JP3749049B2 - 開き窓用締り金具取付装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば縦軸回転窓のような開き窓において、その障子における開閉する部位の縦框に取付ける締り金具の取付装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5(A)に示すように、室内側から観た外開き式の回転窓は、図示しない窓枠内に丁番81を介して障子80を室外から室内方向に回転可能に支持している。障子80は、上下一対の横框82、丁番81を端面に取付けた図示で右側の縦框83、締り金具90を中間に取付けた図示で左側の縦框84、及びこれらに囲まれたガラス85を含んでいる。
図5(B)と図6に示すように、縦框84はその断面の中央に矩形の中空部86と、左側の端壁87における室内外の両端から平行に延びた一対のフランジ88,89とを有する。中空部86内には、締り金具90を構成する室内側のハンドル91から延びた回転軸92が進入し、この回転軸92の中間には係止片94が直角に固定されている。
【0003】
図5(A),(B)及び図6は、ハンドル91は直前の水平姿勢から図示のように垂直姿勢に90度回転され、これに連れて係止片94は直前の垂直姿勢から図示のように水平姿勢に突出した状態を示している。係止片94は、端壁87に明けた縦長の開口93から、縦框84の左側に突出し、図5(B)に示す隣接する窓枠に固定された受け金具95に係止する。この際、係止片94や受け金具95は、互いの側面にテーパが付されているので、ハンドル91の回転に連れて、その後半で框84を含む障子80を室内側に引き寄せる。これにより、障子80を窓枠内に位置させて室内・室外間を閉鎖し、室内側を気密・水密性をもって保護する。
【0004】
上記引き寄せに際して、係止片94は室内外方向に移動する。係る移動を許容し、且つハンドル91の回転前半における係止片94の回転軌跡を一定に保つため、図5(B)及び図6に示すように、縦框84の端壁87には、金属製の係止片用ガイド96が取付けられている。このガイド96は、直方体の本体97に穿設した前記開口93と連通する開口孔98と、開口孔98の両側縁から突設され且つ開口93を貫通して縦框84の中空部86内に進入する一対の挟持片100とを有する。図6に示すように、各挟持片100の先端には、半円形の凹部102が形成され、図5(B)に示すように、係止片94を挟んだ一対の挟持片100の各凹部102内に上記ハンドル91に繋がる回転軸92の約半周が進入している。
【0005】
【発明が解決すべき課題】
以上のような係止片用ガイド96は、図6に示すように、その本体97の上下の細孔99を貫通し、且つ縦框84の端壁87に穿設した上下の雌ネジ孔106に螺入する止めネジ104によって框84に固定されている。
しかしながら、長く開閉操作を行う間に障子80の閉鎖する際の衝撃等によって、上記ネジ104が緩むことがある。係る止めネジ104の緩みにより、係止片用ガイド96がガタ付いて、係止片94に対するガイド機能に支障を来たし、前記受け金具95に係止片94の先端寄りの側面が当接しにくくなり、引き寄せ・締り操作が不十分になることがあった。
本発明は、以上に説明した従来技術の問題点を解決し、締り金具の係止片が長期間に渉り受け金具に確実に係止し、ハンドルの回転により安定した引き寄せ・締り操作が行える開き窓用締り金具取付装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、締り金具の係止片を案内する係止片用ガイドの移動を規制するか、係るガイドを含む位置決め手段を開き窓の框に配設することに着想して成されたものである。
即ち、本発明の一つの開き窓用締り金具取付装置は、開き窓の障子のうち締り金具を取付けた框の端面に対向して突設した一対の突条と、この框の端面に穿設した上記締り金具の回転する係止片を貫通させる開口と、上記框の端面に取付けられると共に、上記開口に連通する開口孔と、この開口孔の両側縁から突設されて上記框の開口を貫通し且つ該框内において上記締り金具の係止片を挟持する一対の挟持片とを有する係止片用ガイドと、両側端に上記框の一対の突条に掛け止めされる一対の辺縁部を有するカバー部と、このカバー部に穿設され上記開口孔と連通する開口部と、上記カバー部の内側面における上下に突設され且つ上記ガイドの上下端に当接し得る突片と、を有するガイドカバーと、を含む、ことを特徴とする。
【0007】
これによれば、係止片用ガイドは、ガイドカバーの各突片により上下方向の移動を規制され、且つガイドカバー自体もその辺縁部が框の各突条に弾性をもって掛け止めされることにより、上記框に位置固定されるので、上記係止片用ガイドの止めネジが緩みにくく、締り金具による引き寄せ及び締り操作を、長期間に渉り確実且つ安定して行うことが可能となる。しかも、仮に係止片用ガイドの止めネジが緩んだ場合でも、上記と同様にガイドカバーにより位置規制されているため、上記ガイドはガタ付きにくく、締り金具による安定した操作が行える。
尚、上記ガイドカバーは、例えばアルミニウム合金の押出形材又は合成樹脂の成形材から一体成形できるが、カバー部の辺縁部の弾性変形を容易にする観点から、合成樹脂の成形材を用いることが望ましい。また、安全のために、ガイドカバー自体も框の端面にそのカバー部をネジで固定することが望ましい。
【0008】
一方、本発明のもう一つの開き窓用締り金具取付装置は、開き窓の障子のうち締り金具を取付けた框の端面に対向して突設した一対の突条と、この框の端面に穿設した上記締り金具の回転する係止片を貫通させる開口と、両側端に上記一対の突条に掛け止めされる一対の辺縁部を有するカバー部と、上記カバー部に穿設され上記開口と連通する開口部と、この開口部の両側縁から上記框内に向け上記開口を貫通して突設され、且つ上記締まり金具の係止片を内外から挟持し且つ該係止片の回転軸を軸支する一対の挟持片と、を有するガイドカバーと、を含む、ことを特徴とする。
【0009】
これによれば、一体に突設した一対の挟持片により、ガイドカバー自体に締り金具の係止片のガイド機能が付与されると共に、框の端面の開口から框内に挿入された各挟持片に締り金具の係止片の回転軸を軸受けする。このため、係止片の位置決めがその回転軸(回転筒)を軸受けするガイドカバーにより容易に行えると共に、締り金具のハンドル側における回転軸の挿入・連結も容易になる。しかも、これによりガイドカバー自体も框に位置決めされると共に、カバー部の各辺縁部による框への弾性を伴う掛け止めにより確実に位置固定できる。従って、少ない構成部材により、開き窓における締り金具による引き寄せ及び締り操作を、長期間に渉り確実且つ安定して行うことが可能となる。尚、一対の挟持片は、その先端寄りに設けた軸受け孔に係止片の回転軸を挿入するため、互いに接離するように先端寄りが弾性変形可能となっている。
【0010】
また、前記一対の挟持片における前記回転する係止片と接触する少なくとも内側面に耐摩耗性材を配設した、開き窓用締り金具取付装置も含まれる。
これよれば、締り金具の係止片の側面と接触する各挟持片の内側面、又は各挟持片全体を滑り易く且つ耐摩耗性を有する金属又は硬質樹脂により形成するので、引き寄せ時における係止片との摩擦によっても損傷や変形することなく、耐久性を高められるので、安定した障子の引き寄せ及び締り操作が行える。
更に、前記一対の挟持片及び前記開口部の開口縁が金属成形材からなり、前記一対の辺縁部を含む前記カバー部が上記金属成形体を鋳ぐるみつつ成形した樹脂成形材からなる、開き窓用締り金具取付装置も含まれる。
【0011】
これによれば、一対の挟持片を含む開口部の周縁を耐久性のある金属成形材により別途用意し、これを樹脂で鋳ぐるむことにより、一対の辺縁部を含む弾性変形容易なカバー部を樹脂で成形した取付装置が形成できる。従って、締り金具の係止片に接触しても摩耗しにくく且つ框に容易セットすることができる。しかも、万一火災に遭遇しカバー部が焼失しても、締り金具の係止片と受け金具とを上記金属成形材により保護でき、且つ障子の締り状態を維持することができる。
加えて、前記二つの本発明における前記締り金具が、これを取付けた前記框の長手両端において、前記係止片の回転と連動して出没する係止ピンを有するスライド機構を更に含んでいる、開き窓用締り金具取付装置も含まれる。
これにより、締り金具を操作すると同時に、上記框を含む障子を窓枠に対して、框の長手両端でも係止ピンにより位置固定する、所謂グレモン締りもできるので、一層優れた気密・水密性をもって引き寄せ・締り操作を行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下において本発明の実施に好適な形態を図面と共に説明する。
図1(A)に示すように、室内側から観た外開き式の回転窓(開き窓)1は、図示しない窓枠内において丁番2aを介して障子2を室外の開放位置から室内方向に回転可能に支持している。係る障子2は、上下一対の横框3、丁番2aを端面に取付けた図示で右側の縦框4、締り金具20を中間に取付けた図示で左側の縦框6、及びこれらに囲まれたガラス5を含んでいる。尚、縦框6の上下端には、後述するスライド機構の係止ピン25aが出没可能に配置されている。図1(B)及び図2に示すように、縦框6は、その断面の中央に矩形の中空部8と、左側の端壁(端面)10における室内外の両端から延びて対向する一対の突条12,14とを含む。室内側の突条12は、端壁10から傾斜して突設され且つ端壁10との間に鋭角の凹部13を形成する。また、室外側の突条14は、先端にタイト材挿入用の小溝15を有し、且つ端壁10との間に浅い凹部16を形成している。
【0013】
図1(B)に示すように、縦框6の中空部8内には、締り金具20を構成する室内側のハンドル21から延びた回転軸22が進入し、この回転軸22の中間には係止片24が直角に固定されている。図2に示すように、縦框6の端壁10には、縦長の開口18が穿設され、図1(B)のように、上記係止片24が回転しつつ、係る開口18を出入りする。即ち、開口18から外側に飛び出した係止片24の先端部は、縦框6に隣接する窓枠(図示せず)に固定された受け金具23の側面に当接しつつ、障子1を室内側に引き寄せて、これを締めることができる。
尚、縦框6の突条12,14と開口18は、本発明の締り金具取付装置48の一部を構成する。また、上記回転軸22の回転による係止片24の出入りに連動して、図2に示すスライド機構のロッド25が縦框6内を上下に昇降し、上下端の前記係止ピン25aが対向する上下の窓枠に対し出没可能とされている。
【0014】
また、縦框6の端壁10には、係止片用ガイド26が取付けられ、前記引き寄せ時における係止片24の内外方向の移動を規制している。係るガイド26は、本発明の締り金具取付装置48の一部となり、直方体の本体27に穿設した上記開口18と連通する開口孔28と、この開口孔28の両側縁から突設され且つ開口18を貫通して縦框6の中空部8内に進入する一対の挟持片30とを有する。図2に示すように、各挟持片30の先端には、半円形の凹部32が形成され、図1(B)に示すように、締り金具20の係止片24を両側から挟んだ一対の挟持片30の各凹部32内に、前記ハンドル21に繋がる回転軸22の約半周が進入している。係るガイド26は、開口孔28の上下の本体27に明けた通し孔29を貫通する図示しない止めネジにより縦框6の端壁10に固定されている。
【0015】
また、縦框6の突条12,14には、締り金具取付装置48の主要部を構成するガイドカバー34が掛け止めされる。このガイドカバー34は、図1(B)と図2に示すように、例えばポリアミド(商品名ナイロン)等の合成樹脂からなり、上記突条12,14の凹部13,16内に挿入される辺縁部37,38を両側端に有するカバー部36と、このカバー部36に穿設され且つ上記開口孔28及び前記開口18に連通する縦長で相似形の開口部40とを有する。室内側の辺縁部37は突条12と同様に傾斜し、室外側の辺縁部38は前記小溝15を形成する円筒部に接触するテーパ部39を有し、カバー部36を湾曲させて弾性変形させることにより、辺縁部37,38を凹部13,16内に挿入して掛け止めする。
【0016】
図2に示すように、カバー部36の縦框6に対向する内側面には、開口部40の上下に突片42,44が一対ずつ突設され、図示1(B)に示すように、各突片42,44は前記係止片用ガイド26の本体27を上下から挟んでいる。尚、ガイドカバー34は安全を図るため、カバー部36の上下に明けた皿形の通し孔46を通る図示しない止めネジにより縦框6の端壁10に固定することが望ましい。
従って、以上のような構成からなる締り金具取付装置48によれば、係止片用ガイド26の止めネジに対して、経年に渉る開閉操作により緩む方向の力が働いても、その本体27の上下端はガイドカバー34の各突片42,44に当接するため、上記ガイド26がガタ付く事態を防ぐことができる。
【0017】
しかも、ガイドカバー34もその辺縁部37,38が縦框6の突条12,13に弾性をもって掛け止めされて位置固定されるので、上記ガイド26の止めネジが緩みにくく、締り金具20による引き寄せ及び締り操作を確実且つ安定して行うことが可能となる。更に、係止片用ガイド26の止めネジが緩んだ場合でも、上述したようにガイドカバー34により位置規制されているため、上記ガイド26はガタ付きにくく、締り金具20による引き寄せ及び締り操作を安定して行うことができる。尚、締り金具20のハンドル21の操作により係止片24の回転と連動して、縦框6の上下端から出るスライド機構の各ロッド25の先端に位置する図1(A)で示した係止ピン25aが、対向する上下の窓枠に取付けた金具に進入する。このため、所謂グレモン締りを併用できることになり、障子2の閉鎖を一層確実で安定した状態に保つことができる。
【0018】
図3は、異なる形態の締り金具取付装置50に関する。尚、前記形態と同じ要素や部分には、それらと共通する符号を用いるものとする。
図3(A)は、前記と同じ外開き窓1の障子2における縦框6付近を示し、縦框6には一対の突条12,14と端壁10の開口18が設けてある。係る突条12,14と開口18は、本取付装置50の一部を構成する。また、縦框6の中空部8には、図3(A)に示すように、締り金具20の室内側に位置するハンドル21から延びる断面角形の回転軸22が進入し、その先端が係合する回転筒22aに固定された係止片24が、回転して開口18から外側に出没することにより、隣接する図示しない窓枠に固定した受け金具23の側面と当接可能となっている。
【0019】
縦框6の端壁10には、本取付装置50の所要部を構成するガイドカバー52が取付られる。このガイドカバー52は、図3(B)に示すように、傾斜した辺縁部56とテーパ部59を有する辺縁部58を両側端に有するカバー部54と、該カバー部54に穿設され上記開口18と間隔を置いて連通する縦長の開口部60と、この開口部60の両側縁から縦框6の開口18を貫通してその中空部8内に進入する一対の挟持片64とを含む。係るガイドカバー52は、例えば樹脂の射出成形、或いはアルミニウム合金の押出形材を切り欠き加工することによって製作される。上記辺縁部56,58は、図3(A)に示すように、縦框6の突条12,14の凹部13,16内にカバー部54の弾性変形を活用して掛け止めされる。
【0020】
また、一対の挟持片64は、その開口部60から挿入された締り金具20の係止片24をガイドし且つこれを両側から挟むと共に、図3(B)に示すように、先端寄りに明けた各軸受け孔66内に係止片24に一体に突設した回転筒22aの両端部を挿入する。このため、各挟持片64の先端寄りは、互いに接離できる程度に弾性変形可能となっている。また、上記回転筒22aの一端面に穿設した角穴22b内に回転軸22の先端部が挿入可能とされ、これと連結される。
尚、開口部60の上下縁には、一対の突部62が突設され、縦框6の開口18の上下端付近に進入して係合する。また、開口部60の上下付近のカバー部54には、止めネジ用の通し孔55が穿設されている。更に、図3(C)に示すように、回転筒22aの一端面には、上記角穴22bに替えて、一対の正方形を45°ずらして重ねた断面形状の八角形穴22cを穿設しても良い。
【0021】
係るガイドカバー52は、次のようにして、縦框6にセットされる。先ず、図3(A)に示すように、一対の挟持片64を縦框6の開口18から中空部8内に挿入し、且つカバー部54の弾性変形により辺縁部56,58を縦框6の突条12,14の凹部13,16に掛け止めする。次に、開口部60から一対の挟持片64間に係止片24を挿入し、その回転筒22aを各挟持片64の軸受け孔66に挿入し、図3(B)に示すように、回転筒22aの角穴22bをハンドル21側に露出させる。更に、ハンドル21と繋がる回転軸22の先端部を、回転筒22aの角穴22b内に挿入し、この状態でハンドル21を縦框6に取付けることにより、締り金具取付装置50が形成される。尚、係止片24の回転に連動して、縦框6の中空部8内を上下に昇降する前記スライド機構の上下の各ロッド25を、それらの先端の係止ピン25aと共に前記同様に配設することもできる。
【0022】
以上のような締り金具取付装置50によれば、単一のガイドカバー52を縦框6に締り金具20と共に装着するのみで、締り金具20の係止片24を受け金具23に当接させて、障子2を室内側に引き寄せつつ締付ける操作を安定して維持することが可能となる。また、係止片24のガイド機能と共に、各挟持片64に締り金具20の係止片24の回転筒22a(回転軸22)が軸受けされるため、係止片24の位置決めが、ガイドカバー52により容易に行える。しかも、回転筒22aと回転軸22との連結によりガイドカバー52も縦框6に位置決めされ、且つカバー部54の辺縁部56,58による縦框6への弾性を伴う掛け止めにより確実に位置固定できる。従って、少ない構成部材により、開き窓における締り金具20による引き寄せ・締り操作を確実且つ安定して行うことが可能となる。
【0023】
図4は、前記ガイドカバー52の変形形態であるガイドカバー72に関する。尚、ガイドカバー52と共通する部分には共通する符号を用いる。
図4(A)は、予め鋳鋼やステンレス鋼を精密鋳造等で成形した金属成形材68を示す。この成形材68は、開口部60を内設した矩形枠状の開口縁70と、開口部60の両側縁から突設され且つ先端寄りに軸受け孔66を有する一対の挟持片64と、開口部60の上下縁に突設した一対の突片62とを一体に有する。尚、開口縁70の四周面には、断面略U形の小溝71が形成されている。
図4(B)は、図示しない成形型内に上記成形材68をセットして、その開口縁70の周囲にカバー部(樹脂成形材)74をポリアミドやポリプロピレン(PP)等の樹脂で鋳ぐるみして得たガイドカバー72を示す。カバー部74の両側端には、前記同様の傾斜した辺縁部76とテーパ部79を有する辺縁部78が対向して一体に形成されると共に、図4(C)に示すように、金属成形材68の小溝71内には、カバー部74の樹脂材が食い込んで両者を一体にしている。尚、係るカバー部74には、上下一対の止めネジ用の通し孔75を設けられている。
【0024】
以上のようなガイドカバー72を前記締り金具取付装置50に適用しても、前記ガイドカバー52と同様の機能が果たせると共に、締り金具20の係止片24と接触する一対の挟持片64が、金属(耐摩耗性材)製であるため、摩擦により摩耗したり、引き寄せ時の圧力により変形する事態を予防することができる。また、カバー部74は樹脂製のため、その弾性を利用して両側の辺縁部76,78を前記縦框6の突条12,14に掛け止めすることも容易である。更に、万一火災に遭遇して樹脂製のカバー部74が焼失しても、一対の挟持片64を含む金属成形材68が前記係止片24及び受け金具23と共に残留する。このため、前記回転窓1の障子2が不用意に開いて類焼や延焼を招く事態を防ぐことも可能となる。
【0025】
本発明は、以上において説明した各形態に限定されるものではない。
例えば、前記縦框6の突条12,14は、互いに対称な同一断面のものにしても良く、これに応じてガイドカバー34,52,72の辺縁部も上記と略相似形の断面を有するものとしても良い。
また、前記ガイドカバー34の突片42,44は、上下1個ずつとしても良い。
更に、前記ガイドカバー52を樹脂成形した場合には、一対の挟持片64の各内側面にのみ薄い金属板(耐摩耗性材)を貼り付けたり、鋳ぐるみしても良い。
尚、本発明の開き窓用締り金具取付装置48,50は、障子の上下框の中間にてピボットヒンジを介して上記障子を支持する縦軸式の回転窓は勿論のこと、横軸式の回転窓、或いは辷り出し窓等に適用することも可能である。
【0026】
【発明の効果】
以上に説明した本発明の締り金具取付装置(請求項1)によれば、係止片用ガイドは、ガイドカバーの各突片により上下への移動を規制され、且つガイドカバー自体もその辺縁部が框の各突条に弾性をもって掛け止めされて框に位置固定されるので、上記係止片用ガイドの止めネジが緩みにくくなる。従って、締り金具による引き寄せ及び締り操作を、長期間に渉り確実且つ安定して行うことが可能となる。しかも、仮に係止片用ガイドの止めネジが緩んでも、上記のようにガイドカバーにより位置規制されているため、上記係止片用ガイドはガタ付きにくく、締り金具による安定した操作が行える。
【0027】
また、請求項2の締り金具取付装置によれば、ガイドカバーに一体に突設した一対の挟持片により、締り金具の係止片のガイド機能が付与され、且つ框の端面の開口から框内に挿入された各挟持片に、締り金具の係止片の回転軸が軸受けされるため、係止片の位置決めが、ガイドカバーにより容易に行え、且つハンドルとの連結も容易になる。しかも、これによりガイドカバー自体も框に位置決めされると共に、カバー部の各辺縁部の框への弾性を伴う掛け止めにより確実に位置固定できる。従って、少ない構成部材により、開き窓における締り金具による引き寄せ及び締り操作を確実且つ安定して行うことが可能となる。
更に、請求項3の締り金具取付装置によれば、締り金具による引き寄せ時に係止片との摩擦によっても一対の挟持片が損傷や変形することなく、耐久性を高められるので、安定した障子の引き寄せと締り操作が行える。
加えて、請求項4の締り金具取付装置によれば、上記に加えて万一火災に遭遇して樹脂製のカバー部が焼失しても、一対の挟持片を含む金属成形材が係止片及び受け金具と共に残留するので、開き窓の閉鎖状態を保つことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は本発明の締り金具取付装置が適用された回転窓の障子を室内側から観た正面図、(B)は(A)中のB−B線に沿った拡大断面図。
【図2】図1(B)に示した締り金具取付装置等を示す分解斜視図。
【図3】 (A)は異なる形態の締り金具取付装置を取付けた状態を示す図1(B)と同様な断面図、(B)は上記取付装置のガイドカバー等を示す斜視図、(C)はこれに用いる締り金具の回転筒の変形形態を示す端面図。
【図4】 (A)は金属成形材の斜視図、(B)は(A)の金属成形材を用いた異なる形態のガイドカバーの斜視図、(C)は(B)中のC−C線に沿った断面図。
【図5】 (A)は従来の回転窓の障子を示す室内側から観た正面図、(B)は(A)中のB−B線に沿った拡大断面図。
【図6】図5(B)に示した締り金具の付近を示す一部を分解した斜視図。
【符号の説明】
1………………………………………回転窓(開き窓)
6………………………………………縦框(框)
10……………………………………端壁(端面)
12,14……………………………突条
18……………………………………開口
20……………………………………締り金具
22……………………………………回転軸
22a…………………………………回転筒(回転軸)
24……………………………………係止片
25a…………………………………係止ピン
26……………………………………係止片用ガイド
28……………………………………開口孔
30,64……………………………挟持片
34,52,72………………………ガイドカバー
36,54……………………………カバー部
37,38,56,58,76,78…辺縁部
40,60……………………………開口部
42,44……………………………突片
68……………………………………金属成形材
70……………………………………開口縁
74……………………………………カバー部(樹脂成形材)
Claims (5)
- 開き窓の障子のうち締り金具を取付けた框の端面に対向して突設した一対の突条と、上記框の端面に穿設した上記締り金具の回転する係止片を貫通させる開口と、
上記框の端面に取付けられると共に、上記開口に連通する開口孔と、この開口孔の両側縁から突設されて上記框の開口を貫通し且つ該框内において上記締り金具の係止片を挟持する一対の挟持片とを有する係止片用ガイドと、
両側端に上記框の一対の突条に掛け止めされる一対の辺縁部を有するカバー部と、上記カバー部に穿設され上記開口孔と連通する開口部と、上記カバー部の内側面における上下に突設され且つ上記ガイドの上下端に当接し得る突片と、を有するガイドカバーと、を含む、ことを特徴とする開き窓用締り金具取付装置。 - 開き窓の障子のうち締り金具を取付けた框の端面に対向して突設した一対の突条と、上記框の端面に穿設した上記締り金具の回転する係止片を貫通させる開口と、
両側端に上記一対の突条に掛け止めされる一対の辺縁部を有するカバー部と、上記カバー部に穿設され上記開口と連通する開口部と、この開口部の両側縁から上記框内に向け上記開口を貫通して突設され、且つ上記締まり金具の係止片を内外から挟持し且つ該係止片の回転軸を軸支する一対の挟持片と、を有するガイドカバーと、を含む、ことを特徴とする開き窓用締り金具取付装置。 - 前記一対の挟持片における前記回転する係止片と接触する少なくとも内側面に耐摩耗性材を配設した、
ことを特徴とする請求項2に記載の開き窓用締り金具取付装置。 - 前記一対の挟持片及び前記開口部の開口縁が金属成形材からなり、前記一対の辺縁部を含む前記カバー部が上記金属成形体を鋳ぐるみつつ成形した樹脂成形材からなる、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の開き窓用締り金具取付装置。 - 前記締り金具が、これを取付けた前記框の長手両端において、前記係止片の回転と連動して出没する係止ピンを有するスライド機構を更に含んでいる、ことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の開き窓用締り金具取付装置。
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JP27841299A JP3749049B2 (ja) | 1999-09-30 | 1999-09-30 | 開き窓用締り金具取付装置 |
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