JP3762512B2 - 内視鏡装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内視鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、手術器具としての処置具の先端に設けられた色マーカの位置を検出し、この検出位置に基づいて内視鏡の視野変換を行なう内視鏡装置が知られている。
【0003】
特開平6−30896号公報は色マーカが設けられた処置具で対象組織を指し示し、このときの画像中の色マーカの位置を画像処理により検出し、検出位置に基づいて内視鏡を保持している電動マニピュレータを移動させて色マーカが画面中央に移動するように視野変換を行っている。
【0004】
また、特願平7−142133号明細書や特願平7−143667号明細書は、色マーカの位置検出方法は特源平6−30896号公報と同一であるが、内視鏡で得られた像を撮像するTVカメラに接続された視野変換手段を備え、内視鏡を固定した状態で視野変換を行なう内視鏡装置を開示している。
【0005】
上記した画像処理は色抽出処理と位置検出処理とから構成される。色抽出処理は撮像した映像信号を色空間データに変換し、そのデータがあらかじめ設定された色マーカの特定色を表すしきい値の範囲内にあるかどうかを判断し、判断結果として2値画像(例えば抽出部を白とし、それ以外を黒とする)を出力している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、体腔内の画像は内視鏡と観察対象との距離変化や、内視鏡から出射される照明光の配光ムラ等の照明条件によって明るさ(輝度)が変化する。この変化する輝度と色(色度、彩度)が独立している色空間を用いれば、理論的には輝度が変化しても色分布は不変である。しかしながら、実際には輝度が上がると彩度も上昇する。また、撮像素子のダイナミックレンジを越える高輝度像が入力されると、色度も変化してしまう。また、しきい値が固定されているので、色度の変化に対応できず色抽出能力が低下してしまう。一方、この変動を見越してしきい値の範囲を大きくすると、色マーカ以外の部分までノイズとして抽出されてしまうという問題があった。
【0007】
本発明の内視鏡装置はこのような課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、撮影画像の輝度変化による色分布変化が起こっても、色抽出能力が低下したり、ノイズを拾ったりすることなく、色マーカを確実に抽出可能な画像処理手段を備えた内視鏡装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の内視鏡装置は、内視鏡と、特定色を持つ色マーカが設けられた手術器具と、前記内視鏡の観察像を撮像する撮像手段と、この撮像手段からの画像信号に基づいて前記色マーカの位置を検出する位置検出手段と、検出された位置情報に基づき内視鏡の視野変換を行う視野変換手段とを具備する内視鏡装置において、前記位置検出手段は、前記画像信号の輝度を検出する輝度検出手段と、検出された輝度情報に応じて色抽出しきい範囲を設定するしきい範囲設定手段と、設定されたしきい範囲に基づき画像中の特定色を抽出する色抽出手段と、この色抽出結果に基づき前記色マーカの位置を特定する色マーカ位置特定手段とを具備する。
【0009】
すなわち、本発明は、内視鏡の観察像を撮像して得られる画像信号に基づいて手術器具に設けられた色マーカの位置を検出し、この位置情報に基づいて内視鏡の視野変換を行なう内視鏡装置において、色マーカの位置を検出するにあたって、まず、前記画像信号の輝度を検出して、検出された輝度情報に応じて色抽出しきい範囲を設定する。そして、この設定されたしきい範囲に基づき画像中の特定色を抽出し、この色抽出結果に基づき前記色マーカの位置を特定するようにする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0011】
図1(a)は本実施形態に係る内視鏡装置全体の概略構成を示す図である。この内視鏡装置には患者の体腔内を観察する例えば腹腔鏡等の直視型の硬性のスコープ(内視鏡)1が設けられている。このスコープ1には患者の体腔内に挿入される挿入部2と、この挿入部2の基端部に配設された接眼部3とが設けられている。
【0012】
また、スコープ1の挿入部2は予め例えば患者の腹壁10等に穿刺されたトラカール9内に挿通され、体腔内に挿入されている。ここで、スコープ1の挿入部2の接眼部3側は多関節構造、本実施例では3関節構造のスコープ保持具8によって移動可能に保持されている。なお、このスコープ保持具(内視鏡保持手段)8には定位置に固定される基台部8aと、回動可能に連結されたスコープホルダ8bとが設けられている。
【0013】
また、患者の腹壁10等には処置具である鉗子11がスコープ1の挿入場所とは別の挿入場所から体腔内に挿入されている。この鉗子11には体腔内に挿入される挿入部12の先端部に処置部13が配設されている。この処置部13には後述する色マーカ14が設けられている。なお、処置具としては鉗子11の代わりに剥離鉗子、ハサミ、レーザープローブ、縫合器、電気メス、持針器、超音波吸引器等の他の構成の処置具を使用してもよい。
【0014】
また、スコープ1の接眼部3にはこのスコープ1の観察像の一部又は全部を撮像するTVカメラ(撮像手段)4が取付けられている。このTVカメラ4のケーシング内にはレンズ、プリズム、ミラー、ズームレンズ等からなる光学素子5や、固体撮像素子であるCCD6等の撮像光学系の各光学部品が設けられている。ズームレンズは図示しないズーム駆動部により光軸方向に進退される。このズームレンズの移動により、スコープ1の接眼部3で得られるスコープ1の観察像の一部又は全部が光学素子5を経てCCD6に撮像されるようになっている。
【0015】
さらに、TVカメラ4内にはCCD6をその光軸方向に対して直交する平面内に沿って直交する2方向、例えば上下方向および左右方向に駆動するCCD駆動部7が設けられている。
【0016】
また、TVカメラ4には画像処理を行なう鉗子追尾装置(位置検出手段)16が接続されている。この鉗子追尾装置16には例えばフットスイッチ、ハンドスイッチ等の操作スイッチ15および例えばTVモニタ、HMD(HEAD MOUTED DISPLAY:頭部装着型ディスプレー)等の表示モニタ17がそれぞれ接続されている。
【0017】
さらに、鉗子追尾装置37にはCCD6および表示モニタ17がそれぞれ接続されている。
【0018】
また、操作スイッチ15には鉗子11の先端の追尾機能のオン/オフの切り換え操作を行う操作ボタンが設けられている。そして、この操作スイッチ15は例えば、操作ボタンの押下操作時のみ、鉗子追尾装置16の画像演算処理により検出された鉗子11の先端位置が表示モニタ17の概ね中央に配置されるように、鉗子11の先端位置に追従してCCD6の移動位置が制御されるようになっている。ここで、図1(b)に示すように表示モニタ17の概ね中央位置に鉗子11の先端位置が表示されていない状態で、操作スイッチ15の操作ボタンを押した場合には、鉗子11の先端部分が予め指定された速度で表示モニタ17の中央位置に移動するように、CCD6の移動制御が行われるようになっている。
【0019】
次に、上記構成の作用について説明する。まず、本実施例の内視鏡装置の使用時には図1(a)に示すように予め例えば患者の腹壁10等に穿刺されたトラカール9内にスコープ1の挿入部2が挿通され、体腔内に挿入される。さらに、患者の腹壁10等にはスコープ1の挿入場所とは別の挿入場所から鉗子11が体腔内に挿入される。このとき、鉗子11の先端の処置部13がスコープ1の接眼部3による視野範囲R1 内に挿入される状態にセットされる。
