JP3766211B2 - オートシードフィーダ支持装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ本体に付属するオートシードフィーダを可動可能に支軸するためのオートシードフィーダ支持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、構造体にその構造体に付属するユニットを取り付けるには、ネジやボルト等の止着部材により固定的に取り付ける方法と、可変自在に取り付ける方法とがある。両方ともそれぞれ利点があるが、後者の方法は、メンテナンス等何らかの理由で頻繁に着脱する必要がある場合に有利である。この構造体とユニットとの関係は、例えば、印字装置(構造体)とオートシートフィーダ(ユニット)との関係である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
構造体にユニットを変位可能に取り付けるようにした従来の構造において、ユニットの変位方向は殆ど一方向である。これにより、ユニットを変位させるために広い空間を確保しなければならない。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、プリンタ本体に付属するオートシードフィーダと、前記オートシードフィーダの両側に垂直面内で回動自在に支持された走行体と、前記プリンタ本体に対して固定的に設けられ前記プリンタ本体の一面から離反する直線方向に前記走行体を往復動自在に支持する支持体と、前記オートシードフィーダの前記支持体と対向する側面に回転自在に支持されたスプロケット又はギヤ等の回転輪と、この回転輪に正転及び逆転方向の回転力を付与する駆動手段と、前記プリンタ本体の一面から離反する直線方向に延出されて前記支持体に設けられ前記回転輪に噛合されたラック部と、前記回転輪が前記ラック部の前記構造体側の端部側の所定範囲内で噛合する動作期間内に限り前記回転輪を中心とする前記オートシードフィーダの回動運動を規制する規制ガイドとを具備する。
【0005】
したがって、回転輪は回転によってラック部上を転動するため、回転輪を一方向に回転させると、オートシードフィーダはプリンタ本体の一面から直線方向に離反する離反位置に変位する。この変位の過程で、回転輪がラック部のプリンタ本体側の端部側の所定範囲内で噛合する動作期間を過ぎると、オートシードフィーダは規制ガイドから解放されるため回転輪を中心とする回動運動が許容される。
【0006】
回転輪を他方向に回転させると、オートシードフィーダはプリンタ本体に向けて変位するが、この変位の過程で規制ガイドに拘束されるまでの間では回転輪を中心とするオートシードフィーダの逆方向への回動運動が許容されるため、オートシードフィーダがプリンタ本体の一面に復帰した状態では、オートシードフィーダは規制ガイドにより回動方向の動きが規制されて定位置で固定される。
【0007】
請求項2記載の発明は、プリンタ本体に付属するオートシードフィーダと、前記プリンタ本体に対して固定的に設けられ前記オートシードフィーダの両側に対向配置された支持体と、前記オートシードフィーダの前記支持体と対向する側面に固定的に支持されたスプロケット又はギヤ等の回転輪と、円筒部の一部に切欠部が形成されて前記回転輪と同軸上で一体に回動可能な異形軸と、前記支持体に形成されて前記異形軸の回転運動を阻止した状態で前記オートシードフィーダを前記プリンタ本体の一面から離反する直線方向に移動可能なように前記異形軸を直線方向に摺動可能に支持する長孔部と前記プリンタ本体から離反する方向における前記長孔部の後端から拡開されて前記異形軸の回動運動を許容する拡開円孔部とを有するガイド溝と、前記支持体の前記ガイド溝に沿う直線方向に往復動自在に設けられて前記回転輪に噛合されたラック状の可動部材と、前記可動部材に直線方向の駆動力を付与する駆動手段とを具備する。
【0008】
したがって、可動部材を一方向に駆動する駆動力は回転輪に作用する。このときに、異形軸がガイド溝の長孔部に回り止めされている期間では回転輪も回転運動が阻止されるため、オートシードフィーダが異形軸及び回転輪とともにプリンタ本体の一面から直線方向に離反する離反位置に変位する。この変位の過程で異形軸がガイド溝の拡開円孔部に達すると、オートシードフィーダを異形軸及び回転輪とともに一方向に回動させることが可能となる。
