JP3760191B2 - Sphere sensor - Google Patents
Sphere sensor Download PDFInfo
- Publication number
- JP3760191B2 JP3760191B2 JP36834597A JP36834597A JP3760191B2 JP 3760191 B2 JP3760191 B2 JP 3760191B2 JP 36834597 A JP36834597 A JP 36834597A JP 36834597 A JP36834597 A JP 36834597A JP 3760191 B2 JP3760191 B2 JP 3760191B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- phase
- output
- coil
- detection
- case
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、完全な球体又は半球体若しくは部分球体あるいはその他の曲面形状の外形を有し、外部から加えられた運動を転がり運動又は揺れ運動に転換して、又は傾きとして受け、該外部から加えられた運動の検知を行うようにした、新規な球体センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来知られた位置センサは、直線位置を検出するリニアセンサ、回転位置を検出する回転センサなどである。検出方式としては、電磁誘導式や光学式などいくつかの方式があるが、光学式には検出分解能に限度がある。例えば、パーソナルコンピュータのカーソル指示装置としてマウスが知られているが、従来のマウスは、全方向回転子の回転運動をX軸とY軸の成分に分離し、X軸とY軸に夫々光学式のインクリメンタルパルスエンコーダを取付けて構成されている。しかし、光学式のインクリメンタルパルスエンコーダの検出分解能には限度があるため、移動距離に対する発生パルス数を多くとることができず、長い距離のカーソル移動操作が面倒であった。これに対して、電磁誘導式のセンサにおいては、位相差カウント等の回路処理を用いることにより、電気処理的に検出分解能を精密にすることができる。しかし、従来の誘導式回転センサにおいては、装置の小型化が不十分であったため、これをX,Yの2軸設けて装置を構成するとなると、大型となってしまい、とても、マウスのようなコンパクトな指示装置を構成することができなかった。
【0003】
ところで、従来知られた誘導型位置検出装置には、直線位置検出装置としては差動トランスがあり、回転位置検出装置としてはレゾルバがある。差動トランスは、1つの1次巻線を1相で励磁し、差動接続された2つの2次巻線の各配置位置において検出対象位置に連動する鉄心コアの直線位置に応じて差動的に変化するリラクタンスを生ぜしめ、その結果として得られる1相の誘導出力交流信号の電圧振幅レベルが鉄心コアの直線位置を示すようにしたものである。レゾルバは、複数の1次巻線を1相で励磁し、サイン相取り出し用の2次巻線からサイン相の振幅関数特性を示す出力交流信号を取り出し、コサイン相取り出し用の2次巻線からコサイン相の振幅関数特性を示す出力交流信号を取り出すようにしたものである。この2相のレゾルバ出力は公知のR/Dコンバータといわれる変換回路を用いて処理し、検出した回転位置に対応する位相値をディジタル的に測定することができる。
また、サイン相とコサイン相のような複数相の交流信号によって複数の1次巻線を夫々励磁し、検出対象直線位置又は回転位置に応じて該交流信号を電気的に位相シフトした出力交流信号を出力し、この出力交流信号の電気的位相シフト量を測定することにより、検出対象直線位置又は回転位置をディジタル的に測定する技術も知られている(例えば、特開昭49−107758号、特開昭53−106065号、特開昭55−13891号、実公平1−25286号など)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来知られた誘導型位置検出装置は、すべて、所定のガイド又は軸に沿う直線位置または回転位置を測定するものであり、外部から加わる任意のフリーな動きを検知することはできなかった。
一般に、誘導型位置検出装置は、構造的に非接触であり、また、コイルと鉄片等の簡単な構成により、簡便かつ安価に製造することができるので、これを、外部から加わる任意のフリーな動きを検知する装置として構成することができれば、広い応用・用途が見込まれる。例えば、1つの操作子のX−Y方向の2軸的動きを検出する装置として構成することができれば、マウスのような既存の2軸操作子に代替し得る簡易な構成の操作子を提供することができるし、その他従来はなかった応用・用途が考えられる。
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、外部から加わる任意のフリーな動きを検知し得るようにした、誘導型の新規な球体センサを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る球体センサは、曲面形状の下面を少なくとも有する非磁性体からなる球体又は部分球体形状のケースと、該ケース内において重力に従って移動自在に収納された磁気応答部材と、前記ケースの少なくとも前記下面において所定の配置で設置され、前記磁気応答部材の相対的位置に応答した誘導出力信号を生じるコイル部とを備え、前記ケースに外部より加えられる動きに応じて該ケースを転動又は揺動又は傾斜させ、このケースの動きに応じて前記磁気応答部材が該ケース内で相対的に変位し、この変位に応じて前記コイル部に生じる誘導出力信号が変化し、前記外部より加えられる動きに応じた前記ケースの変位を検知することを特徴とする球体センサであって、前記コイル部は、第1の方向に沿って配置された複数の極を構成する第1のコイルグループと、前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って配置された複数の極を構成する第2のコイルグループとで構成され、前記第1のコイルグループは、前記第1の方向に沿う前記磁気応答部材の相対的位置に関してサイン相、コサイン相、マイナスサイン相及びマイナスコサイン相の特性を示す4極のコイルで構成され、サイン相とマイナスサイン相の出力を差動合成してサイン相の位置検出信号を生成し、コサイン相とマイナスコサイン相の出力を差動合成してコサイン相の位置検出信号を生成し、更に、これらのサイン相及びコサイン相の位置検出信号に基づき前記磁気応答部材の相対的位置に応じたX軸成分位置検出信号を生成する回路を該第1のコイルグループに対応して具備し、前記第2のコイルグループは、前記第2の方向に沿う前記磁気応答部材の相対的位置に関してサイン相、コサイン相、マイナスサイン相及びマイナスコサイン相の特性を示す4極のコイルで構成され、サイン相とマイナスサイン相の出力を差動合成してサイン相の位置検出信号を生成し、コサイン相とマイナスコサイン相の出力を差動合成してコサイン相の位置検出信号を生成し、更に、これらのサイン相及びコサイン相の位置検出信号に基づき前記磁気応答部材の相対的位置に応じたY軸成分位置検出信号を生成する回路を該第2のコイルグループに対応して具備することを特徴とする。
【0006】
少なくともケースの下面が曲面形状を成しており、少なくともこの下面においてコイル部が所定の配置で設置されており、ケースと共に動く。ケースに外部より加えられる動きに応じて該ケースが転動又は揺動又は傾斜し、外部から加わる任意のフリーな動きに応答して前記コイル部配置面が該ケースの動きと共に転動又は揺動又は傾斜する。このケースの内部には重力に従って移動自在に磁気応答部材が収納されており、該磁気応答部材は常に重力方向を指向するので、ケースの動きに応じて該磁気応答部材が、該ケース内で相対的に動き、該ケース下面に配置されたコイル部に対して相対的に変位することになる。この磁気応答部材とコイル部との位置関係の変化に応じてコイル部に生じる誘導出力信号が変化し、外部より加えられる動きに応じた前記ケースの変位が検知される。
【0007】
本発明の球体センサに対する外力の与え方は、使用目的に応じて、任意に設定してよい。例えば、テーブル等の任意の水平面の上に、この球体センサを、前記ケースの下面を下にして、置く。この場合、人の手等によってケースに対して直接外力を加えて、該ケースを転動又は揺動させる。これによって、人の手による操作量を検知するための新規な装置として、本発明の球体センサを利用することができる。あるいは、この球体センサを振り子状に吊るして、振動検知等の目的で応用するようにしてもよい。あるいは、この球体センサを対象物に固定して設置し、該対象物の傾きに応じて前記ケースが傾くことに基づき、傾斜検知の目的で応用するようにしてもよい。また、一瞬の振動又は傾斜の振れ幅は、加速度に対応しているので、車両等に搭載して傾斜計及び/又は加速度計として応用できる。
【0008】
前記ケースは全体が完全な球体からなっていてもよいし、あるいは、半球体若しくは部分球体からなっていてもよい。また、完全な球に限らず、楕円球等であってもよく、また、部分的に(すなわち少なくとも下面において)曲面を形成していればよい。
前記磁気応答部材は、固形状の球体からなるものであってよい。あるいは、磁性流体からなるものであってもよい。あるいは、磁性粉体からなるものであってもよい。あるいは、固体の磁気応答部材と磁性流体又は磁性粉体の両方を含むものであってもよい。
【0009】
本発明によれば、前記コイル部は、第1の方向に沿って配置された複数の極を構成する第1のコイルグループと、前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って配置された複数の極を構成する第2のコイルグループとで構成され、前記第1のコイルグループは、前記第1の方向に沿う前記磁気応答部材の相対的位置に関してサイン相、コサイン相、マイナスサイン相及びマイナスコサイン相の特性を示す4極のコイルで構成され、サイン相とマイナスサイン相の出力を差動合成してサイン相の位置検出信号を生成し、コサイン相とマイナスコサイン相の出力を差動合成してコサイン相の位置検出信号を生成し、更に、これらのサイン相及びコサイン相の位置検出信号に基づき前記磁気応答部材の相対的位置に応じたX軸成分位置検出信号を生成する回路を該第1のコイルグループに対応して具備し、前記第2のコイルグループは、前記第2の方向に沿う前記磁気応答部材の相対的位置に関してサイン相、コサイン相、マイナスサイン相及びマイナスコサイン相の特性を示す4極のコイルで構成され、サイン相とマイナスサイン相の出力を差動合成してサイン相の位置検出信号を生成し、コサイン相とマイナスコサイン相の出力を差動合成してコサイン相の位置検出信号を生成し、更に、これらのサイン相及びコサイン相の位置検出信号に基づき前記磁気応答部材の相対的位置に応じたY軸成分位置検出信号を生成する回路を該第2のコイルグループに対応して具備することを特徴とする。これにより、ケースの転動又は揺動をX軸成分とY軸成分に分解して検出することができるので、本発明に係る1つの球体センサによって、全方向に関する(ただし垂直方向は除く)外部から加わる任意のフリーな動きを検知することができる。
また、このような球体センサを使用して、該球体センサから出力される前記X軸成分位置検出信号とY軸成分位置検出信号とに基づきカーソルX軸駆動信号とカーソルY軸駆動信号を形成する回路を具備すれば、新規なマウスを提供することができる。このような球体又は部分球体形状の下面を持つマウスを使用することにより、テーブル等の任意の平面を持つ場所で、手軽に手で転がして、カーソル操作を行うことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照してこの発明の実施の形態を詳細に説明しよう。
図1の(a)は本発明に係る球体センサの一例を示す外観斜視図、(b)はその内部に収納される磁気応答部材3の一例を示す外観斜視図、(c)はケース1の下面に配置されるコイル部2のコイル(極)配置の一例を示す展開図、である。
図1において、ケース1は、外形が完全な球体形状を成しており、また、その内部空間も完全な球状のスペースを有しており、プラスチック又はステンレスのような非磁性体からなる。このケース1内においては、磁気応答部材3として、(b)に示すような鉄等の磁性体からなる鋼球3aが収納されており、該鋼球3aは、重力に従ってケース1内で移動自在である。
【0011】
ケース1の外側の下面には1又は複数のコイルからなるコイル部2が取り付けられる。コイル部2の各コイルは、巻き軸方向がケース1の面に直交する方向であり、かつ、ケース1の転動を妨げないような薄型のものである。勿論、コイル部2は、薄型のコイルをケース1の外側に貼り付けて、更にその上から非磁性物質でモールド等して、表面が滑らかになるようにして、ケース1の滑らかな転動を確保し得るように、適宜、製造・加工してよいものである。しかし、その点は設計事項であるから特に説明しない。なお、コイル部2は、ケース1の外側ではなく、内側に貼り付けてもよい。その場合も、その上から非磁性物質でモールド等して、表面が滑らかになるようにして、鋼球3aの滑らかな転動を確保するようにするものとする。なお、ケース1は完全な球体であっても、半分割等ができるようになっていて、内部への磁気応答部材3(鋼球3a)の収納等の製造作業に便ならしめるようにすることは、設計上適宜なされる。
【0012】
コイル部2における個別コイル配置及び接続並びに励磁の態様は、採用しようとする検出原理に従って、適宜、設計してよい。
図1(c)に示すコイル部2のコイル配置は、レゾルバタイプの位置検出原理に従って構成した例を示す。
