JP3757325B2 - Microalgae for carbon dioxide fixation - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は二酸化炭素固定用の微細藻に関し、より詳しくは火力発電所などにおける各種化石燃料燃焼排ガス中の二酸化炭素を固定するために使用でき、人間活動に由来する温室効果ガスの放出削減に寄与し得る微細藻およびその培養方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
微細藻類は、主に単細胞からなる光合成を行う下等植物の総称である。微細藻類の種類は多様であり、様々な可能性を秘めているが、火力発電所等の化石燃料排ガス中の二酸化炭素(CO2 )を固定するために、産業レベルで用いられている例はほとんどない。過去において、徳川生物研究所が都市ガスを燃焼した排ガスで微細藻を培養した研究例はあるが、固定されるCO2 量が少なく、しかも燃料費が嵩みすぎ、産業化には至らなかった。
微細藻類の利用という観点では、現在、クロレラやスピルリナが健康食品として、ドナリエラがβ−カロチン生産を目的として、産業化されている。ただし、それらの培養の炭素源には主に酢酸や無機炭酸塩を使用しており、排ガス中のCO2 を用いてはいない。
このような状況を考慮して、本願出願人は、火力発電所等における化石燃料燃焼排ガス中のCO2 を固定するために用い得る微細藻を単離し、先に出願した(特開平5−304945号公報)。該公報には、排ガス中のCO2 を固定化したCO2 固定産物を飼料や工業用SCP(Single Cell Protein ,微生物タンパク質)として利用することも開示されている。しかしながら、この微細藻は、夏季の強光や、高温の条件下、または石炭および石油火力発電所排ガスと同等の比較的高いNOX (窒素酸化物,ノックス)濃度またはSOX (硫黄酸化物,ソックス)濃度の条件下では安定には生育し得ず、適用場面が限定的であるという問題があった。
そこで、夏季の強光や高温条件下、または石炭や石油を燃料とする火力発電所からの排ガス中と同等のSOX およびNOX 濃度下でも安定に生育し得る微細藻類に対する強い要望がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
火力発電所などから多量に排出される化石燃料燃焼ガス由来のCO2 を、微細藻類のCO2 固定能を利用して産業的に固定化するためには、排ガスを培養槽に直接導入した条件でも効率的に機能する微細藻類を用いることが重要な鍵となる。ここで、上記微細藻類は火力発電所等における各種化石燃料の燃焼に由来する排ガス中と同等であるCO2 濃度、NOX 濃度、SOX 濃度条件下でも生育可能である必要がある。また、微細藻類の培養は屋外において日光を利用して行うことがコスト低減の面で有利であるが、屋外で培養する際に、夏季の強い日射条件下で培養液温度が過度に上昇した場合でも、高い生産性を維持することが、冷却負荷軽減の点で極めて重要となる。
そこで、本発明は、火力発電所等における各種化石燃料排ガスと同等であるCO2 濃度、NOX 濃度およびSOX 濃度や、夏季の強光および高温条件下でも生育可能である微細藻およびその培養方法の提供を課題としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、種々研究を重ねた結果、比較的高濃度のCO2 、NOX およびSOX に耐性を持ち、しかも高い光強度や高温においても、安定に生育し得る微細藻を分離・純化し、火力発電所からの排ガスを模擬したガスを通気した培養においても、該微細藻はCO2 固定能の低下がほとんどなく十分に増殖することを見いだし、さらに、鋭意検討を重ね、本発明を完成した。
【0005】
すなわち、本発明は、200ppmまでのNOX 濃度、50ppmまでのSOX 濃度、1000〜2000μmol・m-2・s-1の光強度および35〜49℃の温度からなる群から選択される少なくとも一つの条件と、5〜20容量%のCO2 濃度の条件の下で生育可能である微細藻に関する。
本発明におけるNOX 、SOX およびCO2 の各濃度は、培養の際に曝気する気体中の乾燥ガスを基準とした場合の数値である。200ppmまでのNOX 、50ppmまでのSOX および/または5〜20容量%のCO2 を含有する気体を曝気しても生育可能である本発明の微細藻は、火力発電所などにおける各種化石燃料燃焼排ガスを直接培養槽に曝気して培養できることを意味する。なお、NOX はNO、NO2 等の窒素酸化物の総称であり、SOX はSO2 、SO4 2-、S2 O、SO等の硫黄酸化物の総称であるが、火力発電所などの排ガス中のNOX およびSOX の主成分はそれぞれNOおよびSO2 である。
また、本発明における光強度は培養槽受光部上部ないしは培養液表面での平均光強度である。1000〜2000μmol・m-2・s-1の光強度でも生育可能である本発明の微細藻は、日本における夏季の南中時の日光をそのまま照射しても、増殖し得ることを意味する。さらに、35〜49℃という培養温度では従来公知のほとんどの微細藻は生育できないが、このような高温領域で生育可能である本発明の微細藻は、上記の強い光の下での培養により培養液の温度が上昇しても、強制的に外部から冷却する必要がない。すなわち、本発明の微細藻は培養時の冷却負荷軽減を可能とするものである。
なお、本発明において「生育可能である」とは通常の大気通気条件下での生育に近い状態もしくはそれと同等に生育するか、またはそれ以上に生育することを意味する。また、本発明の微細藻を培養する培養液のpHを当該微細藻に適した範囲、通常4〜7、特に6付近に保持することが好ましいことはいうまでもない。特に、SOX 含有の空気を曝気する場合、培養液は酸性となる傾向があるので、培養液のpHを4〜7、特に6付近に調整することが必要である。
【0006】
本発明者はさまざまな採取地からの温泉水や土壌などを分離源とし、高温条件下で生育可能であるクロレラの新規な株を純粋分離し、該株が高いCO2 、NOX またはSOX 濃度、または高い光強度の条件下で安定に生育可能であることを見出し、該株を既知のクロレラの18SリボソームRNA遺伝子配列との相同性の比較、および透過型電子顕微鏡による形態観察等の総合的な見地から、クロレラ・ソロキニアーナ(Chlorella sorokiniana )であると判断した。そして上記株はHO−1株と命名した。なお、クロレラ・ソロキニアーナHO−1株は独立行政法人産業技術総合研究所 特許微生物寄託センターに受託番号 FERM P−18160として寄託されている。
【0007】
本発明の上記微細藻はCO2 以外に酢酸や炭酸塩などの特別な炭素源なしで生育可能であることから、CO2 を固定・資化し得るものである。従って、本発明は、CO2 濃度5〜20容量%の気体を本発明に係る微細藻の培養液に曝気することからなる微細藻の培養方法に関する。この方法において、曝気する気体としては、例えば化石燃料を燃焼させた場合に発生する種々の排ガスなどでよく、特に火力発電所排ガスなどがある。
また、本発明の微細藻は通常の培養槽で培養しても何ら問題ないが、生育の際に光合成を行うものであるので、該光合成がより高い効率で行われ得ることを可能にするために、培養槽として無色透明のチューブ、例えばプラスチックチューブまたはガラスチューブを螺旋状に巻回してなる培養槽(以下において螺旋状チューブラーリアクターとも記載する)を用いることが好ましい手段である。螺旋状チューブラーリアクターはチューブを円柱型に巻回したものでもよいが、円錐型に巻回すると光がリアクター全体にまんべんなく照射され、好ましい。
【0008】
通常、微細藻類はその藻体を構成する物質の約半分がタンパク質であり、工業用タンパク質もしくはその原料として、または高栄養の飼料として十分利用可能である。そこで、本発明の微細藻の二酸化炭素固定産物である微細藻体に含まれるタンパク質含量もまた、乾物重の約半分であることが予測される。従って、本発明の微細藻が高栄養の飼料または工業用タンパク質(またはその原料)として使用し得る可能性は十分に高い。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の微細藻の一種であるHO−1株を平型培養瓶中、CO2 濃度を10または15%として培養したところいずれも活発な増殖を示した。この際の最適温度は35℃であったが、40℃でも良好な増殖を示し、さらに45℃まで短時間であれば増殖可能であり、最適なpH値は約6.0であった。10%CO2 富化空気に100ppmNOおよび25ppmSO2 のいずれか、または両方を混合して通気しても、10%CO2 富化空気のみの場合と同等の最大比増殖速度および最終到達藻体密度が得られた。
