JP3749443B2 - Atm交換機及びその呼受付制御方法 - Google Patents

Atm交換機及びその呼受付制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ATM(Asynchronous Transfer Mode;非同期転送モード)方式を採用する通信網(以下、ATM網という)の交換機(以下、ATM交換機という)における呼受付制御に関し、特にベストエフォート型の呼を網の能力以上に受け付けることを防ぐと共に、帯域利用効率を向上させるATM交換機及びその呼受付制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
音声や映像などのマルチメディア通信に適した通信方式としてATM技術が知られている。マルチメディア通信では、音声のようにリアルタイム性が要求されるものや、データのように低ビット誤りが要求されるものなど様々な通信品質のサービスを扱う。ATMは、このようなサービス毎の品質(QoS)に柔軟に対応できる通信方式である。
【0003】
まず、図3を用いて、QoSクラス及びVCについて説明する。図3は、一般的なATM交換機間の通信の様子を示す模式図である。
【0004】
QoS(Quality of Service;サービス品質)クラスとは、様々なサービスを、提供されるべき通信品質の観点から分類したものであり、QoSクラスの数や各クラスの通信品質は通信事業者によって任意に設定可能である。代表的なQoSクラスとしては、一定の帯域が保証される帯域保証(ギャランティ)型、保証帯域を有さず、その時に空いている通信帯域から「できるかぎり」要求帯域に見合う帯域が確保されるベストエフォート型、両者を組み合わせた保証帯域と非保証帯域とを有するベストエフォート&ギャランティ型(例:64kbpsを最低保証するIMT−2000のプレミア・ベストエフォート型)、などが挙げられる。
【0005】
図3(a)に示すように、ATM交換機間の物理伝送路内には複数のQoSクラス用の帯域が存在している。ATM伝送において、仮想チャネル(Virtual Channel;VC)によって接続される各呼は、帯域とコネクションとで管理され、図3(b)に示すように、各呼はいずれかのQoSクラスに属する。
【0006】
次いで、図4を用いて、従来のATM交換機における呼受付制御について説明する。図4(a)は、ATM交換機に新たに呼接続要求があった場合を示す模式図であり、図4(b)は、帯域割当制御による呼受付可否判断の様子を示す模式図である。
【0007】
ATM伝送において呼が発生すると、加入者端末から交換機を介して制御信号網に対して、接続先、セル送出速度などの要求品質が申告される。制御信号網は、すべてのATM交換機に接続され、呼の接続や切断のための制御信号を送受信する網である。図4(a)は、一例として、加入者端末Cが加入者端末Dへ64kbpsでの接続(即ち帯域保証型の接続)を交換機1に申請している場合を模式的に表している。
【0008】
制御信号網は、接続要求があった旨及びその要求品質を、受信した接続要求を該接続が実現された場合に通過することになる交換機に伝達する。
【0009】
交換機内のCAC(Connection Admission Control)は、申告された帯域と使用可能帯域とを比較して、該呼受付の可否を決定する。即ち、図4(b)に示すように、現在(ここでは例えば仮想パス(Virtual Path;VP)#1において)使用されているトラフィック(実トラフィック)及びそのために確保されているリソースに、接続要求時に申告された帯域値を加算し、VP#1の帯域を超えない(あふれない)場合には呼を受け付け、超える(あふれる)場合には受け付けない。
【0010】
上記例では、帯域保証型の呼の接続について述べた。他方、ベストエフォート型の呼の接続を考える場合、接続要求時に申告される帯域が零(ゼロ)であるため、上記制御方法ではベストエフォート型の呼を網の能力以上に際限無く受け付けてしまうことになる。この場合は、網の輻輳状態を招き、ユーザーの快適な通信を妨げることになる。
