JP3744245B2 - 液晶表示装置の駆動電圧調整方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置の駆動電圧を調整する場合に、その調整を、素早く完了させることが可能な液晶表示装置の駆動電圧調整方法および駆動電圧調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、液晶表示装置は、小型・薄型や、低消費電力、平面表示などの特徴を有するため、ノート型のパーソナルコンピュータや、液晶テレビ、カーナビゲーションなどの電子機器の表示部分として広く用いられている。このような電子機器に用いられる場合、液晶表示装置は、液晶表示パネルをバックライトやコンロトール基板などとともにフレームに収納したモジュール(ブロック)として製造・販売される場合がある。
【0003】
また、一般に、液晶表示装置の温度係数は、他の表示装置と比較して大きい。このため、液晶表示装置は、サーミスタなどの感温素子や、ダイオード、トランジスタ等の半導体の温度特性を利用して検出された温度に応じて駆動電圧を補償し、これにより、液晶に印加される正電圧と負電圧とをバランスさせる構成となっている。
【0004】
したがって、液晶表示装置をモジュールとして製造・販売する場合には、モジュールとして組み立てた後に、液晶に印加される正電圧と負電圧とを初期状態としてバランスさせるため、駆動電圧を調整する必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、液晶表示装置においては、電源オンしてから装置全体の温度が平衡状態に達するまで、例えば、1時間程度必要とする場合がある。このような場合、熱平衡状態に達するのを待って、駆動電圧を調整するのは、液晶表示装置1台当たりの調整に時間がかかり過ぎることになり、製造・検査・組立等の工程全体のスループットを悪化させることになる。かといって、熱平衡状態に達するのを待たずに駆動電圧を調整しても、熱平衡状態では、液晶に印加される正電圧と負電圧とがアンバランスとなって、長期間にわたって液晶に直流成分が印加されるので、液晶の劣化を招くことになる。
【0006】
なお、熱平衡状態に達するのに、いかに時間がかかるとしても、駆動電圧を調整するための装置を多数揃えれば、その調整に要する時間は全体でみれば短縮されることにはなる。しかしこれでは、調整するための装置を多数揃えるのに多大なコストがかかる、という事情もある。
【0007】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、正電圧と負電圧とをバランスさせるための電圧調整を、素早く完了させることが可能な液晶表示装置の駆動電圧調整方法、および、この調整の際に用いて好適な駆動電圧調整装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、一対の基板間に液晶が挟持されるとともに、一方の基板に設けられた複数の走査線と他方の基板に設けられた複数のデータ線との間に2端子型スイッチング素子と前記液晶とが直列に接続された画素を複数備える液晶表示パネルと、前記複数の走査線に走査信号を供給するとともに、前記複数のデータ線にデータ信号を供給する駆動手段と、前記駆動手段に駆動電圧を供給する電源手段とを備える液晶表示装置の駆動電圧調整方法であって、前記液晶表示パネルの表示領域のうち、第1の領域に含まれる走査線に、前記2端子型スイッチング素子を導通させる充電モード信号を少なくとも含む信号を、前記走査信号として供給する第1の過程と、前記第1の領域とは別の第2の領域に含まれる走査線に、前記2端子型スイッチング素子を導通させ、かつ、前記充電モード信号とは、前記データ信号の中間値を基準として逆極性の過充電信号と、この過充電信号に続いて出力され、かつ、前記過充電信号とは、前記データ信号の中間値を基準として逆極性の放電モード信号とを少なくとも含む信号を、前記走査信号として供給する第2の過程と、少なくとも前記第1の領域に含まれるデータ線と少なくとも前記第2の領域に含まれるデータ線とに、または、前記第1および前記第2の領域に含まれるデータ線に、所定の階調値に相当するデータ信号を供給する第3の過程と、前記電源手段による駆動電圧の供給開始から所定の時間が経過したタイミングにて、前記第1の領域における輝度と前記第2の領域における輝度との比率が所定の値となるように前記駆動電圧を調整する第4の過程とを備えることを特徴としている。
【0009】
本発明によれば、第1の領域に含まれる走査線に、充電モード信号を少なくとも含む信号が走査信号として供給されるとともに、少なくとも第1の領域に含まれるデータ線に所定の階調値を有するデータ信号が供給されると、両者の電位差によって2端子型スイッチング素子が導通して、液晶への充電が行われることとなる。このため、第1の領域における輝度は、少なくとも、充電モード信号とデータ信号との電位差によって液晶に充電された第1の電圧に依存することになる。
【0010】
一方、第2の領域に含まれる走査線に過充電信号と放電モードとを少なくとも含む信号が走査信号として供給されるとともに、少なくとも第2の領域に含まれるデータ線に所定の階調値を有するデータ信号が供給されると、まず、過充電信号によって、データ信号にかかわらず2端子型スイッチング素子が導通して、液晶への過充電が行われ、次に、放電モード信号とデータ信号との電位差によって、2端子型スイッチング素子が導通して、過充電された液晶の放電が少なくとも行われることとなる。このため、第2の領域における輝度は、過充電信号により過充電させた液晶を、少なくとも、放電モード信号とデータ信号との電位差によって放電させた結果たる第2の電圧に少なくとも依存することになる。
【0011】
したがって、第1の領域における輝度と第2の領域における輝度とが等しくなるように駆動電圧を調整すると、第1の電圧の(データ信号の中間値を基準とした)絶対値と第2の電圧の絶対値とが等しくなって、液晶に直流成分が印加されるのが防止される。
【0012】
ただし、各信号は、いずれも、電源手段による駆動電圧の供給開始(電源オン)から時間が経過するにつれて異なる割合で増加または減少して、熱平衡状態において最終的にある一定値にそれぞれ収束するので、熱平衡状態に達する前に、第1の電圧の絶対値と第2の電圧の絶対値とを等しくさせても、熱平衡状態になるつれ、第1の電圧の絶対値と第2の電圧の絶対値との差が拡大してしまうことになる。
【0013】
このことは、逆に言えば、熱平衡状態において、第1の領域における輝度と第2の領域における輝度との比率が略1:1となる場合(すなわち、両領域の輝度が略同一となる場合)であっても、当該比率は、電源オンから熱平衡状態に至るまでにおいては、ある一定の特性を有して変化することを意味する。したがって、本発明のように、電源オンから所定時間が経過したタイミングにて、当該比率が上記特性上の値となるように、走査信号およびデータ信号で用いる駆動電圧を調整すれば、熱平衡状態において第1の領域における輝度と第2の領域における輝度とを略同一とさせることが可能となる。
【0014】
すなわち、本発明において、前記第4の過程における所定の時間および所定の値は、前記比率における電源オンからの時間特性のうち、時間経過につれて比率が1:1に収束する特性上の座標値であることを特徴としている。
【0015】
また、本発明において、前記第4の過程における所定の時間および所定の値は、前記比率における電源オンからの時間特性のうち、時間が経過するにつれて比率が所望の値に収束する特性上の座標値とすることも考えられる。この構成によれば、熱平衡状態となる場合の輝度差が所望の値となるような調整を、熱平衡状態となる以前で行うことが可能となる。
【0016】
一方、本発明において、前記第4の過程において調整される駆動電圧は、前記充電モード信号の電圧、および、前記放電モードの電圧を定める駆動電圧であることが望ましい。これにより、調整する必要のある電圧が2種類で済むので、第4の過程における調整の簡略化を図ることが可能となる。
