JP3752749B2 - 空燃比検出素子 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は,自動車用内燃機関等において使用される空燃比検出素子に関する。
【0002】
【従来技術】
近年,自動車排出ガスの規制が厳しくなっており,一層の排出ガス浄化効率の向上が求められている。上記排出ガスの浄化効率の向上対策の一つとして,自動車用内燃機関における空燃比を,より効率的に制御することが挙げられる。
上記空燃比の効率的な制御には,例えば,高精度,高応答性の空燃比検出素子を自動車用内燃機関の排気経路等に取付けることにより達成できる。即ち,上記空燃比検出素子の検出値を元に,常に最適な空燃比にて内燃機関が燃焼するよう,燃焼制御を行うことができる。
【0003】
ところで,上記空燃比検出素子としては,従来,酸素イオン伝導性固体電解質を用いた空燃比検出素子が使用されている。
上記空燃比検出素子は,後述の図4,図5に示すごとく,ポンプ電極を有するポンプセルと,センサ電極を有するセンサセルと,両者により少なくともその二面を覆われてなる室とよりなる酸素濃度検出素子の一種である。
【0004】
上記ポンプ電極には,上記室に被測定ガスを導入するための連通孔が設けてある。そして,上記室に対し,被測定ガスを導入するガス拡散手段が設けてある。上記ガス拡散手段としては,上記ポンプセルに多孔質層を設けること,又は上記ポンプ電極に連通孔を設けることが挙げられる。
また,上記センサセル及びポンプセルは,ジルコニア固体電解質よりなる。
【0005】
上記空燃比検出素子において,空燃比は,被測定ガス中における酸素濃度を検出することにより測定することができる。
まず,上記ガス拡散手段を経て,上記室に被測定ガスが拡散する。この時,上記室における被測定ガスの酸素濃度が一定となるよう,センサセルに発生する起電力をモニタしつつ,ポンプ電極の間に電圧を印加する。
【0006】
これにより,ポンプセルにて酸素ポンプ作用が発生し,ポンプ電流が発生する。上記ポンプ電流の大きさは,被測定ガス中の酸素濃度に依存する。よって,上記ポンプ電流を測定することにより,被測定ガス中の酸素濃度の測定を行うことができる。
【0007】
ところで,上記空燃比検出素子における,高精度,高応答性の実現には,被測定ガスの拡散にばらつきがなく,センサ電極において被測定ガスの濃度分布が発生しないことが必要である。
また,上記ガス拡散手段における被測定ガスの拡散に当たって,通気抵抗が小さいことが必要である。
【0008】
上記ガス拡散手段における通気抵抗を小さくするためには,ガス拡散手段として,多孔質層よりも連通孔を採用したほうがよい。
以上により,従来,ポンプ電極に多数の連通孔を設けた空燃比検出素子が用いられていた。
【0009】
しかしながら,上記多数の連通孔を有する空燃比検出素子は,被測定ガス中の酸素濃度の変動と連動する明確なセンサ出力が得られないという問題が生じている。
更に,多数の連通孔をポンプ電極上に設けるためには,ひとつひとつの連通孔の径を小さくせねばならず,加工に手間がかかる。
更に,径の小さな連通孔では通気抵抗が過大となり,必要以上にガス拡散時間を要するという理由により,特に単独の連通孔を有する構成の空燃比検出素子と比較して,高速応答性に劣るおそれがあった。
【0010】
また,上記の空燃比検出素子とは異なり,ガス拡散手段として,唯一つの連通孔を有する空燃比検出素子においては,上記連通孔を中心として被測定ガスが拡散することとなる。このため,上記連通孔をセンサ電極に対し投影した連通孔投影像の近傍と遠方との間にて,被測定ガスの濃度分布が発生するおそれがあった。
【0011】
そこで,従来,図23に示すごとく,ポンプ電極に連通孔を唯一設けた空燃比検出素子のセンサセル92において,連通孔投影像80の中心と,センサ電極920の重心921とが一致すると共に,センサ電極920を上記連通孔投影像80と重ならないよう設けた空燃比検出素子がある(特開昭63−61945号)。
【0012】
上記空燃比検出素子においては,連通孔より拡散した被測定ガスが連通孔投影像80を中心として拡散した結果,センサ電極920に到達する。このため,少なくともセンサ電極920で,被測定ガスの濃度分布の発生の低減により被測定ガスの空燃比変動時の過渡応答出力のオーバシュートを解消することができる。
【0013】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記空燃比検出素子では連通孔投影像80から離れた位置にセンサ電極920を構成させているので応答性が悪化する問題がある。
また,応答性の悪化を防ごうとしてセンサ電極920を小さくするとセンサ出力が小さくなったり,センサセル92の抵抗の増大などにつながる。
また,これらを解消しようとすれば,センサ作動温度をより高温に設定する必要が生じ,素子加熱用ヒータの電力が増大するため,ヒータそのもの及び素子の熱劣化の問題が生じるおそれがある。
