JP3765725B2 - ディスク再生装置およびデータ間欠読出方法 - Google Patents

ディスク再生装置およびデータ間欠読出方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、MD(ミニディスク)等に記録された楽曲データを再生するディスク再生装置に関し、特に、振動による音切れ等を適切に防止することのできるディスク再生装置及びデータ間欠読出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ディスク(MD等)に記録された楽曲データを再生するディスク再生装置が広く知られている。ディスク再生装置は、光ピックアップ等を使用して、回転させたディスクの記録面に向けてレーザ光を照射し、その反射光を読み取ることにより、ディスクからディジタルの再生信号(楽曲データ)を取得する。そして、この再生信号をデコード等した後に、音声信号に変換して楽曲音を再生する。
このようなディスク再生装置は、外部から振動が加えられても、安定した再生を行うことができるように、所定の対策が講じられている。このような振動対策は、特にポータブル型のような、利用者に携帯され、使用中に振動が加えられる可能性の高いディスク再生装置にとって、必要不可欠なものとなっている。
【0003】
振動対策の一つとして、ディスク再生装置において広く用いられているのが、ショックプルーフメモリを使用した手法である。この手法は、例えば、3秒〜10秒分の楽曲データをショックプルーフメモリと称されるメモリに一旦記憶し、この記憶した楽曲データを使用して楽曲音を再生するというものである。つまり、光ピックアップを介して読み出した楽曲データをリアルタイムに使用するのではなく、メモリに記憶した楽曲データを楽曲音の再生に使用する。
このため、たとえディスク再生装置に振動が加わり、光ピックアップを介した楽曲データの読み出しが途切れたとしても、ディスク再生装置は、メモリに記憶されている楽曲データを使用して楽曲音を再生しているので、振動による音切れ等を生じさせることがない。
【0004】
このようなショックプルーフメモリを使用した手法において、ディスクからの楽曲データの読み出しは、間欠動作により行われるのが一般的である。すなわち、ディスクから読み出した楽曲データをメモリに順次格納し、メモリが満杯になったら、読み出しを一時的に停止(休止)する。そして、楽曲データが再生に使用されて、メモリに記憶した楽曲データが空になる前に、ディスクからの楽曲データの読み出しを再開する。
【0005】
以下、従来のディスク再生装置が行う楽曲データの間欠読出動作について、図6を参照して詳細に説明する。図6は、ディスク再生装置内に備えられた制御マイコン等が実行する間欠読出処理を説明するためのフローチャートである。
【0006】
まず、制御マイコンは、ディスクからデータ(楽曲データ)の読み出しを開始する(ステップS101)。制御マイコンは、読み出したデータをメモリ(ショックプルーフメモリ)に順次記憶する。
制御マイコンは、メモリが満杯になるまで、ディスクからのデータの読み出しを続ける(ステップS102)。
制御マイコンは、メモリが満杯になったと判別すると、ディスクからの読み出しを停止する(ステップS103)。なお、制御マイコンは、並行してメモリに記憶した楽曲データを使用して楽曲音を再生する。
【0007】
制御マイコンは、楽曲データが再生に使用され、メモリに記憶したデータの残量が所定量以下になるまで、読み出しの停止を継続する(ステップS104)。なお、制御マイコンは、データの読み出しを停止している間、サーボ系(トラッキングサーボ等を含む読み取り系)を休止状態とする。
そして、制御マイコンは、データの残量が所定量以下になると、上述のステップS101に処理を戻し、ディスクからのデータの読み出しを再開する。
【0008】
このような間欠読出処理により、ディスクからのデータの読み出しを停止している間、サーボ系を休止状態にできるため、ディスク再生装置は、消費電力を適切に抑制することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した間欠読出動作を行うディスク再生装置は、振動の多い環境において、音切れ等を生じさせてしまう場合がある。つまり、振動の多い状況では、図6に示すステップS104にて、メモリに記憶されたデータの残量が所定量以下になり、ステップS101にて、ディスクからのデータの読み出しを再開しても、直ちに対象のデータを読み出せずに、データの読み出しまでに所定の時間が必要となる場合がある。この場合、残りのデータが使用されてメモリが空になるまでに、新たなデータをディスクから読み出してメモリに格納できないこととなり、音切れ等が生じてしまう。
【0010】
