JP3752204B2

JP3752204B2 - Hot rolling method for Si-containing steel sheet and production equipment layout for hot-rolled steel sheet

Info

Publication number: JP3752204B2
Application number: JP2002213373A
Authority: JP
Inventors: 武広中本; 徹哉山田; 雄介岩尾; 満吉田
Original assignee: Nippon Steel Corp
Current assignee: Nippon Steel Corp
Priority date: 2002-07-23
Filing date: 2002-07-23
Publication date: 2006-03-08
Anticipated expiration: 2022-07-23
Also published as: JP2004050268A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、Ｓｉ含有鋼板の熱間圧延中におけるスケール除去方法、及び特にＳｉ含有鋼板のスケール除去性能に優れた熱延鋼板の製造設備配置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
鋼の熱間圧延に際しては、圧延に先立って鋼片を加熱炉に装入して１１００〜１４００℃の高温に加熱する。加熱炉内は酸化雰囲気なので、加熱中に鋼片の表面は酸化され、スケールが生成する。スケールは酸化鉄を主体とし、加熱炉から抽出された時点での鋼片表面のスケールの厚さは１〜２ｍｍに達する。このスケールが鋼片表面に付着したままで圧延を行うと、圧延材の表面にスケールが食い込み、スケール疵として残存する。このスケール疵の発生を防止するため、従来から圧延前の鋼板表面に１００〜１５０ｋｇ／ｃｍ²の圧力で水を噴射してスケールを除去する方法が知られている。
【０００３】
しかし、スケールの剥離のしやすさは鋼の成分によっても異なり、特にＳｉ含有量が多い鋼に生成するスケールは、非常に剥離しにくいことが知られている。Ｓｉを多く含む鋼材を加熱すると、加熱雰囲気中の酸素と反応して表面にＦｅＯ−Ｆｅ₂ＳｉＯ₄の共晶化合物（ファイアライト）が生成し、スケールが鋼界面にくさび状に食い込み、通常の水圧によるデスケーリングを実施してもスケールがまだら状に残存し、Ｓｉスケール又は赤スケールと呼ばれるスケール模様欠陥となる。このＳｉスケールは酸洗によって除去されるが、酸洗前にスケールが残存していた部分と残存していなかった部分とで酸洗後の鋼板表面に凹凸を生じ、部材として使用する際に塗装ムラとなって自動車ホイール等の最終製品の美観を損なうこととなる。特に近年ではフルフェースホイール化が進展しており、鋼材表面の露出部は塗装後において良好な表面性状が要求されており、スケール模様欠陥の解決が必要であった。
【０００４】
Ｓｉ含有鋼の上記問題を解決するため、特開平４−２３８６２０号公報には、難剥離性スケール鋼種を熱間圧延するに際し、仕上圧延前に、単位散布面積当たりの衝突圧が２０ｇｆ／ｍｍ²以上４０ｇｆ／ｍｍ²以下（約０．２ＭＰａ以上０．４ＭＰａ以下）で、かつ流量が０．１リットル／ｍｉｎ・ｍｍ²以上０．２リットル／ｍｉｎ・ｍｍ²以下の高圧スプレーを鋼板表面に噴射する技術が開示されている。また、特開平７−１４４２１３号公報には、シリコン：０．１５％以上を含むシリコン含有鋼板の熱延スケール疵防止方法において、Ｐ：０．０１２〜０．０３０％を含有させたスラブを１２３０℃超〜１３００℃に加熱し、加熱後少なくとも仕上圧延前までに衝突圧２ＭＰａ以上の高圧水でデスケーリングを行う技術が開示されている。
【０００５】
特開２０００−２５４７２４公報には、Ｓｉ含有量０．５重量％以上の高Ｓｉ鋼の熱間圧延方法において、鋼材表面がＦｅＯとＦｅ₂ＳｉＯ₄が共晶し融解する温度（１１７３℃）未満の状態で加熱することにより、鋼界面にくさび状に食い込むファイアライトの生成を防止し、噴流を独立した液滴に分離して噴流エネルギーを確実にスケール表面に伝達し、衝突流速Ｖ、衝突エネルギーＥをそれぞれ所定の値以上に確保し、これによってデスケーリングを行う技術が開示されている。
【０００６】
鋼板の熱間圧延において、粗圧延から仕上圧延にかけて鋼板の温度が低下するため、圧延前の鋼片加熱において粗圧延に最適な温度に加熱を行った場合、仕上圧延前において鋼板の温度が仕上圧延には不十分となる場合がある。特にＳｉ含有鋼の熱間圧延においては、鋼片の加熱中に鋼片表面に生成したファイアライトが溶融するのを防止するため、加熱温度を１１７０℃以下の低温加熱としているので、このままでは仕上圧延前の鋼板温度が下がりすぎて仕上圧延がしづらくなる。このため、粗圧延と仕上圧延との間に鋼板の誘導加熱装置を設置し、仕上圧延前に鋼板を加熱して仕上圧延に最適な温度に確保することが行われる。誘導加熱装置としては、図４に示すように、鋼板１を取り囲むように誘導コイル３２を配置するソレノイド型誘導加熱装置３１が用いられる。ソレノイド型誘導加熱装置を用いることにより、鋼板の全幅を加熱することが可能になる。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
Ｓｉ含有鋼板の熱間圧延において、仕上圧延前に鋼板の誘導加熱を行った場合には、たとえ従来知られているＳｉ含有鋼板のスケール除去方法を採用したとしても、熱間圧延後の鋼板にはその表面にＳｉスケールの付着が見られた。
【０００８】
本発明は、Ｓｉ含有鋼板の熱間圧延において、仕上圧延前に誘導加熱を行いつつ、熱間圧延後の鋼板表面にＳｉスケールの付着しない熱間圧延方法、及び熱延鋼板の製造設備配置を提供することを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
Ｓｉ含有鋼、特にＳｉ含有量が１質量％以上のＳｉ含有鋼においては、鋼板表面温度が１０００℃を超えると鋼板表面にファイアライトが発生する。Ｓｉ含有鋼の熱間圧延において、仕上圧延前に行うスケール除去時の鋼板表面温度が１０００℃を超えていると、スケール除去後に二次スケールが発生することとなり、結果として圧延後の鋼板表面にＳｉスケールが付着することとなる。
