JP3754817B2

JP3754817B2 - Anchor structure

Info

Publication number: JP3754817B2
Application number: JP06709598A
Authority: JP
Inventors: 大伍佐藤; 泰治三上; 悦治石橋
Original assignee: Sumitomo SEI Steel Wire Corp
Current assignee: Sumitomo SEI Steel Wire Corp
Priority date: 1998-03-17
Filing date: 1998-03-17
Publication date: 2006-03-15
Anticipated expiration: 2018-03-17
Also published as: JPH11264135A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、引張鋼材を緊張させて、岩盤、法面等の地崩れ防止、ダム、橋脚等のコンクリート構造物の安定化を図る、アンカー構造体に関する。
【０００２】
【従来の技術】
この種のアンカー構造体は、頭部に定着具が設置されるアンカー設置穴に、先端側に定着長部を設け、頭部側に自由長部を設けた主としてＰＣ鋼より線によって形成された引張鋼材を収容し、アンカー設置穴と引張鋼材との間にセメントグラウトを注入充填し、引張鋼材を緊張させて引張鋼材の頭部側端部を、アンカー設置穴の頭部の定着具に固定するという構造になっている。
【０００３】
したがって、引張鋼材は、定着長部においてセメントグラウトとの高い付着力が要求され、一方、自由長部においては緊張時に自由な伸びが要求される。
【０００４】
また、ＰＣ鋼より線によって引張鋼材を構成した場合には、高い防食性も要求される。
【０００５】
ところで、従来、このようなアンカー構造体として、つぎのようなものが知られている。
【０００６】
まず、その一つは、複数本の引張鋼材を使用し、この複数本の引張鋼材を一つの保護管に収容して自由長部とし、定着長部の引張鋼材に波形シースを被せ、まわりのセメントグラウトと併せて二重防食を図るようにしたものである（特開昭６２−２１１４２３号）。
【０００７】
また、定着長部の引張鋼材に防食加工を施し、まわりのセメントグラウトと併せて二重防食を可能とし、複数本の引張鋼材を一つの保護管に収容して自由長部を形成したものもある（特開平６−３３６７２７号）。
【０００８】
一方、アンカー頭部の防食手段としては、次のようなものがある。
【０００９】
その防食手段の一つは、緊張時における引張鋼材の伸びの確保と、防食を図るために、アンカー設置穴の頭部に設置される定着具の支圧板に、アンカー設置穴内に突き出す先端がテーパー状に形成されたガイド管を設け、このガイド管の先端に、複数本の引張鋼材を収容した保護管の頭部側を嵌め入れ、ガイド管内に防食剤を注入充填するという方法である（特公平４−４１２１２号）。
【００１０】
また、定着具の支圧板に、トランペット形のパイプを溶接し、このパイプに、複数本の引張鋼材を収容した保護管を挿入して、保護管とパイプとの隙間に止水材を配置し、保護管内に防食材を注入充填するようにしたものもある（実公平３−２９３８５号）。
【００１１】
また、引張鋼材自身に防食加工を行い、自由長部を形成する複数本の引張鋼材を収容した保護管内への防食剤の注入充填を不要とし、定着具の支圧板と保護管との間にジョイントシースを配置し、このジョイントシースを保護管との隙間部分に止水材を配置するようにしたものもある（特開平６−３３６７２７号）。
【００１２】
一方、自由長部と定着長部との間の境界部分の止水手段としては、次のような方法が知られている。
【００１３】
その一つは、引張鋼材の本数とグラウトホースに合わせた数の孔を有する止水部材を、自由長部を形成する保護管の先端部分に設置し、その周りに樹脂を塗布し、防食テープを巻きつけて止水を行う方法である（特開平６−３３６７２７号）。
【００１４】
また、自由長部と定着長部の隙間に、ペースト状の樹脂を注入して止水部を形成する方法もある（特公平３−３８３６８号）。
【００１５】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のアンカー構造体には、次のような問題がある。
【００１６】
まず、複数本の引張鋼材を保護管に収容して自由長部を形成するタイプのものは、自由長部での緊張時におけるスムーズな伸びを確保する必要があるため、保護管として比較的大きな径のものを使用しなければならない。
【００１７】
しかしながら、保護管の径が大きくなると、それだけアンカー設置穴の径を大きくしなければならず、ボーリング費用が増大する。ボーリング費用は、設置工事費用のうちのかなりの比重（約１／２）を占めるため、ボーリング費用が増大することは好ましくない。
【００１８】
また、複数本の引張鋼材を保護管内に収容したものをアンカーユニットとして工場で加工し、施工現場に搬入する場合、保護管に収容した状態で引張鋼材をコイルに巻く必要がある。
【００１９】
ところが、図２１に示すように、複数本の引張鋼材１の周囲の保護管２の直径が大きい場合、巻かれた保護管２の外側部分の伸びが、内側よりも大きくなるため、自由長部と定着長部との間の境界部分に被せた止水部材３が、外側部分で引張られてずれが生じやすく、止水効果が悪くなるという問題がある。
【００２０】
また、自由長部と定着長部との間の境界部分に、ペースト状の樹脂を注入して止水を図る方法は、施工に手間と注意を要すると共に、止水自体の信頼性にも疑問がある。
【００２１】
また、アンカー頭部の止水を行うために、トランペット型のパイプを、アンカー頭部の支圧板に設置し、このパイプの先端に、自由長部を形成する保護管の後端を挿入する場合にも、保護管２の径が大きいと、コイル状に巻かれた保護管２が、図２２（ａ）に示す円形の状態から図２２（ｂ）に示すように楕円形に変形するため、挿入しずらいという問題がある。また、巻きぐせを直したり、変形を矯正したりすることは、保護管の肉厚が厚く大変である。
【００２２】
そこで、この発明は、高い防食性を有し、またアンカー設置孔のボーリング径も小さく、しかも止水部の信頼性も高いアンカー構造体を提供しようとするものである。
【００２３】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決するため、引張鋼材として、表面に、セメントグラウトに対して高い付着力を有し、かつ防食効果の高い、エポキシ樹脂又はポリエチレン樹脂等の密着樹脂被覆層を形成した防食ＰＣ鋼より線を複数本使用し、この複数本の各防食ＰＣ鋼より線の自由長部に、防食ＰＣ鋼より線の外径より０．６ｍｍ〜６ｍｍ大きい内径のポリエチレンシースを被せて緊張時における自由な伸びを確保し、かつ複数本の防食ＰＣ鋼より線を定着長部においてスペーサで所定間隔で保持して、グラウトホースと共に、結束バンドで結束一体化し、この結束一体化した防食ＰＣ鋼より線の定着長部先端に先端キャップを被せ、かつ定着長部と自由長部との境界部分と、定着具側の端部に止水部を設けた構造としたのである。