このような事態をさけるために、ディスクからのデータの読み出しを再開するための基準となるデータの残量を大きめに設定することも考えられるが、その分、サーボ系を休止状態にできる時間が短くなるため、通常の振動の少ない状況において、電力が余計に消費されてしまうこととなる。
【0011】
この発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、振動による音切れ等を適切に防止することのできるディスク再生装置及びデータ間欠読出方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るディスク再生装置は、
ディスクに記録されたデータを読み出す読出手段と、該読出手段により読み出されたデータを順次記憶する記憶手段と、該記憶手段に満杯量のデータが記憶されると、該読出手段にデータの読み出しを停止させ、該記憶手段に記憶されたデータが使用されて残量が所定量以下に低下すると、該読出手段にデータの読み出しを再開させる制御手段とを備えて、データの間欠読み出しを行うディスク再生装置であって、
前記制御手段により前記読出手段が読み出しを停止している状態において、所定レベルの振動の発生を検出する検出手段と、
所定の時間内に前記検出手段が検出した振動の発生数を、順次カウントするカウント手段と、を更に備え、
前記制御手段は、前記カウント手段により所定数以上の振動の発生数がカウントされると、前記記憶手段が記憶しているデータの残量にかかわらず、前記読出手段にデータの読み出しを再開させる、
ことを特徴とする。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明の第の観点に係るデータ間欠読出方法は、
ディスクに記録されたデータを読み出す読出ステップと、該読出ステップにて読み出されたデータを所定の記憶部に順次格納する格納ステップと、該格納ステップにて満杯量のデータが記憶部に格納されると、該読出ステップにデータの読み出しを停止させ、該格納ステップにて記憶部に格納されたデータが使用されて残量が所定量以下に低下すると、該読出ステップにデータの読み出しを再開させる制御ステップとを備えるディスク再生装置におけるデータ間欠読出方法であって、
前記読出ステップにて読み出しが停止されている状態において、所定レベルの振動の発生を検出する検出ステップと、
所定の時間内に前記検出ステップにて検出された振動の発生数を、順次カウントするカウントステップと、を更に備え、
前記制御ステップは、前記カウントステップにて所定数以上の振動の発生数がカウントされると、前記格納ステップにて格納されたデータの残量にかかわらず、前記読出ステップにデータの読み出しを再開させる、
ことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態にかかるディスク再生装置について、以下図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、この発明の実施の形態に適用されるディスク再生装置の一例を示すブロック図である。図示するように、ディスク再生装置は、光ピックアップ1と、RFアンプ2と、サーボアンプ3と、ドライバ/振動検出回路4と、アクチュエータ5と、マグネット6と、カウンタ7と、タイマ8と、マイコン9と、DSP10と、DRAM11と、デコーダ12と、DAC13とを含んで構成される。なお、このディスク再生装置は、楽曲データが記録されたディスク(例えば、MD等)を再生するディスク再生装置であり、その特徴として、ディスクから楽曲データを間欠読出動作により読み出してDRAM11に記憶し、DRAM11に記憶した楽曲データを使用して楽曲音の再生を行う機器である。
【0020】
光ピックアップ1は、所定波長のレーザ光をディスクの記録面に向けて照射し、その反射光を受けて電気信号に変換する。光ピックアップ1は、変換した電気信号をRFアンプ2に供給する。
【0021】
RFアンプ2は、光ピックアップ1より供給された電気信号からRF信号、フォーカスエラー信号及び、トラッキングエラー信号等を生成する。RFアンプ2は、生成したRF信号等をサーボアンプ3及びDSP10にそれぞれ供給する。
【0022】
サーボアンプ3は、RFアンプ2より供給されたフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号等からサーボ信号を生成して、ドライバ/振動検出回路4に供給する。
【0023】
ドライバ/振動検出回路4は、アクチュエータ5を駆動するためのドライバ部と、振動の発生を検出するための振動検出部とからなる。以下、図2を参照して、ドライバ/振動検出回路4について詳細に説明する。
図2は、ドライバ/振動検出回路4の構成の一例を示す回路図である。図2に示すようにドライバ/振動検出回路4は、ドライバ41と、抵抗42〜45と、差動アンプ46と、基準電圧発生部47と、コンパレータ48とから構成される。
【0024】
