JP3756744B2 - 鍛造型の損傷形態予測方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鍛造型に発生する損傷形態を予測し、さらには、鍛造型の寿命を予測する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
鍛造加工では、鍛造型に大きな力と高い熱が加わり、鍛造型が損傷しやすくその寿命が短い。そのために、鍛造工程を工夫し、できるだけ型寿命が伸びる鍛造工程を採用することが行なわれる。しかしながら現在のところ、鍛造型の寿命を信頼できる程度に予想する技術が開発されておらず、試行錯誤的に鍛造工程を決定している。
世の中では鍛造型の寿命予測技術につながる技術が断片的に開発されている。例えば、焼戻し加熱に伴う鋼の軟化を予測する条件式が提案されている(鉄と鋼、第10号、1980年、井上毅)。しかしながら、この技術は、機械構造用鋼の焼戻し軟化予測にとどまっており、損傷形態や寿命を予測できない。故障分布形態も研究されているが(塑性加工春期講演会講演論文集1巻、1996年、藤川真一郎)、損傷要因を特定できない為に損傷形態予測につながらない。材料の破壊理論の研究も進んでいるが(第45回塑性加工講演論文29、1994年、宮原ほか)、疲労破壊に限定され、鍛造型の損傷形態の予測や寿命予測には不十分である。
特開平10−175037号公報には、鍛造型に有限要素法を適用して型に作用する塑性変形応力と最大主応力を計算し、計算された塑性変形応力振幅と最大主応力振幅から亀裂進展速度を計算し、計算される亀裂深さが所定深さにまで達すまでの加工回数を計算して寿命を計算する技術を示している。しかしながら、型の寿命は亀裂が進行することで決定される場合ばかりでなく、むしろ熱間鍛造型の場合には、摩耗が進行して型寿命に至ることの方が多い。亀裂深さを計算して寿命を予測する技術では、極めて限られた場合にしか信頼できる寿命が計算できない。
【0003】
同一の鍛造結果が得られる複数の鍛造工程案が存在する場合には、素材の変形過程と、鍛造型に加わる静水圧と荷重を算出し、算出結果を人が判断して型寿命からみて最適と思われる鍛造工程を採用している。しかしながら、実際には何が最適であるかの知識が得られておらず、必ずしも最適な鍛造工程が選択されるものでない。依然として、試行錯誤の段階にとどまっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明では、鍛造型に発生する損傷形態を予測できる技術を開発する。さらには、鍛造型の損傷形態から鍛造型の寿命を予測する技術を開発する。鍛造型に発生する損傷形態は型寿命に密接に関係し、損傷形態を予測できれば、鍛造工程の妥当性を客観的に評価することが可能となる。あるいは鍛造製品の形状に無理があるか否かの評価が可能となる。
【0005】
【課題を解決する為の手段と作用と効果】 本発明では、鍛造型に作用して寿命を決定する負荷が、大きくは、機械的負荷と熱的負荷に分けられることに着目する。機械的負荷は型に作用する応力に代表されるように、鍛造型を変形させたり、摩耗させたりする指標ということができる。機械的負荷には、累積摩擦仕事量と表面積拡大比とすべり距離とすべり速度等を採用することができる。熱的負荷は鍛造型に高温が繰り返し加えられことで鍛造型が焼き戻されることに代表されるように、鍛造型が変形したり摩耗したりするときのし易さの指標ということができる。熱的負荷には、降伏強度比等を採用することができる。
本発明は、「機械的負荷―熱的負荷―鍛造型に生じる損傷形態」の関係を分析した結果、明瞭な関係が得られることを見出して確認したことに立脚する。
鍛造型に発生する損傷形態は、「ヒートチェック、ヒートクラック、すじ状痕、変形、摩耗小、摩耗大」等に分類される。ここで、鍛造型に作用する機械的負荷と熱的負荷を基準にしてその負荷の組合せ状態のもとで鍛造型に発生する損傷形態を分類すると、負荷の組合せ状態と損傷形態が良く対応することが確認された。
そこで、「機械的負荷―熱的負荷―鍛造型に生じる損傷形態」の関係を示すデータベースを一旦構築しておけば、以後は、鍛造型に作用する機械的負荷と熱的負荷に基づいて、その負荷の組合せ状態で発生する損傷形態を良く予測することができる。
【0006】
本発明の第1の態様では、鍛造型に作用する機械的負荷と熱的負荷を入力してその負荷の組合せ状態で鍛造型に発生する損傷形態を出力するデータベースを構築しておく。その上で、計画中の鍛造型に作用する機械的負荷と熱的負荷を算出する。算出された負荷の組合せを前記データベースに入力し、そのデータベースから損傷形態を出力することによって鍛造型に発生する損傷形態を予測する。
【0007】
この方法によると、計算して求めることができる「鍛造型に作用する機械的負荷と熱的負荷」から、その負荷の組合せ状態のもとで鍛造型に生じる損傷形態を正確に予測することができる。損傷形態を知ることは鍛造工程の設計または評価等の際に極めて有効であり、例えば、ヒートチェック、ヒートクラックが発生するうちに鍛造が終了する場合には鍛造工程に無理がないことがわかり、一方、摩耗大形態が発生する場合には鍛造工程の見直しが必要とされるといったことが直ちに理解される。
【0008】
機械的負荷として累積摩擦仕事量をとり、熱的負荷として降伏強度比をとることが特に有用である。この場合、一方の軸に累積摩擦仕事量をとり、それに直交する軸に降伏強度比をとった二次元平面のなかに損傷形態が明確に分類され、累積摩擦仕事量と降伏強度比から読み出される損傷形態が極めて正確で誤りが少ない。
【0009】
過去に使用した鍛造型を、機械的負荷と熱的負荷の組合せに対して、そのときのその鍛造型に発生した損傷形態を調査して前データベースを作成することができる。このようにすると、別途に実験や試験をする必要がなく、しかも、実情に適った信頼性の高いデータベースが構築される。
【0010】
発明の第2の態様では、損傷形態に着目して寿命を予測する。この態様では、計画中の鍛造型に作用する機械的負荷と熱的負荷を鍛造加工回数ごとに算出して行く。そして鍛造加工回数ごとに算出される負荷の組合せを前記データベースに入力し、そのデータベースから出力される損傷形態が摩耗大形態となるまでの鍛造加工回数を算出する。
【0011】
このようにして算出される加工回数は、少なくともその加工回数以上は鍛造加工可能なことを示す回数(最小寿命に相当する)である。
本発明者らの研究によって、鍛造型が焼き戻されて軟化し、そこに大きな機械的負荷が作用するときに鍛造型は大きく摩耗し始め、その後に寿命に至ることがわかってきた。そこで、鍛造加工回数ごとに算出される負荷の組合せを前記データベースに入力したとき、そのデータベースから出力される損傷形態が摩耗大形態以外のうちは問題なく鍛造をすることができとともに、加工回数が増大するとそのデータベースから摩耗大形態が出力され始め、こうなると寿命が近いことがわかった。
本発明では、この知見を活用して寿命を算出する。ここで算出される寿命は余裕のあるものであり、これを指標として鍛造工程を修正すると、与えられた寿命を満たす鍛造工程が得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に説明する実施例の主要な特徴を先に列記する。
(形態1) 機械的負荷として、表面積拡大比、すべり距離、すべり速度のいずれかを採用する。
(形態2) 熱的負荷として採用する降伏強度比の算出に用いられる金型の降伏強さは、軟化反応に要する活性化エネルギーと温度と持続時間から計算されるλの値を、鍛造加工回数ごとに加えられる高温と持続時間の影響を累積して得られる硬さの情報から算出される。
(形態3) 降伏強さは、あらかじめ実験的に求めておいた各種金型材料の高温変形抵抗と鍛造加工時の鍛造型の温度で計算される。
(形態4) 請求項4に記載の方法を現に使用中の鍛造型に適用して寿命を予測する。この発明の方法は、鍛造型の準備段階で活用することが最も有効であるが、現に使用している鍛造型に適用して残存する寿命を予測するために用いることもできる。
【0013】
【実施例】
図1は本実施例の全体処理手順を示す。ステップS1では鍛造品の形状が設計される。ステップS2では鍛造工程が設計される。通常の鍛造加工では、素材を1度に鍛造して最終形状に加工するのではなく、図5に例示されるように、複数回に分けて鍛造して最終形状に加工する。図5では簡単のために2回の鍛造で最終形状に加工する様子を示しているが、実際には多数回の鍛造で最終形状に加工されることがある。ここでいう鍛造工程とは、各回の鍛造加工でどのような形状に加工して最終形状に至るかの連鎖をいう。
