JP3754650B2 - フェースインサートを有するカスタマイズ可能なゴルフパターヘッド - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は概してゴルフパターヘッドに関し、特に、個々のゴルファーの好みに合わせてカスタマイズできるパターヘッドに関する。
【０００２】
【従来の技術】
パッティングはゴルフの非常に個人主義的な側面に属するものであるので、多くの形状のパターヘッドが利用できれば、個々のゴルファーの好みを満たすことができる。パターヘッドの形状を大きく変えると、パッティングをするときのゴルファーの自信と能力に何らかの影響を与えうる。従来技術である、Busnardoに付与されたアメリカ合衆国特許特許第５，４０７，１９６号、Riguttoに付与された特許第５，２３０，５０９号、Chavezに付与された特許第５，２３０，５０９号及びSpragueに付与された特許第５，２７５，４１３号はカスタマイズ可能なツーピースのパターを開示している。Busnardo及びSprague両特許は、ボール打面のロフト角を変化させるための交換可能なフェースプレートを有する特殊な形状をしたパターヘッドを開示している。Chavez及びSprague両特許はパターヘッドの重量や感触を変化させるために交換可能な後部ウェイトを有するパターヘッドを開示している。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
今日製造されているパターヘッドの多くは、いわゆる“フェースインサート”を有しており、これはパターヘッドフェースの打撃領域に設けられてゴルフボールを打つ時に異なる感触を提供するものである。フェースインサートはポリウレタンのような合成樹脂で形成され、他の部分はスチールや青銅のような金属で形成されている。パターヘッドフェースの打撃領域に好ましい形状と深さとを有するキャビティーが設けられ、又、フェースインサートは以下の２つの周知の方法のいずれかによってキャビティに装着されている。一つの方法では、液体状の合成樹脂をキャビティに流し込み、その後硬化させて、フェースインサートをキャビティにしっかりと結合させる。他の方法では、フェースインサートを先に作っておき、その後エキポシのような適切な接着剤を使ってキャビティ内に固定させる。両方法とも、パターヘッドを横切る平らな面を提供するためにフェースインサートが取りつけられた後に、パターヘッドをフライス削りする。これらの両方法の欠点はともに時間と費用がかかることである。
【０００４】
【課題が解決するための手段】
本発明によれば、カスタマイズ可能なパターヘッドが開示されている。このパターヘッドは複数の異なる形状のフェース部材群と後部本体群とから選択できるフェース部材と後部本体とを有する。フェース部材はゴルフシャフトの一端を受承するための上方向に延びるホーゼルを有する。複数の異なる形状のホーゼルが提供される。フェース部材は、ゴルフボールを打つために設けられた前面と、後面とを有する。後面に形成されたキャビティーは、リム面により囲まれた凹底面を有する。フェース部材はこのフェース部材のヒールエンドとトウエンドとの間に開口を有し、この開口は前面からキャビティの凹底面に延びている。
【０００５】
後部本体はフェース部材の後面のキャビティの形状と一致する形状の連結部を有していて、パターを組み立てる時にこの連結部はフェース部材のキャビティの中に設置される。後部本体は連結部から突出してフェース部材の開口を通って延びるフェースインサートも又有する。フェース部材と後部本体とは一対のねじにより相互に取り付けられる。フェース部材と後部本体が一対のねじで相互に取り付けられ、フェース部材の凹底面と後部本体の連結部との間においてフェース部材の後面のキャビティ内に膜体が取り付けられる。膜体は開口を有しており、後部本体上のフェースインサートはこの開口を通って延びる。
【０００６】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【０００７】
