JP3750760B2 - 繰返し使用データ挿入装置およびディジタル放送送信システム - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、番組データに対して繰返し使用データを所定のタイミングで繰り返し挿入する繰返し使用データ挿入装置に関する。また、本発明は、この繰返し使用データ挿入装置を有し、この繰返し使用データ挿入装置により一本化された番組データと繰返し使用データとを送信するディジタル放送送信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ディジタル圧縮技術の進歩により、多数のチャネルの番組データを一本にまとめて伝送する多チャネルディジタル放送システムが実用化されつつある。この多チャネルディジタル放送システムにおいては、各チャネルの番組データに対して繰返し使用データを所定のタイミングで繰返し挿入する機能が必要になる。ここで、繰返し使用データとは、ニュースやコマーシャルなどのデータのように、繰り返し使用されるデータをいう。
【0003】
番組データに対して、繰返し使用データを挿入する場合、従来は、次の2つの挿入構成が用いられていた。第1の挿入構成は、繰返し使用データを非圧縮の状態で番組データに挿入する構成である。第2の挿入構成は、繰返し使用データを圧縮符号化処理と多重化処理とを施した状態で番組データに挿入する構成である。
【0004】
図12は、繰返し使用データの挿入構成として、第1の挿入構成を採用した多チャネルディジタル放送システムの構成を示すブロック図である。
【0005】
図示の多チャネルディジタル放送システムは、放送センタに設けられたディジタル放送送信システム100と、このディジタル放送送信システム100の送出データを中継する通信衛星200と、各視聴者ごとに設けられ、通信衛星200により中継されたデータを受信するディジタル放送受信システム300とを有する。
【0006】
ディジタル放送送信システム100は、N(Nは2以上の整数)チャネル分のビデオテープレコーダ(以下「VTR」という。)110(1)〜110(N)と、切替えスイッチ120と、Nチャネル分の符号化・多重化装置130(1)〜130(N)と、多チャネル化装置140と、送信アンテナ150と、非圧縮の繰返し使用データを管理するサーバ160とを有する。ディジタル放送受信システム300は、受信アンテナ310と、受信端末装置320とを有する。
【0007】
上記構成においては、n(n=1〜N)チャネルの番組データに対して、繰返し使用データを挿入する期間(以下「データ挿入期間」という。)は、nチャネルのVTR110(n)から出力される番組データが切替えスイッチ120を介して対応する符号化・多重化装置130(n)に供給される。これに対し、データ挿入期間以外の期間(以下「データ非挿入期間」という。)は、サーバ160から出力される非圧縮の繰返し使用データが切替えスイッチ120を介して符号化・多重化装置130(n)に供給される。
【0008】
各符号化・多重化装置130(n)に供給されたデータは、各素材データ(ビデオデータやオーディオデータなど)ごとに圧縮符号化された後、多重される。この圧縮符号化処理や多重化処理としては、例えば、MPEG(Motion
Picture Experts Group)2規格の処理が用いられる。
【0009】
Nチャネル分の多重出力は、多チャネル化装置140により多チャネル化された後、送信アンテナ150を介して送信される。この送信データは、通信衛星200により中継された後、受信アンテナ310で受信される。受信端末装置320は、この受信データの中から希望するチャネルのデータを分離し、この分離出力を復号した後、再生する。
【0010】
図13は、繰返し使用データの挿入構成として、第2の挿入構成を採用した多チャネルディジタル放送システムの構成を示すブロック図である。
【0011】
図示のシステムも、ディジタル放送送信システム400と、通信衛星500と、ディジタル放送受信システム600とを有する。ディジタル放送送信システム400は、VTR410(1)〜410(N)と、切替えスイッチ420と、符号化・多重化装置430(1)〜430(N)と、多チャネル化装置440と、送信アンテナ450と、繰返し使用データを管理するサーバ460とを有する。ディジタル放送受信システム600は、受信アンテナ610と、受信端末装置620とを有する。
【0012】
このシステムにおいては、サーバ460は、符号化処理と多重化処理とを受けた繰返し使用データを管理する。すなわち、サーバ460は、繰返し使用データをトランスポートストリームと呼ばれるMPEG2の最終的なビットストリームの状態で管理する。この繰返し使用データは、nチャネルのデータ挿入期間に多チャネル化装置440に供給され、nチャネルの番組データと多重される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
以上、従来の2つの挿入構成を説明したが、上述した挿入構成には、次のような問題があった。
【0014】
(1)まず、第1の挿入構成では、繰返し使用データが圧縮されていないので、この繰返し使用データのデータ量が膨大なものとなる。これにより、この構成では、こ繰返し使用データを保持するための記憶媒体として、記憶容量の大きな記憶媒体が必要になるという問題があった。
【0015】
すなわち、通常、個々の繰返し使用データのデータ量は少ない。しかしながら、多チャネル放送の場合、繰返し使用データの記憶媒体には、通常、千個程度の繰返し使用データが記憶される。したがって、個々の繰返し使用データのデータ量が少なくても、記憶媒体に記憶される繰返し使用データのデータ量は膨大なものとなる。これにより、この第1の挿入構成では、繰返し使用データの記憶媒体として、記憶容量の大きな記憶媒体が必要になるわけである。
【0016】
また、この第1の挿入構成では、繰返し使用データの転送レートとして、全チャネル数分の転送レートが必要になる。これは、全チャネルで同時に異なるコマーシャルやニュースを放送しなければならないことがあるからである。これにより、この構成では、繰返し使用データの記憶媒体等として、高速の記憶媒体等が必要になるという問題があった。
【0017】
(2)次に、第2の挿入構成では、繰返し使用データを圧縮した状態で保持するため、繰返し使用データの記憶媒体の記憶容量を少なくすることができるとともに、繰返し使用データの転送レートを小さくすることができる。しかしながら、繰返し使用データを多重した状態で保持するため、これをを番組データに挿入する場合、時間軸情報(時刻管理情報)を付け替えなければならないという問題があった。
【0018】
また、この第2の挿入構成では、番組データと繰返し使用データとを一点で切り替えて送出すると、本編のビデオやオーディオがとぎれてしまったり、切替え点でノイズが発生したりすることがあるといった問題があった。これは、多チャネルディジタル放送システムにおいては、受信システム600側のバッファメモリの記憶容量を少なくするために、送信システム400側で、ビデオデータとオーディオデータとを多重する場合、時間差を持たせて多重するようになっているためである。
【0019】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、繰返し使用データの記憶容量と転送レートとを低減することができることは勿論、時間軸情報の付替え処理をなくすことができるとともに、ビデオやオーディオの寸断やノイズの発生を防止することができる繰返し使用データ挿入装置およびディジタル放送送信システムを提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明の繰返しデータ挿入装置およびディジタル放送送信システムは、番組データに対して繰返し使用データを所定のタイミングで繰り返し挿入するものにおいて、繰返し使用データをこの繰返し使用データを構成する複数の素材データそれぞれの個別符号化ストリームの状態で保持するデータ保持手段と、番組データに対して、繰返し使用データを挿入するデータ挿入期間以外の期間は、番組データを構成する複数の素材データそれぞれの個別符号化ストリームを多重し、データ挿入期間は、データ保持手段に保持されている繰返し使用データを構成する複数の素材データそれぞれの個別符号化ストリームを多重することにより番組データに対して繰返し使用データを所定のタイミングで繰り返し挿入するデータ多重手段とを備えるようにしたものである。
【0021】
本発明の繰返しデータ挿入装置およびディジタル放送送信システムでは、繰返し使用データは、データ保持手段により、各素材データの個別符号化ストリームの状態で保持される。このような状態において、データ挿入期間以外の期間は、番組データを構成する複数の素材データそれぞれの個別符号化ストリームがデータ多重手段により多重される。これに対し、データ挿入期間は、データ保持手段に保持されている繰返し使用データを構成する複数の素材データそれぞれの個別符号化ストリームが多重される。
【0022】
これにより、番組データと繰返し使用データとが互いに多重されるとともに、各データを構成する複数の個別符号化ストリームも互いに多重される。その結果、番組データのビットストリームに対して、繰返し使用データのビットストリームが所定のタイミングで繰り返し挿入された単一ストリームが得られる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る繰返し使用データ挿入装置およびディジタル放送送信システムの実施の形態を詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明に係る繰返し使用データ挿入装置を備えたディジタル放送送信システムの一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【0025】
図示の送信システムは、番組データを発生するN(Nは2以上の整数)チャネル分のVTR710(1),…,710(N)と、VTR710(1),…,710(N)から出力された番組データの符号化処理や多重化処理を行う符号化・多重化装置720(1)〜720(N)と、VTR710(1)〜710(N)と符号化・多重化装置720(1)〜720(N)とを接続する切替えスイッチ730と、符号化・多重化装置720(1)〜720(N)の多重出力に対して多チャネル化処理を施す多チャネル化装置740と、多チャネル化装置740の多チャネル化出力を送信する送信アンテナ750と、繰返し使用データを管理するサーバ760とを有する。
【0026】
サーバ760は、繰返し使用データをこれを構成する複数の素材データそれぞれの個別符号化ストリーム(エレメンタリストリーム)の状態で管理する。なお、繰返し使用データを構成する複数の素材データとしては、通常、ビデオデータとオーディオデータとの2種類の素材データがある。また、各素材データの圧縮符号化方式としては、通常、MPEG2規格に従った圧縮符号化方式が用いられている。