【0020】
そして、スコープ1の観察像の一部がTVカメラ4によって撮像され、表示モニタ17に表示される。ここで、TVカメラ4の光学素子5を経てCCD6に撮像される観察像の視野範囲R2 はスコープ1の接眼部3による視野範囲R1 より小さくなっており、スコープ1の接眼部3による視野範囲R1 の一部の観察像がCCD6によって撮像される。
【0021】
そして、TVカメラ4によるスコープ1の観察像の撮像中、操作スイッチ15の操作ボタンが押下操作された場合には鉗子追尾装置16による鉗子11の先端の追尾機能が作動する。この鉗子追尾機能の作動時にはCCD6からの画像信号が鉗子追尾装置16に送られ、この鉗子追尾装置16で画像処理が行われ、鉗子11の先端の位置が求められる。
【0022】
ここでは、鉗子11の位置を検出するために鉗子11の処置部13の先端に色マーカ14を設けている。
【0023】
以下に本発明の第1実施形態を説明する。まず、第1実施形態の概略を説明する。
【0024】
画像処理による色マーカ14の色抽出を行なう場合、画像を色空間と呼ばれる特徴空間に変換し、この特徴空間で特定色の領域を抽出する方法がしばしば用いられる。色空間としては、輝度と2つの色度とで表わすもの(YIQ、HSI色空間など)がよく用いられる。これら色空間における色度、色相等の要素は輝度に対する独立性が高いために照明条件の変化に対して抽出範囲を設定して色抽出を行なうのが一般的である。図2はYIQ色空間を用いた場合の色抽出設定の様子を示している。
【0025】
ところが実際には、輝度に完全に独立した要素を持つ色空間は存在しない。従って、色度及び色相は輝度変化に伴って変化する。YIQ色空間における色度I及びQも通常、図3に示すように変化する。すなわち、輝度が高くなるとI、Q色度平面上で原点から遠い方向へシフトする(色飽和度、すなわち彩度が高くなる)。
【0026】
図3の場合、色相角は不変で、色飽和度だけが変化している。しかし、撮像系のダイナミックレンジの影響等によって図4に示すように色相も変化する場合がある。したがって、従来のように固定の色抽出範囲を用いる方法では色抽出性能が低下してしまう。そこで、第1実施形態では、色抽出しきい範囲を図5に示すように輝度に応じて変化させるようにする。ここで輝度毎の色抽出範囲はあらかじめ設定しておく。このような方法を用いることによって、色マーカ14の色変化に応じて最適な色抽出しきい範囲の設定が可能となり、色抽出性能が向上する。
【0027】
図6は図1に示す鉗子追尾装置16の第1実施形態に係る構成とその周辺を示すブロック図である。CCU18の出力は表示モニタ17の他に、A/D変換部19を介して、輝度検出手段としての輝度推定回路20と色変換回路22とに接続されている。輝度推定回路20はしきい範囲設定手段としての色抽出しきい範囲選択回路21を介して色抽出回路23の第1の入力に接続されている。また、色変換回路22は色抽出回路23の第2の入力に接続されている。色変換回路22及び色抽出回路23は色抽出手段を構成する。色抽出回路23の出力は色マーカ位置特定手段としての重心位置算出回路24と、視野変換手段としてのCCD駆動部制御回路25とを介してTVカメラ4に接続されている。
【0028】
上記した構成において、TVカメラ4からの画像信号はCCU18でTV信号化されてA/D変換部19でデジタル信号に変換される。このデジタル信号は輝度推定回路20と色変換回路22に同時に入力されて処理される。輝度推定回路20はデジタル信号から画像の輝度を検出して色抽出しきい範囲選択回路21に出力する。色抽出しきい範囲選択回路21は検出された輝度に対応するしきい範囲を選択して色抽出回路23に出力する。一方、色変換回路22は入力されたデジタル信号を色空間に変換して色抽出回路23に出力する。色抽出回路23は選択されたしきい範囲に基づいて色空間中の特定色を抽出し、例えば抽出された部分を黒、それ以外は白とする2値画像を作成する。重心位置算出回路24は抽出された黒の部分の重心位置を求めて、黒の画像の中心と、この重心位置との距離を求める。CCD駆動部制御回路25はこの距離情報に基づいてCCD駆動部7へCCD6の駆動量に関する制御信号を送る。
【0029】
以下に上記した輝度推定回路20の輝度推定方法について説明する。第1の推定方法では、まず、画像をブロックに分割して、各ブロックの平均輝度を算出する。この算出結果に基づいてブロック毎に色抽出しきい範囲選択回路21で色抽出しきい範囲を選択する。
【0030】
図7は512×512画素の画像をそれぞれが128×128画素からなる16個のブロックに分割した例を示している。さらに、細かく輝度の推定を行なうためには、64×64画素のブロックを64個、32×32画素のブロックを256個、…というように細かく分割していけばよい。
【0031】
第2の推定方法として、図8に示すように、着目する1画素ごとに周囲の画素を参照して輝度を算出し、この算出結果に基づいて色抽出しきい範囲選択回路21で色抽出しきい範囲を選択するようにする。参照画素としては、例えば図9に示すように着目画素を中心にして5×5の近傍画素を参照して、合計25画素の平均輝度を算出する。
【0032】
上記した第1の推定方法ではブロック内の色抽出領域は固定であるのに対して、第2の推定方法では画素毎に最適な色抽出範囲を選択できるため、色抽出能がより向上する。
【0033】
上記した第1実施形態によれば、撮影画像の輝度変化による色分布変化が起こっても、色抽出能力が低下したり、ノイズを拾ったりすることなく、色マーカを確実に抽出することができる。
【0034】
以下に本発明の第2実施形態を説明する。色マーカの色は色マーカ自体の劣化や、CCU18でのユーザによる色設定、生体内の色特性等によって変化するものである。このことより、実際の画像中の色マーカの色に基づいて色抽出範囲を定めるのが望ましい。そこで第2実施形態では図10に示すような構成を用いる。図10の構成は、図6に示す第1実施形態の構成において、A/D変換部19の後段に切替回路26をさらに設け、輝度推定回路20及び色抽出しきい範囲選択回路21を、マーカ色分析回路(色分析手段)27と色抽出しきい範囲設定回路(しきい範囲設定手段)28とからなるキャリブレーション部(キャリブレーション手段)29に置き換えた点が異なっているが、他の構成は図6の構成と同様である。
【0035】
第2実施形態では装置の動作に先だってマーカ色分析回路27で処置具先端の色マーカ部分の色分析を行い、その結果に基づいて色抽出しきい範囲設定回路28で色抽出しきい範囲を設定するものである。すなわち、まず、A/D変換部19から出力されるデジタル映像信号(例えば、R、G、B、NTSC)がキャリブレーション部29に入力されるように切替回路26を手動で切り替えた後、マーカ色分析回路27で色分析対象を指摘する。第1の指摘方法では、図11に示すような表示モニタ17中のカーソル100を色マーカ101へと移動して、この移動した位置を中心とする例えば5×5などの近傍エリア内の画像信号から色分析を行なう。
【0036】
また、第2の指摘方法では、図12に示すような表示モニタ17中にあらかじめ設定されたウィンドウ102(図では画面の中心に設定されている)に色マーカ101を移動させるようにする。
【0037】
次に、色抽出しきい範囲設定回路28での色抽出しきい範囲の設定は以下のようにして行なう。ここでは簡単のためにIQ2次元平面を考える。
【0038】
