際に統合するか否かを決定することを特徴とする請求項21記載のコネクション設定方法。
- 統合したコネクションにおける資源要求数が設定数以下であることを統合の条件とする、ことを特徴とする請求項21または請求項22記載のコネクション設定方法。
- IP(Internet Protocol)網とATM(Asynchronous Transfer Mode)網の境界に設けられ、IP通信機能、ATM通信機能、IP網上で動作する通信品質制御プロトコルによる資源予約機能、ATMコネクション設定機能を備え、1つのデータ配信セッションに対して、各受信端末からの資源要求に基づいてATM網内に複数のポイント−マルチコネクション及びまたはポイントーポイントコネクションを設定し、1つの送信端末と複数の受信端末間で1対Nの通信を行う境界装置において、
受信端末からの資源要求を要求帯域毎に複数にグループ化し、グループ毎に設定されたコネクションを管理する手段、
資源要求数が変化した時、該資源要求数の変化が発生したコネクションの帯域有効割当率を算出し、該帯域有効割当率が設定値以下であれば、該コネクションを分離する手段、
を備えたことを特徴とする境界装置。 - 前記分離手段は、資源要求数の変化が発生したコネクションの前記設定値を、資源要求数変化率に基づいて制御することを特徴とする請求項24記載の境界装置。
- 前記分離手段は、資源要求数の変化が生じたコネクションにおける要求帯域の分散値を考慮して該コネクションを分離するか否かを決定することを特徴とする請求項24記載の境界装置。
- 前記コネクション情報管理手段は、所定帯域毎に複数の帯域クラスを設定し、1以上の帯域クラスでグループを構成してグループ毎のコネクション情報を管理し、
前記分離手段は、新たな資源要求が発生した時、要求帯域が所属するクラスを求め、該クラスに応じたグループのコネクションの帯域有効割当率を算出し、該帯域有効割当率が設定値以下であれば、該コネクションを分離する、
ことを特徴とする請求項24、または請求項25または請求項26記載の境界装置。 - 前記分離手段は、
分離対象グループのクラスを、帯域の小さいクラスから所定数のクラスまでのグループと、それ以外のクラスのグループに分離し、それぞれにコネクションを設定することを特徴とする請求項27記載の境界装置。 - 前記分離手段は、
分離対象グループに属する全資源要求の要求帯域の平均値を計算し、該平均値に対応するクラスを境界にグループを分離し、それぞれにコネクションを設定することを特徴とする請求項27記載の境界装置。 - 前記分離手段は、
分離対象グループにおける最小帯域のクラスから資源要求の数を累計し、累計値が設定数になったクラスを境界に2つのグループに分離し、それぞれにコネクションを設定する請求項27記載の境界装置。 - IP(Internet Protocol)網とATM(Asynchronous Transfer Mode)網の境界に設けられ、IP通信機能、ATM通信機能、IP網上で動作する通信品質制御プロトコルによる資源予約機能、ATMコネクション設定機能を備え、1つのデータ配信セッションに対して、各受信端末からの資源要求に基づいてATM網内に複数のポイント−マルチコネクション及びまたはポイントーポイントコネクションを設定し、1つの送信端末と複数の受信端末間で1対Nの通信を行う境界装置において、
受信端末からの資源要求を要求帯域に基づいて複数にグループ化し、グループ毎に設定されたコネクションを管理する手段、
定期的に、隣接するグループの2つのコネクションを統合するものとした場合の帯域有効割当率を算出し、該帯域有効割当率が設定値以上であれば、2つのコネクションを統合する統合手段、
を備えたことを特徴とする境界装置。 - 前記統合手段は、
統合後のコネクションにおける要求帯域の分散値を考慮して2つのコネクションを統合するか否かを決定することを特徴とする請求項31記載の境界装置。 - 前記統合手段は、
統合後のコネクションにおける要求数が設定数以下であることを統合の条件とする、ことを特徴とする請求項31記載の境界装置。
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