【0027】
上記構成において、動作を説明する。n(n=1〜N)チャネルのデータ非挿入期間は、nチャネルのVTR710(n)から出力される番組データが切替えスイッチ730を介して対応する符号化・多重化装置720(n)に供給される。
【0028】
符号化・多重化装置720(n)に供給された番組データは、MPEG2規格に従って各素材データごとに圧縮符号化される。これにより、各素材データの個別符号化ストリームが得られる。なお、番組データを構成する素材データとしては、通常、ビデオデータとオーディオデータとがある。
【0029】
この圧縮符号化処理により得られた複数の個別符号化ストリームは、MPEG2規格に従って多重される。これにより、これら複数の個別符号化ストリームが一本化された単一ストリームが得られる。すなわち、MPEG2のパケットストリームの1つであるトランスポートストリームが得られる。
【0030】
これに対し、データ挿入期間は、サーバ760に保持されている繰返し使用データを構成する複数の素材データそれぞれの個別符号化ストリームが符号化・多重化装置720(n)に供給される。符号化・多重化装置720(n)に供給された複数の個別符号化ストリームは、MPEG2規格に従って多重される。これにより、これら複数の個別符号化ストリームが一本化された単一ストリーム(トランスポートストリーム)が得られる。
【0031】
以上から、nチャネルの符号化・多重化装置720(n)では、nチャネルの番組データと繰返し使用データとが互いに多重されるとともに、各データを構成する複数の素材データそれぞれの個別符号化ストリームが互いに多重される。これにより、番組データのビットストリームに対して、繰返し使用データのビットストリームが所定のタイミングで繰り返し挿入された単一ストリームが得られる。
【0032】
なお、この多重処理においては、ビデオデータとオーディオデータとの同期をとるための時間軸情報が付加される。この時間軸情報としては、ビデオデータやオーディオデータをいつ復号すべきかを示すデコーディングタイムスタンプ(DTS:Decoding Time Stamp)と、ビデオデータやオーディオデータの復号結果をいつ再生出力すべきかを示すプレゼンテーションタイムスタンプ(PTS:Presentaion Time Stamp)と、復号や再生出力の時刻基準を示すシステム時刻基準参照値(SCR:System Clock Reference)およびプログラム時刻基準参照値(PCR:Program Clock Reference)とがある。
【0033】
Nチャネル分の符号化・多重化装置720(1)〜720(N)から出力される単一ストリームは、多チャネル化装置740により多チャネル化される。すなわち、これらNチャネル分の単一ストリームは、多重化された後、伝送用の符号化処理や変調処理を受ける。この多チャネル化出力は、送信アンテナ750を介して送信される。
【0034】
図2は、番組データを構成する複数の素材データの個別符号化ストリームの多重化処理と分離処理とを概念的に示す図である。なお、図には、オーディオデータとして、日本語のオーディオデータと英語のオーディオデータとの2つのデータを有する場合を代表として示す。
【0035】
これら3つの素材データの個別符号化ストリームST11〜ST13は、符号化・多重化装置720(n)により多重化される。これにより、これら3つの個別符号化ストリームST11〜ST13が一本化された単一ストリームST20が得られる。この単一ストリームST20は、ディジタル放送受信システムに設けられた受信端末装置により、各個別符号化ストリームST11〜ST13に分離される。なお、詳細な説明は省略するが、繰返し使用データの個別符号化ストリームも同じようにして多重された後、分離される。
【0036】
図3は、番組データと繰返し使用データとの多重処理を示す図である。なお、図には、番組データが映画のデータであり、繰返し使用データがコマーシャルCMのデータである場合を示す。また、図には、映画データがビデオデータと日本語(日)のオーディオデータと英語(英)のオーディオデータとからなり、コマーシャルデータがビデオデータと日本語のオーディオデータとからなる場合を示す。
【0037】
図示のごとく、データ非挿入期間TN(1),TN(2),…は、映画データを構成する3つの素材データそれぞれの個別符号化ストリームが多重される。これに対し、データ挿入期間TI(1),…は、コマーシャルデータを構成する2つの素材データそれぞれの個別符号化ストリームが多重される。これにより、映画データとコマーシャルデータとが互いに多重されるとともに、各データを構成する複数の素材データそれぞれの個別符号化ストリームが多重される。その結果、映画データの複数の個別符号ストリームとコマーシャルデータの複数の個別符号ストリームとが一本化された単一ストリームが得られる。
【0038】
図4は、図1に示す符号化・多重化装置720(n)とサーバ760との構成を示すブロック図である。
【0039】
図示のごとく、符号化・多重化装置720(n)は、VTR710(n)から供給される番組データを構成するビデオデータVDを圧縮符号化するビデオ符号化器721(n)と、同じくオーディオデータADを圧縮符号化するオーディオ符号化器722(n)とを有する。なお、図には、オーディオデータADが1つである場合を示す。
【0040】
また、この符号化・多重化装置720(n)は、サーバ760から出力される繰返し使用データを構成するビデオデータVDを一時的に保持するための先入れ先出し(以下「FIFO」という。)方式のメモリ部724(n)と、同じくオーディオデータADを一時的に保持するためのFIFOメモリ部725(n)と、これらFIFOメモリ部724(n),725(n)に記憶されているデータの残量を検出するためのFIFO制御回路726(n)を有する。
【0041】
さらに、この符号化・多重化装置720(n)は、符号化器721(n),722(n)から出力される2つの個別符号化ストリームとFIFOメモリ部724(n),725(n)から出力される2つの個別符号化ストリームとをMPEG2規格に従って多重する多重化器727(n)と、この多重化器727(n)の多重動作を制御するための多重制御部728(n)とを有する。ここで、多重制御部728(n)は、例えば、中央処理装置(CPU)によって構成されている。
【0042】
サーバ760は、繰返し使用データを保持するためのハードディスクアレイ761と、このハードディスクアレイ761を制御するためのディスク制御装置762とを有する。ここで、ディスク制御装置762は、例えば、コンピュータによって構成されている。
【0043】
図5は、ハードディスクアレイ761におけるデータの記憶構成を示す図である。なお、図には、繰返し使用データがコマーシャルデータである場合を代表として示す。図示のごとく、ハードディスクアレイ761には、各コマーシャルCM(m)(m=1,2,…)ごとに、ファイルが設定されている。
【0044】
各コマーシャルCM(m)のファイルは、図6に示すように、ビデオデータVDを記憶するためのビデオファイルVF(m)(図6(a)参照)と、オーディオデータADを記憶するためのオーディオファイルAF(m)(図6(b)参照)と、サイズデータVSD,ASDを記憶するためのサイズファイルSF(m)(図6(c)参照)とを有する。
【0045】
ビデオファイルVF(m)には、ビデオデータVDが各フレームごとに記憶されている。オーディオファイルAF(m)には、オーディオデータADが各フレームごとに記憶されている。サイズファイルSF(m)には、ビデオデータのサイズを示すサイズデータVSDと、オーディオデータADのサイズを示すサイズデータASDとが各フレームごとに記憶されている。
【0046】
なお、ビデオデータVDやオーディオデータADは、個別符号化ストリームの状態で記憶されている。また、サイズデータVSD,ASDは、ビデオデータVDやオーディオデータADを圧縮符号化する際に得られたものが記憶されている。この圧縮符号化処理は、例えば、番組データの圧縮符号化処理を行わない期間に、番組データ用の符号化・多重化装置720(1)〜720(N)のいずれか1つを使って行われる。
【0047】
上記構成において、動作を説明する。nチャネルのデータ非挿入期間においては、図1のVTR710(n)から出力される番組データを構成するビデオデータVDがビデオ符号化器721(n)に供給され、オーディオデータADがオーディオ符号化器722(n)に供給される。符号化器721(n),722(n)に供給されたビデオデータVDやオーディオデータADは、MPEG2規格に従って圧縮符号化される。これにより、ビデオデータVDやオーディオデータADの個別符号化ストリームが得られる。これら2つの個別符号化ストリームは、多重化器727(n)により多重される。これにより、これら2つの個別符号化ストリームが一本化された単一ストリーム(トランスポートストリーム)が得られる。
【0048】
また、このnチャネルのデータ非挿入期間においては、ハードディスクアレイ761に格納されているコマーシャルデータを構成するビデオデータVDやオーディオデータVDの個別符号化ストリームがFIFOメモリ部724(n),725(n)に転送される。FIFOメモリ部724(n),725(n)に転送されたビデオデータVDやオーディオデータADの個別符号化ストリームは、データ挿入期間に、多重化器727(n)により多重される。これにより、これら2つの個別符号化ストリームが一本化された単一ストリーム(トランスポートストリーム)が得られる。
【0049】
多重化器727(n)の多重処理は、多重制御部728(n)により制御される。また、ハードディスクアレイ761からFIFOメモリ部724(n),725(n)への個別符号化ストリームの転送は、ディスク制御装置762によって制御される。
【0050】
図7は、多重制御部728(n)の制御動作を示すフローチャートである。なお、図7には、繰返し使用データとしてコマーシャルデータを使用する場合を示す。以下、この図7を参照しながら、多重制御部728(n)の制御動作を説明する。
【0051】
図示の処理においては、多重制御部728(n)は、まず、ディスク制御装置762に対して、コマーシャルデータの転送を要求する(ステップS101)。これにより、ハードディスクアレイ761に格納されているコマーシャルCM(m)のデータがFIFOメモリ部724(n),725(n)に転送される。
【0052】