【００２４】
【発明の実施の形態】
この発明では、引張鋼材として、図１〜図６に示す構造の防食ＰＣ鋼より線１０を複数本結束して使用する。
【００２５】
図１に示す防食ＰＣ鋼より線１０は、より合わせる前の各素線１１に、密着樹脂被覆層１２を形成している。この密着樹脂被覆層１２を形成する樹脂としては、エポキシ樹脂又はポリエチレン樹脂があり、定着長部におけるセメントグラウトとの付着力を考えれば、エポキシ樹脂が好ましい。ポリエチレン樹脂被覆は、エポキシ樹脂被覆に比較して軟らかいため、変形し易く、表面に付着力を上げる加工を行っても、エポキシ樹脂被覆よりもセメントグラウトに対する付着力が劣るため、定着長部の長さを長くしなければならないという不利がある。
【００２６】
図２に示す防食ＰＣ鋼より線１０は、裸の素線１１をより合わせた後に、その外周に密着樹脂被覆層１２を、より目が出る程度の厚さに形成している。また、素線１１と素線１１の間の隙間にも防食材を充填している。
【００２７】
上記防食ＰＣ鋼より線１０の表面は、定着長部での付着力を向上させるために、図３に示すように、密着樹脂被覆層１２の外層に、最内層に届かない深さで、硅砂等の固形粒子１３を埋め込んで粗面化したり、図４に示すように、ショット等により微小な凹凸状の粗面を形成したり、あるいは図５に示すように、溝状の凹凸を形成しておくことが好ましい。
【００２８】
上記密着樹脂被覆層１２の厚みは、図１に示すように、素線１１の１本１本に被覆する場合には、ピンホール等を防止するために、２００μｍ以上とし、図２に示すように、より合わせてから被覆する場合には、素線１１と素線１１の間のより目を被覆するために、４００μｍ以上とし、かつより目が残る程度とする。
【００２９】
上記のように作成された防食ＰＣ鋼より線１０の外周には、緊張時に、自由長部での自由な伸びを確保するために、図６に示すように、防食ＰＣ鋼より線１０の外径より０．６ｍｍ〜６．０ｍｍ大きい内径のポリエチレンシース１４を被せるようにする。
【００３０】
防食ＰＣ鋼より線１０の外径とポリエチレンシースの内径の差の下限を０．６ｍｍとするのは、これ未満になると、ポリエチレンシース１４の内面と、防食ＰＣ鋼より線１０の表面との間の摩擦力が大きくなり、緊張時に自由な伸びを確保できなくなる。また、差が６．０ｍｍを越えると、摩擦は小さくなるものの、防食ＰＣ鋼より線１０を束ねて引張材とした時に、全体の径が大きくなり、アンカー設置穴の径を小さくするというこの発明の目的に沿わなくなり、施工時のハンドリングも悪くなる。
【００３１】
また、上記ポリエチレンシース１４の厚みは、０．４ｍｍ以上とする。これより薄くした場合、施工中における損傷により破損等が起こるおそれがある。
【００３２】
次に、自由長部と定着長部との間の境界部分に次のような境界止水部１５を形成する。
【００３３】
図７に示すように、自由長部の先端のポリエチレンシース１４と防食ＰＣ鋼より線１０との間のクリアランスに、エポキシ樹脂１８を所定の長さで注入し、硬化後、境界付近を防食テープ１９によってラッピングして境界止水部１５とする方法がある。
【００３４】
このクリアランスに注入する樹脂としては、ポリエチレン樹脂を溶融したものでもよいが、施工現場で、ポリエチレン樹脂を加熱する必要等があり、施工性に劣る。
【００３５】
また、ポリエチレンシース１４を被せたこの発明の防食ＰＣ鋼より線１０を、アンカー設置穴に挿入する場合に、自由長部が長くなると、端部のポリエチレンシース１４をクレーン等で保持して吊り下げると、防食ＰＣ鋼より線１０が落下する可能性がある。
【００３６】
このような場合には、ポリエチレンシース１４と、防食ＰＣ鋼より線１０とのクリアランスに、図８に示すように、硬質のプラスチック栓２０を挿入した後、ポリエチレンシース１４の外側から帯状のバンド２１で締め付け、その後に、これらの外側に防食テープ１９を巻き付けるようにするとよい。
【００３７】
また、他の方法として、図９に示すように、自由長部と定着長部の境界部分に、内面に接着剤を塗布した熱収縮ポリエチレン樹脂チューブ２２を被せ、このチューブ２２を熱により収縮させて境界止水部１５を形成する方法もある。
【００３８】
また、図７及び図８に示す境界止水部１５を形成する場合に、防食テープ１９をラッピングする方法に代えて、図９と同様に、熱収縮ポリエチレン樹脂チューブ２２を用いてもよい。
【００３９】
これらの境界止水部１５の構造は、個々の防食ＰＣ鋼より線１０の定着長部と自由長部との境界部分に位置するため、工場でケーブル加工して施工現場に、コイル状に巻いて搬入しても、曲げた時に、従来の大きな直径の保護管を曲げた場合と異なり、曲げの外側の歪が比較的小さく、ずれも生じにくく止水性が失われるということがない。
【００４０】
次に、アンカー頭部の止水構造について説明する。アンカー頭部は引張鋼材を定着させる重要な部分であり、頭部背面に腐食水が侵入しないようにしなければならない。
【００４１】
従来、複数本のＰＣ鋼より線を引張鋼材として使用する場合、自由長部は複数本のＰＣ鋼より線全体が保護管に収められている。したがって、従来、頭部背面の止水は、保護管の外側に沿って行っている。
【００４２】
ところが、この発明で使用する防食ＰＣ鋼より線は、個々の防食ＰＣ鋼より線において自由長を確保することができるように、ポリエチレンシース１４を被覆しているため、この発明では個々の防食ＰＣ鋼より線１０に被覆されたポリエチレンシース１４の外側に沿って止水を行わなければならず、そのために次のような止水構造を採用している。
【００４３】
まず、アンカー頭部の支圧板２３に、図１０（ａ）、（ｂ）に示す構造のジョイントシース２４を装着する。
【００４４】
上記ジョイントシース２４は、図１０（ａ）、（ｂ）に示すように、上方筒部２５と底部２６とからなる。上方筒部２５は、支圧板２３の設置孔２７にぴったりと嵌まる大きさに形成され、外周上縁には、支圧板２３の設置孔２７の周囲に係止されるフランジ２８が形成されている。また、上記底部２６は、上下方向にある一定の長さを有すように形成され、支圧板２３の上方に設置されるアンカーディスク２９のウェッジ孔に対応する位置に、防食ＰＣ鋼より線１０を被覆するポリエチレンシース１４の外径に合致する大きさの防食ＰＣ鋼より線挿通孔３０が、使用する防食ＰＣ鋼より線１０の本数に応じて形成されている。また、この底部２６の中央には、グラウトホース挿通孔３１も形成されている。
