JP3762998B2 - フッ素イオン検出用剤及びその製造方法 - Google Patents

フッ素イオン検出用剤及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、フッ化イオン検出用剤及びその製造方法に関するものである。
近年、ケイ素を有するπ電子分子およびその重合化合物が大きな注目を浴びている。これは、ケイ素を有するπ電子分子およびその重合化合物では、シリレン成分によりリンクしたπ電子システムが空間を貫いて結合しており、新規の電子的、光物理学的特徴を有するためである。このπ電子システムの光物理的立体配置/電子的構造は、ケイ素やホウ素などの主要素の配位数を調整することにより変化する。例えば、ケイ素原子はフッ素イオンに対し特別な親和性を示すことが知られており、4配位シランの中には、フッ素イオンを含むn−BuNF(TBAF)に接触することで、対応する6配位のケイ酸塩に容易に変化するものがある。非特許文献1および2には、このときの配位数の変化に伴って重合化合物の色や蛍光が変化することが記載されている。
一方、ケイ素を有するπ電子分子の重合化合物(シリレン−π電子共重合体)の合成については、数多くの報告がなされており、これらの応用方法として、半導体、光輝性物質、電子発光体、あるいはセラミック前駆体として使用することが検討されている。
「ジャーナルオブアメリカンケミカルソサイエティー(Journal of the American Chemical Society)」,2002年,123巻,p.11372−11375 「ジャーナルオブアメリカンケミカルソサイエティー(Journal of the American Chemical Society)」,2000年,122巻,p.6793−6794 「マクロモリキュラス(Macromolecules)」,2002年,35巻,p.4138−4142
しかしながら、上記特許文献1および2の重合化合物は、低分子であるため薄膜化が困難であり、さらに合成操作が煩雑で、合成効率が悪いという問題があった。
また、π電位分子の重合化合物を用いて感度の高いフッ素イオンの検出を行う方法が求められていた。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、薄膜形成が可能で、合成操作が簡単なシリレン−π電子共重合体を実現することにある。
また、本発明の他の目的は、感度の高いフッ素イオン検出を行えるフッ素イオン検出用剤を提供することにある。
本発明に係るフッ素イオン検出用剤は、上記の課題を解決するために、一般式(1);
Figure 0003762998
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立にアルキル基を表し、少なくとも一方は炭素数1〜2のアルキル基である。nは正の整数を表す。)
で示される重合体からなることを特徴としている。
本発明に係るフッ素イオン検出用剤は、上記の課題を解決するために、一般式(2);
Figure 0003762998
(式中、R3、R4、R5、R6は、それぞれ独立にアルキル基を表し、このうちの少なくとも1つは炭素数1〜2のアルキル基である。nは正の整数を表す。)
で示される重合体からなることを特徴としている。
本発明に係るフッ素イオン検出用剤は、上記の課題を解決するために、フッ素イオンと接触することで、紫外光の吸収スペクトルが変化することを特徴としている。
本発明に係るフッ素イオン検出用剤は、上記の課題を解決するために、フッ素イオンと接触することで、蛍光スペクトルが変化することを特徴としている。
本発明に係る重合体の製造方法は、上記の課題を解決するために、一般式(3)
Figure 0003762998
(式中、R10およびR11は、それぞれ独立に、アルキル基を表す。R12、R13はハロゲン原子を表す。)
で表される第1の単量体と、一般式(4)
Figure 0003762998
(式中、R14およびR15は、それぞれ独立に、アルキル基を表す。)
で表される第2の単量体と、パラジウムを含む第1の触媒と、銅を含む第2の触媒と、を含む混合物を重合させる工程を含むことを特徴としている。
本発明に係る重合体の製造方法は、上記の課題を解決するために、R10、R11、R14、R15のうちの少なくとも1つが炭素数1以上20以下のアルキル基であることを特徴としている。
本発明に係る重合体の製造方法は、上記の課題を解決するために、上記第1の触媒がビス((H)フェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリドであることを特徴としている。
本発明に係る重合体の製造方法は、上記の課題を解決するために、上記第2の触媒がヨウ化銅であることを特徴としている。