【0011】
そこで従来は、一般的な対策として、ATM交換機に対してベストエフォート型の呼の要求帯域として推定した固定値を設定していた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記の方法では、ベストエフォート型の呼のために積み上げられる帯域(以下、単にベストエフォート帯域という)が固定値であるため、時々刻々と帯域を変化させるデータ通信において、ベストエフォート帯域に不足や無駄が生じ、帯域の有効利用が図れない。
【0013】
即ち、固定値たるベストエフォート帯域が、実際の帯域(実トラフィック)と著しく異なる場合、伝送路の帯域が空いているにもかかわらず呼損(受付拒否)としたり、伝送路が全て使用されているにもかかわらず新たな呼を受け付けたりするという状況が生じ得る。
【0014】
これは、ベストエフォート帯域が固定値であるために生じ得る問題であり、設定時にどんなに綿密にベストエフォート帯域の推定を行っても生じ得る問題である。
【0015】
このように、従来の呼受付制御方法では、帯域利用効率が悪化し得るという課題があった。
【0016】
本発明はこのような課題を解決するものであり、ベストエフォート型の呼を網の能力以上に受け付けることを防ぐと共に、帯域利用効率を向上させるATM交換機及びその呼受付制御方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る呼接続受付方法は、要求される通信品質毎に分類されたQoSクラスが複数存在するATM網に設けられたATM交換機における呼接続受付方法であって、新しい呼が接続される毎に該呼の呼番号と属するQoSクラスとを保持し、前記ATM網に接続中の各呼が実際に使用する帯域を測定し、前記測定された接続中の各呼の使用帯域と、前記保持された接続中の各呼の呼番号及びQoSクラスとからQoSクラス毎に一呼あたりの平均使用帯域を算出して保持し、前記ATM網に接続された加入者端末からベストエフォート型の呼の接続要求を受けた時に、前記ATM網における空き帯域が前記接続要求している呼の属するQoSクラスにおける前記平均使用帯域以上である場合に前記接続要求している呼の呼接続を受け付ける方法を採る。
【0018】
この方法において、QoSクラス毎の平均使用帯域は、例えば所定の周期で繰り返し算出され、頻繁に更新されることが好ましい。
【0019】
この方法によれば、ベストエフォート型の呼からの接続要求において、申告帯域を零(ゼロ)としないことで、網の能力以上にベストエフォート型の呼を受け付けてしまうことを防ぐことができる。
【0020】
又、接続要求している呼と同じQoSクラスに属する接続中の呼のその時点での平均使用帯域を該呼の申告帯域として用いることによって、トラフィックの状況に応じて網の使用可能帯域を有効に利用することができる。
【0021】
本発明の請求項2に係る呼接続受付方法は、要求される通信品質毎に分類されたQoSクラスが複数存在するATM網に設けられたATM交換機における呼接続受付方法であって、新しい呼が接続される毎に該呼の呼番号と属するQoSクラスとを保持し、前記ATM網に接続された加入者端末からベストエフォート型の呼の接続要求を受けた時に、前記ATM網に接続中の呼のうち前記接続を要求している呼と同じQoSクラスに属する各呼が実際に使用する帯域を測定し、前記測定された呼別使用帯域を前記保持された接続中の各呼の呼番号及びQoSクラス情報に照会し、前記接続を要求している呼と同じQoSクラスにおける一呼あたりの平均使用帯域を算出して保持し、前記ATM網における空き帯域が前記接続要求している呼の属するQoSクラスにおける前記平均使用帯域以上である場合に前記接続要求している呼の呼接続を受け付ける方法を採る。
【0022】
この方法によれば、ベストエフォート型の呼からの接続要求において、申告帯域を零(ゼロ)としないことで、網の能力以上にベストエフォート型の呼を受け付けてしまうことを防ぐことができる。
【0023】