この場合、コマーシャルCM(m)のビデオファイルVF(m)に格納されているビデオデータVDの個別符号化ストリームは、FIFOメモリ部724(n)に転送され、オーディオファイルAF(m)に格納されているオーディオデータADの個別符号化ストリームは、FIFOメモリ部725(n)に転送される。この転送処理は、FIFOメモリ部724(n),725(n)が満杯状態になるまで実行される。この場合、FIFOメモリ部724(n),725(n)の記憶容量は、複数のコマーシャルCM(m)のデータを記憶可能な容量に設定されている。したがって、この転送処理により、FIFOメモリ部724(n),725(n)には、複数のコマーシャルCM(m)のデータが格納されることになる。
【0053】
次に、多重制御装部728(n)は、番組データの多重処理を制御する(ステップS102)。これにより、符号化器721(n),722(n)により圧縮符号化されたビデオデータVDとオーディオデータVDの個別符号化ストリームが多重化器727(n)によって多重される。
【0054】
この多重処理の制御は、次のようにして行われる。すなわち、多重制御部728(n)は、まず、符号化器721(n),722(n)に対して、ビデオデータVDとオーディオデータADそれぞれのサイズを示すサイズデータVSD,ASDを要求する。これにより、符号化器721(n),722(n)から多重制御部728(n)に、ビデオデータVDとオーディオデータADそれぞれの複数フレーム分(例えば、15フレーム分)のサイズデータVSD,ASDが供給される。
【0055】
次に、多重制御部728(n)は、受け取った複数フレーム分のサイズデータVSD,ASDに基づいて、ビデオデータVDとオーディオデータADとの多重化計画を立てる。ここで、多重化計画とは、ビデオデータVDとオーディオデータADとをそれぞれどのタイミングでどのくらい多重するかを示す計画である。この多重化計画を立てるのは、ビデオデータVDが可変長圧縮符号化方式によって圧縮符号化されるためである。すなわち、このような構成では、多重化計画を立てないと、ビデオデータVDが部分的に多くなりすぎたり、少なくなりすぎたりして、ビデオデータVDとオーディオデータADとのバランスがくずれるからである。
【0056】
なお、多重化計画を立てる場合、1フレーム単位ではなく、複数フレーム単位で立てるのは、より適切な多重化計画を立てるためである。すなわち、このような構成によれば、フレームごとのサイズの変化を考慮することができるため、より適切な多重化計画を立てることができるわけである。
【0057】
次に、多重制御部728(n)は、立てた多重化計画に基づいて、符号化器721(n),722(n)に対して、複数のフレーム分の個別符号化ストリームの転送を要求するとともに、多重化器727(n)に対して、複数のフレーム分の個別符号化ストリームの多重を要求する。これにより、符号化器721(n),722(n)から複数のフレーム分の個別符号化ストリームが多重化計画に従って出力される。そして、これら複数フレーム分の個別符号化ストリームは、多重化器727(n)により、多重化計画に従って多重される。
【0058】
複数フレーム分の多重処理の制御が終了すると、多重制御部728(n)は、番組データからコマーシャルデータへの切替え時刻になったか否かを判定する(ステップS103)。すなわち、データ挿入期間の開始時刻になったか否かを判定する。コマーシャルデータへの切替え時刻でなければ、多重制御部728(n)は、ステップS102に戻り、多重処理の制御を継続する。これにより、次の複数フレーム分の多重処理の制御が実行される。以下、同様に、コマーシャルデータへの切替え時刻になるまで、多重処理の制御が続けられる。
【0059】
この状態で、コマーシャルデータへの切替え時刻になると、多重制御部728(n)は、ディスク制御装置762に対して、コマーシャルデータのサイズを示すサイズデータVSD,ASDの転送を要求する(ステップS104)。これにより、ハードディスクアレイ761のサイズファイルSF(m)に格納されているビデオデータのサイズデータVSDとオーディオデータADのサイズデータASDとが多重制御部728(n)に供給される。この場合も、サイズデータVSD,ASDは、複数フレーム分供給される。
【0060】
次に、多重制御部728(n)は、ディスク制御装置762から供給される複数フレーム分のサイズデータVSD,ASDに基づいて、コマーシャルデータを構成するビデオデータVDとオーディオデータADとの複数フレーム分の多重化計画を立てる(ステップS105)。
【0061】
次に、多重制御部728(n)は、立てた多重化計画に基づいて、FIFOメモリ部724(n),725(n)に対して、複数フレーム分の個別符号化ストリームの転送を要求するとともに、多重化器727(n)に対して、複数フレーム分の個別符号化ストリームの多重を要求する。これにより、FIFOメモリ部724(n),725(n)から複数フレーム分の個別符号化ストリームが多重化計画に従って出力される。そして、これら複数フレーム分の個別符号化ストリームは、多重化器727により、多重化計画に従って多重される。
【0062】
この複数フレーム分の多重処理の制御が終了すると、多重制御部728(n)は、1コマーシャル分の多重処理が終了したか否かを判定する(ステップS107)。すなわち、ビットレート挿入期間の終了時刻になったか否かを判定する。1コマーシャル分の多重処理が終了していなければ、ステップS104に戻り、多重処理の制御を継続する。これにより、次の複数フレーム分の多重処理の制御が実行される。以下、同様に、1コマーシャル分の多重処理が終了するまで、多重処理の制御が続けられる。
【0063】
この状態で、1コマーシャル分の多重処理が終了すると、多重制御部728(n)は、ステップS101に戻る。これにより、再び、上述した番組データと繰返し使用データの多重処理の制御が実行される。以下、同様に、1コマーシャル分の多重処理が終了するたびに、上述した処理が繰り返される。
【0064】
図8は、ディスク制御装置762の制御動作を示すフローチャートである。以下、この図8を参照しながら、ディスク制御装置762の制御動作を説明する。
【0065】
図示の処理は、多重制御部728(n)からコマーシャルデータの転送要求(図7のステップS101で出力される転送要求)を受けるたびに実行される。この処理においては、ディスク制御装置762は、まず、FIFO制御回路726(n)により検出されたコマーシャルデータの残量に基づいて、FIFOメモリ部724(n),725(n)の空き量を計算する(ステップS201)。この空き量は、転送要求が最初の転送要求である場合は、FIFOメモリ部724(n),725(n)の記憶容量に一致する。これに対し、転送要求が2回目以降の転送要求である場合は、多重処理が終了したばかりのコマーシャルCM(m)のデータ量に一致する。
【0066】
次に、ディスク制御装置762は、nチャネルのコマーシャルリストを検索し、ハードディスクアレイ761からFIFOメモリ部724(n),725(n)にデータを転送すべきコマーシャルCM(m)を判定する(ステップS202)。ここで、コマーシャルリストとは、コマーシャルCM(m)の送出順序を示すリストである。このコマーシャルリストは、例えば、ディスク制御装置762の内部メモリに格納されている。
【0067】
次に、ディスク制御装置762は、ステップS202で判定したコマーシャルCM(m)のデータをステップS201で計算した空き量だけ準備する(ステップS203)。すなわち、ハードディスクアレイ761上のビデオファイルVF(m)やオーディオファイルAF(m)からビデオデータVDやオーディオデータADをFIFOメモリ部724(n),725(n)の空き量だけ読み出す。
【0068】
次に、ディスク制御装置762は、準備したビデオデータVDやオーディオデータADをFIFOメモリ部724(n),725(n)に転送する。これにより、FIFOメモリ部724(n),725(n)は、満杯状態に設定される。
【0069】
次に、ディスク制御装置762は、多重制御部728(n)からサイズデータVSD,ASDの転送要求(図7のステップS104で出力される転送要求)受けた否かを判定する(ステップS205)。この判定処理は、転送要求が送られてくるまで続けられる。
【0070】
この転送要求が送られてくると、ディスク制御装置762は、多重制御部728(n)に対し、多重処理を行うべきコマーシャルCM(m)のサイズデータVSD,ASDを転送する(ステップS206)。この転送は、ハードディスクアレイ761上のサイズファイルSF(m)からサイズデータVSD,ASDを読み出すことにより行われる。また、この転送は、転送要求が送られてくるたびに、複数フレーム分のサイズデータVSD,ASDを転送するようにして行われる。さらに、この転送は、転送要求が送られてこなくなるまで続けられる。
【0071】
転送要求が送られてこなくなると、サイズデータVSD,ASDの転送処理が終了する。この転送処理が終了すると、ディスク制御装置762の制御動作は終了する。このあと、多重制御部728(n)から再びコマーシャルデータの転送要求が送られてくると、上述した処理が実行される。
【0072】
図9は、nチャネルのコマーシャルリストの一例を示す図である。図には、コマーシャル番号1,2,3,4,…のコマーシャルCM(m)を、CM(1),CM(2),CM(3),CM(6),CM(4),…の順に送出する場合を示す。
【0073】
図10は、ビデオデータVD用のFIFOメモリ部724(n)の記憶容量とビデオデータVDのデータ量との関係を示す図である。図において、ビデオデータVDは、コマーシャルCM(m)の送出順序に従って並べてある。図示のごとく、FIFOメモリ部724(n)の記憶容量は、複数のコマーシャルCM(m)のビデオデータVDを記憶可能な容量に設定されている。
【0074】
図11は、FIFOメモリ部724(n)に記憶されるビデオデータVDの変化を示す図である。ここで、図11(a)は、多重制御部728(n)から未だコマーシャルデータの転送要求が発生していない場合を示す。この場合、FIFOメモリ部724(n)には、まったくビデオデータVDが格納されていない。
【0075】
同図(b)は、多重制御部728(n)から最初の転送要求が発生した場合を示す。この場合、FIFOメモリ部724(n)には、例えば、コマーシャルCM(1),CM(2)のビデオデータVDのすべてとコマーシャルCM(3)のビデオデータVDの一部とが格納される。
【0076】
同図(c)は、多重制御部728(n)から2番目の転送要求が発生した場合を示す。この場合、FIFOメモリ部724(n)には、コマーシャルCM(1)のビデオデータVDが読み出された分だけデータが補充される。図には、コマーシャルCM(3)のビデオデータVDの残りとコマーシャルCM(6)ビデオデータVDの一部とが補充された場合を示す。これにより、FIFOメモリ部724(n)には、例えば、コマーシャルCM(2),CM(3)のビデオデータVDのすべてとコマーシャルCM(6)のビデオデータVDの一部とが格納される。
