JP3742955B2 - ヒアルロン酸および動脈狭窄を防止するための製剤 - Google Patents

ヒアルロン酸および動脈狭窄を防止するための製剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は動物の管状内壁が外傷を受けた後に再狭窄するのを防止することに関する。また、本発明はその1態様としてバルーン血管形成術の後に血管が再狭窄するのを防止することに関する。
【0002】
【従来の技術】
バルーン血管形成術は、冠状動脈の血栓を開口させる方法として広く用いられている。これに用いられるバルーンカテーテルは1960年代の前半に実験的に導入され、1970年の後半に臨床的に最初に適用された。それ以来、単一または複合冠状動脈症の治療の主たる方法となっている(バウムガートナー・エイチ・アール、1963、Z.Ges.Exp.Med.,137:227)。しかし、患者によってはバルーン血管形成術そのものについては問題がないが、動脈再血栓が生じる場合がある。この場合の動脈の内径(ID)の縮小は、バルーン血管形成術によってもたらされた刺激区域の内皮細胞の成長(増殖)によるものである。この再血栓はコレストロールの蓄積によるものでなく、動脈の内壁面の内皮細胞の蓄積によるものであり、動脈内壁が減少して梗塞につながる。ヒトにおいて再狭窄病変は全てではないとしても血管平滑筋細胞からなる(グラジア・ジェイ・ジェイ、ウイリアム・エム・ジー、マッデン・エス、リッカード・エイ・エフ、1990、J.Roy.Coll.Phys.Lond.,24:292).この動脈ルーメン内の蓄積は細胞の移動と増殖の結果によるものである。この2つの現象は最初の組織外傷部位でのマクロファージの初期の蓄積により解放された多くの種々のサイトカインの相互作用によるものと思われる。この管内壁径の縮小、または細胞の増殖は冠状動脈に限られていない。これは術後において末梢血管に狭窄を生じさせる場合もある。
【0003】
この再狭窄を防止するための多くの提案がなされている。米国特許5,087,244(ウオンスキー等)には小さな孔を有する非弾性バルーンを一端に設けたカテーテルを用い、バルーン血管形成術後にこの孔から濃縮ヘパリン溶液を放出させ、再狭窄を防止することが開示されている。
【0004】
米国特許5,116,864(アザウエイ等)には血管切開後の末梢または心臓血管システムの再狭窄を防止するため、光学活性ソラレンを全身投与し、平滑筋細胞の成長抑制可能な血清ソラレンレベルとすることが開示されている。
【0005】
米国特許5,092,841(スピアーズ・ジェイ・アール)にはバルーン血管形成術により外傷を受けた動脈壁面の治療として、バルーンカテーテルを留置させている間にこの壁面と血管形成バルーンとの間に生物保護物質を放出させ、この生物保護物質をこの部位に保持させ、動脈壁面の組織に浸透させることが開示されている。
【0006】
ヨーロッパ特許356275−A(ペテトー等)にはバルーン血管形成術後の再狭窄を抑制するため、新規なo−アシル化グリコサミノ−グルカン誘導体を用いることが開示されている。
【0007】
J. Am. Coll. Cardiol, 1991, Vol.17#6 サプリメント・B,pp111B−117B(バーク・ビー・シー)にはバルーン血管形成術後の再狭窄を抑制するため、ヘパリンおよびグルココルチコイドの薬理学的役割が開示されている。
【0008】
WO9209561(イトー等)には経皮鎮痛用冠状血管形成術後の再狭窄を抑制するため、新規なACAT抑制アミド誘導体の使用が開示されている。
【0009】
WO9208472(スカボロー等)には血管形成術後の再狭窄を抑制するため、ヘビ毒から得られる血小板抗付着性ペプチドの使用が開示されている。
【0010】
WO9207852(ボビー等)には血管形成術後の再狭窄を抑制するため、ある種のビフェニルアルキルキサンチン誘導体の使用が開示されている。
【0011】
WO9205782(ピル・ジェー)には閉塞性血管病変における増殖抑制、すなわち動脈再狭窄防止のための製薬としてスロンボキサン−A2−レセプター拮抗剤(I)の使用が開示されている。
【0012】
WO9118639(GAi等)にはバルーン血管形成術後の動脈再狭窄防止のため、フィブロネクチンを連続的またはボーラス輸液、または血管形成カテーテルを介して狭窄部位に直接的に投与することが開示されている。
【0013】
カナダ特許公開公報2,042,159(オンデッチ等)には血管形成術後の再狭窄の危険性を防止ないし抑制するため、ACEインジビターを経口あるいは非経口投与することが開示されている。
【0014】
米国特許4,929,602(ハーカー等)には動脈再狭窄を防止するため、D−フェニリャラニル−プロリルアルギニル−バロメチルケトンペプチド誘導体、またはそのヒドロラリン酸付加物の使用が開示されている。
【0015】
米国特許4,820,732(シェル等)には動脈再狭窄および急性狭窄を抑制するため、プロスタグランジン化合物を含む組成物の使用が開示されている。
【0016】
その他、バルーン血管形成術後の再狭窄を抑制するため、ヘパリン分解物を開発がグライコムド社(Glycomed)で進められていることが知られている。
【0017】
1970年代の後期および1980年代の初期における基礎研究においてガンについての免疫療法の役割について可なりの混乱があった。マクロファージの活性化、または「煽り立て)が重要と思われていた。しかし、ガン患者からの腹膜マクロファージについてのローマンおよびフォークの研究において、マクロファージがすでに活性化されていてガン細胞と共存しているのに、細胞の破壊が生じていないという事実が判明した。
【0018】
また、数人かの別々の研究者によりマクロファージの異常または推測されるブロックはプロスタグランジンの過剰によるもので、これはコルチコステロイド、ASA、非ステロイド系抗消炎剤、例えばインドメタシンおよびナプロキセン(Naprosyn、商標)により組織培養で変えることができることが示された。さらに、動物腫瘍において、これらの物質は腫瘍性細胞に対する応答を変えることができ、これらの物質と免疫促進剤との種々の組合わせにより実験的腫瘍の除去に高い信頼性を以て有効であることが実証された。ララ等はインドメタシンとインターロイキン2との組合わせで実験的腫瘍の治療に効果があることを示した。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
これらの物質を実際にヒトの生体で用いることにおいては引き続き問題があり、その非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)のすべてが胃腸系、神経系および他の区域において可なりの毒性を示した。したがって、現在のアプローチの基本は一般的状況下でこれらの薬剤のヒトの病気での十分量の使用で、薬剤を病気組織に浸透させプロスタグランジンの局所的生産を治療効果的に変えることである。インドメタシンおよび他の薬剤の静脈投与用製剤もあるが、多くのデータによれば、これらの薬剤単独の使用は生体に対する副作用が多すぎるということである。そのため、不十分な量でしか人体に投与できず、それにより腫瘍に対し少しでも効果を期待するだけであった。
【0020】
しかし、腫瘍発生のベースおよび免疫監視メカニズムをすり抜ける最初の細胞がプロスタグランジンの生成とどのように関連するかについて考えられる多くの証拠が存在している。いかなる免疫反応、すなわちマクロファージにおいても最初の細胞をブロックアウトするメカニズムを確立するのには、細胞が悪性となったとき細胞により生成されるプロスタグランジン合成量を変えるためのたった1つの突然変異を考えればよい。したがって、腫瘍性病気、過剰のプロスタグランジン合成に起因する他の病気、関節炎等、いわゆる結合組織炎症疾患、自己攻撃性疾患などの病気に対する応答を特に改善することが不可欠となった。
【0021】
その他の公知例としては以下のこのが挙げられる。
1.プロスタグランジン拮抗剤によるガン患者の免疫高揚、Immunity to Cancer II Alan R. Liss, Inc.;
2.グッドウイン・ジェイ・エス、(1981)プロスタグランジン合成インヒビターによる免疫療法のためのプロスタグランジンEおよびガン成長ポテンシャル、Augmentive Agents in Cancer Therapy, Raven Press, ニューヨーク。
【0022】
【課題を解決するための手段】
