JP3742774B2

JP3742774B2 - Cheese and method for producing the same

Info

Publication number: JP3742774B2
Application number: JP2002026456A
Authority: JP
Inventors: 康治川地; 美沙佐藤; 功博川崎
Original assignee: Snow Brand Milk Products Co Ltd
Current assignee: Snow Brand Milk Products Co Ltd
Priority date: 2002-02-04
Filing date: 2002-02-04
Publication date: 2006-02-08
Anticipated expiration: 2022-02-04
Also published as: JP2003225052A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、より短時間の加熱調理により褐変し、良好な焦げ目と香ばしい焼成風味を呈するとともに、１０〜１８℃の温度で保存しても保存中に褐変し難いチーズ及びその製造方法に関する。
本発明のチーズは、グラタン、ドリア、ラザニア、ピザ、トースト等の加熱調理して焦げ目を付与することが好ましい調理に適している。
【０００２】
【従来技術】
グラタン、ピザ等は表面にチーズがトッピングされており、加熱調理によりチーズに焦げ目と香ばしい焼成風味が生じ、美味しさや風味が向上する。しかしながら、グラタン、ピザ等にトッピングされたチーズは加熱調理により焦げ目が付きづらく、加熱調理中に食品自体は十分に温まっているにもかかわらず、チーズに焦げ目が付いていないために調理を終了できず加熱調理に時間がかかることがある。そこで、チーズや食品の表面に十分な焦げ目を付けるために、アミノ酸、還元糖、及び塩類を含有するゲル化物からなるトッピング組成物をチーズ表面に載置したり（特開平８−３０８５３１号公報）、あるいはチーズに溶融塩とアミノ酸を配合して加熱するか、又はチーズに溶融塩を配合して加熱してチーズ融解物を生成させ、このチーズ融解物に還元糖、又は還元糖とアミノ酸を混合したチーズ様食品（特開平９−２１５４７０号公報）等の技術が開発されている。
また、果糖とグリシンの存在下でリンゴ酸が褐変の促進に関与するとの報告がなされている（「食品の変色の化学」）が、これは食品に好ましい着色を付与するものではなく、ましてチーズに焦げ目を付与するような性質のものではなく、逆に忌避されるものである。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術によれば、還元糖とアミノ酸を主として用い、アミノカルボニル反応によりチーズを褐変させているが、１０〜１８℃の温度で保存すると保存中に褐変が進行してしまい、チーズが褐変化するという欠点が指摘されている。
本発明は、従来技術に存在する問題に着目しなされたものであり、その目的は、より短時間の加熱調理により褐変し、良好な焦げ目と香ばしい焼成風味を呈するとともに、１０〜１８℃の温度で保存しても保存中に褐変し難いチーズ及びその製造方法を提供することを課題とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上述した課題に鑑み鋭意検討を進めた結果、チーズ表面に糖類及びカルボキシル基を有する弱酸及び／又はその塩を付着させると、チーズに本来含有されるアミノ酸と添加した糖類によるアミノカルボニル反応が、カルボキシル基を有する弱酸及び／又はその塩の作用により促進され、より短時間の加熱調理により褐変し、良好な焦げ目と香ばしい焼成風味を呈するとともに、１０〜１８℃の温度で保存しても保存中に褐変し難いチーズが得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
従って、本発明はチーズ表面に糖類及びカルボキシル基を有する弱酸及び／又はその塩が付着していることを特徴とするチーズに関する。
本発明はまた、糖類及びカルボキシル基を有する弱酸及び／又はその塩をチーズ表面に付着させることを特徴とするチーズの製造方法に関する。
本発明はまた、上記チーズをトッピングしたことを特徴とする加熱調理のための食品に関する。
なお、本発明においてチーズとは、乳等省令で定めるナチュラルチーズ、プロセスチーズのみならず、チーズを主原料とするチーズフード、チーズ様食品などのことをいう。
本発明において加熱調理とは、オーブン、電子レンジ、トースター等の加熱調理器によって加熱調理することをいう。
【０００５】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明のチーズは、チーズ表面に糖類及びカルボキシル基を有する弱酸及び／又はその塩を付着させたものである。