第1の設定方法では、IQ平面図により色分布を表示モニタ17上に表示させた状態で、色抽出しきい範囲を定める直線の傾き及び円の直径をマウス操作や数値入力により変更して、分析したマーカー部がノイズ成分を含まず適切に抽出されるようにする。すなわち、図13(a)に示すような色分布103において、この色分布103を包含するような2つの直線A、Bに挟まれるとともに、図13(b)に示すように、IQ座標の原点からの径方向距離を半径とする下限円104(この部分は低彩度領域であり、ノイズを含んでいる)を除去した部分を色抽出しきい範囲105として定める。
【0039】
第2の設定方法は、図14(a)に示すようにエリア内の画像信号についての画素ごとの分布を表示モニタ17上に表示させた状態で、分布106の輪郭線107を検出する(図14(b))。そして、この輪郭線107で囲まれた範囲を色抽出しきい範囲108として定める(図14(c))。第2の設定方法においてもノイズを含む下限円10の部分を除去する。
【0040】
第2の設定方法によれば、第1の設定方法よりもさらに色分布形状に適応した色抽出しきい範囲を自動的に設定することができる。
【0041】
なお、上記した第1、第2の設定方法においては、実際は輝度Yを含む3次元色空間で色抽出しきい範囲の設定を行なうものとする。これによって、輝度変化に頑健な色抽出が可能となる。
【0042】
第3の設定方法では、複数の色抽出しきい範囲をテンプレートとしてあらかじめ用意しておき、その中から最適なものを選択するようにする。例えば、図15において、複数の色抽出しきい範囲110〜115において、表示されている色分布109の領域を最も多く含む色抽出しきい範囲(図では110)を最適なものとして選択する。あるいは、色分布109の全分布数のうち、どの色抽出しきい範囲が最も多く色分布109の分布数を含んでいるかを計算により求めて最適なものを選択するようにしてもよい。第3の設定方法においてもノイズを含む下限円10の部分を除去する。
【0043】
なお、エリア内の色分析結果が全て色抽出しきい範囲外になった場合にはその色分布はノイズを発生する下限円104に含まれていると判断して抽出不可の警告を出力するようにする。
【0044】
第3の設定方法によれば、あらかじめ色抽出しきい範囲を複数用意しておいて選択するので、しきい範囲の計算処理のための回路構成が簡単である効果がある。
【0045】
次に、切替回路26を切り替えてA/D変換部19からの出力が色変換回路22に入力されるようにする。この後の処理は上記した第1実施形態と同様である。なお、切替回路26での切替えは自動で行なってもよい。
【0046】
上記した第2実施形態によれば、色マーカの劣化、光学系のバラツキ、映像信号処理系の設定等による色マーカの色変化が起こっても、色抽出能力を落とすことなく色マーカを抽出することができる。
【0047】
以下に本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態では上記した第1、第2実施形態のように色抽出しきい範囲を変更するのではなく、色抽出をより確実に行うために複数の色をもつマーカを用い、複数の色の抽出結果に基づいて色マーカ位置を特定するものである。図16は本発明の第3実施形態に係る鉗子追尾装置16の構成を示す図であり、CCU18からのTV信号が入力されるA/D変換部19と、色変換回路22と、色抽出回路30と、マーカ位置検出回路31と、CCD駆動部制御回路25とが順に接続されている。
【0048】
図17(a)はマーカ配置の第1の例として、色の異なる2つのマーカ120(マーカ1)とマーカ121(マーカ2)を交互に配置した例を示している。ここで、色抽出領域を無彩度領域にまで拡大して抽出すると、色抽出結果は図17(b)に示すように色マーカが確実に検出される反面、マーカ1の誤抽出によるノイズ122やマーカ2の誤抽出によるノイズ123も検出されてしまう。
【0049】
そこで、マーカ位置検出回路31は、色抽出回路30によって抽出された抽出色1、2、3、…nに基づいて、マーカ1とマーカ2の抽出領域が交互に並んたパターンであるか否かを判断し、この判断に基づいて色マーカの検出を行なう。このような判断では、マーカ1の誤抽出によるノイズ122やマーカ2の誤抽出によるノイズ123は当該パターンであるとはみなされないので除去され(図17(c))、これによって色マーカのみを確実に検出することができる。
【0050】
図18(a)は図18(b)に示すようなマンセル表色系の色相環上で、10Gから10GYまでの5種類の色相を色マーカに配置したマーカ配置の第2の例を示す図である。
【0051】
以下にこのような色マーカを用いた場合の利点を説明する。色マーカが1種類の色からなる場合には、その色に対応して図19(a)に示す色相環上のあるマーカ色相が抽出しきい範囲となるが、色調が変化した場合には、図19(b)に示すように、マーカ色相は抽出しきい範囲からはずれた位置にシフトしてしまい、色の抽出ができなくなってしまう。
【0052】
これに対して、図19(c)に示すように5種類の色相をもつ色マーカを用いることにより、色調が変化して図19(d)に示すようにマーカ色相がシフトしても、いずれかのマーカ色相が抽出しきい範囲に属している可能性が高いので色マーカの抽出が可能である。
【0053】
図20は第3のマーカ配置例として、10G、5G、10GYの3種類の色相を配置し、各色相について2種類の異なる明度を色マーカとして用いた例を示している。このような構成によれば、色調の変化とともに輝度が変化した場合でも頑健な色の抽出が可能である。
【0054】
上記した第3実施形態によれば、ノイズ抽出を防いで高精度で色マーカを抽出でき、色マーカ位置を検出できる。
【0055】
以下に本発明の第4実施形態を説明する。第4実施形態では色マーカ検出画像処理において、色情報の加えて色情報以外の画像情報をも用いることにより検出精度をさらに上げることを意図している。
【0056】
図21は第4実施形態に係る鉗子追尾装置16の構成を示す図であり、A/D変換部19の後段には色抽出回路23と直線抽出回路(直線抽出手段)44とが並列に接続され、これらの後段にはマーカ位置決定回路45を介して重心位置算出回路24が接続されている。重心位置算出回路24はTVカメラ4に接続されているCCD駆動部制御回路25に接続されている。
【0057】
上記した構成において、色抽出回路23は図22(a)に示すような色マーカ14を有する処置部の原画像から色マーカ14の色の抽出を行って図22(b)に示すような画像を得る。同時に直線抽出回路44は原画像から色マーカ14のエッジ部の2直線を抽出して図22(c)に示すような画像を得る。マーカ位置決定回路45は色抽出回路23で抽出された画像のうち、直線抽出回路44で抽出された2直線に挟まれる画像のみをマーカ位置決定のための画像とする(図22(d))。
【0058】
また、色マーカ14は処置部の先端より多少手前の位置に設けられているが、処置部の最先端に設けたい場合がある。このような場合は図23(a)に示すように直線抽出回路44で求めた2直線の相対角度θ、及び2直線間の距離などの情報に基づいて先端位置を求めることができる。
【0059】
また、色マーカ14の形状の変形例として、図23(b)に示すように、鉗子軸方向に平行な直線を用いてマーカを形成することにより、上記した2直線の情報に鉗子方向の直線情報を追加する。これによって鉗子方向を表す直線情報の検出がより確実になる。
【0060】
上記した第4実施形態によれば、ノイズ抽出を防いで高精度で色マーカを抽出でき、色マーカ位置を検出できる。
【0061】
図24は本発明の第5実施形態に係る鉗子追尾装置16及び鉗子11の構成を示す図であり、A/D変換部19の後段には順に色変換回路22、色抽出回路23、重心位置算出回路53、CCD駆動部制御回路25が接続されている。また、鉗子11の柄の部分にはジャイロ及び加速度センサからなるマーカ位置センサ51が設けられ、このマーカ位置センサ51はマーカ位置候補領域設定回路(候補領域設定手段)52を介して重心位置算出回路53に接続されている。
