JP3750904B2 - レーダ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、船舶などの水上目標を観測してそのレーダ画像を得るレーダ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のレーダ装置について図面を参照しながら説明する。図14は、例えば特許第2738244号公報に示された従来のレーダ装置の構成を示すブロック図である。
【0003】
図14において、1は送信機、2は受信機、3は送受切替器、4は送受信アンテナ、5は画像再生手段、6は相関演算手段、7は目標追尾手段、8は点像応答推定手段、9は目標アスペクト角推定手段、10はRCS算出手段、11は目標形状データ蓄積手段、12は畳み込み積分手段、13は最大値検出手段、14は目標識別結果出力手段である。
【0004】
つぎに、従来のレーダ装置の動作について図面を参照しながら説明する。図15及び図16は、この装置による観測のジオメトリを説明するための図で、4は送受信アンテナ、35は目標である。
【0005】
また、図17は、画像再生手段5の詳細な構成を示す図で、39はレンジ圧縮手段、40は動き補償手段、41はクロスレンジ圧縮手段、42は2次元記憶手段である。
【0006】
送信機1で発生した高周波信号は、送受切替器3を経て送受信アンテナ4から目標35にむけて放射される。目標35に照射された高周波信号の一部は目標35で反射して再び送受信アンテナ4で受信され、送受切替器3を経て受信機2で増幅・検波されたのち、画像再生手段5によって目標35の電波散乱断面積(Radar Cross Section:RCS)分布を表すレーダ画像に変換される。以下に画像再生の方法について詳しく説明する。
【0007】
受信機2から出力された受信信号は画像再生手段5へ入力され、まずレンジ圧縮手段39でレンジ分解能を向上させる処理、すなわちパルス圧縮が行われる。レンジ圧縮後の受信信号は、2次元記憶手段42にレンジビン番号mおよびパルスヒット番号nに応じて格納される。目標35の動きから画像再生に有害なランダム成分を除去するために、受信信号は2次元記憶手段42から読み出され、目標35の中心点43のドップラー周波数がゼロになるように、動き補償手段40によって位相補償とレンジビンの並べ換えが行われ、再び2次元記憶手段42に格納される。
【0008】
いま、図15に示すように、目標35が旋回運動により回転しているものと仮定すると、同一レンジビン内に存在する目標上の相異なる点がそれぞれ異なるドップラー周波数の反射波を生じる。また、目標35が直進運動している場合であっても同様に、同一レンジビン内に存在する目標上の相異なる点がそれぞれ異なるドップラー周波数の反射波を生じる。これは図16(a)に示す運動は、動き補償手段40の働きによって図16(b)に示す運動と等価になることから理解できる。
【0009】
これを利用してクロスレンジ圧縮手段41は、上記位相補償後の信号をレンジビン毎にFFT(Fast Fourier Transform)することにより、レンジと直交する方向であるクロスレンジの分解能を向上させる。これらの処理によって受信信号は、レンジおよびクロスレンジの両方向について高分解能化されて、目標上の各点のRCS分布を表すレーダ画像に変換される。
【0010】
一方、目標追尾手段7は、受信信号から目標の距離と方位、およびそれらの時間変化を測定して、目標35の進行方向、位置、速度、加速度などの運動特性を求める。この結果とレーダ装置の諸元からレーダ装置のインパルスレスポンスに相当する点像応答関数が点像応答推定手段8によって算出される。
【0011】
また、目標アスペクト角推定手段9は、目標追尾手段7が算出した目標35の進行方向と位置から目標35のアスペクト角を推定する。RCS算出手段10は、目標形状データ蓄積手段11に格納された目標の3次元形状を順次読み出して推定した目標のアスペクト角とレーダ諸元に基づいて目標のRCS分布を算出する。RCS分布の計算には、例えばGTD(Geometrical Theory of Diffraction)やPTD(Physical Theory of Diffraction)などの良く知られた手法が利用できる。
【0012】
目標の種類を識別するためには、画像再生手段5で得られたレーダ画像を、上記RCS分布と比較・照合する必要がある。しかし、レーダ画像のレンジ分解能は送信帯域幅に依存して決まり、クロスレンジ分解能は目標の運動に依存して決まるので、上記RCS分布の分解能すなわち目標形状データの分解能とは一般に一致せず、比較・照合できない。
【0013】
そこで、これを整合させるために畳み込み積分手段12は、上記RCS分布に点像応答関数の畳み込み積分を行い、比較・照合のための辞書画像を生成する。
【0014】
