JP3759260B2 - 粉体の殺菌方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食用または飼料用粉体等の粉体の殺菌方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
殺菌法として紫外線照射法が広く用いられており、紫外線照射により例えば、小麦粉等の粉体を殺菌することは可能である。しかし、紫外線の殺菌力が弱いため十分な殺菌をすることはできず、これらの粉体を用いた加工食品や飼料中に雑菌が残存する場合がある。
【0003】
そこで本発明の目的は、食用または飼料用粉体等の粉体をより効率良く殺菌できる方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電界により少なくとも一部を電離させた気体又は気体と液体との混合物と粉体とを接触させることを特徴とする粉体の殺菌方法に関する。
【0005】
【発明の実施の態様】
以下本発明について詳細に説明する。
本発明の殺菌方法では、電界により少なくとも一部を電離させた気体又は気体と液体との混合物、又は電磁波を照射したエネルギー変換体により少なくとも一部を電離させた気体又は気体と液体との混合物を用いる。
【0006】
本発明の方法としては、例えば、以下の3つの方法が挙げられる。
▲1▼電界中に気体又は気体と液体の混合物を通して、前記気体又は前記混合物の少なくとも一部を電離させ、次いで前記電界外で、前記少なくとも一部を電離させた気体又は混合物と粉体とを接触させる方法(第1の方法)。
▲2▼電界中に気体を通して少なくとも一部を電離させ、得られた少なくとも一部が電離した気体を気体と液体の混合物と混合し、得られた混合物と粉体とを前記電界外で接触させる方法(第2の方法)。
▲3▼電界中に気体と液体の混合物を導入して前記混合物の少なくとも一部を電離させ、前記電界中で前記少なくとも一部が電離した混合物と粉体とを接触させる方法(第3の方法)。
【0007】
本発明の方法では、電界を発生させるためにパルス電圧を用いて、少なくとも一部が電離した気体と液体との混合物を用いて殺菌することが好ましい。
【0008】
パルス電圧の立ち上がり速度は、いずれも0.01kV/ns〜10kV/nsの範囲にあることが適当である。パルス電圧の立ち上がり速度が0.01kV/ns未満では、殺菌効果も低下する傾向がある。パルス電圧の立ち上がり速度が10kV/nsを超えても、殺菌効果に悪影響はないが、電圧発生が困難となる。
パルス電圧の立ち上がり速度の好ましい範囲は0.1kV/ns〜1kV/nsの範囲である。
【0009】
上記パルス電圧のパルス幅は10-9秒〜10-1秒の範囲にあることが適当である。パルス幅が殺菌効果には大きな影響はないが、発振可能なパルス幅は上記の範囲である。パルス幅の好ましい範囲は10-8秒〜10-6秒である。
【0010】
パルス電圧のピーク電圧は1kVp〜100kVpの範囲にあることが適当である。ピーク電圧が1kVp未満では、電界強度が小さく、ピーク電圧が100kVpを超えると装置を大型化する必要がでてくる等の問題がある。ピーク電圧の好ましい範囲は8〜50kVpである。
【0011】
パルス電圧の周波数は1Hz〜100kHzの範囲であることが適当である。周波数が1Hz未満では、殺菌効率が低下し、100kHzを超えると電界内のガスの温度が大幅に上昇する。パルス電圧の周波数の好ましい範囲は、50Hz〜500Hzの範囲である。
【0012】
電離の方法には、電界中に気体又は気体と液体の混合物を通して、前記気体又は混合物の少なくとも一部を電離させる方法(第1及び第3の方法)と、電界中に気体を通して得られる少なくとも一部を電離させた気体と、気体と液体の混合物とを前記電界外で混合して少なくとも一部が電離した気体と液体の混合物を得る方法(第2の方法)とがある。
【0013】
電界は、例えば、少なくとも1対の高圧電極と接地電極とを用い、この電極間に一定以上の電圧を与えることで発生させることができる。このような電界の発生装置は、例えばコロナ放電等に用いられる高圧電極と接地電極とをそのまま用いることができ、例えば、高圧電極及び接地電極の少なくともいずれか一方の表面が固体誘電体で被覆されているもであることができる。尚、固体誘電体には特に制限はないが、例えば石英等のセラミックスやハイパロンラバー、ポリエチレンテレフタレート等の積層体等を用いることができる。また、高圧電極及び接地電極のいずれもが、金属電極であることもできる。
