JP3765936B2 - Method for manufacturing semiconductor device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス等の絶縁基板、あるいは各種基板上に形成された絶縁性被膜上に設けられた非単結晶珪素膜を有する薄膜トランジスタ(TFT)、または、それを応用した薄膜集積回路、特にアクティブ型液晶表示装置(液晶ディスプレー)用薄膜集積回路およびその作製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ガラス等の絶縁基板上にTFTを有する半導体装置、例えば、TFTを画素の駆動に用いるアクティブ型液晶表示装置やイメージセンサー、3次元集積回路等が開発されている。
【0003】
これらの装置に用いられるTFTには、薄膜状の珪素半導体を用いるのが一般的である。薄膜状の珪素半導体としては、非晶質珪素半導体(a−Si)からなるものと結晶性を有する珪素半導体からなるものの2つに大別される。非晶質珪素半導体は作製温度が低く、気相法で比較的容易に作製することが可能で量産性に富むため、最も一般的に用いられているが、導電率等の物性が結晶性を有する珪素半導体に比べて劣るため、今後より高速特性を得る為には、結晶性を有する珪素半導体からなるTFTの作製方法の確立が強く求められていた。尚、結晶性を有する珪素半導体としては、多結晶珪素、微結晶珪素、結晶成分を含む非晶質珪素、結晶性と非晶質性の中間の状態を有するセミアモルファス珪素等が知られている。
【0004】
さて、このような非晶質あるいは多結晶(これらを非単結晶と総称する)の珪素は、単結晶半導体集積回路に用いられるような単結晶材料に比べると、はるかに粒界の作用が大きかった。その典型的な例は、ソース/ドレイン間のリーク電流であった。特にゲイト電極に逆バイアス電圧(すなわち、Nチャネルトランジスタであれば負、Pチャネルトランジスタであれば正)が印加された場合のリーク電流(オフ電流ともいう)は、粒界の作用によるものであり、トランジスタの動作特性を悪化させるものであり、改善が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなオフ電流は、ソース/ドレインの不純物領域(N型もしくはP型)とチャネル形成領域(実質的に真性)の境界において電界が急激に変動するために生じるものであり、単結晶においては問題とならなかったが、非単結晶においては、粒界を通して、不純物領域の伝導帯(価電子帯)からチャネル形成領域の価電子帯(伝導帯)へ、キャリヤがホッピングするのである。
したがって、単結晶MOSデバイスの場合と同様に、電界を緩和させるためにオフセット領域を設けることや、不純物領域の不純物濃度を低くする低濃度ドレイン(LDD)構造を用いることによって解決が試みられている。
【0006】
図2(A)には、従来のオフセットゲイト型のTFTの構造の概念図を示す。活性層は、大まかに言って、5つの領域に分けられる。第1の領域は不純物濃度の大きな不純物領域(ソース/ドレイン)で領域13、17が対応する。第2の領域はオフセット領域またはLDD領域と称される領域で、領域14、16が対応し、この領域は実質的に真性の領域、または寄生チャネルの発生を抑制する範囲でソース/ドレインと同じ導電型でありながら、高い抵抗を呈する領域で、しかも、その上にはゲイト電極は存在しない。第3の領域はチャネル形成領域と呼ばれる領域で領域15に対応し、ゲイト絶縁膜12を介して、ゲイト電極11の影響を受けて、伝導型を変化させ、キャリヤの流れやすさをコントロールできる。
【0007】
NチャネルTFTにおいて、ゲイト電極に電圧が印加されず、かつ、ソース/ドレイン間の電圧が十分に低い場合の、活性層のゲイト絶縁膜近傍のエネルギーバンドの様子を図2(B)に示す。ここで、EF はフェルミ面、EI 、EN は、チャネル形成領域および不純物領域のエネルギーバンドギャップを示し、通常はEI =EN である。また、オフセット領域のバンドギャップもEI と同じである。このTFTに、ソース/ドレイン間の電圧はそのままにして、ゲイト電極に逆バイアス(負)の電圧を印加した場合には図2(C)のように、バンド図が変化する。ここでは、活性層のゲイト電極直下の部分の電界はEG だけ変化する。
【0008】
注目すべきは、オフセット領域14、16の存在によって、不純物領域とチャネル形成領域の間の電界が滑らかに変化し、この間のリーク電流を抑制する効果がある。しかしながら、この状態で、ソース/ドレイン間に大きな順バイアス(正)の電圧を印加すると、ドレイン領域17のバンドが図の実線に示すよりも低下するので、チャネル形成領域15とドレイン領域17の間の電界は、オフセット領域16の存在にも関わらず、より急峻になり、粒界を経由するリーク電流が発生することとなる。
【0009】
このことは実際の測定においても、ソース/ドレイン間の電圧VD が小さい間はオフ電流はそれほど目立たなくとも、VD が大きくなると、オフ電流が増加し、逆バイアス電圧(NチャネルTFTの場合は負の電圧)が大きくなると、オフ電流がハネ上がるという実験事実からも証明される。(図2(D)参照)
したがって、このオフ電流(特にVD が大きな領域での)を減少させるには、VD が大きな場合においてもドレイン領域とチャネル形成領域の間の電界が滑らかに変化するような構造を有するTFTを作製しなければならない。
【0010】
特に、このようなオフ電流の低減が要求されるのは、活性層中に、結晶化を促進するための金属元素を微量であるが有する場合である。このような結晶化を促進する金属元素としては、Ni、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zn、Au、Agが知られており、これらの元素を1×1018〜2×1021原子cm-3の濃度で珪素膜に添加することによって、非晶質珪素の結晶化温度を低下させ、結晶化時間を短縮することができる。しかし、これらの元素が添加された珪素膜は、これらの元素によってバンドギャップ内に中間的な準位が生じることがあり、この準位が粒界と同じ作用を有するためオフ電流が増加することとなった。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような問題を解決する第1の方法は、半導体のバンドギャップをより大きくすることである。すなわち、図2のような従来のオフセットゲイト型TFTにおいても、半導体のバンドギャップが大きくなれば、チャネル形成領域とドレイン領域の間のバンドの急峻さは同じでも、伝導帯と価電子帯の間が大きいので、オフセット領域の効果が大きくなり、チャネル形成領域の価電子帯(伝導帯)からドレイン領域の伝導帯(価電子帯)へのキャリヤのホッピングは抑制される。このように珪素半導体のバンドギャップを大きくするには、炭素、窒素、酸素等のエネルギーバンド幅を増加させる効果を持つ元素を適量添加することによって実現できる。添加する量が大きければ大きいほど、バンドギャップは増加するが、過剰な添加は半導体特性を劣化せしめる。本発明人の研究によると、これら元素の全体の濃度が1×1019〜2×1021cm-3、好ましくは5×1019〜7×1020cm-3が適当であることが明らかになった。なお、この不純物元素の濃度の測定は、SIMS(2次イオン質量分析)法での最低値を意味する。
