JP3746328B2 - 可搬型衛星通信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可搬型衛星通信装置に係り、特に、災害発生時などに迅速に使用することができる可搬型衛星通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、衛星通信は、地球上に静止している通信衛星を使用して行われる。このため、衛星通信のための地上局は、地上に固定して設置されているアンテナと、このアンテナに接続される送受信送信とにより構成されるのが一般的である。
【0003】
このような衛星通信用の設備は、通信衛星の方向にアンテナを向けておく必要があること、通信衛星からの電波の電界強度が小さく、この弱い電界強度の電波を介して通信を行わなければならないこと等の技術的課題を解決しなければならない。このため地上局は一般的には大型のもので、移動できない据え付けタイプのものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、日本で発生した大地震の自然災害では地上に設置されている通信設備が使用できなくなり、この事が二次災害の防止の上での大きな障害の一つになったと考えられている。このことから、自然災害等により地上の各種通信設備が使用不能になった場合の通信の確保のために、小型で持ち運び容易な通信衛星を使用して通信を行うことができる衛星通信装置に対する要望が高まっている。しかし、適切な装置がなかった。
【0005】
実用に供されている可搬型の衛星通信装置も知られているが、この装置は、機器の設置、アンテナを通信衛星の方向に向けるための操作等が難しかったりなどの問題点を有している。
【0006】
本発明の目的は、小型で操作性の高い衛星通信装置を提供することである。小型で操作性が高ければ、一般の通信のみならず前述の如き災害発生時等に迅速に何処でても使用することができる。これにより例えば災害復旧センターが使用する中央局となる地上固定局との間で通話、データの伝送等を容易に行うことができる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば前記目的は、通信衛星を介して通信を行う可搬型衛星通信装置において、操作装置を備えた本体部と、該本体部に対して開閉可能に接続され、通信衛星に向けて電波を送信し、また、通信衛星からの電波を受信するアンテナ部と、送受話器とを備え、前記本体部は、少なくとも前記通信衛星に対するアンテナの目標方位角と目標仰角とを表示する表示手段と、前記本体部あるいは実際の方位角を示す方位指示手段とを備えると共に、前記アンテナ部の方位角を調整する方位角調整具と、前記アンテナ部を開閉可能に接続するアンテナ支持部とを備え、前記方位角調整具は、前記本体部に対して回転可能に接続され、かつ、前記アンテナ部の仰角を調整する仰角調整具を備え、前記仰角調整具は、その一端が前記アンテナ支持部と回転可能に接続され、他端が前記方位角調整具に形成された溝内を摺動するように接続され、前記アンテナ支持部は、その支持点が前記アンテナ部のほぼ中央にあり、前記アンテナ部はこの支持点の周囲に回転可能に支持されていることにより達成される。
【0008】
以下に説明する実施例に於いては、前記目的に加え更に具体的課題を解決しており、例えば、操作性を向上するため前記表示手段及び方位指示手段は前記本体部の手前側の上面に配置され、前記送受話器は、前記本体部に設けた収納部に取り出し可能に収納されている。また、衛星の方向にアンテナを向ける操作を容易にするため、前記本体部の上面には本体の水平度合いを示す水準器と、通信衛星からの受信電波の強度を表示する表示手段とが設けられている。また、本体部には、使用環境に配慮し色々な使用状態に対応できるように、自動車またはバイクのバッテリー、パソコン、GPS、外部アンテナ等を接続する端子群が設けられる。
【0009】
本発明による可搬型衛星通信装置は、本体部の蓋がアンテナ部を構成しており、また、アンテナ部を向けるべき目標方位角、仰角を表示する表示手段を備えているので、アンテナ部を開いた後、方位指示手段、表示手段等の助けを借りて、アンテナ部を素早く容易に通信衛星の方向に向けてセットすることができる。このため、災害発生時等の緊急時にも、災害発生現場からの通信回線を即座に確保することができる。
【0010】
以下に示す実施例では、さらに具体的課題にも対応しており、具体的課題に対して次のような作用がある。例えば外部接続端子にパソコン等を接続することによりデータの送受信を行うことが可能となり、さらに、外部アンテナを使用することにより、より安定な通信を行うことを可能とする。さらに、GPS等から装置使用場所の位置データを入力させ、アンテナ部のセット方向としての方位角、仰角を正確に表示させるようにすることもできる。これにより、より容易にアンテナ部のセットを行うことが可能なる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による可搬型衛星通信装置の一実施形態を図面により詳細に説明する。
【0012】
図1は本発明の一実施形態による可搬型衛星通信装置を使用する通信システムの構成例を示すブロック図である。図1において、1はセンタ局、2はサブセンタ局、3は通信衛星、4は可搬型衛星通信装置、5はPBX、6は公衆通信網、7は電話機である。
【0013】
図1に示す通信システムは、災害発生時に、本発明の一実施形態による可搬型衛星通信装置4と、政府、地方公共団体等の防災本部等に設置されたセンタ局1との間で通信衛星3を介した通信リンクを確立し、災害現場からの各種情報を本部に連絡し、あるいは、本部からの各種指示を受けることが可能としたシステムの構成例を示したものである。図1に示す例では、災害発生時に指揮をとる防災本部として、メインとなる第1防災本部と、第1防災本部のバックアップを行う第2防災本部とが設けられ、これらの防災本部に通信衛星3を介して本発明の一実施形態による可搬型衛星通信装置4との間で通信を行うセンタ局1及びサブセンタ局2が設置されている。また、本発明の一実施形態による可搬型衛星通信装置4は、人間、自転車、バイク、自動車等により災害現場に運搬され、あるいは、現場の近くに住む政府、地方公共団体の幹部の住宅等に予め配布されているものとする。