【0062】
上記した構成において、図25(a)に示すような原画像から色抽出回路23で色抽出を行って図25(b)に示すような画像を得る。同時にマーカ位置センサ51によって色マーカ14の位置が検出されたとき、マーカ位置候補領域設定回路52は検出されたマーカ位置に対応するマーカ位置候補領域を設定する(図25(c))。重心位置算出回路53はこのマーカ位置候補領域に入る画像のみを色マーカ14の領域とし、その他の画像はノイズとして除去する(図25(d))。
【0063】
上記した第5実施形態によれば、ノイズ抽出を防いで高精度で色マーカを抽出でき、色マーカ位置を検出できる。また、マーカ位置センサ51によって検出されるのが点ではなく範囲でよく、高い検出精度が必要ではないため、センサのコストを低減することができる。
【0064】
以下に本発明の第6実施形態を説明する。画面中における処置部の先端に設けられた色マーカの大きさはスコープからの鉗子の距離によって変化する。例えば、鉗子が遠くにあるときには鉗子に設けられた色マーカからの反射光量が微弱になり色の検出ができなくなってしまう。そこで、色マーカの大きさを大きくすることが考えられるが、今度は鉗子が近くにある場合に画面に占める面積が大きくなって適切な視野変換ができなくなってしまう。
【0065】
第6実施形態ではこのような問題を考慮して、図26に示すように大きさの異なる複数のマーカ(マーカ1、マーカ2)を用いて、スコープと鉗子との距離に応じて、視野変換の目標として最適なものを選択するようにする。
【0066】
図27は第6実施形態に係る鉗子追尾装置16の構成を示す図であり、CCU18からのTV信号が入力されるA/D変換部19と、色変換回路20と、色抽出回路32と、マーカ選択回路33と、重心位置算出回路24と、CCD駆動部制御回路25とが順に接続されている。
【0067】
色抽出回路32はマーカ1及びマーカ2の色を抽出し、位置・面積検出手段としてのマーカ選択回路33はこの色抽出結果に基づいてマーカ1とマーカ2の位置及び面積を検出する。そして、目標位置決定手段としての重心位置算出回路24は、抽出された各マーカの面積から鉗子−スコープ間距離を求め、図28に示すように、その距離がしきい値よりも大きい場合には面積の小さいマーカ2をターゲットして選択し、その距離がしきい値よりも小さい場合には面積の大きいマーカ1をターゲットして選択する。
【0068】
すなわち、鉗子−スコープ間距離が小さく近接している場合には、図29(a)に示すように面積の小さいマーカ2をターゲットとすることにより、重心位置算出回路24で算出されるマーカ重心位置と、鉗子先端位置との誤差が小さくなるようにする。また、鉗子−スコープ間距離が大きく鉗子が遠点にある場合には、図29(b)に示すように面積の大きいマーカ1をターゲットとすることにより、十分なマーカ抽出面積を確保して先端位置の推定を確実に行なうようにする。
【0069】
上記した第6実施形態によれば、内視鏡と色マーカとの距離が大きく変化する場合でも、適切な面積の色マーカを抽出でき、これによって安定した色抽出、色マーカ位置の検出が可能となる。
【0070】
以下に、本発明の第7実施形態を説明する。第7実施形態は色マーカとして蛍光マーカを用い、色マーカの検出をより確実に行なうことを目的としている。蛍光マーカは、特定波長の光が照射されている間に吸収した光エネルギーを変換して可視光を発光する蛍光体を用いたマーカである。蛍光体の例としては、ローダミンB、ブリリアントスルホフラビンFFなどがある。
【0071】
図30は本発明の第7実施形態の構成を示す図である。図30において、画像処理装置40は観察画像生成回路(観察画像生成手段)42と、切替回路(信号経路切替手段)41と、マーカ位置検出回路43とから構成される。また、照明手段としての光源35は、ランプ34と、回転フィルタ36と、モータ38と、タイミングコントローラ37とから構成される。画像処理装置40の観察画像生成回路42は表示モニタ17に接続され、画像処理装置40の切替回路41は光源35のタイミングコントローラ37に接続されている。
【0072】
また、光学素子5とCCD6とCCD駆動部7とから構成されるTVカメラ4には、スコープ1が接続されるとともに、画像処理回路40が接続されている。さらに、光源35はライトガイドケーブル34を介してスコープ1に接続されている。
【0073】
図31(a)は上記した回転フィルタ36の構成を示す図である。図31(a)に示すように、3/4円領域の通常照明光用フィルタ36aと、蛍光マーカを有して励起光のみを透過する1/4円領域のフィルタ36bとから構成される。以下に上記した構成の作用を図32のタイミングチャートに基づいて説明する。タイミングコントローラ37による制御の下にモータ38が駆動され、これによって回転フィルタ36が4フレームの画像につき1回転される。この回転によってフィルタ36a、36bからは図32の(a)、(b)で示すような光が出力される。したがって、ランプ34からの照明光がフィルタ36aを通過したときには、通常照明光が色マーカ14に、フィルタ36bを通過したときには励起光が色マーカ14に時分割的に供給される。本実施形態では色マーカ14として図31(b)に示す蛍光マーカを用いているので、図31(c)に示すような特性により、色マーカ14は励起光が供給されたときにのみ蛍光を発する。
【0074】
信号経路切替手段としての切替回路41の切替え動作はタイミングコントローラ37によって以下のように制御される。すなわち、TVカメラ4による撮像により得られる画像信号(図32の(c))は、通常照明光の供給時には観察画像生成回路42に送信され、励起光供給時(色マーカ14から蛍光が発生されているとき)には位置検出手段としてのマーカ位置検出回路43に送信されるように制御される。
【0075】
マーカ位置検出回路43は励起光供給のタイミングで入力される画像信号(図32の(f))に基づいて色マーカ14の位置を検出して、検出された位置に基づいて内視鏡の視野を変換すべく図32の(g)に示すようなCCD駆動制御信号を生成してTVカメラ4のCCD駆動部7に供給する。
【0076】
また、観察画像生成回路42には切替回路41の切替動作により図32の(d)に示すように一部が欠落した画像信号が入力されるので、観察画像生成回路42はこの欠落画像を予測生成(この実施形態では1つ前の画像信号を用いて補間)する(図32の(e))。これによって表示モニタ17には画像の切れ目のない表示がなされる。
【0077】
上記した第7実施形態によれば、照明条件、体腔内組織の状態によらず、確実に色マーカの抽出、色マーカの位置検出が可能となる。
【0078】
以下に本発明の第8実施形態を説明する。第8実施形態の基本的回路構成は第7実施形態と同様であるが、回転フィルタ36と色マーカ14の構成が異なっている。すなわち、第6実施形態の回転フィルタ36′は図33(a)に示すように、3/4円領域の通常照明用フィルタ36a′と1/4円領域の遮光部36b′とから構成される。また、第8実施形態では色マーカとして図33(b)に示すような発光マーカ14′を用いることを特徴とする。発光マーカ14′は光照射後も発光を持続する燐光体を用いたマーカである。ここでは図33(c)に示すように、発光期間が画像1フレームに相当する1/30秒よりも長い燐光材料を用いる。燐光体の例としては、硫化カルシウム系(CaS/Bi、Ca・Sr・S/Bi)や、硫化亜鉛系(ZnS/Cu、Zn・Cd・S/Cu)などがある。
【0079】
なお、発光マーカ14′を用いた場合の信号処理の流れは、上記した図23のタイミングチャートにおいて、蛍光励起用照明を除いたものと同一である。