【００１０】
図４に示すようなソレノイド型誘導加熱装置３１によって鋼板１を加熱する場合の磁力線の分布を図３（ｂ）に示す。鋼板付近における磁力線２２は鋼板１に平行に分布する。このような磁力線分布になる結果として、鋼板中に発生する渦電流が鋼板の表面付近に集中し、鋼板表面が選択的に加熱されることとなる。鋼板中心部の昇温量に比較し、鋼板表面付近の昇温量は約２倍の高い昇温量となる。そのため、鋼板中心部の昇温後温度を仕上圧延からの要請に基づいて定めると、結果として鋼板表面の温度が１０００℃を超える温度となってしまう。即ち、従来のＳｉ含有鋼の熱間圧延において、スケール除去後に二次スケールが発生する原因がこの誘導加熱による鋼板表面温度の上昇にあることが明らかになった。このことから、仕上圧延前に行う鋼板の誘導加熱において、鋼板の表面温度の上昇代が少ない加熱を行えば、Ｓｉ含有鋼の熱間圧延においてもスケール除去後の二次スケール生成を防止することができるということが明らかになった。
【００１１】
本発明は上記知見に基づいてなされてものであり、その要旨とするところは以下のとおりである。
（１）Ｓｉを１質量％以上含有するＳｉ含有鋼板の熱間圧延方法であって、粗圧延後仕上圧延前にコア幅を鋼板幅よりも狭くしたトランスバース型の全幅誘導加熱装置４によって鋼板１の加熱を行い、その後仕上圧延前に水噴射によるスケール除去を行うことを特徴とするＳｉ含有鋼板の熱間圧延方法。
（２）鋼板はＳｉを１質量％以上含有することを特徴とする上記（１）に記載のＳｉ含有鋼板の熱間圧延方法。
（３）前記誘導加熱装置４による加熱後の鋼板表面の温度を１０００℃以下とすることを特徴とする上記（１）又は（２）に記載のＳｉ含有鋼板の熱間圧延方法。
（４）前記水噴射によるスケール除去は、スケール除去ノズルからの吐出圧を４５ＭＰａ以上とすることを特徴とする上記（１）乃至（３）のいずれかに記載のＳｉ含有鋼板の熱間圧延方法。
【００１２】
（５）粗圧延装置２と、コア幅を鋼板幅よりも狭くしたトランスバース型の全幅誘導加熱装置４と、水噴射による鋼板表面スケール除去装置８と、仕上圧延装置３とを、この順番に配置してなることを特徴とする熱延鋼板の製造設備配置。
（６）前記水噴射によるスケール除去装置８は、スケール除去ノズルからの吐出圧が４５ＭＰａ以上であることを特徴とする上記（５）に記載の熱延鋼板の製造設備配置。
【００１３】
【発明の実施の形態】
熱間圧延中の粗圧延と仕上圧延との間で鋼板を加熱する手段としては、通常は図４に示すようなソレノイド型誘導加熱装置３１が用いられる。ソレノイド型であれば、鋼板の全幅を容易に加熱することができるからである。一方、ソレノイド型誘導加熱装置で鋼板を加熱すると、前述のように渦電流が鋼板の表面付近に集中して流れるため、鋼板中心の昇温量に比較して鋼板表面の昇温量が高くなり、鋼板中心に比較して鋼板表面温度が高くなるという結果を呈する。
【００１４】
Ｓｉ含有鋼の熱間圧延において、加熱抽出温度を１１７０℃以下の低温抽出とした場合、粗圧延後の鋼板表面温度は９５０℃程度、中心温度は９８０℃程度まで低下する。適切な仕上圧延を行うためには、仕上圧延前の誘導加熱によって、鋼板中心温度を１０１０℃程度の温度に昇温することが必要である。すなわち、鋼板中心温度を３０℃程度昇温する必要がある。従来のソレノイド型誘導加熱装置によって鋼板中心温度を３０℃昇温しようとすると、鋼板表面温度の昇温量は中心の倍程度、すなわち６０℃程度の昇温量となり、表面温度は９５０℃から１０１０℃まで上昇してしまう。この温度ではファイアライト生成温度領域に入るので、この後に高圧デスケーリング装置でスケール除去を行っても、二次スケールが発生してしまうこととなる。
【００１５】
本発明においては、粗圧延装置２と仕上圧延装置３との間で鋼板を加熱する手段としてトランスバース型誘導加熱装置４を用いる。トランスバース型誘導加熱装置４における磁力線分布を図３（ａ）に示す。この図から明らかなように磁力線２２が鋼板１を垂直に貫通するので、誘起される渦電流が鋼板の厚さ方向で均一に発生する。そのため、誘導加熱による昇温量が鋼板の厚さ方向で均一であり、鋼板中心と鋼板表面の昇温量をほぼ同一とすることができる。従って、加熱抽出温度を低温とする上記Ｓｉ含有鋼の熱間圧延において、粗圧延後の鋼板中心温度を加熱によって９８０℃から１０１０℃に昇温するに際し、鋼板中心の昇温量と鋼板表面の昇温量をともに３０℃とすることができるので、鋼板表面温度は９５０℃から９８０℃に昇温するに留まり、仕上圧延前の鋼板表面温度を１０００℃以下に保持することができる。１０００℃以下であれば、高圧デスケーリング装置によってスケール除去を行った後に二次スケールが発生することがないので、Ｓｉ含有鋼の熱間圧延においてＳｉスケールの付着がない良好な熱間圧延鋼板を製造することが可能になる。
【００１６】
熱間圧延中における鋼板の加熱装置として、トランスバース型誘導加熱装置は、鋼板エッジ部を加熱するエッジヒーターとしての活用は見られたものの、鋼板の全幅を加熱する加熱装置としては従来はソレノイド型誘導加熱装置３１が用いられていた。トランスバース型誘導加熱装置は、加熱する鋼板のエッジ部が過加熱される恐れがあることや、インダクターの形状が複雑で大電流を流すことができないため、大容量の装置を作りにくいと行った課題がある。加熱効率については、通常の仕上圧延前鋼板の厚さ３０〜５０ｍｍで比較すると、トランスバース方式が６５％なのに対し、ソレノイド方式は７５％とソレノイド方式の方が高い。設備投資額も、構造の単純なソレノイド方式の方が小さくて済む。以上のような理由で鋼板全幅を加熱する装置としては採用に困難性を有していたからである。本発明は、このような困難性を有するトランスバース型誘導加熱装置を鋼板全幅加熱装置として敢えて採用することにより、Ｓｉ含有量が１％以上のＳｉ含有鋼板の熱間圧延においてＳｉスケール除去を可能にしたところに最大の特徴がある。
【００１７】
本発明において、熱間圧延を行うＳｉ含有鋼板のＳｉ含有量を１質量％以上とすると好ましい。このような高Ｓｉ領域において、本発明の効果が十分に発揮されるからである。Ｓｉ含有量１．１質量％以上であれば本発明の効果をより一層発揮することができる。Ｓｉ含有量１．２質量％以上であれば本発明の効果をさらに発揮することができる。