本発明に用いるチーズは、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ、チーズフードチーズ様食品等を用いることができる。その形状はシュレッド状、ダイス状、スライス状、ブロック状等の形状とすることができる。ただし、加熱調理に用いる場合は、形状はシュレッド状やダイス状であって、比較的小片に切断又は粉砕されたものが好ましい。また、チーズの大きさが小さい場合は、保存中にチーズ同士が結着することがあるため、結着防止のためにセルロース等の食物繊維をチーズに対して、０．３〜２．０重量％添加することが好ましい。
糖類としては、アミノカルボニル反応を生じる糖類であればいずれの糖類を用いることができ、乳糖、果糖、蔗糖、グルコース、ガラクトース等の単糖又は二糖、グルコサミン等のアミノ糖やウロン酸等の糖誘導体を用いることが特に好ましい。その添加量はチーズに対して、０．０２〜３．０重量％であることが好ましい。添加量が０．０２重量％未満では良好な焦げ目を生じず、３．０重量％を超えると甘みが強くなりすぎ風味に影響を及ぼすことがあるため好ましくない。なお、キシロース、アラビノース等の還元糖を用い、アミノ酸と反応させて食品の褐変を促進させる技術（特開平８−３０８５３１号公報、特開平９−２１５４７０号公報）が開示されているが、この技術による製品は１０〜１８℃の温度で保存した場合に、保存中にチーズが褐変するためこれらの還元糖を用いる場合、添加量はチーズに対して０．０２〜０．３重量％とすることが好ましい。
【０００６】
カルボキシル基を有する弱酸又はその塩としては、クエン酸、リンゴ酸、酢酸、フマル酸、酒石酸、コハク酸、乳酸、グルコン酸等すべての食用に供される有機酸を用いることができ、その塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等すべての食用に供される塩類を用いることができる。その添加量はチーズに対して、０．１〜２．０重量％であることが好ましい。カルボキシル基を有する弱酸及び／又はその塩の添加量が０．１重量％未満では良好な焦げ目が生じず、２．０重量％を超えると、酸の場合は強酸味が、塩類の場合は、塩味、苦味等が生じ、風味に影響を及ぼすことがあるため好ましくない。なお、カルボキシル基を有する弱酸のみを用いる場合、その添加量はチーズに対して０．１〜１．０重量％とすることが好ましい。
【０００７】
次いで本発明の製造方法について説明する。
まず、チーズをシュレッド状、ダイス状、スライス状、ブロック状等所望の形状に、切断、細断、粉砕又は成形する。次いで、糖類及びカルボキシル基を有する弱酸及び／又はその塩を粉体混合して混合粉末とし、チーズ表面にまぶしたり、振りかけて付着させる。また、糖類及びカルボキシル基を有する弱酸及び／又はその塩の溶解液を調製し、チーズ表面に塗布又は噴霧したり、溶解液に浸漬し、その後乾燥させることにより、チーズ表面に糖類及びカルボキシル基を有する弱酸及び／又はその塩を付着させてもよい。また、チーズ同士の結着を防止するために添加するセルロースは糖類及びカルボキシル基を有する弱酸及び／又はその塩とともに粉体混合してもよく、チーズに溶解液を塗布又は噴霧したり、溶解液に浸漬させた場合は、乾燥後まぶしてもよい。また、より短時間で好ましい焦げ目と香ばしい焼成風味を生成させるために、糖類及びカルボキシル基を有する弱酸及び／又はその塩とともに、アミノ酸をチーズに対して０．１〜２．０重量％追加添加してもよい。
【０００８】
本発明は、上述のような実施の形態により次のような効果を有する。
（１）チーズ表面に糖類及びカルボキシル基を有する弱酸及び／又はその塩を付着させることにより、より短時間で良好な焦げ目と香ばしい焼成風味を呈するチーズが得られる。
（２）カルボキシル基を有する弱酸及び／又はその塩を用いることにより、これらの作用で褐変が促進され、より短時間で良好な焦げ目と香ばしい焼成風味を付与することができる。
（３）糖類として乳糖、果糖、蔗糖、グルコース、ガラクトース又は糖誘導体の中から選択される一種以上を用いることにより、１０〜１８℃の温度で保存しても保存中に褐変が生じない。また、キシロース、アラビノース等の還元糖を用いる場合は、その添加量を少なくすることで保存中の褐変が抑制され、カルボン酸を有する弱酸及び／又はその塩を添加することにより、短時間で良好な焦げ目と香ばしい焼成風味を付与することができる。
（４）チーズ表面に糖類及びカルボキシル基を有する弱酸及び／又はその塩とともにセルロースを付着させることにより、チーズ同士の結着を防止することができ、さらに、アミノ酸を付着させることにより、より短時間の加熱で良好な焦げ目と香ばしい焼成風味を付与することができる。
【０００９】
【実施例】
実施例１
チェダーチーズ（ニュージーランドディリープロダクツ社製、１０ヶ月間熟成）１０ｋｇをシュレッド状（５×２０×２ｍｍ）に切り出した。次いで、乳糖５０ｇ、結着防止としてセルロース１００ｇ及びカルボキシル基を有する弱酸塩として、クエン酸三ナトリウムを表１に示す配合量で混合し混合粉末とした。この粉末をシュレッドチーズにまぶし、チーズ表面に付着させ、試作品１〜５を調製した。なお、クエン酸三ナトリウムを無添加として調製したものを比較品１とした。
【００１０】
【表１】