本発明に係る重合体の製造方法は、上記の課題を解決するために、上記混合物をトリエチルアミンに溶解させて重合させることを特徴としている。
本発明に係るフッ素イオン検出用剤は、以上のように、上記一般式(1)に示す重合体である。
上記重合体は、ケイ素に結合するアルキル基の少なくとも一方が炭素数1〜2のアルキル基であるので、フッ素イオンに接触することで、フッ素イオンがケイ素に作用しやすく、フッ素に対する検出感度が高まる。
また、本発明のフッ素イオン検出用剤は、σ−π共有結合性高分子フッ素イオンであるため、ケイ素に作用すると、ケイ素の配位数が変化し、重合体の構造が変化する。この構造変化は、紫外線吸収スペクトルにおいてπ電子にかかわるπ−π* 吸収バンドを減少させ、あるいは、新規の吸収バンドを出現させるので、このような変化からフッ素イオンを検出できる。また、蛍光消失などの蛍光特性の変化、流体学的ボリュームの変化としても検出される。したがって、これらの重合体の特性変化を利用して、フッ素イオンの検出を行うことができる。
また、これらの変化は、接触したフッ素イオンの濃度に対応して変化するので、この関係から、フッ素イオンの濃度を測定することもできる。
また、本発明に係るフッ素イオン検出用剤は、以上のように、上記一般式(2)に示す重合体である。
これも同様に、上記フッ素イオン検出用剤は、ケイ素に結合するアルキル基の少なくとも1つが炭素数1〜2のアルキル基であるので、フッ素イオンに接触することで、フッ素イオンがケイ素に作用しやすく、フッ素に対する検出感度が高まる。
フッ素イオンがケイ素に作用すると、ケイ素の配位数が変化し、重合体の構造が変化する。この構造変化は、紫外線吸収スペクトルにおいてπ電子にかかわるπ−π* 吸収バンドを減少させ、あるいは、新規の吸収バンドを出現させるので、このような変化からフッ素イオンを検出できる。また、蛍光消失などの蛍光特性の変化、流体学的ボリュームの変化としても検出される。したがって、これらの重合体の特性変化を利用して、フッ素イオンの検出を行うことができる。
また、これらの変化は、接触したフッ素イオンの濃度に対応して変化するので、この関係から、フッ素イオンの濃度を測定することもできる。
本発明に係るフッ素イオン検出用剤は、以上のように、フッ素イオンと接触することで、紫外光の吸収スペクトルが変化する。したがって、紫外線の吸収スペクトルから、試料中のフッ素イオンの検出やフッ素イオン濃度の測定を行える。
本発明に係るフッ素イオン検出用剤は、以上のように、フッ素イオンと接触することで、蛍光スペクトルが変化する。したがって、蛍光スペクトルから、試料中のフッ素イオンの検出やフッ素イオン濃度の測定を行える。
本発明に係る重合体の製造方法は、以上のように、上記一般式(3)で表される第1の単量体と、上記一般式(4)で表される第2の単量体と、パラジウムを含む第1の触媒と、銅を含む第2の触媒と、を含む混合物を重合させる工程を含むことを特徴としている。それゆえ、第1の単量体と第2の単量体とが重合したケイ素π共役高分子を、単純な工程で、容易に薄膜状に形成でき、合成の収率も高い。さらに、材料を効率よく重合できるため、省資源、低排出の重合方法となり、また、生分解性であるため、環境に悪影響が少ない製造方法でもある。
また、本発明に係る重合体の製造方法は、以上のように、一般式(3)および(4)におけるR10、R11、R14およびR15の少なくとも1つが炭素数1以上20以下のアルキル基である。そのため、溶解性が高く、重合反応による合成が容易である。
本発明に係る重合体の製造方法は、以上のように、第1の触媒がビス((H)フェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリドでであるので、重合反応が良好に進行するという効果を奏する。
本発明に係る重合体の製造方法は、以上のように、第2の触媒がヨウ化銅であるので、重合反応が良好に進行するという効果を奏する。
本発明に係る重合体の製造方法は、以上のように、上記混合物をトリエチルアミンに溶解させて重合させるので、重合反応が良好に進行するという効果を奏する。
また、上記の単量体は、複数種類の単量体を混合したものであっても構わない。
なお、本発明に係る重合体の製造方法において、一般式(3)および(4)におけるR10、R11、R14およびR15の少なくとも1つを炭素数1〜2のアルキル基とすることで、一般式(1)または一般式(2)に示される重合体を得られる。
本発明は、図1に示すように、パラジウムを含む触媒と銅を含む触媒とを触媒として、一般式(5)
Figure 0003762998
(式中、R7およびR8は、それぞれ独立に、アルキル基を表し、このうちの1つは炭素数12〜20のアルキル基である。R9はハロゲン原子を表す。)
に示される単量体を重合させ、ポリ[(ジアルキル)シリレンフェニレンエチニレンフェニレン](poly[(dialkyl)silylenephenyleneethelenephenysene]s)を製造するものである。
