JP3763661B2 - 野菜の保存方法 - Google Patents

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  • Storage Of Fruits Or Vegetables (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、野菜の保存方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
カップ野菜やカット野菜は、細菌が繁殖して腐敗しやすいため、これを保存するため従来より種々の工夫がされている。
その一例として、特開平6−46812号公報に提案されているように、野菜をまず次亜塩素酸ソーダ溶液で処理し、水洗した後これを保存することが一般に行われている。
【0003】
しかしながら、上記従来法によると次亜塩素酸ソーダ溶液処理直後は野菜付着の細菌が殺菌されているものの、保存中に経時的に細菌が繁殖し、野菜が期待する程日持ちしない傾向にある。
【0004】
本発明者等は、次亜塩素酸ソーダ溶液に代えて亜塩素酸ソーダ溶液で野菜を処理し、水洗せずに使用すれば野菜の保存性が改良されることを発明し特許出願中である。
ところで、この方法によると保存中に於ける野菜の細菌の増加を抑える効果はあるが、野菜の初菌数を減少させる効果はあまり期待できない。
野菜の初菌数を減少させるには、亜塩素酸ソーダ溶液に酸を加えて次の反応を生じさせ、二酸化塩素を発生させる必要がある。
【0005】
【化1】
Figure 0003763661
【0006】
しかし、この溶液で野菜を処理したあと、水洗せずに水切りしこれを保存すると、折角の野菜が褐変したり、萎れたりしてしまい商品価値が失われやすい傾向にある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は商品価値を維持したまま野菜を効果的に保存する方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
その目的を達成するため、本発明は、
(1)野菜を亜塩素酸塩と次亜塩素酸塩を溶解した溶液で処理した後水洗せずに水切りし、この野菜を保存することを特徴とする野菜の保存方法、
(2)亜塩素酸塩と次亜塩素酸塩の濃度をそれぞれ25〜1000ppmとした溶液を用いることとした(1)記載の野菜の保存方法、
からなるものである。
【0009】
以下本発明を詳述する。
本発明に於いて「野菜」とは、キャベツ、サラダ菜、キュウリ、タマネギ、ニンジン、ゴボウ等の青果類や根菜類であって、その不可食部を除去した丸のままのもの、それをカットしたカット野菜ばかりでなく、これらの生野菜をブランチングした半加熱野菜、さらには生野菜を煮熟した加熱野菜も含むものである。
また「亜塩素酸塩」とは、亜塩素酸ナトリウム(亜塩素酸ソーダ)、亜塩素酸カリウム等の亜塩素酸の水素が金属に置換されて生ずる塩を、そして「次亜塩素酸塩」とは、次亜塩素酸ナトリウム(次亜塩素酸ソーダ)、次亜塩素酸カリウム等の次亜塩素酸の水素が金属に置換されて生ずる塩をいうが、殺菌剤として食品衛生法上認可されている亜塩素酸ソーダと次亜塩素酸ソーダを用いるのが実用的である。尚、この溶液のpHは特に調整する必要はない。
【0010】
さらに「水切り」とは、野菜に遠心力等を与えたり、野菜をそのまましばらく放置したりして、野菜に付着した液状物を除くことをいい、「保存」とは、野菜を容器や袋に入れて常温、チルド又は冷凍で保管することをいう。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施に当たって、まず原料の野菜を用意する。この野菜が泥付の場合は水洗して泥を除去し、また、茎や枯れ葉部等の不可食部がある場合包丁等で取り除く。そして、この野菜をそのまま用いるか又はカット、ブランチング、煮熟等の好みの処理をする。
【0012】
次に、この野菜を亜塩素酸塩と次亜塩素酸塩を溶解した溶液で処理する。この処理の方法としては、野菜をこの溶液中に浸漬する又は野菜をこの溶液で洗浄する、或いは野菜にこの溶液を噴霧する等の野菜の表面にこの溶液を付着させる手段を施せば良い。
ここで用いる溶液の亜塩素酸塩と次亜塩素酸塩の濃度はそれぞれ25〜1000好ましくは100〜600ppmが望ましい。その濃度が低過ぎると野菜の保存効果がなくなり、一方高過ぎるとその保存効果はあるものの、過剰の亜塩素酸塩や次亜塩素酸塩が野菜に残存してしまう傾向にあるからである。
【0013】
次に、上記処理をした野菜を水洗せずに水切りをする。野菜を遠心分離機にかけたり、またはザル上に野菜を30分程度放置すれば容易に水切りすることが出来る。
ここで水洗をしないのは、野菜を水洗すると野菜に付着した亜塩素酸塩と次亜塩素酸塩の併用効果がなくなるために、後の試験例にも示すように、野菜の保存効果が低下してしまうからである。
【0014】