又、接続要求している呼と同じQoSクラスに属する接続中の呼のその時点での平均使用帯域を該呼の申告帯域として用いることによって、トラフィックの状況に応じて網の使用可能帯域を有効に利用することができる。
【0024】
更に、QoSクラス毎の平均使用帯域の算出を、ベストエフォート型の呼から接続要求があった場合にのみ、該呼の属するQoSクラスに限って行うことにより、常時全クラスの平均使用帯域を算出する場合よりも処理量を減らすことができる。
【0025】
本発明の請求項3に係るATM交換機は、要求される通信品質毎に分類されたQoSクラスが複数存在するATM網に設けられたATM交換機であって、前記ATM網に新しい呼が接続される毎に該呼の呼番号と属するQoSクラスとを保持する保持手段と、前記保持手段が保持する接続中の各呼の呼番号及びQoSクラスからQoSクラス毎の接続中の呼数を算出する呼数算出手段と、前記ATM網に接続中の各呼が実際に使用する帯域を測定する呼別使用帯域測定手段と、前記呼別使用帯域測定手段によって得られた各呼の使用帯域を前記保持手段が保持する接続中の各呼のQoSクラス情報に照会し、QoSクラス毎の合計使用帯域を算出するクラス別使用帯域算出手段と、前記クラス別使用帯域算出手段によって得られたQoSクラス毎の使用帯域を前記呼数算出手段によって得られた対応するQoSクラスの呼数で除算することによって各QoSクラスにおける一呼あたりの平均使用帯域を算出する平均帯域算出手段と、前記ATM網に接続された加入者端末からベストエフォート型の呼の接続要求を受けた時に、前記ATM網の空き帯域が前記接続要求している呼の属するQoSクラスにおける前記平均使用帯域以上である場合に前記接続要求している呼の呼接続を受け付ける受付制御手段とを有する構成を採る。
【0026】
この構成において、平均帯域算出手段は、例えば所定の周期で、QoSクラス毎の平均使用帯域を繰り返し算出し、呼受付制御手段が最も新しく算出された平均使用帯域の値を常に用いることができるようにすることが好ましい。
【0027】
この構成によれば、ベストエフォート型の呼からの接続要求において、申告帯域を零(ゼロ)としないことで、網の能力以上にベストエフォート型の呼を受け付けてしまうことを防ぐことができる。
【0028】
又、接続要求している呼と同じQoSクラスに属する接続中の呼のその時点での平均使用帯域を該呼の申告帯域として用いることによって、トラフィックの状況に応じて網の使用可能帯域を有効に利用することができる。
【0029】
本発明の請求項4に係るATM交換機は、要求される通信品質毎に分類されたQoSクラスが複数存在するATM網に設けられたATM交換機であって、前記ATM網に新しい呼が接続される毎に該呼の呼番号と属するQoSクラスとを保持する保持手段と、前記ATM網に接続された加入者端末からベストエフォート型の呼の接続要求を受けた時に、前記保持手段が保持する接続中の各呼の呼番号及びQoSクラスから前記接続を要求している呼と同じQoSクラスに属する接続中の呼数を算出する呼数算出手段と、前記ATM網に接続された加入者端末からベストエフォート型の呼の接続要求を受けた時に、前記ATM網に接続中の呼のうち前記接続を要求している呼と同じQoSクラスに属する各呼が実際に使用する帯域を測定する呼別使用帯域測定手段と、前記呼別使用帯域測定手段によって前記QoSクラスにおける前記呼別使用帯域が得られた時に、該呼別使用帯域を前記保持手段が保持する接続中の各呼のQoSクラス情報に照会し、前記接続を要求している呼と同じQoSクラスに属する接続中の全呼の合計使用帯域を算出するクラス別使用帯域算出手段と、前記クラス別使用帯域算出手段によって前記QoSクラスにおける前記合計使用帯域が得られた時に、該合計使用帯域を前記呼数算出手段によって得られた呼数で除算することによって前記接続を要求している呼の属するQoSクラスにおける一呼あたりの平均使用帯域を算出する平均帯域算出手段と、前記平均帯域算出手段によって前記QoSクラスにおける前記平均使用帯域が得られた時に、前記ATM網の空き帯域が前記接続要求している呼の属するQoSクラスにおける前記平均使用帯域以上である場合に前記接続要求している呼の呼接続を受け付ける受付制御手段とを有する構成を採る。