したがって、本発明は例えばバルーン血管形成術による細胞刺激により生じる動脈内壁の内皮細胞増殖によりもたらされる血管の再狭窄を防止する方法、およびその方法に用いられる薬剤組成物を提供することを目的とする。
【0023】
さらに、本発明は安全で非毒性のヒアルロン酸を用いての血管再狭窄防止方法を提供することを目的とする。
【0024】
さらに、本発明は例えば末梢血管システムにおける術後の再狭窄を防止、抑制するための治療方法およびその薬剤組成物を提供することを目的とする。
【0025】
本発明の他の目的は以下の説明から当業者にとって自明であると思われる。
【0026】
【発明の実施の形態】
ヒアルロナンの種々の形態、またはヒアルロン酸(特にヒアルロン酸またはその塩)が、刺激を受けた管体壁面の内径(ID)の狭窄、特にバルーン血管形成術等からもたらされる刺激の結果、内皮細胞が増殖することによる血管の再狭窄を防止することに有効であることを本発明者等は見出した。このヒアルロン酸の形成体(特にヒアルロン酸またはその塩)は静脈注射または注射により約10mg/70kg体重ないし3000mg/70kg体重(注射の場合は少量)の有効量を外傷の前後または外傷の際に投与する。
【0027】
ヒアルロナンまたはヒアルロン酸はグリコサミノグリカンであり、これはN−アセチル−グリコサミンとグルグロン酸の繰り返し二糖類単位からなり、発展的に保持されたものである(Laurent and Fraser,1991,ファセブ・ジェイ,6:2397)。ヒアルロナンは細胞の接合、運動性、成長、区別化などに影響を与え、これらの作用は組織に応答することによりヒアルロナンレセプターの表現により媒介される。すなわち、ヒアルロナンは白色細胞に存在するレセプターとの相互作用により白色細胞を凝集させることができる(ターキー・イー・エイ、1992、Can, Met. Rev., 11:21)。ヒアルロナンは増大したレセプター表現の部位に、または細胞外ヒアルロナン結合たんぱく質の存在下でほとんど選択的に蓄積する。2つの細胞表面関連レセプターは分子的に特徴づけられ。CD44とPHAMM[HA(ヒアルロナン)−媒介運動性のためのレセプター]を含む。RHAMMは、特に外傷に応答するマクロファージおよび平滑筋細胞などの細胞に多く存在する。
【0028】
したがって、本発明の1つの態様は、傷づけられた管状体内壁面(管状体は例えばバルーン血管形成術後の動脈である)の狭窄を防止する方法であって、ヒアルロン酸および/またはその塩、および/またはヒアルロン酸の同族体、類似化合物、誘導体、錯体、エステル、分画(フラグメント)および/またはサブユニットの治療有効非毒性投与量を動物に投与することからなる方法を提供することである。このヒアルロン酸は有効量を外傷の前後または外傷の際に投与する。好ましいヒアルロン酸の形態はヒアルロン酸またはその塩である。このヒアルロン酸の投与量は約10mg/70kg体重ないし3000mg/70kg体重が好ましい。
【0029】
本発明の他の態様は、ヒトに対するバルーン血管形成術後の動脈狭窄を防止する方法であって、ヒアルロン酸および/またはその塩、および/またはヒアルロン酸の同族体、類似化合物、誘導体、錯体、エステル、分画(フラグメント)および/またはサブユニットの治療有効非毒性投与量をヒトに投与することからなる方法を提供することである。この場合も好ましいヒアルロン酸の形態はヒアルロン酸またはその塩である。このヒアルロン酸の投与量は約10mg/70kg体重ないし3000mg/70kg体重が好ましい。このヒアルロン酸はバルーン血管形成術の前、直後、またはその間に投与することができる。
【0030】
この組成物は液体の形態で静脈注射により投与され、この場合、必要に応じて適当な希釈液または助剤を含ませてもよい。投与は注射により処理される部位にまたはその近傍に施すことができる。
【0031】
狭窄抑制薬の治療有効量をヒアルロン酸とともに投与してもよい。その薬剤は前述の公知のもの、その他のものであってもよい。その1つはヘパリンであり、他はヘパリン分解物である。
【0032】
管状体の狭窄を防止するため、ヒアルロン酸の効果を高めるための非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)の治療有効量をヒアルロン酸とともに投与してもよい。この非ステロイド系抗炎症剤の添加によりヒアルロン酸の活性が高められ、例えば動脈の再狭窄の防止効果を炎症を少なくすることにより高めることができる。このNSAIDは目的に応じて適当なNSAIDが用いられ、ジクロフェナック、インドメタシン(例えばN−メチルグルカミンに溶かしたもの)、ピロキシカム、ケトロラクの(±)トロメタミン塩、アセチルサリチル酸、ナプロキセンなどであってもよい。このNSAIDの量は患者に応じて適当量が選ばれる。ある場合には、体重1kg当たり10mgまでの量(例えば体重1kg当たり1ないし2mg)が適当である。ジクロフェナックの場合はより多くの量が適当である。通常より多くのNSAIDSが用いられた場合、この過剰のNSAIDによる副作用を減少させるため、200mg/70kgヒト以上のヒアルロナンまたはヒアルロン酸(HA)を投与し、胃腸障害、神経異常、うつ病などのNSAIDによる副作用を排除するようにしてもよい。
【0033】
遊離ラジカル除去剤、ビタミンCなどの抗酸化剤の有効量をこの組成物に加え、投与されたヒアルロナンまたはヒアルロン酸の効果を助長するようにしてもよい。その量はビタミンCは可溶性であり腎臓により排泄されるから50〜100gまで添加できるが、通常はより少なく用いられる。他の抗酸化剤、遊離ラジカル除去剤を用いることもできる。1実施例において、この組成物はヒアルロン酸の形成体、特にヒアルロン酸および/またはその塩、NSAID、狭窄抑制剤および/またはビタミンCからなるもので、管状体の壁面の狭窄を防止するのに用いられる(例えば、バルーン血管形成術の後の動脈再狭窄)。この組成物は複数の投与量からなるものであってもよく、その内から1つの投与量が取出され、使用される。なお、各投与量は有効量の各成分を含むものである。
【0034】
したがって、本発明の他の態様は、傷づけられた動物またはヒトの管状体内壁面の狭窄を防止するための薬剤組成物であって、ヒアルロン酸および/またはその塩、および/またはヒアルロン酸の同族体、類似化合物、誘導体、錯体、エステル、分画(フラグメント)および/またはサブユニットの治療有効非毒性投与量を適当な希釈剤または薬理学的に許容し得るキャリアーまたは助剤とともに用いるものであって、これを外傷が生じる直前または直後に用いる薬剤組成物を提供することである。好ましいヒアルロン酸またはヒアルロナンの形成体はヒアルロン酸およびその塩、例えばヒアルロン酸ナトリウムである。
【0035】
本発明のさらに他の態様は、ヒトに対するバルーン血管形成術後の動脈狭窄を防止するための薬剤組成物の使用であって、ヒアルロン酸および/またはその塩、および/またはヒアルロン酸の同族体、類似化合物、誘導体、錯体、エステル、分画(フラグメント)および/またはサブユニットの治療有効性非毒性投与量を適当な希釈剤または薬理学的に許容し得るキャリアーまたは助剤とともに用いる薬剤組成物の使用を提供することである。この場合も好ましいヒアルロン酸の形態はヒアルロン酸またはその塩である。このヒアルロン酸の投与量は約10mg/70kg体重ないし3000mg/70kg体重が好ましい。
【0036】
この薬剤組成物の形態の1つとして、これを静脈投与するものであって、外傷を受ける直前(例えばバルーン血管形成術の前)に投与される。他の例として、ヒアルロン酸はバルーン血管形成術の直後に投与することができる。
【0037】
この発明のさらに他の形態として、この薬剤組成物は、治療有効量の非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)例えばジクロフェナク、インドメタシン(例えばN−メチルグルカミンに溶かしたもの)、ピロキシカム、ケトロラクの(±)トロメタミン塩、アセチルサリチル酸を含み、ヒアルロン酸形成体の狭窄防止効果を向上させるものを提供する。
【0038】