また、本発明の微細藻の一種であるHO−1株を塩化ビニルチューブを円錐型に巻回してなる螺旋状チューブラーリアクター中、日本の標準的な日射量条件(約980μmol・m-2・s-1)を模擬した室内培養により、最大34.2g乾物/m2 設置面積/日の生産性を達成し、光合成効率は8.64%と極めて高かった。さらに、夏季の最も強い光条件(約1700μmol・m-2・s-1)を模擬した室内培養(培養液の最高温度46.5℃)によっても、良好な生産性を示し、そして48.7℃での増殖を確認した。また、10%CO2 富化空気に100ppmNOおよび25ppmSO2 の一方または両方を混合して通気し、上記標準的な日射量条件を模擬した室内培養を行った場合も、本発明の微細藻は生産性および光合成効率共に高い値を維持した。
これらのことから、本発明の微細藻は、SOX を含まないLNG火力発電所の排ガスだけでなく、SOX を含む石炭および石油火力発電所の排ガス中のCO2 固定に適用可能であり、また、高温強光下でも極めて高い光合成生産性を示すことから、夏季の屋外での培養および冷却負荷軽減に大きな利点を有していることが明らかである。
【0010】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 微細藻の分離および分類
(微細藻の分離)
高温条件下で生育する微細藻類の自然界からの分離を以下の方法に従って行った。分離源として神奈川県箱根町から採取した温泉水または土壌(全部で8種類)を用いた。試料が液体の場合は1ml、土壌の場合は湿重量で1gを、MBM液体培地(表1)15mlを入れた試験管に接種し、温度40℃で4週間の静置前培養を行った。白色蛍光灯を光源として連続照射を行い、光強度条件は30μmol・m-2・s-1とした。前培養終了後の試料を用い、同じ光条件下、10%CO2 富化空気を使用して、温度40℃で5日間の集積培養を行った。集積培養において微細藻類の生育が確認された試料を滅菌水で順次希釈し、各希釈液をMBM寒天培地(上記MBM液体培地に1.5%寒天を添加したもの)に塗布し、温度26℃で2週間の培養を行った。光照射は白色蛍光灯を光源として、明暗周期12時間毎(12時間明条件)で、明時の光強度を120μmol・m-2・s-1として培養を行った。コロニー形成後、単一コロニーを分離し、MBM斜面寒天培地で植え継ぎ、これを分離株とした。なお、分離株にはバクテリアの混入がないことを確認した。
(脚注)
*A−5溶液の組成は以下のとおりである:
H3 BO3 286mg
MnSO4 ・7H2 O 250mg
ZnSO4 ・7H2 O 22.2mg
CuSO4 ・5H2 O 7.9mg
Na2 MoO4 2.1mg
蒸留水 1リットル
上記の操作の結果、8種の採取試料のうち、2試料から藻類が単離され、そのうちの増殖のより高かった分離株をHO−1株と命名し、以下の実験に使用することとした。なお、HO−1株の分離源となった試料は神奈川県箱根町の大涌谷の鉄鉱泉の温泉水であり、温度は43℃(原水温度63℃)、pH7.28であった。光学顕微鏡による上記分離株の形態を観察した結果、属レベルではクロレラ属であることが判明した。ただし、光学顕微鏡による形態観察では種レベルの同定は不可能であるため、次に透過型電子顕微鏡による形態観察と18S r−RNA遺伝子配列の解析を行い、分離株の種レベルでの同定を試みた。
(電子顕微鏡観察)
分離株の透過型電子顕微鏡による形態観察を以下の方法に従って行った。前固定は0.05Mリン酸緩衝液中の2%グルタルアルデヒドを用いて、pH7.0、温度4℃で2時間行った。後固定は0.05Mリン酸緩衝液中の2%四酸化オスミウムを用い、pH7.0、温度4℃で2時間行った。アセトン系列で脱水後、Spurr樹脂を用いて包埋を行った。超薄切片作製後、4%酢酸ウラニルを用いて室温、遮光下で15分間染色し水洗した。さらに、0.4%クエン酸鉛を用いて室温で15分間の染色を行った。水洗後、透過型電子顕微鏡を用いて加速電圧80kVで分離株の写真撮影を行った。得られた写真を図1に示した。細胞形状は球状で、大きさは直径3〜8μm程度であった。
(リボソームRNAの塩基配列決定)
分離株の18S r−RNA遺伝子配列の決定を以下の方法に従って行った。
まず、分離株からゲノムDNAを単離するため、ベンジルクロライドによるDNA抽出をISOPLANTキット(ニッポンジーン製)を用いて行った。単離したゲノムDNAを鋳型として、ExTaqDNAポリメラーゼ(宝酒造製)でゲノムDNAのPCRを行った。既知のクロレラの18S r−RNA遺伝子を考慮し、PCRのプライマーとして以下の2種類:
F5'-aacctggttgatcctgccagtagtc-3'
R5'-ttgatccttctgcaggttcacctac-3'
を用いた。PCR増幅断片を電気泳動により確認した後、遺伝子断片をpGEM−Tベクター(Promega 製)にライゲーションした。ベクターの宿主には大腸菌JM109株を用いた。クローニング後、18S r−RNA遺伝子配列を持ったプラスミドを、Plasmid Miniprepキット(Bio-Rad 製)によって調製した。調製後の試料の配列決定をシーケンサーを用いて行った。
その結果、分離株の18S r−RNA遺伝子配列は1797bpであり、GC含量は49.75mol%であった。既知のクロレラの18S r−RNA遺伝子配列とホモロジー検索を行ったところ、クロレラ・ソロキニアーナ(Chlorella sorokiniana )との相同性が99.7%、クロレラ・ブルガリス(Chlorella vulgaris)との相同性が99.5%、クロレラ・ケッスレリ(Chlorella kessleri)との相同性が97.9%、クロレラ・サッカロフィラ(Chlorella saccharophila )との相同性が94.6%であった。
透過型電子顕微鏡による形態観察および既知のクロレラの18S r−RNA遺伝子配列との相同性の比較の結果、上記分離株(HO−1株)はクロレラ・ソロキニアーナに属するものであると判断した。
【0011】
実施例2 微細藻分離株の培養特性
(実験方法)
分離したクロレラの培養特性を平型培養瓶を用いて3日間の回分培養を行い、CO2 濃度、培養液の温度および初期pHが藻体の増殖に及ぼす影響を調べた。また、NOとSO2 の藻体増殖への影響は、10%CO2 条件下、温度35℃で検討した。NOおよびSO2 の通気は明条件のみ行った。
培養液に通気したCO2 、NO、SO2 の濃度設定は、以下の観点から行った。化石燃料燃焼プラントからの排ガスに関して、NOX およびSOX については大気汚染防止法に基づき国の排出基準が設定されているが、実際、石炭、重原油、LNG火力発電所排ガス中に含まれるCO2 濃度(乾燥ガスベース)は9.0〜14.4%、NOX 濃度(石炭火力O2 =6%,重原油火力O2 =4%,LNG火力O2 =5%)は6〜198ppm(排ガス中のNOX の主要な成分はNOである)、SOX の主成分であるSO2 濃度(乾燥ガスベース)は8〜220ppmとそれぞれのプラントによって大きく異なっている。排出基準値に関しては、さらに、県や市町村と排出基準協定が結ばれている場合もあり、新しい発電所については現実的に国の排出基準の半分以下に排出が抑制されている場合が多い。以上のことを考慮して、本実施例では空気に富化するCO2 、NO、SO2 の濃度を、それぞれ10%、100ppm、25ppmと設定した。
光照射は白色蛍光灯を光源として、明暗周期12時間毎、120μmol・m-2・s-1の光強度で培養を行った。初期藻体接種濃度は0.05g乾燥重量・L-1とし、100mlのMBM液体培地を用いて通気量40ml・min-1で培養した。藻体の乾燥重量と培養液のpHを測定するために、12時間毎にサンプリングを行い分析に供した。
藻体の乾燥重量は、分光光度計を用いて、クロロフィルムの吸収のない波長750nmにおける吸光度を測定して求めた。すなわち、予め作成した藻体の乾燥重量と波長750nmにおける吸光度との検量線から、以下の換算式を用いて算出した:
乾燥重量(g・L-1)=0.362×OD750 (OD750 <0.3)
(CO2 濃度,培養液の温度,初期pHの影響)
CO2 濃度、培養液の温度および初期pHが藻体の増殖に及ぼす影響を図2に示した(グラフ中の縦線は標準誤差を示す)。5%CO2 濃度が藻体の増殖にとって最適な条件であったが、10%または15%のCO2 濃度条件下でも活発な増殖を示し、最大比増殖速度が若干低下した程度であった。このように、実施例1で分離したクロレラ(HO−1株)はCO2 濃度に関しては問題なく排ガスに対応できる、すなわち排ガス中のCO2 を固定化し得るものであった。
培養液の温度に関しては35℃が最適な条件であったが、最大比増殖速度は40℃、42℃および45℃でも高い値を示した。表2に示すように、3日間の回分培養終了後の藻体密度(最終到達藻体密度)についても同様の結果を示した。これまで温度40℃で増殖するクロレラ株が報告されているが、この株は増殖開始までに5日間の誘導期が存在しており(Phytochemistry, 31, 3345-3348, 1992 )、それと比較して今回分離したHO−1株には、培養液の温度が40℃の条件下においても、増殖開始までの誘導期間は生じていなかった。このような高温条件でも速やかに増殖を開始することは、本発明の分離株の長所である。また、本発明の分離株は上記のように温度45℃の条件下でも増殖が確認されており、このHO−1株を屋外で培養する際に、冷却を行わなくても培養できる可能性が極めて高く、この性質は屋外生産を考慮した場合、高い価値を有している。