【0077】
以下、同様に、多重制御部728(n)から転送要求が発生するたびに、上述した補充動作が行われる。その結果、FIFOメモリ部724(n)は満杯状態に設定される。なお、詳細な説明は省略するが、オーディオデータAD用のFIFOメモリ部725(n)においても、同じような処理が行われる。
【0078】
以上詳述した本実施の形態によれば、繰返し使用データを保存する場合、圧縮された状態で保存するようにしたので、繰返し使用データのデータ量を少なくすることができる。これにより、この繰返し使用データを保持するための記憶容量を小さくすることができるとともに、この繰返し使用データを転送するため転送レートを小さくすることができる。
【0079】
また、本実施の形態によれば、繰返し使用データを保存する場合、多重する前の個別符号化ストリームの状態で保存するようにしたので、時間軸情報を付け替えるための回路を省略することができるとともに、本編のビデオやオーディオの寸断やノイズの発生を防止することができる。
【0080】
また、このような構成によれば、番組データを多重するための多重化器727(n)を若干割り増しするだけで、繰返し使用データを多重することができるので、回路規模の拡大を防止することができる。
【0081】
また、本実施の形態によれば、バッファ用のFIFOメモリ部724(n),725(n)を設け、データ非挿入期間に、このFIFOメモリ部724(n),725(n)に繰返し使用データを転送しておくようにしたので、繰返し使用データの転送レートをさらに小さくすることができる。具体的には、従来の第2の挿入構成と比較しても、転送レートを約T1/T2(T1:繰返し使用データの送出時間、T2:番組データの送出時間)まで低下させることができる。これにより、ハードディスクアレイ761として、従来よりかなり低速のハードディスクアレイを用いることができる。また、通常、遠隔に設けられるサーバ760と符号化・多重化装置720(n)との間のデータ転送をRS232Cケーブルなどの低速のケーブルを介して行うことができる。
【0082】
また、本実施の形態によれば、繰返し使用データを圧縮符号化する際に得られたサイズデータVSD,ASDも保存しておくようにしたので、繰返し使用データのサイズを検出するための回路を省略することができる。
【0083】
すなわち、繰返し使用データのサイズデータVSD,ASDを保存しない場合は、ハードディスクアレイ761から読み出された繰返し使用データを監視することにより、そのサイズを検出しなければならない。しかしながら、このような構成では、サイズを検出するための回路が別途必要になる。これに対し、本形態では、繰返し使用データを圧縮符号化する際に得られたサイズデータVSD,ASDを保存しておくようにしたので、上述したようなサイズ検出回路が不要となる。これにより、本実施の形態によれば、全体の回路構成を簡単化することができる。
【0084】
また、本実施の形態によれば、繰返し使用データの多重化計画を立てる場合、複数フレーム分のサイズデータに基づいて立てるようにしたので、フレームごとのサイズの変化を考慮して立てることができる。これにより、1フレーム分のサイズデータに基づいて多重化計画を立てる場合よりも、より適切な多重化計画を立てることができる。
【0085】
以上、本発明の一実施の形態を詳細に説明したが、本発明は、上述したような実施の形態に限定されるものではない。
【0086】
例えば、先の実施の形態では、FIFOメモリ部724(n),725(n)とFIFO制御回路726(n)とを符号化・多重化装置720(n)に設ける場合を説明した。しかしながら、本発明では、これらを例えばサーバ760に設けるようにしてもよい。
【0087】
また、先の実施の形態では、繰返し使用データのサイズデータVSD,ASDを保存する場合、サイズデータ専用のファイルSFを設ける場合を説明した。しかしながら、本発明では、これをビデオファイルVFあるいはオーディオファイルAFに格納しておくようにしてもよい。
【0088】
また、先の実施の形態では、繰返し使用データを一時的に記憶するためのバッファメモリ部(先の実施の形態では、FIFOメモリ部724(n),725(n))を1段設ける場合を説明した。しかしながら、本発明では、これを2段直列に設けるようにしてもよい。すなわち、前段に記憶容量の大きいバッファメモリ部を設け、後段に記憶容量の小さいバッファメモリ部を設けるようにしてもよい。
【0089】
このほかにも、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々様々変形実施可能なことは勿論である。
【0090】
【発明の効果】
以上詳述したように請求項1記載の繰返し使用データ挿入装置または請求項5,9記載のディジタル放送送信システムによれば、繰返し使用データを保存する場合、圧縮された状態で保存するようにしたので、繰返し使用データのデータ量を少なくすることができる。これにより、この繰返し使用データを記憶するための記憶容量や転送するための転送レートを低減することができる。
【0091】
また、この請求項1記載の繰返し使用データ挿入装置または請求項5,9記載のディジタル放送送信システムによれば、繰返し使用データを保存する場合、多重する前の個別符号化ストリームの状態で保存するようにしたので、時間軸情報を付け替えるための回路を省略することができるとともに、本編のビデオやオーディオの寸断やノイズの発生を防止することができる。
【0092】
また、この請求項1記載の繰返し使用データ挿入装置または請求項5,9記載のディジタル放送送信システムによれば、番組データを多重するための手段を若干割り増しするだけで、繰返し使用データを多重することができるので、全体の回路規模の拡大を防止することができる。
【0093】
また、請求項2,3記載の繰返し使用データ挿入装置または請求項6,7記載のディジタル放送送信システムによれば、各チャネルごとに繰返し使用データを一時的に保持する一時保持手段を設け、データ非挿入期間にこの一時保持手段に繰返し使用データを転送しておくようにしたので、繰返し使用データの転送レートをさらに小さくすることができる。これにより、繰返し使用データを保持するためのデータ保持手段として、従来よりかなり低速のデータ保持手段を用いることができる。
【0094】
また、請求項4記載の繰返し使用データ挿入装置または請求項8記載のディジタル放送送信システムによれば、繰返し使用データを保存しておく場合、そのサイズデータも保存しておくようにしたので、繰返し使用データのサイズを検出するための回路を省略することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る繰返しデータ挿入装置およびディジタル放送送信システムの一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】番組データの多重処理と分離処理の一例を概念的に示す図である。
【図3】番組データと繰返し使用データとの多重処理を示す図である。
【図4】符号化・多重化装置とサーバとの構成を示すブロック図である。
【図5】ハードディスクアレイにおけるデータの記憶構成を示す図である。
【図6】コマーシャルのファイル構成を示す図である。
【図7】多重制御部の制御動作を示すフローチャートである。
【図8】ディスク制御装置の制御動作を示すフローチャートである。
【図9】コマーシャルリストの一例を示す図である。
【図10】FIFOメモリ部の記憶容量を示す図である。
【図11】FIFOメモリ部に記憶されるデータの変化を示す図である。
【図12】従来の繰返し使用データの挿入構成の一例を示す図である。
【図13】従来の繰返し使用データの挿入構成の他の例を示す図である。
【符号の説明】
710(1)〜710(N)…VTR、720(1)〜720(N)…符号化・多重化装置、730…切替えスイッチ、740…多チャネル化装置、750…送信アンテナ、760…サーバ、721(n)…ビデオ符号化器、722(n)…オーディオ符号化器、724(n),725(n)…FIFOメモリ部、726(n)…FIFO制御回路、727(n)…多重化器、728(n)…多重制御部、761…ハードディスクアレイ、762…ディスク制御装置。
【発明の属する技術分野】
本発明は、番組データに対して繰返し使用データを所定のタイミングで繰り返し挿入する繰返し使用データ挿入装置に関する。また、本発明は、この繰返し使用データ挿入装置を有し、この繰返し使用データ挿入装置により一本化された番組データと繰返し使用データとを送信するディジタル放送送信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ディジタル圧縮技術の進歩により、多数のチャネルの番組データを一本にまとめて伝送する多チャネルディジタル放送システムが実用化されつつある。この多チャネルディジタル放送システムにおいては、各チャネルの番組データに対して繰返し使用データを所定のタイミングで繰返し挿入する機能が必要になる。ここで、繰返し使用データとは、ニュースやコマーシャルなどのデータのように、繰り返し使用されるデータをいう。
【0003】
番組データに対して、繰返し使用データを挿入する場合、従来は、次の2つの挿入構成が用いられていた。第1の挿入構成は、繰返し使用データを非圧縮の状態で番組データに挿入する構成である。第2の挿入構成は、繰返し使用データを圧縮符号化処理と多重化処理とを施した状態で番組データに挿入する構成である。
【0004】
図12は、繰返し使用データの挿入構成として、第1の挿入構成を採用した多チャネルディジタル放送システムの構成を示すブロック図である。
【0005】
図示の多チャネルディジタル放送システムは、放送センタに設けられたディジタル放送送信システム100と、このディジタル放送送信システム100の送出データを中継する通信衛星200と、各視聴者ごとに設けられ、通信衛星200により中継されたデータを受信するディジタル放送受信システム300とを有する。
【0006】
ディジタル放送送信システム100は、N(Nは2以上の整数)チャネル分のビデオテープレコーダ(以下「VTR」という。)110(1)〜110(N)と、切替えスイッチ120と、Nチャネル分の符号化・多重化装置130(1)〜130(N)と、多チャネル化装置140と、送信アンテナ150と、非圧縮の繰返し使用データを管理するサーバ160とを有する。ディジタル放送受信システム300は、受信アンテナ310と、受信端末装置320とを有する。
【0007】
上記構成においては、n(n=1〜N)チャネルの番組データに対して、繰返し使用データを挿入する期間(以下「データ挿入期間」という。)は、nチャネルのVTR110(n)から出力される番組データが切替えスイッチ120を介して対応する符号化・多重化装置130(n)に供給される。これに対し、データ挿入期間以外の期間(以下「データ非挿入期間」という。)は、サーバ160から出力される非圧縮の繰返し使用データが切替えスイッチ120を介して符号化・多重化装置130(n)に供給される。
