JP3754387B2 - Painting equipment - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗装装置に関し、特に水性塗料などの導電性塗料に高電圧を印加して塗装を行うのに適した塗装装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
水性塗料は、有機溶剤を含まないので廃液処理が容易で環境に優しく、また有機溶剤等の危険物を含まないので火災事故防止の点で優れている。このため、有機溶剤系塗料に代えて或いは有機溶剤系塗料とともに、中塗り塗料や上塗り塗料としてのニーズが増加している。
【0003】
こうした水性塗料に高電圧を印加して静電塗装する場合、有機溶剤系塗料とは異なり、外部印加方式や塗料回路の電気的絶縁機構(以下、ボルテージブロック方式という。)を採用する必要がある(たとえば、特許第2790153号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
外部印加方式とは、塗装機によって噴霧され微粒化された塗料粒子に、外部電極から電圧を印加してこれを帯電させるもので、塗料回路内で接触帯電することがないため、電気が塗料を伝わって流れることが少ない。
【0005】
しかしながら、外部印加方式はボルテージブロック方式に比べて塗着効率が悪く、塗料使用量が約10%程度増加するという問題がある。また、原理的にも塗装ガンが汚れやすく、その結果塗料ブツの不具合が生じやすいので、塗装ガンの清掃頻度を高める必要があり、生産性をも低下させる要因となる。
【0006】
これに対して、従来のボルテージブロック方式としては、ブースサイドに設置した中継塗料タンクを絶縁台で浮かせることで、塗装機から中継塗料タンクまでを帯電範囲とする中継塗料タンク絶縁方式が知られている。
【0007】
しかしながら、塗色数が多い場合にはブースサイドに大きなスペースが必要となり、色替えを頻繁に行う場合や塗料使用量が多い場合には作業性が悪いといった問題がある。
【0008】
そこで、塗装ガンに塗料を導く塗料ホース内にピストンを設け、このピストンの前方に塗料を供給してこれを前進させることで塗装ガンに塗料を供給するとともに、ピストンの後方に充填されたエアーによってピストンの前後にて印加電圧を絶縁するものが提案されている(特開2001−327897号公報参照)。
【0009】
ところで、この塗装装置では、構造的にピストンの前進限と塗装ガンとの間に塗料が残留することから、これを洗浄する必要があるが、ピストンを後退させて洗浄液を充填する方法では色替え時間が長くなるといった問題があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ピストンの前進限と塗装ガンとの間の残留塗料を効率的に洗浄できる塗装装置を提供することを目的とする。
【0011】
(1)上記目的を達成するために、本発明によれば、電圧が印加される塗装ガンと、前記塗装ガンに塗料を導く塗料配管と、前記塗料配管内に水密状態で摺動可能に設けられたピストンと、前記ピストンを前記塗料配管内で移動させる駆動手段とを有し、塗装時には、前記塗料を前記ピストンの前方に注入し、前記ピストンを前記塗装ガンに向かって移動させる塗装装置において、
前記塗装ガンの塗料導入口と前記塗料配管の先端との間に設けられたバルブユニットをさらに有し、
前記バルブユニットは、一端が前記塗装ガンの塗料導入口に連通し他端が前記塗料配管に連通する塗料通路と、前記塗料通路に連通する第1の洗浄流体通路と、前記塗料通路に連通する廃液通路と、前記塗装ガンの塗料導入口へ連通する塗料通路を開閉する第1のバルブと、前記第1の洗浄流体通路を開閉する第2のバルブと、前記廃液通路を開閉する第3のバルブとを有することを特徴とする塗装装置が提供される(請求項1)。
【0012】
この塗装装置では、塗装ガンの塗料導入口と塗料配管の先端との間にバルブユニットが設けられているので、色替えなどの際には、第1のバルブ、第2のバルブおよび第3のバルブを選択的に開閉し、第1の洗浄流体通路から洗浄流体を供給することで、塗料配管とは別の操作でピストンの前進限と塗装ガンとの間の残留塗料を効率的に洗浄することができる。
【0013】
洗浄操作は、具体的には、第1乃至第3のバルブを開いた状態で第1の洗浄流体通路にエアー又は洗浄液を供給することによりピストンと塗装ガンとの間の残留塗料を押し出して廃棄するとともに塗料通路を洗浄する。
【0014】
(2)上記発明においては特に限定されないが、上記発明に係るバルブユニットにおいて、第1のバルブの塗装ガン側に連通する第2の洗浄流体通路と、第2の洗浄流体通路を開閉する第4のバルブと、をさらに設けることもできる(請求項3)。
【0015】
この塗装装置では、色替えなどの際には、第1のバルブ、第2のバルブ、第3のバルブおよび第4のバルブを選択的に開閉し、第1の洗浄流体通路および第2の洗浄流体通路からそれぞれ洗浄流体を供給することで、塗料配管とは別の操作でピストンの前進限と塗装ガンとの間の残留塗料を効率的に洗浄することができる。特に、洗浄経路を第1の洗浄流体通路と第2の洗浄流体通路との2系統に分けているので、洗浄に際してはそれぞれを並行に行うことができ、洗浄時間を短縮することができる。
【0016】
洗浄操作は、具体的には、第1のバルブを閉じるとともに第2乃至第4のバルブを開いた状態で第1の洗浄流体通路および第2の洗浄流体通路のそれぞれにエアー又は洗浄液を供給する。これにより、ピストンと塗装ガンとの間の残留塗料を別系統により押し出して廃棄するとともに塗料通路を洗浄する。
【0017】
(3)上記発明においては特に限定されないが、上記発明に係るバルブユニットにおいて、塗料通路内の、第2のバルブと塗料配管の先端との間に、塗料通路の内径より小さい外径の中空管を設け、第3のバルブを、中空管と塗料通路の内壁との間の空間に臨むように設けることもできる(請求項5)。
【0018】
このとき、塗料通路の塗料配管側の先端に、漏斗状の呼込傾斜部を設けることがより好ましい(請求項6)。
【0019】
この塗装装置では、塗料通路内の、第2のバルブと塗料配管の先端との間に、塗料通路の内径より小さい外径の中空管を設けることで、この間の塗料通路が、いわゆる二重管構造となる。したがって、第1の洗浄流体通路から洗浄流体を供給すると、この洗浄流体は中空管の内部空間を通過したのちピストンの前面空間に噴射され、これによりピストン前面の残留塗料の洗浄性が向上することなる。なお、洗浄後の洗浄流体は、中空管の外部空間を通過して第3のバルブから廃液通路へ廃棄されるが、漏斗状の呼込傾斜部により中空管の外部空間への流体の流れが円滑になって滞留することが防止される。
【0020】
(4)上記発明においては特に限定されないが、上記発明に係るバルブユニットにおいて、第1の洗浄流体通路の入口、廃液通路の出口および第2の洗浄流体通路の入口の少なくとも何れかに、好ましくは全てに、電気絶縁配管を接続し、バルブユニットを洗浄した後は、当該電気絶縁配管にエアーや有機溶剤などの絶縁性流体を充填することが、より好ましい(請求項2,4)。
【0021】
バルブユニットに洗浄流体を供給する配管を電気絶縁配管にするとともに、洗浄に当該電気絶縁配管に絶縁流体を充填しておくことで、次色塗装の際に高電圧が印加されても、当該電気絶縁配管から電流がリークすることが防止できる。
【0022】
(5)上記発明において、塗料として導電性塗料を採用する(請求項7)と本発明の効果がより発揮されるが、非導電性塗料にも適用することができる。特に、本発明の塗装装置では、塗料配管内の塗料のほとんどが押し出されるので、色替え時の洗浄が必要な部分が著しく少なくなり、しかもピストンの摺動動作によって塗料配管の内壁に付着した前色塗料が掻き取られるので、清浄性がより高くなる。その結果、本来的には混合されてはならない導電性塗料と非導電性塗料とを併用することが可能となる。
【0023】
【発明の効果】
請求項1乃至7記載の発明によれば、塗料配管の洗浄操作とは別の操作でピストンの前進限と塗装ガンとの間の残留塗料を効率的に洗浄することができるので、洗浄時間の短縮化、ひいては色替え時間の短縮化を図ることができ、塗装工程の生産速度を上げることが可能となる。
【0024】
請求項3記載の発明によれば、バルブユニットの洗浄経路を第1の洗浄流体通路と第2の洗浄流体通路との2系統に分けているので、洗浄に際してはそれぞれを並行に行うことができ、洗浄時間をさらに短縮することができ、また洗浄性を高めることができる。
【0025】
請求項5記載の発明によれば、供給された洗浄流体は中空管からピストンの前面空間に噴射されるので、ピストン前面の残留塗料の洗浄性が向上する。
【0026】
請求項6記載の発明によれば、漏斗状の呼込傾斜部により中空管の外部空間への流体の流れが円滑になって、残留塗料の滞留が防止できる。
【0027】
