JP3765965B2 - 固体撮像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は固体撮像装置に関する。より詳しくは、被写体からの光を光電変換部で光電変換し、得られた信号電荷を出力する固体撮像装置に関する。このような固体撮像装置はビデオカメラやデイジタルスチルカメラなどに利用される。
【0002】
【従来の技術】
ビデオカメラに用いられている一般的な固体撮像素子は、1画素ごとに図6に示すようなフォトダイオードからなる光電変換部(以下「PD」という。)101を有している。読み出しゲート102に電荷読み出しパルスを印加することにより、PD101に蓄積された電荷が読み出しゲート102を経由して転送部(CCD(チャージ・カップルド・デバイス)形固体撮像素子の場合は垂直CCDおよび水平CCD)へ送られ、転送部を通してアナログ電気信号として出力される。この固体撮像素子が出力したアナログ電気信号は、図示しない映像信号処理回路によって、垂直同期の周波数が60HzであるNTSC(米国テレビジョンシステム委員会)方式で映像信号として処理される。なお、図中のOFDパルスは、垂直同期信号に同期してLレベルとHレベルとを交互に繰り返す信号であり、LレベルのときにPD101のカソードを接地してPD101に電荷を蓄積させる一方、Hレベルのときに蓄積された電荷をPD101から図示しないオーバフロードレインへ排出させる。つまり、OFDパルス(Lレベル)によってPD101における電荷の蓄積期間が定められる(電子シャッタ方式)。
【0003】
ここで、被写体の照明に用いられる蛍光灯やタングステン電球等の光源は、商用電源(周波数50Hzまたは60Hz)の周期の半分に相当する周期で明暗がせ変化している。このため、例えば50Hzの電源周波数で動作する蛍光灯によって被写体を照明し、ビデオカメラ(電荷読み出しパルスは、NTSC方式の垂直同期の周波数60Hzに同期して印加される)を用いて撮像した場合、両者の周波数の相違に起因して、NTSC方式の映像信号にフリッカ(明るさや色の周期的なチラツキ)が発生する。例えば図4に示すように、PD101が単位時間当たりに発生する電荷Q(t)は電源周波数50Hzに応じた周期(半分の周期)で変化する。OFDパルスによって定められる蓄積期間Δが電荷読み出しパルスに同期して周波数60Hzで周期的に到来する場合、各蓄積期間Δ内にPD101に蓄積された電荷Q,Q′,Q″,…がその直後の電荷読み出しパルスに同期して出力される。図から分かるように、出力される電荷量(図中に斜線を施した領域の面積で表される)Q,Q′,Q″,…はそれぞれ異なっており、フリッカが生ずる。
【0004】
従来、このようなフリッカを抑制する技術として、特開平6−253216号公報に開示されたものがある。この技術では、図5に示すように、撮像期間は商用電源周波数の周期をTACとして略MTAC/2(M≧1の整数。この例ではM=1)の長さとする。この撮像期間をN個(N≧2の整数。この例ではN=9)の期間T1,T2,…,TN に分割する。分割された期間T1,T2,…,TN には、それぞれセンサ部に蓄積された信号電荷を捨てる排出期間TSUB と、センサ部に信号電荷を蓄積する蓄積期間TSENSと、この蓄積期間TSENSと重なるかまたは独立の期間でセンサ部から信号電荷を垂直レジスタに転送する転送期間TR が設けられる。これによって、各々の期間T1,T2,…,TN 毎のΔt時間に各センサ部に蓄積された信号電荷が順次垂直レジスタに転送され、この合計の信号電荷が垂直レジスタに蓄えられる。すなわち各々の期間T1,T2,…,TN 毎のΔt時間の合計(NΔt)に相当する時間を蓄積時間とした信号電荷が垂直レジスタに転送される。ここで、0≦TSUB ≦(TAC/N)−TR −TSENSとなる範囲で上記排出期間TSUB を制御し、各々の期間T1,T2,…,TN 毎のΔt時間を制御することによってNΔtを変化させ、CCDの感度制御を行うことができる。また、期間T1を商用電源周波数の周期内で任意の位相に置いたとしても、それぞれの撮像期間A′,B′におけるNΔtを略等しくすることができる。