【0008】
各符号化・多重化装置130(n)に供給されたデータは、各素材データ(ビデオデータやオーディオデータなど)ごとに圧縮符号化された後、多重される。この圧縮符号化処理や多重化処理としては、例えば、MPEG(Motion
Picture Experts Group)2規格の処理が用いられる。
【0009】
Nチャネル分の多重出力は、多チャネル化装置140により多チャネル化された後、送信アンテナ150を介して送信される。この送信データは、通信衛星200により中継された後、受信アンテナ310で受信される。受信端末装置320は、この受信データの中から希望するチャネルのデータを分離し、この分離出力を復号した後、再生する。
【0010】
図13は、繰返し使用データの挿入構成として、第2の挿入構成を採用した多チャネルディジタル放送システムの構成を示すブロック図である。
【0011】
図示のシステムも、ディジタル放送送信システム400と、通信衛星500と、ディジタル放送受信システム600とを有する。ディジタル放送送信システム400は、VTR410(1)〜410(N)と、切替えスイッチ420と、符号化・多重化装置430(1)〜430(N)と、多チャネル化装置440と、送信アンテナ450と、繰返し使用データを管理するサーバ460とを有する。ディジタル放送受信システム600は、受信アンテナ610と、受信端末装置620とを有する。
【0012】
このシステムにおいては、サーバ460は、符号化処理と多重化処理とを受けた繰返し使用データを管理する。すなわち、サーバ460は、繰返し使用データをトランスポートストリームと呼ばれるMPEG2の最終的なビットストリームの状態で管理する。この繰返し使用データは、nチャネルのデータ挿入期間に多チャネル化装置440に供給され、nチャネルの番組データと多重される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
以上、従来の2つの挿入構成を説明したが、上述した挿入構成には、次のような問題があった。
【0014】
(1)まず、第1の挿入構成では、繰返し使用データが圧縮されていないので、この繰返し使用データのデータ量が膨大なものとなる。これにより、この構成では、こ繰返し使用データを保持するための記憶媒体として、記憶容量の大きな記憶媒体が必要になるという問題があった。
【0015】
すなわち、通常、個々の繰返し使用データのデータ量は少ない。しかしながら、多チャネル放送の場合、繰返し使用データの記憶媒体には、通常、千個程度の繰返し使用データが記憶される。したがって、個々の繰返し使用データのデータ量が少なくても、記憶媒体に記憶される繰返し使用データのデータ量は膨大なものとなる。これにより、この第1の挿入構成では、繰返し使用データの記憶媒体として、記憶容量の大きな記憶媒体が必要になるわけである。
【0016】
また、この第1の挿入構成では、繰返し使用データの転送レートとして、全チャネル数分の転送レートが必要になる。これは、全チャネルで同時に異なるコマーシャルやニュースを放送しなければならないことがあるからである。これにより、この構成では、繰返し使用データの記憶媒体等として、高速の記憶媒体等が必要になるという問題があった。
【0017】
(2)次に、第2の挿入構成では、繰返し使用データを圧縮した状態で保持するため、繰返し使用データの記憶媒体の記憶容量を少なくすることができるとともに、繰返し使用データの転送レートを小さくすることができる。しかしながら、繰返し使用データを多重した状態で保持するため、これをを番組データに挿入する場合、時間軸情報(時刻管理情報)を付け替えなければならないという問題があった。
【0018】
また、この第2の挿入構成では、番組データと繰返し使用データとを一点で切り替えて送出すると、本編のビデオやオーディオがとぎれてしまったり、切替え点でノイズが発生したりすることがあるといった問題があった。これは、多チャネルディジタル放送システムにおいては、受信システム600側のバッファメモリの記憶容量を少なくするために、送信システム400側で、ビデオデータとオーディオデータとを多重する場合、時間差を持たせて多重するようになっているためである。
【0019】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、繰返し使用データの記憶容量と転送レートとを低減することができることは勿論、時間軸情報の付替え処理をなくすことができるとともに、ビデオやオーディオの寸断やノイズの発生を防止することができる繰返し使用データ挿入装置およびディジタル放送送信システムを提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明の繰返しデータ挿入装置およびディジタル放送送信システムは、番組データに対して繰返し使用データを所定のタイミングで繰り返し挿入するものにおいて、繰返し使用データをこの繰返し使用データを構成する複数の素材データそれぞれの個別符号化ストリームの状態で保持するデータ保持手段と、番組データに対して、繰返し使用データを挿入するデータ挿入期間以外の期間は、番組データを構成する複数の素材データそれぞれの個別符号化ストリームを多重し、データ挿入期間は、データ保持手段に保持されている繰返し使用データを構成する複数の素材データそれぞれの個別符号化ストリームを多重することにより番組データに対して繰返し使用データを所定のタイミングで繰り返し挿入するデータ多重手段とを備えるようにしたものである。
【0021】
本発明の繰返しデータ挿入装置およびディジタル放送送信システムでは、繰返し使用データは、データ保持手段により、各素材データの個別符号化ストリームの状態で保持される。このような状態において、データ挿入期間以外の期間は、番組データを構成する複数の素材データそれぞれの個別符号化ストリームがデータ多重手段により多重される。これに対し、データ挿入期間は、データ保持手段に保持されている繰返し使用データを構成する複数の素材データそれぞれの個別符号化ストリームが多重される。
【0022】
これにより、番組データと繰返し使用データとが互いに多重されるとともに、各データを構成する複数の個別符号化ストリームも互いに多重される。その結果、番組データのビットストリームに対して、繰返し使用データのビットストリームが所定のタイミングで繰り返し挿入された単一ストリームが得られる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る繰返し使用データ挿入装置およびディジタル放送送信システムの実施の形態を詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明に係る繰返し使用データ挿入装置を備えたディジタル放送送信システムの一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【0025】
図示の送信システムは、番組データを発生するN(Nは2以上の整数)チャネル分のVTR710(1),…,710(N)と、VTR710(1),…,710(N)から出力された番組データの符号化処理や多重化処理を行う符号化・多重化装置720(1)〜720(N)と、VTR710(1)〜710(N)と符号化・多重化装置720(1)〜720(N)とを接続する切替えスイッチ730と、符号化・多重化装置720(1)〜720(N)の多重出力に対して多チャネル化処理を施す多チャネル化装置740と、多チャネル化装置740の多チャネル化出力を送信する送信アンテナ750と、繰返し使用データを管理するサーバ760とを有する。
【0026】
サーバ760は、繰返し使用データをこれを構成する複数の素材データそれぞれの個別符号化ストリーム(エレメンタリストリーム)の状態で管理する。なお、繰返し使用データを構成する複数の素材データとしては、通常、ビデオデータとオーディオデータとの2種類の素材データがある。また、各素材データの圧縮符号化方式としては、通常、MPEG2規格に従った圧縮符号化方式が用いられている。
【0027】
上記構成において、動作を説明する。n(n=1〜N)チャネルのデータ非挿入期間は、nチャネルのVTR710(n)から出力される番組データが切替えスイッチ730を介して対応する符号化・多重化装置720(n)に供給される。
【0028】
符号化・多重化装置720(n)に供給された番組データは、MPEG2規格に従って各素材データごとに圧縮符号化される。これにより、各素材データの個別符号化ストリームが得られる。なお、番組データを構成する素材データとしては、通常、ビデオデータとオーディオデータとがある。
【0029】
この圧縮符号化処理により得られた複数の個別符号化ストリームは、MPEG2規格に従って多重される。これにより、これら複数の個別符号化ストリームが一本化された単一ストリームが得られる。すなわち、MPEG2のパケットストリームの1つであるトランスポートストリームが得られる。
【0030】
これに対し、データ挿入期間は、サーバ760に保持されている繰返し使用データを構成する複数の素材データそれぞれの個別符号化ストリームが符号化・多重化装置720(n)に供給される。符号化・多重化装置720(n)に供給された複数の個別符号化ストリームは、MPEG2規格に従って多重される。これにより、これら複数の個別符号化ストリームが一本化された単一ストリーム(トランスポートストリーム)が得られる。
【0031】
以上から、nチャネルの符号化・多重化装置720(n)では、nチャネルの番組データと繰返し使用データとが互いに多重されるとともに、各データを構成する複数の素材データそれぞれの個別符号化ストリームが互いに多重される。これにより、番組データのビットストリームに対して、繰返し使用データのビットストリームが所定のタイミングで繰り返し挿入された単一ストリームが得られる。
【0032】
なお、この多重処理においては、ビデオデータとオーディオデータとの同期をとるための時間軸情報が付加される。この時間軸情報としては、ビデオデータやオーディオデータをいつ復号すべきかを示すデコーディングタイムスタンプ(DTS:Decoding Time Stamp)と、ビデオデータやオーディオデータの復号結果をいつ再生出力すべきかを示すプレゼンテーションタイムスタンプ(PTS:Presentaion Time Stamp)と、復号や再生出力の時刻基準を示すシステム時刻基準参照値(SCR:System Clock Reference)およびプログラム時刻基準参照値(PCR:Program Clock Reference)とがある。
【0033】
