JP3746184B2 - 微量有害物質の酸化分解装置 - Google Patents
微量有害物質の酸化分解装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3746184B2 JP3746184B2 JP2000133948A JP2000133948A JP3746184B2 JP 3746184 B2 JP3746184 B2 JP 3746184B2 JP 2000133948 A JP2000133948 A JP 2000133948A JP 2000133948 A JP2000133948 A JP 2000133948A JP 3746184 B2 JP3746184 B2 JP 3746184B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oxidative decomposition
- space
- anode
- oxide
- cathode
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C02—TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
- C02F—TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
- C02F1/00—Treatment of water, waste water, or sewage
- C02F1/46—Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods
- C02F1/461—Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods by electrolysis
- C02F1/467—Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods by electrolysis by electrochemical disinfection; by electrooxydation or by electroreduction
- C02F1/4672—Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods by electrolysis by electrochemical disinfection; by electrooxydation or by electroreduction by electrooxydation
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C02—TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
- C02F—TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
- C02F1/00—Treatment of water, waste water, or sewage
- C02F1/46—Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods
- C02F1/461—Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods by electrolysis
- C02F1/46104—Devices therefor; Their operating or servicing
- C02F1/46109—Electrodes
- C02F2001/46133—Electrodes characterised by the material
- C02F2001/46138—Electrodes comprising a substrate and a coating
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C02—TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
- C02F—TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
- C02F2101/00—Nature of the contaminant
- C02F2101/10—Inorganic compounds
- C02F2101/16—Nitrogen compounds, e.g. ammonia
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C02—TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
- C02F—TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
- C02F2101/00—Nature of the contaminant
- C02F2101/10—Inorganic compounds
- C02F2101/16—Nitrogen compounds, e.g. ammonia
- C02F2101/163—Nitrates
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C02—TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
- C02F—TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
- C02F2101/00—Nature of the contaminant