【００１１】
上記のようにして調製したシュレッドチーズについて焼成試験を行い、焦げ目及び焼成風味について評価した。
食パン（６枚切り）にチーズを２５ｇ乗せ、トースター（消費電力８００W）で約９０秒間加熱して焼成した。
焦げ目の評価：５点：全体的に好ましい焦げ目がついた、４点：全体的にやや好ましい焦げ目がついた、３点：どちらともいえない、２点：全体的に好まし焦げ目がつかない、１点：焦げ目がつかない、で評価し、その平均点（小数点第二を位四捨五入）で示した。
焼成風味：１０名の熟練パネラーに上記の焼成した食パンを食してもらい、５点：香ばしく、焼成風味が大変好ましい、４点：焼成風味がやや好ましい、３点：どちらともいえない、２点：焼成風味があまり感じられない、１点：焼成風味が全く感じられない、で評価し、その平均点（小数第二位を四捨五入）で示した。
その結果を表２に示す。
【００１２】
【表２】

【００１３】
表２に示す通り、比較品１は香ばしく焼成風味は好ましかったが、焦げ目がほとんど付かなかった。また、試作品１は香ばしく焼成風味は好ましかったが、全体的に好ましい焦げ目が付かなかった。また、試作品５は全体的に焦げ目は付いたものの、香ばしい焼成風味はあまり感じられず、クエン酸三ナトリウム由来の塩味が強く感じられた。一方で、試作品２〜４は全体的に好ましい焦げ目がつき、香ばしく焼成風味も好ましかった。
このことから、クエン酸三ナトリウムをチーズに対して、０．１〜２．０重量％付着させることにより、全体的に好まし焦げ目を付与することができ、焼成風味の良好なチーズが得られることがわかった。
さらに、試作品１〜５を１０℃で４ヶ月間保存したところ、保存中に褐変することもなく品質劣化はなかった。
【００１４】
実施例２
チェダーチーズ（ニュージーランドデイリープロダクツ社製、１０ヶ月間熟成）１０ｋｇをダイス状（６×６×６ｍｍ）に切り出した。次いで、結着防止剤としてセルロース１００ｇ、糖類及びカルボキシル基を有する弱酸塩を表３に示すように混合し混合粉末とした。この粉末をダイスチーズにまぶし、チーズ表面に付着させ試作品６〜１１及び比較品２を調製した。
【００１５】
【表３】

【００１６】
実施例１と同様の方法で焼成試験を行い、焦げ目及び焼成風味について評価した。
さらに、１０℃で４ヶ月間保存し保存試験を行った。保存試験は、２ヶ月後及び４ヶ月後のチーズの褐変を目視にて観察し、○：褐変なし、×：部分的に褐変、××：全体的に褐変、の３段階で評価を行った。
これらの結果を表４及び表５に示す。
【００１７】
【表４】

【００１８】
【表５】

【００１９】
表４及び表５に示す通り、試作品６〜１１及び比較品２は全体的に好ましい焦げ目がつき、香ばしく焼成風味も好ましかった。
また試作品６〜１１は１０℃で２ヶ月間保存後及び３ヶ月間保存後においてもチーズが褐変することはなかったが、比較品２は褐変した。
【００２０】
実施例３
チェダーチーズ（ニュージーランドデイリープロダクツ社製、１０ヶ月間熟成）１０ｋｇをシュレッド状（６×３０×３mm)に切り出した。次いで、Ｄ−グルコサミン塩酸塩４０ｇ、乳糖５０ｇ、結着防止としてセルロース１００ｇ及びカルボキシル基を有する弱酸としてクエン酸を表６に示す配合のように混合し混合粉末とした。この粉末をシュレッドチーズにまぶし、チーズ表面に付着させ試作品１２〜１４を調製した。
【００２１】
【表６】

【００２２】
実施例１と同様の方法で焼成試験を行い、焦げ目及び焼成風味について評価した。
この結果を表７に示す。
【００２３】
【表７】

【００２４】
表７に示す通り、試作品１２〜１４は、全体的に好ましい焦げ目がついた。また、試作品１２及び１３は、香ばしく焼成風味も良好であったが、試作品１４は、クエン酸由来の酸味が強く感じられ好ましくなかった。このことから、クエン酸をチーズに対して、０．１〜１．０重量％付着させることにより、全体的に好まし焦げ目を付与することができ、焼成風味の良好なチーズを得られることがわかった。
さらに、試作品１２〜１４を１０℃で３ヶ月間保存したところ、試作品１２〜１４は保存中に褐変することなかったが、試作品１４はチーズが白色化し、硬化が生じた。
【００２５】
実施例４
チェダーチーズ（ニュージーランドデイリープロダクツ社製、１０ヶ月間熟成）１０ｋｇをシュレッド状（８×３０×３ｍｍ）に切り出した。次いで、１００ｇの水に乳糖２０ｇ、カルボキシル基を有する弱酸塩としてクエン酸三ナトリウム２０ｇを溶解して溶解液を調製した。この溶解液を一切れ（１ｇ）のチーズに対して０．０５ｇ付着するように噴霧した。噴霧後チーズを乾燥、冷却し、結着防止剤としてセルロースをチーズ１００ｇ当たり１ｇまぶし、試作品１５を調製した。
実施例１と同様にして焼成試験を行い、焦げ目及び焼成風味について評価した。
これらの結果を表８に示す。
【００２６】
【表８】

【００２７】
表８に示す通り、試作品１５は全体的に好ましい焦げ目がつき、香ばしく焼成風味も好ましかった。
さらに、試作品１５を１０℃で３ヶ月間保存したところ、保存中に褐変することなく品質劣化はなかった。
【００２８】
実施例５
チェダーチーズとゴーダチーズを６０：４０の割合で配合し、プロセスチーズ用の原料チーズ５ｋｇを調製した。この原料チーズに、溶融塩としてチーズミン１号（田辺製薬製）９０ｇ及びチーズミン３号（田辺製薬製）３０ｇ、水分含量が４６％になるように水、ｐＨが５．９になるように重曹をそれぞれ添加し、低速乳化釜で１００ｒｐｍにて撹拌しながら、８０℃まで加熱し乳化を行った。得られた乳化物を２℃に冷却しステンレスベルト上に３ｍｍの厚さのシート状に引き出し、品温５℃まで冷却した後、７５×８０×３ｍｍのスライス状にカットした。次いで乳糖１００ｇ、カルボキシル基を有する弱酸塩として、クエン酸三ナトリウム１５０ｇを混合し混合粉末とした。この粉末をスライスチーズ１枚（２０ｇ）のチーズに対して０．１ｇ均一に振りかけ、試作品１６を得た。
スライスチーズ１枚を食パン（６枚切り）にのせ、実施例１と同様にして焼成試験を行い、焦げ目及び焼成風味について評価した。
この結果を表９に示す。
【００２９】
【表９】