図１では、本発明の一実施形態に基づく、組み立て状態のゴルフパターヘッドが参照番号１０で示されている。図２の分解図で示されるように、パターヘッド１０は、フェース部材１２、ホーゼル１４、後部本体１６、および膜体１８を含む多くの部材より形成されている。これらの部材は一対のねじ２０により一体化されている。ホーゼル１４はゴルフシャフトの一端（図示しない）を受承するためのボス１５を有する。
【０００８】
フェース部材１２はソール２２、トウエンド２４、ヒールエンド２６、ゴルフボール（図示されていない）を打つために設けられた前面２８、トップレッジ３０および後面３２とを有する。トップレッジ３０は前面２８と後面３２との間に設けられている。後面３２には、リム面３８により囲まれた凹底面３６を有するキャビティ３４が形成されている。フェース部材１２は、そのトウエンド２４とヒールエンド２６との間に形成された開口３５を有する。開口３５は前面２８からキャビティ３４の凹底面３６へ延びている。図４に示されるように、ホーゼル１４の従属延長部４２を受承するための上向開口ソケット４０が、フェース部材１２のトップレッジ３０に形成されている。フェース部材１２とホーゼル１４とはステンレススチールのような適切な金属で製造されるのが好ましい。フェース部材１２とホーゼル１４が両方とも金属製の場合、ホーゼル１４をフェース部材１２に固定するために燒結方法が利用される。これに代えて、ホーゼル１４は適切な合成樹脂製でもよく、エポキシのような接着剤を用いてフェース部材１２に固定される。フェース部材１２とホーゼル１４とを別個の部材として製造し、そして上述したような方法で組み立てて一体化することにより、所望の形状を有する様々なフェース部材を提供できることは明白であろう。フェース部材１２は複数の異なる形状のフェース部材（図示されていない）から選択され、ホーゼル１４は複数の異なる形状のホーゼル（図示されていない）から選択される。これに代えて、フェース部材１２とホーゼル１４は一体に形成されてもよい。
【０００９】
後部本体１６は、ソール４４、トウエンド４６、ヒールエンド４８、及び図２と図５でもっとも良く示されているフェースインサート４９を有する連結部５０有する。後部本体１６の連結部５０は、後部本体１６の前端部５４及び５６の間を延びるリップ５２により下縁５１に沿ってソール４４から離間している。連結部５０は下縁５１の反対側に長細い上縁５８を有する。複数の様々な形状の後部本体（図示しない）を製造することにより、様々な重量や形状を有する複数の後部本体からの選択が可能になることが予想される。後部本体は金属や合成樹脂のようなあらゆる適切な材料から形成できる。後部本体１６の連結部５０の形状はフェース部材キャビティ３４の凹底面３６の形状と適合しており、フェース部材１２と後部本体１６とが以下で説明するように一体に固定される時に適切な嵌合を行う。後部本体１６のフェースインサート４９はフェース部材１２の開口３５を通って延び、パターヘッド１０が完成した状態では前面２８と同一面上にある。フェースインサート４９は、その外縁と開口３５の縁との間に隙間ができないように完全に開口３５を埋めるように採寸されている。
【００１０】
図２で分かるように、フェース部材１２は、トウエンド２４及びヒールエンド２６の側にそれぞれ形成されて前面２８から後面３２に延びる一対の離間した座ぐり穴６０，６２を有している。後部本体１６には、ヒールエンド４８およびトウエンド４６に隣接する一対の離間するねじ穴６４、６６（図５）が形成され、これらのねじ穴は、後部本体１６がねじ２０によりフェース部材１２に固定される時に、フェース部材１２の座ぐり穴６０、６２とそれぞれ軸方向に一直線になるように配置されている。後部本体１６の連結部５０は、図３及び４で分かるように、連結部５０の上縁５８がフェース部材１２のトップレッジ３０の下を延びる状態でフェース部材１２のキャビティ３４内に取り付けられる。従って、フェース部材１２と後部本体１６との分割線１１（図１）はトップレッジ３０により隠れ、ゴルファーがパターヘッド１０を採用したパターでパッティングストロークを行うようなときにはパターヘッド１０の真上から見ることができない。又、後部本体１６のフェースインサート４９はフェース部材１２の開口３５に取り付けられている。