請求項2および4記載の発明によれば、次色塗装の際に高電圧が印加されても、当該電気絶縁配管から電流がリークすることが防止できる。
【0028】
請求項7記載の発明によれば、本来的には混合されてはならない導電性塗料と非導電性塗料とを同じ塗料配管で併用することが可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
第1実施形態
図1は本発明の塗装装置の使用形態を示す概略図、図2は本発明の塗装装置の実施形態を示す概略構成図、図3は本発明の塗装装置に係るバルブユニットの実施形態を示す断面図である。
【0030】
図1および図2に示すように、本実施形態の塗装装置1は、−90kV〜−60kVの高電圧が印加されるベル型静電塗装ガン11と、この塗装ガン11に塗料を導くための可撓性を有する塗料配管12(以下、塗料ホース12ともいう。)と、この塗料配管12の途中に設けられ、塗料の色替え操作を行うカラーチェンジバルブユニット13と、塗料配管12の内部及びカラーチェンジバルブユニット13のマニホールド131の内部を水密状態で摺動できるピストン14と、このピストン14を移動させる駆動手段15と、塗料ホース12と塗装ガン11との間に設けられたバルブユニット17とを有する。
【0031】
本例の塗装装置1は、たとえば図1に示すように、塗装ロボットRに装着されて塗装ラインで使用することができる。同図に示す例では、塗装ロボットRのハンドHに塗装ガン11が装着され、マウントMを用いてアームAに塗料ホース12が固定されているとともに、塗装ブースの外部に駆動手段15が配置されている。また、後述するバルブユニット17はマウントM2を用いてアームAに固定されている。また、バルブユニット17に接続されたホースはアームAの内部に挿通されている。
【0032】
この場合、少なくとも駆動手段15を塗装ブースの外部へ設置することが好ましく、本実施形態の塗装装置1ではそれが可能となる。これは以下の理由による。すなわち、塗装ブースで使用される塗料類が全て非溶剤系(非危険物)である場合には問題ないが、溶剤系塗料と非溶剤系塗料との混成ラインの場合には、塗装装置に使用される駆動モータや電気配線を防爆仕様にする必要があり、設備のコストアップになる。しかしながら、防爆仕様が必要とされる駆動モータ154,155を塗装ブースの外へ設置することで、溶剤系塗料の混成ラインであってもこれらを防爆仕様にする必要がなく、コストダウンを図ることができる。また、駆動手段15を塗装ブースの外部へ設置することで保守点検の作業性も向上することになる。
【0033】
ベル型静電塗装ガン11は、ガン本体内にトリガバルブを有し、塗装装置1の制御装置からの指令信号に基づいてトリガバルブを開くと、塗料ホース12から供給された塗料が、ガン本体の先端に設けられたベルカップ111に至り、このベルカップ111を高速回転させることで、供給された塗料が、ベルカップ111の先端エッジから微粒化されながら放射状に噴霧される。なお、本発明で用いられる塗装ガン11は、特に限定されることはなく、ベル型静電塗装ガンにのみ限定されずエアー霧化式静電塗装ガン等、全ての静電塗装ガンを用いることができるため、図1および図2においては詳細な図示を省略する。
【0034】
本実施形態に係る塗料ホース12は、図2において左側の先端がバルブユニット17の塗料通路171の入口に接続され、右側の後端はカラーチェンジバルブユニット13の出口に接続されている。この塗料ホース12は、図1に示すように塗装ガン11を塗装ロボットRに装着して用いる場合などには、塗装ロボットRの作業姿勢にともなって湾曲するので、塗料ホース自体の柔軟性及び塗料ホースが曲がっても内部をピストン14がスムーズに移動できるように、ナイロン系、ポリテトラフルオロエチレン系あるいはウレタン系の樹脂にて構成された可撓性を有することが好ましい。ただし、少なくともピストン14の移動範囲内で塗料配管12を直線にできる場合には、ステンレスなどの金属で構成することも可能である。この場合、ステンレス等の金属は外側を樹脂などにより絶縁する必要がある。
【0035】
また、本発明の塗料配管は限定されないが、塗料ホース12を、耐摩耗性に優れた材料からなる内面層と、これを包囲するように設けられ、配管内圧による膨張を防止するための補強材と、さらにこれを包囲するように設けられ、塗料ホース12の湾曲に追従できる柔軟性のある材料から構成された外面層と、で形成することが、より好ましい。
【0036】
ちなみに、塗料ホース12の長さは塗料使用量が多い場合には長く、少ない場合には短くするなど、塗料使用量に応じて適宜設定することができる。
【0037】
塗料ホース12の右端には、カラーチェンジバルブユニット13が接続されており、マニホールド131のそれぞれの端部と塗料ホース12とは継手により水密に接続されている。同図に示すカラーチェンジバルブユニット13では、図外の塗料供給源より異なる塗料が供給される切替弁132と、圧縮空気が供給される切替弁133と、洗浄液(導電性塗料の場合は洗浄用純水、非導電性塗料の場合は洗浄用シンナーをいう。以下同じ。)が供給される切替弁134とが設けられている。同図において左側の6つの切替バルブ132に塗料が供給されるが、この切替バルブ132の数量はそれ以上でも以下でも良く、適用される塗装ラインの塗色数などの諸条件によって適宜増減することができる。なお、切替弁133に供給される圧縮空気は色替え時に塗料や洗浄液を押し出すために用いられ、切替弁134に供給される洗浄液は色替え時の配管洗浄に用いられる。
【0038】
本実施形態のカラーチェンジバルブユニット13では、マニホールド131の内径が塗料ホース12の内径とほぼ等しく形成されている。これにより、ピストン14は、マニホールド131の右端から塗料ホース12の左端までスムーズに移動することができる。
【0039】
なお、本発明においては特に限定されないが、特に塗料に導電性塗料を用いる場合には、カラーチェンジバルブユニット13のマニホールド131は合成樹脂などの絶縁性材料から構成することが好ましい。金属などの導電性材料にてマニホールド131を構成すると、マニホールド131及び切替弁132,133,134から導電性塗料を介して塗料供給源側へ電流がリークするおそれがある。
【0040】
本実施形態の塗装装置1では、カラーチェンジバルブユニット13のマニホールド131の右端から、塗料ホース12の左端まで、これらの内部を水密状態で摺動できるピストン14と、このピストン14を適宜の位置及び適宜の速度で移動させる駆動手段15とを備えている。
【0041】
ピストン14は、図3に拡大して示すように、絶縁材からなるピストン本体141に、同じく絶縁材からなり塗料の漏洩を防止するための2つのOリング142a,142b(以下、総称してOリング142ともいう。)を装着してなり、塗料ホース12が湾曲してもスムーズに移動できるようにピストン本体141の軸方向の長さは極力短くされている。ピストン本体141はナイロンなどの水や有機溶剤で劣化しない絶縁材から構成することが好ましく、Oリング142は適度な弾性を有するゴムなどの材料であって、耐摩耗性及び耐溶剤性に優れたものから構成することが好ましい。
【0042】
このOリング142は、ピストン14の前後における塗料等の水密性を確保するほか、ピストン14の摺動性を向上させる機能をも司り、さらに色替え時等において塗料ホース12の内壁に付着した前色塗料を掻き取る機能も備えている。
【0043】
こうしたピストン14を図2に二点鎖線で示す後退限位置まで後退させた状態で、その前方空間S3に塗料を注入し、当該ピストン14を塗装ガン11に向かって前進させると、塗料ホース12の内壁に付着した導電性塗料もOリング142によって前方へ掻き取られることになるので、ピストン14の後方には空気のみが存在することになる。したがって、塗装ガン11に高電圧を印加しても当該ピストン14の前後でブロックされ、塗料ホース12の後端側へ電流がリークすることが防止される。
【0044】
なお、本発明では特に限定されないが、図3に示すようにピストン本体141には、一端が2つのOリング142a,142bとピストン本体141の外周面と塗料ホース12の内壁とで仕切られた空間S1に開口し、他端が後述する中空ケーブル151の内部に開口する通孔143が形成されている。
【0045】
この通孔143の存在により、ピストン14の前方空間S3に充填された塗料がOリング142aの劣化や摩耗により当該Oリング142aを越えて空間S1に漏洩しても、この漏洩した塗料は通孔143を介して中空ケーブル151内に至る。したがって、中空ケーブル151の右端などに設けられた塗料検出器31によって塗料の漏洩が検出できる。
【0046】
図1および図2に戻り、ピストン14を移動させるための駆動手段15は、先端がピストン本体141に固定された中空ケーブル151と、カラーチェンジバルブユニット13の近くに設けられ、中空ケーブル151を挟み込んで回転する二対の押出ローラ152,152と、中空ケーブル151を巻き取る引っ張り装置153とを備えている。
【0047】
押出ローラ152,152は、それぞれ図外の駆動モータによって回転し、主としてピストン14が塗装ガン11に向かって前進する際に中空ケーブル151に駆動力を付与するとともに、ピストン14を塗装ガン11とは反対方向に向かって戻す際は中空ケーブル151の挟持を解除してフリーとする。この押出ローラ152によってピストン14の移動にともなう塗料の押出量が制御されることになり、従来必要とされたギヤポンプなどは本実施形態では不要となる。また、二対の押出ローラ152,152は中空ケーブル151を挟み込んでピストン14を前進させる機械的構造であることから、原理的に塗料ホース12が破裂するほど異常な高圧に達すると押出ローラ152がスリップする。したがって、安全性がより高まることとなる。
【0048】
これに対して、引っ張り装置153は、図外の駆動モータによって正逆両方向に回転し、ピストン14が塗装ガン11に向かって前進する際には同方向へ中空ケーブル151が繰り出されるように回転する。また、これとは逆回転することにより、ピストン14を塗装ガン11とは反対方向へ戻す際に機能する。このとき、上述したように押出ローラ152は中空ケーブル151に対してフリーとなるので、引っ張り装置153の回転速度を高めた分だけピストン14の戻し操作に必要な時間が短縮される。
【0049】
なお、本例のケーブル151には中空ケーブルを採用し、既述したように塗料の漏洩を感知するように構成しているが、本発明のケーブルは中空ケーブルに限定されず、中実ケーブルであってもよい。また、押出用ローラ152は二対に限定されず、一対であっても三対以上であってもよい。
【0050】
ちなみに、中空ケーブル151は絶縁材から構成することが好ましいが、剛性及び耐久性を高めるためにケーブル151に金属製(導電性)ケーブルを用いる場合には、当該ケーブル151の外周に絶縁被覆層を形成し、ピストン14の後方の湿度や水分、塗料などの残存によりケーブル14を介して電流がリークするのを防止することが、より好ましい。
【0051】
特に本実施形態では、塗料ホース12の先端と塗装ガン11との間にバルブユニット17が設けられている。このバルブユニット17は、図3に拡大して示すように、バルブブロック171を有し、このバルブブロック171に、右端が塗料ホース12に連通されるとともに、左端が塗装ガン11の塗料導入口112に接続される塗料通路172が形成されている。この塗料通路172の左端には塗装ガン11の塗料導入口112に至る塗料ホース174の取付用ネジ孔175が形成されている。
【0052】
また、この塗料通路172のうち、後述する第1のバルブ176と塗料ホース12との間には、左端に鍔部189を有する中空管190が挿入固定されており、これにより塗料通路172は、中空管190の内部空間192と、中空管190の外部および塗料通路172の内壁との間の空間191とに仕切られ、空間191は後述する廃液通路181と連通することになる。なお、同図に示す例では、中空管190の外部空間191の右端に漏斗状の呼込傾斜部173が形成され、これにより、色替え洗浄時において第1の洗浄流体通路177から導入された洗浄液は、塗料通路172を通過してピストン14に向かって噴射されたのち、当該呼込傾斜部173によって外部空間191に円滑に導入され、廃液通路181を介してドレン槽22に導かれる。
【0053】
この塗料通路172は、その途中に設けられた第1のバルブ176によって開閉され、これにより塗料ホース12から塗装ガン1への塗料の供給をON/OFFすることができる。第1のバルブ176は、同図に示すように、バルブブロック171に形成された弁座176aと、この弁座176aに当接および離反する弁体176bと、弁体176bに固定された弁棒176cと、弁棒176cに固定されたピストン176dと、ピストン176dが挿入されたシリンダ176eとを有し、図外の駆動用流体(たとえば、エアー)をシリンダ176e内のピストン176dの前後に供給することで弁体176bが弁座176aの開口を開閉する。
【0054】
また、バルブブロック171には、上述した塗料通路172の、第1のバルブ176の塗料ホース12側に連通する第1の洗浄流体通路177が形成されている。同図に示す例では、第1の洗浄流体通路177の右端には切替バルブユニット20に至る絶縁性ホース178の取付用ネジ孔179が形成されている。
【0055】
この第1の洗浄流体通路177は、その途中に設けられた第2のバルブ180によって開閉され、これにより切替バルブユニット20からの押出用エアーおよび洗浄液の供給をON/OFFすることができる。第2のバルブ180は、同図に示すように、バルブブロック171に形成された弁座180aと、この弁座180aに当接および離反する弁体180bと、弁体180bに固定された弁棒180cと、弁棒180cに固定されたピストン180dと、ピストン180dが挿入されたシリンダ180eとを有し、図外の駆動用流体(たとえば、エアー)をシリンダ180e内のピストン180dの前後に供給することで弁体180bが弁座180aの開口を開閉する。
【0056】
また、バルブブロック171には、上述した塗料通路172の、第1のバルブ176の塗料ホース12側であって、中空管190の外部空間191に連通する廃液通路181が形成されている。同図に示す例では、廃液通路181の右端にはドレン槽22に至る絶縁性ホース182の取付用ネジ孔183が形成されている。
【0057】
この廃液通路181は、その途中に設けられた第3のバルブ184によって開閉され、これによりドレン槽22への廃液の供給をON/OFFすることができる。第3のバルブ184は、同図に示すように、バルブブロック171に形成された弁座184aと、この弁座184aに当接および離反する弁体184bと、弁体184bに固定された弁棒184cと、弁棒184cに固定されたピストン184dと、ピストン184dが挿入されたシリンダ184eとを有し、図外の駆動用流体(たとえば、エアー)をシリンダ184e内のピストン184dの前後に供給することで弁体184bが弁座184aの開口を開閉する。
【0058】
さらに、バルブブロック171には、上述した塗料通路172の、第1のバルブ176の塗装ガン11側に連通する第2の洗浄流体通路185が形成されている。同図に示す例では、第2の洗浄流体通路185の左端には切替バルブユニット21に至る絶縁性ホース186の取付用ネジ孔187が形成されている。
【0059】
この第2の洗浄流体通路185は、その途中に設けられた第4のバルブ188によって開閉され、これにより切替バルブユニット21からの押出用エアーおよび洗浄液の供給をON/OFFすることができる。第4のバルブ188は、同図に示すように、バルブブロック171に形成された弁座188aと、この弁座188aに当接および離反する弁体188bと、弁体188bに固定された弁棒188cと、弁棒188cに固定されたピストン188dと、ピストン188dが挿入されたシリンダ188eとを有し、図外の駆動用流体(たとえば、エアー)をシリンダ188e内のピストン188dの前後に供給することで弁体188bが弁座188aの開口を開閉する。
【0060】
ちなみに、塗装ガン11への高圧印加、トリガバルブの切替、カラーチェンジバルブユニット13の各切替弁132,133,134の切替、押出ローラ152の駆動モータの動作、引っ張り装置153の駆動モータの動作およびバルブユニット17の各バルブの切替は、図外の制御装置からの制御信号によって制御される。
【0061】
こうした制御装置には、図外の管理装置から送出される制御信号の他、ピストン14の現在位置を検出するための位置センサからの検出信号が入力される。位置センサの配置場所としては、ピストン14がカラーチェンジバルブユニット13よりも後方位置にあるときに検出信号を送出する位置、すなわち図2に二点鎖線で示すピストン14の位置(以下、後端限位置ともいう。)と、ピストン14がカラーチェンジバルブユニット13よりも僅かに前方に位置する際に検出信号を送出する位置(以下、印加可能位置ともいう。)と、ピストン14が塗装ガン11のバルブユニット17の直前位置である前進限に位置する際に検出信号を送出する位置(以下、前進限位置ともいう。)とに設けることが望ましい。
【0062】
次に作用を説明する。
図4は、本実施形態の塗装装置1に塗料を供給して、塗装ガン11から被塗物に塗料を塗布し、次の被塗物を待機するまでの1サイクルの手順を示したものである。
【0063】