【0014】
高圧電極と接地電極の数及び形状等には特に制限はなく、発生させた電界内を通過する気体又は気体と液体の混合物をどの程度電離させる必要があるか否かにより適宜決定できる。例えば、気体又は気体と液体の混合物の流量が多い場合は、一定以上の割合で電離させる目的で、電界中の滞在時間が長くなるように調整することができ、そのような場合、高圧電極と接地電極を並列に複数設けたり、或いは高圧電極と接地電極の少なくとも一方を帯状の形状にすることもできる。また、局部放電を防止する目的で、高圧電極の表面積を大きくするために、電極に突起や凹凸等を設けることもできる。
【0015】
本発明において気体と液体との混合物の電離体を得る第1及び第3の方法において、電界を通過させる「気体と液体の混合物」の気体は、前記の電界中で電離可能な気体である。そのような気体として、例えば、酸素、窒素、希ガス(アルゴン、ヘリウム及びネオン)、水素、空気等を挙げることができる。希ガス中でも、アルゴンは電離し易すく、コスト的に優れているので好ましい。また、ヘリウムは電離が連続的になりやすいという観点から好ましい。特に、アルゴンは、ヘリウムよりも比重が空気により近く、大気圧下での取扱が容易であるため、より好適に使用することができる。また、上記気体の2種以上を混合して併用することもできる。
【0016】
また、液体は、例えば、水、過酸化水素、過酸化水素水、過酢酸、エタノール、エタノールと水との混合物等であることができる。
過酸化水素水を用いる場合、過酸化水素の濃度は、市販され、入手が容易であるという観点からは、例えば過酸化水素濃度50%以下のものであることが適当である。それ以下の濃度においては、殺菌条件等を考慮して、市販の過酸化水素水を水で希釈して適宜濃度を調整することができる。但し、殺菌効果を考慮すると1%以上の過酸化水素水を用いることが好ましい。
【0017】
電界により少なくとも一部を電離させるために用いる液体は、光触媒の存在下、該光触媒に対する励起光を照射した水であることもできる。
ここで用いる光触媒は、水を水酸イオン(OH- )と水素イオン(H+ )とに解離する能力を有するものであれば、特に制限なく用いることができる。光触媒としては、例えば、チタニア、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛及び硫化カドミウム等を挙げることができる。これらの光触媒は、単独又は併用することができる。
【0018】
さらに、光触媒は、チタニア、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛及び硫化カドミウムからなる群から選ばれる1種又は2種以上と、白金、ロジウム、酸化ルテニウム、酸化ニッケルからなる群から選ばれる1種又は2種以上との複合体(担持体)であることもできる。例えば、Pt/TiO2 、Rh/SrTiO2 、Ru/SrTiO2 、Pt/SrTiO2 、RuO2 /TiO2 /Pt、RuO2 /TiO2 等を挙げることができる。また、光触媒と担持体となる金属又は金属酸化物とを複合化することなく、併用することもできる。
【0019】
光触媒の励起光は、光触媒の種類により異なるが、通常は波長200〜400nmの紫外光である。単位量の水に対する光触媒の量、励起光を照射した光触媒と水との接触時間、温度等は、光触媒の作用より解離される水の量(生成する水酸イオン(OH- )と水素イオン(H+ )の量)を考慮して適宜決定される。
また、水中の水酸イオン(OH- )と水素イオン(H+ )の量は、殺菌効果に影響するので、所望の殺菌効果を考慮して適宜調整する。
【0020】
また、光触媒の形状、構造等には特に制限はないが、例えば、粉末状又は板状等であることができる。また、粉末状の光触媒は、例えば粒子径が20〜5000オングストロームの範囲のものであることができる。
【0021】
板状の光触媒は、連続的に光解離水を生成させるのに有効であり、紫外光(254nm、400W)を用いる場合、例えば、100cm2 の面積を有する光触媒と水1リットルを60〜180分間程度接触させた解離水を用いることができる。
また、光触媒粒子を充填したカラム等に励起光を照射し、さらに水を流通させることでも光解離水を得ることができる。
【0022】
本発明では、水を光解離させるが、水の光解離を妨げない範囲で水中に添加物を加えることもできる。
例えば、添加剤としては、例えばアルコールや過酸化水素等を挙げることができる。
【0023】
上記液体は、霧状であることが好ましく、霧状の液体は、液体の供給源と接続しているネブライザーに上記気体をキャリアーガスとして通すことにより発生させることができる。また、霧状の気体は、これらにキャリアーガスをバブリングさせることによっても発生させることができる。
また、「気体と液体の混合物」は、気体の一部をキャリアーガスとし、気体とキャリアーガスとで得られた霧状物を残りの気体と混合することによっても調製することができる。
【0024】
気体(キャリアーガスも含む全ての気体)と液体との割合は、特に制限はないが、気体1リットル当たり1mg〜100mgの範囲とすることが、放電持続と被殺菌物への圧力と言う観点から適当である。
さらに、霧状物の粒子径は、例えば約5〜3000μmの範囲とすることが局所放電防止と言う観点から好ましい。
【0025】
本発明において気体と液体との混合物の電離体を得る第2の方法において、電界を通過させるの気体は、電界中で電離可能な気体である。そのような気体は、前記「気体と液体の混合物」に用いることができる気体から適宜選択することができる。第2の方法においては、少なくとも一部を電離させた気体と、気体と液体との混合物を混合し、少なくとも一部を電離させた気体と液体との混合物を得る。少なくとも一部を電離させた気体と、気体と液体との混合物との混合比率は所望の殺菌の程度により適宜決定することかできる。
【0026】
電界中を通過させる気体又は気体と液体の混合物は、少なくとも一部が電離することが必要である。そこで、気体又は気体と液体の混合物の流量、電界発生のため投入する電圧及び電流(電力)量、電極の数及び形状、等は、気体又は気体と液体の混合物は、少なくとも一部が電離できるように適宜決定する。又、ガス圧は、通常は大気圧付近であることが、操作が容易であることから好ましい。但し、後述のように、殺菌容器内が大気圧よりやや加圧状態(大気圧より最大1気圧までの陽圧)になるようにして操作することが、殺菌効果を高めることができるという観点から好ましい。
【0027】
上記の方法により得られた少なくとも一部が電離した気体又は気体と液体の混合物は、粉体と接触させる。この接触は、粉体の全表面に前記少なくとも一部を電離させた気体又は混合物が接触するように行う。このような接触は、粉体を流動化した状態で行うことが、接触効率を高め、殺菌効率を向上させるという観点から好ましい。
粉体の流動化の方法は、公知の方法を適宜利用することができ、例えば、重力流動、機械的強制流動、振動流動、流体に伴われた流動等を利用できる。このようにして流動化された粉体と、少なくとも一部が電離した気体又は混合物とを接触させるのであるが、例えば、少なくとも一部が電離した気体又は混合物中を粉体を流動化させながら落下させて殺菌することができる。また、少なくとも一部が電離した気体又は混合物を流体として用い、この流体いにより粉体を流動化させるとともに殺菌することもできる。
【0028】
粉体との接触は、第1及び第2の方法においては電界外で行い、第3の方法においては電界中で行う。また、第4の方法も含め、粉体との接触は、電離用のチャンバー以外の殺菌チャンバー内で行うこともできる。
また、殺菌チャンバー内は、前記のように大気圧よりやや加圧状態(大気圧より最大1気圧)になるようにして操作することが、殺菌効果を高めることができるという観点から好ましい。また、チャンバー内を陽圧にすることにより、チャンバー内の無菌状態を維持することもできる。
【0029】