【0012】
第1の方法の欠点は、チャネル領域をも酸素、窒素、炭素等が添加されてしまうために、ゲイト電極に順バイアス(正)の電圧を印加したときの電流(オン電流)まで小さくなってしまうことである。この問題を解決するには、図1(A)のように、不純物領域3、7と、チャネル形成領域5の間に、実質的に真性、または寄生チャネルの発生を抑制する範囲で不純物領域3、7と同じ導電型の高抵抗であり、かつ、バンドギャップの大きな領域4、6を設ければよい(第2の方法)。このような領域を有するNチャネルTFTのゲイト電極近傍のバンド図は、ゲイト電極に電圧が印加されない場合には、図1(B)のように示される。すなわち、EI <EO であり、また、一般に、EI <EN である。すなわち、EI <EO ≦EN の関係、またはNI <NO ≦NN の関係(ここで、Nは添加された炭素、酸素、窒素の濃度)を有する。
【0013】
また、ゲイト電極に負の電圧が印加された場合のバンド図は図1(C)のように示される。図から明らかなように、領域4、6の存在によって、不純物領域の伝導帯(価電子帯)とチャネル形成領域の価電子帯(伝導帯)間のキャリヤの移動は著しく妨げられる。この結果、図1(D)に示すように、オフ電流は低下し、特に、VD が大きくても、オフ電流は従来のオフセットゲイト型TFTに比べると安定に推移する。
【0014】
このような領域4、6を得るには、第1の方法と同様に炭素、窒素、酸素等を適量添加することによって実現できる。本発明人の研究によると、これら元素の全体の濃度が1×1019〜2×1021原子cm-3、好ましくは5×1019〜7×1020原子cm-3が適当である。一般には、領域4、6にこれらの元素を添加する際に、同時に不純物領域3、7にも同量だけ添加するのが一般的で、その際には、図2(B)において、EO =EN (またはNO =NN )となる。
【0015】
なお、上記第1および第2の方法では、酸素、炭素、窒素等の添加にはイオンドーピング法もしくはイオン注入法を用いればよいが、この際には珪素膜の結晶性にダメージを与えるので、その後に熱アニールもしくはレーザーアニール、ランプアニール(RTA)等の結晶化させ、これらの添加物が均質に珪素と結合し、かつ、結晶粒界を中和すると同時に、特に第2の方法においてはPまたはN型の不純物が十分に活性化されることが望ましい。また、特に第1の方法に関しては、珪素膜の成膜の際に酸素、窒素、炭素等を適量混入させてもよい。なお、第1の方法においては、酸素、窒素、炭素の濃度はソース/ドレインとチャネル形成領域で変わることはなく、したがって、NI =NO =NN である。
以下にTFTの作製方法の実施例を示し、上記第1および第2の方法に基づくTFTについて説明する。
【0016】
【発明の実施の形態】
【0017】
【実施例】
〔参考例1〕図3に本参考例であるTFTの作製工程の断面図を示す。まず、基板(コーニング7059)101上にスパッタリング法によって厚さ2000Åの酸化珪素の下地膜102を形成した。基板は、下地膜の成膜の前もしくは後に、歪み温度よりも高い温度でアニールをおこなった後、0.1〜1.0℃/分で歪み温度以下まで徐冷すると、その後の温度上昇を伴う工程での基板の収縮が少なく、マスク合わせが容易となる。コーニング7059基板では、620〜660℃で1〜4時間アニールした後、0.01〜1.0℃/分、好ましくは、0.03〜0.3℃/分で徐冷し、400〜500℃まで温度が低下した段階で取り出すとよい。
【0018】
そして、プラズマCVD法によって、厚さ200〜2000Å、好ましくは300〜1500Å、例えば1200Åの真性(I型)の非晶質珪素膜103を成膜した。さらに、その上にプラズマCVD法によって厚さ100〜800Å、例えば200Åの酸化珪素膜104を堆積した。こえは、以下の熱アニール工程において保護膜となり、膜表面の荒れを防止する。
【0019】
さらに、イオン注入法によって、酸素イオンを1×1014〜3×1016cm-2、例えば、2×1015cm-2のドーズ量で注入した。注入は非晶質珪素膜103と下地膜102の境界にピークがくるようにエネルギーを選択しておこなった。この結果、非晶質珪素膜103には、5×1019〜2×1021cm-3(深さによって異なる)の濃度で酸素が導入されたことが2次イオン質量分析(SIMS)法によって確認された。この酸素原子の添加は半導体膜の成膜と同時におこなってもよい。(図3(A))
【0020】
次に、窒素雰囲気下(大気圧)、600℃で48時間、熱アニールすることによって、珪素膜を結晶化させた。さらに、酸化珪素膜104を除去し、珪素膜をパターニングして、真性または実質的に真性な多結晶珪素膜よりなるTFTの島状の活性層105を形成した。活性層105の大きさはTFTのチャネル長とチャネル幅を考慮して決定される。小さなものでは、50μm×20μm、大きなものでは100μm×1000μmであった。このような活性層を基板上に多く形成した。
【0021】
そして、プラズマCVD法によって厚さ1000Åの酸化珪素膜106をゲイト絶縁膜として成膜した。CVDの原料ガスとしてはTEOS(テトラ・エトキシ・シラン、Si(OC2 H5 )4 )と酸素を用い、成膜時の基板温度は300〜550℃、例えば400℃とした。これは、熱酸化による酸化膜であってもよい。
【0022】
引き続いて、スパッタリング法によって、厚さ3000〜8000Å、例えば6000Åのアルミニウム(0.01〜0.25%のスカンジウムもしくは他のIII a族元素(希土類元素)を含む)を成膜した。そして、アルミニウム膜をパターニングして、ゲイト電極107を形成した。アルミニウム以外に、タンタル、チタンのごとき金属や燐が添加された半導体をゲート電極材料として用いてもよい。(図3(B))
【0023】
さらに、このアルミニウムの電極の表面を陽極酸化して、表面に酸化物層108を形成した。この陽極酸化は、酒石酸が1〜5%含まれたエチレングリコール溶液中で行った。得られた酸化物層108の厚さは2000Åであった。なお、この酸化物108は、後のイオンドーピング工程において、オフセットゲイト領域を形成する厚さとなるので、オフセットゲイト領域の長さを上記陽極酸化工程で決めることができる。(図3(C))
【0024】
次に、イオンドーピング法(プラズマドーピング法とも言う)によって、ゲイト電極部(すなわちゲイト電極107とその周囲の酸化層108)をマスクとして、自己整合的にN導電型を付与する不純物を珪素膜105に添加した。ドーピングガスとして、フォスフィン(PH3 )を用い、加速電圧を60〜90kV、例えば80kVとした。ドーズ量は1×1015〜8×1015cm-2、例えば、5×1015cm-2とした。この結果、ソース/ドレインとなるN型の不純物領域109と110が形成された。
【0025】
その後、レーザー光の照射によってアニールをおこない、ドーピングされた不純物の活性化をおこなった。レーザー光としては、KrFエキシマレーザー(波長248nm、パルス幅20nsec)を用いたが、他のレーザーであってもよい。レーザー光の照射条件は、エネルギー密度が200〜400mJ/cm2 、例えば250mJ/cm2 とし、一か所につき2〜10ショット、例えば2ショット照射した。このレーザー光の照射時に基板を200〜450℃程度に加熱することによって、効果を増大せしめてもよい。(図3(D))