【００４５】
上記頭部の止水部は、次のようにして設置される。
【００４６】
まず、ジョイントシース２４の防食ＰＣ鋼より線挿通孔３０に、設置する防食ＰＣ鋼より線１０の定着具側の端部を挿通させ、ジョイントシース２４の上方筒部２５内で防食ＰＣ鋼より線１０のポリエチレンシース１４を剥す。そして、グラウト注入ホース３２の定着具側の端部も、ジョイントシース２４のグラウトホース挿通孔３１に挿通させて、上方筒部２５内でグラウト注入ホース３２を切断する。この後、ジョイントシース２４の上方筒部２５内の空間に、図１１に示すように、エポキシ樹脂又は発泡ウレタン樹脂等のシール材３３を注入し、固化させることにより、止水部が一応完成する。
【００４７】
さらに、止水性を高めるために、図１２に示すような止水部にしてもよい。
【００４８】
この止水部は、ジョイントシース２４の上方筒部２５の底部側のほぼ半分に、ゴム等の弾力性材料によって形成した弾力部材３４を収容する。この弾力部材３４にも、防食ＰＣ鋼より線挿通孔３０と、グラウトホース挿通孔３１に対応する挿通孔がそれぞれ形成されている。そして、この弾力部材３４を収容したジョイントシース２４の上方筒部２５の上半分に、図１３（ａ）、（ｂ）に示す、有底筒形の押え部材３５を嵌める。この押え部材３５の底面にも、防食ＰＣ鋼より線挿通孔３６と、グラウトホース挿通孔３７が形成されている。この押え部材３５の高さは、上縁が、ジョイントシース２４の上方筒部２５に嵌め入れた状態で、少し上方に突出するように形成され、支圧板２３の上方に設置される円形プレート３８によって、緊張時に押し込まれ、これによって弾力部材３４が変形し、弾力部材３４が、防食ＰＣ鋼より線１０のポリエチレンシース１４の外面により密着するようにしている。
【００４９】
また、弾力部材３４が硬い場合には、弾力部材３４を変形させるのに大きな力が必要となるので、図１４に示すように押え部材３５の内部に支柱４９を設けて内側でも押し込みがなされるようにしてもよい。
【００５０】
そして、止水を完全にするために、ジョイントシース２４と押え部材３５との間に、エポキシ樹脂を塗布すると同時に、押え部材３５の中の空間にも、エポキシ樹脂を注入することが好ましい。
【００５１】
上記ジョイントシース２４、押え部材３５の材質としては、腐食の点を考慮すると、硬質ポリエチレン等のプラスチックを用いるのがよいが、防食加工された鋼であってもよい。
【００５２】
また、図１５に示すように、ジョイントシース２４の底部２６に形成した防食ＰＣ鋼より線挿通孔３０、グラウトホース挿通孔３１の上縁部分に座ぐり部５０を形成し、この座ぐり部５０の部分にそれぞれＯリング３９を嵌め、このＯリング３９を押え部材３５の底板によって押え付けるようにしてもよい。
【００５３】
この発明に係る防食ＰＣ鋼より線１０は、図１８に示すように、複数本が束ねられたケーブルの形態で引張鋼材として使用される。
【００５４】
防食ＰＣ鋼より線１０は、ポリエチレンシース１４が剥された定着長部Ａと、ポリエチレンシース１４が被覆された自由長部Ｂとに区分され、定着長部Ａは、５０ｃｍ〜２００ｃｍ間隔で、スペーサ４０が設置され、このスペーサ４０の両側で複数本の防食ＰＣ鋼より線１０がばらけないように結束バンド４１で結束されている。スペーサ４０は、外面が球形で、周囲に防食ＰＣ鋼より線１０が嵌まる溝が等間隔に形成されている。
【００５５】
上記結束バンド４１は、防食ＰＣ鋼より線１０の被覆を傷つけないようにするために、樹脂製のものが好ましい。また、この結束バンド４１は、防食ＰＣ鋼より線１０の本数が多い場合には、スペーサ４０以外のところに使用するようにしてもよい。
【００５６】
上記複数本の防食ＰＣ鋼より線１０を束ねたケーブルにはその中心にグラウト注入ホース３２も一緒に束ねられている。
【００５７】
上記ケーブルの先端には、アンカー設置穴に挿入する際に、内壁に当たって挿入作業に支障がきたさないように、図１６又は図１７に示すように、ポリエチレン製又は防食加工された鋼製の先端キャップ４２が被せられている。
【００５８】
図１６に示す先端キャップ４２は、束ねた防食ＰＣ鋼より線１０の全部が嵌まる大きさの嵌合穴４３を有し、入口部分に少し大きい径のガイド４４を形成している。
【００５９】
一方、図１７に示す、先端キャップ４２は、束ねた防食ＰＣ鋼より線１０の本数と同じ数で、個々の防食ＰＣ鋼より線１０が嵌まる大きさの嵌合穴４３を有している。そして、この先端キャップ４２を被して、先端キャップ４２の入口近くで、複数の防食ＰＣ鋼より線１０を結束バンド４１で結束すると、防食ＰＣ鋼より線１０が拡がるので、先端キャップ４２が落下することはない。
【００６０】
また、先端キャップ４２の嵌合穴４３内に、エポキシ樹脂又は溶融ポリエチレン樹脂を注入して、防食ＰＣ鋼より線１０と先端キャップ４２とを一体化するようにしてもよい。
【００６１】
次に、個々の防食ＰＣ鋼より線１０の定着長部Ａと自由長部Ｂの境界部分には、前述の方法によって境界止水部１５が形成されている。
【００６２】
この発明の防食ＰＣ鋼より線１０の自由長部は、防食ＰＣ鋼より線１０の外径より０．６ｍｍ〜６ｍｍ大きい内径のポリエチレンシース１４内で、防食ＰＣ鋼より線１０が伸びるように形成され、複数本がばらけないように、結束テープ４５が巻き付けられている。
【００６３】
そして、上記のようにして束ねたケーブルは、アンカー設置穴に挿入され、頭部が定着具によって固定されるようになっている。
【００６４】
上記定着具を構成する支圧板２３の背面は、上記のように、ジョイントシース２４を使用して完全な止水処理が施されている。
【００６５】
また、頭部の定着具は、図２０に示すように、支圧板２３と防食キャップ４６を取り付ける、外側にネジを有する円形プレート３８と、防食ＰＣ鋼より線１０を、ウェッジ４７で定着するためのアンカーディスク２９と、防食材４８が注入される防食キャップ４６とによって形成されている。
【００６６】
【実施例】
この発明に係るアンカー構造体の実施例を、図１８に基いて説明すると次の通りである。
【００６７】
アンカー設置孔に挿入されているケーブルは、４本の防食ＰＣ鋼より線１０を、グラウト注入ホース３２の周囲に配置したものである。
【００６８】
個々の防食ＰＣ鋼より線１０は、図３に示す構造のもので、粉体塗装により、エポキシ樹脂を、１５．２ｍｍの直径のＰＣ鋼より線の各素線１１間の隙間に充填し、かつ外周により線のより目が見える程度の膜厚（０．６ｍｍ）で被覆し、その表面に硅砂の固形粒子を埋め込んだものを使用した。
【００６９】
上記ケーブルの全長は、３１ｍで、グラウト注入ホース３２から注入されるセメントグラウトに付着される定着長部の長さを５ｍとし、自由長部と頭部の長さを２５ｍとした。残りを、緊張に必要な余長とし、この部分は緊張後に切断するようにしている。
