JP3747971B2 - 電子写真用被転写フィルム及びカラー画像形成方法 - Google Patents

電子写真用被転写フィルム及びカラー画像形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、普通紙用の間接乾式電子写真複写機、フルカラー電子写真複写機あるいは各種プリンターを用いて透過画像を作成するのに適した透明な電子写真用被転写フィルムに関する。特に、OHP(オーバーヘッドプロジェクター)に使用できる電子写真用被転写フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
普通紙用の間接乾式電子写真複写機を用い、普通紙の代わりに電子写真用被転写フィルム(以下、透明フィルムと呼ぶこともある)を用いて、このフィルム上にトナー画像(透過画像)を形成し、これをOHP(オーバーヘッドプロジェクター)により投影画像とする方法は、簡易に投影画像を得る方法として広く利用されている。特に、最近では、間接乾式フルカラー電子写真複写機や各種プリンターの普及に伴い、カラー画像を透明フィルム上に形成し、OHPにより投影画像とする方法も盛んに行なわれるようになっている。このため、発色性に優れた投影画像を形成することができる電子写真用被転写フィルムが求められている。
【0003】
しかしながら、従来から使用されている単色用(白黒用)の間接乾式電子写真複写機用の電子写真用被転写フィルムは、フィルム搬送性(走行性)やトナーの定着性についてはかなり改善されているが、カラー画像の形成においてはまだ多くの問題がある。即ち、間接乾式フルカラー電子写真複写機や各種プリンターを用いて上記電子写真用被転写フィルムにカラー画像を形成した場合、OHPにより得られる投影画像は、特に中間調部のカラー発色性が充分でなく、満足のゆくカラー画像が得られず、濁った画像となる。これは、透明フイルム上に形成されたトナー画像(トナー粒子)により、透明フイルム表面に凹凸が生じ、この凹凸面においてOHP投影光が散乱する為に、その投影画像に濁りが生ずる現像である。特に、中間調部に於て、凹凸が大きくなる為、画像の濁りの程度も大きくなる。従ってこのような凹凸を小さくする必要がある。
【0004】
上記透明フイルム表面の凹凸を小さくするために、例えば、特開昭63−80273号公報には、トナーが充分溶融する温度でトナー画像を定着することが提案されている。しかしながら、トナーが充分溶融する温度で定着した場合は、ハーフトーン部などのトナー量の少ない部分の凹凸を低減しようとすると、トナー量の多い部分でトナーが定着ロールに移動するオフセット現象が発生し易くなる。
また特開平5−88400号公報では、プラスチックフィルムの表面にトナー定着温度にてトナー結着樹脂より見かけの溶融粘度が低い透明樹脂層設けられた電子写真用複写シートが提案されている。しかしながら、トナー結着樹脂より低い溶融粘度あるいは低い軟化点の樹脂を受像層(透明樹脂層)に使用した場合は、定着ロールで加圧、加熱される際にトナーより早く受像層が軟化し、受像層が定着ロールに粘着して移動するオフセット現象が発生し易くなる。即ち、定着画像が貝殻模様のような細かい波打ちを起こし、投影画像に濁りが発生したり、あるいは定着時に受像層が定着ロールに移動して画像が消失したり、また受像層が定着ロールに付着して、受像層を有する透明フィルムが定着ロールに巻き付く等のトラブルが発生する(このような現象を以下オフセット現象という)。
【0005】
特開平2−263642号公報には、トナー画像の凹凸を小さくし、上記オフセット現象の発生を防止するために、トナー結着樹脂と良好な相溶性が得られるように特定の溶解度パラメーター及びトナー定着温度においてトナー結着樹脂よりも大きい貯蔵弾性率を有する透明樹脂層を透明支持体上に設けた電子写真用被転写フィルムが提案されている。しかしながら、透明樹脂層のポリマーがこのような溶解度パラメーターおよび貯蔵弾性率の規定を満足するだけでは、溶融トナーをその層の内部に充分に埋め込むことはできず、トナー画像の凹凸を小さくすることはできない。従って、特に投影画像の中間調画像部の発色性は改善されない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、上記オフセット現象の発生を防止するために種々検討を重ねた結果、受像層(透明樹脂層)の改善ではなく、受像層と透明支持体との間に硬化された樹脂からなる下塗層を設けることにより解決できることが明らかとなった。また、このようなオフセット現象の低減は、下塗層を設けることによりトナー像及びトナー像を有する受像層の接着性が向上したことによると考えられ、この接着性の向上がフィルムが屈曲した際の受像層やトナーの剥れが有効に防止されることも明らかとなった。そして、このような効果は、前記特開平5−88400号公報に記載されている熱可塑性樹脂の下塗層では得ることはできない。
従って、本発明は、定着時のオフセット(トナー、受像層の定着ロールへの転移)の発生がほとんどなく、そして受像層の支持体に対する接着性に優れた電子写真用被転写フィルムを提供することを目的とする。
また本発明は、間接乾式電子写真複写機、フルカラー電子写真複写機あるいは各種プリンターを用いて複写した場合に、オフセットの発生がほとんどなく、そして受像層の支持体に対する接着性に優れた電子写真用被転写フィルムを提供することを目的とする。
さらに本発明は、間接乾式電子写真複写機、フルカラー電子写真複写機あるいは各種プリンターを用いて、オフセットの発生がほとんどなく、カラー画像を形成することができるカラー画像形成方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、透明支持体の表面に下塗層が設けられ、そして該下塗層上に熱可塑性樹脂からなる受像層が備えられた電子写真用被転写フィルムであって、該下塗層が、10〜90重量%のジオレフィン単量体と90〜10重量%のビニル単量体との共重合体を硬化した樹脂からなる層であることを特徴とする電子写真用被転写フィルムにある。
【0008】
上記本発明の電子写真用被転写フィルムの好ましい態様は下記の通りである。
1)該樹脂が、10〜90重量%のジオレフィン単量体と90〜10重量%のビニル単量体との共重合体(好ましくは、スチレン・ブタジエン系共重合体)である。