【0030】
この構成によれば、ベストエフォート型の呼からの接続要求において、申告帯域を零(ゼロ)としないことで、網の能力以上にベストエフォート型の呼を受け付けてしまうことを防ぐことができる。
【0031】
又、接続要求している呼と同じQoSクラスに属する接続中の呼のその時点での平均使用帯域を該呼の申告帯域として用いることによって、トラフィックの状況に応じて網の使用可能帯域を有効に利用することができる。
【0032】
更に、平均帯域算出手段は、QoSクラス毎の平均使用帯域の算出を、ベストエフォート型の呼から接続要求があった場合にのみ、該呼の属するQoSクラスに限って行うため、例えば所定周期で全クラスの平均使用帯域を繰り返し算出する場合よりも処理を軽減することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。本発明に係る呼受付制御は、ベストエフォート型の呼の申告帯域を予め推定した固定値若しくは零(ゼロ)として扱わない。代わりに、ベストエフォート型の呼を受け付ける際に、該接続要求している呼は該呼と同じQoSクラスに属する現在接続中の呼と同じ程度の帯域を使用するであろうという推測に基づき、該接続要求している呼(ベストエフォート型)の申告帯域を該呼と同じQoSクラスに属する接続中の呼の平均使用(占有)帯域と同値とし、受付可否を判断する。
【0034】
まず、図1及び図2を用いて、本発明の一実施形態に係るATM交換機の構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るATM交換機100の概略構成図であり、図2は、本発明の一実施形態に係るATM交換機100の制御部104の概略構成図である。
【0035】
図1に示すように、本実施形態に係るATM交換機100は、入力伝送路毎に設けられた入力回線対応部101と、各セルをヘッダ情報に基づいて出力伝送路にルーティングするスイッチ(SW)102と、出力伝送路毎に設けられた出力回線対応部103と、各部を制御する制御部104とを有する。
【0036】
制御部104は、制御信号網に接続されている。制御部104は、制御信号網から、呼の接続要求、各呼のQoSクラス、などの情報を取得する。
【0037】
なお、ここでは、説明を簡略化するため、入力回線対応部及び出力回線対応部をそれぞれ1つずつ図示する。
【0038】
入力回線対応部101は、入力回線監視部105と、入力バッファ106と、ヘッダ交換部107とを有し、出力回線対応部103は、出力回線監視部108と、出力バッファ109とを有する。
【0039】
入力回線監視部105は、入力側伝送路のVC毎の使用帯域を監視し、監視結果は、制御部104へ出力される。出力回線監視部108は、出力側伝送路のVC毎の使用帯域を監視し、監視結果を制御部104へ出力する。
【0040】
又、図2に示すように、制御部104は、テーブル管理部201と、帯域管理部202と、平均帯域算出部203と、CAC204とを有する。
【0041】
テーブル管理部201は、制御信号網から取得した情報に基づいて、各VC設定時にVC番号とQoSクラスとの対応関係を示すテーブルを作成し、保持している。
【0042】
帯域管理部202は、入力回線監視部105及び出力回線監視部108からそれぞれ入力された入出力伝送路におけるVC毎の使用帯域と、テーブル管理部201から得られる各VCとQoSクラスと対応関係から、QoSクラス毎の使用(若しくは占有)帯域を算出すると共に、QoSクラス毎のVC数をカウントする。
【0043】
平均帯域算出部203は、帯域管理部202によって得られたQoSクラス毎の使用帯域をQoSクラス毎のVC数で除算して、QoSクラス毎に現在接続中の呼の一呼あたりの平均使用帯域を算出し、CAC204へ出力する。
【0044】
CAC204は、平均帯域算出部203によって得られた接続中の呼の一呼あたりの平均使用帯域を保持し、新たな呼から接続要求があった場合に、該呼のQoSクラスの上記平均使用帯域に基づいて該呼の接続の可否を判断する。又、該判断結果に基づいて、接続を受け付けるのであれば要求している呼に帯域を割り当て、入力バッファ106、ヘッダ変換部107、スイッチ102、及び出力バッファ109を制御する。
【0045】
上記QoSクラス毎の平均使用帯域の算出は所定周期で行われ、CAC204は上記周期毎に最新のQoSクラス別平均使用帯域を取得する。上記所定周期を短くすることによって、時々刻々変化するベストエフォート型の呼の使用帯域をほぼリアルタイムで把握することができる。
【0046】
又、上記平均使用帯域の算出には、上記各周期における瞬間の値を用いてもよく、上記所定周期期間中の時間平均値を用いてもよい。特に、バースト性が高い呼については時間平均値とした方が好ましい。
【0047】
次いで、ベストエフォート型の呼の受付処理の流れについて説明する。ベストエフォート型の呼の接続要求が制御信号網からATM交換機100に到達すると、該接続要求している呼のQoSクラスが制御部104に伝達されると共に、網の使用帯域が入力回線監視部105及び出力回線監視部108によって読み取られ、制御部104に伝達される。
【0048】
CAC204は、上記接続要求している呼の属するQoSクラスの現在の平均使用帯域Xを現在の網の空き帯域Yと比較し、X<Yであれば該呼の接続を受け付ける。
【0049】
即ち、ベストエフォート型の呼を受け付ける際に、該接続要求している呼は該呼と同じQoSクラスに属する現在接続中の呼と同じ程度の帯域を使用する可能性が高いという推測に基づき、接続要求している呼の属するQoSクラスの現在の平均使用帯域Xを該呼の申告帯域として扱い、受付制御を行う。
【0050】
例えば、全使用可能帯域を毎秒150キロビット(kilo bit persecond;kbps)とし、うち128kbpsが接続要求している呼と同じQoSクラスに属する呼のみによって使用されている場合、呼数が2呼であれば、同QoSクラスにおける平均使用帯域は128/2=64kbpsとなり、150−128=22kbps(<64kbps)であるから、同QoSクラスに属する呼の新たな接続は拒否される。又、呼数が10呼であれば、同QoSクラスにおける平均使用帯域は128/10=12.8kbpsとなり、150−128=22kbps(>12.8kbps)であるから、同QoSクラスに属する呼の新たな接続は受け付けられる(許可される)。
【0051】
ベストエフォート型の呼からの接続要求において、申告帯域を零(ゼロ)としないことは、網の能力以上にベストエフォート型の呼を受け付けてしまうことを防ぐことにつながる。
【0052】
又、接続要求している呼と同じQoSクラスに属する接続中の呼のその時点での平均使用帯域を該呼の申告帯域として用いることは、網の使用可能帯域を有効に利用することにつながる。前述のように算出周期を短くするほど、CACがトラフィックの変化に対してリアルタイムに追随可能となり、帯域利用効率が向上すると考えられる。
【0053】
接続要求している呼の接続が許可されると、該呼には入力バッファ106及び出力バッファ109においてCAC204によって帯域が割り当てられ、又、ヘッダ変換部107及びスイッチ102に該呼をルーティングするための制御情報が送られる。
【0054】
このように、本実施形態によれば、占有帯域が時々刻々変化するベストエフォート型の呼の新規接続要求があった場合に、該呼と同じQoSクラスに属する現在接続中の呼の平均使用帯域を該接続要求している呼の申告帯域として扱い呼受付制御を行うことによって、ベストエフォート呼を網の能力以上に受け付けることを防ぐと共に、帯域利用効率を向上させることができる。
【0055】
なお、本発明の実施においては、QoSクラス毎の一呼あたりの平均使用帯域をベストエフォート型(及びベストエフォート&ギャランティ型)の呼についてのみ算出することが好ましい。なぜなら、帯域保証型の呼は、申告帯域と(接続が許可された場合の)使用帯域とが常に等しく、ベストエフォート型の呼の受付制御によって影響を受けないからである。
【0056】
又、CACは、算出されたQoSクラス別の平均使用帯域の最新値のみを保持するようにしてもよく、時系列的に複数保存するようにしてもよい。