まず、ピストン14が印加可能位置にある状態から塗装がスタートする。この状態では、ピストン14がカラーチェンジバルブユニット13の僅か前方に位置し、当該ピストン14からベルカップ113に至る塗料ホース12の空間S3には、その被塗物に塗布すべき塗料Pが充填されている。この充填量は、既述したようにその塗装ガン11で塗布される塗料の使用量にほぼ等しい。また、ピストン14の後方の塗料ホース12のうち、空間S2には空気が充満している。さらに、バルブブロック17の状態は、第1のバルブ176が塗料通路172を開くとともに、それ以外のバルブ、すなわち第2のバルブ180、第3のバルブ184および第4のバルブ188は全て閉じている。これにより、塗料ホース12は塗料通路172を介して塗装ガン11の塗料導入口112に至る塗料ホース174にのみ連通することになる。
【0064】
この状態から塗装ガン11に高電圧を印加するとともに、トリガバルブ112を開く(ステップ1)。これにより、塗装ガン11から導電性塗料Pに電流が流れるが、ピストン14の後方の空間S2は空気にて満たされているので、これがいわゆるボルテージブロックの機能を発揮して、当該ピストン14の前後で電気的に絶縁される。
【0065】
トリガバルブ112の開動作とほぼ同時に、押出ローラ152を作動してケーブル151を繰り出しピストン14を塗装ガン11に向かって前進させる。なお、トリガバルブ112の開動作とピストン14の押出動作とはほぼ同時に行われるが、塗装ロボットRの姿勢如何では塗装ガン11のベルカップ113が横向き、或いは斜め上向きになっている場合もあるので、最初の吐出量や霧化パターンを安定させるために、ピストン14の押出動作をトリガバルブ112の開動作に対して0.1〜0.3秒程度先行させてもよい。こうすることで、特に回転霧化式塗装ガンでは、フィードチューブ先端の塗料タレ対策に有効な手段となる。
【0066】
ピストン14を押し出す際の押出速度はベルカップ113からの吐出量に関係する。すなわち、押出速度を早くすると吐出量が増加し、押出速度を遅くすると吐出量が減少するので、制御装置から最適の押出速度を駆動手段15へ送出する。
【0067】
ピストン14が塗装ガン11に向かって前進すると、上述したように塗料Pが塗装ガン11へ供給されるが、当該ピストン14がバルブユニット17の直前の前進限位置に達し、ここに設けられた位置センサにて検出されると、押出ローラ152及び引っ張り装置153を停止するとともに、塗装ガン11への高電圧の印加を停止し、被塗物への塗装を終了する(ステップ3及び4)。
【0068】
これ以降の操作が色替えサイクルとなる。なお、次の被塗物の塗色が同色である場合は以下の色替えサイクルを行わずにステップ12へジャンプする。
【0069】
まず、図3に示すようにピストン14が前進限位置にある状態で、当該ピストン14の先端から塗装ガン11までの間に残留した塗料Pを洗浄する。これには、第1のバルブ176を閉じるとともに第4のバルブ188を開く。これと同時に第2のバルブ180および第3のバルブ184も開く(ステップ5)。そして、切替バルブユニット20および21を介して押出エアーを供給する(ステップ6,7)。
【0070】
切替バルブ21を介して供給された押出エアーは、絶縁性ホース186を通って第2の洗浄流体通路185に至り、開いている第4のバルブ188を通過する。ここで、閉じている第1のバルブ176と塗装ガン11との間には前色塗料Pが残留しているが、これを先の押出エアーにて塗装ガン11へ押し出して廃棄する。
【0071】
次に、切替バルブユニット21のバルブを切り替えて洗浄液を供給する(ステップ8)。この洗浄液は、絶縁性ホース186を通って第2の洗浄流体通路185に至り、さらに開いている第4のバルブ188を通過して塗料通路172および塗料ホース174、塗装ガン11に至り、ここから廃棄される。この洗浄液の供給を所定時間継続することで第1のバルブ176から塗装ガン11に至る塗料通路172を洗浄することができる。
【0072】
次に、再び切替バルブユニット21のバルブを切り替えて押出エアーを供給する(ステップ10)。これにより、それまで絶縁性ホース186,第2の洗浄流体通路185,塗料通路172,塗料ホース174および塗装ガン11に充填されていた洗浄液が塗装ガン11から押し出され廃棄される。
【0073】
この後、以上のステップ8および10を複数回繰り返してもよいが、最後には、押出エアーを数秒間供給し、第2の洗浄流体通路185および絶縁性ホース186にエアーを溜めておく。これにより、次色塗装の際に塗装ガン1に高電圧を印加しても、当該電流がこの経路を介してリークすることが防止できる。そのために絶縁性ホース186を採用し、その長さを3m以上とすることが望ましい。
【0074】
一方、切替バルブ20を介して供給された押出エアーは、絶縁性ホース178を通って第1の洗浄流体通路177に至り、開いている第2のバルブ180を通過する。ここで、閉じている第1のバルブ176とピストン14との間には、中空管190の内部空間192も外部空間191も含めて前色塗料Pが残留しているが、第2のバルブ180を通過した押出エアーは中空管190の内部空間191に導かれるので、ここに残留する塗料Pをピストン14側へ押し出す。この押し出された前色塗料P、ピストン14の前面に残留している塗料Pおよび中空管190の外部空間191に残留している塗料Pは、押出エアーの圧力によって開いている第3のバルブ184側に押し出され、当該第3のバルブ184を通過して廃液通路181および絶縁性ホース182を介してドレン槽22に廃棄される。
【0075】
次に、切替バルブユニット20のバルブを切り替えて洗浄液を供給する(ステップ9)。この洗浄液は、絶縁性ホース178を通って第1の洗浄流体通路177に至り、さらに開いている第2のバルブ180を通過して中空管190の内部空間192に至る。そして、この内部空間192から、ピストン14に向かって噴射される。この噴射によりピストン14の先端が清浄になり前色塗料の色混じりが防止できる。ピストン14の前面空間S3に噴射された洗浄液は、中空管190の外部空間191から第3のバルブ184を介して廃液通路181に至り、絶縁性ホース182を介してドレン槽22へ廃棄される。この洗浄液の供給を所定時間継続することでピストン14から第1のバルブ176に至る塗料通路172を洗浄することができる。なお、塗料通路172の右端に形成された呼込傾斜部173により、ピストン前面空間S3から中空管190の外部空間191への洗浄液の流れが円滑になる。
【0076】
次に、再び切替バルブユニット20のバルブを切り替えて押出エアーを供給する(ステップ11)。これにより、それまで絶縁性ホース178,第1の洗浄流体通路177,中空管190の内部空間192,ピストン14の前面空間S3,中空管190の外部空間191,廃液通路181および絶縁性ホース182に充填していた洗浄液は、ドレン槽22に押し出され廃棄される。この後、以上のステップ9および11を複数回繰り返してもよいが、最後には、押出エアーを数秒間供給し、第1の洗浄流体通路177および絶縁性ホース178、並びに廃液通路181および絶縁性ホース182にそれぞれエアーを溜めておく。これにより、次色塗装の際に塗装ガン11に高電圧を印加しても、当該電流がこれらの経路を介してリークすることが防止できる。そのために絶縁性ホース178,182を採用し、その長さをそれぞれ3m以上とすることが望ましい。
【0077】
本例では、ステップ5乃至ステップ11の洗浄ステップにおいて、第1のバルブ176の前後で独立した洗浄系を構成し、それぞれを並行して洗浄するので、そのぶんだけ洗浄時間を短縮することができるとともに、別個に洗浄することで洗浄性能が向上する。
【0078】
図4に戻り、バルブユニット17廻りの洗浄が終了したら、バルブユニット17の第1のバルブ176を開くとともに、第2〜第4のバルブ180,184,188を閉じる。そして、押出ローラ152,152をフリーにし、引っ張り装置153をこれまでとは逆方向に回転させることで、ピストン14を後退させる(ステップ12)。なお、ピストン14が後退する際には、ピストン14の後方(図において右側)の空気が圧縮されるので、ピストン14の動作をスムーズにするためにダンプバルブなどを設けてこれを開いておくことが好ましい。
【0079】
位置センサにてピストン14が後退限位置に達したことが検出されたら(ステップ13)、カラーチェンジバルブユニット13の切替弁133,134を交互に開閉して、ピストン14の前方の塗料ホース12内空間S3に洗浄液と押出エアーとを供給する(ステップ14)。ただし、本例の塗装装置1では、バルブユニット17から塗装ガン11までの間の洗浄は終了しているので、主として塗料ホース12の内壁やカラーチェンジバルブユニット13に残留した前色塗料を洗浄するためのステップである。したがって、他の洗浄手段があればこのステップ14は省略してもよい。
【0080】
塗料ホース12内が清浄になったら、カラーチェンジバルブユニット13の切替弁132の何れかを開いて次色の塗料Pをピストン14の前方の塗料ホース12内へ供給する(ステップ15)。このとき、塗料使用量に応じて切替弁132の開閉タイミングを制御し、その塗色に適した充填量とする。これにより、塗装終了後に残存して廃棄する塗料量が最小限となる。