【0026】
また、この工程は、可視または近赤外光によるランプアニール(ラピッド・サーマル・アニール、RTA)による方法でもよい。可視・近赤外線は結晶化した珪素、または燐またはホウ素が1019〜1021cm-3添加された非晶質珪素へは吸収されやすく、1000℃以上の熱アニールにも匹敵する効果的なアニールを行うことができる。燐またはホウ素が添加されていると、その不純物散乱により、近赤外線でも十分光が吸収される。このことは肉眼による観察でも黒色であることから十分に推測がつく。その反面、ガラス基板へは吸収されにくいので、ガラス基板を高温に加熱することがなく、また短時間の処理ですむので、ガラス基板の縮みが問題となる工程においては最適な方法であるといえる。
【0027】
不純物活性化工程のあと、厚さ6000Åの酸化珪素膜111を層間絶縁物としてプラズマCVD法によって形成した。この層間絶縁物としてはポリイミドまたは酸化珪素とポリイミドの二層膜を利用してもよい。さらにコンタクトホールを通常より大きく形成して、まず、チタンまたはニッケルを全面に100〜500Å形成した。さらに、これらにレーザーまたは可視または近赤外光の強光を照射してソース/ドレイン領域109、110の珪素と反応させ、シリサイド領域112、113を形成した。その後、珪素と反応しなかったチタンもしくはニッケルをエッチング除去し、さらに、金属材料、例えば、窒化チタンとアルミニウムの多層膜によってTFTの電極・配線114、115を形成した。最後に、1気圧の水素雰囲気で350℃、30分のアニールを行い、TFTを完成した。(図3(E))
【0028】
かくすることにより、ゲイト電圧が0Vのときのオフ電流は、従来の1×10-10 Aから3×10-12 Aまで下げることができた。さらに、ドレイン電圧が+10V、ゲイト電圧が−10Vのときのリーク電流(オフ電流)は3〜5×10-12 Aと、従来の約30分の1にまで低減できた。
【0029】
〔参考例2〕本参考例の作製工程の概略を図4に示す。本参考例において、基板201としてはコーニング7059ガラス基板(厚さ1.1mm、300×400mm)を使用した。まず、基板201を620〜660℃、1〜4時間アニールした後、0.01〜1℃/分、好ましくは0.03〜0.3℃/分で徐冷し、400〜500℃まで低下した段階で室温に取り出し、ガラス基板を収縮させた。さらにこの基板201上に下地膜202(酸化珪素)をプラズマCVD法で2000Åの厚さに形成した。CVDの原料ガスとしてはTEOSと酸素を用いた。さらに、LPCVD法もしくはプラズマCVD法で非晶質珪素膜203を1000Å、酸化珪素膜204を2000Åの厚さにそれぞれ形成した。そして、公知のフォトリソグラフィー法によって、酸化珪素膜に領域205に示されるような孔を形成した。その後、スパッタ法によって厚さ5〜20Åのニッケル膜206を形成した。ニッケル膜206は膜状でなくともよい。ニッケル以外にも、非晶質珪素の結晶化を促進する元素であればよい。
【0030】
さらに、イオン注入法によって、窒素イオンを1×1014〜3×1016cm-2、例えば、2×1015cm-2のドーズ量で注入した。注入は非晶質珪素膜203と酸化珪素膜204の境界にピークがくるようにエネルギーを選択しておこなった。この結果、非晶質珪素膜203には、1×1020〜1×1021cm-3(深さによって異なる)の濃度で窒素が導入されたことが2次イオン質量分析(SIMS)法によって確認された。(図2(A))
【0031】
そして、550℃で8時間、または600℃で4時間の熱アニールをおこなうことによって、珪素膜の結晶化をおこなった。その際には、ニッケルが珪素膜を拡散するにしたがって、結晶化が孔205から横方向に周囲に進行した。結晶成長の長さは、典型的には20〜100μmであった。図4(B)において、珪素膜のうち、領域207は結晶化した領域であり、領域208は未結晶化の領域である。(図4(B))
【0032】
この熱アニール工程の後、酸化珪素膜204を除去し、珪素膜をパターニングしてTFTの島状活性層209を形成した。さらにテトラ・エトキシ・シラン(TEOS)を原料として、酸素雰囲気中のプラズマCVD法によって、酸化珪素のゲイト絶縁膜(厚さ70〜120nm、典型的には120nm)210を形成した。基板温度は350℃とした。さらに、スパッタリング法によって、厚さ6000〜8000Å、例えば6000Åのアルミニウム(0.01〜0.2%のスカンジウムもしくは他のIII a族元素(希土類元素)を含む)を成膜し、アルミニウム膜をパターニングしてゲイト電極を形成した。そして、参考例1と同様に陽極酸化をおこなうことによってゲイト電極の側面と上面に酸化アルミニウムの陽極酸化層を形成した。こうしてゲイト電極部211を得た。(図4(C))
【0033】
その後、N型の不純物として、燐をイオンドーピング法で注入し、自己整合的にソース領域211、ドレイン領域212を形成した。そして、KrFレーザー光を照射することによって、イオン注入のために結晶性の劣化した珪素膜の結晶性を改善させた。このときにはレーザー光のエネルギー密度は250〜300mJ/cm2 とした。このレーザー照射によって、このTFTのソース/ドレインのシート抵抗は1〜8kΩ/cm2 となった。また、この工程は可視・近赤外光のランプアニールによって行ってもよい。このアニール工程によって、活性層は全て結晶化した。(図4(D))
【0034】
その後、酸化珪素またはポリイミドによって層間絶縁物213を形成し、さらに、コンタクトホールを形成して、TFTのソース/ドレイン領域にクロム/アルミニウム多層膜で電極214、215を形成した。最後に、水素中で200〜400℃で1時間アニールして、水素化をおこなった。ソース/ドレイン領域の珪素と電極材料が反応して、コンタクトの部分にはシリサイド領域216、217が形成された。このようにして、TFTを完成した。より耐湿性を向上させるために、さらに全面に窒化珪素、窒化アルミニウム等でパッシベーション膜を形成してもよい。(図4(E))
【0035】
本参考例で示したTFTは、参考例1のものに比較して、より低温・短時間のアニールによって結晶化して得られるが、活性層中にニッケルを3×1017〜5×1019cm−3含有することが2次イオン質量分析(SIMS)法によって確かめられた。従来であれば、このためにリーク電流が増加したが、本参考例では、活性層中に同時に窒素も1×1019〜2×1021原子cm−3、代表的には1×1020〜5×1020原子cm−3存在するために、リーク電流が減少し、より良好なオフ特性が得られた。
【0036】
また、本参考例では、珪素膜中に導入された窒素が珪素の不対結合手を固く終端した。酸素ではそれほど顕著な効果は認められなかったが、同様な効果は炭素を導入することによっても認められる。珪素の不対結合手は特に粒界に顕著であり、リーク電流の原因ともなっていたが、本発明によって抑制できた。また、同様に、珪素膜中に存在するニッケル等の金属元素も窒素もしくは炭素によって固定化でき、これも半導体特性にとって好ましかった。
【0037】