【0014】
本発明は,かかる問題点に鑑み,高精度かつ高応答性を有する空燃比検出素子を提供しようとするものである。
【0015】
本発明は,ポンプ電極を有するポンプセルと,センサ電極を有するセンサセルと,両者により少なくともその二面を覆われてなる室とよりなる空燃比検出素子において,
上記室には被測定ガスを導入するための同一の径を有する3〜5個の連通孔を設けてあり,
また,上記3〜5個の連通孔は,センサセルの,上記室に面すると共にセンサ電極が形成された面上に,連通孔投影像が形成されるように構成されてなり,
更に,上記3〜5個の連通孔の中心を結ぶ直線により囲まれた最大形状の図形の重心を,上記センサ電極に投影することにより得られた重心投影像と,上記センサ電極の重心とが重なるような位置に,上記3〜5個の連通孔が設けてあり,
更に,上記連通孔投影像の中心と上記センサセルの上記室に面する面上のセンサ電極の重心とを通る各直線を想定した時,この各直線により上記センサ電極が複数に分割された分割面が形成され,
該分割面の面積がそれぞれ同等となるよう構成されていることを特徴とする空燃比検出素子にある(請求項1)。
【0016】
本発明の作用につき以下に説明する。
本発明の空燃比検出素子においては,同一の径を有する3〜5個の連通孔を特定の位置に設けてある。
これにより,電圧−電流特性の限界電流特性を明確に得ることができ,ばらつきのないセンサ出力を得ることができる。
仮に連通孔の大きさが異なる場合には,被測定ガスの拡散状態が連通孔ごとに異なるため,センサ電極の表面に,被測定ガスの濃度分布が発生するおそれがある。
【0017】
また,本発明の空燃比検出素子は3〜5個の連通孔を設けてある。
連通孔の数が2個より少ない場合,即ち連通孔が1個である場合は(図23参照),従来技術において述べたごとく,空燃比検出素子の応答性が悪くなるおそれがある。
また,5個より多い場合には,連通孔の被測定ガスのセンサ電極への導入を制限するというガス拡散抵抗作用の機能が弱まるため,明確な限界電流を得ることができなくなるおそれがある。
上記3〜5個の連通孔を設けることにより,センサ出力の応答性と連通孔のガス拡散抵抗作用と両立させることができ,優れた空燃比検出素子を得ることができる。
【0018】
また,上記特定の位置とは,上記連通孔投影像の中心と上記センサセルの上記室に面する面上のセンサ電極の重心とを通る各直線を想定した時,この各直線により上記センサ電極が複数に分割された分割面が形成され,該分割面の面積がそれぞれ同等となる位置を示している。
【0019】
これにより,上記連通孔の径を比較的大きくすることができ,該連通孔の形成に当たって,容易に高い加工精度を確保することができる。従って,容易に大きさの揃った連通孔を形成することができる。
仮に連通孔の大きさが異なる場合には,被測定ガスの拡散状態が連通孔ごとに異なるため,センサ電極の表面に,被測定ガスの濃度分布が発生するおそれがある。
【0020】
また,上記特定の位置に連通孔を設けることにより,上記センサ電極に対して,上記連通孔投影像は均等に分布することができる。従って,上記同様,連通孔より拡散した被測定ガスがセンサ電極において濃度分布を発生することを防止することができる。
従って,高精度な空燃比検出素子を得ることができる。
【0021】
また,被測定ガス中の酸素濃度が急激に変化した場合には,その急激な変化がセンサ電極全体において発生しなければ,酸素濃度の変化を空燃比検出素子が検知することはできない。
即ち,センサ電極において被測定ガスの濃度分布が発生するような空燃比検出素子は,上記急激な変動に伴う被測定ガスの中の酸素濃度の分布の変動を検知し難い。
【0022】
これに対して,本発明の空燃比検出素子は,センサ電極における被測定ガスの濃度分布が発生し難く,よって被測定ガス中の酸素濃度の変動を精度よく捉えることができる。
従って,高応答性を有する空燃比検出素子を得ることができる。
【0024】
なお,請求項2の発明のように,上記複数の分割面において,面積が最大である分割面の面積を最大分割面面積S,面積が最小である分割面の面積を最小分割面面積sとすると,S/s≦1.25であることが好ましい。
これにより,各連通孔投影像をセンサ電極に対し,ほぼ均等に分布させることができ,センサ電極における被測定ガスの濃度分布の発生を防止することができる。
【0025】
上記S/sが1.25より大きい場合には,連通孔の分布にばらつきが発生し,センサ電極において被測定ガスの濃度分布が発生するおそれがある。
【0026】
次に,上記連通孔投影像の一部分は,少なくともセンサ電極上に存在することが好ましい。
これにより,センサ電極と連通孔とを最近接に配置できるため,被測定ガス濃度に変化が生じた時,瞬時にセンサ電極がこれを検知できる。即ち,空燃比検出素子の高速応答性を実現することができる。
【0027】
次に,上記連通孔投影像は,その全体がセンサ電極上に存在することが好ましい。
これにより,上記効果に加え,センサ電極上のガス交換を高効率に行なうことが可能となるため,本案の構成に於いて最高速の応答性を実現できる。
【0028】
次に,上記連通孔は同一形状であることが好ましい。
これにより,各連通孔における被測定ガスの拡散状態がほぼ等しくなるため,室において被測定ガスの濃度分布が発生し難くなる。よって,高精度である空燃比検出素子を得ることができる。
なお,上記『同一』とは,例えば空燃比検出素子の製造に当たって不可避である製造誤差等より生じる多少のばらつきを含んだ表現であり,厳密に各連通孔の形状等が等しいということを示すものではない。また,他の『同一』という表現も同様である。
【0029】
次に,上記連通孔は円形であることが好ましい。
これにより,連通孔内のガス拡散を円滑に行なうことができ,均一なガス拡散抵抗が得られる。
なお,上記連通孔の形状は,例えば,角形,楕円形等各種の形状をとることができる。
【0030】
次に,上記連通孔の径(直径を意味するものとして使用する。)は0.05〜0.6mmであることが好ましい。
これにより,空燃比検出素子において,高い応答性と検出精度を確保することができる。
上記径が0.05mm未満である場合には,被測定ガスの拡散に時間がかかりすぎ,空燃比検出素子の応答性を低下させるおそれがある。
また,被測定ガスの拡散量が少なくなるため,空燃比検出素子のセンサ出力が小さくなる。この結果,酸素濃度の微小な変化を検知できなくなり,検出精度が低下するおそれがある。
【0031】
一方,上記径が0.6mmよりも大きい場合には,ポンプセルのポンピング能力を超える酸素が室内に拡散し,室内の酸素濃度を一定に保つことが困難となり正常なセンサ出力が得られなくなる。
【0032】
次に,上記連通孔投影像は上記連通孔との形状と同じであることが好ましい。
これにより,連通孔を設置した面とセンサ電極とは平行な位置関係となり,上記連通孔を介して測定ガスが流入又は排出される時,室内のガス濃度をすばやく一定とすることができる。
【0033】
なお,上記連通孔投影像の中心と,該センサ電極における重心との間の距離は,互いに等しいことが好ましい。
例えば,上記センサ電極の形状が点対称であり,その対称中心が重心であるような場合には,センサ電極に対して,上記連通孔が均等に分布することとなる(後述の図2,図9〜図12参照)。
従って,一層効果的にセンサ電極における被測定ガスの濃度分布の発生することを防止することができる。
【0034】
次に,上記分割面の面積は,2〜10mm2 であることが好ましい。
上記面積が2mm2 未満である場合には,センサ電極の面積が小さく,よって空燃比検出素子のセンサ出力が小さくなる。この結果,空燃比検出素子が酸素濃度の微小な変化を検知できなくなり,空燃比の検出精度が悪化するおそれがある。
【0035】
一方,上記面積が10mm2 より大きい場合には,各連通孔より拡散した被測定ガスが分割面を満たすに要する時間が長くなるおそれがある。この場合には,空燃比検出素子の応答性が低下するおそれがある。
【0036】
次に,上記全連通孔の合計面積は,0.007〜0.6mm2 であることが好ましい。
上記合計面積が0.007mm2 未満である場合には,被測定ガスの拡散量が少なく,空燃比検出素子のセンサ出力が小さくなる。この結果,酸素濃度の微小な変化を検知できなくなり,検出精度が低下するおそれがある。
【0037】
一方,上記合計面積が0.6mm2 よりも大きい場合には,被測定ガスの拡散量が増大するため,空燃比検出素子のセンサ出力が過剰に大きくなるおそれがある。この場合には,固体電解質が部分的に還元され体積変化が生じ,その結果亀裂等が発生し,空燃比検出素子の耐久性が衰えるおそれがある。
【0039】
また,本発明の空燃比検出素子においては,同一の径を有する3〜5個の連通孔を特定の位置に設けてある。
これにより,上記のように,電圧−電流特性の限界電流特性を明確に得ることができ,ばらつきのないセンサ出力を得ることができる。
また,上記3〜5個の連通孔を設けることにより,センサ出力の応答性と連通孔のガス拡散抵抗作用と両立させることができ,優れた空燃比検出素子を得ることができる。
【0040】
また,上記特定の位置とは,連通孔の中心を結ぶ直線により囲まれた最大形状の図形の重心を,上記センサ電極に投影することにより得られた重心投影像と,上記センサ電極の重心とが重なるような位置である。
【0041】
これにより,上記連通孔を比較的大きくすることができ,該連通孔の形成に当たって,加工精度を確保することが容易である。従って,同一の径を有する連通孔を容易に形成することができる。
【0042】
また,センサ電極に対して,上記連通孔投影像は均等に分布しているため,上記同様,連通孔より拡散した被測定ガスがセンサ電極において濃度分布を発生するということを防止することができる。
従って,高精度である空燃比検出素子を得ることができる。
また,センサ電極における被測定ガスの濃度分布が発生し難く,よって被測定ガス中の酸素濃度の変動を精度よく捉えることができる。
従って,高応答性を有する空燃比検出素子を得ることができる。
【0043】
以上のように,本発明によれば,高精度かつ高応答性を有する空燃比検出素子を提供することができる。
【0044】
次に,請求項3の発明のように,隣接する各連通孔間の距離lnは互いに等しいことが好ましい。
これにより,センサ電極に対して,上記連通孔は均等に分布することとなり,従って,一層効果的にセンサ電極における被測定ガスの濃度分布の発生を防止することができる。
【0045】
次に,請求項4の発明のように,隣接する各連通孔間の距離をln,各連通孔間の平均距離をLとすると,0.9L≦ln≦1.1Lであることが好ましい。
これにより,センサ電極における被測定ガスの濃度分布の発生を防止することができる。
なお,各連通孔間の距離lnが0.9L未満である場合,また1.1Lよりも大きい場合には,センサ電極雰囲気中の被測定ガスの濃度分布も大となってしまい,電圧−電流特性が劣化してしまうという問題が生じるおそれがある。
【0046】
次に,請求項5の発明のように,上記重心投影像と上記センサ電極の重心との間の距離をm,上記センサ電極の重心から上記重心投影像のずれ方向におけるセンサ電極縁との最短距離をMとすると,m≦0.1Mであることが好ましい。
これにより,センサ電極における被測定ガスの濃度分布の発生を防止することができる。
なお,上記mが0.1Mより大きい場合には,センサ電極雰囲気中の被測定ガスの濃度分布も大となってしまい,電圧−電流特性が劣化してしまうおそれがある。
【0047】
次に,請求項6の発明のように,上記連通孔の径をrn,上記3〜5個の連通孔の平均径をRとすると,0.88R≦rn≦1.12Rであることが好ましい。
これにより,センサ電極における被測定ガスの能濃度分布の発生を防止することができる。
上記rnが0.88Rより小さい場合には,被測定ガスの拡散に時間がかかりすぎ,空燃比検出素子の応答性を低下させるおそれがある。
また,被測定ガスの拡散量が少なくなるため,空燃比検出素子のセンサ出力が小さくなる。この結果,酸素濃度の微小な変化を検知できなくなり,検出精度が低下するおそれがある。
【0048】
一方,上記径rnが1.12Rnよりも大きい場合には,ポンプセルのポンピング能力を超える酸素が室内に拡散し,室内の酸素濃度を一定に保つことが困難となり正常なセンサ出力が得られなくなる。
【0049】
次に,請求項7の発明のように,上記連通孔投影像の一部分は,少なくともセンサ電極上に存在することが好ましい。
これにより,被測定ガス濃度に変化が生じた時,瞬時にセンサ電極がこれを検知できる。即ち,空燃比検出素子の高速応答性を実現することができる。
【0050】
次に,請求項8の発明のように,上記連通孔投影像は,その全体がセンサ電極上に存在することが好ましい。
これにより,上記効果に加え,センサ電極上のガス交換を高効率に行なうことが可能となるため,本案の構成に於いて最高速の応答性を実現できる。
【0051】
【発明の実施の形態】
実施形態例1
本発明の実施形態例にかかる空燃比検出素子につき,図1〜図6を用いて説明する。
図1,図2,図4,図5に示すごとく,本例の空燃比検出素子1は,ポンプ電極110を有するポンプセル11と,センサ電極120を有するセンサセル12と,両者によりその二面を覆われてなる室130とよりなり,上記ポンプ電極110には上記室130に被測定ガスを導入するための2個の同一の径の連通孔2が設けてある。
【0052】
図2に示すごとく,上記センサ電極120においては,該センサ電極120に対し上記連通孔2を投影した連通孔投影像20の中心200と,該センサ電極120における重心121とを通る各直線により2つに分割された分割面21,22を有する。そして,上記分割面21,22の面積はそれぞれ等しい。なお,上記連通孔2の径は共に0.2mm,また上記分割面21,22の面積は4mm2 である。
【0053】
図5に示すごとく,上記ポンプセル11は,ジルコニア固体電解質よりなるシートの両面に,白金等の電極活性を有する耐熱性導電材料を主成分とするポンプ電極110を設けることにより形成されている。
上記センサセル12も,同様に,ジルコニア固体電解質よりなるシートの両面に耐熱性導電材料を主成分とするポンプ電極120を設けることにより形成されている。
【0054】
図1,図4,図5に示すごとく,上記空燃比検出素子1において,上記ポンプセル11とセンサセル12との間には,スペーサ13が設けてある。上記スペーサ13は,高熱伝導性セラミックより構成されており,被測定ガスが拡散可能となる室130を有している。
上記センサセル12の下方には,基準ガスを導入するためのガス室140を形成するためのセラミック製のダクト14が,該ダクト14の下方には,発熱体150を有するヒータ15が設けてある。
【0055】
また,図6に示すごとく,上記空燃比検出素子1は,空燃比検出器7に取付けられ,使用される。
上記空燃比検出素子1は,ハウジング72に対し,セラミック製碍子73を介して収納固定されている。上記空燃比検出器7における,空燃比検出素子1からのセンサ出力の取出しは,図1,図4に示すごとく,該空燃比検出素子1に埋めこまれた導電性耐熱金属線119,129にリードワイヤー74をスポット溶接することにより行うことができる。
【0056】
なお,上記センサ出力の取出しは,空燃比検出素子の端部にセンサ出力取出し用の電極を設け,リードワイヤ先端に設置したセンサ出力取出し金具を取出し電極に押圧することによっても,行うことができる。
【0057】
次に,上記2つの連通孔2について説明する。
図3に示すごとく,上記連通孔投影像20がセンサ電極120に対しオーバーラップするよう,連通孔2はポンプ電極110に対して設けられている。即ち,上記連通孔投影像20の径とセンサ電極120の輪郭線とが一致している。そして,上記連通孔投影像20の半分(斜線を付した部分)はセンサ電極120と重なっている。
なお,図2に示すごとく,上記2つの連通孔投影像20の中心200と,重心121との間の距離は等しい。
【0058】
次に,本例における作用効果につき説明する。
本例の空燃比検出素子1においては,2個の連通孔2を,ポンプ電極110の特定の位置に設けてある。
そのため,上記連通孔2の径を比較的大径とすることができ,該連通孔2の形成に当たって,加工精度を確保することが容易である。従って,径の揃った連通孔2を形成することができる。
よって,各連通孔2から拡散する被測定ガスの量はほぼ等しくなるため,センサ電極120において,被測定ガスの濃度分布が発生することを防止することができる。
【0059】
また,センサ電極120に対して,上記連通孔投影像20は均等に分布しているため,上記同様,センサ電極120において被測定ガスの濃度分布が発生することを防止することができる。
従って,本例の空燃比検出素子1は,高精度である。
【0060】
また,被測定ガス中の酸素濃度が急激に変化した場合,その急激な変化が同様にセンサ電極120全体において発生しなければ,空燃比検出素子1は,その変化を検知することができない。
このため,センサ電極において被測定ガスの濃度分布が発生するような空燃比検出素子においては,上記急激な変動に伴う被測定ガスの濃度分布の変動を検知し難い。
【0061】
これに対して,本例の空燃比検出素子1は,センサ電極120における被測定ガスの濃度分布が発生し難いため,被測定ガス中の酸素濃度の変動を精度よく捉えることができる。
従って,本例の空燃比検出素子1は,高応答性を有する。
【0062】
実施形態例2
本例は,図7,図8に示すごとく,本発明にかかる空燃比検出素子を,比較例C1,C2と共に,センサセル端子間電圧とセンサ出力電流の関係及び被測定ガス中の酸素濃度の急激な変動とセンサ出力電流の変動との関係について測定した結果につき,説明するものである。
【0063】
まず,本発明にかかる空燃比検出素子は,実施形態例1に示す空燃比検出素子である。比較例C1は,実施形態例1に示す空燃比検出素子と同形状であって,その連通孔はニードルプレス機によって径30μmの連通孔が隣接する他の連通孔と互いに0.5mmの間隔となるよう,ポンプ電極に形成されている。
また,比較例C2は,実施形態例1に示す空燃比検出素子と同形状であって,その連通孔はポンプ電極の重心に唯1個設けてある。
【0064】
まず,本発明と比較例C1とにかかる空燃比検出素子における,センサセル端子間電圧Vsとセンサ出力であるところのポンプセル電流iの関係を示すVs−i特性について,窒素希釈7.5%酸素ガス雰囲気中(窒素ガス中に7.5%濃度の酸素が含まれる雰囲気のことを示す。)にて素子検出部を600℃に加熱し,ポンプセル電極間の印加電圧を走引し,その時ポンプセルに流れる電流iとセンサセル端子間電圧Vsをモニタするという方法を用いて測定し,以上の測定結果を図7に示した。
【0065】
図7に示すごとく,本発明にかかる空燃比検出素子については,センサセル電極上の酸素濃度分布が均一なため,センサ出力即ちポンプセル電流iの変化にともない急峻にセンサセル端子間電圧Vsが変化する理想的な波形を示すことがわかった。
一方,比較例C1については,センサセル電極上の酸素濃度分布が不均一なためセンサ出力iの変化にともない緩慢にセンサセル端子間電圧Vsが変化する理想的でない波形を示すことがわかった。
【0066】
次に,本発明と比較例C2とにかかる空燃比検出素子における,被測定ガス中の酸素濃度の急激な変動とセンサ出力の変動との関係について,センサセル端子間電圧Vsを0.45V一定となるようポンプセル印加電圧を高速なアナログ回路を用いて制御し,被測定ガスの酸素濃度を7.5%から0%へステップ状に変化させた時のセンサ出力,即ちポンプセル電流iを検出するという方法を用いて測定し,以上の測定結果を図8に示した。
【0067】
図8に示すごとく,本発明は酸素濃度が減少しはじめる時刻t0よりt1msにて,センサ出力が0となった。一方,比較例C2は,時刻t0よりt2ms経過後,センサ出力が0となった。即ち,比較例C2は被測定ガスにおける酸素濃度の急激な変動に対して敏感に追従するセンサ出力を得ることができなかった。このため,本発明の空燃比検出素子は,高応答性という点において,比較例C2よりも優れていることが分かった。
【0068】
実施形態例3
本例は,図9〜図12に示すごとく,本発明にかかる,各種の形状のセンサ電極120と,該センサ電極120における連通孔投影像20の分布について示すものである。
まず,図9(A)〜(D)に,長方形,又は偏平な対称形のセンサ電極120,2つの連通孔を有する空燃比検出素子のセンサセル12を示す。
上記空燃比検出素子においては,同図に示す位置に連通孔投影像20が形成されるよう,図示しないポンプ電極を有するポンプセルに2つの連通孔が設けてある。
【0069】
そして,上記センサ電極120は,上記連通孔投影像20の中心200と,センサ電極12の重心121との間を結んだ直線により分割された,各種形状の分割面21,22を有する。
更に,上記各連通孔投影像20における中心200と重心121との間の距離は全て等しい。
【0070】
次に,図10(A)〜(C)に,正方形又は長方形(ただし,長辺≦2×短辺である)であるセンサ電極120,4つの連通孔を有する空燃比検出素子のセンサセル12を示す。
そして,上記センサ電極120は,上記連通孔投影像20の中心200と,センサ電極12の重心121との間を結んだ直線により分割された,各種形状の分割面21,22,23,24を有する。
更に,上記各連通孔投影像20における中心200と重心121との間の距離は全て等しい。
【0071】
次に,図11(A),(B)に,円形又は三角形であるセンサ電極120,3つの連通孔を有する空燃比センサ素子のセンサセル12を示す。
そして,上記センサ電極120は,上記連通孔投影像20の中心200と,センサ電極12の重心121との間を結んだ直線により分割された,各種形状の分割面21,22,23を有する。
更に,上記各連通孔投影像20における中心200と重心121との間の距離は全て等しい。
【0072】
次に,図12(A),(B)に,円形又は五角形であるセンサ電極120,5つの連通孔を有する空燃比センサ素子のセンサセル12を示す。
そして,上記センサ電極120は,上記連通孔投影像20の中心200と,センサ電極12の重心121との間を結んだ直線により分割された,各種形状の分割面21,22,23,24,25を有する。
【0073】
更に,上記各連通孔投影像20における中心200と重心121との間の距離は全て等しい。
その他は,実施形態例1と同様である。
また,本例においても,実施形態例1と同様の作用効果を有する。
【0074】
なお,上記図9〜図12に示したセンサセル12では,殆どの連通孔投影像20がセンサ電極120の端部に位置しているが,上記連通孔投影像20はセンサ電極120の端部よりも内側に位置させることもできる。
【0075】
実施形態例4
本例は,図13〜図15に示すごとく,連通孔を様々な位置に設けた空燃比検出素子について示すものである。
まず,図13に示す空燃比検出素子31は,連通孔2の形成する連通孔投影像の全体が,センサ電極120の上にある。なお,上記空燃比検出素子31は,ガス室140が隔壁板13に対し形成された構造を有している。その他は実施形態例1と同様である。
【0076】
次に,図14に示す空燃比検出素子32は,連通孔2がポンプセル11に設けてある。ただし,上記連通孔2はポンプ電極110の上には設けられていない。その他は実施形態例1と同様である。
次に,図15に示す空燃比検出素子33は,連通孔2の形成する連通孔投影像20がセンサセル12上には存在するが,センサ電極120の上には存在しない構造を有している。その他は実施形態例1と同様である。
また,本例の空燃比検出素子31,32,33においても,実施形態例1と同様の作用効果を有する。
【0077】
実施形態例5
本例は,図16〜図19に示すごとく,ポンプセル11とセンサセル12とが室430において対向する位置にない空燃比検出素子41,42である。
図16,図17に示す空燃比検出素子41は,その底面をセンサセル12が,一方の側面をポンプセル11が,他の面をスペーサ431,43とにより構成された室430を有する。
【0078】
そして,上記センサセル12と対向する面を構成するスペーサ431には,上記室430と被測定ガス室とを連通するための2個の連通孔2が設けてある。