図1(c)において、コイル部2は、第1の方向(便宜的にX軸方向という)に沿って配置された複数の極を含んでいて、各極は1次及び2次コイルによる電磁誘導結合部を有している第1の検出コイル部2Xと、前記第1の方向に直交する第2の方向(便宜的にY軸方向という)に沿って配置された複数の極を含んでいて、各極は1次及び2次コイルによる電磁誘導結合を有している第2の検出コイル部2Yとを具備している。
【0013】
第1の検出コイル部2Xは、X軸方向に等間隔で配置された4つの極を含み、各極は少なくとも2次コイル21,22,23,24を有している。すなわち、ケース1の曲面に沿ってX軸方向に等間隔で配置された4つの少なくとも2次コイル21,22,23,24と図示していない1次コイルとによって第1の検出コイル部2Xが構成される。同様に、第2の検出コイル部2Yは、Y軸方向に等間隔で配置された4つの極を含み、各極は少なくとも2次コイル25,26,27,28を有しており、かつ、図示していない1次コイルを含んでいる。第1の検出コイル部2Xの極配列(2次コイル21〜24の配列)と第2の検出コイル部2Yの極配列(2次コイル25〜28の配列)とは、ケース1の曲面上において図示のように交差している。
【0014】
なお、1次コイルの配置については特に図示しないが、該1次コイルによって励起した磁界を対応する各2次コイルに及ぼすことができるような配置であれば適宜の配置であってよい。例えば、個々の2次コイルに対応して同じ位置に重複して個別の1次コイルをそれぞれ設けるようにしてもよいし、あるいは、ケース1の適宜の範囲ですべての2次コイルを包囲するように1個の1次コイルを設けてもよいし、あるいは、いくつかのグループに分けて複数の2次コイルを包囲するように複数の1次コイルを設けてもよい。いずれの場合においても、レゾルバタイプの位置検出原理に従う場合、あるいは後述の差動変圧器原理に従う場合、すべての1次コイルが同相(1相)の交流信号で励磁される。
【0015】
ケース1内に収納された磁気応答部材3は、各検出コイル部2X,2Yにおけるそれぞれの各2次コイルに対する近接位置関係に応じて、該2次コイルと対応する1次コイルとの間の磁気結合(すなわち電磁誘導結合)を変化させる。その近接位置関係に応じた出力信号が各検出コイル部2X,2Yからそれぞれ出力される。従って、各検出コイル部2X,2Yの出力に基づき、磁気応答部材3の相対的位置に応じたX軸成分位置検出信号とY軸成分位置検出信号とを得ることができる。なお、磁気応答部材3としての鋼球3aのサイズ(直径)は、各2次コイルの配置間隔と同様に、レゾルバタイプの位置検出原理に従って適切に設計してよい。例えば図示の例では、磁気応答部材3すなわち鋼球3aは、隣合う2つの2次コイル21,22の配置範囲にほぼ対応する直径を有するように描かれているが、これに限らず、直径寸法の適量の減少又は増加が設計上可能である。
【0016】
レゾルバタイプの位置検出原理について、第1の検出コイル部2Xを例にして説明すると、鋼球3aの各2次コイル21〜24に対する対応位置が変化することにより、1次コイルと各2次コイル21〜24間の磁気結合が該X軸成分位置に応じて変化され、これにより、該X軸成分位置に応じて振幅変調された誘導出力交流信号が、各2次コイル21〜24の配置のずれに応じて異なる振幅関数特性で、各2次コイル21〜24に誘起される。各2次コイル21〜24に誘起される各誘導出力交流信号は、1次コイルが1相の交流信号によって共通に励磁されるが故に、その電気的位相が同相であり、その振幅関数が鋼球3aの各2次コイルに対する接近または遠ざかりに従ってそれぞれ変化する。
【0017】
レゾルバ原理を採用する場合は、検出コイル部2Xにおける4つの2次コイル21〜24に生じる誘導出力交流信号の振幅関数が、サイン関数(図でsを付記する)、コサイン関数(図でcを付記する)、マイナス・サイン関数(図で/s(sバー)を付記する)、マイナス・コサイン関数(図で/c(cバー)を付記する)、にそれぞれ相当するものとなるように、各2次コイル21〜24の配置間隔と磁気応答部材3(すなわち鋼球3a)のサイズを、設定する。種々の条件によって、各コイルの配置は微妙に変わり得るし、磁気応答部材3(鋼球3a)のサイズも変わりうるので、希望の関数特性が得られるように各コイル配置を適宜調整したり、あるいは2次出力レベルを電気的増幅によって調整することにより、希望の振幅関数特性が最終的に得られるようにすることができる。従って、各2次コイル21〜24の配置と磁気応答部材3(鋼球3a)のサイズは重要ではあるが、絶対的精度を要求されるわけではなく、設計上適宜に設定若しくは変更できる。
第2の検出コイル部2Yについても同様であり、4つの2次コイル25〜28に生じる誘導出力交流信号の振幅関数が、サイン関数(s)、コサイン関数(c)、マイナス・サイン関数(/s)、マイナス・コサイン関数(/c)、にそれぞれ相当するものとなるように、配置されている。
なお、明細書中では、表記の都合上、反転を示すバー記号は「/(スラッシュ)」で記載するが、これは、図中のバー記号に対応している。
【0018】
図2は、第1の検出コイル部2Xにおける1次及び2次コイルの回路図であり、1次コイルには共通の励磁交流信号(説明の便宜上、sinωtで示す)が印加される。この1次コイルの励磁に応じて、鋼球3aのX軸成分位置に応じた振幅値を持つ交流信号が各2次コイル21〜24に誘導される。夫々の誘導電圧レベルは該X軸成分位置に対応して2相の関数特性sinθ,cosθ及びその逆相の関数特性−sinθ,−cosθを示す。すなわち、各2次コイル21〜24の誘導出力信号は、該X軸成分位置に対応して2相の関数特性sinθ,cosθ及びその逆相の関数特性−sinθ,−cosθで振幅変調された状態で夫々出力される。なお、θは該X軸成分位置に比例しており、例えば、θ=2π(x/p)のような関係である。ここで、xはX軸成分位置、pは上記関数の1周期に相当する長さである。説明の便宜上、コイルの巻数等、その他の条件に従う係数は省略し、2次コイル21をサイン相として、その出力信号を「sinθ・sinωt」で示し、2次コイル22をコサイン相として、その出力信号を「cosθ・sinωt」で示す。また、2次コイル23をマイナス・サイン相として、その出力信号を「−sinθ・sinωt」で示し、2次コイル24をマイナス・コサイン相として、その出力信号を「−cosθ・sinωt」で示す。サイン相とマイナス・サイン相の誘導出力を差動的に合成することによりサイン関数の振幅関数を持つ第1の出力交流信号A(=2sinθ・sinωt)が得られる。また、コサイン相とマイナス・コサイン相の誘導出力を差動的に合成することによりコサイン関数の振幅関数を持つ第2の出力交流信号B(=2cosθ・sinωt)が得られる。なお、表現の簡略化のために、係数「2」を省略して、以下では、第1の出力交流信号Aを「sinθ・sinωt」で表わし、第2の出力交流信号Bを「cosθ・sinωt」で表わす。
【0019】
こうして、X軸成分位置xに対応する第1の関数値sinθを振幅値として持つ第1の出力交流信号A=sinθ・sinωtと、同じX軸成分位置xに対応する第2の関数値cosθを振幅値として持つ第2の出力交流信号B=cosθ・sinωtとが出力される。このような巻線構成によれば、回転型位置検出装置として従来知られたレゾルバにおいて得られるのと同様の、同相交流であって2相の振幅関数を持つ2つの出力交流信号A,B(サイン出力とコサイン出力)を第1の検出コイル部2Xにおいて得ることができることが理解できる。
この第1の検出コイル部2Xから出力される2相の出力交流信号(A=sinθ・sinωtとB=cosθ・sinωt)は、従来知られたレゾルバの出力と同様の使い方をすることができる。例えば、図2に示すように、検出コイル部2Xの出力交流信号A,Bを適切なディジタル位相検出回路40に入力し、前記サイン関数sinθとコサイン関数cosθの位相値θをディジタル位相検出方式によって検出し、X軸成分位置xのディジタルデータDxを得るようにすることができる。ディジタル位相検出回路40で採用するディジタル位相検出方式としては、公知のR−D(レゾルバ−ディジタル)コンバータを適用してもよいし、本発明者らによって開発済の新方式を採用してもよい。
【0020】
第2の検出コイル部2Yについても、図2と同様に1次及び2次コイル回路を構成し、Y軸成分位置を示すレゾルバタイプの2相出力交流信号を出力するようにすることができる。そして、上記と同様に、ディジタル位相検出方式を採用することにより、Y軸成分位置を示すディジタルデータDyを得るようにすることができる。こうして、第1の検出コイル部2Xと第2の検出コイル部2Yからそれぞれ得られるX軸成分位置とY軸成分位置のデータDx,Dyの組合せにより、ケース1に対して外部から加えられた運動の変位量を全方向について検知する(ただし垂直方向は除く)データを得ることができる。
【0021】
コイル部2のコイル配置は、上記例に限らず、適宜に変形可能である。
例えば、図3(a)は、第1及び第2の検出コイル部2X,2Yの各極毎の2次コイル21’〜24’及び25’〜28’を扇状に配置した例を示す。ダッシュ符号を付した各2次コイル21’〜24’及び25’〜28’は、図1(c)におけるダッシュ符号を付していない同一符号の2次コイル21〜24及び25〜28に対応しており、同様の技術的意義を持っている。図1(c)の配置と異なる点は、各2次コイル21’〜24’及び25’〜28’が図示のような扇状の配置からなっている点である。このような各極の扇状の配置は、例えば2次コイル21’の極(第1の検出コイル部2Xのサイン極)について示すと、図3(b)に示すように1つの2次コイルを所定の扇状に巻回して構成してもよいし、図3(c)に示すように複数の2次コイルを所定の扇状に並べて構成してもよい。図3(c)のように複数の2次コイルによって1つの極を構成する場合は、前述と同様に、これらの同相の2次コイルを直列接続して当該極についての1つの出力信号を生じるようにする。
図4は、第1及び第2の検出コイル部2X,2Yの各極毎の2次コイル21'’〜24'’及び25'’〜28'’を半円状に配置し、第1及び第2の検出コイル部2X,2Yを2層に積み重ねた例を示す。
【0022】
また、コイル部2における1次及び2次コイルの数並びに相数(又は極数)も図示のものに限らず、公知の誘導型位置検出装置の構成に準じて適宜に設計変更可能である。例えば、サイン相とコサイン相のレゾルバタイプ出力を生じる構成に限らず、120度づつ位相のずれた3相のシンクロタイプ出力を生じるような構成、あるいはその田適宜の構成であってよい。
なお、コイル部2のコイル配置は、ケース1の下面に限らず、全面にわたって設けるようにしてもよい。その場合、例えば、球体のケース1の1つの半球を上記のような1組の第1及び第2の検出コイル部2X,2Yによって分担し、もう1つの半球を上記のような別の1組の第1及び第2の検出コイル部2X,2Yによって分担する、というような配置が可能である。勿論、その他の配置も適宜設計上可能である。そのように、完全な球からなるケース1の全面にわたって適宜の配置でコイル部2を設けるようにすれば、ケース1をコロコロと1回転以上転動させるような使い方の場合でも、全回転にわたって検出出力を得ることができる。これに対して、図示の各例に示すようにケース1の下面に対応してコイル部2を配置した場合は、磁気応答部材3(鋼球3a)がコイル部2に対応する範囲から外れると検出不能になるので、検出可能範囲が限られてくる。その場合は、ケース1を所定範囲内で揺動させるような運動の検出あるいは傾斜の検出に、本発明の球体状センサを使用することができる。
【0023】
また、ケース1の形状は、完全な球体に限らず、図5に示すような半球体形状又はその他の部分球体形状であってもよい。勿論、半球体形状等のケース1においては適宜の蓋でカバーするものとする。ケース1の形状は、その他、楕円球体若しくは部分的に曲面を有する形状等であってよい。
【0024】
また、磁気応答部材3の形状は、上記実施例のような球体3aに限らず、図6(a)に示すような部分球(又は部分円)3bであってもよい。また、その材質も、鉄等の磁性体に限らず、銅のような良導電体であってもよい。良導電体を磁気応答部材3として使用した場合は渦電流損によって磁気抵抗変化が得られ、1次及び2次コイル間の結合係数が変化されることは既に知られている。また、磁性体と良導電体の組合せによって、相補的に磁気結合係数の変化率を高めて検出感度を向上させることも知られているので、これを採用してもよい。
また、磁気応答部材3としては、固定形状の物体に限らず、非固定形状の物体(流体又は粉体)であってもよい。図6(b)は、磁気応答部材3として適量の磁性流体3cを収納した例を示す。図6(c)は、磁気応答部材3として適量の磁性粉体3dを収納した例を示す。この場合、細かな粉体3dに限らず、砂鉄のような粒体であってもよい。図6(d)は、磁気応答部材3として、鋼球3aと適量の磁性流体3c(又は粉体又は粒体)の組み合わせを使用する例を示す。図6(d)のようなハイブリッドタイプは、検出出力信号のS/N比を向上させることができると共に、出力信号変化を滑らかにすることができる。別の例として、ケース1内を非磁性の粘性流体で満たし、その中に鋼球2aを収納して、急激な動きに対して緩衝作用をもたせるようにしてもよい。
【0025】
本発明の球体状センサに対する外力の与え方は、使用目的に応じて、任意に設定してよい。図7はいくつかの使用例を略示するもので、(a)は、テーブル等の任意の水平面11の上に、この球体状センサを、ケース1の下面(つまりコイル部2を配置した面)を下にして、置く。この場合、人の手等によってケース1に対して直接外力を加えて、該ケース1を転動又は揺動させる。これによって、人の手による操作量を検知するための新規な装置として、本発明の球体状センサを利用することができる。(b)は、この球体状センサを振り子状に吊るして、振動検知等の目的で応用するようにした例を示す。(c)は、この球体状センサを対象物12に固定して設置し、該対象物12の傾きに応じてケース1が傾くことに基づき、傾斜検知の目的で応用するようにした例を示す。また、一瞬の振動又は傾斜の振れ幅は、加速度に対応しているので、対象物12として車両等に搭載して傾斜計及び/又は加速度計としても応用できる。