したがって、フリッカを抑制できる。なお、同公報では、フリッカの発生を検出したときのみ、上述のような制御を行うことも提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術では、高速系の電子シャッタを実現しようとする場合、時間△tを短く設計しなければならないため、高周波の発振回路が必要となり高価になるという問題がある。また、フリッカの発生を検出する場合は、そのために回路規模が大きくなるし、撮像時の商用電源の周波数が60Hzであればフリッカの発生を誤認識して適切な露出制御が行われないことがある。
【0006】
また、フリッカを抑制する別の技術として、固体撮像素子の前方にメカニカルシャッタを付加して露出制御する方式が知られているが、そのようにした場合、機構的に大きくなり、高価となる。
【0007】
そこで、この発明の目的は、簡単かつ安価な構成でフリッカを抑制できる固体撮像装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の固体撮像装置は、受けた光を光電変換して光量に応じた電荷を発生させる光電変換部と、電荷を格納し得る電荷蓄積部と、商用電源の周期の半分よりも短い周期をもつ同期信号に同期して上記光電変換部の電荷を電荷蓄積部に転送する転送ゲートと、上記光電変換部の電荷量と上記電荷蓄積部の電荷量とを比較する比較部と、上記比較部の比較結果に応じて上記光電変換部の電荷と電荷蓄積部の電荷とのいずれかを選択して、上記同期信号に同期して排出する放電回路と、電荷読み出しパルスに応じて上記電荷蓄積部の電荷を出力する読み出しゲートを備えたことを特徴とする。
【0009】
被写体は、蛍光灯やタングステン電球等のような、商用電源(周波数50Hzまたは60Hz)の周期の半分に相当する周期で明暗が変化する光源によって照明されるものとする。この発明の固体撮像装置では、光電変換部が、被写体から受けた光を光電変換して光量に応じた電荷を発生させる。したがって、光電変換部が単位時間当たりに発生する電荷は、商用電源の周期の半分に相当する周期で変化するものとなる。上記光電変換部が同期信号の1周期期間内に発生した電荷は、その同期信号に同期して転送ゲートを介して電荷蓄積部に転送され、格納される。そして、上記同期信号の次の1周期期間内に上記光電変換部が蓄積する電荷量と上記電荷蓄積部に格納されている電荷量とが比較部によって比較される。この比較部の比較結果に応じて、放電回路が上記光電変換部と電荷蓄積部とのいずれかの電荷を選択して、上記同期信号に同期して排出する。例えば予め、上記放電回路が上記光電変換部の電荷量と上記電荷蓄積部の電荷量のうち小さい方を排出するように設定しておく。そのように設定した場合、撮像を開始してから商用電源の周期の半分に相当する期間が経過すると、最大電荷、すなわち光電変換部が単位時間当たりに発生する電荷が最大となるような1周期期間内に蓄積された電荷が、上記電荷蓄積部に得られる。この電荷蓄積部に得られた最大電荷は、電荷読み出しパルスに応じて読み出しゲートを介して出力される。
【0010】
光電変換部が単位時間当たりに発生する電荷の周期的波形が変わらない限り、上記最大電荷は、商用電源の周波数、電荷読み出しパルスの周波数にかかわらず一定となる。例えば電荷読み出しパルスの周波数がNTSC方式の垂直同期の周波数60Hzである場合において、商用電源の周波数が50Hzであったとしても、電荷蓄積部から出力される電荷(最大電荷)は一定となる。また、商用電源の周波数が60Hzであったとしても、電荷蓄積部から出力される電荷(最大電荷)は一定となる。したがって、フリッカを抑制できる。
【0011】
また、この固体撮像装置では、従来技術(特開平6−253216号公報)と異なり、特に高周波の発振回路を設ける必要がないし、メカニカルシャッタを付加する必要もない。したがって、この固体撮像装置は簡単かつ安価に構成される。
【0012】
一実施形態の固体撮像装置は、上記同期信号の1周期期間内に、上記光電変換部が電荷を蓄積する蓄積期間を可変して設定するための蓄積期間設定手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
この一実施形態の固体撮像装置では、蓄積期間設定手段によって、上記同期信号の1周期期間内に、上記光電変換部が電荷を蓄積する蓄積期間を可変して設定できる。したがって、電子シャッタ方式で、連続的に露光を制御することが可能となる。
【0014】
一実施形態の固体撮像装置は、上記比較部の特性を反転させるための切替手段を備えたことをを特徴とする。
【0015】
この一実施形態の固体撮像装置では、切替手段によって上記比較部の特性を反転させることができる。例えば、光電変換部が受ける光が通常レベルであれば、切替手段によって、上記放電回路が上記光電変換部の電荷量と上記電荷蓄積部の電荷量のうち小さい方を排出するように設定する。そのように設定した場合、撮像を開始してから商用電源の周期の半分に相当する期間が経過すると、上記電荷蓄積部には最大電荷、すなわち光電変換部が単位時間当たりに発生する電荷が最大となるような1周期期間に蓄積された電荷が得られる。一方、光電変換部が受ける光が過剰であれば、切替手段によって、上記放電回路が上記光電変換部の電荷量と上記電荷蓄積部の電荷量のうち大きい方を排出するように設定する。そのように設定した場合、撮像を開始してから商用電源の周期の半分に相当する期間が経過すると、上記電荷蓄積部には最小電荷、すなわち光電変換部が単位時間当たりに発生する電荷が最小となるような1周期期間に蓄積された電荷が得られる。したがって、入力光のレベルに応じて、露光を粗く制御することができ、十分なダイナミックレンジを確保できる。
【0016】
一実施形態の固体撮像装置は、上記光電変換部はフォトダイオードを有し、上記電荷蓄積部は、上記フォトダイオードの接合容量と実質的に同じ接合容量を持つダイオードを有することを特徴とする。
【0017】
この一実施形態の固体撮像装置では、上記光電変換部はフォトダイオードを有し、上記電荷蓄積部は、上記フォトダイオードの接合容量と実質的に同じ接合容量を持つダイオードを有するので、上記比較部が上記光電変換部の電荷量と上記電荷蓄積部の電荷量とを比較するために、上記光電変換部のフォトダイオードのアノード・カソード間電圧と上記電荷蓄積部のダイオードのアノード・カソード間電圧とを比較すれば良い。したがって、比較部を差動増幅器によって構成でき、比較部の構成が簡単になる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の固体撮像装置を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0019】
図1は一実施形態の固体撮像装置のブロック構成を示している。この固体撮像装置は、1画素に相当するフォトダイオードからなる光電変換部1と、電荷を格納し得る電荷蓄積部6と、転送ゲート回路5と、差動増幅器からなる比較部2と、放電回路3と、読み出しゲート7と、OFDパルス発生部8と、垂直CCDおよび水平CCDを含む転送部9を備えている。なお、図1中のOFDパルス発生部8、転送部9以外の構成要素は、画素毎に設けられている。
【0020】
光電変換部1は、被写体から受けた光を光電変換して光量に応じた電荷を発生させる。
【0021】
電荷蓄積部6は、光電変換部1を構成するフォトダイオードと同じ構造のフォトダイオードに遮光マスク(図示せず)を設けて構成されている。したがって、電荷蓄積部6は、光電変換部1のフォトダイオードの接合容量と実質的に同じ接合容量を有している。なお、光電変換部1と電荷蓄積部6のカソード(図示せず)は、共通に基板N−Slushに導通している。
【0022】
転送ゲート回路5は、AND回路5aと、このAND回路5aの出力によって直接オン・オフ制御されるゲート5bと、AND回路5aの出力によって遅延回路5dを介してオン・オフ制御されるゲート5cとを有している。この転送ゲート回路5は、OFDパルス発生部8が発生するOFDパルス(後述する)に同期して光電変換部1の電荷を電荷蓄積部6に転送することができる。
【0023】
比較部2の(+)入力端子には光電変換部1のアノード(図示せず)が接続される一方、比較部2の(−)入力端子には電荷蓄積部6のアノード(図示せず)が接続されている。この比較部2は(+)入力端子と(−)入力端子との間の電位差を差動増幅する。したがって、この比較部2の出力は、光電変換部1のアノード・カソード間電圧と電荷蓄積部6のアノード・カソード間電圧の大小関係を表す。ここで、光電変換部1と電荷蓄積部6とは上述のように実質的に同じ接合容量を有しているから、この比較部2の出力は、光電変換部1の電荷量と電荷蓄積部6の電荷量との大小関係を表す。具体的には、光電変換部1の電荷量が電荷蓄積部6の電荷量よりも大きいときは比較部2の出力はHレベルになり、光電変換部1の電荷量が電荷蓄積部6の電荷量よりも小さいときは比較部2の出力はLレベルになる。分かるように、光電変換部1と電荷蓄積部6とが実質的に同じ接合容量を有しているので、差動増幅器からなる簡単な構成の比較部2によって、光電変換部1の電荷量と電荷蓄積部6の電荷量との大小関係を検出できるのである。
【0024】
放電回路3は、AND回路3aと、光電変換部1のアノードと基板N−Slushとをつなぐ配線11に介挿されAND回路3aによってオン・オフ制御されるゲート3bと、AND回路3cと、電荷蓄積部6のアノードと基板N−Slushとをつなぐ配線12に介挿されAND回路3cによってオン・オフ制御されるゲート3dとを備えている。AND回路3aには、OFDパルス発生部8が発生するOFDパルスが入力されるとともに、比較部2の出力がインバータ4を介して入力される。AND回路3cには、OFDパルス発生部8が発生するOFDパルスが入力されるとともに、比較部2の出力が直接入力される。具体的には、OFDパルス発生部8が発生するOFDパルスがHレベルである場合に、光電変換部1の電荷量が電荷蓄積部6の電荷量よりも大きいときは比較部2の出力はHレベルになるから、AND回路3aによってゲート3bがオフ、AND回路3cによってゲート3dがオンとなって、電荷蓄積部6の電荷が基板N−Slushへ排出される。一方、OFDパルス発生部8が発生するOFDパルスがHレベルである場合に、光電変換部1の電荷量が電荷蓄積部6の電荷量よりも小さいときは比較部2の出力はLレベルになるから、AND回路3aによってゲート3bがオン、AND回路3cによってゲート3dがオフとなって、光電変換部1の電荷が基板N−Slushへ排出される。つまり、光電変換部1の電荷と電荷蓄積部6の電荷とのうち電荷量の大きい方が維持され、電荷量の小さい方が排出される。
【0025】
上述のように、OFDパルス発生部8が発生するOFDパルスがHレベルである場合に、光電変換部1の電荷量が電荷蓄積部6の電荷量よりも大きいときは、光電変換部1の電荷が維持され、電荷蓄積部6の電荷が排出される。OFDパルス発生部8が発生するOFDパルスがHレベルになってから遅延回路8dによる遅延時間だけ経過した後に、転送ゲート回路5のAND回路5aによってゲート5bがオンし、さらに遅延回路5dによる遅延時間だけ経過した後にゲート5cがオンする。このようにして、転送ゲート回路5が光電変換部1の電荷を電荷蓄積部6に転送する。
【0026】
OFDパルス発生部8が発生するOFDパルスがLレベルである場合は、放電回路3のゲート3b,3dはいずれもオフ状態にあるから、光電変換部1の電荷や電荷蓄積部6の電荷が基板N−Slushへ排出されることはない。また、転送ゲート回路5のゲート5b,5cはいずれもオフ状態にあるから、光電変換部1の電荷が電荷蓄積部6に転送されることもない。したがって、OFDパルス発生部8が発生するOFDパルスがLレベルである期間は、光電変換部1が発生する電荷を自ら蓄積する蓄積期間になる。OFDパルス発生部8が発生するOFDパルスがLレベルである期間内に、電荷読み出しパルスが読み出しゲート7に印加されれば、電荷蓄積部6に格納されている電荷が読み出しゲート7を経由して転送部9へ送られ、転送部9を通してアナログ電気信号として出力される。出力された信号は、図示しない映像信号処理回路によって映像信号として処理される。
【0027】