【００３０】
表９に示す通り、試作品１６は全体的に好ましい焦げ目がつき、香ばしく焼成風味も好ましかった。
さらに、試作品１６を１０℃で５ヶ月間保存したところ、保存中に褐変することもなく品質劣化はなかった。
【００３１】
実施例６
マカロニ３０ｇを茹で、このマカロニを容器に入れ、スライスしたタマネギ１０ｇ、ハム１０ｇをのせ、その上にホワイトソース５０ｇをかけて、マカロニグラタンを得た。このマカロニグラタンに実施例１で調製した試作品３を３０ｇ振りかけ、マカロニグラタンの入った容器をラップで密封し、−３０℃で急速凍結し、さらに冷凍庫で一日保存した。また、試作品３の代わりに比較品１を３０ｇ振りかけ、同様にしてマカロニグラタンを得た。
凍結保存したマカロニグラタンを２００℃のオーブンで加熱調理したところ、本発明品３を振りかけたマカロニグラタンは、８分後から焦げはじめ９分後には表面的に良好な焦げ目と香ばしい焼成風味を呈した。一方で、比較品１をのせたマカロニグラタンは１５分後から焦げ始めたが、２０分経っても試作品３を振りかけたマカロニグラタンに比べ、焦げ目及び焼成風味は劣っていた。
【００３２】
【発明の効果】
本発明は、チーズ表面に糖類及びカルボキシル基を有する弱酸及び／またはその塩を付着させることにより、より短時間の加熱調理により褐変し、良好な焦げ目と香ばしい焼成風味を呈するチーズを提供することができる。
本発明のチーズは、糖類を用いることで１０〜１８℃の温度で保存しても保存中に褐変し難いものとなる。
本発明のチーズは、カルボキシル基を有する弱酸及び／又はその塩を用いることで、より短時間の加熱調理により褐変しやすいものとなる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
TECHNICAL FIELD The present invention relates to a cheese that browns by cooking for a shorter time, exhibits good burnt eyes and a savory baked flavor, and does not easily brown during storage even when stored at a temperature of 10 to 18 ° C. and a method for producing the same.
The cheese of the present invention is suitable for cooking that is preferably cooked by baking such as gratin, doria, lasagna, pizza, toast, etc. to give burnt eyes.
[0002]
[Prior art]
Gratin, pizza, etc. have cheese topped on the surface, and heat cooking produces a burnt and savory flavor on the cheese, improving the taste and flavor. However, cheese topped with gratin, pizza, etc. is not easily burnt by cooking, and although the food itself is sufficiently warm during cooking, cooking can be finished because the cheese is not burnt. It may take time to cook. Therefore, in order to sufficiently burn the surface of cheese or food, a topping composition comprising a gelled product containing amino acids, reducing sugars, and salts is placed on the cheese surface (Japanese Patent Laid-Open No. 8-308531). Or, melt the cheese with a molten salt and an amino acid, or mix and heat the cheese with a molten salt to produce a cheese melt, and mix this cheese melt with reducing sugar or reducing sugar and amino acid. Techniques such as a cheese-like food (Japanese Patent Laid-Open No. 9-215470) have been developed.
In addition, malic acid has been reported to be involved in promoting browning in the presence of fructose and glycine ("Food Discoloration Chemistry"), but this does not impart a favorable coloration to foods, let alone cheese. It is not of a nature that imparts burnt eyes, but is repelled.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
According to the above prior art, the reducing sugar and amino acid are mainly used, and the cheese is browned by aminocarbonyl reaction. However, when stored at a temperature of 10 to 18 ° C., browning proceeds during storage, and the cheese turns brown. The fault of doing is pointed out.
The present invention has been made by paying attention to the problems existing in the prior art, and its purpose is to turn brown by shorter cooking time, exhibit good burnt eyes and fragrant baked flavor, and have a temperature of 10 to 18 ° C. It is an object to provide a cheese that is not easily browned during storage and a method for producing the same even if stored at a low temperature.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
As a result of carrying out diligent studies in view of the above-described problems, the present inventors have found that when a weak acid having a saccharide and a carboxyl group and / or a salt thereof is attached to the cheese surface, the amino acid originally contained in the cheese and the amino due to the added saccharide The carbonyl reaction is promoted by the action of a weak acid having a carboxyl group and / or a salt thereof, browns by cooking for a shorter time, exhibits good burnt eyes and a savory baked flavor, and is stored at a temperature of 10 to 18 ° C. However, the inventors found that a cheese that does not easily brown during storage can be obtained and completed the present invention.
Therefore, this invention relates to the cheese characterized by the weak acid and / or its salt which have saccharides and a carboxyl group adhering to the cheese surface.
The present invention also relates to a method for producing cheese, characterized in that a weak acid having a saccharide and a carboxyl group and / or a salt thereof is attached to the cheese surface.
The present invention also relates to a food for cooking by heating, characterized by topping the cheese.
In the present invention, cheese refers to not only natural cheese and processed cheese specified by a ministerial ordinance such as milk, but also cheese food, cheese-like food, and the like using cheese as a main raw material.
In the present invention, heat cooking refers to cooking with a heating cooker such as an oven, a microwave oven, or a toaster.
[0005]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail.
The cheese of the present invention is obtained by attaching a weak acid having a saccharide and a carboxyl group and / or a salt thereof to the cheese surface.
Natural cheese, process cheese, cheese food cheese-like food, etc. can be used for the cheese used for this invention. The shape may be a shred shape, a die shape, a slice shape, a block shape, or the like. However, when used for cooking, the shape is shred or dice and is preferably cut or crushed into relatively small pieces. In addition, when the size of the cheese is small, the cheeses may be bound together during storage, so that the dietary fiber such as cellulose is 0.3 to 2.0 weight with respect to the cheese to prevent the binding. % Addition is preferable.
As the saccharide, any saccharide can be used as long as it causes an aminocarbonyl reaction. Monosaccharides such as lactose, fructose, sucrose, glucose and galactose, disaccharides, amino sugars such as glucosamine, and sugars such as uronic acid It is particularly preferred to use a derivative. It is preferable that the addition amount is 0.02-3.0 weight% with respect to cheese. If the amount added is less than 0.02% by weight, good burns will not occur, and if it exceeds 3.0% by weight, the sweetness will become too strong and the flavor may be adversely affected. In addition, techniques for promoting browning of foods by using reducing sugars such as xylose and arabinose to react with amino acids (JP-A-8-308531 and JP-A-9-215470) have been disclosed. When the product according to is stored at a temperature of 10 to 18 ° C., the cheese browns during storage, so when using these reducing sugars, the addition amount should be 0.02 to 0.3% by weight with respect to the cheese. Is preferred.
[0006]
As a weak acid having a carboxyl group or a salt thereof, any edible organic acid such as citric acid, malic acid, acetic acid, fumaric acid, tartaric acid, succinic acid, lactic acid, gluconic acid, and the like can be used. Can use all edible salts such as sodium salt, potassium salt, calcium salt and the like. The addition amount is preferably 0.1 to 2.0% by weight with respect to cheese. When the addition amount of the weak acid having a carboxyl group and / or a salt thereof is less than 0.1% by weight, good burns are not generated, and when it exceeds 2.0% by weight, a strong acidity is obtained in the case of acids, and in the case of salts. Since salty taste, bitterness, etc. arise and it may affect flavor, it is not preferable. In addition, when using only the weak acid which has a carboxyl group, it is preferable that the addition amount shall be 0.1-1.0 weight% with respect to cheese.
[0007]
Next, the production method of the present invention will be described.
First, the cheese is cut, chopped, pulverized, or molded into a desired shape such as a shred, die, slice, or block. Subsequently, the weak acid which has saccharides and a carboxyl group, and / or its salt is powder-mixed, it is set as a mixed powder, and it is sprinkled on the cheese surface, or is made to sprinkle and adhere. In addition, by preparing a solution of a weak acid having a saccharide and a carboxyl group and / or a salt thereof and applying or spraying it on the cheese surface, immersing it in the solution, and then drying it, the saccharide and the carboxyl group are added to the cheese surface. A weak acid and / or a salt thereof may be attached. In addition, cellulose added to prevent binding between cheeses may be mixed with a weak acid having a saccharide and a carboxyl group and / or a salt thereof, and a solution may be applied to or sprayed on cheese. In the case of soaking in, it may be applied after drying. In addition, in order to produce a preferable burnt and a savory baked flavor in a shorter time, an amino acid is additionally added to the cheese in an amount of 0.1 to 2.0% by weight together with a weak acid having a saccharide and a carboxyl group and / or its salt. May be.
[0008]
The present invention has the following effects according to the embodiment described above.
(1) By making weak acid and / or its salt which have saccharide | sugar and a carboxyl group adhere to the cheese surface, the cheese which shows favorable burnt eyes and a fragrant baking flavor in a shorter time is obtained.
(2) By using the weak acid which has a carboxyl group, and / or its salt, browning is accelerated | stimulated by these effect | actions, and it can provide favorable burnt eyes and fragrant baking flavor in a shorter time.
(3) By using at least one selected from lactose, fructose, sucrose, glucose, galactose or sugar derivatives as sugars, browning does not occur during storage even when stored at a temperature of 10 to 18 ° C. In addition, when reducing sugars such as xylose and arabinose are used, browning during storage is suppressed by reducing the amount added, and good by adding a weak acid having a carboxylic acid and / or a salt thereof in a short time. A burnt eye and a savory flavor can be imparted.
(4) By attaching cellulose together with a weak acid having a saccharide and a carboxyl group and / or a salt thereof on the cheese surface, it is possible to prevent binding between cheeses, and further, by attaching an amino acid, the time is shorter. Good burnt and savory flavor can be imparted by heating.
[0009]
【Example】
Example 1
10 kg of cheddar cheese (manufactured by New Zealand Daily Products, aged for 10 months) was cut into a shred shape (5 × 20 × 2 mm). Next, 50 g of lactose, 100 g of cellulose for preventing binding, and trisodium citrate as a weak acid salt having a carboxyl group were mixed in the blending amounts shown in Table 1 to obtain a mixed powder. This powder was applied to shred cheese and adhered to the cheese surface to prepare prototypes 1-5. A comparative product 1 was prepared by adding no trisodium citrate.
[0010]
[Table 1]