ドライバ41は、サーボアンプ3より供給されるサーボ信号に従って、アクチュエータ5を駆動制御する。なお、ドライバ41は、楽曲データの間欠読出動作における読出停止中にハイインピーダンスとなり、アクチュエータ5等から実質的に切り離された状態になる。そしてこの際、外部からディスク再生装置に振動が加えられると、アクチュエータ5が駆動(振動)し、マグネット6による誘起信号がアクチュエータ5に発生する。
【0025】
抵抗42〜45は、アクチュエータ5にて生じた誘起信号を増幅するための差動アンプ46において、増幅度を規定する抵抗であり、所定の抵抗値の抵抗がそれぞれ配置されている。
【0026】
差動アンプ46は、アクチュエータ5の駆動停止中(読出停止中)に、ディスク再生装置に振動が加えられた際に、アクチュエータ5が駆動(振動)されて生じた誘起信号を、抵抗42〜45の抵抗値により定まる増幅度に従って差動増幅する。差動アンプ46は、増幅した誘起信号をコンパレータ48に供給する。
【0027】
基準電圧発生部47は、予め定められた電圧値の基準電圧信号を生成し、コンパレータ48に供給する。
【0028】
コンパレータ48は、差動アンプ46から供給された誘起信号(増幅後)と、基準電圧発生部47から供給された基準電圧信号とを比較する。そして、コンパレータ48は、誘起信号の電圧値が基準電圧信号の値よりも高い場合に、振動検出を示す検出信号(例えば、ハイレベルの電気信号)を生成し、生成した検出信号をカウンタ7に供給する。
【0029】
このように、ドライバ/振動検出回路4は、ドライバ41により、ディスクから楽曲データを読み取るために、サーボアンプ3から供給されるサーボ信号に従ってアクチュエータ5を駆動する。
また、間欠読出動作における読出停止中に、ドライバ41は、アクチュエータ5等から電気的に切り離される。そしてその際、振動によりアクチュエータ5にて誘起信号が生じ、増幅後の誘起信号が基準電圧値より大きい場合(所定レベル以上の振動が生じた場合)に、コンパレータ48により、振動検出を示す検出信号がカウンタ7に供給される。
【0030】
図1に戻って、アクチュエータ5は、ドライバ/振動検出回路4(ドライバ41)に駆動制御され、例えば、光ピックアップ1におけるレーザ光束がディスクの記録面に合焦状態となるように維持する。
また、アクチュエータ5は、間欠読出動作における読出停止中に、外部からディスク再生装置に振動が加えられた場合に、自己が駆動(振動)し、マグネット6の磁界による誘起信号を発生させる。そして、この誘起信号を差動アンプ46等に供給する。
【0031】
マグネット6は、アクチュエータ5の近傍に配置され、所定の磁束密度の磁界によりアクチュエータ5に所定の電磁力を生じさせる。
【0032】
カウンタ7は、ドライバ/振動検出回路4(コンパレータ48)から供給される検出信号をカウントする。カウンタ7は、そのカウント値を逐次マイコン9に供給する。なお、カウンタ7は、タイマ8からリセット信号が供給された際に、カウント値をゼロクリアする。
【0033】
タイマ8は、所定のインターバルタイマ等からなり、所定の時間(例えば、3秒)毎に、リセット信号を生成して、カウンタ7に供給する。
このため、カウンタ7は、タイマ8がリセット信号を供給するサイクル内(例えば、3秒間)において、ドライバ/振動検出回路4(コンパレータ48)から供給される検出信号をカウントする。
【0034】
マイコン9は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びCPU(Central Processing Unit)等を備えた1チップマイコン等からなり、ディスク再生装置全体を制御する。
すなわち、マイコン9は、DSP10等を制御してディスクから楽曲データを読み出し、読み出した楽曲データをDRAM11に順次記憶させる。マイコン9は、DRAM11が楽曲データで満杯になった際に、DSP10を制御して、楽曲データの読み出しを停止させる。その際、サーボアンプ3等が休止状態となり、ドライバ/振動検出回路4のドライバ41は、アクチュエータ5等から電気的に切り離される。
【0035】
また、マイコン9は、ディスクからの楽曲データの読み出し等と並行して、DRAM11に記憶した楽曲データを順次デコーダ12に供給し、伸張した楽曲データ(楽曲信号)をDAC13を介して楽曲音として出力させる。
そして、マイコン9は、DRAM11に記憶した楽曲データの残量が所定量以下となった際に、停止させていたディスクからの楽曲データの読み出しを再開させる。
【0036】
また、マイコン9は、読出停止中に、カウンタ7がカウントする振動の発生数を逐次取得する。そして、マイコン9は、楽曲データの残量が所定量以下となる前に、カウンタ7にて所定値以上のカウント値がカウントされた場合に、停止させていたディスクからの楽曲データの読み出しを再開させる。
つまり、マイコン9は、所定レベル以上の振動が連続して生じたことを検出し、振動の多い状況であることを判別し、DRAM11に記憶した楽曲データに余裕がある内に、ディスクからの楽曲データの読み出しを再開させる。
【0037】
DSP(Digital Signal Processor)10は、RFアンプ2より供給されるRF信号等を入力し、入力したRF信号から楽曲データ(圧縮データ)を生成する。DSP10は、生成した楽曲データをDRAM11に一時的に記憶する。
また、DSP10は、サーボアンプ3等を介してアクチュエータ5を駆動制御する。
【0038】
DRAM(Dynamic RAM)11は、所定容量のショックプルーフメモリであり、DSP10から供給される楽曲データを順次記憶する。そして、DRAM11は、記憶した楽曲データをデコーダ12の読み出しに応じて、順次供給する。
【0039】
デコーダ12は、例えば、ATRAC(Adaptive Transform Acoustic Cording)デコーダ等からなり、DRAM11から楽曲データ(圧縮データ)を読み出し、読み出した楽曲データを伸張する。デコーダ12は、伸張した楽曲データをDAC13に供給する。
【0040】
DAC(Digital to Analog Converter)13は、デコーダ12から供給された楽曲データ(デジタルデータ)をアナログ変換し、変換後の楽曲信号(アナログデータ)を楽曲音として外部(アンプ等)に出力する。
【0041】
以下、この発明の実施の形態に係るディスク再生装置の動作について図3を参照して説明する。図3は、マイコン9がDSP10等を制御して実行する間欠読出処理を説明するためのフローチャートである。
なお、図3に示す間欠読出処理は、例えば、図示せぬ操作パネルが利用者により操作され、楽曲再生を指示する指示情報が操作パネルから供給された際に開始される。
【0042】
まず、マイコン9は、ディスクからデータ(楽曲データ)の読み出しを開始する(ステップS11)。すなわち、サーボアンプ3等により制御されたドライバ/振動検出回路4(ドライバ41)がアクチュエータ5を駆動し、光ピックアップ1にて読み取られた電気信号がRFアンプ2に供給される。そして、マイコン9に制御されたDSP10は、RFアンプ2より供給されるRF信号から楽曲データ(圧縮データ)を順次生成し、生成した楽曲データをDRAM11に一時的に記憶する。
【0043】
マイコン9は、メモリが満杯になるまで、ディスクからのデータの読み出しを続ける(ステップS12)。すなわち、DRAM11が楽曲データで満杯になるまで、DSP10は、RF信号から生成した楽曲データをDRAM11に記憶し続ける。
【0044】
マイコン9は、メモリが満杯になったと判別すると、ディスクからの読み出しを停止する(ステップS13)。すなわち、マイコン9に制御されたDSP10は、サーボアンプ3等(トラッキングサーボ等を含む読み取り系)を休止させることにより、ディスクからの楽曲データの読み出しを停止する。
なお、マイコン9は、ディスクからの楽曲データの読み出し等と並行して、DRAM11に記憶した楽曲データを順次デコーダ12に供給し、伸張した楽曲データ(楽曲信号)をDAC13を介して楽曲音として出力させる。
【0045】
マイコン9は、カウンタ7から供給されるカウント値が一定値より大きいか否かを判別する(ステップS14)。すなわち、ディスクからの読み出しを停止している状態において、ディスク再生装置に、所定レベル以上の振動が連続して生じたか否かを判別する。
【0046】
マイコン9は、カウント値が一定値より大きくない(一定値以下)であると判別した場合、データの残量が所定量以下であるか否かを判別する(ステップS15)。すなわち、マイコン9は、順次再生に使用されるDRAM11の楽曲データの残りが、予め定められた基準となる量以下となったか否かを判別する。
【0047】
マイコン9は、残量が所定量以下でない(所定量より多い)と判別した場合、ステップS14に処理を戻し、上述のステップS14,S15の処理を繰り返し実行する。
一方、データの残量が所定量以下であると判別した場合、マイコン9は、ステップS11に処理を戻し、上述のステップS11〜S15の処理を繰り返し実行する。すなわち、マイコン9は、停止させていたディスクからの楽曲データの読み出しを再開させる。
【0048】
また、ステップS14にて、カウンタ7から得たカウント値が一定値より大きいと判別した場合も、ステップS11に処理を戻し、データの読み出しを再開する。すなわち、楽曲データの残量が基準量以下となる前に、カウンタ9にて所定値以上のカウント値がカウントされた場合、マイコン9は、停止させていたディスクからの楽曲データの読み出しを再開させる。
【0049】
このように、間欠読出処理にて、所定レベル以上の振動が連続して生じたことを検出されると、マイコン9は、ディスク再生装置が振動の多い環境にて使用されていることを判別し、DRAM11に記憶した楽曲データに余裕がある内に、ディスクからの楽曲データの読み出しを再開させる。
