JP3745568B2 - サンドカッタ−機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋳枠を付属させた砂鋳型の下面(定盤に載置接触される面)を平滑にカットするサンドカッタ−機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来上記のようなサンドカッタ−は、カッタ−本体に多数の刃物部材を縦列に配置する方式とし、各刃物部材は穴明け加工が困難な超硬チップにより製作されており、この刃物部材をカッタ−本体に押え金具を介してボルト締結により固定させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記のようなサンドカッタ−機構は、強く固められた砂に強制的に摺動摩擦されるため刃物部材として超硬チップを使用しても摩耗が激しいと共に押え金具等の摩耗もあり、それらの寿命が短く交換頻度が多くなる問題があった。
さらに刃物部材等の固定取付け作業は、設備内部において多くのボルトを締め付けたり緩めたりして、刃先のレベル調整をしながら取付けなければならず手数の掛かる作業になっていた。
本発明は上記の問題に鑑みて成されたものであって、サンドカッタ−の刃先部分の摩耗が少なくなると共に刃物部材の組付け作業を設備の外部においてほとんど成し得るようにし、かつ刃物部材の長期使用を可能にしたサンドカッタ−機構を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明におけるサンドカッタ−機構は、砂鋳型の下方において該砂鋳型の前進方向に対して交差する方向に往復移動可能に配設したカッタ−基台の上部に一個以上のカッタ−本体を着脱可能に固定し、該カッタ−本体の前進側上部位置に、その前進側上部を凹み段に形成すると共に該凹み段の上下中間部に一対のねじ孔を複数組縦列させて穿孔した外段取り用の刃物ブラケットを着脱可能に取付け、前記凹み段には、金属製の刃物母材の先端にクサビ状の刃先部材を接着連結すると共に前記一対のねじ孔に対応する一対の皿ボルト穴を穿孔した刃物部材を複数縦列配置させて一対の皿ボルトにより締結固定させたことを特徴とするものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて詳しく説明する。図1において間欠移動される砂鋳型Mの下方に配置されたガイドロッド1に摺動可能に嵌合された移動フレ−ム2にカッタ−基台3が固着されていて、該カッタ−基台3は砂鋳型Mの前進方向に対し交差する方向(矢印方向)に往復移動可能にして配置されている。
該カッタ−基台3の上部には、2基のカッタ−本体4、4がレベル調整用ボルト5、5を介してレベル調整されると共に前後に適当な間隔をおいて上向きにして配置され、固定ボルト6、6により固定されている。なお2基のカッタ−本体4、4の関連機構は同一構造になっているため以下一方のカッタ−本体4側のものを説明してゆく。
【0006】
次に図2において前記カッタ−本体4の前進側(図2において右側)上部位置には、その前進側上部に凹み段7を形成すると共に該凹み段7の上下中間位置に一対のねじ孔8、8を複数組縦列させて穿孔した外段取り用の刃物ブラケット9が複数の取付けボルト10、10を介して着脱可能にして固定されている。なお刃物ブラケット9は図3に示すように鋳枠Fを付属させた砂鋳型Mの間欠移動方向の幅よりも若干長い寸法にされ3本の取付ボルト10、10によりカッタ−本体4に固定されている。
さらに前記凹み段7には図3に示すように多数の刃物部材11、11が縦列配置されると共に各刃物部材11、11は、2本一対の皿ボルト12、12を介して前記一対のねじ孔8、8にねじ止めして固定されている。なお刃物ブラケット9の上端面(図2の点線位置)は刃物部材11、11の移動時の砂鋳型Mとの摺動摩擦による摩耗を少なくするため焼き入れが施されている。
【0007】
次に前記刃物部材11について、図2及び図4によりその構造を説明する。刃物部材11は横長の長方形状にした金属製の刃物母材11Aの上下両端部に、セラミックス製のクサビ状の刃先部材11B、11Bが接着剤により接着連結されて断面が平行四辺形状に形成されている(図2、図4参照)。
さらに前記刃物母材11Aには、前記刃物ブラケット9における一対のねじ孔8、8に対応する一対の皿ボルト穴11C、11Cを前面側及び背面側から貫通させてそれぞれ穿孔させている(図4参照)。すなわち刃物部材11は上下を逆にして取付け使用することが可能であり、1枚の刃物部材11を2度使用できるように形成されている。
【0008】