[0011]
A baking test was performed on the shred cheese prepared as described above, and burned eyes and baking flavor were evaluated.
25 g of cheese was placed on bread (6 slices) and baked by heating with a toaster (power consumption 800 W) for about 90 seconds.
Scoring evaluation: 5 points: Overall favorable scoring was applied, 4 points: Overall favorable scoring was applied, 3 points: Neither could be said, 2 points: Overall favorable scoring was not possible, 1 point: Evaluated by non-burning, and the average point (the second decimal point was rounded off).
Baking flavor: 10 skilled panelists eat the above-mentioned baked bread, 5 points: fragrant, very preferable baking flavor, 4 points: slightly preferable baking flavor, 3 points: neither can be said, 2 points: The evaluation was made at 1 point where the baked flavor was not felt so much: the baked flavor was not felt at all, and the average score (rounded to the second decimal place) was shown.
The results are shown in Table 2.
[0012]
[Table 2]

[0013]
As shown in Table 2, Comparative Product 1 was fragrant and had a baked flavor, but it was hardly burnt. Prototype 1 had a savory flavor and a preferred baking flavor, but did not have a favorable burnt overall. In addition, although the prototype 5 was scorched as a whole, the savory flavor was not felt so much, and the salty taste derived from trisodium citrate was strongly felt. On the other hand, the prototypes 2 to 4 were generally scorched, and had a fragrant and baked flavor.
From this fact, it is possible to impart scorch on the whole by attaching 0.1 to 2.0% by weight of trisodium citrate to the cheese, and a cheese with good baking flavor is obtained. I understood it.
Furthermore, when the prototypes 1 to 5 were stored at 10 ° C. for 4 months, there was no deterioration in quality without browning during storage.
[0014]
Example 2
10 kg of cheddar cheese (manufactured by New Zealand Daily Products, aged for 10 months) was cut into a dice (6 × 6 × 6 mm). Next, 100 g of cellulose as a binding inhibitor, a weak acid salt having a saccharide and a carboxyl group were mixed as shown in Table 3 to obtain a mixed powder. This powder was applied to dice cheese and adhered to the cheese surface to prepare prototypes 6 to 11 and comparative product 2.
[0015]
[Table 3]

[0016]
A baking test was performed in the same manner as in Example 1, and the burnt eyes and the baking flavor were evaluated.
Furthermore, it preserve | saved at 10 degreeC for 4 months and performed the preservation | save test. The preservation test visually observed the browning of the cheese after 2 months and 4 months, and evaluated in three stages: ○: no browning, x: partial browning, xx: overall browning. .
These results are shown in Tables 4 and 5.
[0017]
[Table 4]

[0018]
[Table 5]

[0019]
As shown in Tables 4 and 5, the prototypes 6 to 11 and the comparative product 2 were generally scorched, and had a fragrant and baked flavor.
Moreover, although the prototypes 6-11 did not brown the cheese even after storage at 10 ° C. for 2 months and after storage for 3 months, the comparative product 2 was browned.
[0020]
Example 3
10 kg of cheddar cheese (manufactured by New Zealand Daily Products, aged for 10 months) was cut into a shred shape (6 × 30 × 3 mm). Next, 40 g of D-glucosamine hydrochloride, 50 g of lactose, 100 g of cellulose as an anti-binding agent, and citric acid as a weak acid having a carboxyl group were mixed as shown in Table 6 to obtain a mixed powder. This powder was applied to shred cheese and adhered to the cheese surface to prepare prototypes 12 to 14.
[0021]
[Table 6]

[0022]
A baking test was performed in the same manner as in Example 1, and the burnt eyes and the baking flavor were evaluated.
The results are shown in Table 7.
[0023]
[Table 7]

[0024]
As shown in Table 7, the prototypes 12 to 14 were generally scorched. In addition, the prototypes 12 and 13 were fragrant and had good baking flavor, but the prototype 14 was not preferable because the acidity derived from citric acid was felt strongly. From this, citric acid can be attached to the cheese in an amount of 0.1 to 1.0% by weight, so that it can be imparted to the whole as well, and a cheese having a good baking flavor can be obtained. all right.
Furthermore, when the prototypes 12 to 14 were stored at 10 ° C. for 3 months, the prototypes 12 to 14 did not brown during storage, but the prototype 14 was whitened with cheese and hardened.
[0025]
Example 4
10 kg of cheddar cheese (manufactured by New Zealand Daily Products, aged for 10 months) was cut into a shred shape (8 × 30 × 3 mm). Next, 20 g of lactose and 20 g of trisodium citrate as a weak acid salt having a carboxyl group were dissolved in 100 g of water to prepare a solution. This dissolved solution was sprayed so that 0.05 g adhered to a piece (1 g) of cheese. After spraying, the cheese was dried and cooled, and 1 g of cellulose was sprayed as an anti-binding agent per 100 g of cheese to prepare prototype 15.
A baking test was conducted in the same manner as in Example 1 to evaluate the burnt eyes and the baking flavor.
These results are shown in Table 8.
[0026]
[Table 8]

[0027]
As shown in Table 8, the prototype 15 was generally scorched and had a fragrant and baked flavor.
Furthermore, when the prototype 15 was stored at 10 ° C. for 3 months, there was no quality deterioration without browning during storage.
[0028]
Example 5
Cheddar cheese and Gouda cheese were blended at a ratio of 60:40 to prepare 5 kg of raw cheese for process cheese. To this raw material cheese, 90 g of cheesemin 1 (manufactured by Tanabe Seiyaku) and 30 g of cheesemin 3 (manufactured by Tanabe Seiyaku) as molten salt, water so that the water content is 46%, and baking soda so that the pH is 5.9 Each was added, and it emulsified by heating to 80 degreeC, stirring at 100 rpm with a low-speed emulsification pot. The obtained emulsion was cooled to 2 ° C., drawn out on a stainless steel belt into a 3 mm thick sheet, cooled to a product temperature of 5 ° C., and then cut into 75 × 80 × 3 mm slices. Next, 100 g of lactose and 150 g of trisodium citrate as a weak acid salt having a carboxyl group were mixed to obtain a mixed powder. This powder was uniformly sprinkled with 0.1 g of sliced cheese (20 g) on cheese to obtain prototype 16.
One sliced cheese was put on bread (six slices), a baking test was performed in the same manner as in Example 1, and the burnt eyes and the baking flavor were evaluated.
The results are shown in Table 9.
[0029]
[Table 9]

[0030]
As shown in Table 9, the prototype 16 was generally scorched and had a fragrant and baked flavor.
Furthermore, when the prototype 16 was stored at 10 ° C. for 5 months, it did not brown during storage and there was no quality deterioration.
[0031]
Example 6
Boiled 30 g of macaroni, put this macaroni in a container, put 10 g of sliced onion and 10 g of ham, put 50 g of white sauce on it, and obtained macaroni gratin. 30 g of the prototype 3 prepared in Example 1 was sprinkled on the macaroni gratan, the container containing the macaroni gratan was sealed with a wrap, rapidly frozen at −30 ° C., and stored in a freezer for one day. Further, 30 g of Comparative Product 1 was sprinkled in place of Prototype 3, and macaroni gratan was obtained in the same manner.
When the frozen macaroni gratan was cooked in an oven at 200 ° C., the macaroni gratan sprinkled with the product 3 of the present invention started to burn after 8 minutes, and after 9 minutes had a good burnt surface and a savory baked flavor. . On the other hand, the macaroni gratan on which the comparative product 1 was placed started to burn after 15 minutes, but the burnt eyes and the baked flavor were inferior to the macaroni gratan sprinkled with the prototype 3 even after 20 minutes.
[0032]
【The invention's effect】
The present invention provides a cheese which browns by cooking for a shorter period of time by attaching a weak acid having a saccharide and a carboxyl group and / or a salt thereof to the cheese surface, and exhibits good burnt eyes and a savory baked flavor. it can.
Even if it preserve | saves at the temperature of 10-18 degreeC by using saccharide | sugar, the cheese of this invention will become a thing which does not brown easily during a preservation | save.
The cheese of the present invention is easily browned by shorter cooking time by using a weak acid having a carboxyl group and / or a salt thereof.

Claims

A weak acid having a carboxyl group and / or a salt thereof, which is one or more organic acids selected from saccharides and citric acid, malic acid, acetic acid, fumaric acid, tartaric acid, succinic acid, lactic acid, and gluconic acid are attached to the cheese surface. Cheese characterized by being.

The cheese according to claim 1, wherein the weak acid having a carboxyl group and / or a salt thereof adheres to the cheese in an amount of 0.1 to 2.0% by weight.

The sugar according to claim 1 or 2 , wherein the sugar is attached to 0.02 to 3.0% by weight with respect to the cheese.

The cheese according to any one of claims 1 to 3, wherein the saccharide is one or more selected from lactose, fructose, sucrose, glucose, galactose, amino sugar, or a sugar derivative.

A method for producing cheese, characterized in that a weak acid having a saccharide and a carboxyl group / or a salt thereof is attached to the cheese surface.

A food for cooking, wherein the cheese according to any one of claims 1 to 4 is topped.