【0026】
ケース1が図1のような全球型からなるもの、あるいは図5のような半球(又は部分球)型からなるもの、などいずれのタイプのものを使用する場合でも、上記実施例に示したような第1及び第2の検出コイル部2X,2Yを設けて2方向位置検出可能とすれば、球体状マウスとして使用することができる。すなわち、ケース1をテーブル上に置いて、手で任意の方向に転動させる。これに応じて第1及び第2の検出コイル部2X,2YからX軸位置成分及びY軸位置成分の移動量に対応する出力信号が夫々得られ、この出力信号を前述のディジタル位相検出回路40で処理することにより、X軸位置成分及びY軸位置成分の位置データDx,Dyが得られる。この位置データDx,Dyは複数ビットのアブソリュート値であるため、これを例えば図8に示すような変位検出/インクリメンタルパルス形成回路81,82で処理し、一定の変位毎にインクリメンタルパルスPx,Pyを発生するようにすればよい。このインクリメンタルパルスPx,Pyを、カーソルのX,Y移動を指示する信号として使用する。時間的に変化するアブソリュート位置データの入力に基づきインクリメンタルパルスを形成する回路は公知であるため、各回路81,82の詳細は省略する。
【0027】
図9は、ディジタル位相検出回路40として、公知のR−D(レゾルバ−ディジタル)コンバータを適用した例を示す。コイル部2の2次コイル21〜24から出力されるレゾルバタイプの2相の出力交流信号A=sinθ・sinωtとB=cosθ・sinωtが、それぞれアナログ乗算器30,31に入力される。順次位相発生回路32では位相角φのディジタルデータを発生し、サイン・コサイン発生回路33から該位相角φに対応するサイン値sinφとコサイン値cosφのアナログ信号を発生する。乗算器30では、サイン相の出力交流信号A=sinθ・sinωtに対してサイン・コサイン発生回路33からのコサイン値cosφを乗算し、「cosφ・sinθ・sinωt」を得る。もう一方の乗算器31では、コサイン相の出力交流信号B=cosθ・sinωtに対してサイン・コサイン発生回路33からのサイン値sinφを乗算し、「sinφ・cosθ・sinωt」を得る。引算器34で、両乗算器30,31の出力信号の差を求め、この引算器34の出力によって順次位相発生回路32の位相発生動作を次のように制御する。すなわち、順次位相発生回路32の発生位相角φを最初は0にリセットし、以後順次増加していき、引算器34の出力が0になったとき増加を停止する。引算器34の出力が0になるのは、「cosφ・sinθ・sinωt」=「sinφ・cosθ・sinωt」が成立したときであり、すなわち、φ=θが成立し、順次位相発生回路32から位相角φのディジタルデータが出力交流信号A,Bの振幅関数の位相角θのディジタル値に一致している。従って、任意のタイミングで周期的にリセットトリガを与えて順次位相発生回路32の発生位相角φを0にリセットして、該位相角φのインクリメントを開始し、引算器34の出力が0になったとき、該インクリメントを停止し、位相角θのディジタルデータを得る。
なお、順次位相発生回路32をアップダウンカウンタ及びVCOを含んで構成し、引算器34の出力によってVCOを駆動してアップダウンカウンタのアップ/ダウンカウント動作を制御するようにすることが知られており、その場合は、周期的なリセットトリガは不要である。
【0028】
温度変化等によってコイル部2の1次及び2次コイルのインピーダンスが変化することにより2次出力交流信号における電気的交流位相ωtに誤差が生じるが、上記のような位相検出回路においては、sinωtの位相誤差は自動的に相殺されるので、好都合である。これに対して、従来知られた2相交流信号(例えばsinωtとcosωt)で励磁することにより1相の出力交流信号に電気的位相シフトが生じるようにした方式では、そのような温度変化等に基づく出力位相誤差を除去することができない。
ところで、上記のような従来のR−Dコンバータからなる位相検出回路は、追従比較方式であるため、φを追従カウントするときのクロック遅れが生じ、応答性が悪い、という問題がある。
そこで、本発明者等は、以下に述べるような新規な位相検出回路を開発したので、これを使用すると好都合である。
【0029】
図10は、本発明に係る球体状センサにおける1軸分の検出コイル部2X(又は2Y)に適用可能な新規なディジタル位相検出回路40の一実施形態を示している。
図10において、検出回路部41では、カウンタ42で所定の高速クロックパルスCKをカウントし、そのカウント値に基づき励磁信号発生回路43から励磁用の交流信号(例えばsinωt)を発生し、コイル部2の1次コイルに与える。カウンタ42のモジュロ数は、励磁用の交流信号の1周期に対応しており、説明の便宜上、そのカウント値の0は、基準のサイン信号sinωtの0位相に対応しているものとする。コイル部2の2次コイル21〜24から出力される2相の出力交流信号A=sinθ・sinωtとB=cosθ・sinωtは、検出回路部41に入力される。
【0030】
検出回路部41において、第1の交流出力信号A=sinθ・sinωtが位相シフト回路44に入力され、その電気的位相が所定量位相シフトされ、例えば90度進められて、位相シフトされた交流信号A’=sinθ・cosωtが得られる。また、検出回路部41においては加算回路45と減算回路46とが設けられており、加算回路45では、位相シフト回路44から出力される上記位相シフトされた交流信号A’=sinθ・cosωtとコイル部10の2次コイル21〜24から出力され第2の交流出力信号B=cosθ・sinωtとが加算され、その加算出力として、B+A’=cosθ・sinωt+sinθ・cosωt=sin(ωt+θ)なる略式で表わせる第1の電気的交流信号Y1が得られる。減算回路46では、上記位相シフトされた交流信号A’=sinθ・cosωtと上記第2の交流出力信号B=cosθ・sinωtとが減算され、その減算出力として、B−A’=cosθ・sinωt−sinθ・cosωt=sin(ωt−θ)なる略式で表わせる第2の電気的交流信号Y2が得られる。このようにして、検出対象位置(x)に対応して正方向にシフトされた電気的位相角(+θ)を持つ第1の電気的交流信号Y1=sin(ωt+θ)と、同じ前記検出対象位置(x)に対応して負方向にシフトされた電気的位相角(−θ)を持つ第2の電気的交流信号Y2=sin(ωt−θ)とが、電気的処理によって夫々得られる。
【0031】
加算回路45及び減算回路46の出力信号Y1,Y2は、夫々ゼロクロス検出回路47,48に入力され、それぞれのゼロクロスが検出される。ゼロクロスの検出の仕方としては、例えば、各信号Y1,Y2の振幅値が負から正に変化するゼロクロスつまり0位相を検出する。各回路47,48で検出したゼロクロス検出パルスつまり0位相検出パルスは、ラッチパルスLP1,LP2として、ラッチ回路49,50に入力される。ラッチ回路49,50では、カウンタ42のカウント値を夫々のラッチパルスLP1,LP2のタイミングでラッチする。前述のように、カウンタ42のモジュロ数は励磁用の交流信号の1周期に対応しており、そのカウント値の0は基準のサイン信号sinωtの0位相に対応しているものとしたので、各ラッチ回路49,50にラッチしたデータD1,D2は、それぞれ、基準のサイン信号sinωtに対する各出力信号Y1,Y2の位相ずれに対応している。各ラッチ回路49,50の出力は誤差計算回路51に入力されて、「(D1+D2)/2」の計算が行なわれる。なお、この計算は、実際は、「D1+D2」のバイナリデータの加算結果を1ビット下位にシフトすることで行われるようになっていてよい。
【0032】
ここで、コイル部2と検出回路部41間の配線ケーブル長の長短による影響や、コイル部2の各1次及び2次コイルにおいて温度変化等によるインピーダンス変化が生じていることを考慮して、その出力信号の位相変動誤差を「±d」で示すと、検出回路部41における上記各信号は次のように表わされる。
A=sinθ・sin(ωt±d)
A’=sinθ・cos(ωt±d)
B=cosθ・sin(ωt±d)
Y1=sin(ωt±d+θ)
Y2=sin(ωt±d−θ)
D1=±d+θ
D2=±d−θ
【0033】
すなわち、各位相ずれ測定データD1,D2は、基準のサイン信号sinωtを基準位相に使用して位相ずれカウントを行なうので、上記のように位相変動誤差「±d」を含む値が得られてしまう。そこで、誤差計算回路51において、「(D1+D2)/2」の計算を行なうことにより、
により、位相変動誤差「±d」を算出することができる。
【0034】
誤差計算回路51で求められた位相変動誤差「±d」のデータは、減算回路52に与えられ、一方の位相ずれ測定データD1から減算される。すなわち、減算回路52では、「D1−(±d)」の減算が行なわれるので、
D1−(±d)=±d+θ−(±d)=θ
となり、位相変動誤差「±d」を除去した正しい検出位相差θを示すディジタルデータが得られる。このように、本発明によれば、位相変動誤差「±d」が相殺されて、検出対象位置xに対応する正しい位相差θのみが抽出されることが理解できる。
【0035】
この点を図11を用いて更に説明する。図11においては、位相測定の基準となるサイン信号sinωtと前記第1及び第2の交流信号Y1,Y2の0位相付近の波形を示しており、同図(a)は位相変動誤差がプラス(+d)の場合、(b)はマイナスの場合(−d)を示す。同図(a)の場合、基準のサイン信号sinωtの0位相に対して第1の信号Y1の0位相は「θ+d」だけ進んでおり、これに対応する位相差検出データD1は「θ+d」に相当する位相差を示す。また、基準のサイン信号sinωtの0位相に対して第2の信号Y2の0位相は「−θ+d」だけ遅れており、これに対応する位相差検出データD2は「−θ+d」に相当する位相差を示す。この場合、誤差計算回路51では、
により、位相変動誤差「+d」を算出する。そして、減算回路52により、
D1−(+d)=+d+θ−(+d)=θ
が計算され、正しい位相差θが抽出される。
【0036】
図11(b)の場合、基準のサイン信号sinωtの0位相に対して第1の信号Y1の0位相は「θ−d」だけ進んでおり、これに対応する位相差検出データD1は「θ−d」に相当する位相差を示す。また、基準のサイン信号sinωtの0位相に対して第2の信号Y2の0位相は「−θ−d」だけ遅れており、これに対応する位相差検出データD2は「−θ−d」に相当する位相差を示す。この場合、誤差計算回路51では、
により、位相変動誤差「−d」を算出する。そして、減算回路52により、
D1−(−d)=−d+θ−(−d)=θ
が計算され、正しい位相差θが抽出される。
なお、減算回路52では。「D2−(±d)」の減算を行なうようにしてもよく、原理的には上記と同様に正しい位相差θを反映するデータ(−θ)が得られることが理解できるであろう。
【0037】
また、図11からも理解できるように、第1の信号Y1と第2の信号Y2との間の電気的位相差は2θであり、常に、両者における位相変動誤差「±d」を相殺した正確な位相差θの2倍値を示していることになる。従って、図10におけるラッチ回路49,50及び誤差計算回路51及び減算回路52等を含む回路部分の構成を、信号Y1,Y2の電気的位相差2θをダイレクトに求めるための構成に適宜変更するようにしてもよい。例えば、ゼロクロス検出回路47から出力される第1の信号Y1の0位相に対応するパルスLP1の発生時点から、ゼロクロス検出回路48から出力される第2の信号Y2の0位相に対応するパルスLP2の発生時点までの間を適宜の手段でゲートし、このゲート期間をカウントすることにより、位相変動誤差「±d」を相殺した、電気的位相差(2θ)に対応するディジタルデータを得ることができ、これを1ビット下位にシフトすれば、θに対応するデータが得られる。
【0038】
ところで、上記実施例では、+θをラッチするためのラッチ回路49と、−θをラッチするためのラッチ回路50とでは、同じカウンタ42の出力をラッチするようにしており、ラッチしたデータの正負符号については特に言及していない。しかし、データの正負符号については、本発明の趣旨に沿うように、適宜の設計的処理を施せばよい。例えば、カウンタ42のモジュロ数が4096(10進数表示)であるとすると、そのディジタルカウント0〜4095を0度〜360度の位相角度に対応させて適宜に演算処理を行なうようにすればよい。最も単純な設計例は、カウンタ42のカウント出力の最上位ビットを符号ビットとし、ディジタルカウント0〜2047を+0度〜+180度に対応させ、ディジタルカウント2048〜4095を−180度〜−0度に対応させて、演算処理を行なうようにしてもよい。あるいは、別の例として、ラッチ回路50の入力データ又は出力データを2の補数に変換することにより、ディジタルカウント4095〜0を−360度〜−0度の負の角度データ表現に対応させるようにしてもよい。
【0039】
ところで、ケース1が静止状態のときは特に問題ないのであるが、時間的に変化するときは、それに対応する位相角θも時間的に変動することになる。その場合、加算回路45及び減算回路46の各出力信号Y1,Y2の位相ずれ量θが一定値ではなく、移動速度に対応して時間的に変化する動特性を示すものとなり、これをθ(t)で示すと、各出力信号Y1,Y2は、
Y1=sin{ωt±d+θ(t)}
Y2=sin{ωt±d−θ(t)}
となる。すなわち、基準信号sinωtの周波数に対して、進相の出力信号Y1は+θ(t)に応じて周波数が高くなる方向に周波数遷移し、遅相の出力信号Y2は−θ(t)に応じて周波数が低くなる方向に周波数遷移する。このような動特性の下においては、基準信号sinωtの1周期毎に各信号Y1,Y2の周期が互いに逆方向に次々に遷移していくので、各ラッチ回路49,50における各ラッチデータD1,D2の計測時間基準が異なってくることになり、両データD1,D2を単純に回路51,52で演算するだけでは、正確な位相変動誤差「±d」を得ることができない。