【0009】
可動部材他方向に駆動すると、オートシードフィーダが異形軸及び回転輪とともに他方向に回動する。このときの異形軸の回動により切欠部の向きが長孔部の面に一致すると、可動部材から回転輪に作用する力により異形軸が長孔により回転運動を阻止されて移動するため、オートシードフィーダが異形軸及び回転輪とともにプリンタ本体の一面に向かう直線方向に変位する。
【0010】
【発明の実施の形態】
請求項1記載の発明の一実施の形態を図1ないし図5に基づいて説明する。まず、構造体としての印字装置及びユニットとしてのオートシートフィーダの概略構成を図1に示す。この印字装置Pの筐体1には印字部2が設けられている。この印字部2はキャリア(図示せず)に搭載されたドットプリンタヘッド3と、このドットプリンタヘッド3に対向する平型のプラテン4とにより形成されている。ドットプリンタヘッド3が搭載されたキャリアはキャリアシャフト(図示せず)により移動自在に支持され、図示しない駆動部により往復駆動されるように構成されている。
【0011】
また、筐体1の前面には表示器(LCD)5が設けられ、その下方にはキーボード6が設けられている。さらに、筐体1の内部には、キーボード6の近傍に形成された手差口7から印字部2に至る用紙搬送路8と、筐体1の後面に形成された給紙口9,10を用紙搬送路8に接続する用紙搬送路11とが形成されている。用紙搬送路8には対をなす複数組の搬送ローラ12が配列され、印字部2の上部には印字済みの用紙を排紙受け13に向けて排紙する排紙ローラ14が配列されている。もう一つの用紙搬送路11には、給紙口9から給紙される単票S、或いは給紙口10から給紙される連続紙を印字部2に向けて搬送する搬送ローラ15が設けられている。
【0012】
さらに、筐体1の後部両側には支持体16が相対向して固定的に設けられ、これらの支持体16には、連続紙を給紙口10に向けて給紙するトラクタ17、単票Sを給紙口9に向けて給紙するオートシートフィーダ18が支持されている。
【0013】
オートシートフィーダ18は、本体ケース19の内部に、スプリング20により上方に付勢された底板21と、この底板21に載置された単票Sを一枚ずつ給紙する給紙ローラ22と、この給紙ローラ22により給紙された単票Sの重送を防止する分離ローラ23と、これらの給紙ローラ22及び分離ローラ23を駆動するモータ(図示せず)とを具備する。なお、印字装置Pは、トラクタ17による連続紙の給紙、オートシートフィーダ18による単票Sの給紙、手差口7からの種々の用紙の給紙を選択することができる。
【0014】
ここで、図2ないし図5に基づいて、オートシートフィーダ18を印字装置Pの背面側の一面に近接する位置(以下、実施の形態では給紙位置と称する)からトラクタ17(図1参照)の上面を開放する離反位置(以下、実施の形態では後方位置と称する)に向けて後退自在に支持する支持手段24の構成について説明する。図2ないし図4における16aは、相対向する支持体16を連結する連結部材である。
【0015】
オートシートフィーダ18の本体ケース19の両側には給紙方向と直交する通しシャフト25が軸受片26を介して回転自在に支持され、この通しシャフト25の両端は走行板27に設けたブッシュ28に回転自在に支持されている。走行板27には支持体16を上下方向で挾持する複数のガイドローラ29が回転自在に設けられている。すなわち、オートシートフィーダ18は、通しシャフト25とガイドローラ29と走行体としての走行板27とを介して支持体16に摺動自在に支持されている。さらに、通しシャフト25の両端部には回転輪であるスプロケットホイール30が固定的に嵌合され、このスプロケットホイール30に噛合されたラック部31が支持体16に一体に形成されている。なお、回転輪としてスプロケットホイール30を用いた場合、ラック部31の複数の歯は断面が円形の突起により形成することがスプロケットホイール30を円滑に回転させる上で望ましい。回転輪としてギヤを用いた場合には、台形状の歯を有するラックをラック部として用いる。
【0016】
図5に示すように、左右の走行板27のうちの一方には、駆動手段としての正逆回転自在のモータ32が固定され、このモータ32の回転軸33は前述したブッシュ28の内方において通しシャフト25の一端に回転方向には回り止めされた状態で連結されている。