【0017】
また、本発明の第2の過程においては、前記第2の領域に含まれる走査線に、前記過充電信号および前記放電モード信号のみからなる信号を走査信号として供給する構成が考えられる。この構成によれば、第1の領域は、充電モード信号を有する信号で駆動される一方、第2の領域は、過充電モード信号および放電モード信号のみからなる信号で駆動される。
【0018】
一方、本発明の第2の過程においては、前記第2の領域に含まれる走査線に、前記充電モード信号と、前記過充電信号および前記放電モード信号からなる信号とを、交互に走査信号として供給する構成も考えられる。この構成によれば、第1の領域は、充電モード信号を有する信号で駆動される一方、第2の領域は、充電モード信号と、過充電信号および放電モード信号からなる信号で駆動される。すなわち、第2の領域は、通常の表示状態で駆動される。
【0019】
さらに、上記目的を達成するため、本発明にかかる液晶表示装置の駆動電圧調整装置にあっては、一対の基板間に液晶が挟持されるとともに、一方の基板に設けられた複数の走査線と他方の基板に設けられた複数のデータ線との間に2端子型スイッチング素子と前記液晶とが直列に接続された画素を複数備える液晶表示パネルと、前記複数の走査線に走査信号を供給するとともに、前記複数のデータ線にデータ信号を供給する駆動手段と、前記駆動手段に駆動電圧を供給する電源手段とを備える液晶表示装置を載置する載置台と、前記載置台に載置された液晶表示装置の駆動手段に対して、前記表示パネルの表示領域のうち、第1の領域に含まれる走査線に、前記2端子型スイッチング素子を導通させる第1の充電モード信号を少なくとも含む信号を、前記走査信号として供給するように指示する一方、前記第1の領域とは別の第2の領域に含まれる走査線に、前記2端子型スイッチング素子を導通させ、かつ、前記充電モード信号とは、前記データ信号の中間値を基準として逆極性の過充電信号と、この過充電信号に続いて出力され、かつ、前記過充電信号とは、前記データ信号の中間値を基準として逆極性の放電モード信号とを少なくとも含む信号を、前記走査信号として供給するように指示する指示手段と、前記第1の領域における輝度と前記第2の領域における輝度とをそれぞれ測定する測定手段と、前記測定手段の測定に基づく値を、前記電源手段による駆動電圧の供給開始から所定の時間が経過したタイミングにて、少なくとも表示する表示手段とを具備することを特徴としている。
【0020】
本発明によれば、電源手段による駆動電圧の供給から所定の時間が経過したタイミングに至ると、第1の領域と第2の領域とが、異なる走査信号で駆動されるとともに、第1の領域における輝度と第2の領域における輝度とがそれぞれ測定されて、その測定に基づく値が表示されるので、第1の領域における輝度と第2の領域における輝度との比率が熱平衡状態において略1:1となる場合の特性上の値となるように、駆動電圧を調整するのが容易となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0022】
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態にかかる駆動電圧調整装置について説明前に、調整対象となる液晶表示装置について説明することとする。
【0023】
<液晶表示装置>
図1は、この液晶表示装置100の電気的構成を示すブロック図である。この図に示されるように、液晶表示装置100における液晶表示パネル10では、i本のデータ線X1〜Xiとj本の走査線Y1〜Yjとの各交差点において画素16が複数形成されており、各画素16は、液晶表示要素(液晶層)18とTFD(Thin Film Diode)素子20とが直列に接続された構成となっている。なお、図では、TFD素子20がデータ線の側に接続され、液晶層18が走査線の側に接続されているが、これとは逆に、TFD素子20が走査線の側に、液晶層18がデータ線の側にそれぞれ接続された構成でも良い。
【0024】
次に、走査線信号駆動回路110は、各走査線Y1〜Yjを駆動するものであり、データ信号駆動回路120は、各データ線X1〜Xiを駆動するものである。また、駆動制御回路130は、通常モードにおいては、外部から供給される画像信号および同期信号により後述する各種信号を生成して、走査信号駆動回路110およびデータ信号駆動回路120をそれぞれ制御する。ただし、駆動制御回路130は、検査時においてテスト信号を入力すると、画面を分割したテストモードに移行させるとともに、テストデータ出力回路132から出力されるテスト用の画像信号および同期信号により各種信号を生成して、走査信号駆動回路110およびデータ信号駆動回路120をそれぞれ制御する。ここで、テストモードとは、液晶表示装置100をモジュールとして組み立てた後の検査工程において用いられる特殊なモードをいい、また、通常モードとは、それ以外の通常の表示状態で用いられる一般的なモードをいう。テストデータ出力回路132は、テスト信号を入力すると、検査用の画像信号およびデータ信号を生成するものである。
【0025】
一方、電源回路140は、電源電圧Vccから液晶表示装置に用いられる電圧V0〜V7を生成して出力するものである。なお、電圧V0〜V7の大小関係は、電圧V0が最も高位であり、以下、電圧V7まで順番に低位となる関係にあり、その電位関係は、データ信号V3、V4の中間値を基準として電圧V0、V1、V2の極性を反転したものが、電圧V7、V6、V5であるという関係にある。
【0026】
以下、これらのうち、液晶表示パネル10、走査信号駆動回路110、データ信号駆動回路120、駆動制御回路130、電源回路140について順番に説明することとする。
【0027】
<液晶表示パネル>
まず、液晶表示パネル10の詳細について説明する。図2は、その一例を摸式的に示す部分破断斜視図である。
【0028】
この図に示されるように、液晶表示パネル10は、素子基板30と、これに対向配置される対向基板32とを備えている。このうち、素子基板30の対抗面には、複数の画素電極34が、それぞれマトリクス状に配列している。ここで、同一列に配列する画素電極34は、列方向に短冊状に延在するデータ線X1〜Xiの1本に、それぞれTFD素子20を介して接続されている。ここで、TFD素子20は、基板側からみると、第1金属膜22と、この第1金属膜22を陽極酸化した酸化膜24と、第2金属膜26とから構成されて、金属/絶縁体/金属のサンドイッチ構造を採る。このため、TFD素子20は、正負双方向のダイオードスイッチング特性を有することになる。
【0029】
一方、対向基板32において、素子基板30の対抗面には、走査線Y1〜Yjが、データ線X1〜Xiとは直交する行方向に延在し、かつ、画素電極34の対向電極となるように配列している。
【0030】
さて、このように構成された素子基板30と対向基板32とは、基板周辺に沿って塗布されるシール剤と、適切に散布されたスペーサとによって、一定のギャップ(間隙)を保っており、この閉空間に例えば、TN(Twisted Nematic)型の液晶が封入されて、これにより、図1における液晶層18が形成されることとなる。すなわち、液晶層18は、データ線と走査線との交差地点において、当該データ線と、画素電極34と、両者の間に位置する液晶とで構成されることになる。
【0031】
ほかに、対向基板32には、液晶表示パネル10の用途に応じて、例えば、ストライプ状や、モザイク状、トライアングル状等に配列されたカラーフィルタが設けられ、さらに、例えば、クロムやニッケルなどの金属材料や、カーボンやチタンなどをフォトレジストに分散した樹脂ブラックなどのブラックマトリクスが設けられる。くわえて、素子基板30および対向基板32の各対向面には、それぞれ所定の方向にラビング処理された配向膜などが設けられる一方、その各背面には配向方向に応じた偏光板がそれぞれ設けられる(いずれも図示省略)。
【0032】
ただし、液晶表示パネル10においては、液晶を高分子中に微小粒として分散させた高分子分散型液晶を用いれば、前述の配向膜、偏光板等が不要となるため、光利用効率が高まり、このため液晶表示パネルの高輝度化や低消費電力化などの点において有利である。また、液晶表示パネル10を反射型とする場合、画素電極34をアルミニウムなどの反射率の高い金属膜から構成し、電圧無印加状態で液晶分子がほぼ垂直配向されるSH(スーパーホメオトロピック)型液晶などを用いても良い。
【0033】
なお、TFD素子20は、2端子型スイッチング素子の一例であり、他に、ZnO(酸化亜鉛)バリスタや、MSI(Metal Semi-Insulator)などを用いた素子や、これら素子を2つ逆向きに直列接続または並列接続したものなどが、2端子型スイッチング素子として適用可能である。
【0034】
<走査信号駆動回路>
次に、液晶表示パネル10に走査信号を供給する走査信号駆動回路110について説明する。図3に示されるように、走査信号駆動回路110は、主に、クロック・コントロール回路111、シフトレジスタ113、ラッチ114、デコーダ115、レベル・シフタ116およびLCDドライバ117から構成される。
【0035】
このうち、クロック・コントロール回路111は、駆動制御回路130から出力される走査側クロック信号YCLKに基づいて、図4に示されるようなデータシフト用のシフトクロックYSCLを生成して、シフトレジスタ113に供給するものである。
【0036】
シフトレジスタ113は、走査線Y1〜Yjの本数に対応してjビットの並列出力を有するシフトレジスタを、入力データD0、D1、D2の各々に対応して3列独立して設けた構成となっている。このため、シフトレジスタ113から各走査線Y1〜Yj毎に3ビットずつの出力が行われる。ここで、入力データD0、D1、D2は、各走査線Y1〜Yjの電圧を選択するためのデータであり、駆動制御回路130からシリアルデータとして出力されたものである。また、シフトクロックYSCLは、シフトレジスタ113を構成する各シフトレジスタに供給されて、これらの各シフトレジスタが、図4に示されるように、シフトクロックYSCLの立ち上がりタイミングと立ち下がりタイミングとにおいてそれぞれデータを取り込むとともに、取り込んだデータを順次シフトするようになっている。
【0037】
次に、ラッチ114は、jビット分のデータを取り込むラッチを3列並列に備えるものであり、シフトレジスタ113による3列×jビットの並列出力データを、ラッチストローブ信号LSの立ち上がりのタイミングにおいて、3列×jビット分のラッチにそのまま取り込むように構成されている。ここで、ラッチストローブ信号LSは、駆動制御回路130から供給される信号であって、シフトレジスタ113を構成する各シフトレジスタがjビット分のデータを取り込んだ後の所定のタイミングにおいて立ち上がる信号である。
【0038】
したがって、ラッチ114からは、ラッチストロープ信号LSの立ち上がりタイミングにおいて、駆動制御回路130から出力されたシリアルデータD0、D1、D2が、各走査線Y1〜Yj毎に、3ビットのパラレルデータに変換されて出力されることになる。
【0039】
次に、デコーダ115は、ラッチ114から供給される3ビットのパラレルデータをデコードして、選択信号の電圧としてV0〜V7のいずれかを選択するための信号に変換するものである。また、レベル・シフタ116は、デコーダ115によりデコードされた信号を順次シフトするものである。
【0040】
LCDドライバ117は、図1における電源回路140から供給される8種類の電圧V0〜V7のいずれかを、レベル・シフタ116によってシフトされた信号にしたがって、各走査Y1〜Yj毎に選択接続して出力するものである。これにより、各走査線Y1〜Yjには、8種類の電圧V0〜V7のいずれかが選択信号として供給されることとなる。
【0041】
ここで、ラッチ114から出力される3ビットのパラレルデータD0、D1、D2の値の組み合わせと選択信号の電圧V0〜V7との対応関係は、図5に示されるとおりである。このため、走査信号駆動回路110では、各走査線Y1〜Yjについて、第1に、対応する3ビットのパラレルデータを、デコーダ115により電圧V0〜V7のいずれかを選択する信号にデコードし、第2に、レベル・シフタ116を介してシフトすることによって、後述するような充放電モードや、充電モード、放電モードで駆動することが可能となっている。
【0042】
<データ信号駆動回路>
次に、液晶表示パネル10にデータ信号を供給するデータ信号駆動回路120について説明する。
【0043】
図6に示されるように、データ信号駆動回路120は、主に、シフトレジスタ121、ラッチ122、階調制御部123および出力回路124から構成される。このうち、シフトレジスタ121は、クロック信号XCLKに同期するラッチ信号であって、かつ、各データ信号出力端子X1〜Xiに対応するラッチ信号を、順次シフトして出力するものである。
【0044】
ラッチ122は、各データ信号出力端子X1〜Xiに対応するiビットのラッチ領域を備えるものである。各ラッチ領域は、データ線の順番でnビット毎に供給されるnビットのパラレル階調データGD0〜GDnを、シフトレジスタ121によるラッチ信号でそれぞれラッチして、水平同期信号に同期するラッチパルス信号LPの立ち上がりのタイミングで出力する。
【0045】
ここで、階調データGD0〜GDn、クロック信号XCLKおよびラッチパルス信号LPは、それぞれ駆動制御回路130によって互いに関連付けられて供給されるので、ラッチ122の各ラッチ領域は、パラレルで供給される階調データのうち、それぞれ対応するデータ線への階調データGD0〜GDnを取り込んで、ラッチパルス信号LPの立ち上がりのタイミングで各データ線に対応して出力するようになっている。
【0046】
階調制御部123は、各データ線に対応する各階調データをパルス幅変調データに変換して、出力回路124に供給するものである。また、出力回路124は、階調制御部123により出力された信号を、パネル駆動のための適正電圧レベルに変換して出力するものである。
【0047】
ここで、ラッチ122からの階調データGD0〜GDnの出力は、水平同期信号に同期するラッチパルス信号LPに同期して行われるため、各データ信号出力端子X1〜Xiからは、1水平走査期間毎にそれぞれ階調に応じてパルス幅変調されたデータ信号が出力されることになる。ただし、この液晶表示装置100は、後述するように、液晶の表示状態を決定する電圧は、1水平走査期間の1/2の期間において出力されるので、これに対応してデータ信号も1水平走査期間の1/2の期間に出力されるように設定されている。
【0048】
<駆動制御回路>
次に、走査信号駆動回路110およびデータ信号駆動回路120に各種信号を供給する駆動制御回路130について説明する。
【0049】
図7に示されるように、駆動制御回路130は、主に、基本タイミング作成部131、ドライバコントロール部132、データ出力部133およびA/D変換部134から構成される。このうち、基本タイミング作成部131は、コンポジット信号等から分離された垂直同期信号や水平同期信号などの同期信号に基づいて、各回路に供給するクロック信号およびタイミング信号を生成し、ドライバコントロール部132、データ出力部133およびA/D変換部134に供給する。
【0050】
A/D変換部134は、コンポジット信号等から分離されたアナログ信号たる画像信号をデジタルデータに変換して、データ出力部133に供給する。データ出力部133は、デジタルデータを階調データGD0〜GDnに変換するとともに、基本タイミング作成部131によるクロック信号に基づいて、所定のタイミングでシリアルデータとして、データ信号駆動回路120に供給する。
【0051】
また、ドライバコントロール部132は、通常モードでは、上述したクロック信号YCLK、ラッチストローブ信号LSおよびデータD0〜D2を走査信号駆動回路110に供給する一方、クロック信号XCLKおよびラッチパルス信号LPをデータ信号駆動回路120に供給する。ただし、ドライバコントロール部132は、テスト信号を入力すると、データD0〜D2の出力パターンを後述するテストモード用に変更して、通常モードとは異なる走査信号を出力するように、走査信号駆動回路110を制御する。
【0052】
これらの各信号は、基本タイミング作成部131のクロック信号およびタイミング信号に基づいて生成され、さらに、基本タイミング作成部131は、垂直同期信号や水平同期信号などの同期信号に基づいて、クロック信号およびタイミング信号を生成するので、走査信号駆動回路110から出力される走査信号およびデータ信号駆動回路120から出力されるデータ信号についても、水平同期信号および垂直同期信号に同期したものとなる。
【0053】
<電源回路>
次に、電源回路140の構成について図8を参照して説明する。電源回路140は、電源141と、中間電圧発生回路142と、駆動電圧調整回路142とを備える。このうち、電源141は、電圧V0、V3、V4、V7を発生するものであり、また、中間電圧発生回路142は、電源141による電圧V0、V3、V4、V7電圧の中間電圧である電圧V1、V2、V5、V6を発生するものである。そして、電圧V0〜V7が走査信号駆動回路110に供給され、また、電圧V3、V4がデータ信号駆動回路120に供給されている。なお、本実施形態においては、電圧V4を接地電位として用いるので、実際には、この電圧V4を除いた7種類の電圧V0、V1、V2、V3、V5、V6、V7が走査信号駆動回路110に供給され、電圧V3がデータ線駆動回路120に供給されることになる。
【0054】
ここで、中間電圧発生回路142は、電圧調整回路142aを備えており、この構成は、例えば図9に示されるようなものであるため、電圧調整回路142aにおける可変抵抗VR1の調整によって、電圧V1、V2が同方向に増減可能となっている。なお、図示を省略しているが、電圧V6、V5についても、同様の回路が設けられて、電圧V1、V2の調整に伴って、同時に調整されるようになっている。さらに、中間電圧発生回路142は、サーミスタなどの温度検出器144によって検出された液晶表示パネル10の温度に応じて電圧V1、V2を変化させて、温度補償を行うように構成されている。
【0055】
<モジュール化される液晶表示装置>
さて、このような液晶表示装置100をモジュール化した場合の構造について説明する。図10は、この液晶表示装置100のモジュール構造を示す分解斜視図である。この図に示されるように、液晶表示装置100は、金属フレーム202において、素子基板30および対向基板32からなる液晶表示パネル100を、バックライト206aを含むライトガイド206、コントロール基板210、第1、第2のシールド板212、214とともに収容する構成となっている。
【0056】
このうち、コントロール基板210には、上述した走査信号駆動回路110、データ信号駆動回路120、駆動制御回路130、テストデータ出力回路132および電源回路140が実装されており、素子基板30の各データ線X1〜Xiにはフィルムテープ222を介してデータ信号が供給される一方、対向基板32の各走査線Y1〜Yjにはフィルムテープ224を介して走査信号が供給される構成となっている。
【0057】
なお、素子基板30に、データ信号駆動回路120たるICチップがCOG(Chip On Grass)実装される場合には、当該ICチップにフィルムテープ222を介して、クロック信号XCLKや、ラッチパルス信号LP、階調データGD0〜GDn、電圧V3、V4などが供給され、これにより、当該ICチップが各データ線X1〜Xiに対してそれぞれデータ信号を直接供給する構成となる。同様に、対向基板32に、走査信号駆動回路110たるICチップがCOG実装される場合には、当該ICチップにフィルムテープ224を介して、クロック信号YCLKや、ラッチストローブ信号LS、データD0、D1、D2、電圧V0〜V7などが供給され、これにより、当該ICチップが各走査線Y1〜Yjに対してそれぞれ走査信号を直接供給する構成となる。
【0058】
また、温度検出器144は、コントロール基板210に実装される場合もあるが、その本来的な目的は、液晶表示パネル10の温度を検出するためであるから、なるべく、液晶表示パネル10の近傍に設けられるのが望ましい。このため、本実施形態にあって温度検出器144は、金属フレーム202の端部に取り付けられている。
【0059】
<駆動動作>
次に、液晶表示パネル10において、通常モードで用いられる充放電モードと、テストモードで充電モードと、同じくテストモードで放電モードとについてそれぞれ説明する。
【0060】
<充放電モード>
まず、充放電モードとは、図11(b)または(c)に示されるように、2端子型スイッチング素子の導通を図って、充電を行う充電モードと、第2に、この充電とはデータ信号の中間値を基準にして逆極性の過充電後、2端子型スイッチング素子の導通を図って、放電を行う放電モードとの2モードで駆動する方式である。
【0061】
さて、図11(a)は、あるデータ線Xn(X1≦Xn≦Xi)に供給されるデータ信号の一例を示すタイミングチャートである。図に示されるように、データ信号は、1水平走査期間Hの後半の1/2の期間において供給される。
【0062】
同図(b)は、ある走査線Ym(Y1≦Ym<Yj)に供給される走査信号を示すタイミングチャートであり、同図(c)は、この走査線Ymの次位に位置する走査線Ym+1に供給される走査信号を示すタイミングチャートである。これらの図に示すように、走査信号は、走査線の1行毎にモードが切り替えられ、かつ、1本の走査線に着目すれば、1垂直期間TV毎にモードが切り替えられる。このように、モードを切り替えることによって、データ信号の中間値を基準として、走査信号の極性を1垂直走査期間TV毎に反転させる(さらに、データ信号もこれに対応して反転させる)のは、交流駆動することによって、液晶層の劣化を防ぐためである。なお、1水平期間毎に極性を反転する駆動のみならず、n水平期間毎に極性を反転する駆動でも良く、また、1水平期間毎の反転駆動を行わず、フレーム反転駆動のみとすることも可能である。
【0063】
ここで、充放電モードでの走査信号を生成する方法について簡単に説明する。上述のように、走査信号駆動回路110は、各走査線Y1〜Yjに対応する3ビットのデータD0、D1、D2を、デコーダ115により電圧V0〜V7のいずれかを選択する信号にデコードするとともに、レベル・シフタ116によってシフトすることによって、電圧V0〜V7で規定される走査信号を出力する構成となっている。ここで、駆動制御回路130からシリアルデータとして供給されるデータD0、D1、D2のうち、走査線Ymに対応する3ビットのデータをDLm・0、DLm・1、DLm・2と表すと、図12に示されるように、データDLm・0、DLm・1、DLm・2が用いられて、走査線Ymに供給すべき充放電モードの走査信号が生成されることになる。まず、ラッチストローブ信号LSの立ち上がりタイミングt1(走査線Ymが選択される1水平走査期間の前半1/2期間の開始タイミング)において、(DLm・0、DLm・1、DLm・2)の値が(0、0、0)であると、走査線Ymに供給される走査線の電圧はV4となる。次に、ラッチストローブ信号LSの立ち上がりタイミングt2(走査線Ymが選択される1水平走査期間の後半1/2期間の開始タイミング)において、(DLm・0、DLm・1、DLm・2)の値が(1、1、1)になると、走査線Ymに供給される走査線の電圧はV1となって、充電モードの充電期間となる。この期間が経過したタイミングt3において、(DLm・0、DLm・1、DLm・2)の値が(0、0、1)となり、走査線Ymに供給される走査線の電圧はV3となって、以降この状態が、ラッチストローブ信号LSの立ち上がりタイミングt4(走査線Ymが、再び選択される1水平走査期間の前半1/2期間の開始タイミング)まで継続する。
【0064】
次に、タイミングt4において、(DLm・0、DLm・1、DLm・2)の値が(0、1、1)になると、走査線Ymに供給される走査線の電圧はV7となって、放電モードの過充電期間となり、続いて、ラッチストローブ信号LSの立ち上がりタイミングt5(走査線Ymが、再び選択される1水平走査期間の後半1/2期間の開始タイミング)において、(DLm・0、DLm・1、DLm・2)の値が(1、0、0)になると、走査線Ymに供給される走査線は電圧V2となって、放電モードの放電期間となる。この期間が経過したタイミングt6において、(DLm・0、DLm・1、DLm・2)の値は、走査線Ymが再々度選択される1水平走査期間の後半1/2期間の開始タイミングまで(0、0、0)となるので、走査線Ymに供給される走査線の電圧V4は維持される。以下同様な動作が繰り返されることによって、走査線Ymに供給される走査信号の極性が、1垂直走査期間TV毎に反転することとなる。なお、各走査線Y1〜Yjに供給される走査信号は、走査線の1行毎に充電モードと放電モードとが交互に切り替えられるので、3ビットのデータD0、D1、D2もこれに対応して、位相シフトして供給されることとなる。一例として、走査線Ym+1に対応する3ビットのデータ(DLm+1・0、DLm+1・1、DLm+1・2)を図12に示す。
【0065】
さて、説明を図11に戻す。図11(d)は、データ線Xnと走査線Ym+1との交点に位置する画素16に印加される電圧、すなわち、当該TFD素子20と当該液晶層18とからなる直列接続の両端に印加される電圧を示すタイミングチャートである。この図において、斜線領域は、当該液晶層18に印加される電圧VLCである。
【0066】
この例では、放電モードでの過充電期間Tpreにおいて、(V7-V3)の電圧が印加されることにより、TFD素子20がオン状態となり、当該液晶層18は過充電される。次に、放電期間Tdcにおいて、(V2-V3)の電圧が印加されると、当該データ信号により放電量が抑えられるため、当該液晶層18の充電状態は維持される。したがって、ノーマリーホワイトモードの場合には黒が表示され、ノーマリーブラックモードの場合には白が表示されることになる。
【0067】
さらに、1垂直走査期間TV後、充電モードでの充電期間Tcにおいて、(V1-V4)の電圧が印加されると、TFD素子20がオン状態となり、当該液晶層18はデータ信号に応じて充電される。このため、ノーマリーホワイトモードの場合には継続的に黒が表示され、ノーマリーブラックモードの場合には継続的に白が表示されることになる。
【0068】
反対に、図示はしないが、放電モードの放電期間Tdcにおいて、(V2-V4)の電圧が印加されるとすると、過充電期間Tpreにおいて液晶層18に充電された電荷は、多数放電する。このため、ノーマリーホワイトモードの場合には白が表示され、ノーマリブラックモードの場合には黒が表示されることになる。さらに、1垂直走査期間TV後、充電モードでの充電期間Tcにおいて、(V1-V3)の電圧が印加されるとすると、液晶層18への充電は行われない。このため、ノーマリーホワイトモードの場合には継続的に白が表示され、ノーマリーブラックモードの場合には継続的に黒が表示されることになる。
【0069】
このように、充電モードにおいて、電圧V1を供給することで液晶層18をデータ信号に応じて充電する一方、放電モードにおいて、電圧V1とは逆極性の過充電電圧V7を供給することで液晶層18をデータ信号にかかわりなく過充電し、その後、過充電電圧V7とは逆極性の選択電圧V2を供給するとともに、液晶層18の放電量をデータ信号で制御することで、当該液晶画素の表示状態を制御することが可能となる。
【0070】
このような充放電モードによれば、液晶層18への充電がほぼ停止した時にTFD素子20に印加される電圧が、TFD素子の特性のバラツキにより変動しても、充電モードにて液晶印加電圧に発生する誤差電圧と放電モードにて液晶印加電圧に発生する誤差電圧とが互いに実効電圧的に相殺するので、表示ムラの発生等を有効に防止することが可能となる。
【0071】
<充電モード>
次に、テストモードで用いられる充電モードについて説明する。この充電モードは、先に説明した充放電モードのうち、充電モードのみを用いて正負両極で交互に駆動する方式である。
【0072】
この充電モードにおいて、例えば、走査線Ymに供給すべき走査信号は、図13に示されるようなデータDLm・0、DLm・1、DLm・2が用いられて生成される。まず、タイミングt1において、(DLm・0、DLm・1、DLm・2)の値が(0、0、0)であると、走査線Ymに供給される走査線の電圧はV4となる。次に、タイミングt2において、(DLm・0、DLm・1、DLm・2)の値が(1、1、1)になると、走査線Ymに供給される走査線の電圧はV1となって、正極性の充電期間となる。この期間が経過したタイミングt3において、(DLm・0、DLm・1、DLm・2)の値が(0、0、1)となり、走査線Ymに供給される走査線の電圧はV3となって、以降この状態が、タイミングt5まで継続する。そして、タイミングt5において、(DLm・0、DLm・1、DLm・2)の値が(1、1、0)になると、走査線Ymに供給される走査線の電圧はV6となって、負極性の充電期間となる。この期間が経過したタイミングt6において、(DLm・0、DLm・1、DLm・2)の値が(0、0、0)となり、走査線Ymに供給される走査線の電圧はV4となって、以降この状態は、走査線Ymが再々度選択される1水平走査期間の後半1/2期間の開始タイミングまで継続する。以下同様な動作が繰り返されることによって、走査線Ymに供給される走査信号の極性が、1垂直走査期間TV毎に反転することとなる。なお、各走査線Y1〜Yjに供給される走査信号は、走査線の1行毎に極性が交互に切り替えられるので、3ビットのデータD0、D1、D2もこれに対応して、位相シフトして供給されることとなる。一例として、走査線Ym+1に対応する3ビットのデータ(DLm+1・0、DLm+1・1、DLm+1・2)を図13に示す。
【0073】
<放電モード>
次に、テストモードで用いられる放電モードについて説明する。この放電モードは、先に説明した充放電モードのうち、放電モードのみを用いて正負両極で交互に駆動する方式である。
【0074】
この放電モードにおいて、例えば、走査線Ymに供給すべき走査信号については、図14に示されるようなデータDLm・0、DLm・1、DLm・2によって生成される。まず、タイミングt1において、(DLm・0、DLm・1、DLm・2)の値が(0、1、0)になると、走査線Ymに供給される走査線の電圧はV0となって、正極性の過充電期間となる、続いて、タイミングt2において、(DLm・0、DLm・1、DLm・2)の値が(1、0、1)になると、走査線Ymに供給される走査線の電圧はV5となって、放電期間となる。この期間が経過したタイミングt3において、(DLm・0、DLm・1、DLm・2)の値が(0、0、1)となり、走査線Ymに供給される走査線の電圧はV3となって、以降この状態が、タイミングt4まで継続する。そして、タイミングt4において、(DLm・0、DLm・1、DLm・2)の値が(0、1、1)になると、走査線Ymに供給される走査線の電圧はV7となって、負極性の過充電期間となる。続いて、タイミングt5において、(DLm・0、DLm・1、DLm・2)の値が(1、0、0)になると、走査線Ymに供給される走査線の電圧はV2となって、放電期間となる。そして、この期間が経過したタイミングt6において、(DLm・0、DLm・1、DLm・2)の値が(0、0、0)となり、走査線Ymに供給される走査線の電圧はV4となって、以降この状態は、走査線Ymが再々度選択される1水平走査期間の前半1/2期間の開始タイミングまで継続する。以下同様な動作が繰り返されることによって、走査線Ymに供給される走査信号の極性が、1垂直走査期間TV毎に反転することとなる。なお、各走査線Y1〜Yjに供給される走査信号は、走査線の1行毎に極性が交互に切り替えられるので、3ビットのデータD0、D1、D2もこれに対応して、位相シフトして供給されることとなる。一例として、走査線Ym+1に対応する3ビットのデータ(DLm+1・0、DLm+1・1、DLm+1・2)を図14に示す。