本発明の殺菌方法は、例えば、図1に示す装置により行うことができる。図1は、一部が断面の説明図である。図中、1はキャリアーガスのボンベであり、2は過酸化水素等の液体が満たされたネブライザーである。3は中空の金属電極(高圧電極)であり、かつ気体−液体混合物の供給管であり、混合物の吹き出し口4を有する。5は石英被覆電極であり、6は接地電極を構成する金属電極であり、7はプラズマ発生室である。プラズマ発生室7で生成した電離気体は、被殺菌粉体との接触のため、スクリュー付エアースライドホッパーからなる殺菌室11に移送される。被殺菌粉体はホッパー8からスクリューコンベア10に供給され、電離気体は、エアースライド9を介してスクリューコンベア10で移動する被殺菌粉体と接触させる。殺菌済粉体は、廃ガスと分離されて無菌サイロ12に貯蔵される。殺菌済粉体と廃ガスとの分離は、必要により、サクイロンやフィルターを用いて行うことができる。
【0030】
電離気体と被殺菌粉体との接触には、スクリュー付エアースライドホッパーの代わりに、図2に示すような振動体13を備えた振動式スライダー14を使用することもできる。振動式スライダー14では、被殺菌粉体は電離気体と共に、ホッパー8から共に供給され、振動式スライダー上で電離気体と接触して殺菌される。殺菌済粉体は、図1と同様に廃ガスと分離されて無菌サイロ11(図示せず)に貯蔵される。
【0031】
また、図3には、加圧電離気体を用いる装置を示す。
20はコンプレッサーポンプであり、図1に示すような装置で調製した電離気体を加圧する。加圧された電離気体は、加圧タンク21に貯蔵される。加圧タンク21には、圧力計22と貯蔵中の電離気体の電離状態を維持するためのパルス放電を与える電極23を有する。電極23には、電離気体の調製と同様のパルス電圧を与えることができる。加圧タンク21中の加圧電離気体は、コック24を経て、吹き出し口26から殺菌容器25に供給される。殺菌容器25内で、被殺菌粉体は電離気体の吹き上げにより流動化して殺菌される。尚、コック24を適宜開閉することで、加圧タンクの内圧を維持して、適当な圧の吹き出しを得ることができる。
【0032】
本発明の方法により殺菌できる微生物には特に限定はない。本発明の方法によれば、例えば、大腸菌(E.coli)、サルモネラ・ティフィ(Sal.typhi)、枯草菌(B.subtilis)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus.aureus)、アスペルギルス・ニガー(Asp.niger)等の微生物を殺菌することができる。
【0033】
本発明によれば、各種の食用または飼料用粉体を容易且つ効率良く殺菌することができる。本発明において粉体とは、例えば、粒子径100 μm以下の粒子の集合体を言う。但し、本発明の方法によれば、50μm以下の粒子の集合体であっても容易に且つ効率良く殺菌することができる。本発明の方法で処理できる粉体としては、例えば、澱粉(例えば、コーンスターチ、じゃがいも澱粉、さつまいも澱粉、タピオカ澱粉)、そば粉、うどん粉、小麦粉、米粉、白玉粉、香辛料粉(例えば、カレー粉用香辛料粉)等を挙げることができる。
【0034】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに説明する。
試験例1
図1に示す装置を用いて、コーンスターチを殺菌した。電源としてパルス発生装置(ピーク電圧19kV nsパルス使用、パルス立ち上がり速度0.1〜1kV/ns 、パルス巾10-7秒)を用いた。気体と液体の混合にはネブライザーを用い、キャリアガスとして酸素又はアルゴンガスを用い、かつ液体として10%若しくは35%過酸化水素水または75%エタノールを用いた。ネブライザーでキャリアガスと混合した液体をプラズマ発生室7の電界内に供給し、得られる電離気体をスクリュー付エアースライドホッパーからなる殺菌室11に供給した。また、被殺菌物として、5×106 個/gの枯草菌胞子を付着したコーンスターチ(粒子径6〜21μm、平均粒子径15μm)を用いた。実験条件である気体の種類と流量、液体の種類と濃度、処理量(コーンスターチ粉の処理速度)、及び処理後の残存胞子数を表1に示す。
【0035】
評価方法(残存胞子数検査)
殺菌試験に供した粉体1gを、滅菌した0.2%トゥイーン(Tween)80生理食塩水10mlに1時間浸漬後攪拌して、残存胞子を抽出した。得られた残存胞子抽出液を、標準寒天培地を用いて、35℃で48時間培養した。培養後、出現したコロニー数から粉体1g当たりの残存胞子数を算出した。結果を表1に示す。尚、表1中、コントーロルの残存胞子数は3.0×107 (胞子数/g)である。