【0017】
したがって、モータ32によりスプロケットホイール30を回転させるとスプロケットホイール30がラック部31上を転動するので、オートシートフィーダ18は直線方向に移動する。図2ないし図4において、スプロケットホイール30を時計方向に回転させた場合は、オートシートフィーダ18は図2に示す給紙位置から後方に直線的に移動する。そして、オートシートフィーダ18の本体ケース19の両側にはローラ34が回転自在に設けられ、これらのローラ34に係合する規制ガイド35が支持体16に固定的に設けられている。これらの規制ガイド35は、オートシートフィーダ18を給紙位置から後方位置への後退期間の前期間ではオートシートフィーダ18の直線方向の動きのみを許容し、後期間では通しシャフト25を支点とするオートシートフィーダ18のその前端が持ち上がる方向の回動運動を許容するように、U字形の形状に規制されている。さらに、規制ガイド35は、その底部にローラ34が係合した状態を検出するセンサ(図示せず)が内臓されている。
【0018】
さらに、図5に示すように、オートシートフィーダ18の本体ケース19の下部中央にはフック状の部材36が固定され、モータ32に駆動される通しシャフト25の一方向の回転をフック部材36に伝達するスプリングクラッチ37が設けられている。
【0019】
このような構成において、オペレータが印字装置Pのキーボード6側に位置してトラクタ17に連続紙を補給する場合には、印字装置Pの筐体1越しにトラクタ17を見ることになるが、トラクタ17の上方空間がオートシートフィーダ18により覆われているので見にくい。しかし、本実施の形態では、オートシートフィーダ18が給紙位置に位置する図2の状態から、モータ32によりスプロケットホイール30及び通しシャフト25を時計方向に回転させると、スプロケットホイール30がラック部31上を転動し、オートシートフィーダ18が後方上部(図2ないし図4における紙面上で右上方向)に直線的に移動し始める。このとき、通しシャフト25の時計方向の回転力がスプリングクラッチ37を介してフック部材36に作用するが、オートシートフィーダ18が後方に向けて退避する退避期間の前期間では、ローラ34が規制ガイド35に係合しているため、通しシャフト25を支点とするオートシートフィーダ18の回動運動が阻止される。
【0020】
図3に示すように、ローラ34が規制ガイド35の拘束状態から開放されたとき以降(オートシートフィーダ18の退避期間の後期間)では、オートシートフィーダ18はスプロケットホイール30の回転により後方位置に移動するとともにスプロケットホイール30及び通しシャフト25を支点として、図4に示すように前端側(図1に示す印字装置P側)が上方に向かう方向に回動する。
【0021】
以上のように、トラクタ17に連続紙を補給する場合には、オートシートフィーダ18を給紙位置から後方位置に後退させてトラクタ17の上方空間を開放することができるため、印字装置Pの前面側からのトラクタ17の見通しをよくすることができる。これにより、連続紙の補給を容易に行うことができる。
【0022】
この場合、オートシートフィーダ18を印字装置P側となる前端側が上部に向かうように回動させることができるので、オートシートフィーダ18の後方への移動距離を長くしなくてもトラクタ17の上方空間を広く開放することができる。したがって、奥方向への設置スペースを短縮することができる。また、奥方向へのスペースを広げる必要がない分だけ、キーボード6の手前側にオペレータの腕を置くスペースを確保することができる。
【0023】
さらに、図1に示すように、オートシートフィーダ18が給紙位置に位置する状態では、前端部が印字装置Pの筐体1の内部に入り込んでいるが、オートシートフィーダ18を給紙位置から後方位置に向けて直線方向に移動自在に支持するとともに、給紙位置から後方位置に向けて一定距離離れた任意位置で印字装置P側の前端側が上方に向けて回動させることができるため、オートシートフィーダ18を印字装置Pに干渉させることなく回動させてトラクタ17の上方空間を開放することができる。これにより、筐体1の後面にオートシートフィーダ18との干渉を避けるための凹状の逃げを形成する必要がない。これにより、筐体1の後面のデザインを損なうことがない。