最後に、水切りした野菜を容器や袋に詰めて保存する。保存温度に特に制限はないが、4〜15℃程度で保存すると野菜の生鮮状態が保たれやすい。
【0015】
【作用】
本発明に於いては、まず野菜を亜塩素酸塩と次亜塩素酸塩を溶解した溶液で処理するので、溶液のpHを調整しなくても次の反応が生じて溶液が中性乃至弱アルカリ性となることにより二酸化塩素を発生し、この二酸化塩素が野菜に付着している細菌を効果的に殺菌することになる。したがって次亜塩素酸ソーダ単独を溶解した溶液を使用する従来法よりも野菜の初菌数を減少させることができる。
【0016】
【化2】
Figure 0003763661
【0017】
次に、この野菜を水洗せずに水切りし、これを保存するので、野菜に僅かに付着した亜塩素酸塩と次亜塩素酸塩の併用効果により細菌の増菌作用を抑え、これにより野菜を長期間保存することができる。
【0018】
以下、本発明の実施例と試験例を述べる。
【実施例】
実施例1
5mm角にカットしたキャベツを亜塩素酸ソーダと次亜塩素酸ソーダをそれぞれ200ppm溶解した溶液中に5分間浸漬した後、溶液中から取り出し、これを遠心分離機にかけて(50G 0.5分間)水切りした。
このカットキャベツ200gずつをガスバリヤ性のある合成樹脂製の袋に充填・密封し、チルド流通用のカット野菜とした。
【0019】
実施例2
葉から芯を切り取ったレタスを一辺が約4cmの大きさに切り、これをまず300ppmの亜塩素酸ソーダと200ppmの次亜塩素酸ソーダを溶解した溶液で3分間洗浄した。
このサラダ菜を実施例1と同様に遠心分離機にかけて水切りした後、100gずつを合成樹脂性の容器に充填・密封し、カップ野菜とした。
【0020】
【試験例】
試験例1(一般生菌テスト)
下記の4種のサンプルを用意した。
テスト区
一辺が約4cmの大きさに切ったカットレタスを亜塩素酸ソーダと次亜塩素酸ソーダをそれぞれ200ppm溶解した溶液中に5分間浸漬した後、取り出し、これを遠心分離機にかけて(50G 0.5分間)水切りしたもの。
対照区1
テスト区と同じカットレタスを次亜塩素酸ソーダ200ppmを溶解した溶液中に5分間浸漬した後、取り出し、これを遠心分離機にかけて(50G 0.5分間)水切りしたもの。
対照区2
テスト区と同じカットレタスを亜塩素酸ソーダ200ppmを溶解し、酸剤でpH調整した溶液(pH3.4)中に5分間浸漬した後、取り出し、これを遠心分離機にかけて(50G 0.5分間)水切りしたもの。
対照区3
テスト区と同じカットレタスを亜塩素酸ソーダ200ppmを溶解した溶液中に5分間浸漬した後、取り出し、これを遠心分離機にかけて(50G 0.5分間)水切りしたもの。
【0021】
次に、各サンプルについて一般生菌数を測定した後、サンプル毎に合成樹脂製シートからなる袋に詰めてこれらを5℃の恒温器に保管し、保管3日後、同7日後の各サンプルの一般生菌数を測定したところ、表1の結果が得られた。
【0022】
【表1】
Figure 0003763661
【0023】
表1より、野菜を次亜塩素酸塩溶液や亜塩素酸塩溶液で処理するのに比べ、亜塩素酸塩・次亜塩素酸塩溶液で処理する方が一般生菌の初菌数が少なく、また保管中に於いてその菌の増殖の抑制に効果があることが理解できる。
【0024】
【試験例】
試験例2(大腸菌群テスト)
試験例1と同じサンプルについて大腸菌群数を測定した後サンプル毎に合成樹脂性シートからなる袋に詰めてこれらを10℃の恒温器に保管し、保管後3日後、同7日後の大腸菌群数を測定したところ、表2の結果が得られた。
【0025】
【表2】
Figure 0003763661
【0026】
表2より、野菜を次亜塩素酸塩溶液や亜塩素酸溶液で処理するのに比べ、亜塩素酸塩・次亜塩素酸塩溶液で処理する方が大腸菌群の初菌数が少なく、また保管中に於いてその菌の増殖の抑制に効果があることが理解できる。
【0027】
【試験例】
試験例3(外観テスト)
試験例1と同じサンプルについて試験例1と同じ条件で保管し、サンプルの外観を観察したところ、表3の結果が得られた。
【0028】
【表3】
Figure 0003763661
【0029】
表3より、亜塩素酸塩と次亜塩素酸塩溶液を併用したときは、野菜を劣化させることなく保管できることが理解できる。
【0030】
【発明の効果】
本発明は、野菜を亜塩素酸塩と次亜塩素酸塩を溶解した溶液で処理した後水洗せずに水切りし、これを保存してなるので、二つの殺菌剤の併用効果により従来の次亜塩素酸塩溶液での処理法によるものと比べて生鮮状態のまま野菜を長期間保存できる。

Claims (2)

  1. 野菜を亜塩素酸塩と次亜塩素酸塩を溶解した溶液で処理した後水洗せずに水切りし、この野菜を保存することを特徴とする野菜の保存方法。
  2. 亜塩素酸塩と次亜塩素酸塩の濃度をそれぞれ25〜1000ppmとした溶液を用いることとした請求項1記載の野菜の保存方法。
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