本発明のさらに他の態様として、バルーン血管形成術後の動脈狭窄を防止するための薬剤組成物の使用であって、ヒアルロン酸および/またはその塩の治療有効非毒性投与量を適当な希釈剤または薬理学的に許容し得るキャリアーまたは助剤とともに用いる薬剤組成物の使用(例えば、静脈投与による)を提供することである。このヒアルロン酸および/またはその塩の投与量は約10mg/70kg体重ないし3000mg/70kg体重である。この薬剤組成物は、治療有効量の非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)を含み、ヒアルロン酸および/またはその塩の狭窄防止効果を向上させるようにしてもよい。このNSAIDの量はNSAIDの種類に応じて適当量が選ばれる。ある場合には、体重1kg当たり10mgまでの量(例えば体重1kg当たり1ないし2mg)が適当である。ジクロフェナックの場合はより多くの量が適当である。通常より多くのNSAIDSを用いることが必要な場合、200mg/70kgヒト以上のヒアルロナンまたはヒアルロン酸(HA)を投与することが好ましい。
【0039】
この組成物は、さらに治療有効量のビタミンC、遊離ラジカル除去剤、抗酸化剤を含め、投与されたヒアルロン酸の効果を助長するようにしてもよい。ビタミンCは大量(例えば50〜100g)に使用可能であるが、これより可なり少ない量でもよい。
この組成物はさらに狭窄抑制薬の有効量を含むものであってもよい。
この組成物はヒアルロン酸および/またはその塩、NSAIDの1つ、ビタミンC、遊離ラジカル除去剤、抗酸化剤および狭窄抑制薬を含むものであってもよい。
【0040】
本発明のさらに他の態様は、ヒアルロン酸および/またはその塩、および/またはヒアルロン酸の同族体、類似化合物、誘導体、錯体、エステル、分画(フラグメント)および/またはサブユニットの治療有効非毒性投与量を使用することである。
【0041】
さらに、本発明は、バルーン血管形成術の結果、外傷を受けた動物の管状内壁面の狭窄を防止するための本発明の薬剤組成物の製造において、ヒアルロン酸および/またはその塩、および/またはヒアルロン酸の同族体、類似化合物、誘導体、錯体、エステル、分画(フラグメント)および/またはサブユニットの治療有効非毒性投与量の使用することであり、これにより例えばバルーン血管形成術後の動脈再狭窄を防止するものである。このヒアルロン酸および/またはその塩の投与形態は液体であり、好ましくはヒアルロン酸形成体の投与量は約10mg/70kg体重ないし3000mg/70kg体重であり、より好ましくはヒアルロン酸形成体の投与量は200mg/70kg体重あるいはそれ以上である。
【0042】
これらの組成物は複数投与量を含むものであってもよい。
さらに、本発明の1つの態様は、ヒトのバルーン血管形成術後の動脈内壁面の再狭窄を防止するための本発明の薬剤組成物の提供である。この薬剤組成物はバルーン血管形成術の前、あるいは外傷発生の直後に与えることができる。
【0043】この発明の他の態様によれば、
(1)ヒアルロン酸および/またはその塩、および/またはヒアルロン酸の同族体、類似化合物、誘導体、錯体、エステル、分画(フラグメント)および/またはサブユニットと、
(2)非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)、狭窄抑制剤、ビタミンC、遊離ラジカル除去剤、抗酸化剤、これらの組合わせから選ばれるものと、
が用いられる。
【0044】
さらに、本発明は、外傷を受けた動物の管状内壁面の狭窄を防止するための薬剤組成物(希釈剤、キャリアーまたは助剤を含む)の製造において、ヒアルロン酸および/またはその塩、および/またはヒアルロン酸の同族体、類似化合物、誘導体、錯体、エステル、分画(フラグメント)および/またはサブユニットの治療有効非毒性投与量を治療有効量の添加剤(2)とともに使用するものであり、この成分(1)の使用が動物の管状内壁面の狭窄を防止するのに十分であり、成分(2)が成分(1)の狭窄防止作用を向上させるものであることを特徴とするものである。この組成物は複数の投与量からなるものであってもよく、その内から1つの投与量が取出され、使用される。
【0045】
この成分(1)はヒアルロン酸および/またはその塩であり、その投与形態は液体(例えば静脈投与または注射)である。好ましくは成分(1)は約10mg/70kg体重ないし3000mg/70kg体重の範囲で用いられ、1例として200mg/70kg体重あるいはそれ以上で使用される。
【0046】
成分(2)は成分(1)の効果を促進するのに有効な量を以て用いられる。ビタミンCは1投与量として50〜100gの範囲で使用可能であるが、これより可なり少ない量が好ましい。このNSAIDの量はNSAIDの種類に応じて適当量が選ばれる。ある場合には、体重1kg当たり1ないし2mgで用いられるが、その他の場合においては体重1kg当たり10mgまでの量が用いられ、ジクロフェナックの場合はより多くの量が適当である。通常より多くのNSAIDSを用いることが必要な場合、200mg/70kgヒト以上のヒアルロナンまたはヒアルロン酸(HA)を投与することが好ましい。NSAIDの適当な例としては、ジクロフェナク、インドメタシン(例えばN−メチルグルカミンに溶かしたもの)、ピロキシカム、ケトロラクの(±)トロメタミン塩、アセチルサリチル酸、ナプロキセンである。
【0047】
さらに、本発明は、外傷を受けた動物の管状内壁面の狭窄を防止するための薬剤組成物(必要に応じて希釈剤を含む)であって、外傷を受けた動物の管状内壁面の狭窄を防止するためのヒアルロン酸および/またはその塩、および/またはヒアルロン酸の同族体、類似化合物、誘導体、錯体、エステル、分画(フラグメント)および/またはサブユニットの治療有効非毒性投与量を治療有効量を含んでなるものを提供する。好ましくは、ヒアルロン酸の形態はヒアルロン酸および/またはその塩であって、その投与形態は液体(例えばI.Vバッグに静脈投与(I.V)の形態で希釈剤、薬理学的に許容し得るキャリアーまたは助剤とともに用いる)である。このヒアルロン酸は約10mg/70kg体重ないし3000mg/70kg体重の範囲で用いられ、1例として200mg/70kg体重あるいはそれ以上で使用される(特にNSAIDSが過剰に用いられたとき)。1具体例として、この薬剤組成物はヒトにおけるバルーン血管形成術後または前に動脈再狭窄防止のため用いられる。この薬剤組成物は複数の投与量からなるものであってもよく、その内から1つの投与量が取出され、使用される。
【0048】
さらに、本発明の別の態様において、以下の成分からなる薬剤組成物(希釈剤、薬理学的に許容し得るキャリアーまたは助剤とともに)を提供することである。すなわち、この薬剤組成物は、
(1)ヒアルロン酸および/またはその塩、および/またはヒアルロン酸の同族体、類似化合物、誘導体、錯体、エステル、分画(フラグメント)および/またはサブユニットと、
(2)非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)、狭窄抑制剤、ビタミンC、遊離ラジカル除去剤、抗酸化剤、これらの組合わせから選ばれるものと、
からなる。
【0049】
この薬剤組成物は、外傷を受けた動物の管状内壁面の狭窄を防止するためのものであり、ヒアルロン酸および/またはその塩、および/またはヒアルロン酸の同族体、類似化合物、誘導体、錯体、エステル、分画(フラグメント)および/またはサブユニットの治療有効非毒性投与量を治療有効量の添加剤(2)とともに使用するものであり、この成分(1)の使用量が動物の管状内壁面の狭窄を防止するのに十分であり、成分(2)が成分(1)の狭窄防止作用を向上させるものであることを特徴とするものである。この成分(1)はヒアルロン酸および/またはその塩、例えばナトリウム塩であり、その投与形態は液体、例えば静脈投与用のもの(I.V.バッグ)である。この組成物は複数の投与量からなるものであってもよく、その内から1つの投与量が取出され、使用される。
【0050】
すなわち、この組成物は複数の投与量をバッグに収容し、必要に応じて取出すものである。成分(1)は約10mg/70kg体重ないし1000mg/70kg体重の範囲で用いられ、場合によっては、3000mg/70kg体重またはそれ以上用いてもよい。成分(2)のNSAIDが過剰に用いられた場合は、成分(1)を200mg/70kg体重あるいはそれ以上で使用することが好ましい。1具体例として、この薬剤組成物はヒトにおけるバルーン血管形成術後または前、あるいはバルーン血管形成術の最中に動脈再狭窄防止のため用いられる。
【0051】
成分(2)は成分(1)の効果を促進するのに有効な量を以て用いられる。ビタミンCは1投与量として50〜100gの範囲で使用可能である。このNSAIDの量はNSAIDの種類に応じて適当量が選ばれる。通常より多くのNSAIDSを用いることが必要な場合、200mg/70kgヒト以上のヒアルロナンまたはヒアルロン酸(HA)を投与することが好ましい。NSAIDの適当な例としては、ジクロフェナク、インドメタシン(例えばN−メチルグルカミンに溶かしたもの)、ピロキシカム、ケトロラクの(±)トロメタミン塩、アセチルサリチル酸、ナプロキセンである。
【0052】
この薬剤組成物がNSAID、狭窄抑制剤、ビタミンC、遊離ラジカル除去剤、抗酸化剤、これらの組合わせからなる薬剤を含む場合、ヒアルロン酸および/またはその塩、および/またはヒアルロン酸の同族体、類似化合物、誘導体、錯体、エステル、分画(フラグメント)および/またはサブユニットは、この薬剤の損傷部への移動を容易にし、これによりこの薬剤が細胞内(動脈細胞、内皮細胞)へ浸透させ、これによりヒアルロン酸等とともに例えば動脈再狭窄の防止に役立つようにする。
【0053】
これら薬剤を所定の部位に容易に移動させることに関して述べると、エチルアルコールをガン腫瘍部位に直接導入し、ソノグラフ(超音波)により評価するとき、エチルアルコールは腫瘍部位全体に分散していない。これに対しエチルアルコールをヒアルロン酸および/またはその塩とともにガン腫瘍部位に直接導入した場合は、エチルアルコールは腫瘍部位全体に分散することが実証された。このヒアルロン酸はこのように薬剤の移送を容易にするが、ヒアルロン酸および/またはその塩、および/またはヒアルロン酸の同族体、類似化合物、誘導体、錯体、エステル、分画(フラグメント)および/またはサブユニットは、NSAID、狭窄抑制剤、ビタミンC、遊離ラジカル除去剤、抗酸化剤と任意の形態で使用することができる。
【0054】
このヒアルロン酸および/またはその塩は他の異なる薬剤(例えばNSAID、狭窄抑制剤、ビタミンC等)との組合わせにおいて、人体における分布、作用を変えることができ、損傷または病変組織へのターゲット性を向上させる。これに関連して、アスコルビン酸(ビタミンC)を遊離ラジカル除去剤として(50gm/日…ビタミンとして治療目的に投与される1日当たりの量の1000倍)、300〜500mgのヒアルロン酸(ナトリウム塩)とともに静脈投与した場合、炎症を減少させることができる。ヒアルロン酸はアスコルビン酸の作用を高め、この高められた作用により遊離ラジカルが除去され、すなわち遊離ガジカル除去剤として働く。
【0055】
同様のことがNSAIDSとともに使用した場合も言えることである。可溶性インドメタシンの可なりの量が必要な場合、この薬品をn−メチルグルカミンを用いて溶かし、メチルグルカミンの5mg/ml溶液(NMG)とする。この物質を22ミクロンのミリポアフィルターに通過させて滅菌状態にする。この物質は動物においての治療量の16倍で非毒性である。この理由によりヒトにも有効に用いることができる。すなわち、NMGに溶かしたインドシド(商標)を、患者に10mg/kg以下の範囲で変化させて静脈投与する。このインドメタシンの各1投与量はヒアルロン酸(例えば「LifeCore」ヒアルロン酸[ナトリウム塩])を例えば200〜1000mgと組合わされている。これは「LifeCore」とともにインドメタシンおよびNMGに希釈されて用いられ、いかなる経路を介しても安全に投与し得る。他の方法、例えば抽出により製剤されたヒアルロン酸についても同様の研究がなされた。この場合の抽出液は静脈投与に適しているものである。
【0056】
このようにNSAID、例えばインドメタシン(n−メチルグルカミンに溶かして)、または他のNSAIDを200mg以上のヒアルロン酸とともにNSAID(1例においては、インドメタシンおよびNMG)が体重1kg当たり1ないし2mgとなるようにして投与しても、胃腸障害、神経異常、うつ病などの副作用が生ぜず、また、これ以上の量のインドメタシン(必要に応じ)を与えた場合も同様である。もし、ヒアルロン酸をこの量より少なく与えた場合、このような副作用が生じる虞れがある。さらに、NDAID(例えばIndocid、商標)をヒアルロン酸と組合わせて用いることにより応答が良好となり、患部へのターゲット性がこの静脈投与により実証された。すなわち、他の薬剤(例えばビタミンC)とともに、50〜200mgのNSAIDとヒアルロン酸(ナトリウム塩)(例えばインドメタシンとヒアルロン酸)を投与された患者は痛みが急速に改善されることが観測された。すなわち、NSAIDとヒアルロン酸(ナトリウム塩)を投与することにより、マクロファージの機能を妨害するプロスタグランジン合成の酵素的生産が阻止されるものと考えられる。すなわち、ヒアルロン酸(塩、その他の形態)はNSAIDの活性を高めるだけでなく、プロスタグランジン合成インヒビターに使用に伴う副作用および毒性を減少させることが確認された。
【0057】
このヒアルロン酸およびその塩は約10mg/70kg体重ないし1000mg/70kg体重の範囲で適宜用いられ、毒性がないので、場合によっては例えば3000mg/70kg体重の大量を投与しても悪作用は生じない。
【0058】
本発明に適したヒアルロン酸および/またはその塩(ナトリウム塩)、およびその同族体、類似化合物、誘導体、錯体、エステル、分画(フラグメント)および/またはサブユニットから選ばれる1つの形態のものは、Hyal Pharmaceuticals社から入手できる。このものはヒアルロン酸ナトリウム(20mg/ml)の15mlビンである(300mg/ビン−ロット番号:2F3)。このヒアルロン酸ナトリウム分画は平均分子量が225,000の2%溶液である。この分画は十分量の水を含み、この水はU.S.P.に従って注射用に3回蒸留され、滅菌されたものである。ヒアルロン酸および/またはその塩は反応を生じないブチル栓で密封されたホウけい酸硝子ビンに収容されて選ばれる。
【0059】
ヒアルロン酸および/またはその塩(ナトリウム塩)、およびその同族体、類似化合物、誘導体、錯体、エステル、分画(フラグメント)および/またはサブユニット、好ましくはヒアルロン酸および/またはその塩は以下の特徴を有する。
自然物から得られる精製され、実質的に熱源を含まないヒアルロン酸の分画は以下から選ばれる少なくとも1つの特徴を有する。
i)分子量が150,000〜225,000の範囲内である。
ii)全重量に基づいて硫酸塩化ムコ多糖類を約1.25%未満含む。
iii)全重量に基づいて0.6%未満のたんぱく質を含む。
iv)全重量に基づいて150ppm未満の鉄を含む。
V)全重量に基づいて15ppm未満の鉛を含む。
Vi)0.0025%未満のグルコサミンを含む。
Vii)0.025%未満のグルクロン酸を含む。
Viii)0.025%未満のN−アセチルグルコサミンを含む。
iX)0.0025%未満のアミノ酸を含む。
X)UV吸収係数が257nmで約0.275未満である。
Xi)UV吸収係数が280nmで約0.25未満である。
Xii)pHが7.3〜7.9の範囲である。
【0060】
好ましくは、ヒアルロン酸は水と混合され、ヒアルロン酸の分画が150,000〜2525,000の範囲の平均分子量を有するものである。より好ましくは、ヒアルロン酸の分画は下記の特徴の少なくとも1つ有するものである(より好ましくはこれら全ての特徴を有していることである)。
i)全重量に基づいて硫酸塩化ムコ多糖類を約1%未満含む。
ii)全重量に基づいて0.4%未満のたんぱく質を含む。
iii)全重量に基づいて100ppm未満の鉄を含む。
iv)全重量に基づいて10ppm未満の鉛を含む。
V)0.00166%未満のグルコサミンを含む。
Vi)0.0166%未満のグルクロン酸を含む。
Vii)0.0166%未満のN−アセチルグルコサミンを含む。
Viii)0.00166%未満のアミノ酸を含む。
X)UV吸収係数が257nmで約0.23未満である。
Xi)UV吸収係数が280nmで約0.19未満である。
Xii)pHが7.5〜7.7の範囲である。
【0061】
ヒアルロン酸および/またはその塩(ナトリウム塩)、およびその同族体、類似化合物、誘導体、錯体、エステル、分画(フラグメント)および/またはサブユニットを他のメーカーからのものを選ぶこともできる。
【0062】
本発明者はLifeCore Biomedical社から製造、販売されていて、以下の特性を有するヒアルロン酸ナトリウムを使用することを提案する。
Figure 0003742955
【0063】
本願発明は、公知のヒアルロン酸の用途を提案する物である。
【0064】
以下の文献には適当なヒアルロン酸の原料、製造方法、回収方法が記載されている。
【0065】
米国特許No.4,141,973には以下の特性を有するヒアルロン酸分画が記載されている。
”(a)平均分子量が750,000以上、好ましくは1,200,000以上、すなわち極限粘度数が1400cm3/g、好ましくは約2000cm3/g以上;
(b)たんぱく質含量が0.5重量%未満;
(c)ヒアルロン酸ナトリウムの1%溶液の紫外線吸収度が257nm波長で3.0未満、280nm波長で2.0未満;
(d)生理学的緩衝液におけるヒアルロン酸ナトリウムの1%溶液の動粘度が約1000センチストローク以上、好ましくは10,000センチストローク以上;
(e)生理学的緩衝液におけるヒアルロン酸ナトリウムの0.1〜0.2%溶液の分子旋光性が220nmでの測定において−11x103度−cm2/モル(二糖類);
(f)生理学的緩衝液に溶かしたヒアルロン酸ナトリウムの1%溶液の1mlをふくろうモンキーの目の硝子液のほぼ半分を置換するようにして投与したとき、硝子前部チャンバーの細胞浸透は認められない、水様液におけるフレアは認められない、ガラス質における霞みまたはフレアは認められない、角膜、レンズ、光彩、網膜および脈絡膜の病理学的変化は認められない、また、上記HUAは:
(g)無菌で発熱源はない;
(h)非抗原性のものである。”
【0066】
米国特許No.4,141,973を公知技術として挙げているカナダ特許No.1,205,031は平均分子量が50,000〜100,000;250,000〜350,000;500,000〜730,000のヒアルロン酸分画、およびその製造方法を記載している。
【0067】
高分子量のヒアルロン酸(塩またはその他の形態でもよい)が用いられる場合は、希釈し投与し易いようにし、凝集が生じないようにするとともに生態機能と干渉しないようにする。
【0068】
アスコルビン酸(ビタミンC)の1つの組成がSteris Laboratories社、フェニクス、アリゾナ、85043、米国で製造されており、これは22mg/ml(アスコルビン酸ナトリウム250mg/mlに相当)からなり、30ml、50ml、100mlの容器で販売されている。なお、30mlの大きさが好ましい。
【0069】
本発明の具体例を説明するため外科手法が採られ、その結果が図面に示された。
【実施例】
【0070】
実施例の簡単な説明
以下の実験が行われた。
10匹のラビットを麻痺させ、バルーン血管形成術を施した。これらのラビットはヒアルロナン(5mg/ml)、または緩衝液のみで灌流させ、回復させた。外傷付与後2、24、48時間で致死させ、頸動脈を組織研究のために処理し、一連の5〜10μm切片を処理のために切出した。この切片をヘマトキシリンまたは抗RHAMM抗体で着色させた。各処理について10個の切片を分析した。
【0071】
その結果を図を参照して説明する。
図1:損傷させた頸動脈は内皮細胞層の削剥と白色細胞の付着が認められた(図1A)。白色細胞はIgG背景との関連でRHAMMに対し陽性的に着色した(図1B)。ヒアルロナンに露出させた頸動脈(図1C)または模擬手術を行った動脈(図1D)は無傷の内皮細胞層が見られ、また白色細胞の蓄積も認められなかった。
【0072】
図2:頸動脈によるRHAMM表現のウエスターン・トランスブロット分析。頸動脈を均質化し、解放されたたんぱく質をSDS−PAGE上にて電気泳動させ、RHAMMの存在をモノ−特異抗体で検出した。抗体の存在は化学ルミネッセンスで可視化し、結合抗体の相対量は光学密度計で定量した。その結果、手術した動物はRHAMMの存在の急激で著しい増加を示した。このRHAMMの存在の程度は外傷付与後、5〜6日までに低下した。模擬手術した動物ではRHAMM表現の増加は認められなかった。
【0073】
図3:外傷4日後の頸動脈の平滑筋細胞におけるRAHMM(図3A)およびヒアルロナン(図3B)の表現。RAHMM表現は白色細胞において直ちに高くなった(図1)。他方、平滑筋細胞におけるRAHMM表現は後に運動の開始と同時に増大した。模擬手術した動物の平滑筋細胞ではRAHMM表現について同様の増大を示さなかった(図3C)。
【0074】
図4:IL−8に応答する好中球走化性に対するRHAMMペプチドの影響。RHAMMのヒアルロナン結合領域に模倣するRHAMMペプチドはボイデン・チャンバー・アッセイにおいて好中球走化性(5a)を抑制する。
【0075】
図5:RHAMMペプチドおよび抗体は補体に応答するマクロファージ細胞ライン(S1,WEHI−3)の走化性を抑制する。熱不活性化されていない補体(56℃)はマクロファージ細胞ラインの走化性を刺激する。RHAMMのヒアルロナン結合領域に模倣するRHAMMペプチドおよび抗RHAMM抗体は走化性を抑制する。
【0076】
図6:外傷に応答する平滑筋細胞の運動性を抑制するRHAMMペプチド。RHAMMのヒアルロナン結合領域に模倣するRHAMMペプチドは外傷平滑菌細胞運動性を抑制する。スクランブルしたペプチドは“センス”ペプチドに対し特異性を示す作用はない。
【0077】
RHAMM表現(RHAMMに対するモノ特異的抗体を用いるウエスターン・トランスブロット分析と呼ばれる検出法により決定される)(Turley, e.A., Austin, L., Vandeligt, K.およびClary, C., 1991, J. Cell Biol., 112:1041)はこのレセプターの表現の急激な増大を示し、これは2時間以内に検出された(図2)。この時間帯において白色細胞が対照動物において内皮に付着することが認められた(図2)。[RHAMMについての詳細は文献、“ヒアルロナンレセプターRHAMMにおける2つのヒアルロナン結合領域の駅別”、Baihua Yang,Liying Zhang,Eva Ann Turley,ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー、Vol.268,No.12,4月25日発行、pp.8617-8623,1993”を参照のこと]RHAMMはコントララテラル動脈においても増大し、外傷組織からRHAMM表現を規制する可溶性因子を放出を示唆していた。しかし、模擬手術動物においてはRHAMM表現の増大は認められなかった(図2)。実験動物において、このRHAMM表現は数日間維持され、ついでそのレベルが下がった。固定された組織の検査の結果、RHAMMを表現する主細胞は活性化された白色細胞と平滑筋細胞であることが示されていた(図1、3)。白色細胞および平滑筋細胞運動性におけるRHAMMの関与は生体外で像分析を用いランダム運動性を測定し、ボイデン・チャンバーを用いて走化性を測定することにより評価した。RHAMMの区域(特にヒアルロナン結合領域)を模倣するペプチド(100ng/1プレート)はマクロファージ(図4)、ニューロフィル(図5)、および平滑筋細胞(図6)の移行を可なり抑制する(p>0.0001,Student's'T'test)。集約的に、これらの結果はRHAMM、特にそのヒアルロナン結合能は白色細胞および平滑筋細胞の運動性に不可欠なものであり、その表現はラビットにおける実験的バルーンカテーテル使用による外傷部位で高められることを示している。
【0078】
外傷の直前のラビットのヒアルロナン処理は白色細胞の内皮への付着をなくし、組織学的標準で検出する限り無傷である(図1)。外傷の数日後に頸動脈をヒアルロナン処理したものは対照と同様に無傷の内皮を示している。
【0079】
これらの結果の理由としては、ヒアルロナンがレセプター、、RHAMMの高いレベルを表す細胞に結合し、これらの細胞と内皮との後の相互作用を防止するためと考えられる。他のヒアルロナンレセプター、CD44の表現もまた高められると予測される。
【0080】
この発明で用いられる用語、表現の説明のため、後述の未公開の文献、「バルーンカテーテル外傷後の新生内膜形成:ヒアルロナンおよびヒアルロナンレセプターRHAMMの役割」を参照されたい。
【0081】
「バルーンカテーテル外傷後の新生内膜形成:ヒアルロナンおよびヒアルロナンレセプターRHAMMの役割」
【0082】
要約
ヒアルロナン(HA)およびHAレセプターRHAMM(ヒアルロン酸媒介運動性についてのレセプター)との相互作用が生体外で平滑筋細胞移行に示唆されているから、我々は平滑筋細胞およびラット頸動脈のバルーンカテーテル脱内皮化に影響を及ぼす外傷の生体外モデルにおけるこれらの分子の表現を調査した。白血球および平滑筋細胞を外傷後RHAMMの表現において一次的に影響を与えた。この外傷、2時間後好中球およびマクロファージを外傷部位に付着させ、RHAMMを強く表現させた。6時間までの中間の平滑筋細胞の減少が認められ、これは内部弾性層に隣接するRHAMMの表現の増加を実証するものである。脱内皮化から48時間後にRHAMMおよびHAの双方を強く染める平滑筋の層がルーメンの近傍に形成された。外傷7無いし14日後、この新生内膜層は高いレベルのRHAMMを示したがHAは中間層と新生内膜層との結合部の細胞に限定された。RHAMMの2つの類似形(65および84kDa)は対照動脈に見られた。外傷動脈でのRHAMMおよびHAについての染色増大とともに、RHAMMの薄膜を表す70kDa類似形が外傷から36ないし72時間の間に現れた。好中球およびマクロファージ化走性は抗RHAMM抗血清およびペプチドコード化RHAMM HA−結合領域により抑制された。生体外外傷ののちの平滑筋細胞の移行もまたこれらの試薬により抑制された。要約すると、これらの結果からRHAMMおよびHAは血管外傷に応答する細胞移行に有効であることを示唆している。
【0083】
序文
ラットの頸動脈のバルーンカテーテルによる脱内皮はバルーン血管形成術1の後の再狭窄の一般的モデルである。炎症細胞付着、平滑筋細胞増殖および内膜への移行、過剰の細胞外マトリックス生成の一連の過程が外傷後の血管の狭窄をもたらす1-5。血小板誘起成長ファクター(PDGF)6および転形成長ファクターβ(TGF−β)7のような成長ファクター、アンギオテンシン8のようなホルモン、および組織−、およびウロキナーゼ−プラスミノゲン・アクチベータ9のようなプロテアーゼはこのプロセスを規制する。炎症性細胞もまた、PDGF、TGF−β1を含む広範な成長ファクターを生成することにより、応答を調節する。外傷時において、中間層内の平滑筋細胞のほんの一部が増殖を行い、新生内膜層が内部弾性層11を介して、これらの細胞の移行により形成される。これらの平滑筋細胞により堆積された過剰の細胞外マトリックスは外傷動脈のルーメンの寸法の減少をもたらす12。生体内外傷により発生する炎症性細胞化走性および平滑筋細胞移行によるメカニズムは依然解明されていない。
【0084】
我々は先に生体外で、RHAMM:HA相互作用がras-転形細胞13および平滑筋細胞の外傷部位への移行に必要であることを示した(サバニ等)。この単一層への外傷は細胞関連HA、RHAMMの新規な70dDa類似形、およびRHAMMの細胞表面偏在化の増大を外傷後の運動性の促進とともにもたらす。さらにこのレセプターへのHA結合を妨害するポリクローンRHAMM抗血清剤は外傷に対する移行応答を抑制した(サバニ等)。この研究において、新生内皮の発達の間において、バルーンカテーテルの誘起の外傷ラット頸動脈におけるRHAMMおよびHAの双方の分布および表現を調査した。さらに、抗RHAMM抗血清およびRHAMMペプチド血管細胞の走化性と移行に対する影響を研究した。
【0085】
材料と方法
動物
15週齢、体重325〜350gの雄のスプラグ−ダウレイ・ラット(チャール・リバー)をこの実験全体を通して用いた。
バルーンカテーテル誘起の外傷
80mg/kgのケタミン(Aveco)と6mg/kgのキシラジン(ハバー)を筋肉注射してこれら動物を麻酔にかけた。左側頸動脈を露出させ、2Fフォガティ・バルーンカテーテル(バックスター、モデル12−060−2F)をそのルーメン(孔)に導入した。このバルーンを膨らまし、カテーテルを頸動脈に3回移動させ、内皮を除去した。この外傷を受けた動物から頸動脈を採取した。模擬手術した動物の左側頸動脈をカテーテルを通過させることなく露出させ、右側動脈を採取した。
【0086】
抗RHAMM抗血清およびRHAMM HA結合ペプチド
ポリクローン抗血清(抗ペプチドaa269-288AB,サバニ等)をラビット中でRHAMMcDNA14にコード化したペプチド(aa269-288)にあげた。この抗血清は損傷後にHA刺激ランダム運動性および平滑筋細胞の移行性を妨害することが示された。さらに、RHAMMに対するHA結合を部分的に妨害することが認められた(サバニ等)。
【0087】
RHAMMに対するHA結合区域は2つの10個のアミノ酸領域からなり、この領域はたんぱく質のカルボキシ末端に近接する。領域I(アミノ酸401-411)に似せたペプチド−YKQKIKHVVKLK−および同じアミノ酸をランダムに配列してなる混合ペプチドをManitoba Institute of Cell Biologyで合成した。この双方のペプチドは最終濃度2μg/mLで運動性評価に用いた。
【0088】
免疫細胞化学
免疫細胞化学のため採取した動脈を10%燐酸緩衝ホルマリン液に固定し、パラフィンに埋め込み、処理し、5μmの切片を得た。組織の非特異性部位を、0.01Mトリス緩衝塩液(TBS)に溶かした1.5%ヤギ血清で1時間、ブロックした。これら切片を1.5%のヤギ血清を含む0.01MTBSに溶かした抗ペプチドaa269-288AB(1:100希釈)で培養してRHAMMの検出し、あるいはウシ軟骨から分離したアグレカンのビオチニル化HA結合領域(1:300希釈)で培養してHAの検出した。RHAMM染色のための切片はビオチニル化ヤギ抗ラビットIgG(Vectastain ABパーオキシダーゼ・キット、Vector Labs.,Burlingame,CA,0.01M TBS:5μL/mL)で培養した。内因性パーオキシダーゼの活性はメタノール(Mallinckrodt)に溶かした0.6%過酸化水素で室温(RT)下、30分間抑制した。ついで、全ての切片をアビジン−ビオチン−パーオキシダーゼ錯体(Vectastain,Vecto Labs.)で室温で1時間、培養した。染色はヂアミノベンザジン(DAB,Sigma,0.05M TBS中10μg/mL)を用いて行い、反応は蒸留水で停止させた。反応生成物の色は0.5%の硫酸銅を0.9%のNaClに溶かしたもので10分間処理し高められた。この切片の対比染色を0.25%メチルグリーンを用いて15分間行った。n−ブタノールおよびキシリレン中で清浄化したのち、切片をPermount(商標)(Fisher Scientific)に乗せた。RHAMMに対する染色特異性はアフィニティ・クロマトグラフィによりRHAMM抗体を除去した血清を用い、染色を著しく減少させることにより確認された。HAに対する染色特異性は染色前に過剰のHAを有するプローブの培養により、または染色前にHAを劣化するためStrepromycesヒアルロニダーゼで切片を前処理することにより確認された。正常ラビットIgG(5μg/mL,Sigma)および抗サイトスケレタル・アクチン抗体(1:1000希釈,Sigma)をネガチブおよびポジティブ対照としてそれぞれ用いた。
【0089】
免疫ブロット
頸動脈を液体窒素中でスナップ凍結させ、−80℃にて分析のため維持した。この組織を溶解緩衝液[25mMトリスHCl、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム、1%トリトン X−100、1%デオキシコラート、0.15M NaCl、1mM EDTA、プロテアーゼ・インヒビター・レウペプチン(1μg/mL)、フェニルミチルスルホニルフロリド(2mM)、ペプスタチンA(1μg/mL)、アプロチニン(0.2TIU/mL)および3,4−ジクロロイソコウマリン(200μM)]中で均質化した。たんぱく質濃度はDCたんぱく質検定法(BioRad,Richmond,CA)に従い、バックグラウンド判定のための溶解緩衝液と等しいサンプルを用いて行った。各サンプルから5μgのたんぱく質を10%SDS−PAGE上に分離し、ニトロセルロース膜上にトランスブロットした。別のたんぱく質結合部位はTTBS(0.01Mトリス塩基、150mM NaCl、pH7.4、0.05%Tween 20,Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO)に溶かした5%脱脂ミルクを用いてブロックされた。各ブロットは一次抗体(抗ペプチドaa269-288AB、TTBSに溶かした1%脱脂ミルクにての1:250希釈)で4℃で一晩培養した。この一次抗体をホース・ラデッシ・パーオキシダーゼ(Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO)に接合したヤギ抗ラビットIgG抗体を用いて室温で1時間、培養し検出し、化学発光(ECL、Amersham)により、指示書通りに可視化した。
【0090】
細胞および細胞ライン
前述のラット大動脈17の場合と同様に平滑筋細胞をウシ大動脈から単離し、ズルベコズ・モデファイド・イーグル媒体(DME)(10%子ウシ血清(FCS)および20mMヘーペス緩衝液が添加されたもの、37℃、5%CO2空気中でpH:7.2)中にて維持された。全ての実験は特定した媒体[DM、ズルベコズ・モデファイド・イーグルズ媒体で20mMヘーペス緩衝液が添加されたもの、pH7.2、0.5U/mLインシュリン(ビーフおよびポーク亜鉛懸濁液、Novo Labs.Ltd.,Willowdale,Ontario)および4μg/mLトランスフェリン(Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO)]を用いて行った。この培養媒体はフィルム化する前に24時間置換された。細胞リフターを用いて単層の半分を除去し外傷を形成し、ついで新たなDMを、RHAMMペプチドaa401-411または上述のように同じ領域の混合ペプチドの存在下で添加した。
【0091】
マクロファージ細胞ラインS1およびWEHI−3を用い、抗体および合成ペプチドの内毒活性化マウス血清(AS)へのマクロファージ走化性に対する影響を分析した。これらの細胞ラインもまた、(DME)(10%子ウシ血清(FCS)および20mMヘーペス緩衝液が添加されたもの、37℃、5%CO2空気中でpH:7.2)中にて維持された。
【0092】
ヒト好中球をボランテアからの周辺血液サンプルから得、これをACD溶液(0.085Mクエン酸三ナトリウム、0.065Mクエン酸、2%デキストラーゼ)に混合し、凝血を防止した。5%デキストランを添加し、分離された血漿および白色細胞を除去した。これらの細胞をPBS,pH7.2で2回洗浄し、リンパ球を分離するためフィコール(Ficoll)勾配を用いた。単離された好中球を洗浄し、PBSに再度、懸濁させた。赤血球を低脹液PBSへ僅かに露出させることにより溶解させた。
【0093】
タイムラプス・シネミクログラフィ
外傷細胞単層を、IM 35 Zeiss倒立顕微鏡を用いて運動性についてモニターした。この顕微鏡にはビデオカメラ(浜松CCD(株)、日本)を接続させた。細胞は加熱プラフォーム(TRZ 3700,Zeiss、ドイツ国)を用い37℃に維持した。細胞運動性は像分析(イメージ1、Universal Imaging Corp.,Westchester,PA)を用いて追跡した。このプログラムにより一連のデジタル化像から核置換の定量化を行った。各実験において30個の細胞の運動性を24時間、追従し平均速度を時間ごとに計算した。
【0094】
走化性の評価
走化性は、マクロファージ細胞ラインについてのStevenson et al18によるバクテリア内毒−活性マウス血清(AS)を用い、あるいは好中球についてのインターロイキン8(IL−8)を100ng/mLを用いて刺激した。熱不活性化血清(56℃、20分間)または媒体をネガチブ対照としてそれぞれ用いた。用いられた走化性の評価は当社で開発されたカラー評価であり、別途詳述されている19。簡単に述べると、マイクロ滴定プレート(Neuro Probe,ストック番号MBA96)および5μmフレームフィルター(Neuro Probe,PED5)を保持するのに十分な大きさの下方窪みを備えた96−穴走化性チャンバーを使用した。このマイクロ滴定プレートに走化誘引物質および対照物質を満たし、走化性チャンバーの下方窪みに配置した。このフレームフィルターをついで閉じ、DMEに溶かした細胞懸濁液200μl(2.5x105細胞/mL)を上部プレートの穴に添加した。この走化性チャンバーを37℃で5%CO2空気中で4〜6時間培養した。培養後、この穴中の媒体を20μM EDTAを含むPBS200μlで置換し、4℃で30分間培養した。ポリカーボネート膜の上に残留する細胞をコットンQ−チップで除去した。このフィルター中を通って移行した細胞を50mlチューブアダプターを用いて500Gで10分間遠心分離することにより集め、96−穴プレートに移した。置き換えた細胞の数を、3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェノールテトラゾリウム・ブロマイド(MTT)を添加して最終濃度、250μg/mLとすることにより定量し、ついで37℃で4時間培養した。MTTの還元により生成した暗紫色の結晶を酸−イソプロパノール(2mM HCl)100μlと混合することにより溶解させた。このプレートは2時間以内に540nmのフィルターを備えたマイクロ滴定プレートELISAリーダー上で分析した。MTT還元の程度は相対細胞数19に対応している。
【0095】
結果
RHAMMおよびHA表現は頸動脈のバルーンカテーテル外傷により増大する。
無傷のラットから得た頸動脈の内皮および平滑筋細胞はRHAMMに関し弱い陽性を示した(図7A)。外傷2時間後、好中球およびマクロファージは剥ぎ取った区域に付着し、RHAMMの強い表現が見られた(図7B)。しかし、外傷6時間後、平滑筋細胞の部分はRHAMMの表現の増大を示した(図7C)。48時間までに新生内膜を形成した平滑筋細胞RHAMMについて強く染色した(図1d)。外傷後7日までに、さらに14日までに新生内膜層の大きさが増大した。この層の細胞ほ引き続き高いレベルのRHAMMを表現した(図7Eおよび図7F)。抗−RHAMM抗体を除去するためにRHAMM−GSTフュージョン・プロテイン・カラム上でクロマトグラフィ処理した前免疫IgGまたは抗−RHAMM抗血清で培養した切片は染色を示さなかった(データは示されていない)。
【0096】
RHAMMの表現を、さらに外傷および模擬手術した動物からの動脈のウエスターン・ブロット分析を抗−aa269-288ABを用いて行うことによりさらに調査した。無傷の動脈において、RHAMMの2つ類似形、mw84および65kDaの本質的表現が観察された(データは示されていない)。
【0097】
しかし、外傷動脈においては、RHAMM84kDa類似体の定常的な高い表現が、脱内皮化後2〜24時間の間に観察され(図8)、その後はこの類似体の表現は減少した図8)。84kDa類似体の後の増加が72時間から168時間に亘って見られた(図8)。外傷動脈における65kDa類似体の表現は極めて僅かな変化が認められるに過ぎなかった(図8)。興味深いことに、mw70kDaの別の類似体が外傷後36〜72時間に見られ(図8)、同時に一時的にRHAMMおよびHAについての強い染色が外傷動脈に見られた(図7)。
【0098】
無傷頸動脈におけるHAの分布は内皮および外膜に限られていた(図9A)。外傷2時間後、好中球およびマクロファージの剥ぎ取った区域に付着したものは、HA染色の僅かな増大を示した(図9B)。48時間までに新生内膜を形成した平滑筋細胞はHAについて強い陽性を示し(図9C)、同時にRHAMMについての高いレベルの表現を示した(図9D)。7日ないし14日の間に、HAについての染色は減少し、中間層と新生内膜の結合部の細胞に限定された(図9Dおよび9E)。ヒアルロニダーゼン酸で前処理され、またはHAでビオチニル化されたHA−結合プローブの予備培養された切片は染色されなかった(データは示されていない)。これにより特異性が確認された。
【0099】
RHAMM:HA相互作用が炎症細胞走化性を規制する
頸動脈の外傷区域に付着する炎症細胞においてRHAMMの表現が増加するから、好中球およびマクロファージ走化性におけるRHAMM:HA相互作用の役割について研究がRHAMM(aa401-411)14の2つのHA結合領域の1つをコード化するペプチドと、RHAMMへのHA結合を妨害すると先にされた抗−ペプチドaa269-288ABの双方を用いて行われた(Ref.14、サバニ等)。IL−8に対するヒト好中球走化性はペプチドaa401-411により可なり抑制された(図10)。また、ペプチドaa401-411および抗−ペプチドaa269-288ABは2つのヒトマクロファージ細胞ラインS1およびWEHI−3の内毒活性化マウス血清への走化性を抑制した(図11)。
【0100】
RHAMM:HA相互作用が外傷後の平滑筋細胞移行を規制する
抗RHAMM抗血清が平滑筋細胞単層の損傷部への方向性移行を抑制することを先に示した(サバニ等)。このRHAMM:HA相互作用の外傷応答における関与を確認するため、RHAMM(aa401-41114のHA結合領域の1つをコード化するペプチドの作用について調査した。このペプチドは単層の外傷後の平滑筋細胞の転移の速度を可なり減少させる(図12)。ペプチドaa401-411と同じアミノ酸を含む混合ペプチドは外傷応答に対する作用を示さなかった(図12)。
【0101】
考察
ヒアルロナン、つまり細胞外マトリックスの1成分は胚形成20,21の間に細胞運動性、腫瘍侵入22、オンコジーンによる転形13、外傷への応答22に関与している。細胞運動性へのHAの作用は特異的レセプター13,26、例えばCD4427およびRHAMM14により媒介されるものと思われる。HAは内皮および平滑筋細胞28-30の移行に関与している。RHAMMは外傷後の胚芽平滑筋細胞31および成人平滑筋細胞の移行に重要であることが示されている(サバニ等)。平滑筋細胞の移行はバルーン血管形成術3後の再狭窄の病因の重要な成分を形成しているから、RHAMMおよびHAの表現および分布もまた、生体におけるラット頸動脈のバルーンカテーテル脱内皮化後において役割を果たしていると想像する。
【0102】
外傷動脈の剥離部での炎症細胞の初期の蓄積について先に記載したが、我々もこれらの知見を確認している。外傷部位での炎症細胞の蓄積は走化性移行と後の付着を必要としている。付着は選択との相互作用により開始され、これは細胞の血管壁に沿っての滑りをもたらし、ついで特異的血管のインテグリンを介して強固な付着がなされ、その後、外転が生じる(ref.34参照)。剥離された内皮へ付着する炎症細胞におけるRHAMM表現の増大は幾つかの機能を生じさせる。好中球およびマクロファージ走化性は抗RHAMM抗血清またはRHAMMのHA結合領域の1つに模倣するペプチドを用いることによりブロックできるということは、RHAMM:HA相互作用が、走化性を介して外傷部位での炎症細胞の蓄積に寄与し得ることを示唆している。我々はRHAMM;HA相互作用が外転に必要なプロセスであるフィブロフラストにおける虚足延長を規制することを示した。同様に、RHAMMはマクロファージの外転の間のこのプロセスに役割を果たしている。我々はこの可能性について現在、研究している。
【0103】
我々は先に、無活動の平滑筋細胞単層によるRHAMMの65kDa類似体の本質的表現および外傷後の増大した移行と同時の70kDa類似体の発現について述べた。この最後のたんぱく質はRHAMMの膜形を表していると予測した。なぜならば、その発現がFACS分析(サバニ等)による膜偏在化RHAMMの免疫蛍光の増大と一致しているからである。現在の研究において、生体外の平滑筋細胞のように、無傷頸動脈が65kDaRHAMMを表し、外傷後、70kDa類似体が発現することが我々により証明された。このRHAMM類似体は外傷後36ないし72時間の間にのみ現れ、これは平滑筋細胞の外傷部位への平滑筋細胞の移行の時間と一致している1,3。RHAMM類似体の因果関係的役割が細胞の運動性であるか否かが現在研究されている。84kDaたんぱく質が生体外で平滑筋細胞により生産されないので、その性質およびそれを表す細胞の型は現在、知られていない。
【0104】
我々は先に、外傷後のHAの、RHAMMの膜偏在化と一致する平滑筋細胞単層並びに70kDa類似体の表現との増大する関連について証明した(サバニ等)。HAの染色の増加は70kDaRHAMM類似体の最大移行および表現の時間帯において見られる。これらの結果はRHAMM;HA相互作用が細胞の運動性を規制するという仮定を支持している。生体外でRHAMMの機能をブロックする試薬、例えば抗RHAMM抗血清およびRHAMMペプチドの効能はこの仮定と一致している。
【0105】
多くの成長ファクター、特にPDGF−BB35およびTGF−β136は平滑筋細胞の移行および再狭窄6,7の病因に関与している。接着性血小板および平滑筋細胞自体から得られるPDGF−BBは平滑筋細胞の増殖よりも、むしろ平滑筋細胞の移行に大きい作用を与える。TGF−β1は外傷部位で平滑筋細胞により作られ、平滑筋細胞の増殖に付与し、再狭窄プロセス7の後の段階において異常細胞外マトリックス堆積に寄与している。成長ファクターはさらに炎症細胞の運動性の調整に関与している。すなわち、TGF−β1は単細胞37の走化性を調整に関与している。さらに繊維芽細胞の運動性のTGF−β1刺激による増加はRHAMM:HA相互作用により媒介される。そしてTGF−β1はRHAMMの表現と繊維芽細胞38におけるHAの合成を調整する。平滑筋細胞におけるRHAMMおよびHA表現のTGF−β1およびPDGF−BBの調整については現在、研究中である。
【発明の効果】
【0106】
以上、説明したように、RHAMMおよびHA表現の変化が生体の血管外傷後に発生することが実証され、さらにRHAMM;HA相互作用が生体外において炎症細胞走化性および平滑筋細胞の移行に必要であることが示された。これらのデータは生体内でRHAMM:HA相互作用をブロックし、バルーンカテーテルによる外傷後の再狭窄の発展を減少させ、または防止し得る薬剤の使用の可能性を提起している。これらの研究は現在も進行している。
【0107】
感謝文
この研究はカナダ国医学研究審議会(MRC)認可#10948(EAT)およびマニトバ・メデカル・サービス・ファンデーション(RCS)の基金のもとで行われたものである。EATはChildren's Hospital of Winipeg Research Foundation Scholarshipの受取人である。Elaine GaragonおよびLaurie Langeの優れたご協力に深く感謝する次第である。
【0108】
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【0109】
本発明の要旨を逸脱することなく種々の変更が可能であり、ここに記載した物質が単なる説明のためであり、限定を意味するものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は傷つけられ、模擬手術を行った動脈を示す写真図である。
【図2】図2は頸動脈によるRHAMM(ヒアルロン酸媒介運動性についてのレセプター)表現を説明する線図。
【図3】図3は外傷後4日目の頸動脈の平滑筋におけるRHAMMとヒアルロン酸を示す写真図。
【図4】図4は補体に対するマクロファージ走化性(5a)へのRHAMM、HA結合[ヒアルロナン−(ヒアルロン酸)−結合]ペプチド(401−411)およびRHAMM抗体の影響を説明する棒グラフ図。
【図5】図5はIL−8に対する好中球走化性(5a)へのRHAMM、HA結合ペプチド(401−411)の影響を説明する棒グラフ図。
【図6】図6は外傷5時間後の平滑筋細胞マイグレーションに対するRHAMM、HA結合ペプチド(401−411)の影響を説明する棒グラフ図。
【図7】図7ないし12は第22頁第24行目ないし第36頁31行目に記載の「バルーンカテーテル外傷後の新生内膜形成:ヒアルロナンおよびヒアルロナンレセプターRHAMMの役割」に関する図であり:
図7はテストに用いられた乱切ラットの頸動脈の内皮細胞および平滑筋細胞を示す図。
【図8】図8は所定時間後のRHAMMの種々の異形の表現を説明する図。
【図9】図9はヒアルロナンの分布を示す図。
【図10】図10はIL−8に対する好中球走化性(5a)へのRHAMM、HA結合ペプチド(401−411)の影響を説明する棒グラフ図。
【図11】図11は補体に対するマクロファージ走化性(5a)へのRHAMM、HA結合[ヒアルロナン−(ヒアルロン酸)−結合]ペプチド(401−411)およびRHAMM抗体の影響を説明する棒グラフ図。
【図12】図12は外傷5時間後の平滑筋細胞マイグレーションに対するRHAMM、HA結合ペプチド(401−411)の影響を説明する棒グラフ図。

Claims (5)

  1. 動物の傷つけられた管状体内壁面の狭窄を防止するために使用される薬剤組成物であって、
    10mg/70kg体重ないし3000mg/70kg体重の投与量のヒアルロン酸と
    10mg/kg体重以下の投与量の非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)と
    を含有してなることを特徴とする薬剤組成物。
  2. 上記ヒアルロン酸が分子量750,000ダルトン未満のものである請求項1記載の薬剤組成物。
  3. 該薬剤組成物が静脈注射用の形態である請求項1又は2記載の薬剤組成物。
  4. 上記ヒアルロン酸を200mg/70kg体重以上の投与量で含有してなる請求項1ないし3のいずれかに記載の薬剤組成物。
  5. 該薬剤組成物がバルーン血管形成術後の動脈内壁面の再狭窄を防止するためのものである請求項1ないしのいずれかに記載の薬剤組成物。
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