上記パラジウムを含む触媒としては、特にビス((H)フェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリドで((PhP)PdCl)が好ましい。また、上記銅を含む触媒としては、特にヨウ化銅が好ましい。
上記パラジウムを含む触媒と銅を含む触媒とを組み合わせて使用することで、効率よく重合を進行させることができ、また、容易に薄膜形成をさせることもできる。なお、パラジウムを含む触媒に対する銅を含む触媒との割合は、モル比で略1:1とすることが好ましい。パラジウムを含む触媒と銅を含む触媒とを略等量とすることで、より触媒作用が良好に働き、より効率よく重合が進行する。
また、上記単量体は、特に限定されるものではないが、4−[(4−ブロモフェニル)ドデシルメチルシリル]フェニルアセチレンが特に好ましい。単量体として、4−[(4−ブロモフェニル)ドデシルメチルシリル]フェニルアセチレンを使用した場合、製造される重合体は、ポリ[(ドデシルメチル)シリレンフェニレンエチニレンフェニレン]となる。
あるいは、本発明は、ビス((H)フェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド((PhP)PdCl)とヨウ化銅(CuI)とを触媒として、上記一般式()に示される単量体と、上記一般式(4)に示される単量体とを重合させ、ケイ素に結合するアルキル基が1つおきに異なるポリ[(ジアルキル)シリレンフェニレンエチニレンフェニレン]を製造するものである。
上記パラジウムを含む触媒と銅を含む触媒とを組み合わせて使用することで、効率よく重合を進行させることができ、また、容易に薄膜形成をさせることもできる。なお、パラジウムを含む触媒に対する銅を含む触媒との割合は、一般式(5)の単量体を重合させる場合と同じである。
また、上記一般式(2)に示される単量体は、特に限定されるものではないが、ビス[4−ブロモフェニル]ジヘキシルシランが特に好ましい。また、上記一般式(5)に示される単量体は、特に限定されるものではないが、ビス[4−エチニルフェニル]ジメチルシランが特に好ましい。
上記重合は、単量体と触媒とをトリエチルアミンに溶解させ、48時間から72時間攪拌することで行うことが好ましい。
以上のような重合体の製造方法は、単純な製造方法であり、薄膜化が可能で、短工程、高収率である。さらに、省資源で、低排出物、生分解性であるため環境への影響も少ない。このようにして得られた重合体は、半導体、光輝性物質、電子発光体、あるいはセラミック前駆体としても用いられる。
また、以上のようにして得られた重合体は、ケイ素π共役高分子である。このケイ素−π共有高分子は、フッ素イオンが作用すると、フッ素イオンの添加量に応じて主鎖吸収が長波長化し、蛍光強度の減少を引き起こす。これは、ケイ素原子とフッ素イオンとの間のダイナミックな相互作用と共に、シリレンにより架橋されたπ電子成分間の、空間を貫く相互作用がより強く働き、新しい種類の複合体を形成するためである。言い換えると、フッ素イオンが作用すると、接触したフッ素イオンの量にしたがって、分子内負荷移動が起こり、膨張、収縮、あるいはコイルトゥグロビュール(coil-to-globule)立体配置の遷移(構造相転位)がおこる。
具体的に説明すると、まず、第1ステップ(低フッ素イオン濃度)で、フッ素イオンにより、主鎖の中での電荷の反発作用が生じ、全体の形状が膨張する。これはゆっくりとした変化である。続いて、第2ステップ(高フッ素イオン濃度)において、膨張状態から急速にコイル変化して、収縮する。そして、第3ステップ(更にフッ素イオン濃度が高い場合)にて、収縮からグロビュール様のコイル変化がおこる。これにより、重合体溶液内で電荷の作用により立体配位遷移が起こる。
この変化は、紫外光、例えば紫外可視光の吸収スペクトル、蛍光スペクトルの遷移、あるいは、ボリュームの変化として現れ、これらを測定することで、10−8〜10−10モル/リットルのフッ素イオンの高感度、高選択性の検出を行うことができる。すなわち、特定の光を照射したときの吸収、蛍光の輝度を測定したり、目視で色の変化を観察することでフッ素イオンの検出を行うことができる。また、クロマトグラフィでの移動度、保持時間を測定して検出するものでも良い。
具体的には、実施例に示すとおり、上記方法により得たポリ[(ドデシルメチル)シリレンフェニレンエチニレンフェニレン]にフッ素イオンとしてTBAFを投与すると、紫外光吸収スペクトルの、波長298nmおよび317nmでのπ−電子に依存するπ−π* 吸収バンドが減少し、また、当初342nmにあった分子内負荷移動(ICT)吸収バンドが、390nmの特徴的な強いICT吸収バンドにシフトした。