上記室430に面するセンサ電極120の面上には,上記連通孔2の連通孔投影像20が形成されている。上記連通孔投影像20の中心と上記室430に面するセンサ電極120の重心21とを通る各直線を想定した時,この各直線により上記センサ電極は2つに分割された分割面を形成する。そして,上記分割面の面積はそれぞれ同等である。
【0079】
なお,図18,図19に示す空燃比検出素子42は,その底面をセンサセル12が,二つの側面をポンプセル11が,他の面をスペーサ431,432,433とにより構成された室430を有する。その他は,上述の空燃比検出素子41と同様である。
その他は,実施形態例1と同様である。
また,本例の空燃比検出素子41,42は,実施形態例1と同様の作用効果を有する。
【0080】
実施形態例6
本例は,図20に示すごとく,4個の連通孔を有する空燃比検出素子について説明するものである。
本例の空燃比検出素子は,実施形態例1と同様に,ポンプ電極を有するポンプセルと,センサ電極120を有するセンサセル12と,両者により少なくともその二面を覆われてなる室とよりなる(図示略)。
そして,図20に示すごとく,上記室には被測定ガスを導入するための同一の径を有し,かつ一直線上に並ぶように4個の連通孔を設けてある。
【0081】
そして,図20に示すごとく,上記4個の連通孔は,センサ電極120が形成された面上に,連通孔投影像a〜dが形成されるように構成されてなる。
更に,上記4個の連通孔の中心を結ぶ直線の重心を,上記センサ電極12に投影することにより得られた重心投影像51と,上記センサ電極12の重心121とが重なるよう構成されてなる。
【0082】
また,上記連通孔投影像aを形成する連通孔と,cを形成する連通孔との間の距離をl1,上記連通孔投影像c及びdをそれぞれ形成する連通孔間の距離をl2,同じく連通孔投影像d及びbを形成する連通孔間の距離をl3とすると,l1=l2=l3=3mmである。
また,上記各連通孔の径rnはすべて等しくrn=0.1mmである。
その他は実施形態例1と同様である。
また,本例の空燃比検出素子は実施形態例と同様の作用効果を有する。
【0083】
実施形態例7
本例は,図21に示すごとく3個の連通孔を有する空燃比検出素子について説明するものである。
本例の空燃比検出素子における室には被測定ガスを導入するための同一の径を有する3個の連通孔が設けてある。
そして,上記3個の連通孔は,図21に示すごとく,センサ電極120が形成された面上に,連通孔投影像a〜cが形成されるよう構成されてなる。
【0084】
上記3個の連通孔の中心を結ぶことにより得られた三角形の重心を上記センサ電極に投影した重心投影像51と,上記センサ電極120の重心121との距離をmとする。また,上記重心121から上記重心投影像51のずれ方向におけるセンサ電極縁125との最短距離をMとする。
上記mは0.1mm,上記Mは1.5mmで,両者の間にはm≦0.1Mの関係が成立する。
その他は実施形態例1と同様である。
【0085】
本例の空燃比検出素子においては,上記重心投影像51と重心121との間に,上述した関係が成立する。これにより,センサ電極120における被測定ガスの濃度分布の発生を防止することができる。
その他は実施形態例1と同様である。
【0086】
実施形態例8
本例は,図22に示すごとく3個の連通孔を有する空燃比検出素子について説明するものである。
本例の空燃比検出素子における室には被測定ガスを導入するための同一の径を有する3個の連通孔が設けてある。
そして,上記3個の連通孔は,図22に示すごとく,センサ電極120が形成された面上に,連通孔投影像a〜cが形成されるよう構成されてなる。
【0087】
上記連通孔投影像aを形成する連通孔と,bを形成する連通孔との間の距離をl1,上記連通孔投影像b及びcをそれぞれ形成する連通孔間の距離をl2,同じく連通孔投影像c及びaを形成する連通孔間の距離をl3とすると,l1=2.3mm,l2=2.5mm,l3=2.6mmとなり,これらの間の平均距離Lは2.467mmである。従って,上記l1〜l3は,0.9L〜1.1Lの範囲内にある。
その他は,実施形態例1と同様である
また,本例の空燃比検出素子は実施形態例1と同様の作用効果を有する。
【0088】
【発明の効果】
上記のごとく,本発明によれば,高精度かつ高応答性を有する空燃比検出素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,空燃比検出素子の斜視展開図。
【図2】実施形態例1における,センサセルの平面図。
【図3】実施形態例1における,連通孔投影像とセンサ電極との位置関係を示す説明図。
【図4】実施形態例1における,空燃比検出素子の斜視図。
【図5】図3におけるA−A矢視断面図。
【図6】実施形態例1における,空燃比検出器の断面図。
【図7】実施形態例2における,本発明と比較例とにかかる空燃比検出素子の端子間電圧とセンサ出力の関係を示すVs−i特性を示す線図。
【図8】実施形態例2における,本発明と比較例とにかかる空燃比検出素子の被測定ガス中の酸素濃度の急激な変動とセンサ出力の変動の関係を示す線図。
【図9】実施形態例3における,2つの連通孔を有する空燃比検出素子におけるセンサセルの平面図。
【図10】実施形態例3における,4つの連通孔を有する空燃比検出素子におけるセンサセルの平面図。
【図11】実施形態例3における,3つの連通孔を有する空燃比検出素子におけるセンサセルの平面図。
【図12】実施形態例3における,5つの連通孔を有する空燃比検出素子におけるセンサセルの平面図。
【図13】実施形態例4における,ポンプ電極の上に連通孔を有している(a)ポンプセルの平面図,(b)空燃比検出素子の断面図。
【図14】実施形態例4における,ポンプ電極の上に連通孔を有していない(a)ポンプセルの平面図,(b)空燃比検出素子の断面図。
【図15】実施形態例4における,センサ電極の上に連通孔投影像を有していない空燃比検出素子における斜視展開図。
【図16】実施形態例5における,ポンプセルとセンサセルとが室において対向する位置にない空燃比検出素子の断面図。
【図17】実施形態例5における,ポンプセルとセンサセルとが室において対向する位置にない空燃比検出素子の斜視展開図。
【図18】実施形態例5における,ポンプセルとセンサセルとが室において対向する位置にない他の空燃比検出素子の断面図。
【図19】実施形態例5における,ポンプセルとセンサセルとが室において対向する位置にない他の空燃比検出素子の斜視展開図。
【図20】実施形態例6における,4つの連通孔を有する空燃比検出素子におけるセンサセルの平面図。
【図21】実施形態例7における,重心投影像と重心との位置が重なっていない,3つの連通孔を有する空燃比検出素子におけるセンサセルの平面図。
【図22】実施形態例8における,各連通孔間の距離がそれぞれ異なる,4つの連通孔を有する空燃比検出素子におけるセンサセルの平面図。
【図23】従来例における,空燃比検出素子のセンサセルの平面図。
【符号の説明】
1...空燃比検出素子,
11...ポンプセル,
110...ポンプ電極,
12...センサセル,
120...センサ電極,
121...重心,
130...室,
2...連通孔,
20...連通孔投影像,
200...中心,
21,22,23,24,25...分割面,
Claims (8)
- ポンプ電極を有するポンプセルと,センサ電極を有するセンサセルと,両者により少なくともその二面を覆われてなる室とよりなる空燃比検出素子において,
上記室には被測定ガスを導入するための同一の径を有する3〜5個の連通孔を設けてあり,
また,上記3〜5個の連通孔は,センサセルの,上記室に面すると共にセンサ電極が形成された面上に,連通孔投影像が形成されるように構成されてなり,
更に,上記3〜5個の連通孔の中心を結ぶ直線により囲まれた最大形状の図形の重心を,上記センサ電極に投影することにより得られた重心投影像と,上記センサ電極の重心とが重なるような位置に,上記3〜5個の連通孔が設けてあり,
更に,上記連通孔投影像の中心と上記センサセルの上記室に面する面上のセンサ電極の重心とを通る各直線を想定した時,この各直線により上記センサ電極が複数に分割された分割面が形成され,
該分割面の面積がそれぞれ同等となるよう構成されていることを特徴とする空燃比検出素子。 - 請求項1において,上記複数の分割面において,面積が最大である分割面の面積を最大分割面面積S,面積が最小である分割面の面積を最小分割面面積sとすると,S/s≦1.25であることを特徴とする空燃比検出素子。
- 請求項1において,隣接する各連通孔間の距離は互いに等しいことを特徴とする空燃比検出素子。
- 請求項1において,隣接する各連通孔間の距離をln,各連通孔間の平均距離をLとすると,0.9L≦ln≦1.1Lであることを特徴とする空燃比検出素子。
- 請求項1〜4のいずれか一項において,上記重心投影像と上記センサ電極の重心との間の距離をm,上記センサ電極の重心から上記重心投影像のずれ方向におけるセンサ電極縁との最短距離をMとすると,m≦0.1Mであることを特徴とする空燃比検出素子。
- 請求項1〜5のいずれか一項において,上記連通孔の径をrn,上記3〜5個の連通孔の平均径をRとすると,0.88R≦rn≦1.12Rであることを特徴とする空燃比検出素子。
- 請求項1〜6のいずれか一項において,上記連通孔投影像の一部分は,少なくともセンサ電極上に存在することを特徴とする空燃比検出素子。
- 請求項1〜6のいずれか一項において,上記連通孔投影像は,その全体がセンサ電極上に存在することを特徴とする空燃比検出素子。
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