【0080】
上記した第8実施形態によれば、照明条件、体腔内組織の状態によらず、確実に色マーカの抽出、色マーカの位置検出が可能となる。
【0081】
以下に本発明の第9実施形態を説明する。画像中に色マーカが存在しない状態でノイズを誤抽出してしまうことがある。このような状況において操作スイッチを誤って押してしまうと、抽出されたノイズを色マーカであるとみなして誤動作を起こしてしまう。第8実施形態はこのような不具合を防止することを意図している。
【0082】
図34は本発明の第9実施形態に係る鉗子追尾装置16の構成を示す図であり、A/D変換部19の後段には、色変換回路22を介して色抽出回路23が接続されている。色抽出回路22は色マーカ認識手段としての抽出画素数計数回路46を介してCCD駆動部制御回路47の第1の入力に接続されるとともに、重心位置算出回路(色マーカ位置特定手段)24を介してCCD駆動部制御回路47の第2の入力に接続されている。
【0083】
この実施形態では抽出画素数計数回路46は、色抽出回路23にて抽出された色に基づいて画素数を計数して、所定の画素数以上である場合に色マーカが存在するものと認識してCCD駆動部制御回路47に信号を送って視野変換動作を行なう。また、色マーカが存在しないと判断された場合には視野変換動作を行わないようにする。
【0084】
図35は色マーカが存在しない場合の誤動作を防止する第2の構成を示す図であり、A/D変換部19の後段には、色変換回路22を介して色抽出回路23が接続されている。色抽出回路22は重心位置算出回路24を介してCCD駆動部制御回路47の第1の入力に接続されている。CCD駆動部制御回路47の第2の入力にはマーカ存在判定回路49を介して鉗子11の柄の部分に設けられ、ジャイロと加速度センサとからなる鉗子先端位置センサ(色マーカ位置センサ)48が接続されている。
【0085】
この構成では鉗子の先端位置がどこにあるのかを鉗子先端位置センサ48によって検出して、検出された位置情報に基づいてマーカ存在判定回路49で色マーカ14が視野内にあるか否かを判定する。そして、色マーカ14が視野内にあるときのみCCD駆動部制御回路50に視野変換動作のための信号を送るようにする。
【0086】
上記した第9実施形態によれば、ノイズ抽出を防ぎ、高精度での色マーカの抽出、色マーカ位置の検出が可能となる。
【0087】
以下に本発明の第10実施形態を説明する。第10実施形態はノイズの誤抽出は、輝度が高く白とびの部分(ハイライト部)において発生しやすいので、これを抑制することを意図している。
【0088】
図36は本発明の第10実施形態の構成を示す図であり、TVカメラ4とスコープ1との間には偏光フィルタ55bが設けられている。また、スコープ1にはランプ34と偏光フィルタ55aを備えた照明手段としての光源54が接続されている。さらに、TVカメラ4は鉗子追尾装置16を介して表示モニタ17に接続されている。
【0089】
上記した構成において、光源54の偏光フィルタ55aとTVカメラ4とスコープ1の間の偏光フィルタ55bの位相を、調節手段としての偏光フィルタ回転操作部6を手動操作することにより調節してハイライト部の発生を抑制する。
【0090】
上記した第10実施形態によれば、特にハイライト部のノイズ抽出を防ぎ、高精度での色マーカの抽出、色マーカ位置の検出が可能となる。
【0091】
以下に、本発明の第11実施形態を説明する。第11実施形態では、上記した実施形態のようにすべての画像について色抽出を行なうのではなく、予測によって得られるマーカ位置領域についてのみ色抽出を行なう。これによって色抽出画像処理における画像操作方法を色抽出処理に最適なものとすることにより、色抽出性能を向上することを意図している。
【0092】
図37は第11実施形態に係る鉗子追尾装置16の構成を示す図であり、A/D変換部19の後段には、フレームメモリ57、メモリ読み出し回路58、色変換回路22、色抽出回路23が順に接続されている。色抽出回路23は重心位置算出回路(位置算出手段)59とデータバッファ1(61)とを介して重心位置予測回路(位置予測手段)63に接続されるとともに、面積算出回路(面積算出手段)60とデータバッファ2(62)とを介して面積予測回路64に接続されている。重心位置予測回路(面積予測回路)63はメモリ読み出し回路58に接続されている。
【0093】
面積比較回路65の入力は面積算出回路60と面積予測回路64とに接続されるとともに、その出力はメモリ読み出し回路58とCCD駆動部制御回路66とに接続されている。さらに、このCCD駆動部制御回路66は重心位置算出回路59とデータバッファ1(61)の接続点に接続されている。
【0094】
以下に上記した構成の作用を説明する。
【0095】
まず、例えば図38に示すような過去の3枚のフレーム、n−3、n−2、n−1をあらかじめデータバッファ1(61)に記憶し、これら3枚のフレームから重心位置予測回路63でマーカ重心位置を予測する。同様に、過去の3枚のフレーム、n−3、n−2、n−1をあらかじめデータバッファ2(62)に記憶し、これら3枚のフレームから面積予測回路64でマーカ面積を予測する。次に、メモリ読み出し回路58は重心位置予測回路63によって予測された重心位置に対応する読み出し位置指示信号に基づいて、予測マーカ重心位置に近い所定エリアの画素を読み出す(図39(a))。読み出された画素に対して色変換回路22で色変換を行い、色抽出回路23で色抽出を行った後、重心位置算出回路59で重心位置を算出するとともに、面積算出回路60で面積の算出を行なう。
【0096】
面積比較回路65はこの算出された面積と面積予測回路64で予測された面積とを比較して予測マーカ面積に到達したか否かを判断する。到達していなければ、さらに読み出し画素領域を増やして再度色抽出回路23で色抽出を行って(図39(b))、面積算出回路60で面積を算出し、面積比較回路65で面積予測回路64で予測した面積と比較する。このように、予測マーカ位置に近い画素から順に色抽出処理を行って面積を算出し、算出面積が予測マーカ面積に達したときに(図39(c))、メモリ読み出し回路58に処理終了信号を供給してマーカ抽出を終了する。
【0097】
上記した第11実施形態によれば、背景のノイズを誤抽出することなく、高精度での色マーカの抽出、色マーカ位置の検出が可能となる。
【0098】
以下に本発明の第12実施形態を説明する。上記した実施形態では色変換回路と色抽出回路と別個に構成している。このような構成では色空間を変更する場合には双方の回路を変更する必要がある。また、色変換回路と色空間回路とを各々LUTによって構成した場合も双方のテーブルを書き換える必要がある。
【0099】
そこで、第12実施形態では図40(a)に示すようなルックアップテーブル(LUT)を用いて、RGBの映像信号をYIQの色空間に変換する処理と、しきい値を用いた色抽出処理とを1つの素子で行なうことを意図している。この場合、LUT100はROMで構成される。
【0100】
また、従来では色変換回路をハードウェアで構成する場合、特定の色空間に対してそのハードウェア構成が特定されてしまい、複数の異なる色空間に対してそれぞれのハードウェア構成が必要になる。そこで、第12実施形態では、LUT100に不揮発性のメモリを用い、図40(b)に示すようにYIQ、HCV、L* * * などの各色空間に応じて書き換えるようにする。このようにすれば、いかなる色空間でもLUT100の入出力パターンを書き換えるだけで用いることができる。
【0101】
なお、上記した具体的実施形態には以下の構成1乃至42を有する発明が含まれている。
【0102】