【0057】
又、平均帯域算出部は、算出されたQoSクラス別の平均使用帯域を従前の算出値と比較し、両者の差が所定値以上の場合にのみCACが保持する最新の平均使用帯域を書き換えるようにしてもよい。
【0058】
又、接続を要求してきたベストエフォート型の呼と同じQoSクラスに属する接続中の呼が存在しなかった場合には、例えば、a)所定値若しくは零(ゼロ)を初期値として用いてもよく、b)ベストエフォート型の他のQoSクラスの平均使用帯域を用いてもよい。b)の場合においてベストエフォート型の他のQoSクラスとしてベストエフォート&ギャランティ型のクラスしかなかった場合には、該クラスの平均使用帯域から該クラスにおける保証帯域分を引いた非保証帯域部分の平均使用帯域を用いるべきである。
【0059】
更に、上記実施形態のように平均帯域算出部が周期的に全QoSクラスのクラス別平均使用帯域を算出する代わりに、平均帯域算出部が、ベストエフォート型の呼から接続要求があった場合に限り、該呼の属するQoSクラスについてのみ平均使用帯域を算出するようにしてもよい。
【0060】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の請求項1に係る呼接続受付方法によれば、網の能力以上にベストエフォート型の呼を受け付けてしまうことを防ぐことができると共に、トラフィックの状況に応じて網の使用可能帯域を有効に利用することができる。
【0061】
又、本発明の請求項2に係る呼接続受付方法によれば、網の能力以上にベストエフォート型の呼を受け付けてしまうことを防ぐことができると共に、トラフィックの状況に応じて網の使用可能帯域を有効に利用することができる。又、処理量を減らすことができる。
【0062】
又、本発明の請求項3に係るATM交換機によれば、網の能力以上にベストエフォート型の呼を受け付けてしまうことを防ぐことができると共に、トラフィックの状況に応じて網の使用可能帯域を有効に利用することができる。
【0063】
更に、本発明の請求項4に係るATM交換機によれば、網の能力以上にベストエフォート型の呼を受け付けてしまうことを防ぐことができると共に、トラフィックの状況に応じて網の使用可能帯域を有効に利用することができる。又、平均使用帯域を算出するための処理を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るATM交換機の概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るATM交換機の制御部の概略構成図である。
【図3】一般的なATM交換機間の通信の様子を示す模式図である。
【図4】(a) ATM交換機に新たに接続要求があった場合を示す模式図である。
(b) 帯域割当制御における受付可否判断の様子を示す模式図である。
【符号の説明】
100 ATM交換機
101 入力回線対応部
102 スイッチ(SW)
103 出力回線対応部
104 制御部
105 入力回線監視部
106 入力バッファ
107 ヘッダ交換部
108 出力回線監視部
109 出力バッファ
201 テーブル管理部
202 帯域管理部
203 平均帯域算出部
204 CAC

Claims (4)

  1. 要求される通信品質毎に分類されたQoSクラスが複数存在するATM網に設けられたATM交換機における呼接続受付方法であって、
    新しい呼が接続される毎に該呼の呼番号と属するQoSクラスとを保持し、
    前記ATM網に接続中の各呼が実際に使用する帯域を測定し、
    前記測定された接続中の各呼の使用帯域と、前記保持された接続中の各呼の呼番号及びQoSクラスとからQoSクラス毎に一呼あたりの平均使用帯域を算出して保持し、
    前記ATM網に接続された加入者端末からベストエフォート型の呼の接続要求を受けた時に、前記ATM網における空き帯域が前記接続要求している呼の属するQoSクラスにおける前記平均使用帯域以上である場合に前記接続要求している呼の呼接続を受け付けることを特徴とする呼接続受付方法。
  2. 要求される通信品質毎に分類されたQoSクラスが複数存在するATM網に設けられたATM交換機における呼接続受付方法であって、
    新しい呼が接続される毎に該呼の呼番号と属するQoSクラスとを保持し、
    前記ATM網に接続された加入者端末からベストエフォート型の呼の接続要求を受けた時に、
    前記ATM網に接続中の呼のうち前記接続を要求している呼と同じQoSクラスに属する各呼が実際に使用する帯域を測定し、
    前記測定された呼別使用帯域を前記保持された接続中の各呼の呼番号及びQoSクラス情報に照会し、前記接続を要求している呼と同じQoSクラスにおける一呼あたりの平均使用帯域を算出して保持し、
    前記ATM網における空き帯域が前記接続要求している呼の属するQoSクラスにおける前記平均使用帯域以上である場合に前記接続要求している呼の呼接続を受け付けることを特徴とする呼接続受付方法。
  3. 要求される通信品質毎に分類されたQoSクラスが複数存在するATM網に設けられたATM交換機であって、
    前記ATM網に新しい呼が接続される毎に該呼の呼番号と属するQoSクラスとを保持する保持手段と、
    前記保持手段が保持する接続中の各呼の呼番号及びQoSクラスからQoSクラス毎の接続中の呼数を算出する呼数算出手段と、
    前記ATM網に接続中の各呼が実際に使用する帯域を測定する呼別使用帯域測定手段と、
    前記呼別使用帯域測定手段によって得られた各呼の使用帯域を前記保持手段が保持する接続中の各呼のQoSクラス情報に照会し、QoSクラス毎の合計使用帯域を算出するクラス別使用帯域算出手段と、
    前記クラス別使用帯域算出手段によって得られたQoSクラス毎の使用帯域を前記呼数算出手段によって得られた対応するQoSクラスの呼数で除算することによって各QoSクラスにおける一呼あたりの平均使用帯域を算出する平均帯域算出手段と、
    前記ATM網に接続された加入者端末からベストエフォート型の呼の接続要求を受けた時に、前記ATM網の空き帯域が前記接続要求している呼の属するQoSクラスにおける前記平均使用帯域以上である場合に前記接続要求している呼の呼接続を受け付ける受付制御手段とを有することを特徴とするATM交換機。
  4. 要求される通信品質毎に分類されたQoSクラスが複数存在するATM網に設けられたATM交換機であって、
    前記ATM網に新しい呼が接続される毎に該呼の呼番号と属するQoSクラスとを保持する保持手段と、
    前記ATM網に接続された加入者端末からベストエフォート型の呼の接続要求を受けた時に、前記保持手段が保持する接続中の各呼の呼番号及びQoSクラスから前記接続を要求している呼と同じQoSクラスに属する接続中の呼数を算出する呼数算出手段と、
    前記ATM網に接続された加入者端末からベストエフォート型の呼の接続要求を受けた時に、前記ATM網に接続中の呼のうち前記接続を要求している呼と同じQoSクラスに属する各呼が実際に使用する帯域を測定する呼別使用帯域測定手段と、
    前記呼別使用帯域測定手段によって前記QoSクラスにおける前記呼別使用帯域が得られた時に、該呼別使用帯域を前記保持手段が保持する接続中の各呼のQoSクラス情報に照会し、前記接続を要求している呼と同じQoSクラスに属する接続中の全呼の合計使用帯域を算出するクラス別使用帯域算出手段と、
    前記クラス別使用帯域算出手段によって前記QoSクラスにおける前記合計使用帯域が得られた時に、該合計使用帯域を前記呼数算出手段によって得られた呼数で除算することによって前記接続を要求している呼の属するQoSクラスにおける一呼あたりの平均使用帯域を算出する平均帯域算出手段と、
    前記平均帯域算出手段によって前記QoSクラスにおける前記平均使用帯域が得られた時に、前記ATM網の空き帯域が前記接続要求している呼の属するQoSクラスにおける前記平均使用帯域以上である場合に前記接続要求している呼の呼接続を受け付ける受付制御手段とを有することを特徴とするATM交換機。
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