Nチャネル分の符号化・多重化装置720(1)〜720(N)から出力される単一ストリームは、多チャネル化装置740により多チャネル化される。すなわち、これらNチャネル分の単一ストリームは、多重化された後、伝送用の符号化処理や変調処理を受ける。この多チャネル化出力は、送信アンテナ750を介して送信される。
【0034】
図2は、番組データを構成する複数の素材データの個別符号化ストリームの多重化処理と分離処理とを概念的に示す図である。なお、図には、オーディオデータとして、日本語のオーディオデータと英語のオーディオデータとの2つのデータを有する場合を代表として示す。
【0035】
これら3つの素材データの個別符号化ストリームST11〜ST13は、符号化・多重化装置720(n)により多重化される。これにより、これら3つの個別符号化ストリームST11〜ST13が一本化された単一ストリームST20が得られる。この単一ストリームST20は、ディジタル放送受信システムに設けられた受信端末装置により、各個別符号化ストリームST11〜ST13に分離される。なお、詳細な説明は省略するが、繰返し使用データの個別符号化ストリームも同じようにして多重された後、分離される。
【0036】
図3は、番組データと繰返し使用データとの多重処理を示す図である。なお、図には、番組データが映画のデータであり、繰返し使用データがコマーシャルCMのデータである場合を示す。また、図には、映画データがビデオデータと日本語(日)のオーディオデータと英語(英)のオーディオデータとからなり、コマーシャルデータがビデオデータと日本語のオーディオデータとからなる場合を示す。
【0037】
図示のごとく、データ非挿入期間TN(1),TN(2),…は、映画データを構成する3つの素材データそれぞれの個別符号化ストリームが多重される。これに対し、データ挿入期間TI(1),…は、コマーシャルデータを構成する2つの素材データそれぞれの個別符号化ストリームが多重される。これにより、映画データとコマーシャルデータとが互いに多重されるとともに、各データを構成する複数の素材データそれぞれの個別符号化ストリームが多重される。その結果、映画データの複数の個別符号ストリームとコマーシャルデータの複数の個別符号ストリームとが一本化された単一ストリームが得られる。
【0038】
図4は、図1に示す符号化・多重化装置720(n)とサーバ760との構成を示すブロック図である。
【0039】
図示のごとく、符号化・多重化装置720(n)は、VTR710(n)から供給される番組データを構成するビデオデータVDを圧縮符号化するビデオ符号化器721(n)と、同じくオーディオデータADを圧縮符号化するオーディオ符号化器722(n)とを有する。なお、図には、オーディオデータADが1つである場合を示す。
【0040】
また、この符号化・多重化装置720(n)は、サーバ760から出力される繰返し使用データを構成するビデオデータVDを一時的に保持するための先入れ先出し(以下「FIFO」という。)方式のメモリ部724(n)と、同じくオーディオデータADを一時的に保持するためのFIFOメモリ部725(n)と、これらFIFOメモリ部724(n),725(n)に記憶されているデータの残量を検出するためのFIFO制御回路726(n)を有する。
【0041】
さらに、この符号化・多重化装置720(n)は、符号化器721(n),722(n)から出力される2つの個別符号化ストリームとFIFOメモリ部724(n),725(n)から出力される2つの個別符号化ストリームとをMPEG2規格に従って多重する多重化器727(n)と、この多重化器727(n)の多重動作を制御するための多重制御部728(n)とを有する。ここで、多重制御部728(n)は、例えば、中央処理装置(CPU)によって構成されている。
【0042】
サーバ760は、繰返し使用データを保持するためのハードディスクアレイ761と、このハードディスクアレイ761を制御するためのディスク制御装置762とを有する。ここで、ディスク制御装置762は、例えば、コンピュータによって構成されている。
【0043】
図5は、ハードディスクアレイ761におけるデータの記憶構成を示す図である。なお、図には、繰返し使用データがコマーシャルデータである場合を代表として示す。図示のごとく、ハードディスクアレイ761には、各コマーシャルCM(m)(m=1,2,…)ごとに、ファイルが設定されている。
【0044】
各コマーシャルCM(m)のファイルは、図6に示すように、ビデオデータVDを記憶するためのビデオファイルVF(m)(図6(a)参照)と、オーディオデータADを記憶するためのオーディオファイルAF(m)(図6(b)参照)と、サイズデータVSD,ASDを記憶するためのサイズファイルSF(m)(図6(c)参照)とを有する。
【0045】
ビデオファイルVF(m)には、ビデオデータVDが各フレームごとに記憶されている。オーディオファイルAF(m)には、オーディオデータADが各フレームごとに記憶されている。サイズファイルSF(m)には、ビデオデータのサイズを示すサイズデータVSDと、オーディオデータADのサイズを示すサイズデータASDとが各フレームごとに記憶されている。
【0046】
なお、ビデオデータVDやオーディオデータADは、個別符号化ストリームの状態で記憶されている。また、サイズデータVSD,ASDは、ビデオデータVDやオーディオデータADを圧縮符号化する際に得られたものが記憶されている。この圧縮符号化処理は、例えば、番組データの圧縮符号化処理を行わない期間に、番組データ用の符号化・多重化装置720(1)〜720(N)のいずれか1つを使って行われる。
【0047】
上記構成において、動作を説明する。nチャネルのデータ非挿入期間においては、図1のVTR710(n)から出力される番組データを構成するビデオデータVDがビデオ符号化器721(n)に供給され、オーディオデータADがオーディオ符号化器722(n)に供給される。符号化器721(n),722(n)に供給されたビデオデータVDやオーディオデータADは、MPEG2規格に従って圧縮符号化される。これにより、ビデオデータVDやオーディオデータADの個別符号化ストリームが得られる。これら2つの個別符号化ストリームは、多重化器727(n)により多重される。これにより、これら2つの個別符号化ストリームが一本化された単一ストリーム(トランスポートストリーム)が得られる。
【0048】
また、このnチャネルのデータ非挿入期間においては、ハードディスクアレイ761に格納されているコマーシャルデータを構成するビデオデータVDやオーディオデータVDの個別符号化ストリームがFIFOメモリ部724(n),725(n)に転送される。FIFOメモリ部724(n),725(n)に転送されたビデオデータVDやオーディオデータADの個別符号化ストリームは、データ挿入期間に、多重化器727(n)により多重される。これにより、これら2つの個別符号化ストリームが一本化された単一ストリーム(トランスポートストリーム)が得られる。
【0049】
多重化器727(n)の多重処理は、多重制御部728(n)により制御される。また、ハードディスクアレイ761からFIFOメモリ部724(n),725(n)への個別符号化ストリームの転送は、ディスク制御装置762によって制御される。
【0050】
図7は、多重制御部728(n)の制御動作を示すフローチャートである。なお、図7には、繰返し使用データとしてコマーシャルデータを使用する場合を示す。以下、この図7を参照しながら、多重制御部728(n)の制御動作を説明する。
【0051】
図示の処理においては、多重制御部728(n)は、まず、ディスク制御装置762に対して、コマーシャルデータの転送を要求する(ステップS101)。これにより、ハードディスクアレイ761に格納されているコマーシャルCM(m)のデータがFIFOメモリ部724(n),725(n)に転送される。
【0052】
この場合、コマーシャルCM(m)のビデオファイルVF(m)に格納されているビデオデータVDの個別符号化ストリームは、FIFOメモリ部724(n)に転送され、オーディオファイルAF(m)に格納されているオーディオデータADの個別符号化ストリームは、FIFOメモリ部725(n)に転送される。この転送処理は、FIFOメモリ部724(n),725(n)が満杯状態になるまで実行される。この場合、FIFOメモリ部724(n),725(n)の記憶容量は、複数のコマーシャルCM(m)のデータを記憶可能な容量に設定されている。したがって、この転送処理により、FIFOメモリ部724(n),725(n)には、複数のコマーシャルCM(m)のデータが格納されることになる。
【0053】
次に、多重制御装部728(n)は、番組データの多重処理を制御する(ステップS102)。これにより、符号化器721(n),722(n)により圧縮符号化されたビデオデータVDとオーディオデータVDの個別符号化ストリームが多重化器727(n)によって多重される。
【0054】
この多重処理の制御は、次のようにして行われる。すなわち、多重制御部728(n)は、まず、符号化器721(n),722(n)に対して、ビデオデータVDとオーディオデータADそれぞれのサイズを示すサイズデータVSD,ASDを要求する。これにより、符号化器721(n),722(n)から多重制御部728(n)に、ビデオデータVDとオーディオデータADそれぞれの複数フレーム分(例えば、15フレーム分)のサイズデータVSD,ASDが供給される。
【0055】
次に、多重制御部728(n)は、受け取った複数フレーム分のサイズデータVSD,ASDに基づいて、ビデオデータVDとオーディオデータADとの多重化計画を立てる。ここで、多重化計画とは、ビデオデータVDとオーディオデータADとをそれぞれどのタイミングでどのくらい多重するかを示す計画である。この多重化計画を立てるのは、ビデオデータVDが可変長圧縮符号化方式によって圧縮符号化されるためである。すなわち、このような構成では、多重化計画を立てないと、ビデオデータVDが部分的に多くなりすぎたり、少なくなりすぎたりして、ビデオデータVDとオーディオデータADとのバランスがくずれるからである。
【0056】
なお、多重化計画を立てる場合、1フレーム単位ではなく、複数フレーム単位で立てるのは、より適切な多重化計画を立てるためである。すなわち、このような構成によれば、フレームごとのサイズの変化を考慮することができるため、より適切な多重化計画を立てることができるわけである。
【0057】
次に、多重制御部728(n)は、立てた多重化計画に基づいて、符号化器721(n),722(n)に対して、複数のフレーム分の個別符号化ストリームの転送を要求するとともに、多重化器727(n)に対して、複数のフレーム分の個別符号化ストリームの多重を要求する。これにより、符号化器721(n),722(n)から複数のフレーム分の個別符号化ストリームが多重化計画に従って出力される。そして、これら複数フレーム分の個別符号化ストリームは、多重化器727(n)により、多重化計画に従って多重される。
【0058】
複数フレーム分の多重処理の制御が終了すると、多重制御部728(n)は、番組データからコマーシャルデータへの切替え時刻になったか否かを判定する(ステップS103)。すなわち、データ挿入期間の開始時刻になったか否かを判定する。コマーシャルデータへの切替え時刻でなければ、多重制御部728(n)は、ステップS102に戻り、多重処理の制御を継続する。これにより、次の複数フレーム分の多重処理の制御が実行される。以下、同様に、コマーシャルデータへの切替え時刻になるまで、多重処理の制御が続けられる。
【0059】
この状態で、コマーシャルデータへの切替え時刻になると、多重制御部728(n)は、ディスク制御装置762に対して、コマーシャルデータのサイズを示すサイズデータVSD,ASDの転送を要求する(ステップS104)。これにより、ハードディスクアレイ761のサイズファイルSF(m)に格納されているビデオデータのサイズデータVSDとオーディオデータADのサイズデータASDとが多重制御部728(n)に供給される。この場合も、サイズデータVSD,ASDは、複数フレーム分供給される。
【0060】
次に、多重制御部728(n)は、ディスク制御装置762から供給される複数フレーム分のサイズデータVSD,ASDに基づいて、コマーシャルデータを構成するビデオデータVDとオーディオデータADとの複数フレーム分の多重化計画を立てる(ステップS105)。
【0061】
次に、多重制御部728(n)は、立てた多重化計画に基づいて、FIFOメモリ部724(n),725(n)に対して、複数フレーム分の個別符号化ストリームの転送を要求するとともに、多重化器727(n)に対して、複数フレーム分の個別符号化ストリームの多重を要求する。これにより、FIFOメモリ部724(n),725(n)から複数フレーム分の個別符号化ストリームが多重化計画に従って出力される。そして、これら複数フレーム分の個別符号化ストリームは、多重化器727により、多重化計画に従って多重される。
【0062】
この複数フレーム分の多重処理の制御が終了すると、多重制御部728(n)は、1コマーシャル分の多重処理が終了したか否かを判定する(ステップS107)。すなわち、ビットレート挿入期間の終了時刻になったか否かを判定する。1コマーシャル分の多重処理が終了していなければ、ステップS104に戻り、多重処理の制御を継続する。これにより、次の複数フレーム分の多重処理の制御が実行される。以下、同様に、1コマーシャル分の多重処理が終了するまで、多重処理の制御が続けられる。
【0063】
この状態で、1コマーシャル分の多重処理が終了すると、多重制御部728(n)は、ステップS101に戻る。これにより、再び、上述した番組データと繰返し使用データの多重処理の制御が実行される。以下、同様に、1コマーシャル分の多重処理が終了するたびに、上述した処理が繰り返される。
【0064】
図8は、ディスク制御装置762の制御動作を示すフローチャートである。以下、この図8を参照しながら、ディスク制御装置762の制御動作を説明する。
【0065】
図示の処理は、多重制御部728(n)からコマーシャルデータの転送要求(図7のステップS101で出力される転送要求)を受けるたびに実行される。この処理においては、ディスク制御装置762は、まず、FIFO制御回路726(n)により検出されたコマーシャルデータの残量に基づいて、FIFOメモリ部724(n),725(n)の空き量を計算する(ステップS201)。この空き量は、転送要求が最初の転送要求である場合は、FIFOメモリ部724(n),725(n)の記憶容量に一致する。これに対し、転送要求が2回目以降の転送要求である場合は、多重処理が終了したばかりのコマーシャルCM(m)のデータ量に一致する。
【0066】
次に、ディスク制御装置762は、nチャネルのコマーシャルリストを検索し、ハードディスクアレイ761からFIFOメモリ部724(n),725(n)にデータを転送すべきコマーシャルCM(m)を判定する(ステップS202)。ここで、コマーシャルリストとは、コマーシャルCM(m)の送出順序を示すリストである。このコマーシャルリストは、例えば、ディスク制御装置762の内部メモリに格納されている。
【0067】
次に、ディスク制御装置762は、ステップS202で判定したコマーシャルCM(m)のデータをステップS201で計算した空き量だけ準備する(ステップS203)。すなわち、ハードディスクアレイ761上のビデオファイルVF(m)やオーディオファイルAF(m)からビデオデータVDやオーディオデータADをFIFOメモリ部724(n),725(n)の空き量だけ読み出す。
【0068】
次に、ディスク制御装置762は、準備したビデオデータVDやオーディオデータADをFIFOメモリ部724(n),725(n)に転送する。これにより、FIFOメモリ部724(n),725(n)は、満杯状態に設定される。
【0069】
次に、ディスク制御装置762は、多重制御部728(n)からサイズデータVSD,ASDの転送要求(図7のステップS104で出力される転送要求)受けた否かを判定する(ステップS205)。この判定処理は、転送要求が送られてくるまで続けられる。
【0070】
この転送要求が送られてくると、ディスク制御装置762は、多重制御部728(n)に対し、多重処理を行うべきコマーシャルCM(m)のサイズデータVSD,ASDを転送する(ステップS206)。この転送は、ハードディスクアレイ761上のサイズファイルSF(m)からサイズデータVSD,ASDを読み出すことにより行われる。また、この転送は、転送要求が送られてくるたびに、複数フレーム分のサイズデータVSD,ASDを転送するようにして行われる。さらに、この転送は、転送要求が送られてこなくなるまで続けられる。
【0071】
転送要求が送られてこなくなると、サイズデータVSD,ASDの転送処理が終了する。この転送処理が終了すると、ディスク制御装置762の制御動作は終了する。このあと、多重制御部728(n)から再びコマーシャルデータの転送要求が送られてくると、上述した処理が実行される。
【0072】
図9は、nチャネルのコマーシャルリストの一例を示す図である。図には、コマーシャル番号1,2,3,4,…のコマーシャルCM(m)を、CM(1),CM(2),CM(3),CM(6),CM(4),…の順に送出する場合を示す。
【0073】
図10は、ビデオデータVD用のFIFOメモリ部724(n)の記憶容量とビデオデータVDのデータ量との関係を示す図である。図において、ビデオデータVDは、コマーシャルCM(m)の送出順序に従って並べてある。図示のごとく、FIFOメモリ部724(n)の記憶容量は、複数のコマーシャルCM(m)のビデオデータVDを記憶可能な容量に設定されている。
【0074】
図11は、FIFOメモリ部724(n)に記憶されるビデオデータVDの変化を示す図である。ここで、図11(a)は、多重制御部728(n)から未だコマーシャルデータの転送要求が発生していない場合を示す。この場合、FIFOメモリ部724(n)には、まったくビデオデータVDが格納されていない。
【0075】
同図(b)は、多重制御部728(n)から最初の転送要求が発生した場合を示す。この場合、FIFOメモリ部724(n)には、例えば、コマーシャルCM(1),CM(2)のビデオデータVDのすべてとコマーシャルCM(3)のビデオデータVDの一部とが格納される。
【0076】
同図(c)は、多重制御部728(n)から2番目の転送要求が発生した場合を示す。この場合、FIFOメモリ部724(n)には、コマーシャルCM(1)のビデオデータVDが読み出された分だけデータが補充される。図には、コマーシャルCM(3)のビデオデータVDの残りとコマーシャルCM(6)ビデオデータVDの一部とが補充された場合を示す。これにより、FIFOメモリ部724(n)には、例えば、コマーシャルCM(2),CM(3)のビデオデータVDのすべてとコマーシャルCM(6)のビデオデータVDの一部とが格納される。
【0077】
以下、同様に、多重制御部728(n)から転送要求が発生するたびに、上述した補充動作が行われる。その結果、FIFOメモリ部724(n)は満杯状態に設定される。なお、詳細な説明は省略するが、オーディオデータAD用のFIFOメモリ部725(n)においても、同じような処理が行われる。
【0078】
以上詳述した本実施の形態によれば、繰返し使用データを保存する場合、圧縮された状態で保存するようにしたので、繰返し使用データのデータ量を少なくすることができる。これにより、この繰返し使用データを保持するための記憶容量を小さくすることができるとともに、この繰返し使用データを転送するため転送レートを小さくすることができる。
【0079】
また、本実施の形態によれば、繰返し使用データを保存する場合、多重する前の個別符号化ストリームの状態で保存するようにしたので、時間軸情報を付け替えるための回路を省略することができるとともに、本編のビデオやオーディオの寸断やノイズの発生を防止することができる。
【0080】
また、このような構成によれば、番組データを多重するための多重化器727(n)を若干割り増しするだけで、繰返し使用データを多重することができるので、回路規模の拡大を防止することができる。
【0081】
また、本実施の形態によれば、バッファ用のFIFOメモリ部724(n),725(n)を設け、データ非挿入期間に、このFIFOメモリ部724(n),725(n)に繰返し使用データを転送しておくようにしたので、繰返し使用データの転送レートをさらに小さくすることができる。具体的には、従来の第2の挿入構成と比較しても、転送レートを約T1/T2(T1:繰返し使用データの送出時間、T2:番組データの送出時間)まで低下させることができる。これにより、ハードディスクアレイ761として、従来よりかなり低速のハードディスクアレイを用いることができる。また、通常、遠隔に設けられるサーバ760と符号化・多重化装置720(n)との間のデータ転送をRS232Cケーブルなどの低速のケーブルを介して行うことができる。
【0082】
また、本実施の形態によれば、繰返し使用データを圧縮符号化する際に得られたサイズデータVSD,ASDも保存しておくようにしたので、繰返し使用データのサイズを検出するための回路を省略することができる。
【0083】
すなわち、繰返し使用データのサイズデータVSD,ASDを保存しない場合は、ハードディスクアレイ761から読み出された繰返し使用データを監視することにより、そのサイズを検出しなければならない。しかしながら、このような構成では、サイズを検出するための回路が別途必要になる。これに対し、本形態では、繰返し使用データを圧縮符号化する際に得られたサイズデータVSD,ASDを保存しておくようにしたので、上述したようなサイズ検出回路が不要となる。これにより、本実施の形態によれば、全体の回路構成を簡単化することができる。
【0084】
また、本実施の形態によれば、繰返し使用データの多重化計画を立てる場合、複数フレーム分のサイズデータに基づいて立てるようにしたので、フレームごとのサイズの変化を考慮して立てることができる。これにより、1フレーム分のサイズデータに基づいて多重化計画を立てる場合よりも、より適切な多重化計画を立てることができる。
【0085】
以上、本発明の一実施の形態を詳細に説明したが、本発明は、上述したような実施の形態に限定されるものではない。
【0086】
例えば、先の実施の形態では、FIFOメモリ部724(n),725(n)とFIFO制御回路726(n)とを符号化・多重化装置720(n)に設ける場合を説明した。しかしながら、本発明では、これらを例えばサーバ760に設けるようにしてもよい。
【0087】
また、先の実施の形態では、繰返し使用データのサイズデータVSD,ASDを保存する場合、サイズデータ専用のファイルSFを設ける場合を説明した。しかしながら、本発明では、これをビデオファイルVFあるいはオーディオファイルAFに格納しておくようにしてもよい。
【0088】
また、先の実施の形態では、繰返し使用データを一時的に記憶するためのバッファメモリ部(先の実施の形態では、FIFOメモリ部724(n),725(n))を1段設ける場合を説明した。しかしながら、本発明では、これを2段直列に設けるようにしてもよい。すなわち、前段に記憶容量の大きいバッファメモリ部を設け、後段に記憶容量の小さいバッファメモリ部を設けるようにしてもよい。
【0089】
このほかにも、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々様々変形実施可能なことは勿論である。
【0090】
【発明の効果】
以上詳述したように請求項1記載の繰返し使用データ挿入装置または請求項5,9記載のディジタル放送送信システムによれば、繰返し使用データを保存する場合、圧縮された状態で保存するようにしたので、繰返し使用データのデータ量を少なくすることができる。これにより、この繰返し使用データを記憶するための記憶容量や転送するための転送レートを低減することができる。
【0091】
また、この請求項1記載の繰返し使用データ挿入装置または請求項5,9記載のディジタル放送送信システムによれば、繰返し使用データを保存する場合、多重する前の個別符号化ストリームの状態で保存するようにしたので、時間軸情報を付け替えるための回路を省略することができるとともに、本編のビデオやオーディオの寸断やノイズの発生を防止することができる。
【0092】
また、この請求項1記載の繰返し使用データ挿入装置または請求項5,9記載のディジタル放送送信システムによれば、番組データを多重するための手段を若干割り増しするだけで、繰返し使用データを多重することができるので、全体の回路規模の拡大を防止することができる。
【0093】
また、請求項2,3記載の繰返し使用データ挿入装置または請求項6,7記載のディジタル放送送信システムによれば、各チャネルごとに繰返し使用データを一時的に保持する一時保持手段を設け、データ非挿入期間にこの一時保持手段に繰返し使用データを転送しておくようにしたので、繰返し使用データの転送レートをさらに小さくすることができる。これにより、繰返し使用データを保持するためのデータ保持手段として、従来よりかなり低速のデータ保持手段を用いることができる。
【0094】
また、請求項4記載の繰返し使用データ挿入装置または請求項8記載のディジタル放送送信システムによれば、繰返し使用データを保存しておく場合、そのサイズデータも保存しておくようにしたので、繰返し使用データのサイズを検出するための回路を省略することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る繰返しデータ挿入装置およびディジタル放送送信システムの一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】番組データの多重処理と分離処理の一例を概念的に示す図である。
【図3】番組データと繰返し使用データとの多重処理を示す図である。
【図4】符号化・多重化装置とサーバとの構成を示すブロック図である。
【図5】ハードディスクアレイにおけるデータの記憶構成を示す図である。
【図6】コマーシャルのファイル構成を示す図である。
【図7】多重制御部の制御動作を示すフローチャートである。
【図8】ディスク制御装置の制御動作を示すフローチャートである。
【図9】コマーシャルリストの一例を示す図である。
【図10】FIFOメモリ部の記憶容量を示す図である。
【図11】FIFOメモリ部に記憶されるデータの変化を示す図である。
【図12】従来の繰返し使用データの挿入構成の一例を示す図である。
【図13】従来の繰返し使用データの挿入構成の他の例を示す図である。
【符号の説明】
710(1)〜710(N)…VTR、720(1)〜720(N)…符号化・多重化装置、730…切替えスイッチ、740…多チャネル化装置、750…送信アンテナ、760…サーバ、721(n)…ビデオ符号化器、722(n)…オーディオ符号化器、724(n),725(n)…FIFOメモリ部、726(n)…FIFO制御回路、727(n)…多重化器、728(n)…多重制御部、761…ハードディスクアレイ、762…ディスク制御装置。
Claims (9)
- 番組データに対して繰返し使用データを所定のタイミングで繰り返し挿入する繰返し使用データ挿入装置において、
前記繰返し使用データをこの繰返し使用データを構成する複数の素材データそれぞれの個別符号化ストリームの状態で保持するデータ保持手段と、
前記番組データに対して前記繰返し使用データを挿入するデータ挿入期間以外の期間は、前記番組データを構成する複数の素材データそれぞれの個別符号化ストリームを多重し、前記データ挿入期間は、前記データ保持手段に保持されている繰返し使用データを構成する複数の素材データそれぞれの個別符号化ストリームを多重することにより前記番組データに対して前記繰返し使用データを所定のタイミングで繰り返し挿入するデータ多重手段と
を備えたことを特徴とする繰返し使用データ挿入装置。 - 前記データ挿入期間以外の期間に、前記データ保持手段に保持されている繰返し使用データを読み出して一時的に保持する一時保持手段を有し、
前記データ多重手段は、前記データ保持手段に保持されている繰返し使用データとして、前記一時保持手段に保持されている繰返し使用データを使用するように構成され
ていることを特徴とする請求項1記載の繰返し使用データ挿入装置。 - 前記一時保持手段は、
前記繰返し使用データを一時的に保持する保持手段と、
この保持手段に保持されている繰返し使用データの残量を検出する残量検出手段と、
この残量検出手段の検出出力に基づいて、前記保持手段に保持されている繰返し使用データの残量が所定量になるように、前記データ保持手段に保持されている繰返し使用データを前記データ挿入期間以外の期間に前記保持手段に転送する転送手段と
を備えたことを特徴とする請求項2記載の繰返し使用データ挿入装置。 - 前記繰返し使用データを構成する複数の素材データそれぞれのサイズを示すサイズデータを保持するサイズデータ保持手段を有し、
前記データ多重手段は、前記サイズデータ保持手段に保持されているサイズデータに基づいて、前記データ保持手段に保持されている繰返し使用データを構成する複数の素材データそれぞれの個別符号化ストリームを多重するように構成され
ていることを特徴とする請求項1記載の繰返しデータ挿入装置。 - 番組データに対して繰返し使用データを所定のタイミングで繰り返し挿入することにより2つのデータを一本化し、この一本化されたデータを送信するディジタル放送送信システムにおいて、
複数の素材データからなる番組データを各素材データごとに個別に符号化することにより、各素材データの個別符号化ストリームを生成する番組データ符号化手段と、
前記繰返し使用データをこの繰返し使用データを構成する複数の素材データそれぞれの個別符号化ストリームの状態で保持するデータ保持手段と、
前記番組データに対して前記繰返し使用データを挿入するデータ挿入期間以外の期間は、前記番組データ符号化手段から出力される番組データを構成する複数の素材データそれぞれの個別符号化ストリームを多重し、前記データ挿入期間は、前記データ保持手段に保持されている繰返し使用データを構成する複数の素材データそれぞれの個別符号化ストリームを多重することにより前記番組データに対して前記繰返し使用データを所定のタイミングで繰り返し挿入するデータ多重手段と
を備えたことを特徴とするディジタル放送送信システム。 - 前記データ挿入期間以外の期間に、前記データ保持手段に保持されている繰返し使用データを読み出して一時的に保持する一時保持手段を有し、
前記データ多重手段は、前記データ保持手段に保持されている繰返し使用データとして、前記一時保持手段に保持されている繰返し使用データを使用するように構成され
ていることを特徴とする請求項5記載のディジタル放送送信システム。 - 前記一時保持手段は、
前記繰返し使用データを一時的に保持する保持手段と、
この保持手段に保持されている繰返し使用データの残量を検出する残量検出手段と、
この残量検出手段の検出出力に基づいて、前記保持手段に保持されている繰返し使用データの残量が所定量になるように、前記データ保持手段に保持されている繰返し使用データを前記データ挿入期間以外の期間に前記保持手段に転送する転送手段と
を備えたことを特徴とする請求項6記載のディジタル放送送信システム。 - 前記繰返し使用データを構成する複数の素材データそれぞれのサイズを示すサイズデータを保持するサイズデータ保持手段を有し、
前記データ多重手段は、前記サイズデータ保持手段に保持されているサイズデータに基づいて、前記データ保持手段に保持されている繰返し使用データを構成する複数の素材データそれぞれの個別符号化ストリームを多重するように構成され
ていることを特徴とする請求項5記載のディジタル放送送信システム。 - 前記番組データ符号化手段は、複数のチャネル分の番組データを入力され、これら複数のチャネル分の番組データに対して、各チャネルごとに符号化処理を施すように構成され、
前記データ多重手段は、前記データ符号化手段により符号化処理を施された複数のチャネル分の番組データが入力され、これら複数のチャネル分の番組データに対して、各チャネルごとに前記繰返し使用データとの多重化処理を施すように構成され、
このデータ多重手段から出力される複数のチャネル分の多重出力を多チャネル化する多チャネル化手段と
を備えたことを特徴とする請求項5記載のディジタル放送送信システム。
Priority Applications (5)
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