【0075】
<電圧調整の必要性>
さて、上述した各モードのうち、通常モードで用いられる充放電モードにおいて、充電モードの選択期間の終了直後に液晶層に充電される電圧と、放電モードの選択期間の終了直後に、過充電後に放電させた結果として液晶層に充電された電圧とについて、それぞれ検討してみる。
【0076】
まず、図11(d)において、充電モードの選択期間の終了直後に液晶層に印加される電圧VB1は、次式で与えられる。
【0077】
VB1=(V1−V4−VON)−K(V1−V4) ……(1)
なお、式(1)におけるKは、TFD素子の容量をCMとし、液晶層の容量をCLとした場合に、CM/(CM+CL)で表される容量比を示し、また、K(V1−V4)は、TFD素子がオフ状態となる瞬間に容量結合により生じる液晶層電圧のシフト分を表す。また、VONは、液晶層への充電がほぼ停止したときに、TFD素子に印加される電圧を示す。
【0078】
一方、放電モードでは、過充電の後、充電された電荷が電圧V2−V3により放電され、選択期間の終了直前に液晶層に印加される電圧はV2−V3−VONとなる。したがって、選択期間の終了直後に液晶層に印加される電圧VB2は次式で表される。
【0079】
VB2=(V2−V3−VON)−K(V2−V3) ……(2)
ここで、K(V2−V3)は、充電モードの場合と同様に、TFD素子がオフ状態となる瞬間に容量結合により生じる液晶層電圧のシフト分を表す。
【0080】
ところで、選択電圧V1が正電圧であるので、この電圧V1およびデータ信号で充電される電圧VB1も正電圧である。一方、過充電電圧であるV7は、電圧V1とは逆極性であるので、この電圧V7により過充電して、選択電圧V2およびデータ信号で放電させた結果として残った充電電圧VB2は負電圧である。このため、電圧VB1の絶対値と電圧VB2の絶対値とが互いに等しくないと、液晶に直流成分が印加されることになって、液晶の劣化を招く。したがって、次式の関係を満たす必要がある。
【0081】
VB1+VB2=0 ……(3)
以上の式(1)、(2)、(3)より、次式の関係式が導き出される。
【0082】
V2=−V1+2VON/(1−K)……(4)
このため、充電モードにおける選択電圧V1と放電モードにおける選択電圧V2とについて、式(4)を満たす値に設定する必要がある。このためには、液晶表示装置をモジュールとして組み立てた後に、第1に、液晶表示パネル10の表示画面を、走査線Y1〜Yjの延材方向である行方向に沿って上半分領域と下半分領域とに分割し、第2に、例えば上半分領域にあっては充電モードのみによる走査信号で、下半分領域にあっては放電モードのみによる走査信号で、それぞれ駆動し、第3に、充電モードで駆動される上半分領域の輝度と、放電モードで駆動される下半分領域の輝度との差がなくなるように、選択電圧V1、V2を調整すれば、充電モードにより液晶層に充電された電圧VB1の絶対値と、放電モードにより液晶層に充電された電圧VB2の絶対値とが互いに等しくなって、以後、液晶に直流成分が印加されるのを防止することができる、と考えられる。
【0083】
ところで、上述したように、コントロール基板210における電源回路140では、温度検出器144によって検出された温度に応じて温度補償が行われる構成となっている。すなわち、温度が変化しても、常に最適なコントラストが得られ、かつ、液晶に直流成分が印加されないように、選択電圧V1、V2が制御される構成となっている。
【0084】
ここで、液晶表示パネルの平均温度は、図15において特性▲1▼で示されるように、電源オンによって室温RTから徐々に上昇し、ある一定の時間STを経過した時点において、温度Thaで飽和して熱平衡状態に至る。このため、電圧V1、V2の調節は、液晶表示装置が熱平衡状態となるのを待って行わなければならない。なぜならば、熱平衡状態となる前に、電圧V1、V2を調節して、一旦、充電モードで駆動される上半分領域の輝度と、放電モードで駆動される下半分領域の輝度との差をなくしても、温度変化に応じて電圧V1、V2が温度補償制御される結果、再び輝度差が発生するので、先に行った電圧V1、V2の調節がなんら意味をなさなくなるからである。
【0085】
しかも、温度補償における電圧V1、V2の温度係数は、互いに正負逆の関係(すなわち、一方の絶対値が増加すれば、他方の絶対値が減少する関係)にある場合があるので、熱平衡状態となる前に輝度差がなくす方向に電圧V1、V2を調整することは、その後、輝度差を拡大する方向に調整することにつながりかねない。それゆえ、輝度差をなくすための選択電圧V1、V2の調整は、液晶表示装置に電源を投入してから熱平衡状態となるまで待って行う必要がある。
【0086】
しかし、電源オンしてから熱平衡状態に至るまでの時間STは、画面サイズや機種などによっては1時間程度必要となる場合もある。このような場合に、液晶表示装置の1台、1台毎に熱平衡状態となるのを待って、輝度差がなくなるように電圧V1、V2を調整するのは、あまりにも非効率的といえる。
【0087】
そこで、熱平衡状態となるのを待って輝度差がほぼゼロとなるように電圧V1、V2の調整が済んだ液晶表示装置について着目する。ここで、説明の便宜上、輝度差を示す指標として「輝度バランス」なるものを用いる。この輝度バランスは、充電モードのみの充電モードで駆動される上半分領域の輝度をW1、放電モードのみの充電モードで駆動される下半分領域の輝度をW2とした場合に、次式で定義される値である。
【0088】
輝度バランス(%)=W1/((W1+W2)/2)−1)×100 ……(5)
さて、熱平衡状態となるのを待って輝度差がほぼゼロとなるように電圧V1、V2が調整された液晶表示装置の輝度バランスは、図16においてAで示されるように、電源オンから時間T1を経過したタイミングで、CDaという値で極大を迎えた後、当然のことながら、時間が経過するにつれて、ほぼゼロに収束する特性を有する。このことは逆に言えば、電源オンから時間T1が経過したタイミングにおいて、輝度バランスをCDaという値に調整すれば、熱平衡状態となった場合に輝度バランスがほぼゼロに収束することを意味する。本実施形態にかかる調整装置は、このことを利用して、液晶表示装置を電源オンしてから時間T1だけ経過したタイミングにおいて、輝度バランスがCDaという値となるように選択電圧V1、V2を調整して、熱平衡状態において充電モードにより液晶層に充電された電圧VB1の絶対値と、放電モードにより液晶層に充電された電圧VB2の絶対値とが互いに等しくなるようにするものである。
【0089】
図18は、本実施形態にかかる液晶表示装置の駆動電圧調整装置の構成を示す図である。この図に示されるように、調整装置は、主に、調整対象たるモジュール化された液晶表示装置100を、表示パネル10を上面として載置する載置台150と、CCDカメラ152が取り付けられたテスター151と、CCDカメラ152の出力をケーブル153により入力するパーソナルコンピュータ154と、このパーソナルコンピュータ154による出力を表示するディスプレイ155とから構成されている。
【0090】
このうち、載置台150は、検査対象となる液晶表示装置100を載置するにあたって、コントロール基板210において予め定められた地点に、テスト信号を供給させるためのピンプローブ(図示省略)を接触させる。また、CCDカメラ152は、載置台150に載置された液晶表示装置100の表示領域のうち、中心近傍に設けられた検査領域を撮像して、パーソナルコンピュータ154に出力するものである。
【0091】
また、パーソナルコンピュータ154は、次のような、検査用のアプリケーションプログラムを実行するものである。すなわち、パーソナルコンピュータ154は、検査者によって検査開始の指示がなされると、第1に、載置台150のピンプローブを介し、液晶表示装置100のコントロール基板210にテスト信号を供給するとともに、テスト信号の供給時間をカウントする。このテスト信号により、液晶表示パネル10の表示画面は、図19に示されるように、画面の上半分領域が充電モードで駆動される一方、画面の下半分領域が放電モードで駆動されることになる。第2に、パーソナルコンピュータ154は、CCDカメラ152による撮像画面から、上半分領域と下半分領域とによる輝度を測定し、上記式(5)を用いて、輝度バランスを算出する。第3に、パーソナルコンピュータ154は、例えば、図20に示されるように、ディスプレイ155の画面155aの左上端に位置する領域160において算出した輝度バランスを表示させ、さらに、領域161にテスト信号の供給を開始してからの経過時間を表示させ、また、領域162に目標とすべき輝度バランスの値CDaを表示させる。したがって、検査者は、このような画面155aを見ながら、電源回路140における駆動電圧調整回路143の可変抵抗VR1を変化させ、選択電圧V1、V2を調節することによって、電源オンにより走査信号を開始してから時間T1が経過したタイミングにて、輝度バランスを値CDaに調整することが容易に行うことが可能となる。
【0092】
以上のように、本実施形態によれば、電源オンさせて走査信号の供給を開始させてから、所定の時間T1だけ経過したタイミングにて、分割した各領域の輝度バランスを所定の値CDaに設定することが極めて簡易で行うことが可能である。このため、熱平衡状態において、充電モード期間と放電モード期間との液晶の充電電圧が等しくなるので、液晶層に印加される直流成分を除去して液晶表示パネルの品質を向上させるための電圧調整を、きわめて短期間で済ますことが可能となる。
【0093】
なお、選択電圧V1、V2を調整すると、図17に示されるように、その調整に伴ってコントラストも変動することになる。ここで、表示品質の低下を防ぐため、コントラストの変動を100%から90%までの範囲で抑えることとすると、このコントラストの範囲に対応する輝度バランスは、図17に従うと、−20%から+20%までの範囲に相当することになる。このため、輝度バランスは、その下限値および上限値が、−20%から+20%までの範囲に収まるように、調整する必要がある。
【0094】
また、本実施形態にあっては、時間T1だけ経過したタイミングにて、分割した各領域の輝度バランスを所定の値CDaとなるように駆動電圧V1、V2を調整するというものであったが、経過時間と、その時間が経過したタイミングで設定すべき輝度バランスの値との組は、これに限られず、図16における特性A上の座標値に相当する組であれば、熱平衡状態における輝度バランスをほぼゼロとすることができる。さらに、特性Aだけではなく、熱平衡状態において輝度バランスが値C1、C2で収束する特性B、Cの座標値に相当する組み合わせでも良い。これは、モジュールの構成要素であるバックライトの輝度が切替可能である場合、液晶表示装置における熱平衡状態の飽和温度が変化することを想定したものである。ただし、コントラストの変動を抑える観点から言えば、上述のように輝度バランスの下限値および上限値が−20%から+20%までの範囲に収まっている特性上の座標値を用いるのが望ましい。
【0095】
さらに、本実施形態にあっては、輝度バランスなる指標を用いたが、これに限られず、上半分領域の輝度と下半分領域の輝度との関係を示す指標であれば、いかなる指標を用いても良い。
【0096】
また、検査領域の大きさは、パーソナルコンピュータ154を操作することで任意変更できるようにしても良い。また、電圧V1、V2を調整すると、充電モードによる輝度と放電モードによる輝度とが中間調を中心にして入れ替わるため、上述したテストモードでの電圧調整は、中間調で行うのが望ましい。このため、テストモードにおいて、アナログデータ出力回路132に、所定の中間調ラスタデータを出力させる。
【0097】
さらに、電源オンしてから輝度バランスを設定すべきタイミングに至った時点で、輝度バランスを設定すれば良いので、それ以前またはそれ以後に他の検査や調整などを行っても良い。例えば、温度検出器144の設置位置によっては、それによって検出される温度変化が、図15における特性▲2▼に示されるように、実際の液晶表示パネルの温度変化特性▲1▼と比べて乖離してしまう場合がある。このような場合には、温度検出器144によって検出される特性▲2▼を、実際の特性▲1▼に近づけるように、温度検出器144の出力をオフセットさせるのが望ましいが、本実施形態にあっては、このようなオフセットを、電圧V1、V2の調整と併せて、テストモードにおける一連の工程として行うことが可能である。
【0098】
くわえて、上述した実施形態においては、分割する領域を2つにした場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、さらに多数に分割するようにしても良い。また、輝度の検査領域は、表示画面の中央部に設定した例について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、各検査領域が所定距離だけ離れていても良い。ただし、中央部に設定することにより、画面の読取部を小型化することができる。
【0099】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2実施形態にかかる調整装置について、図21を参照して説明する。なお、第1の実施形態との共通箇所には同一符号を付して説明を省略する。
【0100】
上述した第1実施形態では、表示画面の上半分領域を充電モードで駆動する一方、表示画面の下半分領域を放電モードで駆動するようにしたが、本実施形態では、図21に示されるように、上半分領域を充電モードで駆動する点は、第1実施形態と同様であるが、下半分領域を通常の表示状態である充放電モードで駆動するようにした点において、第1実施形態と異なる。
【0101】
過充電期間における電圧V7は、液晶表示ドライバの耐圧により決定されるので、一義的に定まるものである。したがって、充電モードでの駆動による輝度と充放電モードでの駆動による輝度とによる輝度バランスがゼロになるということは、充電モードの選択期間の終了直後に液晶層に充電される電圧の絶対値と、放電モードの選択期間の終了直後に、過充電後に放電させた結果として液晶層に充電された電圧の絶対値とが互いに等しくなったことに等しい。
【0102】
そして、このような第2の実施形態によれば、放電モードの負極性における放電電圧V5が不要となリ、電圧レベルを一つ減らすことができる。したがって、上述した電源回路140を、より簡易に構成することができる。
【0103】
なお、第1および第2実施形態において、充放電モードでの駆動波形は、図11や図12に示したものに限られるものではなく、少なくとも充電モードと放電モードが混在するものであれば良い。例えば、正極性で過充電を行ったり、正、負の両極性で過充電を行うことも可能である。これらの設定は、駆動制御回路120からの出力電圧選択データの供給タイミングを変えることにより可能である。
【0104】
くわえて、第1実施形態では、一方の領域を充電モードとし、他方の領域を放電モードとし、また、第2実施形態では、一方の領域を充電モードとし、他方の領域を充放電モードとしたが、このほかに、一方の領域を充放電モードとし、他方の領域を放電モードとしても良いが、正極性の過充電電圧V0が必要となるため、電圧レベルを1つ増加させなければならない。さらに、階調表示を、データ信号のパルス高さやパルス幅変調等により行っても良い。
【0105】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、液晶表示装置の駆動電圧を調整する場合に、その調整を、素早く完了させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の調整対象たる液晶表示装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 同液晶表示装置における液晶表示パネルの要部構成を示す部分破断斜視図である。
【図3】 同液晶表示装置における走査信号駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図4】 同走査信号駆動回路におけるデータ取込動作を示すタイミングチャートである。
【図5】 同走査信号駆動回路において、出力電圧を選択するためのデータと、実際に出力される電圧との対応関係を示す図である。
【図6】 同液晶表示装置におけるデータ信号駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図7】 同液晶表示装置における駆動制御回路の構成を示すブロック図である。
【図8】 同液晶表示装置における電源回路の構成を示すブロック図である。
【図9】 同電源回路における駆動電圧調整回路および中間電圧発生回路の要部構成を示す回路図である。
【図10】 モジュール化された液晶表示装置の構造を示す分解斜視図である。
【図11】 同液晶表示装置の通常モードでの動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図12】 通常モードで用いられる充放電モードの走査信号の生成動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図13】 テストモードで用いられる充電モードの走査信号の生成動作を説明するためのタイミングチャートである。。
【図14】 テストモードで用いられる放電モードの走査信号の生成動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図15】 同液晶表示装置において、電源オンからの温度変化を示す特性図である。
【図16】 同液晶表示装置において、電源オンからの輝度バランス変化を示す特性図である。
【図17】 同液晶表示装置において、駆動電圧とコントラストとの対応関係を示す特性図である。
【図18】 本発明の第1実施形態にかかる駆動電圧調整装置の構成を示す正面図である。
【図19】 同実施形態におけるテストモードでの画面分割状態と、各領域における走査信号の波形との関係を示す図である。
【図20】 同実施形態における表示画面の一例を示す図である。
【図21】 本発明の第2実施形態おけるテストモードでの画面分割状態と、各領域における走査信号の波形との関係を示す図である。
【符号の説明】
10……液晶表示パネル
16……画素
18……液晶層
34……画素電極
20……TFD素子
30……素子基板
32……対向基板
100……液晶表示装置
110……走査信号駆動回路
120……データ信号駆動回路
130……駆動制御回路
140……電源回路
X1〜Xi……データ線
Y1〜Yj……走査線
Claims (5)
- 一対の基板間に液晶が挟持されるとともに、一方の基板に設けられた複数の走査線と他方の基板に設けられた複数のデータ線との間に2端子型スイッチング素子と前記液晶とが直列に接続された画素を複数備える液晶表示パネルと、
前記複数の走査線に走査信号を供給するとともに、前記複数のデータ線にデータ信号を供給する駆動手段と、
前記駆動手段に駆動電圧を供給する電源手段と
を備える液晶表示装置の駆動電圧調整方法であって、
前記液晶表示パネルの表示領域のうち、第1の領域に含まれる走査線に、前記2端子型スイッチング素子を導通させる充電モード信号を少なくとも含む信号を、前記走査信号として供給する第1の過程と、
前記第1の領域とは別の第2の領域に含まれる走査線に、前記2端子型スイッチング素子を導通させ、かつ、前記充電モード信号とは、前記データ信号の電位の中間値を基準として逆極性の電位の過充電信号と、この過充電信号に続いて出力され、かつ、前記過充電信号とは、前記データ信号の電位の中間値を基準として逆極性の電位の放電モード信号とを少なくとも含む信号を、前記走査信号として供給する第2の過程と、
前記第1の領域に含まれるデータ線および前記第2の領域に含まれるデータ線に、所定の階調値に相当するデータ信号を供給する第3の過程と、
前記電源手段による駆動電圧の供給開始から所定の時間が経過したタイミングにて、前記第1の領域における輝度と前記第2の領域における輝度との比率が所定の値となるように前記駆動電圧を調整する第4の過程と
を備え、
前記第4の過程における所定の時間および所定の値は、前記比率における電源オンからの時間特性のうち、時間が経過するにつれて比率が1:1に収束する特性上の座標値である
ことを特徴とする液晶表示装置の駆動電圧調整方法。 - 一対の基板間に液晶が挟持されるとともに、一方の基板に設けられた複数の走査線と他方の基板に設けられた複数のデータ線との間に2端子型スイッチング素子と前記液晶とが直列に接続された画素を複数備える液晶表示パネルと、
前記複数の走査線に走査信号を供給するとともに、前記複数のデータ線にデータ信号を供給する駆動手段と、
前記駆動手段に駆動電圧を供給する電源手段と
を備える液晶表示装置の駆動電圧調整方法であって、
前記液晶表示パネルの表示領域のうち、第1の領域に含まれる走査線に、前記2端子型スイッチング素子を導通させる充電モード信号を少なくとも含む信号を、前記走査信号として供給する第1の過程と、
前記第1の領域とは別の第2の領域に含まれる走査線に、前記2端子型スイッチング素子を導通させ、かつ、前記充電モード信号とは、前記データ信号の電位の中間値を基準として逆極性の電位の過充電信号と、この過充電信号に続いて出力され、かつ、前記過充電信号とは、前記データ信号の電位の中間値を基準として逆極性の電位の放電モード信号とを少なくとも含む信号を、前記走査信号として供給する第2の過程と、
前記第1の領域に含まれるデータ線および前記第2の領域に含まれるデータ線に、所定の階調値に相当するデータ信号を供給する第3の過程と、
前記電源手段による駆動電圧の供給開始から所定の時間が経過したタイミングにて、前記第1の領域における輝度と前記第2の領域における輝度との比率が所定の値となるように前記駆動電圧を調整する第4の過程と
を備え、
前記第4の過程における所定の時間および所定の値は、前記比率における電源オンからの時間特性のうち、時間が経過するにつれて比率が所望の値に収束する特性上の座標値である
ことを特徴とする液晶表示装置の駆動電圧調整方法。 - 前記第4の過程において調整される駆動電圧は、
前記充電モード信号の電圧、および、前記放電モードの電圧を定める駆動電圧である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置の駆動電圧調整方法。 - 前記第2の過程においては、前記第2の領域に含まれる走査線に、前記過充電信号および前記放電モード信号のみからなる信号を走査信号として供給する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置の駆動電圧調整方法。 - 前記第2の過程においては、前記第2の領域に含まれる走査線に、前記充電モード信号と、前記過充電信号および前記放電モード信号からなる信号とを、交互に走査信号として供給することを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置の駆動電圧調整方法。
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