2)該硬化が、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジン誘導体によりなされている。
3)電子写真用被転写フィルムが、カラー画像形成用である。
4)該熱可塑性樹脂が、ポリエステル(好ましくは、有機溶剤可溶性のポリエステル)である。
5)受像層が、芳香族系ポリエステルである。
6)受像層が、イソフタル酸単位、テレフタル酸単位及び2,6−ナフタレンジカルボン酸単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の二塩基酸成分の繰返し単位、そしてエチレングリコール単位、トリエチレングリコール単位、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物単位およびビスフェノールAのイソプロピレンオキサイド付加物単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の二価アルコール成分の繰返し単位からなるポリエステルからなる。
7)受像層が、イソフタル酸単位、テレフタル酸単位及び2,6−ナフタレンジカルボン酸単位からなる群より選ばれる少なくとも一種のジカルボン酸単位及びスルホベンゼンジカルボン酸単位を含む二塩基酸成分の繰返し単位、そしてエチレングリコール単位、トリエチレングリコール単位、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物単位およびビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の二価アルコール成分の繰返し単位からなるポリエステルからなる。
【0009】
8)受像層が、さらにマット剤を含有する。
9)受像層が、1×1010〜1×1014Ωの範囲の25℃、65%RHにおける表面電気抵抗を有する。
10)受像層の層厚が、1〜8μmの範囲にある。
11)透明支持体が、ポリエチレンテレフタレートからなる。
【0010】
また、上記電子写真用被転写フィルムは、下記の(1)〜(3)の工程:
(1)感光体表面を画像様に露光し潜像を形成する工程、
(2)該潜像を着色材料とバインダー樹脂からなるカラー画像を形成するための二種以上のトナーのうち一種を用いて現像して感光体表面に画像を形成する工程、及び
(3)該画像を、上記電子写真用被転写フィルムの該受像層に転写する工程、を上記トナーの種類の数だけ繰り返すことにより該電子写真用被転写フィルム上にカラー画像を転写した後、
該トナーの転写画像を、該トナーの定着温度に加熱された定着器で定着することにより該電子写真用被転写フィルム上にカラー画像を形成することからなるカラー画像形成方法に有利に使用することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の電子写真用被転写フィルムは、基本的には透明支持体の表面に下塗層が設けられ、その上に受像層が形成された構成を有する。図1に本発明の電子写真用被転写フィルムの代表的な構成を模式的に示した断面図を示す。
【0012】
図1には、透明支持体11の一方の表面に、下塗層13が形成され、更にその上に受像層12が形成された電子写真用被転写フィルムが示されている。
下塗層は、受像層と支持体との接着性を向上させると共に、トナーとの接着性も向上させている。このため、トナー定着時に定着ロールにトナーあるいはトナーと共に受像層が転移するオフセット現象が発生することがほとんどない。この下塗層を設けることにより、受像層の樹脂としては定着時にトナーを埋め込み易い樹脂を使用することができるので、投影画像の中間調画像部の発色性も向上させることができる。また、このような下塗層を設けることにより、上記のようにトナー像を有する受像層の接着性も向上しているので、フィルムが屈曲した際の受像層やトナーの剥れが有効に防止される。
【0013】
図2に本発明の電子写真用被転写フィルムの別の代表的な構成を模式的に示した断面図を示す。
図2には、透明支持体21の一方の表面に、下塗層23aが形成され、更にその上に受像層22aが形成され、さらに透明支持体21のもう一方の表面にも同様に下塗層23b及び受像層22bが形成された電子写真用被転写フィルムが示されている。
【0014】
上記透明支持体は、透明で、OHPフィルムとして使用された時の輻射熱に耐え得る性質を有する材料であれば用いることができる。その材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類;ニトロセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート等のセルロースエステル類、さらにポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアミド等を挙げることができる。これらの材料から得られるフィルムの耐熱温度としては100℃以上の材料が好ましい。これらの中で、耐熱性及び透明性に優れていることからポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。フィルムの厚さは、特に制限はないが、50〜200μmのものが取り扱い易く好ましい。
耐熱温度が100℃未満のフィルムは、トナーを加熱定着した時に変形する傾向があり、そのためプラスチックフィルムは波打ちを生じ易い。また、フィルムは、定着時の加熱により軟化した際にシワが発生し難い程度の厚さであることが好ましい。従って、その厚さは、50μm以上が好ましく、更に75μm以上が好ましい。またフィルムの厚みの上限は、光透過率の低下を考慮して200μm以下が好ましく、更に150μm以下が好ましい。従って、耐熱性を有するプラスチックフィルムの厚さは、50〜200μmであることが好ましく、さらに75〜150μmであることが好ましい。
【0015】
上記透明支持体の上には、本発明の下塗層が形成される。本発明の下塗層は、硬化された樹脂からなる層である。一般に、ポリマーが架橋剤(硬化剤)により硬化された層であるが、官能基を有するポリマーが自己架橋したものでも良い。
上記樹脂としては、ジオレフィン単量体とビニル単量体との共重合体が好ましく、その組成は、一般に10〜90重量%のジオレフィン単量体と90〜10重量%のビニル単量体とからなる。
【0016】
上記ジオレフィン単量体としては、これらは脂肪族不飽和炭化水素(一般にCn2n-2(但し、nは4〜20である)で表わされる)、環状構造のもの(一般にCn2n-4(但し、nは4〜20である)で表わされる)を挙げることができる。
例えば、ブタジエン、クロロプレン及びイソブテン等の共役ジエン類;1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、3−ビニル−1,3−ヘキサジエン、3−ビニル−1,5−ヘキサジエン、1−アリル−1−シクロペンテン、1−アリル−シクロヘキサン、1,5−ヘキサジエン、3−メチル−1,5−ヘキサジエン、3,4−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、1,2−ジビニルシクロブタン、4−ビニル−1−シクロヘキサン、1,6−ヘプタジエン、3,5−ジエチル−1,6−ヘプタジエン、4−シクロヘキシル−1,6−ヘプタジエン、3−(4−ペンテニル)−1−シクロペンテン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、1,9−オクタデカジエン、1−シス−9−シス−12−オクタデカトリエン、1,10−ウンデカジエン、1,11−ドデカジエン、1,12−トリデカジエン、1,13−テトラデカジエン、1,14−ペンタデカジエン、1,15−ヘキサデカジエン及び1,17−オクタデカジエン等の非共役ジエンを挙げることができる。更に、これらが重合法により異性化構造をとる場合も全て含まれる。
これらの中で、特にブタジエンは石油溜分の熱分解ガスより得られ、また他の石油化学製品の中間体又は廃物から得られるので入手が容易で好ましい。ブタジエン等のジオレフィン単量体は、共重合体を製造する際15〜50重量%で使用されることが支持体と受容層の良好な接着性を得る上で好ましく、特に20〜45重量が好ましい。
【0017】
本発明の共重合体の形成に使用されるビニル単量体は、共重合体中で硬質部分を形成するモノマーである。例えば、ビニル芳香族化合物(例、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、シクロヘキシルスチレン、デシルスチレン、ベンジルスチレン、クロルメチルスチレン、トリフルオロメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレン、メトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、ジメトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、トリクロルスチレン、テトラクロルスチレン、ペンタクロルスチレン、ブロムスチレン、ジブロムスチレン、ヨードスチレン、フルオロスチレン、トリフルオロスチレン2−ブロム−4−トリフルオロメチルスチレン、4−フルオロ−3−トリフルオロメチルスチレン、ビニル安息香酸およびビニル安息香酸メチルエステル);α,β−不飽和ニトリル(例、アクリロニトリル);(メタ)アクリル酸エステル(例、メタクリル酸メチル);ハロゲン化ビニル(例、塩化ビニル);及びビニルエステル(例、酢酸ビニル)を挙げることができる。スチレン、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、塩化ビニルおよび酢酸ビニルが好ましく、特にスチレンが好ましい。
上記単量体は、共重合体を製造する際40〜80重量%で使用されることが支持体と受容層の良好な接着性を得る上で好ましく、特に55〜80重量が好ましい。
【0018】
上記共重合体は、上記単量体と共に、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、カルボニルジオキシ基等の官能基を有する単量体を用いて得られるポリマーであることが好ましい。
上記官能基を有する単量体は、例えば下記一般式:
CH2 =CH(−R)(−X)
で表わすことができる。
上記一般式において、Rは水素原子、アルキル基、−CH2 COOH、−CH2 CH=CHCHO、又は−CH2 COOR1 (R1 は−CH2 COOCH2 CH2 CH3 、−CH2 COOCH3 又はCH=CH2 を表わす)を表わし、そしてXは、水酸基、カルボキシル基、アミド基、アミノ基、アリル基、オキシラン環、エステル結合及びビニル基から選ばれた少なくとも一種を有する基(例、−OCH2 CH2 N(−R3 )(−R4 )[R3 、R4 :H、低級アルキル、メチロール]、−COOCH2 Y、−CH2 OCH2 Y[Y:オキシラン環]、−COOCH2 CH2 OH、−COOCH2 (OH)CH3 、−CHO、−CH2 CH=CHCHO、−R5 NHCH2 OR6 [R5 、R6 :低級アルキル]、−Y1 −CH3 [Y1 :シクロヘキシル]、−COOC24 OCH2 CH=CH2 、−CH2 OH、−COOCH2 CH=CH2 、−COOC24 OOC(CH3 )=CH2 、−Ph−CH=CH2 [Ph:フェニレン基])を表わす。
【0019】
上記官能基を有する単量体の化合物例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、2−アミノエチルビニルエーテル、ジメチルアミノエチルメタクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、N−メチロール化アクリルアミド、N−メチロール化メタクリルアミド、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、アクロレイン、クロトンアルデヒド、アリルアクリレート、ビニルトルエン、アリルオキシエチルアクリレート、4−ビニルシクロヘキサンモノエポキサイド、アリルアルコール、アリルメタクリレート、ジアリルイタコネート、エチレングリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼン等を挙げることができる。これらの中で、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、2−アミノエチルビニルエーテル、ジメチルアミノエチルメタクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼンが好ましい。
【0020】
上記官能基を有する単量体は、共重合体を製造する際0.01〜30重量%で使用されることが支持体と受容層の良好な接着性を得る上で好ましく、特に0.1〜10重量%が好ましい。上記官能基を有する単量体は、一種使用しても良いし、二種以上で使用しても良い。
上記単量体より得られる共重合体としては、スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリル酸共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリル酸・2−ヒドキシエチルアクリレート共重合体、スチレン・ブタジエン・2−ヒドキシエチルアクリレート・ジビニルベンゼン共重合体等を挙げることができる。これらの共重合体はラテックスとして一般に使用される。
【0021】
本発明の下塗層は、上記のように硬化された樹脂からなる層である。樹脂の硬化は、一般に架橋剤により行なわれる。
上記架橋剤としては、例えば、アルデヒド類(例、ホルムアルデヒド、グリオキザール及びグルタルアルデヒド)、N−メチロール化合物(例、ジメチロール尿素及びメチロールジメチルヒダントイン)、ジオキサン誘導体(例、2,3−ジヒドロキシジオキサン)、カルボキシル基を活性化することにより作用する化合物(例、カルベニウム、2−ナフタレンスルホナート、1,1−ビスピロリジノ−1−クロロピリジニウム及び1−モルホリノカルボニル−3−(スルホナトアミノメチル))、活性ビニル化合物(例、1、3、5−トリアクロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビス(ビニルスルホン)メタン及びN,N’−メチレンビス−[βー(ビニルスルホニル)プロピオンアミド])、ジクロルトリアジン誘導体(例、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジン)、エポキシ基を有する化合物(例、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、バーサティック酸グリシジルエステル、フェニルグリシジルエーテル)、イソオキサゾール類、メラミン樹脂、イソシアネート化合物及びジアルデヒド澱粉、などを挙げることができる。これらは、単独または組み合せて用いることができる。これらの中で、ジクロルトリアジン誘導体が好ましい。
【0022】
上記ジクロルトリアジン誘導体は、一般に下記の一般式(1)又は(2):
【0023】
【化1】
Figure 0003747971
【0024】
(但し、R11は、アルキル基、環状アルキル基、アリール基、アルアルキル基、金属又は水素原子を表わし、R12及びR13は、水素原子、アルキル基、環状アルキル基、アリール基、アルアルキル基又は−NHR14(R14:アルキル、アシル)を表わし、あるいはR12及びR13は、結合してO、S、NR15(R15:アルキル)等を含む環を形成しても良い。)
を有する化合物である。
上記ジクロルトリアジン誘導体の例を下記に示す。
【0025】
【化2】
Figure 0003747971
【0026】
【化3】
Figure 0003747971
【0027】
【化4】
Figure 0003747971
【0028】
これらのなかで、特に2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジン誘導体(例、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩)が好ましい。
上記架橋剤の添加量は、樹脂に対して、0.1〜20重量%が好ましく、特に0.5〜15重量%が好ましい。
【0029】
この下塗層を主として構成する樹脂は、それぞれ単一素材でも良いし複数の素材の混合系でもよい。上記下塗層は、所望の表面電気抵抗を得るために、導電性金属酸化物粒子を含んでいることが好ましい。導電性金属酸化物粒子の材料としては、ZnO、TiO、SnO2 、Al23 、In23 、SiO2 、MgO、BaO及びMoO3 を挙げることがきる。これらは、単独で使用しても良く、これらの複合酸化物を使用しても良い。また、金属酸化物は、異種元素をさらに含有するものが好ましく、例えば、ZnOに対してAl、In等、TiOに対してNb、Ta等、SnO2 に対しては、Sb、Nb、ハロゲン元素等を含有(ドーピング)させたものが好ましい。これらの中で、SbをドーピングしたSnO2 が特に好ましい。また、導電性金属酸化物粒子の粒径は、0.2μm以下が好ましい。また下塗層は、さらに塗布適性や表面品質を高める目的で各種の界面活性剤、マット剤を使用してもよい。
【0030】
上記下塗層の形成は、例えば、上記樹脂のラテックス、架橋剤を含む水分散液(塗布液)を、支持体上に塗布、加熱乾燥することにより実施することができる。塗布は、例えば、エアードクターコーター、ブレッドコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、ワイヤーバーコーター、バーコーター等の公知の塗布方法で行なうことができる。
乾燥は、熱風乾燥機により通常90〜220℃で、0.5〜10分間乾燥するが、130〜200℃で0.5〜5分間乾燥することが好ましい。このように形成される下塗層の層厚は、一般に0.05〜10μmの範囲であり、0.1〜5μmの範囲が好ましい。
また、下塗層が形成される側の支持体表面は、支持体と下塗層の接着性を更に向上させるために、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、紫外線照射処理等の表面処理を行なうことが好ましい。
【0031】
上記下塗層上に形成される受像層は、熱可塑性樹脂からなり、このような樹脂としては、一般にガラス転移温度35℃以上(好ましくは45〜120℃)のポリマーが使用される。例えばポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アミノ樹脂、フェノール樹脂を挙げることができる。有機溶剤可溶性ポリマー、水溶性ポリマー、エマルジョンでも良い。有機溶剤可溶性ポリマーが好ましい。
受像層をカラートナーに使用する場合、4色のカラートナーを転写、定着させる必要があり、このような受像層のポリマーは凝集エネルギーの高いものである必要がある。このようなポリマーとしては、ポリエステル樹脂、特に芳香族系のポリエステルが好ましい。芳香族系のポリエステルとしては、テレフタル酸単位及び2,6−ナフタレンジカルボン酸単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の二塩基酸成分の繰返し単位、そしてエチレングリコール単位、トリエチレングリコール単位、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物単位及びビスフェノールAのイソプロピレンオキサイド付加物単位からなる群より選ばれる少なくとも一種を含む二価アルコール成分の繰返し単位からなるポリエステルが好ましい。さらに上記ポリエステルを、水溶性あるいはエマルジョンとする場合にはスルホベンゼンジカルボン酸単位をポリエステルに導入する必要がある。
上記芳香族系ポリエステル(特にビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物単位を有するポリマー)は、トナー定着温度で適度に軟化する為、トナーは受像層内に埋め込まれ、また一般に受像層表面とトナーとの定着温度での傾斜角(後述する)が小さくなるので凹凸がほとんどない定着画像を得ることができる。また上記ポリエステルを使用することにより、トナーと受像層(ポリエステル)がその界面で相溶するため、トナーと受像層との界面の発生がほとんどなくなり、これによりオーバーヘッドプロジェクターからの光の屈折もほとんどなくなることから、投影画像として濁りのない優れた発色性を有する画像を得ることができる。
【0032】
上記芳香族系ポリエステルとしては、上記二塩基酸成分の繰返し単位が、テレフタル酸単位および2,6−ナフタレンジカルボン酸単位からなる群より選ばれる少なくとも一種のジカルボン酸単位、そして二価アルコール成分の繰返し単位が、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物単位、ビスフェノールAのイソプロピレンオキサイド付加物単位からなる群より選ばれる少なくとも一種のジオール単位を含むポリエステルが好ましい。
上記ポリエステルとしては、上記二塩基酸成分の繰返し単位が、テレフタル酸単位および2,6−ナフタレンジカルボン酸単位からなる群より選ばれる少なくとも一種のジカルボン酸単位とスルホベンゼンジカルボン酸単位(好ましくは5〜17モル%)とを含み、そして二価アルコール成分の繰返し単位が、エチレングリコール単位、トリエチレングリコール単位、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物単位からなる群より選ばれる少なくとも一種のジオール単位を含むポリエステルが好ましい。
【0033】
上記スルホアリールジカルボン酸またはそのアルキルあるいはヒドロキシアルキルエステルにおいて、ヒドロキシアルキルとしてはヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシイソプロピル基及びヒドロキシブチル基を挙げることができ、アルキルとしてはメチル基、エチル基、イソプロピル基、プロピル基、またはブチル基を挙げることができる。特にヒドロキシエチル基が好ましい。スルホ基は、ナトリウム、カリウムまたはリチウムの塩であることが好ましく、特にナトリウム塩が好ましい。
上記スルホベンゼンジカルボン酸またはそのアルキルあるいはヒドロキシアルキルエステルは、スルホン酸の金属塩基を有するイソフタル酸、テレフタル酸又はフタル酸、あるいはこれらの酸の低級アルキルエステルまたは低級ヒドロキシアルキルエステルであることが好ましく、特にスルホン酸の金属塩基を有するイソフタル酸またはその低級アルキルあるいは低級ヒドロキシアルキルエステル、更にスルホン酸の金属塩基を有するイソフタル酸メチルエステルまたはヒドロキシエチルエステルが好ましい。
【0034】
上記ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物は、エチレンオキサイド付加数が1〜5モル(好ましくは1又は2モル)が好ましい。上記ビスフェノールAのイソプロピレンオキサイド付加物は、イソプロピレンオキサイド付加数が1〜5モル(好ましくは1又は2モル)が好ましい。
【0035】
上記ポリエステルの数平均分子量は、1500〜5000の範囲が好ましい。また上記ポリエステルの重量平均分子量は、2500〜15000の範囲が好ましい。上記ポリエステルの(重量平均分子量/数平均分子量)は、1.2〜3.0の範囲にあることが好ましい。
【0036】
上記受像層は、マット剤を含有しても良い。マット剤の添加は、滑り性を向上させることができるので、耐摩耗性及び耐傷性においても良好な効果を与える。
上記マット剤に使用される材料としては、フッ素系樹脂、低分子量ポリオレフィン系有機ポリマー(例、ポリエチレン系マット剤、パラフィン系又はマイクロクリスタリン系のワックスエマルジョン)、略球状のマット剤に使用される材料としては、ビーズ状プラスチックパウダー(材料例、架橋型PMMA、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン又はポリスチレン)、及び無機微粒子(例、SiO2 、Al23 、タルク又はカオリン)を挙げることができる。
上記マット剤の含有量は、ポリマーに対して0.1〜10重量%が好ましい。
【0037】
上記受像層は1×1010〜1×1014Ωの範囲(25℃、65%RHの条件にて)の表面電気抵抗を有することが好ましい。1×1010Ω未満の場合は、電子写真用被転写フィルムの受像層にトナーが転写される際のトナー量が充分でなく得られるトナー画像の濃度が低く、一方、1×1014Ωを超える場合は、転写時に必要以上の電荷が発生しトナーが充分に転写されず、画像の濃度が低くなる。電子写真用被転写フィルムの取り扱い中に静電気を帯びて塵埃が付着し易く、また複写時にミスフィード、重送、放電マーク、トナー転写ヌケなどが発生し易くなる。
【0038】
受像層を上記表面電気抵抗に調整する等の目的で、上記受像層に界面活性剤を含有させても良い。界面活性剤としては、例えばアルキルベンゼンイミダゾールスルホン酸塩、ナフタリンスルホン酸塩、カルボン酸スルホンエステル、リン酸エステル、ヘテロ環アミン類、アンモニウム塩類、ホスホニウム塩類及びベタイン系両性塩類、あるいはZnO、SnO2 、Al23 、In23 、MgO、BaO及びMoO3 等の金属酸化物を挙げることができる。
【0039】
受像層は、所望により、さらに着色剤、紫外線吸収剤、架橋剤、酸化防止剤等公知の材料を、本発明の電子写真用被転写フィルムの特性を損なわない限り、使用することができる。
【0040】
上記受像層の形成は、例えば、上記ポリマー、マット剤及び帯電防止剤等を水、あるいは有機溶剤に分散又は溶解させ、得られた塗布液を上記透明支持体上に塗布、加熱乾燥することにより実施することができる。塗布は、例えばエアードクターコーター、ブレッドコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、バーコーター等の公知の塗布方法で行なうことができる。
【0041】
上記受像層の層厚は、1〜8μmの範囲が好ましく、特に2〜6μmの範囲が好ましい。1μm未満の場合は、トナーが充分に受像層内部まで埋め込むことが困難となり、トナー画像表面の中間調部で凹凸ができ易くなる。また8μmを越えた場合は、定着時に受像層内で凝集破壊が起こり易くなり、オフセット現象が発生し易くなる。
【0042】
次に、本発明の電子写真用被転写フィルムを用いて複写する際に、有利に利用することができるカラー画像形成方法について説明する。
間接乾式フルカラー電子写真複写機に使用されるトナーは、熱を印加した際の溶融性及び混色性が良好なことが要求されることから、シャープメルト性のトナーを使用することが好ましい。トナーは、例えば、ポリエステル等の結着樹脂、着色剤(染料、顔料)、荷電制御剤のごときトナー形成用材料を溶融混練、粉砕、分級することにより製造することができる。
【0043】
次にカラー画像形成方法について具体的に説明する。
図3は、本発明に使用することができるフルカラー画像を形成し得る電子写真複写機(装置)の一例の概略の断面図を示す。電子写真複写機は、複写機本体の下側から複写機本体の略中央部に亘って設けられている転写材搬送系と、複写機本体の略中央部に、前記転写材搬送系を構成している転写ドラム70に近接して設けられている潜像形成部と、前記潜像形成部と近接して配設されており現像装置とに大別される。
【0044】
転写材搬送系は、複写機本体の下側に配設されている供給用トレイ75および76、それら各トレイの略直上部に配設された給紙用ローラー77および78と、これらの給紙用ローラーに近接して配設された給紙ガイド79および80が配設されているとともに、内周側に転写装置71および電極84が配設された矢印方向に回転自在な転写ドラム70、その外周面近傍に転写材分離帯電器81及びその外周面に当接された当接用ローラー83、搬送板73、その搬送板73の搬送方向終端側に近接して配設された定着器74(定着ロール74a、74bからなる)、及び着脱可能な排出用トレイ82から構成されている。
【0045】
潜像形成部は、外周面が前記転写ドラム70の外周面と当接して配接されているとともに、矢印方向に回転自在な静電潜像保持体(感光体ドラム)90、その静電潜像担持体の外周面近傍に配設されている帯電器98、その静電潜像保持体の外周面上に静電潜像を形成するためのレーザービームスキャナ等の像露光手段とポリゴンミラー等の像露光反射手段を有する書き込み装置99、及びクリーニング装置72を具備している。
【0046】
現像装置は、現像剤保持体97およびハウジング96から構成されており、前記静電潜像保持体90の外周面と対向する位置にて静電潜像保持体の外周面上に形成された静電潜像を可視化(すなわち現像)するためのブラック現像機92、マゼンタ現像機93、シアン現像機94及びイエロー現像機95を有している。
【0047】
上記構成を有する電子写真装置による画像形成シーケンスについて、フルカラーモードの場合を例にとって説明する。前述した静電潜像保持体90が矢印方向に回転すると、その静電潜像保持体表面が帯電器98により均等に帯電される。帯電器98による均等な帯電が行われると、原稿(図示せず)のブラック画像信号にて変調されたレーザ光により書き込み装置99を通して、静電潜像保持体91上に静電像が形成され、ブラック現像機92により前記静電潜像の現像が行われる。
一方、供給用トレイ75または76から給紙ローラー77または78、給紙ガイド79または80を経由して搬送されてきた転写材(電子写真用被転写フィルム)は、当接用ローラー83と対向している電極84によって静電的に転写ドラム70に巻き付けられる。転写ドラム70は、静電潜像保持体90と同期して矢印方向に回転しており、ブラック現像機92で現像された顕画像(未定着のトナー画像)は、静電潜像保持体91の外周面と転写ドラム70の外周面とは当接している部位で、転写装置71によって転写される。転写ドラム70はそのまま回転を継続し、次の色(図7においてマゼンタ)の転写に備える。
一方、静電潜像保持体90は、除電用帯電器(図示せず)により除電され、クリーニング装置72によってクリーニングされた後、再び帯電器98によって帯電され、次のマゼンタ画像信号により前記のような潜像光を受ける。マゼンタ画像信号により像露光を受けて形成された静電潜像は、マゼンタ現像器93により現像され顕画像となる。引続いて、上記したようなプロセスをそれぞれシアン色およびイエロー色に対しても実施し、4色分の転写が終了すると、転写材上に形成された多色顕画像は帯電器81により除電され、搬送板73により定着器74に送られ、熱と圧力により定着さえ、一連のフルカラー画像形成シーケンスが終了する。
【0048】
本発明に使用される間接乾式フルカラー電子写真複写機としては上記に示したもの(図3)だけではなく、像担持体上に順次形成された各色に対応する静電潜像を各色のトナーで順次現像し、該現像々をベルト状中間転写体上に静電的に順次重ねて1次転写するとともに、この中間転写体上に多重転写されたトナー像を、トナーの帯電極性とは逆極性の転写用電圧の印加されたバイアストランスファーロールにより被記録媒体上に2次転写することによりカラー画像の形成を行う間接乾式フルカラー電子写真複写機や、複数の現像器によって顕像化する工程を複数回行い、像担持体上に多色像を形成し、この多色像を被記録場板上に一括転写してカラー画像の形成を行う間接乾式フルカラー電子写真装置や、複数個の像担持体を並置し、各像担持体上に形成された画像を転写ベルトに搬送される被記録媒体上に順次転写してカラー画像の形成を行う間接乾式フルカラー電子写真複写機も使用することができる。
【0049】
【実施例】
【0050】
[実施例1]
[下塗層形成用塗布液]
スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(固形分として) 3.8重量部
(スチレン/ブタジエン/ヒドロキシエチルメタクリレート
/ジビニルベンゼン=67/30/2.5/0.5;重量比)
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5− 0.1重量部
トリアジンナトリウム塩(架橋剤)
二酸化スズ微粒子 2.0重量部
(SN−88;平均粒径=88nm;石原産業(株)製)
純水 94.1重量部
【0051】
二軸延伸により熱固定された厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムをコロナ放電処理し、その処理表面に上記下塗層形成用塗布液を、バーコーター#2.8を用いて塗布し、180℃で1分間乾燥した。層厚は、0.25μmであった。
【0052】
[受像層形成用塗布液]
*下記の組成を有するポリエステル樹脂 11.6重量部
(固形分として)
架橋型PMMAマット剤 0.06重量部
(MR−7G;平均粒径:7μm、綜研化学(株)製)
メチルエチルケトン 72.9重量部
【0053】
Figure 0003747971
【0054】
上記受像層形成用塗布液を、上記下塗層の表面に、バーコーター#10を用いて塗布し、90℃で1分間乾燥した。層厚は2.0μmであった。
このようにして、ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に下塗層及び受像層が形成された電子写真用被転写フィルムを作成した。
【0055】
[実施例2]
実施例1において、下塗層形成用塗布液及び受像層形成用塗布液を下記の組成のものに変えた以外は実施例1と同様にして電子写真用被転写フィルムを作成した。
[下塗層形成用塗布液]
スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(固形分として) 3.8重量部
(スチレン/ブタジエン/アクリル酸
/ヒドロキシエチルメタクリレート=
58/40/1/1;重量比)
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5− 0.1重量部
トリアジンナトリウム塩(架橋剤;前記化合物22)
二酸化スズ微粒子 2.0重量部
(SN−88;平均粒径=88nm;石原産業(株)製)
純水 94.1重量部
【0056】
[受像層形成用塗布液]
*下記の組成を有するポリエステル樹脂 11.6重量部
(固形分として)
架橋型PMMAマット剤 0.06重量部
(MR−7G;平均粒径:7μm、綜研化学(株)製)
純水 72.9重量部
【0057】
Figure 0003747971
上記組成のポリエステル樹脂の水分散液の調製
上記ポリエステル200gを、90℃に加熱した蒸留水800g中にディスパーで攪拌しながら(1000rpm)投入し、この温度で3時間攪拌を続け、ポリエステル樹脂水分散液を得た。
【0058】
[比較例1]
実施例1において、前記下塗層形成用塗布液から2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩(架橋剤)を除いた下記の下塗層形成用塗布液を使用した以外は実施例1と同様にして電子写真用被転写フィルムを作成した。
[下塗層形成用塗布液]
スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス(固形分として) 3.8重量部
(スチレン/ブタジエン/ヒドロキシエチルメタクリレート
/ジビニルベンゼン=67/30/2.5/0.5;重量比)
二酸化スズ微粒子 2.0重量部
(SN−88;平均粒径=88nm;石原産業(株)製)
純水 94.1重量部
【0059】
[比較例2]
実施例1において、下記の下塗層形成用塗布液を使用した以外は実施例1と同様にして電子写真用被転写フィルムを作成した。
[下塗層形成用塗布液]
水溶性アクリル樹脂(固形分として) 3.8重量部
(ジュリマーET−410、日本純薬(株)製)
二酸化スズ微粒子 2.0重量部
(SN−88;平均粒径=88nm;石原産業(株)製)
純水 94.1重量部
【0060】
[比較例3]
実施例1において、下記の下塗層形成用塗布液を使用した以外は実施例1と同様にして電子写真用被転写フィルムを作成した。
[下塗層形成用塗布液]
水分散型グリシジルアクリレート変性ポリエステル
(固形分として) 3.8重量部
(ペスレジンA−515B、高松油脂(株)製)
二酸化スズ微粒子 2.0重量部
(SN−88;平均粒径=88nm;石原産業(株)製)
純水 94.1重量部
【0061】
[ポリエステル組成]
上記ポリエステルの組成はプロトン法NMRによる測定値より決定した。
【0062】
[数平均分子量及び重量平均分子量]
上記数平均分子量及び重量平均分子量の測定は、以下のように行なった。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(SCL−6B,(株)島津製作所製)を用いて、GPCのカラムとしてShodex−KF804を使用し、40℃で、溶媒(テトラヒドロフラン)を毎分0.8mlの流速で流しながら、8mg/ml(試料)/20ml(テトラヒドロフラン)の濃度の試料を15μl注入して行なった。尚、標準物質としてポリスチレンを用いた。
【0063】
得られた電子写真用被転写フィルムを下記の方法によりその特性を評価した。
【0064】
1)PE(正透過光の割合)
前記実施例及び比較例で得られた電子写真用被転写フィルム及び上記で得られたトナーを用いて図3に示す間接乾式フルカラー電子写真複写機により、被転写フィルム上に、入力網点面積率100%部のトナー量が、ブラック1.0mg/cm2 、そしてイエロー、マゼンタ及びシアン0.65mg/cm2 付着するように調整した。そして、イエロー、マゼンタ及びシアントナーの入力網点面積率100%及び36%のパッチを未定着像として出力し、この未定着トナー像を加熱定着ロール温度150℃、平均加熱時間100msec. の条件にて加熱加圧して定着し、被転写フィルム上にフルカラー定着画像を形成した。得られた定着画像の、入力網点面積率100%(Cin100%)部及び入力網点面積率36%(Cin36%)部の正透過光の割合(Projection Efficiency;以下PEという)を測定した。各色共同様な結果が得られたのでイエローの結果のみ表1に示す。
上記正透過光の割合PEは、等色関数として2°視野、標準の光としてA光源を用い、積分球のアパーチャーの画角が7°の分光光度計で、正透過率及び拡散透過率を測定し、次式より求めた。
PE=log[Σ{P(λ)+N(λ)}/n]/log{ΣP(λ)/n}
ここでλは波長を表わし、P(λ)は波長λにおける正透過率を表わし、N(λ)は波長λにおける拡散透過率を表わし、そしてnは可視光領域のサンプリング数を表わす。
即ち、PEが大きい程、正透過光成分が多いことによりOHPによる投影画像が鮮やかであることを示す。PE値(%)と投影画像の目視による評価との関係は、PE値75%以上であれば、投影画像の色再現性が優れていることが分かった。
【0065】
2)オフセット
上記1)の測定に於て、オフセットの発生の有無について観察した。そして下記のように評価した。
AA:オフセットの発生が見られない
BB:定着画像(受像層)が少し浮いている
CC:受像層が定着ロールに移動している
【0066】
3)接着性
上記1)の測定に於て、フルカラー定着画像が形成されたフィルムを、半径 mmのバーに沿って折り曲げ、その折り曲げ部分における画像(受像層)のはがれの状態を観察した。そして下記のように評価した。
AA:画像(受像層)のはがれが見られない
BB:画像(受像層)のはがれが少しある
CC:画像(受像層)のはがれ著しい
【0067】
上記測定結果を下記の表1に示す。
【0068】
【表1】
Figure 0003747971
【0069】
【発明の効果】
本発明の電子写真用被転写フィルムは、透明支持体の表面に硬化された樹脂からなる下塗層が形成され、その上に受像層が設けられた構成を有する。このように、受像層と透明支持体との間に硬化された樹脂からなる下塗層を設けることにより、受像層の接着性が向上するため、受像層に形成されたトナー画像もはがれ難くなり、定着ロールへのオフセット現象の発生がなくなるか、あるいは大きく低減する。また受像層の接着性が向上することにより、フィルムが屈曲した際の受像層やトナー画像の剥れも有効に防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真用被転写フィルムの代表例の構成を示す断面の模式図である。
【図2】本発明の電子写真用被転写フィルムの別の代表例の構成を示す断面の模式図である。
【図3】本発明に使用することができるフルカラー画像を形成し得る電子写真複写機の一例の概略の断面図である。
【符号の説明】
11、21 透明支持体
12、22a、22b 受像層
13、23a、23b 下塗層
70 転写ドラム
71 転写装置
72 クリーニング装置
73 搬送板
74 定着器
75、76 供給用トレイ
77、78 給紙用ローラー
79、80 給紙ガイド
81 転写材分離帯電器
82 排出用トレイ
83 当接用ローラー
84 電極
91 静電潜像保持体(感光体ドラム)
92 ブラック現像機
93 マゼンタ現像機
94 シアン現像機
95 イエロー現像機
96 ハウジング
97 現像剤保持体
98 帯電器
99 書き込み装置

Claims (7)

  1. 透明支持体の表面に下塗層が設けられ、そして該下塗層上に熱可塑性樹脂からなる受像層が備えられた電子写真用被転写フィルムであって、該下塗層が、10〜90重量%のジオレフィン単量体と90〜10重量%のビニル単量体との共重合体を硬化した樹脂からなる層であることを特徴とする電子写真用被転写フィルム。
  2. 該共重合体が、スチレン・ブタジエン系共重合体である請求項1に記載の電子写真用被転写フィルム。
  3. 該硬化が、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジン誘導体によりなされている請求項1に記載の電子写真用被転写フィルム。
  4. 該熱可塑性樹脂が、ポリエステルである請求項1に記載の電子写真用被転写フィルム。
  5. 電子写真用被転写フィルムが、カラー画像形成用である請求項1に記載の電子写真用被転写フィルム。
  6. 下記の(1)〜(3)の工程:
    (1)感光体表面を画像様に露光し潜像を形成する工程、
    (2)該潜像を着色材料とバインダー樹脂からなるカラー画像を形成するための二種以上のトナーのうち一種を用いて現像して感光体表面に画像を形成する工程、及び
    (3)該画像を、請求項1に記載の電子写真用被転写フィルムの該受像層に、転写する工程、
    を上記トナーの種類の数だけ繰り返すことにより該電子写真用被転写フィルム上にカラー画像を転写した後、
    該トナーの転写画像を、該トナーの定着温度に加熱された定着器で定着することにより該電子写真用被転写フィルム上にカラー画像を形成することからなるカラー画像形成方法。
  7. 下記の(1)〜(3)の工程からなる電子写真用被転写フィルム上にカラー画像を形成する方法:
    (1)感光体表面を画像様に露光し潜像を形成する工程、
    (2)該潜像を着色材料とバインダー樹脂からなるカラー画像を形成するための二種以上のトナーを用いて順次現像し、感光体表面に各色の画像を順次形成する工程、及び
    (3)該各色の画像を、ベルト状中間転写体上に静電的に順次重ねて1次転写するとともに、この中間転写体上に多重転写されたトナー像を、トナーの帯電極性とは逆極性の転写用電圧が印加されたバイアストランスファーロールにより請求項1に記載の電子写真用被転写フィルムの受像層に2次転写し、次いで該電子写真用被転写フィルムを、該トナーの定着温度に加熱された定着器で定着する工程。
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