図2はこの固体撮像装置の動作タイミングを示している。
【0028】
図2(a)に示すように、読み出しゲート7に印加される電荷読み出しパルスは、NTSC方式の垂直同期の周波数60Hzで周期的に、期間T′だけLレベルになる。電荷読み出しパルスがLレベルにある期間T′に、電荷蓄積部6から読み出しゲート7を経由して電荷が読み出される。
【0029】
被写体は、この例では、商用電源(周波数50Hz)の周期の半分に相当する周期で明暗が変化する蛍光灯によって照明される。したがって、図2(b)に示すように、光電変換部1が単位時間当たりに発生する電荷Q(t)は、商用電源の周期の半分に相当する周期で変化する。
【0030】
図2(c)に示すように、OFDパルスは、電荷読み出しパルスがHレベルにある期間を複数に区分(この例では16分割)して得られる期間Tを1周期とする。各1周期期間T内では、OFDパルスは一旦Hレベルに立ち上がった後、Lレベルに立ち下がる。このOFDパルスがLレベルにある期間Δは、既述のように光電変換部1が電荷を蓄積する蓄積期間となる。OFDパルス発生部8は、蓄積期間設定手段として働いて、各1周期期間T内に、光電変換部1が電荷を蓄積する蓄積期間Δを可変して設定できる。したがって、電子シャッタ方式で、連続的に露光を制御することができる。なお、電荷読み出しパルスがLレベルにある期間T′も、光電変換部1が電荷を蓄積する蓄積期間Δ′となる。
【0031】
図3は、この固体撮像装置の動作フローを示している。なお、一般的に、光電変換部1が発生して蓄積する電荷をQPD、電荷蓄積部6が格納している電荷をQPDmaxと表すものとする。
【0032】
或る1周期期間T内の蓄積期間Δに、光電変換部1が被写体から受けた光を光電変換して光量に応じた電荷を発生させ、自ら蓄積する(S1)。ただし最初は、電荷読み出しパルスがLレベルにある期間T′(=Δ′)に注目する。この期間T′内に光電変換部1が蓄積する電荷量をQPD=QAとする。この期間T′内には電荷蓄積部6から電荷が読み出されるから、この期間T′の終了時には、電荷蓄積部6に格納されている電荷量はQPDmax=0になる。
【0033】
次に、比較部2によって、QPDとQPDmaxとの大小関係を検出する(S2)。最初の期間T′の終了時には、QPD=QA>0、QPDmax=0になっているから、QPD>QPDmaxである。
【0034】
そこで、期間T′に続く1周期期間Tに入ってOFDパルスが一旦Hレベルに立ち上がったときに、放電回路3のゲート3dがオンして電荷蓄積部6が格納している電荷を排出する(S3)。これにより、QPDmax=0となる(S4)。続いて、転送ゲート回路5が光電変換部1の電荷QPD=QAを電荷蓄積部6に転送して格納する(S5)。この光電変換部1から電荷蓄積部6への電荷の転送が、図2(d)中に矢印「→」で模式的に示されている。
【0035】
次に、電荷読み出しパルスが入力されていなければ(S8)、ステップS1に戻って、その1周期期間T内の蓄積期間Δに、光電変換部1が被写体から受けた光を光電変換して光量に応じた電荷を発生させ、自ら蓄積する(S1)。この蓄積期間Δ内に光電変換部1が蓄積する電荷量をQPD=QBとする。この段階で、電荷蓄積部6に格納されている電荷量はQPDmax=QAである。
【0036】
次に、比較部2によって、QPDとQPDmaxとの大小関係を検出する(S2)。このとき、QPD=QB、QPDmax=QAになっているが、図2(b)中の斜線の面積から分かるように、QPD>QPDmaxである。
【0037】
そこで、上記1周期期間Tの次の1周期期間Tに入ってOFDパルスが一旦Hレベルに立ち上がったときに、放電回路3のゲート3dがオンして電荷蓄積部6が格納している電荷を排出する(S3)。これにより、QPDmax=0となる(S4)。続いて、転送ゲート回路5が光電変換部1の電荷QPD=QBを電荷蓄積部6に転送して格納する(S5)。この光電変換部1から電荷蓄積部6への電荷の転送も、図2(d)中に矢印「→」で模式的に示されている。
【0038】