相関演算手段6は、上記レーダ画像と順次生成される上記辞書画像との相関値を求め、最大値検出手段13は順次算出される相関値の中から最大となるものを検出し、目標識別結果出力手段14は相関値が最大となった辞書画像に相当する目標の情報、例えば形状や名称などを目標形状データ蓄積手段11より読み出してこれを出力することにより、レーダによる目標の自動識別を実現することができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
船舶のような水上目標は移動速度が航空機と比較して1/10程度、あるいはそれ以下であるので、これらの目標を観測した場合には、レーダ画像の生成に寄与する目標の運動の主要な成分は直進運動ではなく、ロール、ピッチ、ヨーの回転運動である。従来のレーダ装置は上のように構成されているので、ロール、ピッチ、ヨーの回転運動を推定する手段を持たないという問題点があった。。また、これらの動揺を決定する目標の構造パラメータを推定する手段をもたないという問題点があった。
【0016】
この発明は、前述した問題点を解決するためになされたもので、レーダ画像に基づいて水上目標の動揺を推定し、さらに、その結果から目標の構造パラメータを推定することのできるレーダ装置を得ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係るレーダ装置は、高周波信号を発生する送信機と、送受切替器を経た前記高周波信号を目標に向けて放射するとともに、前記目標で反射した前記高周波信号の一部を受信する送受信アンテナと、前記送受切替器を経た受信信号を増幅・検波する受信機と、前記受信機からの出力に基づいて前記目標のレーダ画像を得る画像再生手段と、前記レーダ画像から目標の動揺周期を推定する動揺周期算出手段と、目標の全幅を格納するデータベースと、前記動揺周期及び前記全幅に基づいて前記目標の構造パラメータを算出する構造パラメータ逆算手段とを備えたものである。
【0018】
この発明の請求項2に係るレーダ装置は、前記データベースの代わりに、前記レーダ画像から目標の全幅を測定する全幅算出手段を備えたものである。
【0019】
この発明の請求項3に係るレーダ装置は、高周波信号を発生する送信機と、送受切替器を経た前記高周波信号を目標に向けて放射するとともに、前記目標で反射した前記高周波信号の一部を受信する送受信アンテナと、前記送受切替器を経た受信信号を増幅・検波する受信機と、前記受信機からの受信信号に基づいて前記目標のレーダ画像を得る画像再生手段と、前記レーダ画像から目標の動揺周期を推定する動揺周期算出手段と、前記受信機からの受信信号に基づいて前記目標の進行方向及び位置を求める目標追尾手段と、前記目標追尾手段により算出した目標の進行方向及び位置から目標のアスペクト角を推定する目標アスペクト角推定手段と、目標の全高を格納する第1のデータベースと、前記画像再生手段からのレーダ画像、前記動揺周期算出手段からの動揺周期、前記目標アスペクト角推定手段からのアスペクト角、及び前記第1のデータベースに格納された全高に基づいて前記目標の動揺角度振幅を算出する動揺角度振幅算出手段と、目標の全幅を格納する第2のデータベースと、前記動揺周期算出手段からの動揺周期、前記動揺角度振幅算出手段からの動揺角度振幅、前記第2のデータベースに格納された全幅、及び外部からの気象情報に基づいて前記目標の構造パラメータを算出する構造パラメータ逆算手段とを備えたものである。
【0020】
この発明の請求項4に係るレーダ装置は、前記第1のデータベースの代わりに、前記受信機からの受信信号に基づいて目標の全高を測定する全高算出手段と、前記第2のデータベースの代わりに、前記レーダ画像から目標の全幅を測定する全幅算出手段とを備えたものである。
【0021】
この発明の請求項5に係るレーダ装置は、前記第1のデータベースの代わりに、目標のレーダ散乱断面積分布を格納する第3のデータベースと、前記第3のデータベースから目標のレーダ散乱断面積分布を読み込み、一定の断面積を越える反射点をリストアップし、その中で最も高さの高いものを選択してその高さを出力する輝点高さ算出手段とを備えたものである。
【0022】
この発明の請求項6に係るレーダ装置は、前記外部からの気象情報の代わりに、前記受信機からの受信信号に基づいて水面の情報を測定する水面測定手段を備えたものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係るレーダ装置について図面を参照しながら説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係るレーダ装置の構成を示すブロック図である。なお、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0024】