このため、振動により、直ちに対象の楽曲データをディスクから読み出せない状況であっても、DRAM11に記憶している楽曲データが多いため、残りの楽曲データが使用されてDRAM11が空になるまでに、新たな楽曲データをディスクから読み出してメモリに格納することができる。この結果、振動による音切れ等を適切に防止することができる。
また、振動が発生していない状況では、通常通り、DRAM11の楽曲データが所定量以下に低下した際に、ディスクからの楽曲データの読み出しを再開するため、消費電力の低減も図ることができる。
【0050】
上記の実施の形態では、カウンタ7から得られるカウント値が一定値より多い場合に、DRAM11に記憶している楽曲データの残量にかかわらず、ディスクからの楽曲データの読み出しを再開したが、カウント値が所定の値を超えたとしても、まだ十分に楽曲データの残量がある場合に、休止状態を維持してもよい。
以下、カウント値に対応する楽曲データの許容残量を定め、この許容残量に従って、ディスクからの楽曲データの読み出し等を再開するこの発明の他の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0051】
図4は、カウンタ7から得られるカウント値と、DRAM11に記憶される楽曲データの許容残量との関係を規定する許容残量テーブルの一例を示す模式図である。マイコン9は、図4に示すような許容残量テーブルを自己のROM内に予め記憶しておく。
図5は、マイコン9がDSP10等を制御して実行するこの発明の他の実施の形態に係る間欠読出処理を説明するためのフローチャートである。
なお、図5に示す間欠読出処理も、例えば、図示せぬ操作パネルが利用者により操作され、楽曲再生を指示する指示情報が操作パネルから供給された際に開始される。
【0052】
まず、マイコン9は、ディスクからデータ(楽曲データ)の読み出しを開始する(ステップS21)。すなわち、マイコン9に制御されたDSP10は、RFアンプ2より供給されるRF信号から楽曲データ(圧縮データ)を順次生成し、生成した楽曲データをDRAM11に一時的に記憶する。
【0053】
マイコン9は、メモリが満杯になるまで、ディスクからのデータの読み出しを続ける(ステップS22)。マイコン9は、メモリが満杯になったと判別すると、ディスクからの読み出しを停止する(ステップS23)。
なお、マイコン9は、ディスクからの楽曲データの読み出し等と並行して、DRAM11に記憶した楽曲データを順次デコーダ12に供給し、伸張した楽曲データ(楽曲信号)をDAC13を介して楽曲音として出力させる。
【0054】
マイコン9は、カウンタ7から供給されるカウント値が一定値より大きいか否かを判別する(ステップS24)。すなわち、ディスクからの読み出しを停止している状態において、ディスク再生装置に、所定レベル以上の振動が連続して生じたか否かを判別する。
【0055】
マイコン9は、カウント値が一定値より大きくない(一定値以下)であると判別した場合、データの残量が所定量以下であるか否かを判別する(ステップS25)。マイコン9は、残量が所定量以下でない(所定量より多い)と判別した場合、ステップS24に処理を戻し、上述のステップS24,S25等の処理を繰り返し実行する。
一方、データの残量が所定量以下であると判別した場合、マイコン9は、ステップS21に処理を戻し、上述のステップS21〜S25等の処理を繰り返し実行する。
【0056】
また、ステップS24にて、カウンタ7から得たカウント値が一定値より大きいと判別した場合、マイコン9は、カウント値に応じたデータの許容残量を取得する(ステップS26)。すなわち、マイコン9は、自己のROM内に記憶した図4に示す許容残量テーブルを参照して、カウント値に対応する楽曲データの許容残量を取得する。
【0057】
マイコン9は、データの残量が許容残量以下であるか否かを判別する(ステップS27)。すなわち、マイコン9は、DRAM11に記憶されている現在の楽曲データの残量と、ステップS26にて取得した許容残量とを比較し、現在の楽曲データの残量が許容残量以下であるか否かを判別する。
マイコン9は、現在の楽曲データの残量が許容残量以下でない(許容残量より多い)と判別した場合、上述のステップS25に処理を進める。
【0058】
一方、現在の楽曲データの残量が許容残量以下であると判別した場合、マイコン9は、ステップS21に処理を戻し、上述のステップS21〜S27の処理を繰り返し実行する。すなわち、マイコン9は、停止させていたディスクからの楽曲データの読み出しを再開させる。
【0059】
このように、図5に示す他の実施の形態に係る間欠読出処理により、所定レベル以上の振動が連続して生じたことが検出されても、直ちに楽曲データの読み出しを再開させるのではなく、DRAM11に十分な楽曲データの残量がある場合に、休止状態を維持する。そして、DRAM11に記憶される楽曲データの残量が、振動の連続した発生数(カウント値)に応じて定めた許容残量以下となった際に、ディスクからの楽曲データの読み出しを再開させる。
この結果、振動による音切れ等を適切に防止することができるだけでなく、消費電力の低減も図ることもできる。
【0060】
上記の実施の形態では、差動アンプ46が出力する誘起信号と、基準電圧発生部47が出力する基準電圧信号とを、コンパレータ48にて比較することにより振動の発生を検出したが、差動アンプ46が出力する誘起信号をA/Dコンバータ等を介してより読み取ることにより、振動の発生を検出してもよい。
【0061】
また、上記の実施の形態では、カウンタ7及びタイマ8を独立して設けたが、マイコン9内に、これらカウンタ7及びタイマ8の機能を含めてもよい。
【0062】
更に、上記の実施の形態では、MDを再生するディスク再生装置について説明したが、再生対象の媒体はMDに限られず、他にCD(コンパクトディスク)、DVD(Digital Versatile Disk)等を再生するディスク再生装置に適用可能である。また、ディスクから読み出すデータも楽曲データに限られず任意である。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、振動による音切れ等を適切に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るディスク再生装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】ドライバ/振動検出回路の具体的な構成の一例を示す回路図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る間欠読出処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】マイコンのROM内に予め記憶される許容残量テーブルの一例を示す模式図である。
【図5】本発明の他の実施の形態に係る間欠読出処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】従来のディスク再生装置にて実行される間欠読出処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 光ピックアップ
2 RFアンプ
3 サーボアンプ
4 ドライバ/振動検出回路
5 アクチュエータ
6 マグネット
7 カウンタ
8 タイマ
9 マイコン
10 DSP
11 DRAM
12 デコーダ
13 DAC
41 ドライバ
42〜45 抵抗
46 差動アンプ
47 基準電圧発生部
48 コンパレータ

Claims (2)

  1. ディスクに記録されたデータを読み出す読出手段と、該読出手段により読み出されたデータを順次記憶する記憶手段と、該記憶手段に満杯量のデータが記憶されると、該読出手段にデータの読み出しを停止させ、該記憶手段に記憶されたデータが使用されて残量が所定量以下に低下すると、該読出手段にデータの読み出しを再開させる制御手段とを備えて、データの間欠読み出しを行うディスク再生装置であって、
    前記制御手段により前記読出手段が読み出しを停止している状態において、所定レベルの振動の発生を検出する検出手段と、
    所定の時間内に前記検出手段が検出した振動の発生数を、順次カウントするカウント手段と、を更に備え、
    前記制御手段は、前記カウント手段により所定数以上の振動の発生数がカウントされると、前記記憶手段が記憶しているデータの残量にかかわらず、前記読出手段にデータの読み出しを再開させる、
    ことを特徴とするディスク再生装置。
  2. ディスクに記録されたデータを読み出す読出ステップと、該読出ステップにて読み出されたデータを所定の記憶部に順次格納する格納ステップと、該格納ステップにて満杯量のデータが記憶部に格納されると、該読出ステップにデータの読み出しを停止させ、該格納ステップにて記憶部に格納されたデータが使用されて残量が所定量以下に低下すると、該読出ステップにデータの読み出しを再開させる制御ステップとを備えるディスク再生装置におけるデータ間欠読出方法であって、
    前記読出ステップにて読み出しが停止されている状態において、所定レベルの振動の発生を検出する検出ステップと、
    所定の時間内に前記検出ステップにて検出された振動の発生数を、順次カウントするカウントステップと、を更に備え、
    前記制御ステップは、前記カウントステップにて所定数以上の振動の発生数がカウントされると、前記格納ステップにて格納されたデータの残量にかかわらず、前記読出ステップにデータの読み出しを再開させる、
    ことを特徴とするデータ間欠読出方法。
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