【0014】
図1のステップS6では、計算機による数値計算のために、素材の原型、中間形状、最終形状等の幾何データを作成して計算機に入力する。ステップS8では、計算機で熱−変形連成解析を実行するのに必要な各種データを計算機に入力する。このために、プレスD/B(以下、D/Bはデータベースを示す)D1,被加工材変形抵抗D/B(D2),界面特性D/B(D3)、熱物性値D/B(D4)が利用される。
【0015】
ステップS10では、ステップS6とS8で入力されたデータを利用し、電子計算機を用いて、熱−変形連成解析を実施する。ここでは基本的に有限要素法を実行する。この詳細は、本発明者らがすでに論文で発表している。例えば、明石他:平成10年春塑加講論(1998)、325−326、あるいは、矢野他:49回塑加講論(1998)、91−92に発表されている。
この解析の結果、素材のいかなる部位に、いかなる応力が作用し、いかなる温度となり、いかなる変形をするのかが解析される。図6は解析結果の一例を例示しており、左に示す素材が右の形状に鍛造される場合を解析している。
【0016】
図1のステップS12以降が今回改良された部分である。ステップS12では、型表面のモニタリング位置を指定する。通常の場合、鍛造型の形状や過去の経験から最も激しく摩耗して型寿命を終わらせるポイントがわかることからその位置を指定する。そのポイントを一個所に絞り込めない場合にはその可能性のあるポイントを順に指定する。全く不明な場合には、鍛造型の全てのポイントをカバーするように、機械的・規則的にモニタリング位置を変化させていってもよい。
【0017】
ステップS14では、モニタリング位置に作用する機械的負荷、ここでは累積摩擦仕事量を算出する。ここで摩擦仕事量とは、素材と鍛造型の間に働く摩擦力(μp、ここでμは摩擦係数、pは面圧)にすべり距離を乗算したものであり、これを1回の鍛造加工期間に亘って積分したものが累積摩擦仕事量である。累積摩擦仕事量Wは、∫μpvdtで表される。ここでvは相対すべり速度である。図7は、図5の仕上げ加工に際してポンチの随所(全部で9箇所)に働く累積摩擦仕事量を例示している。横軸は1回の鍛造加工中の経過時間を示し、成形時間の経過とともに累積摩擦仕事量は増大して行く。加工終了時の値がここでいう累積摩擦仕事量である。
【0018】
図1のステップS16以降では、鍛造型に作用する熱的負荷を算出する。ステップS16では鍛造型の温度を算出する。ここでは熱間鍛造が採用されており、ワークがもともと加熱されている。さらに、鍛造にともなう摩擦によって発熱するために、鍛造型は高温に加熱される。図8は、1回の加工中にポンチの随所に生じる温度変化パターンを示している。図9の左側は加工回数の増加に伴って鍛造型が加熱される様子を示し、1つの山が1回の鍛造加工(以下ショットと言うことがある)に対応する。鍛造加工によって鍛造型は加熱され、鍛造終了後には潤滑剤が吹付けられて冷やされる。このサイクルが繰り返されながら型温度は徐々に上昇し、やがては同じ温度領域の中で加熱と冷却を繰り返す。
【0019】
図1のステップS18では、熱で軟化した鍛造型の降伏強さを算出する。このとき、型材λ値のD/B(D5)が利用される。
λは、軟化のし易さの指標となる値であり、図9の(92)式で計算される。ここで、Qは材質に固有の軟化反応に要する活性エネルギーであり、鋼種ごとに測定されている。Tは作用する温度の絶対温度であり、tは持続時間である。λの値は、高温度に長時間さらされるほど大きくなる。
加えられる温度が一様でない場合、温度が一様とみなせる短時間ごとに区切り、式(90)を採用することでλの値の変化を計算することができる。この結果、図9の右に示すように、λの値は時間とともに増大する。
λの値は鍛造型の硬さを決める。λの値が大きくなるほど、硬さは低下する。図9の右のHvのグラフはそれを示し、図9の左に示す温度変化にさらされたときの鍛造型の硬さの変化を示す。
熱が型に与える軟化の度合いは、型に作用する応力によっても変化する。そこで、式(90)、(92)に応力の影響を加えて修正したほうが正確となる。