1.内視鏡と、特定色を持つ色マーカが設けられた手術器具と、前記内視鏡の観察像を撮像する撮像手段と、この撮像手段からの画像信号に基づいて前記色マーカの位置を検出する位置検出手段と、検出された位置情報に基づき内視鏡の視野変換を行う視野変換手段とを具備する内視鏡装置において、
前記位置検出手段は、
前記画像信号の輝度を検出する輝度検出手段と、
検出された輝度情報に応じて色抽出しきい範囲を設定するしきい範囲設定手段と、
設定されたしきい範囲に基づき画像中の特定色を抽出する色抽出手段と、
この色抽出結果に基づき前記色マーカの位置を特定する色マーカ位置特定手段と、
を具備することを特徴とする内視鏡装置。
【0103】
2.1において、
前記輝度検出手段は、画像を複数のブロックに分割した後に各ブロック毎に輝度を検出し、前記しきい範囲設定手段は、検出された輝度に基づきブロック毎にしきい範囲を定める。
【0104】
3.1において、
前記輝度検出手段は、画素毎に近傍画素を参照して輝度を検出し、前記しきい範囲設定手段は、検出された輝度に基づき画素毎にしきい範囲を定める。
【0105】
4.2、3において、
前記しきい範囲設定手段で設定されるしきい範囲は、検出された輝度に応じてその位置・大きさが定められている色度平面上の長方形領域である。
【0106】
5.内視鏡と、特定色を持つ色マーカが設けられた手術器具と、前記内視鏡の観察像を撮像する撮像手段と、この撮像手段からの画像信号に基づいて前記色マーカの位置を検出する位置検出手段と、検出された位置情報に基づき内視鏡の視野変換を行う視野変換手段とを具備する内視鏡装置において、
前記位置検出手段は、色抽出しきい範囲を定めるキャリブレーション手段と、このキャリブレーション手段によって設定されたしきい範囲に基づき画像中の特定色を抽出する色抽出手段と、色抽出結果に基づき色マーカの位置を特定する色マーカ位置特定手段とを有する。
【0107】
6.5において、
前記キャリブレーション手段は、画像中の色マーカの色を分析する色分析手段と、色分析結果に基づき色抽出しきい範囲を定めるしきい範囲設定手段とを有する。
【0108】
7.6において、
前記色分析手段は、画像中に表示された位置可変のカーソルを中心とする所定エリアの画像信号を画素毎に色空間に変換し、前記しきい範囲設定手段は、色空間の色度平面上で2直線に挟まれ、かつ色空間原点からの距離が所定値以上となる領域を色抽出しきい範囲とする。
【0109】
8.6において、
前記色分析手段は、画像中に表示された位置可変のカーソルを中心とする所定エリアの画像信号を画素毎に色空間に変換し、前記しきい範囲設定手段は、色空間原点からの距離が所定値以上となる領域で、かつ色空間に変換された分析対象画素の色分布の輪郭線に囲まれた閉領域を色抽出しきい範囲とする。
【0110】
9.6において、
前記色分析手段は、画像中に表示されたウィンドウ内の画像信号を画素毎に色空間に変換し、前記しきい範囲設定手段は、色空間の色度平面上で2直線に挟まれ、かつ色空間原点からの距離が所定値以上となる領域を色抽出しきい範囲とする。
【0111】
10.6において、
前記色分析手段は、画像中に表示されたウィンドウ内の画像信号を画素毎に色空間に変換し、前記しきい範囲設定手段は、色空間原点からの距離が所定値以上となる領域で、かつ色空間に変換された分析対象画素の色分布の輪郭線に囲まれた閉領域を色抽出しきい範囲とする。
【0112】
11.6において、
前記色分析手段は、画像中に表示された位置可変のカーソルを中心とする所定エリアの画像信号を画素毎に色空間に変換し、前記しきい範囲設定手段は、色分析結果に基づきあらかじめ定められた複数の色抽出しきい範囲の中から最適なものを選択する。
【0113】
12.6において、
前記色分析手段は、画像中に表示されたウィンドウ内の画像信号を画素毎に色空間に変換し、前記しきい範囲設定手段は、色分析結果に基づきあらかじめ定められた複数の色抽出しきい範囲の中から最適なものを選択する。
【0114】
13.11、12において
しきい範囲設定手段は、色分析結果に基づき複数の色抽出しきい範囲の中で適したものがない場合に警告を発する。
【0115】
14.内視鏡と、特定色を持つ色マーカが設けられた手術器具と、前記内視鏡の観察像を撮像する撮像手段と、この撮像手段からの画像信号に基づいて前記色マーカの位置を検出する位置検出手段と、検出された位置情報に基づき内視鏡の視野変換を行う視野変換手段とを具備する内視鏡装置において、
前記位置検出手段は、色マーカが持つ複数の特定色を抽出する色抽出手段と、複数の色抽出結果に基づき色マーカの位置を特定する色マーカ位置特定手段を有する。
【0116】
15.14において、
前記色マーカは、色特性の異なる複数のマーカを近接して配置してなる。
【0117】
16.14において、
前記色マーカは、色特性の異なる2つのマーカを交互に並べて配置してなる。17.15、16において、
前記色特性は、色相及び/または明度である。
【0118】
18.15、17において、
前記色マーカ位置特定手段は、複数の特定色が近接して抽出された領域のみを色マーカと判定し、その他の領域をノイズとして色抽出領域から除外する。
【0119】
19.16、17において、
前記色マーカ位置特定手段は、2種類の特定色が交互に並んで抽出された領域のみを色マーカと判定し、その他の領域をノイズとして色抽出領域から除外する。
【0120】
20.内視鏡と、特定色を持つ色マーカが設けられた手術器具と、前記内視鏡の観察像を撮像する撮像手段と、この撮像手段からの画像信号に基づいて前記色マーカの位置を検出する位置検出手段と、検出された位置情報に基づき内視鏡の視野変換を行う視野変換手段とを具備する内視鏡装置において、
前記位置検出手段は、画像中の特定色を抽出する色抽出手段と、画像中の直線を抽出する直線抽出手段と、色抽出結果と直線抽出結果を統合して色マーカ位置を特定する色マーカ位置特定手段とを有する。
【0121】
21.20において
前記色マーカの一部は、鉗子軸方向に平行に直線状に施される。
【0122】
22.20、21において、
前記色マーカ位置検出手段は、所定の間隔及び相対角度を有する2直線に挟まれた色抽出領域を色マーカと判定する。
【0123】
23.22において、
前記色マーカ位置検出手段は、2直線の間隔及び相対角度から鉗子先端位置を推定する。
【0124】
24.内視鏡と、特定色を持つ色マーカが設けられた手術器具と、色マーカ位置センサと、前記内視鏡の観察像を撮像する撮像手段と、この撮像手段からの画像信号に基づいて前記色マーカの位置を検出する位置検出手段と、検出された位置情報に基づき内視鏡の視野変換を行う視野変換手段とを具備する内視鏡装置において、
前記位置検出手段は、画像中の特定色を抽出する色抽出手段と、前記色マーカ位置センサの出力に基づき画像中の色マーカ位置の候補領域を設定する候補領域設定手段と、候補領域内の色抽出領域を色マーカと判定する色マーカ位置特定手段とを有する。
【0125】
25.24において、
色マーカ位置センサは、ジャイロ及び加速度センサからなる。
【0126】
26.内視鏡と、特定色を持つ色マーカが設けられた手術器具と、前記内視鏡の観察像を撮像する撮像手段と、この撮像手段からの画像信号に基づいて前記色マーカの位置を検出する位置検出手段と、検出された位置情報に基づき内視鏡の視野変換を行う視野変換手段とを具備する内視鏡装置において、
前記位置検出手段は、複数の特定色を抽出する色抽出手段と、複数の色抽出結果に基づき、複数の色マーカ各々の位置及び面積を検出する位置・面積検出手段と、検出された複数の色マーカ各々の面積に基づき、視野変換の目標位置を決定する目標位置決定手段とを有する。
【0127】
27.26において
前記複数の色マーカは、色特性及び大きさが異なる。
【0128】
28.27において
前記目標位置決定手段は、前記色マーカ検出手段にて検出された面積に基づいて内視鏡先端と鉗子先端との距離を推定し、距離が大きい場合には面積が小さい色マーカ、距離が小さいときには面積が大きい色マーカの位置を目標位置とする。
【0129】
29.内視鏡と、
通常照明光と蛍光励起光を時分割的に供給する照明手段と、
前記励起光に対して蛍光を発する蛍光マーカが設けられた手術器具と、
前記内視鏡の観察像を撮像する撮像手段と、
この撮像手段からの画像信号に基づいて前記色マーカの位置を検出する位置検出手段と、
モニタに表示する観察画像を生成する観察画像生成手段と、
前記内視鏡から得られた画像信号を、通常照明光供給時には観察画像生成手段に送信し、励起光供給時には位置検出手段に送信する信号経路切換手段と、
検出された位置情報に基づき内視鏡の視野変換を行う視野変換手段と、
を具備する内視鏡装置。
【0130】
30.29において、
前記照明手段は、通常照明用フィルタと励起光透過フィルタからなる回転フィルタを有する。
【0131】
31.29、30において
前記観察画像生成手段は、励起光供給時には過去の画像信号に基づき予測処理により観察画像を生成する。
【0132】
32.内視鏡と、
一定周期で照明点灯と消灯を繰り返す照明手段と、
所定時間以上の発光期間を有する発光マーカが設けられた手術器具と、
前記内視鏡の観察像を撮像する撮像手段と、
この撮像手段からの画像信号に基づいて前記色マーカの位置を検出する位置検出手段と、
モニタに表示する観察画像を生成する観察画像生成手段と、
前記内視鏡から得られた画像信号を、照明点灯時には観察画像生成手段に送信し、照明消灯時には位置検出手段に送信する信号経路切換手段と、
検出された位置情報に基づき内視鏡の視野変換を行う視野変換手段と、
を具備する内視鏡装置。
【0133】
33.32において
前記照明手段は、照明光透過と遮断とを切り替える回転フィルタを有する。
【0134】
34.32、33において、
前記観察画像生成手段は、照明消灯時には過去の画像信号に基づき予測処理により観察画像を生成する。
【0135】
35.32、33、34において、
前記発光マーカの発光期間は少なくとも画像1フレームに相当する時間である。
【0136】
36.内視鏡と、特定色を持つ色マーカが設けられた手術器具と、前記内視鏡の観察像を撮像する撮像手段と、この撮像手段からの画像信号に基づいて前記色マーカの位置を検出する位置検出手段と、検出された位置情報に基づき内視鏡の視野変換を行う視野変換手段とを具備する内視鏡装置において、
前記位置検出手段は、画像中の特定色を抽出する色抽出手段と、色抽出結果に基づき色マーカ位置を特定する色マーカ位置特定手段と、画像中の色マーカの存在を認識する色マーカ認識手段とを有し、
前記色マーカ認識手段が画像中に色マーカが存在しないと判定した場合には、視野変換動作を停止する。
【0137】
37.36において
前記色マーカ認識手段は、前記色抽出手段の抽出画素数が所定値以下の場合に、色マーカが画像中に存在しないと判定する。
【0138】
38.34において
前記手術器具には色マーカ位置センサが設けられ、前記色マーカ認識手段は、この色マーカ位置センサの出力に基づき、画像中の色マーカの存在を判定する。39.38において
前記色マーカ位置センサは、ジャイロ及び加速度センサからなる。
【0139】
40.内視鏡と、
照明光を偏向させる第1の偏光フィルタを有する照明手段と、
特定色を持つ色マーカが設けられた手術器具と、
前記内視鏡の観察像を撮像する撮像手段と、
この撮像手段からの画像信号に基づいて前記色マーカの位置を検出する位置検出手段と、
前記撮像手段に設けた第2の偏光フィルタの偏光方向を調節する調節手段と、
検出された位置情報に基づき内視鏡の視野変換を行う視野変換手段と、
を具備する内視鏡装置。
【0140】
41.内視鏡と、特定色を持つ色マーカが設けられた手術器具と、前記内視鏡の観察像を撮像する撮像手段と、この撮像手段からの画像信号に基づいて前記色マーカの位置を検出する位置検出手段と、検出された位置情報に基づき内視鏡の視野変換を行う視野変換手段とを具備する内視鏡装置において、
前記位置検出手段は、1画面を記憶するフレームメモリと、画像中の特定色を抽出する色抽出手段と、色抽出結果に基づき色マーカの位置及び面積を求める位置・面積算出手段と、過去の画像の色マーカの位置及び面積から、現在の画像の色マーカの位置及び面積を予測する位置・面積予測手段とを有し、
予測した色マーカ位置と距離が近い画素から順にフレームメモリより読み出し色抽出手段に入力し、色抽出面積が予測した色マーカ面積に達した時点でマーカ位置検出処理を完了とする。
【0141】
42.内視鏡と、特定色を持つ色マーカが設けられた手術器具と、前記内視鏡の観察像を撮像する撮像手段と、この撮像手段からの画像信号に基づいて前記色マーカの位置を検出する位置検出手段と、検出された位置情報に基づき内視鏡の視野変換を行う視野変換手段とを具備する内視鏡装置において、
前記画像信号を所定の色空間に変換する色変換手段と、
色変換された画像中の特定色を抽出する色抽出手段と、
を具備し、前記色変換手段と色抽出手段とを1つの素子で構成する。
【0142】
上記した構成1乃至42に対する従来技術、発明の目的は以下の通りである。1乃至4(第1実施形態)
従来技術
従来より、手術器具としての処置具の先端に設けられた色マーカの位置を検出し、この検出位置に基づいて内視鏡の視野変換を行なう内視鏡装置が知られている。
【0143】
特開平6−30896号公報は色マーカが設けられた処置具で対象組織を指し示し、このときの画像中の色マーカの位置を画像処理により検出し、検出位置に基づいて内視鏡を保持している電動マニピュレータを移動させて色マーカが画面中央に移動するように視野変換を行っている。
【0144】
また、特願平7−142133号明細書や特願平7−143667号明細書は、色マーカの位置検出方法は特源平6−30896号公報と同一であるが、内視鏡で得られた像を撮像するTVカメラに接続された視野変換手段を備え、内視鏡を固定した状態で視野変換を行なう内視鏡装置を開示している。
【0145】
上記した画像処理は色抽出処理と位置検出処理とから構成される。色抽出処理は撮像した映像信号を色空間データに変換し、そのデータがあらかじめ設定された色マーカの特定色を表すしきい値の範囲内にあるかどうかを判断し、判断結果として2値画像(例えば抽出部を白とし、それ以外を黒とする)を出力している。
【0146】
ところで、体腔内の画像は内視鏡と観察対象との距離変化や、内視鏡から出射される照明光の配光ムラ等の照明条件によって明るさ(輝度)が変化する。この変化する輝度と色(色度、彩度)が独立している色空間を用いれば、理論的には輝度が変化しても色分布は不変である。しかしながら、実際には輝度が上がると彩度も上昇する。また、撮像素子のダイナミックレンジを越える高輝度像が入力されると、色度も変化してしまう。また、しきい値が固定されているので、色度の変化に対応できず色抽出能力が低下してしまう。一方、この変動を見越してしきい値の範囲を大きくすると、色マーカ以外の部分までノイズとして抽出されてしまうという問題があった。
【0147】
発明の目的
撮像画像の輝度変化による色分布変化が起こっても、色抽出能力が落ちたりノイズを拾ったりすることなく、色マーカを抽出可能である画像処理手段を備えた内視鏡装置の提供。
【0148】
5乃至13(第2実施形態)
従来技術
処置具に設けられた色マーカは、洗浄・滅菌を行ううちに色が劣化してくる。また、内視鏡・TVカメラの光学系のバラツキ、CCU(カメラコントロールユニット)のユーザーによる色設定の違い、生体内色特性の固体差等により、同じ色マーカでも違った色として認識でも違った色として認識されることがある。これら複数の要因による色変化がある状況では、固定されたしきい範囲でこの変化に対応し高い色抽出能力を持たせることは困難である。
【0149】
発明の目的
色マーカの劣化、光学系のバラツキ、映像信号処理系の設定等による色マーカの色変化が起こっても、色抽出能力を落とすことなく色マーカを抽出可能である画像処理手段を備えた内視鏡装置の提供。
【0150】
14乃至19(第3実施形態)、20乃至23(第4実施形態)、24、25(第5実施形態)、36乃至39(第9実施形態)、40(第10実施形態)、41(第11実施形態)
従来技術
体腔内組織の内、腸や脂肪等の白っぽい組織は表面が濡れていてるとハイライトになる場合がある。このハイライト部が光学系・撮像素子の特性等で色が付いて撮像され、ノイズとして抽出されてしまう。また、色マーカが内視鏡軸に対し傾いたり、内視鏡から遠くにあると色マーカの彩度が下がるため、しきい範囲を低彩度側まで拡げて抽出能を上げることが必要となる。しかし色抽出能力が向上する反面、色マーカ以外の低彩度領域もノイズとして抽出してしまう。
【0151】
発明の目的
ノイズ抽出を防ぎ、高精度で色マーカを抽出可能、色マーカ位置を検出可能な内視鏡装置の提供。
【0152】
26乃至28(第6実施形態)
従来技術
体腔内での内視鏡先端と観察対象との距離は、症例によっても、また同一症例でも変化する。処置具に単一の色マーカのみが設けられている場合は、内視鏡と色マーカの距離が離れてしまうと抽出しずらくなる。色マーカの面積を大きくすれば抽出能は上がるが、距離が短くなると画面中に占める色マーカの面積が大きすぎて、所望の位置への視野変換ができなくなる。
【0153】
発明の目的
内視鏡と色マーカの距離が大きく変化する場合でも、適切な面積の色マーカを抽出可能とすることにより、安定した色抽出、色マーカ位置の検出が可能な内視鏡の提供。
【0154】
29乃至31(第7実施形態)、32乃至35(第8実施形態)
従来技術
通常の色マーカを用い、色抽出画像処理により色マーカを抽出する方法では、照明条件や体腔内組織の状態によって抽出状態が変化するため、全ての条件において安定した色マーカの抽出を可能にすることは難しい。
【0155】
発明の目的
照明条件、体腔内組織の状態によらず、確実に色マーカの抽出、色マーカ位置の検出が可能となる内視鏡装置の提供。
【0156】
42(第12実施形態)
従来技術
色変換回路と色抽出回路と別個に構成していたので色空間を変更する場合には双方の回路を変更する必要がある。また、色変換回路と色空間回路とを各々LUTによって構成した場合も双方のテーブルを書き換える必要があった。
【0157】
発明の目的
RGBの映像信号をYIQの色空間に変換する処理と、しきい値を用いた色抽出処理とを1つの素子で行ない、色空間に応じて入出力パターンを書き換えることができる内視鏡装置の提供。
【0158】
【発明の効果】
本発明によれば、撮影画像の輝度変化による色分布変化が起こっても、色抽出能力が低下したり、ノイズを拾ったりすることなく、色マーカを確実に抽出できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る内視鏡装置全体の概略構成を示す図である。
【図2】YIQ色空間を用いた場合の色抽出設定の様子を示している。
【図3】YIQ色空間における色度I及びQの変化の様子を示す図である。
【図4】撮像系のダイナミックレンジの影響等による色相の変化の様子を示す図である。
【図5】色抽出しきい範囲を輝度に応じて変化させる本実施形態の概略を説明するための図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る鉗子追尾装置の構成とその周辺を示すブロック図である。
【図7】第1の輝度推定方法を説明するための図である。
【図8】第2の輝度推定方法を説明するための図である。
【図9】第2の輝度推定方法の具体的例を示す図である。
【図10】本発明の第1実施形態に係る鉗子追尾装置の構成とその周辺を示すブロック図である。
【図11】色分析対象の第1の指摘方法を説明するための図である。
【図12】色分析対象の第1の指摘方法を説明するための図である。
【図13】色抽出しきい範囲の第1の設定方法を説明するための図である。
【図14】色抽出しきい範囲の第2の設定方法を説明するための図である。
【図15】色抽出しきい範囲の第3の設定方法を説明するための図である。
【図16】本発明の第3実施形態に係る鉗子追尾装置の構成を示す図である。
【図17】第1のマーカ配置方法を説明するための図である。
【図18】第2のマーカ配置方法を説明するための図である。
【図19】第2のマーカ配置方法の作用を従来と比較して説明するための図である。
【図20】第3のマーカ配置方法を説明するための図である。
【図21】本発明の第4実施形態に係る鉗子追尾装置の構成を示す図である。
【図22】第4実施形態の作用を説明するための図である。
【図23】色マーカの配置及び色マーカの形状についての変形例を示す図である。
【図24】本発明の第5実施形態に係る鉗子追尾装置及び鉗子の構成を示す図である。
【図25】第5実施形態の作用を説明するための図である。
【図26】本発明の第6実施形態に係る色マーカの配置を示す図である。
【図27】第6実施形態に係る鉗子追尾装置の構成を示す図である。
【図28】抽出面積と鉗子−スコープ間距離との関係を各マーカについて示す図である。
【図29】鉗子−スコープ間距離に応じた色マーカの切替について説明するための図である。
【図30】本発明の第7実施形態の構成を示す図である。
【図31】第7実施形態に係る回転フィルタの構成及び、蛍光マーカの特性を示す図である。
【図32】第7実施形態の作用を示すタイミングチャートである。
【図33】本発明の第8実施形態に係る回転フィルタの構成及び、発光マーカに用いられる材料について説明するための図である。
【図34】本発明の第9実施形態に係る鉗子追尾装置の構成を示す図である。
【図35】第9実施形態の他の構成を示す図である。
【図36】本発明の第10実施形態に係る鉗子追尾装置の構成を示す図である。
【図37】本発明の第11実施形態に係る鉗子追尾装置の構成を示す図である。
【図38】第11実施形態において、過去のフレームからマーカ重心位置とマーカ面積とを予測する様子を示す図である。
【図39】第11実施形態の作用を説明するための図である。
【図40】本発明の第11実施形態の構成を説明するための図である。
【符号の説明】
13…処置部、14…色マーカ、15…操作スイッチ、16…鉗子追尾装置、17…表示モニタ、18…CCU、19…A/D、20…輝度推定回路、21…色抽出しきい範囲選択回路、22…色変換回路、23…色抽出回路、24…重心位置算出回路、25…CCD駆動部制御回路。

Claims (1)

  1. 内視鏡と、特定色を持つ色マーカが設けられた手術器具と、前記内視鏡の観察像を撮像する撮像手段と、この撮像手段からの画像信号に基づいて前記色マーカの位置を検出する位置検出手段と、検出された位置情報に基づき内視鏡の視野変換を行う視野変換手段とを具備する内視鏡装置において、
    前記位置検出手段は、
    前記画像信号の輝度を検出する輝度検出手段と、
    検出された輝度情報に応じて色抽出しきい範囲を設定するしきい範囲設定手段と、
    設定されたしきい範囲に基づき画像中の特定色を抽出する色抽出手段と、
    この色抽出結果に基づき前記色マーカの位置を特定する色マーカ位置特定手段と、
    を具備することを特徴とする内視鏡装置。
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