〔実施例1〕図5を用いて本実施例を説明する。基板は、コーニング7059を用い、参考例2のように、収縮防止のために、事前に640℃で4時間アニールした後、0.1℃で450℃まで徐冷した後、取り出したものを使用した。まず基板301上に下地膜302を形成し、さらに、プラズマCVD法によって厚さ300〜800Å、例えば800Åの非晶質珪素膜および厚さ2000Åの酸化珪素膜を形成した。そして、酸化珪素膜に選択的に参考例2のように孔を形成し、その上から厚さ5〜20Åのニッケル膜をスパッタリング法によって形成した。
【0038】
そして、窒素雰囲気で600℃で4時間のアニールをおこなうことによって、珪素膜を結晶化した。その後、酸化珪素膜を除去し、珪素膜表面を露出させた。そして、酸素、オゾン、あるいは一酸化二窒素等の酸化雰囲気中において、550℃、1時間の加熱アニールをおこない、珪素膜表面に薄い酸化珪素膜を形成した。そして、珪素膜をパターニングして、活性層303を形成した。珪素膜表面の酸化珪素層は除去した。
【0039】
そして、再び、酸化雰囲気において、600℃で1時間の熱アニールをおこなうことによって、活性層の表面に薄い酸化珪素膜304を形成した。熱アニール終了後、基板を2℃/秒以上の速度、好ましくは10℃/秒以上の速度で450℃まで急激に冷却した。これは、この熱アニール工程によって、基板が収縮することを防止するためである。このような急激な冷却が不可能なアニール炉においては、基板を炉外に取り出して、室温に放置することによっても同様な効果が得られた。(図5(A))
【0040】
その後、参考例1と同様に酸化珪素のゲイト絶縁膜305、アルミニウムのゲイト電極306を形成した。アルミニウム以外に、タンタル、チタンのごとき金属や燐が添加された半導体をゲイト電極材料として用いてもよいことはいうまでもない。そして、イオンドーピング法によって、ゲイト電極306をマスクとして自己整合的に酸素イオンを注入して、活性層中に酸素濃度の高い領域307、308を形成した。ドーズ量は、5×1015cm−2とし、活性層303とゲイト絶縁膜の酸化珪素膜305の境界にピークがくるようにエネルギーを選択しておこなった。この結果、活性層の領域307、308には、5×1019〜5×1020cm−3(深さによって異なる)の濃度で酸素が導入されたことが2次イオン質量分析(SIMS)法によって確認された。また、この場合はNI<NO=NN(または、EI<EO=EN)である。(図5(B))
【0041】
その後、参考例1と同様にゲイト電極を陽極酸化し、陽極酸化層309を形成した。(図5(C))そして、参考例1と同様にゲイト電極306およびその陽極酸化物層309をマスクとして、自己整合的に活性層中に不純物(燐)をドーピングし、不純物領域310、311を形成した。ドーズ量は、1×1013〜1×1016cm−2、例えばN+型とするには、5×1015cm−2とした。そして、これをレーザー照射によって活性化させた。(図5(D))
【0042】
さらに、層間絶縁物312を形成して、これにコンタクトホールを形成し、メタル配線313、314を形成した。かくして、チャネル形成領域の外側に酸素の濃度の高い1対の第1の領域と、その外側に酸素の濃度が高く、かつ、ソース、ドレインを構成する第2の領域とを形成することができた。また、この第1の領域と第2の領域の間にN- 型の領域を設けてもよい。(図5(E))
【0043】
このようにして、図1(A)に示したものと同様な構造を有するTFTを形成した。本実施例では、チャネル形成領域には酸素がドーピングされていないので、参考例1および参考例2の場合に比較してオン/オフ比の大きなTFTが得られた。特にドレイン電圧を+10Vと大きなドレイン電圧であっても、ゲイト電圧を0〜−10Vの間で、リーク電流のない良好な特性が得られた。
【0044】
LDD構造とするには、以下のようにしてもよい。ゲイト電極の陽極酸化物309を500〜1000Å形成し、まず、N型の不純物を1×1013〜1×1014cm-2だけイオン注入法等の手段で導入する。さらに、再び、陽極酸化をおこなって、その厚さを2000〜5000Åとし、1×1015〜1×1016cm-2のドーズ量で同じ導電型の不純物を添加してもよい。かくして、チャネル形成領域とソース/ドレイン領域の間にLDD領域または実質的に真性な領域を形成することができる。特に酸素はN型不純物としても作用するため、、さらに燐を1×1013〜1×1014cm-2添加してもよい。
【0045】
〔実施例2〕図6を用いて本実施例を説明する。基板は、コーニング7059を用い、実施例1と同じプロセスによって、基板401上に、下地酸化珪素膜402、活性層403、酸化珪素のゲイト絶縁膜404、アルミニウムのゲイト電極405を形成した。そして、イオンドーピング法によって、ゲイト電極405をマスクとして自己整合的に炭素、窒素、酸素、例えば酸素イオンを注入して、活性層中に酸素濃度の高い領域を形成した。酸素のドーズ量は、濃度が1×1019〜2×1021cm−3となるように1×1014〜3×1016cm−2、例えば5×1015cm−2とし、活性層403とゲイト絶縁膜の酸化珪素膜404の境界にピークがくるようにエネルギーを選択しておこなった。この結果、ソース、ドレインおよび接合を形成する領域の活性層には、5×1019〜5×1020cm−3(深さによって異なる)の濃度の酸素を有する領域が形成された。(図6(A))
【0046】
その後、参考例1と同様にゲイト電極を陽極酸化し、陽極酸化層406を形成し,参考例1と同様にゲイト電極405およびその陽極酸化物層406をマスクとして、自己整合的に活性層中に不純物(燐)をドーピングし、不純物領域407、408を形成した。ドーズ量は、実施例1よりも小さく、1×1013〜5×1014cm−2、例えば2×1014cm−2とした。そして、これをレーザー照射によって活性化させた。この結果、ソース/ドレインの不純物濃度は1×1018〜5×1019cm−3となった。(図6(B))
【0047】
続いて、厚さ3000〜30000Å、例えば9000Åの酸化珪素膜409をプラズマCVD法によって形成した。(図6(C))
次に、公知のRIE法による異方性ドライエッチングを行うことによって、この酸化珪素膜409のエッチングをおこなった。この際、その高さが7000Åあるゲイト電極506の側面においては、その高さ方向の厚さが膜厚(酸化珪素膜の膜厚9000Åのこと)の約2倍となる。また、この際、ゲイト絶縁膜である酸化珪素膜404をも続けてエッチングしてしまい、ソース/ドレイン領域407、408を露呈させた。
【0048】
以上の工程によって、ゲイト電極の側面には概略三角形状の絶縁物410、411が残った。その後、厚さ50〜500Åのチタン、タングステン、白金、パラジウム、ニッケル等のシリサイドを形成するのに適した材料の膜、例えばチタン膜412をスパッタ法によって形成した。(図6(D))
次に、これを250〜450℃に予備加熱した状態でレーザー光を照射し、瞬間的に500〜800℃に昇温せしめて、チタンとシリコンを反応させ、珪化チタンよりなるシリサイド領域413、414を不純物領域(ソース/ドレイン)上に形成した。珪化チタンは、30〜100μΩ・cmという低い抵抗率であるので、実質的なソースおよびドレイン領域のシート抵抗は10Ω/□以下であった。このとき、シリサイドの拡散はガラス基板に達するまでおこなうと、その後のアルミニウム電極416、417のコンタクト部にバリヤ層が不要となり、工程が簡略化できる。