【0081】
次色塗料Pを供給したら、押出ローラ152,152及び引っ張り装置153を駆動し、ピストン14を前進させる(ステップ16)。そして、ピストン14がカラーチェンジバルブユニット13の僅か前方位置にある印加可能位置に達したことが位置センサによって検出されたら(ステップ17)、押出ローラ152及び引っ張り装置153を停止するとともに、塗装ガン11のトリガバルブを閉じ、次色の塗装スタート信号を待機する(ステップ18)。
【0082】
本実施形態の塗装装置1は、以下の効果が期待できる。
まず、塗料ホース12内にピストン14を設けて、当該ピストン14の前方に導電性塗料Pを供給してこれを塗装ガン11へ押し出すように構成したので、ピストン14の後方には空気層が形成され、これがいわゆるボルテージブロック機能を発揮する。したがって、既存の塗着効率の高いベル型静電塗装ガン等をそのまま利用することができ、導電性塗料の採用と塗着効率の向上との両立が図られる。また、既存の塗装ガンがそのまま使用できるので、塗装ガンの交換あるいは改造費用が不要となる。
【0083】
また、ピストンの押出速度を制御することで吐出量を簡単に制御することができ、従来必要とされたギヤポンプなどの高価な装置に代替することができ、設備費用の低減が達成される。
【0084】
さらに、色替え操作にあたっても、ピストンを用いてトリガバルブまで塗料を押し出すことができるので、色替え時に廃棄される塗料量が最小となり、塗料コストの低減及び廃液処理などの環境対策の点で有利となる。
【0085】
また、塗装ガンあたりの塗料使用量(吐出量)は、塗装サイクルタイムの変更、被塗物の相違、塗料固形分など塗色による相違、膜厚などの要求品質の相違等々により異なるが、本実施形態の塗装装置は、塗料ホース12の長さを最大塗料使用量に設定しておき、これに必要に応じた量の塗料を充填して塗装するので、塗料使用量の変動に対しても柔軟に対処することができる。
【0086】
さらに本実施形態の塗装装置1は、導電性塗料のみならず非導電性塗料にもそのまま適用できる。
【0087】
また、塗料ホース12内の塗料はピストン14によって全て押し出されるので、洗浄しなければならない範囲が著しく少なくなり、これにより短時間で系内を清浄にすることが可能となる。また清浄性が高まる結果、導電性塗料と非導電性塗料とを同一の塗装装置で色替えすることも可能となる。
【0088】
さらに、本実施形態の塗装装置1は、塗料ホース12内への塗料の充填は塗装の直前であるため、メタリック塗料やマイカ塗料等であっても顔料沈降の問題は生じなくなる。また、カートリッジを用いた塗装ガンに適用する場合にも顔料沈降の問題が解消される。
【0089】
これに加えて、ピストン本体141に第1の通孔143を設け、一端を2つのOリング142a,142bで仕切られた空間S1に臨ませ、他端を第1の中空ケーブル151a内に臨ませているので、ピストン14の前方空間S3に充填された塗料がOリング142aの劣化や摩耗などによって漏洩しても、これが第1の通孔143及び中空ケーブル151を介して塗料検出器31にて検出される。したがって、ピストン14を分解しなくてもOリング142の劣化・摩耗状態を検査することができ、ひいては塗料の漏洩を防止することができる。
【0090】
さらに、本実施形態の塗装装置1では、塗料通路172に中空管190を設けているので、切替バルブユニット20から供給された洗浄液はピストン14に向かって噴射され、これによりピストン14の前面空間S3の洗浄性が向上することになる。また、塗料通路172の右端に呼込傾斜部173を形成しているので、ピストン14の前面空間S3を洗浄した洗浄液は円滑に外部空間191へ導かれることになる。
【0091】
また、第1のバルブ176の前後にて並行して洗浄操作を行うので、色替え時間を短縮することができる。さらに、洗浄終了後に絶縁性ホース178,182,186にエアーを充填するので、次色塗装の際に塗装ガン11に高圧を印加しても、これら絶縁性ホース178,182,186でブロックされ、ここからのリークが防止できる。
【0092】
第2実施形態
図5は本発明の塗装装置の他の実施形態を示すバルブユニット17の拡大断面図である。本例では、上述した第1実施形態に比べ、第1実施形態の第4のバルブ188と切替バルブユニット21および絶縁性ホース186を省略したものである。図3に示すものと同一の部材には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0093】
バルブブロック171に形成された塗料通路172に中空管190が設けられ、図3の第1実施形態の鍔部189などが省略された構造となっているが、基本的な機能は第1実施形態と同様であり、中空管190の内部空間192が塗色塗料の通路となり、中空管190の外部空間191が第3のバルブ184を介して廃液通路181に連通する。
【0094】
次に本例の作用を説明する。
図6は、本実施形態の塗装装置1に塗料を供給して、塗装ガン11から被塗物に塗料を塗布し、次の被塗物を待機するまでの1サイクルの手順を示したものである。
【0095】
同図のステップ1〜ステップ4までの動作は、図4にて説明した第1実施形態と同じであるため、ステップ5の色替えサイクルから説明する。なお、次の被塗物の塗色が同色である場合は以下の色替えサイクルを行わずにステップ9へジャンプする。
【0096】
まず、図5に示すようにピストン14が前進限位置にある状態で、当該ピストン14の先端から塗装ガン11までの間に残留した塗料Pを洗浄する。これには、第1のバルブ176、第2のバルブ180および第3のバルブ184の全てを開く(ステップ5)。そして、切替バルブユニット20を介して押出エアーを供給する(ステップ6)。
【0097】
切替バルブ20を介して供給された押出エアーは、絶縁性ホース178を通って第1の洗浄流体通路177に至り、開いている第2のバルブ180を通過する。ここで、ピストン14の前面空間S3と塗装ガン11との間には前色塗料Pが残留しているので、第2のバルブ180に至った押出エアーは、ここから塗装ガン11側とピストン14側に分岐し、それぞれ残留塗料を押し出す。すなわち、第2のバルブ180からの押出エアーは、当該第2のバルブ180が臨む塗料通路172と塗装ガン11との間に残留した塗料を、塗装ガン11へ押し出して廃棄する。一方、同じく第2のバルブ180からの押出エアーは、当該第2のバルブ180が臨む塗料通路172とピストン14との間に残留した塗料を、中空管190の外部空間191、第3のバルブ184、廃液通路181および絶縁性ホース182を介してドレン槽22へ押し出して廃棄する。
【0098】
次に、切替バルブユニット20のバルブを切り替えて洗浄液を供給する(ステップ7)。この洗浄液も、上述した押出エアーと同様に、絶縁性ホース178を通って第1の洗浄流体通路177に至り、さらに開いている第2のバルブ180を通過する。そして、ここから一方は、開いている第1のバルブ176から塗料ホース174、塗装ガン11に至り、ここから廃棄される。この洗浄液の供給を所定時間継続することで第1のバルブ176から塗装ガン11に至る塗料通路172を洗浄することができる。また他方は、中空管190の内部空間192を通過してピストン14に向かって噴射する。これにより、ピストン14の前面空間S3に残留した前色塗料の洗浄性が向上することになる。そして、ピストン14の前面空間S3に噴射された洗浄液は、中空管190の外部空間191から第3のバルブ184を介して廃液通路181に至り、絶縁性ホース182を介してドレン槽22へ廃棄される。この洗浄液の供給を所定時間継続することでピストン14から第1のバルブ176に至る塗料通路172を洗浄することができる。なお、塗料通路172の右端に形成された呼込傾斜部173により、ピストン前面空間S3から中空管190の外部空間191への洗浄液の流れが円滑になる。
【0099】
次に、再び切替バルブユニット20のバルブを切り替えて押出エアーを供給する(ステップ8)。これにより、それまで絶縁性ホース178,第1の洗浄流体通路177,中空管190の内部空間192,ピストン14の前面空間S3,中空管190の外部空間191,廃液通路181および絶縁性ホース182、並びに第2のバルブ180より塗装ガン11側の塗料通路172および塗料ホース174に充填していた洗浄液は、ドレン槽22又は塗装ガン11に押し出され廃棄される。この後、以上のステップ6および7を複数回繰り返してもよいが、最後には、押出エアーを数秒間供給し、第1の洗浄流体通路177および絶縁性ホース178、並びに廃液通路181および絶縁性ホース182にそれぞれエアーを溜めておく。これにより、次色塗装の際に塗装ガン11に高電圧を印加しても、当該電流がこれらの経路を介してリークすることが防止できる。そのために絶縁性ホース178,182を採用し、その長さをそれぞれ3m以上とすることが望ましい。
【0100】
本例では、ステップ5乃至ステップ8の洗浄ステップにおいて、一つの切替バルブ20からの押出エアーおよび洗浄液によって洗浄系を構成しているので、そのぶんだけ装置構成や制御が簡単になり、低コスト化にも貢献する。
【0101】
図6に戻り、バルブユニット17廻りの洗浄が終了したら、バルブユニット17の第1のバルブ176を開いたままとし、第2および第3のバルブ180,184を閉じる。そして、押出ローラ152,152をフリーにし、引っ張り装置153をこれまでとは逆方向に回転させることで、ピストン14を後退させる(ステップ9)。なお、ピストン14が後退する際には、ピストン14の後方(図において右側)の空気が圧縮されるので、ピストン14の動作をスムーズにするためにダンプバルブなどを設けてこれを開いておくことが好ましい。
【0102】
位置センサにてピストン14が後退限位置に達したことが検出されたら(ステップ10)、カラーチェンジバルブユニット13の切替弁133,134を交互に開閉して、ピストン14の前方の塗料ホース12内空間S3に洗浄液と押出エアーとを供給する(ステップ11)。ただし、本例の塗装装置1では、バルブユニット17から塗装ガン11までの間の洗浄は終了しているので、主として塗料ホース12の内壁やカラーチェンジバルブユニット13に残留した前色塗料を洗浄するためのステップである。したがって、他の洗浄手段があればこのステップ14は省略してもよい。
【0103】
塗料ホース12内が清浄になったら、カラーチェンジバルブユニット13の切替弁132の何れかを開いて次色の塗料Pをピストン14の前方の塗料ホース12内へ供給する(ステップ12)。このとき、塗料使用量に応じて切替弁132の開閉タイミングを制御し、その塗色に適した充填量とする。これにより、塗装終了後に残存して廃棄する塗料量が最小限となる。
【0104】
次色塗料Pを供給したら、押出ローラ152,152及び引っ張り装置153を駆動し、ピストン14を前進させる(ステップ13)。そして、ピストン14がカラーチェンジバルブユニット13の僅か前方位置にある印加可能位置に達したことが位置センサによって検出されたら(ステップ14)、押出ローラ152及び引っ張り装置153を停止するとともに、塗装ガン11のトリガバルブを閉じ、次色の塗装スタート信号を待機する(ステップ15)。
【0105】
本実施形態の塗装装置1は、以下の効果が期待できる。
まず、塗料ホース12内にピストン14を設けて、当該ピストン14の前方に導電性塗料Pを供給してこれを塗装ガン11へ押し出すように構成したので、ピストン14の後方には空気層が形成され、これがいわゆるボルテージブロック機能を発揮する。したがって、既存の塗着効率の高いベル型静電塗装ガン等をそのまま利用することができ、導電性塗料の採用と塗着効率の向上との両立が図られる。また、既存の塗装ガンがそのまま使用できるので、塗装ガンの交換あるいは改造費用が不要となる。
【0106】
また、ピストンの押出速度を制御することで吐出量を簡単に制御することができ、従来必要とされたギヤポンプなどの高価な装置に代替することができ、設備費用の低減が達成される。
【0107】
さらに、色替え操作にあたっても、ピストンを用いてトリガバルブまで塗料を押し出すことができるので、色替え時に廃棄される塗料量が最小となり、塗料コストの低減及び廃液処理などの環境対策の点で有利となる。
【0108】
また、塗装ガンあたりの塗料使用量(吐出量)は、塗装サイクルタイムの変更、被塗物の相違、塗料固形分など塗色による相違、膜厚などの要求品質の相違等々により異なるが、本実施形態の塗装装置は、塗料ホース12の長さを最大塗料使用量に設定しておき、これに必要に応じた量の塗料を充填して塗装するので、塗料使用量の変動に対しても柔軟に対処することができる。
【0109】
さらに本実施形態の塗装装置1は、導電性塗料のみならず非導電性塗料にもそのまま適用できる。
【0110】
また、塗料ホース12内の塗料はピストン14によって全て押し出されるので、洗浄しなければならない範囲が著しく少なくなり、これにより短時間で系内を清浄にすることが可能となる。また清浄性が高まる結果、導電性塗料と非導電性塗料とを同一の塗装装置で色替えすることも可能となる。
【0111】
さらに、本実施形態の塗装装置1は、塗料ホース12内への塗料の充填は塗装の直前であるため、メタリック塗料やマイカ塗料等であっても顔料沈降の問題は生じなくなる。また、カートリッジを用いた塗装ガンに適用する場合にも顔料沈降の問題が解消される。
【0112】
これに加えて、ピストン本体141に第1の通孔143を設け、一端を2つのOリング142a,142bで仕切られた空間S1に臨ませ、他端を第1の中空ケーブル151a内に臨ませているので、ピストン14の前方空間S3に充填された塗料がOリング142aの劣化や摩耗などによって漏洩しても、これが第1の通孔143及び中空ケーブル151を介して塗料検出器31にて検出される。したがって、ピストン14を分解しなくてもOリング142の劣化・摩耗状態を検査することができ、ひいては塗料の漏洩を防止することができる。
【0113】
さらに、本実施形態の塗装装置1では、塗料通路172に中空管190を設けているので、切替バルブユニット20から供給された洗浄液はピストン14に向かって噴射され、これによりピストン14の前面空間S3の洗浄性が向上することになる。また、塗料通路172の右端に呼込傾斜部173を形成しているので、ピストン14の前面空間S3を洗浄した洗浄液は円滑に外部空間191へ導かれることになる。
【0114】
また、第1のバルブ176に対し、一系統の押出エアーおよび洗浄液のみで洗浄操作を行うので、装置構成および制御が簡単になり、低コスト化に貢献できるとともに、色替え時間の短縮も期待できる。さらに、洗浄終了後に絶縁性ホース178,182にエアーを充填するので、次色塗装の際に塗装ガン11に高圧を印加しても、これら絶縁性ホース178,182でブロックされ、ここからのリークが防止できる。
【0115】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗装装置の使用形態を示す概略図である。
【図2】本発明の塗装装置の実施形態を示す概略構成図である。
【図3】本発明の塗装装置に係るバルブユニットの実施形態を示す断面図である。
【図4】図2および図3の塗装装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の塗装装置に係るバルブユニットの他の実施形態を示す断面図である。
【図6】図5の塗装装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…塗装装置
11…塗装ガン
111…ベルカップ
112…塗料導入口
12…塗料ホース(塗料配管)
13…カラーチェンジバルブユニット
14…ピストン
15…駆動手段
151…中空ケーブル
152…押出ローラ
153…引っ張り装置
17…バルブユニット
171…バルブブロック
172…塗料通路
173…呼込傾斜部
176…第1のバルブ
177…第1の洗浄流体通路
178…絶縁性ホース(電気絶縁配管)
180…第2のバルブ
181…廃液通路
182…絶縁性ホース(電気絶縁配管)
184…第3のバルブ
185…第2の洗浄流体通路
186…絶縁性ホース(電気絶縁配管)
188…第4のバルブ
190…中空管
191…外部空間
192…内部空間[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a coating apparatus, and more particularly to a coating apparatus suitable for performing coating by applying a high voltage to a conductive paint such as a water-based paint.
[0002]
[Prior art]
Since the water-based paint does not contain an organic solvent, the waste liquid treatment is easy and environmentally friendly, and since it does not contain a dangerous substance such as an organic solvent, it is excellent in terms of preventing fire accidents. For this reason, the need as an intermediate coating or top coating is increasing instead of or together with an organic solvent-based coating.
[0003]
When electrostatic coating is performed by applying a high voltage to such a water-based paint, it is necessary to employ an external application system or an electrical insulation mechanism of a paint circuit (hereinafter referred to as a voltage block system), unlike organic solvent-based paints. (For example, refer to Japanese Patent No. 2790153).
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
In the external application method, the paint particles sprayed and atomized by the coating machine are charged by applying a voltage from the external electrode and are not contact-charged in the paint circuit. It is less likely to flow through.
[0005]
However, the external application method has a problem that the coating efficiency is lower than the voltage block method, and the amount of paint used increases by about 10%. Also, in principle, the paint gun is likely to get dirty, and as a result, defects in the paint gun are liable to occur. Therefore, it is necessary to increase the cleaning frequency of the paint gun, which causes a decrease in productivity.
[0006]
On the other hand, as a conventional voltage block system, a relay paint tank insulation system is known in which the relay paint tank installed on the booth side is floated on an insulating stand so that the charging range is from the coating machine to the relay paint tank. Yes.
[0007]
However, when the number of paint colors is large, a large space is required on the booth side, and there is a problem that workability is poor when color change is frequently performed or when the amount of paint used is large.
[0008]
Therefore, a piston is provided in the paint hose that guides the paint to the paint gun, and the paint is supplied to the front of the piston and moved forward to supply the paint to the paint gun, and with the air filled behind the piston. There has been proposed one that insulates the applied voltage before and after the piston (see JP 2001-327897 A).
[0009]
By the way, in this painting device, the paint remains structurally between the piston advance limit and the painting gun, so it is necessary to clean it. However, the color is changed by retreating the piston and filling the cleaning liquid. There was a problem that time became long.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
An object of this invention is to provide the coating device which can wash | clean the residual coating material between the advance limit of a piston and a coating gun efficiently.
[0011]
(1) In order to achieve the above object, according to the present invention, a paint gun to which a voltage is applied, a paint pipe for guiding the paint to the paint gun, and a slidable watertight condition in the paint pipe are provided. A coating device that includes a piston and a drive unit that moves the piston in the paint pipe, and injects the paint in front of the piston and moves the piston toward the paint gun during painting. ,
A valve unit provided between a paint inlet of the paint gun and a tip of the paint pipe;
The valve unit communicates with the paint passage, one end communicating with the paint introduction port of the paint gun and the other end communicating with the paint pipe, the first cleaning fluid passage communicating with the paint passage, and the paint passage. A waste valve, a first valve for opening and closing a paint passage communicating with the paint introduction port of the paint gun, a second valve for opening and closing the first cleaning fluid passage, and a third valve for opening and closing the waste liquid passage. A coating apparatus comprising a valve is provided (claim 1).
[0012]
In this coating apparatus, since the valve unit is provided between the paint introduction port of the coating gun and the tip of the paint pipe, the first valve, the second valve, and the third valve are used when changing colors. By selectively opening and closing the valve and supplying the cleaning fluid from the first cleaning fluid passage, the paint remaining between the piston advance limit and the paint gun is efficiently cleaned by an operation different from the paint piping. be able to.
[0013]
Specifically, the cleaning operation is performed by pushing out the residual paint between the piston and the paint gun by supplying air or cleaning liquid to the first cleaning fluid passage with the first to third valves opened. And clean the paint passage.
[0014]
(2) Although not particularly limited in the above invention, in the valve unit according to the above invention, a second cleaning fluid passage communicating with the painting gun side of the first valve and a fourth cleaning fluid passage that opens and closes the second cleaning fluid passage. These valves can be further provided (claim 3).
[0015]
In this coating apparatus, when the color is changed, the first valve, the second valve, the third valve, and the fourth valve are selectively opened and closed, and the first cleaning fluid passage and the second cleaning are performed. By supplying the cleaning fluid from the fluid passages, the residual paint between the piston advance limit and the paint gun can be efficiently cleaned by an operation different from the paint piping. In particular, since the cleaning path is divided into two systems of the first cleaning fluid path and the second cleaning fluid path, each cleaning can be performed in parallel and the cleaning time can be shortened.
[0016]
Specifically, in the cleaning operation, air or cleaning liquid is supplied to each of the first cleaning fluid passage and the second cleaning fluid passage with the first valve closed and the second to fourth valves opened. . Thus, the residual paint between the piston and the paint gun is pushed out by another system and discarded, and the paint passage is washed.
[0017]
(3) Although not particularly limited in the above invention, in the valve unit according to the above invention, a hollow having an outer diameter smaller than the inner diameter of the paint passage between the second valve and the tip of the paint pipe in the paint passage. A pipe may be provided, and the third valve may be provided so as to face a space between the hollow pipe and the inner wall of the paint passage (Claim 5).
[0018]
At this time, it is more preferable to provide a funnel-shaped incoming inclined portion at the tip of the paint passage on the paint pipe side.
[0019]
In this coating apparatus, a hollow tube having an outer diameter smaller than the inner diameter of the paint passage is provided between the second valve and the tip of the paint pipe in the paint passage, so that the paint passage between them is a so-called double pipe. It becomes a tube structure. Therefore, when the cleaning fluid is supplied from the first cleaning fluid passage, the cleaning fluid is injected into the front space of the piston after passing through the inner space of the hollow tube, thereby improving the cleaning performance of the residual paint on the front surface of the piston. It will be different. The cleaning fluid after cleaning passes through the external space of the hollow tube and is discarded from the third valve to the waste liquid passage. However, the fluid flows into the external space of the hollow tube by the funnel-shaped inlet inclined portion. It is prevented that the flow becomes smooth and stays.
[0020]
(4) Although not particularly limited in the above invention, in the valve unit according to the above invention, preferably at least one of the inlet of the first cleaning fluid passage, the outlet of the waste fluid passage, and the inlet of the second cleaning fluid passage. It is more preferable that after all the electrical insulation pipes are connected and the valve unit is cleaned, the electrical insulation pipes are filled with an insulating fluid such as air or an organic solvent (
[0021]
The piping that supplies the cleaning fluid to the valve unit is an electrical insulation piping, and the electrical insulation piping is filled with the insulation fluid for cleaning, so that even if a high voltage is applied during the next color coating, the electrical It is possible to prevent current from leaking from the insulating pipe.
[0022]
(5) In the above invention, when a conductive paint is employed as the paint (claim 7), the effect of the present invention is more exhibited, but the invention can also be applied to a non-conductive paint. In particular, in the coating apparatus of the present invention, most of the paint in the paint pipe is pushed out, so that the number of parts that need to be cleaned during color change is remarkably reduced, and before the paint is adhered to the inner wall of the paint pipe by the sliding movement of the piston. Since the color paint is scraped off, the cleanliness becomes higher. As a result, it is possible to use a conductive paint and a non-conductive paint that should not be mixed.
[0023]
【The invention's effect】
According to the first to seventh aspects of the present invention, the residual paint between the piston advance limit and the paint gun can be efficiently cleaned by an operation different from the paint pipe cleaning operation. The shortening of the color change time can be achieved, and the production speed of the painting process can be increased.
[0024]
According to the third aspect of the present invention, since the cleaning path of the valve unit is divided into two systems of the first cleaning fluid passage and the second cleaning fluid passage, the cleaning can be performed in parallel. Further, the cleaning time can be further shortened and the cleaning property can be improved.
[0025]
According to the fifth aspect of the present invention, since the supplied cleaning fluid is jetted from the hollow tube to the front space of the piston, the cleaning performance of the residual paint on the front surface of the piston is improved.
[0026]
According to invention of
[0027]
According to invention of
[0028]
According to the seventh aspect of the present invention, it is possible to use a conductive paint and a non-conductive paint, which should not be mixed, in the same paint pipe.
[0029]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
First embodiment
FIG. 1 is a schematic diagram showing a usage form of the coating apparatus of the present invention, FIG. 2 is a schematic configuration diagram showing an embodiment of the coating apparatus of the present invention, and FIG. 3 shows an embodiment of a valve unit according to the coating apparatus of the present invention. It is sectional drawing.
[0030]
As shown in FIGS. 1 and 2, the
[0031]
For example, as shown in FIG. 1, the
[0032]
In this case, it is preferable to install at least the driving means 15 outside the painting booth, and this is possible in the
[0033]
The bell-type
[0034]
The
[0035]
In addition, the paint pipe of the present invention is not limited, but the
[0036]
Incidentally, the length of the
[0037]
A color
[0038]
In the color
[0039]
Although there is no particular limitation in the present invention, the
[0040]
In the
[0041]
As shown in an enlarged view in FIG. 3, the
[0042]
This O-ring 142 not only ensures the watertightness of the paint and the like before and after the
[0043]
In a state where such a
[0044]
Although not particularly limited in the present invention, as shown in FIG. 3, one end of the piston
[0045]
Even if the paint filled in the space S3 in front of the
[0046]
Returning to FIG. 1 and FIG. 2, the driving means 15 for moving the
[0047]
The
[0048]
On the other hand, the pulling device 153 rotates in both forward and reverse directions by a drive motor (not shown), and rotates so that the
[0049]
The
[0050]
Incidentally, the
[0051]
In particular, in this embodiment, a
[0052]
In addition, a
[0053]
The
[0054]
The
[0055]
The first
[0056]
The
[0057]
The
[0058]
Further, the
[0059]
The second
[0060]
Incidentally, application of high pressure to the
[0061]
In addition to a control signal sent from a management device (not shown), such a control device receives a detection signal from a position sensor for detecting the current position of the
[0062]
Next, the operation will be described.
FIG. 4 shows the procedure of one cycle from supplying the coating material to the
[0063]
First, painting starts from a state in which the
[0064]
From this state, a high voltage is applied to the
[0065]
Almost simultaneously with the opening operation of the
[0066]
The extrusion speed at the time of extruding the
[0067]
When the
[0068]
The subsequent operation is a color change cycle. If the color of the next object to be coated is the same color, the process jumps to step 12 without performing the following color change cycle.
[0069]
First, as shown in FIG. 3, the paint P remaining between the tip of the
[0070]
Extrusion air supplied via the switching
[0071]
Next, the cleaning liquid is supplied by switching the valve of the switching valve unit 21 (step 8). The cleaning liquid passes through the insulating
[0072]
Next, the valve of the switching
[0073]
Thereafter, the
[0074]
On the other hand, the extrusion air supplied through the switching
[0075]
Next, the cleaning liquid is supplied by switching the valve of the switching valve unit 20 (step 9). This cleaning liquid passes through the insulating
[0076]
Next, the valve of the switching
[0077]
In this example, in the cleaning steps of
[0078]
Returning to FIG. 4, when cleaning around the
[0079]
When it is detected by the position sensor that the
[0080]
When the inside of the
[0081]
When the next color paint P is supplied, the
[0082]
The following effects can be expected from the
First, since the
[0083]
Moreover, the discharge amount can be easily controlled by controlling the extrusion speed of the piston, and it can be replaced with an expensive device such as a gear pump that has been conventionally required, thereby reducing the equipment cost.
[0084]
Furthermore, since the paint can be pushed out to the trigger valve using the piston during the color change operation, the amount of paint discarded at the time of color change is minimized, which is advantageous in terms of environmental measures such as reduction of paint cost and waste liquid treatment. It becomes.
[0085]
In addition, the amount of paint used (discharge amount) per coating gun varies depending on changes in the coating cycle time, differences in objects to be coated, differences in coating color such as paint solids, differences in required quality such as film thickness, etc. In the coating apparatus of the embodiment, the length of the
[0086]
Furthermore, the
[0087]
Further, since all the paint in the
[0088]
Furthermore, in the
[0089]
In addition to this, a first through
[0090]
Furthermore, in the
[0091]
Further, since the cleaning operation is performed in parallel before and after the
[0092]
Second embodiment
FIG. 5 is an enlarged cross-sectional view of a
[0093]
Although the
[0094]
Next, the operation of this example will be described.
FIG. 6 shows a procedure of one cycle from supplying the coating material to the
[0095]
Since the operations from
[0096]
First, as shown in FIG. 5, the paint P remaining between the tip of the
[0097]
Extrusion air supplied through the switching
[0098]
Next, the cleaning liquid is supplied by switching the valve of the switching valve unit 20 (step 7). This cleaning liquid also passes through the insulating
[0099]
Next, the valve of the switching
[0100]
In this example, since the cleaning system is constituted by the extrusion air and the cleaning liquid from one switching
[0101]
Returning to FIG. 6, when cleaning around the
[0102]
When it is detected by the position sensor that the
[0103]
When the inside of the
[0104]
When the next color paint P is supplied, the
[0105]
The following effects can be expected from the
First, since the
[0106]
Moreover, the discharge amount can be easily controlled by controlling the extrusion speed of the piston, and it can be replaced with an expensive device such as a gear pump that has been conventionally required, thereby reducing the equipment cost.
[0107]
Furthermore, since the paint can be pushed out to the trigger valve using the piston during the color change operation, the amount of paint discarded at the time of color change is minimized, which is advantageous in terms of environmental measures such as reduction of paint cost and waste liquid treatment. It becomes.
[0108]
In addition, the amount of paint used (discharge amount) per coating gun varies depending on changes in the coating cycle time, differences in objects to be coated, differences in coating color such as paint solids, differences in required quality such as film thickness, etc. In the coating apparatus of the embodiment, the length of the
[0109]
Furthermore, the
[0110]
Further, since all the paint in the
[0111]
Furthermore, in the
[0112]
In addition to this, a first through
[0113]
Furthermore, in the
[0114]
In addition, since the
[0115]
The embodiment described above is described for facilitating the understanding of the present invention, and is not described for limiting the present invention. Therefore, each element disclosed in the above embodiment is intended to include all design changes and equivalents belonging to the technical scope of the present invention.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view showing a usage pattern of a coating apparatus of the present invention.
FIG. 2 is a schematic configuration diagram showing an embodiment of a coating apparatus of the present invention.
FIG. 3 is a cross-sectional view showing an embodiment of a valve unit according to the coating apparatus of the present invention.
4 is a flowchart showing an example of the operation of the coating apparatus of FIGS. 2 and 3. FIG.
FIG. 5 is a cross-sectional view showing another embodiment of the valve unit according to the coating apparatus of the present invention.
6 is a flowchart showing an example of the operation of the coating apparatus of FIG.
[Explanation of symbols]
1 ... Painting equipment
11 ... Paint gun
111 ... Bell Cup
112 ... Paint inlet
12 ... Paint hose (paint piping)
13. Color change valve unit
14 ... Piston
15 ... Drive means
151 ... Hollow cable
152 ... Extruding roller
153 ... Pulling device
17 ... Valve unit
171 ... Valve block
172 ... Paint passage
173 ... Inclined slope
176 ... first valve
177 ... first cleaning fluid passage
178 ... Insulating hose (electrically insulated piping)
180 ... second valve
181 ... Waste liquid passage
182 ... Insulating hose (electrically insulated piping)
184 ... Third valve
185 ... second cleaning fluid passage
186 ... Insulating hose (electrically insulated piping)
188 ... Fourth valve
190 ... Hollow tube
191 ... External space
192 ... Interior space
Claims (7)
前記塗装ガンの塗料導入口と前記塗料配管の先端との間に設けられたバルブユニットをさらに有し、
前記バルブユニットは、一端が前記塗装ガンの塗料導入口に連通し他端が前記塗料配管に連通する塗料通路と、前記塗料通路に連通する第1の洗浄流体通路と、前記塗料通路に連通する廃液通路と、前記塗装ガンの塗料導入口へ連通する塗料通路を開閉する第1のバルブと、前記第1の洗浄流体通路を開閉する第2のバルブと、前記廃液通路を開閉する第3のバルブとを有することを特徴とする塗装装置。A paint gun to which a voltage is applied, a paint pipe for guiding paint to the paint gun, a piston slidably provided in the paint pipe in a watertight state, and a driving means for moving the piston in the paint pipe In the painting device that injects the paint in front of the piston and moves the piston toward the painting gun at the time of painting,
A valve unit provided between a paint inlet of the paint gun and a tip of the paint pipe;
The valve unit communicates with the paint passage, one end communicating with the paint introduction port of the paint gun and the other end communicating with the paint pipe, a first cleaning fluid passage communicating with the paint passage, and the paint passage. A waste valve, a first valve for opening and closing a paint passage communicating with the paint introduction port of the paint gun, a second valve for opening and closing the first cleaning fluid passage, and a third valve for opening and closing the waste liquid passage. A painting apparatus comprising a valve.
前記第3のバルブは、前記中空管と前記塗料通路の内壁との間の空間に臨むように設けられている請求項1〜4の何れかに記載の塗装装置。A hollow tube having an outer diameter smaller than the inner diameter of the paint passage is provided between the second valve and the tip of the paint pipe in the paint passage.
The coating apparatus according to any one of claims 1 to 4, wherein the third valve is provided so as to face a space between the hollow tube and an inner wall of the paint passage.
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