したがって、ポリ[(ドデシルメチル)シリレンフェニレンエチニレンフェニレン]に試料を接触させた後、290nm以上350nm以下の光の吸収、より詳しくは、290nm以上300nm、310nm以上320nmの光の吸収をモニターすることで、フッ素イオンの測定を行える。また、390nm450nmの光の吸収、より詳しくは335nm以上345nm以下、375nm以上400nm以下の光の吸収をモニターすることでフッ素イオンを検出できる。なお、この390nm450nmの光の吸収変化は、目視でも、無色あるいは淡褐色からオレンジへの変化として検出される。
さらに、フッ素イオンの追加によって、裸眼でも容易に感知できる程度にはっきりとした蛍光消失が起こる。例えば、TBAFの添加量が増加するにつれて、342nmで励起された場合に発する393nm波長の光が、400近い輝度から50にまで減少した。あるいは、上述の過剰TBAFを添加した後新しく現れた強い吸収バンド(390nm)で励起すると、蛍光は非常に弱く、しかし極めて長い波長(521nm)が、大きなストークシフトと共に出現した。また、TBAFの添加前、342nmおよび390nmの励起波長下で独立にインディゴブルー光を発していたが、120倍の過剰なTBAFを添加した後、342nmおよび390nmで励起させると、それぞれ極めて弱いインディゴブルー光と、黄緑色の光とを発した。
したがって、ポリ[(ドデシルメチル)シリレンフェニレンエチニレンフェニレン]を用いて、335nm以上345nmの光で励起した後、350nm以上450nm以下、より好ましくは375nm以上、425nm以下の光の輝度を測定することでもフッ素イオンを測定できる。また、380nm以上400nmの光で励起して、515nm以上525nmの光の輝度をモニターしても良い。また、これらの光の輝度測定は、目視で色を確認するものでも良い。
なお、フッ素イオンの検出を行うためには、重合体のケイ素原子に結合しているアルキル基の少なくとも一部が炭素数1〜2のアルキル基であることが望ましい。アルキル基としては、エチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。これにより、フッ素イオンがケイ素に対して作用しやすく、本フッ素検出用剤のフッ素イオンに対する感度が良好となる。
また、フッ化イオンの検出は、以上のような重合体を薄膜状に形成し、フッ化イオンセンサーとしてもよい。これにより、より感度よく、効率的にフッ素イオンの検出が行える。
まず、重合体を合成するための単量体として、4−[(4−ブロモフェニル)ドデシルメチルシリル]フェニルアセチレン(図1(a)の1に示す)を合成した。この化合物は、非特許文献4に記載の方法において、ジクロロドデシルメチルシランを開始剤として用いる改変を行って合成した。
得られた化合物のデータは以下の通りである。産量50%、無色液体、IR(KBr)3303,2955,2923,2853,1253,1100,823cm−1H NMR(CDCl,δ):7.58−7.20(m,8H,芳香族),3.10(s,1H,エチニル),1.58−0.88(m,25H,ドデシル),0.51(s,3H,メチル)ppm。13C NMR(CDCl,δ):138.2,136.0,134.2,131.3,131.0,124.1,122.8,83.6,77.8,33.5,31.9,29.5,29.3,29.1,23.6,22.7,14.1,13.8ppm。BrC2737Siの計算値(Anal. Calcd for BrC2737Si):C,69.06;H,7.94。ファウンド値(Found):C,69.16;H,7.98。
なお、本実施例でのH(400MHz)NMRスペクトルは、すべて25度のTHF−d8溶液にて、JEOL EX−400スペクトルメーターで測定された。
そして上記4−[(4−ブロモフェニル)ドデシルメチルシリル]フェニルアセチレン(388mg,1.0mmol)を、図1(a)に示すように、トリエチルアミン(10mL)、(PhP)PdCl(21.0mg,3.0μmol),CuI(5.7mg,3.0μmol)と共にフラスコに入れ、混合液を環流して2日間攪拌した。生じた溶液を濾過し、溶液を濃縮した。その後、溶液を攪拌しながら多量のアセトンに注ぎ、合成された重合体を沈殿させた。これにより、ポリ[(ドデシルメチル)シリレンフェニレンエチニレンフェニレン](図1(a)の2に示す)を得た。
得られた重合体のデータは以下の通りである。産量89%、褐色ゴム状固体、IR(KBr):2955,2923,2851,1252,1105,823cm−1H NMR(CDCl,δ):7.62−7.29(br,8H,芳香族),1.48−0.79(br、25H,ドデシル)、0.53(br、3H,メチル)ppm。13C NMR(CDCl,δ):136.0,134.3,130.7,124.1,90.3,33.6,31.9,29.6,29.3,23.7,22.7,14.1,13.9ppm。C2737Si計算値(Anal. Calcd for C2737Si):C,83.44;H,9.34。ファウンド値(Found):C,76.13;H,8.53。