【0049】
この工程は赤外光のランプアニール(RTA)によるものでもよい。ランプアニールを行う場合には、被照射面表面が600〜1000℃程度になるように、600℃の場合は数分間、1000℃(珪素ウェファーのモニターの温度)の場合は数秒間のランプ照射を行うようにする。ここでは、EI <EO ≦EN の関係(NI <NO ≦NN の関係)である。
【0050】
この後、過酸化水素とアンモニアと水とを5:2:2で混合したエッチング液でシリサイドとならなかったTi膜のエッチング除去した。この際、珪化チタン層413、414はエッチングされないので、残存させることができる。全面に層間絶縁物415として、プラズマCVD法によって酸化珪素膜を厚さ5000Å形成し、TFTのソース/ドレインにコンタクトホールを形成し、アルミニウム配線・電極416、417を形成した。以上の工程によって、TFTが完成された。本実施例では、アルミニウム電極416、417とソース/ドレインの珪素が直接、接触しない構造になっているので極めて良好なコンタクトが得られた。以上によって、TFTが完成された。不純物領域の活性化のために、さらに200〜400℃で水素アニールをおこなってもよい。
かくして、チャネル形成領域の外側に1対の酸素の添加された領域とその外側のソース/ドレイン領域にシリサイド層を1対の領域として形成させた。(図5(E))
【0051】
本実施例で示したTFTは、実質的なソース/ドレインのシート抵抗が、シリサイド領域413、414によって低減されているので、実施例1の場合に比べて、ソース/ドレインへのドーピング量を1/10以下に低くすることができる。そのため、チャネル形成領域とドレイン領域の間の電界がなだらかになり、また、本発明の効果もあって、よりオフ電流の小さいTFTとなった。また、ドーズ量の低減によって、ドーピング工程の時間を従来の1/10以下に低下させることができた。
【0052】
本発明において、ソース/ドレインのシート抵抗を下げるのに関し、上記以外にソース/ドレインの不純物濃度を高める方法、またはそれにシリサイドを併用することは有効である。加えて、活性層は固相成長法のみでなく、レーザーアニール、RTA等を用いても、または、それと固相成長法を併用してもよいことはいうまでもない。
【0053】
【発明の効果】
以上の実施例からも明らかなように、本発明によって、TFTのオフ電流を低下させることができた。そして、上記実施例にも示したように、活性層中に、結晶化促進のための金属元素(ニッケル等)を含有するTFTにおいては、オフ電流を下げるのに特に効果的であった。また、実施例2に示したように、本発明において、ソース/ドレインに密着してシリサイド層を形成することによって、ソース/ドレインの実質的なシート抵抗を低下せしめ、よって、ソース/ドレインのドーズ量を低減することによって、より本発明の効果を高めることもできた。
【0054】
本発明は、Nチャネル型TFTだけではなく、Pチャネル型TFTにも同様に適用できる。ただし、本発明において、第1の方法(参考例1および参考例2)のように、チャネル形成領域にも酸素、窒素、炭素等の元素を導入する場合には、これらの元素によるしきい値電圧の変動を考慮しなければならない。例えば、酸素の場合には、珪素中では塩化されたもののうちの1〜10%がドナーとなるため、弱いN型となる。したがって、Pチャネル型TFTでもNチャネル型TFTでも、しきい値は正の方向にシフトする。
【0055】
本発明では、特に実施例1、2に示す第2の方法では、不純物領域とチャネル形成領域の境界部には酸素、炭素、窒素等の元素が導入される。従来、この境界部は、不純物ドーピング、レーザー照射等によって、歪みが大きいことが問題となっていたが、これらの元素の存在によって、このような格子歪みも緩和され、結果としてオフ電流を下げる効果を有する。
【0056】
本発明は、単に同一種類のTFTが同一基板に形成されるような半導体回路だけでなく、異種類のTFTが同一基板に形成されるような半導体集積回路においても、より大きな効果を得ることができる。例えば、回路のうちの一部は従来通りのオフセットのないセルフアライン型TFTあるいはオフセットゲイト型TFTとし、他の一部に本発明のTFTを用いるような場合である。
【0057】
例えば、液晶ディスプレーに用いられるようなアクティブマトリクス基板において、アクティブマトリクス回路とそれを駆動する周辺回路とを同一基板上に形成したモノリシック型の薄膜集積回路においては、アクティブマトリス回路に用いられるTFTは、画素に蓄積された電荷を長時間にわたって保持する必要から、オフ電流が小さいことが好ましく、本発明を用いて作製したTFTが適している。
【0058】
一方、周辺回路に用いられるTFTは、高い動作周波数が要求される関係で、オン電流の大きなTFTが適している。しかしながら、本発明によるTFTは、オン電流に関しては、従来のものよりも若干、小さくなる傾向がある。特に、参考例1および2に示したTFTにおいては、その傾向が強い。このため、周辺回路は従来のセルフアライン型もしくはオフセットゲイト型TFTを用いることが好ましい。
【0059】
このように、アクティブマトリクス回路と周辺回路のTFTを異なるものとすることによって、回路全体の特性を大幅に向上させることができる。
以上のように、本発明は工業上、有益なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のTFTの構造・特性を示す。
【図2】 従来のTFTの構造・特性を示す。
【図3】 参考例1のTFTの作製工程を示す。
【図4】 参考例2のTFTの作製工程を示す。
【図5】 実施例1のTFTの作製工程を示す。
【図6】 実施例2のTFTの作製工程を示す。
【符号の説明】
1 ゲイト電極
2 ゲイト絶縁膜
3 不純物領域(第1の領域)
4 第2の領域
5 チャネル形成領域(第3の領域)
6 第2の領域
7 不純物領域(第1の領域)
11 ゲイト電極
12 ゲイト絶縁膜
13 不純物領域
14 オフセット領域
15 チャネル形成領域(第3の領域)
16 オフセット領域
17 不純物領域(第1の領域)[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a thin film transistor (TFT) having a non-single-crystal silicon film provided on an insulating substrate such as glass or an insulating film formed on various substrates, or a thin film integrated circuit to which the thin film integrated circuit is applied, particularly active. The present invention relates to a thin film integrated circuit for a liquid crystal display device (liquid crystal display) and a manufacturing method thereof.