このように構成されるものは、刃物ブラケット9をカッタ−本体4から取り外した状態で設備外部において、皿ボルト12、12を一対の皿ボルト穴11C、11C及びねじ孔8、8に螺合させて刃物部材11を刃物ブラケット9の凹み段7の位置に順次取付け縦列に配置固定させた後、刃物ブラケット9をカッタ−本体4に固定ボルト10、10を介して固定する。したがって設備内部における取付け作業は3本の固定ボルト10、10の締め付け作業だけでよく、それ以外の作業は設備外部において成すいわゆる外段取りで行うことができる。
なお刃物部材11は、皿ボルト12、12を締め付けて刃物ブラケット9に固定するだけで芯が出るため、取付位置の芯出し調整を省略することができる。
【0009】
さらに刃物部材11の刃先部材11Bはセラミックス製のクサビ状に形成されたものを接着連結させているため超硬チップに比べて砂切削時の耐摩耗性に優れていると共に刃物部材11の後退(帰り)工程においてもセラミックス製の刃先部材11Bが砂鋳型Mと接触するようにされているため耐摩耗性に優れたものになっている。
また刃物ブラケット9の上端面に焼き入れをしておくことにより刃物ブラケット9の摩耗も少なくできる。さらにセラミックス製のクサビ状の刃先部材11Bを刃物母材11Aの上下両端に接着連結させると共に皿ボルト穴11C、11Cを刃物母材11Aの前面側と背面側との両方からそれぞれ穿孔しておくことにより刃物部材11を上下逆にして2度使用できるようになる。
【0010】
なお本発明の実施の形態では、刃先部材11Bについてセラミックス製のものを記したが、耐摩耗性に優れたものであれば、その材質は問わない。
【0011】
【発明の効果】
本発明は上記の説明から明らかなように、往復移動可能に配設したカッタ−基台の上部にカッタ−本体を着脱可能にして固定し、該カッタ−本体の前進側上部位置に、その前進側上部を凹み段に形成すると共に一対のねじ孔を複数組縦列させて穿孔した外段取り用の刃物ブラケットを着脱可能に取付け、該刃物ブラケットの凹み段には、刃物母材の先端にクサビ状の刃先部材を接着連結すると共に前記ねじ孔に対応する一対の皿ボルト穴を穿孔した刃物部材を、複数縦列配置させて皿ボルトにより締結固定させた機構としたから、刃物部材の刃先部分は耐摩耗性に優れると共に刃物部材の組付け作業のほとんどを外段取りにより行うことが可能になる。また刃物母材の上下両端に刃先部材をそれぞれ接着連結すると共に刃物母材の表裏両面側から皿ボルト穴を穿孔しておくことにより刃物部材を上下逆にして2度使用でき、もって刃物部材の長期使用を可能にできる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す概要側面図である。
【図2】図1におけるP部拡大断面図である。
【図3】鋳枠付の砂鋳型と刃物ブラケット及び刃物部材との位置関係を示す概要正面図である。
【図4】(イ)は刃物部材の正面図である。
(ロ)は(イ)におけるA−A矢視図である。
(ハ)は(イ)におけるB−B矢視図である。
【符号の説明】
3 カッタ−基台
4 カッタ−本体
7 凹み段
8 ねじ孔
9 刃物ブラケット
11 刃物部材
11A 刃物母材
11B 刃先部材
11C 皿ボルト穴
12 皿ボルト
F 鋳枠
M 砂鋳型

Claims (4)

  1. 砂鋳型の下方において該砂鋳型の前進方向に対して交差する方向に往復移動可能に配設したカッタ−基台の上部に一個以上のカッタ−本体を着脱可能に固定し、該カッタ−本体の前進側上部位置に、その前進側上部を凹み段に形成すると共に該凹み段の上下中間部に一対のねじ孔8、8を複数組縦列させて穿孔した外段取り用の刃物ブラケットを着脱可能に取付け、前記凹み段には、金属製の刃物母材11Aの先端にクサビ状の刃先部材11Bを接着連結すると共に前記一対のねじ孔8、8に対応する一対の皿ボルト穴11C、11Cを穿孔した刃物部材11を複数縦列配置させて一対の皿ボルト12、12により締結固定させたことを特徴とするサンドカッタ−機構。
  2. 前記刃先部材11Bが前記刃物母材11Aの上下両端部に表裏を逆にして接着連結されると共に一対の皿ボルト穴11C、11Cが前面側及び背面側から貫通させてそれぞれ穿孔されていることを特徴とする請求項1記載のサンドカッタ−機構。
  3. 前記刃物ブラケットの凹み段に複数縦列配置された刃物部材11が前記砂鋳型の前進方向寸法よりも幅広にされていることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のサンドカッタ−機構。
  4. 前記刃物ブラケットの上端面が、焼き入れされていることを特徴とする請求項3記載のサンドカッタ−機構。
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