【0014】
図1において、災害発生時、防災本部の業務の開始により、センタ局1またはサブセンタ局2は、通信衛星3との間の通信リンクを確立して、災害現場等に運搬された可搬型衛星通信装置4からの通信の開始を待つ。災害現場等に運搬された可搬型衛星通信装置4を持つ作業者は、後述のように構成される可搬型衛星通信装置4のアンテナを衛星方向に向けて設置した後、通信衛星3との通信リンクを確立して、センタ局1あるいはサブセンタ局2との通信を開始する。センタ局1、サブセンタ局2は、それぞれ、PBX5を介して通常の電話機7に接続され、また、公衆通信網6に接続されている。そして、サブセンタ局2は、センタ局1の障害時、あるいは、通信の輻湊時のバックアップを行う。また、これらのセンタ局1、2は、通信衛星3を介して現場に運搬されている可搬型衛星通信装置4との間の通話、データの授受、画像データの受信を行い、現場の状況情報の報告を受け、あるいは、各現場への的確な指示を行い、必要に応じて、現場の可搬型衛星通信装置4相互の通信の中継、現場の可搬型衛星通信装置と、PBX5、公衆通信網6を介した他の通信装置、例えば、通常の電話機7との間の通信の中継を行う。
【0015】
次に、前述したシステム例で使用される本発明による可搬型衛星通信装置の一実施形態の構成を説明する。
【0016】
図2は本発明の一実施形態による可搬型衛星通信装置の外観を説明する斜視図、図3は図2における本体部の上面の様子を説明する図、図4は可搬型衛星通信装置のアンテナを収納した状態の正面図、断面図及び手提用のハンドルとロック用のバックルとの関係を説明する図、図5は可搬型衛星通信装置の底面図、図6はコネクタ部について説明する図、図7はアンテナを開く状態を説明する側面図、図8はアンテナの回転機構と回転状態を説明する図、図9は本発明の一実施形態による可搬型衛星通信装置の信号送受信のための電気回路の構成を示すブロック図、図10は本発明の一実施形態による可搬型衛星通信装置の設置方法を説明する図である。図2〜図4において、20は本体部、21はアンテナ部、22は送受話器(以下ではハンドセットという)、23はハンドセット収納部、24はパネル部、25は手で釣り下げて運ぶためのハンドル、26はバックル、27は仰角調整具、28は方位角調整具、29はアンテナ支持部、30はランプ、31a〜31cはインシュレータ、32は微調整つまみ、33はロックつまみ、34は方位角調整具支点、35は取り扱い説明表示部、36はコネクタ部、37はコネクタカバー、38は三脚ベース、39は送受信回路部である。
【0017】
図2(a)は本発明の一実施形態による可搬型衛星通信装置4のアンテナ部21を開いて正面側から見たものであり、図2(b)は背面側から見たものである。これらの図に示すように本発明の一実施形態による可搬型衛星通信装置4は、本体部20とアンテナ部21とにより構成されている。この構成により、本発明の一実施形態は、装置全体を小型にシンプルに構成することができ、また、アンテナ部21を本体部20の蓋としているので、本体部上面に備えられる種々の機器を保護することができる。
【0018】
アンテナ部21は、その上面側が電波の送信受信方向とされた図示しないマイクロストリップアンテナをその内部に備えて構成され、本体部20に設けられる方位角調整具28に装置の背面部から回動可能に、すなわち、開け閉め可能にアンテナ支持部29を介して結合されている。そして、アンテナ部21は、装置の本体部20に対する蓋としても機能する。この蓋により、本体部20及び本体部上面に備えられる種々の機器を保護することができる。また、アンテナ部21の本体部20側と反対の面は平らであり、このため、本発明の実施形態による通信装置の運搬が容易となり、安全性の点でも優れたものとすることができる。
【0019】
このアンテナ部21は、前述したように方位角調整具28にアンテナ支持部29を介して結合されているため、方位角調整具28を方位角調整具支点34を中心として回転させることにより、その方位角を調整することができる。方位角調整具28上には、アンテナ部21の仰角を調整するための仰角調整具27が設けられている。この仰角調整具27は、その一方の端部がアンテナ部21に回動可能に結合され、他方の端部が方位角調整具28に設けた溝内を摺動するように構成され、ロックつまみ33によりその摺動位置にロックされる。これにより、アンテナ部21は、前記仰角調整具27の他方の端部を溝内に摺動させることによりその仰角が調整される。また、仰角調整部27の中央部には、仰角調整具27を僅かに伸び縮みさせることが可能な微調整機構が備えられ、微調整つまみ32により、アンテナ部21の仰角の微調整を行うことができる。
【0020】
仰角調整部27は、該仰角調整部27を溝内に摺動させることにより仰角を大まかに調整することが可能であり、また、微調整つまみ32により仰角調整具27を僅かに伸び縮みさせて仰角を細かく調整することが可能な微調整機構を備えているので、仰角の調整を迅速にまた高精度に行うことができる。また、後述するように、LCD表示部にアンテナの方位角、仰角の目標値を表示させ、この目標値に基づいて仰角を設定する場合、前述の仰角調整部27の溝内での摺動により仰角の調整を行い、次に、電波の受信状態を見ながら最もよい仰角を、微調整機構を調整する微調整つまみ32により調整する。このようにすることにより、調整をさらに簡単に迅速に行うことが可能となる。
【0021】