- C02F2101/30—Organic compounds
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C02—TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
- C02F—TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
- C02F2201/00—Apparatus for treatment of water, waste water or sewage
- C02F2201/46—Apparatus for electrochemical processes
- C02F2201/461—Electrolysis apparatus
- C02F2201/46105—Details relating to the electrolytic devices
- C02F2201/46115—Electrolytic cell with membranes or diaphragms
Description
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、微量有害物質の酸化分解装置に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、池や湖沼の富栄養化によって繁殖した藻類やこれを捕食する小動物や菌類の分離・分解、さらにはトリハロメタンやトリブチルスズなどの環境ホルモン物質と呼ばれている有害化合物等の分解処理に有用な、汚濁水中の微量有害物質の酸化分解装置とこれを用いた分解方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】
従来より、汚濁水中の各種の有害物質を分離・分解処理するための様々な方式や手段が検討されてきており、すでに実用化されている方法にも各種のものがある。
【0003】
これらの方法では、化学薬剤を加えるか、あるいはこれら薬剤と接触させることにより分解処理する化学的方法や、微生物による処理として特徴のある生物学的方法、さらには電気化学的な分解法などが主なものとして知られている。
【0004】
しかしながら、池や湖沼、あるいは河川水などの大量の汚濁水を効率的に処理するとの点や、さらには繁殖した藻類やこれを捕食する小動物、菌類等を完全に分離、分解してしまうこと、そして近年とみに問題として深刻化しているトリハロメタン、トリブチルスズ等の環境ホルモン物質と呼ばれている有機化合物をも分解するとの点においては、従来の方法ではいずれも一長一短があり、共通した手段、方式としては適用できないという問題があった。
【0005】
より具体的にも、ポリフェノールやトリハロメタンの分解について酸化チタンとUV光線による酸素ラジカル処理技術が開発されているが、UV線の光効率が低いためにランニングコストが高くつくという問題がある。また、廃水中に生息する藍藻類の除去については加圧浮上法などが開発されているが、凝集沈澱剤を必要とするなどランニングコストの面で問題があること、除去率が95%を超えないなど技術的限界があり、さらに溶解性CODの除去に対して総合的な技術となっていない状況にある。
【0006】
このような状況において、この出願の発明者らは、高電場パルス放電によって酸化分解処理することが有効であることを見出し、この酸化分解法の適用のための望ましい方法とその装置について検討を進めてきた。
【0007】
この出願の発明は、以上のとおりの背景からなされたものであって、従来法の問題点を解消し、より効率的に大量処理が可能であって、各種の被処理対象に対してより広範囲に適用することのできる汎用性に優れた、汚濁水中の微量有害物質の酸化分解装置とこれを用いた分解方法を提供することを課題としている。
【0008】
また、この出願の発明は、汚濁水中に浮遊している藻類の除去は加圧浮上法などによるエネルギー投入型であり、可溶性CODの除去も完全にできないことや、フェノールなど芳香族系の物質は、オゾンやUVによる酸素ラジカル酸化では環の開裂が短時間に達成できないため分解効率は40〜50%であったという従来の問題を解決することのできる、新しい酸化分解装置とこれを用いた分解方法を提供することを具体的な課題としてもいる。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、まず第1には、表面に導電性酸化物を配設一体化させた金属を陽極とし、多孔質セラミックスもしくは樹脂を隔壁とし、その両側の内壁を貴金属溶着した金属板で囲い、この金属板を陰極とした構造を有し、陽極の隔壁を面対称として少くとも2室の空間を形成した汚濁水中に含まれる微量有害物質の酸化分解装置であって、前記空間に対する矩形波放電装置を備え、汚濁水を一方の空間に流して電場照射し、その後上澄みを別の空間において電場照射するようにしたことを特徴とする微量有害物質の酸化分解装置を提供する。
【0010】
そして、この装置に関し、第2には、陽極の隔壁と陰極との間の空間は、1〜10cmの距離を置き、この空間に対する矩形波放電は、周波数10〜200kHz、線間電圧200V/cm〜10kV/cm、電流0.5〜50mAの条件で行われるものとし、汚濁水は、最初の空間に0.01〜0.1m/sの流速で流すようにした酸化分解装置を、第3には、表面に配設一体化させた導電性酸化物は、酸化チタン、酸化スズ、酸化ルテニウムのうちの1種以上であり、金属板に溶着した貴金属は白金である酸化分解装置を提供する。
【0011】
また、この出願の発明は、第4には、前記の第1ないし第3の発明とは相違するものとして、両面に導電性酸化物粒子による薄膜を配設一体化させて分子分画選択透過性をもたせた多孔性金属板と、その両面側を金属製の、もしくは金属表面を持つ箱状容器で囲んで空間を形成し、多孔性金属板を陽極とし、箱状容器を陰極とした汚濁水中に含まれる微量有害物質の酸化分解装置であって、陽極および陰極に対する電圧印加装置を備え、多孔性金属板と箱状容器で囲まれた一方の側の空間には、汚濁水を加圧循環させ、陽極および陰極に電圧を印加し、他方の側の空間に限外ろ過するようにしたことを特徴とする微量有害物質の酸化分解装置を提供する。
【0012】
そして第5には、多孔性金属板は、粒径0.001〜0.01μmの導電性酸化物粒子による厚み10〜20μmの薄膜を有し、その選択透過性は50×104 〜2×104 ダルトンの分子分画量であって、汚濁水は、0.2〜6.0MPaで加圧循環され、かつ、陽極および陰極の間には、周波数10〜200kHz、線間電圧200V/cm〜10kV/cmの電圧が印加されるようにした酸化分解装置を、第6には、導電性酸化物薄膜は、酸化チタン、酸化スズ、酸化ルテニウムのうちの1種以上により構成され、箱状容器は、ステンレス金属製の、もしくは白金表面を持つものである酸化分解装置を提供する。
【0013】
さらに、この出願の発明は、第7には、第1ないし第3のいずれかの装置を用いる微量有害物質の酸化分解方法を提供する。
【0014】
そして、第8には、第4ないし第6のいずれかの装置を用いる微量有害物質の酸化分解方法を提供する。
【0015】
以上のとおりのこの出願の発明は、電場パルス照射に藻類を曝露し、その電気穿孔による細胞の分解とともに、内容物の酸化分解、水に溶解しているCOD成分やアンモニアあるいは硝酸態の窒素の酸化分解を短時間に行うことを可能としている。
【0016】
【発明の実施の形態】
この出願の発明は、上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態について説明する。
【0017】
まず、この出願の第1ないし第6の発明の装置が依拠する酸化分解の主な原理は次のとおりである。すなわち酸化チタン、酸化ルテニウム、酸化スズ粒子等の導電性酸化物が構成する空洞の表面に電子が入ると、その表面は主に酸素ラジカルやヒドロキシルラジカルが10〜100μsの間発生する。これらの酸素ラジカルやヒドロキシルラジカルは可溶性成分を酸化し、さらにヒドロキシルラジカルは芳香族系のフェノール物質の開裂に大きな働きをすることが知られている。この発明装置はこれらの高電場パルス照射による特性を生かした廃水処理装置である。
【0018】
また、電子照射で生態細胞膜は貫通され、細胞粒子は穿孔されることになる。細胞構成物質を液体中に出すので、殺菌に有効である。たとえば、藍藻類を線間電圧1kv/cm、電流1mAで破壊する。
【0019】
* Oラジカルおよび * OHラジカルは酸化後、H + イオンを液中に残すので、電気穿孔された細胞は空泡に酸素を持つ場合には脱気される。一方、細胞膜は速やかに帯電し、凝集性をもつので、容易に沈澱する。このように、生細胞の分解除去に有用である。
【0020】
第1〜第3の発明(請求項1〜3)の汚濁水中の有害物質の酸化分解装置は、藻類の分離除去に最も適している。この装置の構成は、基本的には、表面に導電性酸化物を配設一体化させた金属を陽極とし、多孔質セラミックスもしくは樹脂を隔壁とし、その両側の内壁を貴金属溶着した金属板で囲い、この金属板を陰極とした構造を有し、陽極の隔壁を面 対称として、2室の空間を形成したものであって、前記空間に対する矩形波放電装置を備え、汚濁水を一方の空間に流して電場照射し、その後上澄みを別の空間において電場照射するようにしている。
【0021】
そして、この構成において、陽極の隔壁と陰極との間の空間は、1〜10cmの距離を置き、この空間に対する矩形波放電は、周波数10〜200kHz、線間電圧200V/cm〜10kV/cm、電流0.5〜50mAの条件で行われるものとし、汚濁水は、最初の空間に0.01〜0.1m/sの流速で流すようにしたことや、表面に配設一体化させた導電性酸化物は、酸化チタン、酸化スズ、酸化ルビジウムのうちの1種以上であり、金属板に溶着した貴金属は白金であるものとしたことを好ましい態様としてもいる。
【0022】
添付した図面の図1は、この場合の構成例を示したものである。
【0023】
この例においては、第1室(1)には陽極(1A)と陰極(1B)が、第2室(2)には陽極(2A)と陰極(2B)が、設けられており、陽極(1A)と陽極(2A)との間には、隔壁(20)が配置されている。
【0024】
ポンプP1で移送した藻類を含む液は第1室(1)を通って、電場照射処理され、沈澱槽(3)で容易に沈降分離される。さらにポンプP2で沈澱槽(3)の上澄液、すなわち細胞分解物や溶解性物質を含む上澄液は、第2室(2)に送られ、ここで電場照射される。沈澱槽(4)では、微粒子が沈澱する。大部分はCO 2 やN 2 ガスとなって沈澱槽(3)(4)の上部で排出するが、硫化水素ガス、NO x 、SO x など有害ガスが発生するので、たとえば、活性炭吸着等の処理を行うことができる。
【0025】
金属酸化物の空洞に発生する * Oラジカルの活性を利用し、酸素ラジカルの酸化分解に生成するH + の帯電性を利用して死細胞となった細胞片の凝集を促進させ藻類を分離し、細胞内容物の酸化を十分に達成するために1電極2室構造によって問題を解決している。
【0026】
また、汚泥水中に含まれる芳香族系の物質のダイオキシン、PCB等は開裂、酸化分解中に中間生成物を生成するので、繰り返し電場照射する必要があるので、第4〜第6(請求項4〜6)の発明の装置は、これらの難分解性物質を容易に分解するために構成している。
【0027】
すなわち、基本的には、両面に導電性酸化物粒子による薄膜を配設一体化させて分子分画選択透過性をもたせた多孔性金属板と、その両面側を金属製の、もしくは金属表面を持つ箱状容器で囲んで空間を形成し、多孔性金属板を陽極とし、箱状容器を陰極としたものであって、陽極および陰極に対する電圧印加装置を備え、多孔性金属板と箱状容器で囲まれた一方の側の空間には、汚濁水を加圧循環させ、陽極および陰極に電圧を印加し、他方の側の空間に限外ろ過するようにしている。
【0028】
そして、この構成において、多孔性金属板は、粒径0.001〜0.01μmの導電性酸化物粒子による厚み10〜20μmの薄膜を有し、その選択透過性は50×10 4 〜2×10 4 ダルトンの分子分画量であって、汚濁水は、0.2〜6.0MPaで加圧循環され、かつ、陽極および陰極の間には、周波数10〜200kHz、線間電圧200V/cm〜10kV/cmの電圧が印加されるようにしたことや、導電性酸化物薄膜は、酸化チタン、酸化スズ、酸化ルテニウムのうちの1種以上により構成され、箱状容器は、ステンレス金属製の、もしくは白金表面を持つものとしたことを好ましい態様としてもいる。
【0029】
図2は、このような構成の一例を示したものである。この図2において、陽極としての多孔性金属板(5)と陰極としての箱状容器(6)(7)とによって形成される上部空間 (8)には、被処理原水を、たとえば加圧ポンプP1で0.2〜5.0MPaまで加圧して循環流通させる。上部空間(8)側の多孔性金属板(5)の表面の金属酸化物膜においては、空隙が、たとえば0.002〜0.01μmの径の小孔として存在し、分子量で200Da(ダルトン)以上の分子の透過を阻止する構造でいわゆる限外ろ過、逆浸透膜と同じ性質を持たせてある。200ダルトン以下の物質は金属酸化物膜を通過して、多孔性金属板(5)の下部からしみ出し、下部空間(9)に入るようにしておく。ろ過水も2〜3回ポンプで循環させることによって完全にCO 2 やN 2 となる。
【0030】
難分解性物質の分子量や分子結合強弱によって周波数、線間電圧、電流を変化させることになる。上部空間(8)および下部空間(9)からの循環水から分解ガスが出るので、有害ガスについてはこの発明の装置を用いて、または活性炭の吸収で処理する必要がある。ダイオキシンやPCBについても化学構造からみて容易に分解できると考えられる。トリハロメタンやN−ヘキサンイソプロパノールなど地下水中の有害物質については100%分解することが確認されている。
【0031】
酸素ラジカルは、酸化電極表面の空洞に多く発生するが、この酸化力は強力でなく、酸化金属とその粒形状を慎重に選定すると * Oラジカルよりも * OHラジカルが発生する条件があり、この条件の確認は化学物質の着色性よりできるので、この条件を選ぶことにより、 * OHラジカルによって芳香族系の環の開裂が短時間に行える。
【0032】
* OHラジカルは酸化の時 * Oラジカルとなり、H + を遊離するので、粒子の帯電凝集にも有利である。ただ、 * OHラジカルの発生時間は1〜10μsの短時間であるので、発信周波数を高める必要があるが、大きな線間電圧を得にくい。従って、電極面を相互に近づけることで、 * OHラジカルの発生を高めることができる。これによって、たとえば図3に示すようなフェノールの分解をきわめて短時間に行うことができる。
【0033】
また、陽極面の上面部分を膜構造として200ダルトン以上を阻止することで回分処理し、分解されたものを下部空間(9)の液部で再度分解する2段分解膜複合形構造とすることで分解効率を高めることが可能となる。
【0034】
以下に実施例を示し、さらに具体的に説明する。
【0035】
【実施例】
(実施例1)
藻類の分離回収装置:
クロロフィルaの濃度で50μg/Lのアオコを含む汚濁水を、酸化チタンを有する陽極とステンレス陰極とを備えた図1に示す装置により、50kHz、線間電圧400v/cm、電流5mAで、流量1L/minで連続処理したところ、表1のような結果を得た。窒素ガス、N 2 Oガスの発生が得られること、窒素とリンの物質収支からみて、確実に窒素成分が分解されていることが分かる。一方、リンについては沈澱し、沈殿物側に移動していることが明白である。
【0036】
【表1】
【0037】
(実施例2)
フェノールの分解実験:
フェノールのベンゼン環の開裂が確実に行えるかどうか、酸化スズを有する陽極とステンレス陰極とを備えた図2に示した装置で石炭酸の分解実験を回分実験として実施したところ、図3に示した結果が得られ、確実に分解されていることがわかった。分解途中では中間生成物の存在がみられたが、時間の経過とともに消滅した。ポリフェノールなど分子量の大きい褐変物質について分子分画量20000ダルトンの金属酸化膜面を作成し、0.3Mpaの圧力で運転操作したところ、濁度の減少D 520 きわめて高速に減少した(図4)。
【0038】
(実施例3)
生活排水の処理:
酸化スズを有する陽極とステンレスからなる陰極を備えた図2に示した装置で、固形物を200メッシュのふるいで除去した生活排水を試験原水として酸化分解処理を1時間回分操作実験として行ったところ、表2のとおりの結果が得られ、可溶性CODやアンモニア・硝酸態窒素が70%〜80%除去できた。
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】
以上詳しく説明したとおり、従来では、ポリフェノールなどの難分解物質について酸化チタンとUV光線処理技術は効率が低く、ランニングコストが高くつき、また、藍藻類などの除去率が95%を超えないなど技術的限界があったが、この出願の発明の装置では、可溶性CODの除去は効率的にほぼ完全に実現でき、しかも、金属酸化物表面に高電圧低電流をパルス波で流すため、デューティが低く、そのため消費電力が低く、凝集剤も使わ ないので、処理コストがかなり抑えられる。電磁波の作用によって電極表面に * Oラジカルおよび * OHラジカルが発生し、H + イオンが液中に残る。このようなラジカルにより排水中の有機物は酸化(または燃焼)され、CO 2 やN 2 などが生成される。また、有害物質である微量のトリハロメタンやトリブチルスズのような環境ホルモン物質などを酸化処理し、芳香族系の環を開裂させ、無毒化することができる。さらに、高電場パルス照射は藻類や菌類の細胞を破壊し、殺菌にも有効である。藍藻類の場合、電磁波照射によって細胞は空泡に持つ酸素が脱気し、さらにH + イオンの作用で速やかに帯電し、凝集・沈澱しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の汚濁水の酸化分解処理装置の一例を示した概要図である。
【図2】汚濁水の酸化分解処理装置の別の例を示した概要図である。
【図3】フェノールの酸化分解の実際の結果を例示した図である。
【図4】ポリフェノールの減少例を示した図である。
【符号の説明】
1 第1室
1A 陽極
1B 陰極
2 第2室
2A 陽極
2B 陰極
3,4 沈澱槽
5 多孔性金属板
6,7 箱状容器
8 上部空間
9 下部空間
Claims (8)
- 表面に導電性酸化物を配設一体化させた金属を陽極とし、多孔質セラミックスもしくは樹脂を隔壁とし、その両側の内壁を貴金属溶着した金属板で囲い、この金属板を陰極とした構造を有し、陽極の隔壁を面対称として少くとも2室の空間を形成した汚濁水中に含まれる微量有害物質の酸化分解装置であって、前記空間に対する矩形波放電装置を備え、汚濁水を一方の空間に流して電場照射し、その後上澄みを別の空間において電場照射するようにしたことを特徴とする微量有害物質の酸化分解装置。
- 陽極の隔壁と陰極との間の空間は、1〜10cmの距離を置き、この空間に対する矩形波放電は、周波数10〜200kHz、線間電圧200V/cm〜10kV/cm、電流0.5〜50mAの条件で行われるものとし、汚濁水は、最初の空間に0.01〜0.1m/sの流速で流すようにした請求項1の酸化分解装置。
- 表面に配設一体化させた導電性酸化物は、酸化チタン、酸化スズ、酸化ルテニウムのうちの1種以上であり、金属板に溶着した貴金属は白金である請求項1または2の酸化分解装置。
- 両面に導電性酸化物粒子による薄膜を配設一体化させて分子分画選択透過性をもたせた多孔性金属板と、その両面側を金属製の、もしくは金属表面を持つ箱状容器で囲んで空間を形成し、多孔性金属板を陽極とし、箱状容器を陰極とした汚濁水中に含まれる微量有害物質の酸化分解装置であって、陽極および陰極に対する電圧印加装置を備え、多孔性金属板と箱状容器で囲まれた一方の側の空間には、汚濁水を加圧循環させ、陽極および陰極に電圧を印加し、他方の側の空間に限外ろ過するようにしたことを特徴とする微量有害物質の酸化分解装置。
- 多孔性金属板は、粒径0.001〜0.01μmの導電性酸化物粒子による厚み10〜20μmの薄膜を有し、その選択透過性は50×104 〜2×104 ダルトンの分子分画量であって、汚濁水は、0.2〜6.0MPaで加圧循環され、かつ、陽極および陰極の間には、周波数10〜200kHz、線間電圧200V/cm〜10kV/cmの電圧が印加されるようにした請求項4の酸化分解装置。
- 導電性酸化物薄膜は、酸化チタン、酸化スズ、酸化ルテニウムのうちの1種以上により構成され、箱状容器は、ステンレス金属製の、もしくは白金表面を持つものである請求項4または5の酸化分解装置。
- 請求項1ないし3のいずれかの装置を用いることを特徴とする微量有害物質の酸化分解方法。
- 請求項4ないし6のいずれかの装置を用いることを特徴とする微量有害物質の酸化分解方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000133948A JP3746184B2 (ja) | 1999-05-06 | 2000-05-02 | 微量有害物質の酸化分解装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11-126392 | 1999-05-06 | ||
JP12639299 | 1999-05-06 | ||
JP2000133948A JP3746184B2 (ja) | 1999-05-06 | 2000-05-02 | 微量有害物質の酸化分解装置 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005290520A Division JP4962688B2 (ja) | 1999-05-06 | 2005-10-03 | 微量有害物質の酸化分解装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001017971A JP2001017971A (ja) | 2001-01-23 |
JP3746184B2 true JP3746184B2 (ja) | 2006-02-15 |
Family
ID=26462587
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000133948A Expired - Fee Related JP3746184B2 (ja) | 1999-05-06 | 2000-05-02 | 微量有害物質の酸化分解装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3746184B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4962688B2 (ja) * | 1999-05-06 | 2012-06-27 | 孝昭 前川 | 微量有害物質の酸化分解装置 |
JP4756739B2 (ja) * | 2000-12-28 | 2011-08-24 | 株式会社筑波バイオテック研究所 | 溶存性有機物や微量有害物質を含む水の浄化装置 |
JP4631043B2 (ja) * | 2003-09-04 | 2011-02-16 | 国立大学法人 筑波大学 | メタン発生方法及びそれに用いる二相式メタン発生装置 |
JP3773520B1 (ja) * | 2004-09-21 | 2006-05-10 | 有限会社 富山エンジニア | 固定型電気式浄水装置 |
MX2011009105A (es) * | 2009-03-10 | 2011-09-28 | Srs Energy | Fraccionamiento de biomasa de algas. |
KR20140144742A (ko) * | 2012-04-17 | 2014-12-19 | 오리진오일, 인크. | 2 단계 방법을 사용한 조류의 수확 및 탈수법 |
CN114504952B (zh) * | 2022-03-24 | 2023-06-06 | 清华大学 | 双面导电膜过滤组件及净水方法 |
-
2000
- 2000-05-02 JP JP2000133948A patent/JP3746184B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001017971A (ja) | 2001-01-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Moradi et al. | Various wastewaters treatment by sono-electrocoagulation process: a comprehensive review of operational parameters and future outlook | |
JP3236820B2 (ja) | プラズマ反応器及びそれを利用した廃水処理装置並びにその方法 | |
CN102145967B (zh) | 一种处理餐饮废水的装置及方法 | |
Drogui et al. | Review of electrochemical technologies for environmental applications | |
US6482327B1 (en) | Liquid treating process and apparatus, as well as liquid treating system | |
CN108358362B (zh) | 一种高浓度有机废水的深度处理方法 | |
CN108358363B (zh) | 一种高盐有机污水的深度处理方法 | |
CN107473435A (zh) | 一种低浓度生物难降解工业有机废水处理的催化氧化方法 | |
US6896790B1 (en) | Apparatus for oxidatively destructing trace injurious substance | |
JP3746184B2 (ja) | 微量有害物質の酸化分解装置 | |
CN113735337A (zh) | 利用导电滤膜-非均相类芬顿水处理装置对难降解污染物进行深度处理的方法 | |
CN113248057A (zh) | 一种电化学协同次氯酸钠处理浅层泡排采气废水的方法 | |
CN103466755A (zh) | 高压液下气体射流放电等离子体处理污水的装置和方法 | |
CN105366846A (zh) | 一种百草灵农药废水处理方法 | |
Korniluk et al. | Application of hydrodynamic cavitation for leachate of municipal landfill site | |
CN113371893A (zh) | 集成化高级氧化污水处理工艺 | |
CN105347580B (zh) | 一种适合聚合物驱采出水处理达标外排的方法 | |
CN110921980B (zh) | 一种电化学强化臭氧-生物活性炭水处理设备及利用其处理水的方法 | |
JP2000279977A (ja) | 流体処理方法及び流体処理装置 | |
CN111423032A (zh) | 一种印刷厂ctp冲版水的处理方法 | |
CN202116407U (zh) | 一种处理餐饮废水的装置 | |
KR101600237B1 (ko) | 돈사 방류수의 유기물 및 색도 제거 방법 | |
JP4962688B2 (ja) | 微量有害物質の酸化分解装置 | |
KR20060000785A (ko) | 이온화공기부상법을 이용한 정수처리방법 | |
KR102213338B1 (ko) | 융합 탈이온을 적용한 농축수 패키지의 무방류 처리 시스템 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20040723 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050722 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050802 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20051003 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20051025 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20051121 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091202 Year of fee payment: 4 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091202 Year of fee payment: 4 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101202 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111202 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |