JP3753602B2 - 循環式エアーシヤワー装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば各種食品類の加工業のように、衛生管理上クリーンな環境を必要とする各種施設や工場等の各出入り口に設置することによって、入室者の着衣等に付着しているダスト類を払い落して、各種施設や工場等内へのダスト類の持ち込みを防止するように工夫したエアーシヤワー装置に関するものであって、具体的には、機体内部の空気を循環させながらエアーシヤワーとして使用する循環式エアーシヤワー装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シヤワー室に入った入室者に対して、空気を噴射することによって着衣等に付着しているダスト類を払い落すことにより、施設や工場等へのダスト類の持ち込みを防止するように構成したエアーシヤワー装置には、例えば、実公平4−10505号公報に見られるように、ダスト類を払い落した後の汚染空気を、フイルターで濾過しながら順次機体外部に排出する構造の排気式エアーシヤワー装置と、例えば実開昭59−180788号公報に見られるように、ダスト類を払い落した後の汚染空気を、フイルターで濾過しながらブロアーの送風作用によって再びシヤワー室に循環させる構造の循環式エアーシヤワー装置とが存在し、特に後者の循環式エアーシヤワー装置は、排気用ダクト等の排気手段を講じることのできない室内等にエアーシヤワー装置を設置する場合に用いて好適なものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記循環式エアーシヤワー装置に関しては、運転時間の経過に伴ってダスト類を払い落した後の汚染空気を濾過するフイルターに粉塵やダスト類が堆積し、また、この粉塵が堆積したフイルター内にはカビや雑菌類が繁殖することになり、これ等カビや雑菌類が再び気流に乗ってシヤワー室に循環されることになるため、クリーンであるべき循環下に不衛生なゾーンが存在し、その結果、エアーシヤワーを浴びる度に却ってカビや雑菌類が着衣に付着してしまう場合があって、衛生上好ましくなかった。尚、フイルターに堆積した粉塵は、例えばパルスジェット式の除塵装置等を用いて払い落されるが、これ等除塵装置による払い落しだけではフイルターの網目等に付着したカビや雑菌類を完全に払い落すことはできなかった。
【0004】
そこで本発明の技術的課題は、エアーシヤワーに用いる循環空気を、衛生上クリーンなものにすることによって、カビや雑菌類が発生しないように工夫した循環式エアーシヤワー装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(1) 本体内部を、仕切壁によって内部にシャワー室を備えた洗浄室と、内部にフイルターとブロアーを備えた空気浄化室の2室に区画形成し、上記仕切壁には空気浄化室の上面開口部と、上記洗浄室とシャワー室の間に設けた狭い間隔通路の間を連通する空気流通路を設けて、上記フイルターによって濾過され、且つ、上記ブロアーの送風作用を受けて空気浄化室より上面開口部に向けて送出されて来る清浄空気を、上記空気流通路を通して上記洗浄室とシャワー室の間の狭い間隔通路内に送り込むことにより、清浄空気をシャワー室に設けたエアーノズルを通して上記シャワー室内部に噴射して、入室者の着衣に付着しているダスト類を払い落とすと共に、この払い落としたダスト類を含んだ汚染空気を、上記のブロアーが上記空気浄化室の内部に吸引してフイルターで濾過した後、再びブロアーの送風作用によって上記の空気流通路を通して上記洗浄室とシャワー室の間の狭い間隔通路に向けて循環送出するように構成した循環式エアーシャワー装置であって、
上記空気流通路に殺菌灯とオゾン灯を設け、シヤワー室に入室者が入っている場合に殺菌灯を点灯しながらブロアーを通常運転し、入室者が入っていない場合にオゾン灯を点灯しながら上記のブロアーを減速運転するように構成すると共に、上記空気流通路に設けた殺菌灯とオゾン灯に近接し、且つ、空気の流れに対してこれ等殺菌灯とオゾン灯よりも上流側の位置に、高性能フイルターを設けたことを特徴としている。