【００１８】
本発明において、トランスバース型誘導加熱装置による加熱後の鋼板表面の温度を１０００℃以下とすることにより、その後仕上圧延前に水噴射によるスケール除去を行うに際して二次スケールの生成を防止することができ、Ｓｉスケールの付着していない良好なＳｉ含有鋼板を製造することが可能になる。誘導加熱装置による加熱後の鋼板表面の温度は、９５０℃以下であればより好ましい。９００℃以下であればさらに好ましい。
【００１９】
本発明のＳｉ含有鋼板の熱間圧延においては、圧延前の加熱抽出温度を１１７０℃以下とすると好ましい。加熱抽出温度が１１７０℃以下であれば、ファイアライトが溶融しない温度領域であるので、鋼界面にくさび状に食い込むファイアライトの生成を防止して、水噴射によるスケール除去でスケールが除去しやすくなるからである。また、本発明においては仕上圧延前に誘導加熱装置を有しているので、仕上圧延までに鋼板温度を仕上圧延適正温度に昇温することができる。従って、加熱抽出温度を低くして粗圧延後の鋼板温度が低下したとしても仕上圧延に支障を来すことがない。
【００２０】
Ｓｉ含有量が１質量％以上のＳｉ含有鋼板の熱間圧延においては、水噴射によるスケール除去において高圧のスケール除去ノズルを用い、ノズルからの吐出圧を４５ＭＰａ以上とすることにより、良好にスケール除去を行うことができる。Ｓｉ含有鋼板の表面に生成するＳｉスケールは、このような高圧ノズルを用いることによってはじめて除去が可能になるからである。
【００２１】
本発明のスケール除去のための噴流を発生するノズルとして、吐出流が熱延鋼板の幅方向に広がるフラットノズルを用いることができる。幅方向の広がり角度が大きいほど熱延鋼板の全幅をカバーするためのノズル個数を減らすことが可能になるが、一方で鋼片表面への衝突流速垂直成分を確保するためには広がり角度θを大きくすることは得策ではない。吐出流の広がり幅の両端における衝突流速垂直成分は、ノズル吐出流速のｃｏｓ（θ／２）倍となる。ノズルの広がり角度θは４０°以下が好ましい。吐出流の広がり幅の中央においては、鋼片表面への衝突流速はノズルからの吐出流速と同等の流速を得ることができる。
【００２２】
特開２０００−２５４７２４公報にも記載のとおり、高圧噴流の衝突によって十分な衝突エネルギーを生み出すためには、衝突時において噴流の液滴がお互いに独立して分離しており、かつ個々の液滴の大きさを適切な範囲に保つと好ましい。そのためには、噴流の衝突面において、噴流全体が占める断面積のうち、液滴が占める断面積の割合を無次元で表示した噴流液相化率αの値を、０．０１以上０．１以下とすると良い。
【００２３】
本発明において、水噴射によるスケール除去は仕上圧延の手前、即ち粗圧延の後で行う。そのため、粗圧延で生じるスケール中の亀裂がデスケ性向上に作用するので、スケール除去を良好に行うことができる。また、本発明のスケール除去を行う手前で、従来方法の低圧水噴射によるスケール除去を行ってもよい。低圧水噴射によって加熱炉で生成した付着スケールのうちの除去しやすい上層部を除去した後、本発明のノズルからの水噴射で最も除去しにくい鋼との境界部のＳｉスケールを除去することにより、より確実にスケール除去を完了することができる。
【００２４】
本発明で用いるトランスバース型の全幅誘導加熱装置としては、図１に示すように、コア５として２個の垂直部１１と１個の水平部１２を有するコの字型のコア５とし、２個の垂直部１１を鋼板１の表面に向け、コア５の幅が鋼板１の全幅をカバーする幅とし、該コの字型のコア（５ａ、５ｂ）を鋼板１の上面側と下面側に対面して配置し、各垂直部（１１ａ、１１ｂ）を取り巻くようにコイル６を配置する形式とすると好ましい。垂直部１１を取り巻くコイル６によって磁界を発生させ、該磁界は対面する２個のコの字型コア中に形成されてループ磁界となる。各コアの垂直部１１の端面が対面しているので両端面間に磁界が生成され、その両端面間に鋼板１が配置されるので鋼板表面に垂直に磁界が形成される。図３（ａ）に磁力線２２として矢印で示すとおりである。コア５の幅が鋼板１の全幅をカバーする幅を有するので、鋼板１の全幅にわたって鋼板１に垂直な磁界が形成される。コア５を取り巻くコイル６に交流電流を流すことにより、鋼板１を貫通する磁界も交流磁界となり、鋼板中には誘導電流として渦電流が形成される。鋼板の厚さ方向において磁界の強さが均一なので、形成される渦電流も鋼板の厚さ方向で均一となり、渦電流によるジュール加熱に基づく鋼板の昇温量も鋼板の厚さ方向で一定となる。
【００２５】
加熱する鋼板の幅とコア５の幅Ｗとの関係については、鋼板の幅がコア幅Ｗより広い方が好ましい。トランスバース型誘導加熱装置は、加熱する鋼板のエッジ部が過加熱される恐れがあるが、コア幅Ｗを鋼板幅より狭くすることでエッジ部の渦電流の発生が抑制され、エッジ部の過加熱を抑制できるからである。これにより、鋼板の全幅を均一に加熱することが可能になる。
【００２６】
トランスバース型誘導加熱装置を複数台直列に配置し、全体として１組の全幅誘導加熱装置とすることができる。１台毎の誘導加熱装置は中容量とし、全体として必要な容量を確保することができる。従来、大容量の誘導加熱装置が作りにくいという課題があったが、中容量の加熱装置を複数配列することにより、この課題を解決することができる。熱間圧延においては鋼板の幅が広幅から狭幅まで多種類存在する。複数台直列に配置した各誘導加熱装置のコア幅を狭幅鋼板に最適なコア幅としておき、広幅鋼板の熱間圧延を行う際には個別の誘導加熱装置を鋼板幅方向の別方向にシフトすることにより、鋼板の全幅について加熱を行うようにすることもできる。
【００２７】
トランスバース型誘導加熱装置の発信周波数については、３００〜５００Ｈｚ程度とすると好ましい。ソレノイド型誘導加熱装置では１５００Ｈｚ程度の周波数が用いられていたが、加熱浸透深さを深くすること、および自己構成部材の局部発熱による故障を防止するため、トランスバース型誘導加熱装置においては上記のように３００〜５００Ｈｚ程度とすると好ましい。
【００２８】
本発明の熱延鋼板の製造設備配置は、図２に示すように、粗圧延装置２と、トランスバース型の全幅誘導加熱装置４と、水噴射による鋼板表面スケール除去装置８と、仕上圧延装置３とを、この順番に配置する。これにより、Ｓｉを１質量％以上含有するＳｉ含有鋼板の熱間圧延において、Ｓｉスケールの付着しない良好な表面性状の熱間圧延鋼板を製造することができる。全幅誘導加熱装置を有するので、加熱抽出温度を下げても仕上圧延温度として適正な温度を実現することができ、加熱抽出温度を１１７０℃以下としてＳｉスケールの除去を容易にすることができる。また、トランスバース型誘導加熱装置４を採用しているので、加熱後の鋼板表面温度を１０００℃以下に保持することが可能であり、スケール除去装置８によるスケール除去後においてＳｉ二次スケールの発生がない。さらに、スケール除去装置８のスケール除去ノズルからの吐出圧を４５ＭＰａ以上とすることにより、Ｓｉスケールを良好に除去することができる。
【００２９】
【実施例】
Ｓｉ含有量１質量％以上のＳｉ含有鋼を熱間圧延して熱間圧延鋼板とするに際し、本発明を適用した。使用した材料は、熱間圧延前の鋼片の幅は９００ｍｍ、厚さは２５０ｍｍであり、熱間圧延後の鋼板の幅は９００ｍｍ、厚さは３ｍｍである。粗圧延後の鋼板の厚さは３５ｍｍである。熱間圧延装置においては、粗圧延装置２と、全幅誘導加熱装置と、水噴射による鋼板表面スケール除去装置８と、仕上圧延装置３とを、この順番に配置した。全幅誘導加熱装置として、本発明例では図１に示すトランスバース型の誘導加熱装置４を用い、比較例では図４に示すソレノイド型の誘導加熱装置３１を用いた。スケール除去装置８のスケール除去用のノズルにはフラットノズルを用いた。ノズル口径は１．９ｍｍ、ノズルの広がり角度θは２０〜４０°、１個のノズルによるスケール除去範囲は鋼板幅方向で８０ｍｍである。
【００３０】
本発明例に用いたトランスバース型の誘導加熱装置４は、コの字型のコア（５ａ、５ｂ）を鋼板の上面と下面とに対面して配置し、コア５の幅Ｗは８００ｍｍ、長さＬは６００ｍｍ、コアの垂直部１１の断面形状は２００ｍｍ×８００ｍｍであり、各垂直部１１に水冷チューブを用いたコイル６を配置している。鋼板中に発生する磁界強度は０．２〜０．４テスラ、周波数は３００Ｈｚとした。
【００３１】
比較例に用いたソレノイド型の誘導加熱装置３１は、鋼板１を取り巻くように巻いたソレノイドコイル３２を有し、ソレノイドコイル３２の巻き数は６回、コイル３２の鋼板幅方向サイズは１８００ｍｍ、鋼板長さ方向サイズは６００ｍｍである。ソレノイドコイル３２の外側であってコイルの上面側及び下面側には、コイル外側の磁界を導くためのコア（３３ａ、３３ｂ）が配置されている。発生する磁界は０．２〜０．４テスラ、周波数は１５００Ｈｚとした。
【００３２】
表１に示す本発明例Ｎｏ．１〜５がトランスバース型誘導加熱装置４を用いた本発明例であり、比較例Ｎｏ．６〜１０がソレノイド型誘導加熱装置３１を用いた比較例である。各実施例のＳｉ含有量、加熱抽出温度、加熱前後鋼板表面温度、デスケーリングノズルのノズル吐出圧は表１に示すとおりである。
【００３３】
加熱前後鋼板温度について、表面温度は測定した実績温度であり、中心温度は予めラボでの熱電対埋め込みによる実測結果から内部温度分布形状を厚み方向に放物線に近似し、表面測温値から求めたものである。
【００３４】
熱間圧延後の鋼板表面のＳｉスケール品質評価については、ＥＰＭＡ分析によって鋼板表面付近の断面を評価したとき、スケールと地金の界面にＳｉの濃化した部分が存在するか否かで判断した。鋼板表面にＳｉ濃化層がない（目視でない）とき、Ｓｉスケール評価結果良好として表１に「○」と表示した。鋼板表層にＳｉ濃化層が厚さ５μｍ以上存在する（目視で薄膜状にあり〜それ以上に明確）とき、Ｓｉスケール評価結果不良として表１に「×」で表示した。
【００３５】
【表１】

【００３６】
Ｓｉ含有量は１．２〜１．６質量％であり、デスケーリングノズルのノズル吐出圧は、４５ＭＰａ以上であってＳｉ含有量が多くなるほど高い圧力に設定した。加熱抽出温度はいずれも１１７０℃以下であり、加熱中におけるファイアライトの溶融が起こらない温度範囲とし、スケールの除去を容易にした。
【００３７】
本発明例、比較例ともに、加熱後の鋼板中心温度目標を１０１０℃として誘導加熱を行った。その結果、本発明例Ｎｏ．１〜５については、加熱後の鋼板表面温度がいずれも１０００℃以下であってＳｉ二次スケールの生成が行われない温度領域であり、Ｓｉスケール評価結果はいずれも○であって良好であった。それに対し、比較例Ｎｏ．６〜１０においては、加熱後の鋼板表面温度がいずれも１０００℃を超えており、ノズル吐出圧４５ＭＰａ以上の高圧でデスケーリングを行ったにもかかわらず、デスケーリング後にＳｉ二次スケールの発生があり、Ｓｉスケール評価結果はいずれも×であって不良であった。
【００３８】
【発明の効果】
本発明により、スケール除去後におけるＳｉ二次スケールの生成を防止しつつ加熱を行うことができ、Ｓｉスケールの付着していない良好な表面性状を有するＳｉ含有鋼板を製造することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のトランスバース型全幅誘導加熱装置を示す斜視図である。
【図２】本発明の熱延鋼板の製造設備配置を示す図である。
【図３】本発明及び従来の誘導加熱装置の磁力線分布を示す断面図である。
【図４】従来のソレノイド型全幅誘導加熱装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
１鋼板
２粗圧延装置
３仕上圧延装置
４トランスバース型全幅誘導加熱装置
５コア
６コイル
７加熱炉
８スケール除去装置
９巻取装置
１１垂直部
１２水平部
２１鋼板進行方向
２２磁力線
３１ソレノイド型全幅誘導加熱装置
３２コイル
３３コア[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a scale removal method during hot rolling of a Si-containing steel sheet, and particularly to a production facility arrangement of a hot-rolled steel sheet excellent in scale removal performance of a Si-containing steel sheet.
[0002]
[Prior art]
In the hot rolling of steel, the steel slab is charged into a heating furnace and heated to a high temperature of 1100 to 1400 ° C. prior to rolling. Since the inside of the heating furnace is an oxidizing atmosphere, the surface of the steel slab is oxidized during heating, and scale is generated. The scale is mainly composed of iron oxide, and the thickness of the scale on the surface of the steel slab when it is extracted from the heating furnace reaches 1 to 2 mm. When rolling is performed with this scale attached to the surface of the steel slab, the scale bites into the surface of the rolled material and remains as scale soot. In order to prevent the generation of scale wrinkles, a method of removing scale by spraying water at a pressure of 100 to 150 kg / cm ² on a steel plate surface before rolling has been conventionally known.
[0003]
However, the ease of peeling of the scale varies depending on the components of the steel, and it is known that the scale generated in the steel having a high Si content is very difficult to peel off. When a steel material containing a large amount of Si is heated, it reacts with oxygen in the heated atmosphere to produce a eutectic compound (firelite) of FeO-Fe ₂ SiO ₄ on the surface, and the scale bites into the steel interface in a wedge shape. Even when the descaling by water pressure is performed, the scale remains mottled, resulting in a scale pattern defect called Si scale or red scale. This Si scale is removed by pickling, but the surface of the steel plate after pickling has irregularities between the portion where the scale remained before pickling and the portion that did not remain, and it was painted when used as a member. It becomes uneven and detracts from the aesthetics of the final product such as automobile wheels. In particular, in recent years, the development of full-face wheels has progressed, and the exposed portions of the steel surface are required to have good surface properties after coating, and it has been necessary to solve the scale pattern defects.
[0004]
In order to solve the above-mentioned problem of Si-containing steel, Japanese Patent Application Laid-Open No. 4-238620 discloses that when hot-reducing scale steel grade is hot-rolled, the impact pressure per unit spray area is 20 gf / mm ² before finish rolling. High pressure spray of 40 gf / mm ² or less (about 0.2 MPa or more and 0.4 MPa or less) and a flow rate of 0.1 liter / min · mm ² or more and 0.2 liter / min · mm ² or less is sprayed on the steel plate surface. Techniques to do this are disclosed. JP-A-7-144213 discloses a slab containing 1230 to P: 0.012 to 0.030% in a method for preventing hot-rolled scale wrinkling of a silicon-containing steel sheet containing silicon: 0.15% or more. A technique is disclosed in which heating is performed at a temperature higher than 1 ° C. to 1300 ° C., and descaling is performed with high-pressure water having a collision pressure of 2 MPa or more before heating and at least before finish rolling.
[0005]
In JP 2000-254724 A, in a hot rolling method for high Si steel having a Si content of 0.5 wt% or more, the surface of the steel material is less than the temperature (1173 ° C.) at which FeO and Fe ₂ SiO ₄ are eutectic and melt. By heating in this state, it prevents the generation of firelight that bites into the steel interface, separates the jet into independent droplets, and reliably transmits the jet energy to the scale surface. Collision velocity V, collision energy A technique is disclosed in which each E is secured to a predetermined value or more, thereby performing descaling.
[0006]
In hot rolling of steel sheets, the temperature of the steel sheet decreases from rough rolling to finish rolling, so when heating to the optimum temperature for rough rolling in the steel slab heating before rolling, the temperature of the steel sheet is finished before finishing rolling. It may be insufficient for rolling. In particular, in the hot rolling of Si-containing steel, the heating temperature is set at a low temperature of 1170 ° C. or lower in order to prevent the firelight generated on the steel slab surface from melting during the heating of the steel slab. The steel sheet temperature before rolling is too low, and finish rolling is difficult. For this reason, an induction heating device for a steel plate is installed between rough rolling and finish rolling, and the steel plate is heated before finish rolling to ensure an optimum temperature for finish rolling. As the induction heating device, as shown in FIG. 4, a solenoid type induction heating device 31 in which an induction coil 32 is arranged so as to surround the steel plate 1 is used. By using the solenoid type induction heating device, it is possible to heat the entire width of the steel plate.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
In hot rolling of Si-containing steel sheets, when induction heating of steel sheets is performed before finish rolling, even if a conventionally known Si-containing steel sheet scale removal method is adopted, the steel sheets after hot rolling are used. Was observed to have Si scale attached to its surface.
[0008]
The present invention provides a hot rolling method in which Si scale does not adhere to the steel sheet surface after hot rolling, and hot-rolled steel sheet manufacturing equipment arrangement while performing induction heating before finish rolling in hot rolling of a Si-containing steel sheet. The purpose is to provide.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In Si-containing steel, particularly Si-containing steel having a Si content of 1% by mass or more, firelight is generated on the steel sheet surface when the steel sheet surface temperature exceeds 1000 ° C. In the hot rolling of Si-containing steel, if the steel plate surface temperature at the time of scale removal before finish rolling exceeds 1000 ° C, secondary scale will be generated after scale removal, resulting in the steel plate surface after rolling. Si scale will adhere.
[0010]
FIG. 3B shows a distribution of magnetic lines of force when the steel plate 1 is heated by the solenoid induction heating device 31 as shown in FIG. Magnetic field lines 22 in the vicinity of the steel plate are distributed in parallel to the steel plate 1. As a result of this distribution of magnetic field lines, eddy currents generated in the steel sheet are concentrated near the surface of the steel sheet, and the steel sheet surface is selectively heated. Compared to the temperature rise at the center of the steel plate, the temperature rise near the steel plate surface is about twice as high. For this reason, if the temperature after the temperature rise in the central portion of the steel sheet is determined based on a request from finish rolling, the temperature of the steel sheet surface will eventually exceed 1000 ° C. That is, in the conventional hot rolling of Si-containing steel, it has been clarified that the secondary scale is generated after removing the scale due to the increase in the steel sheet surface temperature due to the induction heating. From this, in induction heating of steel sheets before finish rolling, if heating is performed with a small margin of increase in the surface temperature of the steel sheet, secondary scale generation after scale removal can be prevented even in hot rolling of Si-containing steels. It became clear that it was possible.
[0011]
The present invention has been made on the basis of the above findings, and the gist thereof is as follows.
(1) A hot rolling method for a Si-containing steel sheet containing 1% by mass or more of Si , wherein the steel sheet is obtained by a transverse-type full-width induction heating device 4 in which the core width is narrower than the steel sheet width after rough rolling and before finish rolling. A method for hot rolling of a Si-containing steel sheet, characterized in that the heating of No. 1 is performed, and thereafter scale removal is performed by water injection before finish rolling.
(2) The hot rolling method for the Si-containing steel sheet according to (1), wherein the steel sheet contains 1% by mass or more of Si.
(3) The method for hot rolling a Si-containing steel sheet according to (1) or (2), wherein the temperature of the steel sheet surface after being heated by the induction heating device 4 is 1000 ° C. or lower.
(4) The hot rolling method for a Si-containing steel sheet according to any one of (1) to (3), wherein the scale removal by the water jet is performed by setting the discharge pressure from the scale removal nozzle to 45 MPa or more. .
[0012]
(5) Rough rolling device 2, transverse type full width induction heating device 4 having a core width narrower than the steel plate width, steel plate surface scale removing device 8 by water injection, and finish rolling device 3 in this order Arrangement of production equipment for hot-rolled steel sheets, characterized by being arranged.
(6) The scale removing device 8 by water injection has a discharge pressure from the scale removing nozzle of 45 MPa or more, and the hot-rolled steel plate manufacturing equipment arrangement according to (5) above.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
As a means for heating the steel plate between rough rolling and hot rolling during hot rolling, a solenoid type induction heating device 31 as shown in FIG. 4 is usually used. This is because the full width of the steel sheet can be easily heated with the solenoid type. On the other hand, when a steel plate is heated by a solenoid type induction heating device, eddy currents flow in a concentrated manner near the surface of the steel plate as described above, so that the temperature rise on the surface of the steel plate is higher than the temperature rise at the center of the steel plate. As a result, the steel plate surface temperature is higher than that of the steel plate center.
[0014]
In the hot rolling of Si-containing steel, when the heat extraction temperature is a low temperature extraction of 1170 ° C. or lower, the steel plate surface temperature after rough rolling is lowered to about 950 ° C., and the center temperature is lowered to about 980 ° C. In order to perform appropriate finish rolling, it is necessary to raise the steel sheet center temperature to a temperature of about 1010 ° C. by induction heating before finish rolling. That is, it is necessary to raise the steel plate center temperature by about 30 ° C. When trying to raise the steel plate center temperature by 30 ° C. by a conventional solenoid type induction heating device, the temperature rise of the steel plate surface temperature is about twice that of the center, that is, about 60 ° C., and the surface temperature is from 950 ° C. to 1010 ° C. It rises to ℃. At this temperature, the fire light generation temperature region is entered, so that even if scale removal is performed thereafter using a high-pressure descaling device, a secondary scale will be generated.
[0015]
In the present invention, a transverse induction heating device 4 is used as means for heating the steel plate between the rough rolling device 2 and the finish rolling device 3. The magnetic field line distribution in the transverse induction heating apparatus 4 is shown in FIG. As apparent from this figure, the magnetic field lines 22 penetrate the steel plate 1 vertically, so that induced eddy currents are uniformly generated in the thickness direction of the steel plate. Therefore, the temperature rise by induction heating is uniform in the thickness direction of the steel sheet, and the temperature rises at the steel sheet center and the steel sheet surface can be made substantially the same. Therefore, in the hot rolling of the Si-containing steel having a low heat extraction temperature, when the temperature of the steel plate after rough rolling is raised from 980 ° C. to 1010 ° C. by heating, Since both the temperature increases can be set to 30 ° C., the steel plate surface temperature can be increased from 950 ° C. to 980 ° C., and the steel plate surface temperature before finish rolling can be maintained at 1000 ° C. or lower. If it is 1000 ° C. or lower, secondary scale does not occur after scale removal by a high-pressure descaling device. Therefore, a good hot rolled steel sheet without Si scale adhesion in hot rolling of Si-containing steel is obtained. It becomes possible to manufacture.
[0016]
As a heating device for steel plates during hot rolling, a transverse type induction heating device has been used as an edge heater for heating the edge of a steel plate, but as a heating device for heating the full width of a steel plate, it is conventionally a solenoid type An induction heating device 31 was used. The transverse induction heating device was considered to be difficult to make a large-capacity device because the edge of the steel plate to be heated could be overheated, or because the inductor shape was complicated and large current could not flow. There are challenges. Regarding the heating efficiency, when compared with a thickness of 30 to 50 mm of a normal steel sheet before finish rolling, the transverse method is 65%, while the solenoid method is 75%, which is higher. The amount of capital investment is also smaller for the solenoid system with a simple structure. This is because, for the reasons described above, the apparatus for heating the full width of the steel sheet has difficulty in adoption. In the present invention, by adopting a transverse type induction heating device having such a difficulty as a steel plate full width heating device, it is possible to remove Si scale in hot rolling of a Si-containing steel plate having a Si content of 1% or more. The biggest feature is in the place.
[0017]
In this invention, it is preferable when Si content of the Si containing steel plate which performs hot rolling shall be 1 mass% or more. This is because the effect of the present invention is sufficiently exhibited in such a high Si region. If the Si content is 1.1% by mass or more, the effect of the present invention can be further exhibited. If the Si content is 1.2% by mass or more, the effect of the present invention can be further exhibited.
[0018]
In the present invention, the temperature of the steel sheet surface after heating by the transverse type induction heating device is set to 1000 ° C. or lower, thereby preventing the generation of secondary scale when performing scale removal by water injection before finish rolling. This makes it possible to produce a good Si-containing steel sheet with no Si scale attached. The temperature of the steel sheet surface after heating by the induction heating device is more preferably 950 ° C. or lower. If it is 900 degrees C or less, it is still more preferable.
[0019]
In the hot rolling of the Si-containing steel sheet of the present invention, it is preferable that the heating extraction temperature before rolling is 1170 ° C. or lower. If the heating extraction temperature is 1170 ° C. or lower, the temperature range is such that the firelight does not melt. Therefore, the generation of firelight that bites into the steel interface is prevented, and the scale can be easily removed by removing the scale by water jetting. Because. Moreover, in this invention, since it has an induction heating apparatus before finish rolling, steel plate temperature can be raised to finish rolling appropriate temperature by finish rolling. Therefore, even if the heat extraction temperature is lowered and the steel plate temperature after the rough rolling is lowered, there is no problem in finish rolling.