次に、電荷読み出しパルスが入力されていなければ(S8)、ステップS1に戻って、その1周期期間T内の蓄積期間Δに、光電変換部1が被写体から受けた光を光電変換して光量に応じた電荷を発生させ、自ら蓄積する(S1)。このようにして、到来する蓄積期間Δ毎に、光電変換部1が電荷を蓄積し、その電荷QPDと電荷蓄積部6の電荷QPDmaxとの大小を比較し、QPD>QPDmaxであれば、その電荷蓄積部6の電荷を捨てた後、光電変換部1の電荷を電荷蓄積部6に転送する。
【0039】
この結果、光電変換部1が単位時間当たりに発生する電荷Q(t)が増加傾向にある限り、電荷蓄積部6には順次QB,QC,QD,…(QB<QC<QD<…)が得られる。そして、光電変換部1が単位時間当たりに発生する電荷Q(t)が最大となるような1周期期間T内に蓄積された電荷(最大電荷)QFが、電荷蓄積部6に得られる。
【0040】
その次の1周期期間Tの蓄積期間Δに、光電変換部1が蓄積する電荷量をQPD=QGとする。比較部2によって、QPDとQPDmaxとの大小関係を検出する(S2)。このとき、QPD=QG、QPDmax=QFになっているが、図2(b)中の斜線の面積から分かるように、QPD<QPDmaxである。
【0041】
そこで、上記1周期期間Tの次の1周期期間Tに入ってOFDパルスが一旦Hレベルに立ち上がったときに、放電回路3のゲート3bがオンして光電変換部1が蓄積した電荷を排出する(S6)。これにより、QPD=0となる(S7)。電荷蓄積部6の電荷はQPDmax=QFのまま維持される。
【0042】
次に、電荷読み出しパルスが入力されていなければ(S8)、ステップS1に戻って、その1周期期間T内の蓄積期間Δに、光電変換部1が被写体から受けた光を光電変換して光量に応じた電荷を発生させ、自ら蓄積する(S1)。このようにして、到来する蓄積期間Δ毎に、光電変換部1が電荷を蓄積し、その電荷QPDと電荷蓄積部6の電荷QPDmaxとの大小を比較し、QPD<QPDmaxであれば、光電変換部1の電荷QH,QI,QJ,…を捨てて、電荷蓄積部6の電荷QFを維持する。
【0043】
このようにした場合、撮像を開始してから商用電源(周波数50Hz)の周期の半分に相当する期間が経過すると、最大電荷QF、すなわち光電変換部1が単位時間当たりに発生する電荷Q(t)が最大となるような1周期期間T内に蓄積された電荷が、電荷蓄積部6に得られる。この電荷蓄積部6に得られた最大電荷QFは、電荷読み出しパルスに応じて読み出しゲート7を介して出力される。
【0044】
光電変換部1が単位時間当たりに発生する電荷Q(t)の周期的波形が変わらない限り、最大電荷QFは、商用電源の周波数、電荷読み出しパルスの周波数にかかわらず一定となる。例えば図2(b)に示す例では、或る電荷読み出しパルスで最大電荷QFが出力された後、次の電荷読み出しパルスでは最大電荷QJ′が出力されるが、このQFとQJ′とは実質的に同じ電荷量になっている。したがって、フリッカを抑制できる。
【0045】
また、この固体撮像装置では、従来技術(特開平6−253216号公報)と異なり、特に高周波の発振回路を設ける必要がないし、メカニカルシャッタを付加する必要もない。したがって、この固体撮像装置は簡単かつ安価に構成される。
【0046】
上の例では、光電変換部1の電荷量が電荷蓄積部6の電荷量よりも大きいときは比較部2の出力はHレベルになり、光電変換部1の電荷量が電荷蓄積部6の電荷量よりも小さいときは比較部2の出力はLレベルになるように設定した。しかし、比較部2の特性を反転させるための切替手段を設けても良い。例えば、比較部2を構成する差動増幅器の出力側にインバータを介挿し得る切替手段を設ける。そのようにした場合、光電変換部1の電荷量が電荷蓄積部6の電荷量よりも大きいときは比較部2の出力がLレベルになり、光電変換部1の電荷量が電荷蓄積部6の電荷量よも小さいときは比較部2の出力がHレベルになるように設定することができる。
【0047】