【0036】
【表1】
Figure 0003759260
【0037】
試験例2
図2に示す振動式スライダーホッパーを用いた装置を用いて、香辛料粉を殺菌した。電源としてパルス発生装置(ピーク電圧18.5kV nsパルス使用、パルス立ち上がり速度0.8kV/ns、パルス巾10-8秒)を用いた。気体と液体の混合にはネブライザーを用い、キャリアガスとして酸素又はアルゴンガスを用い、かつ液体として10%若しくは35%過酸化水素水または75%エタノールを用いた。ネブライザーでキャリアガスと混合した液体をプラズマ発生室の電界内に供給し、得られる電離気体を振動式スライダーホッパーからなる殺菌室14に供給した。また、被殺菌物として、3×105 個/gの枯草菌胞子を付着したカレー用香辛料(粒子径2〜60μm、平均粒子径30μm)を用いた。評価方法(残存胞子数検査)は、試験例1と同様とした。実験条件である気体の種類と流量、液体の種類と濃度、処理量(香辛料粉処理速度)、ホッパーの振動数(周波数)、及び処理後の残存胞子数を表2に示す。
【0038】
【表2】
Figure 0003759260
【0039】
試験例3(実施例および参考例)
図3に示す装置を用いて、米粉(白玉粉)を殺菌した。電源としてパルス発生装置(ピーク電圧18.5kV nsパルス使用、パルス立ち上がり速度0.8kV/ns、パルス巾10-7秒)を用いた。気体と液体の混合にはネブライザーを用い、キャリアガスとして酸素又はアルゴンガスを用い、かつ液体として10%若しくは35%過酸化水素水または75%エタノールを用いた。ネブライザーでキャリアガスと混合した液体をプラズマ発生室の電界内に供給し、得られる電離気体を加圧機を用いて昇圧し、加圧タンクに貯蔵した。貯蔵時の圧力は6kg/cm2 であり、貯蔵中の電離気体に、必要により30kVピークのnsパルス放電を与えて、電離状態を維持した。加圧タンクから被殺菌物を充填した回転容器(回転数:5回/分〜20回/分)に電離気体を供給した。加圧電離気体を供給速度は2L/分〜5L/分とした。また、被殺菌物として、2×105 個/gの枯草菌胞子を付着した米粉(白玉粉)(粒子径3〜8μm、平均粒子径5μm)を用いた。実験条件である気体の種類と流量、液体の種類と濃度、処理量(米粉(白玉粉)の処理速度)、及び処理後の残存胞子数を表3に示す。また、加圧タンクの圧力、加圧タンクから回転容器への加圧電離気体の供給量、及び電離状態維持のためのパルス放電の有無を表4に示す。
【0040】
【表3】
Figure 0003759260
【0041】
【表4】
Figure 0003759260
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、食用または飼料用粉体等の粉体をより効率良く殺菌できる方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の殺菌方法の実施に用いる装置の概略説明図である。
【図2】 本発明の殺菌方法の実施に用いる装置の概略説明図である。
【図3】 本発明の殺菌方法の実施に用いる装置の概略説明図である。
【符号の説明】
1・・・・キャリアガスのボンベ
2・・・・ネブライザー
3・・・・中空の金属電極
4・・・・吹き出し口
5・・・・石英被覆電極
6・・・・金属電極(接地電極)
7・・・・プラズマ発生室
8・・・・ホッパー
9・・・・エアースライド
10・・・スクリューコンベア
11・・・殺菌室
12・・・無菌サイロ
13・・・振動体
14・・・振動式スライダー
20・・・コンプレッサーポンプ
21・・・加圧タンク
22・・・圧力計
23・・・電極
24・・・コック
25・・・殺菌容器
26・・・吹き出し口

Claims (3)

  1. 電界により少なくとも一部を電離させた気体又は気体と液体との混合物を、前記電界の外でパルス放電を与えた後、流動化した粉体と接触させることを特徴とする粉体の殺菌方法。
  2. 電界をパルス電圧により発生させる請求項1記載の製造方法。
  3. 粉体が食用粉体または飼料用粉体である請求項1または2記載の殺菌方法。
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