図1において、1は送信機、2は受信機、3は送受切替器、4は送受信アンテナ、5は画像再生手段、15は目標の構造パラメータを格納するデータベース、16は目標のロールの周期を推定する動揺周期算出手段、17は目標の全幅を記録したデータベース、23は構造パラメータを算出する構造パラメータ逆算手段である。なお、送信機1から画像再生手段5までは、図14に示した従来の装置ものと同一または同等の手段である。
【0025】
つぎに、この実施の形態1に係るレーダ装置の動作について図面を参照しながら説明する。図2は、この発明の実施の形態1に係るレーダ装置における目標の運動を示す図である。
【0026】
図2において、44は水上目標、18はレーダの送受信アンテナ4と目標44とを結ぶ直線であるLOS(Line of sight)、19は目標44とLOSのなすアスペクト角、20は目標のロール(roll)の運動、21はピッチ(pitch)の運動、22はヨー(yaw)の運動である。
【0027】
図1に示す装置において、送信機1から画像再生手段5までの動作は図14に示した従来の装置ものと同様で、観測した目標のレーダ画像を再生する。動揺周期算出手段16は、レーダ画像のクロスレンジ軸、すなわちドップラー周波数幅の伸縮から、目標のロールの動揺周期を推定する。
【0028】
この様子を図3に示す。この図はレーダ画像のドップラー周波数36と時間の関係を示したもので、目標の動揺に応じてドップラー周波数が伸縮するので、例えばアスペクト角が90度、または270度付近にあって、目標のヨーの運動が十分小さいか、あるいはロールの周期と比較してヨーの周期が十分に長いのであれば、図3の周期からロールの周期を求めることができる。
【0029】
次に、構造パラメータ逆算手段23の動作について説明する。水上目標44のロール運動は、船体の構造によって決まることが知られている。ロールの周期Trは次の式(1)で与えられる。この式(1)は例えば、関西造船協会編、造船設計便覧(第4版)、海文堂出版、昭和58年、の414ページに記載されたものである。
【0030】
【数1】
Figure 0003750904
【0031】
ただし、gは重力加速度、GMは船体の重心とモーメント中心の距離を表す船体の構造パラメータである。また、kxxは重心をとおる縦軸まわりの見かけの環動半径で、次の式(2)で与えられる。
【0032】
【数2】
Figure 0003750904
【0033】
ただし、Bは船体の全幅である。また、cは船の種類と積載状態によって決まる係数で、その代表的な値が上記造船設計便覧(第4版)の414ページに記載されている。
【0034】
いま、目標の形状は既知であるとすると、式(1)、式(2)において、未知のパラメータはGMと係数cの2つである。そこで、構造パラメータ逆算手段23は、これらの式に基づいてGMと係数cの関係を得ることができる。あるいは、どちらか一方が既知の値であれば他方を算出することができる。
【0035】
このように本実施の形態1の構成によれば、レーダ画像に基づいて水上目標の構造パラメータを推定するレーダ装置を得ることができる。
【0036】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係るレーダ装置について図面を参照しながら説明する。図4は、この発明の実施の形態2に係るレーダ装置の構成を示すブロック図である。図4において、送信機1から構造パラメータ逆算手段23までは図1に示す実施の形態1の装置ものと同一または同等の手段であり、24は全幅算出手段である。
【0037】
上記の実施の形態1では目標の形状が既知であると仮定したが、ここでは目標の形状は未知であるものとする。そこで、全幅算出手段24は、レーダ画像のレンジの軸における目標の拡がりから全幅を算出して出力し、構造パラメータ逆算手段23は、実施の形態1と同様に、式(1)、(2)に基づいてGMと係数cの関係を得ることができる。あるいは、どちらか一方が既知の値であれば他方を算出することができる。
【0038】
このように本実施の形態2の構成によれば、水上目標の形状が未知であってもレーダ画像に基づいてその構造パラメータを推定するレーダ装置を得ることができる。
【0039】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係るレーダ装置について図面を参照しながら説明する。図5は、この発明の実施の形態3に係るレーダ装置の構成を示すブロック図である。
【0040】
図5において、送信機1から動揺周期算出手段16までは、図14に示す従来の装置、あるいは図1に示す実施の形態1の装置ものと同一または同等の手段である。また、同図において、23’は構造パラメータ逆算手段であるが、後に説明するように実施の形態1の装置ものと動作がやや異なる。さらに、25は目標の全高データを格納するデータベース、26は動揺角度振幅算出手段である。
【0041】
次に、動作について説明する。図5の装置において、送信機1から目標アスペクト角推定手段9までの動作は、図14に示す従来の装置のものと同一である。また、受信機2から動揺周期算出手段16までの動作は、図1に示す実施の形態1の装置と同一である。動揺角度振幅算出手段26は、目標の動揺角度振幅を次のようにして算出する。
【0042】
例えば、アスペクト角が90度、または270度付近にあって、目標のヨーの運動が十分小さいか、あるいはロールの周期と比較してヨーの周期が十分に長いとし、目標の動揺角度φrを次の式(3)で与えられると仮定する。
【0043】
【数3】
Figure 0003750904
【0044】
ただし、Arは動揺角度振幅、Trはロールの周期である。
【0045】
また、この動揺によるドップラー周波数は次の式(4)で示される。
【0046】
【数4】
Figure 0003750904
【0047】
ただし、λは波長、hは動揺の半径、あるいは目標の高さ、θASはアスペクト角である。従って、その最大のドップラー周波数拡がりは次の式(5)で与えられる。
【0048】
【数5】
Figure 0003750904
【0049】
ただし、Hは目標の全高である。この式(5)において、未知数はドップラー周波数拡がりfdMAXと動揺角度振幅Arのみであるので、レーダ画像からfdMAXを計測すればArを算出することができる。
【0050】
また、構造パラメータ逆算手段23’は次のように動作する。まず、ロールの角度振幅Arについて次の近似式(6)が成立する。この式(6)は例えば、上記造船設計便覧(第4版)の417ページに記載されたものである。
【0051】
【数6】
Figure 0003750904
【0052】
ただし、Nは減滅係数、γは波の有効傾斜係数である。減滅係数Nは船種によってその代表的な値が上記造船設計便覧(第4版)の415ページに記載されている。また、Θは最大波傾斜角で次の式(7)で与えられる。
【0053】
【数7】
Figure 0003750904
【0054】
ただし、θは水面の波が目標となす角度、Lwは波の周期、Hwは波の高さである。
【0055】
構造パラメータ逆算手段23’は、外部の気象情報から、波の周期Lw、波の高さHwを知り、最大波傾斜角Θを算出する。また、波の方位とアスペクト角、およびLOSの方位から波が目標となす角度θを算出する。また、ロールの周期Trを動揺周期算出手段16から得る。さらに、目標の動揺角度振幅Arを動揺角度振幅算出手段26から得る。
【0056】
この結果、未知数は減滅係数Nと波の有効傾斜係数γの2つである。そこで、構造パラメータ逆算手段23’は、これらの式に基づいて減滅係数Nと波の有効傾斜係数γの関係を得ることができる。あるいは、どちらか一方が既知の値であれば他方を算出することができる。
【0057】
このように本実施の形態3の構成によれば、レーダ画像に基づいて水上目標の構造パラメータを推定するレーダ装置を得ることができる。
【0058】
実施の形態4.
この発明の実施の形態4に係るレーダ装置について図面を参照しながら説明する。図6は、この発明の実施の形態4に係るレーダ装置の構成を示すブロック図である。
【0059】
図6において、4’はモノパルスアンテナ、27は全高算出手段である。その他の手段は図4および図5に示す実施の形態2および3の装置ものと同一または同等の手段である。
【0060】
上記の実施の形態3では目標の形状が既知であると仮定したが、ここでは目標の形状は未知であるものとする。上記実施の形態2あるいは3と同様に、画像再生手段5は観測した目標のレーダ画像を再生し、動揺周期算出手段16はレーダ画像のクロスレンジ軸、すなわちドップラー周波数幅の伸縮から、目標のロールの動揺周期を推定し、全幅算出手段24はレーダ画像のレンジの軸における目標の拡がりから全幅を算出して出力する。また、動揺角度振幅算出手段26は、目標の動揺角度振幅を算出する。
【0061】
構造パラメータ逆算手段23’は、上記実施の形態3と同様に、減滅係数Nと波の有効傾斜係数γの関係を求めるが、上記実施の形態3と異なり、ここでは目標の形状が未知であるので、目標の全高Hを求める必要がある。そこで、良く知られたモノパルス観測によって目標の垂直方向の角度差を求め、距離と角度差から目標の全高を算出する。この仕組みを図7に示す。
【0062】
モノパルス観測では、距離毎に主要な電波散乱点の角度を知ることができるので、その最小値と最大値の差Δθelを求めることによって、全高算出手段27は、次の式(8)により目標の全高を求める。ただし、Rは目標までの距離である。
【0063】
【数8】
Figure 0003750904
【0064】
したがって、構造パラメータ逆算手段23’は、上記実施の形態3と同様に、減滅係数Nと波の有効傾斜係数γの関係を求めることができる。あるいは、どちらか一方が既知の値であれば他方を算出することができる。
【0065】
このように本実施の形態4の構成によれば、水上目標の形状が未知であってもレーダ画像に基づいてその構造パラメータを推定するレーダ装置を得ることができる。
【0066】
実施の形態5.
この発明の実施の形態5に係るレーダ装置について図面を参照しながら説明する。図8は、この発明の実施の形態5に係るレーダ装置の構成を示すブロック図である。
【0067】
図8において、28はRCS分布を格納するデータベース、29は輝点高さ算出手段である。その他の手段は図5に示す実施の形態3の装置ものと同一または同等の手段である。
【0068】
上記の実施の形態3では、動揺角度振幅算出手段26は目標の全高をデータ25から読みだして動揺角度振幅を計算していたが、この方法では、目標の頭頂部からの電波の反射が微弱である場合には、レーダ画像におけるドップラー周波数拡がりが予想よりも狭くなって、動揺角度振幅の計算結果に誤差を生じる場合があった。そこで、この実施の形態5では図9に示すように、頭頂部30の代わりに、ドップラー周波数拡がりに寄与する有効な反射点31を予測し、その高さH’を用いて動揺角度振幅を計算することにより誤差を軽減する。
【0069】
輝点高さ算出手段29は、目標の電波散乱断面積の分布を記録したRCS分布28を読み込み、一定の断面積を越える反射点をリストアップし、その中で最も高さの高いものを反射点31として選択し、その高さH’を出力する。
【0070】
したがって、動揺角度振幅算出手段26は目標の動揺角度振幅を精度良く計算できて、構造パラメータ逆算手段23’による目標の構造パラメータの計算精度が向上する。
【0071】
このように本実施の形態5の構成によれば、水上目標の構造パラメータを高精度に推定するレーダ装置を得ることができる。
【0072】
実施の形態6.
この発明の実施の形態6に係るレーダ装置について図面を参照しながら説明する。図10は、この発明の実施の形態6に係るレーダ装置の構成を示すブロック図である。
【0073】
図10において、32は水面測定手段である。その他の手段は図5に示す実施の形態3の装置ものと同一または同等の手段である。
【0074】
また、水面測定手段32の観測のジオメトリを図11に示す。図11において、37はレーダを搭載したプラットフォーム、38a、b、cは水面を観測するアンテナビームの3つのフットプリント(領域)である。
【0075】
次に、動作について説明する。図10の装置において、水面測定手段32を除くそれぞれの手段の動作は、図5に示す実施の形態3の装置ものと同一または同等である。水面測定手段32は、レーダを用いて観測水域の水面の状態を測定する。
【0076】
以下、水面測定手段32の動作について図11を用いて説明する。水面測定手段32は、波の向きを基準として角度θ1の領域38aと、角度θ2の領域38bへアンテナを指向して、それぞれの反射電力の距離分布を取得する。水面の反射係数は、水面と電波の入射角度の差に依存するので、反射電力の距離分布から電波入射方向における水面の波の周期を知ることができる。
【0077】
この様子を図12に示す。図12(a)は領域38aの反射電力の距離分布を、図12(b)は領域38bの反射電力の距離分布を示す。いま、波の周期をLw、領域38aにおける波の周期の測定値をLw1、領域38bにおける波の周期の測定値をLw2とすると、これらの間には次の関係式(9)、(10)が成り立つ。
【0078】
【数9】
Figure 0003750904
【0079】
ここで、θ1とθ2の差Δθを導入することによって、次の式(11)が得られる。
【0080】
【数10】
Figure 0003750904
【0081】
この式(11)において未知変数は波の周期Lwのみであるので、式(11)からこれを求めることができる。また、その結果を式(9)あるいは式(10)へ代入することにより波の向きを求めることができる。
【0082】
次に、水面測定手段32は直下の領域38cへアンテナを指向して、水面までの距離(高さ)を測定する。測定位置あるいは時間を変えて何回か繰り返すことにより、図13に示すように水面までの距離の変化を求めることができる。このグラフから波の高さHwを求めることができる。
【0083】
このように本実施の形態6の構成によれば、外部から気象情報を得ることなく、水上目標の構造パラメータを高精度に推定するレーダ装置を得ることができる。
【0084】
【発明の効果】
この発明の請求項1に係るレーダ装置は、以上説明したとおり、高周波信号を発生する送信機と、送受切替器を経た前記高周波信号を目標に向けて放射するとともに、前記目標で反射した前記高周波信号の一部を受信する送受信アンテナと、前記送受切替器を経た受信信号を増幅・検波する受信機と、前記受信機からの出力に基づいて前記目標のレーダ画像を得る画像再生手段と、前記レーダ画像から目標の動揺周期を推定する動揺周期算出手段と、目標の全幅を格納するデータベースと、前記動揺周期及び前記全幅に基づいて前記目標の構造パラメータを算出する構造パラメータ逆算手段とを備えたので、目標の構造パラメータを推定することができるという効果を奏する。
【0085】
この発明の請求項2に係るレーダ装置は、以上説明したとおり、前記データベースの代わりに、前記レーダ画像から目標の全幅を測定する全幅算出手段を備えたので、目標の形状が未知であってもその構造パラメータを推定することができるという効果を奏する。
【0086】
この発明の請求項3に係るレーダ装置は、以上説明したとおり、高周波信号を発生する送信機と、送受切替器を経た前記高周波信号を目標に向けて放射するとともに、前記目標で反射した前記高周波信号の一部を受信する送受信アンテナと、前記送受切替器を経た受信信号を増幅・検波する受信機と、前記受信機からの受信信号に基づいて前記目標のレーダ画像を得る画像再生手段と、前記レーダ画像から目標の動揺周期を推定する動揺周期算出手段と、前記受信機からの受信信号に基づいて前記目標の進行方向及び位置を求める目標追尾手段と、前記目標追尾手段により算出した目標の進行方向及び位置から目標のアスペクト角を推定する目標アスペクト角推定手段と、目標の全高を格納する第1のデータベースと、前記画像再生手段からのレーダ画像、前記動揺周期算出手段からの動揺周期、前記目標アスペクト角推定手段からのアスペクト角、及び前記第1のデータベースに格納された全高に基づいて前記目標の動揺角度振幅を算出する動揺角度振幅算出手段と、目標の全幅を格納する第2のデータベースと、前記動揺周期算出手段からの動揺周期、前記動揺角度振幅算出手段からの動揺角度振幅、前記第2のデータベースに格納された全幅、及び外部からの気象情報に基づいて前記目標の構造パラメータを算出する構造パラメータ逆算手段とを備えたので、目標の構造パラメータを推定することができるという効果を奏する。
【0087】
この発明の請求項4に係るレーダ装置は、以上説明したとおり、前記第1のデータベースの代わりに、前記受信機からの受信信号に基づいて目標の全高を測定する全高算出手段と、前記第2のデータベースの代わりに、前記レーダ画像から目標の全幅を測定する全幅算出手段とを備えたので、目標の形状が未知であってもその構造パラメータを推定することができるという効果を奏する。
【0088】
この発明の請求項5に係るレーダ装置は、以上説明したとおり、前記第1のデータベースの代わりに、目標のレーダ散乱断面積分布を格納する第3のデータベースと、前記第3のデータベースから目標のレーダ散乱断面積分布を読み込み、一定の断面積を越える反射点をリストアップし、その中で最も高さの高いものを選択してその高さを出力する輝点高さ算出手段とを備えたので、目標の構造パラメータを高精度に推定することができるという効果を奏する。
【0089】
この発明の請求項6に係るレーダ装置は、以上説明したとおり、前記外部からの気象情報の代わりに、前記受信機からの受信信号に基づいて水面の情報を測定する水面測定手段を備えたので、目標の構造パラメータを高精度に推定することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係るレーダ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係るレーダ装置における目標の運動を示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態1に係るレーダ装置のレーダ画像のドップラー周波数と時間の関係を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態2に係るレーダ装置の構成を示すブロック図である。
【図5】 この発明の実施の形態3に係るレーダ装置の構成を示すブロック図である。
【図6】 この発明の実施の形態4に係るレーダ装置の構成を示すブロック図である。
【図7】 この発明の実施の形態4に係るレーダ装置の距離と角度差から目標の全高を算出する原理を示す図である。
【図8】 この発明の実施の形態5に係るレーダ装置の構成を示すブロック図である。
【図9】 この発明の実施の形態5に係るレーダ装置の動作原理を示す図である。
【図10】 この発明の実施の形態6に係るレーダ装置の構成を示すブロック図である。
【図11】 この発明の実施の形態6に係るレーダ装置の水面測定手段の観測のジオメトリを示す図である。
【図12】 この発明の実施の形態6に係るレーダ装置の動作を示す図である。
【図13】 この発明の実施の形態6に係るレーダ装置の動作を示す図である。
【図14】 従来のレーダ装置の構成を示すブロック図である。
【図15】 従来のレーダ装置による観測のジオメトリを説明するための図である。
【図16】 従来のレーダ装置による観測のジオメトリを説明するための図である。
【図17】 従来のレーダ装置の画像再生手段の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 送信機、2 受信機、3 送受切替器、4 送受信アンテナ、5 画像再生手段、15 構造パラメータ、16 動揺周期算出手段、17 全幅データベース、23 構造パラメータ逆算手段、24 全幅算出手段、25 全高データベース、26 動揺角度振幅算出手段、27 全高算出手段、28 RCS分布データベース、29 輝点高さ算出手段、32 水面測定手段。

Claims (6)

  1. 高周波信号を発生する送信機と、
    送受切替器を経た前記高周波信号を目標に向けて放射するとともに、前記目標で反射した前記高周波信号の一部を受信する送受信アンテナと、
    前記送受切替器を経た受信信号を増幅・検波する受信機と、
    前記受信機からの出力に基づいて前記目標のレーダ画像を得る画像再生手段と、
    前記レーダ画像から目標の動揺周期を推定する動揺周期算出手段と、
    目標の全幅を格納するデータベースと、
    前記動揺周期及び前記全幅に基づいて前記目標の構造パラメータを算出する構造パラメータ逆算手段と
    を備えたことを特徴とするレーダ装置。
  2. 前記データベースの代わりに、前記レーダ画像から目標の全幅を測定する全幅算出手段
    を備えたことを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
  3. 高周波信号を発生する送信機と、
    送受切替器を経た前記高周波信号を目標に向けて放射するとともに、前記目標で反射した前記高周波信号の一部を受信する送受信アンテナと、
    前記送受切替器を経た受信信号を増幅・検波する受信機と、
    前記受信機からの受信信号に基づいて前記目標のレーダ画像を得る画像再生手段と、
    前記レーダ画像から目標の動揺周期を推定する動揺周期算出手段と、
    前記受信機からの受信信号に基づいて前記目標の進行方向及び位置を求める目標追尾手段と、
    前記目標追尾手段により算出した目標の進行方向及び位置から目標のアスペクト角を推定する目標アスペクト角推定手段と、
    目標の全高を格納する第1のデータベースと、
    前記画像再生手段からのレーダ画像、前記動揺周期算出手段からの動揺周期、前記目標アスペクト角推定手段からのアスペクト角、及び前記第1のデータベースに格納された全高に基づいて前記目標の動揺角度振幅を算出する動揺角度振幅算出手段と、
    目標の全幅を格納する第2のデータベースと、
    前記動揺周期算出手段からの動揺周期、前記動揺角度振幅算出手段からの動揺角度振幅、前記第2のデータベースに格納された全幅、及び外部からの気象情報に基づいて前記目標の構造パラメータを算出する構造パラメータ逆算手段と
    を備えたことを特徴とするレーダ装置。
  4. 前記第1のデータベースの代わりに、前記受信機からの受信信号に基づいて目標の全高を測定する全高算出手段と、
    前記第2のデータベースの代わりに、前記レーダ画像から目標の全幅を測定する全幅算出手段と
    を備えたことを特徴とする請求項3記載のレーダ装置。
  5. 前記第1のデータベースの代わりに、
    目標のレーダ散乱断面積分布を格納する第3のデータベースと、
    前記第3のデータベースから目標のレーダ散乱断面積分布を読み込み、一定の断面積を越える反射点をリストアップし、その中で最も高さの高いものを選択してその高さを出力する輝点高さ算出手段と
    を備えたことを特徴とする請求項3記載のレーダ装置。
  6. 前記外部からの気象情報の代わりに、前記受信機からの受信信号に基づいて水面の情報を測定する水面測定手段
    を備えたことを特徴とする請求項3記載のレーダ装置。
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