【００７０】
上記ケーブルの先端には、ケーブルの外径よりも少し小さい内径をもったポリエチレン製の先端キャップ４２を被せて、アンカー設置孔に挿し込まれる。また、定着長部には、１ｍ毎に球形のスペーサ４０が設置され、このスペーサ４０の両側がポリエチレン製の結束バンド４１で結束されている。
【００７１】
そして、自由長部と定着長部の境界部分の境界止水部１５は、ポリエチレンシース１４と防食ＰＣ鋼より線１０の隙間にエポキシ樹脂を注入した後に、内面に粘性の高い接着剤を塗布した熱収縮ポリエチレンチューブ２２を被せ、熱風によりポリエチレンチューブ２２を収縮させて形成している。
【００７２】
次に、自由長部は、２ｍ毎に、ガラス繊維の入った結束テープで結束され、ケーブルをアンカー頭部側をクレーンで保持して持ち上げ、先端キャップ４２を取り付けた先端から、内径が１１５ｍｍのアンカー設置穴に挿入するようにしている。
【００７３】
その後、グラウトホース挿通孔３１と、防食ＰＣ鋼より線挿通孔３０を有するポリエチレン製のジョイントシース２４を、ケーブルの頭部側から通し、ジョイントシース２４のフランジ２８を、アンカー設置穴に設置された支圧板２３に引掛けてジョイントシース２４を設置する。
【００７４】
次いで、ジョイントシース２４の空間部に弾力部材３４を挿入し、この弾力部材３４の上に、押え部材３５を載せ、ジョイントシース２４から少し突出する押え部材３５の外周にエポキシ樹脂を塗布する。そして、この押え部材３５の中にエポキシ樹脂を充填してから外周にネジを有する円形プレート３８を載せ、防食ＰＣ鋼より線１０を緊張することにより、アンカーディスク２９を介して、円形プレート３８にジャッキの反力を伝え、これにより押え部材３５を押え付けて止水部を形成している。
【００７５】
また、押え部材３５を弾力部材３４の上に載せた後、防食ＰＣ鋼より線１０のポリエチレンシース１４は、押え部材３５の出口付近で切断して除去しておく。
【００７６】
この後、防食ＰＣ鋼より線１０をアンカーディスク２９に対してジャッキで緊張定着させて、所定の長さに切断し、防食キャップ４６を、円形プレート３８の外側のネジにはめるようにして取付け、防食キャップ４６内に防食グリース等の防食材４８を注入することにより、アンカー設置作業が完了する。
【００７７】
【発明の効果】
この発明のアンカー構造体は、以上のように、保護管に収容して、自由長部を形成する必要がないので、アンカー設置孔のボーリング径を必要に最小限に抑えることができる。
【００７８】
例えば、１つの保護管に収容して自由長部を形成する従来例と、ポリエチレンシースと防食ＰＣ鋼より線との間のクリアランスによって自由長部を形成するこの発明のものとでは、表１のように、特に、３本、５本、６本、９本のケーブルを使用した場合に、ボーリング径に大きな差が表われた。
【００７９】
【表１】

【図面の簡単な説明】
【図１】この発明で使用する防食ＰＣ鋼より線の断面図
【図２】同上の断面図
【図３】同上の断面図
【図４】同上の断面図
【図５】（ａ）は同上の斜視図、（ｂ）は部分縦断面図
【図６】ポリエチレンシースを被せた同上の断面図
【図７】境界止水部の部分を示す断面図
【図８】境界止水部の他の例を示す断面図
【図９】境界止水部の他の例を示す断面図
【図１０】（ａ）はジョイントシースの縦断面図、（ｂ）はその平面図
【図１１】頭部の止水部の一例を示す断面図
【図１２】頭部の止水部の他の例を示す断面図
【図１３】（ａ）は押え部材の縦断面図、（ｂ）はその平面図
【図１４】（ａ）は押え部材の他の例を示す縦断面図、（ｂ）はその平面図
【図１５】頭部の止水部の他の例を示す縦断面図
【図１６】（ａ）はこの発明で使用するケーブルの先端部分を示す断面図、（ｂ）は先端キャップの断面図
【図１７】（ａ）は同上の他の例を示す断面図、（ｂ）は先端キャップの断面図
【図１８】この発明のアンカー構造体の設置状態を示す全体図
【図１９】図１８のＩ−Ｉ線の断面図
【図２０】図１８の部分拡大図
【図２１】従来例の説明図
【図２２】（ａ）は従来例の保護管の変形前の状態を示す断面図、（ｂ）は変形後の状態を示す断面図
【符号の説明】
１１素線
１２密着樹脂被覆層
１３固形粒子
１４ポリエチレンシース
１５境界止水部
１８エポキシ樹脂
１９防食テープ
２０プラスチック栓
２１バンド
２２熱収縮ポリエチレン樹脂チューブ
２３支圧板
２４ジョイントシース
２５上方筒部
２６底部
２７設置孔
２８フランジ
２９アンカーディスク
３０防食ＰＣ鋼より線挿通孔
３１グラウトホース挿通孔
３２グラウト注入ホース
３３シール材
３４弾力部材
３５押え部材
３６防食ＰＣ鋼より線挿通孔
３７グラウトホース挿通孔
３８円形プレート
３９Ｏリング
４０スペーサ
４１結束バンド
４２先端キャップ
４３嵌合孔
４４ガイド
４５結束テープ
４６防食キャップ
４７ウェッジ
４８防食材
４９支柱
５０座ぐり部[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an anchor structure that tensions a tensile steel material to prevent landslides such as rocks and slopes and stabilize a concrete structure such as a dam and a bridge pier.
[0002]
[Prior art]
This type of anchor structure is mainly formed of a PC steel wire, in which a fixing length is provided on the tip side and a free length is provided on the head side in an anchor installation hole in which a fixing tool is installed on the head. Tensile steel material is accommodated, cement grout is injected and filled between the anchor installation hole and the tensile steel material, and the tensile steel material is tensioned to fix the head side end of the tensile steel material to the fixing tool at the head of the anchor installation hole. It is structured to do.