【0024】
図4に示す状態でトラクタ17に連続紙を補給した後、モータ32によりスプロケットホイール30及び通しシャフト25を反時計方向に回転させると、スプロケットホイール30がラック部31上を転動するため、オートシートフィーダ18が給紙位置に向けて復帰する。この復帰過程の初期ときに、本体ケース19は通しシャフト25との摩擦力により反時計方向に回動しながら印字装置P側に復帰するので、ローラ34が規制ガイド35の端部35aで支えられ、ローラ34が規制ガイド35の底部に達するとその状態をセンサが検出するので、その検出信号を基にモータ32への通電を遮断することで、オートシートフィーダ18を給紙位置で静止させることができる。
【0025】
なお、スプロケットホイール30を駆動する駆動手段は、モータ32を用いずに手動により回転させるように構成することも可能である。また、オートシートフィーダ18を手動により回動させる構成してもよい。
【0026】
次に、請求項2記載の発明の一実施の形態を図6ないし図9に基づいて説明する。前実施の形態と同一部分については同一符号を用い説明も省略する。印字装置Pの構成は前実施の形態の場合と同様であるので、オートシートフィーダ18を給紙位置からトラクタ17(図1参照)の上面を開放する後方位置に向けて後退自在に支持する支持手段38の構成についてのみ説明する。
【0027】
印字装置Pの後部両側には相対向する支持体39が固定され、これらの支持体39は連結部材39aにより連結されている。オートシートフィーダ18の本体ケース19の両側に固定されたブラケット40には、給紙方向と直交する通しシャフト41が固定され、この通しシャフト41の両端部には、回転輪であるギヤ42が固定的に嵌合されている。これらのギヤ42は異形軸43と一体に形成されている。異形軸43は円筒部43aの一部に切欠部43bを形成した断面形状をもつ。
【0028】
支持体39には、異形軸43の切欠部43bを摺動自在に案内する長孔部44aとこの長孔部44aの後端から拡開されて異形軸43の回動運動を許容する拡開円孔部44bとを有するガイド溝44が形成されている。長孔部44aの幅は異形軸43の切欠部43bの対辺距離より僅かに大きい寸法に定められ、拡開円孔部44bの半径は異形軸43の円筒部43aの半径より僅かに大きな寸法に定められている。また、支持体39には、ギヤ42に噛合される歯(図示せず)がラック状に形成された可動部材45をガイド溝44に沿う直線方向に沿って摺動自在に案内するレール46が形成されている。
【0029】
そして、可動部材45に直線方向の駆動力を付与する駆動手段47が支持体39に設けられている。この駆動手段47は、支持体39に支軸48により回動自在に保持された操作レバー49と、この操作レバー49に一体に形成された扇形ギヤ50に噛合されて支軸51と一体に回転する伝動ギヤ52と、この伝動ギヤ52に噛合された扇形ギヤ53を有して支軸54を中心に回転するレバー55と、このレバー55と可動部材45とを連結するリンク56とにより形成されている。なお、操作レバー49は一方の支持体39にのみ設けられているが、左右の支持体39に設けた伝動ギヤ52を支軸51によって同軸上で連結することにより、一つの操作レバー49で左右で対をなす伝動ギヤ52を回転させることができる。また、左右の支持体39には、レバー55の回動範囲を規制するストッパ57と、オートシートフィーダ18の本体ケース19の両側面に回転自在に設けたローラ58に当接してオートシートフィーダ18の給紙位置を定めるU字形の位置決めガイド59とが設けられている。
【0030】
このような構成において、図6に示すように、オートシートフィーダ18が給紙位置に位置する状態で、操作レバー49を印字装置P側(図2において矢印F方向)に倒すと、図7に示すようにレバー55が反時計方向に回動してリンク56を押すため、可動部材45がリンク56に押されて拡開円孔部44b側に移動する。このとき、異形軸43の切欠部43bがガイド溝44の長孔部44aにより回り止めされて移動する過程ではギヤ42及び通しシャフト41は回転しない。したがって、通しシャフト41が固定されているオートシートフィーダ18は印字装置Pの後方となる直線方向に後退する。この後退動作の終期では、ローラ58がストッパ57から外れ、異形軸43が拡開円孔部44bに達すると、拡開円孔部44bでの異形軸43の回動運動が許容されるため、なおも後方に押される可動部材45に噛合されたギヤ42が異形軸43及び通しシャフト41とともに時計方向に回動する。したがって、通しシャフト41が回り止めされているオートシートフィーダ18も時計方向に回動する。したがって、トラクタ17の上方空間を広く開放することができ、トラクタ17への連続紙の補給を容易にすることができる。
【0031】
トラクタ17への連続紙の補給を終了し、図7に示す状態から操作レバー49を後方(図7において矢印R方向)に回動すると、レバー55が時計方向に回動し、リンク56を介して可動部材45を前方に引く。この可動部材45が前方へ移動する初期の過程では、異形軸43が拡開円孔部44bに位置するため、ギヤ42が異形軸43及び通しシャフト41とともに反時計方向に回動する。これにより、オートシートフィーダ18が反時計方向に回動する。この回動によりオートシートフィーダ18のローラ58は支持体39のストッパ59の後端部59aに達する。この時点では、切欠部43bがガイド溝44の長孔部44aの面と一致するので、可動部材45からギヤ42に作用する力により異形軸43がギヤ42及びオートシートフィーダ18とともに長孔部44aに沿って前方に移動し、ローラ58がU字形のストッパ59の底部に当接した給紙位置でオートシートフィーダ18が停止する。
【0032】
なお、可動部材45に直線方向の駆動力を付与する駆動手段47は、オペレータの操作により回動する操作レバー49の駆動力を可動部材45に伝達するように構成したが、モータ等を駆動源としてもよい。
【0033】
【発明の効果】
請求項1記載の発明は、プリンタ本体に付属するオートシードフィーダと、前記オートシードフィーダの両側に垂直面内で回動自在に支持された走行体と、前記プリンタ本体に対して固定的に設けられ前記プリンタ本体の一面から離反する直線方向に前記走行体を往復動自在に支持する支持体と、前記オートシードフィーダの前記支持体と対向する側面に回転自在に支持されたスプロケット又はギヤ等の回転輪と、この回転輪に正転及び逆転方向の回転力を付与する駆動手段と、前記プリンタ本体の一面から離反する直線方向に延出されて前記支持体に設けられ前記回転輪に噛合されたラック部と、前記回転輪が前記ラック部の前記プリンタ本体側の端部側の所定範囲内で噛合する動作期間内に限り前記回転輪を中心とする前記オートシードフィーダの回動運動を規制する規制ガイドとを具備するので、回転輪を一方向に回転させてラック部上を転動させることにより、オートシードフィーダをプリンタ本体の一面から直線方向に離反する離反位置に変位させることができ、この変位の過程で、回転輪がラック部のプリンタ本体側の端部側の所定範囲内で噛合する動作期間を過ぎたときに、オートシードフィーダを規制ガイドから解放して回転輪を中心に回動させることができる。回転輪を他方向に回転させた場合には、オートシードフィーダをプリンタ本体に向けて変位させ、この変位の過程で規制ガイドに拘束されるまでの間では回転輪を中心としてオートシードフィーダを逆方向に回動させ、オートシードフィーダをプリンタ本体の一面に復帰させた状態では、オートシードフィーダを規制ガイドにより回動方向の動きを規制して定位置で固定することができる。したがって、狭い空間でオートシードフィーダをプリンタ本体に対して接離させることができる。
【0034】
請求項2記載の発明は、プリンタ本体に付属するオートシードフィーダと、前記プリンタ本体に対して固定的に設けられ前記オートシードフィーダの両側に対向配置された支持体と、前記オートシードフィーダの前記支持体と対向する側面に固定的に支持されたスプロケット又はギヤ等の回転輪と、円筒部の一部に切欠部が形成されて前記回転輪と同軸上で一体に回動可能な異形軸と、前記支持体に形成されて前記異形軸の回転運動を阻止した状態で前記オートシードフィーダを前記プリンタ本体の一面から離反する直線方向に移動可能なように前記異形軸を直線方向に摺動可能に支持する長孔部と前記プリンタ本体から離反する方向における前記長孔部の後端から拡開されて前記異形軸の回動運動を許容する拡開円孔部とを有するガイド溝と、前記支持体の前記ガイド溝に沿う直線方向に往復動自在に設けられて前記回転輪に噛合されたラック状の可動部材と、前記可動部材に直線方向の駆動力を付与する駆動手段とを具備するので、可動部材を一方向に駆動する駆動力は回転輪に作用するが、異形軸がガイド溝の長孔部に回り止めされている期間では、オートシードフィーダを異形軸及び回転輪とともにプリンタ本体の一面から直線方向に離反させることができ、この変位の過程で異形軸がガイド溝の拡開円孔部に達したときに、オートシードフィーダを異形軸及び回転輪とともに一方向に回動させることができる。可動部材を他方向に駆動したときは、オートシードフィーダを異形軸及び回転輪とともに他方向に回動させ、異形軸の回動により切欠部の向きが長孔部の面に一致したときに、可動部材から回転輪に作用する力により異形軸を長孔により回転運動を阻止した状態で、オートシードフィーダを異形軸及び回転輪とともにプリンタ本体の一面に向けて直線方向に変位させることができる。したがって、狭い空間でユニットをプリンタ本体に対して接離させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1記載の発明の一実施の形態におけるプリンタ本体及びオートシードフィーダの概略構成を示す縦断側面図である。
【図2】 オートシードフィーダを構造体の一面に位置させて固定した状態を示す縦断側面図である。
【図3】 オートシードフィーダを途中まで後退させた状態を示す縦断側面図である。
【図4】 オートシードフィーダをプリンタ本体から離反させた状態を示す縦断側面図である。
【図5】 一方の支持体におけるオートシードフィーダの支軸構造を示す縦断正面図である。
【図6】 請求項2記載の発明の一実施の形態を示すもので、オートシードフィーダをプリンタ本体の一面に位置させて固定した状態を示す縦断側面図である。
【図7】 オートシードフィーダをプリンタ本体から離反させた状態を示す縦断側面図である。
【図8】 図7におけるA−A線部で断面にして一方の支持体におけるオートシードフィーダの支持構造を示す縦断正面図である。
【図9】 図7におけるB−B線部で断面にして一方の支持体に設けた駆動手段の構成を示す水平断面図である。
【符号の説明】
P プリンタ本体
16 支持体
18 オートシードフィーダ
30 スプロケットホイール、回転輪
31 ラック部
39 支持体
42 ギヤ、回転輪
43 異形軸
43a 円筒部
43b 切欠部
44 ガイド溝
44a 長孔部
44b 拡開円孔部
Claims (2)
- プリンタ本体に付属するオートシードフィーダと、前記オートシードフィーダの両側に垂直面内で回動自在に支持された走行体と、前記プリンタ本体に対して固定的に設けられ前記プリンタ本体の一面から離反する直線方向に前記走行体を往復動自在に支持する支持体と、前記オートシードフィーダの前記支持体と対向する側面に回転自在に支持されたスプロケット又はギヤ等の回転輪と、この回転輪に正転及び逆転方向の回転力を付与する駆動手段と、前記プリンタ本体の一面から離反する直線方向に延出されて前記支持体に設けられ前記回転輪に噛合されたラック部と、前記回転輪が前記ラック部の前記プリンタ本体側の端部側の所定範囲内で噛合する動作期間内に限り前記回転輪を中心とする前記オートシードフィーダの回動運動を規制する規制ガイドとを具備するオートシードフィーダ支持装置。
- プリンタ本体に付属するオートシードフィーダと、前記プリンタ本体に対して固定的に設けられ前記オートシードフィーダの両側に対向配置された支持体と、前記オートシードフィーダの前記支持体と対向する側面に固定的に支持されたスプロケット又はギヤ等の回転輪と、円筒部の一部に切欠部が形成されて前記回転輪と同軸上で一体に回動可能な異形軸と、前記支持体に形成されて前記異形軸の回転運動を阻止した状態で前記オートシードフィーダを前記プリンタ本体の一面から離反する直線方向に移動可能なように前記異形軸を直線方向に摺動可能に支持する長孔部と前記プリンタ本体から離反する方向における前記長孔部の後端から拡開されて前記異形軸の回動運動を許容する拡開円孔部とを有するガイド溝と、前記支持体の前記ガイド溝に沿う直線方向に往復動自在に設けられて前記回転輪に噛合されたラック状の可動部材と、前記可動部材に直線方向の駆動力を付与する駆動手段とを具備するオートシードフィーダ支持装置。
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