また、アンテナ部21は、アンテナ支持部29により支持されているが、その支持点が、アンテナ部21のほぼ中央部にあり、この支持点の周囲にアンテナ部21が回転可能に支持されている。この回転により、アンテナの偏波角の調整が行われる。アンテナ支持部29には、ランプ30が設けられており、夜間等に本体部20の上面に設けられるパネル部24、取り扱い説明表示部35を照明して装置の取り扱いを容易にしている。このランプ30は、図示しないスイッチにより点灯するように、あるいは、アンテナ部21が開かれたときに点灯するようにされる。なお、前述したアンテナ部21の方向の制御については、後に詳細に説明する。
【0022】
本体部20の上面には本体部カバー42が設けられ、本体部20は内部が防水構造となっている。この内部には、送受信のための回路および操作のための制御回路が設けられている。図2、図3に示すように、前記本体部カバーの上面には、前述したアンテナ部21の方位角調整具28が取り付けられていると共に、通話のために使用するハンドセット22を収納するハンドセット収納部23と、パネル部24とが設けられている。本体部22の前面側には、持ち運び用のハンドル25と、アンテナ部21が閉じられたときにアンテナ部21と本体部20とを固定するロック機構であるバックル26とが設けられ、また、側面側には、後述する各種の外部機器との接続のための端子を有するコネクタ部36が設けられている。
【0023】
そして、パネル部24には、電源スイッチ240、水準器241、方位磁石242、エラー表示用LED243、レベル表示用LED244、LCD表示部245、送信スイッチ246、送信可表示用LED247、音声送受信スイッチ248、データ送受信スイッチ249、モード切り替えスイッチ250、セットスイッチ251、表示スクロールスイッチ252、253が備えられている。また、このパネル部24の隣接位置には、取り扱い説明表示部35が設けられ、簡単な装置の取り扱い方法や、送受信地域と衛星の方向即ち方位や仰角偏波角の関係を記載した印刷物が貼付されている。印刷物を貼り付けて説明の表示を行うことは、最も簡単な方法であるが、この場合、必要な部分の説明をタイミングよく指示することが困難である。従って、LCD等を使用して説明を表示させるようにすることが望ましい。このようにした場合、つまみの操作、調整装置の操作に応じて必要な操作方法を順番に表示させることができ、さらに操作が容易となり、誤操作をも防止することができる。前述したパネル部24と取り扱い説明表示部35とは、本体部20の上面に対して手前側に傾斜して形成された面に構成されており、これにより、装置の操作性を向上させることができる。また、前述したパネル部24上に設けられている操作用のスイッチ類等は、操作の手順に従って左側から右側に順に配列されている。これにより、操作を判り易くすることができる。また、パネル部24が、操作方法を表示している説明表示部35に近接して設けられていることにより、より操作をし易くしている。
【0024】
本体部20の底面には、図5に示すように、その手前側の両端部及び背面側の中央部に3個のインシュレータ31a〜31cが設けられており、これらのインシュレータ31a〜31cは、その高さを調整することにより装置を水平に設置するために使用される。また、本体部20の底面の中央部には、図5に示すように、三脚ベース38が設けられており、可搬型衛星通信装置4を三脚に乗せて使用することを可能にしている。
【0025】
図4(a)、図4(b)に示すアンテナ部21を閉じた状態の正面図及び断面図から判るように、可搬型衛星通信装置4は、アンテナ部21が閉じられたとき、本体部20とアンテナ部21とが、バックル26により結合され、運搬用ハンドル25により運搬可能にされる。また、装置本体部20の内部には、通信衛星との通信を行い、その通信を制御すると共に装置全体の制御をも行う制御手段を含む送受信回路部39が収納されている。前記制御手段は、送受信回路部39に入力されるアンテナ部21からの入力信号レベル、電源電圧のレベルを監視し、そのレベルが低下したときに、エラー表示LED243にこれを表示して警報を発することができる。
【0026】
図4(c)、(d)には、手提用ハンドル25とロック用のバックル26との関係とを示しており、図4(c)に示すように、ハンドル25は、運搬時本体部20から引き出され、このとき、バックル26は、ハンドル25によりその回動が不可能とされて、本体部20とアンテナ部21とを閉じたロック状態を解除することができない。そして、図4(d)に示すように、ハンドル25が本体部20内に押し込まれたとき、バックル26は、ロックを解除することが可能である。逆に、ハンドル25は、バックル26により本体部20とアンテナ部21とを閉じてロック状態としない限り、引き出すことができない。これにより、誤ってアンテナ部21が開いた状態で持ち運ぶことができず、また、運搬の途中でアンテナ部21が開くようなことを防止することができる。
【0027】
また、バックル26は、本体部20側に設けられている。これは、前述したハンドル25との関係付けを行うと同時に、アンテナ部21を開いたときに、バックル26がアンテナ部21から吊り下げられて、本体部20の上面のパネル部に対する操作、調整、表示部の目視のじゃまとならないようにするためである。
【0028】
さらに、本体部20内には、図示していないが、動作用の電源であるバッテリーが収納されている。また、送受信回路部39には、各種のコネクタを有するコネクタ部36が接続されており、このコネクタ部36は、本体部20の側面に設けられたコネクタカバー37の内部に配置されている。また、図示していないが、本体部20内には、取り出し可能に懐中電灯等を収納しておくことができる。
【0029】
コネクタ部36に設けられる各種コネクタは、図6(a)に示すように、必要により位置情報を入力するためのGPS装置との接続コネクタ361、パソコン等とのインタフェースとなるRS232Cコネクタ362、外部アンテナ用のコネクタ363、外部バッテリー、自動車、バイク等のバッテリー、商用電源等からの電力を供給する電源コネクタ364等である。
【0030】
また、コネクタ部36に対するコネクタカバー37は、図6(b)に示すように、本体部20の側面から外側に回動可能にバネ等により本体部20に取り付けられており、コネクタ部36とコネクタカバー37との間の空間の下部には、底板等を設けずに開けた状態とされている。これにより、図6(c)に示すように、コードを下向きとした外部機器の接続端子をコネクタ部36に接続することができる。外部機器の接続端子をコネクタ部36に接続しようとする場合、コネクタカバー37をバネ等による回動力に逆らって外側に回動させて接続端子を接続すれば、コネクタカバー37により接続端子を覆うことができる。これにより、装置が屋外等で使用された場合にも、雨、砂等が、本体部20の上面あるいは側面からコネクタ部36に進入することを防止することができる。
【0031】
次に、図7、図8を参照して、アンテナ部21の方向の設定について説明する。アンテナ部21の仰角は、一般的には、衛星通信装置4を使用する場所の緯度、経度と、使用する通信衛星の赤道上の位置である経度とによって決まり、日本国内では30度から60度となる。そして、アンテナ部21の内部に備えられるアンテナの指向方向は、アンテナ部21上面に垂直な方向にあるので、図7に示す矢印の方向となる。アンテナ部21を本体部20から開く場合、バックル26を外すことにより、本体部20とアンテナ部21とに係合しているバネ等により、アンテナ部21がその最大角である60度程度迄自動的に開くように構成されるとよい。そして、実際の使用に際しては、その位置からアンテナ部21を手前に引きながら仰角を調整するようにするのがよい。アンテナ部21の方位角も、衛星通信装置4を使用する場所の緯度、経度と、使用する通信衛星の赤道上の位置である経度とにより、特に、使用場所の経度と通信衛星の経度とにより決まるが、この方位は、衛星通信装置4自体をセットするときにその方向に向ければよく、このセット後に方位角調整のための本体部20に対するアンテナ部21の調整角は僅かでよい。次に、アンテナの回転機構とこれを使用したアンテナの回転による偏波角の調整について図8を参照して説明する。
【0032】
ここで使用する通信衛星からの電波は、通常、直線偏波であるので、アンテナ部21の偏波角を通信衛星からの電波の直線偏波の方向に一致させることが必要である。このため、前述した仰角及び方位角の調整後、それらの角度を変えることなく、アンテナ部21を回転させて偏波角の調整が行われる。この偏波角の調整は、後に仰角、方位角の調整方法と共に詳述するように、通信衛星からの電波を受信しながら行われる。アンテナ部21は、図8(a)にアンテナ支持部29とアンテナ部21の部分のみを示す分解斜視図のように、アンテナ支持部29のバネ291が設けられる結合穴内に、アンテナ部21に設けられるギア211により結合されて、アンテナ支持部29に支持されている。そして、バネ291とギア211とは、図8(b)の上面図に示すように、バネ291の凸部がキギア211の谷部に係合している。これにより、アンテナ部21は、ギア211のピッチずつ回転可能にアンテナ支持部に支持されることになる。これにより、アンテナ部21は、図8(c)に示すようにアンテナ中心部に設けられるギアを中心として回転させることが可能である。
【0033】
図9にブロック図として示す送受信のための電気回路は、衛星通信用の電気回路としてはごく一般的な、良く知られた回路である。通信衛星からの直線偏波の電波は、アンテナ51で受信され、low noize converter 53を介してdown converter55に送られ、ここで高周波から中間周波数に周波数が下げられ、demodulater 57で復調されて音声やデータなどの信号がとり出され、インターフェースとして作用するbaseband59を介してハンドセット22やデータポート(RS232Cコネクタ)362に送られる。データポート362やハンドセット22からの音声やデータは、信号としてmodulater 61に送られる。このmodulater 61は、入力された信号を変調し、この変調波を中間周波数の搬送波に乗せてup converter63に送らる。変調波は、ここで送信周波数に変換され、high power coverter 65で増幅され、アンテナ51から送信される。
【0034】
次に、本発明の一実施形態による衛星通信装置4を使用する際の装置のセッティング、アンテナ部21の方法の調整、衛星通信装置による通信野方法について図10を参照して説明する。
【0035】
まず、衛星通信装置4を使用する場所の地面、床面、テーブル等の比較的平坦な安定して装置を置くことができる場所に、装置の背面部が通信衛星の方位となるように設置する。この場合の方位の設定は、方位磁石242を用いて、装置設置場所により決められる方向となるように行われる。このための方位は、予め、装置を設置する場所と方位角及び仰角との関係を示す表を装置の本体に貼っておく。また、後述するように装置内部に記憶格納しておき、それを読み出し表示するようにしてもよい。ここでの方位の設定は、それほど正確なものでなくてもよい〔図10(a)〕。
【0036】
次に、装置の本体部20の底面に設けられている3個のインシュレータ31a〜31cの高さを水準器241を見ながら調整し、本体部20をほぼ水平となるようにセットする〔図10(b)〕。
【0037】
前述の装置の方位を合わせ、水平にセットする操作は、アンテナ部21を閉じた状態で行ってよいが、アンテナ部21を開いた状態で行うようにしてもよい。この操作をアンテナ部21を閉じた状態で行う場合、方位磁石242、水準器241を、本体部20の上面でなくアンテナ部21の上面に設けて、これらを見やすいようにしておくとよい。
【0038】
次に、アンテナ部21が閉じられた状態にあれば、バックル26を外してアンテナ部21を開き、アンテナ部21の仰角を地域によって決まる角度に大まかに調整する。このときの仰角の調整は、図2により説明したように、仰角調整具27を方位調整具28に設けた溝内に移動させることにより、方位調整具28に設けた仰角目盛271を見ながら行う〔図10(c)〕。
【0039】
次に電源の投入を行う。電源の投入は、これまでの操作の中のどの時点で行ってもよいが、内部に備えられるバッテリーの消耗を考慮すると、送受信回路全体への電気の供給はこの時点で行うのが望ましい。このとき、アンテナ部21は、既に概略通信衛星のある方向に向けられていることになり、本体部20内の送受信回路部39は、この電源の投入により、センタ局1あるいはサブセンタ局2から通信衛星3を介して送信される電波を受信し、その信号レベルをレベル表示用LED244に棒状に表示する。
【0040】
作業者は、このレベル表示用LED244の表示による受信信号のレベルを見ながら、アンテナ部21の方位角を微調整して受信信号のレベルが最大になるようにする。また、仰角調整具27に設けられている微調整つまみ32によりアンテナ部21の仰角を微調整して受信信号のレベルが最大になるようにする。そして、必要に応じて、これらの方位角、仰角の微調整を繰り返し数度行った後、ロックつまみ33により、微調整されたアンテナ部21の方位角、仰角を固定する〔図10(d)〕。
【0041】
次に、作業者は、前述と同様に、レベル表示用LED244の表示による受信信号のレベルを見ながら、アンテナ部21を回転させ、アンテナ部21の偏波角の調整を行う〔図10(e)〕。
【0042】
前述した衛星通信装置4のセッティングが終了すれば、作業者は、ハンドセット22を本体部20より取り出して、センタ局との通話を行うことができる。なお、ハンドセット22とセンタ局1等との間の通信回線の設定は、パネル部24に設けられる操作ボタン、ハンドセット22に設けられているテンキー等を使用して周知の通信プロトコルに従って行われればよい。また、ハンドセット22と本体部20内の送受信回路との接続は、メタルラインにより本体部20内に備えられるバッテリーからの電源をも含めて行われてもよく、また、ハンドセット22内に充電池、乾電池コンパチの電源を備えてコードレスに行われてもよい。
【0043】
前述したハンドセット22を用いる通信は音声によるものであるが、本発明の一実施形態による衛星通信装置は、本体部20に設けられているコネクタ部36を介してパソコン等を接続することにより、データ、画像情報の送受信をも行うことも可能となる。
【0044】
次に、図10により説明したアンテナ部21の方位角、仰角のセッティングのために必要な情報を得る手段について説明する。すでに説明したように、アンテナ部21の方位角、仰角は、使用する通信衛星の位置及び衛星通信装置の使用場所によって定まる。使用する通信衛星は予め決められているので、実質的には衛星通信装置の使用場所によって定まることになる。
【0045】
従って、アンテナ部21の方位角、仰角は、尤も簡単には、本体部20の上面に設けられる取り扱い説明表示部35、あるいは、アンテナ部21の上面に、例えば、使用場所となる市町村名とその市町村におけるアンテナ部21の方位角、仰角との対応を一覧表としたものを貼付しておき、使用者が、その一覧表を参照して、衛星通信装置4を使用する場所の市町村、あるいは、その場所に尤も近い市町村における方位角、仰角を知り、それに基づいて図10(a)、(c)により説明したようにアンテナ部21の方位角、仰角のセッティングを行えばよい。
【0046】
本発明の一実施形態は、装置本体内の送受信部39内にあるいは送受信部39を制御するマイコン等による制御手段に設けられるROM内に、前述した一覧表と同様な使用場所とアンテナ部21の方位角、仰角との対応を示すテーブルを設けて、このテーブルを参照可能に構成することができる。
【0047】
このテーブルは、例えば、県名、市町村名、市町村内の地域名、地域名に対応させた方位角、仰角を持って構成される。テーブルの検索を行うために、検索が指示されたとき、制御手段は、まず、県名をパネル部35に設けられるLCD表示部245にメニューとして表示する。作業者は、表示スクロールスイッチ252、253を使用して、LCD表示部245に表示される県名を検索して、衛星通信装置使用場所の県名を指定する。この指定により、次に、LCD表示部245には、その指定された県の市町村内の地域名がメニューとして表示される。この地域名が指定されると、次に、その市町村内の地域名がメニューとして表示される。この地域名が指定されると、それに対応するアンテナ部21を向けるべき方位角、仰角が表示される。
【0048】
前述では、市町村内の地域名に対応させたアンテナ部21の方位角、仰角を表示させるとしたが、図10で説明したように、これらは、通信衛星からの受信電波の強度を見ながら微調整されるものであるので、市町村名に対応させたアンテナ部21の方位角、仰角を表示させるようにしても充分であり、これにより、テーブルを記憶するためのROM等の記憶容量を少なくすることができる。
【0049】
また、前述では、市町村名、地域名に対応させたアンテナ部21の方位角、仰角のテーブルを使用するとして説明したが、本発明は、市町村名、地域名の代りに、市外電話番号、郵便番号等と対応させた方位角、仰角のテーブルを用意するようにしてもよい。この場合、それらの番号を数字で入力することにより即座にアンテナ部21の方位角、仰角を知ることができる。この数字の入力には、ハンドセット22に設けられるテンキーを使用することが可能であり、あるいは、本体部20上のパネル部上にテンキーを設け、これを使用するようにしてもよい。
【0050】
さらに、本発明の一実施形態による衛星通信装置は、コネクタ部36のGPS装置との接続コネクタ361にGPS装置を接続し、GPS装置からその場所の位置情報(緯度、経度情報)を入力し、この位置情報に基づいてアンテナ部21の方位角、仰角をLCD表示部245に表示させるようにすることができる。この場合にも、位置情報と方位角、仰角とを対応させるテーブルを設ければよく、あるいは、内部に設けられるマイコン等による制御手段に、位置情報から方位角、仰角を演算させるようにすることもできる。
【0051】
本発明の実施形態は、前述したように、使用場所に対応するアンテナ部の方位角、仰角を容易に知ることができるので、迅速、確実にアンテナ部を通信衛星の方向に向けてセットすることができ、速やかに運用を開始することができる。また、本発明は、前述で得られた使用場所に対応するアンテナ部の方位角、仰角を、次回の運用時に直ちに得ることができるように、記憶しておくようにすることができる。このようにすることにより、一旦運用を終了した後、同一の場所で再度運用する場合に、セッティングすべきアンテナの方位角、仰角を知るための作業を省略することができ、より迅速に運用を再開することができる。
【0052】
前述までの説明では、本発明の一実施形態による可搬型衛星通信装置は、比較的平らな地面の上、机の上等に設置して使用するとしたが、可搬型衛星通信装置は、非常災害時に現地で使用される場合が多く、その場合、運搬手段としてバイクが使用され、その荷台に載せて運搬されることが考えられる。このような場合、バイクの荷台の上でそのまま使用可能であることが望ましい。
【0053】
図11はこのような場合のバイクの荷台に載せたままでの使用方法を説明する図であり、以下、その方法を説明する。
【0054】
本発明の一実施形態による可搬型衛星通信装置4は、図11(a)に示すように、運搬時、バイクのキャリアに固定されたケース内に収納され、その底面に設けられているOA用モニタ等を載せているものと同様にチルトスイーベルスタンドに固定されている。そして、使用時、バイクをその姿勢を安定に保てる場所に停止させ、ケースの蓋を開ける。可搬型衛星通信装置4は、この状態で、図11(b)に示すように、チルトスイーベルスタンドにより、所定の方向に水平に設置されて使用される。
【0055】
また、現場に運搬したにもかかわらず、平らな地面等がなく、前述で説明したような設置を行うことができない場合等、より広汎な設置条件に対応可能な方法として、可搬性のあるスタンド、三脚等の上に可搬型衛星通信装置4を固定して使用する方法もある。本発明の一実施形態による可搬型衛星通信装置4は、このために、本体部20の底面に、図5により説明したように、三脚ベース38が設けられており、この三脚ベース38により、図示しない三脚上に所定の方向に水平に設置して使用することができる。
【0056】
図12は本発明の一実施形態に外部アンテナを接続して使用する使用形態を説明する図であり、以下、これについて説明する。
【0057】
この方法は、本発明の一実施形態による可搬型衛星通信装置を非常災害時以外に運用する場合、あるいは、非常災害時であっても、使用可能な建屋があるような場合に使用して好適な方法である。すなわち、図12に示すように、外部接続用のアンテナを屋外にスタンド等を使用して設置し、可搬型衛星通信装置を風雨、日光の熱から遠ざけられる屋内に設置して使用するようにすることができる。
【0058】
この場合、アンテナの設置は、本体部に表示される方位角、仰角の表示情報、本体部のレベル表示用LED244に表示される受信信号レベルにより、前述した場合と同様に行うことができる。また、建屋内に引き込まれている商用電源が使用可能であれば、アダプタ等を使用して、必要な電源を作り、外部電源端子364から電源の供給を行うことができる。このような使用方法によれば、外部アンテナとして、大型で利得の大きいアンテナを使用することが可能となり、天候条件に影響されることなく安定した運用を行うことができ、また、商用電源が使用可能であれば長時間の運用が可能となる。
【0059】
図13、図14は本発明の他の実施形態による可搬型衛星通信装置の外観を説明する斜視図であり、以下、これらについて説明する。
【0060】
各図の(a)、(b)は、本発明の他の実施形態におけるアンテナ部を開いた状態を示す斜視図及びアンテナ部を閉じた状態を示す斜視図を示しており、基本的な構造、構成、機能は、図1〜図12により説明した実施形態の場合と同様であり、外形、パネル内の表示部等の配置が異なっているのみである。そして、これらの実施形態は、機構の簡易化、低コスト化のために、アンテナ部21の方位角の調整を、本体と共に行うこととして、すでに説明した本発明の実施形態における本体部20上でアンテナ部21の方位角を調整するための方位角調整具28を省略している。
【0061】
また、図14に示す例では、本体部20の全面側の一部が、アンテナ部21を閉じた場合にアンテナ部21と同一の平面を構成するように形成されており、その面上に、水準器241、方位磁石242が設けられている。このような図14に示す実施形態の場合、アンテナ部21を閉じた状態で、図10(a)、(b)により説明した方位角の調整、本体部20の水平設置を容易に行うことができる。
【0062】
図15、図16は本発明の他の実施形態を示す図、図17はビデオカメラの取付け状態を示す図、図18はビデオカメラの取付け状態の他の例を示す図である。そして、図15(a)は他の実施形態の斜視図、図15(b)はアンテナ部を開いた状態の右側面図、図16(a)は説明の為にアンテナ部を取り外した状態での本体部の上面図、図16(b)は説明のためアンテナ部を裏面から見た図である。この実施形態の前述した先の実施形態との大きな相違点は、画像を取り込むためのビデオカメラを有している点である。
【0063】
図15(a)、(b)、図16(a)、(b)において、20は本体部、21はアンテナ部、22は送受話器(以下ではハンドセットという)、23はハンドセット収納部、24はパネル部、25は手で釣り下げて運ぶためのハンドル、26はバックル、27は仰角調整具、29はアンテナ支持部、31a〜31cはインシュレータ、33はロックつまみ、35は取り扱い説明表示部、36はコネクタ部、370はコネクタ室である。先の実施形態と同じ符号は、同じ作用効果をなす。
【0064】
先の実施形態の場合と同様に、本発明の他の実施形態によっても、装置全体を小型にシンプルに構成することができ、また、アンテナ部21を本体部20の蓋としているので、本体部上面に備えられる種々の機器を保護することができる。
【0065】
本体部20には、本体部カバー42が設けられており、この本体部20にハンドセット収納部23が設けられ、この収納部に保持機具402があり、これによりハンドセットが固定されている。アンテナ部である蓋を閉じるとハンドセット22は保持機具402により収納部23に固定される。一方、蓋を開けるとすばやくハンドセットを取り出すことができる。従って、災害時に簡単にしかも速やかに対応することができる。
【0066】
アンテナ部21は、仰角調整具27により仰角が調整可能である。この仰角調整具27は、仰角調整のための手前から奥方向に伸びる溝304に沿って動くロックネジ33と、その一方の端部がアンテナ部21のアンテナ支持部29に回動可能に結合され他方の端部が前記溝内を摺動するように構成されたロックネジ33に機械的につながっている支持部材302とより構成され、アンテナの仰角は溝304の摺動位置にロックネジで固定することにより決められる。仰角調整溝304に沿って目盛り306が設けられており、速やかに簡単に仰角を決定できる。仰角の目標値を表示部35に記載しているのでこの目標値に基づいて仰角を迅速に設定できる。
【0067】
また、先の実施形態の場合と同様に、方位磁石242と水準器241が設けられている。また外部との接続や電源の外部からの供給はコネクタ収納部370に設けられたコネクタにより行われる。この収納部は本体部側部に凹みの形状で設けられているのでコネクタが周囲のものにぶつかって破損するのを防止できる。
【0068】
本体部20の中央部奥に、アンテナ支持部29のヒンジ機構が固定され、このアンテナ支持部29にアンテナ部21が固定されることにより、アンテナ部の開閉が可能となる。前述の如く、仰角調整具27の支持部材302がアンテナ支持部27に固定されていることにより、前記開閉角で有る仰角が固定される。
【0069】
このアンテナ支持部のアンテナ側の下部にアンテナで受信した信号を本体部の回路に伝えまた送信すべき信号を本体部の回路からアンテナに伝える高周波回路が設けられており、このアンテナ支持部で保護されている。
【0070】
アンテナ支持部にはアンテナの偏波角調整機構が設けられている。この偏波角調整機構は、アンテナ支持部29に固定された支持板332とこの支持板332に作られた溝336と回転支持体334と固定ネジ330からなる。支持板332に対しアンテナ部21が回転支持体334により回転可能に保持され、アンテナ部21はそれに取り付けられた固定ネジを溝336に沿って動かすことにより回転する。受信電波の強度が最高になる回転角で固定ネジ330を締め固定する。偏波角は前記溝336に沿って設けられた目盛り338を目標として調整することができる。また前記受信電波の強度は視覚的に液晶表示器からなるレベル表示器244に表示される。
【0071】
アンテナ部21には映像入力手段としてビデオカメラ44が設けられている。ビデオカメラ44は、図17に示すように、アンテナ部21の中央部に作られている凹み状の収納部に回転支持体45を介して取り付けられている。図17(b)、図17(c)に示すごとく色々な方向にカメラを向けることが可能であり、災害の状況を画像として連絡することができる。また、図18に示すごとく、回転支持体45に直接カメラを取り付けるのではなく接続線によりつないでもよい。この場合は撮影方向は自由であるが、手で保持することが必要となる。
【0072】
本体部20の上面には本体部カバー42が設けられ、本体部20は内部が防水構造となっている。この内部には、送受信のための回路および操作のための制御回路が設けられている。従って、防水作用に加え放熱作用も必要となる。
【0073】
図19は図15、図16により説明した本発明の他の実施形態の冷却空気の取り入れと排出との構造を説明する図である。
【0074】
図19(a)に、図15、図16に示す実施形態の手前と反対側である奥の方向から見た状態を示している。アンテナ支持部の方向に2つの開口420、422が設けられている。アンテナの方向に開口しているので、雨などをアンテナで防ぐことができる。図19(b)は吸入開口420の断面を図19(c)は排出開口部の断面図を示す。開口の外周部に於いて外の方に向かってフィルタカバー438が突出しており、フィルタカバーの内部にフィルタ432とスリット部材434とが設けられている。フィルタ432とスリット部材434とは上部が外側下部が内側に傾斜して設けられているので、2つの開口からの水滴の進入を防止できる。またスリット部材434は、斜めのスリット板を多数備えており、水滴を外に排出する作用をする。更にフィルタ432の外側底部が低くなっているで水が外に流れ出て中に入らない。
【0075】
排出開口の方には空気を強制的に排出するための電動ファン436が設けられている。図19(a)で左側開口432から冷却用空気が吸い込まれ、右側の排出開口422から排出される。この空気流は電動ファン436により強制的に行われる。本体部カバー42が冷却風の通路を形成するので効率的に冷却されると共に防水効果を高めることができる。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、本体部の蓋がアンテナ部を構成しているので、アンテナ部を素早く容易に通信衛星の方向に向けてセットすることができる。このため、災害発生時等の緊急時にも、災害発生現場からの通信回線を即座に確保することができ、的確な情報の収集、指示を行うことが可能となる。
【0077】