[0003]
Accordingly, the tensile steel material is required to have a high adhesive force with the cement grout at the fixing length portion, while the free length portion is required to freely stretch when tensioned.
[0004]
Moreover, when a tensile steel material is comprised with a strand from PC steel, high corrosion resistance is also requested | required.
[0005]
By the way, conventionally, the following is known as such an anchor structure.
[0006]
First, one of them uses a plurality of tensile steel materials, and the plurality of tensile steel materials are accommodated in one protective tube to form a free length portion, and the tensile steel material of the fixing length portion is covered with a corrugated sheath, In combination with cement grout, double anticorrosion is achieved (Japanese Patent Laid-Open No. 62-211143).
[0007]
In addition, some of the tensile steel material of the fixing length is subjected to anticorrosion processing, and double corrosion protection is possible together with the surrounding cement grout, and a plurality of tensile steel materials are accommodated in one protective tube to form a free length part. (Japanese Patent Laid-Open No. 6-336727).
[0008]
On the other hand, as the anticorrosion means for the anchor head, there are the following.
[0009]
One of the anti-corrosion means is a taper at the tip protruding into the anchor installation hole on the bearing plate of the fixing tool installed at the head of the anchor installation hole in order to ensure the elongation of the tensile steel material during tension and to prevent corrosion. This is a method in which a guide tube formed in a shape is provided, the head side of a protective tube containing a plurality of tensile steel materials is fitted into the tip of the guide tube, and an anticorrosive agent is injected and filled in the guide tube (special feature). No. 4-41212).
[0010]
In addition, a trumpet-shaped pipe is welded to the bearing plate of the fixing tool, and a protective pipe containing multiple tensile steel materials is inserted into this pipe, and a water-stopping material is placed in the gap between the protective pipe and the pipe. In some cases, a protective tube is filled with an anticorrosive material (Japanese Utility Model Publication No. 3-29385).
[0011]
In addition, anticorrosion processing is applied to the tensile steel itself, so that it is not necessary to inject and fill the anticorrosive into the protective tube containing the multiple tensile steel materials forming the free length, and between the support plate of the fixing tool and the protective tube. There is also one in which a joint sheath is disposed and a water-stopping material is disposed in a gap portion between the joint sheath and the protective tube (Japanese Patent Laid-Open No. 6-336727).
[0012]
On the other hand, the following method is known as a water stop means for the boundary portion between the free length portion and the fixing length portion.
[0013]
One is the installation of a water-stopping member with the number of tensile steel materials and the number of holes matched to the grout hose at the tip of the protective tube that forms the free-length part, applying resin around it, and anticorrosion tape Is used to stop the water (Japanese Patent Laid-Open No. 6-336727).
[0014]
There is also a method of injecting paste-like resin into the gap between the free length portion and the fixing length portion to form a water stop portion (Japanese Patent Publication No. 3-38368).
[0015]
[Problems to be solved by the invention]
The conventional anchor structure has the following problems.
[0016]
First, the type in which a plurality of tensile steel materials are accommodated in a protective tube to form a free length portion needs to ensure a smooth elongation during tension in the free length portion, so it is relatively large as a protective tube. The diameter must be used.
[0017]
However, as the diameter of the protective tube increases, the diameter of the anchor installation hole must be increased accordingly, and the boring cost increases. Since the boring cost accounts for a considerable specific gravity (about 1/2) of the installation work cost, it is not preferable that the boring cost increases.
[0018]
In addition, when a plurality of tensile steel materials accommodated in a protective tube are processed as an anchor unit in a factory and are carried into a construction site, it is necessary to wind the tensile steel material in a coil while being accommodated in the protective tube.
[0019]
However, as shown in FIG. 21, when the diameter of the protective tube 2 around the plurality of tensile steel members 1 is large, the extension of the outer portion of the wound protective tube 2 becomes larger than the inner side, so that the free length portion There is a problem in that the water-stopping member 3 placed on the boundary portion between the fixing portion and the fixing length portion is pulled at the outer portion and easily shifts, and the water-stopping effect is deteriorated.
[0020]
In addition, the method of stopping water by injecting a paste-like resin into the boundary between the free length and the fixing length requires labor and attention to the construction, and the reliability of the water stop itself is questionable. There is.
[0021]
In order to stop the anchor head, install a trumpet-type pipe on the anchor head bearing plate and insert the rear end of the protective tube that forms the free length at the tip of this pipe. In addition, if the diameter of the protective tube 2 is large, the protective tube 2 wound in a coil shape is deformed from a circular state shown in FIG. 22 (a) to an elliptical shape as shown in FIG. 22 (b). There is a problem that it is difficult to insert. Moreover, it is difficult to correct the curl or correct the deformation because the protective tube is thick.
[0022]
Therefore, the present invention aims to provide an anchor structure having high anticorrosion properties, a small bore diameter of the anchor installation hole, and high reliability of the water stop portion.
[0023]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problems, this invention forms, as a tensile steel material, an adhesive resin coating layer such as an epoxy resin or a polyethylene resin that has high adhesion to cement grout and has a high anticorrosion effect on the surface. Using a plurality of anticorrosion PC steel strands, and covering the free length of each of the plurality of anticorrosion PC steel wires with a polyethylene sheath having an inner diameter 0.6 mm to 6 mm larger than the outer diameter of the anticorrosion PC steel wires Ensuring free elongation during tension, and holding multiple strands of anticorrosive PC steel at fixed intervals with spacers at the fixing length, and bundling together with a tie hose together with a grout hose. The structure is such that a tip cap is placed on the tip of the fixing length portion of the PC steel strand, and a water stop portion is provided at the boundary portion between the fixing length portion and the free length portion, and at the end portion on the fixing tool side.
[0024]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In the present invention, as the tensile steel material, a plurality of strands 10 of the anticorrosion PC steel having the structure shown in FIGS.
[0025]
The anticorrosion PC steel strand 10 shown in FIG. 1 forms an adhesive resin coating layer 12 on each strand 11 before being further aligned. Examples of the resin forming the adhesion resin coating layer 12 include an epoxy resin or a polyethylene resin, and an epoxy resin is preferable in view of the adhesive force with the cement grout in the fixing length portion. Since the polyethylene resin coating is softer than the epoxy resin coating, it is easy to deform, and even if it is processed to increase the adhesion to the surface, the adhesion to the cement grout is inferior to the epoxy resin coating. There is a disadvantage that the length must be lengthened.