[0002]
[Prior art]
In recent years, semiconductor devices having TFTs on an insulating substrate such as glass have been developed, for example, active liquid crystal display devices using TFTs for driving pixels, image sensors, three-dimensional integrated circuits, and the like.
[0003]
A thin film silicon semiconductor is generally used for TFTs used in these devices. Thin film silicon semiconductors are roughly classified into two types: those made of amorphous silicon semiconductor (a-Si) and those made of crystalline silicon semiconductor. Amorphous silicon semiconductors are most commonly used because they have a low production temperature, can be produced relatively easily by a vapor phase method, and are highly mass-productive. However, physical properties such as conductivity have crystallinity. Since it is inferior to a silicon semiconductor, the establishment of a method for manufacturing a TFT made of a crystalline silicon semiconductor has been strongly demanded in order to obtain higher speed characteristics in the future. As silicon semiconductors having crystallinity, polycrystalline silicon, microcrystalline silicon, amorphous silicon containing crystal components, semi-amorphous silicon having an intermediate state between crystalline and amorphous are known. .
[0004]
Such amorphous or polycrystalline silicon (collectively referred to as non-single crystals) has a much larger grain boundary effect than single crystal materials used in single crystal semiconductor integrated circuits. It was. A typical example was a source / drain leakage current. In particular, when a reverse bias voltage (that is, negative for an N-channel transistor and positive for a P-channel transistor) is applied to the gate electrode, leakage current (also referred to as off-current) is due to the effect of the grain boundary. This deteriorates the operating characteristics of the transistor and has been demanded for improvement.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
Such an off-current is generated because an electric field fluctuates rapidly at the boundary between the source / drain impurity region (N-type or P-type) and the channel formation region (substantially intrinsic). Although not a problem, in the non-single crystal, carriers hop through the grain boundary from the conduction band (valence band) of the impurity region to the valence band (conduction band) of the channel formation region.
Therefore, as in the case of a single crystal MOS device, an attempt has been made to solve the problem by providing an offset region in order to relax the electric field, or by using a low concentration drain (LDD) structure that lowers the impurity concentration of the impurity region. .
[0006]
FIG. 2A shows a conceptual diagram of the structure of a conventional offset gate type TFT. The active layer is roughly divided into five regions. The first region is an impurity region (source / drain) having a high impurity concentration and corresponds to the
[0007]
FIG. 2B shows the energy band in the vicinity of the gate insulating film of the active layer when no voltage is applied to the gate electrode and the source / drain voltage is sufficiently low in the N-channel TFT. Where E F Is Fermi surface, E I , E N Indicates the energy band gap of the channel formation region and the impurity region, usually E I = E N It is. The band gap in the offset region is also E I Is the same. When a reverse bias (negative) voltage is applied to the gate electrode while keeping the source-drain voltage unchanged, the band diagram changes as shown in FIG. Here, the electric field in the portion of the active layer immediately below the gate electrode is E G Only changes.
[0008]
It should be noted that the presence of the
[0009]
This means that even in actual measurement, the voltage V between the source and drain D While the current is small, the off-state current is not so noticeable. D It is proved from the experimental fact that the off-current increases when the reverse bias voltage (negative voltage in the case of an N-channel TFT) increases as the reverse current increases. (Refer to FIG. 2 (D))
Therefore, this off-current (especially V D To reduce (in large areas) V D A TFT having a structure in which the electric field between the drain region and the channel formation region changes smoothly even when the thickness is large must be manufactured.
[0010]
In particular, the reduction of the off-state current is required when the active layer has a small amount of a metal element for promoting crystallization. Examples of metal elements that promote crystallization include Ni, Fe, Co, Ni, Ru, Rh, Pd, Os, Ir, Pt, Sc, Ti, V, Cr, Mn, Cu, Zn, Au, and Ag. Is known, and these elements are 18 ~ 2x10 twenty one Atom cm -3 By adding to the silicon film at a concentration of 1, the crystallization temperature of amorphous silicon can be lowered and the crystallization time can be shortened. However, in silicon films to which these elements are added, intermediate levels may be generated in the band gap by these elements, and this level has the same effect as the grain boundary, which increases the off current. It became.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
A first method for solving such a problem is to increase the band gap of the semiconductor. That is, even in the conventional offset gate type TFT as shown in FIG. 2, if the band gap of the semiconductor is increased, the band steepness between the channel formation region and the drain region is the same, but between the conduction band and the valence band. Therefore, the effect of the offset region is increased, and carrier hopping from the valence band (conduction band) of the channel formation region to the conduction band (valence band) of the drain region is suppressed. In this way, increasing the band gap of a silicon semiconductor can be realized by adding an appropriate amount of an element having an effect of increasing the energy band width of carbon, nitrogen, oxygen or the like. The larger the amount added, the band gap increases, but excessive addition degrades the semiconductor characteristics. According to the inventor's research, the total concentration of these elements is 1 × 10 19 ~ 2x10 twenty one cm -3 , Preferably 5 × 10 19 ~ 7 × 10 20 cm -3 Was found to be appropriate. Note that the measurement of the concentration of the impurity element means the lowest value in the SIMS (secondary ion mass spectrometry) method.
[0012]
The disadvantage of the first method is that oxygen, nitrogen, carbon, etc. are also added to the channel region, so that the current (on-current) when a forward bias (positive) voltage is applied to the gate electrode is reduced. It is to end. In order to solve this problem, as shown in FIG. 1A, the impurity region 3 can be substantially suppressed between the
[0013]
A band diagram when a negative voltage is applied to the gate electrode is shown in FIG. As is apparent from the figure, the presence of the
[0014]
[0015]
In the first and second methods, an ion doping method or an ion implantation method may be used to add oxygen, carbon, nitrogen, etc., but this damages the crystallinity of the silicon film. Thereafter, thermal annealing, laser annealing, lamp annealing (RTA) or the like is crystallized, and these additives are uniformly bonded to silicon and neutralize the grain boundaries. Alternatively, it is desirable that the N-type impurity is sufficiently activated. In particular, regarding the first method, an appropriate amount of oxygen, nitrogen, carbon, or the like may be mixed during the formation of the silicon film. In the first method, the concentrations of oxygen, nitrogen, and carbon do not change between the source / drain and the channel formation region. I = N O = N N It is.