培養液の初期pHについては、pH6.0が最適値であった。初期pHが4.0から7.0の範囲では、増殖に対して大きな影響は及ぼさなかった一方、pH3.0では増殖は著しい阻害を受けた。
(NO,SO2 の影響)
10%CO2 富化空気にNOおよびSO2 の一方または両方を添加し、HO−1株を用いて3日間の回分培養を行った時の、最大比増殖速度と最終到達藻体密度を調べた。結果を表3に示す。10%CO2 のみの場合をコントロールとして用いた。
100ppmのNOを添加した場合、最大比増殖速度および最終到達藻体密度はコントロールと同程度のレベルであり、同じような藻体密度の経時変化がみられた。この結果から、このクロレラHO−1株はNOに対して耐性を有していることが判明した。
25ppmのSO2 を添加した場合、コントロールと比較して、最大比増殖速度と最終到達藻体密度は同じ程度の値であった。次に、藻体が存在する場合と存在しない場合において、培養液のpH変化に及ぼすSO2 の影響を調べ、培養液のpHの経時変化を図3に示した。藻体が存在しない場合、10%CO2 富化空気を通気すると、通気後30分で培養液のpHは6.0から5.0に低下し、その後pH5.0周辺の値を保った。それに対して、SO2 を添加した場合では、培養液のpHは6.0から3.0に急激に低下した。一方、藻体が存在している場合、25ppmのSO2 を通気すると、通気後30分で培養液のpHは6.0から5.0に低下したが、その後は時間と共にpHは上昇し、60時間後には6.0を越えた。培養液のpHが3.0ではクロレラHO−1株は増殖できないことから、25ppmのSO2 を通気した際に藻体の増殖がみられたのは、初期にpH5.0まで低下した後、培養液のpHの低下を防ぐことができたためと予測される。このため、SO2 を通気した場合、培養液のpHを6.0周辺に保持することが、藻体の安定した増殖にとって必要条件であることがわかった。
さらに、100ppmのNOと25ppmのSO2 を同時に通気した場合、表3に示すように、最大比増殖速度および最終到達藻体密度はコントロールと同程度の値を得ることができ、良好な増殖を示した。この場合の培養液のpHは6.0周辺の値を保っていた。
以上の結果から、本発明の微細藻であるクロレラHO−1株を培養するために曝気する気体として、SO2 を含まないLNG火力発電所からの排ガスだけでなく、SO2 を含む石炭および石油火力発電所からの排ガスを使用できることが明らかである。
【0012】
実施例3 螺旋状チューブラーリアクターを用いた分離株の培養
(実験方法)
分離株(HO−1株)の光合成生産性を調べるために螺旋状チューブラーリアクターを用いて検討を行った。
螺旋状チューブラーリアクターの概要を図4に示す。該リアクターは、円錐型の螺旋状チューブラー受光部1と、光源としてのメタルハライドランプ5と、曝気する気体を供給するためのガス供給系7,8,9から概略構成される。受光部1上部からオーバーフローした培養液は、連結用チューブ2を介してガス抜き槽4に到り、ここで気体は排出される。培養液はさらに、別の連結用チューブ2を介して熱交換槽3に到り、冷却された後、連結用チューブ2を介して受光部1下部へ戻される。図中10は投込み式クーラーを示す。メタルハライドランプ5は受光部1上方に3個配置してあり、それぞれがタイマー6により照射時間および時期が制御されている。ガス供給系はエアーポンプ7、CO2 ガスボンベ8および図示しないがSOX (SO2 等)やNOX (NO等)用のガスボンベとそれぞれの流量を制御する流量計9からなる。
チューブラー受光部1は内径16mm、外径20mmの塩化ビニルチューブを、その頂点の角度が約60°の円錐型で螺旋状に巻回してなる。チューブラー受光部1の上部aの直径は80cmで設置面積が0.5m2 の大きさであり、受光部の表面積は1.0m2 である。メタルハライドランプ5としては250Wと400Wの2種類のタイプを使用した。光強度は光合成光量子束密度(Photosynthetic Photon Flux Density: PPFD,単位はμmol・m-2・s-1,400〜700nmの波長の光)によって表し、受光部上部と受光部表面での平均光強度は、それぞれ光量子計を用いた120および248ポイントの測定により決定した。250Wのメタルハライドランプの場合、受光部上部での平均光強度の測定結果は980μmol・m-2・s-1であり、この値はわが国中央地域の4月から9月の平均日射量条件に相当する。一方、400Wのメタルハライドランプの場合、受光部上部での平均光強度の測定結果は1737μmol・m-2・s-1であった。この値は250Wのメタルハライドランプの場合の約2倍であり、日本における夏季の南中時の光条件に匹敵する。
まず最初に、さまざまな通気速度条件において、10%CO2 富化空気を用いて6日間の回分培養を行った。また、NOおよびSO2 が藻体の光合成生産性に及ぼす影響を、同じ10%CO2 条件下で検討した。NOおよびSO2 の通気は明条件のみ行った。さらに、400Wのメタルハライドランプを用いて、強い光が光合成生産性に及ぼす影響を調べた。各実験において初期藻体接種濃度は0.4g乾燥重量・L-1とし、14LのM4N液体培地(表4)を用いて明暗周期12時間毎に回分培養を行った。藻体の乾燥重量を測定するために、12時間毎にサンプリングを行い分析に供した。ここで藻体の乾燥重量の測定は実施例2と同様に行った。
(脚注)
*A−5溶液の組成は表1に示したものと同様である。
回分培養終了後、培養液を8000rpm、25℃、15分間の条件で遠心分離し、藻体を回収した。集めた藻体を105℃で24時間乾燥させ、乾燥藻体を乳鉢と乳棒を用いて粉砕し、藻体の炭素含量の分析に用いた。藻体の炭素含量測定はCHNS/Oアナライザ(パーキン−エルマーアプライドバイオシステムズ社製)を用いて行った。
(分離藻株の光合成生産性)
10%富化空気の通気速度を変えて、螺旋状チューブラーリアクターで250Wのメタルハライドランプを光源として用いて回分培養を行い、その結果から、各々の場合における12時間の明条件での光合成生産性を検討し、それぞれの通気速度に対する12時間あたりの最大光合成生産性を求めた。12時間の明条件での最大光合成生産性に及ぼす通気速度の影響を図5に示す。クロレラHO−1株は0.6〜5.0L・min-1までの幅広い通気速度の範囲において、高い光合成生産性を示した。本クロレラは通気速度1.8〜3.0L・min-1が最適な範囲であり、そこで以下の実験において通気速度を1.8L・min-1として検討を行った。
螺旋状チューブラーリアクターを用いて、分離株の光合成生産性に及ぼす影響を検討した結果を表5にまとめた(光源は250Wのメタルハライドランプを使用した)。10%CO2 富化空気を通した場合、設置面積あたりの最大光合成生産性は34.2g乾燥重量・m-2・day-1であった。該富化空気に100ppmのNOを添加した場合も、同様の光合成生産性を得ることができた。100ppmのNOと25ppmのSO2 を10%CO2 富化空気に加えた際には、光合成生産性は10%CO2 富化空気のみの場合に比べ若干低くはなったものの、31.9g乾燥重量・m-2・day-1と十分に高い値を示した。熱交換槽での冷却操作を削減する観点から、今回の実験では培養液の冷却を行わなかったが、いずれの場合においても良好に増殖し、高い光合成生産性を得ることができた。実施例2に示したとおり、HO−1株の最適温度は35℃であったが、培養液の最高温度が42℃に達したにもかかわらず、活発な増殖を示した。12時間の照射時間のうち6時間程度、培養液の温度は40℃を越えていたにもかかわらず、活発な増殖を示したことは、本発明の微細藻の十分な高温耐性を証明している。
今回分離されたHO−1株の生産性を他の培養システムと比較する。これまでには以下のような生産性が報告されている。パネル式リアクターを用いてスピルリナをイタリアで培養した際の24g乾燥重量・m-2・day-1(Journal of Applied Phycology, 4, 221-231, 1992);6月のイタリアで二槽式チューブラーリアクターを用いてスピルリナを培養した際の27.8g乾燥重量・m-2・day-1(Biotechnology and Bioengineering, 42, 891-898, 1993 );ハワイの強光条件下で、屋外開放地を用いてテトラセルミスを培養した際の10.5g炭素重量・m-2・day-1(Biotechnology and Bioengineering, 37, 936-947, 1991 );イスラエルで屋外培養池を用いてスピルリナを培養した際の20.8g乾燥重量・m-2・day-1(Plant, Cell and Environment, 15, 613-616, 1992)等である。螺旋状チューブラーリアクターを用いてHO−1株を培養して得た光合成生産性は、他の培養システムと比較して高い値であることがわかる(表5参照)。なお、今回得られた値は10%CO2 富化空気を通気した場合のクロレラHA−1株(特開平5−304945号公報参照)の28.1g乾燥重量・m-2・day-1という値をも上回った。
光エネルギーの利用効率を把握するには、光合成効率を調べる必要がある。光合成効率は、受光部で受けた光合成有効放射量(Photosynthetic Active Radiation, PAR)基準の光エネルギーに対する、増加した分の藻体のエネルギーの割合と定義される。そこで上の実験で得られた結果から次のようにして最大光合成効率を算出した:
(a)まず、リアクターあたりの受光エネルギーを、リアクター受光部の表面積と受光部表面での光強度との積から算出し〔ここで受光エネルギーは単位W・m-2として算出するが、この場合W・m-2からμmol・m-2・s-1に変換する時の4.6(メタルハライドランプの場合)という変換係数を利用する。受光部表面(円錐型)での平均光強度の測定値:484μmol・m-2・s-1,光照射サイクルは12h・day-1〕、4571kJ・リアクター-1・day-1の値を得る。
(b)一方、藻体の炭素含量の測定の結果、藻体は48.1%の炭素を含んでおり、炭素含量あたりのバイオマスエネルギー量は47.7kJ・g-1炭素重量であるため、藻体重量あたりのバイオマスエネルギー量は22.9kJ・g-1乾燥重量となる。この値を利用して、増加した分の藻体エネルギーの算出を行う。
(c)上記bで得られた値を上記aで得られた値で除し、それを百分率とすることにより、最大光合成効率を算出する。
その結果、10%CO2 富化空気を通気した場合、最大光合成効率は8.64%(PAR)と極めて高い値を示した。100ppmのNOを添加した場合、最大光合成効率は8.51%(PAR)となり、10%CO2 富化空気を通気した場合と同程度の値を得ることができた。100ppmのNOと25ppmのSO2 を10%CO2 富化空気に加えた際には、最大光合成効率は若干低くなったが、それでも8.05%(PAR)と高い値を示した。このようにCO2 、NO、SO2 の混合ガス条件下においても光合成効率は8%(PAR)以上であった。今回得られたHO−1株の光合成効率はイタリアでスピルリナを培養した際の6.6%(PAR)(Biotechnology and Bioengineering, 42, 891-898, 1993 )やハワイでテトラセルミスを培養した際の4.7%(PAR)(Biotechnology and Bioengineering, 37, 936-947, 1991 )を上回り、極めて高い値であった。なお、螺旋状チューブラーリアクターでクロレラHA−1株を培養した際の光合成効率は6.79%(PAR)であり、本発明はこれをもさらに上回ったものである。
以上のことから、本発明の微細藻は高い光合成生産性を持つことがわかり、またLNG、石炭および石油火力発電所からの排ガスを螺旋状チューブラーリアクターに直接導入しても微細藻が培養され得ることが明らかとなった。
〔表5〕250Wメタルハライドランプを用いた螺旋状チューブラーリアクター
(強光条件下での培養特性)
屋外では夏季において太陽光が強くなるため、メタルハライドランプを250Wから400Wに交換して日本における夏季の晴天南中時の光条件を設定し、螺旋状チューブラーリアクターを用いて10%CO2 富化空気を通気して回分培養を行った。12時間の明条件における培養液の最高温度を調整するために、熱交換槽において冷却装置を用いた。いずれの条件においても、光照射開始後、培養液の温度は1時間で急激に上昇し、その後5時間の間、温度は徐々に上昇し、最高温度付近の値を約6時間程度保持した。光合成生産性に及ぼす培養液の最高温度の影響を図6に示した。最大光合成生産性は、最高温度38.0℃の時に得られた。培養液の最高温度が46.5℃までは、光合成生産性は最高温度の増加と共に徐々に減少した。それ以上の温度では光合成生産性は著しく低下した。最高温度が49.7℃に達した場合、このクロレラは生存することができなかったが、48.7℃においては生存でき、しかも増殖を示した。
強光条件において、螺旋状チューブラーリアクターを用いた藻体の光合成生産能力を表6にまとめた。比較のために、250Wのメタルハライドランプを用いて、10%CO2 富化空気を通気して回分培養を行った時の結果を示した。光強度の測定の結果、受光部表面(円錐型)での平均光強度は889μmol・m-2・s-1であったので、リアクターあたりの受光エネルギーは8391kJリアクター-1day-1(光照射サイクルは12h・day-1)となった。最大生産量は最高温度38.0℃の時で、設置面積あたりの光合成生産性は49.9g乾燥重量m-2・day-1であった。この値をバイオマスとしての回収エネルギーに変換すると、576kJリアクター-1day-1(光照射サイクルは12h・day-1)となった。その結果、夏季の晴天南中時の光条件における最大光合成効率は6.87%(PAR)であった。日本の平均的な日射量条件(受光部表面での光強度が484μmol・m-2・s-1の時)で得られた光合成効率よりは低かったが、それでも7%弱と高い値を示した。
このように強光、高温条件下で高い生産性を達成することができたことは、本発明の微細藻の屋外での培養を考慮した場合、極めて好ましい。本実験では12時間連続して強光を照射し続けたが、実際の屋外環境下では、強光条件の下で高い光エネルギーが照射され培養液の温度が高くなるのはもっと短時間である。従って、本発明の微細藻を屋外で培養した場合、夏季における冷却負荷軽減が可能であることが明らかである。
【0013】
【発明の効果】
以上詳細に記載したように、本発明の二酸化炭素固定用の微細藻は、高いCO2 濃度、NOX 濃度、SOX 濃度の条件下で生育可能であることから、各種化石燃料燃焼排ガスを直接培養装置に導入しても、該排ガス中の二酸化炭素を固定し、増殖することが可能である。また、夏季の強光、高温条件下においても、本発明の微細藻は活発に生育可能であり、冷却負荷の軽減を図ることができる。さらに、本発明の微細藻によるCO2 固定産物はタンパク含量が高く、家畜の飼料や工業用タンパク質の原料として有効利用することができると考えられるため、廃棄物(排ガス中のCO2 )の有効利用が可能となり、ひいては飼料穀物増産のための森林の耕地化に歯止めをかけることができ、熱帯林の破壊・砂漠化の防止などが図られるだけでなく、人口増や生活レベルの上昇に起因する食糧問題の解決等、地球環境問題解決に大きく寄与するものである。
本発明はまた、上記本発明の微細藻にCO2 を5〜20容量%という高い濃度で含有する気体を曝気することからなる培養方法の提供を可能にした。該気体としてはNOX やSOX を含有する火力発電所からの排ガスであってもよく、それにより微細藻の培養を低コストで行うことができるだけでなく、CO2 の放出を抑制し環境保護に貢献する。培養槽としていわゆる螺旋状チューブラーリアクターを用いることにより、光照射による培養の際の光エネルギーの利用効率をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の微細藻の一種であるHO−1株の生物の形態を示す透過型電子顕微鏡写真である。
【図2】微細藻の増殖に及ぼす各種要因の影響を示すグラフであり、(A)はCO2 濃度、(B)は培養液の温度、(C)は培養液の初期pHの影響をそれぞれ示すものである。
【図3】培養液のpHの経時変化に及ぼすSO2 濃度の影響を示すグラフである。
【図4】円錐型螺旋状チューブラーリアクターを概略的に示す図面である。
【図5】12時間明条件での最大光合成生産性に及ぼす通気速度の影響を示すグラフである。
【図6】最大光合成生産性に及ぼす培養液の最高温度の影響を示すグラフである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a microalgae for fixing carbon dioxide, and more specifically, can be used to fix carbon dioxide in various fossil fuel combustion exhaust gas in a thermal power plant, etc., and contributes to the reduction of greenhouse gas emissions derived from human activities The present invention relates to a microalga that can be cultured and a culture method thereof.
[0002]
[Prior art]
Microalgae is a generic term for lower plants that carry out photosynthesis consisting mainly of single cells. The types of microalgae are diverse and have various possibilities, but carbon dioxide (CO2) in fossil fuel exhaust gas from thermal power plants, etc.2) Is rarely used at the industrial level. In the past, there have been research cases in which the Tokugawa Biological Research Institute has cultured microalgae with exhaust gas burned with city gas, but fixed CO2The amount was small, and the fuel cost was too high, so it was not industrialized.
From the viewpoint of the use of microalgae, chlorella and spirulina are currently being industrialized for the purpose of producing health foods and Donariella for the production of β-carotene. However, acetic acid and inorganic carbonate are mainly used as the carbon source for culturing them, and CO in the exhaust gas is used.2Is not used.
In consideration of such a situation, the applicant of the present application is that CO2 in the fossil fuel combustion exhaust gas in a thermal power plant or the like.2A microalgae that can be used to immobilize the plant was isolated and filed earlier (Japanese Patent Application Laid-Open No. 5-304945). The gazette includes CO in exhaust gas.2CO immobilized2The use of fixed products as feed or industrial SCP (Single Cell Protein, microbial protein) is also disclosed. However, this microalgae is a relatively high NO in summertime, high temperature conditions, or comparable to coal and oil-fired power plant exhaust.X(Nitrogen oxide, Knox) concentration or SOXUnder the conditions of (sulfur oxide, socks) concentration, it cannot grow stably, and there is a problem that the application scene is limited.
Therefore, SO equivalent to that in the exhaust gas from a thermal power plant that uses coal or oil as fuel, or under intense light and high temperatures in summer.XAnd NOXThere is a strong demand for microalgae that can grow stably even at concentrations.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
CO derived from fossil fuel combustion gas discharged in large quantities from thermal power plants, etc.2The microalgae CO2In order to immobilize industrially using the fixing ability, it is an important key to use microalgae that function efficiently even under conditions in which exhaust gas is directly introduced into the culture tank. Here, the microalgae is equivalent to that in exhaust gas derived from combustion of various fossil fuels in thermal power plants and the like.2Concentration, NOXConcentration, SOXIt must be able to grow even under concentration conditions. In addition, it is advantageous in terms of cost to cultivate microalgae outdoors using sunlight, but when culturing outdoors, the temperature of the culture solution increases excessively under the strong sunlight conditions in summer However, maintaining high productivity is extremely important in terms of reducing the cooling load.
Therefore, the present invention is equivalent to various fossil fuel exhaust gases in thermal power plants and the like.2Concentration, NOXConcentration and SOXAn object of the present invention is to provide a microalgae that can grow even under high concentrations and high light conditions in summer and high temperature conditions, and a method for culturing the microalgae.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
As a result of various studies, the present inventor has found a relatively high concentration of CO.2, NOXAnd SOXEven in cultures that isolate and purify microalgae that are resistant to water and that can grow stably even at high light intensity and high temperatures, and aerated with gas simulating exhaust gas from a thermal power plant, the microalgae are CO.2It was found that there was almost no decrease in the fixing ability and the cells sufficiently proliferated, and further diligent research was conducted to complete the present invention.
[0005]
That is, the present invention provides NO up to 200 ppm.XConcentration, SO up to 50ppmXConcentration, 1000 to 2000 μmol · m-2・ S-1And at least one condition selected from the group consisting of a light intensity of 35 and a temperature of 35 to 49 ° C., and 5 to 20% by volume of CO.2The present invention relates to microalgae that can grow under conditions of concentration.
NO in the present inventionX, SOXAnd CO2These concentrations are numerical values based on the dry gas in the gas aerated during the culture. NO up to 200ppmXSO up to 50ppmXAnd / or 5-20% CO by volume2The microalgae of the present invention that can be grown even if a gas containing gas is aerated means that various fossil fuel combustion exhaust gas in a thermal power plant and the like can be directly aerated in a culture tank and cultured. NOXIs NO, NO2Is a general term for nitrogen oxides such as SOXIs SO2, SOFour 2-, S2Although it is a general term for sulfur oxides such as O and SO, NO in exhaust gas from thermal power plants, etc.XAnd SOXThe main components of NO and SO are respectively2It is.
The light intensity in the present invention is the average light intensity at the upper part of the culture tank light receiving part or at the surface of the culture solution. 1000 to 2000 μmol · m-2・ S-1This means that the microalgae of the present invention that can grow even with the light intensity of the present invention can be proliferated even if it is directly irradiated with sunlight in the middle of summer in Japan. Furthermore, most of the conventionally known microalgae cannot grow at a culture temperature of 35 to 49 ° C., but the microalgae of the present invention that can grow in such a high temperature region is cultured by culturing under the above-mentioned strong light. Even if the temperature of the liquid rises, there is no need to forcibly cool from the outside. That is, the microalgae of the present invention can reduce the cooling load during culture.
In the present invention, “being able to grow” means growing near or at the same level as that under normal atmospheric ventilation conditions, or growing higher than that. Needless to say, it is preferable to maintain the pH of the culture solution for cultivating the microalgae of the present invention in a range suitable for the microalgae, usually 4 to 7, particularly around 6. In particular, SOXWhen the contained air is aerated, the culture solution tends to be acidic, so it is necessary to adjust the pH of the culture solution to 4 to 7, particularly around 6.
[0006]
The present inventor purely isolates a new strain of chlorella that can grow under high temperature conditions using hot spring water, soil, etc. from various collection sites as a source of separation.2, NOXOr SOXIt is found that the strain can be stably grown under conditions of concentration or high light intensity, and the strain is compared with homology with the known chlorella 18S ribosomal RNA gene sequence, and morphological observation by transmission electron microscope, etc. From a natural point of view, it was judged to be Chlorella sorokiniana. The above strain was named HO-1 strain. In addition,Chlorella Solokiniana HO-1 strain is deposited at the National Institute of Advanced Industrial Science and Technology Patent Microorganism Depositary under the accession number FERM P-18160.
[0007]
The microalgae of the present invention is CO.2In addition, it can grow without a special carbon source such as acetic acid or carbonate.2Can be fixed and assimilated. Accordingly, the present invention provides CO2The present invention relates to a method for culturing microalgae comprising aeration of a gas having a concentration of 5 to 20% by volume to a culture solution of microalgae according to the present invention. In this method, the gas to be aerated may be, for example, various exhaust gas generated when fossil fuel is burned, and in particular, thermal power plant exhaust gas.
In addition, the microalgae of the present invention can be cultured in a normal culture tank without any problem, but photosynthesis is performed during growth, so that the photosynthesis can be performed with higher efficiency. Further, it is preferable to use a colorless and transparent tube such as a plastic tube or a glass tube spirally wound as a culture tank (hereinafter also referred to as a helical tubular reactor). The spiral tubular reactor may be one in which a tube is wound in a cylindrical shape. However, when the spiral tubular reactor is wound in a conical shape, light is evenly applied to the entire reactor, which is preferable.
[0008]
Usually, about half of the substances constituting the algal bodies are proteins, and the microalgae can be sufficiently used as industrial proteins or their raw materials, or as high nutrient feeds. Therefore, the protein content contained in the microalgae that are the carbon dioxide-fixed product of the microalgae of the present invention is also predicted to be about half of the dry matter weight. Therefore, the possibility that the microalgae of the present invention can be used as a highly nutritious feed or industrial protein (or a raw material thereof) is sufficiently high.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The HO-1 strain, which is a kind of microalgae of the present invention, is placed in a flat culture bottle with CO.2When cultured at a concentration of 10 or 15%, both showed active growth. Although the optimum temperature at this time was 35 ° C., it showed good growth even at 40 ° C., and it could grow for a short time to 45 ° C., and the optimum pH value was about 6.0. 10% CO2100 ppm NO and 25 ppm SO in enriched air2Even if one or both are mixed and ventilated, 10% CO2A maximum specific growth rate and final algae density comparable to those with enriched air alone were obtained.
In addition, in a spiral tubular reactor formed by winding a HO-1 strain, which is a kind of the microalgae of the present invention, into a conical shape with a vinyl chloride tube wound, the standard solar radiation condition in Japan (about 980 μmol · m-2・ S-1)), Maximum 34.2 g dry matter / m2The installation area / day productivity was achieved, and the photosynthetic efficiency was very high at 8.64%. Furthermore, the strongest light conditions in summer (about 1700 μmol · m-2・ S-1) Also demonstrated good productivity and confirmed growth at 48.7 ° C. 10% CO2100 ppm NO and 25 ppm SO in enriched air2Even when one or both of these were mixed and aerated, and indoor culture was performed simulating the above-mentioned standard solar radiation amount conditions, the microalgae of the present invention maintained both high productivity and photosynthetic efficiency.
From these, the microalgae of the present invention is SO.XAs well as exhaust gas from LNG thermal power plants not containing SOXCO in exhaust gas from coal and petroleum thermal power plants2Since it is applicable to fixation and exhibits extremely high photosynthetic productivity even under high temperature and strong light, it is clear that it has a great advantage in outdoor cultivation in summer and reduction of cooling load.
[0010]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention further in detail, this invention is not limited to these Examples.
Example 1 Separation and classification of microalgae
(Separation of microalgae)
Separation of microalgae grown under high temperature conditions from the natural world was performed according to the following method. Hot spring water or soil (a total of 8 types) collected from Hakone, Kanagawa Prefecture was used as a separation source. When the sample was liquid, 1 ml was inoculated into a test tube containing 15 ml of MBM liquid medium (Table 1) at a wet weight of 1 g when soiled, and cultured at 40 ° C. for 4 weeks before standing. A white fluorescent lamp is used as a light source for continuous irradiation, and the light intensity condition is 30 μmol · m.-2・ S-1It was. Using the sample after pre-culture, 10% CO under the same light conditions2Enriched air was used for enrichment culture for 5 days at a temperature of 40 ° C. Samples confirmed to grow microalgae in enrichment culture were sequentially diluted with sterilized water, and each diluted solution was applied to an MBM agar medium (1.5% agar added to the above MBM liquid medium) at a temperature of 26 ° C. Incubated for 2 weeks. Light irradiation uses a white fluorescent lamp as a light source, and the light intensity at the time of light is 120 μmol · m every 12 hours (12 hours light condition).-2・ S-1As a culture. After colony formation, a single colony was separated and planted on an MBM slope agar medium, and this was used as an isolate. It was confirmed that the isolate was free from bacteria.
(footnote)
* The composition of the A-5 solution is as follows:
HThreeBOThree 286mg
MnSOFour・ 7H2O 250mg
ZnSOFour・ 7H2O 22.2mg
CuSOFour・ 5H2O 7.9mg
Na2MoOFour 2.1mg
1 liter of distilled water
As a result of the above operation, algae was isolated from 2 samples out of 8 collected samples, and the isolate with higher growth was named HO-1 strain and used for the following experiment. . In addition, the sample which became the isolation | separation source of HO-1 stock | strain was the hot spring water of the iron mineral spring of Owakudani of Hakone-machi, Kanagawa Prefecture, temperature was 43 degreeC (raw water temperature 63 degreeC), and pH 7.28. As a result of observing the form of the above-mentioned isolate by an optical microscope, it was found that it was a genus Chlorella at the genus level. However, since it is impossible to identify the species level by morphological observation with an optical microscope, morphological observation with a transmission electron microscope and analysis of the 18S r-RNA gene sequence were performed, and identification of the isolate at the species level was attempted. It was.
(Electron microscope observation)
Morphological observation of the isolate with a transmission electron microscope was performed according to the following method. Pre-fixation was performed using 2% glutaraldehyde in 0.05 M phosphate buffer at pH 7.0 and a temperature of 4 ° C. for 2 hours. Post-fixation was performed using 2% osmium tetroxide in 0.05M phosphate buffer at pH 7.0 and a temperature of 4 ° C. for 2 hours. After dehydration with an acetone series, embedding was performed using Spurr resin. After preparation of ultrathin sections, the cells were stained with 4% uranyl acetate at room temperature for 15 minutes under light shielding and washed with water. Furthermore, staining was performed at room temperature for 15 minutes using 0.4% lead citrate. After washing with water, the isolate was photographed with an accelerating voltage of 80 kV using a transmission electron microscope. The obtained photograph is shown in FIG. The cell shape was spherical and the size was about 3-8 μm in diameter.
(Determination of nucleotide sequence of ribosomal RNA)
The 18S r-RNA gene sequence of the isolate was determined according to the following method.
First, in order to isolate genomic DNA from the isolate, DNA extraction with benzyl chloride was performed using an ISOPLANT kit (manufactured by Nippon Gene). Using the isolated genomic DNA as a template, PCR of genomic DNA was performed with ExTaq DNA polymerase (Takara Shuzo). Considering the known 18S r-RNA gene of chlorella, the following two types of PCR primers:
F5'-aacctggttgatcctgccagtagtc-3 '
R5'-ttgatccttctgcaggttcacctac-3 '
Was used. After confirming the PCR amplified fragment by electrophoresis, the gene fragment was ligated to a pGEM-T vector (Promega). E. coli JM109 strain was used as a vector host. After cloning, a plasmid having an 18S r-RNA gene sequence was prepared using a Plasmid Miniprep kit (manufactured by Bio-Rad). The prepared sample was sequenced using a sequencer.
As a result, the 18S r-RNA gene sequence of the isolate was 1797 bp, and the GC content was 49.75 mol%. A homology search with a known chlorella 18S r-RNA gene sequence revealed a homology of 99.7% with Chlorella sorokiniana and a homology with Chlorella vulgaris of 99. The homology with Chlorella kessleri was 97.9%, and the homology with Chlorella saccharophila was 94.6%.
As a result of morphological observation with a transmission electron microscope and comparison of homology with the known chlorella 18S r-RNA gene sequence, it was determined that the above-mentioned isolate (HO-1 strain) belongs to Chlorella solokiniana.
[0011]
Example 2 Culture characteristics of microalgae isolates
(experimental method)
The culture characteristics of the separated chlorella were cultivated for 3 days using flat culture bottles, and CO2The effects of concentration, culture medium temperature and initial pH on algal growth were examined. NO and SO2Of 10% CO on the growth of alga2The conditions were examined at a temperature of 35 ° C. NO and SO2Ventilation was performed only in bright conditions.
CO aerated in culture2, NO, SO2The concentration of was set from the following viewpoints. NO with regard to exhaust gas from fossil fuel combustion plantsXAnd SOXAlthough the national emission standards are set based on the Air Pollution Control Law, CO, which is actually contained in coal, heavy crude oil, LNG thermal power plant exhaust gas2Concentration (dry gas base) is 9.0-14.4%, NOXConcentration (Coal fired power O2= 6%, heavy crude oil thermal power O2= 4%, LNG thermal power O2= 5%) is 6 to 198 ppm (NO in exhaust gas)XThe main component of NO is NO), SOXSO, the main component of2The concentration (dry gas base) is 8 to 220 ppm, which varies greatly depending on each plant. Regarding emission standards, there are also cases where emission standards agreements have been concluded with prefectures and municipalities. In many cases, new power plants are actually controlled to less than half the national emission standards. Considering the above, in this embodiment, CO enriched in air.2, NO, SO2Were set to 10%, 100 ppm, and 25 ppm, respectively.
Light irradiation is performed using a white fluorescent lamp as a light source, 120 μmol · m every 12 hours of light / dark cycle.-2・ S-1Culturing was performed at a light intensity of. Initial alga body inoculation concentration is 0.05g dry weight / L-1And aeration volume of 40 ml / min using 100 ml of MBM liquid medium.-1In culture. In order to measure the dry weight of the algal cells and the pH of the culture solution, sampling was performed every 12 hours for analysis.
The dry weight of the algal cells was determined by measuring the absorbance at a wavelength of 750 nm without absorption of the chlorofilm using a spectrophotometer. That is, it calculated using the following conversion formula from the calibration curve of the dry weight of the alga body prepared in advance and the absorbance at a wavelength of 750 nm:
Dry weight (g · L-1) = 0.362 × OD750(OD750<0.3)
(CO2Effect of concentration, culture temperature, and initial pH)
CO2The influence of the concentration, the temperature of the culture solution and the initial pH on the growth of algal cells is shown in FIG. 2 (the vertical line in the graph indicates standard error). 5% CO2Concentration was the optimal condition for algal growth, but 10% or 15% CO2Active growth was observed even under concentration conditions, and the maximum specific growth rate was slightly reduced. Thus, chlorella (HO-1 strain) isolated in Example 1 is
Regarding the temperature of the culture solution, 35 ° C was the optimum condition, but the maximum specific growth rate showed a high value even at 40 ° C, 42 ° C and 45 ° C. As shown in Table 2, similar results were shown for algal body density (final reached alga body density) after completion of batch culture for 3 days. Until now, a chlorella strain that has grown at a temperature of 40 ° C. has been reported, but this strain has a five-day induction period (Phytochemistry, 31, 3345-3348, 1992). In the HO-1 strain isolated this time, the induction period until the start of growth did not occur even when the temperature of the culture solution was 40 ° C. It is an advantage of the isolate of the present invention that it starts to grow rapidly even under such high temperature conditions. In addition, the isolate of the present invention has been confirmed to grow even under the condition of a temperature of 45 ° C. as described above, and when cultivating this HO-1 strain outdoors, there is a possibility that it can be cultured without cooling. This property is extremely high, and this property has a high value when considering outdoor production.
As for the initial pH of the culture solution, pH 6.0 was the optimum value. While the initial pH ranged from 4.0 to 7.0, it had no significant effect on growth, while at pH 3.0, growth was significantly inhibited.
(NO, SO2Impact of)
10% CO2NO and SO in enriched air2One or both of these were added, and the maximum specific growth rate and the final algal body density were examined when batch culture was performed for 3 days using the HO-1 strain. The results are shown in Table 3. 10% CO2Only the case was used as a control.
When 100 ppm of NO was added, the maximum specific growth rate and the final reached alga body density were at the same level as the control, and similar changes in alga body density over time were observed. From this result, it was found that this chlorella HO-1 strain is resistant to NO.
25ppm SO2As compared with the control, the maximum specific growth rate and the final algal body density were the same values. Next, the effect of SO on the pH change of the culture solution in the presence and absence of algal bodies.2The change in pH of the culture broth with time was shown in FIG. 10% CO if no algae is present2When enriched air was ventilated, the pH of the culture broth dropped from 6.0 to 5.0 30 minutes after the aeration, and then maintained around pH 5.0. In contrast, SO2Was added, the pH of the culture solution dropped rapidly from 6.0 to 3.0. On the other hand, when algal bodies are present, 25 ppm of SO2When 30 minutes after aeration, the pH of the culture broth decreased from 6.0 to 5.0 after 30 minutes, but thereafter the pH increased with time and exceeded 6.0 after 60 hours. Since the chlorella HO-1 strain cannot grow when the pH of the culture solution is 3.0, 25 ppm of SO2The growth of algal bodies was observed when the culture medium was ventilated because it was possible to prevent a decrease in the pH of the culture solution after the initial decrease to pH 5.0. For this reason, SO2It was found that maintaining the pH of the culture solution around 6.0 was a necessary condition for stable growth of algal cells.
In addition, 100 ppm NO and 25 ppm SO2As shown in Table 3, the maximum specific growth rate and the final algal body density were comparable to those in the control, and showed good growth. In this case, the pH of the culture solution maintained a value around 6.0.
From the above results, as a gas to be aerated for culturing the chlorella HO-1 strain which is a microalga of the present invention, SO2As well as exhaust gas from LNG thermal power plants not containing SO2It is clear that exhaust gas from coal and oil fired power plants containing can be used.
[0012]
Example 3 Cultivation of isolates using a helical tubular reactor
(experimental method)
In order to investigate the photosynthetic productivity of the isolate (HO-1 strain), a spiral tubular reactor was used for examination.
An outline of the spiral tubular reactor is shown in FIG. The reactor is generally composed of a conical spiral tubular
The tubular light-receiving
First, 10% CO at various aeration rate conditions2Batch culture for 6 days was performed using enriched air. NO and SO2Of 10% CO2 on the photosynthetic productivity of algal cells2The conditions were examined. NO and SO2Ventilation was performed only in bright conditions. Furthermore, the influence of strong light on photosynthetic productivity was examined using a 400 W metal halide lamp. In each experiment, the initial inoculum concentration is 0.4 g dry weight · L-1Then, batch culture was performed every 14 hours using a 14 L M4N liquid medium (Table 4). In order to measure the dry weight of the algal bodies, sampling was performed every 12 hours for analysis. Here, the dry weight of the algal cells was measured in the same manner as in Example 2.
(footnote)
* The composition of the A-5 solution is the same as that shown in Table 1.
After completion of batch culture, the culture solution was centrifuged under the conditions of 8000 rpm, 25 ° C., and 15 minutes to recover algal cells. The collected algal bodies were dried at 105 ° C. for 24 hours, and the dried algal bodies were pulverized using a mortar and pestle and used for analysis of the carbon content of the algal bodies. The carbon content of the algal cells was measured using a CHNS / O analyzer (manufactured by Perkin-Elmer Applied Biosystems).
(Photosynthesis productivity of isolated algae strains)
10% enriched air aeration rate was changed and batch culture was performed in a spiral tubular reactor using a 250W metal halide lamp as a light source. From the results, photosynthetic productivity in 12 hours of light conditions in each case And the maximum photosynthetic productivity per 12 hours for each aeration rate was determined. FIG. 5 shows the influence of the aeration rate on the maximum photosynthetic productivity under 12 hours of light conditions. Chlorella HO-1 strain is 0.6-5.0L ・ min-1High photosynthetic productivity was exhibited over a wide range of ventilation speeds. This chlorella has a ventilation speed of 1.8-3.0L ・ min-1Is the optimum range, and in the following experiment, the ventilation rate is 1.8 L · min.-1As a review.
Table 5 summarizes the results of studying the effects of isolates on photosynthetic productivity using a helical tubular reactor (a 250 W metal halide lamp was used as the light source). 10% CO2When enriched air is passed, the maximum photosynthetic productivity per installation area is 34.2 g dry weight / m-2・ Day-1Met. Similar photosynthesis productivity could be obtained when 100 ppm NO was added to the enriched air. 100 ppm NO and 25 ppm SO210% CO2When added to enriched air, photosynthetic productivity is 10% CO231.9g dry weight / m, although slightly lower than in the case of enriched air only-2・ Day-1And a sufficiently high value. From the viewpoint of reducing the cooling operation in the heat exchange tank, the culture solution was not cooled in this experiment, but in any case, it grew well and high photosynthesis productivity could be obtained. As shown in Example 2, the optimum temperature of the HO-1 strain was 35 ° C., but it showed active growth even though the maximum temperature of the culture solution reached 42 ° C. Even though the temperature of the culture broth exceeded 40 ° C. for about 6 hours in the irradiation time of 12 hours, the fact that it showed active growth proved that the microalgae of the present invention had sufficient high-temperature resistance. Yes.