【0040】
検出対象が時間的に変化している最中であっても時々刻々の該検出対象の位置に対応する位相差θを正確に検出できるようにすることが望ましい。そこで、上記のような問題点を解決するために、検出対象位置が時間的に変化している最中であっても時々刻々の該検出対象位置に対応する位相差θを検出できるようにした改善策について図12を参照して説明する。
【0041】
図12は、図10の検出回路部41における誤差計算回路51と減算回路52の部分の変更例を抽出して示しており、他の図示していない部分の構成は図10と同様であってよい。検出対象位置が時間的に変化している場合における該位置に対応する位相差θを、+θ(t)および−θ(t)で表わすと、各出力信号Y1,Y2は前記のように表わせる。そして、夫々に対応してラッチ回路49,50で得られる位相ずれ測定値データD1,D2は、
D1=±d+θ(t)
D2=±d−θ(t)
となる。
この場合、±d+θ(t) は、θの時間的変化に応じて、プラス方向に0度から360度の範囲で繰り返し時間的に変化してゆく。また、±d−θ(t) は、θの時間的変化に応じて、マイナス方向に360度から0度の範囲で繰り返し時間的に変化してゆく。従って、±d+θ(t) ≠ ±d−θ(t) のときもあるが、両者の変化が交差するときもあり、そのときは±d+θ(t) = ±d−θ(t) が成立する。このように、±d+θ(t) = ±d−θ(t) が成立するときは、各出力信号Y1,Y2の電気的位相が一致しており、かつ、夫々のゼロクロス検出タイミングに対応するラッチパルスLP1,LP2の発生タイミングが一致していることになる。
【0042】
図12において、一致検出回路53は、各出力信号Y1,Y2ののゼロクロス検出タイミングに対応するラッチパルスLP1,LP2の発生タイミングが、一致したことを検出し、この検出に応答して一致検出パルスEQPを発生する。一方、時変動判定回路54では、適宜の手段により(例えば一方の位相差測定データD1の値の時間的変化の有無を検出する等の手段により)、検出対象傾斜角θが時間的に変化するモードであることを判定し、この判定に応じて時変動モード信号TMを出力する。
誤差計算回路51と減算回路52との間にセレクタ55が設けられており、上記時変動モード信号TMが発生されていないとき、つまりTM=“0”すなわち検出対象傾斜角θが時間的に変化していないとき、セレクタ入力Bに加わる誤差計算回路51の出力を選択して減算回路52に入力する。このようにセレクタ55の入力Bが選択されているときの図12の回路は、図10の回路と等価的に動作する。すなわち、検出対象直線位置xが静止しているときは、誤差計算回路51の出力データがセレクタ55の入力Bを介して減算回路52に直接的に与えられ、図10の回路と同様に動作する。
【0043】
一方、上記時変動モード信号TMが発生されているとき、つまりTM=“1”すなわち検出対象位置が時間的に変化しているときは、セレクタ55の入力Aに加わるラッチ回路56の出力を選択して減算回路52に入力する。上記時変動モード信号TMが“1”で、かつ前記一致検出パルスEQPが発生されたとき、アンドゲート57の条件が成立して、該一致検出パルスEQPに応答するパルスがアンドゲート57から出力され、ラッチ回路56に対してラッチ命令を与える。ラッチ回路56は、このラッチ命令に応じてカウンタ42の出力カウントデータをラッチする。ここで、一致検出パルスEQPが生じるときは、カウンタ42の出力をラッチ回路49,50に同時にラッチすることになるので、D1=D2であり、ラッチ回路56にラッチするデータは、D1又はD2(ただしD1=D2)に相当している。
【0044】
また、一致検出パルスEQPは、各出力信号Y1,Y2のゼロクロス検出タイミングが一致したとき、すなわち「±d+θ(t) = ±d−θ(t)」が成立したとき、発生されるので、これに応答してラッチ回路56にラッチされるデータは、D1又はD2(ただしD1=D2)に相当しているが故に、
(D1+D2)/2
と等価である。このことは、
であることを意味し、ラッチ回路56にラッチされたデータは、位相変動誤差「±d」を正確に示しているものであることを意味する。
【0045】
こうして、検出対象位置が時間的に変動しているときは、位相変動誤差「±d」を正確に示すデータが一致検出パルスEQPに応じてラッチ回路56にラッチされ、このラッチ回路56の出力データがセレクタ55の入力Aを介して減算回路52に与えられる。従って、減算回路52では、位相変動誤差「±d」を除去した検出対象位置のみに正確に応答するデータθ(時間的に変動する場合はθ(t) )を得ることができる。
なお、図12において、アンドゲート57を省略して、一致検出パルスEQPを直接的にラッチ回路56のラッチ制御入力に与えるようにしてもよい。
また、ラッチ回路56には、カウンタ42の出力カウントデータに限らず、図11で破線で示すように誤差計算回路51の出力データ「±d」をラッチするようにしてもよい。その場合は、一致検出パルスEQPの発生タイミングに対して、それに対応する誤差計算回路51の出力データの出力タイミングが、ラッチ回路49,50及び誤差計算回路51の回路動作遅れの故に、幾分遅れるので、適宜の時間遅れ調整を行なった上で、誤差計算回路51の出力をラッチ回路56にラッチするようにするとよい。
また、動特性のみを考慮して検出回路部41を構成する場合は、図12の回路51及びセレクタ55と図1の一方のラッチ回路49又は50を省略してもよいことが、理解できるであろう。
【0046】
図13は、位相変動誤差「±d」を相殺することができる位相差検出演算法についての別の実施例を示す。
コイル部2の2次コイル21〜24から出力されるレゾルバタイプの前記第1及び第2の交流出力信号A,Bは、検出回路部60に入力され、図10の例と同様に、第1の交流出力信号A=sinθ・sinωtが位相シフト回路44に入力され、その電気的位相が所定量位相シフトされて、位相シフトされた交流信号A’=sinθ・cosωtが得られる。また、減算回路46では、上記位相シフトされた交流信号A’=sinθ・cosωtと上記第2の交流出力信号B=cosθ・sinωtとが減算され、その減算出力として、B−A’=cosθ・sinωt−sinθ・cosωt=sin(ωt−θ)なる略式で表わせる電気的交流信号Y2が得られる。減算回路46の出力信号Y2はゼロクロス検出回路48に入力され、ゼロクロス検出に応じてラッチパルスLP2が出力され、ラッチ回路50に入力される。
【0047】
図13の実施例が図10の実施例と異なる点は、検出対象位置に対応する電気的位相ずれを含む交流信号Y2=sin(ωt−θ)から、その位相ずれ量θを測定する際の基準位相が相違している点である。図10の例では、位相ずれ量θを測定する際の基準位相は、基準のサイン信号sinωtの0位相であり、これは、コイル部2に入力されるものではないので、温度変化等によるコイルインピーダンス変化やその他の各種要因に基づく位相変動誤差「±d」を含んでいないものである。そのために、図10の例では、2つの交流信号Y1=sin(ωt+θ)及びY2=sin(ωt−θ)を形成し、その電気的位相差を求めることにより、位相変動誤差「±d」を相殺するようにしている。これに対して、図13の実施例では、コイル部2から出力される第1及び第2の交流出力信号A,Bを基にして、位相ずれ量θを測定する際の基準位相を形成し、該基準位相そのものが上記位相変動誤差「±d」を含むようにすることにより、上記位相変動誤差「±d」を排除するようにしている。
【0048】
すなわち、検出回路部60において、コイル部2から出力された前記第1及び第2の交流出力信号A,Bがゼロクロス検出回路61,62に夫々入力され、それぞれのゼロクロスが検出される。なお、ゼロクロス検出回路61,62は、入力信号A,Bの振幅値が負から正に変化するゼロクロス(いわば0位相)と正から負に変化するゼロクロス(いわば180度位相)のどちらにでも応答してゼロクロス検出パルスを出力するものとする。これは信号A,Bの振幅の正負極性を決定するsinθとcosθがθの値に応じて任意に正又は負となるため、両者の合成に基づき360度毎のゼロクロスを検出するためには、まず180度毎のゼロクロスを検出する必要があるためである。両ゼロクロス検出回路61,62から出力されるゼロクロス検出パルスがオア回路63でオア合成され、該オア回路63の出力が適宜の1/2分周パルス回路64(例えばT−フリップフロップのような1/2分周回路とパルス出力用アンドゲートを含む)に入力されて、1つおきに該ゼロクロス検出パルスが取り出され、360度毎のゼロクロスすなわち0位相のみに対応するゼロクロス検出パルスが基準位相信号パルスRPとして出力される。この基準位相信号パルスRPは、カウンタ65のリセット入力に与えられる。カウンタ65は所定のクロックパルスCKを絶えずカウントするものであるが、そのカウント値が、前記基準位相信号パルスRPに応じて繰返し0にリセットされる。このカウンタ65の出力がラッチ回路50に入力され、前記ラッチパルスLP2の発生タイミングで、該カウント値が該ラッチ回路50にラッチされる。ラッチ回路50にラッチしたデータDが、検出対象位置xに対応した位相差θの測定データとして出力される。
【0049】
コイル部2から出力される第1及び第2の交流出力信号A,Bは、それぞれ、A=sinθ・sinωt、B=cosθ・sinωt、であり、電気的位相は同相である。従って、同じタイミングでゼロクロスが検出されるはずであるが、振幅係数がサイン関数sinθ及びコサイン関数cosθで変動するので、どちらかの振幅レベルが0か又は0に近くなる場合があり、そのような場合は、一方については、事実上、ゼロクロスを検出することができない。そこで、この実施例では、2つの交流出力信号A=sinθ・sinωt、B=cosθ・sinωtのそれぞれについてゼロクロス検出処理を行ない、両者のゼロクロス検出出力をオア合成することにより、どちらか一方が振幅レベル小によってゼロクロス検出不能であっても、他方の振幅レベル大の方のゼロクロス検出出力信号を利用できるようにしたことを特徴としている。
【0050】
図13の例の場合、コイル部2のコイルインピーダンス変化等による位相変動誤差が、例えば「−d」であるとすると、減算回路46から出力される交流信号Y2は、図14の(a)に示すように、Y2=sin(ωt−d−θ)となる。この場合、コイル部2の出力信号A,Bは、θに応じた振幅値sinθ及びcosθを夫々持ち、図14の(b)に例示するように、A=sinθ・sin(ωt−d)、B=cosθ・sin(ωt−d)、というように位相変動誤差分を含んでいる。従って、このゼロクロス検出に基づいて図14の(c)のようなタイミングで得られる基準位相信号パルスRPは、本来の基準のサイン信号sinωtの0位相から位相変動誤差−dだけずれたものである。従って、この基準位相信号パルスRPを基準として、減算回路46の出力交流信号Y2=sin(ωt−d−θ)の位相ずれ量を測定すれば、位相変動誤差−dを除去した正確な値θが得られることになる。
【0051】
なお、コイル部2の配線長等の装置条件が定まると、そのインピーダンス変化は主に温度に依存することになる。そうすると、上記位相変動誤差±dは、この球体状センサが配備された周辺環境の温度を示すデータに相当する。従って、図10の実施例のような位相変動誤差±dを演算する回路51を有するものにおいては、そこで求めた位相変動誤差±dのデータを温度検出データとして適宜出力することができる。従って、そのような本発明の構成によれば、1つの球体状センサによって位置を検出することができるのみならず、該センサの周辺環境の温度を示すデータをも得ることができる、という優れた効果を有するものである。勿論、温度変化等によるセンサ側のインピーダンス変化や配線ケーブル長の長短の影響を受けることなく、検出対象位置に応答した高精度の検出が可能となる、という優れた効果をも奏するものである。また、図10や図13の例は、交流信号における位相差を測定する方式であるため、図9のような検出法に比べて、高速応答性にも優れた検出を行なうことができる、という優れた効果を奏する。
【0052】
上記のようなディジタル位相検出回路40は、各検出コイル部2X,2Y毎に設けられ、夫々の出力信号に対応するX軸成分位置データDx及びY軸成分位置データDyを生成するようにする。その場合、ディジタル位相検出回路40の共通のハードウェア装置を、複数の検出コイル部2X,2Y毎の位相差データθの算出のために時分割共用するようにするとよい。
なお、各検出コイル部2X,2Yの出力信号に含まれる位相成分θの測定は、上述のようなディジタルアブソリュート値の演算によるものに限らず、その他の設計変更が可能である。例えば、位相成分θに対応するアナログ信号(電圧又は電流)を出力するようにしてもよい。また、図8のように、位相成分θの増加(変位)に応じてインクリメンタルパルスPx,Pyを発生するようにしてもよい。また、位相値θを周波数変換して、該位相値θに対応する周波数のクロックパルスを繰り返し発生するようにしてもよい。あるいは、位相成分θを求める演算を行わずに、出力信号A又はBの振幅値sinθ又はcosθをそのまま位置検出情報として使用してもよい。あるいは、該出力信号A又はBの振幅値sinθ又はcosθを、電圧−周波数変換して、該振幅値sinθ又はcosθに対応する周波数のクロックパルスを繰り返し発生するようにしてもよい。要するに、本発明の球体センサの出力信号の処理の仕方は、ティジタル/アナログを問わず、どのようなものであってもよい。
【0053】
なお、上記各実施例において、コイル部2と磁気応答部材3による検出原理を、公知の位相シフトタイプ位置検出原理によって構成してもよい。例えば、図2に示されたコイル部において、1次コイルと2次コイルの関係を逆にして、サイン相のコイル21とマイナス・サイン相のコイル23を互いに逆相のサイン信号sinωt,−sinωtによって励磁し、コサイン相のコイル22とマイナス・コサイン相のコイル24を互いに逆相のコサイン信号cosωt,−cosωtによって励磁し、出力用コイルから検出対象傾斜θに応じた電気的位相シフトθを含む出力信号sin(ωt−θ)を得るようにしてもよい。
あるいは、コイル部2と磁気応答部材3による検出原理を、公知の差動トランス型の位置検出原理に基づいてアナログ検出出力を得るように構成してもよい。
【0054】
あるいは、上記各実施例において、コイル部2の構成として、1次コイルと2次コイルの対を含むように構成せずに、1つのコイルのみによって構成し、該1つのコイルを所定の交流信号によって定電圧駆動し、該コイルへの磁性体(磁気応答部材3)の侵入量に応じて生じるインダクタンス変化に基づく電流変化を計測することにより、操作量に対応する検出データを得るようにしてもよい。その場合、該電流変化に応答する出力信号の振幅変化を測定する方法、あるいは該電流変化に応答するコイル各端部での出力信号間の位相変化を測定する方法などによって所要の測定を行うことができる。
その他、コイル部2と磁気応答部材3による検出手段の構成は任意の変形が可能である。
そのほか、上記実施例で示した新規かつ有意義な構成の一部を選択的に採用して球体状センサを構成してもよい。
【0055】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、少なくともケースの下面が曲面形状を成しており、少なくともこの下面においてコイル部が所定の配置で設置されており、ケースと共に動くようになっており、該ケースに外部より加えられる動きに応じて該ケースが転動又は揺動又は傾斜し、外部から加わる任意のフリーな動きに応答して前記コイル部配置面が該ケースの動きと共に転動又は揺動又は傾斜する。そして、このケースの内部には重力に従って移動自在に磁気応答部材が収納されており、該磁気応答部材は常に重力方向を指向するので、ケースの動きに応じて該磁気応答部材が、該ケース内で相対的に動き、該ケース下面に配置されたコイル部に対して相対的に変位することになる。この磁気応答部材とコイル部との位置関係の変化に応じてコイル部に生じる誘導出力信号が変化し、外部より加えられる動きに応じた前記ケースの変位を検知することができる。
従って、誘導型の検出装置を使用して、構造的に非接触であり、かつ簡単な構成によって簡便かつ安価に、外部から加わる任意のフリーな動きを検知することができる新規なセンサを提供することができ、広い応用・用途が見込まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る球体センサの一実施例を示す図であって、(a)は外観略図、(b)は磁気応答部材の一例を示す図、(c)はコイル部のコイル配置の一例を示す展開図。
【図2】 コイル部を構成する2つの検出コイル部の1つの回路構成例を示す回路図。
【図3】 コイル部のコイル配置の別の例を示す展開図。
【図4】 コイル部のコイル配置の更に別の例を示す展開図。
【図5】 本発明に係る球体センサの別の実施例を示す外観略図。
【図6】 図1における磁気応答部材の変更例を示す図。
【図7】 本発明に係る球体センサの使用例を示す図。
【図8】 コイル部を構成する2つの検出コイル部から得られるX軸位置成分データとY軸位置成分データとに基づきインクリメンタルパルスを夫々発生する構成例を示すブロック図。
【図9】 本発明に係る球体センサに適用可能な位相検出タイプの測定回路の一例を示すブロック図。
【図10】 本発明に係る球体センサに適用可能な位相検出タイプの測定回路の別の例を示すブロック図。
【図11】 図10の動作説明図。
【図12】 図10の回路に付加される変更例を示すブロック図。
【図13】 本発明に係る球体センサに適用可能な位相検出タイプの測定回路の更に別の例を示すブロック図。
【図14】 図13の動作説明図。
【符号の説明】
1 ケース
2 コイル部
2X,2Y 所定方向に沿う検出コイル部
21〜24 2次コイル
3 磁気応答部材
3a 鋼球
40 ディジタル位相検出回路[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention has a perfect sphere, hemisphere, partial sphere, or other curved outer shape, and converts an externally applied motion into a rolling motion or a swaying motion or receives it as an inclination, and adds it from the outside. The present invention relates to a novel sphere sensor capable of detecting a given motion.
[0002]
[Prior art]
Conventionally known position sensors are a linear sensor that detects a linear position, a rotation sensor that detects a rotational position, and the like. There are several detection methods such as an electromagnetic induction method and an optical method, but the optical method has a limit in detection resolution. For example, a mouse is known as a cursor indicating device for a personal computer. A conventional mouse, however, separates the rotational movement of an omnidirectional rotor into X-axis and Y-axis components, and is optical on the X-axis and Y-axis, respectively. The incremental pulse encoder is attached. However, since the detection resolution of the optical incremental pulse encoder is limited, it is impossible to increase the number of generated pulses with respect to the moving distance, and the cursor moving operation for a long distance is troublesome. On the other hand, in an electromagnetic induction type sensor, the detection resolution can be refined in terms of electrical processing by using circuit processing such as phase difference counting. However, in the conventional inductive rotation sensor, since the device has not been miniaturized sufficiently, when the device is configured by providing two axes of X and Y, the size becomes large, like a mouse. A compact pointing device could not be constructed.
[0003]
By the way, conventionally known inductive position detection devices include a differential transformer as a linear position detection device and a resolver as a rotation position detection device. The differential transformer excites one primary winding in one phase, and differentially varies according to the linear position of the iron core that is linked to the detection target position at each of the two secondary windings that are differentially connected. The reluctance which changes continuously is produced, and the voltage amplitude level of the one-phase induction output AC signal obtained as a result indicates the linear position of the iron core. The resolver excites a plurality of primary windings in one phase, extracts an output AC signal indicating the amplitude function characteristics of the sine phase from the secondary winding for extracting the sine phase, and extracts from the secondary winding for extracting the cosine phase. An output AC signal indicating the amplitude function characteristic of the cosine phase is extracted. The two-phase resolver output is processed using a conversion circuit called a known R / D converter, and the phase value corresponding to the detected rotational position can be measured digitally.
Also, an output AC signal obtained by exciting a plurality of primary windings by a plurality of phases of AC signals such as a sine phase and a cosine phase, and electrically shifting the AC signal in accordance with a detection target linear position or rotation position. Is also known, which measures the linear position or rotational position of the detection object digitally by measuring the electrical phase shift amount of the output AC signal (for example, Japanese Patent Laid-Open No. 49-107758, JP-A-53-106065, JP-A-55-13891, JP-A-1-25286, etc.).
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, all of the conventionally known inductive position detection devices measure a linear position or a rotational position along a predetermined guide or axis, and cannot detect any free movement applied from the outside. .
In general, the inductive position detection device is structurally non-contact and can be easily and inexpensively manufactured with a simple configuration such as a coil and an iron piece. If it can be configured as a device for detecting movement, it can be expected to have a wide range of applications and uses. For example, if it can be configured as a device that detects biaxial movement in the X and Y directions of one operating element, an operating element with a simple configuration that can replace an existing biaxial operating element such as a mouse is provided. In addition, there are other applications and uses that were not possible in the past.
The present invention has been made in view of the above-described points, and an object of the present invention is to provide an inductive new spherical sensor capable of detecting any free movement applied from the outside.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
The spherical sensor according to the present invention is made of a nonmagnetic material having at least a curved lower surface. Spherical or partially spherical A case, a magnetic response member housed in a movable manner in accordance with gravity in the case, and a predetermined arrangement on at least the lower surface of the case to generate a guidance output signal in response to the relative position of the magnetic response member A coil portion, and the case is rolled, rocked or inclined according to a movement applied to the case from the outside, and the magnetic response member is relatively displaced in the case according to the movement of the case. The induction output signal generated in the coil section is changed according to the displacement, and the displacement of the case is detected according to the movement applied from the outside. A spherical sensor, wherein the coil portion is arranged along a first coil group constituting a plurality of poles arranged along a first direction and a second direction orthogonal to the first direction. And a second coil group constituting a plurality of poles, wherein the first coil group is a sine phase, a cosine phase, a minus sign with respect to a relative position of the magnetic response member along the first direction. It consists of a four-pole coil that shows the characteristics of the phase and the minus cosine phase, generates a position detection signal of the sine phase by differentially combining the outputs of the sine phase and the minus sine phase, and outputs the cosine phase and the minus cosine phase. A differential detection is performed to generate a position detection signal for the cosine phase, and further, an X-axis component position detection signal corresponding to the relative position of the magnetic response member based on the position detection signals for the sine phase and the cosine phase. A circuit to be generated is provided corresponding to the first coil group, and the second coil group includes a sine phase, a cosine phase, and a minus sine phase with respect to a relative position of the magnetic response member along the second direction. It consists of a four-pole coil that exhibits the characteristics of the minus cosine phase and generates a position detection signal for the sine phase by differentially synthesizing the outputs of the sine and minus sine phases, and the difference between the outputs of the cosine and minus cosine phases A circuit that generates a position detection signal of the cosine phase by dynamic synthesis, and further generates a Y axis component position detection signal corresponding to the relative position of the magnetic response member based on the position detection signals of the sine phase and the cosine phase. Corresponding to the second coil group. .
[0006]
At least the lower surface of the case has a curved shape, and at least the lower surface of the coil portion is installed in a predetermined arrangement and moves together with the case. The case rolls, swings or tilts according to the movement applied to the case from the outside, and the coil portion placement surface rolls or swings with the movement of the case in response to any free movement applied from the outside. Or tilt. A magnetic response member is accommodated in the case so as to be movable according to gravity. Since the magnetic response member is always oriented in the direction of gravity, the magnetic response member is relatively moved in the case according to the movement of the case. Will move relative to the coil portion disposed on the lower surface of the case. In response to the change in the positional relationship between the magnetic response member and the coil portion, the induction output signal generated in the coil portion changes, and the displacement of the case according to the movement applied from the outside is detected.
[0007]
The method of applying an external force to the spherical sensor of the present invention may be arbitrarily set according to the purpose of use. For example, the spherical sensor is placed on an arbitrary horizontal surface such as a table with the lower surface of the case facing down. In this case, an external force is directly applied to the case by a human hand or the like to roll or swing the case. As a result, the spherical sensor of the present invention can be used as a novel device for detecting the amount of operation by a human hand. Alternatively, this spherical sensor may be hung in a pendulum shape and applied for purposes such as vibration detection. Alternatively, the spherical sensor may be fixed to an object and applied for the purpose of inclination detection based on the inclination of the case according to the inclination of the object. Moreover, since the instantaneous vibration or tilt amplitude corresponds to the acceleration, it can be applied to an inclinometer and / or an accelerometer by being mounted on a vehicle or the like.
[0008]
The case may consist entirely of spheres, or may consist of hemispheres or partial spheres. Further, it is not limited to a perfect sphere, and may be an elliptical sphere or the like, and it is only necessary to form a curved surface partially (that is, at least on the lower surface).
The magnetic response member may be a solid sphere. Alternatively, it may be made of a magnetic fluid. Alternatively, it may be made of magnetic powder. Alternatively, it may include both a solid magnetic response member and a magnetic fluid or magnetic powder.
[0009]
According to the present invention The coil portion has a plurality of poles arranged along the first direction. Constitute First Coil group And a plurality of poles arranged along a second direction orthogonal to the first direction. Constitute Second The first coil group is a quadrupole that exhibits characteristics of a sine phase, a cosine phase, a minus sine phase, and a minus cosine phase with respect to the relative position of the magnetic response member along the first direction. The position detection signal of the sine phase is generated by differentially synthesizing the output of the sine phase and the minus sine phase, and the position detection signal of the cosine phase is differentially synthesized by the output of the cosine phase and the minus cosine phase. Furthermore, a circuit for generating an X-axis component position detection signal corresponding to the relative position of the magnetic response member based on the position detection signals of the sine phase and the cosine phase corresponds to the first coil group. The second coil group includes a sine phase, a cosine phase, a minus sine phase, and a relative position of the magnetic response member along the second direction; Consists of a four-pole coil that exhibits the characteristics of the Inascosine phase, generates a position detection signal for the sine phase by differentially combining the outputs of the sine and negative sine phases, and differentially outputs the cosine and negative cosine phases. A circuit that generates a position detection signal for the cosine phase by combining the signals, and further generates a position detection signal for the Y-axis component corresponding to the relative position of the magnetic response member based on the position detection signals for the sine phase and the cosine phase. It is provided corresponding to the second coil group. . As a result, the rolling or swinging of the case can be detected by decomposing it into an X-axis component and a Y-axis component, so that one sphere sensor according to the present invention can be used for all directions (excluding the vertical direction). It is possible to detect any free movement added from the.
Also like this Sphere If a circuit is used to form a cursor X-axis drive signal and a cursor Y-axis drive signal based on the X-axis component position detection signal and the Y-axis component position detection signal output from the spherical sensor using a body sensor New mouse Can be provided. like this Has a spherical or partial spherical bottom surface By using the mouse, it is possible to perform a cursor operation by easily rolling it in a place having an arbitrary plane such as a table.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the accompanying drawings.
1A is an external perspective view showing an example of a spherical sensor according to the present invention, FIG. 1B is an external perspective view showing an example of a
In FIG. 1, the
[0011]
A
[0012]
The arrangement and connection of individual coils and the mode of excitation in the
The coil arrangement | positioning of the
In FIG.1 (c), the
[0013]
The first
[0014]
The arrangement of the primary coils is not particularly shown, but any arrangement may be used as long as the magnetic field excited by the primary coils can be applied to the corresponding secondary coils. For example, individual primary coils may be provided overlapping each other at the same position corresponding to each secondary coil, or all secondary coils may be surrounded within an appropriate range of
[0015]
The
[0016]
The resolver type position detection principle will be described by taking the first
[0017]
When the resolver principle is adopted, the amplitude function of the induction output AC signal generated in the four
The same applies to the second
In the specification, for convenience of description, a bar symbol indicating inversion is described as “/ (slash)”, which corresponds to the bar symbol in the figure.
[0018]
FIG. 2 is a circuit diagram of the primary and secondary coils in the first
[0019]
Thus, the first output AC signal A = sinθ · sinωt having the first function value sinθ corresponding to the X-axis component position x as the amplitude value and the second function value cosθ corresponding to the same X-axis component position x are obtained. A second output AC signal B = cos θ · sin ωt having an amplitude value is output. According to such a winding configuration, two output AC signals A and B (in-phase AC and having a two-phase amplitude function, which are the same as those obtained in a resolver conventionally known as a rotary position detector, are provided. It can be understood that a sine output and a cosine output can be obtained in the first
The two-phase output AC signals (A = sin θ · sin ωt and B = cos θ · sin ωt) output from the first
[0020]
Similarly to FIG. 2, the second
[0021]
The coil arrangement of the
For example, FIG. 3A shows an example in which the
FIG. 4 shows that the
[0022]
In addition, the number of primary and secondary coils and the number of phases (or the number of poles) in the
The coil arrangement of the
[0023]
Further, the shape of the
[0024]
Further, the shape of the
Further, the
[0025]
The method of applying an external force to the spherical sensor of the present invention may be arbitrarily set according to the purpose of use. FIG. 7 schematically shows some usage examples. FIG. 7A shows a spherical sensor placed on the lower surface of the case 1 (that is, the surface on which the
[0026]
As shown in the above embodiment, the
[0027]
FIG. 9 shows an example in which a known RD (resolver-digital) converter is applied as the digital
It is known that the sequential
[0028]
An error occurs in the electrical AC phase ωt in the secondary output AC signal due to changes in the impedance of the primary and secondary coils of the
By the way, since the phase detection circuit composed of the conventional RD converter as described above is a follow-up comparison method, there is a problem that a clock delay occurs when φ is followed up and the response is poor.
Therefore, the present inventors have developed a novel phase detection circuit as described below, and it is convenient to use it.
[0029]
FIG. 10 shows an embodiment of a novel digital
In FIG. 10, in the
[0030]
In the
[0031]
The output signals Y1 and Y2 of the
[0032]
Here, in consideration of the influence of the length of the wiring cable between the
A = sin θ · sin (ωt ± d)
A ′ = sin θ · cos (ωt ± d)
B = cos θ · sin (ωt ± d)
Y1 = sin (ωt ± d + θ)
Y2 = sin (ωt ± d−θ)
D1 = ± d + θ
D2 = ± d−θ
[0033]
That is, since each phase shift measurement data D1, D2 performs phase shift count using the reference sine signal sinωt as a reference phase, a value including the phase variation error “± d” is obtained as described above. . Therefore, by calculating “(D1 + D2) / 2” in the
Thus, the phase variation error “± d” can be calculated.
[0034]
The data of the phase fluctuation error “± d” obtained by the
D1− (± d) = ± d + θ− (± d) = θ
Thus, digital data indicating the correct detected phase difference θ from which the phase fluctuation error “± d” has been removed is obtained. Thus, according to the present invention, it can be understood that the phase variation error “± d” is canceled out and only the correct phase difference θ corresponding to the detection target position x is extracted.
[0035]
This point will be further described with reference to FIG. FIG. 11 shows a waveform near the zero phase of the sine signal sinωt, which is a reference for phase measurement, and the first and second AC signals Y1, Y2, and FIG. 11A shows a positive phase fluctuation error ( In the case of + d), (b) shows the case of minus (-d). In the case of FIG. 5A, the zero phase of the first signal Y1 advances by “θ + d” with respect to the zero phase of the reference sine signal sinωt, and the corresponding phase difference detection data D1 becomes “θ + d”. The corresponding phase difference is shown. Further, the zero phase of the second signal Y2 is delayed by “−θ + d” with respect to the zero phase of the reference sine signal sinωt, and the corresponding phase difference detection data D2 is a phase difference corresponding to “−θ + d”. Indicates. In this case, the
Thus, the phase fluctuation error “+ d” is calculated. Then, by the
D1 − (+ d) = + d + θ − (+ d) = θ
Is calculated, and the correct phase difference θ is extracted.
[0036]
In the case of FIG. 11B, the zero phase of the first signal Y1 is advanced by “θ-d” with respect to the zero phase of the reference sine signal sinωt, and the corresponding phase difference detection data D1 is “θ -D "represents the phase difference. Further, the 0 phase of the second signal Y2 is delayed by “−θ−d” with respect to the 0 phase of the reference sine signal sinωt, and the corresponding phase difference detection data D2 becomes “−θ−d”. The corresponding phase difference is shown. In this case, the
Thus, the phase fluctuation error “−d” is calculated. Then, by the
D1 − (− d) = − d + θ − (− d) = θ
Is calculated, and the correct phase difference θ is extracted.
In the subtracting
[0037]
In addition, as can be understood from FIG. 11, the electrical phase difference between the first signal Y1 and the second signal Y2 is 2θ, and it is always accurate to cancel the phase fluctuation error “± d” between the two. This indicates a double value of the phase difference θ. Accordingly, the configuration of the circuit portion including the
[0038]
In the above embodiment, the
[0039]
By the way, there is no particular problem when the
Y1 = sin {ωt ± d + θ (t)}
Y2 = sin {ωt ± d−θ (t)}
It becomes. That is, with respect to the frequency of the reference signal sinωt, the fast-phase output signal Y1 transitions in a frequency increasing direction according to + θ (t), and the slow-phase output signal Y2 according to −θ (t). The frequency transitions in the direction of decreasing frequency. Under such dynamic characteristics, the period of each signal Y1, Y2 transitions in the opposite direction one after another for each period of the reference signal sin ωt, so that each latch data D1, The measurement time reference for D2 is different, and an accurate phase variation error “± d” cannot be obtained by simply calculating both data D1 and D2 by the
[0040]
It is desirable to be able to accurately detect the phase difference θ corresponding to the position of the detection target every moment even when the detection target is changing in time. Therefore, in order to solve the above problems, the phase difference θ corresponding to the detection target position can be detected every moment even when the detection target position is changing in time. An improvement measure will be described with reference to FIG.
[0041]
FIG. 12 shows an example of modification of the
D1 = ± d + θ (t)
D2 = ± d−θ (t)
It becomes.
In this case, ± d + θ (t) repeatedly changes in time in the plus direction in the range of 0 ° to 360 ° in accordance with the time change of θ. Further, ± d−θ (t) repeatedly changes in time in the minus direction in the range of 360 degrees to 0 degrees in accordance with the time change of θ. Therefore, there are cases where ± d + θ (t) ≠ ± d−θ (t), but there are also cases where the changes of both intersect, and in this case, ± d + θ (t) = ± d−θ (t) holds. . As described above, when ± d + θ (t) = ± d−θ (t) is satisfied, the electrical phases of the output signals Y1 and Y2 coincide with each other, and the latch corresponding to the respective zero-cross detection timings. The generation timings of the pulses LP1 and LP2 are the same.
[0042]
In FIG. 12, the
A
[0043]
On the other hand, when the time variation mode signal TM is generated, that is, when TM = “1”, that is, when the detection target position is temporally changing, the output of the
[0044]
The coincidence detection pulse EQP is generated when the zero cross detection timings of the output signals Y1 and Y2 coincide, that is, when “± d + θ (t) = ± d−θ (t)” is established. Since the data latched in the
(D1 + D2) / 2
Is equivalent to This means
This means that the data latched by the
[0045]
Thus, when the detection target position fluctuates in time, data accurately indicating the phase fluctuation error “± d” is latched by the
In FIG. 12, the AND
In addition, the
Further, it can be understood that when the
[0046]
FIG. 13 shows another embodiment of the phase difference detection calculation method that can cancel the phase fluctuation error “± d”.
The first and second AC output signals A and B of the resolver type output from the
[0047]
The embodiment of FIG. 13 differs from the embodiment of FIG. 10 in that the phase shift amount θ is measured from the AC signal Y2 = sin (ωt−θ) including the electrical phase shift corresponding to the detection target position. The reference phase is different. In the example of FIG. 10, the reference phase when measuring the phase shift amount θ is the zero phase of the reference sine signal sinωt, which is not input to the
[0048]
That is, in the
[0049]
The first and second AC output signals A and B output from the
[0050]
In the case of the example in FIG. 13, assuming that the phase fluctuation error due to the coil impedance change or the like of the
[0051]
In addition, if apparatus conditions, such as the wiring length of the
[0052]
The digital
Note that the measurement of the phase component θ included in the output signals of the
[0053]
In each of the above embodiments, the detection principle by the
Alternatively, the detection principle by the
[0054]
Alternatively, in each of the above embodiments, the configuration of the
In addition, the structure of the detection means by the
In addition, a spherical sensor may be configured by selectively adopting a part of the new and meaningful configuration shown in the above embodiment.
[0055]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, at least the lower surface of the case has a curved shape, and at least the coil portion is installed in a predetermined arrangement on the lower surface, and moves with the case. The case rolls, swings, or tilts according to a movement applied from the outside to the coil portion, and the coil portion placement surface rolls, swings, or swings along with the movement of the case in response to any free movement applied from the outside. Tilt. A magnetic response member is housed in the case so as to be movable according to gravity. Since the magnetic response member is always oriented in the direction of gravity, the magnetic response member is moved in the case according to the movement of the case. It moves relatively, and is displaced relatively with respect to the coil part arrange | positioned on this case lower surface. The induction output signal generated in the coil portion changes in accordance with the change in the positional relationship between the magnetic response member and the coil portion, and the displacement of the case according to the movement applied from the outside can be detected.
Therefore, the present invention provides a novel sensor that can detect any free movement applied from the outside simply and inexpensively with a simple configuration by using an inductive detection device. It can be used for a wide range of applications and uses.
[Brief description of the drawings]
1A and 1B are diagrams showing an embodiment of a spherical sensor according to the present invention, in which FIG. 1A is a schematic external view, FIG. 1B is a diagram showing an example of a magnetic response member, and FIG. FIG.
FIG. 2 is a circuit diagram showing one circuit configuration example of two detection coil units constituting the coil unit.
FIG. 3 is a development view showing another example of the coil arrangement of the coil section.
FIG. 4 is a development view showing still another example of the coil arrangement of the coil portion.
FIG. 5 is a schematic external view showing another embodiment of the spherical sensor according to the present invention.
6 is a view showing a modification example of the magnetic response member in FIG. 1; FIG.
FIG. 7 is a diagram showing a usage example of a spherical sensor according to the present invention.
FIG. 8 is a block diagram illustrating a configuration example in which incremental pulses are generated based on X-axis position component data and Y-axis position component data obtained from two detection coil units constituting the coil unit.
FIG. 9 is a block diagram showing an example of a phase detection type measurement circuit applicable to the spherical sensor according to the present invention.
FIG. 10 is a block diagram showing another example of a phase detection type measurement circuit applicable to the spherical sensor according to the present invention.
FIG. 11 is an operation explanatory diagram of FIG. 10;
12 is a block diagram showing a modification example added to the circuit of FIG. 10;
FIG. 13 is a block diagram showing still another example of a phase detection type measurement circuit applicable to the spherical sensor according to the present invention.
14 is an operation explanatory diagram of FIG. 13. FIG.
[Explanation of symbols]
1 case
2 Coil part
2X, 2Y Detection coil along the predetermined direction
21-24 Secondary coil
3 Magnetic response member
3a steel ball
40 Digital phase detection circuit
Claims (6)
該ケース内において重力に従って移動自在に収納された磁気応答部材と、
前記ケースの少なくとも前記下面において所定の配置で設置され、前記磁気応答部材の相対的位置に応答した誘導出力信号を生じるコイル部と
を備え、前記ケースに外部より加えられる動きに応じて該ケースを転動又は揺動又は傾斜させ、このケースの動きに応じて前記磁気応答部材が該ケース内で相対的に変位し、この変位に応じて前記コイル部に生じる誘導出力信号が変化し、前記外部より加えられる動きに応じた前記ケースの変位を検知することを特徴とする球体センサであって、
前記コイル部は、第1の方向に沿って配置された複数の極を構成する第1のコイルグループと、前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って配置された複数の極を構成する第2のコイルグループとで構成され、
前記第1のコイルグループは、前記第1の方向に沿う前記磁気応答部材の相対的位置に関してサイン相、コサイン相、マイナスサイン相及びマイナスコサイン相の特性を示す4極のコイルで構成され、サイン相とマイナスサイン相の出力を差動合成してサイン相の位置検出信号を生成し、コサイン相とマイナスコサイン相の出力を差動合成してコサイン相の位置検出信号を生成し、更に、これらのサイン相及びコサイン相の位置検出信号に基づき前記磁気応答部材の相対的位置に応じたX軸成分位置検出信号を生成する回路を該第1のコイルグループに対応して具備し、
前記第2のコイルグループは、前記第2の方向に沿う前記磁気応答部材の相対的位置に関してサイン相、コサイン相、マイナスサイン相及びマイナスコサイン相の特性を示す4極のコイルで構成され、サイン相とマイナスサイン相の出力を差動合成してサイン相の位置検出信号を生成し、コサイン相とマイナスコサイン相の出力を差動合成してコサイン相の位置検出信号を生成し、更に、これらのサイン相及びコサイン相の位置検出信号に基づき前記磁気応答部材の相対的位置に応じたY軸成分位置検出信号を生成する回路を該第2のコイルグループに対応して具備することを特徴とする球体センサ。A spherical or partial spherical case made of a non-magnetic material having at least a curved lower surface;
A magnetic response member housed movably in accordance with gravity in the case;
A coil portion that is installed in a predetermined arrangement on at least the lower surface of the case and generates an induction output signal in response to a relative position of the magnetic response member, and the case is moved according to a movement applied to the case from the outside. The magnetic response member is relatively displaced in the case in accordance with the movement of the case, and the induced output signal generated in the coil portion is changed in response to the displacement. A spherical sensor characterized by detecting the displacement of the case according to a more applied movement ,
The coil section includes a first coil group constituting a plurality of poles arranged along a first direction, and a plurality of poles arranged along a second direction orthogonal to the first direction. A second coil group to be configured,
The first coil group is composed of a four-pole coil having characteristics of a sine phase, a cosine phase, a minus sine phase, and a minus cosine phase with respect to a relative position of the magnetic response member along the first direction. Differentially combining the output of the phase and the minus sine phase to generate a position detection signal of the sine phase, and differentially combining the output of the cosine phase and the minus cosine phase to generate a position detection signal of the cosine phase. A circuit for generating an X-axis component position detection signal corresponding to the relative position of the magnetic response member based on the position detection signals of the sine phase and cosine phase of the first coil group,
The second coil group is composed of four-pole coils exhibiting characteristics of a sine phase, a cosine phase, a minus sine phase, and a minus cosine phase with respect to the relative position of the magnetic response member along the second direction. Differentially combining the output of the phase and the minus sine phase to generate a position detection signal of the sine phase, and differentially combining the output of the cosine phase and the minus cosine phase to generate a position detection signal of the cosine phase. And a circuit for generating a Y-axis component position detection signal corresponding to the relative position of the magnetic response member based on the position detection signals of the sine phase and the cosine phase of the second coil group. Sphere sensor .
該球体センサから出力される前記X軸成分位置検出信号とY軸成分位置検出信号とに基づきカーソルX軸駆動信号とカーソルY軸駆動信号を形成する回路と
を具えたマウス。The sphere sensor according to any one of claims 1 to 5 ,
A mouse comprising a circuit for forming a cursor X-axis drive signal and a cursor Y-axis drive signal based on the X-axis component position detection signal and the Y-axis component position detection signal output from the spherical sensor.
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36834597A JP3760191B2 (en) | 1996-02-15 | 1997-12-29 | Sphere sensor |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5391496 | 1996-02-15 | ||
JP8-53914 | 1996-03-16 | ||
JP8-87613 | 1996-03-16 | ||
JP8761396 | 1996-03-16 | ||
JP36834597A JP3760191B2 (en) | 1996-02-15 | 1997-12-29 | Sphere sensor |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1996283290 Division | 1996-10-04 | 1996-10-04 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10213405A JPH10213405A (en) | 1998-08-11 |
JP3760191B2 true JP3760191B2 (en) | 2006-03-29 |
Family
ID=27295110
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP36834597A Expired - Lifetime JP3760191B2 (en) | 1996-02-15 | 1997-12-29 | Sphere sensor |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3760191B2 (en) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6148669A (en) * | 1998-06-29 | 2000-11-21 | U.S. Philips Corporation | Acceleration sensor with a spherical inductance influencing member |
JP4699544B2 (en) * | 1999-03-15 | 2011-06-15 | 株式会社アミテック | Rotary position detector |
GB9928682D0 (en) | 1999-12-06 | 2000-02-02 | Electrotextiles Comp Ltd | Input apparatus and a method of generating control signals |
JP4526182B2 (en) * | 2000-12-14 | 2010-08-18 | 旭化成エレクトロニクス株式会社 | Magnetic sensor unit |
JP2011123036A (en) * | 2009-12-14 | 2011-06-23 | Edison Opto Corp | Particle movement type azimuth sensor |
-
1997
- 1997-12-29 JP JP36834597A patent/JP3760191B2/en not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10213405A (en) | 1998-08-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN108426588B (en) | Rotary encoder and absolute angle position detection method thereof | |
JP4907770B2 (en) | Position encoder using fluxgate sensor | |
Wu et al. | A rotary encoder with an eccentrically mounted ring magnet | |
JP4052798B2 (en) | Relative position measuring instrument | |
KR101410196B1 (en) | Bidirectional magnetic position sensor having field rotation | |
JP2006058232A (en) | Processor for angle detection signal | |
Wang et al. | Sensing mechanism of a rotary magnetic encoder based on time grating | |
Wang et al. | An angle displacement sensor using a simple gear | |
JP3742844B2 (en) | Inclination or vibration or acceleration detection device | |
JP3760191B2 (en) | Sphere sensor | |
JP3978268B2 (en) | Inductive position detector | |
JP4623765B2 (en) | 3D operation detection device | |
JP4048207B2 (en) | Position detection device | |
JP3920896B2 (en) | Linear position detector | |
JP2006214948A (en) | Position detection device | |
JP3733399B2 (en) | Tilt detection device | |
JPH10160460A (en) | Inclination detector | |
JP4047947B2 (en) | Inductive linear position detector | |
JP3733400B2 (en) | Inclinometer | |
JP3920394B2 (en) | Cylinder position detector | |
JP3733397B2 (en) | Multi-directional tilt detector | |
JP4441593B2 (en) | load cell | |
JP3749955B2 (en) | Inductive two-dimensional position detector | |
Mihelj et al. | Robot sensors | |
JP4124256B2 (en) | Linear position detector |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040921 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050104 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050307 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20051115 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20051201 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20051201 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20051201 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090120 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100120 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100120 Year of fee payment: 4 |
|
S202 | Request for registration of non-exclusive licence |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R315201 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100120 Year of fee payment: 4 |
|
R360 | Written notification for declining of transfer of rights |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100120 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110120 Year of fee payment: 5 |
|
R370 | Written measure of declining of transfer procedure |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370 |
|
S202 | Request for registration of non-exclusive licence |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R315201 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110120 Year of fee payment: 5 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120120 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130120 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130120 Year of fee payment: 7 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |