JP3750892B2 - 追尾装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、航空機等の移動物体を目標とし、レーダ等の電波センサや赤外センサ等の光学センサに代表される観測装置を用い、この観測装置による目標位置の観測結果に基づいて目標の位置、速度等の真値を推定することにより、目標の運動を追尾する追尾装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の追尾装置について図面を参照しながら説明する。図7は、従来の追尾装置の構成を示すブロック図である。
【0003】
図7において、1は目標が発信源となる電波、赤外線等を観測するセンサ、2はセンサ1により受信された信号から目標の位置を観測データとして出力する観測装置、3は観測データを蓄えておくメモリ回路、18はメモリ回路3があらかじめ設定された所定のサンプル分観測データを蓄えた後、その所定のサンプル分の観測データから目標の航跡、クラッタの航跡の組合せ全部を調べ、各航跡の仮説を設定し、この仮説について信頼度を調べる航跡設定回路である。
【0004】
また、同図において、5は航跡設定回路19から伝達された目標の航跡を含む航跡の仮説について信頼度を算出する信頼度算出回路、6は航跡の候補となっている観測データを基に目標位置の平滑値を算出する追尾処理部である。7は観測データから目標位置の平滑値を算出する平滑値算出回路、8は平滑値算出回路7から伝達された目標位置の平滑値を基に次サンプルの予測値を算出する予測値算出回路である。さらに、11は航跡設定回路19から出力された航跡の仮説とその信頼度を基に航跡を判定する航跡判定回路である。
【0005】
従来例の処理手順は、例えば「“An Algorithm for Tracking Multiple Targets”,IEEE Trans. Autmat. Cont., vol. AC‐24, No. 6, Dec. 1979.のFig.1」などに見られる。
【0006】
つぎに、前述した従来の追尾装置の動作について図面を参照しながら説明する。図8は、従来の追尾装置の動作を示すフローチャートである。また、図9は、従来の追尾装置の動作を示すタイミングチャートである。
【0007】
追尾装置は、追尾初期化を行ない、目標の航跡を設定した後、追尾処理を開始する。目標が発信源となる電波、赤外線等がセンサ1によって受信される。このセンサ1は、広範囲に渡って監視するため、スキャン単位で特定の範囲を監視する。
【0008】
そのため、目標の存在する特定の範囲について、図9に示すように、1スキャン目にサンプリングT0秒でN点目標を観測した後、T秒後の2スキャン目に再びサンプリングT0秒でN点目標を観測する。
【0009】
観測装置2は、センサ1の出力データから、センサ1の位置を基準とした各目標のアジマス角、エレベーション角を出力する。メモリ回路3は、1スキャン目、2スキャン目の合計2Nサンプル分の観測データ(各目標のアジマス角とエレベーション角)を蓄えておき、2Nサンプル分の観測データが得られた後、そのデータを出力する。
【0010】
航跡設定回路19では、メモリ回路3から出力されたデータについて想定される全部の航跡の組合せを逐次的に調べる。航跡の組合せを調べることにより、クラッタ等の受信により発生する誤信号と新たに発生した新航跡も同時に設定される。これにより航跡の仮説が設定される。最初のN0サンプルを用いて追尾初期化を行う場合、N0サンプルから生成された航跡の仮説を信頼度算出回路5に伝達する。その結果、信頼度算出回路5には、次の計算式(1)で表されるデータが入力する。
【0011】
【数1】
【0012】
信頼度算出回路5では、i番目の仮説に関する信頼度を算出する。この信頼度算出回路5では、あらかじめ、目標の探知確率PD、kサンプル目に追尾対象目標がゲートに入る確率PG(k)、kサンプル目の単位体積あたりの平均誤信号数βFT(k)、kサンプル目の単位体積あたりの平均新目標数、k−1サンプルによるi番目の仮説の信頼度β(k−1,i)は既知であるとする。
【0013】
最初に追尾初期化を行ない、目標の航跡を調べる。図8は、主に信頼度算出回路5の処理手順を表している。ステップS1により処理を開始する。
【0014】
ステップS2において、航跡設定回路19から追尾初期化を行うのに必要なサンプル数である1サンプル目からN0サンプル目の観測データz(1,i,j)〜z(N0,i,j)が入力される。
【0015】
ステップS3において、i=1と、j=1に初期化する。
【0016】
ステップS4において、z(1,i,j)からz(3,i,j)までを追尾処理部6に伝達する。この追尾処理部6では、最初にi番目の仮説のj番目の航跡に関する4サンプル目の予測値xチルダ(4,i,j)と、xチルダ(4,i,j)の共分散行列Pチルダ(4,i,j)を算出する。算出結果であるxチルダ(4,i,j)とPチルダ(4,i,j)を信頼度算出回路5に伝達する。
【0017】
ステップS5において、k=4に設定した後、ステップS6において、最初に、信頼度算出回路5は、xチルダ(4,i,j)とPチルダ(4,i,j)とz(4,i,j)を追尾処理部6に伝達する。追尾処理部6では、次に、xチルダ(5,i,j)、Pチルダ(5,i,j)を算出し、信頼度算出回路5に伝達する。以降、ステップS6からS8において、同様の手順を繰り返すことによりxチルダ(N0,i,j)、Pチルダ(N0,i,j)が算出され、信頼度算出回路5に伝達される。
【0018】
ステップS9において、まだ算出していないi番目の仮説における航跡を調べる。全部の航跡について算出していない場合は、ステップS10において、j←j+1として、ステップS4に移行する。全部の航跡について算出した場合には、ステップS11に移行する。
【0019】
ステップS11において、i番目の仮説の信頼度を算出する。次の計算式(2)にk=N0を代入して信頼度を算出する。
【0020】
【数2】
【0021】
ステップS12において、まだ信頼度の算出が終了していない仮説を調べる。全部の仮説について算出が終了していない場合は、ステップS13において、i←i+1、j=1として、ステップS4に移行する。全部の仮説について信頼度の算出が終了した場合には、ステップS14に移行して処理を終了する。そして、信頼度算出回路5は、各仮説とその仮説の信頼度の組を航跡設定回路19に伝達する。
【0022】
追尾処理部6では、目標運動モデルがあらかじめ次の計算式(3)の状態方程式により与えられている。
【0023】
【数3】
【0024】
また、観測系のモデルも次の計算式(4)によりあらかじめ与えられている。
【0025】
【数4】
【0026】
以下の計算式(5)によりi番目の仮説におけるj番目の航跡に関する3サンプル目の平滑値xハット(3,i,j)を算出する。xハット(3,i,j)は、アジマス角、エレベーション角の位置、速度、加速度を表しているため、6次元ベクトルとなっている。
【0027】
【数5】
【0028】
また、xハット(3,i,j)の共分散行列Pハット(3,i,j)も次の計算式(6)により算出する
【0029】
【数6】
【0030】
上記の計算式(6)において、p22、p23及びp33は、下記の計算式(7)により表される。
【0031】
【数7】
【0032】
平滑値算出回路7は、xハット(3,i,j)、Pハット(3,i,j)を算出した後、予測値算出回路8に伝達する。この予測値算出回路8では、3サンプル目の平滑値xハット(3,i,j)と上記の計算式(1)の運動方程式から、下記の計算式(8)を用いてi番目の仮説におけるj番目の航跡に関する4サンプル目の予測値xチルダ(4,i,j)を算出する。
【0033】
【数8】
【0034】
また、P(3,i,j)ハットと上記の計算式(1)の運動方程式から、次の計算式(9)を用いてxチルダ(4,i,j)の共分散行列P(4,i,j)チルダを計算する。
【0035】
【数9】
【0036】
次に、4サンプル目以降の観測ベクトルが伝達された場合は、追尾処理に移行する。xチルダ(4,i,j)の共分散行列P(4,i,j)チルダを初期値として、k(4≦k≦N0)サンプル目における予測値xチルダ(k,i,j)とPチルダ(k,i,j)を算出する。
【0037】
具体的には、次の手順により算出する。信頼度算出回路5からxチルダ(k,i,j)、Pチルダ(k,i,j)、z(k,i,j)が伝達された後、下記の計算式(10)を用いてkサンプルにおけるカルマンゲインK(k)を算出し、下記の計算式(11)を用いてi番目の仮説におけるj番目の航跡に関するkサンプル目の平滑値xハット(k,i,j)を算出する。
【0038】
【数10】
【0039】
【数11】
【0040】
また、下記の計算式(12)によりxハット(k,i,j)の共分散行列Pハット(k,i,j)を算出する。
【0041】
【数12】
【0042】
平滑値算出回路7において、xハット(k,i,j)と共分散行列Pハット(k,i,j)を算出した後、xハット(k,i,j)と共分散行列Pハット(k,i,j)を予測値算出回路8に伝達する。
【0043】
予測値算出回路8では、xハット(k+1,i,j)とxハット(k+1,i,j)の共分散行列Pハット(k+1,i,j)を算出し、この算出したxハット(k+1,i,j)、Pハット(k+1,i,j)を信頼度算出回路5に伝達する。
【0044】
以降、k←k+1として上述した計算式(10)を用いてカルマンゲインを算出し、逐次的に処理を行なうことでN0サンプル目における予測値xチルダ(N0,i,j)と共分散行列Pチルダ(N0,i,j)を算出する。そして、xチルダ(N0,i,j)とPチルダ(N0,i,j)を信頼度算出回路5に伝達する。
【0045】
信頼度算出回路5では、各仮説の信頼度を算出した後、その結果を航跡設定回路19を通じて航跡判定回路11に伝達する。
【0046】
航跡判定回路11では、信頼度が最大となる仮説を検出する。その仮説の航跡を目標の航跡として設定する。目標の航跡を設定した後は追尾処理に移行する。
【0047】
通常の追尾処理では、最初に航跡設定回路19にk(k≧N0)サンプル目の観測ベクトルが伝達される。この時、k−1サンプル目までの航跡の仮説が蓄えられており、kサンプル目の観測データを用いてkサンプル目までの航跡の仮説を生成する。この時、通常、計算負荷の問題からk−1サンプルまでの航跡の仮説の中から、信頼度の高い順に所定の個数だけ仮説を選択し、残りの仮説を棄却する操作が行なわれる。新たに生成された仮説と、その航跡について新たに番号づけを行なう。仮説の航跡番号jを基にxチルダ(k,i,j)とPチルダ(k,i,j)の番号をつけ換える。追尾初期化の場合と同様に、仮説に番号づけを行った後、i番目の仮説を信頼度算出回路5に伝達する。追尾初期化の場合と同様に動作し、i番目の仮説におけるj番目の航跡におけるkサンプル目の観測データz(k,i,j)が追尾処理部6に入力される。
【0048】
追尾処理部6に入力したデータは、最初に平滑値算出回路7に伝達される。この平滑値算出回路7では、追尾処理においては、上記の計算式(10)を用いてkサンプルにおけるカルマンゲインK(k)を算出した後、追尾初期化時と同様に動作し、平滑値算出回路7においてxハット(k,i,j)と共分散行列Pハット(k,i,j)を算出した後、xハット(k,i,j)と共分散行列Pハット(k,i,j)を予測値算出回路8に伝達する。
【0049】
予測値算出回路8では、追尾初期化の場合と同様に動作し、xハット(k+1,i,j)とxハット(k+1,i,j)の共分散行列Pハット(k+1,i,j)を算出する。
【0050】
以降は、追尾初期化と同様に動作し、航跡判定回路11において、kサンプル目で最も信頼度の高い航跡の仮説を選択し、kサンプル目における目標の航跡として出力する。
【0051】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような従来の追尾装置では、各スキャンごとに数えてNサンプル目の観測値を用いて、T秒後に観測される次のスキャンの1サンプル目の予測値を計算していた。そのため、スキャン内のサンプリング周期T0に比較してスキャン間隔Tが非常に大きい場合、次のスキャンにおける1サンプル目の予測誤差が大きくなり、誤った航跡の仮説の信頼度が正しい航跡の仮説の信頼度を上回り、仮説を制限する処理を行った時点で正しい仮説が棄却される場合が発生するという問題点があった。
【0052】
この発明は、前述した問題点を解決するためになされたもので、スキャン単位であらかじめ航跡を設定した後、スキャン単位であらかじめ設定された航跡のつながりを調べることで、仮説制限処理において正しい仮説の棄却を防止し、スキャン間隔が大きい場合の追尾性能劣化を防止することができる追尾装置を得ることを目的とする。
【0053】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る追尾装置は、移動物体を目標として観測するセンサと、前記センサにより受信された信号から目標の位置を観測データとして出力する観測装置と、前記観測データを2スキャンの間記憶する第1のメモリ回路と、前記第1のメモリ回路から伝達された2スキャン分の観測データから各スキャン毎に第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説を設定する第1の航跡設定回路と、前記第1の航跡設定回路から伝達された第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説のそれぞれについて信頼度を算出する第1の信頼度算出回路と、スキャン単位で生成された前記各航跡の仮説に含まれる航跡について追尾処理を行う第1の追尾処理部と、前記第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説を記憶する第2のメモリ回路と、前記第2のメモリ回路に記憶された第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説に基づき2スキャン分の第3の航跡の仮説を設定する第2の航跡設定回路と、前記第2の航跡設定回路から伝達された第3の航跡の仮説について信頼度を算出する第2の信頼度算出回路と、前記第3の航跡の仮説に含まれる航跡について追尾処理を行う第2の追尾処理部と、前記第2の航跡設定回路から伝達された第3の航跡の仮説とその信頼度を基に目標の航跡を判定する航跡判定回路とを備えたものである。
【0054】
また、この発明に係る追尾装置は、前記第1の航跡設定回路が、1スキャン目及び2スキャン目の観測データから第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説を設定するものである。
【0055】
また、この発明に係る追尾装置は、前記第1の航跡設定回路が、M−1スキャン目及びM(M≧3)スキャン目の観測データから第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説を設定するものである。
【0056】
また、この発明に係る追尾装置は、前記第1の航跡設定回路が、1スキャン目及び2スキャン目の観測データを基に目標数を推定し、その目標数を基に1スキャン目及び2スキャン目の観測データから第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説を設定するものである。
【0057】
また、この発明に係る追尾装置は、前記第1の航跡設定回路が、スキャン単位の観測データを基に目標数を推定し、その目標数を基に1スキャン目及び2スキャン目の観測データから第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説を設定するものである。
【0058】
また、この発明に係る追尾装置は、前記第1の航跡設定回路が、スキャン単位の観測データを基に目標数を推定し、その目標数を基にM−1スキャン目及びM(M≧3)スキャン目の観測データから第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説を設定するものである。
【0059】
さらに、この発明に係る追尾装置は、前記第1の航跡設定回路が、1スキャン目及び2スキャン目の観測データからスキャン毎の航跡の仮説を設定し、各スキャンの航跡の仮説のなかから信頼度の大きい方から所定数の航跡の仮説だけ選択して各々第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説として出力するものである。
【0060】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係る追尾装置について図面を参照しながら説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係る追尾装置の構成を示すブロック図である。なお、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0061】
図1において、センサ1、観測装置2、メモリ回路3、信頼度算出回路5(5A、5B)、追尾処理部6(6A、6B)、平滑値算出回路7(7A、7B)、予測値算出回路8(8A、8B)、航跡判定回路11は、従来と同じである。
【0062】
また、同図において、4はスキャン単位でN点観測した後、航跡の仮説を生成する航跡設定回路、9は航跡設定回路4から出力された1スキャン目と2スキャン目における航跡の仮説を蓄えておくメモリ回路、10はメモリ回路9から伝達された1スキャン目と2スキャン目における航跡の仮説から2N個の観測ベクトルから成る航跡の仮説を生成する航跡設定回路である。
【0063】
つぎに、前述した実施の形態1に係る追尾装置の動作について図面を参照しながら説明する。
【0064】
目標が発信源となる電波、赤外線等がセンサ1によって受信され、従来例と同様に動作し、航跡設定回路4に1スキャン目の観測データと2スキャン目の観測データが入力する。
【0065】
航跡設定回路4では、1スキャン目におけるN個の観測ベクトルを用いて従来と同様に航跡の仮説を生成する。この生成した航跡の仮説をメモリ回路9に伝達する。次に、2スキャン目におけるN個の観測ベクトルを用いて従来と同様に航跡の仮説を生成する。1スキャン目における信頼度の最も大きい仮説と、2スキャン目における信頼度の最も大きい仮説をメモリ回路9に伝達する。
【0066】
メモリ回路9は、1スキャン目の航跡の仮説と2スキャン目の航跡の仮説を航跡設定回路10に伝達する。この航跡設定回路10では、1スキャン目の仮説と2スキャン目の仮説を組み合わせて2N個の観測ベクトルから成る航跡の仮説を生成する。
【0067】
1スキャン目の目標数をN1、2スキャン目の目標数をN2とする時、N1=N2の場合は、目標数N=N1=N2として航跡の仮説を生成する。また、N1<N2の場合は、目標数N=N1として2スキャン目に(N2−N1)個の新航跡が発生したとして航跡の仮説を生成する。さらに、N1>N2の場合には、目標数N=N2として2スキャン目に(N1−N2)個の目標が消失したとして航跡の仮説を生成する。
【0068】
航跡の仮説を生成した後、従来と同様に動作し、航跡判定回路11において、最も信頼度の高い航跡の仮説を追尾開始における初期航跡として選択する。
【0069】
すなわち、この実施の形態1に係る追尾装置は、最初の2スキャンの観測データを用いて初期化処理を行う際に、スキャンごとにあらかじめ目標の航跡の仮説を確立した後、スキャン間の目標の航跡の仮説のつながりを調べることでスキャン間隔が大きいことによる追尾初期化性能の劣化を防止できる。
【0070】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る追尾装置について図面を参照しながら説明する。図2は、この発明の実施の形態2に係る追尾装置の構成を示すブロック図である。
【0071】
図2において、センサ1、観測装置2、メモリ回路3、信頼度算出回路5A、5B、追尾処理部6A、6B、平滑値算出回路7A、7B、予測値算出回路8A、8B、航跡設定回路10、及び航跡判定回路11は、上記の実施の形態1と同じである。
【0072】
また、同図において、12はM(M≧3)スキャン目とM−1スキャン目の観測データを基に各々の航跡の仮説を生成する航跡設定回路、13はMスキャン目の航跡の仮説とM−1スキャン目の航跡の仮説のみを蓄えておくメモリ回路である。
【0073】
つぎに、前述した実施の形態2に係る追尾装置の動作について図面を参照しながら説明する。
【0074】
目標が発信源となる電波、赤外線等がセンサ1によって受信され、従来例と同様に動作し、航跡設定回路12にM(M≧3)スキャン目における観測データが入力する。
【0075】
航跡設定回路12では、Mスキャン目におけるN個の観測ベクトルを用いて従来と同様に航跡の仮説を生成する。この生成した航跡の仮説について上記の実施の形態1と同様に信頼度を算出し、信頼度の最も大きい仮説をメモリ回路13に伝達する。また、M−1スキャン目についても同様である。
【0076】
メモリ回路13では、Mスキャン目の航跡の仮説とM−1スキャン目の航跡の仮説のみ蓄えた後、Mスキャン目の航跡の仮説とM−1スキャン目における航跡の仮説を航跡設定回路10に伝達する。
【0077】
以降は、上記の実施の形態1と同様に動作し、航跡判定回路11から目標の航跡の仮説が出力され、追尾処理が行なわれる。
【0078】
すなわち、この実施の形態2に係る追尾装置は、追尾処理を行う過程において、スキャンごとにあらかじめ目標の航跡の仮説を確立した後、スキャン間の目標の航跡の仮説のつながりを調べることでスキャン間隔が大きいことによる追尾性能の劣化を防止できる。
【0079】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係る追尾装置について図面を参照しながら説明する。図3は、この発明の実施の形態3に係る追尾装置の構成を示すブロック図である。
【0080】
図3において、センサ1、観測装置2、メモリ回路3、追尾処理部6A、6B、平滑値算出回路7A、7B、予測値算出回路8A、8B、メモリ回路9、航跡設定回路10、及び航跡判定回路11は、上記の実施の形態1と同じである。
【0081】
また、同図において、14は1スキャン目と2スキャン目の観測データを基に目標数を推定し、その目標数で想定した航跡の仮説を生成する航跡設定回路である。15A、15Bは航跡設定回路14、10から伝達された目標の航跡について不要信号の発生確率が小さいことを考慮して信頼度を算出する信頼度算出回路である。
【0082】
つぎに、前述した実施の形態3に係る追尾装置の動作について図面を参照しながら説明する。
【0083】
目標が発信源となる電波、赤外線等がセンサ1によって受信され、従来例と同様に動作し、航跡設定回路14に1スキャン目の観測データと2スキャン目の観測データが入力する。
【0084】
航跡設定回路14では、1スキャン目と2スキャン目の各サンプルにおける観測ベクトル数を調べ、次の式(13)に示すように、観測ベクトル数の最小値を目標数として設定する。
【0085】
【数13】
【0086】
目標数を設定した後、その目標数から想定される各スキャンにおける全部の航跡の仮説を設定した後、信頼度算出回路15Aに伝達する。
【0087】
信頼度算出回路15Aでは、i番目の仮説に関する信頼度を算出する。この信頼度算出回路15Aに、z(1,i,j)からz(N,i,j)までが入力する。信頼度算出回路15Aでは、k(k≧4)サンプル目において新航跡または誤信号の観測される確率βFT(k)、4サンプル目において新航跡または誤信号と判定された観測データ数NFT(k)はあらかじめ既知であるとする。
【0088】
信頼度算出回路15Aに、z(1,i,j)からz(N,i,j)までが入力した後、信頼度算出回路5(5A、5B)と同様に動作し、次の計算式(14)を用いて信頼度を算出する。
【0089】
【数14】
【0090】
1スキャン目における信頼度の最も大きい航跡の仮説と、2スキャン目における信頼度の最も大きい航跡の仮説をメモリ回路9に伝達する。
【0091】
以降は、上記の実施の形態1と同様に動作し、航跡判定回路11により各航跡の仮説の信頼度を基準として目標の航跡が設定される。
【0092】
すなわち、この実施の形態3に係る追尾装置は、クラッタの発生確率が非常に小さく、目標検出確率がほぼ1である自由空間において、最初の2スキャンの観測データを用いて初期化処理を行う際に、2スキャンの観測データ数を基にあらかじめ目標数を推定しておき、仮説数を制限することで、スキャン間隔が大きいことによる追尾初期化性能の劣化を防止でき、計算機負荷を低減できる。
【0093】
実施の形態4.
この発明の実施の形態4に係る追尾装置について図面を参照しながら説明する。図4は、この発明の実施の形態4に係る追尾装置の構成を示すブロック図である。
【0094】
図4において、センサ1、観測装置2、メモリ回路3、平滑値算出回路7A、7B、予測値算出回路8A、8B、メモリ回路9、航跡設定回路10、航跡判定回路11、及び信頼度算出回路15A、15Bは、上記の実施の形態3と同じである。
【0095】
また、同図において、16はスキャン単位で目標数を推定し、その目標数で想定した航跡の仮説を生成する航跡設定回路である。
【0096】
つぎに、前述した実施の形態4に係る追尾装置の動作について図面を参照しながら説明する。
【0097】
目標が発信源となる電波、赤外線等がセンサ1によって受信され、上記の実施の形態3と同様に動作し、航跡設定回路16に1スキャン目の観測データと2スキャン目の観測データが入力する。
【0098】
航跡設定回路16では、最初に1スキャン目の各サンプルにおける観測ベクトル数を調べ、次の式(15)に示すように、観測ベクトル数の最小値を目標数として設定する。
【0099】
【数15】
【0100】
目標数を設定した後、その目標数から想定される1スキャン目の全部の航跡の仮説を設定した後、信頼度算出回路15Aに伝達する。また、2スキャン目における観測データについても同様に動作し、信頼度算出回路15Aに伝達する。
【0101】
以降は、上記の実施の形態3と同様に動作し、航跡判定回路11により各航跡の仮説の信頼度を基準として目標の航跡が設定される。
【0102】
すなわち、この実施の形態4に係る追尾装置は、クラッタの発生確率が非常に小さく、目標検出確率がほぼ1である自由空間において、最初の2スキャンの観測データを用いて初期化処理を行う際に、それぞれのスキャンにおいて、観測データ数を基にあらかじめ目標数を推定しておき、仮説数を制限することで、スキャン間隔が大きいことによる追尾性能の劣化を防止でき、計算機負荷を低減できる。
【0103】
実施の形態5.
この発明の実施の形態5に係る追尾装置について図面を参照しながら説明する。図5は、この発明の実施の形態5に係る追尾装置の構成を示すブロック図である。
【0104】
図5において、センサ1、観測装置2、メモリ回路3、平滑値算出回路7A、7B、予測値算出回路8A、8B、航跡設定回路10、航跡判定回路11、信頼度算出回路15A、15Bは、上記の実施の形態4と同じである。また、メモリ回路13は、上記の実施の形態2と同じである。
【0105】
また、同図において、17はM(M≧3)スキャン目の観測データを基にスキャン単位で目標数を推定し、その目標数を基に航跡の仮説を生成する航跡設定回路である。
【0106】
つぎに、前述した実施の形態5に係る追尾装置の動作について図面を参照しながら説明する。
【0107】
目標が発信源となる電波、赤外線等がセンサ1によって受信され、上記の実施の形態4と同様に動作し、航跡設定回路17にMスキャン目の観測データが入力する。
【0108】
航跡設定回路17では、Mスキャン目の各サンプルにおける観測ベクトル数を調べ、観測ベクトル数の最小値を目標数として設定する。また、M−1スキャン目も同様である。
【0109】
以降は、上記の実施の形態2と同様に動作し、航跡判定回路11から目標の航跡の仮説が出力され、追尾処理が行なわれる。
【0110】
すなわち、この実施の形態5に係る追尾装置は、クラッタの発生確率が非常に小さく、目標検出確率がほぼ1である自由空間において、追尾処理を行う際に、各スキャンごとに、それぞれ観測データ数を基にあらかじめ目標数を推定しておき、仮説数を制限することで、スキャン間隔が大きいことによる追尾性能の劣化を防止でき、計算機負荷を低減できる。
【0111】
実施の形態6.
この発明の実施の形態6に係る追尾装置について図面を参照しながら説明する。図6は、この発明の実施の形態6に係る追尾装置の構成を示すブロック図である。
【0112】
図6において、センサ1、観測装置2、メモリ回路3、信頼度算出回路5A、5B、平滑値算出回路7A、7B、予測値算出回路8A、8B、メモリ回路9、航跡設定回路10、及び航跡判定回路11は、上記の実施の形態1と同じである。
【0113】
また、同図において、18は各スキャンについて航跡の仮説を信頼度の大きい方からL(L≧1)個選択する航跡設定回路である。
【0114】
つぎに、前述した実施の形態6に係る追尾装置の動作について図面を参照しながら説明する。
【0115】
目標が発信源となる電波、赤外線等がセンサ1によって受信され、上記の実施の形態1と同様に動作し、航跡設定回路18に1スキャン目の観測データと2スキャン目の観測データが入力する。
【0116】
以降、実施の形態1と同様に動作し、信頼度算出回路5Aから各航跡の仮説について信頼度が計算された結果が伝達される。この航跡設定回路18では、航跡の仮説を信頼度の大きい方からあらかじめ設定されているL個選択してメモリ回路9に伝達する。
【0117】
以降は、実施の形態1と同様に動作し、追尾開始における初期航跡が設定される。
【0118】
すなわち、この実施の形態6に係る追尾装置は、最初の2スキャンの観測データを用いて初期化処理を行う際に、スキャンごとにあらかじめ目標の航跡の仮説を信頼度の大きい方から、あらかじめ設定されている所定数だけ選択した後、各スキャンにおける航跡の仮説を組み合わせて目標の航跡の仮説のつながりを調べることでスキャン間隔が大きいことによる追尾初期化性能の劣化を防止できる。
【0119】
【発明の効果】
この発明に係る追尾装置は、以上説明したとおり、移動物体を目標として観測するセンサと、前記センサにより受信された信号から目標の位置を観測データとして出力する観測装置と、前記観測データを2スキャンの間記憶する第1のメモリ回路と、前記第1のメモリ回路から伝達された2スキャン分の観測データから各スキャン毎に第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説を設定する第1の航跡設定回路と、前記第1の航跡設定回路から伝達された第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説のそれぞれについて信頼度を算出する第1の信頼度算出回路と、スキャン単位で生成された前記各航跡の仮説に含まれる航跡について追尾処理を行う第1の追尾処理部と、前記第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説を記憶する第2のメモリ回路と、前記第2のメモリ回路に記憶された第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説に基づき2スキャン分の第3の航跡の仮説を設定する第2の航跡設定回路と、前記第2の航跡設定回路から伝達された第3の航跡の仮説について信頼度を算出する第2の信頼度算出回路と、前記第3の航跡の仮説に含まれる航跡について追尾処理を行う第2の追尾処理部と、前記第2の航跡設定回路から伝達された第3の航跡の仮説とその信頼度を基に目標の航跡を判定する航跡判定回路とを備えたので、スキャン間隔が大きいことによる追尾性能の劣化を防止できるという効果を奏する。
【0120】
また、この発明に係る追尾装置は、以上説明したとおり、前記第1の航跡設定回路が、1スキャン目及び2スキャン目の観測データから第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説を設定するので、最初の2スキャンの観測データを用いて初期化処理を行う際に、スキャンごとにあらかじめ目標の航跡の仮説を確立した後、スキャン間の目標の航跡の仮説のつながりを調べることでスキャン間隔が大きいことによる追尾初期化性能の劣化を防止できるという効果を奏する。
【0121】
また、この発明に係る追尾装置は、以上説明したとおり、前記第1の航跡設定回路が、M−1スキャン目及びM(M≧3)スキャン目の観測データから第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説を設定するので、追尾処理を行う過程において、スキャンごとにあらかじめ目標の航跡の仮説を確立した後、スキャン間の目標の航跡の仮説のつながりを調べることでスキャン間隔が大きいことによる追尾性能の劣化を防止できるという効果を奏する。
【0122】
また、この発明に係る追尾装置は、以上説明したとおり、前記第1の航跡設定回路が、1スキャン目及び2スキャン目の観測データを基に目標数を推定し、その目標数を基に1スキャン目及び2スキャン目の観測データから第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説を設定するので、クラッタの発生確率が非常に小さく、目標検出確率がほぼ1である自由空間において、最初の2スキャンの観測データを用いて初期化処理を行う際に、2スキャンの観測データ数を基にあらかじめ目標数を推定しておき、仮説数を制限することで、スキャン間隔が大きいことによる追尾初期化性能の劣化を防止でき、計算機負荷を低減できるという効果を奏する。
【0123】
また、この発明に係る追尾装置は、以上説明したとおり、前記第1の航跡設定回路が、スキャン単位の観測データを基に目標数を推定し、その目標数を基に1スキャン目及び2スキャン目の観測データから第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説を設定するので、クラッタの発生確率が非常に小さく、目標検出確率がほぼ1である自由空間において、最初の2スキャンの観測データを用いて初期化処理を行う際に、それぞれのスキャンにおいて、観測データ数を基にあらかじめ目標数を推定しておき、仮説数を制限することで、スキャン間隔が大きいことによる追尾性能の劣化を防止でき、計算機負荷を低減できるという効果を奏する。
【0124】
また、この発明に係る追尾装置は、以上説明したとおり、前記第1の航跡設定回路が、スキャン単位の観測データを基に目標数を推定し、その目標数を基にM−1スキャン目及びM(M≧3)スキャン目の観測データから第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説を設定するので、クラッタの発生確率が非常に小さく、目標検出確率がほぼ1である自由空間において、追尾処理を行う際に、各スキャンごとに、それぞれ観測データ数を基にあらかじめ目標数を推定しておき、仮説数を制限することで、スキャン間隔が大きいことによる追尾性能の劣化を防止でき、計算機負荷を低減できるという効果を奏する。
【0125】
さらに、この発明に係る追尾装置は、以上説明したとおり、前記第1の航跡設定回路が、1スキャン目及び2スキャン目の観測データからスキャン毎の航跡の仮説を設定し、各スキャンの航跡の仮説のなかから信頼度の大きい方から所定数の航跡の仮説だけ選択して各々第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説として出力するので、最初の2スキャンの観測データを用いて初期化処理を行う際に、スキャンごとにあらかじめ目標の航跡の仮説を信頼度の大きい方から、あらかじめ設定されている所定数だけ選択した後、各スキャンにおける仮説を組み合わせて目標の航跡の仮説のつながりを調べることで、スキャン間隔が大きいことによる追尾初期化性能の劣化を防止できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る追尾装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態2に係る追尾装置の構成を示すブロック図である。
【図3】 この発明の実施の形態3に係る追尾装置の構成を示すブロック図である。
【図4】 この発明の実施の形態4に係る追尾装置の構成を示すブロック図である。
【図5】 この発明の実施の形態5に係る追尾装置の構成を示すブロック図である。
【図6】 この発明の実施の形態6に係る追尾装置の構成を示すブロック図である。
【図7】 従来の追尾装置の構成を示すブロック図である。
【図8】 従来の追尾装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】 従来の追尾装置の動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 センサ、2 観測装置、3 メモリ回路、4 航跡設定回路、5A、5B信頼度算出回路、6A、6B 追尾処理部、7A、7B 平滑値算出回路、8A、8B 予測値算出回路、9 メモリ回路、10 航跡設定回路、11 航跡判定回路、12 航跡設定回路、13 メモリ回路、14 航跡設定回路、15A、15B 信頼度算出回路、16 航跡設定回路、17 航跡設定回路、18航跡設定回路。
【発明の属する技術分野】
この発明は、航空機等の移動物体を目標とし、レーダ等の電波センサや赤外センサ等の光学センサに代表される観測装置を用い、この観測装置による目標位置の観測結果に基づいて目標の位置、速度等の真値を推定することにより、目標の運動を追尾する追尾装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の追尾装置について図面を参照しながら説明する。図7は、従来の追尾装置の構成を示すブロック図である。
【0003】
図7において、1は目標が発信源となる電波、赤外線等を観測するセンサ、2はセンサ1により受信された信号から目標の位置を観測データとして出力する観測装置、3は観測データを蓄えておくメモリ回路、18はメモリ回路3があらかじめ設定された所定のサンプル分観測データを蓄えた後、その所定のサンプル分の観測データから目標の航跡、クラッタの航跡の組合せ全部を調べ、各航跡の仮説を設定し、この仮説について信頼度を調べる航跡設定回路である。
【0004】
また、同図において、5は航跡設定回路19から伝達された目標の航跡を含む航跡の仮説について信頼度を算出する信頼度算出回路、6は航跡の候補となっている観測データを基に目標位置の平滑値を算出する追尾処理部である。7は観測データから目標位置の平滑値を算出する平滑値算出回路、8は平滑値算出回路7から伝達された目標位置の平滑値を基に次サンプルの予測値を算出する予測値算出回路である。さらに、11は航跡設定回路19から出力された航跡の仮説とその信頼度を基に航跡を判定する航跡判定回路である。
【0005】
従来例の処理手順は、例えば「“An Algorithm for Tracking Multiple Targets”,IEEE Trans. Autmat. Cont., vol. AC‐24, No. 6, Dec. 1979.のFig.1」などに見られる。
【0006】
つぎに、前述した従来の追尾装置の動作について図面を参照しながら説明する。図8は、従来の追尾装置の動作を示すフローチャートである。また、図9は、従来の追尾装置の動作を示すタイミングチャートである。
【0007】
追尾装置は、追尾初期化を行ない、目標の航跡を設定した後、追尾処理を開始する。目標が発信源となる電波、赤外線等がセンサ1によって受信される。このセンサ1は、広範囲に渡って監視するため、スキャン単位で特定の範囲を監視する。
【0008】
そのため、目標の存在する特定の範囲について、図9に示すように、1スキャン目にサンプリングT0秒でN点目標を観測した後、T秒後の2スキャン目に再びサンプリングT0秒でN点目標を観測する。
【0009】
観測装置2は、センサ1の出力データから、センサ1の位置を基準とした各目標のアジマス角、エレベーション角を出力する。メモリ回路3は、1スキャン目、2スキャン目の合計2Nサンプル分の観測データ(各目標のアジマス角とエレベーション角)を蓄えておき、2Nサンプル分の観測データが得られた後、そのデータを出力する。
【0010】
航跡設定回路19では、メモリ回路3から出力されたデータについて想定される全部の航跡の組合せを逐次的に調べる。航跡の組合せを調べることにより、クラッタ等の受信により発生する誤信号と新たに発生した新航跡も同時に設定される。これにより航跡の仮説が設定される。最初のN0サンプルを用いて追尾初期化を行う場合、N0サンプルから生成された航跡の仮説を信頼度算出回路5に伝達する。その結果、信頼度算出回路5には、次の計算式(1)で表されるデータが入力する。
【0011】
【数1】
【0012】
信頼度算出回路5では、i番目の仮説に関する信頼度を算出する。この信頼度算出回路5では、あらかじめ、目標の探知確率PD、kサンプル目に追尾対象目標がゲートに入る確率PG(k)、kサンプル目の単位体積あたりの平均誤信号数βFT(k)、kサンプル目の単位体積あたりの平均新目標数、k−1サンプルによるi番目の仮説の信頼度β(k−1,i)は既知であるとする。
【0013】
最初に追尾初期化を行ない、目標の航跡を調べる。図8は、主に信頼度算出回路5の処理手順を表している。ステップS1により処理を開始する。
【0014】
ステップS2において、航跡設定回路19から追尾初期化を行うのに必要なサンプル数である1サンプル目からN0サンプル目の観測データz(1,i,j)〜z(N0,i,j)が入力される。
【0015】
ステップS3において、i=1と、j=1に初期化する。
【0016】
ステップS4において、z(1,i,j)からz(3,i,j)までを追尾処理部6に伝達する。この追尾処理部6では、最初にi番目の仮説のj番目の航跡に関する4サンプル目の予測値xチルダ(4,i,j)と、xチルダ(4,i,j)の共分散行列Pチルダ(4,i,j)を算出する。算出結果であるxチルダ(4,i,j)とPチルダ(4,i,j)を信頼度算出回路5に伝達する。
【0017】
ステップS5において、k=4に設定した後、ステップS6において、最初に、信頼度算出回路5は、xチルダ(4,i,j)とPチルダ(4,i,j)とz(4,i,j)を追尾処理部6に伝達する。追尾処理部6では、次に、xチルダ(5,i,j)、Pチルダ(5,i,j)を算出し、信頼度算出回路5に伝達する。以降、ステップS6からS8において、同様の手順を繰り返すことによりxチルダ(N0,i,j)、Pチルダ(N0,i,j)が算出され、信頼度算出回路5に伝達される。
【0018】
ステップS9において、まだ算出していないi番目の仮説における航跡を調べる。全部の航跡について算出していない場合は、ステップS10において、j←j+1として、ステップS4に移行する。全部の航跡について算出した場合には、ステップS11に移行する。
【0019】
ステップS11において、i番目の仮説の信頼度を算出する。次の計算式(2)にk=N0を代入して信頼度を算出する。
【0020】
【数2】
【0021】
ステップS12において、まだ信頼度の算出が終了していない仮説を調べる。全部の仮説について算出が終了していない場合は、ステップS13において、i←i+1、j=1として、ステップS4に移行する。全部の仮説について信頼度の算出が終了した場合には、ステップS14に移行して処理を終了する。そして、信頼度算出回路5は、各仮説とその仮説の信頼度の組を航跡設定回路19に伝達する。
【0022】
追尾処理部6では、目標運動モデルがあらかじめ次の計算式(3)の状態方程式により与えられている。
【0023】
【数3】
【0024】
また、観測系のモデルも次の計算式(4)によりあらかじめ与えられている。
【0025】
【数4】
【0026】
以下の計算式(5)によりi番目の仮説におけるj番目の航跡に関する3サンプル目の平滑値xハット(3,i,j)を算出する。xハット(3,i,j)は、アジマス角、エレベーション角の位置、速度、加速度を表しているため、6次元ベクトルとなっている。
【0027】
【数5】
【0028】
また、xハット(3,i,j)の共分散行列Pハット(3,i,j)も次の計算式(6)により算出する
【0029】
【数6】
【0030】
上記の計算式(6)において、p22、p23及びp33は、下記の計算式(7)により表される。
【0031】
【数7】
【0032】
平滑値算出回路7は、xハット(3,i,j)、Pハット(3,i,j)を算出した後、予測値算出回路8に伝達する。この予測値算出回路8では、3サンプル目の平滑値xハット(3,i,j)と上記の計算式(1)の運動方程式から、下記の計算式(8)を用いてi番目の仮説におけるj番目の航跡に関する4サンプル目の予測値xチルダ(4,i,j)を算出する。
【0033】
【数8】
【0034】
また、P(3,i,j)ハットと上記の計算式(1)の運動方程式から、次の計算式(9)を用いてxチルダ(4,i,j)の共分散行列P(4,i,j)チルダを計算する。
【0035】
【数9】
【0036】
次に、4サンプル目以降の観測ベクトルが伝達された場合は、追尾処理に移行する。xチルダ(4,i,j)の共分散行列P(4,i,j)チルダを初期値として、k(4≦k≦N0)サンプル目における予測値xチルダ(k,i,j)とPチルダ(k,i,j)を算出する。
【0037】
具体的には、次の手順により算出する。信頼度算出回路5からxチルダ(k,i,j)、Pチルダ(k,i,j)、z(k,i,j)が伝達された後、下記の計算式(10)を用いてkサンプルにおけるカルマンゲインK(k)を算出し、下記の計算式(11)を用いてi番目の仮説におけるj番目の航跡に関するkサンプル目の平滑値xハット(k,i,j)を算出する。
【0038】
【数10】
【0039】
【数11】
【0040】
また、下記の計算式(12)によりxハット(k,i,j)の共分散行列Pハット(k,i,j)を算出する。
【0041】
【数12】
【0042】
平滑値算出回路7において、xハット(k,i,j)と共分散行列Pハット(k,i,j)を算出した後、xハット(k,i,j)と共分散行列Pハット(k,i,j)を予測値算出回路8に伝達する。
【0043】
予測値算出回路8では、xハット(k+1,i,j)とxハット(k+1,i,j)の共分散行列Pハット(k+1,i,j)を算出し、この算出したxハット(k+1,i,j)、Pハット(k+1,i,j)を信頼度算出回路5に伝達する。
【0044】
以降、k←k+1として上述した計算式(10)を用いてカルマンゲインを算出し、逐次的に処理を行なうことでN0サンプル目における予測値xチルダ(N0,i,j)と共分散行列Pチルダ(N0,i,j)を算出する。そして、xチルダ(N0,i,j)とPチルダ(N0,i,j)を信頼度算出回路5に伝達する。
【0045】
信頼度算出回路5では、各仮説の信頼度を算出した後、その結果を航跡設定回路19を通じて航跡判定回路11に伝達する。
【0046】
航跡判定回路11では、信頼度が最大となる仮説を検出する。その仮説の航跡を目標の航跡として設定する。目標の航跡を設定した後は追尾処理に移行する。
【0047】
通常の追尾処理では、最初に航跡設定回路19にk(k≧N0)サンプル目の観測ベクトルが伝達される。この時、k−1サンプル目までの航跡の仮説が蓄えられており、kサンプル目の観測データを用いてkサンプル目までの航跡の仮説を生成する。この時、通常、計算負荷の問題からk−1サンプルまでの航跡の仮説の中から、信頼度の高い順に所定の個数だけ仮説を選択し、残りの仮説を棄却する操作が行なわれる。新たに生成された仮説と、その航跡について新たに番号づけを行なう。仮説の航跡番号jを基にxチルダ(k,i,j)とPチルダ(k,i,j)の番号をつけ換える。追尾初期化の場合と同様に、仮説に番号づけを行った後、i番目の仮説を信頼度算出回路5に伝達する。追尾初期化の場合と同様に動作し、i番目の仮説におけるj番目の航跡におけるkサンプル目の観測データz(k,i,j)が追尾処理部6に入力される。
【0048】
追尾処理部6に入力したデータは、最初に平滑値算出回路7に伝達される。この平滑値算出回路7では、追尾処理においては、上記の計算式(10)を用いてkサンプルにおけるカルマンゲインK(k)を算出した後、追尾初期化時と同様に動作し、平滑値算出回路7においてxハット(k,i,j)と共分散行列Pハット(k,i,j)を算出した後、xハット(k,i,j)と共分散行列Pハット(k,i,j)を予測値算出回路8に伝達する。
【0049】
予測値算出回路8では、追尾初期化の場合と同様に動作し、xハット(k+1,i,j)とxハット(k+1,i,j)の共分散行列Pハット(k+1,i,j)を算出する。
【0050】
以降は、追尾初期化と同様に動作し、航跡判定回路11において、kサンプル目で最も信頼度の高い航跡の仮説を選択し、kサンプル目における目標の航跡として出力する。
【0051】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような従来の追尾装置では、各スキャンごとに数えてNサンプル目の観測値を用いて、T秒後に観測される次のスキャンの1サンプル目の予測値を計算していた。そのため、スキャン内のサンプリング周期T0に比較してスキャン間隔Tが非常に大きい場合、次のスキャンにおける1サンプル目の予測誤差が大きくなり、誤った航跡の仮説の信頼度が正しい航跡の仮説の信頼度を上回り、仮説を制限する処理を行った時点で正しい仮説が棄却される場合が発生するという問題点があった。
【0052】
この発明は、前述した問題点を解決するためになされたもので、スキャン単位であらかじめ航跡を設定した後、スキャン単位であらかじめ設定された航跡のつながりを調べることで、仮説制限処理において正しい仮説の棄却を防止し、スキャン間隔が大きい場合の追尾性能劣化を防止することができる追尾装置を得ることを目的とする。
【0053】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る追尾装置は、移動物体を目標として観測するセンサと、前記センサにより受信された信号から目標の位置を観測データとして出力する観測装置と、前記観測データを2スキャンの間記憶する第1のメモリ回路と、前記第1のメモリ回路から伝達された2スキャン分の観測データから各スキャン毎に第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説を設定する第1の航跡設定回路と、前記第1の航跡設定回路から伝達された第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説のそれぞれについて信頼度を算出する第1の信頼度算出回路と、スキャン単位で生成された前記各航跡の仮説に含まれる航跡について追尾処理を行う第1の追尾処理部と、前記第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説を記憶する第2のメモリ回路と、前記第2のメモリ回路に記憶された第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説に基づき2スキャン分の第3の航跡の仮説を設定する第2の航跡設定回路と、前記第2の航跡設定回路から伝達された第3の航跡の仮説について信頼度を算出する第2の信頼度算出回路と、前記第3の航跡の仮説に含まれる航跡について追尾処理を行う第2の追尾処理部と、前記第2の航跡設定回路から伝達された第3の航跡の仮説とその信頼度を基に目標の航跡を判定する航跡判定回路とを備えたものである。
【0054】
また、この発明に係る追尾装置は、前記第1の航跡設定回路が、1スキャン目及び2スキャン目の観測データから第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説を設定するものである。
【0055】
また、この発明に係る追尾装置は、前記第1の航跡設定回路が、M−1スキャン目及びM(M≧3)スキャン目の観測データから第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説を設定するものである。
【0056】
また、この発明に係る追尾装置は、前記第1の航跡設定回路が、1スキャン目及び2スキャン目の観測データを基に目標数を推定し、その目標数を基に1スキャン目及び2スキャン目の観測データから第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説を設定するものである。
【0057】
また、この発明に係る追尾装置は、前記第1の航跡設定回路が、スキャン単位の観測データを基に目標数を推定し、その目標数を基に1スキャン目及び2スキャン目の観測データから第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説を設定するものである。
【0058】
また、この発明に係る追尾装置は、前記第1の航跡設定回路が、スキャン単位の観測データを基に目標数を推定し、その目標数を基にM−1スキャン目及びM(M≧3)スキャン目の観測データから第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説を設定するものである。
【0059】
さらに、この発明に係る追尾装置は、前記第1の航跡設定回路が、1スキャン目及び2スキャン目の観測データからスキャン毎の航跡の仮説を設定し、各スキャンの航跡の仮説のなかから信頼度の大きい方から所定数の航跡の仮説だけ選択して各々第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説として出力するものである。
【0060】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係る追尾装置について図面を参照しながら説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係る追尾装置の構成を示すブロック図である。なお、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
【0061】
図1において、センサ1、観測装置2、メモリ回路3、信頼度算出回路5(5A、5B)、追尾処理部6(6A、6B)、平滑値算出回路7(7A、7B)、予測値算出回路8(8A、8B)、航跡判定回路11は、従来と同じである。
【0062】
また、同図において、4はスキャン単位でN点観測した後、航跡の仮説を生成する航跡設定回路、9は航跡設定回路4から出力された1スキャン目と2スキャン目における航跡の仮説を蓄えておくメモリ回路、10はメモリ回路9から伝達された1スキャン目と2スキャン目における航跡の仮説から2N個の観測ベクトルから成る航跡の仮説を生成する航跡設定回路である。
【0063】
つぎに、前述した実施の形態1に係る追尾装置の動作について図面を参照しながら説明する。
【0064】
目標が発信源となる電波、赤外線等がセンサ1によって受信され、従来例と同様に動作し、航跡設定回路4に1スキャン目の観測データと2スキャン目の観測データが入力する。
【0065】
航跡設定回路4では、1スキャン目におけるN個の観測ベクトルを用いて従来と同様に航跡の仮説を生成する。この生成した航跡の仮説をメモリ回路9に伝達する。次に、2スキャン目におけるN個の観測ベクトルを用いて従来と同様に航跡の仮説を生成する。1スキャン目における信頼度の最も大きい仮説と、2スキャン目における信頼度の最も大きい仮説をメモリ回路9に伝達する。
【0066】
メモリ回路9は、1スキャン目の航跡の仮説と2スキャン目の航跡の仮説を航跡設定回路10に伝達する。この航跡設定回路10では、1スキャン目の仮説と2スキャン目の仮説を組み合わせて2N個の観測ベクトルから成る航跡の仮説を生成する。
【0067】
1スキャン目の目標数をN1、2スキャン目の目標数をN2とする時、N1=N2の場合は、目標数N=N1=N2として航跡の仮説を生成する。また、N1<N2の場合は、目標数N=N1として2スキャン目に(N2−N1)個の新航跡が発生したとして航跡の仮説を生成する。さらに、N1>N2の場合には、目標数N=N2として2スキャン目に(N1−N2)個の目標が消失したとして航跡の仮説を生成する。
【0068】
航跡の仮説を生成した後、従来と同様に動作し、航跡判定回路11において、最も信頼度の高い航跡の仮説を追尾開始における初期航跡として選択する。
【0069】
すなわち、この実施の形態1に係る追尾装置は、最初の2スキャンの観測データを用いて初期化処理を行う際に、スキャンごとにあらかじめ目標の航跡の仮説を確立した後、スキャン間の目標の航跡の仮説のつながりを調べることでスキャン間隔が大きいことによる追尾初期化性能の劣化を防止できる。
【0070】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る追尾装置について図面を参照しながら説明する。図2は、この発明の実施の形態2に係る追尾装置の構成を示すブロック図である。
【0071】
図2において、センサ1、観測装置2、メモリ回路3、信頼度算出回路5A、5B、追尾処理部6A、6B、平滑値算出回路7A、7B、予測値算出回路8A、8B、航跡設定回路10、及び航跡判定回路11は、上記の実施の形態1と同じである。
【0072】
また、同図において、12はM(M≧3)スキャン目とM−1スキャン目の観測データを基に各々の航跡の仮説を生成する航跡設定回路、13はMスキャン目の航跡の仮説とM−1スキャン目の航跡の仮説のみを蓄えておくメモリ回路である。
【0073】
つぎに、前述した実施の形態2に係る追尾装置の動作について図面を参照しながら説明する。
【0074】
目標が発信源となる電波、赤外線等がセンサ1によって受信され、従来例と同様に動作し、航跡設定回路12にM(M≧3)スキャン目における観測データが入力する。
【0075】
航跡設定回路12では、Mスキャン目におけるN個の観測ベクトルを用いて従来と同様に航跡の仮説を生成する。この生成した航跡の仮説について上記の実施の形態1と同様に信頼度を算出し、信頼度の最も大きい仮説をメモリ回路13に伝達する。また、M−1スキャン目についても同様である。
【0076】
メモリ回路13では、Mスキャン目の航跡の仮説とM−1スキャン目の航跡の仮説のみ蓄えた後、Mスキャン目の航跡の仮説とM−1スキャン目における航跡の仮説を航跡設定回路10に伝達する。
【0077】
以降は、上記の実施の形態1と同様に動作し、航跡判定回路11から目標の航跡の仮説が出力され、追尾処理が行なわれる。
【0078】
すなわち、この実施の形態2に係る追尾装置は、追尾処理を行う過程において、スキャンごとにあらかじめ目標の航跡の仮説を確立した後、スキャン間の目標の航跡の仮説のつながりを調べることでスキャン間隔が大きいことによる追尾性能の劣化を防止できる。
【0079】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係る追尾装置について図面を参照しながら説明する。図3は、この発明の実施の形態3に係る追尾装置の構成を示すブロック図である。
【0080】
図3において、センサ1、観測装置2、メモリ回路3、追尾処理部6A、6B、平滑値算出回路7A、7B、予測値算出回路8A、8B、メモリ回路9、航跡設定回路10、及び航跡判定回路11は、上記の実施の形態1と同じである。
【0081】
また、同図において、14は1スキャン目と2スキャン目の観測データを基に目標数を推定し、その目標数で想定した航跡の仮説を生成する航跡設定回路である。15A、15Bは航跡設定回路14、10から伝達された目標の航跡について不要信号の発生確率が小さいことを考慮して信頼度を算出する信頼度算出回路である。
【0082】
つぎに、前述した実施の形態3に係る追尾装置の動作について図面を参照しながら説明する。
【0083】
目標が発信源となる電波、赤外線等がセンサ1によって受信され、従来例と同様に動作し、航跡設定回路14に1スキャン目の観測データと2スキャン目の観測データが入力する。
【0084】
航跡設定回路14では、1スキャン目と2スキャン目の各サンプルにおける観測ベクトル数を調べ、次の式(13)に示すように、観測ベクトル数の最小値を目標数として設定する。
【0085】
【数13】
【0086】
目標数を設定した後、その目標数から想定される各スキャンにおける全部の航跡の仮説を設定した後、信頼度算出回路15Aに伝達する。
【0087】
信頼度算出回路15Aでは、i番目の仮説に関する信頼度を算出する。この信頼度算出回路15Aに、z(1,i,j)からz(N,i,j)までが入力する。信頼度算出回路15Aでは、k(k≧4)サンプル目において新航跡または誤信号の観測される確率βFT(k)、4サンプル目において新航跡または誤信号と判定された観測データ数NFT(k)はあらかじめ既知であるとする。
【0088】
信頼度算出回路15Aに、z(1,i,j)からz(N,i,j)までが入力した後、信頼度算出回路5(5A、5B)と同様に動作し、次の計算式(14)を用いて信頼度を算出する。
【0089】
【数14】
【0090】
1スキャン目における信頼度の最も大きい航跡の仮説と、2スキャン目における信頼度の最も大きい航跡の仮説をメモリ回路9に伝達する。
【0091】
以降は、上記の実施の形態1と同様に動作し、航跡判定回路11により各航跡の仮説の信頼度を基準として目標の航跡が設定される。
【0092】
すなわち、この実施の形態3に係る追尾装置は、クラッタの発生確率が非常に小さく、目標検出確率がほぼ1である自由空間において、最初の2スキャンの観測データを用いて初期化処理を行う際に、2スキャンの観測データ数を基にあらかじめ目標数を推定しておき、仮説数を制限することで、スキャン間隔が大きいことによる追尾初期化性能の劣化を防止でき、計算機負荷を低減できる。
【0093】
実施の形態4.
この発明の実施の形態4に係る追尾装置について図面を参照しながら説明する。図4は、この発明の実施の形態4に係る追尾装置の構成を示すブロック図である。
【0094】
図4において、センサ1、観測装置2、メモリ回路3、平滑値算出回路7A、7B、予測値算出回路8A、8B、メモリ回路9、航跡設定回路10、航跡判定回路11、及び信頼度算出回路15A、15Bは、上記の実施の形態3と同じである。
【0095】
また、同図において、16はスキャン単位で目標数を推定し、その目標数で想定した航跡の仮説を生成する航跡設定回路である。
【0096】
つぎに、前述した実施の形態4に係る追尾装置の動作について図面を参照しながら説明する。
【0097】
目標が発信源となる電波、赤外線等がセンサ1によって受信され、上記の実施の形態3と同様に動作し、航跡設定回路16に1スキャン目の観測データと2スキャン目の観測データが入力する。
【0098】
航跡設定回路16では、最初に1スキャン目の各サンプルにおける観測ベクトル数を調べ、次の式(15)に示すように、観測ベクトル数の最小値を目標数として設定する。
【0099】
【数15】
【0100】
目標数を設定した後、その目標数から想定される1スキャン目の全部の航跡の仮説を設定した後、信頼度算出回路15Aに伝達する。また、2スキャン目における観測データについても同様に動作し、信頼度算出回路15Aに伝達する。
【0101】
以降は、上記の実施の形態3と同様に動作し、航跡判定回路11により各航跡の仮説の信頼度を基準として目標の航跡が設定される。
【0102】
すなわち、この実施の形態4に係る追尾装置は、クラッタの発生確率が非常に小さく、目標検出確率がほぼ1である自由空間において、最初の2スキャンの観測データを用いて初期化処理を行う際に、それぞれのスキャンにおいて、観測データ数を基にあらかじめ目標数を推定しておき、仮説数を制限することで、スキャン間隔が大きいことによる追尾性能の劣化を防止でき、計算機負荷を低減できる。
【0103】
実施の形態5.
この発明の実施の形態5に係る追尾装置について図面を参照しながら説明する。図5は、この発明の実施の形態5に係る追尾装置の構成を示すブロック図である。
【0104】
図5において、センサ1、観測装置2、メモリ回路3、平滑値算出回路7A、7B、予測値算出回路8A、8B、航跡設定回路10、航跡判定回路11、信頼度算出回路15A、15Bは、上記の実施の形態4と同じである。また、メモリ回路13は、上記の実施の形態2と同じである。
【0105】
また、同図において、17はM(M≧3)スキャン目の観測データを基にスキャン単位で目標数を推定し、その目標数を基に航跡の仮説を生成する航跡設定回路である。
【0106】
つぎに、前述した実施の形態5に係る追尾装置の動作について図面を参照しながら説明する。
【0107】
目標が発信源となる電波、赤外線等がセンサ1によって受信され、上記の実施の形態4と同様に動作し、航跡設定回路17にMスキャン目の観測データが入力する。
【0108】
航跡設定回路17では、Mスキャン目の各サンプルにおける観測ベクトル数を調べ、観測ベクトル数の最小値を目標数として設定する。また、M−1スキャン目も同様である。
【0109】
以降は、上記の実施の形態2と同様に動作し、航跡判定回路11から目標の航跡の仮説が出力され、追尾処理が行なわれる。
【0110】
すなわち、この実施の形態5に係る追尾装置は、クラッタの発生確率が非常に小さく、目標検出確率がほぼ1である自由空間において、追尾処理を行う際に、各スキャンごとに、それぞれ観測データ数を基にあらかじめ目標数を推定しておき、仮説数を制限することで、スキャン間隔が大きいことによる追尾性能の劣化を防止でき、計算機負荷を低減できる。
【0111】
実施の形態6.