[0026]
The anticorrosion PC steel strand 10 shown in FIG. 2 has a bare resin wire 11 and a contact resin coating layer 12 formed on the outer periphery of the strand 10 so as to be more noticeable. Moreover, the anticorrosion material is filled also in the clearance gap between the strand 11 and the strand 11. FIG.
[0027]
As shown in FIG. 3, the surface of the anticorrosion PC steel strand 10 has a depth that does not reach the innermost layer, as shown in FIG. The solid particles 13 are embedded to roughen the surface, or as shown in FIG. 4, a fine uneven surface is formed by shots or the like, or the groove-shaped unevenness is formed as shown in FIG. It is preferable to keep it.
[0028]
As shown in FIG. 1, the thickness of the adhesive resin coating layer 12 is set to 200 μm or more in order to prevent pinholes or the like when covering each of the strands 11 as shown in FIG. In addition, in the case of covering after further matching, in order to cover the eyes between the strands 11, the thickness is set to 400 μm or more and the eyes remain.
[0029]
As shown in FIG. 6, the outer periphery of the anti-corrosion PC steel strand 10 is formed on the outer periphery of the anti-corrosion PC steel strand 10 formed as described above in order to ensure free elongation at the free length portion when tensioned. A polyethylene sheath 14 having an inner diameter 0.6 mm to 6.0 mm larger than the diameter is covered.
[0030]
If the lower limit of the difference between the outer diameter of the wire 10 and the inner diameter of the polyethylene sheath is less than 0.6 mm, the distance between the inner surface of the polyethylene sheath 14 and the surface of the wire 10 of the anticorrosive PC steel is less than this. The frictional force increases, and it becomes impossible to secure free elongation during tension. Further, when the difference exceeds 6.0 mm, the friction is reduced, but when the wire 10 is bundled from the anticorrosion PC steel and used as a tensile material, the overall diameter is increased and the diameter of the anchor installation hole is reduced. It will not be in line with the purpose, and handling during construction will be worse.
[0031]
The polyethylene sheath 14 has a thickness of 0.4 mm or more. If it is thinner than this, there is a risk of breakage due to damage during construction.
[0032]
Next, the boundary water stop portion 15 as described below is formed at the boundary portion between the free length portion and the fixing length portion.
[0033]
As shown in FIG. 7, an epoxy resin 18 is injected in a predetermined length into the clearance between the polyethylene sheath 14 at the end of the free length portion and the anticorrosion PC steel wire 10, and after curing, the vicinity of the boundary is anticorrosive tape. There is a method of wrapping by 19 to form the boundary water stop portion 15.
[0034]
The resin to be injected into the clearance may be a melted polyethylene resin, but it is necessary to heat the polyethylene resin at the construction site, resulting in poor workability.
[0035]
In addition, when the anticorrosion PC steel wire 10 of the present invention covered with the polyethylene sheath 14 is inserted into the anchor installation hole, if the free length becomes long, the polyethylene sheath 14 at the end is held and suspended by a crane or the like. Then, the wire 10 may fall from the anticorrosion PC steel.
[0036]
In such a case, as shown in FIG. 8, after inserting a hard plastic stopper 20 into the clearance between the polyethylene sheath 14 and the anticorrosion PC steel strand 10, a band-like band 21 is formed from the outside of the polyethylene sheath 14. The anticorrosion tape 19 is preferably wound around the outside after tightening.
[0037]
As another method, as shown in FIG. 9, a heat-shrinkable polyethylene resin tube 22 having an inner surface coated with an adhesive is placed on the boundary portion between the free length portion and the fixing length portion, and the tube 22 is shrunk by heat. There is also a method of forming the boundary water stop portion 15.
[0038]
Moreover, when forming the boundary water stop part 15 shown in FIG.7 and FIG.8, it may replace with the method of wrapping the anticorrosion tape 19, and may use the heat shrinkable polyethylene resin tube 22 similarly to FIG.
[0039]
Since the structure of these boundary water stop portions 15 is located at the boundary portion between the fixing length portion and the free length portion of each anticorrosion PC steel wire 10, the cable is processed at the factory and wound in a coil shape at the construction site. Even if it is carried in, unlike the case where a conventional protective tube with a large diameter is bent, the strain outside the bend is relatively small, and it does not easily shift and does not lose waterstop.
[0040]
Next, the water stop structure of the anchor head will be described. The anchor head is an important part for fixing the tensile steel material, and it is necessary to prevent corrosive water from entering the back of the head.
[0041]
Conventionally, when using a plurality of PC steel strands as a tensile steel material, the entire length of the free length portion is accommodated in a protective tube from the plurality of PC steels. Therefore, conventionally, the water stop on the back of the head is performed along the outside of the protective tube.
[0042]
However, the anticorrosion PC steel strand used in the present invention covers the polyethylene sheath 14 so that a free length can be secured in the individual anticorrosion PC steel strand. Water must be stopped along the outside of the polyethylene sheath 14 covered with the steel strand 10, and for this purpose, the following water stop structure is adopted.
[0043]
First, the joint sheath 24 having the structure shown in FIGS. 10A and 10B is attached to the bearing plate 23 of the anchor head.
[0044]
The joint sheath 24 includes an upper cylindrical portion 25 and a bottom portion 26 as shown in FIGS. The upper cylindrical portion 25 is formed to a size that fits exactly into the installation hole 27 of the bearing plate 23, and a flange 28 that is locked around the installation hole 27 of the bearing plate 23 is formed on the outer peripheral upper edge. Yes. Further, the bottom portion 26 is formed to have a certain length in the vertical direction, and is provided at a position corresponding to the wedge hole of the anchor disk 29 installed above the bearing plate 23, and the anticorrosion PC steel strand 10 The wire insertion hole 30 is formed according to the number of wires 10 of the anticorrosion PC steel to be used. A grout hose insertion hole 31 is also formed at the center of the bottom portion 26.
[0045]
The water stop portion of the head is installed as follows.
[0046]
First, the fixing tool side end of the anticorrosion PC steel to be installed is inserted into the wire insertion hole 30 from the anticorrosion PC steel of the joint sheath 24, and the anticorrosion PC steel strand is inserted in the upper cylindrical portion 25 of the joint sheath 24. Ten polyethylene sheaths 14 are peeled off. The end portion of the grout injection hose 32 on the fixing tool side is also inserted into the grout hose insertion hole 31 of the joint sheath 24 to cut the grout injection hose 32 in the upper cylindrical portion 25. Thereafter, as shown in FIG. 11, a sealing material 33 such as an epoxy resin or a urethane foam resin is injected into the space in the upper cylindrical portion 25 of the joint sheath 24 and solidified, whereby the water stop portion is temporarily completed. .
[0047]
Furthermore, in order to increase the water stop, a water stop as shown in FIG. 12 may be used.