[0020]
In hot rolling of Si-containing steel sheets with a Si content of 1% by mass or more, high-scale scale removal nozzles are used for scale removal by water jet, and the discharge pressure from the nozzles is set to 45 MPa or more, so that the scale can be removed well. It can be performed. This is because the Si scale formed on the surface of the Si-containing steel sheet can be removed only by using such a high-pressure nozzle.
[0021]
As the nozzle for generating a jet for removing the scale of the present invention, a flat nozzle in which the discharge flow spreads in the width direction of the hot-rolled steel sheet can be used. The larger the spread angle in the width direction, the smaller the number of nozzles for covering the entire width of the hot-rolled steel sheet. On the other hand, in order to ensure the vertical component of the collision flow velocity on the steel slab surface, the spread angle θ is set. Increasing the size is not a good idea. The vertical component of the collision flow velocity at both ends of the spread width of the discharge flow is cos (θ / 2) times the nozzle discharge flow velocity. The nozzle spread angle θ is preferably 40 ° or less. In the center of the spread width of the discharge flow, the collision flow velocity on the surface of the steel slab can be the same as the discharge flow velocity from the nozzle.
[0022]
As described in Japanese Patent Laid-Open No. 2000-254724, in order to generate sufficient collision energy by collision of a high-pressure jet, the droplets of the jet are separated from each other at the time of the collision, and individual droplets It is preferable to keep the size of the material within an appropriate range. For that purpose, the value of the jet liquid phase change rate α, in which the ratio of the cross-sectional area occupied by the liquid droplets in the cross-sectional area occupied by the entire jet is displayed in a dimensionless manner, is 0.01 or more and 0.1. The following should be used.
[0023]
In the present invention, scale removal by water injection is performed before finish rolling, that is, after rough rolling. For this reason, cracks in the scale caused by rough rolling act on the improvement of the descalability, so that the scale can be removed satisfactorily. Further, the scale removal by the low pressure water jet of the conventional method may be performed before the scale removal of the present invention. After removing the upper layer portion, which is easy to remove, from the adhesion scale generated in the heating furnace by low-pressure water injection, by removing the Si scale at the boundary with the steel that is most difficult to remove by water injection from the nozzle of the present invention. Descale removal can be completed more reliably.
[0024]
As shown in FIG. 1, the transverse type full width induction heating device used in the present invention is a U-shaped core 5 having two vertical portions 11 and one horizontal portion 12 as the core 5. The vertical portions 11 are directed to the surface of the steel plate 1 so that the width of the core 5 covers the entire width of the steel plate 1, and the U-shaped cores (5a, 5b) are placed on the upper surface side and the lower surface side of the steel plate 1. It is preferable that the coils 6 are arranged so as to face each other and surround each vertical portion (11a, 11b). A magnetic field is generated by the coil 6 surrounding the vertical portion 11, and the magnetic field is formed in the two U-shaped cores facing each other to become a loop magnetic field. Since the end surfaces of the vertical portions 11 of the cores face each other, a magnetic field is generated between both end surfaces, and the steel plate 1 is disposed between the both end surfaces, so that a magnetic field is formed perpendicular to the steel plate surface. FIG. 3A shows the magnetic field lines 22 as indicated by arrows. Since the width of the core 5 has a width that covers the entire width of the steel plate 1, a magnetic field perpendicular to the steel plate 1 is formed over the entire width of the steel plate 1. By passing an alternating current through the coil 6 surrounding the core 5, the magnetic field penetrating the steel plate 1 also becomes an alternating magnetic field, and an eddy current is formed as an induced current in the steel plate. Since the strength of the magnetic field is uniform in the thickness direction of the steel plate, the eddy current formed is also uniform in the thickness direction of the steel plate, and the temperature rise of the steel plate based on Joule heating due to the eddy current is also constant in the thickness direction of the steel plate. Become.
[0025]
About the relationship between the width of the steel plate to be heated and the width W of the core 5, it is preferable that the width of the steel plate is wider than the core width W. In the transverse induction heating device, the edge of the steel sheet to be heated may be overheated. However, by making the core width W narrower than the steel sheet width, the generation of eddy current at the edge is suppressed, and the edge of the This is because heating can be suppressed. This makes it possible to uniformly heat the entire width of the steel plate.
[0026]
A plurality of transverse type induction heating devices can be arranged in series to form a set of full width induction heating devices as a whole. Each induction heating device has a medium capacity, and the necessary capacity can be ensured as a whole. Conventionally, there has been a problem that it is difficult to produce a large-capacity induction heating device, but this problem can be solved by arranging a plurality of medium-capacity heating devices. In hot rolling, there are many types of steel plates ranging from wide to narrow. The core width of each induction heating device arranged in series is set as the optimal core width for narrow steel plates, and when performing hot rolling of wide steel plates, the individual induction heating devices are shifted in different directions in the steel plate width direction. By doing, it can also be made to heat about the full width of a steel plate.
[0027]
The transmission frequency of the transverse induction heating device is preferably about 300 to 500 Hz. In the solenoid type induction heating apparatus, a frequency of about 1500 Hz was used. However, in order to increase the heat penetration depth and to prevent a failure due to local heat generation of the self-constituting member, Thus, about 300 to 500 Hz is preferable.
[0028]
As shown in FIG. 2, the hot-rolled steel sheet manufacturing equipment arrangement of the present invention includes a rough rolling device 2, a transverse type full width induction heating device 4, a steel plate surface scale removing device 8 by water injection, and a finish rolling device. 3 are arranged in this order. Thereby, in the hot rolling of the Si-containing steel sheet containing 1% by mass or more of Si, a hot-rolled steel sheet having good surface properties to which Si scale does not adhere can be manufactured. Since the full width induction heating device is provided, even if the heating extraction temperature is lowered, an appropriate temperature can be realized as the finishing rolling temperature, and the Si scale can be easily removed by setting the heating extraction temperature to 1170 ° C. or lower. Further, since the transverse type induction heating device 4 is adopted, the surface temperature of the steel sheet after heating can be maintained at 1000 ° C. or less, and the generation of Si secondary scale after the scale removal by the scale removal device 8 occurs. There is no. Furthermore, the Si scale can be favorably removed by setting the discharge pressure from the scale removing nozzle of the scale removing device 8 to 45 MPa or more.
[0029]
【Example】
The present invention was applied when hot-rolling a Si-containing steel having a Si content of 1% by mass or more to obtain a hot-rolled steel sheet. The used material has a width of 900 mm and a thickness of 250 mm before hot rolling, and a width of the steel sheet after hot rolling is 900 mm and a thickness of 3 mm. The thickness of the steel plate after rough rolling is 35 mm. In the hot rolling apparatus, the rough rolling apparatus 2, the full width induction heating apparatus, the steel sheet surface scale removing apparatus 8 by water injection, and the finish rolling apparatus 3 were arranged in this order. As the full width induction heating device, the transverse type induction heating device 4 shown in FIG. 1 was used in the present invention example, and the solenoid type induction heating device 31 shown in FIG. 4 was used in the comparative example. A flat nozzle was used as the scale removal nozzle of the scale removal device 8. The nozzle diameter is 1.9 mm, the nozzle spread angle θ is 20 to 40 °, and the scale removal range by one nozzle is 80 mm in the steel plate width direction.
[0030]
The transverse type induction heating device 4 used in the example of the present invention has a U-shaped core (5a, 5b) arranged facing the upper and lower surfaces of a steel plate, and the width W of the core 5 is 800 mm and long. The length L is 600 mm, the cross-sectional shape of the vertical portion 11 of the core is 200 mm × 800 mm, and a coil 6 using a water-cooled tube is arranged in each vertical portion 11. The strength of the magnetic field generated in the steel plate was 0.2 to 0.4 Tesla, and the frequency was 300 Hz.
[0031]
The solenoid-type induction heating device 31 used in the comparative example has a solenoid coil 32 wound so as to surround the steel plate 1, the number of turns of the solenoid coil 32 is 6, and the size of the coil 32 in the width direction of the steel plate is 1800 mm. The lengthwise size is 600 mm. Cores (33a, 33b) for guiding a magnetic field outside the coil are disposed outside the solenoid coil 32 and on the upper surface side and the lower surface side of the coil. The generated magnetic field was 0.2 to 0.4 Tesla, and the frequency was 1500 Hz.
[0032]
Invention Example No. 1 shown in Table 1. Nos. 1 to 5 are examples of the present invention using the transverse induction heating apparatus 4. 6 to 10 are comparative examples using the solenoid induction heating device 31. Table 1 shows the Si content, the heating extraction temperature, the steel plate surface temperature before and after heating, and the nozzle discharge pressure of the descaling nozzle in each example.
[0033]
About the steel plate temperature before and after heating, the surface temperature is the measured temperature, and the center temperature is obtained from the surface temperature measurement value by approximating the internal temperature distribution shape to the parabola in the thickness direction in advance from the actual measurement result by thermocouple embedding in the laboratory. Is.
[0034]
About the Si scale quality evaluation of the steel sheet surface after hot rolling, when the cross section near the steel sheet surface was evaluated by EPMA analysis, it was judged by whether or not a Si-concentrated portion was present at the interface between the scale and the metal. . When there was no Si concentrated layer on the surface of the steel plate (not visually observed), “◯” was indicated in Table 1 as good Si scale evaluation results. When the Si-enriched layer was present in a thickness of 5 μm or more on the surface layer of the steel sheet (it was in the form of a thin film by visual observation and clearly more), it was indicated as “x” in Table 1 as a defective Si scale evaluation result.
[0035]
[Table 1]

[0036]
The Si content was 1.2 to 1.6% by mass, and the nozzle discharge pressure of the descaling nozzle was set to 45 MPa or higher, and the higher the Si content, the higher the pressure. The heating extraction temperature was 1170 ° C. or lower, and the temperature range was such that the firelight did not melt during heating, thereby facilitating scale removal.
[0037]
In both the inventive example and the comparative example, induction heating was performed with the steel plate center temperature target after heating set to 1010 ° C. As a result, Invention Example No. For Nos. 1 to 5, the steel sheet surface temperature after heating was 1000 ° C. or less, and no Si secondary scale was generated. The Si scale evaluation results were all good and good. It was. On the other hand, Comparative Example No. In 6-10, the steel plate surface temperature after heating exceeded 1000 ° C., and despite the fact that descaling was performed at a high pressure of 45 MPa or more, the generation of Si secondary scale occurred after descaling. Yes, the Si scale evaluation results were all x and were poor.
[0038]
【The invention's effect】
According to the present invention, it is possible to perform heating while preventing the generation of Si secondary scale after scale removal, and it is possible to produce a Si-containing steel sheet having good surface properties to which no Si scale is attached.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view showing a transverse type full width induction heating apparatus of the present invention.
FIG. 2 is a diagram showing an arrangement of manufacturing equipment for hot-rolled steel sheets according to the present invention.
FIG. 3 is a cross-sectional view showing the distribution of lines of magnetic force of the present invention and a conventional induction heating apparatus.
FIG. 4 is a perspective view showing a conventional solenoid type full width induction heating apparatus.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Steel plate 2 Rough rolling apparatus 3 Finish rolling apparatus 4 Transverse type full width induction heating apparatus 5 Core 6 Coil 7 Heating furnace 8 Scale removal apparatus 9 Winding apparatus 11 Vertical part 12 Horizontal part 21 Steel plate moving direction 22 Magnetic field line 31 Solenoid full width induction Heating device 32 Coil 33 Core

Claims

This is a hot rolling method for Si-containing steel sheets, where the steel sheet is heated by a transverse-type full width induction heating device in which the core width is narrower than the steel sheet width after rough rolling and before finishing rolling, and then water injection is performed before finishing rolling. A method for hot rolling a Si-containing steel sheet, characterized by performing scale removal by the method.

The method for hot rolling a Si-containing steel sheet according to claim 1, wherein the steel sheet contains 1% by mass or more of Si.

The method for hot rolling a Si-containing steel sheet according to claim 1 or 2, wherein the temperature of the steel sheet surface after heating by the induction heating device is set to 1000 ° C or lower.

The method for hot rolling a Si-containing steel sheet according to any one of claims 1 to 3, wherein the scale removal by water injection is performed by setting the discharge pressure from the scale removal nozzle to 45 MPa or more.

A rough rolling device, a transverse-type full width induction heating device whose core width is narrower than the steel plate width , a steel plate surface scale removal device by water injection, and a finish rolling device are arranged in this order. Production equipment layout of hot-rolled steel sheet.

The equipment for manufacturing a hot-rolled steel sheet according to claim 5, wherein the scale removal device using water jet has a discharge pressure from the scale removal nozzle of 45 MPa or more.