An example of a method for manufacturing a TFT will be described below, and a TFT based on the first and second methods will be described.
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
[0017]
【Example】
[ reference Example 1) Figure 3 shows the book reference Sectional drawing of the manufacturing process of TFT which is an example is shown. First, a silicon
[0018]
Then, an intrinsic (I-type)
[0019]
Furthermore, 1 × 10 oxygen ions are introduced by ion implantation. 14 ~ 3x10 16 cm -2 For example, 2 × 10 15 cm -2 The dose was injected at a dose of. Implantation was performed by selecting energy so that a peak would appear at the boundary between the
[0020]
Next, the silicon film was crystallized by thermal annealing at 600 ° C. for 48 hours in a nitrogen atmosphere (atmospheric pressure). Further, the
[0021]
A
[0022]
Subsequently, an aluminum film (including 0.01 to 0.25% scandium or other group IIIa element (rare earth element)) having a thickness of 3000 to 8000 mm, for example, 6000 mm, was formed by sputtering. The
[0023]
Further, the surface of the aluminum electrode was anodized to form an
[0024]
Next, by an ion doping method (also referred to as a plasma doping method), the gate electrode portion (that is, the
[0025]
Thereafter, annealing was performed by laser light irradiation to activate the doped impurities. As the laser light, a KrF excimer laser (wavelength 248 nm,
[0026]
Further, this step may be a method by lamp annealing (rapid thermal annealing, RTA) using visible or near infrared light. Visible and near infrared rays are 10% of crystallized silicon, phosphorus or boron. 19 -10 twenty one cm -3 The added amorphous silicon is easily absorbed, and an effective annealing comparable to thermal annealing at 1000 ° C. or higher can be performed. When phosphorus or boron is added, light is sufficiently absorbed even in the near infrared due to the impurity scattering. This can be fully inferred from the fact that it is black even when observed with the naked eye. On the other hand, it is difficult to be absorbed by the glass substrate, so it does not heat the glass substrate to a high temperature and requires only a short processing time, so it can be said that it is an optimal method in the process where shrinkage of the glass substrate is a problem. .
[0027]
After the impurity activation process, a
[0028]
Thus, when the gate voltage is 0V, the off-current is 1 × 10 -Ten 3 x 10 from A -12 We were able to lower it to A. Further, when the drain voltage is + 10V and the gate voltage is −10V, the leakage current (off current) is 3 to 5 × 10 -12 A and it was reduced to about 1/30 of the conventional value.
[0029]
[ reference Example 2] Book reference An outline of an example manufacturing process is shown in FIG. Book reference In the example, a Corning 7059 glass substrate (thickness 1.1 mm, 300 × 400 mm) was used as the
[0030]
Further, nitrogen ions are introduced by 1 × 10 5 by ion implantation. 14 ~ 3x10 16 cm -2 For example, 2 × 10 15 cm -2 The dose was injected at a dose of. The implantation was performed by selecting energy so that a peak was reached at the boundary between the
[0031]
Then, the silicon film was crystallized by performing thermal annealing at 550 ° C. for 8 hours or at 600 ° C. for 4 hours. At that time, as nickel diffused through the silicon film, crystallization progressed laterally from the
[0032]
After this thermal annealing step, the
[0033]
Thereafter, phosphorus was implanted as an N-type impurity by an ion doping method to form a
[0034]
Thereafter, an
[0035]
Book reference The TFT shown in the example is reference Compared to that of Example 1, it can be obtained by crystallization by annealing at a lower temperature and for a shorter time. 17 ~ 5x10 19 cm -3 Inclusion was confirmed by secondary ion mass spectrometry (SIMS). In the past, the leakage current increased due to this. reference In the example, nitrogen is also 1 × 10 at the same time in the active layer. 19 ~ 2x10 21 Atom cm -3 , Typically 1 × 10 20 ~ 5x10 20 Atom cm -3 Therefore, the leakage current is reduced, and a better off characteristic is obtained.
[0036]
Also book reference In the example, nitrogen introduced into the silicon film firmly terminated the dangling bonds of silicon. Oxygen did not have a significant effect, but a similar effect can be observed by introducing carbon. The dangling bonds of silicon are particularly prominent at the grain boundaries and cause leakage current, but can be suppressed by the present invention. Similarly, metal elements such as nickel present in the silicon film can be fixed by nitrogen or carbon, which is also preferable for semiconductor characteristics.
[0037]
〔Example 1 This embodiment will be described with reference to FIG. The substrate uses Corning 7059, reference As in Example 2, in order to prevent shrinkage, the sample was annealed at 640 ° C. for 4 hours in advance, slowly cooled to 450 ° C. at 0.1 ° C., and then taken out. First, a
[0038]
The silicon film was crystallized by annealing at 600 ° C. for 4 hours in a nitrogen atmosphere. Thereafter, the silicon oxide film was removed to expose the silicon film surface. Then, heat annealing was performed at 550 ° C. for 1 hour in an oxidizing atmosphere such as oxygen, ozone, or dinitrogen monoxide to form a thin silicon oxide film on the surface of the silicon film. Then, the silicon film was patterned to form an
[0039]
Then, a thin
[0040]
afterwards, reference As in Example 1, a
[0041]
afterwards, reference In the same manner as in Example 1, the gate electrode was anodized to form an
[0042]
Further, an
[0043]
In this manner, a TFT having a structure similar to that shown in FIG. In this embodiment, since the channel formation region is not doped with oxygen, reference Example 1 and reference A TFT having a large on / off ratio was obtained as compared with the case of Example 2. In particular, even when the drain voltage was as large as + 10V, good characteristics without leakage current were obtained when the gate voltage was between 0 and -10V.
[0044]
The LDD structure may be configured as follows. 500 to 1000 陽極 of
[0045]
〔Example 2 This embodiment will be described with reference to FIG. As the substrate, Corning 7059 was used. 1 The base
[0046]
afterwards, reference As in Example 1, the gate electrode is anodized to form an
[0047]
Subsequently, a
Next, the
[0048]
As a result of the above processes,
Next, this is preliminarily heated to 250 to 450 ° C., irradiated with laser light, instantaneously heated to 500 to 800 ° C., and titanium and silicon are reacted to form
[0049]
This step may be performed by infrared lamp annealing (RTA). When lamp annealing is performed, lamp irradiation is performed for several minutes at 600 ° C. and for several seconds at 1000 ° C. (silicon wafer monitor temperature) so that the surface to be irradiated is about 600 to 1000 ° C. To do. Here, E I <E O ≦ E N Relationship (N I <N O ≦ N N Relationship).