この発明の実施の形態6に係る追尾装置について図面を参照しながら説明する。図6は、この発明の実施の形態6に係る追尾装置の構成を示すブロック図である。
【0112】
図6において、センサ1、観測装置2、メモリ回路3、信頼度算出回路5A、5B、平滑値算出回路7A、7B、予測値算出回路8A、8B、メモリ回路9、航跡設定回路10、及び航跡判定回路11は、上記の実施の形態1と同じである。
【0113】
また、同図において、18は各スキャンについて航跡の仮説を信頼度の大きい方からL(L≧1)個選択する航跡設定回路である。
【0114】
つぎに、前述した実施の形態6に係る追尾装置の動作について図面を参照しながら説明する。
【0115】
目標が発信源となる電波、赤外線等がセンサ1によって受信され、上記の実施の形態1と同様に動作し、航跡設定回路18に1スキャン目の観測データと2スキャン目の観測データが入力する。
【0116】
以降、実施の形態1と同様に動作し、信頼度算出回路5Aから各航跡の仮説について信頼度が計算された結果が伝達される。この航跡設定回路18では、航跡の仮説を信頼度の大きい方からあらかじめ設定されているL個選択してメモリ回路9に伝達する。
【0117】
以降は、実施の形態1と同様に動作し、追尾開始における初期航跡が設定される。
【0118】
すなわち、この実施の形態6に係る追尾装置は、最初の2スキャンの観測データを用いて初期化処理を行う際に、スキャンごとにあらかじめ目標の航跡の仮説を信頼度の大きい方から、あらかじめ設定されている所定数だけ選択した後、各スキャンにおける航跡の仮説を組み合わせて目標の航跡の仮説のつながりを調べることでスキャン間隔が大きいことによる追尾初期化性能の劣化を防止できる。
【0119】
【発明の効果】
この発明に係る追尾装置は、以上説明したとおり、移動物体を目標として観測するセンサと、前記センサにより受信された信号から目標の位置を観測データとして出力する観測装置と、前記観測データを2スキャンの間記憶する第1のメモリ回路と、前記第1のメモリ回路から伝達された2スキャン分の観測データから各スキャン毎に第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説を設定する第1の航跡設定回路と、前記第1の航跡設定回路から伝達された第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説のそれぞれについて信頼度を算出する第1の信頼度算出回路と、スキャン単位で生成された前記各航跡の仮説に含まれる航跡について追尾処理を行う第1の追尾処理部と、前記第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説を記憶する第2のメモリ回路と、前記第2のメモリ回路に記憶された第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説に基づき2スキャン分の第3の航跡の仮説を設定する第2の航跡設定回路と、前記第2の航跡設定回路から伝達された第3の航跡の仮説について信頼度を算出する第2の信頼度算出回路と、前記第3の航跡の仮説に含まれる航跡について追尾処理を行う第2の追尾処理部と、前記第2の航跡設定回路から伝達された第3の航跡の仮説とその信頼度を基に目標の航跡を判定する航跡判定回路とを備えたので、スキャン間隔が大きいことによる追尾性能の劣化を防止できるという効果を奏する。
【0120】
また、この発明に係る追尾装置は、以上説明したとおり、前記第1の航跡設定回路が、1スキャン目及び2スキャン目の観測データから第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説を設定するので、最初の2スキャンの観測データを用いて初期化処理を行う際に、スキャンごとにあらかじめ目標の航跡の仮説を確立した後、スキャン間の目標の航跡の仮説のつながりを調べることでスキャン間隔が大きいことによる追尾初期化性能の劣化を防止できるという効果を奏する。
【0121】
また、この発明に係る追尾装置は、以上説明したとおり、前記第1の航跡設定回路が、M−1スキャン目及びM(M≧3)スキャン目の観測データから第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説を設定するので、追尾処理を行う過程において、スキャンごとにあらかじめ目標の航跡の仮説を確立した後、スキャン間の目標の航跡の仮説のつながりを調べることでスキャン間隔が大きいことによる追尾性能の劣化を防止できるという効果を奏する。
【0122】
また、この発明に係る追尾装置は、以上説明したとおり、前記第1の航跡設定回路が、1スキャン目及び2スキャン目の観測データを基に目標数を推定し、その目標数を基に1スキャン目及び2スキャン目の観測データから第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説を設定するので、クラッタの発生確率が非常に小さく、目標検出確率がほぼ1である自由空間において、最初の2スキャンの観測データを用いて初期化処理を行う際に、2スキャンの観測データ数を基にあらかじめ目標数を推定しておき、仮説数を制限することで、スキャン間隔が大きいことによる追尾初期化性能の劣化を防止でき、計算機負荷を低減できるという効果を奏する。
【0123】
また、この発明に係る追尾装置は、以上説明したとおり、前記第1の航跡設定回路が、スキャン単位の観測データを基に目標数を推定し、その目標数を基に1スキャン目及び2スキャン目の観測データから第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説を設定するので、クラッタの発生確率が非常に小さく、目標検出確率がほぼ1である自由空間において、最初の2スキャンの観測データを用いて初期化処理を行う際に、それぞれのスキャンにおいて、観測データ数を基にあらかじめ目標数を推定しておき、仮説数を制限することで、スキャン間隔が大きいことによる追尾性能の劣化を防止でき、計算機負荷を低減できるという効果を奏する。
【0124】
また、この発明に係る追尾装置は、以上説明したとおり、前記第1の航跡設定回路が、スキャン単位の観測データを基に目標数を推定し、その目標数を基にM−1スキャン目及びM(M≧3)スキャン目の観測データから第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説を設定するので、クラッタの発生確率が非常に小さく、目標検出確率がほぼ1である自由空間において、追尾処理を行う際に、各スキャンごとに、それぞれ観測データ数を基にあらかじめ目標数を推定しておき、仮説数を制限することで、スキャン間隔が大きいことによる追尾性能の劣化を防止でき、計算機負荷を低減できるという効果を奏する。
【0125】
さらに、この発明に係る追尾装置は、以上説明したとおり、前記第1の航跡設定回路が、1スキャン目及び2スキャン目の観測データからスキャン毎の航跡の仮説を設定し、各スキャンの航跡の仮説のなかから信頼度の大きい方から所定数の航跡の仮説だけ選択して各々第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説として出力するので、最初の2スキャンの観測データを用いて初期化処理を行う際に、スキャンごとにあらかじめ目標の航跡の仮説を信頼度の大きい方から、あらかじめ設定されている所定数だけ選択した後、各スキャンにおける仮説を組み合わせて目標の航跡の仮説のつながりを調べることで、スキャン間隔が大きいことによる追尾初期化性能の劣化を防止できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る追尾装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態2に係る追尾装置の構成を示すブロック図である。
【図3】 この発明の実施の形態3に係る追尾装置の構成を示すブロック図である。
【図4】 この発明の実施の形態4に係る追尾装置の構成を示すブロック図である。
【図5】 この発明の実施の形態5に係る追尾装置の構成を示すブロック図である。
【図6】 この発明の実施の形態6に係る追尾装置の構成を示すブロック図である。
【図7】 従来の追尾装置の構成を示すブロック図である。
【図8】 従来の追尾装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】 従来の追尾装置の動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 センサ、2 観測装置、3 メモリ回路、4 航跡設定回路、5A、5B信頼度算出回路、6A、6B 追尾処理部、7A、7B 平滑値算出回路、8A、8B 予測値算出回路、9 メモリ回路、10 航跡設定回路、11 航跡判定回路、12 航跡設定回路、13 メモリ回路、14 航跡設定回路、15A、15B 信頼度算出回路、16 航跡設定回路、17 航跡設定回路、18航跡設定回路。
Claims (7)
- 移動物体を目標として観測するセンサと、
前記センサにより受信された信号から目標の位置を観測データとして出力する観測装置と、
前記観測データを2スキャンの間記憶する第1のメモリ回路と、
前記第1のメモリ回路から伝達された2スキャン分の観測データから各スキャン毎に第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説を設定する第1の航跡設定回路と、
前記第1の航跡設定回路から伝達された第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説のそれぞれについて信頼度を算出する第1の信頼度算出回路と、
スキャン単位で生成された前記各航跡の仮説に含まれる航跡について追尾処理を行う第1の追尾処理部と、
前記第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説を記憶する第2のメモリ回路と、
前記第2のメモリ回路に記憶された第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説に基づき2スキャン分の第3の航跡の仮説を設定する第2の航跡設定回路と、
前記第2の航跡設定回路から伝達された第3の航跡の仮説について信頼度を算出する第2の信頼度算出回路と、
前記第3の航跡の仮説に含まれる航跡について追尾処理を行う第2の追尾処理部と、
前記第2の航跡設定回路から伝達された第3の航跡の仮説とその信頼度を基に目標の航跡を判定する航跡判定回路と
を備えたことを特徴とする追尾装置。 - 前記第1の航跡設定回路は、1スキャン目及び2スキャン目の観測データから第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説を設定する
ことを特徴とする請求項1記載の追尾装置。 - 前記第1の航跡設定回路は、M−1スキャン目及びM(M≧3)スキャン目の観測データから第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説を設定する
ことを特徴とする請求項1記載の追尾装置。 - 前記第1の航跡設定回路は、1スキャン目及び2スキャン目の観測データを基に目標数を推定し、その目標数を基に1スキャン目及び2スキャン目の観測データから第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説を設定する
ことを特徴とする請求項1記載の追尾装置。 - 前記第1の航跡設定回路は、スキャン単位の観測データを基に目標数を推定し、その目標数を基に1スキャン目及び2スキャン目の観測データから第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説を設定する
ことを特徴とする請求項1記載の追尾装置。 - 前記第1の航跡設定回路は、スキャン単位の観測データを基に目標数を推定し、その目標数を基にM−1スキャン目及びM(M≧3)スキャン目の観測データから第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説を設定する
ことを特徴とする請求項1記載の追尾装置。 - 前記第1の航跡設定回路は、1スキャン目及び2スキャン目の観測データからスキャン毎の航跡の仮説を設定し、各スキャンの航跡の仮説のなかから信頼度の大きい方から所定数の航跡の仮説だけ選択して各々第1及び第2のスキャン目の航跡の仮説として出力する
ことを特徴とする請求項1記載の追尾装置。
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