【0006】
(2) また、本発明では前記請求項2に記載の如く、シヤワー室に入室者が入っていない場合の前記オゾン灯の点灯とブロアーの減速運転を、所定の間隔をあけて間欠的に行うように構成している。
【0007】
上記(1)で述べた請求項1に係る手段によれば、空気流通路に設けた殺菌灯とオゾン灯のうち、オゾン灯を点灯してブロアーの運転を行うと、オゾン灯から発生したオゾンが気流に乗ってシヤワー室内へ噴射された後、空気浄化室に吸引され、再び空気流通路に向けて循環するため、このオゾン流によってシヤワー室内の滅菌と悪臭分解を行うと共に、濾過用フイルターの内部に繁殖する可能性があるカビや雑菌類を滅菌し、且つ、悪臭分解も行うことができるのであるが、オゾンは人体に害を及ぼす性質を有するので、人がシヤワー室に入っている時はオゾン灯を点灯せずに、人がいなくなった時だけ点灯するように構成したので、安全に使用することができる。また、オゾンを含んだ空気がシヤワー室やフイルターの隅々まで浸透するように、ブロアーによる送風速度と量を遅く少く調整して、じわじわと時間を掛けて浸透させるようにしたため、シヤワー室内及びフイルターを確実にオゾン燻蒸することができるものであって、前述した循環式エアーシヤワー装置が抱える諸問題を全て解消することができる。
【0008】
更に上記(1)で述べた請求項1に係る手段によれば、シヤワー室に入室者がいる場合は殺菌灯のみを点灯して、紫外線の照射によって気流に含まれている微細な雑菌をフイルターの出口側である空気流通路部分で殺菌し、入室者がいない時だけ、上述の如くオゾン灯を点灯してシヤワー室内とフイルターの殺菌と脱臭を行うため、殺菌と脱臭が施されたクリーンなシヤワー室の内部で、カビや雑菌類が含まれていないクリーンな空気を浴びることになるから、エアーシヤワーを衛生的で且つ快適な状態で利用することを可能にする。
【0009】
また、上記(1)で述べた請求項1に係る手段によれば、空気浄化室内に設けたフイルターによって濾過された空気がブロアーの送風作用に乗って前記殺菌灯とオゾン灯の部分を通過する際に、上記の空気流が高性能フイルターによって更に濾過されるため、上記のフイルターでは濾過しきれずに空気流に含まれている微粉塵等を濾過することができ、これ等微粉塵等によって殺菌灯やオゾン灯が汚れることを防止できるものであって、メンテナンスの回数を少くして、いつまでも安定した状態で殺菌効果とオゾン燻蒸効果を発揮することを可能にする。
【0010】
上記(2)で述べた請求項2に係る手段によれば、入室者がいない場合のオゾン灯の点灯とブロアーの減速運転を、一定の時間をおいて間欠的に行うため、無駄なエネルギーの消費をなくして、オゾン燻蒸の効果を経済的に、且つ、有効に発揮することを可能にする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る循環式エアーシヤワー装置の実施の形態を図面と共に説明すると、図1は本発明の構成を説明した正断面図であって、図中、符号1で全体的に示したシヤワー装置本体の内部は、仕切壁2によって洗浄室3と空気浄化室4との2室に仕切られ、且つ、洗浄室3の内部には上下と左右並びに前後の全面に夫々狭い間隔通路6A,6B,6Cをあけた状態でシヤワー室5が設けられていて、このシヤワー室5の内部5Hには一側に設けた出入り口(図示省略)より作業者等(以下入室者と言う)が入室可能に構成されている。
【0012】
また、シヤワー室5の側壁面又は天井面には複数のエアーノズル5S…(パンカールーバー)が設けられていて、後述するブロアーの送風作用によって上記上面と左右及び前後の面に夫々設けられた狭い間隔通路6A,6Bに送り込まれて来る空気を、これ等各エアーノズル5S…を通してシヤワー室5の内部に噴射して、シヤワー室5内に入室している入室者の着衣や帽子等に付着しているダスト類を払い落すように構成されている。
【0013】
更に図中、4Tは上述した空気浄化室4の内部を清浄室4Aとフイルター室4Bの上下2室に仕切る仕切板、4A′はこの清浄室4Aの上面開口部と前述した洗浄室3の狭い間隔通路6A,6Bの間を連通する空気流通路を示し、また、7と9は上記清浄室4A内に設けた吸引と排気を行う循環用のブロアーと、パルスジェット式フイルター逆洗装置を示す。
【0014】
次に、8…は上記の仕切板4Tに吊下げたフイルター、4Cはフイルター室4Bの下側に設けたダストDS用の回収ボックス、4Dはそのダスト回収口であって、前記各エアーノズル5S…から噴射される空気によって入室者の着衣等から払い落されたダスト類を含んだ汚染空気は、上記ブロアー7の吸引作用を受けて上記シヤワー室5の内部5Hより底面の多孔板5Xを通過し、次いで、その下側通路6C及び吸引通路6Dを通って前記フイルター室4Bに入り、ここでフイルター8…による濾過を受けて清浄空気と成った後、清浄室4Aを通って上記ブロアー7の送風作用を受け、再び前述した空気流通路4A′に送出されて、上記洗浄室3に向けて循環される仕組に成っている。
【0015】
本発明は、以上の如く構成した循環式エアーシヤワー装置に於いて、上述した洗浄室3と空気浄化室4の間を連通する空気流通路4A′に、殺菌灯11とオゾン灯12を設ける一方、殺菌灯11に近接し、且つ、空気の流れ方向に対して殺菌灯11よりも上流に位置する部分に、高性能フイルター10を並設することによって、殺菌灯11とオゾン灯12への粉塵類の付着を、空気浄化室4に設けたフイルター8とこの高性能フイルター10の 濾過作用により、確実に防止するように構成したものである。
【0016】
点灯するとオゾンを発する上記のオゾン灯12は、オゾンが人に害を与える面を有する点から、安全性を考えてシヤワー室5に入室者が入っている場合は点灯せず、人が入っていない場合に限って点灯するように構成され、且つ、オゾン灯12が点灯している時は、上記のブロアー7をインバーター制御によって減速運転して送風速度及び量を少く調整することにより、必要最小限のオゾンを含んだ空気をシヤワー室5内の隅々まで浸透させることで、シヤワー室5内をオゾン燻蒸する一方、同様に前述したフイルター8も隅々までオゾン燻蒸して、その殺菌作用と脱臭作用とによって、シヤワー室5及びフイルター8内でのカビや雑菌の繁殖を防止し、且つ、脱臭効果を発揮することができる仕組に成っている。
【0017】
また、点灯すると紫外線を発する上記の殺菌灯11は、入室者がシヤワー室5に入っている時に点灯して、通常運転する上記ブロアー7の送風作用を受けて空気流通路4A′に送出されて来る濾過済みの空気に対して、そのフイルター8の出口、即ち、清浄室4Aの上面出口の部分で紫外線を照射して、フイルター8では捕集しきれなかった微細な雑菌類を殺菌することによって、シヤワー室5に送風循環される空気の更なる清浄化を図ることを可能にしている。
【0018】
尚、前述したオゾン灯12の点灯とブロアーの減速運転は、タイマー等を用いて所定の間隔で間欠運転して、無駄なエネルギーを消費せずに、殺菌と脱臭の有効な効果を発揮できる仕組に成っている。
【0019】
図2は、上述した本発明に係る循環式エアーシヤワー装置の電気的構成を説明したブロック図で、インバーター制御機能とタイマー機能とを備えた制御部14に対して、前述したブロアー7と殺菌灯11及びオゾン灯12が接続され、更に、シヤワー室5内に入室者が入っているか否かを判定する入室センサー13が接続されていて、この制御部14による制御作用によって、シヤワー室5に入室者が入っていない場合は、オゾン灯12を点灯してブロアー7を減速運転するオゾン燻蒸運転を一定の時間間隔で間欠的に行なう一方、シヤワー室5内に入室者が入っている使用時には、上記オゾン灯12を消灯して代りに殺菌灯11を点灯すると共に、ブロアー7を通常運転して、フイルター8による濾過と殺菌灯11による殺菌作用を受けた清浄空気を洗浄室3に向けて循環させ、これを各エアーノズル5S…を通してシヤワー室5内に勢い良く噴射するように構成している。
【0020】
本発明に係る循環式エアーシヤワー装置は以上述べた如き構成であって、フイルター8によって濾過された空気がシヤワー室5の方向へ循環される空気流通路4A′上に、殺菌灯11とオゾン灯12を設けたので、オゾン灯12の点灯とブロアー7の減速運転によるオゾン燻蒸時には、その空気流に乗せて空気流通路4A′内は元より、狭い間隔通路6A,6B,6Cやシヤワー室5の全範囲に渡って殺菌性と脱臭性を備えた空気を均一に行き渡らせることができ、更に、フイルター8やフイルター逆洗装置9、及び、ブロアー7から成る空気浄化室4内の空気浄化用と循環用の各機器の内部に対しても、この空気を均一に行き渡らせることができるため、シヤワー室5やフイルター8内でのカビや殺菌類の繁殖を防止し、これ等の繁殖が原因で発生する循環空気の汚染を防止することができる。
【0021】
また、上記殺菌灯11の点灯によって照射される紫外線は、フイルター8によって濾過された後の清浄空気をその殺菌作用によって更に清浄化することができると共に、更に、殺菌灯11は空気流通路4A′に設けられていて、紫外線が直接シヤワー室5内の入室者の目に入ることがないから、安全に使用することができる。
【0022】
【発明の効果】
以上述べた次第で、本発明に係る循環式エアーシヤワー装置によれば、ブロアーによって循環する空気をクリーンなものにして、シヤワー室やフイルターにカビや殺菌類が発生しないようにしたため、循環式でありながら、極めて衛生的なエアーシヤワー装置を提供することができるものであって、オゾンによる優れた脱臭効果を備える点、オゾンや紫外線から人を守ることができる安全性を備える点、並びに、空気浄化室内に設けたフイルターと、殺菌灯とオゾン灯の直前(上流)に設けた高性能フイルターによる濾過作用により、これ等殺菌灯とオゾンの汚れを防止することによって、メンテナンスの回数を少なくして、いつまでも安定した殺菌効果とオゾン燻蒸効果を発揮できる点と相俟って、循環式のエアーシヤワー装置として洵に画期的なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る循環式エアーシヤワー装置の構成を説明した正断面図である。
【図2】 本発明の電気的構成を説明したブロック図である。
【符号の説明】
1 エアーシヤワー装置の本体
3 洗浄室
4 空気浄化室
4A 清浄室
4A′ 空気流通路
5 シヤワー室
5S エアーノズル
7 ブロアー
8 フイルター
10 高性能フイルター
11 殺菌灯
12 オゾン灯12
Claims (2)
- 本体内部を、仕切壁によって内部にシャワー室を備えた洗浄室と、内部にフイルターとブロアーを備えた空気浄化室の2室に区画形成し、上記仕切壁には空気浄化室の上面開口部と、上記洗浄室とシャワー室の間に設けた狭い間隔通路の間を連通する空気流通路を設けて、上記フイルターによって濾過され、且つ、上記ブロアーの送風作用を受けて空気浄化室より上面開口部に向けて送出されて来る清浄空気を、上記空気流通路を通して上記洗浄室とシャワー室の間の狭い間隔通路内に送り込むことにより、清浄空気をシャワー室に設けたエアーノズルを通して上記シャワー室内部に噴射して、入室者の着衣に付着しているダスト類を払い落とすと共に、この払い落としたダスト類を含んだ汚染空気を、上記のブロアーが上記空気浄化室の内部に吸引してフイルターで濾過した後、再びブロアーの送風作用によって上記の空気流通路を通して上記洗浄室とシャワー室の間の狭い間隔通路に向けて循環送出するように構成した循環式エアーシャワー装置であって、
上記空気流通路に殺菌灯とオゾン灯を設け、シヤワー室に入室者が入っている場合に殺菌灯を点灯しながらブロアーを通常運転し、入室者が入っていない場合にオゾン灯を点灯しながら上記のブロアーを減速運転するように構成すると共に、上記空気流通路に設けた殺菌灯とオゾン灯に近接し、且つ、空気の流れに対してこれ等殺菌灯とオゾン灯よりも上流側の位置に、高性能フイルターを設けたことを特徴とする循環式エアーシヤワー装置。 - シヤワー室に入室者が入っていない場合の前記オゾン灯の点灯とブロアーの減速運転を、所定の間隔をあけて間欠的に行うように構成したことを特徴とする請求項1に記載の循環式エアーシヤワー装置。
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