また上述の実施形態では、外部接続端子にパソコン等を接続することによりデータの送受信を行うことが可能となり、さらに、外部アンテナを使用することにより、より安定な通信を行うことができる。さらに、GPS装置等から装置使用場所の位置データを入力させ、アンテナ部のセット方向としての方位角、仰角を正確に表示させるようにすることができ、これにより、より容易にアンテナ部のセットを行わせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による可搬型衛星通信装置を使用する通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による可搬型衛星通信装置の外観を説明する斜視図である。
【図3】図2における本体部の上面の様子を説明する図である。
【図4】可搬型衛星通信装置のアンテナを収納した状態の正面図、断面図及び手提用のハンドルとロック用のバックルとの関係を説明する図である。
【図5】可搬型衛星通信装置の底面図である。
【図6】コネクタ部について説明する図である。
【図7】アンテナを開く状態を説明する側面図である。
【図8】アンテナの回転機構と回転状態を説明する図である。
【図9】送受信回路の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の一実施形態による可搬型衛星通信装置の設置方法を説明する図である。
【図11】可搬型衛星通信装置をバイクの荷台に載せたままで使用する方法を説明する図である。
【図12】本発明の一実施形態に外部アンテナを接続して使用する使用形態を説明する斜視図である。
【図13】本発明の他の実施形態による可搬型衛星通信装置の外観を説明する斜視図である。
【図14】本発明の他の実施形態による可搬型衛星通信装置の外観を説明する斜視図である。
【図15】本発明の他の実施形態による可搬型衛星通信装置を説明する図である。
【図16】本発明の他の実施形態による可搬型衛星通信装置を説明する図である。
【図17】ビデオカメラの取り付け状態を示す図である。
【図18】ビデオカメラの取り付け状態の他例を示す図である。
【図19】冷却空気の取り入れと排出の構造を示す図である。
【符号の説明】
1 センタ局
2 サブセンタ局
3 通信衛星
4 可搬型衛星通信装置
5 PBX
6 公衆通信網
7 電話機
20 本体部
21 アンテナ部
22 ハンドセット
23 ハンドセット収納部
24 パネル部
25 ハンドル
26 バックル
27 仰角調整具
28 方位角調整具
29 アンテナ支持部
30 ランプ
31a〜31c インシュレータ
32 微調整つまみ
33 ロックつまみ
34 方位角調整具支点
35 取り扱い説明表示部
36 コネクタ部
37 コネクタカバー
38 三脚ベース
39 送受信回路部

Claims (5)

  1. 通信衛星を介して通信を行う可搬型衛星通信装置において、
    操作装置を備えた本体部と、該本体部に対して開閉可能に接続され、通信衛星に向けて電波を送信し、また、通信衛星からの電波を受信するアンテナ部と、送受話器とを備え、
    前記本体部は、少なくとも前記通信衛星に対するアンテナの目標方位角と目標仰角とを表示する表示手段と、前記本体部あるいは実際の方位角を示す方位指示手段とを備えると共に、前記アンテナ部の方位角を調整する方位角調整具と、前記アンテナ部を開閉可能に接続するアンテナ支持部とを備え、
    前記方位角調整具は、前記本体部に対して回転可能に接続され、かつ、前記アンテナ部の仰角を調整する仰角調整具を備え、
    前記仰角調整具は、その一端が前記アンテナ支持部と回転可能に接続され、他端が前記方位角調整具に形成された溝内を摺動するように接続され、
    前記アンテナ支持部は、その支持点が前記アンテナ部のほぼ中央にあり、前記アンテナ部はこの支持点の周囲に回転可能に支持されていることを特徴とする可搬型衛星通信装置。
  2. 前記仰角調整具は、その中央に前記アンテナ部の仰角の微調整を行う微調整機構を備えていることを特徴とする請求項1記載の可搬型衛星通信装置。
  3. 前記表示手段及び方位指示手段は、前記本体部の手前側の上面に配置され、前記送受話器は、前記本体部に設けた収納部に取り出し可能に収納されていることを特徴とする請求項1または2記載の可搬型衛星通信装置。
  4. 前記本体部の上面に、本体の水平度合いを示す水準器と、通信衛星からの受信電波の強度を表示する表示手段とがさらに設けられていることを特徴とする請求項1、2または3記載の可搬型衛星通信装置。
  5. 通信衛星を介して通信を行う可搬型衛星通信装置において、
    操作装置を備えた本体部と、該本体部に電気的に接続され通信衛星に向けて電波を送信し、また、通信衛星からの電波を受信するアンテナ部と、送受話器とを備え、
    前記本体部は、前記本体部あるいはアンテナ部の実際の方位角を示す方位指示手段と、前記本体部の上面に通信衛星からの受信電波の強度を表示する表示手段とを備えると共に、前記アンテナ部の方位角を調整する方位角調整具と、前記アンテナ部を開閉可能に接続するアンテナ支持部とを備え、
    前記方位角調整具は、前記本体部に対して回転可能に接続され、かつ、前記アンテナ部の仰角を調整する仰角調整部を備え、
    前記仰角調整具は、その一端が前記アンテナ支持部と回転可能に接続され、他端が前記方位角調整具に形成された溝内を摺動するように接続され、
    前記アンテナ支持部は、その支持点が前記アンテナ部のほぼ中央にあり、前記アンテナ部はこの支持点の周囲に回転可能に支持され、
    前記本体部の側面に、外部電源端子、外部機器接続端子を備えるコネクタ部をさらに設け、前記外部電源端子への電源がバッテリーであることを特徴とする可搬型衛星通信装置。
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