【００１１】
図２を参照すると、膜体１８はフェース部材１２のキャビティ３４の形状及び後部本体１６の連結部５０の形状と一致するように形成されていることが理解されるであろう。図３及び４から分かるように、パターヘッド１０が組み立てられた状態では、膜体１８はフェース部材１２のキャビティ３４の凹底面３６と後部本体１６の連結部５０との間に介在される。膜体１８は開口６７を有し、この開口を通ってフェースインサート４９は延びている。膜体１８は、両面に粘着性があり好ましい形に型抜された発泡体テープのようなエラストマー素材で製造されることが好ましい。パターヘッド１０は膜体１８を利用することなく組立て可能であるが、ゴルフボールがフェースインサート４９に当たる時の振動を吸収して音を変化させるので、膜体１８を利用することが望ましい。
【００１２】
上述したようにパターヘッド１０が組み立てられると、後部本体１６のフェースインサート４９は開口３５を通って突出し、フェース部材１２の前面２８を越えて延びる。従って、突出したフェースインサート４９を前面２８とともにフライス削りすることで、フェース部材１２のトウエンド２４とヒールエンド２６との間を平面にした完成パターヘッド１０に仕上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施例に基づく、組み立て状態のパターヘッドの斜視図である。
【図２】図１に示されたパターヘッドの分解図である。
【図３】図１の３-３線に沿う拡大断面図である。
【図４】図１の４−４線に沿う拡大部分断面図である。
【図５】図１及び図２に示したパターヘッドの一つの部品の正面図である。
【符号の説明】
１０ ゴルフパターヘッド
１２ フェース部材
１６ 後部本体
１８ 膜体
２４．４６ トウエンド
２６．４８ ヒールエンド
２８ 前面
３４ キャビティ
５０ 連結部

Claims (8)

1. フェース部材と後部本体とを有するゴルフパターヘッドであって、
   前記フェース部材は、ヒールエンドと、トウエンドと、ゴルフボールを打つために設けられた前面と、後面と、該後面に形成されたキャビティとを有し、該キャビティはリム面により囲まれた凹底面を有し、前記フェース部材は、前記ヒールエンドと前記トウエンドとの間に開口を有し、該開口は前記前面から前記キャビティの前記凹底面に延びており、
   前記後部本体は前記フェース部材の後面に取り付けられており、前記後部本体は前記フェース部材の後面に形成されたキャビティ内に設けられるように付形された連結部と、前記後部本体の前記連結部から突出して前記フェース部材の開口を通って延出するフェースインサートとを有しており、
   前記フェース部材に形成された前記キャビティ内に設けられかつ前記フェース部材と前記後部本体との間に配置される膜体を更に有し、該膜体は開口を有し、前記後部本体の前記フェースインサートは前記膜体の開口を通って延出しているゴルフパターヘッド。
2. 前記フェース部材は更にゴルフシャフトの一端を受承するために上向きに延びるホーゼルを有する請求項１に記載のゴルフパターヘッド。
3. 前記膜体は前記フェース部材の前記キャビティの凹底面と前記後部本体の前記連結部との間に介在される請求項１に記載のゴルフパターヘッド。
4. 前記後部本体の前記連結部が前記フェース部材の前記後面に形成されたキャビティの形状とほぼ一致する形状を有する請求項１に記載のゴルフパターヘッド。
5. 前記フェース部材と前記後部本体とを一体に固定するための一対のねじを更に有する請求項１に記載のゴルフパターへッド。
6. 前記フェース部材が複数の異なる形状のフェース部材から選択される請求項１に記載のゴルフパターヘッド。
7. 前記後部本体が複数の異なる形状の後部本体から選択される請求項１に記載のゴルフパターヘッド。
8. 前記ホーゼルが複数の異なる形状のホーゼルから選択される請求項２に記載のゴルフパターヘッド。

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