[0048]
This water stop portion accommodates a resilient member 34 formed of a resilient material such as rubber in almost half of the bottom side of the upper tubular portion 25 of the joint sheath 24. The elastic member 34 is also formed with a wire insertion hole 30 and an insertion hole corresponding to the grout hose insertion hole 31 from the anticorrosion PC steel. Then, a bottomed cylindrical pressing member 35 shown in FIGS. 13A and 13B is fitted into the upper half of the upper cylindrical portion 25 of the joint sheath 24 that accommodates the elastic member 34. A wire insertion hole 36 and a grout hose insertion hole 37 are also formed on the bottom surface of the pressing member 35 from anticorrosion PC steel. The height of the pressing member 35 is such that the upper edge is formed so as to protrude slightly upward in a state where the upper edge is fitted into the upper cylindrical portion 25 of the joint sheath 24, and is installed above the bearing plate 23. Therefore, the elastic member 34 is deformed so that the elastic member 34 is in close contact with the outer surface of the polyethylene sheath 14 of the anticorrosive PC steel wire 10.
[0049]
Further, when the elastic member 34 is hard, a large force is required to deform the elastic member 34. Therefore, as shown in FIG. You may do it.
[0050]
In order to make the water stop completely, it is preferable to apply the epoxy resin between the joint sheath 24 and the pressing member 35 and simultaneously inject the epoxy resin into the space in the pressing member 35.
[0051]
As the material of the joint sheath 24 and the pressing member 35, in consideration of corrosion, it is preferable to use a plastic such as hard polyethylene, but it may be a corrosion-proof steel.
[0052]
Further, as shown in FIG. 15, a counterbore portion 50 is formed on the upper edge portion of the wire insertion hole 30 and the grout hose insertion hole 31 from the anticorrosion PC steel formed on the bottom portion 26 of the joint sheath 24. O-rings 39 may be fitted to these portions, and the O-rings 39 may be pressed by the bottom plate of the pressing member 35.
[0053]
As shown in FIG. 18, the anticorrosion PC steel strand 10 according to the present invention is used as a tensile steel material in the form of a cable in which a plurality of wires are bundled.
[0054]
The anticorrosion PC steel stranded wire 10 is divided into a fixing length A where the polyethylene sheath 14 is peeled off and a free length B where the polyethylene sheath 14 is coated, and the fixing length A is spaced at intervals of 50 cm to 200 cm. 40 is installed, and is bound by a binding band 41 so that a plurality of anticorrosion PC steel wires 10 are not scattered on both sides of the spacer 40. The spacer 40 has a spherical outer surface, and grooves around which the wire 10 is fitted are formed at regular intervals.
[0055]
The binding band 41 is preferably made of resin so as not to damage the coating of the wire 10 from the anticorrosion PC steel. In addition, the binding band 41 may be used in places other than the spacer 40 when the number of the wires 10 is larger than that of the anticorrosion PC steel.
[0056]
A grout injection hose 32 is also bundled together at the center of the cable in which the plurality of anticorrosion PC steel strands 10 are bundled.
[0057]
As shown in FIG. 16 or FIG. 17, a steel tip cap made of polyethylene or anticorrosion is applied to the tip of the cable so that it does not interfere with the insertion work by hitting the inner wall when inserted into the anchor installation hole. 42 is covered.
[0058]
The tip cap 42 shown in FIG. 16 has a fitting hole 43 large enough to fit all of the bundled anticorrosion PC steel strands 10, and a guide 44 having a slightly larger diameter is formed at the inlet portion.
[0059]
On the other hand, the tip cap 42 shown in FIG. 17 has the same number of the anticorrosive PC steel bundles 10 as the number of the bundled anticorrosive PC steels 10 and has fitting holes 43 that fit into the individual anticorrosion PC steel wires 10. . Then, when the plurality of anticorrosion PC steel wires 10 are bound by the binding band 41 near the entrance of the end cap 42 and covered with the end cap 42, the anticorrosion PC steel wires 10 expand, so that the end cap 42 falls. Never do.
[0060]
Moreover, you may make it inject | pour an epoxy resin or a molten polyethylene resin in the fitting hole 43 of the front-end | tip cap 42, and make the wire 10 and the front-end | tip cap 42 integral with anticorrosion PC steel.
[0061]
Next, the boundary water stop part 15 is formed in the boundary part of the fixed length part A and the free length part B of each anticorrosion PC steel wire 10 by the above-mentioned method.
[0062]
The free length portion of the anticorrosion PC steel strand 10 of the present invention is formed so that the wire 10 extends from the anticorrosion PC steel within the polyethylene sheath 14 having an inner diameter 0.6 mm to 6 mm larger than the outer diameter of the anticorrosion PC steel 10. Then, the binding tape 45 is wound around so that a plurality of pieces are not separated.
[0063]
The cable bundled as described above is inserted into the anchor installation hole, and the head is fixed by the fixing tool.
[0064]
As described above, the back surface of the pressure bearing plate 23 constituting the fixing device is subjected to a complete water stop treatment using the joint sheath 24.
[0065]
Further, as shown in FIG. 20, the fixing device for the head is for fixing the circular plate 38 having screws on the outside, to which the pressure bearing plate 23 and the anticorrosion cap 46 are attached, and the anticorrosion PC steel wire 10 by the wedge 47. The anchor disk 29 and the anti-corrosion cap 46 into which the anti-corrosion material 48 is injected.
[0066]
【Example】
An embodiment of the anchor structure according to the present invention will be described with reference to FIG.
[0067]
The cable inserted into the anchor installation hole is one in which four anticorrosion PC steel wires 10 are arranged around the grout injection hose 32.
[0068]
Each of the anticorrosion PC steel strands 10 has the structure shown in FIG. 3, and by powder coating, the epoxy resin is filled in the gaps between the strands 11 of the 15.2 mm diameter PC steel strands, In addition, the outer periphery was coated with a film thickness (0.6 mm) such that the line was more visible, and the surface was filled with solid particles of dredged sand.
[0069]
The total length of the cable was 31 m, the fixing length attached to the cement grout injected from the grout injection hose 32 was 5 m, and the length of the free length and the head was 25 m. The remainder is the extra length necessary for tension, and this part is cut after tension.
[0070]
The end of the cable is covered with a polyethylene end cap 42 having an inner diameter slightly smaller than the outer diameter of the cable, and is inserted into the anchor installation hole. In addition, a spherical spacer 40 is installed in the fixing length portion every 1 m, and both sides of the spacer 40 are bound by a binding band 41 made of polyethylene.
[0071]
And the boundary water stop part 15 of the boundary part of a free length part and a fixing length part apply | coated the adhesive agent with high viscosity to the inner surface, after inject | pouring an epoxy resin into the clearance gap between the polyethylene sheath 14 and anticorrosion PC steel. The heat-shrinkable polyethylene tube 22 is covered and the polyethylene tube 22 is shrunk by hot air.