例えば、光電変換部1が受ける光が通常レベルであれば、切替手段によって、放電回路が光電変換部1の電荷量と電荷蓄積部6の電荷量のうち小さい方を排出するように設定する。そのように設定した場合、撮像を開始してから商用電源の周期の半分に相当する期間が経過すると、電荷蓄積部6には最大電荷が得られる。一方、光電変換部1が受ける光が過剰であれば、切替手段によって、放電回路が光電変換部1の電荷量と電荷蓄積部6の電荷量のうち大きい方を排出するように設定する。そのように設定した場合、撮像を開始してから商用電源の周期の半分に相当する期間が経過すると、電荷蓄積部6には最小電荷、すなわち光電変換部1が単位時間当たりに発生する電荷が最小となるような1周期期間Tに蓄積された電荷が得られる。したがって、入力光のレベルに応じて、露光を粗く制御することができ、十分なダイナミックレンジを確保できる。
【0048】
なお、この実施形態では、フォトダイオードからなる光電変換部1ごとに、つまり1画素単位で最大電荷(または最小電荷)を取り出す制御を行っているが、1画素単位ではなく、複数の画素(ブ口ック)単位や、水平ライン、垂直ライン単位で、最大電荷(または最小電荷)を取り出す制御を行っても良い。そのようにした場合、この固体撮像装置の構成要素が基板上に占める面積が増大するのを、有効に防止できる。
【0049】
【発明の効果】
以上より明らかなように、この発明の固体撮像装置によれば、簡単かつ安価な構成でフリッカを抑制できる。
【0050】
また、一実施形態の固体撮像装置では、蓄積期間設定手段によって、上記同期信号の1周期期間内に、上記光電変換部が電荷を蓄積する蓄積期間を可変して設定できるので、電子シャッタ方式で、連続的に露光を制御することができる。
【0051】
また、一実施形態の固体撮像装置では、切替手段によって上記比較部の特性を反転させることができるので、入力光のレベルに応じて、露光を粗く制御することができ、十分なダイナミックレンジを確保できる。
【0052】
また、一実施形態の固体撮像装置では、上記光電変換部はフォトダイオードを有し、上記電荷蓄積部は、上記フォトダイオードの接合容量と実質的に同じ接合容量を持つダイオードを有するので、比較部を差動増幅器によって構成でき、比較部の構成が簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態の固体撮像装置のブロック構成を示す図である。
【図2】 上記固体撮像装置の動作タイミングを示す図である。
【図3】 上記固体撮像装置の動作フローを示す図である。
【図4】 一般的な固体撮像素子が発生するフリッカを説明する図である。
【図5】 フリッカを抑制できるようにした従来の固体撮像素子の動作を説明する図である。
【図6】 一般的な固体撮像素子のブロック構成を示す図である。
【符号の説明】
1 光電変換部
2 比較部
3 放電回路
5 転送ゲート回路
6 電荷蓄積部
7 読み出しゲート
8 OFDパルス発生部
Claims (4)
- 受けた光を光電変換して光量に応じた電荷を発生させる光電変換部と、
電荷を格納し得る電荷蓄積部と、
商用電源の周期の半分よりも短い周期をもつ同期信号に同期して上記光電変換部の電荷を電荷蓄積部に転送する転送ゲートと、
上記光電変換部の電荷量と上記電荷蓄積部の電荷量とを比較する比較部と、
上記比較部の比較結果に応じて上記光電変換部の電荷と電荷蓄積部の電荷とのいずれかを選択して、上記同期信号に同期して排出する放電回路と、
電荷読み出しパルスに応じて上記電荷蓄積部の電荷を出力する読み出しゲートを備えたことを特徴とする固体撮像装置。 - 請求項1に記載の固体撮像装置において、
上記同期信号の1周期期間内に、上記光電変換部が電荷を蓄積する蓄積期間を可変して設定するための蓄積期間設定手段を備えたことを特徴とする固体撮像装置。 - 請求項1または2に記載の固体撮像装置において、
上記比較部の特性を反転させるための切替手段を備えたことをを特徴とする固体撮像装置。 - 請求項1、2または3に記載の固体撮像装置において、
上記光電変換部はフォトダイオードを有し、
上記電荷蓄積部は、上記フォトダイオードの接合容量と実質的に同じ接合容量を持つダイオードを有することを特徴とする固体撮像装置。
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