The productivity of the HO-1 strain isolated this time is compared with other culture systems. The following productivity has been reported so far. 24g dry weight / m when Spirulina was cultured in Italy using a panel reactor-2・ Day-1(Journal of Applied Phycology, 4, 221-231, 1992); 27.8 g dry weight / m when Spirulina was cultured in Italy in June using a two-tank tubular reactor-2・ Day-1(Biotechnology and Bioengineering, 42, 891-898, 1993); 10.5 g carbon weight / m when cultivating tetracelmis using open ground in Hawaii under strong light conditions-2・ Day-1(Biotechnology and Bioengineering, 37, 936-947, 1991); 20.8 g dry weight / m when spirulina was cultured in an outdoor culture pond in Israel-2・ Day-1(Plant, Cell and Environment, 15, 613-616, 1992). It can be seen that the photosynthetic productivity obtained by culturing the HO-1 strain using a spiral tubular reactor is higher than that of other culture systems (see Table 5). The value obtained this time is 10% CO2.228.1 g dry weight / m of chlorella HA-1 strain (see JP-A-5-304945) when enriched air is ventilated-2・ Day-1Also exceeded the value.
In order to grasp the utilization efficiency of light energy, it is necessary to examine the photosynthesis efficiency. The photosynthetic efficiency is defined as the ratio of the increased algal body energy to the light energy based on the photosynthetic active radiation (PAR) standard received by the light receiving unit. Therefore, the maximum photosynthetic efficiency was calculated from the results obtained in the above experiment as follows:
(A) First, the light receiving energy per reactor is calculated from the product of the surface area of the reactor light receiving portion and the light intensity at the surface of the light receiving portion [where the light receiving energy is in units of W · m-2In this case, W · m-2To μmol · m-2・ S-1A conversion coefficient of 4.6 (in the case of a metal halide lamp) at the time of conversion to is used. Measured value of average light intensity at the light receiving surface (conical shape): 484 μmol · m-2・ S-1, The light irradiation cycle is 12h · day-1], 4571kJ reactor-1・ Day-1Get the value of.
(B) On the other hand, as a result of measuring the carbon content of the algal bodies, the algal bodies contain 48.1% carbon, and the biomass energy amount per carbon content is 47.7 kJ · g.-1Because it is carbon weight, the biomass energy amount per algal body weight is 22.9 kJ · g-1It becomes dry weight. By using this value, the increased algal body energy is calculated.
(C) The maximum photosynthesis efficiency is calculated by dividing the value obtained in b above by the value obtained in a above and making it a percentage.
As a result, 10% CO2When enriched air was ventilated, the maximum photosynthetic efficiency was 8.64% (PAR), which was a very high value. When 100 ppm of NO is added, the maximum photosynthetic efficiency is 8.51% (PAR).2It was possible to obtain the same value as when the enriched air was vented. 100 ppm NO and 25 ppm SO210% CO2When added to enriched air, the maximum photosynthetic efficiency was slightly lower but still showed a high value of 8.05% (PAR). In this way CO2, NO, SO2The photosynthesis efficiency was 8% (PAR) or higher even under the mixed gas conditions. The photosynthetic efficiency of the HO-1 strain obtained this time was 6.6% (PAR) when spirulina was cultured in Italy (Biotechnology and Bioengineering, 42, 891-898, 1993), and 4 when culturing Tetracermis in Hawaii. It was very high, exceeding 7% (PAR) (Biotechnology and Bioengineering, 37, 936-947, 1991). The photosynthesis efficiency when chlorella HA-1 strain was cultured in a spiral tubular reactor was 6.79% (PAR), and the present invention further exceeds this.
From the above, it can be seen that the microalgae of the present invention has high photosynthetic productivity, and microalgae can be cultured even if exhaust gas from LNG, coal and petroleum thermal power plant is directly introduced into the spiral tubular reactor. It became clear to get.
[Table 5] Spiral tubular reactor using 250W metal halide lamp
(Culture characteristics under strong light conditions)
Outdoors, the sunlight becomes stronger in the summer, so the metal halide lamp is changed from 250W to 400W to set the light conditions during the summer in sunny weather in Japan and 10% CO2 using a spiral tubular reactor.2Batch culture was performed with aeration of enriched air. In order to adjust the maximum temperature of the culture solution under the light condition of 12 hours, a cooling device was used in the heat exchange tank. Under either condition, the temperature of the culture broth rapidly increased in 1 hour after the start of light irradiation, and then gradually increased for 5 hours, and the value near the maximum temperature was maintained for about 6 hours. The influence of the maximum temperature of the culture solution on the photosynthetic productivity is shown in FIG. Maximum photosynthetic productivity was obtained at a maximum temperature of 38.0 ° C. The photosynthetic productivity gradually decreased with increasing maximum temperature until the maximum temperature of the culture broth reached 46.5 ° C. Above that temperature, the photosynthetic productivity decreased remarkably. When the maximum temperature reached 49.7 ° C., this chlorella could not survive, but at 48.7 ° C. it survived and showed growth.
Table 6 summarizes the photosynthetic production capacities of algal cells using a spiral tubular reactor under strong light conditions. For comparison, using a 250 W metal halide lamp, 10% CO2The results when batch culture was performed with aeration of enriched air were shown. As a result of the measurement of the light intensity, the average light intensity at the surface of the light receiving part (conical shape) is 889 μmol · m.-2・ S-1The received light energy per reactor was 8391 kJ reactor-1day-1(Light irradiation cycle is 12h · day-1) The maximum production is at a maximum temperature of 38.0 ° C., and the photosynthetic productivity per installation area is 49.9 g dry weight m-2・ Day-1Met. When this value is converted into recovered energy as biomass, a 576 kJ reactor-1day-1(Light irradiation cycle is 12h · day-1) As a result, the maximum photosynthetic efficiency under the light conditions in the middle of sunny summer was 6.87% (PAR). Japan's average solar radiation conditions (light intensity on the light receiving surface is 484μmol · m-2・ S-1The photosynthesis efficiency was lower than that obtained in (1), but still showed a high value of just under 7%.
The fact that high productivity can be achieved under such intense light and high temperature conditions is extremely preferable in consideration of outdoor cultivation of the microalgae of the present invention. In this experiment, strong light was continuously radiated for 12 hours, but under an actual outdoor environment, high light energy was radiated under high light conditions, and the temperature of the culture solution increased for a shorter time. . Therefore, when the microalgae of the present invention is cultured outdoors, it is clear that the cooling load in summer can be reduced.
[0013]
【The invention's effect】
As described in detail above, the microalgae for fixing carbon dioxide of the present invention has
The present invention also provides the microalgae of the present invention with CO.2It was possible to provide a culture method comprising aeration of a gas containing 5 to 20% by volume of gas. The gas is NOXOr SOXExhaust gas from a thermal power plant containing sucrose may be used, so that microalgae can be cultured at low cost, as well as CO2Contributes to environmental protection by suppressing the release of. By using a so-called spiral tubular reactor as a culture tank, the utilization efficiency of light energy during culture by light irradiation can be further improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a transmission electron micrograph showing the morphology of an organism of HO-1 strain, which is a kind of microalgae of the present invention.
FIG. 2 is a graph showing the influence of various factors on the growth of microalgae.2The concentration, (B) shows the temperature of the culture solution, and (C) shows the influence of the initial pH of the culture solution.
FIG. 3 shows the effect of SO on the change in pH of culture solution over time2It is a graph which shows the influence of a density | concentration.
FIG. 4 is a schematic view of a conical spiral tubular reactor.
FIG. 5 is a graph showing the influence of aeration rate on the maximum photosynthetic productivity under 12-hour light conditions.
FIG. 6 is a graph showing the influence of the maximum temperature of the culture solution on the maximum photosynthetic productivity.
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