図9の右に示す硬度Hvは常温での硬さである。図10は、温度と硬さないしは降伏強さの関係を示し、高温となると降伏強さは低下する。そこで、実際には、図9の右の関係から室温での硬さを求め、これを図10の室温での硬さとして該当するカーブを特定し、特定されたカーブと加工時温度とから加工時の降伏強さを算出する。このようにして、加熱されて軟化した鍛造型の加工温度での降伏強さが算出される。またこの降伏強さσから、鍛造型の降伏せん断応力が算出される。
【0020】
図1のステップS20では、降伏強さを算出したモニタリング位置に作用する摩擦せん断応力μpを算出する。先に説明したように、μは摩擦係数、pは面圧である。
ステップS22では、熱的負荷として、この場合、降伏強度比を算出する。ここで降伏強度比は、降伏強さσを摩擦せん断応力μpで除した値である。
【0021】
以上の処理は、形状と加工条件が既知である全ての鍛造型に適用することができる。そこで、過去に使用して寿命が尽きた鍛造型を調べることで、その型に作用した累積摩擦仕事量と寿命が尽きたときの降伏強度比の関係を調べることができる。
ステップS14で算出される累積摩擦仕事量は、鍛造型の寿命を通してほぼ一定である。これに対して、ステップS22で算出される降伏強度比は、図9に示すようショット数の増大とともに硬さが低下していくことから、ショット数の増大とともに降伏強度比も低下して行く。図11はその傾向を示す。寿命の尽きたときのショット数が既知であるから、寿命が尽きた時の降伏強度比が算出される。また、その鍛造型を調べることで寿命が尽きる時にできた損傷形態を調べることができる。
同様の調査が使用中の鍛造型に対しても可能であり、調査時点での累積摩擦仕事量−降伏強度比−損傷形態の関係を調べることができる。
このようにして得られる、現に使用中の型、あるいは、寿命の尽きた型についての「累積摩擦仕事量−降伏強度比−損傷形態」の関係を多数収集し、横軸に累積摩擦仕事量をとり、縦軸に降伏強度比をとった2次元平面に損傷形態をプロットしたのが図3に示される。
【0022】
明らかに、右下の領域に摩耗大の損傷形態が認められ、しかもそれらは寿命の尽きた型であった。
「機械的負荷(累積摩擦仕事量)−熱的負荷(降伏強度比)−損傷形態(損傷領域)」のデータベースは、図2に簡単化して示されているように、5種の損傷形態に分類される。ここで、各損傷形態の特徴は図4に示されるものである。ここで摩耗大と摩耗小は摩耗の程度で区分され、図13から明らかに肉眼ではっきりと区分することができる。
この2次元マップは明瞭で、一方の軸に機械的負荷(累積摩擦仕事量)をとり、他方の軸に熱的負荷(降伏強度比)をとった2次元平面に損傷形態をプロットすると、損傷形態は範囲ごとに明確に区分されることが確認された。
【0023】
この規則性が確認されたことから、「機械的負荷(累積摩擦仕事量)−熱的負荷(降伏強度比)−損傷形態」の関係は特定の鍛造型についてのみ成立するのではなく、一般的に成立することが確認された。
【0024】
そこで、設計された鍛造品についての計画中の鍛造型を分析している場合にも、図1のステップS24で、ステップS14で計算される機械的負荷(累積摩擦仕事量)と、ステップS22で計算される熱的負荷(降伏強度比)をキーとして、図3に示した「機械的負荷(累積摩擦仕事量)−熱的負荷(降伏強度比)−損傷形態」のデータベースを検索することによって損傷形態を特定することができる。
【0025】
前記したように、機械的負荷(累積摩擦仕事量)はショット数とともに大きくは変わらない。これに対して、熱的負荷(降伏強度比)はショット数とともに大から小に変化する。
そこで、通常は図2のマップ上で矢印に示すように変化する。通常、最初は摩耗大形態ではなかったものが、ショット数が増えるに連れて摩耗大領域にシフトする。
ショット数が少ない内は図1のステップS26でNOとなる。この場合、そのときの損傷形態を表示し(ステップS28)、ショット数を1増やし(ステップS30)、ステップS18以降を繰り返して次のショットの降伏強度比(熱的負荷)を算出する。その内に、損傷形態が変化し、摩耗大形態になったときにステップS26がYESとなる。ここで、損傷形態が摩耗大形態となるまでの加工回数(ショット数)を所定値と比較し、目標回数以上であれば問題がないことからステップS34でステップ数を示して処理を終了する。ここで表示される加工回数は、鍛造型が大きく摩耗し始めるまでの加工回数であり、少なくともこの回数までは鍛造型の寿命が尽きない鍛造回数である。
一方、目標とする回数となる前に摩耗大形態となる場合には、そのままでは型寿命が目標回数に届かないことから、ステップS38で鍛造工程を修正し、それでもだめならステップS36で鍛造品の形状を修正する。
図5と図12は、鍛造工程の修正結果を示す。最初には(I)に示す形状を経て鍛造する工程であったために、図12に示すように、摩耗大形態で鍛造することになっていたものを、鍛造工程を見なおして(II)の形状を経て鍛造することにしたのに対応して、すじ状痕の損傷形態で鍛造することが可能となり、無理のない鍛造工程に修正されて鍛造寿命の大幅な改善が期待できることがわかる。
このようにすることで、目標とする鍛造型寿命が得られる鍛造工程あるいは鍛造品形状に修正される。
【0026】
以上の実施例では、機械的負荷として累積摩擦仕事量を採用したが、図14に示す各種パラメータを採用することもできる。図15は1ショット中の表面積拡大比を示し、1ショット終了時の表面積拡大比を採用しても損傷形態を正確に予測することができる。このほか、機械的負荷として、すべり距離あるいはすべり速度をとってもよいことが確認されている。
【0027】
本実施例によると、鍛造工程と鍛造型の準備段階に損傷形態と型寿命の予測結果を活用することができ、修正が必要か否かを合理的に判別することが可能となる。結局、合理的な鍛造準備作業が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例で処理する手順の全体を示すフローチャートである。
【図2】 累積摩擦仕事量−降伏強度比−損傷形態D/Bに、累積摩擦仕事量−降伏強度比を入力して損傷形態を出力する様を示す。
【図3】 過去に使用した鍛造型から得た「累積摩擦仕事量−降伏強度比−損傷形態」D/Bを示す。
【図4】 鍛造型に生じる損傷形態を示す。
【図5】 2種の鍛造工程を対比して示す。
【図6】 鍛造中のワークの熱−変形連成解析を示す。
【図7】 1回の鍛造加工中に累積摩擦仕事量が累積して行く様を示す。
【図8】 1回の鍛造加工中に鍛造型に生じる温度変化を示す。
【図9】 断続的な加熱と冷却によって鍛造型の硬さが低下する様子を示す。
【図10】 鍛造型の温度と降伏強さの関係を例示する。
【図11】 降伏強度比が鍛造加工回数とともに変化する様を示す。
【図12】 工程の変化によって、発生する損傷形態が、摩耗大形態からすじ状痕形態に変わる例を示す。
【図13】 鍛造型に生じた各種損傷形態を示す。
【図14】 機械的負荷として採用可能な各種パラメータを例示する。
【図15】 1回の鍛造加工中に表面積拡大比が変化して行く様を示す。

Claims (4)

  1. 累積摩擦仕事量と表面積拡大比とすべり距離とすべり速度のいずれかを機械的負荷と定義するとともに降伏強度比を熱的負荷と定義し、計画中の鍛造型に作用する機械的負荷と熱的負荷を算出し、算出された負荷の組合せを、鍛造型に作用する機械的負荷と熱的負荷を入力してその負荷の組合せ状態で鍛造型に発生する損傷形態を出力するためのデータベースに入力し、そのデータベースから損傷形態を出力することによって鍛造型に発生する損傷形態を予測する方法。
  2. 前記機械的負荷が累積摩擦仕事量であることを特徴とする請求項1に記載の予測方法。
  3. 過去に使用した鍛造型を、機械的負荷と熱的負荷の組合せに対して、そのときのその鍛造型に発生した損傷形態を調査して前データベースを作成することを特徴とする請求項1又は2に記載の予測方法。
  4. 累積摩擦仕事量と表面積拡大比とすべり距離とすべり速度のいずれかを機械的負荷と定義するとともに降伏強度比を熱的負荷と定義し、計画中の鍛造型に作用する機械的負荷と熱的負荷を鍛造加工回数ごとに算出し、鍛造加工回数ごとに算出される負荷の組合せを、鍛造型に作用する機械的負荷と熱的負荷を入力してその負荷の組合せ状態で鍛造型に発生する損傷形態を出力するためのデータベースに入力し、そのデータベースから出力される損傷形態が摩耗大形態となるまでの鍛造加工回数によって、鍛造型の寿命を予測する方法。
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