なお、計算値とファウンド値の著しい違いは、有機のケイ素ポリマーが、エチニレン基、ビニレン基、等の不飽和の官能基を有しており、この官能基が比較的低い温度でクロスリンクして、熱により高い割合で炭化物を含む産物を炭化ケイ素に変化させることによるものである。
次に、2つの単量体を用いて重合体を合成する場合の実施例を示す。
まず、第1の単量体として、ビス[4−ブロモフェニル]ジヘキシルシラン(図1(b)の3に示す)を合成した。この化合物は、非特許文献4に記載の方法を、ジクロロジヘキシルシランを開始剤として用いる点を改変して合成した。
得られた化合物のデータは以下の通りである。産量64%、無色液体。H NMR(CDCl,δ):7.54−7.26(m,8H,芳香族),1.45−0.75(m,26H,ヘキシル)ppm。13C NMR(CDCl,δ):136.3,135.0,131.0,124.1,33.3,31.4,23.5,22.6,14.1,12.3ppm。
そして、第2の単量体として、ビス[4−エチニルフェニル]ジヘキシルシラン(図1(b)の4a)を合成した。その合成方法を以下に示す。
100mlの丸底フラスコに、環流冷却器、3段階のストップコック、磁気スタリングバーを装備し、乾性窒素で洗浄した。トリエチルアミン(500mL)、(PhP)PdCl(40mg,40μmol),CuI(100mg,0.53mmol),トリフェニルホスフィン(PPh)(100mg,0.35mmol),トリメチルシリルアセチレン(1.85g、18.8mmol),およびビス[4−ブロモフェニル]ジヘキシルシラン(4.0g,7.84mmol)をフラスコに入れ、混合物を4時間80度で攪拌した。TLCにより反応の完了を確認した後、溶液をろ過し、濃縮した。この粗生成物に、さらに、メタノール(約100mL)、THF(約100ml)、NaOH(約0.5g)を加え、1時間攪拌した。揮発成分が蒸発したら、生成物をジエチルエーテルにより抽出し、水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。そして、ジエチルエーテルを蒸発させ、粗生成物をフラッシュコロムクロマトグラフィー(溶出剤としてはヘキサンを使用)にて精製し、無色液体を得た(産量0.6g、22%)。
得られた化合物のデータは以下の通りである。H NMR(CDCl,δ):7.44(s,8H,芳香族)、3.10(s,1H,エチニル)、1.48−0.76(m、26H,ヘキシル)ppm。13C NMR(CDCl,δ):137.5,134.6,131.2,122.8,83.7,77.8,33.3,31.4,23.5,22.6,14.1,12.2ppm。
そして、ビス[4−ブロモフェニル]ジヘキシルシラン(255mg,0.5mmol)および得られたビス[4−エチニルフェニル]ジヘキシルシラン0.5mmolを、トリエチルアミン(10mL)、(PhP)PdCl(21.0mg,3.0μmol),CuI(5.7mg,3.0μmol)とともにフラスコに入れ、混合液を環流して2日間攪拌した。生じた溶液を濾過し、溶液を濃縮した。攪拌しながら多量のアセトンに注ぎ、合成した重合体を沈殿させた。これにより、ポリ[(ジヘキシル)シリレンフェニレンエチニレンフェニレン](図1(b)の5a)を得た。
得られた重合体のデータは以下の通りである。産量95%、褐色固体、H NMR(CDCl,δ):7.77−7.13(br,8H,芳香族),1.81−0.56(br、26H,ヘキシル)ppm。13C NMR(CDCl,δ):137.0,134.7,130.8,123.9,90.2,33.3,31.4,23.6,22.6,14.1,12.3ppm。
上記実施例2の方法において、第2の単量体として、ビス[4−エチニルフェニル]ジヘキシルシランの代わりに、ビス[4−エチニルフェニル]ジメチルシラン(図1(b)の4b)を使用した。その他の方法は実施例2と同様である。
なお、ビス[4−エチニルフェニル]ジメチルシランは、実施例2のビス[4−エチニルフェニル]ジヘキシルシランの合成方法において、ビス[4−ブロモフェニル]ジヘキシルシランの代わりに、ビス[4―ブロモフェニル]ジメチルシランを用いて調整された。
得られたビス[4−エチニルフェニル]ジメチルシランのデータは以下の通りである。産量25%、白色固体、H NMR(CDCl,δ):7.46(s,8H,芳香族)、3.09(s,1H,エチニル)および0.55(s,6H,メチル)ppm。13C NMR(CDCl,δ):138.9,134.0,131.3,122.9,83.6,77.8,29.7ppm。
上記ビス[4−エチニルフェニル]ジメチルシランを実施例2の方法で重合させた。これにより、ポリ[(ジメチル)シリレンフェニレンエチニレンフェニレン]が得られた。重合体のデータは以下の通りである。産量90%、淡褐色固体、H NMR(CDCl,δ):7.79−7.03(br,8H,芳香族),1.92−0.10(br、32H,アルキル)ppm。13C NMR(CDCl,δ):137.0,136.4,134.7,134.0,131.6,130.8,129.0,128.4,90.1,33.2,23.4,22.4,14.2,12.3ppm。
以上のようにして得た実施例1〜実施例3の重合体の平均分子量(M)および数平均分子量(M)を、ゲル浸透クロマトグラフィ(Simazu A10装置,カラムはShodex KF806M、溶媒は40度のHPLCグレードテトラヒドロフラン)にて、ポリスチレンの標準器のメモリにより測定した。
実施例1の重合体の分子量(M)は、ゲル浸透クロマトグラフィにより7.6×10(M/M=1.3)と算出された。また、2つの長いアルキル鎖が付属した実施例2・実施例3の重合体は、ポリマー2と比べて僅かに大きい分子量を示した(実施例2:M=27×10;M/M=2.4;実施例3:M=8.7×10;M/M=2.1)。実施例2の分子量が大きいのは、2つのヘキシル基に由来する良好な溶解性が関係するのかもしれない。
上記のように、Pd/Cu触媒された結合反応を用いて合成されたポリ(シリレンフェニレンエチニレンフェニレン)において、シリレンとフェニレンエチニレンフェニレンユニットとの組み合わせは、基底状態、励起状態の双方で分子内電荷移動(ICT)を形成するのに非常に効果的である。これは、シリレンにより(フェニレンエチニレンフェニレン)架橋されたπ電子成分間で、空間を貫く相互作用を起こさせることを意味する。したがって、この種の重合体の光物理的特性はケイ素原子の配位数の変化によって変化するという可能性が予測できる。ここで、我々はポリ(シリレンフェニレンエチニレンフェニレン)の光物理的特性を利用して比色定量的および蛍光定量的に、フッ素イオン検出を行うことを考えた。
以下に、ポリ(シリレンフェニレンエチニレンフェニレン)のフッ素イオン検出能を調査した。なお、測定した化学的シフトは溶媒を参照した(THF3.57ppm、1.72ppm)。また、UV可視光、発光、IRスペクトルは、それぞれJASCO UV−550,JASCO FP−6500,HORIBA FT−730スペクトロフォトメーターを用いて測定した。
(フッ素イオン添加によるUV光吸収スペクトルの変化)
まず、フッ素イオン源としてのTBAFを、実施例1の重合体を含むTHF内に滴定することより、実施例1の重合体のUV可視光吸収の変化を調査した。具体的には、TBAFが、0,20,40,60,80,100,120,140,160×10−4Mとなった時点での実施例1の重合体の波長約270nmから500nmまでの光の吸収スペクトルをJASCO UV−550を用いて測定した。
図3(a)にスペクトルの変化を示す。TBAFの量が増加するに従い、左端の矢印で示す298nm、および真ん中の矢印で示す317nmにおいて、吸収スペクトルが下がり、フェニレンエチニレンフェニレン成分のπ−π* 吸収バンドが減少していた。また、TBAF濃度が低い場合にあらわれる342nmでの弱いICT吸収バンドは、濃度が増すにつれて平坦になり、代わりに、特徴的な強いICT吸収バンドが390nm(右端の矢印)に現れる。
これは、ケイ素原子とフッ素イオンとの間のダイナミックな相互作用と共に、シリレンにより架橋されたπ電子成分間の、空間を貫く相互作用がより強く働き、過剰なTBAFの存在下で新しい種類のICT複合体を形成したことによる。
このように過剰なTBAFの追加によるフッ素イオンとの作用により、342nmから390nmへと40nm以上ICT吸収バンドがシフトしたことは注目すべきである。実際に、TBAFを重合体溶液に加えると、ほとんど無色、あるいは薄い褐色からオレンジへの劇的な色変化が観察された。
(フッ素イオン添加によるNMRスペクトルの変化)
この新しいICT複合体の存在の決定的な証拠を得るために、我々は、TBAFを添加して、NMRスペクトルを決定した。これによると、図4に示されるように、TBAFの量が増加するに従い、TBAFを加える前のメチル基の0.545ppmでのピークは徐々に減少し(エチルプロトンの0.867ppmと比べて)、0.12ppmおよび−0.14ppmの周辺で新しいピークが出現した。過剰配位のケイ酸塩は、テトラ配位のシランより電子が豊富であり、より保護されているので、新規の高位のピークはシリレン成分における過剰(例えば、ペンタやヘキサ)配位構造によるのかもしれない。同時に、すべてのアルキルの、あるいは芳香族の重合体のピークは、約0.04ppmだけ僅かに高磁場側にシフトした。これは、TBAFの添加の後、ポリマー鎖の中の電子密度がより高くなることを示す。加えて、Si−アリル結合が変質した場合に形成されるおそれのある、フッ化シリルのメチルプロトンは見つからなかった。したがって、上記重合体とTBAFとの反応は図2に示されるものと想定される。
(フッ素イオンによる重合体の蛍光スペクトルの変化)
次に、TBAFを実施例1の重合体を含むTHF内に滴定することより、実施例1の重合体の蛍光スペクトルの変化を調査した。具体的には、TBAFが、0,20,40,60,80,100,120×10−4Mとなった時点で、実施例1の重合体を342nmの光で励起した場合の300nmから700nmまでの蛍光スペクトルを測定した。
図3(b)に、結果の蛍光スペクトルを示す。342nmのICT吸収で励起された実施例1の重合体は、TBAFの量が増加するにつれて、393nm−ICT発光(矢印)の輝度が減少した。この蛍光消失効果は、新しいICT励起状態が、ケイ素原子のフッ素イオンとの複合により形成されることを示唆している。
興味深いことに、120倍の過剰TBAFを添加した後にあらわれる新しい強い吸収バンドの波長の光(390nm)で励起されると、蛍光は非常に弱く、しかしバンドは極めて長い波長(521nm)の光が、大きなストークシフトと共に出現した。実際、この重合体は、励起波長によって、TBAFの添加前、添加後において、異なる可視光を発光した。例えば、この重合体は、TBAFの添加前、励起波長下で独立にインディゴブルー光を発し、一方、120倍の過剰なTBAFを添加した後、342nmおよび390nmで励起させると、それぞれ極めて弱いインディゴブルー光と、黄緑色の光とを発した。
(フッ素イオンによる重合体の構造変化)
続いて、実施例1の重合体へのフッ素イオンを添加量と、390nmUV光の吸収の変化を、プロットした図面を図5に示す。フッ素イオンの添加量は、溶液内のケイ素に対するフッ素イオンの割合にて示している。このプロットは、特有な3ステップ線形の関係を示している。すなわち、最初のステップはケイ素の25倍の過剰TBAFより少ない場合の関係であり、プロットの傾きが緩やかである。2番目のステップは、25倍から100倍濃度のTBAF範囲であり、急な傾きを示している。そして、100倍濃度以上の最後のステップでは傾きは緩やかに戻る。
このような変化には、重合体の構造的変化が関連していることが考えられる。一般的に、高分子電解質巨大分子は単独では、イオン化の程度が上がると、コイルトゥグロビュール変化が起こることがよく知られている。当然、この種の立体配位の変化には、溶液の流体学的量の変化が伴うはずである。
図6には、TBAFの添加に伴う、実施例1の重合体のサイズエクスクルージョンクロマトグラフィ(SEC)における保持時間の変化を示している。このときのクロマトグラフィには、Simazu A10装置を用い、カラムとしてShodex KF806M、溶媒としては40度のHPLCグレードテトラヒドロフランを用いた。興味深いことに、この重合体は、フッ素イオンの存在下では上記した高分子電解質のような性質を有している。例えば、はじめの低いTBAF濃度では保持時間が一時減少し、それから約20倍の過剰なTBAF濃度になるまでだんだん増加した。
この図6に示したTBAF濃度に対する保持時間のプロットは、フッ素イオン濃度に対する390nmUV光吸収の変化における3ステップ線形の関係を再現している。したがって、フッ素イオンによる390nmUV光吸収の変化(3ステップ線形の関係)が、上記の構造変化から生じるものと結論付けられる。
図7を用いてより具体的に説明すると、まず、第1ステップ(低フッ素イオン濃度)で、フッ素イオンにより、主鎖の中での電荷(図7に−で示す)の反発作用が生じ、全体の形状が膨張する。これはゆっくりとした(スロー)変化である。続いて、第2ステップ(高フッ素イオン濃度)において、膨張状態から急速に(ファスト)コイル変化して、収縮する。そして、第3ステップ(更にフッ素イオン濃度が高い場合)にて、収縮からグロビュール様のコイル変化がおこる。これにより、図7に示すとおり、重合体溶液内で電荷の作用により立体配位遷移が起こっていることが推測できる。なお、図7の●は各ステップでの流体力学的ボリュームを示している。
ところで、芳香族ケイ素の合成化学では、レートエンハンスされた求電子性脱シリル化が報告されている。実際、いくつかのアリルシラン化合物を特別なフッ素イオン源により分解することが可能である。しかし、図3(a)に示すように、実施例1の重合体のUVスペクトルは、293nmおよび325nmで明確な等吸収点を示した。注目すべきことに、TBAFの添加により変化したの重合体の色や蛍光が、水洗することにより完全に元に戻った。TBAF/THFシステムはアリルシランの脱シリル化に効果的ではないようである。これらの結果は、本重合体におけるシリレン成分が、分解することなくフッ素イオンと複合体を形成するという考えを支持する。
驚くことに、2つの長いアルキル鎖が付加された実施例2の重合体は、160倍以上の過剰TBAFを添加しても、UV吸収変化や蛍光変化を示さなかった。一方、デメチルシリレン成分を含む実施例3の重合体は実施例1の重合体と同様の傾向を示した。これは、おそらくメチル基が、ケイ素へのフッ素イオンのアタックをしやすくさせるためと考えられる。したがって、中心のケイ素へのフッ素イオンアタックはアルキル基のサイズに大きく影響されるといえる。
以上のように、実施例1の重合体の分子内負荷移動に関する光物理学的特徴は、フッ素イオンの追加により大きく変化する。実際、TBAFの追加の後、劇的な色の変化と蛍光消失が認められた。また、実施例1の重合体のUV吸収(または保持時間)とフッ素濃度とには、特有の3ステップ線状の関係が観察された。この関係は、実施例1の重合体が、過剰TBAFの存在下で、負荷による立体配位遷移(コイルトゥグロビュール変化)を受けることを示している。さらに、実施例1の重合体のフッ素イオンとの複合体形成能は、ケイ素原子に付加されたアルキル基のサイズに大きく依存する。
我々の知る限り、σ−π結合有機ケイ素重合体をフッ素イオンセンサーとして使用する応用について記した報告はない。このように本実施例は、イオンセンシングの材料としての新規ケイ素含有ポリマーの最初の例であり、その設計に有効である。
本発明のフッ素イオン検出用剤は、フッ素イオンを高感度で検出できるので、フッ素イオンセンサーの材料に適用できる。
また、本発明の重合体の製造方法は、フッ素イオンセンサーの他、種々の光機能材料にも適用できる。
本発明の実施例の重合体の合成方法を示す図面である。 本発明の実施例の重合体がフッ素イオンと接触した場合の反応を示す図面である。 本発明の実施例の重合体がフッ素イオンと接触した場合の、(a)紫外光吸収スペクトル、および(b)蛍光スペクトルを示す図面である。 本発明の実施例の重合体がフッ素イオンと接触した場合のNMRスペクトルを示す図面である。 本発明の実施例の重合体がフッ素イオンと接触した場合の390nmの波長の光の吸収の変化を示す図面である。 本発明の実施例の重合体がフッ素イオンと接触した場合の、重合体がゲル透過クロマトグラフィを透過する間の保持時間の変化を示す図面である。 本発明の実施例の重合体がフッ素イオンと接触した場合の構造変化を示す図面である。

Claims (9)

  1. 一般式(1);
    Figure 0003762998
    (式中、R1およびR2は、それぞれ独立にアルキル基を表し、少なくとも一方は炭素数1〜2のアルキル基である。nは正の整数を表す。)
    で示される重合体からなることを特徴とするフッ素イオン検出用剤。
  2. 一般式(2);
    Figure 0003762998
    (式中、R3、R4、R5、R6は、それぞれ独立にアルキル基を表し、このうちの少なくとも1つは炭素数1〜2のアルキル基である。nは正の整数を表す。)
    で示される重合体からなることを特徴とするフッ素イオン検出用剤。
  3. フッ素イオンと接触することで、紫外光の吸収スペクトルが変化することを特徴とする請求項1または2に記載のフッ素イオン検出用剤。
  4. フッ素イオンと接触することで、蛍光スペクトルが変化することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のフッ素イオン検出用剤。
  5. 一般式(3)
    Figure 0003762998
    (式中、R10およびR11は、それぞれ独立に、アルキル基を表す。R12、R13はハロゲン原子を表す。)
    で表される第1の単量体と、
    一般式(4)
    Figure 0003762998
    (式中、R14およびR15は、それぞれ独立に、アルキル基を表す。)
    で表される第2の単量体と、
    パラジウムを含む第1の触媒と、
    銅を含む第2の触媒と、を含む混合物を重合させる工程を含むことを特徴とする重合体の製造方法。
  6. R10、R11、R14、R15のうちの少なくとも1つが炭素数1以上20以下のアルキル基であることを特徴とする請求項5に記載の重合体の製造方法。
  7. 上記第1の触媒がビス((H)フェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリドであることを特徴とする請求項5または6に記載の重合体の製造方法。
  8. 上記第2の触媒がヨウ化銅であることを特徴とする請求項5ないし7の何れか1項に記載の重合体の製造方法。
  9. 上記混合物をトリエチルアミンに溶解させて、重合させることを特徴とする請求項5ないし8の何れか1項に記載の重合体の製造方法。
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