[0050]
Thereafter, the Ti film that did not become silicide was removed by etching with an etching solution in which hydrogen peroxide, ammonia, and water were mixed at a ratio of 5: 2: 2. At this time, the
Thus, a pair of oxygen layers was formed outside the channel formation region and the silicide layer was formed as a pair in the source / drain region outside the channel formation region. (Fig. 5 (E))
[0051]
In the TFT shown in this embodiment, the substantial source / drain sheet resistance is reduced by the
[0052]
In the present invention, with respect to lowering the sheet resistance of the source / drain, in addition to the above, it is effective to increase the impurity concentration of the source / drain, or to use silicide together. In addition, it goes without saying that the active layer is not limited to the solid phase growth method, but may be laser annealing, RTA, or the like, or may be used in combination with the solid phase growth method.
[0053]
【The invention's effect】
As is clear from the above embodiments, the present invention can reduce the off current of the TFT. As shown in the above-described embodiment, the TFT containing a metal element (nickel or the like) for promoting crystallization in the active layer was particularly effective in reducing the off current. Examples 2 In the present invention, by forming a silicide layer in close contact with the source / drain, the substantial sheet resistance of the source / drain is lowered, and thus the source / drain dose is reduced. Thus, the effect of the present invention could be further enhanced.
[0054]
The present invention can be applied not only to N-channel TFTs but also to P-channel TFTs. However, in the present invention, the first method ( reference Example 1 and reference As in Example 2), when elements such as oxygen, nitrogen, and carbon are introduced into the channel formation region, it is necessary to consider fluctuations in threshold voltage due to these elements. For example, in the case of oxygen, 1 to 10% of the chlorinated substances in silicon serve as donors, so that the N-type is weak. Therefore, the threshold value shifts in the positive direction in both the P-channel TFT and the N-channel TFT.
[0055]
In the present invention, in particular, the
[0056]
The present invention can obtain a greater effect not only in a semiconductor circuit in which the same type of TFT is formed on the same substrate but also in a semiconductor integrated circuit in which different types of TFT are formed on the same substrate. it can. For example, a part of the circuit is a conventional self-aligned TFT or offset gate type TFT without offset, and the other part of the circuit uses the TFT of the present invention.
[0057]
For example, in an active matrix substrate used for a liquid crystal display, in a monolithic thin film integrated circuit in which an active matrix circuit and a peripheral circuit for driving the same are formed on the same substrate, a TFT used for an active matrix circuit is: Since it is necessary to hold the charge accumulated in the pixel for a long time, it is preferable that the off-state current is small, and a TFT manufactured using the present invention is suitable.
[0058]
On the other hand, TFTs with large on-currents are suitable for TFTs used in peripheral circuits because of the relationship that requires a high operating frequency. However, the TFT according to the present invention tends to be slightly smaller than the conventional one in terms of on-current. In particular, reference This tendency is strong in the TFTs shown in Examples 1 and 2. Therefore, it is preferable to use a conventional self-aligned type or offset gate type TFT for the peripheral circuit.
[0059]
Thus, by making the active matrix circuit and the peripheral circuit TFTs different from each other, the characteristics of the entire circuit can be greatly improved.
As described above, the present invention is industrially useful.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows the structure and characteristics of a TFT of the present invention.
FIG. 2 shows the structure and characteristics of a conventional TFT.
[Fig. 3] reference The manufacturing process of the TFT of Example 1 is shown.
[Fig. 4] reference The manufacturing process of the TFT of Example 2 is shown.
FIG. 5 Example 1 A manufacturing process of the TFT will be described.
FIG. 6 Example 2 A manufacturing process of the TFT will be described.
[Explanation of symbols]
1 Gate electrode
2 Gate insulation film
3 Impurity region (first region)
4 Second area
5 channel formation region (third region)
6 Second area
7 Impurity region (first region)
11 Gate electrode
12 Gate insulation film
13 Impurity region
14 Offset area
15 channel formation region (third region)
16 Offset area
17 Impurity region (first region)
Claims (4)
前記非晶質珪素膜上に、前記非晶質珪素膜に局所的に接するように、非晶質珪素の結晶化を促進するNiを含む膜を形成し、
前記Niを含む膜が前記非晶質珪素膜の表面に局所的に接した状態で前記非晶質珪素膜を加熱してNiを前記非晶質珪素膜中に拡散させ結晶性の珪素膜を形成し、
前記結晶性の珪素膜をパターニングして活性層を形成し、
前記活性層上に接してゲイト絶縁膜を形成し、
前記ゲイト絶縁膜上に接してゲイト電極を形成し、
前記ゲイト電極をマスクとして前記活性層に酸素、窒素、炭素の少なくとも1つを添加し、
前記活性層にP型またはN型の不純物元素を添加し、ソース領域およびドレイン領域を形成するとともに、前記ソース領域およびドレイン領域とチャネル形成領域との間で且つ前記ゲイト電極と重ならない領域に、前記不純物元素が前記ソース領域およびドレイン領域よりも低濃度あるいは実質的に真性の領域であって前記酸素、窒素、炭素の少なくとも一つが添加された領域を形成すること
を特徴とする半導体装置の作製方法。Forming an amorphous silicon film on the insulating surface;
A film containing Ni that promotes crystallization of amorphous silicon is formed on the amorphous silicon film so as to be in local contact with the amorphous silicon film.
The film is the amorphous silicon film crystallinity of the silicon film surface to diffuse the Ni heating said amorphous silicon film in a state of locally contact in the amorphous silicon film containing the Ni Forming,
Patterning the crystalline silicon film to form an active layer;
Forming a gate insulating film in contact with the active layer;
Forming a gate electrode in contact with the gate insulating film;
Adding at least one of oxygen, nitrogen, and carbon to the active layer using the gate electrode as a mask;
A P-type or N-type impurity element is added to the active layer to form a source region and a drain region, and between the source region, the drain region, and the channel formation region, and in a region that does not overlap the gate electrode, Fabrication of a semiconductor device, wherein the impurity element is a lower concentration or substantially intrinsic region than the source region and the drain region, and a region to which at least one of oxygen, nitrogen, and carbon is added is formed. Method.
前記不純物元素が前記ソース領域およびドレイン領域よりも低濃度あるいは実質的に真性の領域と前記ソース領域との境界から離れた前記ソース領域の一部および前記不純物元素が前記ソース領域およびドレイン領域よりも低濃度あるいは実質的に真性の領域と前記ドレイン領域との境界から離れた前記ドレイン領域の一部に接するように、シリサイドを形成するための膜を形成し、
前記シリサイドを形成するための膜に、レーザー、可視光または近赤外光の強光を照射することによって、前記ソース領域の一部および前記ドレイン領域の一部にシリサイド領域を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。In Claim 1, after adding a P-type or N-type impurity element to the active layer to form a source region and a drain region,
The part of the source region and the impurity element that are away from the boundary between the source region and the source region and the source region, and the impurity element is lower than the source region and the drain region. Forming a film for forming a silicide so as to be in contact with a part of the drain region away from the boundary between the low concentration or substantially intrinsic region and the drain region ;
A silicide region is formed in a part of the source region and a part of the drain region by irradiating the film for forming the silicide with intense light of laser, visible light, or near infrared light. A method for manufacturing a semiconductor device.
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