[0072]
Next, the free length part is bundled with a binding tape containing glass fiber every 2 m, the cable is lifted by holding the anchor head side with a crane, and the inner diameter is 115 mm from the tip to which the tip cap 42 is attached. It is inserted into the anchor installation hole.
[0073]
After that, the grout hose insertion hole 31 and the polyethylene joint sheath 24 having the wire insertion hole 30 from the anticorrosion PC steel were passed from the cable head side, and the flange 28 of the joint sheath 24 was installed in the anchor installation hole. The joint sheath 24 is installed by being hooked on the bearing plate 23.
[0074]
Next, the elastic member 34 is inserted into the space portion of the joint sheath 24, the pressing member 35 is placed on the elastic member 34, and epoxy resin is applied to the outer periphery of the pressing member 35 that slightly protrudes from the joint sheath 24. Then, after filling the pressing member 35 with epoxy resin, a circular plate 38 having screws on the outer periphery is placed, and the anticorrosion PC steel wire 10 is tensioned. The reaction force of the jack is transmitted, thereby pressing the pressing member 35 to form a water stop portion.
[0075]
Further, after the pressing member 35 is placed on the elastic member 34, the polyethylene sheath 14 of the anticorrosion PC steel wire 10 is cut and removed in the vicinity of the outlet of the pressing member 35.
[0076]
After that, the anticorrosion PC steel strand 10 is tensioned and fixed to the anchor disk 29 with a jack, cut to a predetermined length, and the anticorrosion cap 46 is attached to the screw on the outside of the circular plate 38, By injecting an anticorrosive material 48 such as anticorrosive grease into the anticorrosion cap 46, the anchor installation operation is completed.
[0077]
【The invention's effect】
As described above, the anchor structure according to the present invention does not need to be accommodated in a protective tube to form a free length portion, so that the bore diameter of the anchor installation hole can be minimized.
[0078]
For example, in the conventional example in which the free length portion is formed by being accommodated in one protective tube, and in the present invention in which the free length portion is formed by the clearance between the polyethylene sheath and the anticorrosion PC steel strand, In particular, when three, five, six, and nine cables were used, a large difference in the bore diameter was observed.
[0079]
[Table 1]

[Brief description of the drawings]
1 is a cross-sectional view of a stranded PC steel wire used in the present invention. FIG. 2 is a cross-sectional view of the same. FIG. 3 is a cross-sectional view of the same. FIG. 4 is a cross-sectional view of the same. (B) is a partial longitudinal cross-sectional view. FIG. 6 is a cross-sectional view of the same with a polyethylene sheath. FIG. 7 is a cross-sectional view showing a portion of the boundary water-stopping portion. FIG. 9 is a sectional view showing another example of the boundary water-stopping portion. FIG. 10A is a longitudinal sectional view of the joint sheath, and FIG. 9B is a plan view thereof. FIG. 12 is a cross-sectional view showing another example of the water stop portion of the head. FIG. 13A is a longitudinal cross-sectional view of the holding member, and FIG. 12B is a plan view thereof. 14A is a longitudinal sectional view showing another example of the pressing member, and FIG. 14B is a plan view thereof. FIG. 15 is a longitudinal sectional view showing another example of the water stop portion of the head. a) is used in this invention FIG. 17B is a sectional view of the tip cap. FIG. 17A is a sectional view of another example of the cable. FIG. 18B is a sectional view of the tip cap. FIG. 19 is a cross-sectional view taken along the line II of FIG. 18. FIG. 20 is a partially enlarged view of FIG. 18. FIG. 21 is an explanatory view of a conventional example. a) is a cross-sectional view showing a state before deformation of a conventional protective tube, and (b) is a cross-sectional view showing a state after deformation.
DESCRIPTION OF SYMBOLS 11 Strand 12 Adhesive resin coating layer 13 Solid particle 14 Polyethylene sheath 15 Boundary water-stop part 18 Epoxy resin 19 Corrosion-proof tape 20 Plastic stopper 21 Band 22 Heat shrinkable polyethylene resin tube 23 Bearing plate 24 Joint sheath 25 Upper cylinder part 26 Bottom part 27 Installation Hole 28 Flange 29 Anchor disk 30 Corrosion-proof PC steel strand insertion hole 31 Grout hose insertion hole 32 Grout injection hose 33 Sealing material 34 Elastic member 35 Holding member 36 Corrosion prevention PC steel strand insertion hole 37 Grout hose insertion hole 38 Circular plate 39 O Ring 40 Spacer 41 Bundling band 42 Tip cap 43 Fitting hole 44 Guide 45 Bundling tape 46 Anticorrosion cap 47 Wedge 48 Anticorrosion material 49 Post 50 Counterbore

Claims

The anchor installation hole in which the fixing tool is installed on the head contains a tensile steel material with a fixing length part on the tip side and a free length part on the head side, and cemented between the anchor installation hole and the tensile steel material. In the anchor structure in which the grout is injected and filled and the tensile steel material is tensioned to fix the head side end portion of the tensile steel material to the fixing tool installed at the head of the anchor installation hole, the tensile steel material is more than the PC steel. Epoxy resin or polyethylene resin having a thickness of 0.4 mm or more in a state where the wires are more closely aligned and more visible, or a thickness of 0.2 mm or more in the state of each strand before being further aligned, etc. From the anticorrosive PC steel having a polyethylene sheath with an inner diameter of 0.6 mm to 6 mm larger than the outer diameter of the coating layer on the outer periphery of the adhesive resin coating layer in the free length portion. Line A plurality of strands of this anticorrosion PC steel are held at a predetermined interval by a fixing length portion by a spacer, and are united and integrated with a binding band together with a grout hose. Cover the wire with a tip cap, and provide a water stop at the boundary between the fixing length and the free length, and at the end on the fixing tool side. A joint sheath consisting of an upper tube portion and a bottom portion having a grout hose insertion hole and a corrosion prevention PC steel wire insertion hole is installed, and a resilient member is inserted into the space portion of the joint sheath, and a presser is placed on the resilient member. An anchor structure formed by placing a member and applying a pressing force by the pressing member .

The epoxy resin is applied between the joint sheath and the pressing member, and the space portion of the pressing member, the anchor structure according to claim 1, wherein filled with epoxy resin or a polyethylene resin.

The anchor structure according to claim 2, wherein a sealing material such as an epoxy resin or a urethane foam resin is injected into the space of the joint sheath and solidified.

A counterbore is formed at the upper edge of the wire insertion hole from the grout hose insertion hole provided at the bottom of the joint sheath and the anticorrosion PC steel, and an O-ring is fitted to the counterbore, and this O-ring is made of plastic. The anchor structure according to claim 2 or 3 , wherein the anchor structure is pressed by a pressing member.